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2006年10月09日

ハイバイ『無外流、津川吾郎』終演後のトーク(岩井秀人&岩井通子)10/08渋谷ギャラリー LE DECO

 ハイバイ『無外流、津川吾郎』のポスト・パフォーマンス・トークにお邪魔しました。出演者は主宰の岩井秀人さんと岩井通子さん(岩井さんのお母様)。

 岩井秀人さんは4年間のひきこもり経験があるそうです。それを見守ってきたお母様の岩井通子(いわい・みちこ)さんは臨床心理士。一言ひとことに重みがあり、いや、重みがありすぎて、たまんないほど泣けちゃいました。下記、印象にのこった言葉の記録です(言葉は正確ではありません)。敬称略。

 通子「臨床心理士という仕事は、やってきた人(患者)の言うことを、ただ聞くこと。その人の気持ちになって。そしてずっとその人のそばにいるということです。」

 秀人「16歳から20歳までひきこもっていた。ずっとサッカーのゲームをやっていた。母ちゃんがWOWOWに入ってくれた。」

 通子「薄い壁の上を息子は歩いていて、あちら側とこちら側、どちらに落ちるのかな、と。あっちに落ちてしまうのか、こっちに戻ってきてくれるのか(あっちとは“病気”のこと)。もしあちら側に行ったとしたら、私はそのためにこの仕事(臨床心理士)をしてきたんだと思おうと思っていた。」

 通子「ただ、待ってました。あぁ、“待つ”ってこういうことを言うんだなと思いました。」

 通子「秀人が桐朋学園に入学し、「自画像」という発表を見た。演劇をやっている人は、誰もがトラウマを抱えているんだなと思った。」

 通子「息子が演劇を始めて、今、こんなに沢山の人に観てもらえるようになるなんて、思っていなかった。最後まで一人でも(息子がたった一人になり、観客も自分一人だけになっても)観るか、と決めていた。」

 通子「息子の芝居を観客として観ています(サイコドラマ的視点などではなく)。(彼が変わったというよりは)観客の自分が成長したなと思います。息子の芝居は決してわかりやすいものではない。最初は一緒にバスに乗って、荒野に降ろされたような気分だった。徐々に、荒野に降ろされても泣かなくなって、今は(荒野からの)帰り道を楽しんで帰れるようになった。」

 通子「ひきこもりの子供を持つと、親もひきこもる。気分的に。だって外に出て『息子さん、どう?』などと聞かれたくないから。」

 通子「(もしひきこもりの子供を持つことになったら)その時真剣に考えて、これがいいと思ったことをやる。それでいいんだと思います。」

 秀人「内にこもっているといわれる(実際そうだ)小劇場の世界で、それには距離を置きたいと思った(だからプレビューをやった)。」

出演:岩井秀人 岩井通子
ハイバイ:http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/

Posted by shinobu at 2006年10月09日 10:00 | TrackBack (0)