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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年10月26日

ONEOR8『電光石火』10/24-31THEATER/TOPS

 ONEOR8(ワンオアエイト)は田村孝裕さんが作・演出される劇団です(過去レビュー⇒)。田村さんは外部演出や脚本提供などもされている、今注目の若手劇作家・演出家なんですよね(脚本提供作品のレビュー⇒)。

 小さな材木屋の、ある兄妹たちのお話。ほほえましくも身につまされて、自分のこれからの人生に、じんわりと思いを馳せました。過去からも今からも、絶対に逃れられないんだなーと。だったらそのまんまを愛せばいいんだなーと。

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 レビューをアップしました(2006/10/27)。

 舞台は八木材木店の事務所兼休憩室。ワンマン社長の八木(木村靖司)はある事故で左足を負傷して、プロ野球選手になる夢を断念しました。社員にも家族にも傲慢に、乱暴に振舞う八木に、起こるべくしてやってきた修羅場だらけの一日を描きます。

 どんな人にも夢があって、大切な人がいて、切羽詰った生活がありますよね。自分のことがあまりに大切で、他人のことが見えなくなります。言葉を交わしても交わさなくても、なかなかわかりあえません。そうやって絶望的にかみ合わない身近な人間同士のコミュニケーションを、悲しみながら、いとおしみながら、嘘なく描こうとした作品だと思いました。

 個性がはっきりとしたキャストが揃っていましたね。役者さんのキャラを生かして(もしくは特徴のあるキャラを作って)、意図的に笑いを盛り上げていたように感じました。賑々しさがあって良い面もあったと思いますが、全体としてはデコボコしていて、途中でぶつぶつと途切れているように感じました。私が拝見したのが3ステージ目でしたので、きっと徐々に良くなるのだと思います。

 ここからネタバレします。

 誰かが去ることによって、特定の誰かが残るのがとても自然なんですよね。兄(木村靖司)、姉(藤田記子)、妹(冨田直美)の3人だけが残った瞬間、「あぁ、彼らは、兄妹なんだ!」とまざまざと見せ付けられて、涙がこぼれました。

 元・女房(福島まり子)に縁を切られて、同棲していた女(和田ひろこ)にも、一緒に働いていた仲間(野本光一郎&冨塚智)にも去られたのに、八木は凝りずにまた女教師(今井千恵)を連れ込んでいました。野球のユニフォームを着て得意気な八木を見て、「バカは死ななきゃ直らないな~」と苦笑いしながら眺めました。ええ、バカとはすなわち私自身のことですとも(笑)!

 チラシの「エイトマン」は八木の社会人野球選手時代のニックネームで、彼の応援歌はその主題歌だったということでした。タイトルと内容とのやんわりとしたつながりが粋ですよね。

出演=野本光一郎/冨田直美/冨塚智/和田ひろこ/平野圭/今井千恵/藤田記子(カムカムミニキーナ)/田口朋子/成瀬功(マーク義理人情)/庄島康哲/福島まり子/木村靖司(ラッパ屋)
作・演出=田村孝裕 舞台美術=松野潤 照明=和田典夫(満平舎) 照明操作=横幕絵美 音響=藤平美保子 舞台監督=村岡晋/藤林美樹 宣伝美術=美香(Pri-graphics) 宣伝写真=岩田えり 制作補=松尾由紀 制作=神野和美
9/20発売 全席指定 前売¥3000 当日¥3300 ☆26日(木)14:30のみ 前売¥2500(当日は通常料金¥3300)
公式=http://homepage2.nifty.com/oneor8/

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Posted by shinobu at 2006年10月26日 18:25 | TrackBack (0)