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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年11月12日

音楽座ミュージカル/Rカンパニー『リトルプリンス』11/09-19東京芸術劇場中ホール

 大好きなので、なるべく観に行くようにしている音楽座ミュージカル(過去レビュー⇒)。過去に上演された音楽座ミュージカル『星の王子さま』とは、一味違う演出が加えられているそうです。そういえば原作にないエピソードもありました。

 私が観た回(11/12マチネ)のキャスト⇒小林高鹿(飛行士)/吉田朋弘(キツネ)/井田安寿(花)/秋本みな子(黄花)/森川次朗(ヘビ)/山合大輔(点燈夫)
 ペンギンプルペイルパイルズ小林高鹿さんはミュージカル初出演だそうです。

 終演後にキャストが劇場ロビーに登場!写真撮ったりサインもらったり・・・こんなのいいの?って驚きましたが、どうやら毎回やってくれてるそうですよ。

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 あらすじは原作の「星の王子さま」とほぼ同じですので、詳細は“星の王子さま公式ホームページ”でどうぞ。TBS「ミュージカル『星の王子さま』」公式ブログもあります(2005年の再演情報。私は初演を拝見)。

 前半はすっごく良かったです。かなり感動して涙もほろり。でも後半は全体的に退屈してしまいました。私は日本人のミュージカル独特の役者さんの演技が苦手なので、それも原因でしょう。

 音楽座ミュージカルは、素直で優しい旋律でスムーズに物語の世界に連れて行ってくれます。特にオープニングの飛行士のシーンから砂漠への導入は見事だな~と思いました。あと、前半終了の時も良かったです。今回は特に照明に魅せられました。バラやヘビに当たる色の変化にはゾクっと来ましたね。

 ここからネタバレします。

 飛行士のプライベートを描くシーンから始まって、彼の恋人と王子さまが愛していたバラの花とが重なるのは、面白いアイデアだと思いました。私はうまくハマって、バラが出てくるたびに自分のことを振り返ったりもできました。

 銀色の金属(ステンレスみたいに見える)と透明パネル(?)で作られた装置に、砂の模様の巨大な布を被せて砂漠を表現する美術は、機能的で躍動感もあり、動く姿も美しかったです。
 はちみつ色の夕焼け、バラにあげる冷たいお水などは、肌にしっかりとその感覚がよみがえるような気がしました。照明がとても効果的で美しいです。
 
 王子さまが星を巡る渡り鳥に連れられて旅に出て、色んな星で色んな人々に出会います。
 ・王様(命令ばかりして威張っているが本当は寂しがり)
 ・うぬぼれ男(常に誰か・何かと比べることで自分が一番だと思っている)
 ・呑み助(お酒を飲んでいることが恥ずかしいので、お酒を飲んで忘れようとしている)
 ・実業屋(星に勝手に番号をつけて、自分の所有物だと思い込む/所有することを喜びとする)
 ・点灯夫(「忙しくて休めない」と自分で決めているから休めない)
 ・地理学者(報告を受けて書き写すだけを生業としているから、本当のことは何も知らない)
 彼らが次々と登場するのがスピーディーで、存在の意味もわかりやすく、色々考えながら楽しめました。地理学者は「いつまでも変わらないもの(だけ)を書く」と言うけれど、そんなものはないんですよね。

 王子さまが地理学者に「地球という星に行ってみろ。出会いがたくさんある星らしい。」と勧められ、鳥たちとともに地球に向かうシーンで、星空が客席の天井までぐっと広がったのがすっごく嬉しかったです。私も飛んでいる気持ちでした。
 「♪果てしない空へ 出会いを求めて 探しに行こうよ 必ず見つかる 必ず何かが♪」
 空には満天の星、そして流れ星がひとつ流れます。銀色に輝いていた装置に砂の布がかけられていき、王子さまが地球に到着したことがわかりました。素晴らしい前半の終幕でした。

 後半は王子様役ときつね役に入り込めなかったのがつらかったですね。「ミュージカル『星の王子さま』」でのROLLYさんのきつね役が絶品だったからな~・・・。とても残念でした。
 ヘビの、死の使者としての存在感がなまめかしくてかっこ良かったです。ダンスも好み。
 カーテンコールが晴れ晴れしく、暖かい気持ちになれました。

≪東京、兵庫、神奈川、東京、岐阜、長野、茨城、富山、三重、静岡、栃木≫
出演=野田久美子/小林高鹿/安中淳也/秋本みな子/吉田朋弘/井田安寿/森川次朗/山合大輔/荒川ゆかり/磯貝麗奈/兼崎ひろみ/清田和美/富永友紀/西岡由布子/野口綾乃/間地まどか/新木啓介/萩原弘雄/藤田将範/渡辺修也(ダブルキャストあり)
原作=アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 脚本・演出/ワームホールプロジェクト 音楽=高田浩/金子浩介/山口琇也 振付=上島雪夫 美術=朝倉摂 衣裳=朝倉摂/原まさみ ヘアメイク=宮内宏明 照明=山口暁 音楽監督=高田浩 歌唱指導=桑原英明 音響=実吉英一 テクニカルアドバイザー=北條孝 舞台監督=高瀬洋 美術助手=上村滋子 稽古ピアノ=安西彩絵 エグゼクティブプロデューサー&クリエイティブディレクター=相川レイ子 企画製作=ヒューマンデザイン 主催=ヒューマンデザイン/TBS
ミュージシャン=高田浩(シンセサイザーⅠ)/安西彩絵(ピアノ)/石川亮太(シンセサイザーⅡ)/槐太郎(リード)/清野圭子(チェロ)/加藤亜衣(パーカッション)
S席9,870円 A席 7,770円 B席 5,670円ファンクラブおよびWeb予約割引あり。
公式=http://www.ongakuza-musical.com/

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Posted by shinobu at 2006年11月12日 22:16 | TrackBack (0)