REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2007年04月30日

さんだる『ハートブレイカー「僕は卒業します」』04/26-27キッド・アイラック・アートホール 

 朗読組さんだるは山本佳希さん(朗読者)、板垣恭一さん(演出)、小林章太郎さん(音楽・演奏)の朗読企画です(過去のレビュー⇒)。

 劇場公演が始まってから皆勤賞の私。平日2ステージのみでしたが都合をやりくりして何とか伺えました。3回ごとにテーマを変更しているそうで、第一期は日本近代文学、第二期は物語(だったと思う)、そして今回から始まる第三期はドキュメンタリーだそうです。

 レビューをアップしました(2007/05/01)。

 山本佳希さんの高校時代の同級生(西尾剛さん)が書いたブログ「Nのブログ~竹内との戦い~」に少々手を加えて上演台本にし、生演奏と照明を加えた朗読公演だったのですが・・・これがすっごく面白かった!神戸の不良・男子高校生ナガオが、ヤクザのような担任の体育教師サトウチと対峙する波乱万丈の学校生活をつづります。関西弁ならではのネタ振り・オチ、ボケ・つっこみに大笑いしながら、生徒と教師の男らしい本音のぶつかりに涙しました。実話っていうのがまた凄いんですよね(ブログの内容はほとんど変えていないそうです)。なんと神戸公演には担任の先生が実際に劇場に来られたとか!

 神戸出身の山本さんがご自身の高校時代のことを語るわけですから、その臨場感たるや尋常ではありません(笑)。私も関西出身で関西ならではの公立高校の様子っていうのはよくわかりますから、暴力を振るう体育教師や不良の男子学生などはまさに目に浮かぶようでした(十数年以上前の話ですが)。山本さんの力の抜けた鋭い突っ込みや、ムダに大声な怒号がまた素晴らしかったんですよね~。「おんどらナメとんのかコラっ!!」って(ほとんどギャグだよね、文字で書いてみると・笑)リアルな関西弁が良かったな~。あ、でもちょっと噛みすぎでもったいなかったけど。

 音楽はオリジナルやカバーを含めて板垣恭一さん(演出)、小林章太郎さんのギター演奏でした。板垣さんは人前でギターを弾くのは20年ぶりだったそうです。多才ですねぇ。朗読終了後は小林章太郎さんのライブ(2曲披露)がありました。小林さんはThree Dewという姉弟バンドのメンバーでもありますが、SONY MUSICと作曲家契約も結ばれたそうで、今後のご活躍に期待したいです。演劇方面ではハラホロシャングリラの次回公演で音楽を手がけられるとか。山本さんは朗読のお仕事も始められたそうです。さんだるは今回が第7回ですものね、長く続けることでさらに次の何かが始まり、実を結んでいくんだと思います。

 ここからネタバレします。ぜひ再演していただきたいです。テレビドラマにも合うんじゃないかな。

 進級に必要な出席日数分しか学校に通う気がなく、いつも2~3時間目以降にしか登校しない、いわゆる“不良”のナガオと、なぜか校舎内でもサングラスをかけ、生徒を暴力で脅す(てゆーか実際に暴力を振るう)体育教師サトウチとが、互いの本音(下心)と生き様をさらして、友情とも言える厚い関係性を築いていく約2年間が語られます。

 サトウチが遅刻・欠席し続けるナガオのことを「生徒の中には人より早く大人になってしまう生徒もいる」と認めたうえで、「俺は出世がしたい。自分のクラスから落第者が出るのは、まずい。だから俺はお前をしばく。」と言い切ったのには爆笑でした。そして「将来の夢を“レコード大賞”と書く奴のために、俺は何もしてやれない。」と言ってナガオに謝り、「大学に行くのも就職するのもそういう(音楽の)道に進むのも、同じことだ。だからバンド活動で欠席する時は俺に言ってからにしろ(無断欠席にならないように)。」と応援してくれたり・・・こんな先生、いたんだね~。

 山本さんが登場人物になりきって熱く関西弁で話したり、先生のモノマネをされたり、かなりエンターテインメント性に富んだ演出でした。感動を呼ぶエピソードの終わり際にベタになりすぎる気配もありましたが、それも山本さんの柔和なキャラクターのおかげで私の許容範囲内でした。

≪東京プレビュー、神戸、東京≫
西尾剛「Nのブログ~竹内との戦い~」より
出演=山本佳希/板垣恭一(演奏)/小林章太郎(演奏)
朗読=山本佳希 演出=板垣恭一 音楽=小林章太郎 照明=坂本明浩 宣伝美術=田端一彦 制作協力=オフィス・REN(藤野和美/荘司雅子) 制作=宮田さゆり(オフィス・REN) 企画・製作=さんだる 
2000円(全席自由・要予約)
http://ameblo.jp/base-info

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2007年04月30日 23:30 | TrackBack (0)