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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年08月16日

Oi-SCALE『ロールシャッハ』08/16-19シアタートラム

 林灰二さんが作・演出されるOi-SCALE(オイ・スケール)。シアタートラムでは2度目の公演ですね(⇒1度目)。

 まだ完成していないんだな~・・・と探り探りだった約2時間20分。でも林さん独特の世界は健在でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ロールシャッハ

 ≪あらすじ≫
 車で人をはねてしまった女・節子(さとうやすえ)。同じく交通事故の加害者の男・弌哉(いちや:村田充)。病院で一緒になった2人の世界は少しずつリンクしていく。
 ≪ここまで≫

 どうしようもない不良青年たちの行き止まりの日々。抜け出せる希望が持てない病院生活。若者の吐き捨てるような言葉の中に、皮肉なユーモアが散りばめられます。さらり、ぽつりと語られる言葉に林さんらしい可愛らしさや子供っぽさを見つけて、クスっと笑ったり、寂しさに共感したり。

 複数の場所と時間がどんどん入れ替わるのは、やはり映画的だな~と思いました。もっとテンポが良くなるといいですね。

 真っ黒な世界の中にさし色の赤が効いているシンプルな抽象舞台でした。テレビモニターが数台配置されていて、グラフィック映像(文字や動画)を流します。照明は全体的に暗く、変化も少ない目です。いつもながら音楽が良かったですね。でも照明や映像、音響などのスタッフワークは、全体的にもっと洗練させられると思いました。

 ここからネタバレします。

 死体を樹海に埋めに行く若者たちと、事故(?)で人を殺してしまった病人たちの世界が交錯します。2つは徐々に近づいて交わり、現実から幻想的なものに変わっていきます。
 節子(さとうやすえ)がブレーキを踏まずにつっこんで殺したのも、節子の元恋人(三浦知之)が殺して埋めようとしているのも、同じ稲田(かあきじいんず)という男だったかもしれない。弌哉(村田充)が車ではねたのは、同じ病院に入院しているる少女だったかもしれない。車椅子に乗っているけど歩くことができた弌哉だが、本当は全く歩くことができない精神病患者だった・・・かもしれない。

 サラリーマンがゴミ袋の中から出てきたり、動物園の檻の中にいたり、コミカルな風刺がありました。面白いと思うので、もっと効果が出て欲しいですね。

出演=さとうやすえ/星耕介/村田充/林灰二/三浦知之(InnocentSphere)/中泉裕矢(経済とH)/トモヒカン/川崎賢一/大政知己(サモ・アリナンズ)/小坂萌/大林小夏/吉田テツタ/かあきじいんず(Rel-ay)/河合咲/西畑聡(劇団ボスカレ)/清水慎太郎/中野博文/利斗流t.k.o/小山待子/加藤芙実子
作・演出:林灰二 舞台監督:高橋大輔+至福団 照明:杉本公亮 音響:田島誠治(Sound Gimmick) 映像:八木雄一郎 小道具:中島香奈子 當間英之(野鳩) 演出協力:かあきじいんず(Rel-ay) 演出部:福本朝子 戸田美江 加藤芙実子 映像記録:原口貴光(帝斗創像) 大道具:C-COM舞台装置 小道具協力:至福団 高津映画装飾 映像機材協力:帝斗創像 ヘアメイクアドバイザー:武井優子 宣伝美術・WEB:清水慎太郎 楽曲提供:DEADPHONES(tuba...disk) 制作:堀田末苗 企画・製作:Oi-SCALE 僕AREA←Spectators〔B.A.S.〕
【発売日】2007/07/01 一般3,300円/当日3,500円 友の会会員割引 3,000円 世田谷区民割引 3,100円
http://www.oi-scale.com/oiweb/rorschach/rorschach.html

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Posted by shinobu at 2007年08月16日 23:44 | TrackBack (0)