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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年09月06日

空間ゼリー『穢(けが)れ知らず』08/31-09/09ザムザ阿佐谷

 空間ゼリーは坪田文(つぼた・ふみ)さんの戯曲を深寅芥(みとら・あくた)さんが演出するスタイルを続けている劇団のようです。出演者の平均年齢はなんと20歳。若いですね~。日本大学芸術学部演劇学科の女性中心に結成され、主宰・作家の坪田さんは現在も大学院に在学中とのこと。

 ダブルキャスト公演で、私が観たのは蜜柑バージョンです。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『穢れ知らず

 ≪あらすじ≫
 故郷と家族を捨てて上京していた長女(岡田あがさ)が、6年ぶりに帰省した。でも家族全員が彼女を歓迎しているわけではなかった。それどころか・・・。
 ≪ここまで≫

 舞台は古い日本家屋の居間。ザムザ阿佐ヶ谷のムードをよく利用しています。作品の内容もそんな感じに染まっていました。アングラっぽくって私の好みではなかったです。「アングラ」の定義は人に因ると思いますが。

 脚本は重複が多いように思いました。役者さんの演技はおぼつかなかったですね。
 誰もがざぶとんを踏みまくってることに違和感。誰にも見える場所に金庫が置いてるのもヘンだと思いました。

 ここからネタバレします。

 金庫が盗まれてその犯人もわかったなら、まず警察に電話すると思います。盗まれたとわかった途端、その場で家族全員を集めて家族会議を開き、「我が家は困窮しているんだ」と報告をするのはおかしいと思いました。

 「知ってしまったら忘れることはできない」とか、「汚れは洗い落とせない(インターネットという網にかかって、過去のことも常に明るみに出てしまう)」とか、そういう現実を悲劇的に描いていました。
 AV女優になってしまっていた長女を、長男(長女と両思い)が殺してしまうという結末でした。悲劇のヒーロー・ヒロインの自己陶酔で終わってしまったように感じました。どうせなら「それでも人間は生きていかなければいけない」ところの悲劇が観たいです。

出演(一部ダブルキャスト)=岡田あがさ/下山夏子/佐藤けいこ/河野真衣/榎本万里子/細田喜加/冬月ちき/猿田瑛/豊永純子/大内結(FLOS)/篁薫/水谷一人/鈴木雄三/尾浜義男/宮原将護(Mademoiselle)
作=坪田文 演出=深寅芥 舞台美術=塚本好宏 舞台監督=笹浦暢大(うなぎ計画) 照明=稲崎愛歩 音響=筧良太(SoundCube) 竹下ヨシユキ(Lotus.) 宣伝美術=寺尾匠 宣伝写真=小峰あいか 照明監修=北寄崎嵩 制作=金沢仁(Artbiz) 製作=空間ゼリー/(株)アップフロントワークス 主催=空間ゼリー/(株)オデッセー
【発売日】2007/07/15 日時指定・全席自由 前売3000円 当日3500円
http://www.kuuze.com/

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Posted by shinobu at 2007年09月06日 23:45 | TrackBack (0)