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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年05月02日

楽塾『ぜ~んぶ書きかえたロール・プレイン・ザ・バグ』04/29-05/06 Space早稲田

 楽塾は「毎週日曜稽古、半年前から土日稽古、本番2週間前から夜稽古」というスケジュールで11年間も続いている、平均年齢56歳のアマチュア女優さんの劇団です。演出は流山児祥さん。※毎日新聞では平均年齢57歳と掲載。

 去年に続いて毎年ゴールデンウィークに行われる演劇公演を拝見しました。脚本は北村想さんの楽塾への書き下ろし新作です。上演時間は約1時間20分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ぜ~んぶ書きかえたロール・プレイン・ザ・バグ
 レビューをアップしました(2008/05/04)。

 ≪あらすじ≫
 東京から北海道へ飛んでいた飛行機が何らかのトラブルで不時着した。11人の生存者は協力し合って救助が来るまで生き延びようとするが、どうやらここは日本のどこかではないらしい。
 ≪ここまで≫

 時事ネタや問題提起も含んだファンタジー歌劇。内輪ネタもほどほどにあり、楽塾のために書き下ろされたのがよくわかる脚本でした。
 おそらく50代より年上の方々にはわかるのであろうナツメロが歌われます。知らない歌ばかりで私は置いていかれてしまいましたが、客席は大いに沸いていました。

 お年を召したアマチュア俳優による演劇というと、山の手事情社『ひかりごけ』が傑作でした。何が“アマチュア”で何が“プロ”なのかって、今の日本の演劇界では決め手がないんですけどね。もちろんこの楽塾についても同様です。私は「自分はプロだ」という自覚がない人はアマチュアだと考えることにしています。

 ごく普通の市民が11年間、毎年演劇を発表し続けているということが、お友達やご家族以外のファン獲得にもなっているのでしょう。作品全体としては私は楽しめませんでしたが、前作に続いて「素敵だな~」と思う女優さんもいらっしゃって、舞台で自分をさらすことが人間を輝かせるのだと、改めて実感できる機会にもなりました。

 ここからネタバレします。セリフはうろ覚えです。

 老人による暴力が増えているとの話題。新しいカタカナの言葉が氾濫して、お年を召した方が若い人と会話をしづらくなっているということには、私もとても共感します
 「世間と自分がちょん切れちゃってるのさ」
 たしかに、他人に暴力を振るうと直接的に社会とつながりますよね。もっと言葉に対して謙虚にならなきゃと思いました。流行(言葉)に馴れ合っちゃいけないですね。

出演:めぐろあや、菊池磨菜、内藤美津枝、小森雅子、二階堂まり、高野あっこ、西川みち子、杉山智子、いそちゆき、桐原三枝、川本かず子、流山児祥、肝付兼太(声の出演)
脚本:北村想(新作書き下ろし) 演出:流山児祥 美術:小林岳郎 照明:ROMI 振付:竹村絵美 音楽:諏訪創  舞台監督:武田智弘 映像:工藤真路 宣伝美術:山中桃子 Flyer-ya 協力:伊藤しずよ 宮沢智子 制作:楽塾 米山恭子 主催:流山児★事務所
【発売日】2008/03/03 日時指定・自由席(定員制) 前売り:2,800円 当日:3,000円 学生割引:2,500円
http://www.ryuzanji.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年05月02日 00:49 | TrackBack (0)