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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年05月20日

百景社『百景社の「授業」』05/14-18アトリエ・センティオ

 百景社は茨城県つくば市を拠点に活動する劇団です。座付き演出家は志賀亮史さん。

 イヨネスコの『授業』を省略したりせず体当たりで上演。上演時間は約1時間20分。2本立て公演でA.C.O.A.『A+』も上演中でした。観られなくて残念。

 atelier SENTIOで開催中の演劇フェスティバル“SENTIVAL!”トップバッターの公演でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『百景社の「授業」

 『授業』は昨年末に観た公演がとても刺激的だったため、今作のようないわばオーソドックスな解釈には少々物足りなさを感じました。百景社は室内劇場ではなく田んぼなどの野外公演に力を注いでいる団体なので、今回はいわばアウェイの公演なのかもしれません。

 そして、残念ながらどうしても私には受け入れられないポイントがありまして・・・。個人的に、女優さんがわざとブサイクな顔を作ることが非常に苦手なんです。この作品での2人の女優さんは、むやみにブサイクに静止する顔をなさっていました。お2人とももともとのお顔は普通より可愛らしいぐらいではないでしょうか。

 変な顔をして静止する演技の裏には「役者が羞恥心という殻を破って頑張っているのが評価される」とか「とりあえず可笑しい顔になるから笑いが起こる」とか、そういう思惑があるような気がします。でもそんなことは簡単には起こらないんですよね、実際は。“変な顔”ってバリエーションが極端に少なくなるのが常です。キュっと力を入れてその変な顔をすると、人間はだいたい同じ表情ばかりを作ることになります。それもカチカチに固まったような。

 教授役の村上厚二さんの、熱演と評するだけに終わらない堂々とした超絶長台詞は凄かったですね。役者には限界なんてないのかも!観客の欲望にも限界はないですが(笑)。

 ここからネタバレします。

 教授がパンツ一丁になってから、女に対して窓際のイスを示し、「こっちへ来いっ!!!!」と叫びます。体力的にも精神的にも完全に振り切れた感じで、このセリフの瞬間はリアリティがありました。
 また、こちらのレビューにも書かれていますが、女が空気イスの体勢になり、その膝の上に教授が座っていた時は女優さんも魅力的でした。

atelier SENTIO特別企画 SENTIVAL!参加作品
≪栃木/東京≫
出演:村上厚二(教授)/山本晃子(若い女)/鬼頭愛(女中)
作:ウージェーヌ・イヨネスコ 演出:志賀亮史 舞台美術:森岡美希 制作:中尾栄治
【発売日】2008/04/25 全席自由席 一般:前売り2,000円/当日2,500円 学生:前売り1,500円/当日2,000円 A+セット:前売り3,000円/当日3,500円 A+のみ:前売り1,200円/当日1,500円
http://www17.plala.or.jp/hyakkeisya/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年05月20日 20:45 | TrackBack (0)