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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年11月08日

わらび座『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」』11/08-16 THEATRE1010

 わらび座のミュージカル「火の鳥~鳳凰編」を北千住のTHEATRE1010に観に行ってきました。今年のお正月に稽古場レポートを書かせていただいて以来、これで本番を観るのは3度目です(舞台写真のある過去レビュー⇒)。初演メインキャストが変更になってからは初めて伺いました。上演時間は約2時間休憩なし。

 うーむ・・・やっぱり素晴らしかった・・・!!終盤の怒涛の展開は何度観ても引き込まれ、そしてあまりに美しい景色に愕然とします。ミュージカルをリピートする観客の気持ちがわかりますね。とうとうCDを買ってしまった(笑)。

 ※シアター1010での公演は11/9(日)、11/15(土)、11/16(日)のみ(すべて14:00開演)。速魚役に初演キャストの碓井涼子さんが出演するのは11/15(土)、11/16(日)です。今は『天草四郎』に主演中なんですね。どうぞお見逃しなく!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」

 今回の収穫はなんと言ってもブチ役の末武あすなろさん。初演の今泉由香さんも魅力的でしたけど、末武さんもまた素晴らしかったです。ずっと彼女ばかりを追いかけてしまいました。声が澄んで、伸びて、美しいです。演技にも躍動感があります。無邪気な子供のように元気ですが、線が細い目なので、それがブチの女としての可憐さにつながります。茜丸(戎本みろ)への恋も健気で良かったです。

 ここからネタバレします。

 終盤の茜丸が邪心に染まってからの展開がやはり凄い。ちょっと乱暴な言い方ですが、前半がどういう状態であっても、このミュージカルはここで絶対に成功するんだろうなと思いました。涙、涙で大変ですよ、もう(苦笑)。ラストに現れる日の光が射すホリ幕の神々しさは、また格別でした。

 我王役はパク・トンハさんからバトンタッチした三重野葵さん。私は初めて拝見しました。わらび座ではよく主役を演じてらっしゃる方なんですね。歌はトンハさんに比べるともうちょっと、というところでしたが、演技にはとても引き込まれました。茜丸に告発されて右手を切り落とされた後の、じっと静止しているところが良かったです。『坊ちゃん』を観に行けばよかったな~。

手塚治虫生誕80周年記念・ミュージカル
出演:我王/三重野葵 茜丸/戎本みろ 速魚/佐藤明日香 ブチ/末武あすなろ 橘諸兄/椿康寛 吉備真備/中山城治(フリー) 藤原仲麻呂/尾樽部和大 良弁/本間識章(フリー) 若者/長掛憲司 若者/森山晶之(劇団M.M.C) 役人/内田勝之(オフィスPAC) ミカド/飯野裕子 川の精/窪寺杏 川の精/山口貴久子 川の精/小林すず 火の鳥(声)/新妻聖子
原作:手塚治虫 演出:栗山民也 脚本:齋藤雅文 音楽:甲斐正人 美術:妹尾河童 演出助手:栗城宏 振付:田井中智子 振付助手:高田綾 歌唱指導:矢部玲司 歌唱指導助手:紫竹ゆうこ 舞台監督:石井忍・板子光男 稽古場助手:黒木いづみ 制作:渡辺澄子 広報:押久保陽子/尾﨑隼 協賛:手塚プロダクション・角川書店
S6000円 A5500円
http://www.warabi.jp/hinotori/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年11月08日 17:32 | TrackBack (0)