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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年06月26日

さいたまゴールド・シアター『アンドゥ家の一夜』06/18-07/01彩の国さいたま芸術劇場小ホール

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劇場前のポスター

 蜷川幸雄さんが演出を手がける、平均年齢70歳(!)の劇団さいたまゴールド・シアターの新作です。現在、団員数は42名。『95kgと97kgのあいだ』を観て大ファンになってしまいました。

 脚本を手がけるのは、端から見ていてあまりに多忙そうなゆえ、勝手に「初日の幕は開くのかしら・・・」と心配になってしまう、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん。でも初日は無事に開いたようで、私は4ステージ目に伺いました。上演時間は約3時間20分(休憩15分を含む)。

 劇場内でさいたまゴールド・シアターの写真展も開催中です。とっても良かった~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『アンドゥ家の一夜

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 彼らが50年ぶりの再会を果たしたのは、学生時代の恩師、安藤の危篤の報せを受け取ったからだ。そこはポルトガルに建つ安藤先生の豪邸。隣家の老夫婦は「アンドウ」が発音しにくいのか、「アンドゥ」と呼ぶ。やがて「最期の瞬間」に立ち合うべく集まる、アンドゥの人生を彩ったたくさんの人々。あたかも全員が揃うのを待つかのように続く、アンドゥの小康状態――――

 人生の終焉を目前にした男と、彼をとりまく人々を独自の視点で見つめ、この世の不条理と、人間の愚かさ、逞しさをユーモラスに描く、ケラリーノ・サンドロヴィッチ渾身のブラック・ファンタジィ。
 ≪ここまで≫

 40人強の年配の役者さんが皆で一緒に歩くのを見るだけで、またもや涙がぼろぼろとこぼれてきてしまいました。皆さんそれぞれの体に、人生そのものがにじみ出ているように感じます。

 若かりし頃の(50年前!?)の恋とか、現在進行形の不倫とか、もう、煩悩ばっかり!(笑)。ケラさんならではのすっとぼけた、もしくは、毒の効いた笑いもいっぱいで、何度か大笑いしました。ただ、さすがに3時間20分は長かったかも。

 ちょこっとネタバレします。読んでから観に行っても問題ないと思います。

 会場に入ると、豪華な装置の上にすでに大勢の年配の役者さんが!中には黒いTシャツにズボンの若いスタッフさんもいるようです。なんと蜷川さんもいらっしゃる!手に台本を持っている方も多く、開場時間に皆さんで台本確認中??・・・あぁ、楽しすぎる。これだけでも埼玉まで来て良かったと思いました。チケット代3000円は格安です。

 さいたまゴールド・シアター、ヤン・ファーブル、コンドルズというラインアップ↓ なんて豪華な! 
200906211322000.jpg


 ここからネタバレします。

 蜷川さんがプロンプをやられるなんて、想像だにしませんでした(笑)。しかも通路の階段に座っているなんて!よく見たら、すべて(?)の通路にスタッフさんが台本を持って座っているのです。3方をぐるりと客席が囲む舞台なので、どの方向からもプロンプができるようになっているんですね。

 水色の玉が黒子の釣竿にひっぱられて動く、アナログな演出がツボ(笑)。最後はその玉が光って宙を舞います。またじんわりと涙してしまった。

さいたまゴールド・シアター第3回公演
出演:さいたまゴールド・シアター(中野富吉/益田ひろ子/田内一子/小川喬也/髙橋清/佐藤禮子/ちの弘子/倉澤誠一/遠山陽一/葛西弘/宅嶋渓/大串三和子/加藤素子/寺村耀子/石井菖子/小渕光世/吉久智恵子/竹居正武/美坂公子/北海雅章/田村律子/関根敏博/宇畑稔/林田恵子/小林允子/徳納敬子/石川佳代/滝沢多江/宮田道代/重本惠津子/森下竜一/竹居正武/神尾冨美子/高田誠治郎/中村絹江/小林博/百元夏繪/谷川美枝/都村敏子/上村正子/渡邉杏奴/西尾嘉十)
脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:蜷川幸雄 演出補:井上尊晶 美術:中越司 照明:岩品武顕 衣裳:小峰リリー 音響:市川悟 振付:広崎うらん 演出助手:藤田俊太郎 舞台監督:山田潤一  宣伝イラスト:山本容子 宣伝美術:坂村健次(C2design) 制作統括:渡辺弘 武井裕之 技術統括:山海隆弘 営業宣伝:藤田努 鶴貝典久 小林辰郎 瀧澤晶子 票券:鈴木勇一 松井哲 制作助手:三浦紗奈弓 インターン:岩山有子 岡島裕紀 設楽咲紀 制作:松野創 高木達也 田中謙介 主催・企画・製作:財団法人埼玉県芸術文化振興財団
【発売日】2009/04/18 一般:3,000円 メンバーズ:2,700円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2009/p0618.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年06月26日 00:19 | TrackBack (0)