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REVIEW

2009年09月16日

Bunkamura『コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ・第二部』09/12-10/04シアターコクーン

 第一部に続いて第二部を拝見。セット券で同じ席に座りますので、1日経っていても完全に“続編”の印象。1日で全部観る人と同じですね。上演時間は約3時間(休憩15分を含む)。

 第二部では1846年から1852年までが描かれます。中心人物はゲルツェン(阿部寛)とその妻ナタリー(水野美紀)。ん~ヨーロッパの歴史に詳しくないせいか、前半は追いつけなかったですね~。私のようなタイプは人物相関図だけでなく、あらすじも頭に入れておいた方が良かったかも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 ユートピア社会実現の夢に燃え、祖国ロシアから西欧各地へと旅立つ―。
パリに移住したゲルツェン一家の元に集まる仲間たちは、パリから広がった王政打倒の1848年革命に期待を高めたが、その挫折を目の当たりにする。希望を喪失したゲルツェンは、友人であるドイツ人詩人、ヘルヴェーク(松尾敏伸)とその妻エマ(とよた真帆)を迎え、ニースで奇妙な共同生活を始めるが、流行するロマン主義に影響を受けたゲルツェンの妻・ナタリー(水野美紀)は、ヘルヴェークとの情事に走る。
 青春の時代が過ぎ去り、生活者となった彼らの理想と現実、そして愛する者との別れ―。全てを失ったゲルツェンは、イギリスへ向かう船上で、無政府主義者となり投獄中のバクーニンの幻を見る。破壊と革命への情熱を説くバクーニンに、「現在の幸福も手配できない我々が、未来の幸福を手配しようというのは思いあがりだ」と語る。
 愛と人生を模索しながら、母国・ロシアの迷走を見つめ続ける姿が克明に浮かび上がる。
 ≪ここまで≫

 第一部のメインだった名門貴族バクーニン家の、長男ミハイル(勝村政信)の風体がひどく変貌しています。人間も時代も、ほんの数年でこうも変わるものなんですよね。
 舞台がロシアからフランスなどに移るので、華やかさも変化のスピードも増しているように感じます。バクーニン家の領地プレムーヒノがもう懐かしい。
 
 ゲルツェン(阿部寛)の妻ナタリー役の水野美紀さんは、翻訳劇も蜷川さんの演出も初めてとのことで、今までになく感情の動きが激しい、体当たりの演技を見せてくださいました。迫力。
 ヘルヴェークの妻エマ役のとよた真帆さんがきれい。心の動きが表情にあざやかにあらわれていました。

 それにしても家具や装飾品の転換が凄い。いったい舞台裏はどうなってるんでしょうか(汗)。想像すらできません。

 ここからネタバレします。

 ゲルツェン一家はパスポートを入手してロシアから出ると、フランス、イタリア、イギリスなど、いろんな国に移っていくんですね。耳の聞こえないコーリャもジュネーブに留学させていたような(話せるようになるため)。ヨーロッパの国々は陸続きなんだってことを今さら再認識。
 ドイツの温泉で療養したのに、ベリンスキー(池内博之)が死んでしまって哀しい。

 フランス王政を倒したパリの革命に胸躍らせたのに、新しく出来た共和政府は武力で人民を弾圧してしまいます。このあたりの流れに全然ついていけず(涙)。不勉強ですみません。

 オガリョーフ(石丸幹二)の妻マリア(麻実れい)のアトリエで、ナタリー(水野美紀)はマリアと芸術や人生について語り合い、対立します。マリアがあまりに奔放だったから、ナタリーはそれに影響されたのかしら。オガーリョフの新しい恋人で、ナタリーも恋に落ちたというナターシャ(栗山千明)ってどういう女性なのかしら。第二部だけではよくわかりませんでした。

 森の中でナタリーは、上半身(観客に見えるのは背中だけ)をあらわにしてヘルヴェーク(松尾敏伸)に迫ります。ちょうどマネの『草上の昼食』が幕に大きく映写されて、イメージにぴったり。第一幕で出てきた赤毛の猫もそうでしたが、こういった大胆な演出にわくわくします。

 ナタリーの不貞を知ったゲルツェンは彼女を責めて、2人はこれ以上ないほどの大げんか。迫力がありました。それにしても変な四角関係だ・・・。

 息子コーリャと祖母(銀粉蝶)、そしてナタリーを失ったゲルツェンは、イギリスに向かう船でミハイルと出会い、語り合いますが、あれは幻想なんでしょうね。
 冒頭のピクニックのシーンが最後に再び出てきて、幸せだったひとときが繰り返されるのが切ないです。本当に人生はあっという間。ストップモーションは少々ぎこちなく感じました。

Bunkamura20周年記念特別企画
第一部:VOYAGE「船出」 第二部:SHIPWRECK「難破」 第三部:SALVAGE「漂着」
出演:阿部寛、勝村政信、石丸幹二、池内博之、別所哲也、長谷川博己、紺野まひる、京野ことみ、美波、高橋真唯、佐藤江梨子、水野美紀、栗山千明、とよた真帆、大森博史、松尾敏伸、大石継太、横田栄司、銀粉蝶、毬谷友子、瑳川哲朗、麻実れい 塾一久 赤司まり子 冨岡弘 手塚秀彰 妹尾正文 清家栄一 飯田邦博 岡田正 新川將人 星智也 宮田幸輝 嶋田菜美 遠山悠介 三村和敬 桐山和己/坂口淳(Wキャスト) 首藤勇星/鈴木知憲(Wキャスト) 大出菜々子/佐藤日向(Wキャスト) 木村心静/清水詩音(Wキャスト)
脚本:トム・ストッパード 翻訳:広田敦郎 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:室伏生大 衣裳:小峰リリー 音楽:朝比奈尚行 音響:鹿野英之 ヘアメイク:鎌田直樹 振付:広崎うらん 演出補:井上尊晶 演出助手:大河内直子 藤田俊太郎 技術監督:小林清隆 舞台監督:濱野貴彦 劇場舞台技術:伊集院正則 野中昭二 営業:加藤雅広 中川未来 票券:岡野昌恵 制作助手:三浦瞳(ゴーチ・ブラザーズ) [Bunkamura]制作:大宮夏子 佐貫こしの 北島由紀子 プロデューサー:加藤真規 松居珠美 [ローソンエンターメディア]制作:藤原友紀 営業:上野尚徳 プロデューサー:宮澤政司 主催:Bunkamura/ローソンエンターメディア 企画・製作:Bunkamura
【発売日】2009/06/27 [通し券(土・日・祝)通し上演]S席29,000円 A席24,000円 コクーンシート15,000円 [セット券(平日)3日にわたり一部ずつ上演]S席29,000円 A席24,000円 コクーンシート15,000円 ※セット券(平日)は3日間( I 部・ II 部・ III 部)とも同じお席番号となります。[各部券(平日 I 部・ II 部・ III 部)]S席10,000円 A席8,000円 コクーンシート5,000 ※平日セット公演に残席があった場合に限り、8月上旬に各部券(一部ごとお求めいただけるチケット)の販売を行います。※通し公演(土・日・祝)の各部券の販売はなし。※本公演は客席で舞台を挟むセンターステージ形状。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_coast.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年09月16日 23:23 | TrackBack (0)