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2009年10月28日

新国立劇場演劇『ヘンリー六世「第一部 百年戦争」』10/27-11/23新国立劇場中劇場

 新国立劇場にて、日本演劇界の世紀の大イベントがとうとう開幕!シェイクスピア作『ヘンリー六世』三部作一挙上演です!⇒制作発表
 とっても楽しかった~!!第一部の上演時間は約3時間(途中15分の休憩を含む)。

 劇場ロビーには『ヘンリー六世』に関する年表や人物相関図をはじめ、舞台装置の模型も多数展示されていて、開演前から熱気むんむん♪

 2階席まで埋まった中劇場の客席は圧巻。帰りの電車は『ヘンリー六世』の観客で混雑しました。こんなの久しぶり、というか、初めてかも?完売の日も出ていますので、ご興味のある方はチケット確保をお急ぎください!第一部から順番にご覧になるのが良いと思います。

 私は明日、あさってと3日連続で1部ずつ拝見しますが、1日で3部作を通して観る時のための、特別な食事メニューも用意されているそうです♪ ⇒公演公式ブログ

 ⇒『ヘンリー六世』の時代の年表(PDF)
 ⇒「シェイクスピア大学校 6回連続講座」開講!
 ⇒CoRich舞台芸術!『ヘンリー六世「第一部 百年戦争」

ヘンリー六世 第一部  シェイクスピア全集 〔1〕 白水Uブックス
ウィリアム・シェイクスピア
白水社
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 ≪あらすじ≫ ※詳しいあらすじはこちらでどうぞ。配役も載っています。
 戦争状態にあるイングランドとフランス。イングランド王ヘンリー六世の側近の間では白薔薇派、赤薔薇派の内部分裂が起こっており、ジャンヌ・ダルク率いるフランスに苦戦を強いられる。
 ≪ここまで≫

 舞台は客席の方に大きく張り出しており、黒に近い灰色の床が中劇場の奥の奥まで広がっています。奥に行くほど、床がめくれあがった紙のように斜めに高く盛り上がっているので、その向こうから人が現れるのがきれいです。
 上手手前には大きな黒い水たまり。下手手前は、黒いゴミが堆積して固まったようなゴツゴツとした質感になっていました。『ヤジルシ-誘われて』を思い出しました。

 舞台奥の壁は幕になっていて、全面に空や雲などの映像が映し出されているようでした。私の席はかなり上手側だったので奥の壁全体は見えなかったですが、不快感はゼロ。最初から最後まで問題なく観劇できました。舞台が丸く客席側に広がってるせいかしら。ありがたいです。
 広大な舞台を照明(および映像)でくっきりと色分けしたり、大きな布(旗)を使って舞台全体をダイナミックに染めたり。だだっぴろいステージの手前、中央、奥の空間をうまく使って退屈させません。

 第一部で大活躍だったのはイングランド軍の武将トールボット役の木場勝己さんと、ジャンヌ・ダルク役のソニンさん。
 タイトルロールのヘンリー六世を演じた浦井健治さんは、高くてきれいな声が、若くて無垢な(それ故おバカさんなので利用される)王にぴったりだと思いました。

 帰り道で舞台に詳しい方とばったりお会いして、感想を話し合いました。「物語を追うだけでも面白い上に、堅苦しくなくて、笑いどころもいっぱい!」「新劇オールスターズ(のベテラン俳優の方々)を一気にこんなに大勢観られるなんて♪」などなど、ミーハー気分も込みで(笑)、盛り上がりました。

 ここからネタバレします。

 フランス側の武将たちが顔を白塗りにしてるのが可愛い!そして青い旗とマントが目印なので、とてもわかりやすいです。ジャンヌ役のソニンさんは激しい気性の少女をコミカルに演じて、キュートだったな~。

 サフォーク伯(村井国夫)とマーガレット(中嶋朋子)のねちねちした恋の駆け引きは、シェイクスピア戯曲ならではの、演劇的なセリフの応酬が見ごたえありでした♪

【出演】浦井健治/中嶋朋子/渡辺徹/村井国夫/ソニン/木場勝己/中嶋しゅう/上杉祥三/立川三貴/木下浩之/久野綾希子/鈴木慎平/今井朋彦/金内喜久夫/菅野菜保之/勝部演之/鈴木瑞穂/岡本健一/吉村直/水野龍司/青木和宣/渕野俊太/那須佐代子/浅野雅博/小長谷勝彦/石橋徹郎/清原達之/関戸将志/城全能成/篠原正志/小田悟/川辺邦弘/松角洋平/津村雅之/古河耕史/内田亜希子/前田一世/高橋郁哉
【作】ウィリアム・シェイクスピア【翻訳】小田島雄志【演出】鵜山仁【美術】島次郎【照明】服部基【音響】上田好生【衣裳】前田文子【ヘアメイク】馮啓孝【アクション】渥美博【演出助手】保科耕一【舞台監督】北条孝【芸術監督】鵜山仁【主催】文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場
S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席 1,500円 ●お得な三部作特別割引通し券S席セット:19,500円(正価22,050円)※お申込:新国立劇場ボックスオフィスのみ
※11月9日(月)、17日(火)は学生団体が入ります。
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000543.html
http://www.atre.jp/henry/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年10月28日 00:33 | TrackBack (0)