2009年06月27日
劇団、江本純子『セクシードライバー』06/26-28ギャラリーLE DECO 4F
毛皮族の江本純子さんが作・演出する前田司郎さんと安藤玉恵さんの2人芝居。初日は立ち見続出の超満員でした。
めっちゃくちゃ饒舌な2人芝居!面白かった~♪上演時間は約1時間22分。
⇒CoRich舞台芸術!『セクシードライバー』
レビューは後ほどアップ予定。
劇団、江本純子第1回公演
出演:前田司郎(五反田団) 安藤玉恵 江本純子
作・演出/江本純子 美術/伊藤雅子 照明/黒尾芳昭 音響/岡田悠(One-Space) 衣裳/中西瑞美 舞台監督/村田明 宣伝美術/two minute warning チラシイラスト/河井克夫 WEB/rhythmicsequences 制作/照井恭平 制作統括/樺澤良 企画製作/毛皮族
【発売日】2009/05/31 前売3,200円/当日3,500円
http://www.kegawazoku.com/gekiemo/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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reset-N『眠るために目醒める』06/25-30王子小劇場
夏井孝裕さんが作・演出されるreset-N(リセット・エヌ)の新作です。夏井さんがフランス留学から帰国して、前回から作風がかなり変わりました。言ってみれば「私戯曲」ですね。お値打ち価格のプレビュー公演(1500円)に伺いました。
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≪あらすじ≫ 公式サイトより
この作品は二つの場所から立ちあがります。
一箇所は皆さんのいる稽古場、もう一箇所は私の部屋です。
二つの人体実験を我々は並行して進めなくてはなりません。
私は、新しい主人公を創造します。
彼女は、眠り続けます。
実験が終わるとき、私たちはまた新しい演劇に出会うでしょう。
(『眠るために目醒める』作者から俳優に届いたメールより)
≪ここまで≫
どこまでが事実でどこまでが創作かということには、あまり興味は沸かなかったですね。前回観た時に充分以上に(笑)スリルを味わいましたので。
それより、なぜ、もしくは何のために作品を作って、それを誰か(観客)に見せようとするのかが知りたいと思います。そういう意味では満足はできなかったです。
チラシによると、作品を創る快楽が夏井さんの生命線だそうですので、私はその生き方を見つめていこうかなと思います。いつまでも、とは言えませんが。
ここからネタバレします。
私は作家でも演出家でもないですが、「脚本を書くのは眠って夢を見ること、演出するのはしっかりを目を見開いて世界を見つめること」という考えには、なんとなく共感します。
王子小劇場のいつもの客席側を舞台にして、劇場入り口のドアを使っていました。机の上に寝ていた女が起き上がり、ドアから出て行く最後のシーンはきれいでした。
reset-N Ver.24.0
出演:鶴牧万里/原田紀行/田中のり子/山田奈々子/日高勝郎(InnocentSphere)/山前麻緒(劇団夜想会)/西尾美鈴 ※出演予定だった綾田將一は怪我のため、西尾美鈴が代役として出演いたします。
【脚本・演出】夏井孝裕 【グランドデザイン】massigla lab. (夏井孝裕/ 浅香実津夫/ 荒木まや/ 内野なみ)【舞台監督】桑原淳【音響】荒木まや【照明協力】ミゾカミクニコ【衣裳】万代貴子(ネコネンド)【演出助手】黒木唯(活劇工房)【制作協力】 藤田晶久(palette-bullet)【Other Members】久保田芳之/黒澤亜希子/綾田將一【宣伝美術】quiet design productions【主催】reset-N
【発売日】2009/05/15 前売り2,500円、当日3,000円、学生2,000円(前売のみ)、プレビュー(25日のみ)1,500円
http://www.reset-n.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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西村和宏(青年団演出部)+ウォーリー木下(sunday)企画『ハルメリ』06/23-30アトリエ春風舎
第13回劇作家協会新人戯曲賞を、審査員の圧倒的支持を受けて受賞した『ハルメリ』(作・黒川陽子)が、東京で初めて上演されます。リーディング公演を拝見した時にすごく面白かったので、本格的な上演の情報を知った時はとても嬉しかったんです。
青年団演出部の西村和宏さんが、大阪の劇団sundayのウォーリー木下さんに演出を依頼し、この公演をプロデュースされました。やっぱり面白い戯曲でした~。
チラシがかっこいいですよねー!デジタルで無機的なイメージが戯曲にぴったりだと思います。黒バージョンと白バージョンの2種類あるのも素敵。
⇒CoRich舞台芸術!『ハルメリ』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
いま私はクラブ・ハルメリに来ています……またしても若者達の……学生運動や安保闘争は……抵抗……しかし今回は違います。見てください。ハルメリを合言葉に、若者達が年配の大人達と一緒に踊っています!!」 ――ハルメリは優しさの思想。つまらない競争をやめ、全てを受け入れ合う。相手も自分も大した人間でないことを知り、微笑みの中に自分の居場所を見つける。「……そういう、冗談なんです」
現代社会を若い視点からするどく描き、審査委員の圧倒的支持をうけて第13回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した『ハルメリ』(作・黒川陽子)を東京で初めて上演。
≪ここまで≫
文字通り劇場全体を使ったショッキング・ピンク色の装置(戯曲の指定どおりですね⇒戯曲サンプル)。壁も床や道になっているのが楽しいです。舞台奥のテレビ画面(笑)と、舞台中央の大きなテーブル、そして壁面だけで、スムーズに多くの場面転換をこなしていくのは見事だな~と思いました。
フィジカル・シアターとまではいかないものの、歩いて、走って、登って、飛んで、ぶつかって、体を存分に使う激しい演出は見ごたえあり。でも、終盤以降はリズムがあまり良くなくて、ラストシーンはちょっと物足りなかったかも。全員オーディションで選ばれた(んですよね?)からか、役者さんの力量もバラバラで、全体のまとまりが弱い気もしました。
ここからネタバレします。
流行に踊らされる大衆とメディア、薄まっていく個人、「みんな仲良し」という脅迫。夫婦や恋人といった枠組みも溶けて消え去り、体ごとべっとりとつながって互いに侵食しあっていくイメージは、アニメ「エヴァンゲリオン」と重なりました。
結局「ハルメリ」とは何だったのか(何を象徴していたのか)が、最後にわかりたかったですね。いえ、答えがあるわけじゃないのでしょうけど、演出家がこの戯曲の最後に何を伝えようとしたのか(もしくは、匂わせようとしたのか)を知りたかったです。リーディング公演では、台本の代わりにパソコンの画面を見て朗読されていまして(演出:山本健翔)、ラストシーンはリーディング版の方が、雄弁で面白かったな~。
アイドルを筆頭にハルメリ美女(熊澤さえか)や“妻”(年清由香)が、次々と「ハルメリの神(三原玄也)の子供を身ごもった」と嘘の告白をしていきます。その後、彼と交際していた女(境宏子)の妊娠がわかりますが、彼女は即座に堕胎を決心し、終幕。つまり、嘘の子供は次々に生まれるけれど、本当の子供は殺されてしまうんですよね。ハルメリという実体のないものに人間が支配されて、命まで奪われていく(自滅していく)という恐ろしい結末だと思います。しかも、それが現代を表しているから凄い戯曲だと思います。
アイドル(長野海)が踊って歌う「恋のハルメリ」という曲は、本当に長野海さんが歌っているオリジナル曲だそうです。いい曲だし踊りも可愛い(笑)。思いっきりperfumeですよね。劇場でCDが300円で売ってます。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演(下手より):西村和宏/わたなべなおこ(あなざーわーくす)/ウォーリー木下
作品に関係のないトーク(関西と関東の習慣の違いなど)に終始してしまって、非常に残念。
出演:荒木香奈(クレイヅ・プロ) 大友久志 片倉裕介 菊池美里 熊澤さえか 斎藤萌子(エムズクルー) 境宏子(リュカ.) サカモトワカコ(THE MILLIONS) 長島美穂(机上風景) 中村祐樹 長野海(青年団) 年清由香(sunday) 三原玄也(オフィスクロキ) 山岡太郎 由かほる 芳川痺(9-States) 若旦那家康(ROPEMAN(31))*出演を予定していた江ばら大介は急病のため降板いたしました。
脚本:黒川陽子(劇団劇作家) 演出:ウォーリー木下(sunday) プロデューサー:西村和宏 照明:岩城保 舞台美術:濱崎賢二 映像:深田晃司 宣伝美術:京 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画) 制作協力:林有布子(アゴラ企画) 芸術監督:平田オリザ 企画制作:西村PRODUCE/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【発売日】2009/05/24 予約・当日共 一般2800円 学生2300円 ※芸術地域通貨ARTS(アーツ)がご利用いただけます。
http://saladball.org
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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