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2010年04月24日

【写真レポート】SPAC「Shizuoka春の芸術祭2010」記者発表04/20東京日仏学院エスパス・イマージュ

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ポスター

 昨年に続き、静岡舞台芸術センター(SPAC)主催「Shizuoka春の芸術祭2010」の記者発表に伺いました。登壇者は芸術総監督の宮城聰さん、青年団所属俳優のひらたよーこさん、フランスの美術家サラディン・カティールさん。

 今年も静岡で、世界11ケ国からの13作品(演劇、ダンス、人形劇)が招聘・上演されます。昨年は古典作品がメインでしたが、今年は一転して「未完成な世界(ハーモニー)~恋の終わらざるごとく世界も終わらざるなり~」と題した、20世紀以降の先鋭舞台を取り上げるラインナップです。

 私は6月中に少なくとも2回は静岡遠征に行くことになりそうです♪上演日は金、土、日の週末にかたまっていますので、関東在住のお客様もどうぞ静岡観劇旅行をご検討ください!

 ●SPAC「Shizuoka春の芸術祭2010」公式サイト
  2010年6/5(土)~7/4(日)
  会場:静岡芸術劇場、屋内ホール「楕円堂」、野外劇場「有度」、
     稽古場棟「BOXシアター」、静岡芸術劇場内カフェ「シンデレラ」    
  ※チケット前売り開始:4月25日(日) 10:00より
   例年すぐに完売する演目あり。ご予約はどうぞお早めに!
  ⇒観劇ツアー無料バスfrom東京(無料・要予約) ※6/5(土)以外は1泊2日タイプです。

■今年のテーマは「未完成な世界(ハーモニー)~恋の終わらざるごとく世界も終わらざるなり~」

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宮城聰さん

 宮城「昨年はやたらに“100年に一度の危機”と言われていました(⇒昨年の記者発表)。あれから1年経ち、なんとなく僕が危惧した方向に進んでしまったような気がしています。変に危機を煽られたせいで、人々が、特に日本の若者たちが内向きになっている。例えば若い人のパスポート発行数や海外旅行数が少ないのです。演劇をやっている若者についても、海外で公演をしたい人が減っています。」

 宮城「この内向きの現象が、うっかりすると排外的な気分に結びついてしまうのではないかと私は心配です。これからの世界は、どれほどそれを嫌がろうとも多様化していきます。自分たちと異なる様々な他者が、たくさん日本に集まってくる。それは避けようのない未来です。だから特に若い人には、内向きにならないで、世界に対してもう一度鍵を開けて、窓を開いて欲しい。」

 宮城「今の日本人は、世界というものは既に出来あがっていて、現在は経年劣化(完成品にひびが入ったり、表面が剥落したり、中のものが腐ったり)していると、とらえているのではないでしょうか。いわゆる先進国だけを見ればそう感じるかもしれないし、日本についても“失われた10年”の後に経年劣化しているという感覚があるかもしれない。しかし現実には、世界は不定型で、まだまだこれから作られていく部分をたくさんはらんでいます。」

 宮城「19世紀の人たちは“自分が恋愛や失恋を繰り返して少しずつ成長するのと同様に、世界も失敗やつまづきを経験して前進していく”という世界観を持っていました。ともすると恋愛至上主義や進歩史観だと受け取られるかもしれませんが、それを否定したのがポストモダンだとするならば、そんな格好つけた考えはもうやめにして、世界はまだ不定型かつ未完成だととらえた方がいいのではないか。その方が、自分と世界をつなぐ回路ができるのではないか。世界と自分の間の窓が開けやすくなるのではないか。
 そういう考えから、ポスターにあるバベルの塔のようにまだ建築中で、出来ていく途中にある世界を、そのまま切り取って見せたような舞台を観ていただきたいと思いました。今年のShizuoka春の芸術祭は、20世紀以降の作品に焦点を当てたラインナップです。」

 ※「我が恋の終わらざるごとく、この曲も終わらざるなり」はシューベルトが未完成交響曲に書き遺した言葉。


【1】『ペール・ギュント』 ⇒公式ページ ⇒2010年3月公演レビュー
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 宮城今年3月に上演したSPACの新作です。『ペール・ギュント』は1人の青年の一代記で、成長する主体は常に男性。女性はまるで山や海などの風景のように、全く変わらないものとして描かれています。それが過去の戯曲の限界なのですが、今回の上演ではペール青年を“19~20世紀の日本”であるとし、現代の物語として読み換えさせていただきました。日本という国がアイデンティティーを獲得していく過程で、敗戦という巨大な挫折を体験する・・・そう置き換えると、いまだにズバリと当てはまるのです。」


【2】『王女メデイア』 ⇒公式ページ ⇒2005年レビュー 写真↓(c)内田琢麻
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 宮城「『王女メデイア』は私のク・ナウカ時代の代表的な作品のひとつ。1999年の初演以来、海外でも幾度も上演してきました。今回はSPACのメンバーが加わった新バージョンとして上演します。
 私は20年前から、セリフを言う俳優と動作をする俳優に分けて、2人1役という手法をやってきました。人間が口で言っていることは体の状態を必ずしも表しません。言葉で行うコミュニケーションと、体で行うコミュニケーションは、まるで別なんですね。言葉と体がかい離していく感覚は、人類が言語を獲得した瞬間から身にのしかかった重み。つまりロゴスとパトスが引き裂かれることが人間の悲劇であり、同時に人間を人間たらしめている本質なのではないか。引き裂かれているにもかかわらず1つであるという人間のありようが、お客様の頭の中で像を結ぶのだ。そう考えて、2人1役という手法になりました。」

 ※『王女メデイア』は世界三大演劇祭と呼ばれるのボゴタ・イベロアメリカ演劇祭に参加(2010年4月)。ボゴタは南米コロンビアの首都。国外から85団体、国内から100団体以上が参加し、17日間にわたって1,000近くの公演が行われたそうです。⇒SPAC公式ブログ「ボゴタ演劇祭参加の記」 900席の劇場で上演。5回公演はすべて満席。⇒千秋楽の写真


【3】『若き俳優への手紙』 ⇒公式ページ 写真↓(c)記憶屋「廃墟」
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 宮城「一昨年のShizuoka春の芸術祭でフランス・オデオン座による『若き俳優への手紙』を観て、僕はいたく感激して、日本語版で上演したいと思っていました。主役の“詩人”はこの戯曲の作者であり、演出も手がけたオリヴィエ・ピィさんの分身といえる役で、男性が演じています。でもこのセリフを浮くことなく言える日本人は誰かと考えた時、ひらたよーこさんなら大丈夫だと思いついたんです。男性から女性への脚本のアダプテーションが必要になったのですが、ひらたさんの夫である平田オリザさんがそれを引き受けてくださり、夢のような企画になりました。」

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ひらたよーこさん(青年団)

 ひらた「2008年に『若き・・・』を観た夫は、『芸術とは、演劇とは、言葉とは何なのかということを、直球で受け止めてきた。そんな手紙を受け取ったんだ』と高揚した様子で話していました。
 (この戯曲に描かれているのは)人が言葉を受け取って、心が揺れる。そのままでいいんだということ。すごく美しい奇跡のようなことが書れているので、私が宮城さんとこの戯曲に取り組むこと自体が、非常にポエティックな作業になるんじゃないかと思っています。その過程の全てをお客様にお見せできたら。
 人と人とが信頼し合い、ある舞台を共有するというひとつの希望をもとに、エネルギーを使っていく。そんな奇跡のような時間を、人と人とのつながりを、時空を超えて、国境を越えて、皆さんと共有できたらと思っています。ぜひぜひ劇場に足をお運びください。」

 宮城「『若き・・・』の舞台美術については公募のコンペティションを行いました。日本ではとても珍しいことだと思います。日本では演出家が美術家を決めることが多いんです。“人脈がすべて”のようになっていて、一人の美術家が売れ始めると、芋づる式にその人ばかりに仕事が来たりする。つまり能力があっても人脈がないと、舞台美術を発表するチャンスがないんですね。そんな演劇界の活性化の役に立てるかもと思い公募を実施してみたところ、非常にたくさんの反響がありました。結果的に31件の応募があったんです。」

 宮城「第一次審査の対象はコンセプトの文章と図面や絵などのペーパー1枚。応募者の名前を隠して審査員が投票し、2票以上獲得したものについて議論しました。ファイナリストの2人には模型を作っていただき、審議の結果、東京都在住の舞台美術家・青木祐輔さんのプランが採用されました。」

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 宮城「この装置は能舞台がもとになっています。左側に橋がかりがあり、真ん中の四角い部分が本舞台です。でも本舞台には白くて無機的な、妙な物体があるし、橋がかりの下手には上げ幕がない。つまり能役者は上げ幕から出てきたものの、本舞台に入れないし、上げ幕に戻ることもできなくなっている。それが主人公の詩人であるという見立ては非常に面白いと思いました。日本の舞台美術家でなければ思いつかないものですし、この作品の普遍性をうまく表現できている気がします。静岡公演の後にも色んな場所で巡演されるような作品にしたいですね。」


【4】『4.48』 ⇒公式ページ 写真↓(c)Sven Hagolani
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 宮城「スン・シャンチーさんは昨年僕が見た中で、圧倒的な印象が残ったダンサーです。アジア人の体がこれほど美しく見えたのは山海塾以来。無駄がなくて横から見るととても薄い、アジア人の体の美点を100%あますところなく生かして、ご自身の表現に使っています。この先、アジアを代表するダンサーとして世界的に知られていくと僕は思っています。
 『4.48』はサラ・ケインの戯曲『4.48サイコシス』を題材にしています。戯曲そのものは語られませんが、そこに絡んだテキストが言葉として出てくるので、演劇とダンスが融合した作品ですね。」


【5】『彼方へ 海の賛歌(オード)』 ⇒公式ページ 写真↓(c)MARIO DEL CURTO
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 宮城「フランス演劇界の巨匠、現在86歳のクロード・レジさんの初日本公演になります(来日は2度目)。『彼方へ 海の賛歌(オード)』(以下、『彼方へ』)は昨年夏に初演され、レジ作品の中でも傑作だと言われています。僕自身も(自分が観たレジ作品の中で)一番面白かったですね。出演者はジャン=カンタン・シャトランさん1人だけ。畢生(ひっせい)の名演というか、極めて燃焼度の高い作品でした。」

 宮城「僕は“言葉と体の関係”こそが人間だと思っています。『彼方へ』は言葉と体の関係そのものを見せる芝居でした。シャトランさんはセリフは語りますが、体は驚くほどに全く動きません。でも彼の体の中で、荒れ狂う海の彼方に船出する冒険が、波乱万丈の出来事がおこっているのが見えてくるんです。俳優の肉体と彼の言葉が、ものすごい熱を持ってぶつかり合っているのがわかるんです。最も小さなもののなかに最も大きなものがある、何もないところに最も豊かなものがあるという、演劇のマジックそのものがある作品です。」

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サラディン・カティールさん(舞台美術家)

 カティール「宮城さんにお呼びいただき、静岡で公演できるのは大きな喜びです。この作品はフランスで上演され、観客の熱狂的な反応を得ることができました。今回は楕円堂のために新たに装置を作り直しますので、招聘公演というよりもクリエイションに近いものだと思います。そのクリエイションが皆様に温かく迎えていただけるよう、そしてもともとの作品同様に衝撃的なものになるよう祈っています。」

 宮城「演出家のレジさんは6月1日にはパリを発って、静岡で10日間も稽古をされますので、半分新作のような作品です。フランスの演出家に『尊敬する芸術家は誰ですか?』と聞くと、必ずその名前が挙げられるのがクロード・レジ。フランス演劇界の神話を見逃さないでください。」

 ※6/11(金)はクロード・レジさんのプレトークあり。⇒公式サイト
 ※6/18,19に京都の春秋座でも公演あり。


【6】『セキュリティー・オブ・ロンドン ~監視カメラの王国~』 ⇒公式ページ 写真↓(c)Tristram Kenton
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 宮城「ゼナ・エドワーズさんによる一人芝居、ポエトリー・パフォーマンスです。詩を演じるという1つのジャンルですね。ゼナさんは歌手であり詩人でもある方で、イギリスのこのジャンルでは代表的なパフォーマーです。そして歌が素晴らしくうまい。セリフもご自身で書いてらっしゃいます。
 『セキュリティー・オブ・ロンドン』は監視社会をテーマにした作品です。ロンドンにはいたるところに監視カメラある。日本人にとっても人ごとではない思います。シリアスな、でも詩であり歌である、美的に楽しい舞台です。」


【7】『頼むから静かに死んでくれ』 ⇒公式ページ 写真↓(c)Jean-Louis Fernandez
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 宮城「ワジディ・ムアワッドさんはおそらく世界で最も注目されている劇作家の一人。レバノンで生まれカナダのケベック州に亡命し、フランス語で劇作をされています。『頼むから静かに死んでくれ』を第一部とした「約束の血」4部作を発表し、いまセンセーションを巻き起こしています。
 『頼むから・・・』は場面が色んな時空を飛躍して、古代になったり未来になったりする物語です。でも書かれているのは実は全てワジディさんご自身のこと。まるで自分の体にメスをあてて、そこから流れる血で戯曲を書いているよう。『頼むから・・・』はケベックなまりのフランス語などの土着的な要素がありながら、神話的な世界でもある。そして彼が祖国を失っている切実さが痛いほど伝わってくる作品です。彼の作品が彼のカンパニーによって紹介されるのは日本で初めて。どうぞお見逃しなく。」


【8】『アルルカン、天狗に出会う』 ⇒公式ページ 写真↓(c)M. Constantini
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 宮城「ディディエ・ガラスさんはフランス人ですが、コメディア・デラルテ(イタリアの古典喜劇)の名手です。今回上演されるシリーズは、コメディア・デラルテの主人公であるアルルカンが世界のいろんな場所に行って、その土地のアルルカンのような人と出会うというもの。アルルカンはもともと魔物だったという説がもとなっており、日本では天狗と出会います。非常にゆかいな、お笑いのような作品です。」


【9】『リオ・デ・ジャネイロ つかの間の愛』 ⇒公式ページ ⇒2007年レビュー 写真↓(c)Roberto Setton
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 宮城「2007年に『かもめ…プレイ』で初来日し、絶賛を博したブラジルの演出家エンリケ・ディアスの新作です。戯曲をいったん俳優の中にとりこんで、俳優のインプロビゼーション(即興)から自然に現れてくる戯曲の断片を再構成するという、極めて知的で、俳優の魅力がよく出る作り方をしています。
 今回は戯曲ではなく、リオ・デ・ジャネイロという街自体がテキスト。俳優1人1人の体の中に入っているリオの断片を、インプロで少しずつ吐き出させて、それを集めて一本の作品にします。俳優の肉体をとおして、突然リオの姿がパっと見えてくるのではないかと僕も期待しています。俳優の身体のなまめかしさ、生き生きとしたありさまにぜひ注目してください。」


【10】『南十字☆路』 ⇒公式ページ 写真↓(c)Mohanmad Amin
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 宮城「ユディ・タジュディンさんはインドネシアのジャカルタやジョグジャカルタを拠点に活動している演出家。『南十字☆路』は『リオ・デ・ジャネイロ』と作り方がとても似ています。お互いに交流があるわけではないのに、両方ともテーマが街なんですね。ブラジルとインドネシアのシンクロニシティが面白いです。『南十字☆路』は今の日本人にとって、世界への窓を開いてくれる作品だと思います。
 今は、肉体をともなわないデータならいたく簡単に、大量に入手できる時代です。ジャカルタやリオだって検索すれば膨大なデータが得られるでしょう。でもそのようなデータと、肉体をとおして得られる情報とは全く違うものです。肉体をとおして他者が見えてくるのが演劇の面白さであり、“世界を見る窓”としての劇場の役割だと思っています。」


【11】『毛皮のマリー』 ⇒公式ページ
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 宮城「人形劇界の若きカリスマ、平常(たいら・じょう)さんが、寺山修司さんの戯曲『毛皮のマリー』を一人芝居として上演します。成人向けの人形劇なんですね(15歳未満入場不可)。平さんは熱狂的な支持者のいるアーティストで、売り出され方は一見アイドルっぽくも見えますが、ご本人の本質は、とにかく小さい頃から人形劇が好きで好きで仕方がなかったという人。人形のことを話しだすと止まらないクレイジーな方なので(笑)、僕もとても楽しみです。」


【12】『太陽の帝国』 ⇒公式ページ
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 宮城「イ・ユンテクさんは僕にとっては演劇の先生の一人です。アジアの演劇は世界に発信できるものだと確信させてくれた方。
 ここ数年間で朝鮮半島の三国時代にカヤというもう1つの国があったことが、歴史的事実としてはっきりしてきたんですね。そこからイマジネーションをふくらませて、演出家であるイ・ユンテクさんが新作戯曲を書き下ろされました。日本と韓国をまたにかけた歴史ロマンが展開します。」


【13】『覇王歌行 ―項羽、歌の翼にのる』 ⇒公式ページ
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 宮城「『覇王歌行』の演出をされる王暁鷹さんは、新しい世代の中国の現代演劇の担い手。古典と現代の演技をまぜた手法で、項羽と虞美人の物語を上演します。
 今年で17年目を迎えるBeSeTo演劇祭の参加作品でもあります。同演劇祭は1994年に日本、中国、韓国の芸術家によって創設され、“BeSeTo”は北京、ソウル、東京の頭文字からとったもの。17年前は三国の指導者が1つのテーブルを囲むことはなかったですし、韓国では日本の歌謡曲を聴くことすらできなかった。そう考えるとずいぶん変わりましたね。この演劇祭を始めた方々には、政治でどれだけ諍いがあっても、文化では窓を開いておかねばならないという、先見の明があったと言えるでしょう。静岡の他、東京の新国立劇場やこまばアゴラ劇場、鳥取の鳥の劇場などでも参加作品が上演されます。」


 ~~~「Shizuoka春の芸術祭2010」の演目紹介は以上です~~~


●「スパカンファン・プロジェクト」 ⇒情報ページ
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 宮城「パリで活躍するカメルーン生まれのダンサー・振付家のメルラン・ニヤカムさんが、静岡の子供たちとともに、ご自身が振付する新作を創作します。メルランさんはまるで太陽のように、一緒に居るだけで温かくなるような方。
 スパカンファン(Spac-enfant)とは“スパックの子供”という意味です。今年3月に出演者オーディションを行いました。夏休みに1日5時間の稽古をして、9月に本番があります。」

 宮城「東京以外の街で舞台芸術家になりたいという夢を描いた子供たちが、“結局は東京に出ていくしかないんだ”と思うのが残念な気がしたんです。たとえばサッカー少年は世界的な選手になろうとした時、静岡から東京に出て行こうとは思わないですよね。身近で具体的な階段がそのまま世界につながっているから。舞台芸術家についても、静岡から直接世界とつながることができればと考えました。」

・「スパカンファン・プロジェクト」
 上演日時:2010年9月4日(土)、5日(日) 
 会場:静岡芸術劇場(その後、静岡県内数か所を順延)


●今秋のSPAC新作はフレデリック・フィスバック演出『令嬢ジュリー』

 宮城「フレデリック・フィスバックさんは1999年に日本に初登場され、平田オリザ戯曲では『東京ノート』や『ソウル市民』、糸あやつり人形劇団・結城座との『屏風』など、日本においても優れた成果を上げられています。
 『令嬢ジュリー』は3人芝居ですが、フィスバックさんはあと20人ぐらい出演者が必要とのこと。“謝肉祭が行われている中で、たった3人が孤立していること”が重要なのだそうです。今までに観たことない『令嬢ジュリー』になるのではないかと期待しています。」

 ※『令嬢ジュリー』はSPACのレパートリーとしての製作。土日は一般客、ウィークデーは中高生が鑑賞予定。

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記者発表登壇者:宮城聰、ひらたよーこ、Sallahdyn Khatir 主催:静岡舞台芸術センター(SPAC) 写真提供:SPAC
SPAC「Shizuoka春の芸術祭2010」チケット料金[一般大人]4,000円[同伴チケット(2枚)]7,000円[学割]大学生・専門学校生 2,000円/高校生以下 1,000円 3演目セット券10,500円 ゆうゆう割引:70歳以上の方対象に1割引 
☆観劇ツアー無料バスfrom東京(無料・要予約):http://www.spac.or.jp/10_spring/bus
http://www.spac.or.jp/
http://www.spac.or.jp/10_spring/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年04月24日 19:36 | TrackBack (0)