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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年09月17日

新国立劇場演劇『ヘッダ・ガーブレル』09/17-10/11新国立劇場小劇場

 本日、宮田慶子さんを新芸術監督に迎えた新国立劇場の新しいシーズンが開幕しました。⇒記者発表レポート 
 ⇒演劇情報サイト・ステージウェブ「『ヘッダ・ガーブレル』制作発表」動画
 ⇒演劇情報サイト・ステージウェブ「宮田慶子新芸術監督が語る新国立劇場『ヘッダ・ガーブレル』」動画

 大地真央さん主演の『ヘッダ・ガーブレル』は、親しみやすい新訳で笑いどころもいっぱいの楽しい作品に仕上がっていました。拍手が鳴りやまず、カーテンコールは3回。ブラボーの声も上がっていました。上演時間は約2時間50分(途中休憩15分を含む)。

 戯曲が掲載された悲劇喜劇 2010年 09月号(¥1,300)がロビーで販売されていたので購入。

 ⇒初日夜に早速開幕レポートが!「新国立劇場2010/2011シーズン演劇公演が「ヘッダ・ガーブレル」で華やかに開幕しました
 ⇒マンスリー・プロジェクト第一弾・リーディング公演「スザンナ」※9/20(月・祝)申込〆切 
 ⇒CoRich舞台芸術!『ヘッダ・ガーブレル

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 亡きガーブレル将軍の娘ヘッダと、夫のヨルゲン・テスマンが半年におよぶ新婚旅行から帰ってくる。新居の朝を迎えたヘッダの表情は重い。そこへ教授職を巡り、テスマンの長年のライバルであるレーヴボルグが街へやってくる。
 愛と憎しみ、凡庸と非凡、夢と野望――それぞれの想いは、予想のつかない結末へと渦巻いていく。
 ≪ここまで≫
 
 豪華な装置と衣装で、美しい俳優さんが丁寧に語ってくれる海外古典戯曲。たっぷり堪能させていただきました。大地真央さんの“大金持ちの将軍の娘”らしい堂々たる立ち姿にすっかり安心。そわそわ心配することなく、リラックスしてイプセンの世界に飛び込むことができました。
 金色の額縁が3つ重なる奥行きのある装置(池田ともゆき)は、広々として風通しがいいお屋敷に、木製のクラシカルな家具や調度品が並んで荘厳な印象。舞台中央にヘッダの父の巨大な肖像画が、下半身だけ見えているのも良かったです。

 役者さんは手堅い語りでじっくり聞かせてくださいました。大地真央さんと益岡徹さん夫婦(ヘッダ&テスマン)のかみあわない会話は上品な漫才みたいな面白さ!しゃべっている人物の周囲で話を聞いている人たちの表情や態度にも隙がなく、充実の会話劇でした。レーヴボルグ役の山口馬木也さんはセリフが流れ気味になるのが少々気になりました。

 ここからネタバレします。

 ヘッダ(大地真央)がエルヴステード夫人(七瀬なつみ)に抱く嫉妬心がよくわかって面白かったです。テスマンの叔母(田島令子)の存在も大きくて良かった。

 選曲は私の好みではなかったですね。もっと軽快でいい気がします。将軍の肖像画はあの大きさ、位置ですから十分以上の存在感があるので、そんなに頻繁に見つめなくてもいいと思いました。
 最後のヘッダの自害は、演出をじわじわと深刻にしすぎじゃないかしら。ブラック判事(羽場裕一)の幕切れのセリフ「普通しないだろ?」がツッコミになってもいいんじゃないかと思いました。それぐらい小気味よいお芝居でしたので。

JAPAN MEETS・・・ ─現代劇の系譜をひもとく─ Ⅰ
出演:大地真央・益岡徹・七瀬なつみ・山口馬木也・青山眉子・羽場裕一・田島令子
脚本:ヘンリック・イプセン 翻訳:アンネ・ランデ・ペータス/長島確 演出:宮田慶子 美術:池田ともゆき 照明:中川隆一 音響:上田好生 衣裳:緒方規矩子 演出助手:松森望宏 舞台監督:澁谷壽久 演出部:竹内章子 小島恵三子 ヘアメイク:藤沢久美 プロンプ:河合杏南 制作助手:上栗陽子 大道具:俳優座劇場舞台美術那 芸術監督:宮田慶子 主催:新国立劇場 制作担当:高瀬磨理子 三崎力
【休演日】9/21,27 10/5【発売日】2010/07/19 A席6,300円 B席3,150円 「JAPAN MEETS…Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」特別割引通し券16,500円(正価18,900円)あり
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000322_play.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年09月17日 23:55 | TrackBack (0)