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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2011年05月22日

趣向『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』05/21-23神奈川芸術劇場・大スタジオ

 オノマリコさんの戯曲を時間堂の黒澤世莉さんが演出されます。ご縁があって脚本を先に読ませていただいていました。実話をもとにした物語です。出演者は9人女優さん+日替わりゲスト1名。

 何もない四角いブラックボックスで、白い衣裳の“女の子”たちが短い青春を、積み重なる歴史を駆け抜けました。上演時間は約2時間強。

 ⇒東京女子大学レーモンド建築 東寮・体育館を活かす会
 ⇒CoRich舞台芸術!『解体されゆくアンントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』※CoRichでカンタン予約!
 レビューは今のところ記録のみ。

 ≪あらすじ≫
 ある由緒ある女子大。入学してそれぞれに大学生活を謳歌する女の子たち。構内の古い建築物が取り壊されると知った哲学(サキヒナタ)は、そろりと反対運動を始める。
 ≪ここまで≫

【出演】沈黙:岩井晶子 平穏:上村正子(さいたまゴールド・シアター) 永遠:菊池美里 息吹:窪田優 飴玉:熊川ふみ(範宙遊泳) 哲学:サキヒナタ 敬虔:清水久美子 奔放:辻村優子 癇癪:米沢絵美
ゲストキャスト:5月21日18:30- 小栗剛(キコ qui-co.)/5月22日13:30- 酒巻誉洋/5月22日18:30- 山田宏平(山の手事情社)/5月23日13:30- 信國輝彦
戯曲:オノマリコ(趣向) 演出:黒澤世莉(時間堂) ドラマトゥルク:小栗剛(キコ qui-co.) 照明:和田秀憲 音響:鶴岡泰三 舞台監督:桜井健太郎 宣伝美術:杉崎壮一(FRAN) 原瑞穂 衣裳:富永美夏 演出助手:原田優理子(トリのマーク) asami 制作:浅見絵梨子 企画:趣向企画班(オノマリコ 岩井晶子 佐々木啓成 米沢絵美)
【発売日】2011/04/21 前売:2800円 当日:3000円 学生:2000円(要予約)
http://shukoushuko.blog48.fc2.com/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:13 | TrackBack

冨士山アネット『家族の証明∴ JAPAN TOUR 2011』5/11-15アトリエヘリコプター

 冨士山アネットは長谷川寧さんが脚本・演出・振付を手掛けるカンパニーです。台本をもとに無言の身体表現にしていく手法で、テアタータンツと呼んでいるそうです。※ピナ・バウシュは「タンツテアター(Tanztheater)=舞踊劇団」 ⇒2008年の稽古場レポート

 劇場に入って装置を目にするなり「ドイツ演劇みたい!」と思いました。上演時間は約1時間。

 ⇒冨士山アネット『家族の証明∴』、福岡公演レポート。
 ⇒CoRich舞台芸術!『家族の証明∴

 父、母、兄、姉、弟の5人家族の日常を描いたパフォーマンス。ほぼ無言なのでストーリーははっきりとはわかりません。でも彼らが家族で、どんな問題を抱えているのかは具体的に示してくれますので難解さはありませんでした(意味がわかってないだけかもしれませんが)。ダンスや演劇鑑賞の初心者が観ても、率直に面白さを受け取れる舞台だったと思います。

 私はやはり、アクロバティックで素早くて、少しのミスも許されないようなコンビネーションが好き。イスとテーブルを使う場面はスリリング!緻密な稽古を積んでこその成果を見せていただけたと思います。

 ただ、「面白い」「凄い」「楽しい」「わくわくする」といった見どころの、その上にある何か、例えば視点や主張を提示してもいいのではないかと思いました(既に示されているのでしたら、私が読めていないだけです)。空間がドイツ演劇みたいに見えたからでしょうね。

 ここからネタバレします。
 
 オープニングで、子供たちが生まれる場面が良かった!夫婦で1人ずつ持ち上げて、生み落としていく体勢がヤバイ(笑)。お母さんの腰は大丈夫かしら?!って心配になるぐらい。

 最後にBeatlesの"All You Need Is Love"がかかりました。それが政治的というか、何か社会的なメッセージにつながるような気がしたんですよね。最初の旋律がフランス国歌だからかもしれませんが。そうなって欲しいという思いが私の中にあるのだと思います。

≪東京ワークインプログレス、大阪、福岡、東京≫
[choreography&cast] 大園康司 伊藤麻希 玉井勝教 石本華江(妄人文明) 長谷川寧 ※出演者一部変更のお知らせ 本公演出演予定の小林由佳(She de cusu oh chee!)は、怪我により出演が困難になりました。代わって石本華江(妄人文明)が出演致します。
作・演出・振付:長谷川寧 音楽監督:吉田隆弘 音楽:フジモトヨシタカ(ar) 衣裳:生田志織 舞台監督:中西隆雄 照明:奥田賢太(colore) 映像:浦島啓(PUREDUST) 音響:和田匡史 美術:大泉七奈子 イラストレーション:東村アキコ 宣伝写真:生井秀樹 松本和幸 宣伝美術:太田創(01 Ga graphics) 制作:清水美里+冨士山家 共催:(財)福岡市文化芸術振興財団(福岡公演) 主催:冨士山アネット 大阪市(大阪公演)
【発売日】2011/03/19[料金] 前売2,800円 当日3,000円(全席自由)
http://fannette.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:39 | TrackBack

ナイロン100℃『黒い十人の女~version100℃~』05/20-06/12青山円形劇場

 市川崑監督の同名映画をケラリーノ・サンドロヴィッチさんが舞台化。私は映画は未見です。ケラさんのツイートによると台本はかなり変わっているようです。

 青山円形劇場にNylon100℃の劇団員と客演4人の役者さんがズラリ。劇団公演ならではのキャストの多さですよね。今や共演してることが豪華といえるナイロン100℃の俳優を、近い距離で観られる贅沢。学生割引券4,300円(ぴあの前売り券のみ)もありますよ~。

 上演時間は約3時間(途中休憩10分を含む)。青山円形劇場のイスで3時間はちょっとキツかったな~。休憩時間は席を立ってロビー周遊がオススメです。

黒い十人の女 [DVD]
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角川ヘラルド映画 (2007-01-26)
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 ⇒CoRich舞台芸術!『黒い十人の女~version100℃~

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 TVプロデューサーの風松吉は、9人もの愛人を持っていた。妻の双葉はそんな夫を諦めてレストラン経営で淋しい気持ちを紛らわしていた。愛人たちはお互いの存在をそれとなく知っており、風が浮気者であるという事も重々承知しているものの、何故か風から離れられないでいた。女たちは「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と口々に言うのだった。そんな話を耳にした風が思い悩んだ末の相談相手は、妻の双葉だった。そこで妻が立てた計画とは…。
 ≪ここまで≫

 なぜかモテまくるテレビ局のプロデューサー風(かぜ)をみのすけさんが演じます。彼の妻および愛人たちを演じる女優陣が、次々と衣装を着替えて登場するのは眼福!着物、スーツ、ワンピース♪60年代風のレトロなファッションで、ヘアメイクも凝っています。
 演技スペースは完全円形+α。一部分客席をつぶして、四角い窓がいっぱいのビルが建っています。ビルには階段があり2階レベルのロフトでも演技をします。ハルディン・ホテルのチラシを思い出しました。モノクロの映像がかっこい~。

 今回、一番わくわくしたのは群舞(と言っていいのかな)でした。すれ違ったりぶつかったりつながったりする体がスリリングで美しい上に、無言でも人物の関係性が立体になって見えてくるのです。さすがは小野寺修二さんの振付ですね。
 何もない舞台に小さな箱や机、稼動式のカウンターやドアなどが続々と運び込まれ、その動作にも振付がほどこされていました。演技者と転換要員が息を合わせて空間を作っていくのが面白いです。イスを動かす人もちゃんと場面ごとに衣装を変えていて感心。ただ、回り舞台の効果はもっと上げられるんじゃないかなと思いました(私が方法を提案できるわけじゃないですが)。

 普段、「こんな女がなぜモテる?」と女の私が思うことはあります(←ただのひがみかも)。きっと風(みのすけ)は男性から見てそういう人物でしょう。でも「この人、実際にいたらモテるだろうな~・・・」と私は思いました。テレビのプロデューサーへのあこがれや打算もあるでしょうけど、女性はさらっとすかされる冷たさや意外な優しさに翻弄されるんですよね。絶妙な飴とムチと言いましょうか。「あ、もしかしてこの人、私のこと(だけ)を好きなのかも・・・」と思わせられてしまう、そういう塩梅のあしらい方があるんだと思います。お父さんのような包容力を見せたかと思いきや、いきなり強引に抱き寄せる、でも数時間ですぐにバイバイみたいな。みのすけさん、凄いなと思いました。

 女たちの企みがどうやって成就するのか、プレイボーイの風は果たして観念するのか。ストーリーに引き込まれなかったわけではないですが、結末の意味はあまり理解できなかったかも。男と女の終わりなき戦い、なのかな。

 先輩女優役の松永玲子さんがかっこ良かったです。衣装もヘアスタイルも良かったな~。ある場面での松永さんの表情にぞくぞくしました。これは席によりますね。

 ここからネタバレします。

 妻に射殺されたはずの風が実は生きていたと知った9人の愛人は、復讐をするために彼を別荘に監禁します。会社をクビになった風は覇気をなくし、いじめ甲斐がなくなったと嘆く女たち。実は風はまだ懲りておらず、新たな女(奥村佳恵)を見つけてご執心ですが、その女にものの見事に振られて(おそらく)発狂します。「また全員と関係を持って俺の子を生ませてやる。子供が生まれたら俺への興味は失せるだろうが、子供はつまり俺なのだ」と豪語する風。10人の女は彼を囲んで馬鹿にしたように高笑いします。

 印刷会社の社長(村岡希美)は風が死んだと思い込み、射殺事件の翌日に後追い自殺をしました。幽霊となって風のそばにいて、最後の最後まで彼に優しく接します。そういえば子供がいるのは彼女だけですね。

36th SESSION
出演:峯村リエ 松永玲子 村岡希美 新谷真弓 植木夏十 安澤千草 皆戸麻衣 菊池明明 廣川三憲 藤田秀世 吉増裕士 眼鏡太郎 小園茉奈 木乃江祐希 白石廿日 水野小論 野部青年 森田甘路 みのすけ 中越典子 小林高鹿 奥村佳恵 緒川たまき
※出演を予定しておりましたナイロン100℃劇団員、猪俣三四郎は急病のため降板し、代役を同じく劇団員の野部青年が務めます。予めご了承ください
オリジナル脚本:和田夏十(映画『黒い十人の女』市川崑監督) 上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 振付:小野寺修二 美術:BOKETA 照明:関口裕二(balance,lnc.DESIGN) 音響:水越佳一〔モックサウンド〕 映像:上田大樹(&FICTION!) 衣裳:三大寺志保美 ヘアメイク:武井優子 演出助手:相田剛志 舞台監督:宇佐美雅人(バックステージ) 演出部:松弁啓悟 阿久津由美(バックステージ) 照明操作:瀬戸あずさ(balance,inc.DESIGN) 音響操作:佐藤こうじ(SugarSound) 歌唱指導:安澤千草 切り絵:古屋あきさ 大道具:櫻井敏郎(C-COM舞台装置) 唐崎修(smllestage) 振付助手:藤田桃子 江角由加 映像助手:大鹿奈穂 横山翼 小林妙子 衣裳進行:畑久美子 松本ますみ 台本進行:陶山池乃 記録スチール:引地信彦 舞台協力:株式会社STAGE DOCTOR (福澤論志) 大道具製作:C-COM舞台装置 テルミック 美術工房拓人 小道具:吉坂隆(高津映画装飾) 小道具製作:酒井ちはる(バックステージ) 衣裳製作:三業工房 映像協力:インターナショナルクリエイティブ 衣裳協力:東京衣裳 運搬:マイド 宣伝美術:横須賀拓 佐久間りさ 宣伝写真:平野太呂 宣伝ヘアメイク:山本絵里子 浅沼靖 杉村千春 プロデューサー:高橋典子 制作:前田優希 佐々木悠 北里美織子 川上雄―郎 仲谷正資 制作協力:馬場順子 永田聖子 広報宣伝:米田律子 太齋志保 製作:北牧裕幸 主催:キュープ 文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業) 企画・製作:シリーウォーク キュープ
【休演日】5/23,30 6/6【発売日】2011/03/26 6,900円(前売・当日共/全席指定/税込) 学生割引券 4,300円(前売のみ/税込/チケットぴあ のみ)
http://sillywalk.com/nylon
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon36th.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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