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しのぶの演劇レビュー
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2013年04月15日

青年団『平田オリザ・演劇展vol.3「走りながら眠れ」』04/10-21こまばアゴラ劇場

 平田オリザさんの昔の戯曲を上演する企画の第3弾。『走りながら眠れ』は好評で3演目だというので拝見。上演時間は約1時間20分。

 大杉栄(古屋隆太)とその妻野枝(能島瑞穂)が登場する二人芝居でした。残念ながら終始退屈してしまいました。 

 ⇒CoRich舞台芸術!『平田オリザ・演劇展vol.3「走りながら眠れ」

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 「ただいま」「おかえりなさい」
 社会主義運動の中で虐殺された、大正時代のアナキスト・大杉栄と妻の伊藤野枝。
 恋愛スキャンダル、幾度にもわたる投獄 —
 壮絶な人生を辿りながら、どこまでも己を貫いた彼らの
 最期の2ヶ月を繊細に綴った、大人の会話劇。
 何気ない日常の中から、2人の生き様を覗き見てください。
 「平田オリザ・演劇展vol.1」で好評を博し、待望の再々演。
 ≪ここまで≫

 『美しきものの伝説』『ブルーストッキングの女たち』などを観ていますので(関連レビュー⇒、4)、大正時代のアナーキストたちのイメージはある程度、私の記憶の中にありました。ある意味、先入観ですが。『走りながら眠れ』というタイトルにあるとおり、突っ走り続けた大杉と野枝のほんの束の間の“眠り”と言えるのであろう、だんらんの時間に敢えてスポットを当てたのかなと思います。

 ここからネタバレします。

 四幕とも居間でのんびりする時間を描いていて、「この瞬間はこの演技(発語・発声・動作)」と決めて、それを丁寧になぞっているように見えました。背後にある時代の狂騒、焦燥感などが私には感じられなかったです。
 俳優の演技によってではなく、語られる言葉の意味やテンポ(間あい)、2人の位置関係を材料に、観客が言外の世界を想像すればいいという意図なのかもしれません。つまり、自然な演技のストレート・プレイにみせかけて、実は計算し尽くされた演出がほどこされた舞台である、と解釈できます。私は俳優の演技重視なので、それだと退屈してしまうんですよね。

充実の3作品を一挙上演! 上演演目:『この生は受け入れがたし』『走りながら眠れ』『銀河鉄道の夜』
出演:山内健司、たむらみずほ、渡辺香奈、川隅奈保子、能島瑞穂、古屋隆太、佐藤誠、小林亮子、森内美由紀、菊池佳南、富田真喜、緑川史絵
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至  照明:西本彩  音響:泉田雄太  映像:ワタナベカズキ 衣裳:有賀千鶴、正金彩  フライヤーデザイン:京 (kyo.designworks)  制作:堤佳奈
【休演日】4月16[火]【発売日】2013/03/02[日時指定/全席自由/前売・予約・当日共]
『この生は受け入れがたし』 一般3,000円
『走りながら眠れ』 一般3,000円
『銀河鉄道の夜』 一般2,000円 高校生以下1,000円
http://www.seinendan.org/jpn/info/2013/04/engekiten/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年04月15日 13:04 | TrackBack (0)