2013年06月15日
RunsFirst『帰郷 The Homecoming』06/15-30シアター風姿花伝
小川絵梨子さんがハロルド・ピンター作『帰郷 The Homecoming』を演出されます。
⇒シアター風姿花伝「10周年記念プロジェクト制作発表会」
※レビューは2015/12/12に投稿。
RunsFirst「帰郷」。約2時間強。男ばかりの親子と招かれざる紅一点の客の、一見突飛に映る行動のワケ(動機)を、頭フル回転で解いていく。質の高い芝居だから得られる知的興奮とスリルにアタシご満悦。ピンターといえば不条理劇で難解だという言説は、信じる必要のない噂だったんだ。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2013, 6月 15
先ほどツイートしたRunsFirst「帰郷」@シアター風姿花伝の翻訳・演出は小川絵梨子さん。出演は中嶋しゅう、中原和宏、斉藤直樹、浅野雅博、小野健太郎、那須佐代子という垂涎ものの豪華布陣。美術、照明、衣裳もシックな高品質で4500円。トークゲストも豪華絢爛。6/30まで。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2013, 6月 15
2回目で新たな発見があるピンター作「帰郷」。ほんわかホームドラマでは全くない。親と子の、男と女の闘いです。開幕時からプっと吹き出せたのは、セリフを言い続けるベテラン俳優の力だけじゃなく、その横にいる中堅俳優の在り方の重さゆえ。これが私が観たいストレート・プレイ。6月30日まで。
— 高野しのぶ (@shinorev) 2013, 6月 26
私の今月のおすすめNo.1です。⇒舞台「帰郷」稽古場を動画取材/小川絵梨子さんインタビュー http://t.co/9Wt6PY1vCG @entre_news_jpさんから シアター風姿花伝「10周年記念プロジェクト制作発表会」レポのリンクも貼って下さって感謝
— 高野しのぶ (@shinorev) 2013, 6月 7
≪あらすじ・作品紹介≫ シアターガイドより
小田島雄志・翻訳戯曲賞、読売演劇大賞(杉村春子賞・優秀演出家賞)受賞し、日本の演劇界に新風を吹き込んでいる小川絵梨子が新たに翻訳をし、ピンターの世界を掘り下げます。出演には紀伊國屋演劇賞・個人賞受賞の 中嶋しゅう、 那須佐代子。「言葉とは人間の肌にしか過ぎない」と言い切るピンター。その言葉(肌)の下に蠢く闇をどう照らし出すか。2013年の演劇界で大きな注目となることは必至です。
ロンドンの下町に男だけで暮らす労働者ファミリーのもとへ、学者としてNYで成功した長男が数年ぶりに帰郷した。結婚後、実家に帰るのはこれが初めてである。彼が妻を連れてきたことに、父、叔父、弟たちは色めき立つ。その結果…。
≪ここまで≫
CoRich舞台芸術!に投稿したクチコミより↓
これが私が観たいストレート・プレイ
約2時間強。男ばかりの親子と招かれざる紅一点の客の、一見突飛に映る行動のワケ(動機)を、頭フル回転で解いていく。質の高い芝居だから得られる知的興奮とスリルにアタシご満悦。
ほんわかホームドラマでは全くない。親と子の、男と女の闘い。開幕時からプっと吹き出せたのは、セリフを言い続けるベテラン俳優の力だけじゃなく、その横にいる中堅俳優の在り方の重さゆえ。これが私が観たいストレート・プレイ。
ピンターといえば不条理劇で難解だという言説は、信じる必要のない噂だったんだ。
小川絵梨子め。マンホールの蓋とかにハイヒールのカカト挟まって転倒して死ねばいいのに。面白かった。
— 谷賢一 (@playnote) 2013, 6月 26
シアター風姿花伝にて『帰郷』観劇。王道かつ秀逸なピンタレスク演出。ピンターって誰? 何それおいしいの? みたいな人はみんな観に行けばいい。俳優陣は盤石、演出も的確かつ力強く、教科書のように丹精な演劇。ピンターという20世紀の鬼才を正しく回顧する見事なクオリティであった。
— 谷賢一 (@playnote) 2013, 6月 26
小川絵梨子さん演出のハロルド・ピンター「帰郷」がかなり面白かった。でもストーリーを人に説明しようとすると、そのあまりに不条理な展開から、「ちょ、え? 何言ってるか全然分かんない」てなる。ピンター戯曲は読むとシュールで謎めいて不可解、それをちゃんと笑えるように立体化するなんて。
— 前川知大 (@TomoMaekawa) 2013, 6月 25
(承前)色々全然意味が分からないけど面白い、て感想を堂々と言える楽しさ。身内贔屓でなくおすすめ。30日まで。@シアター風姿花伝。
— 前川知大 (@TomoMaekawa) 2013, 6月 25
ここからネタバレします。
長男(斉藤直樹)の妻(那須佐代子)が初めて彼の実家に来た夜。彼女が明け方までかつて自分が住んでいた町を放浪してたことは、次男(浅野雅博)のセリフでわかる。…いったい何してたんだよ!(笑)。この時点で悪女認定だん。でも最後の場面で彼女が三男(小野健太郎)をやさしく抱く姿は、ピエタのようだった。
出演:中嶋しゅう・中原和宏・斉藤直樹・浅野雅博・小野健太郎・那須佐代子
作: ハロルド・ピンター / 翻訳・演出:小川絵梨子 / 舞台監督:村田明 / 照明:松本大介 / 美術:松岡泉 / 音響:斉藤州一 / 衣裳:小段 /宣伝美術:斎藤広介 / イラストレーション:信八太郎 / ステージマネージャー:大豪 / 制作:太田美乃里・吉長興二 / 企画製作:ランズファースト 清水英
アフタートーク
※6月16日(日) 13時 小川絵梨子×オールキャスト
※6月17日(月) 19時 吉原光夫氏×中嶋しゅう×斉藤直樹
※6月18日(火) 19時 成河氏×中嶋しゅう
※6月19日(水) 19時 千葉哲也氏×小川絵梨子×中嶋しゅう
※6月22日(土) 18時 鷲尾真知子氏×小川絵梨子×那須佐代子
※6月23日(日) 13時 鵜山仁氏×小川絵梨子×中嶋しゅう×那須佐代子×浅野雅博
※6月25日(火) 19時 林勇輔氏・奥田努氏・荒木健太朗氏×小野健太郎
【発売日】2013/04/24
前売り 4500円 当日5000円
http://www.runsfirst.com/homecoming/top.html
http://c-true.net/artist/nakajima-shu/2343/
※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ブルーノプロデュース『My Favorite Phantom』04/26-29吉祥寺シアター
ブルーノプロデュースは橋本清さんが構成・演出される演劇ユニットです。橋本さんは急な坂スタジオの「坂あがりスカラシップ」対象者に選ばれています。東京デスロックの演出部にも所属されていましたが、最近退団されました。独立されたということですね。
「CoRich舞台芸術まつり!2013春」審査員として拝見しました(⇒99本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。下記にも転載します。
⇒CoRich舞台芸術!『My Favorite Phantom』
■我が道を進み極める
シェイクスピアの戯曲『ハムレット』を題材にしたパフォーマンスでした。日本で『ハムレット』といえば、上演されない年はないと言えるぐらいの有名古典戯曲です。多くの人が知っている作品をどう上演するのかを観たかったので、出演者が『ハムレット』とどんなきっかけで出合ったのかを言葉で説明されても、興味をそそられませんでした。たとえば「この公演に出ることになって初めて『ハムレット』を読んだ」など。
『ハムレット』を等身大の自分たちに引き寄せて、自分たちにとっての『ハムレット』を見せたのかもしれませんが、残念ながらシェイクスピアの『ハムレット』の方がずっと面白いと思いました。
終演後のトークには構成・演出の橋本清さんと出演者全員が登壇し、全員の自己紹介がありました。予想通り、自己紹介だけでトークの時間が終わってしまいました。質疑応答時に橋本さんが答えられたことを、最初からお話しされた方が良かったと思います。出演者全員の自己紹介が行われたのは、「せっかくなので」という理由でした。橋本さんは、ある状態や自分の気持ちに正直に向き合って、その場に居合わせた人々とありのままを共有することを、第一義とされているのではないかと考えました。もしそうならば、観客の気持ち(主に欲望)も想像してみて、それも「ありのままの状態」に一部だけでも組み入れてみてはどうかと思いました。
ここからネタバレします。
若い俳優が『ハムレット』の登場人物として、現代口語の若者言葉で話します。実生活の言葉づかいでいかにも自然体でいるかのように振舞っていましたが、「そんな時にそんなことは言わないよ!」とつっこまざるを得ないセリフばかりで信憑性がありませんでした。明らかに嘘とわかる演技を、俳優が自然にやってる体(てい)に見せるのが不快でした。魅力的な役者さんがそろっていたので本当に残念。
客席通路やロフトなど吉祥寺シアター内全体を演技スペースにされていました。客席通路では必ずと言っていいほど出演者が待機していたり、セリフをしゃべっていたりするので、出たくても出られなかったです(最終選考作品なので私には退出の選択肢はありませんでしたが)。
オリジナル音楽がかっこ良かったです。銀吹雪が舞う瞬間もきれいでした。あそこで終わって良かったと思います。
私は基本的に、他人に迷惑をかけても自分がやりたいことはやってみればいいと思っています(迷惑をかけた責任は自分に返ってきますけど)。橋本さんはやりたいことを実現する勇気も力もお持ちだと思います。終演後のロビーで観客との対話の時間を設けていることから、賛辞も批判も堂々と受けとめる、誠意ある方だとお見受けしました。今後の挑戦に期待します。
【観劇途中で席を立つことについて】 ※ブログにのみ掲載。
野田秀樹さんが、イギリス留学から帰国された頃のインタビューで、
「日本の観客はつまらなくても最後まで観て拍手までしちゃう。それが日本の演劇が育たない理由(のひとつ)だ。イギリスの観客はつまらなかったら途中で帰るよ。」
という意味のことをおっしゃっていました(どこかの雑誌で読んだおぼえがあります)。
それまで私は「どんな作品も最後まで観るのが礼儀だ」と思っていたのですが、野田さんの言葉に衝撃を受け、自分の考えを改め、イギリスの観客のようになろうと決めました。
出演:味戸龍之介、井上みなみ(青年団)、岩佐みちる(演劇活性化団体uni)、片倉裕介、加藤サイセイ(再生倶楽部)、金谷奈緒(青山ねりもの協会)、阪口美由紀(楽塾)、世古シュンスケ、武田実生、立本夏山(重力/Note)、南波早(なんばしすたーず)、堀内萌、間野律子(東京デスロック)、吉川綾美、李そじん、竜史(20歳の国)
構成・演出:橋本清 音楽:涌井智仁 原作:ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』 舞台監督:土居歩 照明:板谷悠希子 音響:池田野歩 衣装:椙山K子 演出助手:森田百合花 宣伝美術:原麻理子 WEB:平舘宏大 制作:スズキヨウヘイ 主催:ブルーノプロデュース 共催:(公財)武蔵野文化事業団 協力:坂あがりスカラシップ
【発売日】2013/02/02(全席自由) 前売り 一般 2500円/高校生以下 1500円 当日券 一般 2800円/高校生以下 1500円
【プレイベントチケット】一般・高校生共通 1000円(前売・当日ともに)
☆セット券(公演チケット+プレイベントチケット) 3000円
※プレイベントチケット・セット券はメール(info@brunoproduce)または電話(080‐4344‐4968)のみにて受付いたします。
http://brunoproduce.net
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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