REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2006年05月29日

文学座+青年団『職さがし』05/26-31こまばアゴラ劇場

 文学座+青年団自主企画交流シリーズは私はこれで3作品目(他の2作⇒)。全部で6作品ありますが、これで最後になりそうです。
 公式サイトによると“この10月、フランスで二番目に重要な劇場である「シャイヨー国立劇場」で、平田オリザの戯曲『ソウル市民』を演出することになっているアルノー氏が、上演に先立って、日本社会を内側から感じるべく来日し挑む意欲作。”ということで、アルノー氏が出演するポストパフォーマンストークのある回に伺ったところ、超満員。
 上演時間が約1時間45分の四人芝居。役者さんがものすごく頑張ってらっしゃるんですが、観てる私が疲れちゃいました・・・・。

 ★人気ブログランキングはこちら♪
 レビューをアップしました(2006/06/23)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。※永井秀樹は面接官役。
 職を失い、ある企業の管理職のポストを得るために面接を受けている男(高橋広司)。その一方で、左翼かぶれの娘(石橋亜希子)と、夫が安定した職を失ったことに耐えることができない妻(山口ゆかり)と対立する。人間心理や時間経過が実験的に究極まで細分化され、時間軸そして空間軸が交差する中で、言葉が生みだされた瞬間の現実が明らかにされていく。
 ≪ここまで≫

 ものすごく疲れました・・・・。始まってから数分経った時に「まさかこの演出で最後まで行っちゃうのかな?」とよぎった危惧がその通りになりました。演じるの大変だよなーと思いながら、観ている方もけっこう疲れちゃいましたね。

 白い衣裳で裸足の役者さん4人が、客席を向いてガンガンしゃべり続けます。しかも誰が誰と話しているのかがわかりづらい。語られるセリフが時系列に並んでいるわけでもないんですよね。
 オープニング音楽がドナドナだったのは可笑しかったな~・・・。父親以外の3人がブタのかぶりものを被って、ほんとにブタになっちゃうのは面白かったな~・・・とか、シーンを部分的にしか覚えていません。
 戯曲は30個の断片から成り立っていて、シーンごとに舞台後方のパネルに数字が映写されます。シーン1、2、3・・・というように。数字がこつこつと増えていくと、時間が過ぎていくのが可視化されて体感速度が速くなりそうな気がしますよね。でも実はこれが結構つらかった。当然のことなんですが、ひとつずつしか進まないので(苦笑)、少しイライラしちゃいました。

 役者さんでは娘役の石橋亜希子さんが光っていました。ストーリーや会話としての連続性がほぼ無いと言えるセリフたちを、きちんと感情をのせて一言一言ヴィヴィッドに語ってくださいました。声も表情も動きも自然で、どうしても彼女ばかりに目が行きましたね。

 ポスト・パフォーマンス・トークには、演出家のアルノー・ムニエさんと通訳・翻訳の藤井慎太郎さん、そして出演者全員が登場してくれました。40~50人のオーディションから選ばれた4人だったんですね。
 アルノーさんはこの戯曲がとても音楽的だと思っているとのこと。脚本はいわば楽譜で、その楽譜への敬意を払い、謙譲の精神で取りくんだそうです。
 俳優については、下記のようにもおっしゃっていました。
 「楽譜の具体化には色んな可能性がある。演奏する器の大きさが必要。表現の幅のある俳優を選んだ。」
 「演奏も演技も、interpretationという同じ言葉だ」

 『職さがし』は1971年に書かれて1972年に初演された戯曲で、脚本家のミシェル・ヴィナヴェールさんは当時42歳だったそうです。今は71歳なんですね。

 これは個人的なつぶやきですが、このチラシのデザインがすっごく好きです。見つけたとたん「絶対に観に行く!」って思いました。

"La Demande d'emploi" by Michel Vinaver
青年団国際交流プロジェクト2006 文学座+青年団自主企画交流シリーズ第一弾
出演(◎=文学座 ★=青年団)=高橋広司◎、永井秀樹★、石橋亜希子★、山口ゆかり★
演出:アルノー・ムニエ(Arnaud Meunier) 作:ミシェル・ヴィナヴェール(Michel Vinaver) 翻訳:藤井慎太郎 舞台監督:鈴木健介 美術:カミーユ・デュシュマン 照明:フレデリック・グルダン、西本彩 音響:バンジャマン・ジョソー、藪公美子 衣裳:有賀千鶴 宣伝美術:京 宣伝イラスト:後藤周太郎 演出助手:吉田小夏 制作:カリーヌ・ブランシュロ、松尾洋一郎、西山葉子 通訳:斉藤チカコ 総合プロデューサー:平田オリザ 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:文学座・青年団
共同制作:La Compagnie de la Mauvaise Graine 後援:AFAA(Association Francaise d'Action Artistique) Le Ministere de la Culture et de la Communication Region Ile-de-France
予約・当日共 一般3,000円 学生2,500円(要学生証提示)※日時指定・全席自由・整理番号付 通し券 9,000円(取り扱い先は青年団のみ)
公式=http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_5/bs-agora.html#shokusa

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。

メルマガを発行しております。過去ログはこちら
 毎月1日にお薦めお芝居10本をご紹介し、面白い作品に出会った時には号外も発行いたします。
 ぜひご登録ください♪
 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』(ID:0000134861)

↓↓↓メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。


登録フォーム






解除フォーム




まぐまぐ


『まぐまぐ!』から発行しています。

Posted by shinobu at 2006年05月29日 23:47 | TrackBack (0)