2008年01月15日
劇団とっても便利『ミュージカル「complex」』01/11-15青山円形劇場
劇団とっても便利はオリジナル・ミュージカルを作っている大阪のカンパニーのようです。
どうしても体調がおもわしくなくて、途中休憩の時に帰りました。ごめんなさい。
⇒CoRich舞台芸術!『complex』
開演が15分以上遅れました。原因は、1人の観客が指定の席に座ろうとしないから。これには驚きました。がっしりとした体型の男性が、自席ではない舞台の近くの席に勝手に座って動こうとしないんです。場内誘導スタッフの女性ががんばった結果、おそらく自席なのであろう客席中央よりの席に移られて、やっと開幕。
なぜそこまでがんばって、その人に移動してもらわなきゃダメだったのかしら・・・と不思議に思ったんですが(もともと舞台近くの席は空席だったので)、前半の終わり間際にその理由がわかりました。出演者が客席に降りてくるシーンがあったんですよ。きっと出演者のどなたか(おそらく若い女優さん)のファンなのでしょう。場内誘導も大変な仕事ですね。
ここからネタバレします。
全日本国民的美少女コンテストで賞を取っているような美少女が出演していました。例えばバー“complex”の「可愛い子募集」という広告を見て応募してきた女の子(本田有花)役。「私、可愛くないのに・・・」って言ってたけど、あなた、美少女コンテストで賞取ってるじゃないっ!(笑) そのまま役名も「可愛い子」でした。ほんとに可愛かったです。
≪大阪、東京≫
出演(登場順):本田有花、須藤温子、上杉祥三、丹羽実麻子、柴田かよこ、大野裕之(ヨガ・パイナップル)、高嶺ふぶき、うえだ峻、多井一晃、中島ボイル、上野宝子、八田幸恵、鷲尾直彦、沖田星子、佐藤都輝子、吉田悠来、中村瑤子、細入万美恵、浜田陽子、道越夕葵、上野有佳子、丸岡亜美子、梅原愛、松田文香、青澤佑樹
作曲・脚本・演出: 大野裕之 振付: ミス・イヴォンヌ/沖田星子/吉田悠来 編曲・演奏: 丸山潤/砂守岳央/吉田カズト/井澗昌樹 音楽監督:砂守岳央 舞台監督: 青木一雄(スタッフユニオン) 舞台美術:増田寿子 衣装:半田悦子 照明:三澤裕史 音響:藤井真紀(テクニカル・アート) 歌唱指導:浦千鶴子 合唱編曲: 浦千鶴子/沖田星子 撮影:伊東俊介 演出助手:鷲尾直彦/梅原愛 制作:竹内充春 企画・製作: 大野裕之/間杉直子 主催: (大阪公演)毎日放送/fm osaka/株式会社ハートス/劇団とっても便利 (東京公演)TOKYO FM/劇団とっても便利
前売 一般:5500円 学生3500円 当日 一般:5800円 学生3800円 (学生チケットは劇団とっても便利電話でのみ発売。1ステージ25枚限定)
http://www.benri-web.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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【写真レポート】王子小劇場『2008年新年会・2007年佐藤佐吉賞授賞式』01/14王子小劇場
劇場玄関の「祝い」看板
王子小劇場で毎年開催されている佐藤佐吉賞授賞式にお邪魔致しました。佐藤佐吉賞は、王子小劇場の職員が、1年間に王子小劇場で上演された公演(2007年は50作品)の中から最も優れた作品を選び、表彰する賞です。
本来は作り手さんだけが集まる会なのですが、王子小劇場支援会員も招待されました(⇒fringe blog関連記事)。
王子小劇場を中心に、若手カンパニーの演劇コミュニティができているんですね。熱気ムンムンの場内をちょこっと撮影してきました。
劇場職員の玉山悟さんら3人の熱いパフォーマンス(笑)で開会。すごかったです。あんなに暴れて大丈夫なのか?!王子小劇場は公演もトンガってますが、職員も相当キてますね(笑)。
↓劇場内には平台で作られたテーブルが多数。お食事も飲み物も食べ放題・飲み放題です(受付で会費1,000円を支払いました)。
↓バー・スペースにはバーテンダー経験のある劇場職員の黒澤世莉さん(右)。
↓演出賞にノミネートされていた青森県出身の畑澤聖悟さん(左)と中屋敷法仁さん。高校演劇の世界で戦ってきて、まさか王子小劇場で再会とはっ!世代の違いにもびっくり(笑)。
畑澤「中屋敷くんの学生服姿をリアルタイムで見ているのは、この中では私だけですね。」
↓調光室ではZOKKYののぞき部屋公演『勝手に、王子トリビュート』(3本立て)が上演中。残念ながら私は観られず。一般向け公演も予定されているようです。
授賞式終了後は終電までご歓談タイム。最優秀賞を多数受賞した小指値と、同世代の柿喰う客の面々が大いに盛り上がっていました。若いってスバラシイ(笑)。
個人的には空想組曲『小さなお茶会』で“ドエス”の喫茶店ウェイターを演じられた森下亮さんが、最優秀助演男優賞を受賞されたのが嬉しかったです。あの役はほんと、ゾクゾクするほど凄かったんですよ。
王子小劇場:http://www.en-geki.com/
※注意を払って記事を掲載していますが、正確な情報は公式サイトでご確認ください。
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【写真レポート】赤坂RED/REVOLUTION第一弾『東京』最終オーディション01/10赤坂RED/THEATER
赤坂レッドシアター入口
赤坂RED/REVOLUTIONは、全キャストをオーディションによって選定する、役者さんにとっても観客にとっても垂涎モノの企画です(⇒告知、⇒fringe blog記事)。
第一弾『東京』の作・演出はTHE SHANPOO HATの赤堀雅秋さん。昨年上演された『その夜の侍』が岸田國士戯曲賞にノミネートされている、若手で最も注目されている劇作家・演出家の1人です。
応募者総数はなんと600人以上!その中からキャストに選ばれるのは15人です。白熱の最終オーディションを取材させていただきました。
★結果は本日(1/15)、公式サイトで発表予定です!
まず書類審査で600人から300人に絞られ、1/7(月)から1/9(水)の3日間の第2次オーディションで、最終オーディションに進む56名が選ばれました。2次では7人ずつのグループで実技審査があり、1グループにかけられた時間は約30分間だったそうです。1人につき4~5分ですね。
『東京』には15人の登場人物がいます。最終オーディションでは1人の登場人物につき2人~6人の候補者が残っており、その役が登場するシーン(脚本3ページ分ぐらい)を候補者の数だけ繰り返すという、とても丁寧な審査でした。数人の会話シーンを演じるので、他の役柄についても候補者が交互に演じていきます。
赤堀さん(左)と上谷さん
赤坂RED/THEATERチーフプロデューサーの上谷忠さんからお話を伺いました。
上谷「東京で公演を打とうとすると、まず劇場を予約するところから始めざるを得ないんです。劇場費などの公演経費を考えて、確実に集客が期待できる人気俳優をキャスティングします。そうなると、キャストに合わせて戯曲を選ぶ(執筆依頼する)場合も出てきますので、常に戯曲のための最高のキャスティングができるとは限りません。心苦しいところなのですが、それが現実です。また、集客を出演者に頼ったシステムというのは、必ずしも演劇界全体のためになるとは思えないんです。」
上谷「今の若い人の芝居がものすごく面白くてね。今回のオーディションでも非常に個性が濃い(笑)、才能のある若者ばかりが集まってくれました。だからものすごくわくわくしてるんですよ!一緒に面白い芝居を作りたい。真面目に、普通に作って、それが評価されて、演劇の観客が増えてくれたらと心から願っています。お互いに磨きあって、演劇界を盛り上げていきたいです。」
オーディション中の客席風景
オーディション会場は公演会場でもある赤坂RED/THEATERの劇場内。実技はステージ上で行い、審査をする作・演出の赤堀さんや今企画のプロデューサーさんらと同様、オーディション参加者も客席に座って待機します。だから、役を競い合う相手の演技も見るし、自分も見られている状態なんですね。
特に1つの役の候補が2人しか残っていない場合は、何度も交互に舞台に立つことになりますので、あからさまに“比較”されます。オーディションのシビアさをひしひしと感じました。
オーディション開始前に、赤堀さんは参加者に向けてこんなお話をされました。
赤堀「この企画は希有なものだと思います。こんなに純粋に、演じることを追求して活動している方々にお会いできて、参加して心底良かったと思っています。このオーディションには何の政治も働いていません。実力至上主義で選ばれ方々ですから、自信を持っていただきたいです。ここまで来ると、もう芝居の上手い下手で判断できるわけではない状況です。戯曲も登場人物も決まっていますので、見た目やバランスで選ばざるを得ませんから。」
確かにどなたにもモーレツな(笑)個性があり、自然と目が引かれる方々ばかり。大きな舞台や有名劇団公演でお見かけする役者さんも多く、セリフをすべて覚えている方もいらっしゃいました。
会場に張り詰めた緊張感にシビれつつ、スタッフと参加者の皆さんの真剣さもじわじわと体に染みて来ます。見学者の勝手な立場からだと、スリリングで快感でもありましたね。
お昼過ぎから夜までべったり見学させていただいてわかったのは、登場人物の対話がさまざまなキャストで繰り返し演じられることで、『東京』という作品が具体的に立ち上がってくるという事実でした。赤堀さんがオーディション中に演出を加えると、それに応える役者さんの演技が新しい化学反応を生み出します。その度に私は、演劇の力がぐるぐると重みを持ってうねりながら、劇場空間にのぼってくるように感じました。
お芝居は、ある確定した企画のもとに全スタッフが集結し、公演初日にはじめて観客の目に触れるのが一般的です。赤坂RED/REVOLUTION『東京』は、骨組みが形づくられる前から600人以上の演劇人によって注目され、4日間の壮絶なオーディションを経てはじめて企画が確定されました。今の東京では稀な創作過程を経たことになります。
オーディション参加者をはじめ、このプロジェクトを立ち上げ実行している方々の勇気ある挑戦を目の当たりにして、大いに刺激を受け、元気ももらえました。一観客としても公演初日がとても楽しみです。
赤坂RED/REVOLUTION
『東京』
作・演出:赤堀雅秋(THE SHAMPOOHAT)
日時:2008年3月13日(木)~3月23日(日)全13ステージ
会場:赤坂RED/THEATER
赤坂RED/REVOLUTIONプロジェクトメンバー:上谷忠(J-clip) 伊藤達哉(ゴーチ・ブラザーズ) 山家かおり(Me&Her コーポレーション) 石井久美子(石井光三オフィス) 田窪桜子
http://www.tokyo-red.net/
※注意を払って記事を掲載していますが、正確な情報は公式サイトでご確認ください。
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