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2008年09月15日

【舞台中継】「青春舞台2008・青森県立青森中央高等学校『河童』」09/01 NHK衛星放送第2

 2008年の全国高等学校演劇大会で最優秀校および優秀校と表彰された4校が、再び東京で作品を発表しました。全国約2500校から選ばれた4校なんですね。

 NHKで放送された4本のうち、最優秀校・青森県立青森中央高等学校による『河童』を、本日家族で拝見しました(ビデオ録画していました)。

 渡辺源四郎商店の畑澤聖悟さんの書き下ろし脚本は、深くて濃くて・・・高校生が演じているなんて信じられないぐらいの完成度。密度の高い演出に釘付けでした。上演時間は1時間と短いのに、すごく疲れた・・・。
 これを来年は中学生が7日間で作るんですよ?!本気(マジ)なんですか!?!?(⇒今年は『修学旅行』でした)

 テレビはすごいな~って思ったのは、顔のアップの精度。いじめられっ子の地味な女の子の殺気が、ばっちり写っていました。

全国高校演劇・優秀校東京公演「青春舞台2008」
9/1(月)午後0:15~5:45 NHK衛星放送第2
司会:小田切千 ゲスト:川村毅・倉持裕・町田マリー
http://www.nhk.or.jp/seishunbutai/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:44 | TrackBack

こまばアゴラ劇場・劇場支援会員限定イベント「多田淳之介演出作品 韓国語版『ロミオとジュリエット』上映会」09/15こまばアゴラ劇場

 今年の4月に多田淳之介さんが韓国で上演した、韓国人俳優が出演する『ロミオとジュリエット』の舞台映像の上映会です。こまばアゴラ劇場の劇場支援会員限定イベントとして開催されました。国際演劇月間「キスフェス」内イベントとしてもふさわしいですね。

 上演時間は約1時間50分。部分的に日本語字幕が付いていてすごく良かった!上映終了後は多田さんによる詳しいトークもありました。

 ⇒2008年4月のレビュー(舞台写真あり!)
 ⇒CoRich舞台芸術!「韓国語版『ロミオとジュリエット』上映会

 字幕があったおかげで知らなかった演出にも気づいて、なぜあのシーンであんなにお客さんが沸いてた(笑っていた)のかがわかったりして、すごく幸せでした。

 今回は会員限定イベントでしたが、いずれフルに字幕がついたらぜひ一般上映をしてもらいたいです。ほんっとに、超~オススメなので!

 理想はいつか日本で上演していただくことなんですが、たぶん日本人キャストになると演出が全く変わってしまう気がします。それはそれでぜひ観たいですが(笑)。

原作:シェイクスピア 構成・演出:多田淳之介
9/15(月・祝) 15:00 (韓国語上演/字幕なし)
※構成・演出の多田淳之介による、ポストパフォーマンストークあり
※8/27(水)劇場支援会員《60名様限定》で観劇予約の受付を開始。劇場支援会員招待公演です。お友達割引でのご予約はお受けできません。
http://www.komaba-agora.com/info/sien/index1.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:30 | TrackBack

東京デスロック『演劇LOVE2008~愛の行方3本立て~』09/12-23リトルモア地下(キスフェス3)

 メルマガ2008年9月号でご紹介しておりました、青年団こまばアゴラ劇場国際演劇月間「キスフェス」参加作品です(⇒)。

 フェスティバルディレクターの多田淳之介さんが構成・演出される東京デスロックの、3本立てランダム上演。私は【発情期(一人芝居)】【蜜月期(二人芝居)】【倦怠期(非公開)】の順に1日で3本すべてを拝見。終演後に作品解説がある日がオススメです。

 9/17の『夏目LOVE』では、看板俳優の夏目慎也さんに三条会の関美能留さん、ハイバイの岩井秀人さんが1時間ずつワークショップを行うとパンフレットに書いてあり、その場でチケットを予約(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『演劇LOVE2008~愛の行方3本立て~

 ひとことで言っちゃうと、【発情期】【倦怠期】で私はボロ泣き。【蜜月期】は少しばかり原作に忠実すぎるような気がしました。

 fringe blogで書かれている“小劇場に最初の一歩を踏み入れようとしている方”には、お薦めできる公演ではない、と、現時点では思っています。「初心者オススメ」の基準も結局は個人差があることを踏まえて、ご自身の判断で観に行くかどうか決めていただけたらと思います。

 アーティストは探求し続けます。演劇は進化します。そして観客も変わり続けるのだと思います。

 ここからネタバレします。
 ≪作品解説≫については断片のみ。実際は長時間、たくさん話されていました。

【発情期】「HERE I AM-ドン・キホーテがやってくる!-」 上演時間:約1時間
 出演:夏目慎也 原作:ミゲル・デ・セルバンテス 構成・演出 多田淳之介

 セルバンテスの長編小説「ドン・キホーテ」を1人芝居に。Tシャツに短パンという普段着姿の夏目さんが、ドン・キホーテを演じます。
 語る。(壁に)ぶつかる。媚を売る。祈る。脱ぐ。一人であること、一人よがりであること、カッコ悪くてみじめで、完膚なきまでに負けること。その命の貪欲さ、輝き。

 突然の雨から逃れようとTシャツを頭からかぶった姿は、ウルトラマの怪獣ジャミラに似てる(笑)。一緒に雨宿りをしている相手の顔が可笑しくて笑う演技が、次第に自分自身(夏目さん)を笑っているように見えてきて、他人と自分が同一化し、それは観客をも巻き込みます。孤独の中の孤独。先日の岡崎藝術座『三月の5日間』のラストシーンと重なりました。

 小説『ドン・キホーテ』の目次を第74章まで(だったかな)壁に映写。なんて長い小説。
 小説自体がメタ構造になっていることも、夏目さんが小説家役で登場することで表現。

 ≪作品解説≫ 出演:多田淳之介 夏目慎也

 多田「ドン・キホーテは夢を見ている。客が舞台を見ていることと近い。嘘を信じること、何かに見立てること。」
 多田「今回の“発情”とは、演劇に対して発情しているという意味。演劇を一緒にやる人がいないから、『じゃあ一人でやってやるぜ!』と、演劇を演じ切って発情している。」
 多田「10分間のセリフなしのシーンについて。それはスペインのカナリア諸島から来るテアトロイフィーアの、サイレント・クラウンに敬意を表して。」


【蜜月期】「ジャックとその主人」 上演時間:約1時間(うろ覚えです)
 出演:佐山和泉 橋口久男(三条会) 原作:ドゥニ・ティドロ 構成・演出:多田淳之介

 戯曲ではなく小説版の「ジャックとその主人」を2人芝居に。「人間が何をやろうと、世界で何が起ころうと、それは運命として最初から決まってる」という、運命論について書かれた小説だそうです。

 天井に脚本が1枚ずつ、ぶら下がるように数枚貼ってあります。演劇にとっての“運命”は戯曲ってことですね。役者さんは「私がジャックです。・・・ということを今から話します」など、演技の外枠まで語ります。メタ芝居の構造です。

 ジャックが恋の話をしようとしますが、一向に先を話せないまま関係ないエピソードが続々と。最後は黒いテープで目隠しをして演技をすることで、物理的に「何が起こるかわからない」状況を生み出し、演劇の運命論から脱出。

 佐山さんと橋口さんの堂々たる演技対決は見ごたえがありますが、個人的にはもっと戯曲のあらすじから離れて、核心に迫るような演出で観たかった気がします。

 ≪作品解説≫ 出演:多田淳之介 橋口久男

 多田「原作はスイス人ドゥニ・ティドロの小説『運命論者ジャックとその主人』で、ミラン・クンデラの戯曲版も有名です。」
 多田「この小説は運命論について書かれていますが、演劇にも戯曲があるので、次に何が起こるのかは決まっているとも言えます。この作品では“その場で実際に起こること”を見せた。」
 多田「使用楽曲は山口百恵など。三条会へのリスペクトもあり。」
 多田「今回はTシャツと缶バッチを作りました。“演劇LOVE”と書いてあるバッチは“踏み絵バッチ”と呼んでいます(笑)。俺がつけなくてどうする?ってことで。果たしてこれを付けて電車に乗れるか?と(笑)」


【倦怠期】「CASTAYA」 上演時間:約50分
 作・演出:エンリク・カステーヤ
 出演:非公表 ※カステーヤ氏の意向により、出演者は非公表とさせていただきます


東京デスロックREBIRTH#2 こまばアゴラ劇場国際演劇月間 キスは何回?フェスティバル参加作品
出演:夏目慎也 佐山和泉 橋口久男(三条会) ほか
構成・演出:多田淳之介 宣伝美術:宇野モンド チケット・当日パンフレットデザイン:京 制作:服部悦子 企画制作:東京死錠 リトルモア地下 主催:東京デスロック (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 共催:リトルモア地下 協力:にしすがも創造舎 東京都
【休演日】9/16【発売日】2008/07/19 予約¥2000 当日¥2500 LOVEセット券¥5000 夏目LOVE¥2000(予約・当日共 LOVEセット券ご購入の方¥1000)
http://deathlock.specters.net/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2008_09/deathlock.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:16 | TrackBack

ピチチ5『全身ちぎれ節』09/12-21三鷹市芸術文化センター 星のホール

 福原充則さんが作・演出されるピチチ5(クインテット)。MITAKA “Next” Selection に選抜されて星のホールに登場です。『全身ちぎれ節』っていうタイトルだけで、もう嬉しくなっちゃう。

 装置がすごかった・・・・(笑)。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『全身ちぎれ節

 おおまかに言うと3本のオムニバス作品ですが、全体で1つにまとまっている印象もあり。初日の時点ではまだまだこれから伸びるんだろうな~という仕上がりでした。私はピチチ5および福原さんのコアなファンの部類に入ります。今までの作品と比べるとそういう感想になりますね。

 負け犬の中の負け犬が、こんなにかっこよく、愛らしく見えてしまう。
 体をはった大仕掛けはやはりライブならではの見どころで、「見世物ってコレだよね!」という初心に帰らせてくれます。

 ここからネタバレします。

■「国分寺のキース・リチャーズ」
 【出演】張本/植田裕一 高井/小村裕次郎 大黒/三浦竜一 丸川(バイト)/小林由梨 張本の妻リリー/中島美紀 リリーの息子/碓井清喜

 少年の頃、キース・リチャーズにギターをもらって(と思い込んで)ロックの道をひたむきにつっぱしり、売れないまま30代になった男(植田裕一)。今はロックがかかるバーを経営する。でも実はギター全然弾けない・・・。
 奥さんにも子供にも逃げられて、友達に金を無心するも断られて、バイトちゃんには馬鹿にされて。落雷でタイムスリップする(笑)メルヘンチックな展開も、心のささくれがさらに深くなる効果になって、じんと来る。

■「花巻のスカーフェイス」
 【出演】宮さん/三士幸敏 萩原/吉見匡雄 出版社社員/小村裕次郎 出版社社員/中島美紀 小説家たち/植田裕一 三浦竜一 碓井清喜 オマンサタバサ 小林由梨 ぼったくりバーのママ/千葉雅子 バーの店員(用心棒)/オマンサタバサ お祭りの女/中島美紀

 自称小説家(三士幸敏)の「才能ないけど売れたいの!」という開き直りが、「盗作しても売れたいの!」にまで飛躍するとは(笑)。
 「銀河鉄道の夜」のいいムードで列車が宇宙からやってきたかと思ったら・・・ねぶた!なんで!?(笑) 「(銀河鉄道よりも)あっちの祭りの方が楽しそうだしな」という締めにほんわか。
 クラムボンは・・・●ニス型○チャピン(笑)。凶暴だし名前も面白すぎる。

■「蒲田の行進曲」
 【出演】民子/千葉雅子 孝/オマンサタバサ 映画監督/小村裕次郎 幽霊/三浦竜一 幽霊の娘/小林由梨 アンサンブル/植田裕一 三士幸敏 碓井清喜

 下手の壁がせまってきて、いきなり千葉雅子さんのドア破り(笑)。それだけで心わしづかみ。
 オマンサタバサさんが階段落ちを本当にやるとは思いませんでした。舞台から客席にも落ちていて、ちょっとお体が心配です。空も飛んでくれたり、やっぱりサービス過剰気味(笑)。

MITAKA “Next” Selection 9th.
作・演出/福原充則 舞台監督/中西隆雄 掛樋亮太 演出部/高橋京子 照明/河上賢一(La Sens) 音響/高塩顕 大道具/泉真 小道具/笹野茂之 宣伝美術/岡屋出海 記録撮影/齋藤ジン グッズ制作/ピコピコ 演出助手/西尾美鈴 衣装協力/萩原未来 制作助手/今井由紀 だけいけいこ 制作/三村里奈 企画・製作/ピチチ5 主催/(財)三鷹市芸術文化振興財団
【発売日】2008/07/26 前売2500円 当日2800円 学生・大人(40歳以上)割引2000円(前売・当日とも) 高校生以下1000円(前売・当日とも)両割引とも、当日学生証もしくは年齢が確認できる証書をご持参ください。
http://www.ne.jp/asahi/de/do/pichi.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:19 | TrackBack