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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年07月22日

ひょっとこ乱舞『旅がはてしない』07/17-21東京芸術劇場 小ホール1

 広田淳一さんが作・演出されるひょっとこ乱舞の第21回公演『旅がはてしない』は、1日限りの「サナギ版」(5/13)を経た本公演でした。しかも再演作なんですね。

 カラフル・ポップな80年代っぽいカジュアルな衣裳で、大勢の若い役者さんが踊り、走ります。上演時間は約2時間30分休憩なし。

 ⇒CoRich舞台芸術!『旅がはてしない

 ≪あらすじ≫
 地上30cmから90cmの間にある「ミネストローネ」という空間。住人は周期的にやってくる「シャッフル」によって任意にグループ分けされていく。そこでは体を自由に取り替えることができるのだ。
 ≪ここまで≫

 「神様が“世界”を作った。色んな生物が生まれて繁栄する“世界”がだんだん面白そうに見えてきて、神様は自分も地上の生物(たとえば人間)に変身して、“世界”にもぐり込んだ。神様は次第にそこでの暮らしに夢中になり、自分が神様であることを忘れて、子子孫孫、“世界”に住み着いてしまった」という話を本で読んだことがあります。そのイメージにぴったりでした。

 下手奥から上手手前へのびる道を走り、ぐるぐるを右回りに円を描いたり、同じリズムで上にジャンプし続けたりする動きは、細胞、血液、鼓動(胎動)などを思い起こさせました。ダンスのシーンは動き自体も観ていてとても楽しいです。 宇宙、生命といった壮大でつかみにくいものを、舞台空間で人間の体によって表現しているのが面白いと思います。

 体を自由に取り替えられるなら、人間とは一体何なのかという問いかけに、先日観た『現代能楽集 鵺』も思い出しました。
 核心をつくセリフに現代社会に対するメッセージも込められている気がするのですが、枝葉の(といってもいいであろう)部分にも、核心部分と同じ力量が込められているため、肝になる部分が見えづらくなっているのではないでしょうか。

 ここからネタバレします。

 「ミネストローネ」を作った3人が、「希望と絶望」「忘却と再生」「記憶と問いかけ」(たぶん)であったのが面白かった。

ひょっとこ乱舞第21回公演 ※7月21日17時 追加公演決定!
出演:チョウソンハ 中村早香 橋本仁 笠井里美 松下仁 根岸絵美 齋藤陽介 コロ(柿喰う客) 平舘宏大 青木宏幸 梅澤裕介(梅棒) 鶴田祐也 田邉恵弥 新美要次 池亀三太 荒木昌代(ノーフューチャーズ) 板橋駿谷(掘出者) 松尾英太郎(劇団スパイスガーデン) 北島大獅(ビビプロ) 右手愛美(トップコートエージェンシー) ※今回出演を予定しておりました舞香は、健康上の理由により出演を見合わせる事となりました。
【脚本・演出】広田淳一 【舞台監督】宮田公一(Y's factory)【舞台美術】大泉七奈子【照明】三浦あさ子(賽【sai】)【音響】平井隆史(末広寿司)【制作】柏戸綾
■前売 一般3,200円 学生2,000円 高校生以下1,000円 平日昼間2,700円 ペア5,400円 タダ観でゴー!0円(枚数限定)  ■当日 一般3,500円 学生2,300円 高校生以下1,300円 平日昼間3,000円  ■リピーター割引 1,000円  
http://hyottoko.sub.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年07月22日 16:45 | TrackBack (0)