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2010年07月04日

空想組曲『空想組曲変則短篇集 組曲「空想」』06/16-22 OFF OFFシアター

 空想組曲はほさかようさんが作・演出されるユニットです。毎回出演者を集めるプロデュース形式の公演を行っています。

 10話以上のとても短い短編がリズムよくつながり、恋も笑いもドラマもサスペンスも気持ちよく味わえました。娯楽作品としての構成を丁寧に考えて作られていて素敵。デートで観に行きたい小劇場演劇ですね。上演時間は約2時間強。

 CoRich舞台芸術!のクチコミもとても好評で、千秋楽(平日)のお昼に追加公演も上演されました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『組曲「空想」

 ここからネタバレします。

♪オープニング:組曲「空想」~独奏~
【出演】中田顕史郎

♪静かな晩餐
【出演】斎藤陽介×ハマカワフミエ×中田顕史郎

♪地球最後の男
【出演】大塚秀記×こいけけいこ

♪日替わり短篇
16日「赤頭巾に手を出すな」【出演】狩野和馬×ハマカワフミエ
17日「奥様と橘」【出演】牧島進一×保坂エマ
18日「あっ!」【出演】有川マコト×大塚秀記×中田顕史郎×川田希
19日「恋愛論、クニコの」【出演】小玉久仁子×島田雅之
20日「Q&A」【出演】松崎史也×保坂エマ
21日「A&Q」【出演】葛木英×斎藤陽介
22日「ランナー」【出演】石黒圭一郎×ハマカワフミエ

♪賑やかな晩餐
【出演】西地修哉×林田沙希絵×中田顕史郎

♪アクション、ヴェリテ
【出演】川田希×斎藤陽介

♪彼に似合う職業
【出演】中田顕史郎×島田雅之

♪ありがちベリー
【出演】保坂エマ×ハマカワフミエ

♪ファミレス・ランデブー
 #1【出演】斎藤陽介×西地修哉
 #2【出演】こいけけいこ×川田希
 #3【出演】大塚秀記×ハマカワフミエ

♪時をかける晩餐
【出演】島田雅之×こいけけいこ×川田希

♪サンクチュアリ
【出演】ハマカワフミエ×西地修哉

♪ロマンチック主義者のためのささやかな演奏
【出演】林田沙希絵×斎藤陽介(16・18・20・22日)/林田沙希絵×大塚秀記(17・19・21日)

♪静かすぎる晩餐
【出演】大塚秀記×保坂エマ×中田顕史郎

♪エピローグ:組曲「空想」~連弾~
【出演】中田顕史郎×川田希


 演劇ならではの演出もさまざまで面白かったです。自然な演技で若いカップルの初々しい恋/独白と対話を同時進行/過去と現在を同時進行/セリフはなく動きだけで男女の駆け引き/10代、20代、30代、40代の自分が同時に登場/など。

 空気がぴーんと張りつめる殺人モノの後に、明るくてホっと息をつけるコメディーを持ってくるなど、ありきたりにならず、飽きさせないつなぎ方が素晴らしいと思いました。

 役者さんは皆さん適材適所というか、持ち前の魅力、実力を発揮できる役どころで、楽しませてくださいました。
 最近の私は肌が透き通って中身(心)が見えるかのような、嘘のない(気にさせられる)演技をされる人や、身体能力が高く、無言でも体で伝えてくれる人のことが、特に印象に残る傾向にあります。感情と身体の説得力といいますか。
 この作品だと斎藤陽介さん(ひょっとこ乱舞を辞められたんですね)、ゲストだった石黒圭一郎さん(ゲキバカ)が良かったです。

出演:中田顕史郎 大塚秀記 島田雅之(DART’S) 西地修哉(726) 斎藤陽介 保坂エマ(劇団☆新感線) 川田希(カニクラ) こいけけいこ(リュカ.) ハマカワフミエ(国道五十八号戦線) 林田沙希絵
【日替わりゲス卜】16日:狩野和馬(InnocentSphere)17日:牧島進一(Studio Life) 18日:有川マコト 19日:小玉久仁子(ホチキス) 20日:松崎史也(Afro13)21日・22日昼:葛木英(ehon) 22日:石黒圭一郎(ゲキバカ)
【作・演出】ほさかよう 【舞台監督】藤本志穂(うなぎ計画) 【音響効果】天野高志【照明】榊美香(有限会社アイズ) 【衣装】恵美秀彦【宣伝美術】 岩根ナイル【写真撮影】石津知絵子 【制作】塩田友克 【企画・製作】空想組曲
【発売日】2010/05/10 前売2800円、当日3000円
http://www.k-kumikyoku.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:35 | TrackBack

【パブリックコメント募集】文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に対するパブリックコメント募集中!※7/9〆切

 文化庁が文化審議会文化政策部会の「審議経過報告」についてパブリックコメントを募集しています。誰でも文化庁に自分の意見を伝えることができます。⇒パブリックコメントとは?

 提出様式には細かい決まりがあります(氏名、年齢などの記載/1メールにつき1意見など)。意見募集要領(PDFで2ページ)でご確認ください。

■文化審議会文化政策部会「審議経過報告」パブリックコメント募集
 (⇒電子政府の総合窓口“イーガブ”内該当ページ

【意見の提出方法】
 提出手段:郵送・FAX・電子メール
 提出期限:平成22年7月9日(金) 必着
 ⇒〆切が平成22年7月23日(金)までに延長されました! ※2010/07/07発表

 FAX番号:03-6734-3811
 電子メールアドレス:singikai(アットマーク)bunka.go.jp
 件名は【審議経過報告への意見】とすること。

【ご参考】
 ⇒劇場法(仮称)RT【全体のまとめページ
 ⇒fringe blog「舞台芸術に関わるならパブリックコメント提出を
 ⇒FPAP高崎大志さんのブログ「文化審議会のパブコメはかつてないチャンス

 昨年末の事業仕分けの際に、わが国の文化振興について集まったパブリックコメントはなんと11万通!(⇒関連記事) あれだけ「圧倒的に予算を縮減」などと仕分けられていた文化予算が、減るどころか微増したのは、私たちの大量の声が届いたからだと思います。福島明夫さん(劇団青年劇場)も「劇場法(仮称)ラウンドテーブル」でその数の多さについて言及されましたし、平田オリザさん(内閣官房参与/青年団)も岡田准一さんのラジオ番組「Growing Reed」で発言されていました。
 平田:文化庁に十数万通の投書が来て、「(文化芸術の予算は)やっぱり削減しない方がいいんじゃないの?」ってことになったんです。

 文化政策部会の提案はひとことで言ってしまうと「国自らの責任において文化芸術を振興しよう」ということ。「審議経過報告」概要で1ページの図(PDF)にまとまっています。詳細は「審議経過報告」(PDFで52ページ)でどうぞ。※どちらもこのページ下方でダウンロード可。
 分野は舞台芸術、メディア芸術、映画、美術、くらしの文化、文化財に分かれています。舞台芸術は「審議経過報告」52ページ中の4~10ページ、20~26ページを読めば大丈夫です。

 先日の「劇場法(仮称)ラウンドテーブル」でも確かめたことですが、私は文化芸術は国が振興すべきものだと思います(参考エントリー⇒)。
 たとえば、劇場がただの公民館とは違う、芸術に特化した専門施設だと認められるように。全国で上質の舞台が創作・鑑賞できるように。アーティストが安心して創造活動を継続できるように。「お金が儲からないから」「不況だから」といった経済状況を理由に、舞台芸術が簡単に切捨てられることがないように。

 文化政策部会の提案の1つひとつに、私の賛成・反対の意見を届けたいと思います。舞台作品の創作にかかわる方も観客の方も、ぜひ意見してみてください。一通、一筆でも意味があると思います。


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