2007年05月22日
大人計画『ドブの輝き』05/10-06/03本多劇場
大人気の大人計画の本公演です。松尾スズキさんが体調不良のため降板され、代役は池田成志さんです。3本のオムニバスでした。その内の1本は映像作品で、私にはあまり楽しめなかったな~。上演時間は約2時間30分(休憩なし)。
物販で「宮藤官九郎の小部屋」単行本が発売されててびっくりした(笑)。
⇒CoRich舞台芸術!『ドブの輝き』
ここからネタバレします。
■「涙事件」作・演出=宮藤官九郎
舞台は法廷。不幸な演歌歌手を売り出す会社の社長(村杉蝉之介)が、殺人事件の容疑で裁判にかけられている。所属歌手の紹介をしていく。
ロシア人に間違えられるオランダ人女性ハイネケン(伊勢志摩)と、マグロが苦手で船酔いしちゃう船乗り(池田成志)のデュエットが面白かった。
池津祥子さんは上半身スーツなのに下半身はパンツ一丁だし、猫背椿さんはスカートで足開くし。それを面白いと思っちゃえるのが凄いですよね。
一番笑ったのは知的障害を持つ人(宮藤官九郎)が登場した時。これだから大人計画って・・・やっぱり凄いなって思います。
■「えっくす」脚本・監督=井口昇
相続争いをする男3人兄弟。争いごとが嫌いな三男(近藤公園)は家出し、障害を持つ人々を介護する施設で働くことになり・・・。
目の前であれだけテンションの高いことをやってくれると面白いだろうな~と思うんですが、映像で観てもなんだか大げさだな~とか、ヤラセっぽいな~とか思っちゃって、私は楽しめなかったです。
■「アイドルを探せ」作・演出=松尾スズキ 協力=大堀光威
樹海で自殺しようとしているワタナベ(宮崎吐夢)が、ゴミたちに自分がどん底に落ちてしまった理由を語る。
次の展開が読めなくって最後に「なるほど~」と思えました。やっぱり松尾さんの脚本って私にはいつまで経っても未知の世界。それが好き。
最後の方まで秀吉役(皆川猿時さんの父親役)が阿部サダヲさんだとわからなかった。座席が最後列だったからとはいえ、やっぱり阿部さんが上手いなんだなと思いました。
そして再び池津祥子さんの肢体が美しかった。
出演=阿部サダヲ、池津祥子、伊勢志摩、顔田顔彦、宍戸美和公、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、宮藤官九郎、松尾スズキ(映像出演) 池田成志 ※平岩紙・宮沢紗恵子はダブルキャスト 私は平岩紙さんの出演日でした。
作・演出:松尾スズキ 宮藤官九郎 井口昇 舞台監督=舛田勝敏 照明=佐藤啓 音響=藤田赤目 舞台美術=加藤ちか 音楽=門司肇 衣裳=戸田京子 ヘアメイク=大和田一美 映像=ムーチョ村松、吉田りえ(トーキョースタイル) 演出助手=大堀光威 佐藤涼子 演出=神保愛子 稲田武士 特殊メイク=西村喜廣 チラシイラスト=サイトウユウスケ 宣伝写真=種市幸治 宣伝美術=守先正 舞台写真=田中亜紀
【発売日】2007/04/01 前売5,800円 当日6,000円(全席指定) ※未就学児童の入場不可
http://www9.big.or.jp/~otona/
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パルコ『魔法の万年筆』05/12-06/12パルコ劇場
稲垣吾郎さん主演のお芝居です。作・演出はラッパ屋の鈴木聡さん。音楽は本多俊之さんが手がけられます。出演者だけでなく装置も衣裳も超ゴージャス~。笑いがいっぱいのドタバタ・ラブコメでした。上演時間は休憩15分を挟む2時間45分。
CoRich舞台芸術!『魔法の万年筆』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
舞台は1920年代のニューヨーク。ジャズと狂乱の時代。
自由を求める人々が、音楽・文学・映画・演劇とさまざまな分野におけるエンターテインメントで、空前の活況を見せようとしていた時代。若き小説家のパーカー(稲垣吾郎)も、時代の渇望に応えようと、傑作を生み出すことに取り組んでいた。
しかし、なかなか小説を書けないパーカーは、傑作を書くのにふさわしい万年筆を捜し、担当編集者(阿南健治)にお金を借りて、たった5ドルの魔法の万年筆を手に入れる。
すると、NYの小説界の大流行作家となり、プライベートも順調に…。
しかし…。
≪ここまで≫
舞台装置がじゃんじゃか転換して豪華なお芝居でした。衣裳もきれいだし、役者さんも超コミカルな演技で楽しませてくれるし、演劇を初めて観るお客様にはサービス満点のエンタテインメント作品だと思います。前半はちょっとエッチで、それも鈴木さんらしくって好き。
音楽が良かったですね~。ヴォーカルはミナコ“ムーキー”オバタさん。パワフルでした。そうそう、歌詞が面白かった。「ニューヨーク、渋谷だけど、ニューヨーク」とか。
でも全体的には物足りなかったな~。大味すぎ、というか。鈴木聡さん作・演出のパルコ作品だと『サクラパパオー』や『最悪な人生のためのガイドブック』の方が好きですね。
ここからネタバレします。
自称小説家の若者パーカー(稲垣吾郎)は、自分を支えてくれた恋人デルタ(西牟田恵)を捨てて、金も名誉も実力もある大作家モンブラン(山崎一)の娘セーラー(久世星佳)と結婚します。セーラーの兄(役名失念・河原雅彦)はちゃらんぽらんなダメ男なので、モンブランはパーカーに財産の全てを残して突然死。
大金持ちになったパーカーですが、魔法の万年筆を無くしてから全く筆が進まなくなります。女遊び(秘書の三鴨絵里子と浮気)や無駄遣いに呆けている内に、パーカーの魔法の万年筆を手に入れたセーラーの兄がベストセラー作家になり・・・。
役名はすべて万年筆メーカーの会社名なんですね。パーカーの万年筆を会場の観客2名にプレゼントする企画が実施中でした。すご~い。
デルタは伝説の万年筆作りの名人(小林隆)の娘で、パーカーに裏切られて心を病み、男として生きる決心をして父の跡を継いでいました。最後はパーカーが改心し、デルタとも心を通じ合わせることができるようになった・・・かと思いきや、そこでセーラーの兄がパーカーを銃殺してしまいます。まさか死んじゃうとは思わなかったな~。
セーラーの「(私たちは)悲しい兄妹なのよ!」というセリフは、ちょっとベタ過ぎると思いました。そんなこと言わなくても悲しいシーンだったと思うんですよね。
死んだパーカーがすぐにむっくりと起き上がったのは良かったな~。「生きている内は(愛してると)言えなかったけど、死んだら言えた。でも死んじゃったら何にもならないから、生きている内にしよう!」おバカな展開に見せつつ、ちょっとイイことを言ってくれるから鈴木さんの作品が大好きです。
≪東京、大阪≫
出演=稲垣吾郎、西牟田恵、三鴨絵里子、久世星佳、山崎一、阿南健治、小林隆、河原雅彦
脚本・演出=鈴木聡 音楽=本多俊之 美術=二村周作 照明=高見和義 音響=高橋巖 衣裳=黒須はな子 ヘアメイク=永嶋麻子 佐藤裕子 アクション指導=渥美清 演出助手=則岡正昭 舞台監督=小林清隆 今野健一 音楽制作=岡田こずえ 歌=ミナコ“ムーキー”オバタ 宣伝デザイン=田部良子 宣伝写真=吉田多麻希 製作=山崎浩一(パルコ) 宣伝=吉田由紀子 制作=山家かおり(Me&Herコーポレーション) 尾形真由美(パルコ) 市瀬玉子 プロデューサー=祖父江友秀(パルコ) 製作=(株)パルコ 企画制作=(株)パルコ/(株)Me&Herコーポレーション
【発売日】2007/04/22 8,400円(全席指定・税込)未就学児童入場不可
http://www.parco-play.com/web/page/information/maho/
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【オーディション】アートネットワーク・ジャパン プロデュース『子どもに見せたい舞台vol.1「オズの魔法使い」』08/25-09/02にしすがも創造舎特設会場
アートネットワーク・ジャパンがプロデュースする超豪華スタッフが勢ぞろいのお芝居で、主役のドロシー役1名を募集しています。
対象年齢は18歳~35歳位まで。締め切りは6/11(月)郵送必着。詳細はこちら。
男女不問、ですね。
公式サイトより、主な情報です。
■タイトル:『オズの魔法使い』
■公演期間:2007年8月25日(土)~9月2日(日)(予定)
■応募資格 :18歳~35歳位まで。7/1からの稽古に全回参加できる方。高校生および初心者不可。
■応募方法:郵送のみ受付
■締切:6月11日(月)必着
★スタッフはこちら↓ 豪華すぎ!
上演台本:山田裕幸(ユニークポイント)
演出:倉迫康史(Ort-d.d/にしすがも創造舎レジデント・アーティスト)
振付:井手茂太(イデビアン・クルー)
音楽:棚川寛子
美術:伊藤雅子
音響:藤田赤目
衣装:竹内陽子
舞台監督:松下清永
アートネットワーク・ジャパン=http://anj.or.jp/
お問合せ:NPO法人アートネットワーク・ジャパン/にしすがも創造舎
Tel:03-5961-5200(11時~18時・土日祝除く)
Mail:sozosha-info@anj.or.jp
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