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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年09月02日

劇団毛利と米山『銭に向け叫ぶ』08/23-26シアタートラム

 劇団毛利と米山は、少年社中とホチキスが組んだ期間限定劇団です。愛知県ゆかりの劇団(および劇団員)だそうで、東京の後に愛知公演もあります。あ、ちょうど今日終わっちゃったんだな~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『銭に向け叫ぶ

 少年社中の公演は、もうシアタートラムが広く感じないんですよね。今作でも役者さんが元気に走り回ってましたし、もうすっかり空間を自分のものにされているように思います。堀池直毅さんの前説(というか前座?)のリラックス感が良かった。

 色んな人がいっぱい出てきて、何がなんだかわからないまま、それぞれのエピソードが上演されて、あれよあれよという間に最後はグニャっと全部がつながっていました・・・。うーん、ついていけず。でも、登場人物はみんな関係のある人たちになっていましたね。不思議な感覚だったな~。

 役者さんによっては、怒鳴ってるのに言葉が聞こえてこない人などもいて、演技の技術の差は少々気になりました。
 間にはさまれるギャグがちょっと楽しかったです。井俣太良さんが演じていたザリ神教の教祖(かな?ザリガニの被りものを被ってます)は、なぜかメイクがギトギトしていて(笑)、終盤のくずれ具合が笑えました。

 カーテンコールで物販の案内をされました。役者さんがお薦めDVDを言うのがいいですね。あれだけDVDのラインアップが増えたら、何を買えばいいのか迷いますから。ちょっとでもヒントがあるのは良いと思います。私が観た回は井俣さんでした。お薦めは『フィルムスター』。理由は「自分がかっこいいから。今回はこんなだけど(笑)」とのこと(笑)。

≪東京、愛知≫ 少年社中×ホチキス期間限定劇団/劇団毛利と米山
[出演]井俣太良/加藤敦/大竹えり/橋本哲臣/堀池直毅/小玉久仁子/廿浦裕介/船戸健太郎/森大/山崎雅志/加藤良子/齋藤美和子/長谷川太郎/中川智咲子/杉山未央/江本和広/山川ありそ/山本洋輔/村上直子
作=米山和仁(ホチキス) 演出=毛利亘宏(少年社中) 舞台監督=杣谷昌洋 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響=鏑木知宏 音楽=YODA Kenichi 舞台美術=秋山光洋 衣裳=村瀬夏夜/有藤加奈子/谷野留美子 作曲=北方寛丈 演出助手=露木友子 宣伝美術=大澤悟郎 写真=佐藤孝仁(BEAM×10) イラスト=児玉久仁子 公演記録=(株)カラーズイマジネーション 制作協力=東海シアタープロジェクト 制作助手=中出はるか 制作=吉野礼/藤田真以 製作=少年社中×ホチキス
【発売日】2007/07/21 一般3,300円/当日3,500円 ★平日マチネ割引3,000円/当日3,300円
(会員・区民割引はありません) 高校生以下1,500円(少年社中のみ取扱い、要学生証提示)友の会会員割引 2,800円 世田谷区民割引 3,000円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/08/post_11.html
http://www.psychic8.com/moriyone/

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Posted by shinobu at 22:59 | TrackBack

ENBUゼミナール短期集中サマースクール『合同ミニ発表会』8/26(日)19:00~20:00 ENBUゼミナール内スタジオ

 ENBUゼミナール内の発表会に初めて伺いました。多田淳之介(東京デスロック)講座、田辺茂範(ロリータ男爵)講座、高井浩子(東京タンバリン)講座の順番に3作品が上演されます。時間の都合で多田さんの講座の発表(ゲネプロ)のみ拝見。

 多田淳之介さんのブログにワークショップおよび作品の解説あり!⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!にタロウさんの詳しい感想も。

 喪服を着た男女が15人ぐらい。1人ずつ(おそらく自分の)母親の話をします。ちょっとヘンな体勢でつらそう。でもつらいまま、しゃべり言葉で淡々と母親の話。喪服なので母親が死んだ後の回想(お通夜での会話)にも聞こえます。
 まわりの人たちは、1人が話す言葉に笑ったり、単語を繰り返したり。話されていることに何らかの反応をします。次々と話す人が変わっていき、色んな母親のエピソードが紹介される中、それに対するリアクションも色々に。

 多田さんが上演の前に挨拶された時に話されていました。
 「ワークショップの極意というものがあって、自分(=多田)が経験したことをそのままみんなにやってもらうんです。」
 だから出演者の皆さんの存在の仕方に無理が少なかったんですね。現代口語劇とはいえ、「静かな演劇」のような普通の会話ではないんですが、声も存在もしっかりしていて、劇世界を作ることができていました。

 中盤でなぜか泣けてきたんだよな~。なんでだったかな。忘れちゃった。たぶん、母と子という関係のリアリティが本物になって、生と死が見えたからじゃないかな。
 後半は一部の役者さんの演技にちょっと雑念が入ったように感じて、集中できなくなりました。たとえば客席をガン見しながら意味を伝えようとして話す人が気になっちゃったかも。

ENBUゼミナール短期集中サマースクール『合同ミニ発表会』
多田淳之介(東京デスロック)講座『unlock#2.5「mother」』、田辺茂範(ロリータ男爵)講座、高井浩子(東京タンバリン)講座
入場無料・予約必須 03-5282-1341
http://enbu.co.jp/zemi/

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Posted by shinobu at 22:26 | TrackBack

Theatre Sol:Tokyo Project『Living on Stone Rice(石の米をかてに)』08/29-09/02こまばアゴラ劇場

 パク・ソヒさんと広田豹さんが出演されていて、終演後に平田オリザさんが出席されるシンポジウムがあったので、伺いました。

 劇場に着いてみたらソヒさんと広田さんは降板、シンポジウムは別会計(公演を観た人は500円)という・・・。非常に残念でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Living on Stone Rice

 ≪作品紹介≫ 劇場サイトより。
 オーストラリア出身の演出家・シンベリン・ビューラーと、日本人俳優による共同創作プロジェクト。これは2005年にビューラーが講師を務めた日本演出者協会主催のワークショップから立案された企画であり、今後彼女が世界各国で継続していく戦争プロジェクトの第一弾となる。
 実体験に焦点をあてるところから創作を行うビューラーが、オーディションで出会った気鋭の俳優たちと、演劇を通じて戦争の残滓を見つめていく。
 ≪ここまで≫

 ≪「Stone Riceとは?」≫ 公式サイトより
 Stone Riceとは、おびえながら食べる米。Stone Riceとは、私たちの内部に生きている歴史を探すとき、森の中に転々と続く小石のようにたどる道しるべ。"Living on Stone Rice" (石の米をかてに) は、第二次世界大戦から現代まで、日本社会の深層に脈々と流れる物語たちに声を与える試みである。
 ≪ここまで≫

 黒いキューブ数個(イスになったり机になったり)と数本の柱(ポール)だけのシンプルな空間。、1人の老女の回想の中で役者さんが何人もの人物を演じながら、戦中の日本の風景(息子を戦地に送る矛盾、疎開先での苦労、満州からの引き上げの悲劇など)を描きます。目の前で生きている役者さんに演じられることで、文字や記号としてではなく、感情と実感をともなった知識を得られた気がしました。

 でもあまりに普通な、というか、意外性のない作品だったので、なぜ今、外国人の演出家がわざわざ日本にやって来て、日本の役者さんを集めてワークショップからこの作品を作ったのか、よくわかりませんでした。

 また、果たして上演されたことが真実なのかどうか、すべてを信じることはできませんでした。軽い噂話のようにも感じられたんですよね。創作かもしれない、とか。ソヒさんと広田さんが降板された理由もそういうところじゃないのかしら。

 シンポジウムはポスト・パフォーマンス・トークみたいに始まるものだと思っていたんですが、主催者が別で、全く別個のイベントだったようです。参加せずに帰りました。

Theatre Sol:Tokyo Project(シアター・ソル:トウキョウプロジェクト)
出演=鯨エマ/田畑ゆかり(劇団民藝)/千葉亮平/前嶋のの/桝橋朋典(文学座)/山下夕佳(劇団一跡ニ跳)※出演予定だったパク・ソヒと広田豹は都合により降板。
作・演出=Cymbeline Buhler(シンベリン・ビューラー) 稽古場通訳・翻訳:家田淳 舞台監督:川崎耕平 照明=千田実(CHIDA OFFICE) 音響=高橋秀雄(Sound Cube) 舞台美術=中根聡子 サウンドデザイン=油井誠志 衣裳=久保薗美鈴 宣伝美術=前嶋のの 制作=山田規古(beyond) 演出助手=佐々木治己 芸術監督=和田喜夫(楽天団・日本演出者協会事務局長)
前売 3,500円 当日 3,800円
http://www.agora-summit.com/2007s/05j.html
http://www.geocities.jp/theatre_sol2007/


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Posted by shinobu at 21:18 | TrackBack

innerchild『アメノクニ/ヤマトブミ~Children of The Sun~』08/31-09/09吉祥寺シアター

 小手伸也さんが作・演出・出演されるinnerchild(インナーチャイルド)。『アメノクニ/フルコトフミ~八雲立つユーレンシア~』の続編です。前作を観ていなくても大丈夫かと思います。上演時間は約2時間10分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『アメノクニ/ヤマトブミ~Children of The Sun~

 ≪あらすじ≫ CoRichより
 過去・現在・未来を同時通訳的にイメージした架空の世界を描く「〈連作〉アメノクニ」
 ヤスマールの手によって完成した国史(神話)「フルコトフミ」。切られた戦争の火蓋。しかし、「アメノクニ」の巨大な力によって戦争が終結した時、裁かれるべきこの国は、新国家に相応しい新たな「神話」の編纂を迫られた。
 日本神話の世界観を通じて「日本人の心性」を探ってきたinnerchildが今度は「神話を書いた側」に視点を移し、神話という物語の新たな深遠に迫る。
 「神話」は決して「神」のみずから書かれた物ではない。そう…全ての「物語」は物語るため、「人」よって創られる――
 ≪ここまで≫

 吉祥寺シアターの大きな空間を、すっきりとした開放感を保ちつつ、きちんと使いきった美術だったと思います。舞台中央には大きな丸いスクリーンがあり、文字映像や回想(前回公演のシーン)が映されます。前回同様、オープニングの人物紹介がかっこ良かったです。

 言葉できっちり説明していくことに面白みを感じると同時に、言葉ばかりに重点が置かれている状態に退屈したりもして、集中できる時とできない時との差が大きかったです。役者さんの演技にもよるのだと思います。

 小手さんのパンフレットの文章より、一部抜粋して引用↓。
 『生きてるってことはそれだけで「物語」の最先端を記してるってことで、「物語る」ってことは、いつだってその相手がいるってことだ。だから、語る口と聞く耳を持つ限り、孤独なんてありえない。』

 ここからネタバレします。

 人名や史実の呼び方は変えられていますが、ポツダム宣言受託、終戦、GHQ設置、東京裁判・・・という終戦直後の日本の出来事になぞらえ、物語は進行します。
 大昔のような、遠い未来のような、それでいて1945年のような、時代設定のミクスチャーが面白かったです。

 神話だって憲法だって人間が書き残したもの。その裏には色んなドラマ(物語)があったことでしょう。それを読み取ろうとする、聞こうとする耳を持つことが大事だなって思いました。

 高山奈央子さん(KAKUTA)。GHQ総督(?)役。凛としてらして、とてもかっこ良かったです。

出演=小田篤史(東京コメディストアj)、狩野和馬(InnocentSphere)、金順香(劇団アラン・サムセ)、高見靖二(チャリT企画)、松崎映子(マシンガンデニーロ)、三原一太(はらぺこペンギン)、石橋晋二郎、菊岡理紗、古澤龍児、土屋雄、三宅法仁、宍倉靖二、石川カナエ、小手伸也、進藤健太郎(無名塾)、久保田芳之(reset-N)、前田剛(BQMAP)、高山奈央子(KAKUTA)、春名舞、山森信太郎、善澄真記
脚本・演出:小手伸也 舞台監督:筒井昭善 舞台美術:筒井昭善・小手伸也 照明:榊美香((有)アイズ) 音響:尾林真理 衣装:渡辺まり 映像:荒川浩輝(ミヤコハンター) メイク:荻原麻弥 小道具:桜井徹 宣伝美術:土谷朋子(Citron Works) 写真撮影:引地信彦 演出助手:三嶋義信(innerchild) 制作:田中絵美(J-stage Navi) インナーチャイルド制作部 企画・制作:innerchild
【発売日】2007/07/31 全席指定 土日3,800円/平日3,500円 (☆上映会=前売当日共通/500円)  (☆上映会=全席自由)
http://www.innerchild-web.com/

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Posted by shinobu at 18:56 | TrackBack

劇団ひろぽん企画公演『SWEET REVENGE and around the world』08/30-09/01早稲田大学学生会館B203

 劇団ひろぽんは吉田武寛さんが作・演出される早稲田大学の学生劇団です。CoRich舞台芸術!を活発に利用する宣伝活動には目を見張るものがあります。

 上演時間は約1時間強。前売300円・当日500円というのは、学生劇団ならではのチケット価格帯よりもかなり安い目のようです。今年の2月に学生会館で上演されたタカハ劇団『モロトフカクテル』は前売り1200円で、3年前ですがコマツ企画『戦いの今日』は前売り1,000円でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『SWEET REVENGE and around the world
 ⇒T★1演劇グランプリ・第一次審査通過団体です。
 レビューをアップしました。

 私は学生が学校内で上演するお芝居はなるべく観に行かないようにしています(よっぽど好評な場合を除く)。学生演劇はサークル活動の1つである場合も多く、その劇団・劇団員が卒業後も演劇に携わっていくかどうかは未知数ですし、また、創作・発表の環境にかなり恵まれており(例:劇場使用料が無料など)、一般の公演と比較しづらいからです。学内で評判だった団体は、社会に出て劇場を借りた自主公演の時に伺うようにしています。

 今作は学生劇団が学生会館で上演する前売300円の企画公演(本公演ではない)で、新入り劇団員のお披露目の回でもあったようです。だから劇団ひろぽんの実力が発揮できていないかもしれません。でも「T★1演劇グランプリ」に応募され、一次審査を通過されていますから、審査対象作品として拝見しました。レビューもその視点から書かせていただきます。

 ≪あらすじ≫
 大学生の孝一は、高校時代に友人が起こした殺人事件を止めたいと思い、2007年から2003年へとタイムスリップする。
 ≪ここまで≫

 残念ながら整合性ゼロのタイムマシンものでした。セリフはありきたりなフレーズと説明のためのわざとらしい言葉の連続。2007年現在を生きる現役大学生を主人公にした物語なのに、「こういう人、いるよね」と思える人物も、「こういうこと、あるよね」と思えるエピソードも皆無でした。
 歩くでもなく踊るでもない、歌謡曲の振付のようなダンスがあり、人物が登場するタイミングにも理由にも説得力がありません。ムービング照明の使い方もステレオタイプ。

 役者さんの演技は正視できるレベルではありませんでした。役者さんには「舞台ではこういう言葉をこういう風に話すものだ」という自分達の思い込みを疑って欲しいですね。自分が普段どんな話し方をしているのかを、冷静に見つめ直して欲しいです。

 殺人事件の真犯人が誰なのかがわからなくなってくる展開には面白みがありました。ただ、それもまたわざとらしい言葉で説明してしまうのがもったいなかったです。

 今の大学生にとっての携帯電話ってものの感覚が、私のと違うのはよくわかっていました。でもここまでとは・・・。まるで肌の一部ですね。危ないな~と思いました。

 ここからネタバレします。セリフは完全に正確ではありません。

 若い記者が孝一の携帯電話の番号を、知り合いの後輩(女)に勝手に教えてしまいます。「同じ悩みを持ってる奴だから話してみたら」という勝手極まりない、軽率な理由で。教えてもらった女はいきなりその番号にかけちゃって、電話に出た孝一は全く知らないその女に「今からタイムスリップします!」みたいに告白しちゃう・・・。あ、あ、ありえない・・・(汗)。

 タイムスリップしたら、いきなり高校生の自分になっていた孝一。目の前に夏休みの宿題をやっている友達が居ます。だったらその場に居た高校生の孝一は?未来の孝一に乗り移られて消滅したのでしょうか?タイムパラドックスを語る前の段階での不整合だと思います。

 孝一が「(殺人)事件が起こるまで後30分しかない!」とあせって叫んでるのに、電話の相手(未来で待っている女)はゆっくりと説教くさい話をし、それに孝一がほだされたりします。しかもその後、違う人物(記者)とも電話を代わってゆったり話までしちゃいます。言動と行動が完全に不一致。なのにそのせいでトラブルは起こりません。

 そもそも「不良にさらわれた妹を救おうとして、兄がその不良を殺してしまった」という事件をなかったことにしたいなら、兄に妹を見張るように助言するのは間違いです。「しっかり見守れよ!」とか無責任なこと言ってないで、孝一自身がべったりと妹のそばにいたら済む話ですよね。

 事件は起こらず、真犯人(妹がエスパーだった)もわかり、なぜかタイミングよく未来へと帰ることができる孝一。未来で待っている女の「過去を変えたら未来も変わっちゃうわよ!それでもいいの?」という言葉に対して、「自分の未来が変わっても、今(戻った過去)を生きられればいい!」と、かっこ良さげに酔いしれながら言い放った孝一でしたが、未来に帰ってからのエピソードがありませんでした・・・。「未来に帰るよ~」で終幕・・・。大風呂敷ひろげておいて、そのまま放置しています。

 タイムマシンもの、バックステージものは、落とし穴が多いのでリスクが高いです。慎重に創作してもらいたいですね。

出演:大竹絵梨、矢花勇治、スズキヨウヘイ、茶木嵩文、鈴木大歩、藤野将文、松井聡弥、鳥枝明弘、堀口法尚、三輪友実
脚本・演出:吉田武寛  照明:石井紀之(Hikari Honpo) / 照明操作:高橋かおり(Hikari Honpo) / 音響:田中亮大(H2Sound) 美術:原真理子 G(ボイヤーチーム) / 舞台監督:G(ボイヤーチーム) / 小道具 高橋美紀 原真理子 / 衣装:Kashico(劇団TipTap) ダンス振付:茶木嵩文 / 宣伝美術:(仮)原真理子 (本)横内翼がみなぎる / 看板製作:原真理子 高橋美紀 Web:吉田武寛 / 当日制作:伊藤静(こども機関) 遠藤友香理/ 制作 大竹絵梨 / 制作助手 鈴木大歩 製作:劇団ひろぽん
【発売日】2007/08/01 前売300円、当日500円
http://hiropone.fc2web.com/

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Posted by shinobu at 03:14 | TrackBack