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2009年09月18日

【ワークショップ】JOKO演劇学校「サンクトペテルブルク演劇アカデミー・特別一般ワークショップ」10/10-11みらい館大明※9/30〆切

 JOKO演劇学校がロシアのサンクトペテルブルク演劇アカデミーの教授を迎えた、プロの俳優向けのワークショップを開催します。

 講師のセルゲイ・チェルカスキーさん、ガリーナ・コンドラショーワさんとは2007年にお会いしました(⇒ワークショップレポート、講演レポートー⇒)。ワークショップの内容はとても充実したものだと思います。

 2日間で9800円というのは少々高い目に感じるかもしれませんが、本場のスタニスラフスキー・メソッドにご興味あるプロの俳優さんはぜひ。申込締切は9月30日(水)。以下はJOKO演劇学校からの情報です。※申込はメール、FAX、郵送で可能。

 ★10/5に開催されるシンポジウムの情報を追加しました(2009/09/22加筆)。

■「ロシア サンクトペテルブルク演劇アカデミー 特別一般ワークショップ」
 伝統あるロシアの演劇大学の三講師による特別ワークショップへのお誘い
 2009年 10月10日(土)&11日(日)

 1779年創立の5年制演劇大学として優秀な俳優を輩出しているサンクトペテルブルク国立演劇アカデミー。この大学から毎年三人の講師を招聘しているJOKO演劇学校が、今回、プロの俳優のための特別一般ワークショプを開催いたします。

◇サンクトペテルブルク国立演劇アカデミー
 1779年創立の五年制演劇大学。ロシアでは、大学課程の演劇教育を修了した者だけがプロとして舞台に立つことを許されますが、その中にあって毎年、優秀な生徒を輩出するロシアの代表的な演劇大学です。主眼店はスタニスラフスキー・システムと、同後期演技術(身体行動の方法とアクション分析法)で、西欧米ではあまり知られていない方法です。現在は、演劇学・舞台芸術・舞台美術・人形劇の四学科に970名の学生が在籍し、国際活動も盛んです。
 
 参加資格:プロとして活動をされている俳優。
 日時:2009年10月10日(土)・11日(日)
 時間:9:30-15:30(途中60分食事休憩をはさむ)
 内容:演技・ムーブメント・ヴォイスの三科目。スタニスラフスキー・システムを軸とした基礎訓練。エクササイズ・即興・戯曲を使ってのシーンワークなど。

・10月10日(土)
 9:30-12:00:ムーブメント
 13:00-15:30:ヴォイス

・10月11日(日)
 9:30-12:00:演技
 13:00-15:30:演技

 講師:セルゲイ・チェルカスキー(Sergei Tcherkasski )【演技】
    ガリーナ・コンドラショーワ(Galina Kondrashova 【ムーブメント】
    リュボフ・アルフェローワ(Luibov Alferova)【ヴォイス】
 ※三講師ともサンクトペテルブルク国立演劇アカデミー教授。

・会場:みらい館大明内 現代演劇協会・JOKO演劇学校稽古場
    (教室番号は当日、入口に掲示)
 住所:豊島区池袋3-30-8 TEL/FAX: 03-5950-3155

・受講料:9,800円
 受講料は三クラス分。単独で一クラス、二クラスを受講される方は、一クラス2500円。
 演技は二クラス受講していただきます。
・定員:20名
・申込締切:9月30日(水)
・申込方法:メールまたはFAXにて、下記の要綱を記入の上、お申し込みください。
 氏名、年齢(自由明記)、舞台歴(~年)、性別、住所、連絡先(携帯番号か自宅電話番号+携帯メールアドレス)、FAX番号、所属、このWSへの参加経験の有無、主な舞台経験(作品・役名)
 ※公式サイトで申込用紙(PDF)がダウンロードできます。
 ※メールアドレス:joko(アットマーク)joko-acting.com

 下記の宛先への郵送も受け付けます。
 JOKO(ジョコ)演劇学校
 〒171-0014 豊島区池袋3-30-8 みらい館大明内
 FAX:03-5950-3155

■シンポジウム

国立サンクトペテルブルク演劇アカデミー招聘ワークショップに伴い、以下のようにシンポジウムを開催いたします。

「日本に於ける演劇教育の可能性を探るーー日本を含めた海外での演劇教育の体験から」

【パネリスト】
 ニコラス・バーター(元RADA[王立演劇アカデミー]校長) 
 セルゲイ・チェルカスキイ(国立サンクト・ペテルブルク演劇アカデミー教授)
 村田元史(JOKO演劇学校校長)
 司会 松本永実子(JOKO演劇学校教務主任)

日時:10月5日(月)17時~19時
場所:みらい館大明 JOKO演劇学校教室
参加費用:2000円
お申し込み:メールにて下記までお申し込みください。
JOKO演劇学校 :joko(アットマーク)joko-acting.com

 海外での演劇教育の経験豊富な三人が、経験を踏まえて日本に於ける演劇教育の可能性と問題点を話し合い、今後の指針を示唆します。
 演劇教育に携わっておられる方、俳優、演出家、演劇に興味のある方、奮ってご参加ください。


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:19 | TrackBack

Bunkamura『コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ・第三部』09/12-10/04シアターコクーン

 第一部第二部を経てとうとう第三部へ。観客が同じ劇場に3日連続で通うなんて、めったにないことだと思います。シアターコクーンに親近感が湧いてきて、今日で終わっちゃうのが寂しいぐらい。

 第三部はゲルツェン(阿部寛)がイギリスに渡ってからの、1853年から1868年までが描かれました。あ~終わっちゃったんだな~。上演時間は約3時間5分(途中休憩15分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 失意の底にあったゲルツェンはロンドンに亡命。自宅をヨーロッパ各地で革命に失敗した亡命者たちの社交場として提供し、新しい人脈を得てロシア・ポーランド自由印刷所を立ち上げる。個人の自由こそ絶対的であるべきだと論じた『向こう岸から』のロシア語版を出版。あきらめていた母国語での自著の記念すべき一冊目を、亡妻ナタリーとの息子に熱い想いと共に手渡す。
 やがて、盟友オガリョーフと共に大衆誌『鐘』を創刊する一方、オガリョーフの奔放な妻、ナターシャ(栗山千明)との関係を深めていく。
 1861年、ついにロシアは農奴解放を実現する。喜びも束の間、不徹底な改革に落胆するゲルツェンは、流刑地から逃亡し、テロを企てる強硬派のバクーニンと決裂。暴力革命に反対するゲルツェンは、次世代の革命家たちに「死人」であると罵られる。
 壮年期を迎えた彼らの胸に去来する、永い間求め続けた、革命の意義、本当の人間の幸福とは・・・。
 ≪ここまで≫

 3回目にしてやっと流れに慣れてきたようで、今回は追いつけなくて困ることはありませんでした。
 客席通路で演技をする演出のおかげで舞台がとても近くなり、ゲルツェンらの生きたヨーロッパが今の私の世界のように感じられます。

 ロシア語、フランス語、ドイツ語、英語など、普段の生活から多言語が飛び交います。子孫が何語を話すのか、どこに住むのかも、家族の在り方を変えていくんですね。次の世代となる子供の印象が強く残る作品になっていました。

 たった30年とはいえ、日本だって70年代と今とでは様変わりです。私が生きてきたこの数十年の間も、歴史はどんどん塗り替えられてきました。お芝居の登場人物と、目の前に居る役者さんと一緒に、時の流れを共有できたような気がします。今の日本も激動まっただ中なんですよね。そういえば今回の選挙で自民党から民主党に政権交代したのは、ひとつの革命だったのかもしれません。
 
 ミハイル(勝村政信)はまたまた変貌(笑)。勝村さんの明るい存在感が心地いいです。

 ここからネタバレします。

 ゲルツェンとオガリョーフ(石丸幹二)、そしてナターシャ(栗山千明)との共同生活は、第二部と同様に奇妙(笑)。オガーリョフは娼婦(毬谷友子)と一緒に居るのでこちらも四角関係ですね。
 石丸幹二さん(元劇団四季)が歌うシーンがあって嬉しかった。

 第三部は、父の遺産を受け継いだゲルツェンが、どんなにお金持だったのかを見せつけられた感あり(笑)。毎日のように亡命革命家の人々を泊めていたし、出版を始めることになっても元手に全く困らない。ゲルツェンの子供たちはマンツーマンで家庭教師をつけてもらい、勉強のためいに外国に住むこともできました。でも彼に会いに来る運動家の若者たちは、決して裕福ではないんですよね。それだけ貴族が財産を独占していたってことなのかな。

 新しい登場人物としてニヒリストの若者が出てきて、かっこいいな~と思ったら池内博之さんでした。若者と言えば急進主義編集者ニコライ・チェルヌイシェフスキーを演じたのは長谷川博己さん。リアルな世代交代を感じさせました。
 大きくなったゲルツェンの子供たちを、第一部に出ていたバクーニン家の四人姉妹を演じた女優さんらが演じます。ぐるりと回転してもとに戻ったようでもあり、新世代へとバトンタッチされたようでもあり。

 革命が起こっても農奴は幸福にはなれず、すぐに大量の血が流れます。ユートピアを目指しても、そこにはたどり着けないと思い知らされるばかりの歴史。それでも、何度も失敗しても、自分が信じる何かをやり続けること。
 ゲルツェン「前へ進むこと。楽園の岸を上陸することなどないのだと知ること。それでも前へ進むこと。」

Bunkamura20周年記念特別企画
第一部:VOYAGE「船出」 第二部:SHIPWRECK「難破」 第三部:SALVAGE「漂着」
出演:阿部寛、勝村政信、石丸幹二、池内博之、別所哲也、長谷川博己、紺野まひる、京野ことみ、美波、高橋真唯、佐藤江梨子、水野美紀、栗山千明、とよた真帆、大森博史、松尾敏伸、大石継太、横田栄司、銀粉蝶、毬谷友子、瑳川哲朗、麻実れい 塾一久 赤司まり子 冨岡弘 手塚秀彰 妹尾正文 清家栄一 飯田邦博 岡田正 新川將人 星智也 宮田幸輝 嶋田菜美 遠山悠介 三村和敬 桐山和己/坂口淳(Wキャスト) 首藤勇星/鈴木知憲(Wキャスト) 大出菜々子/佐藤日向(Wキャスト) 木村心静/清水詩音(Wキャスト)
脚本:トム・ストッパード 翻訳:広田敦郎 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:室伏生大 衣裳:小峰リリー 音楽:朝比奈尚行 音響:鹿野英之 ヘアメイク:鎌田直樹 振付:広崎うらん 演出補:井上尊晶 演出助手:大河内直子 藤田俊太郎 技術監督:小林清隆 舞台監督:濱野貴彦 劇場舞台技術:伊集院正則 野中昭二 営業:加藤雅広 中川未来 票券:岡野昌恵 制作助手:三浦瞳(ゴーチ・ブラザーズ) [Bunkamura]制作:大宮夏子 佐貫こしの 北島由紀子 プロデューサー:加藤真規 松居珠美 [ローソンエンターメディア]制作:藤原友紀 営業:上野尚徳 プロデューサー:宮澤政司 主催:Bunkamura/ローソンエンターメディア 企画・製作:Bunkamura
【発売日】2009/06/27 [通し券(土・日・祝)通し上演]S席29,000円 A席24,000円 コクーンシート15,000円 [セット券(平日)3日にわたり一部ずつ上演]S席29,000円 A席24,000円 コクーンシート15,000円 ※セット券(平日)は3日間( I 部・ II 部・ III 部)とも同じお席番号となります。[各部券(平日 I 部・ II 部・ III 部)]S席10,000円 A席8,000円 コクーンシート5,000 ※平日セット公演に残席があった場合に限り、8月上旬に各部券(一部ごとお求めいただけるチケット)の販売を行います。※通し公演(土・日・祝)の各部券の販売はなし。※本公演は客席で舞台を挟むセンターステージ形状。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_coast.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:21 | TrackBack