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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2011年08月05日

ホリプロ『太陽に灼かれて』07/24-08/09天王洲銀河劇場

 映画『太陽に灼かれて』の台本をもとにイギリスで舞台化された、2009年初演の作品です。演出は栗山民也さん。成宮寛貴さん、鹿賀丈史さんら有名スターが出演する前売り9,000円のお芝居なので、ゴージャスなものを見せてもらう気分満々で出掛けました。上演時間は約2時間30分(途中20分の休憩を含む)。

 キャストだけでなく装置、衣装なども豪華でどっしり、ずっしりのドラマでした。成宮さんが美しかった~。パンフレットの用語集を開演前に読んでおいてよかったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『太陽に灼かれて
 レビューは現時点では記録のみです。

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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2011-04-28)
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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 モスクワ郊外の美しい村。ロシア革命の英雄コトフ大佐(鹿賀丈史)は、若く美しい妻マルーシャ(水野美紀)、娘ナージャ(美山加恋)と共に平和な日々を送っていた。
 ある夏の日、彼らの前に一人の男が現れる。男の名はミーチャ(成宮寛貴)。
 彼はマルーシャの幼馴染であり、将来を約束した恋人だった。
 彼の突然の生還を歓迎するムードのなか、コトフとマルーシャは彼の存在を不気味に感じている。
 そんななか、ミーチャは自分が姿を消した真相を、まだ幼いナージャに語り始めた・・・。
 ≪ここまで≫

出演:成宮寛貴 鹿賀丈史 水野美紀 美山加恋 大鷹明良 竹内都子 春海四方 那須佐代子 檀臣幸 今陽子 鷲尾真知子
脚色:ピーター・フラナリー(二キータ・ミハルコフ、ルスタム・イブラギムベコフの映画台本より) 翻訳:常田景子 演出:栗山民也 音楽:落合崇史 美術:伊藤雅子 照明:服部基 音響:高橋巖 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 映像:井形伸一 振付:岸田有子 演出助手:坂本聖子 舞台監督:増田裕幸 主催:テレビ朝日/ホリプロ/銀河劇場 企画制作:ホリプロ
【休演日】7/26,8/2【発売日】2011/04/16 全席指定 9,000円(税込)
http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=201107
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=162
http://hpot.jp/taiyou/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:23 | TrackBack

サスペンデッズ『g』08/04-07ザ・スズナリ

 早船聡さんが作・演出される劇団サスペンデッズの新作です。初日はぎっしり満席。他の日はまだ残席あるそうです。

 架空の世界のSFかしら・・・と思ったら、とんでもなく現代の、現在進行形のお話。大量のブラックユーモアをベースに、滑稽な人間を笑いながら悲しむ群像劇で、静かな怒りと煩悶が充満しているように感じました。素っ頓狂な出来事に驚いてプっと吹き出しつつ、ぐっと深く考える約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『g』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 田舎から都会に出てきた若い女性(田口朋子)は美容師(伊藤総)と仲良くなるが、彼には副業があり…。
 ≪ここまで≫

 特定の場所であることを想像させない、雑然と物が置かれた舞台。電信柱やお店の看板、室内の家具に干草など、同じ空間にあるはずのないものが混在します。赤いパイプの枠がついたカウンターが面白いですね。

 意外な設定で一体どういう結末にするのかしらと思ったら、終盤からじわじわと核心へ。最後はぎゅるりと推進力が加速して、驚きの展開に。
 何も変わっていない、これからも変わらないかもしれない私たち人間のことを、人間以外の存在と対比しながら見つめることになりました。

 ちょっと深刻な感じの書き方になってしまいましたが、舞台には間抜けで愛嬌のある人間(とそれ以外)が登場し、笑いもいっぱい起こっていました。私は笑うことより、その奥を見たくて、受け取りたくて、集中していたんだと思います。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 人型ロボットが一般家庭で利用されるようになった未来の日本。原発事故が何度もあったようで、既に魚は死滅しています。労働はロボットが肩代わり。でも人間は現代と全く変わっていません。アイドルに不毛な恋をするし、大事なものを棄てて金の亡者になるし、簡単に嘘をついて大切な人(ロボットも)を裏切ります。夢を追っているつもりが、手段が目的になり本末転倒。
 滑稽を通り過ぎてあわれで情けなくて、怒りがこみ上げます。でも全部私のこと。「何なんだコレ、人間って何で地球で生きてるの?そんな資格あるの?」って思っちゃう。

 最後は牛の出産場面でした。牛の姿に切り取られた黒い板に穴があいており、そこから牛(佐野陽一)が生まれます。
 「悪いけどこんな世界に生まれてきたことを祝福できないよ。ファッキンヒューマン!いのちって何なんだ!」
 徐々に4本足で立ち上がり、とうとう後ろ足だけで立ったのは、彼(=子牛)が人間だということでしょう。

 「ツジ君(佐野陽一)は意外にレアメタルの宝庫だから」に一番笑ったかな(笑)。佐野陽一さんは前々回はこちらの公演では虫や死者も演じてらっしゃいました。今度はロボットだし牛だし、子牛まで(笑)。

第11回公演
出演:伊藤総 佐藤銀平 佐野陽一 田口朋子 尾浜義男 白州本樹
[作・演出]早船聡 [美術]長田佳代子 [照明]工藤雅弘(fantasista?ish) [音響]平井隆史(末広寿司) [衣裳]大野典子 [舞台監督]大友圭一郎  [舞台写真]渡辺大祐 [ビデオ撮影]滝沢浩司 [イラストレーション]木村タカヒロ [宣伝美術]野島敏光 [制作]上田郁子(オフィス・ムベ)+ 石川はるか(ハイリンド)[企画製作・主催]サスペンデッズ
【休演日】なし【発売日】2011/07/04 前売・予約3,000円 当日3,500円 高校生以下 前売・予約2,500円 当日3,000円(高校生以下は、サスペンデッズ+オフィス・ムベのみ取扱い)
http://suspendeds.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:09 | TrackBack

演劇集団キャラメルボックス・アナザーフェイス『ナツヤスミ語辞典』08/03-11新国立劇場小劇場

 演劇集団キャラメルボックス柿喰う客の合同公演です。キャラメルボックスの「アナザーフェイス」公演は14年ぶりとのこと。上演時間は約2時間弱(2度のカーテンコール込み)。

 新国立劇場小劇場で完全抽象の雛壇舞台。照明と音楽で見せきる中屋敷法仁さんの演出に改めて感心しました。過去に「ナツヤスミ…」を観たことがある人は「こんな演出もできるのか!」と驚き、発見するんじゃないかしら。

 中高生はなんと1000円!!これは破格です!新国立劇場に行ったことのない学生さんもこの機会にぜひ!

 ※8/7(日)19:00の回は全配役をシャッフルして上演する“乱痴気”ステージです。前売り完売ですが当日券はあるんじゃないかと。かなり気になります。⇒全キャスト表

 ⇒ぴあ「キャラメルボックスが若手注目株“柿喰う客”とのタッグで贈る注目の舞台が開幕」←舞台写真あり!
 ⇒キャラメルボックス×柿喰う客『ナツヤスミ語辞典』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 クサナギの元に一通の手紙が届いた。それは三年前に担任した生徒から。そこに書いてあったのは、ちょっと不思議な夏休みの出来事だった。
 カブト・ヤンマ・アゲハの3人は中学2年生。ヤンマがプールの水を抜いてしまったことがバレて、先生からプール掃除を命じられる。そこへ、白い服を着た男・ウラシマが現れて、カブトが母から借りてきたカメラでみんなの写真を撮りはじめる。翌日現像してみると、そこに写っていたのは、なんと15年前の景色だった……。
 ≪ここまで≫

 階段だけの舞台という潔さ。重なった無数の本のようでもあるし、私にはバームクーヘンにも見えて、シンプルながら重層的なファンタジーの要素もあり。階段が互い違いに斜めになっているのが、天国に続く道にも見えました。

 いわゆる青春時代の夏の思い出を描いたみずみずしい魅力のある物語で、人物の相関関係が徐々にわかってくるのがよくできているな~と思います。さすが何度も再演を重ねている演目ですね。最後の最後で少々、説明的なセリフに頼りすぎな印象もありましたが、私は初日に拝見しましたのでこれから変わっていくことと思います。

 新国立劇場小劇場の舞台で生き生き伸び伸びと走りまわる、柿喰う客メンバーはじめ、森下亮さんら小劇場でも活躍する役者さんたち。大好きな劇場なので感慨深いものがありました。

 ここからネタバレします。

 アオタ先生(村上誠基)に笑わせてもらったな~。私にとって村上さんは鉄板。
 アゲハ(原田樹里)の母(右手愛美)が可笑しかったです。エロ派手ゴージャスな衣装とミスマッチな動きがツボ(笑)。

キャラメルボックス×柿喰う客
出演:多田直人(キャラメルボックス)、渡邊安理(キャラメルボックス)、井上麻美子(キャラメルボックス)、鍛治本大樹(キャラメルボックス)、林貴子(キャラメルボックス)、原田樹里(キャラメルボックス)、七味まゆ味(柿喰う客)、コロ(柿喰う客)、深谷由梨香(柿喰う客)、村上誠基(柿喰う客)、永島敬三(柿喰う客)、大村わたる(柿喰う客)、右手愛美(柿喰う客)、熊川ふみ(範宙遊泳)、川田希、森下亮(クロムモリブデン)
脚本:成井豊 演出:中屋敷法仁 美術:原田愛 照明:松本大介 音楽:佐藤こうじ 音響:大久保友紀 舞台監督:矢島健 スタイリスト:花谷律子 ヘアメイク:山本成栄 演出助手:棚瀬巧  舞台監督助手:鳥養友美 小道具協力:高津映画装飾 大道具製作:C-COM 拓人 宣伝デザイン:柳沼博雅(GOAT) 宣伝イラスト:GEN'S WORKSHOP+加藤タカ 舞台写真:伊東和則 制作総指揮:加藤昌史 プロデューサー:仲村和生 協力:ソネットエンタテインメント 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ 主催・企画・製作:ネビュラプロジェクト
【発売日】2011/06/26 指定席 4,800円 バルコニー席 3,800円(キャラメルボックスのみ) 中高生シート 1,000円(キャラメルボックスのみ)
http://www.caramelbox.com/s/ntg/
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/natsuyasumigojiten.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:29 | TrackBack