2006年05月10日
大人計画『まとまったお金の唄』05/04-28本多劇場
松尾スズキさんが作・演出される大人計画。プラチナチケット公演です。補助席も通路座布団席も満員。当日券のお求め方法はこちら。
わお!って衝撃を受けて、いくつものセリフに感動して、でもいっぱい笑っちゃうから最後には全部忘れてしまっていて・・・ロビーで販売されていた戯曲本を買って帰りました。
松尾スズキさんの脚本って、読んでも全然それが舞台の上に乗った状態を想像できないんですよね。この言葉があんなセリフ・動作・演出になるなんて!って、驚きの連続。それは大人計画の役者さんの凄さでもあるんでしょうけど。今回もやっぱり阿部サダヲさんにノックアウトされました。
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レビューをアップしました(2006/05/12)。
≪あらすじ・作品紹介≫ 戯曲本の帯より引用。
窓から太陽の塔、見えるで。
1970年代の大阪を舞台に、ウンコな哲学者や女性革命家たちの巻きぞえをくらい、母娘三代、“お金に泣かされっぱなし”な家族の物語。
≪ここまで≫
上演時間は約2時間15分(休憩なし)。聞きたいセリフが聞こえなくて、予想を裏切る展開に驚かされて、どんどん置いてきぼりをくらって(ついて行くだけで超楽しいんですが)、笑いのためだけのネタに本気でいっぱい笑わせられて・・・カメラのフラッシュのように瞬間的にすっごく眩しく感じる出来事が、どんどん私を襲ってきました。私はやむを得ずずっと受身だったのに、大人計画の世界に参加させてもらっている気分になっていました。そして何がなんだかわかってないクセに最後にじ~んと感動・・・。感動してる自分にびっくりしました。
どこか(たぶんここ)で読んだのですが、「大人計画に入りたい」という人に対して宮藤官九郎さんが、「大人計画に入っちゃうと、大人計画の芝居が観られないよ」とおっしゃっていたんです。その意味がわかった気がします。脚本や演出、役者さんが面白いとか、装置がイってるとか、そういう「演劇を味わう感覚」ではなかったんですよね。私は大人計画を味わっていたんだと思います。
大人計画はこんなに有名になって人気があるのにチケット代は前売5,800円です。9000円にしたって売り切れるんじゃない?って思いますよね。でもお値段据え置き。そういうところにも大人計画という存在の重さを感じます。
私が今までに観た松尾スズキさんの作・演出作品(1、2、3、4、5、6、7、8等)の中で衝撃の大きかった順番は、『エロスの果て』>『業音』>『まとまったお金の唄』です。
ここからネタバレします。
キリスト様、仏様、ひょうきん族の神様、酔っ払いなどがぞくぞくと登場し、映画「タイタニック」やジュディ・オングの「魅せられて」と同化していくオープニングで、まず私の頭はすっかり混乱。どうせーっちゅうねん!って、心の中で大笑いしながら叫びました。
私には珍しくいっぱい、いっぱい笑わせていただきましたが、一番笑ったのは警察官役の松尾スズキさんが蒼木家にやってきたシーン。なぜか何度も犬にかまれるの。全然脈絡ないし関係ないし意味ないから爆笑(笑)。
最後の唄に感動。下記、戯曲本より引用します。
(ジョン・レノン『イマジン』のメロディーで)
想像してみいひんか
家もなんものうなって
着るもんものうなって
わしらウンコとなんぼちゃうねん
立ってるだけで うーううう
クチでもの食べるのと
おいどから出すのと
神さんの目えからしたら
どんだけちゃうっちゅうねん うーーーううう
まとまったお金ほしいな
リアルな話
まとまったお金があれば
唄(うと)てられるから
≪東京、大阪≫
出演=阿部サダヲ/市川実和子/宮藤官九郎/伊勢志摩/村杉蝉之介/荒川良々/近藤公園/平岩紙/内田滋/菅原永二/松尾スズキ
作・演出=松尾スズキ 舞台監督=舛田勝敏 照明=佐藤啓 音響=藤田赤目 舞台美術=松井るみ 音楽=門司肇 衣裳=戸田京子 ヘアメイク=大和田一美 映像=ムーチョ村松/吉田りえ(トーキョースタイル) 演出助手=大堀光威/佐藤涼子 チラシタイトル文字・イラスト=羽生生純 宣伝美術=吉澤正美 制作=長坂まき子 企画製作=大人計画/(有)モチロン
3/19発売。前売5,800円 当日6,000円(全席指定)
公式=http://www9.big.or.jp/~otona/
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・本谷有希子(劇団、本谷有希子)
・倉持裕(ペンギンプルペイルパイルズ)
・岡田利規(チェルフィッチュ)
・上田誠(ヨーロッパ企画)
・福原充則(ピチチ5)
■演劇体験の輪郭~長塚圭史インタビュー
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『舞台は踊る』扇田昭彦
『ふくすけ』松尾スズキ
『愛の渦』三浦大輔
『ワンマン・ショー』倉持裕
『シブヤから遠く離れて』岩松了
『海賊』青木豪(『悲劇喜劇』2006年5月号に掲載)
『乱暴と待機』本谷有希子(『せりふの時代』2006年冬号に掲載)
『鈍獣』宮藤官九郎
『演劇入門』平田オリザ
『パンドラの鐘』野田秀樹
『演劇は道具だ』宮沢章夫
『三月の5日間』岡田利規
『カラフルメリィでオハヨ』ケラリーノ・サンドロヴィッチ
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