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2009年05月15日

アトリエ・ダンカンプロデュース『鴨川ホルモー』05/15-06/07吉祥寺シアター

 アトリエ・ダンカンによる、2007年本屋大賞6位・第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞小説『鴨川ホルモー』の舞台化です。小説の舞台化第1弾は見逃しましたが、第2弾はすごく面白かったんです。映画版も上映中ですね。鄭義信さんの作・演出なので、期待して吉祥寺に伺いました。

 京都の大学生の恋、恋、恋、そして“ホルモー”に巻き込まれた(?)青春!こんなに甘酸っぱくて汗臭い(笑)、恋のお話だったとは!明るく無邪気で元気いっぱいの、若々しいコメディーでした。中高生も楽しめるんじゃないかしら。上演時間は約2時間45分(途中休憩1回を含む)。

 『夜は短し…』に続き、ロビーで原作本↓を購入。帰りの電車で読みました。楽しい!

鴨川ホルモー (角川文庫)
万城目 学
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 285

 ⇒CoRich舞台芸術!『鴨川ホルモー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。
 葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。
 腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、
 出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。
 このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。
 祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。
 「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。
 戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。
 恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。
 京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。
 都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。
 「鴨川ホルモー」ここにあり!! (本誌扉より抜粋)
 ≪ここまで≫

 吉祥寺シアターってこんなにタッパのある劇場だったのか~とホレボレ。役者さんは階段の上り下りが大変そうだな~。

 舞台が京都だから、おかしな“儀式”もあるかもしれないと思えるんでしょうね。あ、葵祭(あおいまつり)って、まさに今日のことじゃないですかっ!なんだか嬉しい♪

 主役の石田卓也さんは、映画でしか観たことがなかったので新鮮でした。エネルギッシュで可愛かったな~。高村役の中川真吾さんも面白かった。芦名星さん髪きれい!そして細いっ!

 ここからネタバレします。

 2年に1度しか部員募集をしない、京都大学の謎のサークル「京大青竜会」。普通の人の目には見えない“鬼”たちを操って、勝敗を決める競技“ホルモー”を行う団体だ。何も知らずに入部した安倍(石田卓也)は、新歓コンパで一目ぼれした早良京子(芦名星)に心を奪われながら、全身を使う“鬼語”を習得して、他大学との対抗試合に出場することになる。

 “鬼”を照明と音響で表現していたので(映画だとCGですよね)、ファンタジー色はそれほど前面には出てこない、青春ラブコメ現代劇でした。
 恋の三角関係あり(それも複数)、コーラ一気飲み、ビール(ノンアルコールでしょう)一気飲みあり、男子たちの元気なストリップあり。エグザイルとか草なぎ君とか、時事ネタも笑えました。青いジャージがまぶしい(笑)。

 出演者がみんな京大生に見えるかというと難しいところですが(笑)、そんなこと気にするところじゃないですよね。 

≪東京、大阪、京都、愛知≫ 吉祥寺シアター開館5周年記念公演
出演:石田卓也(安倍) 芦名星(早良京子) 中川真吾(高村) 相山奈々(楠木ふみ) 上田悠介 上原香代子 白井義将 高畑こと美 根本大介 札内幸太 松下大亮 山口龍人 見上寿梨
原作:万城目学(「鴨川ホルモー」産業編集センター刊) 脚本・演出:鄭義信 美術 池田ともゆき 照明:増田隆芳 音響:藤田赤目 衣装:畑久美子 殺陣:栗原直樹 振付:伊藤多恵 演出助手:E-RUN ヘアメイク:宮内宏明 舞台監督:松本仁志 イラスト:石居麻耶 宣伝小道具:高津映画装飾 撮影協力:居酒屋蔵八 CO*STARRING ACCESSORY 宣伝写真:加藤孝 宣伝美術:立川明 テレビ朝日:中村雪浩 吉原智美 運営:サンライズプロモーション東京 宣伝:る・ひまわり 票券:後藤まどか 制作:市川亜由美 アシスタントプロデューサー:佐々木弘毅 プロデューサー:池田道彦 企画協力:ボイルドエッグズ 企画・製作:アトリエ・ダンカン 主催:テレビ朝日 財団法人武蔵野文化事業団 アトリエ・ダンカン 衣装協力:BEAMS
【発売日】2009/02/14 チケット料金:6,000円(全席指定・税込) ※未就学児童の方は入場をお断りする事がございます
http://www.duncan.co.jp/web/stage/horumo/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:58 | TrackBack

「劇談、土佐有明。」第二幕【『キレなかった14才・りたーんず』とはなんだったのか!?】5/14渋谷UPLINK FACTORY

 ライターの土佐有明さんが演劇人とトークをする企画の第二弾(⇒第一弾)。5/6に終幕したばかりの『キレなかった14才・りたーんず』(以下、りたーんず。レビュー⇒)について、りたーんず企画者の3人の演出家(後で2名増加)が語ってくれました。

 19:40頃(10分押し)に開始して終わったのが22:45頃(途中休憩10分を含む)。ものすごい長丁場でしたが、終盤になるにしたがってトークの内容が濃密になり、へとへとになりながらも充実した気持ちで会場を後にできました。

 ⇒土佐有明のPlaylist「劇談第二幕、終了。」(2009/05/17リンク追加)

20090514_returns.JPG
UPLINK前の看板

 まず初めに新作パフォーマンス「ひっくりカエル」(柴幸男、篠田千明、中屋敷法仁の共同製作)が上演されました。ひとことで言ってしまうと、りたーんず企画全体を振り返る内容。
 私はクラブやライブのノリが苦手な、いわゆる劇場大好き派なので、前半は完全にアウェイの気分。場違いなところに来てしまった・・・とオロオロしましたが、後半になって話し合いの密度が上がってきた頃には、私の“場違い感覚”もまたこの場を構成する大事な要素だったんだと思えました。

 音楽ライターを10年やってこられた土佐さんは、数年前に演劇に興味を持たれたそうで、今では雑誌で演劇について連載されたり、ウェブ上で「ほぼ初日劇評」を立ち上げたりされています。「CDの売り上げとライブ来場者の数は反比例。つまりCDは売れなくなっているが、ライブの観客は増加している」というデータには興味津々。

 「りたーんず企画そのものが“内輪ウケ”なムードをかもし出していたのではないか」という議題については、色んな角度から長く話してくださって嬉しかったです。私は神里さんが主張していらした「りたーんずについて全く知らない人にとっても、居心地のいいトークになるべきだ」というご意見に賛同します。でも、「内輪の“輪”を広げればいい(広げるしかない)。ただし(輪に入ってもらう人への)敬意を持って。」という篠田さんのお考えにも納得でした。

 私は6作品コンプリートしながらも、“内輪っぽい盛り上がり”をそれほど快くは感じていなかった観客の1人でした。でも、「特に意図していなかったのに、いつの間にか“祭り”のようになっていった」という分析は、外から眺めていた私にもそう見えましたし、この企画が生んだ素晴らしい成果の1つだと思います。中屋敷さんがおっしゃってましたけど、“奇跡”と呼ばれてもいいことですよね。

 りたーんず作品を1つも観たことがないし、演劇も観たことがないという人が、最後にされた質問がとっても良かったです(「10年後はどうしていたいですか?」など)。こうやって、快も不快も賛否も含めて、しっかりと肌で実感したことが広がっていくのは幸せなことだな~と思います。

 土佐有明「(コンサートでも演劇でも)観る前と観た後で何かが変わるような、観た後で何かがしたくなるようなライブが良い」
 藤原ちから「目の前に居る人の言葉を聴きたい。(これは自分がりたーんずを経験して変わったこと。)」
 神里雄大「反省がいっぱい、です。」(場内爆笑)

【『キレなかった14才・りたーんず』とはなんだったのか!?】―若手演出家6人による連続上演企画を総括し、彼らの今後を探る
5/14(木)19:00~
出演:柴幸男(青年団演出部) 篠田千明(快快) 中屋敷法仁(柿喰う客) 神里雄大(岡崎藝術座) ヨークからウェブ中継出演:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)、他
聞き手:土佐有明(ライター)、 藤原ちから(編集者)
日時:5/14(木)19:00開場/19:30開演 料金:¥1,800(1ドリンク付き)
http://www.uplink.co.jp/factory/log/003019.php

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:05 | TrackBack

【情報】新国立劇場演劇研修所第3期生試演会①『美しきものの伝説』06/05-07新国立劇場 小劇場※入場無料・5/28FAX必着

 2005年に開講した新国立劇場演劇研修所の3期生の第1回目の試演会情報です(過去レビュー⇒1期生の試演会1試演会2卒業公演1回目卒業公演2回目2期生の試演会1試演会2卒業公演)。

 14名の2期生以外に1期生ほかの賛助出演あり。4期生も数名出演します。入場無料はオトクだと思います。公式サイトで申込用紙をダウンロードし、FAXでお申し込みください。

 ⇒CoRich舞台芸術!『美しきものの伝説

■新国立劇場演劇研修所第3期生試演会①『美しきものの伝説』概要(公式サイトより)

【公演日程】
2009年6月5日(金)6:00開演 め組
     6日(土)1:00開演 め組
     6日(土)6:00開演 ろ組
     7日(日)1:00開演 ろ組

 各回開演の30分前より開場いたします。
 配役はこちら(PDF)をご覧ください。
 *やむを得ない事情により配役が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

 入場無料(予約申込制)

 ◇観覧をご希望の方は、申込用紙をダウンロードして必要事項を記入の上、ファックスにて下記までお申し込みください。(1回の申し込みにつき3名様まで、5月28日必着)折り返し確認の連絡をさせていただきます。

 ◇申し込みが多数の場合は、先着順のご案内とさせていただきますので、予めご了承ください。

 申し込み先:新国立劇場 演劇研修所 試演会①『美しきものの伝説』係
 FAX 03-5352-5776

出演:岸田茜、熊坂理恵、鈴木良苗、辻村優子、野村真理、吉田紗和子、渡邉樹里、宇髙海渡、金成均、香原俊彦、竹田桂、長元洋、米川貴久、若菜大輔、神野崇(賛助出演)、井上倫宏(賛助出演)、大杉良(特別出演)、二木咲子(1期生・賛助出演)、趙栄昊(4期生)、今井聡(4期生)、扇田森也(4期生)
脚本:宮本研
入場無料(予約申込制)
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000260_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:26 | TrackBack