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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年02月09日

モダンスイマーズ『凡骨タウン』02/05-21東京芸術劇場小ホール1

 モダンスイマーズは岸田國士戯曲賞受賞作家の蓬莱竜太さんが作・演出される劇団です。『凡骨タウン』は『夜光ホテル』の続編(⇒稽古場レポート)。この公演は東京芸術劇場の若手バックアップ企画“芸劇eyes”の1作品です。⇒記者発表 芸劇eyesレビュー⇒

 ずっしり重たい人間ドラマ。蓬莱さんの決して逃げない姿勢に雄々しさを感じました。前作を観ていなくても問題ないと思います。上演時間は約1時間50分。

 ⇒蓬莱竜太インタビュー(シアターガイド・オンライン
 ⇒CoRich舞台芸術!『凡骨タウン
 レビューを途中までアップしました(2010/02/11)。

 ≪あらすじ≫
 ボス(千葉哲也)の元を離れると決心した篠原(萩原聖人)だが、簡単にかなうものではなかった。ボスの執拗な報復はたった1人の家族も巻き込み、篠原のすべてを奪っていく。
 ≪ここまで≫

 濃い灰色でほぼ統一された空間。舞台中央には金属素材と思われる低い台座のようなものがあり、それに向かって降りるように、階段がぐるりと囲んでいる美術です。振り下ろされる鉄パイプがたてる、にぶい金属音が残酷。

 『回転する夜』や『トワイライツ』のように時間と空間が瞬時に切り替わるだけでなく、回想と現在が同時進行したり、過去に未来が介入する(ように見える)こともあります。脚本、演出ともに工夫が凝らされていて刺激的でした。

 「危機に陥った主人公がどうやって困難を乗り越えるか」を描く作品はよくあります。でもこの作品は違いました。実際のところ、世の中は解決できない問題だらけですよね。人間はなんとか他人と妥協し合って、理想とはほど遠いながらも希望は持って、はいつくばりながら生きているものだと思います。蓬莱さんはその現実から目をそらさず、どん底のまっ暗闇で、ある男が彼自身の人生を勝ち取った瞬間を描いたのだと思います。

 ここからネタバレします。加筆予定。

※初日午後から上演された関係者向けのゲネプロを拝見させていただきました。
出演:古山憲太郎 / 津村知与支 / 小椋毅 / 西條義将 / 萩原聖人 / 千葉哲也 / 緒川たまき / 佐古真弓 / 辰巳智秋
脚本・演出:蓬莱竜太 美術:伊達一成 照明:森脇清治 音響:今西工 衣裳:坂東智代 宣伝美術:西山昭彦 宣伝写真:高篠秀文(still+voice) 制作:神野和美
【発売日】2009/12/10 前売 4200 円 / 当日 4500 円 学生割引:前売 3000 円 / 当日 3500 円 (お取扱いはHabaneraのみ) ※要学生証提示、24歳以下
http://www.modernswimmers.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年02月09日 09:38 | TrackBack (0)