2006年03月19日
『サンガツ・ライブ』(『三月の5日間』公演内)3/17六本木Super Deluxe
『三月の5日間』公演の休演日の一日は、タイトルの元ネタともなったポスト・ロック・バンド“サンガツ”のライブパフォーマンスでした。
冒頭にチェルフィッチュのショートパフォーマンス『ティッシュ』が披露され、最後にサンガツの小泉篤宏さんとチェルフィッチュの岡田利規さんのトークショーがありました。
※今公演についてのエントリー⇒1、2、3、4
★サンガツのサイトに舞台写真がアップされています!(2006/03/24追加)
■ショートパフォーマンス『ティッシュ』(約7分間)
『ティッシュ』は吾妻橋ダンスクロッシング(2005年09/23-24、演劇定点◎カメラに詳細レポートあり)で発表された、ダンスのようで二人芝居のようでもある作品です。20時スタートとともに、会社の制服姿のイケてないねーちゃん2人(松村翔子&端田新菜)が登場。端田新菜さんが武富士のティッシュを持っています。
高橋さんという既婚の男性と不倫をしているっぽい木村さん(端田新菜)が、鈴木さん(松村翔子)に「なぜ高橋さんと知り合いなの?」と問い詰めるが・・・っていうストーリーだった気がします。でも「気がする」っていう程度しか覚えてない・・・。最後に“踊る方”と“配る方”に自主的に役割分担するのですが、ティッシュ配りに“踊る方”なんてないぜっ(笑)!しかもティッシュは2個しか持ってないし!かなりシュールでした。楽しかったけど7分で終わっちゃったのは寂しかったな~。
■『サンガツ・ライブ』
ギター、ギター、ベース、ドラム、ドラム、そしてミキシング(?)という最大6人編成のバンドでした。
最初に『三月の5日間』の元ネタになった“5日間 (Five Days) ”(←視聴できます)が演奏され、これがもー・・・ほんっとにお芝居のイメージに重なりまくり!も~六本木!渋谷!ラブホ!っですよ!!すっごいさわやかなんだけど、めちゃくちゃ冷静でしたたか、そして自分の身体の奥の方にある熱さを無視しないで、演奏しながら、それをどんどんと開放して行っているように見え(感じ)ました。
私は相当呆けた顔しちゃってたと思います(苦笑)。目の前で演奏するサンガツのメンバーにも、彼等が奏でる音楽にも、ずっと吸い込まれているような感覚でした。
1日目のトークを聞いていて本当に良かったです。「モニタースピーカーの発達」に超納得でした。サンガツのメンバーには目をつぶって演奏される方が多く(ギターもドラムも)、演奏しながら陶酔しているかのように見えて、でも自分で自分をコントロールする自意識がはっきりと在ることも伝わってきていて、まさに「冷めているんだけど熱い」という状態。あぁ、これって俳優のあるべき姿なんじゃないの!?って思いました。
全部で5曲だったかな~・・・1時間以上あるライブで5曲ですからね、1曲がすごく長いのです。MCも一切なかったですし(笑)。新曲2曲を披露されたのですが、その緊張感がすごく刺激的でした。楽譜(?)を見ながら恐る恐る演奏されているのには、笑っていいのかハラハラしていいのか(笑)。スティールパンとか小学校で使われる簡易鉄琴(?)のような可愛らしい打楽器も面白かったです。
それにしても・・・音楽の世界も広いですね。音楽のライブ(コンサート)にハマる人の気持ちが少しわかる気がしました。
■『トークショー(小泉氏&岡田氏)』(約30分間) ※覚え書き程度です。
岡田「パフォーマンスのテンションが凄くて、楽しかったです。」
岡田「どうやって曲を作られているのですか?」
小泉「いかにクライマックスを作らずに作れるのかを目指しています。」
小泉「抽象的な風景が浮かぶのではなく、ある感触がいくつか、いくつか、一曲の中にあるイメージです。」
岡田「今回は新曲を2曲披露してくださいましたが、曲を作るのにすごく時間がかかるそうですね。」
小泉「1曲作るのに1年ぐらいかけることもあります。といっても楽器を集めるだけで半年かかってたりするのですが。」
岡田「最後の曲なんて、ちょっと・・・わからないですよね。僕はパフォーマンスとしてとても面白かったんですが。具体的にどうやって曲を作るのか教えていただけませんか?」
小泉「まず、思いついたフレーズ(メロディ・リズム)を携帯に吹き込みます。」
岡田「え?それは小泉さんが、ですか?」
小泉「はい。声を吹き込みます。だから最初は鼻歌ですね。」
岡田「あぁ!それ、聞きたいなー!(笑)」
小泉「それは私しか聞かないんですけどね。全部のパートを吹き込んで、その鼻歌をパソコンに入れていじるっていう作り方です。」
小泉「新鮮な時(メンバーになって年が浅い時)はセッションとして成立していたのですが、今は、カッチリ作らないと成立しないので、デモでカッチリ作りますね。」
岡田「ということは、最後の曲も全部楽譜どおりということですね。」
小泉「そうです。でも今回が初演でしたので、緊張しました。」
岡田「バンド名“サンガツ”の由来は何でしょう?」
小泉「『三月のライオン』という映画があって、そこから。でも名づけた人はもう辞めてるんですが。」
岡田「1曲の長さが・・・・長いですよね?」
小泉「ええ。間違いなく、長いです。」(会場から笑いが出る)
岡田「僕、長いのが好きなんですよねー、いや、長い方がいいと思うんですよ。本当にこの戯曲を書きながらずっと聴いてましたし。えと、これからもぜひ長いのを作っていただきたいな、と(笑)。」
★全席自由 前売:2200円(ウェブ予約のみ) 当日:2500円 セット券=サンガツ・ライブ(3/17)と「三月の5日間」のセット券 前売のみ4500円(ウェブ予約のみ)
サンガツ=梶道人 (dr)、山脇豊土 (dr)、小泉篤宏 (g)、小島創太郎 (g)、磯木淳寛 (b) DJ Peaky (electronics)
トークショー=小泉篤宏(ミュージシャン/サンガツ)×岡田利規(チェルフィッチュ)
チェルフィッチュ ショートパフォーマンス「ティッシュ」作=岡田利規 出演=松村翔子/端田新菜
企画協力: HEADZ
公式=http://chelfitsch.net/sangatsu.html
サンガツ=http://sangatsu.com/
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ドイツ座『エミーリア・ガロッティ』03/19-21彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
「今年上半期最大のお薦め」と演劇関係者からの噂を聞いておりました。なるほど、凄かったです。超かっこいいです。クール&スタイリッシュの極地。
物販のTシャツ(ドイツ座のオリジナル)がめちゃかわいくって買おうかどうか迷ったんですけど、う~ん・・・と迷って、辞めました。たしかバイエルン国立歌劇場の時も買っちゃったんですよね。やっぱりドイツ、おしゃれなのですよ。散財しちゃうっ。
≪あらすじ≫ パンフレットより
グァスタッラの公爵ゴンザーガは、平民の娘エミーリアを一目見て恋に落ちるが、彼女がアッピアーニ伯爵との結婚を控えていることを知り愕然とする。結婚式の朝、教会で祈りを捧げるエミーリアの耳元で領主である公爵が愛の言葉を囁く。驚き慄くエミーリア。同じ頃、侍従マリネッリの策略によってアッピアーニ伯爵が殺害される。何も知らずに、公爵邸に連れてこられるエミーリア。
一方、公爵に裏切られ、プライドを著しく傷つけられた元恋人オルシーナ伯爵夫人は、エミーリアの父親に公爵が娘を誘惑したことを告げ、復讐するように仕向ける。わが娘の貞操を傷つけた公爵を殺して娘を連れ戻そうとする父親に、エミーリアは静かに対峙する。そして父親に自分を殺してくれるように頼む。
≪ここまで≫
とにかくハイソでスタイリッシュ、というのが全体の印象です。公式サイトの解説が明確でわかりやすく、観終わってから読んで、すんなり納得です。
極シンプルで巨大な美術は北欧家具みたい。衣装はJIL SANDER並みに生地もデザインも言うことなしのかっこ良さ。靴&ハイヒールなんて欲しくてたまんない!ってぐらいファッショナブルです。たぶんこのままだと私の2006年の衣装No.1間違いなしですよ。
音楽は映画『花様年華』の主題曲が繰り返し、ずっと流れ続けます。私は映画を観てサントラを買っちゃってた人間なので、上演中も映画の場面がちらつきました。日本で、ドイツの演劇を観ながら、中国映画のムードが混じってくるのです。すごく豊かな気分でした。文化の交流が人類の平和を体現できるって、心から思います。
一緒に観た友人が「役者さんの立ち姿がきれいだったよね」と、同じ感想を持っていました。身体のスタイルがいいという意味もありますが、舞台上に立っている、もしくは歩いている時に、なぜか俳優(の身体)が光を放っているように見えるのです。人物を眺めているだけで満足できるような感覚でした。日本の役者さんにもこういう方が増えて欲しいなと思います。
私にとって彩の国さいたま芸術劇場は、たどり着くまでが大変な場所です。今日は強風によるダイヤの乱れのために開演が10分遅れましたし、終演後の帰り道はほんとに強風で吹き飛ばされそうになりました。駅に着いたらやはり列車が遅れていて、ホームで長い時間待ちました。激寒の中を・・・(涙)。良い思い出ができないんですよねー・・・劇場併設のおしゃれなカフェとかあったらいいのにな。
"Emilia Galotti"
出演=レギーネ・ツィンマーマン/ペーター・パーゲル/カトリン・クライン/スヴェン・レーマン/インゴ・ヒュルスマン/ヘニング・フォークト/ニーナ・ホス
原作=G.E.レッシング 演出=ミヒャエル・タールハイマー 美術・衣裳=オーラフ・アルトマン 音楽=ベルト・ヴレーデ(『花様年華』挿入曲「夢二のテーマ」作曲:梅林茂より) ドラマトゥルク=ハンス・ナドルニー
発売日=12月4日 3ステージ S席5,000円/A席3,000円 学生席1,000円(芸術劇場のみ取扱) 主催=NPO法人アートネットワーク・ジャパン 財団法人埼玉県芸術文化振興財団 東京ドイツ文化センター 助成=財団法人地域創造
東京国際芸術祭(TIF)2006内=http://tif.anj.or.jp/program/emilia.html
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新国立劇場演劇『十二夜』03/07-19新国立劇場 小劇場
私の超いちおしの子供のためのシェイクスピアカンパニーの新国立劇場公演です。
※過去作品のレビュー→2001年、2002年、2003年、2004年、2005年
『十二夜』は2000年に旧・グローブ座で拝見し、それからこのカンパニーを追いかけています。今回もやっぱり超~楽しかった!明日(3/19)で千秋楽です。もっと早く観に行くつもりだったんですけど・・・なぜか楽日前日でした(涙)。
今年の夏は『リチャード三世』なんですね!こちらも楽しみ♪
≪あらすじ・作品解説≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を追加。
嵐で船が難破して、双子の兄セバスチャン(伊沢磨紀)と死に別れてしまったヴァイオラ(大内めぐみ)。イリリアという街に漂着したヴァイオラは、街を治めるオーシーノー公爵(福井貴一)に男装して仕えることに。公爵はオリヴィア(植本潤)という伯爵令嬢に求愛中だが、彼女は亡くなった兄の喪に服して部屋にこもり、だれにも会おうとしない。
一方、主人の公爵に秘かに恋心を抱くようになるヴァイオラだが、公爵からオリヴィアへの愛を伝える使者を任される。主人のためとはいえ、好きな人の恋の手助けに複雑な気持ちを抱きつつ、オリヴィアのもとへ向かうヴァイオラ。ところがなんとオリヴィアは、男装しているヴァイオラに一目ぼれ! さらに死んだと思っていたヴァイオラにそっくりな兄、セバスチャンが出てきて大混乱!! はたして絡みあった恋の結末は!!!
≪ここまで≫
がっちり子供向けではあるんですが、なんだか怖~い雰囲気だしエッチなこともかなり盛り込まれていて、「いやん、そんなことやっていいの?」と、ちょっとドキドキしながら観ました。でもそれが良いんでしょうね、怖いこととエッチなことは刺激的だし、やっぱり誰もが興味あることですし(笑)。今回もお子様連れで団体観劇したのですが、とってもとっても好評でした。「夏も絶対行く!」って言ってましたよ。
ギャグが多かったな~・・・ことあるごとにギャグ、ギャグ、ギャグと続いて、しばらくしっとりしたかと思ったらまたギャグ(笑)。子供が全然飽きずに観られるんですよね。大人ももちろん、めちゃくちゃリラックスして楽しめます。
そして『十二夜』ですから、恋!恋!恋!ですよ!!も~・・・超ときめいちゃったよ~っ♪男装したヴァイオラ(大内めぐみ)にオリヴィア(植本潤)が恋してしまう瞬間とかね、特に。ヴァイオラが言った「今の運命よりは上ですが、私は紳士です」という言葉に、オリヴィアは心打たれます。そのセリフを黒いマントをまとった他の役者さんがつぶやき声で何度も繰り返し、恋が生まれた美しい刹那がよみがえるんですよね。すごくうっとりしました。
演出がめちゃかっこ良かったですね~。木の枠にかかった赤いカーテンが大活躍でした。ムービングの照明も良かったな~。おなじみの手拍子して舞台を歩く時間が、今までよりかなり短くなっているように思いました。どんどんと洗練されている気がします。あと、新国立劇場小劇場のあの黒い箱(ブラックボックス)なムードにも合ってました。
衣装も生地がシックでおしゃれ。今回の衣装は『LYNKS』(←すっごくかっこ良かったんです)を手がけられた尾崎由佳子さんなんですね。
ここからネタバレします。
音楽は「Sailing」「恋の予感」「国松さまのお通りだい」などがネタとして使われて、父母から祖父母まで世代を渡り歩いている感がありましたね(笑)。子供は歌がわからなくても笑えるようになってました。
“イタズラの神様”は2000年版(白いチュチュのバレリーナ姿)とは全然違うキャラになってました。黒い半袖Tシャツと長いズボンで、つるつる坊主頭。「原作には出てきませ~ん!」って叫ぶのは一緒でした(笑)。植本潤さんはほんとに素晴らしいですね。
"TWELFTH NIGHT"
出演=伊沢磨紀/福井貴一/円城寺あや/佐藤誓/植本潤/戸谷昌弘/土屋良太/大内めぐみ/山崎清介
作=W.シェイクスピア ~小田島雄志翻訳による~ 脚本・演出=山崎清介 美術=岡本謙治 照明=山口暁 音響=遠藤憲 衣裳=尾崎由佳子 演出補=小笠原響 舞台監督=堀吉行 企画協力=子供のためのシェイクスピアカンパニー 華のん企画
15ステージ 3/13休演。A席=5,250円 B席= 3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000027.html
子供のためのシェイクスピアカンパニー=http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/c-ro.html
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