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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年06月20日

ポかリン記憶舎『息・秘そめて』06/19-24こまばアゴラ劇場

 明神慈(みょうじん・やす)さんが作・演出されるポかリン記憶舎は大好きな劇団です(過去レビュー⇒1011)。受付はいつもどおり和服美女が迎えてくれました。初日は超満員。上演時間は約1時間20分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『息・秘そめて

 ≪あらすじ≫ 場所がどこなのかがわかるだけで、ちょっとネタバレになります。
 ある有名写真家(古屋隆太)による写真教室。1日だけの体験コースのようだ。10人限定の小さな集会に集まった生徒は5人。雨で遅れている人もいるらしい。デジカメやインスタント・カメラでの撮影が始まる。それぞれに写し、写されあう人々。撮り終わった後は写真を現像して鑑賞会が始まった。
 ≪ここまで≫

 こまばアゴラ劇場のエレベーターでの入場になりました。いつもの入り口が美術でふさがれているんですね。『煙の行方』『煙ノ行方』でもそうでしたが、ここがアゴラだってことを忘れてしまうような空間でした。

 ポかリン記憶舎に私が期待するのは「死とエロス」だったんだな~と、この作品を観終わった後に思いました。今回は写真と写真を撮ることに焦点が当てられていて、いわば「生」の方がクローズアップされていたように思います。「生」を見ることで「死」が感じ取れるようにもなってはいましたが、ぞくぞくするぐらい恐ろしい心の闇や、見た目には何も起こっていないのに実は恋(嫉妬)の炎が燃え盛っていたりとか、そういう奥の部分を感じ取るのに充分な完成度ではなかったように思います。

 何度もレビューに書いていますが、ここ数年で私の好みはとても変わって来ています。最近はストーリーにあまり執着しなくなり、目の前で起こる出来事とそれに反応する人間の姿、そこから生まれる感情などを味わう方が重要になりました。むしろ、それがなければ楽しめないぐらいになっています。

 今回の作品では、ポかリン記憶舎の独特のスタイルを見ることはできましたが、役者さんの演技がわざとらしく感じてしまいました。セリフが発せられている時や人が登場する瞬間なども、「○○を感じさせるため」だったり「~~を伝えるため」だったり、何らかの目的のための作業のように見えることが多かったです。

 暗転の間際が、やっぱり素晴らしかったです。なぜ、いつも、あの残像が残るのでしょう。『Pictures』のラストシーンを思い出しました。

 ここからネタバレします。

 生徒さんによる写真の撮影会は演劇のワークショップに似ていました。自己紹介したり、作品を発表しあったり、身体を動かして実践していく作業の中で、何かに気づいていくんですね。

出演=中島美紀 日下部そう 浦壁詔一 古屋隆太(青年団) 福士史麻(青年団) 境宏子(リュカ.) カネダ淳 井上幸太郎 桜井昭子 綾田將一 ※並木大輔が降板し、代役は綾田將一
作・演出=明神慈 音楽=木並和彦 舞台美術=杉山至+鴉屋 舞台監督=寅川英司+鴉屋 照明=木藤歩 音響=尾林真理 写真=松本典子 AD=松本賭至 衣裳=フラボン
【発売日】2007/04/14【前売・予約】一般:3000円 平日マチネ割引:2500円 学生・和服:2500円(予約のみ・こまばアゴラ劇場にて取扱い) 【当日】3500円 平日マチネ割引:3000円
http://www.pocarine.org/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_06/pocarine.html

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Posted by shinobu at 2007年06月20日 11:00 | TrackBack (0)