2009年12月06日
フェスティバル/トーキョー09秋・演劇/大学『桜美林大学「カサブタ」』12/05-06東京芸術劇場 小ホール1
「F/T09秋」の企画“演劇/大学”4本の内の1本。マチネの木ノ下歌舞伎に続いてソワレに拝見。F/T09秋はこれで9本目(⇒1、2、3、4、5、6、7、8 ⇒制作発表)。
OPAP(桜美林大学パフォーミングアーツプログラム)での上演がとても好評だったので伺いました。ぴっちぴちの若者29名がステージを埋めつくして踊るのを観られただけでも満足です。演出、振付も素晴らしくて、評判に納得しました。上演時間は約1時間30分弱。
“演劇/大学”は残念ながら2本しか観られませんでしたが、木ノ下歌舞伎も面白かったし、芸術性もクオリティーもとてもハイレベルだと思います。今の大学生は凄い!
⇒CoRich舞台芸術!『演劇/大学09秋 桜美林大学『カサブタ』』
≪作品紹介≫ 当日配布のパンフレットより一部抜粋。
『守られたいが、そこからの開放を常に求めてもいる』そんな学生の現在を『カサプタ』という生理的現象のイメージと重ね合わせ、振付け者である木佐貫邦子の視座で描いた75分のダンス作品。途中、『虫の声』のシーンは、学生自らが振り付けた。また、『サンシャイン音頭』と名付けたシーンは、卒業生の名取秀樹(泉流/名取り)が手掛けた。
…現代のカサブタは果たして癒えることはあるのか?…
学生たちのしなやか、かつ、無骨な身体が繰り広げる「新しい皮膚」のためのダンス作品。
≪作品紹介≫
上下(かみしも)2つずつの出入り口からドっと増え、ササっと消えていく、みずみずしいダンサーたちにうっとり。若いって素晴らしい。めいっぱい伸びて、跳んで、倒れて、這って・・・といった大きな動きをする時も、細かいところまで緊張が行きとどいているので、繊細に見えます。プロの振付・演出によるこんなに大勢のダンスを、この低価格で観られるのってあまりないのではないでしょうか(ダンスに詳しいわけじゃないので想像にすぎませんが)。
スモーキーなパステルカラーの衣裳がとってもおしゃれ。女の子はスリップドレスにも着替えてくれて、健康的なセクシーさにみとれます。
木ノ下歌舞伎でも『H3』でも強く印象に残ったのですが、舞台の真横からあてる照明はかっこいいですね。
出演者は桜美林大学演劇コースの1~4年生。カーテンコールで学年ごとに挨拶してくれたのでわかったのですが、やはり4年生は色っぽいですね~。こんなに充実した体験が蓄積されていくなんて、これからがますます楽しみです。
ここからネタバレします。
カラフルなハイヒールの山に薔薇を挿して、じょうろで水をやるのが可愛いかった。水をやる男の子が帽子をかぶってたのも素敵。
※レビューは短めです。
出演:(演劇コース在校生)木村愛子、米田沙織、目深芙裕子、石川あゆみ、白取麻実、今野良咲、北尾亘、久津美太地、藤井友美、水越朋、岡本優、村田茜、森本あん、早川紗代、工藤響子、大谷悠、水岡渚沙、吉田拓、槙悠吾、森山貴邦、加藤拓実、大野真由子、細野ゆりか、柴田未来、井草佑一、計良瑠衣、鷹栖歩莉、横地梢、中佐真梨香
作・構成・演出:木佐貫邦子(桜美林大学准教授) 振付:木佐貫邦子、 名取秀樹(泉流/卒業生) 出演者全員 振付協力:戸川悠野(卒業生) 舞台監督:石川佳澄 照明:塚原佑梨 照明操作:大久保果那子 音響:丸田裕也 衣裳:天神綾子 宣伝美術(桜美林):岡本優 票券管理(桜美林):萩谷早枝子 制作:赤羽ひろみ 照明アドバイザー:金英秀(文学座/桜美林大学准教授) 音響アドバイザー:林あきの(卒業生) 衣裳協力堂本教子 選曲協力;スカンク 写真協力:福井理文 記録撮影(桜美林):水内宏之 【F/Tスタッフ】技術監督:寅川英司+鴉屋 舞台監督:杣谷昌洋 舞台監督助手:佐藤恵 照明:(株)ファクター 音響:内田伸(サウンドウィーズ) 制作:武田知也 板橋園恵 制作補佐:坂田厚子 菅原渚 インターン:荒川真由子 【F/Tクルー】:青柳未央 川村美幸 小林寛斉 土屋絢子 野中さやか 主催:フェスティバルノトーキョー 共催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 協力:桜美林大学 京都造形芸術大学 近畿大学 多摩美術大学
自由席(整理番号付き)一般・学生共通 1演目1,000円
http://www8.obirin.ac.jp/opai/opap_item.php?no=59
http://festival-tokyo.jp/program/university/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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フェスティバル/トーキョー09秋・演劇/大学『京都造形芸術大学「木ノ下歌舞伎一伊達娘恋緋鹿子」』12/05-06シアターグリーン BIG TREE THEATER
こまばアゴラ劇場にも来てくれている京都の木ノ下歌舞伎。「F/T09秋」の“演劇/大学”のラインアップに選ばれ、今回初めて拝見できました。F/T09秋はこれで8本目(⇒1、2、3、4、5、6、7 ⇒制作発表)。
シンプルな抽象舞台に衣裳は現代の平服で、セリフはおそらく歌舞伎の脚本どおり。シャープな演出で、わかりやすくてきれいでした。上演時間は約1時間15分。
⇒CoRich舞台芸術!『演劇/大学09秋 京都造形芸術大学 『木ノ下歌舞伎─伊達娘恋緋鹿子』』
≪作品紹介≫ 当日配布のパンフレットより。
大火に類焼した八百屋の一家は吉祥院に避難していた。そのうち、一家の娘・お七はその寺の小姓・吉三郎と恋仲になってしまう。武兵衛の援助で店の再建がなって別れた後も思いはつのるばかり。
一方、江戸の町では相次ぐ火災を警戒し、次々と火の見やぐらが建てられ、夜間は全ての木戸を閉め、通行が禁じるられることになった。同時にそれは、火事ではない時に火の見やぐらの半鐘を鳴らせば、いかなる理由があろうとも火あぶりの刑に処すという法であった…。
≪ここまで≫
劇場の黒い壁を上手に生かした美術でした。四角い灰色のステージの中央には、長い長い鎖に片足をつながれたお七。じゃらじゃら、ゴトゴトと鳴る鎖の音が効果的。短い時間に大事な要素をきれいに凝縮させて、スマートな演出でした。“八百屋お七”ってこんなお話だったんですねー。面白かったです。
歌舞伎のセリフに関西弁のアクセントが色っぽいです。この作品でも感じましたが、役者さんの体・声に地域の特徴が出てくるのが素敵ですよね。
役者さんの演技の技術については、演出がもとめるレベルには追いついていない印象。大学生なのでまだ10~20代前半ですよね。そう考えたら不満はありません。
ここからネタバレします。
四角い蛍光灯の枠がお七の頭上から降りてきて、彼女が櫓にのぼるのを表現したのがとてもかっこよかったです。
※レビューは短めです。
【出演】お七/伊藤彩里 吉三郎/眞栄田貴豊(子供鉅人) 母/cossi(chikin) お杉/三鬼春奈 おひな/濱名綾子 武兵衛/諸江翔大朗
演出:木ノ下裕一(京都造形芸術大学大学院芸術研究科修士課程2年) 作=菅専助 松田和吉 若竹笛躬 美術:杉原邦生 照明:川島玲子 音響:斎藤学 衣裳:山本容子 メイク:富松悠 舞台監督:米谷有理子 制作:木村悠介 本郷麻衣(以上、舞台芸術学科/大学院芸術研究科在校生および卒業生) 【F/Tスタッフ】技術監督:寅川英司+鴉屋 舞台監督:鈴木康郎+鴉屋 舞台監督助手:木村光晴 照明:㈱ファクター 音響:小早川保隆(サウンドウィーズ) 制作:武田知也 板橋薗恵 制作補佐:坂田厚子 菅原渚 インターン:荒川真由子 【F/Tクルー】青柳未央 川村美幸 小林寛斉 土屋絢子 野中さやか 主催:フェスティバル/トーキョー 共催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 協力:桜美林大学 京都造形芸術大学 近畿大学 多摩美術大学
自由席(整理番号付き)一般・学生共通 1演目1,000円
http://festival-tokyo.jp/program/university/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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