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2010年06月13日

【レポート】芸団協2010「ラウンドテーブル『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【4】」04/30-05/01芸能花伝舎1-1

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劇場法(仮称)RT【4】

 『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【4】は、芸団協の大和滋さんの講義2です。
 中継動画が全編こちらで見られますので、このエントリーでは私が特に重要だと思ったことをまとめました。
 ⇒劇場法(仮称)RT【全体のまとめページ

 「実演芸術の将来ビジョン2010(第1次案)」(⇒公式サイト ⇒PDF)の中から話題に上った重要部分を抜粋していますので、詳細についてはダウンロードしてお読みください。⇒PowerPointのプレゼンテーション資料(PDF)も公開されています。

 ■「ビジョン2010」の6大項目
 ■劇場法(仮称)がめざすもの
 ■劇場を2つの類型に・創造型と提供型
 ■事業数を増やし、芸術の創造と享受の場を広げる
 ■芸術享受機会の格差
 ■芸術の公共性
 ■予算消化主義
 ■皆さんの意見を伺いたい

■「ビジョン2010」の6大項目(「ビジョン2010」1ページ目)

①「新たな公共」の担い手として非営利芸術組織を位置づけ、専門芸術団体、劇場・音楽堂の持続的な発展のため、新たな助成制度の構築を
 ⇒劇場・音楽堂を公立文化施設から独立した施設と認定する。
 ⇒赤字助成ではない新たな助成制度を作る。

②国民の創造、鑑賞、参加の拠点を全国に整備する法律を制定し、全国での多様で多彩な芸術創造の活性化と国民の鑑賞、参加の機会の拡大と格差是正を・子どもたちの芸術鑑賞・体験の機会

③子どもたちのために少なくとも年1回、芸術鑑賞・体験の機会をつくる目標の確立を

④実演家・スタッフの地位向上のための基盤整備を
 ⇒一部を除いて不安定な雇用状態にある。保障制度などの充実必要。

⑤専門助成機関の確立を
 ⇒芸術文化振興基金は20年前からずっと変わっていない。
  支援のあり方を一本化して、きちんと助成する仕組みを作ってほしい。

⑥文化省の設置を 国の文化関連予算を5年後に0.5%に
 ⇒今は0.1%。5年後に0.5%に増やすことを目標に。


■劇場法(仮称)がめざすもの(「ビジョン2010」8~9ページ)

・国は劇場・音楽堂の定義を示し、公立文化施設からの申請により認定する

 ①設置目的:実演芸術の創造・鑑賞・参加の機会を提供する機関
 ②専門家(経営責任者・芸術責任者・技術責任者)が配置されている機関
 ③公益法人であることを条件とする

・国は劇場・音楽堂と認定した機関で、一定の要件を満たしたものを助成する

・芸術の振興を目的とする公益法人が設置した劇場・音楽堂も認定の対象とする


■劇場を2つの類型に~創造型と提供型~(「ビジョン2010」8~9ページ)

・劇場・音楽堂が行う「事業」の5つの機能
 (1)実演芸術の創造・制作事業
 (2)鑑賞の機会提供事業
 (3)実演芸術を生かした教育普及事業
 (4)創造・制作や機会提供のために内外実演芸術の調査・研究機能
 (5)劇場の事業活動の持続を担う専門人材の育成機能

・第一類型:創造型
 5つの機能すべてを有するもので、重要な活動として実演芸術の創造・制作を位置づけており、実演芸術に性質上、芸術家の存在を必須の要件とする。

・二類型:提供型
 5つの機能すべてを有しているが、鑑賞機会提供、教育普及事業を中心に位置づけているもの。


■事業数を増やし、芸術の創造と享受の場を広げる

 現実的なデータによると公立文化施設2000館の内、900館が事業を行っている。つまり1100館は貸し館のみ。900館が1年間に行う主催事業数の平均値は10事業。
 公立文化施設2000館中のほとんどの施設が「集会所」と名乗っており、芸術上演施設と名乗っているのは200館しかない。その200館だけでも自主事業数を10から20に増やしていけば、かなりの効果があるだろう。
 芸団協の調査による「芸能白書」によると、わかっているだけで年間10万の事業が行われている。その内、公立文化施設は1万数千事業を主催している。つまり全体の10%が公共主催の事業である。公共主催事業を2倍にして、全部で10万事業だったのを11万事業にすれば、それだけ鑑賞機会は増える。芸術の創造と享受の場を広げることが、国全体の政策の意味である。


■芸術享受機会の格差

 音楽も演劇も、分野により異なるが、日本人の全人口の約10~20%しか鑑賞していない。また、東京とそれ以外の地域との格差もあるし、東京都内でも格差が広がっている。鑑賞者の層の中でも、学歴や所得の格差から鑑賞率はかなり変わる。ゆえに公共施設が機会を提供する必要がある。国が芸術の価値を認めるのなら、そういう機会を作っていく義務がある。


■芸術の公共性

 自らが住む街を誇りに思い、人々が集う、芸術を生かした街づくりができる。文化がその街の核となることを担える可能性がある。それは観光にもつながる。
 各地に芸術の拠点を作ることで、地域の文化的資源を活用し、地域から専門の人材を発掘することもできる。
 地域のよっては伝統芸能などの深い蓄積があるところもある。それらを作品創作に生かすのは、新たな創造という意味で有効だ。作品が創られ人々が集う回路をきちっと作れば、その地域で仕事をしたい人の雇用創出にもなる。


■予算消化主義

 地方自治体や行政の方から劇場に来て働いている人の場合、何らかのチャンスが訪れて、うまくいくことが目に見えていても、やろうとしないことがある。決めたことしかやらない予算消化主義ともいえる。このようなことにならないために、専門家が劇場で効果的な事業を実施して、地域社会により多くの充実した鑑賞機会を提供するべき。芸術への理解があり、意欲を持った人たちが劇場にいることが重要。そういう人たちと民間の芸術団体との関係性も、今よりつながっていく可能性もあるだろう。


■皆さんの意見を伺いたい

 劇場法(仮称)については劇場の設置自治体と議論が不十分。劇場で働く経営責任者、芸術責任者、技術責任者についてもそう。来年度の予算編成は6月から議論がスタートする。事業仕分けを見てもわかるように、芸術文化界からきちっと前向きな提案をすべき。皆さんの意見を伺いたい。


芸団協ラウンドテーブル「劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!」
主催:社団法人日本芸能実演家団体協議会
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijo_rt100430html.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:58 | TrackBack

【レポート】芸団協2010「ラウンドテーブル『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』」【2】04/30-05/01芸能花伝舎1-1

 『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【2】では、秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場の代表取締役で日本劇団協議会の専務理事、そして芸団協の理事でもある福島明夫さんのお話をまとめました。
 ⇒劇場法(仮称)RT【全体のまとめページ

 ■今、現実に、文化活動そのものがつぶされかかっている
 ■劇場に芸術文化の蓄積および専門の人材を集積する
 ■組織細分化による芸術団体の疲弊
 ■芸術活動の意義について語り、その蓄積を周囲の人に返していくこと

■今、現実に、文化活動そのものがつぶされかかっている

 私が芸団協の一役員としてかかわり、劇場法成立を望んでいるのは、第一に現状の厳しさから。公立文化施設(※公立文化施設とは何か⇒大和さんのお話を参照してください)が今、全体としてどうなっているのか。多くが70~80年代に建てられたため、改修時期を迎えている。施設側からの「照明設備が老朽化したので閉館します/自主事業はしませんし、貸し館もしません/集会場のみになり、常駐スタッフはいなくなりました」などのアナウンスを受けて(それに反対する)署名活動が起きたりしている状況だ。
 「劇場法ができた挙句に既存の劇団がつぶされるのではないか」という不安を述べる人がいるが、今、現実に、文化活動そのものがつぶされかかっている。

 指定管理者制度になって、専門家が劇場に常駐することを期待したのだが、そうはならなかった。指定管理者制度の職員はたいてい3年任期。民間企業が指定管理者になった場合、その施設にいる人全員が派遣社員だったりする。職が安定していないので乱暴になり、ぞんざいなことも起きている。技術の面でも危険な状態になっている。

 芸術鑑賞自体についても、政治家が必要だと主張しても、学校などの現場では行事からはずされる状況が生まれている。今のままでは老朽化に対処する根拠もない。改修時期を向かえ、本当にその施設が必要かどうかを議論されると、単純に切り捨てられる。
 そんなことが多数起こっている事情もあり、何らかの形で劇場を法律で規定してもらう必要があるのではないかと考えた。


■劇場に芸術文化の蓄積および専門の人材を集積する

 地域に求められる文化拠点、といっても建物(ハード)ではなく、芸術文化機関(ソフト)が必要だろう。地域の文化的な人材の蓄積の場所としての「劇場(機関)」というものが、どうしても必要ではないか。実際のところ、各地域の演劇鑑賞会やこども劇場、学校の先生方、地元の劇団・文化団体などには非常に大きな蓄積がある。その蓄積を劇場に集積できないか。

 法律的にある程度整備されて、博物館、美術館と同様に、劇場が何らかの形で認知されていけば、この現状が変わっていくのではないかという期待を込めて、私は芸団協のプロジェクトに参加している。


■組織細分化による芸術団体の疲弊

 (助成金の)赤字補てんは困る。収支差額について助成するという、自己負担金を前提とする考え方によって何が生まれたか。収入を増やすと、支援が減ることはあっても、増えることにはならない。つまり収入は少なければ少ないほどいいという仕組みになっている。「自分たちの内部の財産を使うよりは、外部にアウトソーシングして雇った方が助成対象経費が増える」等という考え方が、次第に生まれてきたのではなかろうか。

 現実的に、この20~30年で芸術組織・芸術団体がひどく疲弊してきている。組織が細分化してきている。劇団も昔は大所帯だった。小劇場系でも20~30人いる団体はあった。今は2~3人という集団が非常に多い。それだけの大人数をかかえきれないし、芸術組織の中で人が育てられる環境がない。この状況は変えていく必要がある。だから「芸術団体への支援を減らしてはならない」という声を上げ、運動をしていかなければならない。


■芸術活動の意義について語り、その蓄積を周囲の人に返していくこと

 劇場法に賛成か反対かという論議でスタートすることが多いが、芸術文化問題がこれほど俎上にのぼったことは今までなかったのではないか。文化芸術振興基本法の時には、あらゆる文芸・文化が含まれていた。でも劇場法となると実演芸術が主題。実演芸術が政治の場で議論されていることを、追い風ととらえていいんじゃないか。数十年前までは、演劇は票に結びつかないから政治家は全然興味を持たず、語らなかった。やっとここまで来たのだ。
 
 去年の事業仕分けの時、文部科学省宛てに、文化芸術の予算の大幅削減に反対する11万件のメールが届いた。国民の中にそれだけの関心があることが示された。それが11万という膨大な数字につながったことは確かだ。自分たちのやってきたこと(芸術活動)にどんな意味があるのかを語り、そして自分たちのやってきた蓄積を、周囲の人たちに返していく活動をしていくべき時期なのではないかと痛感した。
 これからも個別にでもご意見は頂きたい。色んな形でいろんな場所で、こういった討論が巻き起こっていけばいい。


芸団協ラウンドテーブル「劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!」
主催:社団法人日本芸能実演家団体協議会
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijo_rt100430html.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:39 | TrackBack

【レポート】芸団協2010「ラウンドテーブル『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【1】」04/30-05/01芸能花伝舎1-1

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劇場法(仮称)RT【1】

 『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【1】は大和滋さんによる講義その1です。中継動画が全編こちらで見られますので、このエントリーでは私が特に重要だと思ったことをまとめました。
 ⇒【劇場法(仮称)RT全体のまとめページ

 先日の世田谷パブリックッシアターでのレクチャーでも大和さんのお話を伺いましたが、さらに詳細に渡る内容でした。⇒PowerPointのプレゼンテーション資料(PDF)

 ■美術館は美術館、博物館は博物館、でも劇場・音楽堂は「公立文化施設」
 ■なぜ法律を制定するのか?公立文化施設とは?
 ■芸団協の取り組みについて

■美術館は美術館、博物館は博物館、でも劇場・音楽堂は「公立文化施設」

 地方自治法上で公の施設とされるものは公園や駐車場なども含め、全国に30万施設ある。その中でいわゆる実演芸術の上演に適した公立文化施設は約2000施設あると言われる。30万の「公の施設」すべてを一律の法律で扱っていいのか?

 実演芸術をやる施設はなぜか広義に「公立文化施設」と名乗ってきている。先述の2000施設は「実演芸術を上演するのにふさわしい設備を有する施設である」と定義した方がいい。

 公立文化施設のサービス提供には2つの考え方がある。例えば駐車場はスペースを使用してもらうこと自体がサービスの提供だが、上演施設の場合、同じように舞台を貸すというサービスのほかに、上演しているもの(例:演劇やコンサート)がサービスである。劇場・音楽堂は、芸術をサービスとして提供することを専門とする機関であると定義できる。特別法を作ってその違いを認めてはどうかというのが劇場法の提案だ。

 実演芸術を上演できる公立文化施設は、各地の地域住民に大きな役割を果たしている。それがなくなったら鑑賞機会がなくなってしまう地域もある。
 実演芸術の専門的な機能に特化した施設がきちんと存在していないと、今後の日本全国レベルで見たときの実演芸術の振興という観点からは、非常に限界がある。「公立文化施設」ではなく「劇場・音楽堂」として国が関与(支援)する、実演芸術を重点的に振興する拠点を作った方がいいだろう。
 それらの特化した拠点について、法律に専門的な部分を作っていく必要性があるのではないか。例えば図書館には図書館法、美術館には美術館法があるように。


■なぜ法律を制定するのか?公立文化施設とは?

 原則として、公立文化施設は市民(県民)のための施設。例えば市民が使うから“市民会館”という名称になっている。「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない」「公の施設を利用することについて、不当な差別的な扱いをしてはならない」等の規定がある。つまり現状では、ある特定の団体(劇団やオーケストラなど)に長期利用をさせることが、法律違反になることがある。

 しかし、ホールを市民の発表会などで使う以外に、市民が観客になることも「芸術文化への参加機会」である。席に座って芸術鑑賞をすることは、ホールの利用である。
 「施設を貸すこと(貸し館)」だけを事業目的としている館が多いが、その中から「芸術の鑑賞機会を提供する(作品を作って上演する/作品を買い取って上演する)」ことを主目的にする館を認定する。国民への貸し館を妨げるものではない。それを法律で定める。


■芸団協の取り組みについて

 昨年3月に「社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)の提起」を発表(⇒PDFあり)。11月にはシンポジウム「文化芸術による人づくり、社会づくり、国づくり」(⇒議事録PDFあり)を開催し、劇場法を提議してきた。そして今年4月16日に「実演芸術の将来ビジョン2010(第1次案)」(⇒PDFあり)を発表した。

 昨年末の事業仕分けでは「文化予算は大幅縮減」という結論が出た。それを受けた内閣の予算編成では、文化庁予算はほぼ横ばい、芸術団体への支援は3年後に2分の1にするという結果となった(⇒ご参考「文化芸術について自分なりに考えてみました」)。芸団協としては、文化予算を増やしていく中での、劇場法の制定を目指している。

 事業仕分けの議論の中身がそうだったように、基本的に文化芸術の公共性についての議論が抜け落ちている。10年前にできた文化芸術振興基本法の理念を問い直し、新たな提起をしていきたいと考えている。

 実演芸術のこれからのあり方を総合的に提起するために、今年になって検討開始した内容をまとめたのが「実演芸術の将来ビジョン2010」(以下、「ビジョン2010」)。皆さんの意見を集めて5月末に芸団協としての正式な機関決定をして、社会に提起していきたい。※だからまだ決定したものではない。


 ★芸団協は実演芸術の将来ビジョンの実現に向けて、文化予算増を願うキャンペーンを開始します。7月1日に専用WEBサイトがオープン予定です。 ※予定日を6/25から変更(2010/06/17)


芸団協ラウンドテーブル「劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!」
主催:社団法人日本芸能実演家団体協議会
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Posted by shinobu at 23:19 | TrackBack

【レポート】芸団協2010「ラウンドテーブル『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【まとめ】」04/30-05/01芸能花伝舎1-1

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劇場法(仮称)RT

 去る2010年4/30(金)、5/1(土)の2日間にわたって、劇場法(仮称)についてのラウンドテーブル『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』が開催されました(⇒告知エントリー)。両日ともすべてがUstreamで生中継され、多く方に開かれた会合になり、ツイッターでも意見交換が行われました(ハッシュタグ:#kadensha) 私は両日とも参加。

 [4月30日] 大和滋さん(芸団協・芸能文化振興部長)の講義および質疑応答
 [5月1日] 参加者討論、福島明夫さん(劇団青年劇場代表)と高萩宏さん(東京芸術劇場副館長)のお話
  ※両日とも司会は芸団協の米屋尚子さんです。

 【0】劇場法(仮称)RT全体のまとめページ★このページです
 【1】大和滋さんのお話・その1
 【2】福島明夫さんのお話
 【3】高萩宏さんのお話
 【4】大和滋さんのお話・その2
 【5】大和滋さんのお話・その3
 【6】ディスカッションで出た意見
 【7】ディスカッションで討論されたこと
 【8】私が参加したグループでの議論
 【9】今後の課題や望まれる方向性

 ★芸団協は実演芸術の将来ビジョンの実現に向けて、文化予算増を願うキャンペーンを開始します。7月1日に専用WEBサイトがオープン予定です。 ※予定日を6/25から変更(2010/06/17)

 内閣官房参与の平田オリザさん(青年団)が発言されたことで、一気にその名前が知れ渡ってきた劇場法(仮称)。「それって一体何?何のために、何を定めようとしているの?」という最初の疑問に、できるだけわかりやすくお答えできたらと思い、2日間の内容を時系列とは違う形でまとめました。各々が長文ですので、【1】から順に、1日1ページずつでも読み進めていただけたら幸いです。
 ★徐々にアップしていきます。【1】から【9】の項目は変更する可能性あり(2010/06/13)。

 劇場法(仮称)はこれから私たち(国民)が提案していく、まだ完成していない法律案です。
 「へ~、だから法律が必要なのか(必要じゃないのか)」「この部分には共感する(疑問を感じる)」といった感想から、「もっと○○して欲しい!」「こんな決まりも必要!(不必要!)」といったアイデア・ご意見を活発に発信していただけたらと思います。

 【当日の資料】
 「社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)の提言」(PDF)
 「実演芸術の将来ビジョン2010(第一次案)」(PDF)
  4/30の内容についてはネット上にアーカイブされた中継動画を見ることができます。

 【ご参考(順不同・敬称略)】
 ⇒芸団協・劇場をめぐるRT Vol.5「公共劇場と民間劇場」(大島秀夫)
 ⇒fringe blog「劇場法(仮称)関連:」(荻野達也)
 ⇒fringe「劇場法(仮称)に関する議論まとめ」:2010年4月11日2010年5月16日
 ⇒東京芸術見本市/TPAM2010「平田オリザvs 岡田利規 対談 vol. 1
 ⇒平田オリザ「新年度にあたって 文化政策をめぐる私の見解
 ⇒平田オリザ「若い演劇人の皆さんへ


芸団協ラウンドテーブル「劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!」
主催:社団法人日本芸能実演家団体協議会
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijo_rt100430html.html

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Posted by shinobu at 22:55 | TrackBack

【ワークショップ】芸団協「『俳優指導者のための実践トレーニングコース~よりよい指導のために~』参加者募集」07/26-30芸能花伝舎内創造スペース※6/30〆切(郵送のみ)

 英国からローナ・マーシャルさん(関連エントリー⇒)を迎えた俳優指導者のための実践トレーニングコースのご案内です。通訳は新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチの池内美奈子さん。めちゃくちゃ贅沢な組み合わせだと思います。

 芸団協は(新国立劇場演劇研修所とともに)俳優養成関連のトレーニング・コースを多数企画されています。メールニュースで最新情報をゲットされることをお勧めします。

【日時】7月26日(月)~7月30日(金) 全5日間 10:30-16:45
  ※28日は18:00まで(池内氏を囲んで懇談)
【受講料】50,000円
【応募期間】6月30日(水)必着 ※郵送のみ
 選考結果は、7月7日(水)までにお知らせします。

 詳細は芸団協サイト内の公式ページでどうぞ。

Posted by shinobu at 17:50 | TrackBack

穴埋め企画公演〈あまうめ〉『よせあつめフェスタ』06/13Theater MIRACLE

 企画の全貌はこちらでどうぞ。企画公式ツイッターはこちら。下記は13時の回を観た後の私のツイートです。すばやく企画公式アカウントおよび劇場アカウントから返信ツイートもいただきました。

 shinorev「全て込みで一時間半の気持ちのいいイベントでした。美術、照明、音響、制作まわりも行き届いていて、当日パンフも充実。公演を支える側のスタッフワークの重要性を痛感。内容も楽しめました。ありがとうございました!」

 ⇒fringeTOPIC「新宿シアター・ミラクルで、Twitterのやりとりから劇場キャンセルの穴埋め企画が12日間で実現
 ⇒シアターガイド演劇ニュース
 ⇒CoRich舞台芸術!『よせあつめフェスタ

 ここからネタバレします。

 開演直前に企画が生まれた経緯を伝える動画が流れました。ツイートがそのまま参加者紹介になっているのが素敵。

■トーク
 出演:オケタニイクロウ(オケラジ!)  関村俊介(あひるなんちゃら)

 仮面ライダー、ウルトラマン、ゴレンジャーのおもしろ動画および解説。
 仮面ライダーが面白かった。

■N0.1「ツイッター」
 作・演出:関村俊介(あひるなんちゃら)
 出演:岡安慶子(北京蝶々) 三原一太(はらぺこペンギン)

 「ツイッターとか言いすぎですよね」って岡安さんが言うのが可笑しい。変わった社長を演じた三原さんの妙な雰囲気が良かったです。

■N0.2「明日パイトなんだけど」
 作・演出:関村俊介(あひるなんちゃら)
 出演:堀雄貴(犬と串) さいとう篤史

 ちゃんとオチてホっとしました。

■N0,3「ゴーテンノーペ」
 作・演出:関村俊介(あひるなんちゃら)
 出演:菊地奈緒(elePHANTMoon) 本山紗奈(荒川チョモランマ) 湯舟すびか(市ヶ谷アウトレットスクウェア)

 真剣な相撲の取り組みが良かった。
        
■トーク
 出演:オケタニイクロウ(オケラジ!)  関村俊介(あひるなんちゃら) 


■N0,4「隅に置く」
 脚本:三谷麻里子 演出:関村俊介(あひるなんちゃら)
 出演:石井舞 西恭一(The Soul Beat Ave.) 松木美路子(風琴工房)

 三人の兄妹(兄、姉、妹)が喫茶店で。石井舞さんと松木美路子さんのケンカに香り立つようなムードがありました。

■N0.5「あさはかな魂よ、慈悲涼い雨となって彼女の髪を濡らせ」
 脚本:櫻井智也(MCR) 演出:関村俊介(あひるなんちゃら)
出演:筧晋之介(エレクトリック・モンキー・パレード) 寺井義貴(ブルドッキングヘッドロック)  堀越涼(花組芝居)

 櫻井さんの脚本がちゃんと生きる演技および演出で、達者だな~と思いました。

■N0,6「赤い石」
 作・演出:関村俊介(あひるなんちゃら)
 出演:堀川炎(世田谷シルク) 金丸慎太郎(国道五十八号戦線/贅沢な妥協策)

 目に見えないもの(透明の石)を使った、演劇ならではのコミカル&シニカルな短編。2人の冷めた演技が良かったです。

 ≪終演後のイベント≫

 持参した5円(御縁)を出演者らと交換する。大入り袋は当日パンフに挟んで配布。

 私はN0.1で将来の●正義役を演じた三原一太さん(はらぺこペンギン)と御縁の交換をさせていただきました。

【MC】オケタニイクロウ(オケラジ!) 【舞台監督】喜久田吉蔵【照明】 元吉庸泰(エムキチビート/虚構の劇団) 【音響】 影山直文(sons wo:) 【音響協力】岡田 悠(One-Space)  【楽曲提供】綱島慎平 【動画作成】岡安慶子(北京蝶々)【HP作成】堀川炎(世田谷シルク)【制作・宣伝美術】池田智哉(feblabo)【制作】一ツ橋美和(少年社中) 佐藤成行 吉田高志 小林大陸(Aga-risk Entertainment)  大木瞳(ガレキの太鼓)【票券管理】津留崎夏子(ブルドッキングヘッドロック) 【演出助手】早坂彩 詩森ろば(風琴工房) 【製作総指揮】松本隆志(Mrs.fictions) 【舞台美術協力】ハカマ団 制作協力:大木純(さばラボ) 辻部俊平 御縁作り:山下知美 五円作り:内山陽介 ソフトウェア開発:小林大陸 あまうめwiki管理:あまうめwiki有志 Togetterかわひ版:川平吉樹 Ustreamチーム:藤田卓仙 寺井義貴(ブルドッキングヘッドロック) 喜久田吉蔵
前売・当日1000円
https://twitter.com/project_anaume
http://www.setagaya-silk.com/anaume/

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