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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年06月30日

shelf volume02『シム紙風船』6/25-29ギャラリー・ルデコ 6F

 shelf(シェルフ)は“作家でなく、また作・演出家でもなく、ただ「演出家」のユニット”だそうです。その演出家・代表は矢野靖人さん。
 岸田國士 作の『紙風船』を坪内志郎さん(劇団 新エマニエル夫人)が脚色し、それを矢野靖人さんが構成・演出するという試み。“シム”はシミュレーションのシムだそうです。良いタイトルですね。

 男と女の2人芝居でした。原作から連想される複数の物語がランダムに構成されている形式。あるエピソードの途中で突然違うエピソードになったりもします。

 ギャラリーの壁面は全て白。床には少々茶色がかった白い布が敷き詰められています。その上に同じく白いランプが数個。シェードは和紙のようなもの。衣裳は材質で遊びつつ、左右非対称なカッティングで、色はやっぱり白。役者が演じる場所は客席と平たくつながっているので、舞台と客席がとても近く、劇場というよりは白で綴(と)じられた狭い部屋でした。ムードがありますよね。

 やりたいと思ったことを全種類、だけど少しずつ取り入れていらっしゃる感じでした。舞台空間も衣裳もしかり。突然脈絡なく笑ったり歌ったり。ライターの火をつけたり消したり。電子ノイズや奇抜な日本の曲を流したり。残念なことに私にとってはほぼ全てがどこかで観たこと、聞いたことのあるものでした。

 あと、役者さんの演技が生っぽかったです。口元がゆるい。それが演出意図だとすると私の好みではないですね。あの密室で少人数の観客と一緒に作り出して共有するのは、お友達感覚のぬるさではなく、その痛さを心地よいと感じるほどの緊張感であって欲しかった。まあこれは相性の問題でもありますが。

 終演後に矢野さんとお話することができたのですが、作品が私の好みではなかったにしろ、どんどん色んな事にチャレンジしようとしてらっしゃる方のようで、これからが楽しみだなと思いました。

 京さんによる宣伝美術(チラシ)が良かったです。チラシのビジュアルと文字情報だけで行こうかな、と思っていました。

出演=関根好香/ 岡田宗介
原作=岸田國士「紙風船」 戯曲=岸田國士/坪内志郎(劇団 新エマニエル夫人) 構成・演出=矢野靖人 音=伊藤由紀子 (cokiyu web) 照明=鈴村淳 装置・美術=柏井勇魚(lt-s)/斎田創 (突貫屋) 衣装=太田家世(自由創作師) 写真=伊藤雅章 宣伝美術=京 制作=日和庵 製作=shelf

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2003年06月28日

赤坂晃・佐藤アツヒロ出演『ボーイング・ボーイング(BOEING BOEING)』06/20-07/02東京グローブ座

 ジャニーズ事務所の東京グローブ座興行、初体験でした♪
 マルク・カモレッティ作。55ヶ国語に翻訳されていて、海外で最もヒットしたフランス戯曲としてギネスブックに載っているそうです。それを福島三郎さんが演出されるわけですから、ジャニーズじゃなくても注目度大の公演ですよね。

 とにかくキス♪しまくりのドタバタ・フレンチ・コメディーでした。なにしろ赤坂さんも佐藤さんもフランス人役なもんですから、恋愛至上主義っていうか、とにかく女好き。で、キスしまくります。かなり濃厚に(笑)。
 ジャニーズ事務所の人たちだから熱狂的ファンもいらっしゃるでしょうに、すごい勇気だな~と思ったのですが、やっぱりあのキス・キス・キスの嵐だからこそ笑える作品でした。楽しかったです。ちょっと長いかな、と感じはしましたが。

 ベルナール(赤坂晃)はパリに住むヤンエグ。3人の国際線スチュワーデスたちと時差デートを楽しむ日々。高校時代の友人ロベール(佐藤アツヒロ)が来たちょうどその日、色んなスケジュールが同時に狂って彼女達3人ともがベルナールの家に集まるハメになってしまった!ベルナールとロベールと家政婦ベルタは必死で取り繕おうと、てんてこまい・・・。

 ロベールの3人のフィアンセは全員スチュワーデスでそれぞれ国籍も違います。アメリカ人のジャネット、フランス人のジャクリーヌ、ドイツ人のジュディス。三人三様の性格がそれぞれのお国柄にぴったりで、かなり赤裸々な皮肉になっていることも、この作品がヒットしている理由だと思います。(例:アメリカ人は味覚音痴、フランス人は思い込みが激しい、ドイツ人は頑固、等)ラストは・・・・予想外でした。ありきたりなドタバタがあんな治まりを見せるとは・・・・興味深い。

 舞台美術の色使いが良いな~と思ったら、やっぱり横田あつみさんでした。うなりますよ、彼女の色彩感覚そして質感。大胆な青と水色のストライプの壁紙に、真っ白なドアと豪華な飾り縁。階段は木で出来たシンプルなタイプで、手すりと柵が青銅色。そして舞台中央に明るいボルドーのゴージャス・ソファ。う~ん、シックなフレンチスタイル。

 赤坂晃さん。舞台で拝見するのは初めてでしたが、見るからに既にフランス人(笑)。しなやかな美男子って大事ですよね。ちょっとセリフが歌のように流れがちかも。
 佐藤アツヒロさん。反射神経がすごいです。どんどん演技の幅が広がってきてらっしゃいますね。可愛いし、かっこいいし、華があるし。笑えるし、文句なしの主役級男優ですね。

 中本奈奈さん。アメリカ人のジャネット。スタイルいい~・・・・見とれます。アメリカン・グラマーの典型を堂々とやりきってくださいました。キスで笑えるのはすごい。
 西尾まりさん。ドイツ人のジュディス。超キュート!!大好きです。
 小西美帆さん。フランス人のジャクリーヌ。ん~可愛かったのですが、役としては印象には特に残らなかったかな。他の2人が強烈過ぎたのもあるかも(笑)。

東京グローブ座 : http://www.tglobe.net/
『ボーイング・ボーイング』特集ページ(小西美帆ファンページ内)=http://www.konishimihofan.net/boeingboeing/frame.htm

Posted by shinobu at 23:26 | TrackBack

2003年06月27日

tpt『時間ト部屋』06/20-07/13ベニサン・ピット

 tpt(Theater Project Tokyo)は見逃さないようにしています。

 ・・・・とにかく難解でした。1幕なんて何がなんだか全くわからなかったです。だいたい俳優さんがわかって演技していません。これは残念なことですが。パンフレットがいつも500円のところ1,000円で、戯曲が全部載っていたのにも頷けました。読んでもわからなかったんだけど・・・(泣)。

 2幕ではtptらしさもだんだん出て来て、POPにスタイリッシュに知的に楽しめる内容には、かろうじてなっていました。1幕よりも随分わかりやすい脚本だからっていうことが主な原因ですけどね。

 脚本はボートー・シュトラウスさん、演出はトーマス・オリバー・ニーハウスさん。お2人ともドイツ人です。もしかすると言葉の壁とかがあったんじゃないかな~。役者さんに迷いがあるのがあらわでした。

 音響がかなり珍しい演出でしたね。ある意味、突出していました。役者が舞台上(ストーリーの中)に出てくる度にエンヤのケルト音楽のような効果音が鳴るんです。まるで2時間ドラマで犯人が出てくる時の「ジャジャジャーン!」みたいに。最初は度肝抜かれましたが、だんだんその音が鳴るのを楽しみに待つようになりました。だって出てくる人、出てくる人、エキセントリック(異常)なんだもの。とにかく予定調和ゼロ。

 舞台美術は、非常にコンセプチュアル。いろいろ削ぎ落としてミニマムにまとまっていました。ロビーから劇場へつづく廊下が徐々に黒から白くなっていって、客席内の壁を直接白に塗ってしまっていました。客席の床は白。天井に近づくにつれて部分的に黒。白と黒とのコントラストは1幕の衣裳にも反映されていました。客席が白いのって、明るくなっちゃってちょっとつらいですが、演出上、理解できる範囲でした。

 衣裳は冒険してましたね。冬物のコート、超かっこいい。昔のマサキ・マツシマとかジュンヤ・ワタナベみたい。「全く素性の知れない男」(池下重大)の靴がFILAとポルシェのダブルネームのスニーカーでした。ヘアスタイルもそれにあわせて赤のトサカで、めっちゃくちゃかっこ良かった~・・・(ため息♪)。羽の生えた靴も面白かった。あの一瞬しか見えないのがまた心憎いです。中嶋朋子さんが着替えまくりますが、白を基調とした舞台とうまくコントラストになるように、色使いが洗練されていました。

 俳優については、女優と男優の明暗を分けたステージだった気がします。難解なテキストに四苦八苦する男優と、自らの持ち物だけでも光り輝く女優。比べて見ると面白かったです。

 中嶋朋子さん。きれーー・・・。色白で小さくてスタイルGOOD。気まぐれだなー。情熱的だなー。はすに構えてるなー。女優だなー。大好きです。
 大浦みずきさん。「待ちきれない女」という役でした。キャラがすごい。度胸の据わりようが大女優ですね。かっこいい。

 手塚とおるさん。セリフがすべってました。いつものキレがなかったです。
 塩野谷正幸さん。上手いなー・・・・。『涙の谷、銀河の丘』でのダメ男役を思い出すと、それも鳥肌もの。
 池下重大さん。『BENT』の主役での素晴らしい演技が記憶に新しいですが、今回も良かったです。劇団唐組を経て桟敷童子という劇団に旗揚げから参加されているそうです。今度観に行こう。
 田中哲司さん。セリフをあれだけ不完全なまま舞台に乗せてしまうとは・・・しかもtptで・・・ショックでした。第2幕では超かっこ良かったので少しはホッとしましたが、ダメージでかし。

キャスト:ユーリウス/手塚とおる オーラフ/田中哲司 マリー・シュトイバー/中嶋朋子 時計のない男/アンスガー/塩野谷正幸 待ちきれない女/同僚の女/大浦みずき フランク・アルノルト/第一の男/深貝大輔 眠る女/女社長/宮田早苗 冬のコートを着た男/ルードルフ/第三の男/顧客/真那胡敬二 全く素性の知れない男/第二の男/グラフィックデザイナー/池下重大
作/ボート・シュトラウス 訳/広島実 台本/木内宏昌 演出/トーマス・オリバー・ニーハウス 美術/松井るみ 照明/沢田祐二 衣裳/原まさみ 音響/高橋巖 ヘア&メイキャップ/鎌田直樹 通訳/薛珠麗 舞台監督/小川亘 萬寳浩男
tpt : http://www.tpt.co.jp/

Posted by shinobu at 15:28 | TrackBack

2003年06月23日

G2プロデュース『ゴーストライター』06/18-29紀伊国屋ホール

 脚本家シリーズ第2段ということで、前回の『天才脚本家』がかなりのサスペンスだったので今回もそうかな~と思ったら、切ないラブ・ロマンスものでした。

 売れない俳優を一途に恋する脚本家の女の子。ひょんなことから自分の作品を彼の名前で世に出すことになるがそれが思わぬ大ヒットとなり、映画化の話にまで発展し・・・。

 あくのつよい(個性の濃い)役者さんたちが、テンポよくそれぞれの技を発揮されていました。そういう意味で安心して観ていられるエンターテイメント作品だったと思います。演劇を知らない人でも気楽に楽しめる感じ。こういうことって大切ですよね。

 照明が派手でした。紀伊国屋ホールにムービングライトがいっぱい追加で吊られていて、舞台の色が何度も変化しました。色使いについてはちょっと種類が多すぎな気がしましたね。強弱がはっきり主張されているタイプ。微妙なところを狙ってはいません。幽霊の体が透けていくシーンはきれいでした。本当に消えていくように見せるのではなく、それによって生まれる感情(驚き、悲しみ、切なさ)がクローズアップされる効果が出ていたように思います。
 カーテンの開け閉めで舞台が転換するのが気持ちよかったです。あれは役者さんかなり大変だな~。

 三上市朗さん(劇団M.O.P)。主人公の女の子のことを好きだという気持ちが薄すぎた気がします。移り気な男でどんな女の子にでも優しい、というような空気を作って欲しかった。でないと最後に説得力がないんですよね。
 関秀人(立身出世劇場)。プライベートでも有名ですが、ラブハンター色全開でとても良かったです。あの強引さが色男の秘訣。
 瀬戸中善良さん(ヨーロッパ企画)。素のようで素でないスピードが良かった。G2プロデュースにはなかった色だと思います。なんか好きですね。
 山田かつろうさん(売込隊ビーム)。ふてぶてしい若者役。さわやかさを感じました。こういう存在感って珍しいと思います。今後も楽しみ。
 久保田浩さん(遊気舎)と腹筋善之介さんとのバトルはお約束で、今回も自由で楽しかったです。まあお約束だから、という感じですが。
 コング桑田さん(リリパット・アーミーⅡ)。・・・歌ってらっしゃいましたね。お上手なんですが、コングさんというと歌!というイメージなので、目新しさは感じなかったな。存在自体が癒し系なのかも。

 楠見薫さん。今まで私が拝見した中で一番良かったです。てきぱきキャリアウーマンをリズムよく見せてくださいました。
 武藤陶子さん(TEAM発砲B-zin)。ちょっとブサイクを前に出しすぎかな~、と。もうちょっとキュート路線でも嬉しい。『おじいちゃんの夏』でも感じましたが、言葉が素直でまっすぐなんですよね。好感度大。
 松下好さん。超きれー!可愛いーー!!女優はこうでなきゃ!!!スタイルもいいし、背の高さもキュート。立っているだけで目が離せません。

 出演者全員についてコメントしてしまいました。それぐらい際立った個性のある役者さんばかりが揃っている、ということですね。

 G2プロデュースHP : http://www.g2produce.com/

Posted by shinobu at 01:41 | TrackBack

2003年06月20日

青年団『ヤルタ会談』5/9-11、5/22-25、6/19-22駒場アゴラ劇場

 青年団&五反田団の春の団祭り。やっと行けました。
 友達から「爆笑だから行って!!」と言われて行きましたが、ほんと笑えました。

 第2次世界大戦終了直前のヤルタ会談、の、パロディー・・・になるのでしょうか。スターリン、ルーズベルト、チャーチルの3人が出てきてざっくばらんに好きなこと言いまくります。

 皮肉と毒がたっぷり。極上のブラック・ユーモア満載の30分の短編でした。3人ともぽっちゃりさんっていうのが、まず利いてます。

 1,000円で30分の短編お芝居。しかも激辛の社会派コメディー。
 コレ、いいですよね。会社帰りに楽しみたいな~。

青年団 : http://www.seinendan.org/

Posted by shinobu at 00:32 | TrackBack

青年団『隣にいても一人』5/8-11、6/18-22駒場アゴラ劇場

 『ヤルタ会談』の後にやってました。これは1時間。
 目がさめたら突然、夫婦だった男女。互いの兄と姉同士が実は夫婦で、そちらは離婚しそう。シンプル&ミニマムな不条理劇でした。

 1幕でボロボロに泣いてしまいました。1幕っていうと、はっきり言ってあれですよ、たいていのお客様にとっては、いわば導入部分。だけど私は、人間が本当に幸せになれる方法を一つ教えてもらえたような気がしたんです。というか、人間が動物ではなく人間である訳、その意味の全てを表してくれた気がしたんです。

 目の前にいる他人と自分が同時に一つのことを信じたら、それは真実なんです。それはもう運命というよりは事実であって、いつかそうなるのではなく、既にそうなんです。要はそれを信じるか信じないか。それがなぜなのかを問わない。疑わない。惑わされない。それが愛なんじゃないかって思うんです。

 「結婚式やる?」「やらない。だってもう夫婦だもの。」
 (セリフは完全に正確ではありません。)

 現実にそういったコミュニケーションが実現可能かというと、悲しいことにファンタジーの世界に近いですよね、今のこの世界では。でも、私はそれを信じます。幸せになりたいし(笑)。

 1幕の感動への反動もあって、2幕からは他のお客様ほどは笑ったりできなかったんですが、平田オリザさんの脚本に、というより、平田オリザさんに感動しました。

青年団HP : http://www.seinendan.org/

Posted by shinobu at 00:29 | TrackBack

2003年06月19日

Studio Life『OZ(オズ)』06/04-18シアターサンモール

 早々とチケット完売でした。当日ロビーではパンフも原作漫画も売り切れてました。シアターサンモールの大きさでスタジオ・ライフの美形男優を見られるのは貴重になりましたね。

 ≪ひとことモノローグ(2003/06/17)より≫
 面白かった~・・・・・。
 原作がSF少女漫画の傑作ですからね~。
 スタジオ・ライフの代表作の一つになるんじゃないかな?
 階段の桟敷席はもちろん、立ち見もいっぱい!
 大盛況の3時間でした。

 『OZ(オズ)』は樹なつみの傑作SF少女漫画。私、ハマってたんですよぉ・・・・。あれはほぼ10年前の夏。自転車で本屋を駆け巡りました。ものすごい人気でどこも売り切れだったの。『OZ』の魅力は、SFとして成立させた上に、少女漫画独特の胸キュン恋愛があることだと思います。萩尾望都や竹宮惠子等の超高度なSF作品との違いはまさにそこ!ラブなんです。それを美形男優揃いのスタジオ・ライフでやる・・・・いやおうなしに期待も高まりました。

 そして結果は・・・・・面白かった~・・・満足♪

 原作の面白さを軸に、美男同士で本気でラブ・ロマンスをやりきってくださるのが嬉しい!SFのお約束的展開にふさわしい音楽、衣裳、照明。とても観客思いな演出だと思います。そして、主役級の役者さんたちの演技合戦も見応えがありました。(特に1019とリオン)

 ただ、原作を読んでいない人には難しすぎたんじゃないかな~。セリフを早口で流してしまう未熟な俳優さんもけっこういらっしゃいましたからね。一方で、演劇の方がわかりやすいところもありました。1019(テン・ナインティーン)がムトーの一言でプログラム異常を起こした、という最も大切なエピソードの意味が、このお芝居を観て初めてわかりました。(原作を読んだ頃の私が未熟だっただけかもしれません・・・)

 ラブ・シーンは漫画の方が良かったかもな~。静止画でじっくり味わえるし、コマ割りの効果でよりクローズアップされるからかしら。特に私の大好きなネイト少尉と1024(テン・トゥエンティフォー)との初キスシーンにはちょっと不満でしたね。もっとドラマチックにやってもらいたかった。はけ方も甘いし早すぎだったと思います。超・個人的ですが。

 笠原浩夫さん(1019)。パメラに変身後の激情演技と、1019のクールさが好対照で圧巻。美形でスタイル抜群の両性具有ロボットがぴったり。スターですね。
 曽世海児さん(リオン)。首をへんに曲げたり常に客視線で話すなど、細かい役作りに目が離せませんでした。精神異常の悪役に青白く光るオーラを感じました。
 岩崎大さん(ムトー)。なんで人気なのかわからなかったのですが、初めてかっこ良いと思いました。背が高くて良いですね。さわやかで好感の持てるヒーローでした。
 林勇輔さん(ヴィアンカ)。上手いです。話す言葉の一音一音にストーリーが載ってきます。やっぱファンだわ~♪ただ、最後に軍人役で出られたのはちょっと・・・余韻を壊されちゃったな。メイクも変だったし。

スタジオ・ライフHP : http://www.studio-life.com/

Posted by shinobu at 12:29 | TrackBack

2003年06月18日

野村萬斎 出演『ハムレット~Hamlet』06/07-7/26世田谷パブリックシアター

 今年の目玉です。イギリスを代表する演出家 ジョナサン・ケントと、日本を代表する狂言師(俳優)野村萬斎の共同作業。そして目を見張る、豪華すぎる男優陣と豪華なスタッフ陣。

 結果は・・・・・・最高!めちゃくちゃ面白い『ハムレット』でした!!笑った笑った、泣いた泣いた、見とれた見とれた!色んな欲望を全部満たしてくれた感じでした。あ、それは私が女だからかもしれませんが(笑)。

 美術がすごかったです。巨大な箱が開いたり閉じたりすることで全てを表現するのですがその箱の材質がすごい。あれは木?だとすると細密画のようになっているから相当豪華ですよね。関係者の方から少しお話を伺うことが出来たのですがあんな豪華な美術で世田谷パブリックシアターのキャパシティー(約700人)というのは、どうやら採算度外視だそうです。つまり、それだけでも一見の価値アリ。

 音が少ない作品でしたね。音楽が鳴っていた時間がすごく短く、音というと効果音ばかりでした。なのにあの美術の転換!見事です。アンサンブルの人たちが扉を動かすのですが、扇子で顔を隠したりするのがエロティックでした。

 脚本がとても聞きやすくてわかりやすかったです。軽快さもありました。パンフレットによると、翻訳の河合祥一郎さんの文章を萬斎さんがちくいちチェックしたそうです。

 『ハムレット』は私も何度も拝見している有名演目ですが、今回ほど意味がわかりやすく伝わったのは初めてでした。いつも流されがちなフォーティンブラスが絶妙の存在感だったことなどは、まさに演出の力だと思います。

 野村萬斎さん。めっちゃくちゃ魅力的な、セクシーなハムレット!目を奪われました。もーうっとり・・・・♪大体、あのヘアスタイルだけで私は既にノックアウトでした。キュートできゃしゃで、抱きしめたくなっちゃう。白いシャツの裾が半分だけズボンからはみ出てる時なんて、もー・・・・反則!なんて母性本能をくすぐる男の子なんだっ!?そりゃガートルード王妃も溺愛するわよっっ!・・・あ、あの・・・・言っておきますけど、私は萬斎さんの大ファンってわけじゃなかったんですよ、ホントんとこ。すっごく冷静に「素晴らしい天才的な役者さんだなぁ」ぐらいに思っていたんです。だけど今回は・・・・・胸キュンもんっスよ!全く!!

 全て萬斎さんの思うツボだと思います。完全に狙いどおり。そう、そんなハムレット像を作り上げたんですね。前半はとにかくその個性的で魅力的なハムレットに心を奪われ見とれるばかりでした。後半のはじめ頃はちょっとテンションが下がり気味でしたが、最後に完全に挽回。レアティーズとの決闘は涙が出るほど美しかった。「あとは、沈黙。」も、良かった・・・。

 吉田鋼太郎さん。クローディアス(ハムレットの叔父・悪役)を演じるのはもう4度目だそうです。さすがでした。クローディアスの長セリフで泣かされたのは初めて。
 篠井英介さんのガートルード王妃は、ハムレットの母親であることがクローズアップされていて言ってみれば非常に控えめな演技でした。寝室でのハムレットとの言い争いは本当に母と息子のよう。切なくて良かった。
 中村芝のぶさん。着物をはおった和風のオフィーリア。女にしか見えませんでした。正常な時と狂った時の差がちょっと激しかったけれど、私が観たオフィーリアの中で一番美しく、悲しかった。

 増沢望さん。レアティーズ役ということで、美形の増沢さんにはぴったりのはずなんですが、このごろ光が足りないんですよねー・・・・。もうひと頑張り。
 横田栄司さん。ハムレットの本当の友、ホレイシオを好感度高く演じてくださり、最後にハムレットから遺言を託されたことに説得力がありました。
 津嘉山正種さん。ハムレットの父王を含む三役。暖かい父親像を感じられました。その声にしたがって復讐に手を染め、命を落としてしまうハムレットが、デリケートで父親思いの良い息子に見えました。
 壤晴彦さん。めちゃくちゃ生き生きしていてコメディー・センスばっちりのポローニアス。最高!
 植本潤さん。劇中妃ということで。う~ん・・・地味でしたね。もうちょっと型にはめた演技でも良かったような。

 初日はカーテンコールが4回、もちろんスタンディング・オベーション。この後にロンドンでの公演が決まっています。必見!

作=W・シェイクスピア 翻訳=河合祥一郎 演出=ジョナサン・ケント 美術=ポール・ブラウン
出演=野村萬斎/篠井英介/吉田鋼太郎/中村芝のぶ/増沢望/横田栄司/植本潤/大森博/壤晴彦/津嘉山正種/品川徹/大友龍三郎/沢田冬樹/大川浩樹/鈴木豊/廣哲也/朝廣亮二/鍛治直人/松川真也/時田光洋
世田谷パブリックシアター:http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/03-2-4-8.html
ホリプロ内『ハムレット』ページ:http://www.horipro.co.jp/hamlet/

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2003年06月16日

新国立劇場演劇『サド侯爵夫人』05/26-06/21新国立劇場小劇場

 三島由紀夫 作『サド侯爵夫人~澁澤龍彦著「サド侯爵の生涯」による~』は新国立劇場演劇の2002年度〈シリーズ/現在へ、日本の劇〉の第4段、最後を飾る作品です。

 怒涛のセリフ劇です。面白かった~・・・・。美しくて残酷な言葉の洪水。ピリピリ、ぞくぞく、震えました。『浮標(ブイ)』もそうでしたが、こんなすごい演目は上演されること自体が貴重です。

 フランス上流階級の6人の女たちが、サド侯爵の異様な性癖について語り、ぶつかり合います。中盤以降、あらゆる嘘がバレていき、衝撃的な結末が・・・。
 
 鐘下辰男さんの演出は、実は私、とても苦手なんです・・・。今まで2度拝見しましたが2度とも途中で帰りました(泣)。でもこの作品は最後までめちゃくちゃ楽しませていただきました。三島由紀夫さんの作品ということでプレーンなセリフ劇になっていたからじゃないかしら・・・。鐘下色が薄かったんです。すみません。単に好みの問題かもしれません。

 幕と幕の間の音楽がまさに鐘下さんテイストでしたが、やはり私は合ってないと思いました。音響効果もあんまり合っているとは思えませんでした。リアルじゃないんです。デジタル音で現代風。ドアをノックする音とか、風の音とか、もっと曇ったようなかすれたような音にして欲しかったです。

 衣裳が良かった・・・生地が最高。あのゴージャスさは素材が良くないと出せません。織りの光沢がなんともエロティックなんです。登場人物それぞれについて細かいところまで行き届いたデザインだったと思います。

 高橋礼恵さん。サド侯爵夫人役。言葉にはっきりと意味が乗っていて、余すところ無く伝えてくれます。理性ある人間の理性を欠いた行動、それが生む悲劇。そして再生。壮大なドラマを1人で背負ってくださいました。
 平淑恵さん。か、か、か、かっこいい・・・・!!!見ほれました。なんとも毒々しくてセクシー。やっぱりプロの中のプロはすごい。
 倉野章子さん。面白かった~。まさか笑わせていただけるとは思いませんでした。この、サド公爵夫人の母親役については確かに賛否両論になるかとは思いますが、私としては、滑稽さという意味で代表してもらいたい役だし、こういう深刻でアーティスティックなお芝居でこそ演技で笑える瞬間があることがとても良かったと思います。
 
 新国立劇場演劇の初日が、珍しくほぼ満員でした。女優ってすごい!と鳥肌がたつほど実感させてくれる作品です。ぜひ新国立劇場へ!

 新国立劇場:http://www.nntt.jac.go.jp/

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2003年06月14日

コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』06/2-26シアターコクーン

 まず、シアターコクーンに着くとロビーに役者さんがいっぱい!!ロビーが舞台であるかのようにじゃんじゃか演技をしてらして熱気ムンムンでした。しまいには中村勘九郎さんまで出て来て騒ぎまわってました。

 楽しい!!ハナっからコレだもの、いやがおうにも盛り上がりますよっ!ほんっとにコクーン歌舞伎は面白いです。いつものドリンク販売コーナーがお茶屋みたいになってるし、出店も出るし。大人が童心に帰って思いっきり楽しめるイベントなんですね。

 さて肝心の内容も面白かったです~。もー満足。わかりやすいしド派手だし。江戸時代の日本人の自由奔放であけっぴろげなところが、たまらなくセクシーに感じられます。

 目玉はやっぱりラストシーン。今回もすごかった!串田和美さんの遊び心といたずら心いっぱいの演出に、思いっきり驚かされて、思いっきり笑わせられました。ネタバレ感想に書きます。ぜひ、読んでいただけたらお得な情報が・・・♪(ネタバレですが)

 中村勘九郎さん。いや~・・・スタイルは正直言って良くないですが、あのやんちゃさとサービス精神には感動します。立ち回りがすごかった。一体何歳なんだ!?心は小学生!
 中村橋之助さん。美しかったです。涼しげな美男。優しいし。
 中村獅童さん。はじめっからはっちゃけてました。面白い。でも、技術があるかというと別ですね。それにしても、ものすごい人気なんですね~。若い女の子はみんな獅童さん目当てっぽかったです。物販にも獅童旋風吹き荒れまくり。お顔がプリントされたフェイスタオルが人気だったみたいですがあれでトイレの後に手を拭くのは無理!(笑)

文化村HP : http://www.bunkamura.co.jp/

《ネタバレ情報》

 シアターコクーンの舞台奥の真ん中に、荷物を出し入れするためのすごく大きな扉(搬入口)があります。蜷川幸雄さんが頻繁に使う手法なのですが、上演中にそこを開けるんです。トラックがどーんと止まっていたり、普通に人が歩いたりしているのが見えちゃいます。また、観客がそこから他人に覗かれている気分にもなって・・・コクーンでしか味わえない不思議な演出になります。

 私は今までにその手法は何度も観さされているのですが大ヒット!もーサイッコーーーに楽しかったっ!!!『三文オペラ』以来初めての成功と言える搬入口演出でした!

 勘九郎と橋之助が「御用だ!御用だ!」と警察に追われるのですが、搬入口を開いて舞台から外に逃げ出すんです!「ピーポーピーポー」とサイレンの音が鳴り響き、照明は犯人を探してぐるぐると追いかけつつ照らします。勘九郎と橋之助が舞台から外、外から舞台へと何度も行き来して逃げ回ります。そして最後にはパトカーが搬入口から舞台へ突っ込んで来る!!ワーォっっ!もー拍手喝采。笑いの渦でした。

 さてさて、これから舞台を観る人も観ない人にも、お得な情報です。18:30開演だとしたら、21:30頃からコクーン裏の搬入口の前でスタンバっていれば舞台から走り出ててくる勘九郎さんと橋之助さんに会えますよ!!

演出=串田和美 補綴=竹柴徳太朗 舞台美術=金井勇一郎 照明=齋藤茂男 演出助手=関聡太郎 舞台監督=藤森條次 制作=我孫子正 他

Posted by shinobu at 21:13

2003年06月11日

青年座『パートタイマー・秋子』06/05-15紀伊國屋ホール

 青年座の公演。永井愛さん作、黒岩亮さん演出です。永井さんの大ファンなので見逃しません。

 センスの悪すぎるチラシ・・・と思っていましたが、内容がチラシのまんまでした。ほんっとにスーパーの特売のお話なんです。「激安!大売出し」します。ということは、あれでセンスが悪いわけではないんですよ。あぁ、すごい。狙いが完璧です。

 成城の豪邸に住み、順風満帆な半生を生きてきた主婦、秋子。だけど夫の会社が倒産し、今ではその家も車も売らなければ、家族の生活費も子供の学費も払えなくなった。やっとの思いで見つけたパート先は問題が山積み。文字どおりサバイバルな日々が始まる・・・。

 舞台は場末のスーパーマーケットの従業員控え室。パートタイマー達の骨肉の争いが繰り広げられます。こんな地味な設定を爆笑コメディーにできる永井さんの視点に完敗です。

 ごく平凡な庶民の日常生活の中に、期待はずれのどんでん返しが何度も訪れます。端から見たらめちゃくちゃくだらない事に、いい年の大人がじたばたと必死でもがく様がなんとも滑稽で、劇場は笑いの渦でした。

 土田英生さん脚本・演出のMONO『きゅうりの花』に似たところがあったように思います。平凡で素朴な人たちが、今のままの生活を守りたいがために、新しいことを拒否するところとか。無意識の悪事や全く罪悪感のないイジメが蔓延します。人間はここまで簡単に汚くなれるのかと、とてもがっかりします。

 当事者でなければ気づきづらいけれど、この不況が庶民に与えている影響はものすごく大きいんですね。窮地に立たされたら人は人ではなくなるんです。じわじわと、自分では気づかないうちに。人間の弱さ、汚さに胸が悪くなりました。笑っていても、どこか後ろめたい気持ちが常に離れませんでした。自分がそうなった時、どうするんだろう・・・秋子のようになるかもしれない、と身につまされました。

 終始笑いがいっぱいでしたが、決してハッピーではないエンディングに、またまた頭をひねらせられました。お芝居が始まった時に比べると、登場人物たちの人生は良い方向に進んだとも言えるし、再びスタートに戻ってきたとも言えます。人間はこうやって失敗を繰り返し、足踏みしたり振り出しに戻ったりしながら、自分探しの旅を前進し続けていくのでしょうか。そうだとしたら私にできることは、なるべく明るく生きていくことかなと思いました。

 高畑淳子さん。シリアスな展開をユーモラスな演技で暖かく包んで届けてくださいました。

 初日は通路席もいっぱいでした。たしか追加公演も決まっていたと思います。客席は大人が大半でしたが若者にも楽しめる作品です。

作=永井愛 演出=黒岩亮 装置=柴田秀子 照明=中川隆一 音響=井上正弘 衣裳=三大寺志保美 舞台監督=安藤太一 製作=紫雲幸一
出演=高畑淳子/山本龍二/横堀悦夫/津田真澄/小林さやか/土屋美穂子/藤夏子/井上夏菜/村田則男/石母田史朗/小豆畑雅一/森塚敏
青年座内:http://www.seinenza.com/performance/167/
ニ兎社:http://www.nitosha.net/

Posted by shinobu at 16:51 | TrackBack

2003年06月06日

阿佐ヶ谷スパイダース『みつばち』6/5-11スペース・ゼロ

 阿佐ヶ谷スパイダースは長塚圭史さん、中山祐一朗さん、伊達暁さんの3人組。東京公演は早々と完売していました。かく言う私も当日券で観たんですが、通路席で毎公演10席以上は出そうな気配です。

 えげつなかった~・・・・・・。とにかく、グロかった。エグかったです。全編とおして暗くてジメ~っとしていました。どんより。べっとり。救いがない。出口なし。いつもそういうストーリーだけれど、今回は時代劇だからでしょうか、奥の奥まで、底の底まで、真っ暗でした。

 あくまでも私の阿佐スパ観ですが、ジメっと湿度が高いのは阿佐スパの特徴の一つだと思うのですが、もう一つの特徴である、カラッカラに乾く感覚がなかったんですよね~。ストーンと抜ける刹那、というか、何もかも放り出して飛んでいってしまう瞬間があるのが長塚さんの演出の妙だと思うのですが、今回はそれを感じられなかった。残念。

 市川しんぺーさんと山内圭哉さんの一騎打ちの殺陣シーンが一番心惹かれました。照明も良かったし。さすが本格的殺陣指導が入ってるだけありますよね。

 衣裳と美術がびっくりするほど豪華でした。メイクは・・・・怖かった。中村まことさんは特に。
 あの錠のかかった出入り口!いったいどういう仕掛けなんだろう・・・。
 お芝居後半の派手な演出はもうちょっと遠くで観たかったです。最前列ではネタがほぼ見えてしまって・・・。

 長塚圭史さんが役者の中で一番良かったです。それって、なんかちょっと残念ですよね、彼は演出家なのに。
 富岡晃一郎さんのみつばち役が良かった。毒気ゼロのほがらかさが、お芝居に全くマッチしていないのが小気味良いです。
 山内圭哉さん。色男は着物も似合いますね。最後のセリフは山内さん独特の空気を感じられて良かったです。

阿佐ヶ谷スパイダースHP : http://www.spiders.jp/

Posted by shinobu at 23:47 | TrackBack

2003年06月04日

動物電気『集まれ!夏野菜』06/04-11下北沢駅前劇場

 動物電気は4回目ぐらいですが、今回のが一番面白かった!

 ある平凡な家庭のほんわかハートフル・ストーリーの形をとっていて、いつもの動物電気の、体を張った激しいギャグは顕在ながらも、ソフトで洗練されていました。幅広い観客層に受け入れられる、完成度の高い作品だったように思います。

 舞台美術もしっかり作ってあって良かったです。幕が開く時もかっこ良かったし。お庭も可愛い。

 5月から始まっている小学館の漫画スピリッツの「劇CM」の、模範パフォーマンスを見た気がしますね。芝居全てがそれになりそうな(笑)ところまで持っていきながら、スマートにまとまっていました。『漫画読むならスピリッツ。芝居観るなら動物電気。』お見事!

 政岡泰志さん。おばさん役が本当におばさんに見えてしまった。
 伊藤美穂さん。やっぱり上手い。体のキレも心地よい。かっこいい女優さんだな~。
 石崎和也さん。新劇俳優さんみたいでした。動物電気で新劇なんてすごく新鮮で、幅が広がった感じがしました。
 松下幸史さん。初・換気タイム最高でした。ほほえましくって嬉しくなりました。しっかり伸びしちゃった。

 動物電気 : http://www.doubutsu-denki.com/

Posted by shinobu at 22:40 | TrackBack

2003年06月03日

モーニング娘。主演ミュージカル『江戸っ娘。忠臣蔵』05/31-06/29明治座

 お友達の幸野友之さん(方南ぐみ)が出演されるので観に行きました。まぁ・・・モーニング娘。を生で観ることになるとは思いませんでした。NHKの紅白歌合戦でしか全員でいるところを見たことがないぐらい、モー娘。音痴なので。

 先日の後藤真希(ゴマキ)ミュージカル同様、この興行も2部構成でした。前半がミュージカル『江戸っ娘。忠臣蔵』、後半がレビュー『モーニング娘。フェスタ!』。

 ゴマキのときはミュージカルが面白かったんだけどモー娘。はレビューの方が断然面白かったな~。若さのパワーっていうのかしら、迫力がすごいんです。ピチピチしてるだけじゃなくって、彼らかなりワイルドなんですよ、野蛮な感じ。それが熱くて良いんです。掛け声というよりは叫び声だし、「いくぜーぃ!」とか言ったらほとんど体育会系応援団みたいにゴッツいし。

 衣裳はこれまたゴマキ同様、曲が終わるごとに一枚一枚脱いでいくんです。最後はあれ、ほとんど水着だよね。ストリップ・ショーじゃないんだからさ~、とゴマキの時はものすごくいやらしく感じたんだけど、モー娘。12人には全然そんな空気無いんです。健康美なんです。スポーツなんです。立てノリでおたけびを上げているファンの方々にとって、アイドル的な存在であることは変わりないでしょうがゴマキの時に比べると健全な、家庭的な空気が流れていました。ファンの人たちも一緒にスポーツしてるみたい。客席はほぼ男性ばかりですが、女の子も沢山見かけました。しかもどうやら熱狂的ファン。掛け声もパワフルでした。ゴマキ客層は男女比99:1だったけど、モー娘。は9:1ですね。子供のファンも多いみたい。

 矢口真里さん。モー娘。の中でダントツでした。 演技というものをしっかりとわかってらっしゃるようです。笑いのセンスもあるし。お芝居の時は完全な道化役をこなし、レビューではなぜかお色気ムンムン。奥菜恵さんをもうちょっと活発にして体を小さくした感じかな。わおっ、新感線とか余裕で出られるよ。そう思うと20歳ってすごい。

 明治座、初めてでした。初・明治座で初・モーニング娘。うーん、趣旨が違いますよね。おみやげ物やさんとか、がんばってた。せんべいにモー娘。のメンバーの名前を焼印したものとか売ってた。

 花道があるのがすごいですよね。横の席だったらモー娘。からの距離1m以内!

明治座 : http://www.meijiza.co.jp/

Posted by shinobu at 10:19 | TrackBack