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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2009年02月28日

モダンスイマーズ『トワイライツ』02/19-03/01吉祥寺シアター

 蓬莱竜太さんが作・演出されるモダンスイマーズの新作です。蓬莱さんはこちらの作品で岸田國士戯曲賞を受賞されたばかり。

 鶴田真由さん、山本亨さんら豪華客演陣を迎えた、少し大人向けのロマンティックなお芝居でした。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『トワイライツ

 ≪あらすじ≫
 年上の歌子(鶴田真由)にほのかな恋心をいだく富田(津村知与支)。歌子の家庭環境は複雑で、彼女の腹違いの凶暴な兄(山本亨)は、誰からも恐れられていた。
 ≪ここまで≫

 ゆるやかに円を描く白くて高い壁が、ほぼ円形の抽象舞台を囲みます。床から天井に向けて当たる照明がきれい。 
 歌子を中心に数通りの恋が描かれます。彼女に恋する男たちそれぞれの性格や感情が、セリフだけではなく役者さんの体、表情から鮮やかに伝わってきました。兄役の山本亨さんは声色やリズムに意外性があり、常に目を引きました。

 蓬莱さんの作品を観るといつも思うのですが、情報の出し方(隠し方)が絶妙で、構造もすごく上手く組み立てられていて、「あぁ、このセリフはあのシーンの流れを汲んでるんだな」「このシーンは前のあのシーンと対になっているのね」などと、何度も感心させられます。今回も漏れずにそうでした。
 ただ、そういった技術以上に、(私の)心や体に激しく訴えかけるものが欲しいなとも思いました。

 ここからネタバレします。

 実は、歌子と腹違いの兄とが愛し合っていたとわかるのが切ないですね。最初のエピソードの終盤の富田(津村知与支)のセリフから、妹が兄のことを好きなことがわかるようになっていました。できれば演技で気づきたかったな~とも思いました。

 3人の富田と兄とが1人の人間としてつながっている気がして、その曖昧さが良かったです。

≪東京、福岡、鎌倉≫
出演:古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、山本亨、菅原永二(猫のホテル)、梨澤彗以子、鶴田真由
脚本・演出/蓬莱竜太 美術/伊達一成  照明/森脇清治(東京舞台照明) 音楽/上田亨 音響/今西工 舞台監督/原田恵子 大道具/俳優座劇場舞台美術部 小道具/高津映画装飾 宣伝写真/引地信彦 記録写真/Yoshizo Okamoto 宣伝ヘアメイク/二宮ミハル・西澤環 宣伝美術&衣裳協力/小原敏博・小林由香 衣裳協力/坂東智代 制作/神野和美 制作協力/オフィスPSC 重留定治 広川由季  Habanera 松尾由紀
【発売日】2008/12/10 全席指定 【前売】¥4,000- 【当日】¥4,500- 
http://www.modernswimmers.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:26 | TrackBack

2009年02月26日

リミニ・プロトコル『カール・マルクス:資本論、第一巻』02/26-03/01にしすがも創造舎 特設劇場

 とうとう「フェスティバル/トーキョー09春」が開幕!!⇒記者発表
 トップバッターはリミニ・プロトコルです。昨年は『ムネモパーク』が大好評で、「CoRich舞台芸術アワード!2008」でも第4位だったんですよね。今回のテーマは「資本論」ですが、とっても楽しかった~!

 開場はたしか開演の10分前ぐらいで、いっせいに整列入場します。全席自由で前方の席はベンチシートですので、背もたれが欲しい方はお早めにご来場を。上演時間は約2時間15分(休憩なし)。初日は通路席まで満席の盛況でした。⇒チケット購入はこちら。残席少ないです!

 会場ロビーでは、劇中でも大活躍する「資本論」3冊と、コミック↓も販売されていました。580円とお手軽だったので購入し、帰りの電車で読了(笑)。

資本論 (まんがで読破)
マルクス
イーストプレス
売り上げランキング: 1777

 ⇒CoRich舞台芸術!『カール・マルクス:資本論、第一巻

 本棚の中に腰掛ける人々。開演前からにこやかに客席とコミュニケーションを取っていて、自然にリラックスできる雰囲気です。この自由な空気は、海外のカンパニーの公演でよく味わえるんですよね~。

 舞台にいるのはプロの俳優ではなく、ある分野(今回は「資本論」)の専門家の方々です。普通の人が目の前で、その人自身の体験や今感じていることをしゃべりますから、言うまでもなくすっごくリアル。彼らを隣人のように身近に感じながら、自分の環境や生活習慣について考えました。
 「資本論(第一部)」は1867年に書かれた書物ですが、私が今生きている資本主義社会の日本に重なることが多く(資本についての本だから当然かもしれませんが)、ドキっとしたり、なるほど~と感心したり。そんな気持ちを出演者の皆さんとスムーズに共有できている気がして、とても楽しかったです。

 全盲のシュプレンベルクさんが、DJのように古いレコードをかけて紹介してくださるのが嬉しい。笑顔がとっても素敵!
 日本人出演者が12人中4人もいらっしゃいますので、日本公演のための特別バージョンなんですね。ドイツ人と日本人の身体や言葉の発し方の違いなども、見ていて面白いです。

 ここからネタバレします。

 戦後から現在までの出演者の体験談が語られていきます(そして未来の展望も)。「資本論」に書かれている(のであろう)「何もかもが“商品”になっていく」ということが、皆さんのお話からも、自分の経験からもしっかり理解できました。労働も商品。名前も商品。人体だって。

 巨万の富を得たウルフ・マイレンダーさん(作家、施設コンサルタント)のお話が面白かった!詐欺と訴えられ6年以上の実刑を受けた後、作家となり、再び投資コンサルを仕事にされていますが、お金を儲けるための投資ではなく、より意義のある投資へと方向転換されたとのこと。人生の目的が変わったということですよね。

Rimini Protokoll "Karl Marx: Capital, Volume One"
出演:大谷禎之介(元大学教授、MEGA編集者) トーマス・クチンスキニ(統計学者、経済史家) クリスティアン・シュプレンベルク(コールセンター・エージェント) 佐々木隆治(大学院生) フランツィスカ・ツヴェルク(翻訳家、通訳) ヨヘン・ノート(経営コンサルタント、講師、中国・アジア専門) 萩原ヴァレントヴィッツ健(大学講師) ウルフ・マイレンダー(作家、施設コンサルタント) タリヴァルディス・マルゲーヴィッチ(歴史家、映画作家) 脇水哲郎(会社員) サシャ・ワルネッケ(革命家、メディア業界のセールスマン) ラルフ・ワルンホルツ(公共電気技師、元ギャンブラー)
コンセブト・演出:ヘルガルド・ハウグ、ダニェル・ヴェツェル リサーチ・演出助手:セバスティアン・ブリュンガー 舞台美術:ヘルガルド・ハウグ、ダニェル・ヴェツェル、ダニエル・シュルツ ドラマトゥルグ:アンドレア・シュヴィーター、イマヌエル・シッパー 照明:コンスタンティーン・ソネソン 音響:フランク・ベーレ ビデオ・アシスタント:ミハエル・コッホ 製作:デュッセルドルフ市立劇場 共同製作:ベルリンHAU劇場、チューリッヒ市立劇場、フランクフルト市立劇場
【東京公演日本側スタッフ】技術監督:寅川英司+鴉屋 照明:佐々木真喜子(ファクター) 音響:相川晶(サウンド・ウィーズ) 技術監督アシスタント:佐藤恵 美術:大津英輔+鴉屋 舞台監督:中原和彦 小道具・演出部:栗山佳代子 ピンスポット操作:岡本沙知恵(ファクター) にしすがも創造舎劇場スタッフ:弘光哲也 翻訳・字幕操作・通訳:萩原ヴァレントヴィッツ健 字幕アドバイザー:幕内覚 通訳:石井園子 舞台写真:石川鈍
【F/Tスタッフ】制作:クラウトハイム・ウルリケ、辻奈都子 F/Tクルー:榎本有希子、竹中香子、砂川史織、ピア・シュミット、羅苓寧 特別協力・助成:ドイツ文化センター 特別協力:株式会社大月書店 協力:日本点字図書館 後援:ドイツ大使館 主催:フェスティバル/トーキョー
【発売日】2008/12/18 一般 4,500円/学生 3,000円(要学生証提示)、高校生以下 1,000円 自由席
http://festival-tokyo.jp/program/capital/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:53 | TrackBack

2009年02月25日

【演劇教育】イー・ウーマン「働く人の円卓会議『演劇に関心がありますか?』」投票は2/27まで!

 イー・ウーマンの「働く人の円卓会議」。今週のテーマに『演劇に関心がありますか?』があります。このテーマの議長は平田オリザさん(劇作家・演出家・大阪大学大学院教授)。

 ワンクリックで投票に参加できますし、メンバーになればコメントも投稿できます。よかったらぜひご参加ください。平田さんのコメントが毎日アップされる、対話型なのも嬉しいですね。

Posted by shinobu at 15:36 | TrackBack

芸団協セミナー『劇場をめぐるラウンドテーブルVol.4「公共劇場と芸術家、レジデント・カンパニーとの関係」』02/24芸能花伝舎1-1

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ラウンドテーブルVol.4

 芸団協が主催するセミナーです(「劇場をめぐるラウンドテーブル」関連エントリー→)。ゲストスピーカーは宮城聰さん(静岡県舞台芸術センターSPAC芸術総監督) 金森穣さん(新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督)。聞き手は矢作勝義さん(世田谷パブリックシアター)。

 金森穣さん率いるダンスカンパニーNoismは日本国内では唯一の公共ホールのレジデント・ダンス・カンパニーです。Noismは華々しい成果を上げているので、きっと良い環境で創作されているのだろうと思っていたのですが、芸術監督の仕事は作品創作だけではないんですよね。そういう内部事情も教えていただけました。

2009年2月24日(火)19:00-21:00
参加費2,000円(茶菓代を含む)
対象:芸術団体や劇場・ホールの制作者、事務局など、自治体の文化行政担当者などの現職者。(学生不可)※定員50名程度まで
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijyo_rt09.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 01:05 | TrackBack

2009年02月20日

パルコ『ビロクシー・ブルース』02/02-22パルコ劇場

 ニール・サイモン戯曲を鐘下辰男さんが演出されます。佐藤隆太さんをはじめ、若い人気男優を集めた公演です。

 パンフレットに鐘下さんご自身が書かれていましたが、「ニール・サイモン&鐘下辰男」という組み合わせは、第一印象では“ミスマッチ”ですよね(笑)。上演時間は約2時間45分(途中15分の休憩を含む)。

 ⇒公演公式ブログ
 ⇒CoRich舞台芸術!『ビロクシー・ブルース

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。詳しいあらすじはこちら
 今回上演するのはニール・サイモンの自伝的作品、BB三部作の第二部にあたる『ビロクシー・ブルース』。20歳の兵役時代の彼と仲間たちの、軍隊の訓練所の中で過ごす青春の苦さ、滑稽さ、そしてそれでも逞しく成長していく姿を描き、1985年度のトニー賞ベストプレイ賞に輝きました。
 ≪ここまで≫

 1943年のアメリカはミシシッピー州、新兵訓練地ビロクシーが舞台です。指導官トゥーミー(羽場裕一)のせいで、6人の若者らの訓練生活は非常に厳しいものになります。主人公ユージン(佐藤隆太)の回想録の形を取る会話劇でした。

 壁の木の隙間から光が漏れ出すのが印象的な美術。でもシンプルすぎる気もしました。
 セリフのない時間がどっしり重みのあるシーンになっており、それは鐘下さんらしさなのかもしれないんですけれど、もっとリズムよく進んで欲しかったな~と思いました。
 新兵を演じた若い男優さんの頑張りが伝わってきました。瀬川亮さんが良かったです。

 男ばかりの軍隊の殺伐とした空気と、しばしば飛び出す人種差別発言に時代を感じました。いえ、今もそうなのかもしれないですけど。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 ユージンの「反抗する人間が1人でもいたら、戦争なんてできやしない」というセリフに、軍隊の本質が現れていると思います。

 ユージンの初恋の相手デイジーは内田亜希子さん。キュンキュンしててとっても可愛かったです。恋する2人のシーンは“はふはふ”する感じ(笑)。

"Biloxi Blues" by Neil Simon
≪東京、岡山、福岡、新潟、宮城、大阪、愛知≫
出演:佐藤隆太(←ユダヤ人。作家志望。) 忍成修吾(←ユダヤ人) 瀬川亮(←ベッドまで持たなかった・笑) 中村昌也(D-BOYS)(←乱暴) 尾上寛之(←歌う) 南周平(←ハーフ。調理係。) 内田亜希子 西牟田恵 羽場裕一
脚本:ニール・サイモン 翻訳:目黒条 日本語台本・演出:鐘下辰男 美術:島次郎 照明:中川隆一 音響:井上正弘 衣裳:山下和美 ヘアメイク:西川直子 演出助手:長町多寿子 舞台監督:村田明 宣伝美術:東學 宣伝写真:須佐一心 企画協力:ケイファクトリー 制作:高石由紀子 プロデューサー:尾形真由美 製作:山崎浩一 企画・製作:(株)パルコ 主催:PARCO
【発売日】2008/11/29 全席指定・税込7,500円
http://www.parco-play.com/web/page/information/biloxi/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:53 | TrackBack

FUKAI PRODUCE 羽衣『Y.I』02/13-16新宿ゴールデン街劇場

 糸井幸之介さんが作・演出・振付・音楽を手がけるFUKAIPRODUCE羽衣(フカイ・プロデュース・ハゴロモ)の、新宿ゴールデン街劇場でのぎゅうぎゅう詰めの千秋楽。初めて本公演を拝見しました(過去レビュー⇒)。上演時間は約1時間30分。

 「リトマス試験紙のように、好み・苦手がはっきりしそうな作風だ」と勝手に思っていたのですが、私は“好み”に反応!とうとう羽衣ワールドにハマってしまった・・・(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Y.I
レビューは短めです。仕事が詰まってきてしまいました。すみません。

 三方をダンボールで囲んだ素舞台。ダンボールには星空と、その下に広がるビル群がメルヘンチックに描かれています。でもビルはすべて逆さを向いていて、どうやら水面に移った夜景のよう。

 人間の原始的欲求(食欲、性欲、睡眠欲など)をさらけだして、役者さんは大汗をかいて踊り、歌いまくります。セックスセックス連呼して振付も思いっきりセックス。最初は面食らいますが、だんだんいとおしくてたまらなくなってくる。岡田利規さんがおっしゃる“劣情の全面的肯定”の底力に完敗。

 糸井さんの歌(詩と音楽)はぜひアイドルに歌っていただきたいですね。ヒットする気がするんだけどな~。シブがき隊の「スシ食いねェ!」みたいに。会社の忘年会(そんなのないけどサ・笑)のカラオケでデュエットとかしたい(←妄想)。

 ここからネタバレします。

 「endless sex in the world」「果物夜曲」でボロ泣き。歌詞が配布されてるのが嬉しいですね。

 タイトルの『Y.I』は糸井さんのイニシャルだそうです。「劇作家が台本を書けない」系の話は苦手なので、そういうシーンではちょっと冷めちゃいました。

FUKAIPRODUCE羽衣3,000円公演 VOL.1『Y.I』
出演:藤一平/日高啓介/鯉和鮎美/高橋善和/伊藤昌子(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧)/深井順子
プロデュース:深井順子 作・演出・音楽・振付・美術:糸井幸之介 照明:松本永(光円錐) 衣裳:吉田健太郎(yu-GEN CRaFTS) 衣裳製作協力:小野澤彩夏 写真:田中流 チラシデザイン:吉田健太郎 舞台監督:五代才助 制作:坂田厚子 大石丈太郎
前売/当日 3,000円
http://www.geocities.jp/hagoromo_hukai/
http://blog.goo.ne.jp/fukaiproduce-hagoromo/e/d8ba592403cb5cca3c7c0f862d0148fc

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:20 | TrackBack

真心一座 身も心も『流れ姉妹 たつことかつこ ~獣たちの夜~』02/18-22本多劇場

 千葉雅子さんの脚本を河原雅彦さんが演出する“小劇場の大衆演劇”『流れ姉妹 』シリーズ第3弾(⇒第1弾第2弾)です。上演時間は約2時間30分(休憩なし)。

 初日の日替わりゲストは高田聖子さん。高田さんがすっごく面白かった!素敵!
 販売されている公演パンフレットには前回までの図解入りあらすじアリ。パっと見は冊子が薄そうなのですが、内容は充実しています。スタッフさんの横顔がわかる欄(Q&A)があるのが好き。

 ⇒当日券(TICKETS@TOKYO
 ⇒CoRich舞台芸術!『流れ姉妹 たつことかつこ ~獣たちの夜~
 レビューは短めです。仕事が詰ってきてしまいました・・・。

 “真心一座 身も心も”の中心メンバーは河原雅彦さん、千葉雅子さん、坂田聡さん、村岡希美さんの4人で、全員が出演されます。毎回、千葉さん演じる姉たつこに恋人ができて、村岡さん演じる妹かつこは(なぜか)レイプされるというのがお約束。

 第2弾が私好みのど真ん中だったので、それと比較すると物足りなさもあり。やっぱり劇場が広くなると作品全体の印象が変わりますよね。
 ゲストラバーの中村倫也さんの演技、存在感がとても良かったです。若いイケメン俳優では久々に私的ヒット♪

 ここからネタバレします。

 レイプシーンが見どころで、馬鹿馬鹿しく演出されているのが今回も面白かったです。「レイプ」と書くと怖いんですが、そこに至るまでの心の動きがちゃんと描かれるし、あくまでも面白い見せ場として演出されるので私にも大丈夫。

 カーテンコールで高田さんが前回の登場人物の衣裳で登場してくれました(わざわざカーテンコールのためだけに)。サービス精神、エンターティナー精神に感動。

≪東京、大阪、北海道、愛知≫
出演:高橋和也(三代目ゲストレイパー)、中村倫也(三代目ゲストラバー)、河原雅彦、千葉雅子、坂田聡、村岡希美、小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順、木野花(ゲストマザー)、+豪華日替わりゲスト(高田聖子)
脚本:千葉雅子 演出:河原雅彦 照明:倉本泰史 音響:藤本純子 美術:片平圭衣子 衣裳:木村猛志
映像:ムーチョ村松 演出助手:福本朝子 舞台監督:高橋大輔+至福団 宣伝美術:Coa Graphics 写真:引地信彦 Web:新藤健 今城加奈子 宣伝:吉田プロモーション 票券:西川悦代 制作:佐々木康志 ラインプロデューサー:牛山晃一 プロデューサー:伊藤達哉 主催・製作:ゴーチ・ブラザーズ
【発売日】2009/01/17 前売:6,000円 当日:6,500円(全席指定・税込)
http://mimokoko.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:38 | TrackBack

2009年02月18日

【稽古場レポート】新国立劇場演劇研修所・第2期生修了公演『珊瑚囁(さんごしょう)』02/17都内某所

20090217_sangosho_script_flyer.JPG
『珊瑚囁』台本とチラシ

 新国立劇場演劇研修所(NNTドラマスタジオ)の第2期生修了公演の稽古場にお邪魔しました。⇒『珊瑚囁(さんごしょう)』公演詳細 ⇒第2期生関連レビュー  ⇒第1期生修了公演のレビュー

 桃園会の深津篤史さんが新作を書き下ろし、研修所所長の栗山民也さんが演出されます。初日まであと10日となった稽古場で、研修生全員がシーン作りをするところを拝見できました。

 ■新国立劇場演劇研修所『珊瑚囁~大人の為の少し残酷でとても静かなお話~
  02/28-03/02@新国立劇場 小劇場
 ⇒CoRich舞台芸術!『珊瑚囁

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。
 これは埋もれた時間を透視する物語、平らに塗り潰す世界と戦う物語、時の声に耳を澄ますちょっぴりの人々と、それ以外の沢山の人々の物語です。
 ≪ここまで≫

 ほぼ原寸大の装置が建て込まれた稽古場で、稽古開始の13:00からすぐにシーン稽古が始まりました。きりのいいところまで演技をして、その後に演出家がフィードバック(ダメ出し)をしていきます。今日は後半から最後のシーンまでで、ギュっと濃縮された約4時間(休憩は10分間を2回)はあっという間でした。※その後に自主稽古あり。

sangosho0.JPG
フィードバック中のスナップ

 その場でいただいた台本を数ページ読み進めたところ(そんな段階では判断しようがないのですが、第一印象では)、『珊瑚囁』は抽象的な短い言葉が並んだ、少々難解そうな戯曲に見えました。演技を見ていても最初はまるで空をつかむような不安な気持ちでしたが、栗山さんの簡潔なアドバイスを得て、役者さんの言葉の背景(ある言葉が発せられる理由となる、感情や出来事など)が伝わってくるようになると、短いひとことが突然重みを増しました。

 栗山「(この戯曲は)セリフが短いからね。セリフの書かれていないシーンのト書きは自分で作ってみて。間違ってもいいから。そうしないと単なる不条理になっちゃうよ。」
 栗山「(この芝居は)あの日の体験と出合おうとしている時間だから。それが俳優の目に映らない限り、(観客には)何もわからないよね。花火、枝、石といった単語に、崩壊した瞬間のいろんなイメージがぽつぽつと散りばめられている。」

 ため息まじりのつぶやきのようだった言葉が、それを話す人物だけでなく、他の大勢の人々の嘆き、怒り、祈りを含んだ叫びのように聴こえてきます。つぶやいた男が今置かれている状況と、彼が回想する過去の一風景が重なり、私は稽古場に現れた“荒涼と広がる更地”に身を浸しました。深津さんが書かれた短いセリフには、こんなに深い意味が込められていたのかと瞠目するばかりです。

 セリフにヒントや説明が少ない戯曲では、“音”の要素がシーンの成り立ちに大きな役割を果たします。栗山さんは音響スタッフにもしばしば注文をつけながら、役者さんの演技と音楽を慎重に調和させていきました。まるでオーケストラの指揮者のように。身体で鳴らす音と声、効果音、音楽が一体となって、芝居がダイナミックに立ち上がっていきます。

 栗山「かすかな光の中に声を忍ばせていくように、デリケートに(声を出して)。個がそれぞれに生命を維持するために叫ぶように。」

 最後のシーンが終わった後は栗山さんの提案で、懸案になっていた前半のあるシーンを研修生たちで作ることになりました。夕方の1時間は出演者全員(計15人)で試行錯誤。
 ↓まずは登場人物5人の演技を他の10人が観てみる。観てすぐに感想、意見を出し合って、試していく。
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 ↓台に上がる人数を増やしてみる。12人で演じて、3人は観る側に。
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 ↓観ていた人、演じた人が新しいアイデアを出し合い、再び試してみる。身体の状態がガラっと変わり、今まで見えていなかったことが見えてきた。
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 役者さんによるシーン作りには、座組みの個性が顕著に現れるものだと思います。15人はそれぞれが平等な立場で意見を出し合い、気持ちをスムーズに交流させて、想像力を立体化させていきました。全員が無言になって熟考する時間は、集中力の高まりで室温が上がっているのではないかと思うほど。

 良い緊張感が保たれた柔軟な空気の中で感じたのは、研修生たちの「聞く」姿勢が独特なことです。舞台上の出演者同士のコミュニケーションからはもちろん、その演技を見る・聞く側の研修生からも大きなエネルギーを感じました。聞く能力の高さは、柔軟さ、判断力、包容力などにつながるものだと思います。これも3年間の研修の成果なのかもしれません。

 タイトル『珊瑚囁』の“囁”の訓読みは“ささやき”です。目を凝らして、耳を澄まして、戯曲にしたためられた小さな、でも確かにそこにある人々の声を感じ取り、舞台に乗せてくれることと期待します。

出演:新国立劇場演劇研修所第2期生(岩澤乃雅、熊澤さえか、佐々木抄矢香、滝香織、保可南、深谷美歩、藤井咲有里、吉田妙子、阿川雄輔、宇井晴雄、角野哲郎、西原康彰、遠山悠介、西村壮悟)/古川龍太(第1期生・賛助出演)
【作】深津篤史【演出】栗山民也【美術】長田佳代子【衣装デザイン】出川淳子【照明】川口雅弘【音楽】後藤浩明【音響】河原田健児【歌唱指導】伊藤和美【振付】夏貴陽子【演出助手】田中麻衣子・大杉良【舞台監督】三上司【研修所長】栗山民也 新国立劇場演劇研修所の成果
【発売日】2009/01/20 A席:3000円 B席:2000円  Z席:1500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000223_training.html

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2009年02月17日

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ『キラリ☆ふじみで創る芝居「グランド・フィナーレ」』02/10-15富士見市民文化会館キラリ☆ふじみマルチホール

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グランド・フィナーレ台本と原作本

 昨年の『大恋愛』から続いている企画の集大成。阿部和重さんの芥川賞受賞小説「グランド・フィナーレ」を岩井秀人さん(ハイバイ)が脚本化し、富永まいさんが演出されます。出演者は『大恋愛』同様にオーディションで選ばれました。上演時間は約1時間40分。

 ロビーで戯曲本が販売されていました。岩井さんの脚本と、それをもとにした富永さんの上演台本の両方が収録されていて500円。チラシがブックカバーになるという優れモノでした♪同じく阿部和重作品を舞台化した『ニッポニアニッポン』とのつながりもあるんですよね(⇒チラシデザインを手がけた京さんのブログより)。

 ※2/11(祝)の夜にトークに出演させていただきました(⇒告知エントリー)。

 ⇒原作本の紹介
 ⇒グランド・フィナーレ座談会 ※長い!読み応えあり!(笑)
 ⇒CoRich舞台芸術!『グランド・フィナーレ

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより一部抜粋
 2001年。
 あの同時多発テロののち、はじめて訪れたクリスマス。
 日本。そして、「わたし」。
 なぜ「わたし」はすべてを失ったのか? 「わたし」の異常な愛情? または「わたし」は如何にして心配するのを止めて二人の少女を愛するようになったか? それは、「グランド・フィナーレ」という名の終わりの始まり?

 演劇界へ彗星にのって現れた映像作家富永まいの演出、演劇人に超新星が現れたと語られる岩井秀人の脚本という綺羅星なコラボにより、初の舞台化に挑む衝撃満載の芥川賞受賞作。
 ≪ここまで≫

 情報量が多くて、シーンの密度が濃くて、処理しきれないままに次々と、富永さんならではの毒気のあるメルヘン世界が展開されました。上演時間は1時間40分だったのですが、私には2時間半から3時間の重みが・・・!(苦笑) 
 衣裳の脱ぎ着で演じる人物が変わったり、舞台を囲むプロセニアム(額縁)を使って現実と妄想を分けたり、演出は重層的。装置も衣裳もすごく豪華で、詳細へのこだわりが素晴らしい!⇒富永さんの映画「ウール100%

 原作を読んでいたので、岩井さんの大胆な脚色にも驚かされました。主人公の男・佐藤の分身(?)が大勢登場し、ずっと舞台上に居て内面を吐露したり、彼に罵声を放ったり、さまざまに刺激します。こんなお芝居(脚本)になるとは全く予想していなかったですね・・・。一人称で語られていた世界が分身によって多重多層になり、何が本当なのか嘘なのかわからない曖昧で不安定なもの(=現実)になりますが、最終的にはポイントとなるセリフ・出来事にギュっとしぼりこまれていきました。私は原作を読んで“佐藤”にムカついたりしていたのですが、なぜ私がムカついたのかがわかった気がしました。

 富永さんは松田洋二さん演じる“佐藤”に対して嫌悪感や怒りを強く持っていらっしゃるようで(座談会のレポートより)、それらは冒頭からビシバシ伝わってきました。でも私としては、松田さんの可愛らしさをもっと利用してくれても良かったんじゃないかな~と思いましたね。「佐藤をあんなに苦しめるなんて佐藤の妻はどんな悪者なんだろう?」と思わせておいて、それをひっくり返してくれた方がインパクトがあったんじゃないかしら。原作もその狙いがあったと思いますし。

 ここからネタバレします。レビューは後ほどアップ予定。

出演:松田洋治、上田遥、大本淳、加成しゅう、白神馨之、竹内萌佳、田中夢(遊園地再生事業団)、谷水朋花、夏目慎也(東京デスロック)、村島智之
原作:阿部和重 脚本:岩井秀人 演出:富永まい 振付アレンジ:益子あんな 企画・制作:富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ 主催:財団法人富士見市施設管理公社 助成:財団法人地域創造
前売・当日 一般2,500円 学生2,000円 プレビュー公演一律 2,000円(日時指定・全席自由)※未就学児の入場はご遠慮いただいておりますので、託児サービスをご利用ください。
http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/
http://kirarifes8.exblog.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:52 | TrackBack

2009年02月16日

【映画】富永まい監督作品「ウール100%」

 富永まいさんが脚本・監督を手がけた映画です。主演は岸田今日子さんと吉行和子さんという豪華さ!
 ※映画を拝見したのは2007年です。

ウール100% [DVD]
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クロックワークス (2007-05-25)
売り上げランキング: 38872

 不思議で、ちょっと怖くて、せつない、乙女な物語。美術、衣裳が凝っていて可愛らしいです。アニメーションが強烈で面白い!もちろん大女優2人の競演にも大満足。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:23 | TrackBack

2009年02月15日

TBS『その夜明け、嘘。』02/07-22青山円形劇場

 宮﨑あおいさんが主演する三人芝居は、脚本・演出がピチチ5の福原充則さん。会場が青山円形劇場というのも嬉しいですね。どの席からも舞台から近いですから。

 ころころ、くるくるとスピーディーに役が変わるのが、躍動感もあってリズミカル。福原さんらしいチープでワイルドな味わいも生きていて、でも目の前にいるのは「篤姫」という(笑)、ちょっとオモシロな、いえ、とても面白い約2時間でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『その夜明け、嘘。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 その漫画家は、環状七号線を走っていた!
 締め切り前夜。
 白紙の原稿をロバに積み、情熱の炎をランタンにして、
 無能なアシスタントを従えた、そんな漫画家が走っていた!
 月の砂漠の環七を、アイデアを求めて漫画家は、西へ東へ海底2万マイル!
 西部の荒野の宇宙の果てで、スフィンクスと決闘しろ!
 「あぁそんなストーリーじゃ、とても締め切りに間に合わない!」
 そうしてその漫画家は、バス停のベンチに腰掛けて、目から水晶の涙をこぼすので、
 王女の呪いは霧散して、代わりに村人全てがゾンビ化した!
 深夜の環七を舞台に繰り広げられる、十数人の群像劇の三人芝居!
 ≪ここまで≫

 中央に自転車。むくっと起き上がる電信柱、信号機、標識。完全円形になってもちゃんと仕掛けに凝ってる美術が嬉しいです。

 3人の出演者が、舞台上で突然違う役に変わっていきながら、ゆるやかにつながった複数のエピソードが同時進行します。照明と音響の変化などでシーンが変わるのも鮮やか(きっかけ大変そうだ・・・)。

 自分勝手で他人に迷惑をかけっぱなしの庶民たちの、開き直った内心の叫びが痛快でした。演劇ならではの演出が盛りだくさんで、全身手抜きなしの、見どころの多いお芝居だったと思います。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 アシスタント(吉本菜穂子)に追いかけられる漫画家(宮﨑あおい)が苦し紛れに考え出したのが、高円寺(実は野方)に暮らしながらシド・アンド・ナンシーにあこがれる若いカップル。シド(宮﨑あおい)は前橋に帰省して解体業に転職。ナンシー(吉本菜穂子)は瀬戸内海に面した実家に戻り、家族が経営するスナックに勤務。別れたけど文通でつながる2人の青春。

 漫画家(宮﨑あおい)とアシスタント(吉本菜穂子)を追いかける編集者(六角精児)が、乳飲み子をだっこした妻(宮﨑あおい)と出くわすと、子供(吉本菜穂子)が巨大化してほぼ成人に。バイクに乗って自分の世界へと飛び出していく子供。

 中華料理店バーミアの店長(六角精児)がアルバイトの高橋(吉本菜穂子)の二の腕をつかんで、いきなりフォーリンラヴ。店を天守閣に作り変えて環七を移動し、しまいには空を飛んじゃう無茶な展開。ミニチュアの町並みを壁のように立たせて、舞台中央に寝転がった店長が飛んでいるように見せる演出は、福原さんならではですよね。
 床に仕込んだ板を持ち上げて、車との衝突シーンを創ったり、自転車の神様が登場したのも楽しかったです。照明の効果が印象に残ります。ラストのミラーボールが良かった。

 「今さら全部自分のせいだなんて思ったら(つらくて)これから生きていけない。だから全部他人のせいだ!」
 「(夜が明けたらマンガを描くと、自転車の神様に)約束しちゃったけど、自分の意思で、逃げる!」

≪東京、兵庫、神奈川≫
出演:宮﨑あおい 吉本菜穂子 六角精児
脚本・演出/福原充則(ピチチ5) 美術/加藤ちか 照明/関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響/高塩顕 衣裳/藤井牧子 ヘアメイク/李賢一 演出助手/田中麻衣子 舞台監督/原田譲二 宣伝/る・ひまわり 宣伝美術・宣伝映像/トリプル・オー 宣伝写真/永石勝(トリプルオー) 制作協力/恒吉竹成(ノックス) 制作/笠原健一(ハウフルス) プロデューサー/熊谷信也(TBSテレビ) 主催・企画制作/TBS
【発売日】2008/12/06 7,500円(全席指定・税込)
http://www.sonoyoake.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:50 | TrackBack

2009年02月13日

【お知らせ】「CoRich舞台芸術まつり!2009春」概要発表!3/2(月)公募開始!

 一昨年、昨年に続いて今年も「CoRich舞台芸術まつり!2009春」が開催されます(⇒2007春、⇒2008春)。

 今年で3度目を迎えるこのフェスティバルの特徴は、審査員が全国どこにでも審査対象となる10公演を観に行くこと。グランプリ受賞団体には、次回公演資金として100万円が支援されます!

 作り手も観客も、皆んなで一緒に楽しみましょう!

 「CoRich舞台芸術まつり!2009春
 公募期間:2009年3月2日(月)~2009年3月23日(月)
 開催期間:2009年4月1日(水)~2009年6月30日(火)

Posted by shinobu at 20:49 | TrackBack

【情報】前田司郎脚本NHKドラマ「お買い物」2/14(土)21:00~22:15@NHK総合テレビ

 五反田団の前田司郎さんが初めてテレビドラマの脚本を執筆されたそうです。こりゃ必見かも!

 ●特集ドラマ「お買い物
  2009年2月14日(土)NHK総合 午後9:00~10:13

 【出演者】久米明 渡辺美佐子 市川実日子 山口美也子 山中聡 志賀廣太郎 宗近晴見 黒田大輔 後藤飛鳥 ふるごおり雅浩
 【作】前田司郎 【音楽】BANANA 【演出】中島由貴 【制作統括】遠藤理史

Posted by shinobu at 19:42 | TrackBack

2009年02月12日

G-up+タカハ劇団『GOD NO NAME』02/12-17駅前劇場

 高羽彩さん(タカハ劇団)を作・演出に迎えたG-upのプロデュース公演です。上演時間は約2時間。

 初日のせいもあってか、役者さんの息が合っていないように感じました。でもラストはじっくり楽しませていただきました。回数を重ねるごとに良くなるのではないでしょうか。

 ⇒CoRich舞台芸術!『GOD NO NAME
 レビューをアップしました(2009/02/15)。

 ≪あらすじ≫
 自殺者の増加を防ぐため、「いのちの電話」を設置した樹海の小さな村。自殺防止センターでは、村民が今日も鳴らない電話を待っている。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 自殺志願者として保護され、センターに住まわせてもらっていたきくま(初音映莉子)は、毎日せっせと肉料理をつくって奉仕しているようにみせかけて、実は若い男・尾根(多根周作)をかくまっていました。
 でも尾根は「自分の物語に結末をつけて欲しい(殺して欲しい)」ときくまに頼んで死んだ幽霊で、きくまは彼の死体の肉を調理していたのです。尾根の死体は樹海で発見されており、他殺事件として捜査中でした。

 幽霊と一緒に暮らしていたきくまですが、村のコミュニティーの崩壊をきっかけに自分の物語にも結末をつけようとします(包丁で自殺しようとする)。そこで一度も鳴ったことのなかった「命の電話」のベルが大音量で鳴り響き、きくまは手をとめて、電話に出ます。自殺志願者の助けを求める声がきくまの命を救うという結末は、とてもうまくできていると思いました。

 プレハブのような小屋の壁が照明で透けて、壁の奥にある樹海の森の影が映ります。部屋と樹海が重なり、過去の記憶(幻)と現実が溶け合う演出は重厚かつ鮮やか。

第19回下北沢演劇祭2009参加 G-up Back-up series タカハ劇団
出演:初音映莉子、柿丸美智恵(毛皮族)、野本光一郎(ONEOR8)、多根周作(ハイリンド)、山田伊久麿(EHHE)、三浦竜一(ピチチ5)、迫田孝也、渡邊とかげ(クロムモリブデン)、有馬自由(扉座)
作・演出:高羽彩 舞台監督:中野聡 舞台美術:稲田美智子 照明:吉村愛子(Fantasista?ish.) 音響:角張正雄 フライヤーデザイン:サノアヤコ Photographare:Atsuo Hashimoto Flower art:Michihiro Terai Model:atsuwo 舞台写真:足立聡 作詞・作曲:高羽彩 稽古場助手:細野舞 企画協力:嶌津信勝(krei inc.) 制作補:たけいけいこ 安田裕美 プロデューサー:赤沼かがみ 制作:G-up 企画・製作:G-up×タカハ劇団
【発売日】2009/01/11 前売 3,300円/当日 3,500円(全席指定) ペアチケット6,000円(G-up・タカハ劇団でのみ取扱い)
http://takaha-gekidan.net/

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Posted by shinobu at 23:13 | TrackBack

2009年02月10日

MONO『床下のほら吹き男』02/06-15吉祥寺シアター

 土田英生さんが作・演出・出演される、男性ばかりの劇団MONO(モノ)の第36回公演です。前回に続いて客演に女優さんを迎えた5都市ツアー。劇団の20周年記念なんですね。

 タイトルどおり、床下の嘘つきな人たちの、可笑しくて悲しいお話でした。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『床下のほら吹き男

 ≪あらすじ≫
 四人姉妹が暮らす古い日本家屋。廊下の足元の壁が一部はがれ、その奥に空洞が見えた。なんと床下に大きな空間が広がっていたのだ。長女(亀井妙子)がある建築会社に、その穴をふさいでもらうよう依頼するが・・・。
 ≪ここまで≫

 四人姉妹の会話にぎこちなさを感じ、冒頭は少々物語の中に入りづらかったのですが、のどかで優しい雰囲気と嘘が嘘を呼ぶ展開に、徐々に引き込まれていきました。
 建築会社の面々はMONOの劇団員の方々で、いつものムードでいつもどおりに笑わせてくださいます。「わかっているのに笑っちゃう」タイプの親しみやすい笑いが嬉しい。

 のんびり、おっとりした会話から、ぽこんと飛び出すハっと目をむくような事実。ほっこり笑って、じんわり傷ついて、悲しくなって、最後(ほんとの最後)は、自分では全く意味がわからないんだけど、ぶるぶると笑い泣きしてしまいました。

 ここからネタバレします。

 床下の空間に外へとつながる小さな扉があり、得体の知れない男(水沼健)が勝手に出入り(不法侵入)していたことが判明します。横山(など)と名乗るその男の、口からでまかせの嘘に翻弄されていく姉妹と建築会社の社員たち。
 インチキ・リフォーム会社であることは最初にわかりますが、社長(土田英生)が社員ら(奥村泰彦 尾方宣久 金替康博)を騙していたことが暴かれるのは、なんとも物悲しい。仲良しと評判の四人姉妹が、実は全く“仲良し”でなかったことがわかるのは、もっと息苦しい。

 黒い服ばかり着ている次女(山岡徳貴子)のキャラクターが強烈だと思いました。言うことは正論だし、一番しっかりしてそうなのに、末っ子(松田青子)が「中学生の時に4歳の私を殴った」と言っても「そんなの知らない」などと、簡単な言葉で何事でもないように言い返してしまいます。彼女のことが一番不可解で、その不可解さがリアルだと思いました。

 末っ子はいかにも現代っ子な人物造形で、つかみどころのなさに個性を感じました。でも声のトーンに変化がとぼしく、演技は信じづらかったです。次女の婚約者と付き合っていて、結局半年後もそのまま付き合ってるというのは、おマヌケさんで可愛いなと思いました。

 男性には積極的だと自分で言っていた三女(ぼくもとさきこ)ですが、実は自信もないし男性と付き合ったこともないのだと、気弱な建築屋(尾方宣久)に正直に告白するのが可愛らしいです。やっぱりありのままでいることが、人間そのものの美しさにつながるんだなと思います。でも「食事はチンジャオロースーとかでいいです」など、正直すぎても色気がなくなってダメなんですよね(笑)。短い会話の中に、嘘と本当(正直)の両方の効果(魔法)について書き込まれていたのが素敵。

 長女は両親の交通事故死は自分のせいだったと告白します。だから「妹たちが怖かった。全く愛してなんていなかった」と。半年後のエピローグでは、長年の夢だったダンサーを目指し、スペインへと飛んでいました。新しい世界に飛び込んでいる長女の姿を思い浮かべ、暗い床下から日のあたる外界が見えてきました。次女がピンク色の服を着るようになったことも、「人間は変わることができる」という希望が示されている気がしました。

 最後の最後は、近々取り壊される家の床下にて、冒頭と同様にほら吹き男(水沼健)の独壇場になります。「指が切れたんだけど、また伸びてきた」「実は私、一度死んでるんです」など、明らかすぎて笑うしかないような嘘を連発していきます。得意げに話す水沼さんを観ていて、なぜか涙がどっと溢れてきてしまいました。なぜなのかわからないままに、ただただボロボロと。「明らかに嘘だとわかる嘘のなんと可愛らしいこと。それに比べて、人間が無意識についている保身のための嘘が、どんなに醜くて、残酷なものか」と、とらえたせいかもしれません。

≪京都、東京、大阪、愛知、福岡≫ MONO第36回公演
出演:水沼健 奥村泰彦 尾方宣久 金替康博 土田英生 亀井妙子(兵庫県立ピッコロ劇団) ぼくもとさきこ(ペンギンプルペイルパイルズ) 松田青子(※前回は松田暢子として出演) 山岡徳貴子(魚灯)
脚本・演出:土田英生 舞台美術:柴田隆弘 照明:吉本有輝子 音響:堂岡俊弘 衣裳:權田真弓・ 大野知英 [iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA] 演出助手:磯村令子 舞台監督:藤吉成三 北澤佳奈子 宣伝美術:西山英和[PROPELLER.] 宣伝写真:平野愛(写真とプリント社) 舞台写真:谷古宇正彦 Web制作:写真とプリント社 制作助手:田平有佳 制作:垣脇純子・本郷麻衣 企画・製作・主催:有限会社キューカンバー
【休演日】2/10(火) 【発売日】2008/11/29 【全席指定】 前売 3,800円  当日4,000円 学生 2,800円 (前売・当日とも/MONOのみ取扱) ★2/6は割引料金→ 前売 3,300円 当日3,500円 学生2,300円
http://c-mono.com/

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Posted by shinobu at 16:01 | TrackBack

2009年02月09日

【シンポジウム】フェスティバル/トーキョー プレ・オープニング 国際シンポジウム『今日の文化を再考する-米国・フランス・日本の文化システムを巡って』02/04東京芸術劇場中ホール

20090204_ft_symposium.JPG
東京芸術劇場前

 いよいよ2/26(木)から開幕する「フェスティバル/トーキョー(F/T) 」の、プレ・オープニング国際シンポジウムに伺いました。平日昼間の4時間強という時間帯でしたが、ホールが満席(約800人)という大盛況。

 元フランス文化大臣ジャック・ラングさん、作家・ジャーナリストのフレデリック・マルテルさん(『超大国アメリカの文化力』著者)をフランスから迎え、とても充実した内容でした。

 ⇒「グローバル化時代の文化 仏の社会学者 フレデリック・マルテル氏に聞く」(朝日新聞)
 ⇒書籍「超大国アメリカの文化力―仏文化外交官による全米踏査レポート」(岩波書店のサイトから購入可能)
 ※英語訳の前に日本語訳が完成・発売。5年に及ぶ取材でのインタビュー人数は700人以上。

 「文化は生活に必要である」ということを、言葉で伝える努力をしなければと思いました。今さらですけど、楽しいとか面白いとか好きだとか、それだけじゃ説得力がないですよね。

 下記は、特に印象に残ったことです。私がメモしたことなので公式な内容ではありません。

 ■フレデリック・マルテル氏基調公演
 マルテル「フランスでは、映画のチケットの10%がフランス映画製作費の支援金になる。日本映画でもアメリカ映画でも、観ればフランス映画を支えることになる。今やフランス映画はアメリカ映画についで世界2位。※経済面でのランキングだと思います。」

 マルテル「フランスはアメリカのように、もっと多様性に好意的になっていい。フランスの人口の10%は移民(アラブ人、ベルベル人等)なのだから。私はボーイング機で来日したが、エアバスもある。日本の皆さんには自分が乗りやすい飛行機(文化政策)を選んでもらいたい。」

 ■ジャック・ラング氏基調公演
 ラング氏「日本人は日本文化を過小評価していると思う。映画、建築、演劇など(著名な日本人アーティストの名前を挙げる。⇒博識な方だと思いました)、私は日本人の皆さんに敬愛の念を抱いている。」

 ラング「文化・教育は資本の面でも良い投資である。文化の重要性を訴えたい。文化は必要であり、(?の)要請である。ニーチェが悲劇についての書物で語っていた。『ブルジョワのエリートにとって文化は飾りだろう。でも文化は、国民の魂であり、1つのシステムの基礎。社会の基盤である。』と」

 ラング「1985年から始まった経済危機の時に、私は文化予算を倍増させた。そして毎年ゆっくり確実に1%ずつ増やしていくことも約束した。特に困難な時代にこそ、そうすべきだ。クリエイティビティーを奨励し、地方分権化し、遺産を守ること。国全土で民主的な文化活動を奨励すること。危機だからこそ文化の重要性を信じる必要がある。若者、アーティスト、研究者の支援をすべき。芸術、文化、教育に最も良い地位を与えなければならない。」

 ■パネル・ディスカッション
  パネリスト(客席から向かって左より):根本長兵衛/外岡秀俊/ジャック・ラング/辻井喬/フレデリック・マルテル/平田オリザ

 辻井「日本はテレビ局、新聞社、デパートが文化を支えてきた。日本の政府と財界は世界的に見ると特殊。」

 平田「日本には2000を越える劇場がある。おそらく数は世界一(でも劇場らしい機能はしていない)。大阪大学の生徒は4万人もいるのに、心を鍛えたり豊かにする場所(劇場、コンサートホールなど)がない。公共ホールは芸術の知識がない人が管理・運営している(つまりうまく機能していない)。大学の方から劇場にアプローチして、劇場を機能させてはどうか。優秀な学生を公共の劇場に派遣するとか。日本は後発であることの利点を用い、他国に謙虚に学ぶべき。」

 平田「『トウキョウソナタ』という映画について。主人公はリストラされたサラリーマン。製造業の部門にいて、コミュニケーション能力に長けていないため、再就職ができない。日本人は7割がサービス業に従事するようになったのに、想像力、柔軟性を鍛え、コミュニケーション能力を高める教育を受けてこなかった。これは国の失政だろう。社会全体が考え方を変えなければならない時ではないか。大阪大学医学部では近い将来、演劇の授業を必修にすることを考えている。演劇ができないと医者になれないという時代が、もうすぐ来るかもしれない。」

 平田「アーティストが貧しいのはどこも同じ。ロンドンでも俳優の8割が俳優以外の仕事もしている。ただ、アメリカ、フランスにはそれぞれのシステムがあるけれど、日本にはシステム自体がない。日本が文化についての新たなシステムを構築するために、必要なことは2つあると思う。まずは政権交代。アーティストがなぜ芸術が必要なのかを具体的に語ってこなかったのも悪かったと思う。そうでないと税金も協力も得られなくて当然。そして地方分権にすること。文化教育の判断は各地域にゆだねること。」

 ラング「文化・教育こそ経済の鍵である。将来100倍になって社会に還元される。文化は生活に必需である。」
 平田「日本の公共事業といえば道路、橋、ダムだった。道路を音楽に、橋を演劇に、ダムを絵画に変えたらいい。費用だって道路や橋の10分の1、100分の1で済む。」
 平田「給付金用の資金2兆円の10分の1をまわせば、日本の文化予算は倍増しますよ(笑)。」

 ラング「オバマ大統領は政策に“芸術教育への再投資”を掲げている(関連ページ⇒)。チリの劇作家アリエル・ドーフマンが先日(どこかの新聞に)書いていた。『オバマは詩人の大統領である』と。社会の中の波紋を十分にキャッチして、人種・宗教の違いを超越して、州の違いも超越する、魔術師のような人物だ。彼は偉大なリーダーだ。」。

 マルテル「オバマ氏は自分の過ちを自分で正すことができるリーダー。今までにそんな米大統領がいたでしょうか(いないはず)。アメリカ人は(自分が何らかの間違いを犯したら)自分から間違ったと言い、自分で自分を正せるようになるだろう。」

 根本「平日昼間に大勢の方に集まっていただいた。文化に感心がある人がこれだけ多くいるのに、政治に結びつかないのはメディアのせいではないか。」

 司会は朝日新聞社編集委員の外岡秀俊さんでした。パネリストの方々にまんべんなく話を振って、重要な話題を引き出してくださいました。

 外岡「スロベニアの哲学者と話をした。彼いわく『1989年にベルリンの壁が崩壊して、世界は、これからは金融資本主義と自由主義の時代だと信じていた。しかしながら金融資本主義(←2008年10月)も自由主義(←2001年9/11)も崩れ去った。今はその空白を埋める価値観が求められている』とのことだった。」

日時:2009年2月4日(水)14時~18時過ぎ 
日本語/仏語 同時通訳つき 入場無料・要予約  *別途、同時通訳イヤホン使用料(1000円)がかかります。
基調公演:フレデリック・マルテル(作家・ジャーナリスト、『超大国アメリカの文化力―仏文化外交官による全米踏査レポート』著者)
パネリスト:ジャック・ラング(政治家・元フランス文化大臣)、辻井喬(詩人・作家)※、外岡秀俊(朝日新聞社編集委員)、平田オリザ(劇作家・演出家)、コーディネータ:根本長兵衛(本企画コーディネータ) ※「辻」はしんにょうの「、」が2つあるもの。
http://festival-tokyo.jp/event/sympo.html

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Posted by shinobu at 16:24 | TrackBack

【書籍】阿部和重著「グランド・フィナーレ」(講談社)

 『キラリ☆ふじみで創る芝居「大恋愛」』の頃に読んだのですが、『グランド・フィナーレTALKバトルにそなえてもう一度サラっと読み直しました。

グランド・フィナーレ (講談社文庫)
阿部 和重
講談社
売り上げランキング: 11174

 途中から、主人公の視点になって読み進められなくなるのは面白いです。登場人物で共感できる人、いなかった気がするな~。
 どうやって舞台化するのか想像つかないし、しかも音楽劇らしいので(笑)、なおさら楽しみです♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『グランド・フィナーレ

Posted by shinobu at 14:59 | TrackBack

オリガト・プラスティコ『しとやかな獣(けだもの)』01/29-02/08紀伊國屋ホール

 川島雄三監督の同名映画(1962年公開)をケラリーノ・サンドロヴィッチさんが演出されます。オリガト・プラスティコはケラさんと広岡由里子さんのユニットです。

 紀伊國屋ホールで観るのにとてもしっくりくるお芝居でした。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『しとやかな獣

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより。改行を一部変更。
 強欲な一家としたたかな悪女の壮絶バトル- 川島雄三監督の名作に鬼才・KERAが挑戦!
 オリガト・プラスティコは私と広岡由里子のユニットであり、この度とりあげる「しとやかな獣」は、1962年の正月映画として公開され、大コケした、川島雄三監督最後から二番目の超傑作映画である。これまでに(私が知っているだけでも)二度ほど舞台化されている。団地の一室を舞台に、呆れるにも程がある四人家族と、彼らを取り巻くクズ人間どもが織り成す真性ブラック・コメディ。既にこんなにも面白い脚本が用意され、加えてキャストがご覧の通りとくれば、公演の成功はこれ、約束されたも同じじゃないか。 (演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ)
 ≪ここまで≫

 昭和の団地の1室であることがよくわかる美術でした。舞台の中心になるのは居間で、その上部に灰色の外壁や、廊下が建てられています。
 脚本は新藤兼人さん(wikipedia)が書かれたもので、しっとりと懐かしい日本語でした。「わたくしは~~~ですのよ」とか。衣裳もレトロなムードでちょっとタイムスリップした気分。妹役のすほうれいこさんの赤いドレスが可愛かった~!

 東京公演は終わっていますが新潟、大阪公演があります。映画を観てからでも(内容を知っていても)問題なさそうですが、何も知らなくてもストーリーは楽しめるのではないでしょうか。
 残念ながら私は役者さんの演技に硬さを感じて少々退屈で、存分に楽しめたとは言えないのですが。近藤公園さんが面白かったです。

 ここからネタバレします。

 メインとなる四人家族(父・母・長男・長女)は詐欺師集団でした。でも長男(近藤公園)が肉体関係を持った勤め先の会計係の女(緒川たまき)は、どろぼう一家よりも一枚上手のようで・・・。

 上手のふすまが照明で透けて、向こうの部屋にいる役者さん(盗み聞きしている妹など)が見えたり、「そんなところには普通はカーテンなんかないよ!(笑)」って突っ込みたくなる位置にある、大きなカーテンを使った演出が楽しかった。照明を暗くした独白シーンも演劇らしかったです。上手上部に作られた階段部分(飛び降り自殺しようとする税務署員の演技などが見られる)も良かった。

≪東京、新潟、大阪≫
出演(役…役者):浅前田時造…浅野和之 前田よしの…広岡由里子 香取一郎(芸能プロ社長)…佐藤誓 三谷幸枝…緒川たまき ピノサク…山本剛史 前田実・‥近藤公園 前田友子…すほうれいこ 吉沢駿太郎(作家)…大河内浩 ゆき(パーのママ)…吉添文子 神谷栄作(税務署員)…玉置孝匡
脚本:進藤兼人  演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 美術:中根聡子/照明:漬水利恭/音響:藤田赤目/衣裳:前田文子/舞台監督:久保勲生/ヘアメイク:大和田一美(APREA)/演出助手:相田剛志/音響オペレーター:富田聡/衣裳助手:山本有子、森田恵美子(東京衣裳㈱)/映像:荒川ヒロキ(&FICTI0N!)/振付:金崎敬江(picoLoop%) 大道具:C-COM舞台装置/小道具:高津映画装飾 宣伝美術:坂本志保/宣伝写真:三浦憲治/宣伝スタイリスト:兼田サカエ/宣伝ヘアメイク:大和田一美(APREA)、倉田正樹 制作助手:岩波信江、寺地友子/制作・プロデューサー:大矢亜由美 主催・製作:(株)森崎事務所M&Oplays
http://www.morisk.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:54 | TrackBack

2009年02月08日

桃園会『電波猿の夜~A night of Denpasar~』02/06-11ザ・スズナリ

 深津篤史さんが作・演出・劇団プロデュースを手がける桃園会の新作です。タイトルの“電波猿”は“でんぱさる”と読みます。桃園会の公演を観るのは何年ぶりかしら。とても久しぶり。

 今回は難解らしいと聞いたので、心して拝見したのですが、ん~・・・何もわからなかったかも(汗)。ごめんなさい。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『電波猿の夜

 迷彩柄の壁が三方から囲むステージ。中央に二段ベッド。壁の下部分は空いていて、人が這って手前と奥を行ったり来たりできるのが面白かったです。

 抽象美術で、セリフもどうやら日常的なものではなく。突然得体の知れないものが出てくるし。なんとか想像力を駆使してついていこうとしたのですが、どこに注目していいのかがつかめなかったです。散漫なままで感じ取るだけでもいいとは思うのですが、興味が持続しませんでした。

 役者さんはどこまでセリフの意味を理解して、何を考えて(何を考えないで)しゃべっているのかな~と、探るような気持ちで見ることになりました。バラバラな感じがいいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は表現の中にコレだという核になるものが感じらないまま、集中できず。根性が足りなかったかも。

 ここからネタバレします。

 見るからにヤモリな衣裳のヤモリと“私”が会話する時点で、非常に象徴的な演劇なのだろうなと思って拝見。

 “でんぱさる”はバリ島の州都デンパサールのことでした(⇒ププタン広場での集団自決)。私が生きる日常の裏に、同時に誰かの生きる世界がある。その間の壁はたぶん自分が勝手に作って、勝手に越えられないと思っているのでしょう。

 最後に“彼女さん”と“私”だけが残ります。徐々に色を変えながら明るく舞台全体を照らしていく照明がかっこ良かったです。

≪大阪、東京≫
出演:亀岡寿行 はたもとようこ 紀伊川淳 森川万里 橋本健司 長谷川一馬 川井直美 寺本多得子 ●オーディションより選抜キャスト:岡本大輝(劇団さざんか) 阪田愛子(劇想空飛ぶ猫) 林いくみ よこえとも子(てんこもり堂) 渡辺香奈子
脚本・演出:深津篤史 舞台美術:池田ともゆき 舞台監督:河村都(CQ) 音響効果:大西博樹 照明効果:西岡奈美 宣伝美術:白沢正 演出助手:森本洋史 イラスト:山田賢一 宣伝美術:白沢正写真:白澤英司 写真撮影:白洋英司 ビデオ:西本和彦 衣装:畠本陽子 制作協力:尾崎雅久 制作:挑園会 主催:桃園会
【発売日】2008/10/25 一般前売 3,000円、学生前売2,000円 一般当日 3,300円、学生当日2,300円 ペア 5,000円(ペア券は劇団前売・予約のみ扱い) *早割り 各公演1カ月前までに予約・購入の場合前売価格よりさらに200円引き。 *リピーター割引き 2回以上観る場合、1回目のチケット半券呈示で一律1,500円に割引き。
http://www.toenkai.com/index.htm

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:47 | TrackBack

スロウライダー『クロウズ』02/07-15 THEATER/TOPS

 山中隆次郎さんが作・演出されるスロウライダーの最終公演です。上演時間は約1時間50分。

 テレビゲーム的なB級ホラーSFの世界を具象で作り上げ、演劇らしい演出と生々しさも堪能できる快作でした。社会風刺も効かせてユーモアもたっぷり。最初から最後までそれらの“狙い”に唸らせられながら、わくわく楽しく拝見いたしました。音が鳴っただけで笑ったりも(笑)。前知識なしでご覧になると一層楽しめるのではないかと思います。

 前売3,500円のところ平日夜は3,200円とお得です。初日(前売2,500円)は早々に完売で満席でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『クロウズ
 レビューをアップしました(2009/02/09)。

 冒頭シーンからいきなりハラハラわくわくの危険世界にどっぷり!凝った音楽であざとく(笑)盛り上がりを演出する、狙いを定めたチープさがかっこいい!

 ウィルス感染者と非感染者との対立を軸に、それぞれのコミュニティ内のドラマ(家族愛、恋愛、友情、仲間割れ、差別など)にも触れながら、隔離された島での小さな戦闘をリアルに描きます。役者さんも演技は非常事態の人間の熱を表現しつつ、ちゃんと冷静さもあってとても良かったです。

 登場人物は極端に弱くて、だらしなくて、醜い人間たちばかりなのに(笑)、みんなにとても愛嬌がある。それでいて、グサっと刺さるようなブラックユーモアがあちこちに散りばめられていたのも、すごく好きでした。

 ここからネタバレします。

 健常者はゾンビ(感染者)に噛まれると、一度死んでゾンビとしてよみがえる。ゾンビは体が腐敗し切らない限り、銃で打たれても死なない。人肉がゾンビの体に良いらしく、食べたら元気になる。平和的なコミューンを形成するゾンビ集団(クロと呼ばれる)は、人道にもとることなく(ゾンビなんだけどね)、芸術創作をしながら心安らかに暮らそうとしていた。
 しかし、クロたちに防腐剤を作ってくれる元女医ウロコ(大村彩子)が、ゾンビ駆逐を企てる健常者たちによって拉致されたことから、生死を賭けた戦闘が始まる。

 ゾンビは白い顔に赤や青なども加えた“ゾンビ”メイクで、常にふらふらヨロヨロしています。ゾンビを演じる役者さんは大変そうだけど、健常者との対比が見るからに鮮やかなので面白いです。
 最初に登場したゾンビが凶暴なヤフー(芦原健介)だったので、人間(善)VSゾンビ(悪)を描くのかと思いきや、穏やかなリーダー格のゾンビ・サトル(池田ヒロユキ)らが登場して、世界は一変。ヨロヨロしたゾンビたちの日常会話が、ほんわかしていてサイコーに可笑しかった。

 ゾンビになったばかりの県職員・湊(數間優一)だけに見える過去の自分の幻(田中慎一郎)が、舞台上に登場しました。独白する幻にスポットライトが当たるのが可笑しかった。他にも、ゾンビ埋葬屋(高見靖二)らが立てこもる小屋の壁がはずれて部屋の中が見えるようになるなど、演劇ならではの“嘘”を観客も一緒になって信じて、楽しめて良かったです。
 そういえば最初の稲光の照明が効果的で、でもリアルすぎて笑ってしまいました(そこまでするか!?って・笑)。

 アート作品を創作するゾンビたち(シトミマモル&池田ヒロユキ)の拠点の名前はアジルジマ・モンパルナス。それってラパン・アジルから来てますよね(笑)。防腐剤の名前がチクロンB(Wikipedia)っていうのも・・・(苦笑)。
 サトルが作り上げた傑作の壷が、ちゃらちゃらしたセレブ女に落とされて割れるというてん末にも爆笑しました。思い通りにはならないものですよね、人生。きれいに生きるなんて不可能だ。

 最後に舞台上に残ったゾンビが湊(數間優一)とヤフー(芦原健介)だったのが微笑ましかったです。お2人が劇団員なんですよね。スロウライダーは解散だけどゾンビとして生き残ってるよ、みたいな。腐敗してすぐ死んじゃうかもしれないけど・・・(笑)。

出演:大村彩子、中川智明、岡村泰子(きこり文庫)、池田ヒロユキ(リュカ.)、星耕介、シトミマモル、高見靖二(チャリT企画)、田中慎一郎、吹田早哉佳、中川鳶、徳橋みのり(ろりえ)、奈実、芦原健介、數間優一
脚本・演出/山中隆次郎 舞台美術/田中敏恵 照明/伊藤孝(ART CORE design) 音響/中村嘉宏 音楽/山野井譲・佐藤こうじ(SugarSound) 舞台監督/西廣奏 演出肋手/田中慎一郎 駒橋誉子 メイク/篠本尚紀 宣伝美術/上田大樹(&FICTION!) Web運営/栗栖義臣 記録・映像/トリックスターフィルム グッズ製作/YogurtWear 票券/スギヤマヨウ(制作集団QuarterNote) 制作補/迫田智哉(feblabo) 制作協力/斎藤努 企画・製作/スロウライダー
【発売日】2009/01/10 前売3500円 当日3800円 初日2500円(劇団予約のみ) 平日3200円(劇団予約のみ)
http://www.slowrider.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:53 | TrackBack

2009年02月07日

【お知らせ】2/11(水・祝)夜の「キラリ☆ふじみ芸術祭・TALKバトル」に出演します!

 メルマガ2月号でもお知らせしましたが、『キラリ☆ふじみで創る芝居「グランド・フィナーレ」』の公演期間中に開催される、TALKバトルに出演します。

 ●「キラリ☆ふじみ芸術祭TALKバトル」⇒芸術祭公式サイト
 日時:2009年2月11日(水曜・祝日)18:00~19:30
 出演:生田萬/富永まい/岩井秀人/多田淳之介/田上豊/白神ももこ/徳永京子/高野しのぶ/他
 料金:500円(芸術祭のどちらかの演目のチケットをお持ちの方は無料)

 2/11(水・祝)14:00開演の『グランド・フィナーレ』を拝見してから、トークに参加させていただこうと思っています。キラリンク☆カンパニーの皆さんも出演されますので、よかったらいらしてください♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『グランド・フィナーレ

Posted by shinobu at 14:52 | TrackBack

【写真レポート】フジテレビジョン/Studio Life/銀河劇場「『フルーツバスケット』製作発表会見」02/05フジテレビ湾岸スタジオ多目的ホール

20090205_fruitsbasket.JPG
『フルーツバスケット』製作発表

 高屋奈月原作の人気少女漫画『フルーツバスケット』が、男性のみのキャストで舞台化されます。台本・演出はStudio Lifeの倉田淳さん。⇒オーディション情報・原作紹介

 メイン・キャスト18人が勢ぞろいした記者発表に伺いました(Studio Lifeの製作発表⇒)。⇒WEBデビュー

 ●フジテレビジョン/スタジオライフ/銀河劇場『フルーツバスケット』
  期間:2009年2/26(木)~3/8(日) 会場:天王洲 銀河劇場
  お問合せ:グラフィックノベル・プロダクション TEL03-3319-2389 (スタジオライフ内)
  ⇒公式サイト ⇒出演者動画
  ⇒2月14日(土)、15日(日)に東京ビッグサイトでイベントあり。
  ⇒CoRich舞台芸術!『フルーツバスケット

 ↓前列左から岩﨑大、曽世海司、三上俊、上山竜司(RUN&GUN)、米原幸佑(RUN&GUN)
fruitsbasket_all1.JPG

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 "交通事故で家族を失い、訳あってテントで暮らす女子高生・本田透。ひょんなことから家事の腕を買われ、同級生で王子様的存在である草摩由希の家で居候することになる。ところが、草摩家の一族は重大な秘密を抱えていた。それは異性に抱きつかれると十二支の動物に変身してしまうという呪いだった。
 明るくひたむきに生きる少女と、悲しき宿命を背負った一族の触れ合いを描く心温まるヒューマン・ストーリー。
 ≪ここまで≫

fruitsbasket_mikami.JPG
三上俊さん
 衣裳を白いシャツで揃えた若い男優が18名。会場はさわやかで初々しいムードでした。  ヒロイン本田透(ほんだ・とおる)を演じるのは、スタジオライフの三上俊さん。『死の泉』での三上さんのドレス姿は、誰が見ても可憐な女性でした♪ 

 三上「最後には、思わずほほんで帰ってもらえるような作品にしたい。」

 作・演出の倉田淳さん「“もののけ”が象徴するのは、私たち人間が心の中に抱える闇の部分だと思います。もののけに取り付かれた草摩家の人々は、(他人とはもちろん)生みの親との関係さえうまくいっておらず、それは現代社会の状態に酷似しています。彼らは自分の中の、人に知られたくないダークな部分を含めて、受け止めてくれる人を求めている。そこに(彼らと同じく)痛みを抱えた女子高生・透が現れ、うまく感応し合えるようになる。
 『フルーツバスケット』には、私たちが出会いたいすべてのものが詰まっていると思いました。キャストの皆さんは、はつらつと若く存在してくれていて、稽古場は活気に満ちています。歌とダンスも盛り込んだ、心の琴線に触れる舞台にしたい。」

↓前列左から舟見和利、岩﨑大、曽世海司、三上俊。後列右から松本慎也、荒木健太朗
fruitsbasket_studiolife.JPG

 劇団代表・河内喜一朗さん「男性向けのマンガ(劇画)と少女漫画は違うのだということを、『フルーツバスケット』を読んで初めて気づきました。劇画は描かれた絵を読みますが、少女漫画は絵の向こう側を読んではじめて本当に味わえる。『フルーツバスケット』は向こう側を読むことができ、すごく面白かった。原作に負けない芝居を作りたいと思っています。
 河内「愛情には賞味期限はない。傷ついた方に、心のエネルギーを補填していただきたい。」

↓前列左から上山竜司(RUN&GUN)、米原幸佑(RUN&GUN)、真山明大。後列左から松本慎也、吉田隆太、藤原啓児
fruitsbasket_run%26gun_mayama.JPG

 女の子のような高くて澄んだ声のSHOWTA.さんが、スタジオライフについてこんな感想をおっしゃっていました。
 SHOWTA.「昨年スタジオライフの作品を観た時は、(それが)重たいテーマだったのもあって、きっと稽古場は厳しい他は何もないのだろうと想像していた。実際とてもへこむこともあるけれど、みんながいるので前を向けると思えた。歌を歌う時はいつも1人。でも稽古をやるにつれて仲間っていいなと思うようになった。今は稽古場から家に帰るのがつらい。できることならずっと稽古場にいたい。SHOWTA.を温かく迎えてくださって感謝しています。」

 ↓前列左から加藤義宗、舟見和利、岩﨑大、曽世海司、三上俊、上山竜司(RUN&GUN)、米原幸佑(RUN&GUN)、真山明大、青木隆敏
 ↓後列左から鈴木聡、古川洋介、SHOWTA.、内山翔人、荒木健太朗、松本慎也、吉田隆太
fruitsbasket_all2.JPG

 真摯に美しさを求める劇団独自のカラーに、スタジオライフ初出演の客演陣、そしてオーディション合格メンバーが初々しい風を吹き込んでくれそうです。元気はつらつで、明るく楽しい音楽劇を期待しています。倉田さんが“もののけ”をどう演出されるのかも楽しみです。

ストロベリー・チーム、チェリー・チームのダブルキャスト公演。
出演:上山竜司(RUN&GUN) 米原幸佑(RUN&GUN) 真山明大 加藤義宗 内山翔人(オフィス斬) SHOWTA.古川洋介 鈴木聡(M&Sカンパニー) 曽世海司 岩﨑大 舟見和利 青木隆敏 荒木健太朗 松本慎也 三上俊 吉田隆太 藤原啓児 河内喜一朗 他
原作:「フルーツバスケット」高屋奈月(白泉社刊) 脚本・演出:倉田淳 主催:フジテレビジョン/スタジオライフ/銀河劇場
お問合せ: グラフィックノベル・プロダクション TEL03-3319-2389 (スタジオライフ内)
1月17日(土)~好評発売中[一般・前売・当日] S席6,900円/A席5,600円/B席4,900円(税込)[ウィークデイマチネ料金] S席4,500円/A席4,000円/B席3,500円(税込) ※未就学児のご入場はご遠慮ください。
http://wwwz.fujitv.co.jp/events/furuba/index.html
http://www.studio-life.com/stage/furuba/index.html
http://www.gingeki.jp/special/fruba.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:35 | TrackBack

2009年02月06日

ピーピング・トム『Le Sous Sol/土の下』02/05-07世田谷パブリックシアター

 ピーピング・トムはベルギーのコンテンポラリー・ダンス・カンパニーです。「凄いらしい」という噂を耳にして、急遽前日夜に当日券を買って伺いました。⇒TICKETS@TOKYO

 3階席だったので、作品の概要(外郭)はわかったけれど詳細は味わえなかった気がします。でも外郭だけでも刺激的で面白かった。上演時間は約1時間10分。タイトルの日本語読みは『ル・ス・ソル』。

 ⇒プロモーション映像
 ⇒CoRich舞台芸術!『Le Sous Sol/土の下

 ダンス作品だけど踊りだけじゃなくて、演出が雄弁です。セリフや歌もあります。土の上で激しく踊る振付は示唆に富み、技術の面でもあっと驚くものでした。官能的で、残酷で、とてもユーモラス。

 鑑賞後に知人と感想を話し合ったら、それぞれに受け取るものが違っていてすごく面白かったです。でも生、性、死は全員にしっかり伝わっていたみたい。

 ここからネタバレします。

 土に埋もれた部屋。ソファやテーブルの足が土で見えない。2階は外。地面があって木が生えているので、どうやら1階は地下室らしい。老婆がお別れのキスを受けている。白衣の看護士らしき女性もいる。となると、ここは病院?それも終末医療の気配。三途の川を渡る直前かしら。

 若い女1人と若い男2人が踊るのを、老婆と歌う女(看護士みたいな)が見守る。股間をセックス中のようにひっつけて、頬もひっつけて、そのままぐるぐると回転して踊り続ける。これが凄かった。

 老婆が人生を振り返り、最後は再び赤ん坊になって生まれ変わる?

≪東京、岐阜、長野、兵庫≫ Peeping Tom "Le Sous Sol"
ピーピング・トム:ガブリエラ・カリーソ(振付家・ダンサー)/フランク・シャルティエ(振付家・ダンサー)/サミュエル・ルフーヴル(振付家・ダンサー)/マリア・オタル(俳優・ダンサー)/ユルディケ・デ・ブール(メゾ・ソプラノ歌手)
出演:ピーピング・トム 角田玲子、小林安守 ●玉勲 鶴田よし子 水上芙佐子 渡辺洋子
演出:ピーピング・トム 主催:財団法人せたがや文化財団 [企画・制作]世田谷パブリックシアター
【発売日】2008/11/23 全席指定 一般:5,000円 TSSS:2,500円 ペアチケット:9,000円 友の会会員割引:4,500円 世田谷区民割引:4,700円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/02/le_sous_sol.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:22 | TrackBack

メジャーリーグ『ちっちゃなエイヨルフ』02/04-15あうるすぽっと

 大好評だった『野鴨』につづき、庭劇団ペニノのタニノクロウさんがイプセン戯曲を演出されます。稽古場レポートを書かせていただきました。

 勝村政信さん、とよた真帆さんら少数精鋭の豪華キャストによる、シンプルながら非常に濃密な会話劇でした。役者さんが1対1で向き合い、心のすみずみまで開けっぴろげにして戦う様をつぶさに見つめた、充実の約2時間5分。素晴らしかったです。

 ⇒稽古場レポート
 ⇒CoRich舞台芸術!『ちっちゃなエイヨルフ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。(役者名を追加)。
 ノルウェーの片田舎。
 この町の有力者の娘リタ(とよた真帆)と学校の教員でもあり、作家でもあるアルメルス(勝村政信)には、足がビッコの9歳の息子エイヨルフ(星野亜門or田中冴樹)がいる。2人は、息子の家庭教師を、アルメルスの腹違いの妹アスタ(馬渕英俚可)に頼んでいる。また、このアスタの事を好きな近所の土木技師ボルクハイム(野間口徹)は、アスタに会うため、よくこの家に顔を出す。
 ある日、鼠ばあさんなる、ネズミ駆除を請け負う老婆(マメ山田)が、「厄介ものはいないか、厄介ものは、あたしが駆除してさしあげよう。」と、この一家を訪れる。一家は気味悪がるが、エイヨルフは、まるでハーメルンの笛吹きのように、この老婆について行き、海でおぼれ死んでしまう。
 かくして、このドラマは、ベールがはがされ、一気にそれぞれの内面が露出していく。
 ≪ここまで≫

 最初は、気持ちを素直に吐露する簡潔なセリフと、役者さんの緻密で無理のない演技を頼りに、登場人物それぞれの性格や生活背景などを頭に入れていきました。そしてある事件が起こって以降は、真正面からぶつかり合い、激しく揺れ動く4人の男女それぞれの気持ちを目の当たりにし、涙がほろほろと流れっぱなし。

 イプセンって凄いと思いました。そして今さらですが、演劇って素晴らしいと思いました。戯曲は今生きている人間が読み、心と体を動かすことで、はじめてその本来の姿を現します。つまり演劇は、上演されなければその真実の姿をつかめない、とても贅沢で、正直な芸術だと思います。
 『ちっちゃなエイヨルフ』(1895年初演)をとにかく読んで、読んで、穴が開くほど読んで、舞台化してくださったことに感謝します。100年以上前に書かれたイプセンの言葉を、借り物じゃなく、コピーじゃなく、本物として味わえたように感じました。

 わがまま放題の少女のようなとよた真帆さんに、すっかり見とれてしまいました。自然で飾らないたたずまいが魅力的。
 勝村政信さん演じるアルフレッドは、堂々としているし賢そうなのに、言動・行動を見てみると相当なダメ男(笑)。とても人間らしいと思いました。
 馬渕英俚可さんはずっと心が開いているように見えます(私だけかもしれませんが)。無防備で勇敢な、か細い身体が美しい。
 野間口さん演じるボルクハイムは、最初はいかにも部外者のふてぶてしさがあり、徐々にアルメルス一家の中へと入っていくのが面白かったです。

 ここからネタバレします。

 馬渕英俚可さんと野間口徹さんの、プラトニックながらも激しい(心の)ラブシーンが素敵。見つめ合う2人。どちらも妥協しない。

 変化の法則から逃れられない人間。でも、それは「人間は変化することができる」という意味でもありますよね。ちっちゃなエイヨルフの死が意味のあるものになって、大きく見開いた目が慰められますように。

出演:勝村政信、とよた真帆、野間口徹、馬渕英俚可、マメ山田、星野亜門(Wキャスト)、田中冴樹(Wキャスト) ※星野亜門さんの回を拝見。
作:ヘンリック・イプセン 上演台本・プロデューサー:笹部博司 演出:タニノクロウ(庭劇団ペニノ) 美術:朝倉摂 照明:山口暁(あかり組) 音響:天野高志(OFFICE my on) ピアノ演奏:天野高志 衣裳:友好まり子 ヘアメイク:武井優子 演出助手:伊藤栄之進 舞台監督:加藤保浩 宣伝写真:園田昭彦 宣伝美術:采澤聰 営業:大島佳奈(メジャーリーグ) 制作:千葉裕子(る・ひまわり)プロデューサー:笹部博司 共催:(財)としま未来文化財団 主催:メジャーリーグ 
【発売日】2008/10/25 全席指定 6,500円(税込み) *未就学児童のご入場はご遠慮下さい。
http://www.majorleague.co.jp/stage/eyolf/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:07 | TrackBack

2009年02月05日

劇団フライングステージ『「ジェラシー ~夢の虜~」「ミッシング・ハーフ」2本立て公演』01/24-02/01駅前劇場

 関根信一さんが作・演出・出演される劇団フライングステージの、同一美術での2本立て公演。新作『ジェラシー ~夢の虜~』は『ミッシング・ハーフ』の前日譚とのこと。

 『ミッシング・・・』初演がすごく面白かったので(2006年サンモールスタジオ最優秀作品賞・同女優賞受賞〔関根信一〕受賞作です)、両方伺いました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ジェラシー ~夢の虜~

■『ジェラシー ~夢の虜~』(1/26夜)

 汚しを入れた白い壁と、濃い茶色の柱と扉。シックな装置です。ピンクのソファが可愛い。座わってみたい(笑)。

 私は『ミッシング・ハーフ』と比べる視点にならざるを得ないのもあって、いろんな面での粗さが目に付いてしまい、「2本立て公演って大変なんだろうな~・・・」と、観てる最中に気になっちゃいました。作・演出・ほぼ主演をこなす関根さんが、ものすごいセリフ量。

 男装の麗人・川島芳子を高山奈央子さんが堂々と演じ、長いセリフにも余裕が感じられました。美しい上に男性にも見える人じゃないとできないので、選ばれた人の役ですよね。チャイナドレスがセクシーで、駅前劇場が狭く感じました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:小林靖弘(現シアターガイド編集長)、鈴木理映子(前シアターガイド編集長)、関根信一

 例えば男が女を演じていることがあきらかにわかるので、果たして観客はどのように受け取るのか、など。「見られる」ということについてのお話が面白かった。


■『ミッシング・ハーフ』(2/1夜)

 再演千秋楽は円熟味を感じさせる完成度でした。大門伍朗さんが何役も演じるのを観客もすすんで楽しむムードで、お芝居の幸せを実感。再演っていいですね~。

 初演の森川佳紀さんも素敵でしたが、日下部そうさんも個性があって面白かったです。ひょうひょうとしながらも弱弱しい空気が漂い、女心(母性本能?)をそそるのかも(笑)。

 映画「モロッコ」が観たい。こんなに愛される映画は幸せだし、そんな映画を心の中に持っている人(関根さん)がうらやましくもなりました。

劇団フライングステージ第33回公演
『ジェラシー ~夢の虜~』出演:高山奈央子(KAKUTA)、日下部そう(ポかリン記憶舎)、関根信一(フライングステージ)、石関準(フライングステージ)、岸本啓孝(フライングステージ)、相楽満子(青年劇場)、加藤裕(クロカミショウネン18)、遠藤祐生、岡田梨那、藤あゆみ
『ミッシング・ハーフ』出演:日下部そう(ポかリン記憶舎)日下部そう(ポかリン記憶舎)、関根信一、大門伍朗
作・演出:関根信一 美術/小池れい 照明/黒尾芳昭(Azure) 音響/はらことり 舞台監督/イワヲ 衣裳/中西瑞美 振付/清水美弥子 中国語指導/シム チュン キャット 宣伝美術/宝田朝(office regina) 舞台写真/サトウカオル 大道具/王様美術 小道具/高津装飾美術株式会社 印刷/東京書籍印刷株式会社 撮影/TRICKSTAR FILM 助成/芸術文化振興基金 制作協力/早瀬知之・水月アキラ 制作/坂田厚子 制作統括/樺澤良 企画・製作/劇団フライングステージ
【発売日】2008/12/14 前売3,500円/当日3,800円
http://www.flyingstage.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:25 | TrackBack

【雑誌】ザ・ビッグイシュー112号にクロムモリブデン!

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ビッグイシュー112号

 愛読している雑誌THE BIG ISSUE日本版112号(2/1発売)にクロムモリブデンの記事を発見! 嬉しかった~♪
 『テキサス芝刈機』の劇評です(執筆者:中島さなえさん。2008/11/14観劇。)↓

20090204_the_big_issue112.JPG

 私はいつも同じ販売員さんから買っていまして、今回は透明ビニールの入れ物に入れてくれていました。そしたら中にお手紙が!コピーだったけど、「大切なお客様へ」と書かれていて・・・もう、電車で泣きそうになっちゃいましたよ(涙)。今から考えると、はさんだ手紙が落ちないようにビニールが必要だったんですね。

 また駅に行く時に会えるかもしれないから、お礼を言わなきゃ!

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:41 | TrackBack

2009年02月03日

【ワークショップ】芸団協・新国立劇場NNTドラマスタジオ「現役俳優ワークショップ~リフレッシュコースのためのお試し2日間」03/09-10芸能花伝舎

 2006年度より、芸団協新国立劇場との共催で行われている俳優ワークショップ情報です。講師は池内美奈子さん。2日間で受講料15,000円のこの機会にぜひお試しを。

 【申し込み方法】所定の用紙に必要事項を記入し、顔写真を添えて、2月25日(水)までに郵送して申し込み。書類選考のうえ、3月2日(月)までに参加の諾否を連絡。

 ⇒詳細は公式サイトでご確認ください。
 ⇒「リフレッシュコース」で過去ログ検索した結果

Posted by shinobu at 15:42 | TrackBack

【参加団体募集】「シアタートラムネクスト・ジェネレーション vol.2」※応募期間は02/09-27(面接あり)

 世田谷パブリックシアターが、昨年夏の募集選ばれた快快FUKAIPRODUCE羽衣とともに「シアタートラムネクスト・ジェネレーション vol.2」に参加する団体(1団体)を募集しています。 

 ⇒「シアタートラムネクスト・ジェネレーション vol.2」参加団体募集情報
 応募期間:2009年2月9日(月)~27日(金)午後5時まで。面接(ヒアリング)あり。
 面接予約方法:担当者に電話をして、日程を予約してください。

 「シアタートラムネクスト・ジェネレーション」(関連レビュー⇒)は若手カンパニーの登竜門として、観客および演劇関係者から熱い注目を浴びています。応募資格、参加条件等をよく読んで、該当する団体にはぜひ応募していただきたいです。

Posted by shinobu at 11:21 | TrackBack

2009年02月01日

青年団リンク・髙山植物園『天の空一つに見える』01/23-02/01アトリエ春風舎

 髙山さなえさんが作・演出を手がける青年団リンク・髙山植物園の4年ぶりの新作です。私は劇団公演は初見。以前に脚本提供された公演を観たことがあります。

 女相撲の稽古場で、男と女の本音がじんわり吹き出してくる現代口語ファンタジー。終盤の意外な演出に泣いてしまった。上演時間は約1時間20分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『天の空一つに見える

 ≪あらすじ≫
 体操着にまわしを付けた女たちが、土俵で相撲の稽古をしている。親方(小河原康二)とその妹たちが到着した。今日が、親方の妻、つまりおかみさんの四十九日が開けて始めての稽古なのだ。
 ≪ここまで≫

 日常会話が続くいわゆる現代口語劇かと思いきや、役者さんはけっこう装飾のついたしゃべり方もしていて、じわじわと架空の世界の空気が満ちてきました。

 ジェンダーの問題を焦点に置いた脚本でした。現代日本では女性の社会進出は著しいですが、女性蔑視は根強く残っているし、女性も「女の武器」を使っているし。女が上ることが許されていない土俵の上で、じたばた、ドタバタする男女の姿が、私にはとても身近に見えました。あの稽古場(空間)は、もろくて弱弱しい、いずれ消えてなくなるのであろう、柔らかいユートピア。もがく女たちが悲しくて、いとおしくて、涙が流れました。

 よわっちい親方(小河原康二)が可愛い。ひげもじゃの夫(永井秀樹)がセクシー。

 ここからネタバレします。

 「口から血が出るのは不浄だ」という考え方が、仏教にあるんですね(脚本より)。つまり「女=不浄」ということで。女人禁制とかよく言いますものね。私は、古代の男が女を押さえつけるために考え出した悪知恵(というか苦肉の策)だと考えるタイプでして、「あぁ、そういう考えの人、今だにいるよね~」ぐらいに軽くとらえていました。でも内舘牧子さんが本に書いてるというのには驚き。信じる人いるんですねぇ。私が浅はかなのかな。

 土俵で踊り出すのがすごく可笑しかった。男社会に乗り込んでいく女性ってあんな風に見えることがあるんだろうと思いました。実際、ああいうことやってる人、いますよね。

 それぞれが本音とプライベートを露呈するはめになって、ひととおり話した後、いきなり演出が変わって驚きました。詩のようなセリフを大きめの声で叫ぶように語り出す、相撲取りたち。お好みは分かれるところだと思いますが、私には、ダメだとわかっててもすがりつく、不器用でわがままな人間の叫びが見えるようで、面白かったです。

 親方に「もう親方を辞める」と言われて、相撲取りたちはたじろぎます。「おかみさん(=お母さん)がいなくなって、親方がいなくなったら、私たちは孤児になる」と。相撲部屋が胎内になったみたい。一人で立つことができない赤ん坊がだだをこねているようにも見えました。

出演:永井秀樹、たむらみずほ、小河原康二、木崎友紀子、兵藤公美、高橋緑、鈴木智香子、田原礼子、山本裕子、根上彩
脚本・演出/髙山さなえ 舞台美術/鈴木健介 照明/伊藤泰行 制作/増坂由夏 野村政之  宣伝美術/鈴木智香子 記録撮影/小口宏 ※チラシの写真は髙山さなえさんのお母様。
【発売日】2008/12/05 予約 2,000円/当日 2,500円(日時指定・全席自由・整理番号付)
http://takayamashokubutuen.blog60.fc2.com/

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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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Posted by shinobu at 16:55 | TrackBack

メルマガ 2009年02月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2009年2月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 57     2009.2.1  1,401部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎1月は新年会続きで少々お酒を飲みすぎました・・・(反省)。
  2月は風邪を引かないよう体調管理をしっかりして、
  劇場通いを楽しみたいものです。インフルエンザの予防には、
  マメな手洗いとうがい、そしてマスクの着用ですよね!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→メジャーリーグ『ちっちゃなエイヨルフ』
       02/04-15あうるすぽっと
       http://www.majorleague.co.jp/
    
 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→toi presents 『四色の色鉛筆があれば』
       01/27-28シアタートラム
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0131222724.html
    
 ◆3【「フェスティバル/トーキョー」がとうとう開幕!】

   ◎東京発の、新しい演劇祭が始まります!
    http://festival-tokyo.jp/

 ◆4【「キラリ☆ふじみ芸術祭」TALKバトルに出演します】

   ◎キラリ☆ふじみに集う若手演劇人の方々とお話させていただきます。
    http://kirarifes8.exblog.jp/

 ◆5【編集後記】

   ◎シアタートラム「ネクストジェネレーションvol.2」参加団体募集
   ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」開催決定!
   ◎映画「曲がれ!スプーン」情報公開!

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.パルコ『ビロクシー・ブルース』
  02/02-22パルコ劇場
  ≪東京、岡山、福岡、新潟、宮城、大阪、愛知≫
  ☆出演:佐藤隆太 忍成修吾 瀬川亮 中村昌也(D-BOYS) 尾上寛之
      南周平 内田亜希子 西牟田恵 羽場裕一
   脚本:ニール・サイモン 演出:鐘下辰男
   7,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/biloxi/
   1985年度トニー賞ベストプレイ賞を受賞したニール・サイモンの
   青春群像劇を、鐘下辰男さんが演出。イケメン揃いの豪華キャスト。


★2.メジャーリーグ『ちっちゃなエイヨルフ』
  02/04-15あうるすぽっと
  ☆出演:勝村政信、とよた真帆、野間口徹、馬渕英俚可、マメ山田、ほか
   作:イプセン 上演台本:笹部博司 演出:タニノクロウ
   6,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.majorleague.co.jp/stage/eyolf/index.html
   公演前半はイープラスの得チケ↓で半額!
    http://click.eplus.jp/?4_721371_678439_4
   イプセン戯曲を庭劇団ペニノのタニノクロウさんが演出。
   豪華キャストの中劇場(301席)公演です。

  ●お薦めポイント●
   タニノクロウさんがイプセン戯曲を演出するのは、
   大好評だった『野鴨』(メルマガ号外発行)↓に続いて2度目です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1123003803.html
   初日2週間前のお稽古を拝見。すっごく面白かったですよ~!
   稽古場レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0126134533.html


★3.MONO『床下のほら吹き男』
  02/06-15吉祥寺シアター
  ≪京都、東京、大阪、愛知、福岡≫
  ☆出演:水沼健 奥村泰彦 尾方宣久 金替康博 土田英生
      亀井妙子 ぼくもとさきこ 松田青子 山岡徳貴子
   脚本・演出:土田英生
   前売3,800円 当日4,000円 学生2,800円
   ※2/6は割引料金→ 前売3,300円 当日3,500円 学生2,300円
    http://c-mono.com/
   20周年を迎える京都の劇団MONOの新作、劇団本公演ツアーです。
   作・演出の土田英生さんはテレビ・映画でも活躍されています。
   昨年の『なるべく派手な服を着る』でメルマガ号外↓を発行。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0314111041.html


4.TBS『その夜明け、嘘。』
  02/07-22青山円形劇場
  ≪東京、兵庫、神奈川≫
  ☆出演:宮崎あおい 吉本菜穂子 六角精児 ※宮崎の「崎」は旧字。
   脚本・演出:福原充則(ピチチ5)
   7,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.sonoyoake.com/
   宮崎あおいさんの初舞台。作・演出にピチチ5(クインテット)の
   福原充則さんを抜擢するという、大冒険が嬉しい(笑)3人芝居。


5.シス・カンパニー『夜の来訪者』
  02/14-03/15紀伊國屋ホール
  ☆出演:岡本健一/坂井真紀/八嶋智人/高橋克実/梅沢昌代
      渡辺えり/段田安則
   脚本:J・B・プリーストリー 演出:段田安則
   6,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.siscompany.com/03produce/22raihousha/
   段田安則さんが演出に初挑戦する、豪華キャスト公演。
   俳優座プロデュース『夜の来訪者』のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0829220701.html


6.真心一座 身も心も『流れ姉妹 たつことかつこ ~獣たちの夜~』
  02/18-22本多劇場
  ≪東京、大阪、北海道、愛知≫
  ☆出演:高橋和也、中村倫也、河原雅彦、千葉雅子、坂田聡、村岡希美
      小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順、木野花、ほか
   脚本:千葉雅子 演出:河原雅彦
   前売6,000円 当日6,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://mimokoko.net/
   人気シリーズの最新作。大笑いできる“小劇場界の大衆演劇”です。
   日替わりゲストも豪華なので要チェック!
   『第一章「流れ姉妹~たつことかつこ~」』
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0523020907.html
   『第ニ章「流れ姉妹~ザ・グレートハンティング~」』
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1015231228.html


7.中野成樹+フランケンズ『44マクベス』
  02/18-23 d-倉庫
  ☆出演:フランケンズ、中村彰男(文学座)、永井秀樹(青年団)、
      伊原農(ハイリンド)、中村たかし(宇宙レコード)、他
   脚本:W・シェイクスクピア 誤意訳・演出:中野成樹
   S席3800円(当日4000円)A席3000円(当日3200円)
   お問い合わせ:03-5942-8226(フランケンズ/録音対応)
    http://frankens.net/ ※公式サイト不接続(2009/2/1時点)
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=10792
   海外戯曲をおしゃれに誤意訳・演出するナカフラの新作。
   マンガの1ページのようなチラシはインパクト大!


★8.モダンスイマーズ『トワイライツ』
  02/19-03/01吉祥寺シアター
  ☆出演:鶴田真由、古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、
      山本亨、菅原永二(猫のホテル)、梨澤彗以子
   脚本・演出:蓬莱竜太
   前売¥4,000 当日¥4,500
    http://www.modernswimmers.com/
   蓬莱竜太さんは『まほろば』↓で第53回岸田國士戯曲賞を受賞したばかり。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0718144304.html
   豪華客演キャストを迎えた劇団本公演・新作です。


9.ポツドール『愛の渦』
  02/19-03/15 THEATER/TOPS
  ☆出演:米村亮太朗 古澤裕介 井上幸太郎 富田恭史(jorro)
    脇坂圭一郎 岩瀬亮 美館智範 江本純子(毛皮族) 内田慈
    遠藤留奈 佐々木幸子(野鳩) 山本裕子(青年団)
   脚本・演出:三浦大輔
   前売4,000円 当日4,500円
    http://www.potudo-ru.com/
   第50回岸田國士戯曲賞受賞作の再演です。戯曲本のご紹介↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0713133117.html
   赤裸々な性描写の先に見えるものは?(個人的にはR-18です。)
   3月末に閉館するTHEATER/TOPSでの約1ヶ月ロングラン。


10.パルコ『ストーン夫人のローマの春』
  02/28-03/22パルコ劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:麻実れい、江波杏子、団時朗、今井朋彦、パク・ソヒ、鈴木信二、他
   原作:テネシー・ウィリアムズ 脚本:マーティン・シャーマン
   演出:ロバート・アラン・アッカーマン
   8,000円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/stone/
   テネシー・ウィリアムズの小説を舞台化。世界初演です。
   豪華キャストにアッカーマン演出で、高品質な芝居を期待。


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3500円台以下の気になる作品を6本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】五反田団『俺の宇宙船、』
  02/06-15三鷹市芸術文化センター 星のホール
  ☆脚本・演出:前田司郎
   全席自由・整理番号付き 一般2,500円/高校生以下1,000円
   財団友の会2,200円 ※未就学児の入場不可。
    http://mitaka.jpn.org/ticket/0902060/
   小説家としても活躍が目覚しい前田司郎さんの新作です。


【2】スロウライダー『クロウズ』
  02/07-15 THEATER/TOPS
  ☆脚本・演出:山中隆次郎
   前売3500円 当日3800円 初日2500円 平日3200円
    http://www.slowrider.net/
   前回の『トカゲを釣る-改-』↓が好評だったスロウライダーの新作。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0903205846.html
   今回で最終公演なのが惜しい。


【3】燐光群『屋根裏』
  02/10-03/08梅ヶ丘BOX
  ≪ウィーン、ブカレスト、東京≫
  ☆出演:燐光群劇団員・占部房子
   作・演出:坂手洋二
   日時指定自由席(整理番号付き)。
   前売3,000円 ペア5,400円 学生2,500円 当日3,300円
   開場時間を過ぎると整理番号は無効。 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.alles.or.jp/~rinkogun/
   読売文学賞・紀伊國屋演劇賞・読売演劇大賞(最優秀演出家賞)を
   受賞した作品の再演(2002年初演)。2003年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0520011718.html
   海外でも高い評価を得て、海外俳優による上演も続いています。
   とても小さな劇場ですのでお早目の予約&来場をお勧めします。


【4】G-up+タカハ劇団『GOD NO NAME』
  02/12-17駅前劇場
  ☆出演:初音映莉子、柿丸美智恵、野本光一郎、多根周作、山田伊久麿、
      三浦竜一、迫田孝也、渡邊とかげ、有馬自由
   脚本・演出:高羽彩
   前売3,300円 当日3,500円 ペア6,000円 ※未就学児童の入場不可。
    http://takaha-gekidan.net/
   注目される女流劇作・演出家の最若手の1人、高羽彩さんの新作。
   小劇場の手練れ役者が集まったプロデュース公演です。


【5】三条会『ロミオとジュリエット』
  02/18-22ザ・スズナリ
  ☆原作:W・シェイクスピア 演出:関美能留
   前売3,300円 当日3,500円 学生2,500円
    http://homepage2.nifty.com/sanjokai/
   2007年千葉公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0703170101.html
   千葉県を拠点に活動する三条会の東京公演。お子様も楽しめそうな、
   奇想天外なのに、わかりやすい『ロミジュリ』です。


【6】新国立劇場『珊瑚囁(さんごしょう)』
  02/28-03/02新国立劇場 小劇場
  ☆出演:新国立劇場演劇研修所第2期生/古川龍太(第1期生・賛助出演)
   脚本:深津篤史 演出:栗山民也
   A席3000円 B席2000円 Z席1500円
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000223_training.html
   日本唯一の国立の演劇学校の、卒業(修了)公演です。
   深津篤史さんの新作を栗山民也さんが演出。3000円はオトク!
   毎年必ず開催されることが何より嬉しい。
   昨年の第1期生修了公演『リハーサルルーム』↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0209015105.html
   

 ◎しのぶの今月の全予定はSCHEDULEに掲載しています。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.toi presents『四色の色鉛筆があれば』
  01/27-28シアタートラム
  ☆4本の短編の内、「ハイパーリンくん」に衝撃を受けました。
   あまりに面白く感動的で、まさに“次の世代”の演劇に遭遇したと感じ、
   ショックでレビューも書けず。作・演出の柴幸男さんの今後が楽しみ。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0131222724.html


2.サスペンデッズ『片手の鳴る音』
  01/24-25シアタートラム
  ☆スタンダード、王道、いろいろ呼び方はあるかもしれませんが、
   これこそ演劇を知らない人にも観て欲しい演劇でした。メルマガ号外↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0125021311.html


3.モモンガ・コンプレックス『初めまして、おひさしぶり。』
  01/15-18富士見市民文化会館キラリ☆ふじみマルチホール
  ☆キラリンク☆カンパニーって素敵!と思えた公演でした。幸せ♪
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0117202546.html


  1月は『パイパー』『冬物語』『ジンガロ「バトゥータ」』など
  満足度の高い、高額チケット公演が多かったです♪
  サンプル『伝記』はもう一度観たかった~。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2009年1月(観劇数21作品)はサスペンデッズ『片手の鳴る音』で発行!


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 ◆3 【「フェスティバル/トーキョー」がとうとう開幕!】
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 ◎東京発の、新しい演劇祭が始まります!
 「フェスティバル/トーキョー」※通称「F/T」
   http://festival-tokyo.jp/
  記者発表の様子↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1126162834.html
  開催期間:2009年2月26日~3月29日

  約1ヶ月の間に上演されるのは、なんと22演目!
   http://festival-tokyo.jp/program/
  (22演目中、外部参加は5作品。「演劇/大学09春」では4本上演。)

  観たかった話題作や、ぜひ目撃したい新作などが勢ぞろいしています。
  2月末から3月は「F/T」通いの日々になるかも・・・♪

 ●トップバッターはドイツのリミニ・プロトコルです。
  リミニ・プロトコル『カール・マルクス:資本論、第一巻』
  02/26-03/01にしすがも創造舎 特設劇場
   自由席 一般4,500円 学生3,000円 高校生以下1,000円 
   http://festival-tokyo.jp/program/capital/index.html

  昨年の『ムネモパーク』が大好評でした。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0314232550.html
  「CoRich舞台芸術アワード!2008」で、堂々の第4位!
   http://stage.corich.jp/award/2008/result.php

  「F/T」公式サイトでは、新コンテンツが充実してきています。
  演目選びのご参考に、どうぞチェックしてください。
   F/T特別対談「イ・ユンテク×蜷川幸雄」
    http://festival-tokyo.jp/sp/talk/

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 ◆4 【「キラリ☆ふじみ芸術祭」TALKバトルに出演します】
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 ◎さいたま県富士見市にある公共ホール“キラリ☆ふじみ”にて、
  ただいま「キラリ☆ふじみ芸術祭」が開催中です。
   http://kirarifes8.exblog.jp/
  開催期間:2009年1月15日~3月29日

  『キラリ☆ふじみで創る芝居「グランド・フィナーレ」』公演中に
  催されるイベント“TALKバトル”に出演することになりました!
  
  芸術監督の生田萬さんをはじめ『グランド・フィナーレ』の作り手と、
  キラリンク☆カンパニー↓の皆さんと楽しいお話ができたらと思っております。
   http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/kirarinku/kirarinku.html
  よかったらぜひお越しください♪
  鶴瀬駅まで副都心線が開通して、便利になりました。↓アクセス
   http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/koutuu/koutuu.html

  【「キラリ☆ふじみ芸術祭TALKバトル」日時】
   2月11日(水曜・祝日)18:00~19:30

  【出演】生田萬/富永まい/岩井秀人/多田淳之介/田上豊/白神ももこ/
      徳永京子/高野しのぶ
  
  【料金】500円(芸術祭のどちらかの演目のチケットをお持ちの方は無料)

  ●『キラリ☆ふじみで創る芝居「グランド・フィナーレ」』
  02/10-15富士見市民文化会館キラリ☆ふじみマルチホール
  ☆出演:松田洋治、オーディションで選ばれた俳優たち
   原作:阿部和重 脚本:岩井秀人(ハイバイ) 演出:富永まい
   日時指定・全席自由。前売・当日ともに一般2,500円、学生2,000円。
   2/7(土)18:00のプレビュー公演は一律2,000円
   ※未就学児童の入場不可。全ステージ託児サービス(要予約)あり。
    http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/kouen/kouen.html#gurando
   『大恋愛』↓を演出した3名から富永まいさんが選出されました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0211200509.html


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 ◆5 【編集後記】
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 ◎今月は3000円台のお薦め公演が多かったので、+α欄を
  「3500円台以下」にするという苦肉の策を取る事になりました。
  チケット代は尺度にしやすいんですが、費用対効果の受け取り方は
  人それぞれですよね。う~ん、来月はどうなるかしらん。


 ◎サスペンデッズ、toi、エビビモpro.の3団体とも大当たりだった
  シアタートラム「ネクストジェネレーションvol.1」。
  若手カンパニーの登竜門として、知名度は高まるばかり!
  vol.2の参加団体募集情報です↓
   http://setagaya-pt.jp/news/2009/02/_vol2.html
  応募期間は2/9(月)~27(金)午後5時まで。面接あり。


 ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」開催決定!
   http://stage.corich.jp/festival2009/index.html
  公募期間:2009年3/2(月)~23(月)
  開催期間:2009年4/1(水)~6/30(火)


 ◎映画「曲がれ!スプーン」情報公開!
   http://www.magare-spoon.com/
  出演:長澤まさみ、三宅弘城、諏訪雅、中川晴樹、辻修、川島潤哉、
     岩井秀人、志賀廣太郎
  原作・脚本:上田誠(ヨーロッパ企画) 監督:本広克行
  「サマータイムマシン・ブルース」↓のタッグ再び!
   http://www.cineamuse.co.jp/cinema/index.php?cinema_id=27
  主演は長澤まさみさん。共演者には舞台俳優がズラリ!


 ◎古田敦也さんと野田秀樹さんのトークショーがあります。
  異色の顔合わせですよね~!

  東京芸術劇場「古田敦也×野田秀樹トークショー 東京監督対談」
  2/23(月) 19:00開演(18時30分開場)@東京芸術劇場 中ホール
   http://www.geigeki.jp/saiji_043.html
  往復はがきまたはHP申込みフォーム↓から申込み。
   https://bh-project.jp/jpn/form/event/18/
  申込み締切:2月10日(火)※当日消印・受信有効
  ※定員800名、応募多数の場合は抽選。

 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2009年1月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「歩いても 歩いても」←最後が腑に落ちなかった。
    http://www.aruitemo.com/
  ・「百万円と苦虫女」←森山未來さん、いいですよね~。
    http://nigamushi.com/
  ・「たみおのしあわせ」←2度観ても面白い。
    http://tamiono.jp/
  ・「デトロイト・メタル・シティ」←松山ケンイチさんのファンならOK?
    http://www.go-to-dmc.jp/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 00:05 | TrackBack