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2009年01月31日

toi『四色の色鉛筆があれば』01/27-28シアタートラム

 サスペンデッズの興奮が冷めやらぬ内に、またシアタートラムにお邪魔しました。シアタートラム「ネクストジェネレーションvol.1」(関連ページ⇒)の2団体目です。

 toi(トイ)はInnocentSphereの女優・黒川深雪さんが主宰するユニットです(過去レビュー⇒)。座付きの作・演出家は青年団演出部にも所属している柴幸男さん。今回は4本の短編集で、いわばこれまでの集大成だそうです。

 感動しすぎて、衝撃を受けすぎて、レビューが書けなくなることがあります。去年の『かもめ・・・プレイ』がそうでした。そして今回も。
 
 『ハイパーリンくん』が私の脳天にド直球ストライク&ノックアウト。まさに“次世代”の演劇だと思いました。小学生が観ても面白いんじゃないかしら。柴さんにはぜひ青少年向けワークショップ(公演も)をして欲しいです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『四色の色鉛筆があれば

 ≪あらすじ≫ 公式サイトの「序文」「STORY」より。
 どんな複雑な地図も、四色の色鉛筆があれば必ず塗り分けられる。
 世界の数学者を100年以上悩ませた「四色問題」。
 コンピュータによって証明されたこの問題は今だ人によって解かれていない。
 どんな複雑な世界も、四本の短編で描き出すことが出来る。
 私達は演劇的アプローチでこの難問の証明に挑戦する。

 すべての道は私に通じる「あゆみ」
 知識はつながり遥か彼方へ旅に出る「ハイパーリンくん」
 記憶が生まれて消える瞬間「純粋記憶再生装置」
 一人で演じる四人姉妹の朝食風景「反復かつ連続」
 過去と未来を材料に新しい現在を発明する四つの視点
 ≪ここまで≫

 以下、上演順。

■あゆみ■
 出演:内山ちひろ [インパラプレパラート]/黒川深雪 [InnocentSphere]/中島佳子 [無機王]


■ハイパーリンくん■
 出演:青木宏幸/ゴウタケヒロ [POOL-5]/斎藤淳子/佐藤みゆき [こゆび侍]/永井若葉 [ハイバイ]/中野架奈/中林舞 [快快]/二反田幸平 [青年団]/平原テツ/三浦知之 [InnocentSphere]

 学校の授業がラップになって、大気圏外へと飛翔。劇場全体がプラネタリウムに。宇宙の果ての孤独を共有して、そして孤独な1人の人間へと再び戻ってくる。
 「なぜ?」という問いかけに「それはね」と応えてくれるのは人間。

 たしか高校生の頃、学校の授業で見て感動した映像です↓
 「POWERS OF TEN - 10の冪乗 (日本語字幕つき)」

■反復かつ連続■
 出演:内山ちひろ [インパラプレパラート]


■純粋記憶再生装置■
 出演:岡田あがさ/黒川深雪 [InnocentSphere]/武谷公雄/山本雅幸 [青年団]


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:黒川深雪/柴幸男 司会:矢作勝義(世田谷パブリックシアター制作)

 柴「僕は末っ子長男・姉3人。『反復かつ連続』は僕の子供の頃の朝食の風景そのものだと言っていい。あんなにドタバタしてないけど。」
 柴「よく知っているものを分解して再構成すると、知らなかったものが見えたり、違う景色が見えることがある。」

 黒川「(『あゆみ』は)見えない手をつないでる感覚があればいい。」
 黒川「柴くんはおもちゃを与えられた子供みたい(な演出家)。おもちゃ(=役者)が壊れるまで遊ぶ・・・(笑)」

 柴さんの「劇作家になりたい」という言葉が頼もしかったです。
 黒川さんが「私をいじめない人(笑)、お友達になりたい人をキャスティングします」とおっしゃったことに、すごく納得。だからあんなに優しいムードなんだなと思いました。優しい、温かいところに居たら、おだやかな気持ちになれます、観客も。

シアタートラム「ネクストジェネレーションvol.1」 toi presents 4th「四色の色鉛筆があれば」
出演:内山ちひろ [インパラプレパラート]/黒川深雪 [InnocentSphere]/中島佳子 [無機王]/青木宏幸/ゴウタケヒロ [POOL-5]/斎藤淳子/佐藤みゆき [こゆび侍]/永井若葉 [ハイバイ]/中野架奈/中林舞 [快快]/二反田幸平 [青年団]/平原テツ/三浦知之 [InnocentSphere]/岡田あがさ/武谷公雄/山本雅幸 [青年団]
脚本・演出=柴幸男 舞台監督=佐藤恵 音響=星野大輔 照明=森友樹 宣伝美術=セキコウ 制作=ZuQnZ 当日運営=横内里穂 プロデュース=宮永琢生 企画制作=toi 主催=財団法人せたがや文化財団 後援=世田谷区
【発売日】2008/11/10 [全席指定・税込]【前売】一般=2,500円 世田谷区民=2,300円 劇場友の会会員=2,000円 TSSS=1,250円(劇場チケットセンターTEL&店頭にて前売のみ)
【当日】2,500円【3劇団セット券】6,000円(枚数限定/劇場チケットセンターTEL&店頭にて前売のみ)
http://toi4th.exblog.jp/
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/01/toi_presents.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:27 | TrackBack

エビビモpro.『エビビモ』01/31-02/01シアタートラム

 サスペンデッズtoiに続いてエビビモpro.を拝見。これでシアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.1(関連ページ⇒)を制覇しました~。

 バンドの生演奏にのって、40人以上の出演者が元気に歌って踊るオリジナル・ミュージカル。素直に若さ炸裂で、歌も踊りも人海戦術で大いに楽しめます。でもそれだけじゃなくて、自分たちの作品を、見世物として冷静に見る目を持っているのが凄いと思いました。一筋縄ではいかないストーリーも面白かった。

 チケットは完売ですが当日券には余裕があるようです。私は開演20分前に劇場に到着して、当日券で入れました。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『エビビモ
 レビューはアップできるかどうかわかりません。

 ・・・3作品とも大当たりでした。一番凄いのは世田谷パブリックシアターですね!
 ⇒『シアタートラムネクスト・ジェネレーション vol.2』参加団体募集情報
  2009年2月9日(月)~27日(金)午後5時まで。面接あり。

シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.1
出演:AD笠原/池田義太郎/伊藤そうあ/江幡朋子/岡野恭子/角島美緒/川上絢子/空閑つばさ(つばさ基地)/久住翠希/栗原一平/古賀スミレ(集団あしゃしゃ)/寒河江有似/白井良/谷澤英美/富山晋吾/長田涼子/成田明子/錦織舞(ニシゴリズム)/原田麻里子/平石祥子/平藤和貴子/保坂康幸/前田朝子/松倉美紗/真山カコ/三田亜沙子/宮本翔太(椿組)/安田亨/やまおかみらくる/吉川綾美/和田真季乃 -以下エビビモpro.-ウォーレン・リウ/海ノ幸子/熊坂四歩/色城絶/遮那千尋/でく田ともみ/永田歩/橋本考世/藤井義浩/山増圭 
Back Band:板橋巧(Dr) 矢ヶ部哲(Key,P)
脚本・演出・音楽:矢ヶ部哲 音響:福沢美穂(T.E.S) 照明:新宅由佳(満平舎) 舞台監督:古屋治男(椎名町オフィス) 振付:佐藤真樹 田中直美 平石祥子/橋本考世 衣装:若松この美 Web制作:堀部計之 協力:有限会社慈プロダクション Habanera 制作:鬼頭扶実 企画:山増圭 製作:エビビモpro. 主催:財団法人せたがや文化財団 後援:世田谷区
【発売日】2008/11/30 全席指定 一般2,500円 TSSS 1,250円 ※3劇団セット券 6,000円(劇場チケットセンター店頭&TEL にて前売のみ取扱い) 友の会会員割引 2,000円 世田谷区民割引 2,300円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/01/pro.html
http://www.ebipro.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:34 | TrackBack

2009年01月26日

【稽古場レポート】メジャーリーグ『ちっちゃなエイヨルフ』01/22都内某所

20090122_tanino.JPG
タニノクロウさん

 『野鴨』に続いて、庭劇団ペニノのタニノクロウさんがイプセン戯曲(Wikipedia)を演出されます。少数精鋭の豪華キャスト公演『ちっちゃなエイヨルフ』の稽古場にお邪魔しました。タニノさんへのインタビューあり!

 幕ごとに途切れつつ第3幕まですべて拝見したのですが・・・ものすごく面白かったです。本番2週間前の時点でこの完成度ですから、初日に大いに期待!

 メジャーリーグ『ちっちゃなエイヨルフ』02/04-15あうるすぽっと
 ⇒公式サイト
 ⇒笹部博司のイプセン宣言
 ⇒CoRich舞台芸術!『ちっちゃなエイヨルフ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。(役者名を追加)。
 ノルウェーの片田舎。
 この町の有力者の娘リタ(とよた真帆)と学校の教員でもあり、作家でもあるアルメルス(勝村政信)には、足がビッコの9歳の息子エイヨルフ(星野亜門or田中冴樹)がいる。2人は、息子の家庭教師を、アルメルスの腹違いの妹アスタ(馬渕英俚可)に頼んでいる。また、このアスタの事を好きな近所の土木技師ボルクハイム(野間口徹)は、アスタに会うため、よくこの家に顔を出す。
 ある日、鼠ばあさんなる、ネズミ駆除を請け負う老婆(マメ山田)が、「厄介ものはいないか、厄介ものは、あたしが駆除してさしあげよう。」と、この一家を訪れる。一家は気味悪がるが、エイヨルフは、まるでハーメルンの笛吹きのように、この老婆について行き、海でおぼれ死んでしまう。
 かくして、このドラマは、ベールがはがされ、一気にそれぞれの内面が露出していく。
 ≪ここまで≫

 戯曲を緻密に読み込んで丁寧に立体化する、すごく落ち着いたムードの稽古場でした。プロの俳優の集中力はすごい。
 タニノさんは、子役の男の子たちをはじめ全ての出演者に、おだやかな口調で演出をしています。勝村政信さんはタニノさんによく話しかけ、熱心に色んな提案をしてらっしゃいました。休憩中は野間口徹さんと冗談を言い合って楽しそう。

20090122_Little_Eyolf_script.JPG
『ちっちゃなエイヨルフ』のチラシや台本

 メインの登場人物は2組の男女。アルメルスとリタという若い夫婦と、アルメルスの妹アスタと彼女に想いを寄せるボルクハイムです。1対1の対話から、嵐の海のように荒れ狂う心が目に見えるようでした。言葉の中に、裏に、こんなにも激しい気持ちが隠されているなんて・・・!
 実物大の装置は建て込んでありますが、衣裳も仮のものだし、照明も音楽もない状態のお稽古で、笑いが止まらなくなったり、静かに涙が流れたり、すっかり純粋な観客になって物語にのめり込んでしまいました。

 本番2週間前の時点で、演技の完成度はかなり高いところまで来ているように思いましたが、言葉のニュアンスをさらに明確に表現しようと、タニノさんが細かい指摘をされていました。
 本番では、戯曲の力と俳優の力とが合わさり、人間が語る言葉から生まれる無限の広がりを体感できそうです。イスを活用した美術(朝倉摂)も見どころになる予感! 

 ■タニノクロウさんへのインタビュー

 しのぶ「ぴあ(09/01/22号)のインタビューでタニノさんは、『言葉に興味を持つようになった』とおっしゃっています。それは『ちっちゃなエイヨルフ』との出合いからですか?」

 タニノ「笹部(博司)さんにイプセンの『野鴨』を紹介していただいて、初めて戯曲というものを読みました。それまではシェイクスピアも読んだことがなかったんです。自分は台本のないところから創作していたので、特に台本が必要だとは思っていなかったし、かえって制限されるのではないかとも思っていた。でも『野鴨』が非常に面白かったので、戯曲に興味が沸いて。そして初めて台本から創作したのが『笑顔の砦』でした。」※『笑顔の砦』は第52回岸田國士戯曲賞最終候補作となった。

 しのぶ「既存の戯曲、しかも古典に取り組むのは、庭劇団ペニノでの創作方法とは違うアプローチになるのですね。」

 タニノ「とにかく読んで、読んで、読む。詳細にイメージをして、穴が開くほど読む。稽古開始から1週間は、ずっと本読みとディスカッションをしていました。そこが肝だと思っています。」

 タニノ「イプセンの戯曲は、細かい心理描写によって人間の深い心層の興奮を描いています。無意識を読み解いているという点で、フロイト(Wikipedia)が参照していたほど。『ちっちゃなエイヨルフ』は『野鴨』と同じく素晴らしい戯曲です。『ちっちゃな・・・』には男と女の無意識のやりとりが描かれており、ト書きや、詩的で短い言葉のひとこと、ふたことで、意識をつないでいく。そして、さらに深いところをえぐっていく。構成もすごいし、とにかく面白いんですよ。」

出演:勝村政信、とよた真帆、野間口徹、馬渕英俚可、マメ山田、星野亜門(Wキャスト)、田中冴樹(Wキャスト)
作:ヘンリック・イプセン 上演台本・プロデューサー:笹部博司 演出:タニノクロウ(庭劇団ペニノ) 美術:朝倉摂 照明:山口暁(あかり組) 音響:天野高志(OFFICE my on) 衣裳:友好まり子 ヘアメイク:武井優子 演出助手:伊藤栄之進 舞台監督:加藤保浩 宣伝写真:園田昭彦 宣伝美術:采澤聰 営業:大島佳奈(メジャーリーグ) 制作:千葉裕子(る・ひまわり)プロデューサー:笹部博司 共催:(財)としま未来文化財団 主催:メジャーリーグ 
【発売日】2008/10/25 全席指定 6,500円(税込み) *未就学児童のご入場はご遠慮下さい。
http://www.majorleague.co.jp/stage/eyolf/index.html

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Posted by shinobu at 13:45 | TrackBack

2009年01月25日

【オーディション】風琴工房『無頼茫々』出演者募集※2月28日(土)必着(メール&郵送)

 詩森ろばさんが作・演出・主宰をつとめる風琴工房が、ザ・スズナリでの2009年5月公演のキャスト(男優2名、女優1名程度)を募集しています。年齢・経験不問。

 風琴工房『無頼茫々』05/10-18ザ・スズナリ
 ※2月28日(土)必着(メール&郵送)
 ⇒オーディション公式ページ
 
 詳細は下記をどうぞ。

■風琴工房『無頼茫々』出演者募集

 風琴工房では、2009年5月10日(日)~5月18日(月)の下北沢ザ・スズナリでの公演「無頼茫々」のキャスト若干名(男優2名、女優1名程度)を募集いたします。大正時代の新聞記者たちを描く詩森ろばの新作です。

【日程・費用】
 3月7日(土)13時~17時、8日(日)13時~21時の両日。 
 参加費2000円(当日会場にてお支払いいただきます。)

【応募条件など】
 3月27日(金)~の夜間稽古(土日昼稽古あり)と4月29日前後からの全日稽古に参加できる方。
 チケットノルマ・ギャランティは共にありませんが集客によりチケットバックをご用意いたします。
 風琴工房観劇の有無・年齢は問いません。

【応募要領】
 ①お名前 ②年齢 ③ご住所 ④電話番号 ⑤e-mail ⑥ご所属 ⑦芸暦 ⑧応募動機 ⑨お写真(顔・全身 写メール可)を記入の上、e-mail organ(アットマーク)windyharp.org か 〒165-0033 中野区若宮2-5-20-201 菅原方 風琴工房 まで郵送。

【応募締切】
 2月28日(土)必着。応募者多数の場合、書類選考がございます。

【その他】
オーディションはワークショップ形式で行います。状況により2次選考が追加される場合があります。

 ※詳細は風琴工房公式サイト( http://windyharp.org )まで。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:31 | TrackBack

【情報】fringe blog「記憶に残るチラシの工夫」をアップ

 fringe blogに記事をアップしました。
 ⇒記憶に残るチラシの工夫

Posted by shinobu at 20:26 | TrackBack

4x1h project『Play#2 「ソヴァージュばあさん / 月並みなはなし』01/23-30新宿シアター・ミラクル

 4x1h project(フォー・バイ・ワン・エイチ・プロジェクト)は、新作短編戯曲6本をリーディング上演し、その中から観客投票で人気の高かったものを本公演として上演する企画です(関連レビュー⇒)。

 6本中の2本が上演される予定でしたが、何らかの事情で3本が選ばれ、9月に2本(『ひとさまにみせるもんじゃない』&『いそうろう』)の上演が終わっています。今回は残りの1本である『ソヴァージュばあさん』に『月並みなはなし』を加えた2本立て公演です。

 『月並みなはなし』は『ソヴァージュ・・・』を演出される黒澤世莉さんの戯曲で、演出は『ひとさまにみせるもんじゃない』を書いた中屋敷法仁さんです。上演時間は約1時間40分(途中休憩15分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ソヴァージュばあさん / 月並みなはなし

 戯曲というのは生き物のようなもので、演出家や役者など、携わる作り手が変わると全く違う作品になります。それを実感できる意味では良い企画だと思います。

 両作品ともよく工夫されているな~と思いましたが、公演全体としては少々仕上がりが雑に見えました。初見の戯曲ではありませんから、自ずと私の気持ちのハードルが高くなっていたせいかもしれません。「この戯曲にはこの演出でなければならない」という強いこだわりが感じられなかったことが、私にとっては残念。与えられた環境でのベストを尽くした、というところなのではないでしょうか。

 ここからネタバレします。

■「月並みなはなし」
 脚本:黒澤世莉(時間堂)  演出:中屋敷法仁(柿喰う客)

 あらすじなどはこちらでどうぞ。

 自然な演技で見せる現代口語劇が、がっつり柿喰う客カラーに再構成されていました。
 月への移民候補となる6人を2グループ作り、2人の役者さんが1役を演じます。部外者の耳ちゃんや黒幕(?)のハナちゃんは1人1役ですので、役柄の位置関係がわかりやすいです。セリフを同時にしゃべったり、演技を少しずらしたりすることで、大事なポイントとなるセリフを際立てたり、意味を強調したりする効果がありました。

 ただ、2グループにした意味が出る演出が欲しかったですね。最後がぼやけて残念。
 あとは、いつも感じることですが、中屋敷さんはオープニングの演出(つまり導入部)をもっと考えて欲しいなと思います。最初につまづいた観客をとりこぼしてしまうのは、もったいない気がします。

 大勢の出演者の中で記憶に残ったのは、耳ちゃん役の百花亜希さん、ブラジャー姿になった佐野功さん、黄色い眼帯のコウドウを演じた熊川ふみさん。


■「ソヴァージュばあさん」
 原作:モーパッサン 脚本:谷賢一(DULL-COLORED POP) 演出:黒澤世莉(時間堂)

 あらすじなどはこちらでどうぞ。

 リーディングの時と同じキャストが揃っていたのが良かったです。演技が安定しているし、意図も確実に伝わります。ソヴァージュばあさん(菊池美里)が終盤で「おかしいじゃないか」と笑って言うのが良かったです。
 映像も効果的でした。徐々に家の輪郭が出てくるのは物語の進行にもぴったり。客席に向かってセリフを言うことへの違和感も少なかったですし、火事のシーンにも説得力がありました。
 
 モーパッサン原作のかっちりとした戯曲なので、人を銃に見立てて移動させたり、装置の壁がアクシデントで(?)はがれたりする、本編とは関係のない演出には疑問をおぼえました。私が「ソヴァージュばあさん」を観るのはリーディングも含めてこれで3度目になりますので(過去の2回⇒)、わざわざ余計なことはしなくてもいいのではないか、という気持ちが先に立ちました。感じ方には個人差があると思います。

「ソヴァージュばあさん」出演:上野友之(劇団競泳水着)、菊池美里(トリコ劇場)、坂口辰平(ハイバイ)、酒巻誉洋(elePHANTMoon)
「月並みなはなし」出演:浅見臣樹、石澤サトシ(オフィスインベーダー)、江原大介、太田幸絵、大竹悠子(ユニークポイント)、乙黒史誠、熊川ふみ(範宙遊泳)、佐野功、猿田モンキー、椎名豊丸(チェリーブロッサムハイスクール)、二階堂瞳子(バナナ学園純情乙女組)、林佳代、星野奈穂子、緑川陽介、百花亜希、山本真由美(舞夢プロ)
「ソヴァージュばあさん」原作:モーパッサン 脚本:谷賢一(DULL-COLORED POP) 演出:黒澤世莉(時間堂)
「月並みなはなし」脚本:黒澤世莉(時間堂)  演出:中屋敷法仁(柿喰う客)
照明:吉村愛子(Fantasista?ish.) 舞台監督:藤本志穂(うなぎ計画) 舞台美術:佐々木文美(快快) 衣装協力:juno-rii 舞台写真:松本幸夫 映像・ビデオ撮影:マキタカズオミ(elePHANTMoon) 宣伝美術:成川知也 当日運営:小山与枝乃 企画・制作:4x1h project プロデューサー:菊地奈緒(elePHANTMoon) 
全席自由 ・税込2,500円 学生割引 2,200円
http://blog.livedoor.jp/project4x1h/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:15 | TrackBack

メルマガ号外 サスペンデッズ『片手の鳴る音』

 サスペンデッズ『片手の鳴る音』
 01/24-25シアタートラム
 ※公演詳細はこちら

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 ⇒CoRich舞台芸術!『片手の鳴る音

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.38  2009.1.25 1,400部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎サスペンデッズ『片手の鳴る音』
  01/24-25シアタートラム
  ☆出演:佐藤銀平/伊藤総/佐野陽一/冠野智美/白州本樹/伊藤留奈
   脚本・演出:早船聡
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/01/post_146.html
   早船聡さんが作・演出を手がけるサスペンデッズの、初シアタートラム公演。

   『片手の鳴る音』初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0408165301.html
   新国立劇場に書き下ろした『鳥瞰図』(2008年)も好評でした
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0612124445.html
   早船さんが作・演出を手がけた『ロゼット』の稽古場レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1208101500.html


 ◎観劇後のコメント◎

  海辺の町の小さな理髪店。父亡き後、長男が一人で切り盛りしている。
  嫁いだ姉が突然帰ってきて・・・。

  ごく普通の現代人が抱えるそれぞれの悩み、苦しみが、
  丁寧で自然な演技から、コミカルに、切実に伝わってきました。

  最小限のセリフで心の機微を余すことなく伝える、無駄がない脚本です。
  部分的に改訂され、初演より研ぎ澄まされて、わかりやすくなっています。
  大勢の人々の背景がしっかりと細やかに描かれており、
  出演者がたったの6人とは思えない、上質のストレート・プレイでした。

  終演後のトークで上品そうなマダムが感想をおっしゃっていました。
  「劇場に入って、装置がいいなと思った。
   観終わって、お芝居って本当にいいなと思った。」

  特に斬新だったり、奇抜な演技や演出があるわけではありませんが、 
  こんな演劇を観た時、演劇って素敵だねと迷わず言えるのだと思います。
  小学生が深く理解するのは少々難しいかもしれませんが、
  それ以上の年齢のすべての人にお薦めしたい佳作です。

  残すは本日2ステージのみ。残席あります。
  1/25(日)13:00開演/17:00開演

  上演時間:約1時間40分(休憩なし)


 【チケット情報】

  全席指定 一般2,500円 TSSS 1,250円 3劇団セット券6,000円
  劇場友の会会員割引2,000円 世田谷区民割引2,300円

  ※未就学児童の入場不可。開演後は本来の席に付けない可能性あり。

 ・世田谷パブリックシアターチケットセンター
   http://setagaya-pt.jp(PC)
   http://setagaya-pt.jp/m/(携帯)

 ・当日券WEB予約
   http://www.goticket.jp/tkts/stagedetail.do?genre1=1&user=50010&stage=T90124


 【お問い合わせ】

  世田谷パブリックシアターチケットセンター
   TEL:03-5432-1515
   http://setagaya-pt.jp/about/ticket_center/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎2009年初発行のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1216150826.html


 ◎「まぐまぐ大賞2008」にて、当メルマガが
  エンタメ部門約3000本中の15本に選ばれました!
   http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/ent.html


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
  2008年のお仕事のまとめはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0106181111.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【このメルマガについての注意事項(号外説明文を少々変更)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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出演:佐藤銀平、伊藤総、佐野陽一、冠野智美、白州本樹、伊藤留奈
作・演出/早船聡 美術/近藤麗子 照明/工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響/平井隆史(末広寿司) 衣装/大野典子 舞台監督/虎川英司+鴉屋 舞台監督助手/佐藤恵 本舞台監督/山下翼 大道具/松澤紀昭 イラストレーション/木村タカヒロ  宣伝美術/野島敏光 制作/上田郁子(オフィス・ムベ) 制作助手/石川はるか(ハイリンド)

Posted by shinobu at 02:13 | TrackBack

2009年01月24日

騎馬スペクタクル ジンガロ『バトゥータ BATTUTA(プレビュー)』01/24-03/26木場公園内ジンガロ特設シアター

 2度目の来日を果たしたジンガロ。新作『バトゥータ』のプレビューにお邪魔いたしました(2005年の騎馬オペラ『ルンタ』では事務局に勤めておりました)。

 ジンガロとは、バルタバス氏率いるフランス生まれの人馬一体のパフォーマンスです。前作とは打って変わって上演中から拍手喝采、手拍子ありの、ただただ楽しい約1時間30分!わっと驚いて、うっとりして、あっという間でした♪お子様も楽しめると思います(未就学児童は入場不可)。

 ★特設シアターは客席数1800名以上の大きな劇場です。入場に時間がかかりますので、開演20分前までにはご到着くださいね!会場の中は幻想的なムードで、照明が暗い目になっています。足元にお気をつけください。
 ★場内はフラッシュ撮影禁止です。馬が驚いて危険ですし、周囲の観客にもかなり迷惑です。

 ⇒スタッフブログ
 ⇒CoRich舞台芸術!『バトゥータ BATTUTA

 ↓プレビューの前に、東京現代美術館でレセプションがありました。
20090123_MOT.JPG

 ↓昨年と同様、広い回廊でのパーティーです。
20090123_kairo_MOT.JPG

 ↓ワインやシャンパンとともにオードブルもサービス。並んだマカロンが壮観♪
20090123_macaron.JPG

 『バトゥータ』のテーマは遊牧民。目を見張る馬術にコミカルな演出がほどこされた、牧歌的かつ野生的なパフォーマンスでした。馬が走ることで起こる風が、劇場に肌で感じる躍動感を生み出します。
 音楽は生演奏です。完全円形の舞台の対面に2つの楽団(一方は弦楽器、もう一方は管楽器)を配置して、対抗するように演奏します。軽やかで力強い、しゃれたジプシー音楽に心躍りました。

 見事な曲芸が休みなく披露されていくのは、単純に面白いし楽しいです。そして、喧騒の中にさりげなく挿入される幻想的なシーンにドキっとします。“風船”を使った演出にはとりわけうっとりしましたね。なんて可愛らしくて美しいんだろう!って。

 次々と繰り出されていく馬と人の心を合わせた(ように見える)パフォーマンスに見とれる内に、「馬と一緒に生きる生活をしているからこそ出来ることなのだろう」と考え始めました。実際、ジンガロは馬とともに世界中を旅するカンパニーであり、主宰のバルタバス氏はトレーラーハウスに住んでらっしゃいます。
 徐々にこの作品が生まれた場所の空気、時間へと想像はふくらみ、目の前にあるものと人が、私が暮らす日本には存在しないものだと気付きました。そして今この瞬間に、自分は異世界と遭遇しているのだと自覚しました。

 『バトゥータ』は私の中を確かに通り過ぎた、荒々しく神々しい、異国の風でした。インターネットで世界中どころか宇宙にも目が届くような時代になりましたが、まだまだ私たちの世界は広いし、深い。「こんな世の中だから・・・」などと、世間をわかったような気になって語りがちになっている自分をちょっと反省すると同時に、言葉では言い表せない何か、人知を超えたものを礎にして生きている人たちがいるということに、大いに励まされました。

 8,000円~20,000円という高額チケット公演ですが、フランスからあんなに沢山の馬が飛んできてくれたなら、それぐらいはかかるのかも・・・とも思います(想像に過ぎませんが)。特設シアターも巨大ですしね。

 ギャロップシートが18,000円と少しお安くなっていますが、たぶん色んなものが飛んでくるからだと思います(笑)。各席に赤い毛布が置いてありますので、それを肩まで被ってご覧になるといいのかも。最前列の方々は楽しそうでした。あ、着物やドレスなど汚れてはいけない服装はおすすめできません(笑)。

 ↓会場の中にはエルメス限定ショップがオープン。
20090123_hermes.JPG

 ↓客席は数ブロックに分かれており、それぞれに入場口が違います。
20090123_zingaro_theater.JPG

 ここからネタバレします。

 長いヴェールをまとった白いドレスの女性が馬に乗って登場。そのヴェールの裾の先っぽにガス入り風船が付いており、ヴェールが風船にひっぱられてふんわりと宙に浮いたまま、馬の後ろになびきます。息を呑みました。

 さまざまな物と人(食卓、お風呂、トイレ、ベッドなど)を載せた荷馬車が、何台もぐるぐると回り続けるシーンがありました。今から考えると、あれは人の一生を表していたのかもしれません。クマと女が交わって子供(クマと人間)が生まれちゃうという流れには驚きましたが、マリア様の像が載ってる馬車もありました。人間についての嘲笑と崇拝が混在する演出だと思います。

 ひとつ残念だったのは、バルタバスさんがカーテンコールにしか登場しなかったこと。ロバに乗って叫びながらの本命登場は嬉しいですが、『ルンタ』を観た私にとっては、それだけじゃ物足りなかったですね~。
 蛇足ですが、男性のスーツ萌えの私には今回の衣裳はばっちりでした(笑)。

【出演】出演予定馬数:38頭 出演予定者数:35名
脚本:バルタバス 演出:バルタバス 主催:ジンガロ日本公演実行委員会、テレビ朝日、朝日新聞社、TOKYO FM、ぴあ、カンバセーション、アミューズ
共催:フランス大使館 後援:日本中央競馬会、地方競馬全国協会、日本馬術連盟、全国乗馬倶楽部振興協会、東京日仏学院 特別協賛:エルメス 企画招聘:カンバセーション、アミューズ 【発売日】2008/09/27 (全席指定/税込み)ギャロップシート:18,000円 SS席:20,000円 S席:14,000円 A席:8,000円 ※未就学児童の入場不可
http://www.zingaro.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:43 | TrackBack

2009年01月23日

métro『陰獣 INSIDE BEAST』01/22-27神楽坂die pratze

 演劇ユニットmétro(メトロ)の旗揚げ公演です。主宰の月船さららさんと出口結美子さんにインタビューをさせていただきました。初日は1200円で販売されるパンフレットが観客全員にプレゼントされました♪

 上演時間は約2時間15分(休憩なし)。全席自由席で背もたれがない席もありますので、どうぞ会場へはお早めに。初日は空調の調整ができていなくて非常に暑かったです。今後は改善されると思います。

 ⇒原作本のご紹介
 ⇒CoRich舞台芸術!『陰獣 INSIDE BEAST』 ★CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 「陰獣」のヒロイン静子と「化人幻戯」のヒロイン由美子。陰と陽、静と動。まったくタイプの違う二人の美女が舞台で繰り広げる美しい悪夢。二つの物語はやがて重なり溶け合って、甘美な迷宮が出現する!
 ≪ここまで≫

 対面式のシンプルなステージ。妖気漂う小空間です。演じる役が舞台上でスイッチするのはスリリング。
 原作にあるラブシーンが非常に、その・・・なまめかしくってですね、「そこまでやっちゃうの!?」とドキドキして、目のやり場に困るほど!(笑) いえ、もちろん男性は凝視すべきだと思いますが(笑)。

 しかしながら、演劇好きの一観客の視点からすると、ラブシーンは短めに、あまりはっきりとは見えないようにした方が良いんじゃないかとも思いました。隠しておいて欲しいところまで全部見えてしまうと、エロスも減ってしまう気がします。まあ、それぐらい激しかった、といいますか(笑)。

 ストーリーや全体像については、ちゃんと理解でいていないかもしれません。何しろ暑くて・・・残念(涙)。主宰者の方々もよくわかっていたようですので、今日からすぐに改善されることと思います。

 ここからネタバレします。

 「陰獣」の静子を出口さん、「化人幻戯」の由美子を月船さんが演じていらっしゃいました。出口さんは着物を何度も着替え、細いうなじが色っぽい。あのか細さで「静子に罰を与えてください」なんて言われたら鼻血出るね、全く!(笑)
 月船さんは豊満な胸がよくわかる白いシャツにミニスカートで悩殺。女の私も悩殺されますよ、はい(笑)。可愛い少女のような月船さんさんが、徐々に太い声になっていくところが良かった。

 静子に思いを寄せていた小説家(丸山厚人)が、冒頭に登場した布団の中でうごめく男(鴇巣直樹)と最後にシンクロするは、天願さんのオリジナルですよね。「全く寝ない男(鴇巣直樹)は小説家の未来の姿だったのかしら・・・、それとも大江春泥?」などと想像できたのは面白かったです。

 由美子の恋人など何役もこなされた池下重大さんは、やっぱりすごくセクシーでした。心の熱さが瞳に表れて、じっと見入ってしまう。
 小説家、明智探偵を演じられた丸山厚人さんは太い声が迫力。長いセリフが多かったです。お若いのにすごいなーと思いました。唐組ご出身ですものね。

江戸川乱歩「陰獣」より
出演:丸山厚人、池下重大、鴇巣直樹、métro(月船さらら・出口結美子)
原作:江戸川乱歩  演出・台本:天願大介  舞台監督:三津久  舞台美術:加藤ちか  舞台照明:沖野隆一(RYU CONNECTION)  音響:青陰佳代(音スタ)  音楽:平本正宏  衣装:きよ彦 川上羽衣  着付け:小林美紀  演出助手:木村茂之 高澤俊太郎  制作:métro・佐藤史恵  宣伝写真:moco  宣伝美術:上野はじめ 三浦伊織  宣伝など:庄司信晴(PAL) 小林宗明(PAL)  宣伝用ヘア:セピア倶楽部 下北沢店 企画・製作:métro
【発売日】2008/12/01 全席自由 料金 4,500円
http://www.metro2008.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:36 | TrackBack

2009年01月21日

彩の国シェイクスピアシリーズ第21弾『冬物語』01/15-02/01彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

 蜷川幸雄さんがシェイクスピア作品を演出するシリーズの第21弾です。『冬物語』はシェイクスピアが晩年に書いたロマンス劇の1つ。唐沢寿明さん、田中裕子さんを主役に迎えた豪華キャスト公演です。

 わかっていても、笑ってしまう。わかっていても、泣いてしまう。緻密な感情描写にすっかりのめりこんで、後半はずっと涙ダーダー・・・・(涙)。『冬物語』は1994年のRSC公演で1度観たのですが、今回の方が圧倒的に面白かったです。約3時間30分(途中休憩を含む)。

 ⇒当日券の前日予約ができます。
 ⇒CoRich舞台芸術!『冬物語
 レビューをアップしました(2009/1/23)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名を追加)。
 シチリア王レオンティーズ(唐沢寿明)は、幼馴染のボヘミア王ポリクシニーズ(横田栄司)がシチリアに滞在した折、帰国を引き止める妻の王妃ハーマイオニ(田中裕子)の言動から、ふたりの仲を疑い始める。嫉妬心を抑えられないレオンティーズに危険を感じたポリクシニーズは急遽帰国し、ハーマイオニは臣下アンティゴナス(塾一久)の妻ポーライナ(藤田弓子)に匿われる。レオンティーズは生まれたばかりの王女パーディタをポリクシニーズの子だと思い込み、他国の荒野へ捨ててくるようアンティゴナスに命ずる。心労で幼王子が急死し、ハーマイオニは自害したと伝えられ、レオンティーズは自分の過ちに気付き激しく後悔する。
 ―16年の歳月が流れる。ボヘミアの王子フロリゼル(長谷川博己)は羊飼いの娘(実はパーディタ)と身分違いの恋に落ちて「羊の毛刈り祭」の最中に求愛をする。息子の相手を探る為に変装し祭りに紛れ込んでいたポリクシニーズは「父親には婚約を知らせるつもりはない」と言うフロリゼルのひと言に激怒しその場を去る。途方に暮れる二人はシチリアへ駆落ちをし・・・。
 ≪ここまで≫

 色使いは鮮やかですが、構造としてはシンプルな装置だと思います。その中をマントや裾の長いドレスなど、体が大きく見える衣裳の役者さんがさっそうと歩き、力任せになることなく、シェイクスピアの長いセリフを熱く語ります。

 長い年月を超えて、ひたすら信じること、愛すること。今日の英雄が明日には没落するような今の日本では、想像することさえも少し難しいことかもしれません。でも、それを信じる力は私自身の中にあるんだと感じることができました。

 パンフレットの蜷川さんの言葉より抜粋↓
 蜷川「『ああ、この世界は生きるに値するかもしれない』という暖かい希望が持てる芝居にしたいと思っています。」

 お言葉どおりの作品になっていると思います。観ている時、私はすごく幸せだったし、観た後も体に喜びが満ちていました。私も人間を信じたいし、信じるに足る人間になりたいと思いました。

 ここからネタバレします。

 絵本が開くように壁が現れて場面転換しました。ファンタジーの世界の扉が開き、夢物語へと入っていけます。都合よく進みすぎる脚本と言えるでしょうが、夢の中で起こることだと思えばいいんですよね。夢の中の真実を、観客それぞれが見つけ出せると思います。

 紙飛行機サイコーっ!!どうやって飛ばすのかすっごく考えちゃいました(笑)!1度目は仲良しだった頃のレオンティーズとポリクシニーズが飛ばし、2度目は年老いたポリクシニーズが1人寂しく、昔を思い出しながら飛ばし、3度目は同じく年老いたレオンティーズが、飛ばすことなく破り捨ててしまいました。飛行機が飛ぶ度に自分の中に色んな感情が起こって、無言のシーンにものすごい重みがありました。

 「あの銀色の魚は一体は何??」と思っていたら、レオンティーズとハーマイオニの息子でした(冒頭のシーンで)。いったい何のためにあんなヘンなもの(笑)を被ってるのか、最初は全然わからなかったのですが、彼が失意に沈んで死んだと発覚し、大いに納得。あれぐらいのインパクトがないと、幼い命が失われたことが伝わりにくいからなんですよね。すっごい!

 後半が始まるなり登場する“時間”が素晴らしかった!鍛えた肉体をさらした男性が、面を1枚ずつはがしていき、めくるごとに年老いていきます。直後に老いたポリクシニーズとカミロー(原康義)が登場し、16年の歳月が経ったことをスムーズに受け入れられました。

 彫刻の王妃(田中裕子)が動き出す最後のシーンは、観客も確信犯的に参加するところですよね。劇場全体で一緒に信じることができていたように感じました。そうやって観客は、見知らぬ誰かとつながることを劇場の中で体験できるのだと思います。

≪埼玉、宮城、大阪≫ "THE WINTER'S TALE"
出演:唐沢寿明、田中裕子、横田栄司、長谷川博己、藤田弓子、六平直政、瑳川哲朗、原康義、塾一久、大石継太、手塚秀彰、廣田高志、池谷のぶえ、妹尾正文、大川浩樹、岡田正、清家栄-、新川將人、鈴木豊、景山仁美、羽子田洋子、宮田幸輝、下塚恭平、高橋永江、桐山和己(子役ダブルキャスト)、坂口淳(子役ダブルキャスト)
脚本:W・シェイクスピア 演出:蜷川幸雄  翻訳:松岡和子 美術:中越司 照明:勝柴次朗 衣裳:小峰リリー 音響:井上正弘 ヘアメイク:鎌田直樹 音楽:阿部海太郎 振付:広崎うらん 演出助手:井上尊晶 舞台監督:白石英輔 主催:財団法人埼玉県芸術文化振興財団 朝日新聞社 テレビ朝日 制作:財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ 企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
【発売日】2008/10/04 S席 9,000円 A席 7,000円 B席 5,000円 ※未就学児の入場不可
http://shakespeare.eplus2.jp/

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Posted by shinobu at 21:48 | TrackBack

2009年01月20日

タテヨコ企画『宇宙ノ正体シリーズ・その5「アメフラシザンザカ」』01/14-20駅前劇場

 横田修さんが作・演出される劇団、タテヨコ企画の新作です。宇宙ノ正体シリーズとは剃髪の修行僧たちが登場するシリーズ。タテヨコ企画の作品を拝見するのは今回で4度目になります(過去レビュー・記録⇒)。

 タテヨコ企画ならではの、期待どおりの空気が舞台に作り出されるのが嬉しい。誰もいない空間、暗転中の音に落涙。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『アメフラシザンザカ

 ≪あらすじ≫ 
 舞台は海辺の漁村にある寺。修行僧・永然(好宮温太郎)の実家だ。“アメフラシ”から、永然の姉・祥子(勝平ともこ)の息子を誘拐するとの脅迫状が届き、永然の同僚の修行僧たちと村人らが集まった。
 ≪ここまで≫

 しっかりと建て込まれた(ように見える)木造の日本家屋で、坊主頭の僧たちが走りまわります。それだけで駅前劇場に分厚い空気があって楽しい。
 口から言葉が発せられるごとに、人の優しさ、ずるさがぽろぽろとリズムよくはがれ落ちるように出てくるので、一言ひとことに深い味わいがあります。可笑しいやりとり中に、急に苦味が走ったり。

 具象とフィクションの混ざり具合に、この劇団の個性があると思いますが、湧いた疑問がしこりになって残ってしまうことがあるのが少し残念です。個人差があると思いますが。

 大きな波の音、激しい雨音に人知を超えた世界を感じ取れました。舞台に誰もいない数秒のシーンがすごく良かった。

 ここからネタバレします。

 全身緑色のタイツを着た妖怪が、開幕してすぐに登場していたのが良かったです。「妖怪がいる」ことを常態としてから始まるドラマの方が面白いですよね。
 原発誘致派と反対派で争っているという設定が胸に痛い。その間に寺があるというのも皮肉が効いています。祥子の夫の部下・三浦(堀夏子)が、一目で愛人だとわかる演技だったのが素晴らしい(笑)。映画「阿修羅のごとく」での木村佳乃さんを思い出しました。この映画での木村さんはスゴイっす!

 永然が昔の恋人・いくみ(舘智子)に向かって、蛇の目傘を広げて「一緒に行こう」と誘うシーンにうっとり。でも永然が「一緒にここから逃げよう」と言ったのにはがっかり(笑)。やっぱりダメ男だ・・・(苦笑)。横田さんは骨の髄まで正直で、真面目な方なんだな~と思いました。でも、個人的にはここでハッピー・エンドにしても良かったんじゃないかな~とも思いましたね。2人の前途が多難であることは明らかなので。

 結局、舞台となった居間が本堂だったのかしら?だとするとお経を上げる対象となるものが見えなかったのは残念。最後の読経は魅力ではありますが、障子に向かって読むのには違和感が残りました。

10周年記念公演 第1弾
出演:青木柳葉魚、市橋朝子、大塚あかね、舘智子、ちゅうり、鶴川春男、西山竜一、久行しのぶ、藤崎成益、好宮温太郎(以上、劇団員)、青山麻紀子(boku-makuhari)、勝平ともこ(劇団M.O.P.)、小高仁、じょじ伊東、堀夏子(青年団)
脚本・演出:横田修 舞台監督/田中翼 照明/鈴村淳 音響/島貫聡 舞台美術/濱崎賢二(青年団) 宣伝美術・写真撮影/平地みどり チラシイラスト/糠谷貴使 制作/タテヨコ企画制作部+森佑介+大木孝司 製作/タテヨコ企画 
【発売日】2008/12/17 前売3,000円(日時指定・全席自由) 当日3,300円 学生割引1,500円 (高校生以下/要予約/当日受付にて学生証をご提示下さい) ビデオ撮影日・平日マチネ割引 前売・当日共 2,000円
http://tateyoko.com/

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Posted by shinobu at 21:15 | TrackBack

パルコ・プロデュース『いのうえmeetsシェイクスピア「リチャード三世」』01/19-02/01赤坂ACTシアター

 劇団☆新感線のいのうえひでのりさんが演出するシェイクスピア。タイトル・ロール“リチャード三世”を古田新太さんが演じます。

 ストーリーがとてもわかりやすかったです。マーガレット役の銀粉蝶さんが圧巻。上演時間は約3時間30分(休憩20分含む)。

 カーテンコールでソロでおじぎする時に転んだ人、初めて見た(笑)。でもちょ~可愛いかったからOK!(笑)

 ⇒CoRich舞台芸術!『リチャード三世

 あらすじはこちらでどうぞ。

 テレビ画面が数台並んでいるのは『SHIROH』でも見ましたが、演出は違った効果がありました。動画で説明してもらえるのは非常にわかりやすいですね。

 60~70年代ファッションのような衣裳がきれいで、見てるだけで面白かったです。THE BEATLESの"SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND"のジャケットみたい。⇒舞台写真

 リチャード三世というと、シェイクスピア作品の中でも随一の悪党。ひどい奴なのにどこか憎めないのは、古田さんのキャラクターならではですよね。ただ、早口の言葉が流れてしまって集中できないことが多々あり。

 マーガレット役の銀粉蝶さんがとにかく素晴らしくて、銀さんが登場する度に目がうるうる。言葉のひとつひとつに説得・感心させられ、緩急の効いた長い独白に酔いました。銀さんを観られたから、それで満足と言っていいぐらい。
 ヨーク公夫人役の三田和代さんはさすがの存在感。ヘイスティングズ卿役の山本亨さんも面白かったです。小さな王子を演じた子役の男の子が可愛かった。名前はわかりませんでした。

 ここからネタバレします。

 悪巧みはICレコーダーに録音し、呪いはキーボードに打ち込んで、密談は携帯でこっそりと。

 リチャード三世に対して反旗を上げ、次期王になるリッチモンド伯を演じた川久保拓司さん。『音楽劇 ガラスの仮面』の桜小路くん役で初めて拝見したんですが、今回は金髪くるくるカールのオスカルみたいな正義の味方役で(笑)、背の高さも美しいお顔もぴったりハマっていて見ごたえがありました。

≪大阪、宮城、東京≫
出演:古田新太 安田成美 榎木孝明、大森博史 三田和代、銀粉蝶、久世星佳 天宮良、山本亨 増沢望、西川忠志、川久保拓司、森本亮治 逆木圭一郎、河野まさと、村木仁、礒野慎吾、吉田メタル、川原正嗣、藤家剛/ 藤木孝(12月)、久保酎吉(1月)・若松武史 他
脚本:ウィリアム・シェイクスピア [翻訳]三神勲[演出]いのうえひでのり[音楽]岡崎司 [美術]池田ともゆき [照明]原田保 [衣裳]前田文子 [映像]上田大樹[音響]井上哲司 [音効]末谷あずさ [ヘアメイク]宮内宏明[アクション指導]川原正嗣・藤家剛[特殊効果]南義明 [小道具]高橋岳蔵 [演出助手]菅野将機[舞台監督]芳谷研・吉見裕司[宣伝美術]河野真一 [宣伝写真]尾嶝太 [制作協力]細川展裕・柴原智子+ヴィレッヂ[企画]毛利美咲 [プロデューサー]佐藤玄 [制作]尾形真由美 [製作]山崎浩一[企画・製作]株式会社パルコ 主催:TBS / PARCO
【発売日】2008/11/22 S席10,000円 / A席8,000円(全席指定・税込)※未就学児の入場不可。
http://www.parco-play.com/web/page/information/richard

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2009年01月19日

時々自動『うたのエリア-1(ワン)』01/19-25シアターイワト

 朝比奈尚行さんが構成・演出・音楽を手がけるパフォーマンス集団・時々自動の公演に、初めて伺いました。海外でも活動されており、日本での新作公演は3年振りだそうです。

 『うたのエリア』とは、20世紀の現代音楽家をフィーチャーして、完全自作の音楽・歌に、ダンス、パフォーマンス、演劇などを組み合わせた実験的なシリーズで、今回が三部作の第1回目です。
 現代音楽家オリヴィエ・メシアン(Wikipedia)を取り上げ、「愛(性愛)」をテーマに様々なシーンをコラージュした約1時間30分でした。第2回では「政治」、第3回では「死」をテーマにするそうです。

 最初はどう受け取っていいのかわからずオロオロしちゃったのですが(←演劇オタクは順応が遅い)、少しずつ空気に慣れて、終盤には歌と音楽にのって体を揺らせるぐらいになりました。楽器を演奏し、歌を歌い、演技もして、舞台上で楽しそうな出演者の方々(20名以上)が魅力的でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『うたのエリア-1

 音楽の知識が全くと言っていいほどない私ですが、コンサートで演奏を聴くように、サーカスの出し物を楽しむように、演劇を観るように、鑑賞できました。

 終演後に関係者に質問したところ、メシアンの楽曲(メロディーなど)を真似したのではなく、メシアンの作曲手法を使って、時々自動のオリジナル曲を作られたそうです。これからご覧になる方はメシアンについて少し知識を仕入れてから行かれると良いかもしれません。でも、何も知らなくても単純に楽しめるとも思います(私が大丈夫だったので)。

 テーマが(特に女性視点の)「性愛」で、歌詞の露骨な性描写にちょっと驚きました(当日パンフレットに歌詞が載ってます)。朝比奈さんの舞台上での解説によると、時々自動の女性メンバーらが書いた言葉をもとに作ったんだそうです。歌詞の内容が実話だとしても、創作だとしても、目の前で歌ったり演奏したりしている女性から出てきた言葉なんだと思ったら、急に親しみが湧きました。

 音楽を作る手法はメシアンのものを活用していますが、作詞作曲、脚本演出、演奏、歌、踊り、演技などのすべてが手作りなんですよね。そしてそれらが目の前にある(目の前で動いている)んだと気付いて、この出合い自体に喜びを感じました。

 演奏や踊り、演技などの技術の上手い下手については、観客それぞれに尺度があると思います。演技経験のない方が演技されたりもしていますから、少々雑なところが目につかないわけではありません。でも私は、ゼロから生み出されたものを、ライブを見せていただけたことが面白いと感じました。一般公募で集まった合唱隊が出演しているのも、素朴な雰囲気が生まれていて良かったと思います。

 ここからネタバレします。

 街を牛耳るボスの娘とそのフィアンセのギタリスト、1人の男を取り合った姉妹の放浪、入院中のバレリーナとその恋人との会話、ジャンクで作ったロボットとその作者、人間とまじわったメス猫たち・・・などの短編が演じられ、それと交互に音楽が演奏されます。
 例えばボタン式アコーディオンを演奏している女性は猫の姿をしており、演奏をしない時は踊ったり演技をしたりします。全員が演奏者であり演技者であるという状態が楽しいです。

 官能的な現代音楽というとマイケル・ナイマンが浮かびます。あとは映画「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ 」のキューバ音楽とか。単調な繰り返しってセックスを連想させますよね。女性ヴォーカル2人で歌い上げるのがエロティック。

 バレエって美しいですね~、バレリーナは問答無用に可愛いです。「纏足とトウシューズは似てる」という視点にはなるほどと思いましたが、でもトウシューズはやっぱりきれいだと思う(笑)。

出演:朝比奈尚行 今井次郎 宇佐美とよみ 鈴木光介 砂川佳代子 高橋牧 日高和子 渡辺直美 石川智子 笠原夏樹 国広和毅 坂本洋祐 柴田暦 紫竹あかね 鈴木美奈子 寺門文人 樋田佳美 藤田真砂子 +一般公募による合唱隊
構成・演出:朝比奈尚行 音楽:朝比奈尚行 今井次郎 鈴木光介 映像:宇佐美とよみ 砂川佳代子 振付:藤田真砂子 照明:斎藤茂男 音響:島猛 制作助手:西邨紀子 広報デザイン:大岡寛典 主催:時々自動 企画・制作:(有)ティコ・ディコ
【発売日】2008/12/01 日時指定 全席自由 前売り3500円 当日3800円(定員70人)
http://www.tokidoki-jido.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:54 | TrackBack

2009年01月17日

モモンガ・コンプレックス『初めまして、おひさしぶり。』01/15-18富士見市民文化会館キラリ☆ふじみマルチホール

 モモンガ・コンプレックスは白神ももこさんが振付・演出・構成・出演されるダンス・カンパニーです。富士見市民文化会館キラリ☆ふじみのキラリンク☆カンパニーに選出され、今回が同劇場での初お目見えになります。

 言葉にならない感動がこみ上げてきて、涙が止まらなくなっちゃった約1時間5分。一言でこの作品を言い表すならば、映画「崖の上のポニョ」ですね。一般客も批評家も魅了する芸術だと思います。

 明日13時の回で公演終了です。ご都合がつく方にはぜひご覧いただきたい、ハッピーで可愛らしいダンスです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『初めまして、おひさしぶり。
 レビューを最後までアップ。キラリ☆ふじみの写真あり。

 劇場入り口には団体紹介のパネルがあり、メンバーそれぞれの紹介文と写真が貼られていました。土曜日のお昼の温かい日差しが入る中、劇場誘導係の方々がにこやかに対応してくださり、地元のコンビニや和菓子屋さんが受付近くで物販をされていて、ロビーは幸せ気分。
 ※物販は開場時間のみですので、お買い物は開演前までにお済ませください。

 舞台前方の上下(かみしも)には門松。舞台中央の床を掘り下げたスペースには、一人暮らしの若者が住むワンルーム・アパートの一室がしつらえられています。
 お正月のあれこれをモチーフにした女の子5人のキュートなダンスは、ギターの生演奏(男性)もムードばっちりで、マルチホールの魅力を存分に生かした作品でした。このホールを知り尽くし、このホールでしかできないことをしていました。そして、ホール全体を自分たちの体でしっかり感じ取って、空間全体を支配したパフォーマンスを見せてくださいました。

 日本人なら誰でもわかるお正月を題材に、いたずらな笑みを浮かべ、可愛くおどけて、必死に踊る、女の子たちのダンスは、この劇場で作った、この劇場でしか上演できないダンスであり、今、ここでしか生まれ得ない、かけがえのない瞬間ばかりを散りばめたダンスでした。場所(マルチホール)への愛情が、彼女たちの体から弾け出て、そのまま観客に届きました。

 後から劇場の方に質問したところ、モモンガ・コンプレックスは基本的にキラリ☆ふじみの稽古場で作品作りをしており、マルチホールも使用していたそうです(ホールが空いている時のみ)。のべ約20日間は本番と同じ会場を使ったとのこと。キラリンク☆カンパニーだから出来たことですよね。

 帰りの電車の窓から、川に沈もうとする夕日が見えました。都会に住んでいるので夕焼けなんて見たのは久しぶり。すごく幸せでした。
 
 ここからネタバレします。

 晴れ着を着た女の子たち。お行儀良くしていたかと思ったら足広げてジャンプしたり。初詣の風景?
 普段着に着替えた2人はお尻をぽりぽり掻いたりして、お家でゆったりモード。お正月も人それぞれ。

 部屋に居る男の子がテレビで駅伝を見ている。駅伝のランナーが劇場内をぐるぐる走り続ける。沿道で声援する人々(応援団と呼ぶことにします)がランナーに水やタオル、レオタードも(笑)渡す。走るランナーにマジックペンを渡し、応援団は自分たちの顔や手、体に1~5の数字を書いてもらう。字を書いてもらった時の体勢(5種類)を使ったダンス開始。ここで心をわしづかみにされました。“今、ここにしかない瞬間”が現れたから。

 「ロッキーのテーマ」をバックに1人で走るランナー。応援団はもういない。ランナーはとうとう倒れる。応援団の人々が脱ぎ捨てた服を着るランナー。服が疲れ果てた勇者を称え、ねぎらったように見えて落涙。応援団とランナーがつながった気がした。

 カルタに書かれたことを数人で体でコミカルに表現。数人が去った後、1人がカルタをゆっくりと拾い集めて退場。じっくりと“体”を見る時間だった。

 スエット上下の3人組。全員上着は白い長袖Tシャツ。全員で服を引っ張り合う。ダンスが終わった後で、アパートの男性がトースターから餅を取り出して食べる。そっか、餅のダンスだったのね。

 鈴を持って元気に走る1人。あの鈴は牛の首に巻くもの?周りの人たちがどんどんと色んな衣裳を着せて、脱がせて、また着せて。牛は着ながら脱ぎながら逃げるように走り踊る。ランナー(だったダンサー)がいきなり天井から降りてきた綱を引いたら、年賀状がパラパラ落ちてきた。そっか、年賀状に描かれた牛だったのね。色んなコスプレさせられてるから(笑)。

 衣裳は綿素材でナチュラル系パステルカラーの可愛らしいものばかり。どんどん着替えるのが楽しい。
 照明は床や壁に当てて影を生かすものからミラーボールまで、さまざまに劇場を飾っていました。カーテンコールの後に2つ目のミラーボールで桜吹雪を演出。最後の最後まで温かいおもてなしを受けて、感無量。

 劇場を出たら、団体紹介のパネルの写真が出演者全員が頭を下げた写真に変わっており、「ありがとうございました」というメッセージが添えられていました。

 いいお天気で中庭がすごくきれいでした↓ 
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20090117_chairs.jpg
鶴瀬駅のイス。お座布団が優しいですよね。


モモンガ・コンプレックスvol.4 ダンス・パフォーマンス的公演「初めまして、おひさしぶり。」
出演:北川結、眞島木綿、夕田智恵、長尾晃司、たにかわまいこ、白神ももこ
構成・振付・演出:白神ももこ・モモンガ・コンプレックス 照明:伊藤泰行 音響:泉田雄太 舞台監督:森山香緒梨 舞台監督助手:三品遥 美術アドバイザー:伊藤泰行 制作:藤原里香 チラシイラスト:きたがわゆう チラシデザイン:℃heco 主催:モモンガ・コンプレックス/財団法人富士見市施設管理公社
【発売日】2008/11/15 前売り・当日とも ¥2,500 ★各回ハッピー割引あり!!⇒¥2,300
http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/index.html
http://d.hatena.ne.jp/momonga_complex/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:25 | TrackBack

サンプル『伝記』01/15-25こまばアゴラ劇場

 松井周さんが作・演出されるサンプルの新作です。前作『家族の肖像』が第53回岸田國士戯曲賞の最終候補作品に選出されています⇒結果発表は1/26(月)。

 初日は笑いが山ほど起こっていましたが、誰もが同時に笑うようなわかりやすいネタが仕込まれているわけではありません。観客それぞれが個人的にツボに入ったところで吹き出してしまったり、あまりに意外すぎて思わず笑い出してしまうタイプの、難易度高いめ(?)のナンセンス・コメディー。皮肉が利きすぎた(笑)、半狂乱の宴は刺激的でした。上演時間は約1時間40分。

 松井さんはフェスティバル/トーキョーにも参加されます⇒『火の顔

 ⇒CoRich舞台芸術!『伝記

 ≪あらすじ≫
 浅倉健(古舘寛治)は亡き父が残した地下シェルターで、妹・好子(辻美奈子)とともに父の伝記を作ろうとしている。
 ≪あらすじ≫

 劇場に入ると左側が客席、右側が舞台。細長く間口が広いステージです。白と黒のボーダー柄の壁にちらほらと貼り付けられた意味不明の数字も効いた、かっこいい美術にまずうっとり。

 生きている人間が死んだ誰かについて語る言葉は、必ずしも過去の真実を伝えるわけではありません。さらにそれが複数の視点から語られる場合は、自ずと矛盾が起こってきます。この世界に確かなことなど何もないのだと見せつけられた末、最後に残ったのは目の前で動き、熱くなっている人間の体だった、というのが最終的な感想でした。
 とにかく私は思いっきりいっぱい笑いました。意外なところも不謹慎な(?)ところも。

 申瑞季さん演じるマダムKに悩殺されました(笑)。

 ここからネタバレします。

 亡き父親の愛人(羽場睦子)とその息子(吉田亮)が伝記に自分たちのことも書き加えるよう要求してきたため、健と好子は困り果てます。さらに朝倉シェルターの職員3人(金子岳憲、石澤彩美、三橋良平)が、どんなことであろうと事実はすべて伝記として掲載するべきだと主張するため、伝記製作現場は混乱を極めます。

 死者の知られざる歴史が暴かれる様は、まるでたまねぎを剥くように、最後にはもとにあった形さえ見えなくなってしまうほど。死者の肖像画(この場合は「伝記」)は目に見える形で残りますが、後から何層にも違う色で塗り替えられて、過去の真実を伝えるものにはなりません。塗り替えた人間たちの恥部が暴露され、彼らもまたいつかは死ぬと考えると、この世には確かなものなどないのだと、あきれるほどに実感させられます。美談と醜聞が同じように並べられ、世界がだだっ広い平面に見えてきて、でも、目の前には役者が床に垂直に立っている。だからカーテンコールが最大のハイライトだったのかも。

 キャッチボールや取っ組み合いなど、舞台上で予測不可能なことが起こるようにした演出は、それだけでちょっとスリリング。車椅子に乗った愛人の失禁も強烈。最も効果が高かったのは、粉まみれになった健と次女(中村真生)のカーテンコールだったと思う(笑)。バランスボールって、誰が乗ってもセクシーに見えるのはなぜなんだろう。インナーマッスルが緊張してるから?(笑)

 青年団『東京ノート』のように、劇場備え付けのエレベーターと2階部分が効果的に使われていました。2階部分はお立ち台みたいでもあった(笑)。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:松井周・前田司郎

 前田さんのトークは毎度ながら、すごくわかりやすくて面白いです。エンターティナーだな~と思います。前田さんの質問に正直に答える松井さんも面白い(笑)。

 「戯曲のセリフを必ずしゃべらなければならないという点で、役者は戯曲の下に居る」のかどうか、という話題がありましたが、私は「どのようにしゃべるのかは役者によって決まるから、役者が戯曲の下であるわけじゃないよな~」と考えました。この作品においては、おそらく可笑しさを生み出すことが目的で書かれたわけではないセリフが、爆笑(失笑?)を起こすものになっていたり、意外な動きによってセリフの意味が完全に消え去っていたりするシーンが多かったんですよね。

 ただ、終演後に他の観客の方が「戯曲が上か役者が上かというのはあまり重要な議論ではない。最終的にはすべて演出家が決めるのだから」とおっしゃっていて、「なるほど、それはそうかもしれない」と思いました。でも、観客の目の前に居るのは役者だと考えると、結局は舞台は役者のものなんじゃないかとも思います。今作は特に、役者がその場で行うことに重点が置かれた演出だったように感じました。

出演:辻美奈子、古舘寛治(以上サンプル・青年団)、羽場睦子, 申瑞季(青年団)、中村真生(青年団), 石澤彩美、吉田亮、三橋良平(乞局)、金子岳憲(ハイバイ)、黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)
脚本・演出=松井周 舞台美術=杉山至+鴉屋 照明=西本彩 衣装=小松陽佳留(une chrysantheme) 舞台監督=小林智 ドラマターグ・演出助手=野村政之 宣伝美術=京 宣伝写真=momoko japan 記録写真=青木司 記録映像=深田晃司 WEB運営=牧内彰 制作補佐=三橋由佳、有田真代(背番号零) 制作=三好佐智子 企画・製作=サンプル・(有) quinada[キナダ] 提携=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【発売日】2008/11/23 前売り 整理番号付(全席自由)3,000円 当日 整理番号付(全席自由)3,200円
ゲスト : 15(木)前田司郎氏(五反田団主宰)/ 17(土)中野成樹氏(演出家・中野成樹+フランケンズ主宰)
http://www.samplenet.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:26 | TrackBack

2009年01月16日

ハイリンド『血のつながり』01/14-18「劇」小劇場

 俳優4人の劇団ハイリンドが、事実を元に書かれたカナダ戯曲を重厚な演技・演出で紹介してくれました。

 上演時間は約1時間50分。全席自由席・受付順入場ですので、お早めに劇場に行かれることをお勧めします。

 ⇒CoRich舞台芸術!『血のつながり』★CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 手斧の乱打による頭蓋粉砕、即死。全世界を震撼させたこの事件は、未解決のまま迷宮入り。
 疑惑がかけられた被害者の次女、リッツィー・ボーデンも証拠不十分で不起訴。
 1981年度カナダ総監賞(最優秀創作戯曲)に輝いた珠玉のサスペンス・ドラマ。
 息をつかせぬ展開、鋭い人物描写をハイリンドが再現する。
 ≪ここまで≫

 無罪判決から10年後、リッツィー(はざまみゆき)のもとを訪れた女優(枝元萌)が、リッツィーの立場になって事件を振り返っていきます。役が入れ替わる劇中劇として、演劇的な演出も見どころですが、何より戯曲の内容の濃さがとっても私好み。一筋縄ではいかないカナダ戯曲の魅力を味わえました。

 ただ、ゆがんだ家族の関係を息苦しくなるぐらいの張りつめた緊張感をもって描きますので、お好みに合わない方は少し疲れを感じるかもしれないですね。私は好きなんですが。

 ここからネタバレします。

 リッツィーが繊細すぎる性格でありながら、進歩的な考え方をする気が強い女性であるため、周囲の人々は彼女の扱いに手を焼いています。
 義理の母アビゲイル(松永麻里)とその弟ハリー(伊原農)、実の父親アンドリュー(池田ヒトシ)から経済的な面で追い詰められ、父との口論の末に可愛がっていた鳩を殺されたリッツィーは、恋人(といっても散歩して話すだけ)の医師(多根周作)の言葉を自分の都合のいいように解釈して、邪魔なアビゲイルを惨殺してしまいます。続いて、予想よりも早く帰宅してしまった父を殺害。

 小さな出来事の積み重ねによって、気持ちの揺らぎが大胆な行動へと人間を駆り立てていきます。残忍な殺人者が、たった数日間で、どのように生み出されてしまったのかを丁寧な心理描写で見せて下さいました。舞台下手にハトの小屋を作り、ハトを小さな木のイスに見立てて、殺されたど同時にドサっとイスを落とす演出は、わかりやすいし良かったと思います。

 リッツィーが生まれた時に実の母親が死亡しており、父親にとってリッツィーは、可愛い娘であると同時に妻の命を奪った仇でもあるんですよね。なんと皮肉な設定。
 姉エンマ(江間直子)は義理の母にも忠義を尽くす出来のいい長女ですが、リッツィーの育ての親でありながら、妹を最後まで守ってあげるほどの愛情は持ち合わせていませんでした。事件から10年後の最後のシーンでリッツィーが、「あなた(姉)は私。あなたがやりたいことを、私がやっていた」と言います。これは・・・戦慄でしたね。
 誰でもリッツィーになる可能性があるということを、2人のリッツィー(はざまみゆき&枝元萌)で表現しているのも良かったです。

ハイリンドvol.7
出演:多根周作、はざまみゆき、伊原農、枝元萌、池田ヒトシ、江間直子(無名塾)、松永麻里(The30's)
【脚本】シャロン・ポーロック 【翻訳】吉原豊司 【演出】藤本剛 【舞台監督】井関景太(るうと工房) 【照明】石島奈津子(東京舞台照明) 【音響】高橋秀雄(SoundCube) 【舞台美術】向井登子 【衣裳】山本亜季 【宣伝美術】西山昭彦 【スチール】夏生かれん 【撮影ヘアメイク】田沢麻利子  【Webデザイン】藪地健司・夏子 【ハイ友】鍋谷ナナオ 【制作】石川はるか 【制作補佐】竹内佐枝
【発売日】2008/12/07 前売/当日3,500円 ハイリンド賛助会員2,500円(全ステージ共通) 平日マチネ(15日14時の回)前売/当日3,000円
http://www.hylind.net/

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Posted by shinobu at 19:15 | TrackBack

キューブ/ブリーゼアーツ『冬の絵空』01/12-02/01世田谷パブリックシアター

 サンケイホールブリーゼのこけら落とし公演です。劇団そとばこまちの1987年初演の戯曲を、鈴木勝秀さんが演出されます。

 小劇場から育った有名俳優が、豪華な装置の中を伸び伸びと走り、飛び回り、軽い笑いとドラマを見せてくれました。上演時間は約2時間50分(休憩15分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『冬の絵空

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 時は元禄。人気役者・沢村宗十郎(藤木直人)は豪商・天野屋利兵衛(生瀬勝久)に、娘のおかる(中越典子)を嫁にしたいと嘆願するが、まったく相手にされない。大石内蔵助(橋本じゅん)は城主・浅野(中村まこと)の切腹、お家取り潰しが決まった後も、討ち入りにはやる家臣たちを抑え、まだ討ち入りの機は熟していないこと、そして各々の身の振り方を考えるよう説く。天野屋は赤穂の家臣たちが討ち入りすることを期待していた。しかし、大石にその意志がなく赤穂浪士の評判も落ちていることを嘆いた天野屋は、一計を案じ、宗十郎に、あることを条件におかるを嫁にやると持ちかける。
 それは、宗十郎扮する偽の大石内蔵助に悪者退治をさせ、赤穂浪士たちの評判を回復させるとともに、討ち入りへの機運を盛り上げることであった・・・。
 ≪ここまで≫

 前半はギャグなどを含めて少々長く感じたのですが、終盤の展開にはなるほど~と唸るほどに引き込まれました。

 ごうつくばりの恐ろしい商人・天野屋を演じた生瀬勝久さんに、何がどう転んでも、目が釘付け。
 琵琶法師のように語りをする尼を演じられていたのが、中越典子さんだと後から気付いてびっくり。重みのある存在感が良かったです。

 ここからネタバレします。

 切腹したはずの殿が生きて帰ってくるという発想が面白いですね。身代わりになって死んだのは殿の影武者でした。役者の宗十郎が武士・大石のニセモノを演じるのもまた、誰かのフリをして自分を偽り、人を騙すという行為です。次々と嘘VS嘘となる構図が面白い。

 殿が生きていたとわかっても、気持ちの高まりを抑えられずに仇討ちをしてしまう浪士たち(内田滋ら)。嘘を本当に変え、真実が迷宮入りすれば、そのまま史実となって後世へと残ります。「本当とは何か?その証ができるのか?」という宗十郎の問いかけが胸に響きました。

 最後の桜吹雪がきれいでした。装置の効果を実感。

≪大阪、愛知、広島、福岡、東京≫
出演:藤木直人、橋本じゅん、中越典子、中村まこと、片桐仁、伊達暁 新谷真弓、六角慎司、内田滋、小松利昌、前田悟、武田浩二、安田桃太郎、八十田勇一、松尾貴史*、粟根まこと*、加藤貴子、生瀬勝久 (*)ダブルキャスト ※私は粟根まことさんの回を拝見。
脚本:小松純也 演出・上演台本:鈴木勝秀 美術:二村周作 音楽:横川理彦 照明:原田 保 音響:井上正弘 衣裳:前田文子 ステージング:前田清実 殺陣指導:田尻茂一 川原正嗣 前田悟 武田浩二 へアメイク:宮内宏明 犬兜造形:片桐仁 演出助手:長町多寿子 舞台監督:瀧原寿子 宣伝美術:東學 宣伝写真:須佐一心 宣伝衣裳:前田文子 宣伝ヘアタイク:宮内宏明 主催:株式会社サンケイビル/株式会社キューブ/関西テレビ放送株式会社 制作協力:リコモーション 企画・製作:株式会社会社キューブ/株式会社ブリーゼアーツ
一般S席9,000円/A席8,000円/プレミアムシート11,000円
http://www.sankeihallbreeze.com/kouen_fuyu.html
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/01/post_134.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:31 | TrackBack

2009年01月14日

梅田芸術劇場『鉄人28号』01/10-25天王洲 銀河劇場

 アニメ映画の監督として有名な押井守さんが『鉄人28号』を舞台化されました。押井さんが作る舞台に興味を持って観に行ったのですが、自称演劇オタクの私にとってはほぼ拷問・・・。上演時間は約1時間40分。

 でも、終盤になってからメッセージが伝わってきたので(私の勘違いかもしれませんが)、それを受け取れたのは良かったです。押井さんのファンなら楽しめるのかしら・・・。

 ⇒舞台写真(毎日新聞・ネタバレしています)
 ⇒南果歩さんインタビュー(毎日新聞)
 ⇒CoRich舞台芸術!『鉄人28号

 ≪あらすじ≫
 昭和39年の東京。オリンピック開催を間近に控え、治安維持を目的とした野犬捕獲隊が暗躍していた。詳しい物語はこちら
 ≪ここまで≫

 なんと音楽劇でした。歌手もキャスティングされているとはいえ、マッチしていたとは思えず。役者さんの配置や出ハケがひどい。演出家ご自身が「変な舞台にしたい」とおっしゃっているので仕方ないのかな。

 ≪チラシにも掲載されている押井守さんの言葉≫ 公式サイトより
 いつ頃からだろう。舞台を演出する機会に遭遇したら、宝塚風にしたいと思っていた。
 あの独特のレビューである。いずれにしても「変な舞台」にしたい。――押井守(談)
 ≪ここまで≫

 池田成志さん、田鍋謙一郎さんら舞台俳優の皆さんのがんばりにほだされました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 「人狼」「立喰師列伝」などの押井さんのアニメのキャラクターが登場したり、パロディーのようになっていることに閉口。特に南果歩さんが演じた女立喰師“けつねコロッケのお銀”はコスプレにしか見えず(映画「立喰師列伝」は拝見しています)。

 南果歩さんが鉄人を操縦する正太郎君と女立喰師の2役を演じたのは、正義と悪の間で揺れ動く純情を描くという点では、意味として理解できないわけではありません。でも2人同時に登場するシーンで、代役が白い面を被って無言のまま正太郎を演じ、お銀が正太郎のセリフを想定した一人芝居をするのは・・・観ていられませんでした。そして謎の踊りとお世辞にも上手とは言えない歌が続き・・・もうどうしていいやら。南さんはストレート・プレイでのご活躍をよく拝見していますので、この配役はお気の毒な気がしました。

 正太郎君が人狼党のリーダー(ダイアモンド☆ユカイ)と敷島博士(池田成志)の間で揺れ動く様を、2人のテーマソングが混ざっていく様で表現したのが面白かったです。途中で帰りたくなっていたのですが(どちらにしろ休憩がないので出られなかったけど)、このシーンを観て帰るのを止めました。「悪にも正義にも頼らない。自分で自分のやりたいことをする」という決断は現代を表しているとも思います。

 開幕からずーっと舞台中央に鎮座している鉄人が、正太郎の操作で動いたときはさすがに興奮しました。目が光るし足が伸びて立ち上がるし。

 正太郎が鉄人を飛ばして五輪の雲を描きますが、その形がオリンピックのマークにはなっていなかったのが良かった。付け焼刃でやったって成功しませんよね。

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≪東京、大阪≫
出演 南果歩, 池田成志, ダイアモンド☆ユカイ サンプラザ中野くん 田鍋謙一郎 藤木義勝 載寧龍二 永田彬(RUN&GUN) 小野健斗 吉田友一 鈴木雄貴 西田佳づ美(1月15日~17日西田りさ) ※私が拝見したのは西田佳づ美さん。
原作:横山光輝 脚本・演出/押井守 美術/磯見俊裕 黒川通利 鉄人デザイン/末弥純 照明/佐藤啓 音楽/川井憲次 作詞/児島由美 音響効果制作/伊悪道廣 音響/若林和弘 松山典弘 衣装/竹田団吾 振付/竹下宏太郎 ボイスコーディネーター/浦崎直邦 鉄人制作/秋山直樹 光井清陽 道具制作/桜井敏郎 唐崎修 グリーンコーディネーター/櫻井忍 特殊効果/糸田正志 演出助手/高梨由 舞台監督/森下紀彦 キャスティング/オガワシンジ 制作/安積智子 アシスタントプロデューサー/黒田仁子(デイズ) プロデューサー/村上洋志(梅田芸術劇場) 久保淳(デイズ) エグゼクティブプロデューサー/小川友次(梅田芸術劇場) 企画協力/光プロダクション 企画協力制作/デイズ 企画・製作/梅田芸術劇場
【発売日】2008/11/22 S席11,000円 A席8,000円 (全席指定・税込)
※未就学児童のご入場はご遠慮下さい。
http://www.umegei.com/s2009/tetsujin28.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:32 | TrackBack

【お知らせ】CoRich舞台芸術!「注目インタビュー・月船さらら&出口結美子」2009年1月

 女優の月船さららさんと出口結美子さんにインタビューさせていただきました。お2人で演劇ユニットmétro(メトロ)を結成し、ノウハウ・ゼロのところから立ち上げる旗揚げ公演『陰獣 INSIDE BEAST』は、1/22(木)より神楽坂die platzeにて上演されます。

 ⇒原作本のご紹介
 ⇒CoRich舞台芸術!『陰獣 INSIDE BEAST』 ★CoRichでカンタン予約!
 ⇒métro公式ブログが熱い!最初から読むと凄いです(笑)。

Posted by shinobu at 11:46 | TrackBack

【写真レポート】王子小劇場『2009年新年会・2008年佐藤佐吉賞授賞式』01/13王子小劇

20090113_shin.JPG
劇場玄関の「新」額縁

 昨年に続いて佐藤佐吉賞授賞式に伺いました。100人以上の演劇人が集まり、プロの落語をじっくり楽しむ時間も設けられた豪華イベントでした。

 僭越ながら最優秀脚本賞のプレゼンターを務めさせていただきました。受賞された皆様、おめでとうございます!
 ⇒結果は公式サイトでどうぞ!

 ≪佐藤佐吉賞とは≫ 公式サイトより
 佐藤佐吉賞とは、王子小劇場で年間上演されたすべての公演を対象に、優れた作品・戯曲・演出・舞台美術・照明・音響・衣装・宣伝美術・主演男優/女優・助演男優/女優の各部門を表彰するものです。選考は、佐藤佐吉賞選考委員会(委員長・王子小劇場代表玉山悟)が行います。
 ≪ここまで≫

 代表の玉山悟さんの乾杯のご発声により開会。「今年の目標はCoRich舞台芸術アワード!で1位を取る事です」とおっしゃっていました。ぜひがんばってもらいたいです!
 佐藤電機株式会社の社長から「メセナアワード2008 たたかう劇場賞」受賞の報告もあり、王子小劇場が文化の発信地として広く認められていることを、王子小劇場を使用している作り手の方々と共有しあえて嬉しく思いました。

 最優優秀賞を受賞された方々です↓ おめでとうございます!
20090113_saiyushu.JPG

 私が2008年に王子小劇場で拝見したのは18作品でした。その中で、質が高いストレート・プレイとして誰にでもお薦めできると思ったコロブチカ『proof』が、どの賞にもノミネートされていなかったことは残念。佐藤佐吉賞選考委員会の皆さんのセンスと、私の好みが離れているのかもしれません。そうだとしても、劇場が独自のカラーを打ち出していることは、一観客としてありがたいと思いますし、信用できるところだとも思います。

 18作品しか拝見していないのですが、個人的に最も納得がいったのは、最優秀主演男優賞を空想組曲『僕らの声の届かない場所』に主演された狩野和馬さん(InnocentSphere)が受賞されたことでした。おめでとうございました!

王子小劇場:http://www.en-geki.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:19 | TrackBack

2009年01月12日

飛ぶ劇場『有限サーフライダー』01/08-12こまばアゴラ劇場

 飛ぶ劇場は泊篤志さんが作・演出を手がける北九州を代表する劇団です。私は数年前から東京公演のいくつかを拝見しております(⇒)。

 作風がすっかり変わった?・・・のに付いていくのが大変でしたが、最後はなるほどと納得もしました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『有限サーフライダー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 肌寒い秋のビーチに…テレビゲームを作っている少しオタクな会社員たちが
 体験サーフィンをしにやってくる。
 ところが太平洋のどこかで海底地震があったとかで、津波警報発令中。
 天気はいいのに海に出れず、海の家でやさぐれる面々。
 そんな中、小さな津波第一波に乗って、一人の女が流れ着き、担ぎこまれる。
 海の家に居住む、伝説のサーファーと自称する男がつぶやく。
 「でかいのが来るぜ、とびっきりでかいのが」
 でかいのって、それ津波でしょ?
 中年一歩手前の会社員たちのちょっとアツくもお寒い物語。
 ≪ここまで≫

 テレビゲームを製作する零細ベンチャー企業に勤める、自称オタクな若者たち。男性社員が紅1点の女性社員にひどい罵声を放ったり、暴力を振るうのに閉口しました。演じている女優さんはブスじゃないと思うのですが・・・(ブスブス言われてた)。

 “九州男児”のイメージもあるので、「やはり福岡の男性って女性蔑視の傾向があるの??」などと考えが止まらない。後で一緒に観劇した方々と話したところ、「それは偏見です」と言われました。きっとそうなのでしょう。私が神経質すぎたかも。エッチな言葉や演技についても私好みではなかったんですよね

 体験サーフィンを指導してくれる海の家の経営者とその妻、娘の奇行は、少々安易な気がしました。でも最後の盛り上がりにつながったのは納得。
 海の家の出入り口についていた貝殻ののれんが可愛かったです。

 ここからネタバレします。

 決して終わらないゲーム「ぐるりんRPG」という発想は面白いと思いました。終わる時はキャラが死ぬ時だなんて、ほんとにスッキリしない(笑)。

 流れ着いた右足を触って二次元から三次元の世界へと出てくることができた社員たちですが、結果的にはあの足は作り物だったということになりますよね(海の家の娘は生きていたから)。だとすると、勝手に「本物の足だ」と思い込んだことで目が覚めたわけです。良かったね(笑)。

 「35歳にもなると、新しいことなんてもう出来ない気がする。でもこの波に乗ってみよう」と、イタコまがいの演技にだまされて乗り気になってしまう社員たち。どんなひどい嘘にでも、自分から飛び込んでいこうとする姿はすがすがしいです。失敗だとしても(苦笑)。

飛ぶ劇場 vol.28
≪福岡、大阪、東京≫ 10日(土)のゲストを拝見しました。
出演:内山ナオミ 寺田剛史 木村健二 葉山太司 大畑佳子 宗像秀幸 加賀田浩二 米倉沙衣子 上野詩織
現地ゲスト:8日(木) 明石修平(picoLoop%)/ 深見七菜子 9日(金)池田義太郎 / 北村加奈子 10日(土)松高義幸(田上パル) / 川西佑佳(扉座) 11日(日)田上豊(田上パル) / 松田弘子(青年団) 12日(月祝)永井秀樹(青年団) / 坂田恭子(東京タンバリン)
脚本・演出:泊篤志 美術:柴田隆弘 照明:乳原一美 音響:杉山聡 音楽:泊達夫 衣裳:内山ナオミ(工房MOMO) 舞台監督:森田正憲(F.G.S.) 宣伝美術:トミタユキコ(ecADHOC) 制作:北村功治(北中)・藤原達郎 協力:北九州芸術劇場 企画・製作:飛ぶ劇場
【発売日】2008/11/01 *日時指定・全席自由 前売り 一般2800円・学生(大学生以下)2000円 当日 一般3000円・学生(大学生以下)2200円 【1月9日(金)15:00】昼割り公演 一律2000円
http://www.tobugeki.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:07 | TrackBack

2009年01月11日

【書籍】江戸川乱歩著「陰獣」・「化人幻戯」

 女優の月船さららさんと出口結美子さんが演劇ユニットmetroを結成されました。
 旗揚げ公演「陰獣 INSIDE BEAST」は、映画監督の天願大介さんが江戸川乱歩の「陰獣」と「化人幻戯」を脚色・演出される新作です。

 原作がすっごく面白かった!!特に「陰獣」は、官能的な推理小説でありつつ、果たして真実というものはあるのか、あったとして、それが人間にとって何になるのか・・・など、じわわっと考えさせられる作品でした。もう一度読み返してみたいですね。「化人幻戯」は・・・あ、ネタバレになってしまうので控えますが、次が知りたくて知りたくて止まらなくなる長編でした。

陰獣  江戸川乱歩ベストセレクション4 (角川ホラー文庫)
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化人幻戯 (江戸川乱歩文庫)
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Posted by shinobu at 17:53 | TrackBack

2009年01月10日

TPT『ウルリーケ メアリー スチュアート』12/28-01/10ベニサン・ピット

 tptベニサン・ピットでの最終公演です。これでもう、tptの作品がベニサン・ピットでは観られなくなります。ちょっと想像が追いつかない・・・。

 脚本は、川村毅さんがイエリネク戯曲に連合赤軍のエピソードを交えて書かれた新作です。若い俳優が大勢出演。上演時間は約1時間45分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ウルリーケ メアリー スチュアート

 ベニサン・ピットの空間自体を楽しめるシンプルな装置。金網が殺伐としてムードを盛り上げます。

 恥ずかしながらストーリーや意味はわからないままでしたが、日本人にこれほど世代間の断絶があることを見せ付けられられたことが、非常に面白かったです。

 メアリー(大沼百合子)の長いセリフは圧巻。眺めているだけでも面白かった!

 ここからネタバレします。

 「総括しろ!」と叫ぶ若い役者さん。自分で自分をたたく女。すごく滑稽でした。滑稽、なんですよね、今の私の目から見ると。それを感じたことが良い体験でした。

 若松孝二監督の新作映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」についてのトーク・イベント(?)を再現したシーンが一番面白かったです。この映画、見てみます。

 最後は天井から吊り下げられた巨大な鉄球が、客席後方から舞台へと飛び込んできました(スピードは早くないですが)。私には全く意味がわからなかったんですが、後から知り合いに聞いたら、鉄球はあさま山荘を破壊する時に使われたんですね。それさえ知らない私・・・。
 ※客席から声が上がった回があったそうです。「そうだそうだ!」とか大声で。

ダブルキャスト:手塚とおるさんの回を拝見。
出演:大沼百合子/濱崎茜/手塚とおる(Wキャスト)/小林勝也(Wキャスト)/石村みか/植野葉子/柊アリス/夏川永聖/河合杏奈/Masami/飛谷映里/武田優子//熊本昭博/晃映ヒロ/伊澤勉/須山剛/越智正雄/小寺悠介/阪本篤/高橋宙無/倉本朋幸/神野明人/狩野淳/土居陽佑/井上和也
脚本:エルフリーデ・イエリネク 訳:山本裕子 台本・演出:川村毅 美術:石原敬 照明:笠原俊幸 衣裳:萩野緑 音響:藤平美保子 舞台監督:松下清永
全席指定 一般:6,000円 学生料金:3,000円
http://www.tpt.co.jp/

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Posted by shinobu at 14:06 | TrackBack

【お知らせ】「CoRich舞台芸術アワード!2008」発表!

 CoRich舞台芸術!にて「CoRich舞台芸術アワード!2008」の投票結果が発表されました!
 第一位はわずか1ポイント差で・・・!!

 投票したCoRichメンバーは昨年の47名から69名に、舞台通メンバーも18名から21名に増加ました。CoRich舞台芸術!ならではのカラーが出てきている気がします。観客にとっては、頼りになる指標が増えて嬉しいですね。ランクインした30作品の中で、観たことのない劇団にも興味が沸きました。

Posted by shinobu at 11:47 | TrackBack

2009年01月08日

HIGH LIFE『アケミ』01/02-18 THEATER/TOPS

 HIGH LIFEは、劇団青年座に縁のある男優さんたちが結成したユニットです。今回は福島三郎さんの新作書き下ろし&演出ということで、もうすぐ閉館してしまうTHEATER/TOPSに伺いました。

 気持ちよくワハワハ笑って、胸打つイイ話にホロリときて、すっかり心が温まりました。上演時間は約1時間45分。誰でもリラックスして楽しめるコメディーだと思います。

 HIGH LIFEのメンバーで出演者でもある網島郷太郎さんは、はしのえみさんとの入籍発表をされたばかり。セクスィ~でした(役柄も)♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『アケミ

 ≪あらすじ≫ 
 舞台は東京にある小さな喫茶店。若いマスター(蟹江一平)が1人で経営しているようだ。大晦日に訪れる男性客が2人(猪野学、網島郷太郎)。どうやら2人とも携帯に夢中の様子・・・。
 ≪ここまで≫

 登場人物全員が30代で、それぞれがその世代ならではの生活をして、悩みを持っていて・・・って、思いっきり私も同じ世代なんですけど(苦笑)。「あぁ、そうだよな~、そうなるよな~、へぇ~男の人はそうなんだ~」と、ふむふむセリフを聞きながら、少々ベタでしつこい目かもしれないギャグに(笑)、大笑いさせていただきました。

 そして、一見ちゃらんぽらんだったり、ダサかったりする男たちが思いっきりバカをやった後で、彼らの純情や募らせている想いがズシンと伝わってくるエピソードが用意されていました。私はやっぱり福島さんの作品が好きですね。この年になって“胸キュン”(←今だに私の中では頻発ワード)とか言ってる場合じゃないよね~とも思うんだけど(笑)、それでも恋は素晴らしいって思わせてくれます。ビバ恋!

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 “アケミ”という女と出会い系サイトで待ち合わせの約束をした男たちが、目印に赤いジャケットを着て、神社の矢を持っている図はほんとにみっともない(笑)。でも、誰もが赤い服を着て並んでいると、可愛いな~とも思ってしまう。

 西川(猪野学)を探しに来た栗原(鈴木浩介)が、実は幽霊だった・・・かもしれないというシーンは、お芝居だとわかっていながらもハラハラしました。事故に遭った栗原が既に死んでいるのかどうかわからない状態だったのが、このドキドキ感の仕掛けだったのかも。いや~すっかり脚本にヤられたな~。
 栗原のセリフにぐっと来ましたね。「人生は出会いです。出会う人で人生は変わります。」

 アケミの正体は喫茶店のマスター(蟹江一平)の母親でした。息子の喫茶店にお客さんがたくさん来るように、出会い系サイトでひっかけた男との待ち合わせ場所に、その喫茶店を指定していたとは。むむ~、腑に落ちました。
 喫茶店が心霊スポットで、神社のそばにあり、その神社が伊勢神宮と縁のあるものだという設定が憎い!

 ゲストの宮地雅子さんが本当に来ちゃったアケミ役。北村有起哉さんはアケミ(←マスターの母親)と待ち合わせた6番目の男役で、最後にチラっと登場。「パイパー」の脚本を持って「パイパーパイパー」と繰り返していたような。カーテンコールでは、持っていた大きな花束を網島郷太郎さんに贈呈。

出演:小林正寛(37歳の整体師。できちゃった結婚をして4人の子持ち)、蟹江一平(アメリカ兵と日本女性との間に生まれたが、母は幼い頃に離婚し、最近になって日本人男性と再婚。新しい父親が持つ喫茶店でマスターをしている)、猪野学(文房具屋の息子。ビッグになるために東京に出てきたが、30歳で脱サラして小劇場の役者になった36歳。幼なじみのアケミをずっと好きだった)、網島郷太郎(歯医者の息子。バンドをやっていてちやほやされていたが挫折。今は小さな広告会社の社員)、鈴木浩介(もともと引きこもり?だったが、金物屋の娘アケミと見合い結婚。商店街の年末恒例行事・伊勢参りの帰りにバスが転落事故に遭い、生死をさまよっている) ゲスト:宮地雅子(役者と待ち合わせをしたアケミ) 北村有起哉(アケミ〔実はマスターの母親〕と待ち合わせをした6番目の男)
脚本・演出:福島三郎 舞台美術:阿部一郎(劇団青年座) 照明:佐藤公穂 音響:大久保友紀 舞台監督:石井香織 演出助手:小林章一 宣伝美術:本庄崇 宣伝写真:長澤元樹 WEBデザイン・管理:長野景一 宣伝:吉田プロモーション 制作:浅井美衣・河口礼志・杉浦亜紀 制作協力:株式会社ケイファクトリー 企画・製作:HIGH LIFE
【発売日】2008/11/22 料金 4,000円 全席指定/税込
http://www.high-life.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:58 | TrackBack

2009年01月06日

2008年しのぶの観劇ベストテン

20091006_2008best10.JPG
2008年の総決算

 毎年恒例のしのぶの観劇ベストテンの発表です。昨年に続いて「心に残る10本」+αを選びました。ベストテンはCoRich舞台芸術アワード!2008にも投票しています。⇒投票したメンバー

 ※2008年の観劇本数は298本(内、同じ作品を2回観たのは5公演、3回観たのは2公演)。

 2008年も面白いお芝居にいっぱい、いっぱい出会えてとても充実していました。自分が日本の演劇のために役に立てることって何なのかを慎重に考えながら、サイト運営を続けて行きたいと思います。レビューの量・本数は少なくなるかもしれませんが、これからも観客視点で書いていくつもりです。今年も「しのぶの演劇レビュー」をどうぞよろしくお願い申し上げます。
 おかげさまで執筆のお仕事が増えて参りました。本当にありがとうございます。その記録も合わせて掲載いたします。

■メルマガ号外■ ※初日の早い順

・新国立劇場演劇『屋上庭園/動員挿話』02/26-03/09新国立劇場 小劇場
・MONO『なるべく派手な服を着る』03/06-16ザ・スズナリ
・こまつ座『闇に咲く花』08/15-31紀伊國屋サザンシアター
・急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』10/03-05横浜市中区吉田町街頭(店舗内および路上)
・KERA・MAP #005『あれから』12/13-28 世田谷パブリックシアター


■心に残る10本■ ※初日の早い順 ※号外を発行した公演を除く。

・ジェットラグ・プロデュース『投げられやす~い石』01/24-27新宿ゴールデン街劇場
・HAMMER-FISH『パイドラの愛』02/08-14サイスタジオコモネAスタジオ
・東京国際芸術祭2008・TIFパフォーマンス『溺れる男』03/06-09にしすがも創造舎 特設劇場
・Bunkamura『わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-』05/04-27シアターコクーン
・エンリケ・ディアス演出『かもめ・・・プレイ』06/07-08舞台芸術公園 野外劇場「有度」
・パルコ『SISTERS』07/05-08/03パルコ劇場
・松竹『羊と兵隊』07/05-27本多劇場
・韓国演出家協会・アジア演出家展『ロミオとジュリエット』04/07-09アルコ芸術劇場小劇場(韓国)
・岡崎藝術座『リズム三兄妹』10/30-10こまばアゴラ劇場
・世田谷パブリックシアター『友達』11/11-24シアタートラム


■遠征■ ※首都圏以外での観劇回数が増えました。

・劇団衛星『ブレヒトだよ!』02/23-03/02東山青少年活動センター
・韓国演出家協会・アジア演出家展『ロミオとジュリエット』04/07-09アルコ芸術劇場小劇場(韓国) ⇒上映会
・Shizuoka春の芸術祭2008/SPAC『夜叉ヶ池』05/24-25静岡芸術劇場
・エンリケ・ディアス演出『かもめ・・・プレイ』06/07-08舞台芸術公園 野外劇場「有度」
・風三等星『ピンスポ!』08/01-03ぽんプラザホール
・ペンギンプルペイルパイルズ『審判員は来なかった』08/02-03西鉄ホール
・渡辺源四郎商店『修学旅行(中学生版・渡辺源四郎商店版)』08/16-24アトリエ・グリーンパーク
・SPAC『ハムレット』11/09-24静岡芸術劇場 ※レビューはアップできていません。
・わらび座『ミュージカル「天草四郎-四つの夢の物語-」』12/14群馬県民会館


▼演劇関連のお仕事▼

・こりっち「CoRichチケット!
・こりっち「CoRich舞台芸術まつり!2008」審査員
・FPAP「劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー」アドバイザー
・the company「『1945』アフター茶話会」進行役
・FM西東京「たけがき2」月1回のレギュラー出演
 2008年4月までで終了となりました。⇒ポッドキャスティング


▼執筆▼ ※掲載順

●パンフレット、劇評など
・赤坂RED/REVOLUTION『東京
・新国立劇場演劇「シリーズ・同時代」3作品(⇒
・渡辺源四郎商店『修学旅行』劇評
・プチクリvol.27「東京エンゲキの明日はどっちだ?」インタビュー
・新作邦画DVDの紹介記事を書いています(月4~5本)。2008年は49本執筆。

●インタビュー
・劇場フリーペーパーGreenPaper「特集インタビュー・七瀬なつみ」2008年1月号
・CoRich舞台芸術!「注目インタビュー・大宮エリー」2008年5月
ロバート・アラン・アッカーマンさん(the company『1945』演出)08/22都内某所
・CoRich舞台芸術!「注目インタビュー・田中麗奈」2008年10月

●稽古場レポート
・わらび座『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」』01/04わらび座 第五けいこ場
・新国立劇場演劇研修所・第1期生修了公演『リハーサルルーム』02/01リハーサルルームD
・the company『バーム・イン・ギリヤド』03/23都内某所
・赤坂RED/REVOLUTION『東京』03/06下北沢某スタジオ
・演劇大宮エリー『GOD DOCTOR(ゴッド・ドクター)』4/15都内某所
・新国立劇場演劇『まほろば』07/04新国立劇場Cリハーサル室
・the company『1945』10/08都内某所
・モダンスイマーズ『夜光ホテル~スイートルームバージョン~』10/21都内某所
・冨士山アネット『不憫(FUBIN!)』11/13都内某所
・Habanera『ロゼット』12/05都内某所

●ワークショップなど
・東京ノーヴイ・レパートリーシアター「レオニード・アニシモフの俳優の為のマスタークラスvol.2」2007年10/16、11/06東京ノーヴイ・レパートリーシアター劇場
・赤坂RED/REVOLUTION第一弾『東京』最終オーディション01/10赤坂RED/THEATER
・the company「Robert Allan Ackerman Workshop 3rd」08/12都内某所
・俳優指導者アソシエーション「シリーズ『俳優のすべて』第1回 自分自身の「土壌」を耕す」12/15-21森下スタジオ・受講者募集 ※執筆中

●記者発表
・テレビ東京・Studio Life・銀河劇場プロデュース「『カリフォルニア物語』製作発表記者会見」02/12テレビ東京てれとプラザ7階
・王子小劇場「“佐藤佐吉演劇祭2008”記者発表」05/07王子小劇場
・東京ギンガ堂『音楽劇「ねこになった漱石」』制作発表05/08東京都健康プラザハイジア
・テレビ東京・Studio Life『マージナル』製作発表07/07テレビ東京第1スタジオ
・彩の国さいたま芸術劇場『彩の国ファミリーシアター「音楽劇 ガラスの仮面」』製作発表記者会見07/15グランドハイアット東京2F「バジル」
・王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2008・後夜祭」09/09王子小劇場
・「フェスティバル/トーキョー~F/T09春~記者発表」11/25東京芸術劇場5階
・「メセナ アワード2008贈呈式・たたかう劇場賞受賞 佐藤電機株式会社」11/28スパイラルホール

●その他
・【写真レポート】劇団四季『ミュージカル李香蘭』03/20-05/18四季劇場[秋]
・【寄稿】wonderland『年末回顧特集「振り返る私の2008-今年の3本」』
・「しのぶの演劇レビュー」TOPで演劇関連情報の告知をしています。

▼2008年を振り返って▼
 「こんなに面白い作品ばかりで、もう、どうしたらいいの!?」という贅沢な悩みに明け暮れた2008年だったように思います。観に行く度に驚かされ、考えさせられ、ますます演劇が好きになりました。1999年から本格的に観劇を始めましたが、演劇のおかげで目が開いて、自分で思考することができるようになったと実感しています。

 しかしながら、東京で上演されるお芝居の種類と公演数の多さにめまいがすることもあり、そんなに演劇が盛んな街でありながら、舞台芸術に対する理解の広がりは感じられず、挫折感を味わうこともありました。
 観劇感想文をウェブ上に公開して「面白いお芝居があるんですよ!」と、感謝と喜びの気持ちをこめて伝えてきたつもりですが、それとはまた違った方向に進んでみたいと思い始めています。

 2004年7月から発行しているメルマガ「まぐまぐ大賞2008」にノミネートされたことは、今後の活動の大きな支えになりそうです。応援してくださってありがとうございました。


【おまけ】2009年元旦に伊勢神宮にお参りしました。
20090101_ise_jingu.JPG

 外宮に行ってから内宮に行くのが決まりなんですね(↑写真は内宮の下)。知人から「伊勢神宮は自分の生き方を宣言しに行くところだ」と聞いていましたので、しっかり今年の抱負を宣言してきました。すると不思議なことに、内宮でお参りした時からスっと何かが変化したように感じたんです。なぜか嬉しくなって笑いがこみ上げてきたりもしました。ありがとう、お伊勢さん。

 去年は仕事環境の変化もあって、5~6月に体調を崩しました(胃痛やけんしょう炎で)。今年は無理をせず、自分を大切にしていきたいと思っています。テーマは自愛と自立で。

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2009年01月04日

NODA・MAP『パイパー』01/04-02/27 Bunkamuraシアターコクーン

 松たか子さん、宮沢りえさんというスター女優をダブル主演に迎えた、野田秀樹さんの新作です。上演時間は約2時間。前売りは完売。⇒当日券情報 ⇒舞台写真(スポーツ報知)

 約50名のアンサンブルとともに回想される火星の歴史。発想はもちろん、言葉もすごく面白くて、あっという間の2時間でした。映画みたいだな~とも思いました。『人形の家』に続いて宮沢りえさんが素晴らしかった。

 ⇒CoRich舞台芸術!『パイパー

 ≪あらすじ≫ イープラスより
 1000年後の火星で、何が起きていたのか? 火星は人類の憧れであり、希望の星だった。その初の火星移住者たちのあふれんばかりの夢が、どのように変貌を遂げていくのか。そして、人々と共に火星に移住した「パイパー」なる生物? 機械? 人間? もまた、人類の夢と共に変貌を遂げる。そして1000年後の火星。その世界を懸命に生きる姉妹たちがいた……。
 ≪ここまで≫ 

 演劇雑誌などでも作品に関する情報は最低限に抑えられていた『パイパー』。何も知らずに観るのが面白いんじゃないかと思います。

 大勢の出演者が火星に暮らす人々を演じ、1000年に渡る火星の歴史を振り返っていきます。カラフルな衣裳に身を包んだ有名俳優の達者な演技、野田さんならではの言葉遊びなど、NODA・MAPらしいテイストは期待通り。
 『オイル』よりも絶望的なのに明るさを感じたのは、無名のアンサンブルの存在が大きいかもしれません。誰も個人芸に固執することなく、遠い遠い星の壮大な物語そのものを伝えてくださいました。

 『パイパー』の世界を今の日本、今の地球に重ね合わせ、言葉を味わいました。演劇って何なんだろうな~と考え、迷うことが多くなりましたが、こうやって野田さんが今考えていることを演劇という形で受け取れることは、単純に嬉しいし、すごく面白いです。そこには全く迷いはありません。

 ここからネタバレします。レビューは続きを書けるかどうか未定。

NODA・MAP第14回公演
出演:松たか子、宮沢りえ、橋爪功、大倉孝二、北村有起哉、野田秀樹、小松和重、田中哲司、佐藤江梨子、コンドルズ(近藤良平 藤田善宏 山本光二郎 鎌倉道彦 橋爪利博 オクダサトシ)
アンサンブル(五十音順・48名):浅野涼 飯塚のり子 池田美千瑠 石原晶子 泉田奈津美 井出みな子 伊藤衆人 いとうめぐみ 大石貴也 大谷由梨佳 川本亜貴代 清原愛 清原舞子 酒井梨歩 塩崎こうせい 重本由人 七味まゆ味 下司尚実 鈴木美穂 髙田淳 髙橋紗也佳 髙橋真弓 竹島由華 竹田靖 竹村彩子 田尻亜希 立島明奈 谷口綾 田山仁 土田祐太 徳永眞弓 長尾純子 永野雅仁 中平良夫 新見聡一 野上絹代 野村昇史 長谷川寧 深谷由梨香 古河耕史 星利枝 前野未来 毎ようこ 松嶋千秋 村上結花 森由果 山田英美 渡邊淳 
脚本・演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 照明:小川幾雄 衣裳:ひびのこずえ 選曲・効果:高都幸男 振付:近藤良平 映像:奥秀太郎 ヘアメイク:宮森隆行 舞台監督:瀬崎将孝 プロデューサー:鈴木弘之 演出補:高都幸男 演出助手:田尾下哲 美術助手:秋山光洋
【発売日】2008/11/22 S席:9,500円 A席:7,500円 コクーンシート:5,500円
http://www.nodamap.com/
ぴあ:http://t.pia.jp/feature/stage/noda-piper/noda-piper.html
イープラス:http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/noda_piper.html
田中哲司さんインタビュー:http://www.next-pms.com/choice/02.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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2009年01月03日

五反田団『新年工場見学会09~少女のニセモノ~』01/02-04アトリエヘリコプター

20090103_kojo_kengakukai09.JPG
新年工場見学会09

 アトリエヘリコプターでの年始恒例の公演です(過去レビュー⇒)。今年最初の観劇もまた新年工場見学会になってしまった(笑)。上演時間は約2時間50分(途中休憩10分を含む)。電車が止まった影響で開演時刻が遅れたため、少々長く感じたかもしれません。

 アトリエ1階、お隣りの六尺堂では「新年工房見学会09」が開催中です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『新年工場見学会09

 ここからネタバレします。セリフ、設定などはうろ覚えです。

■『むらさき☆こんぷれっくす』 作・演出:前田司郎(五反田団)

 セント・スイートピー学園にて、女子からも男子からも好かれる美女・大山子(大山雄史)には秘密があった・・・。
 少女漫画の世界のパロディー、なのかしら。ストーリーは上流階級の恋愛もので、テイストにはマンガ「ガラスの仮面」の要素も入っていたような。やたら恋したりケンカしたり、陰謀めいたり余命数ヶ月になったり(笑)。

 安倍健太郎さんが首相の息子・大山子の命を狙うアメリカ人の刺客役で、顔を黒く塗ってらっしゃいました。名前がウィル・スミス(爆笑)!安部さんが「問題ない(大丈夫)」という意味で「ノー・プログレス!」と言った時、一番笑ったかも(笑)。それじゃ「進歩なし」だ。
 婚約者の魚小路(高井大介)が大山子にくびったけで、嫉妬に狂う女・薔薇役の内田慈さんの迫力がすごかったです。

■ザ・ノーバディーズ
 去年に続いて京都のバンド、ザ・ノーバディーズによるライブ。4曲披露してくださいました。齊藤庸介さんのダンスが良かったです。
 横でゆるく司会をされたのは大山雄史さん、師岡広明さん、坂口辰平さん。

 ~~~ 途中休憩10分 ~~~
 ホットワインをいただきました(サービスなので無料)。

■紅牛会
 兵藤公美さんと榎戸源胤さんが着物でしっかりとした日本舞踊を披露してくださいました。お正月らしい華やいだ気分になりました。そこにダンボール製の獅子舞が(笑)。動きはちゃんと獅子舞らしく、唐草模様の胴体(を表す布)の中から小さい獅子が登場してびっくり。
 佐藤紗恵さんが“柿の種”(お菓子)の缶で演奏されてたのが可笑しかった。

■『チャゲ&飛鳥のニセモノ』作・演出:岩井秀人(ハイパイ)

 “チャゲ&飛鳥”の誕生秘話。お笑い芸人コンビとしてデビューした“飛鳥&カゲ”(平原テツ&岩井秀人)だったが、飛鳥の声の良さに目をつけたプロデューサー(中島美紀)が、2人を歌手の道へと引っ張りこんだ。しかしバンダナ&サングラスを強要され、名前をチャゲと変えさせられたチャゲ(=カゲ)は自殺。飛鳥は新たなチャゲを探すことにする。

 “自称チャゲ”な人たちが5人、オーディションを受けに来て、心の中にある影(カゲ=チャゲ)を披露していき、いかに自分がチャゲに近いかを競います。それぞれが持つ暗い過去のエピソードが、どうやら役者さんの実体験っぽい??(語り口がリアルに生っぽい) えらそうに話を聞く飛鳥(平原テツ)も可笑しかった。

 一番可笑しい、というか、濃い味わいだったのは、坂口辰平さん(前に出すぎ)と墨井鯨子さん(飛鳥を試すチャゲ)の火花散るやりとり。師岡広明さんが語った小学校の先生とのバトルは恐ろしかったです。実体験なのかな~、やっぱり。

●舞台美術工房六尺堂「新年工房見学会09」01/02-04六尺堂
20090103_rokushakudo1.JPG

 こちらでもサービスの甘酒をいただいてしまいました♪
 工房内はとても寒くて、昔の新年工場見学会を思い出しましたね(笑)。

 展示物は美術の図面や舞台写真、実際に使用された照明や小道具などなど。動くオブジェもあり。“美術”というと、ある舞台公演の中の1要素として捉えがちですが、それ単体でもアートなんですよね。作った人(舞台美術家)がそこにいることを間近で確かめられました。

『むらさき☆こんぷれっくす』出演:安倍健太郎、内田慈、大山雄史、菊川朝子、木引優子、黒田大輔、齊藤庸介、佐藤沙恵、椎橋綾那、高井大介、立蔵葉子、中川幸子、坊薗初菜、前田司郎
ザ・ノーバディーズ:≪鍵盤≫宮部純子 ≪太鼓≫浅井“わっしぷい”浩介 ≪ビター≫犬飼“ハウズ”勝哉 ≪ペース≫肥田知浩
「紅牛会」出演:内田慈/榎戸源胤/中川幸子/酉田麻耶/兵藤公美 演奏:安倍健太郎/佐藤紗恵/佐藤貴子(3日のみ)/坊薗初菜
『チャゲ&飛鳥のニセモノ』出演:中島美紀、平原テツ、師岡広明、坂口辰平、墨井鯨子、上田遥
脚本・演出:前田司郎(『むらさき☆こんぷれっくす』)・岩井秀人(『チャゲ&飛鳥のニセモノ』) 照明:山口久隆(S-B-S) 制作:榎戸源胤 制作補:清水建志
タイムテーブル:2日(金)19:00/3日(土)14:00/3日(土)19:00/4日(日)14:00
【発売日】2008/12/18 予約・当日ともに2000円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://koujyokengaku.jugem.jp/
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
同時開催『新年工房見学会』@六尺堂:http://www.rokushakudo.org/jp/index.htm

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年01月02日

【オーディション】新国立劇場演劇研修所第5期生(2009年度4月開講)募集※願書受付期間が迫っています!

20081201_uchida.JPG
「ブレイク5秒前」内田亜希子

 新国立劇場演劇研修所は、去年の3月に1期生が卒業(修了)したばかりの新しい学校ですが、修了生の活躍には目覚しいものがあります。⇒修了生情報 ⇒「俳優養成学校の今」(読売新聞2008年10/17夕刊)

 たとえば朝日新聞「ブレイク5秒前」(2008年12/1夕刊)に取り上げられた内田亜希子さんの次回出演作は、オーディションで選ばれたパルコ『ビロクシー・ブルース』。ただいま発売中のシアターガイド2009年2月号から、「わたしの今月」に登場しました。
 2期生の遠山悠介さんも、オーディションで流山児★事務所創立25周年記念公演『ユーリン・タウン・ザ・ミュージカル』の主役・ボビー役を勝ち取りました。

 研修中にも大きな舞台に出るチャンスがあります。昨年の『少年口伝隊一九四五』には2期生が出演しました。今年の新国立劇場演劇『シリーズ・同時代 海外編』のスペシャルイベント「番外連続リーディング」には、3期生が出演します。

 「第5期生募集」の願書受付は1/14-28(郵送のみ)です。ご興味を持たれた方はぜひ応募してみてくださいね。
 ※願書を郵送で取り寄せてからの申し込みになるので、受付期間に入ってから動き出すのでは遅いですよ~!

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年01月01日

【メルマガ 2009年01月のお薦め舞台】

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2009年1月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 56     2009.1.1  1,391部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎新年あけましておめでとうございます!

  老舗劇場の閉鎖、新劇場の開館、新体制になる劇場と演劇祭。
  2009年の東京演劇界は激動の予感!
  刺激的でハッピーな演劇鑑賞で、新年の幕を開けてください♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→NODA・MAP『パイパー』
       01/04-02/27 Bunkamuraシアターコクーン
       http://www.nodamap.com/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→KERA・MAP #005『あれから』
       12/13-28世田谷パブリックシアター
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1216150826.html

 ◆3【シアタートラム NEXT GENERATION に注目!】

   ◎39団体の中から選ばれた3団体が登場!
    http://setagaya-pt.jp/news/2008/06/_vol1.html

 ◆4【今年も開催!NHKシアター・コレクション’09】

   ◎高い評価を得た舞台を再演し、テレビ中継も行う贅沢な企画です。
    http://www.nhk-p.co.jp/concert/20090110_134859.html

 ◆5【編集後記】

   ◎「まぐまぐ大賞2008」での応援をありがとうございました!
   ◎「CoRich舞台芸術アワード!2008」投票受付中!(1/6〆切)
   ◎2月は「キラリ☆ふじみ芸術祭TALKバトル」に参加します。

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.HIGH LIFE『アケミ』
  01/02-18 THEATER/TOPS
  ☆出演:小林正寛、蟹江一平、猪野学、網島郷太郎、鈴木浩介、ほか 
   脚本・演出:福島三郎
   4,000円
    http://www.high-life.jp/
   福島三郎さんが新作を演出。年明けは温かい笑いに包まれたい。


★2.NODA・MAP『パイパー』
  01/04-02/27 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:松たか子、宮沢りえ、橋爪功、大倉孝二、北村有起哉、
    小松和重、田中哲司、佐藤江梨子、コンドルズ、野田秀樹 他
   脚本・演出:野田秀樹
   S席:9,500円 A席:7,500円 コクーンシート:5,500円
   中2階立見席:3500円 2階立見席:2500円
    http://www.nodamap.com/
   野田秀樹さんの新作に松たか子さん、宮沢りえさんがダブル主演。

  ●お薦めポイント●
   昨々年は『THE BEE』↓で演劇界の多くの賞を受賞し、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0717234257.html
   昨年の『THE DIVER』↓でも話題を呼んだ野田秀樹さんの新作です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0926223951.html
   アンサンブルには演劇界の新世代俳優が約50名も出演!
   前売りチケットは完売。当日券情報はこちら↓
    http://www.nodamap.com/en/piper/


3.サンケイホールブリーゼ『冬の絵空』
  01/12-02/01世田谷パブリックシアター
  ≪大阪、愛知、広島、福岡、東京≫
  ☆出演:藤木直人、橋本じゅん、中越典子、中村まこと、片桐仁、
   松尾貴史※、粟根まこと※、加藤貴子、生瀬勝久、他 ※Wキャスト
   脚本:小松純也 演出・上演台本:鈴木勝秀
   一般S席9,000円/A席8,000円/プレミアムシート11,000円
    http://www.sankeihallbreeze.com/kouen_fuyu.html
    http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/fuyunoesora.html
   「忠臣蔵」を大胆に脚色した物語。豪華キャストです。


4.ラッパ屋『ブラジル』
 01/17-25紀伊國屋ホール
  ≪東京、北九州、大阪≫
  ☆出演:福本伸一、おかやまはじめ、木村靖司、弘中麻紀、岩橋道子、
      三鴨絵里子、土屋裕一(客演)、他
   脚本・演出:鈴木聡
   前売り・当日とも4800円 平日の当日券のみ学割料金あり3500円
   ※1/19(月)14:00/1/22(木)14:00は落語独演会あり
    http://homepage3.nifty.com/rappaya/
   ラッパ屋といえば、大人が大いに笑って泣けちゃうコメディー。
   2006年の『明日のニュース』ではメルマガ号外を発行しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0117005025.html


5.彩の国シェイクスピアシリーズ第21弾『冬物語』
  01/15-/02/01彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ≪埼玉、宮城、大阪≫
  ☆出演:唐沢寿明、田中裕子、横田栄司、長谷川博己、原康義、塾一久、
      大石継太、藤田弓子、六平直政、瑳川哲朗 他
   脚本:W・シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
   S席9,000円 A席7,000円 B席 5,000円
    http://shakespeare.eplus2.jp/
   蜷川幸雄さんが演出されるシェイクスピア。豪華キャストです。


★6.劇団☆新感線パルコ・プロデュース/いのうえmeetsシェイクスピア
  『リチャード三世』01/19-02/01赤坂ACTシアター
  ≪大阪、宮城、東京≫
  ☆出演:古田新太 安田成美 榎木孝明 大森博史 三田和代 銀粉蝶、
    久世星佳 天宮良 山本亨 増沢望 西川忠志 久保酎吉 若松武史 他
   脚本:W.シェイクスピア 翻訳:三神勲 演出:いのうえひでのり
   S席10,000円 A席8,000円 ※未就学児の入場不可
    http://www.parco-play.com/web/page/information/richard
   いのうえひでのりさんが演出されるシェイクスピア。
   こちらも目がチカチカするほどの豪華キャスト。


7.wat mayhem『パンク侍、斬られて候』
  01/20-02/01本多劇場
  ≪東京、大阪、北九州≫
  ☆出演:山内圭哉/小島聖/中山祐一朗/廣川三憲/加藤啓/
      林克治/福田転球/腹筋善之介/宇梶剛士/大谷亮介/他
   原作:町田康 脚本・演出:山内圭哉
   前売5800円 当日6000円 ※未就学児童入場不可
    http://www.nelke.co.jp/stage/punk/
   町田康さんの小説を人気俳優の山内圭哉さんが脚本・演出・主演。
   初演は大阪公演のみだったので、東京進出は嬉しいですね。


8.敦-杏子(TON-ANZU)プロデュース『URASUJI・Ⅲ 寵愛~大陸編~』
  01/21-02/02ザ・スズナリ ※2/2(月) はサプライズ・ライブのみ
  ☆出演:杏子 深沢敦 岩﨑大 池田有希子 西村直人 草野徹
      森貞文則 藤田記子 加藤亜衣 高祖正浩 村田譲 宮本雅行 他
   ゲスト:明星真由美 河野洋一郎 倉科カナ 森那月
   脚本・演出:松村武 二胡・バイオリン演奏:土屋玲子
   指定席4800円 前方ベンチ指定席4400円 最前列自由席4000円
   ※未就学児入場不可
    http://www.stage-mura.jp/archives/46
   杏子さんと深沢敦さんがプロデュースするエッチでおバカな音楽劇。
   『好色必殺時代劇版ミュージカル「URASUJI」』のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1001111019.html
   『URASUJI★幕末編~みだれ~』のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1227220416.html


9.metro『陰獣 INSIDE BEAST』
  01/22-27神楽坂die pratze
  ☆出演:丸山厚人、池下重大、鴇巣直樹、月船さらら、出口結美子
   脚本・演出:天願大介
   全席自由 料金 4,500円
    http://www.metro2008.jp/ CoRichで↓カンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=10940
   月船さららさんと出口結美子さんが立ち上げたmetroの旗揚げ公演。
   江戸川乱歩の「陰獣」「化人幻戯」を元に、天願大介さんが新作を
   書き下ろし、演出されます。
   ※主宰のお2人にインタビューさせていただきました。
    初日前には公開予定ですので、どうぞお楽しみに♪


★10.オリガト・プラスティコ『しとやかな獣』
  01/29-02/08紀伊國屋ホール
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:浅野和之、緒川たまき、広岡由里子、近藤公園、すほうれいこ、 
      佐藤誓、大河内浩、玉置孝匡、山本剛史、吉添文子
   脚本:進藤兼人 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   前売り5,500円/当日5,800円
    http://www.morisk.com/plays/index.html
  オリガト・プラスティコは広岡由里子さんとケラさんのユニット。
  川島雄三監督の名作映画をケラさんが演出されます。豪華キャスト。


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3000円台以下の気になる作品を6本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】五反田団『新年工場見学会09』
  01/02-04アトリエヘリコプター
  ☆出演:五反田団、ハイバイなどから20名以上
   脚本・演出:前田司郎(五反田団)・岩井秀人(ハイバイ)
   予約・当日ともに2000円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
    http://koujyokengaku.jugem.jp/
   同時開催『新年工房見学会』@六尺堂
    http://www.rokushakudo.org/jp/index.htm
   毎年恒例の「新年工場見学会」。今年は「少女のニセモノ」(前田)と
   「チャゲ&飛鳥」のようなもの(岩井)だそうです。昨年レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0103170107.html


【2】ハイリンド『血のつながり』
  01/14-18「劇」小劇場
  ☆脚本:シャロン・ポーロック 翻訳:吉原豊司 演出:藤本剛
   前売/当日3500円 15日14時の回:前売/当日3000円
    http://www.hylind.net/
   俳優4人の劇団ハイリンド。今回はカナダのサスペンス・ドラマ。


【3】タテヨコ企画『アメフラシザンザカ』
  01/14-20駅前劇場
  ☆脚本・演出:横田修 
   前売3,000円(日時指定・全席自由) 当日3,300円 高校生以下1,500円
   ビデオ撮影日・平日マチネ割引:前売・当日共2,000円
    http://tateyoko.com/
   10周年を迎えるタテヨコ企画。心を芯から温めてくれるはず。


【4】サンプル『伝記』
  01/15-25こまばアゴラ劇場
  ☆脚本・演出:松井周
   全席自由・整理番号付 前売り3,000円 当日3,200円
    http://www.samplenet.org
   「フェスティバル・トーキョー」↓にも参加する、松井周さんの新作。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1126162834.html
   昨年の『家族の肖像』↓は岸田國士戯曲賞最終候補作になっています。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0823121605.html


【5】4x1h project『Play#2「ソヴァージュばあさん/月並みなはなし」』
  01/23-30新宿シアター・ミラクル
  ☆「ソヴァージュばあさん」脚本:谷賢一 演出:黒澤世莉
   「月並みなはなし」脚本:黒澤世莉 演出:中屋敷法仁
   全席自由2,500円 学生割引2,200円
    http://blog.livedoor.jp/project4x1h/ CoRichで↓カンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=11012
   新作短編戯曲6本をリーディング上演し、観客投票で選ばれた3本を
   本公演として上演するプロジェクト。
   『Play #0「ひとさまにみせるもんじゃない」「いそうろう」』↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0921154203.html


【6】劇団フライングステージ『ジェラシー ~夢の虜~』
  01/24-02/01駅前劇場
  ☆脚本・演出/関根信一
   前売3,500円/当日3,800円
    http://www.flyingstage.com
   「ミッシング・ハーフ」(再演)と「ジェラシー」(新作)の2本立て。
   「ミッシング…」は2006年度サンモールスタジオ選定各賞の
   最優秀作品賞、最優秀女優賞受賞作です。
   「ジェラシー」は「ミッシング…」↓の前日譚になるそうです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0428015829.html


≪その他≫

 ○騎馬スペクタクル ジンガロ『バトゥータ BATTUTA』
  01/24-03/26木場公園内ジンガロ特設シアター
  ☆出演予定:出演馬38頭、出演者35名
   脚本・演出:バルタバス
   ギャロップシート18,000円 SS席20,000円 S席14,000円 A席8,000円
   ※未就学児童の入場不可
    http://www.zingaro.jp/
   『ルンタ~Loungta~』(2005年)のまとめ↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0509000000.html


 ◎しのぶの今月の全予定はSCHEDULEに掲載しています。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.KERA・MAP #005『あれから』
  12/13-28世田谷パブリックシアター
  ☆この話が胸にしみるのは、自分が年を取ったからなのでしょう(苦笑)。
   DVDが発売されるそうですので、見逃した方はぜひ!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1216151642.html
   メルマガ号外↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1216150826.html


2.燐光群『戦争と市民』
  11/21-12/07ザ・スズナリ
  ☆戦争、捕鯨、市長選。情報の洪水と役者さんの熱演に圧倒され、
   私たちの平和(?)な日常と社会問題がぴったりと重なりました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1206011632.html


3.東京デスロック『その人を知らず』
  12/26-01/05こまばアゴラ劇場
  ☆戦中・戦後を描いた、三好十郎の重厚な戯曲を改訂せず上演。
   ポップな選曲と奇抜な演出で、3時間の大作も楽しく、興味深く。
   東京デスロックの東京公演はこれで休止です。※1/5(月)まで!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1231173727.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2008年12月(観劇数20作品)はKERA・MAP『あれから』で発行!


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 ◆3 【シアタートラム NEXT GENERATION vol.1に注目!】
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 ◎世田谷パブリックシアターが若い才能の発掘と育成の場として
  開催する「シアタートラム ネクスト・ジェネレーション」。
   http://setagaya-pt.jp/news/2008/01/post_32.html
  39団体の中から選ばれた3団体が、今月シアタートラムに登場!
  それぞれ平日2日間のみの公演ですので、チケット確保はお早めに♪


《1》1月24日~25日
  サスペンデッズ『片手の鳴る音』
  ☆脚本・演出:早船聡
    http://suspendeds.jugem.jp/
   初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0408165301.html
   早船さんが手がけた『ロゼット』の稽古場レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1208101500.html


《2》1月27日~28日
  toi presents『四色の色鉛筆があれば』
  ☆脚本・演出:柴幸男
    http://toi4th.exblog.jp/
   「あゆみ」「ハイパーリンくん」「純粋記憶再生装置」
   「反復かつ連続」の4本立て。「あゆみ」レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0622235132.html
   「反復かつ連続」もスゴイそうです。CoRichで↓カンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=10637


《3》1月31日~2月1日
  エビビモpro.『エビビモ』
  ☆脚本・演出・音楽:矢ヶ部哲
    http://www.ebipro.com/
   オリジナル・ミュージカルを上演する20代前半の団体。


 【会場】シアタートラム
 【チケット】
  全席指定 一般2,500円 TSSS 1,250円 3劇団セット券6,000円
  劇場友の会会員割引2,000円 世田谷区民割引2,300円


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 ◆4 【今年も開催!NHKシアター・コレクション’09】
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 ◎「NHKシアター・コレクション’09」は、
  高い評価を得た舞台を再演し、テレビ中継も行う贅沢な企画です。
  今年は4作品が選ばれました。
   http://www.nhk-p.co.jp/concert/20090110_134859.html

〔1〕1月10日~11日
 モダンスイマーズ『夜光ホテル~スイートルームバージョン~』
  脚本・演出:蓬莱竜太
   http://www.modernswimmers.com/
  稽古場レポート↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1023225057.html


〔2〕1月24日~25日
 イキウメ『イキウメ短篇集(図書館的人生Vol,1、Vol,2から)』
  脚本・演出:前川知大
   http://www.ikiume.jp/
  過去レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0316143709.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1116232852.html


〔3〕2月7日~8日
 劇団昴『親の顔が見たい』
  脚本:畑澤聖悟 演出:黒岩亮
   http://www.theatercompany-subaru.com/
  戯曲が鶴屋南北戯曲賞にノミネートされています!


〔4〕2月21日~22日
 ミクニヤナイハラプロジェクト『青ノ鳥』
  脚本・演出:矢内原美邦
   http://www.nibroll.com/ 
  岸田國士戯曲賞最終候補に選ばれた戯曲です!レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0922185331.html


 【会場】NHKみんなの広場 ふれあいホール
 【チケット】全席指定3,000円

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 ◆5 【編集後記】
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 ◎「まぐまぐ大賞2008」での応援をありがとうございました!
   http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/
  残念ながら3位入賞はなりませんでしたが、
  エンタメ部門・約3000本中の15本に選ばれただけでも感激(嬉涙)!
  今後もこつこつ続けていきたいと思っておりますので、
  どうぞよろしくお願いいたします♪


 ◎フリーペーパー“読むステージ・パフォーマンス プチクリ”の
  第27号「東京エンゲキの明日はどっちだ?」にインタビューされました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1223213341.html
  劇場ロビーなどで配布されていますので、よかったらご覧ください♪


 ◎劇評サイトwonderlandの「振り返る私の2008」に寄稿しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1230200520.html
  いろんな方のベスト3が並んで、とっても楽しい!


 ◎「CoRich舞台芸術アワード!2008」投票受付中!
   http://stage.corich.jp/award/2008/
  観客が選ぶ舞台芸術ベストテンです。↓投票したCoRichメンバー  
   http://stage.corich.jp/award/2008/list.php
  1/6(火)投票〆切 ⇒ 1/9(金)結果発表!


 ◎キラリ☆ふじみで創る芝居『グランド・フィナーレ』公演中の
  イベントに参加することになりました。
  2/11(水・祝)18:00「キラリ☆ふじみ芸術祭TALKバトル」
   http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/index.html
  キラリンク☆カンパニーのメンバーも参加されます。
   http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/kirarinku/kirarinku.html


 ◎岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞の候補作が発表されました。
   http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/selection.php
   http://www.mys-bun.or.jp/award/music.html
  どちらも今月中に発表されます!


 ◎12月はワークショップ見学に3度伺いました。
  俳優指導者アソシエーション「シリーズ『俳優のすべて』第1回」
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1111111012.html
  人と人が見つめあう、その間に生まれるものを感じ取りました。


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2008年12月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「クライマーズ・ハイ」
    http://climbershigh.gyao.jp/
  ・「ザ・マジックアワー 」
    http://www.magic-hour.jp/
  ・「花より男子ファイナル」
    http://www.hanadan-final.jp/
  ・「山のあなた 徳市の恋」
    http://www.yamano-anata.jp/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 00:06 | TrackBack