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Shinobu's theatre review
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2011年11月30日

ままごと『あゆみ』12/01-04森下スタジオ

 柴幸男さんの代表作の1つである『あゆみ』の再演です(過去レビュー⇒)。プレビューを拝見しました。演劇部の高校生や演劇を専攻している大学生が多数招待されていたようです。東京(森下)と神奈川(横浜)の公演のあと、来年4月には福岡、香川、新潟のツアーもあります。※シアターガイド2012年1月号からの情報です。

 『あゆみ』はこれまで色んな地域で上演されてきましたが、昨年の愛知公演で演出が一新され、今回はそこにさらに新しい演出が施されて、ほぼ新作となったようです。上演時間は約1時間15分。

 演劇であらわせることの豊かさを存分に味わえました。女の子たちが、とっても、とっても可愛かった~!柴さんの舞台に出る女優さんは、なぜいつもこんなに可愛らしく見えるんでしょう・・・♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『あゆみ
 レビューは記録程度です。

 開演前、会場ではがっつり稽古中でした。ひたすら繰り返し、柴さんがピシャリとダメ出し。噂にたがわぬハードな稽古ですね・・・。
 柴さんは開演直前に「プレビューなので完全に仕上がっているわけではない」と説明されましたが、私には何がどう未完成なのかはわからなかったです。でもきっと明日の初日は、今日よりずっと遠くへと跳んでいくんだろうなと思いました。

 ここからネタバレします。

 2方向から舞台を挟む対面式客席。チョークで床に線を引いて、演技スペースが広がっていきます。
 衣裳がとっても可愛いです。赤い靴もおしゃれ。

 読書する先輩が男性だったのが新鮮。

≪東京、神奈川、福岡、香川、新潟≫
わたしは 歩く わたしは 進む 新作として生まれ変わった『あゆみ』が、ついに東京と横浜に上陸!!
出演:秋葉由麻 黒宮万理(少年王者舘) 鈴木亜由子(ザ・シャカリキ) 長沼久美子 藤吉みわ フタヲカルリ(劇団あおきりみかん) 真嶋一歌 吉田愛(オイスターズ )
脚本・演出=柴幸男 舞台監督=佐藤恵 美術=青木拓也 照明=伊藤泰行 音響=星野大輔 演出助手=きまたまき/辻村瑛子 宣伝美術=セキコウ 制作協力=佐藤泰紀(急な坂スタジオ) 制作=ZuQnZ [大石将弘/加藤仲葉] 製作総指揮=宮永琢生 企画制作=ままごと/ZuQnZ 助成=芸術文化振興基金/公益財団法人セゾン文化財団
【発売日】2011/10/16 □TICKET□ [全席自由/日時指定/整理番号付]【予約】3,000円【当日】3,500円【高校生以下】予約/当日 1,000円 [要学生証]※未就学児童はご入場いただけません。※高校生以下の方は、当日受付にて学生証の提示をお願い致します。
http://www.mamagoto.org/ayumi-2011.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:41 | TrackBack

Produce lab 89『官能教育 藤田貴大×中勘助「犬」』11/23-27新世界

 演劇ジャーナリストの徳永京子さんが責任者をつとめるProduce lab 89『官能教育』シリーズの第4弾。マームとジプシーの藤田貴大さんが中勘助作の小説「犬」をリーディング公演として構成・演出されます。チケットは完売ですが当日券あり。
 ※公演中にレビューをアップするつもりが、遅れました。ごめんなさい。

 上演時間は約1時間強。壮絶でした。「犬」という小説を舞台化しただけではない演劇作品です。帰宅直後のツイート⇒ 毎回終演後には藤田貴大さんによるトークあり。藤田さんがとても饒舌に語ってくださり、刺激的で内容の濃いトークでした。

 時間的に難しいかもしれませんが、22時の回がおすすめです。客席の空気がいい感じにほぐれて、タブーが起こることを許容する(待ち望む)ムードになる気がするからです。今回のチケット↓はボタンでした。
20111123_inu_ticket.JPG

 このロングインタビュー↓、オススメです!
 ⇒藤田貴大ロングインタビュー「シーンの反復(リフレイン)で蘇る少女たちの心象風景
 ⇒舞台写真
 ⇒CoRich舞台芸術!『官能教育 藤田貴大×中勘助「犬」

 おなじみの反復(リフレイン)の手法は踏襲されていますが(過去レビュー⇒)、原作小説の内容が性的な意味で刺激的で、ストーリーも大っぴらに残酷なので、いつものマームとジプシー公演とは全く違う味わいでした。
 ※私は原作を読んでいません。終演後のトークでの藤田さんの解説によると、大いに変更が加えられているようです。

 舞台から一番近い奈落の中央の席で拝見。下から上を見上げる体勢で俳優に手の届きそうな位置だったのは、私にとってはとても良かったです。俳優を堪能できました。役者さんは皆さん、素晴らしかったです。カーテンコールは2度目があっても良かったと思います。音響(音楽)と照明もセンス抜群。1時間強、舞台に釘付けで全く逃れられませんでした。

 過去と未来を頻繁に行き来するし、場面も目まぐるしく変化するし、役者さんはひっきりなしに動いているので、舞台で起こることを受け取ってついて行くのがやっと。降りそそぐ膨大な情報を浴びるように鑑賞しました。
 鮮やかで残酷でシンプルな反復から、体に、心に、突き刺さるように『犬』の内容(など)が伝わってきます。やがて「もうわかったよ、何が起こったのか、誰がどう感じたのか。だからもう繰り返さないで、悲しくて苦しいから」という気持ちになりました。でも、まだまだ続く反復を観ている内に気づきました。私は全くわかってないということを。何度繰り返されても、じっと穴が開くほど見つめ続けても、人間には他者を「わかる」ことはできない。そして自分が何を見てどう感じ、それが自分にどう作用したのかも、つまり自分自身のことも、本当はわかっていないのです。

 当日パンフレットの藤田さんの文章もこの作品に含まれると思います。何が書かれていても、それが誰の発言なのか、事実なのかなんて、わからない。私たちは「誰にとっても確かなこと」なんて絶対に手に入れることはできない。でも、だからこそ、というのでしょうか、目の前で汗だくになって跳ねる役者さんは確かすぎるほど確かで、「わからない」のに、いえ、もしくは「わからない」からこそ、とんでもなく美しくて豊かで、官能的だと感じました。

 ここからネタバレします。解釈が間違ってたらごめんなさい。

 出演するのは山内健司さん、青柳いづみさん、尾野島慎太朗さんの3人。まずそれぞれが実社会での自分自身として舞台に存在します。そして役人物としても存在します。さらにはその役を演じるために想定した、「役人物の年齢で、役人物と同じ状況にある自分(=役者自身)」としても存在します。つまり「山内さん、青柳さん、尾野島さんが各3人ずつ舞台上に居る」ということになります。これらは全てセリフで説明されます。

 自慰行為もレイプシーンも、抽象的ではあるものの身体表現でしっかり見せて繰り返すので、観ていてとても苦しくなるほどリアル。それが「犬」の中だけでなく、出演者3人の世界でも起こるのです(例:尾野島さんとセックスをした青柳さんが妊娠。青柳さんの恋人の山内さんは激怒して、尾野島さんを殺す。)役者さんは役者同士として会話したり、「犬」の登場人物になったり、登場人物と同じ設定を背負う自分自身を演じたり・・・。藤田さんがおっしゃる“変態”とは、役者さんの“変態”なのだと思いました。

 少女とほぼ無理やりセックスしても、レイプしても、男たちは少女のことを決して獲得することはできませんでした。「獲得」とはつまり「わかる」ということだと思います。舞台で丁寧に、執拗に、何度も同じエピソードが繰り返されても、その物語も、登場人物も、役者さんのことも、私(観客)が獲得することはできないのだと思いました。

 青柳さんの赤いワンピースの裾がひらりとふくらんで、中が見えそうになるチラリズムにどっきどき(見えてもいい下着をお召しなので大丈夫なのですが)。青柳さん(セリフによると25歳)は少女らしい顔つきなので、ロリータ趣味なエロスもあって胸にズキっと来ます。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(舞台に向かって左から):藤田貴大 山内健司 藤原ちから 徳永京子

 青柳さんは台詞を一度聞ただけで憶えられるそうです。「噂には聞いていたけど(大竹しのぶさんとか)、本物を初めて見た!」と山内さんがおっしゃってました。藤田さんは稽古場でクチタテ(口伝)でセリフを役者さんに伝えるとか。なんと・・・驚きました。

 「山内さんは元ワンダーフォーゲル部で、何でも山登りにたとえるのが面白い」という話題になりました。どんな舞台出演も「そこに山があるから登る」という精神で挑んでらっしゃるようです。俳優とは修行僧のような職業だと思います。そういえば「犬」の舞台はインドで山内さんが演じた男性は僧侶なんですね。

官能教育~官能をめぐるリーディング~
出演:山内健司 青柳いづみ 尾野島慎太朗
構成・演出:藤田貴大 テキスト:中勘助『犬』より 照明:明石怜子 音響:角田浩一 WEB:斎藤拓 制作:林香菜 召田実子 責任者:徳永京子
【発売日】2011/10/14 自由席 2,500円+ドリンク代(当日・予約共に)
http://www.producelab89.com/
http://mum-gypsy.com/news/news-105.php

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:28 | TrackBack

【情報】SPAC・静岡県舞台芸術センター「2012~14年度創作・技術部、制作部スタッフ募集」12/23、02/10〆切(郵送orメール)

 SPAC・静岡県舞台芸術センターが技術部、制作部のスタッフを募集しています。2012~14年度の3年間の契約で、契約料は年俸制で220万円~350万円。詳細は公式サイトでご確認ください。

 静岡県舞台芸術センターには海外から多くのアーティストが訪れますし、所属劇団のSPACは海外で公演も行っています。きっと激務でしょうけど、やりがいのあるお仕事だと思います。我こそはという方、ぜひ。

 ●SPAC「2012~14年度創作・技術部、制作部スタッフ募集」公式サイト
 ・応募資格
  原則として20歳以上35歳未満の方
 ・選考試験 予備選考(書類審査)
  本選考 (面接試験)
  A日程 2012年1月22日(日)
  B日程 2012年2月19日(日)
  会場:静岡芸術劇場(JR東静岡駅南口)
 ・応募締切
  A日程(郵送・Eメールともに)2011年12月23日(金)必着
  B日程(郵便・Eメールともに)2012年2月10日(金)必着

Posted by shinobu at 14:13 | TrackBack

2011年11月29日

SPAC・静岡県舞台芸術センター『オイディプス』11/26-12/04静岡芸術劇場

 カンパニーデラシネラの小野寺修二さんがSPACの俳優とともにギリシア悲劇の『オイディプス王』を演出。上演時間は約1時間45分だったかと。

 小野寺さんはパントマイムのパフォーマーでいらっしゃいますが、振付家、演出家としてもひっぱりだこのアーティストです。マイムの動きから派生したダンス(群舞?)やステージングは見事で、小説や古典戯曲の舞台演出でも高い評価を得てらっしゃいます。※次は新国立劇場(ダンス)で『カラマーゾフの兄弟』を演出されます!

 私が伺ったのは一般向け公演の初日で、その前に中学生が鑑賞するステージが数日間あったそうです。静岡芸術劇場およびSPACが、静岡という街の劇場として存在感を示していかれることを嬉しく思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『オイディプス

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 オイディプスは古代ギリシア・コリントスの王家で育ったが、「両親を殺すだろう」という神託を受けそれを避けるべく旅に出た。その途中、三叉路でとある一行と争いになり、彼らを殺してしまう。やがてテーバイにたどり着き、市民を恐れさせるスフィンクスを退治し、先王を亡くした妃イオカステと結婚する。その頃、恐ろしい疫病が流行し始め、巫女のいるデルポイへ神託を求めたところ「この混乱は先王ライオスが殺されたためである」と告げられる。オイディプスは自ら暗殺者の探索に乗り出す。しかし、三叉路で自分が殺した相手こそライオスであり、ライオスとイオカステが自分の産みの親であることを知るのだった……。
 ≪ここまで≫

 年を取ったせいか身にしみました・・・。「お前は何者なのか、しかと気づけ」と言われているように感じるのです。人間は自分の人生においてどんな無茶も馬鹿もやっていいけれど、全ては自分の体と周囲の人間関係の中に残っていきます。過去は消せないし、逃げられない。終わったことは無かったことにならない。たとえ他人が忘れたとしても、自分(の体)に刻まれた体験、記憶は消えないのだと思います。

 だからといって、自分の欲望や衝動を封じ込めて無難に生きるのは間違いなんですよね。そんな不本意な生き方をしていたら、常に自分の中に言い訳を作ることになってしまいます。日々、自分の心の声に耳を澄ましながら、素直に、正直に行動に起こしていっていいと思います。なんだかきれいごとだな・・・でも本当にそう感じました。自分の信じる善き道を選んで生きていけば、何が起こっても自分のせいだと思えるし、初心貫徹だろうが撤回だろうが、その時、その場で舵を取って、次へと進めると思います。

 こんな風に自分に近づけて考えることができたのは、主人公がオイディプス王という大昔の有名な王様なのではなく、オイディプスという名前の1人の男性だと思えたからでしょう。さらにはオイディプスを数人の俳優が演じるので、私(たち)が主人公の物語だと受け取れたおかげだと思います。

 森川弘和さんの演技、というか、動きに見とれました。時間が止まったような感覚を何度も味わえました。

 ここからネタバレします。

 床を転がったりジャケットを脱ぎ着するなどの、すばやい動きのシーンはさすがの面白さ!ただ、無言のまま立っている場面に、その長さを取る必要性が感じられないことがありました。
 個人的には『異邦人』のような軽快さがもうちょっと欲しかったかも。スーツ姿の男性とその助手が登場する、歯磨き粉の「クリニカ」と「ソルティ(だっけ?)」の場面がもっと観たかったです。
 三叉路に3人のオイディプスがいる場面が良かった!

 最後は装置が全部なくなって、オイディプスがたった一人、舞台中央に立っています。白い照明が徐々に、彼を含む舞台全体を素っ裸にさらすように明るく照らしていき、「これはあなた(観客)の物語なのです」というメッセージを受け取りました。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ ほんのメモ程度です。
 出演(舞台左から):宮城聰(SPAC芸術総監督) 小野寺修二 首藤康之(バレエダンサー)

 首藤「自分の場合はまずバレエの技術があって、その上に感情を乗せる作業に入る。しかし小野寺さんの手法はそればかりではなかった。」

 宮城「舞台のパフォーマンスは繰り返すことが宿命。俳優は矛盾することばかり求められている。繰り返すことにどう立ち向かうのですか?」
 首藤「私は毎日トレーニングをしています。いつもニュートラルにもどす作業が大事。初心が大事。」
 小野寺「(俳優は自分に課された仕事[演技]をまず)分解する。そして嘘をつかないこと。舞台上で俳優が夢中になっていたら、そこには嘘がない。自分にとって嘘じゃないと言えることが大事。」

 小野寺「宮城さんは俳優の感情をどのようにとらえてるんですか?」
 宮城「感情について話そうとすると今から35時間はかかってしまう(笑)。感情はミステリー。ただ、多くの演出家が言っていることですが(ほぼ演劇の前提になっていると思われることは)、悲しみや喜びを表現したいなら、それ自体を表現することを目的にしてはだめだということ。たとえば木を彫って像を作ると、木くずが(ゴミとして)出てくる。演劇における感情は、いわばその木くずである。そして人間は、その木くずに心打たれるものなのです。」

出演:大高浩一、たきいみき、武石守正、舘野百代、仲谷智邦、藤田桃子、三島景太、森川弘和、吉見亮、渡辺敬彦
演出:小野寺修二 作:ソポクレス 舞台美術:高田一郎 テキスト:小里清 舞台監督:浜村修司/演出助手:貴島豪/美術助手:深沢襟/照明:樋口正幸/音響:青木亮介/衣裳:竹田徹/照明操作:神谷怜奈/演出部:市川一弥、武石進衛/制作:鶴野喬子、河尻桂子
http://www.spac.or.jp/11_autumn/oedipus.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:32 | TrackBack

2011年11月25日

本多一夫/本多劇場グループ『うお傳説~立教大助教授教え子殺人事件~』11/19-28ザ・スズナリ

 下北沢にある劇場ザ・スズナリの30周年記念公演です。こけら落とし公演で上演された山崎哲さんの戯曲『うお傳説』を、三条会の関美能留さんが演出されます。有名劇場の記念公演ならではのキャスティングにもうなります。

 上演時間は約2時間45分(途中1回の休憩含む)と長い目ですが、私はそれほど長さを感じませんでしたね。いろいろビックリさせられて(笑)、悶々としつつも、楽しく考えをめぐらせながら拝見しました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『うお傳説

 ≪あらすじ≫
 病院。入院中の妻を見舞う夫。風変わりな入院患者たちの中に、夫の知り合いだという若い女性がおり・・・。
 ≪ここまで≫

 まちまちの長さの丸太が10~20本ぐらい、床からそそり立つように建てられています。役者さんは公園の遊具のように、木の切り株の上を歩きます。見ていて「危ないな~」とハラハラするぐらいの高さがあるので、役者さんにかかる負荷は大きいと思います。そんな不安定さがライブ感と緊張感を高めていました。

 60~70年代のアングラ演劇の色が濃い物語や言葉は、決して得意ではないのですが(前半はメゲかけましたが)、驚きが連続する演出と役者さんの堂々とした力強い演技のおかげで、集中して観ることができました。
 関さんの選曲はいつもながら面白くて、鳴ったとたんに吹き出し笑いをしそうになることもありました。

 入院中の妻役の占部房子さんが素晴らしかった!切り替えが早くて、爆発力があって、か細い体なのに魔女のようにも見えました(笑)。ボーイッシュな役も演じられる女優さんですが、今回はすごくセクシーでした。

 ここからネタバレします。

 オープニングでいきなり初音ミク(笑)。何でも来い!!って気持ちになりました。妻(占部房子)のテーマ曲なんですね。ボーカロイドはソフトウェアですから実在の人物ではないのですが、もはやアイドルのような存在感です。それが「居るのか居ないのかわからない妻」と被るのかしら。

 入院患者の男性2人をノゾエ征爾さんと森下真紀さんが演じますが、森下さんは女性ですからとても不思議。どうやらお2人は夫婦の子供たちのようです。床穴からツルリとすべるように登場・退場するので魚のようだったり。
 夫の愛人役の中島愛子さんもかっこ良かったな~。車椅子に座ってパソコンを触っている演技は、現代の若者を表しているように思えました。
 看護士(榊原毅)が出来事を俯瞰する立場で長く舞台上に居てくれるのが、私の支えになりました。入り込むにはちょっと難しい、唐突で、不思議なお話なので。

 色んな想像がふくらむ美術でした。ゴムひもを何本も貼りめぐらした四角い木枠が、床から徐々に上に上がって行き、水面が上昇するのをあらわしていました。丸太が池に生えている古木にも見えることもあり。

 最後の演出が凄かった!スモーク(水けむり?)がプシューーーーーー!!!と噴射され、舞台をもっくもくの白い世界に変え、そこにシャボン玉も大量に発生!・・・海になった!!泡になった人魚姫のことをすぐに想像しました。
 床穴(奈落)から風が吹き込んでいるので、次第に煙が天井方向へと上がっていきます。舞台の丸太が見えてくると、そこにはもう誰も居ませんでした。人々は消えてしまった・・・。

 エンディングに「スタンド・バイ・ミー」が流れて、またもや驚きましたが、そういえば父、母、娘、息子でちょうど4人ですよね(映画「スタンド・バイ・ミー」は4人の少年のお話でした)。「お願いだからそばにいて」ってことなのでしょう。は~面白い。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 パネリスト:戌井昭人(鉄割アルバトロスケット) 関美能留(三条会) 司会:徳永京子(演劇ジャーナリスト)

 戌井昭人さんと関美能留さんは同じ世代で、同じ時期に劇団を旗揚げされたというつながりがあるそうです。
 関「一家心中の際、先に子供たちを海に落とす。その後で夫婦が身を投げるまでの数分間の話、かもしれない(それを2時間45分で見せた)。」

出演:谷川昭一朗 (劇団東京乾電池) 占部房子 ノゾエ征爾 (はえぎわ) 榊原毅 (三条会) 渡部友一郎 (三条会) 森下真樹 中島愛子
脚本:山崎哲(新転位・21) 演出:関美能留(三条会) 舞台監督:森下紀彦 照明:杉本公亮 音響:島猛(ステージオフィス) 舞台美術:石原敬(有限会社宮本宣子ワークショップ) 宣伝美術:斉藤いづみ(rhyme inc.) 演出助手:山田真実(ttu) 演出部:神永結花 西村耕之 企画・製作:本多一夫 本多劇場グループ
指定/一般前売 ¥3,500 当日 ¥3,800 自由/一般前売 ¥3,200 当日 ¥3,500
学生前売 ¥2,000 当日¥2,300(当日要学生証提示)
http://www.honda-geki.com/suzunari/koen/uodensetsu.html
http://www.honda-geki.com/suzunari/30HP/top3.html

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Posted by shinobu at 11:02 | TrackBack

2011年11月24日

東京ギンガ堂『女優X』11/24-27紀伊國屋サザンシアター

 品川能正さんが脚本・演出を手掛ける東京ギンガ堂の二人芝居を拝見。大正時代に活躍した女優、伊沢蘭奢(いざわらんじゃ)の物語です。紀伊國屋サザンシアター(468席)での2人芝居というと、私が観たことがあるのはこまつ座の『父と暮せば』ぐらいかと思います。

 いい感じに客席が埋まった初日。無声映画の弁士役など数役を演じた山本悠生さんが、期待以上の堂々たる演技を見せてくださいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『女優X
 ※レビューはほぼ記録のみ。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 劇場サイトより
 1923年(大正12年)9月1日関東を襲った巨大地震、関東大震災は東京を廃墟とし、死者・不明者10万人の大災害をもたらした。
 経済も文化も崩壊した東京の人々に夢と希望を与えたのは瓦礫の中から立ち上がった女優「伊沢蘭奢」だった。
 新劇界で華々しく活躍し、忽然とこの世を去った伝説の大女優の波乱の人生を描く。
 徳川夢声に慕われた謎多き女優「伊沢蘭奢」を描いた夏樹静子氏初の伝記小説『女優X』を品川能正が脚本化、舞台化する。
 主人公伊沢蘭奢に劇団昴の米倉紀之子が、徳川夢声を山本悠生が演じる。
 東京ギンガ堂初の2人芝居にご期待下さい。
 ≪ここまで≫ 

 ここからネタバレします。

 山本悠生さんは新国立劇場演劇研修所の1期生です。幕開けから観客の心をガッチリつかむ、明るくて力強い語り。体の動きがしなやかでバネもあり、飽きさせないどころか魅せてくださいました。演じ分けも素早くてくっきり鮮やか。
 結婚して子供もできた夢声(山本悠生)が、かつての恋人しげ(米倉紀之子)に久しぶりに会いにきた場面が良かったです。ちゃんと大人の男性に変化されていました。しげの息子役でも、同じ役者さんということを忘れるほどの鮮やかな演じ分けでした。大きな舞台でどんどん活躍していっていただきたいです。

出演:米倉紀之子 山本悠生
原作:夏樹静子 脚本・演出:品川能正 音楽:日高哲英 舞台美術:加藤ちか 照明:関嘉明 音響:今西工 衣裳:大野典子 写真:宮内勝 舞台監督:岩崎健一郎 演出助手:小松明人 宣伝美術:三井孝弘 制作:木村優子 企画/制作:東京ギンガ堂
【発売日】2011/09/22[全席指定] 前売4,000円 当日4,500円
http://www.kinokuniya.co.jp/label/20110818120300.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 22:30 | TrackBack

2011年11月22日

【情報】ワンダーランド演劇セミナー・徳永京子プロデュース「クロストーク150分『最前線の演劇知』(後期)」12/10~02/11水天宮ピット、他

 今年4月から7月にかけて開講された、演劇ジャーナリストの徳永京子さん(⇒ツイッター)がプロデュースする『最前線の演劇知』前期後期の募集が始まっています。私は5回1括のコースを申込完了。

 2時間半という長時間だからこそ聴けるお話があります。質疑応答の時間もありますので、ご興味ある方はぜひ。

 ●「クロストーク150分『最前線の演劇知』(後期)公式サイト ⇒申込フォーム
  1) 2011年12月10日(土)14:00-16:30  宮沢章夫(遊園地再生事業団)
  2) 2012年01月14日(土)14:00-16:30  松尾スズキ(大人計画) ★定員に達したため申込〆切(11/21)
  3) 2012年01月28日(土)14:00-16:30  鵜山仁(文学座、前・新国立劇場芸術監督)※
  4) 2012年02月04日(土)14:00-16:30  いのうえひでのり(劇団☆新感線)
  5) 2012年02月11日(土)14:00-16:30  徳永京子(演劇ジャーナリスト)
   ※第3回の会場:としまアートステーション「Z」

Posted by shinobu at 00:06 | TrackBack

2011年11月21日

悪い芝居『駄々の塊です』11/17-21王子小劇場

 悪い芝居は山崎彬さんが作・演出(出演も)される京都の劇団で、団体名の由来は『悪いけど、芝居させてください。の略』。東京でも何度か公演をされていて、私は初見です。

 王子小劇場の公式ツイッターなどから知人の好評な観劇感想が届いてきたので、千秋楽を観に行きました。上演時間は約1時間35分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『駄々の塊です

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より 改行を変更。
 山の頂きにその動物園はあった。
 麓の街を追われた一万は飼育員として働いていた。
 ある夜、動物園の動物がすべていなくなるという事件が起こる。
 事件の翌朝、動物園に突如現れた股間が光る男は、ツタヤにDVDを返しに行きたい。
 事件の翌朝、麓の街から直は、兄のいる動物園に向かう。
 事件の翌朝、体の側面に火傷後がある誰太は、点子を後部座席に乗せ、そのリムジンを動物園へと向かわせる。
 動物園に偶然居合わせることになった人間たちが再び、動物を追って麓の街を目指すとき、街は最後の夜を迎える。
 ≪ここまで≫

 正方形(と思われる)台の上に、窓付きの小屋やスロープなどが載せられた装置。手動でぐるぐると回転します。動く照明器具で、装置や劇場の壁に絵を描くような派手な演出が施され、ミラーボールやレーザービームのような照明も、回る装置と相まって効果的。

 役者さんのおぼつかない演技が気にかかって、集中して観られませんでした。私は基本姿勢が俳優重視なので、そういう感想になってしまいます。

 ここからネタバレします。

 金髪の男性が小屋の上に登り、天井からつりさげられたマイクを使って演説をするオープニングがかっこ良かったです。後から知ったんですが、この方が作・演出の山崎彬さんなんですね。幕開けは回る装置の上に乗った役者さんたちが、けっこう大きな声でセリフを発してらしたんですが、聴こえづらかったです。音楽の音量のせいもあるでしょうけど、発声方法の問題もあるんじゃないかしら。

 装置を回転させて色んな景色を見せてくれました。装置自体の色が白色および灰色系なので、照明の色が映えます。中央にある小屋は電話ボックスみたいだな~と思ったり。でも窓に格子があるので牢屋風。ヘッドライトと連携して車になるのが面白かった。

 最後の「けものの…」というセリフでストンと納得。動物園から動物が消えて、動物の匂いが消えていたのですが、人間たちが野生を取り戻した時に、動物(けもの)も還ってきたという意味かと。

悪い芝居vol.12 ≪京都、東京≫
出演:池川貴清、大川原瑞穂、植田順平、呉城久美、宮下絵馬、畑中華香、森井めぐみ、山崎彬、仲里玲央、大原渉平
脚本・演出:山崎彬 【舞台監督】大鹿展明【美術】東野麻美【照明】西崎浩造(キザシ)【照明操作】中島美沙希(キザシ)【音楽】岡田太郎【音響】中野千弘(BS-Ⅱ)【衣装】小柴友美恵【演出助手】進野大輔 大原渉平(劇団しようよ)【演出部】北岸淳生 奥田覚【web】植田順平【宣伝美術】植田順平 山崎彬【広報】渡邊真【メンバー】西岡未央【制作】有田小乃美【制作協力】坂本もも(ロロ/範宙遊泳)【企画・製作】悪い芝居
【発売日】2011/10/10 事前振込2500円、当日精算3000円、当日券3300円 (学生は500円引※要学生証) 中高生割引3人で3000円
http://waruishibai.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:02 | TrackBack

【オーディション】新国立劇場演劇研修所「第8期生(2012年度4月開講)募集」※12/10~16〆切(郵送のみ)

 新国立劇場演劇研修所第8期生募集要項が公示されました(⇒昨年の告知記事)。当サイトを「新国立劇場演劇研修所」で過去ログ検索していただければ、関連エントリーは多数あります。

 新国立劇場演劇研修所は日本唯一の国立の俳優学校。年齢制限は18才以上・30才以下。研修期間は3年間で、研修は“原則的に”(月)~(金)の週5日間フルタイム(午前10時から午後6時)です。授業料(予定)は年額18万9千円で毎月奨学金あり(月額6万円支給 ※ただし3年次はなし)。募集人数は12名程度。⇒講師陣のプロフィール

 今年の夏に開講された「NNTドラマスタジオ・オープンスクール」に参加された方が、非常に詳しいレポートを書かれています。ご興味持たれた方は是非ご一読ください。どんな授業が行われているかがよくわかります。同じ方が書かれたこちらも参考になるかもしれません。

 ■新国立劇場演劇研修所・第8期生募集 ⇒公式サイト
  受験申請の受付期間:2011年12月10日(土)~16日(金)(消印有効)
  受験料5000円も同期間に振込むこと。
 ★募集要項と願書はパソコンからダウンロードできます。
  ⇒演劇研修所「授業見学会」での質問にお答えします(2010年12月)

■演劇研修所 第8期研修生の募集について

 新国立劇場演劇研修所では、プロの俳優を目指す第8期研修生を募集いたします。たくさんのご応募をおまちしております。

<募集概要>
1.募集人数 12名程度

2.応募資格
 1)プロフェッショナルな俳優としての舞台活動を目指していること。
 2)高等学校卒業もしくは同等の資格を有すること
 3)平成24年4月1日現在で満18才以上、満30才以下
 4)心身共に健康であること
 5)外国籍の人の場合、日本語が理解できること、および、研修期間中の日本国滞在許可が取得できること。

3.試験日程
 第1次試験:2012年1月14日(土)・15日(日)のいずれか1日
 第2次試験:2012年1月20日(金)
 第3次試験:2012年1月22日(日)
 ※試験は芸能花伝舎(新宿区西新宿)、及び新国立劇場リハーサル室(渋谷区本町)でおこないます。

4.受験料 5,000円 *振込手数料はご負担下さい。

 第8期生の募集要項・願書はこちらからダウンロードしていただけます。

<研修概要>
1.研修期間 3年間
  ※第8期生は平成24年(2012年)4月から平成27年(2015年)3月まで

2.研修日・時間 原則として(月)~(金) 10:00~18:00
  ※土・日・祝や夜間に稽古がある場合もあります。

3.主な研修内容
 3年間の研修で、明晰な日本語を発語し、柔軟な身体表現を習得するために、①演技、②ムーブメント、③ヴォイスの基礎訓練を重ね、これらを俳優の演技として表現できるステップにまで高めていきます。1年次では、日本語表現がいかなる技法によって支えられているかを体験し、戯曲、詩、散文をテキストに用い、文章表現に対する理解力と声がいかに台詞として実体化されていくプロセスを探究します。2年次では、「シーンスタディ」を中心にしたカリキュラムとなり、様々な役柄に挑む過程で、俳優として最も大切な自らのキャラクターを創造していく意志を築きあげます。また研修には、舞台表現として必要とされる技芸(歌唱、殺陣、日本舞踊、ダンスなど)にあわせて、演劇史や芸術理論、劇作家や美術家のレクチャーなど座学も盛り込まれています。3年次は、舞台人としての表現を確立するための実践的な舞台実習を行います。公演を通じて、幅広い演技を身に付けるとともに、舞台芸術の創造者として、演劇の将来を担うための自覚を高めていきます。

4.主な研修場所
  新国立劇場演劇研修所(芸能花伝舎内)、新国立劇場リハーサル室 など

<授業料・奨学金>(予定。前年度実績より。)
1.授業料 年額18万9千円(消費税込み)

2.奨学金 月額6万円支給
  ただし、三年次は奨学金の支給はありません。

お問い合わせ、願書送付先
財団法人 新国立劇場運営財団
演劇研修所 第8期研修生 選考試験係
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
TEL: 03-5351-3011(代)(月~金10:00~17:00/土日祝を除く)


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:03 | TrackBack

青年団『サンパウロ市民』11/05-12/04吉祥寺シアター

 13時開演の『ソウル市民1939 恋愛二重奏』に続いて、16時開演の『サンパウロ市民』を拝見。上演時間は約1時間50分。2006年の三部作連続上演のレビュー⇒

 『恋愛二重奏』が終わって劇場から出る前に、予約済みの次の作品のチケットを受付で受け取りました。それから30分ほどで整列入場です。吉祥寺シアターの階段や2つの入り口をうまく振り分けて、整理番号順にスムーズに誘導してくださいました。快適~。

 終演から次の開演まで1時間しかないんですよね。観客にとってはありがたいですが、役者さんやスタッフさんは休みなしですね・・・。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ソウル市民五部作連続上演

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 1939年11月、ブラジル・サンパウロ。移民開始から三十年を経て、成功者も登場し始めた日系移民。その代表格である寺崎家は、サンパウロで文房具店を営んでいる。欧州での大戦勃発による、日本人学校の閉鎖など、遠い戦争の影響はないわけではないが、それでも寺崎家の日常は平穏である。そこにやってくる相撲取りや、写真花嫁と呼ばれる新移民たち。『ソウル市民』四部作の地球の裏側で展開する、もう一つの「植民」の物語。
 ≪ここまで≫

 パンフレットで平田オリザさんはマームとジプシーの藤田貴大さん、そしてチェルフィッチュの岡田利規さんについて言及し、「大きな交響曲の中で執拗に繰り返される主題」をイメージして取り組まれたと書かれています。『ソウル市民』『ソウル市民1919』『ソウル市民昭和望郷編』にあったエピソードが、1939年のサンパウロに暮らす日本人移民家族の物語に移殖されていました。

 パっと見た感じでは、木箱が撤去されたこと以外、『ソウル市民1939 恋愛二重奏』の舞台装置とあまり変わらないのですが、実は食器棚の中のグラスや器が入れ替えられています。照明も違っていました。

 青年団の作品についてこういうツイートがあり、なるほどと思いました。劇団所属の役者さんよるアンサンブルには、これぞ青年団という独自性があるのでしょう。役者さんだけでなく演出の平田さんの手腕ももちろんあると思います。

 青年団には市井の人々の日常をリアルそうに作り上げる技術と知性を持っている、10代から50代という様々な年齢の役者さんがそろっています。層の厚い役者陣のおかげで、どのセリフをどの感覚でどの間合いで言うか、どう動くか等の数々の要素をぴたりと合わせる、高度で緻密なアンサンブルを作り上げることができるのだと思います。

 きちんと稽古を積んだ役者さんが、声や気持ちを含む身体をコントロールしているのが透けて見えるので、私は1人の役者さんから役者さんご自身と役人物との両方を観ている状態になり、常に冷静に、舞台で起こることを見つめて思考をめぐらすことができます。それが私にとっての青年団本公演の見方ですね。

 度々言ってることですが、私は感情が小刻みに、生き物のように動いて、役者本人にもその先どうなるのかわからないぐらいの不安定な状態をさらすような、「舞台で生きている」という種類の演技が好みです。だから青年団団員以外の出演者による『ソウル市民』や『東京ノート』を観てみたい気持ちはありますね。本家本元を超えるのは難しいと思いますが。

 ここからネタバレします。

 もともとサンパウロにはブラジルの原住民が暮らしていたのですが、今では彼らは原住民(先住民?)居住区に押し込まれています。そして日本人は原住民のことを蔑視しつつ“ドジン”と呼びます。日系移民が今の繁栄を築く前には搾取がありました。

 ボサノヴァ(のような曲)を日本語の歌詞で歌う場面が良かったです。誰もが輪になってつながって、テーブルの周囲を踊って回り、楽しそう。その後にラジオから日本の戦況報道が流れますが、聞き取れないのに「勝ったはず」とお祝いムードに。歌を歌っている時と同じような浮かれ具合です。「ブラジール、ブラジール♪」と歌うけれど、そのブラジルにもともと住んでいた人々を無理やり押しのけた上にある幸せなんですよね。その考えが頭から離れませんでした。
 
 関取と興行主のペアはとっても可愛いんだけど、あまりエピソード自体に興味を持てなかったな~。

青年団第64回公演「ソウル市民五部作連続上演」10/29-12/04吉祥寺シアター
出演:のべ約100名の青年団俳優陣
『サンパウロ市民』出演:山内健司 志賀廣太郎 たむらみずほ 天明留理子 小林智 島田曜蔵 古屋隆太 鈴木智香子 石橋亜希子 井上三奈子 大竹直 熊谷祐子 髙橋智子 村井まどか 山本雅幸 堀夏子 村田牧子 齋藤晴香 石松太一 井上みなみ ブライアリー・ロング
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至 照明:岩城保 音響:泉田雄太 衣裳:有賀千鶴、正金彩 衣裳協力:着緑 JEANNE VALET 舞台監督:中西隆雄 舞台監督補佐:播間愛子 宣伝美術:グリフ(工藤規雄+村上和子) 京(kyo.designworks) 宣伝写真:佐藤孝仁(Beam×10) 宣伝美術スタイリスト:山口友里 パンフレット:太田裕子 Web:斎藤拓 制作:青年団制作部 西山葉子 林有布子 木元太郎 服部悦子 石川景子 野村政之 [企画制作]青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 [主催]青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 [提携](公財)武蔵野文化事業団 [後援]駐日韓国大使館 韓国文化院
【休演日】11/1(火)、8(火)、15(火)、16(水)、24(木)、29(火)【発売日】2011/09/02 日時指定・全席自由席・整理番号付き 前売・予約:一般3,500円 学生・シニア2,500円 高校生以下1,500円 当日券:一般4,000円 学生・シニア3,000円 高校生以下2,000円 ※3演目以上ご観劇の方は、こまばアゴラ劇場支援会員へのご入会でお得にご覧いただけます。
http://www.seinendan.org/seoul5/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:20 | TrackBack

2011年11月20日

青年団『ソウル市民1939 恋愛二重奏』11/03-12/04吉祥寺シアター

 平田オリザさんが作・演出される青年団ソウル市民五部作連続上演(過去レビュー⇒)。私は新作2本を観ることにしました。2006年の三部作連続上演の時も凄いと思ったけど、新作2本を追加して五部作連続って・・・どうやってお稽古して、どうやって本番を回しているんだろう・・・って素人の私が考えても仕方ないことですが、想像を試みただけで途方に暮れそうです(汗)。

 まずは『ソウル市民1939 恋愛二重奏』を日曜日13時から拝見。上演時間は約1時間55分。
 日曜日の早い時間のマチネ客席は目測9割ほどの入り。客層は若者よりも中高年の男女が多い印象です。アゴラ劇場および青年団の固定客はもちろん、『ソウル市民』シリーズも人気なのでしょうね。

 12/4まで公演は続きますが、各作品の上演回数はそれほど多くありません。終盤は完売続出になると思われますので、ご興味ある方は今のうちのご予約をお勧めします。

 ⇒日経新聞「青年団『ソウル市民』5部作 日常のさりげない光景から歴史の全体像とらえる」(内田洋一)
 ⇒CoRich舞台芸術!『ソウル市民五部作連続上演

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 1939年11月、ソウル。日中戦争からすでに二年が経過し、日本国自体は、長期にわたる戦争状態という泥沼にのめり込んでいた。一方、30年代中盤から始まった好景気、軍需景気の影響を受け、満州への中継点としての役割を担う京城は、虚構の繁栄を謳歌する。国家総動員法の制定、欧州での世界大戦勃発、迫り来る軍靴の音に耳を澄ましながら、篠崎家の人々はつかの間の恋愛に身を焦がす。
 ≪ここまで≫

 舞台は大きなテーブルとイスのあるリビング。一家そろって食事をする場所であり、お客様を迎える場所でもあります。一族の暮らしの中心となる場所で、ごく自然に交わされる日常会話にこそ、差別や選民意識などが生々しくリアルに現れるんですね。

 歌を歌う場面が多くて、私にはそれが良かったです。戦時中の軍歌や流行歌には、気持ちを高揚させ思考を麻痺させる意図が感じられて、頭がむずむず、胸がひりひりします。登場人物たちが何も考えず、周囲に流されるままに明るくはしゃぐほど、それを見つめる私の心は静まり、より深く考えることができます。

 ここからネタバレします。セリフは不正確です。

 長女(能島瑞穂)の夫で入り婿の昭夫(古屋隆太)は、戦地(中国)から帰って2ヵ月ほど放蕩生活を送っています。人命がゴミのように扱われる戦場を知った人間と、それを知らない人間(篠崎家の人々)との間には、決して埋められない溝が出来ていました。「東京ラプソディ」(東京を京城と替えて歌う)を大勢で合唱するのを、昭夫たった一人だけ歌わずに見つめる場面が良かったです。

 かつての篠崎家の書生で、志願して日本兵となった高鉄(大竹直)がつぶやく「ありがたいことだ」というセリフが一番耳に、目に残っています。たとえば京城が美しい都市になったは日本人のおかげもあるかもしれませんが、ありがた迷惑なんですよね。でもそれに乗っかっている自分自身に対する憤りとあきらめの気持ちが、高鉄の表情、声色から受け取れました。大竹直さんは『眠れない夜なんてない』でも素敵だったんです。あの官能的な場面を思い出しました。

 高鉄のために朱源(キム・ミンソ)が日本の軍歌を歌う場面で落涙。朝鮮なまりの日本語の軍歌が痛々しくて、胸が詰まります。『ソウル市民 昭和望郷編』の発音を直される場面もそうでした。たしか「モテたい理由」という本で読んだのですが、発音を厳しく指導するのは植民地政策の効果的な手段だそうです。被支配者のプライドを簡単に打ち砕くことができますものね。

 奥ゆかしいのだろうとはいえ、高鉄(大竹直)と朝鮮人女中(富田真喜)が恋をしているように見えなかったのは残念。あ、本当は恋してないのに、周りが盛り上げちゃっただけなのかな。

青年団第64回公演「ソウル市民五部作連続上演」10/29-12/04吉祥寺シアター
出演:のべ約100名の青年団俳優陣
『ソウル市民1939 恋愛二重奏』出演:松田弘子 兵藤公美 高橋縁 大塚洋 能島瑞穂 古屋隆太 大竹直 河村竜也 佐藤誠 キム・ミンソ 海津忠 木引優子 佐山和泉 鄭亜美 中村真生 小瀧万梨子 富田真喜 ブライアリー・ロング ※出演を予定しておりました宇田川千珠子は、体調不良のため休演させていただくことになりました。
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至 照明:岩城保 音響:泉田雄太 衣裳:有賀千鶴、正金彩 衣裳協力:着緑 JEANNE VALET 舞台監督:中西隆雄 舞台監督補佐:播間愛子 宣伝美術:グリフ(工藤規雄+村上和子) 京(kyo.designworks) 宣伝写真:佐藤孝仁(Beam×10) 宣伝美術スタイリスト:山口友里 パンフレット:太田裕子 Web:斎藤拓 制作:青年団制作部 西山葉子 林有布子 木元太郎 服部悦子 石川景子 野村政之 [企画制作]青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 [主催]青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 [提携](公財)武蔵野文化事業団 [後援]駐日韓国大使館 韓国文化院
【休演日】11/1(火)、8(火)、15(火)、16(水)、24(木)、29(火)【発売日】2011/09/02 日時指定・全席自由席・整理番号付き 前売・予約:一般3,500円 学生・シニア2,500円 高校生以下1,500円 当日券:一般4,000円 学生・シニア3,000円 高校生以下2,000円 ※3演目以上ご観劇の方は、こまばアゴラ劇場支援会員へのご入会でお得にご覧いただけます。
http://www.seinendan.org/seoul5/

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Posted by shinobu at 21:38 | TrackBack

2011年11月19日

パラドックス定数『戦場晩餐』11/19-23 SPACE EDGE

 お気に入りの劇団パラドックス定数の新作です。「早く観たい!」とはやる気持ちで(なるべく)初日に伺い、最前列を狙います。今回も開場時刻までに到着してるお客様多かったな~。

 上演中、ものすごい雨が降り続けまして・・・屋根や壁に打ち付ける雨音のせいでセリフが聞こえづらかったです。うーん・・・これは運としか言いようがないですね。夜の回はましだったみたい。

 開演まではストーブを点けてくださっていますが、上演中は消します。寒さ対策をお薦めします。私はセーターにコートも着てたので大丈夫でした。上演時間は約1時間55分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『戦場晩餐

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 生きろ、そして、飯を喰え。
 その中華料理店には、一流の料理人がいる。
 その中華料理店には、舌の肥えた客が集う。
 その中華料理店には、誰もが出前を頼める。
 必ず美味い料理を届けてくれる。
 どんな時にでも。どんな場所にでも。
 熾烈を極める戦場の片隅に、
 その一軒の中華料理店は建っている。
 ≪ここまで≫ 

 倉庫のような空間がそのまま“戦場にある中華料理店”として使われます。全体的にセリフとセリフの間の時間を長く取り過ぎているような気がしました。男性たちがゆったり、じっくり会話をするので、“いつ死ぬかわからない戦場”の実感があまりなかったのが残念。でも、みんな雨音のせいかもしれない・・・それぐらい、お芝居に大きな影響を与える音響効果でした(涙)。

 終演後、いつもどおり上演台本(1000円)を購入。観客のご厚意で劇団のカレンダーを作られたそうです。

 ここからネタバレします。

 昨年3月にSPACE EDGEで上演された『ブロウクン・コンソート』と同じ空間の使い方でした。『ブロウクン・・・』が好きだったので最初から私には好印象。

 舞台は近未来の東京。日本人と外国人(=中国人)が対立する内戦状態にあり、日本人を優遇し外国人を差別するのが当然の社会です。教育制度がダメになって、日本人なのに日本語の読み書きができない若者が増えています。きっと貧富の差も拡大してるでしょう。

 中華料理店は渋谷(劇場がある場所)にあります。六本木に地雷が埋まっていたり、青山で無差別殺人が起こったり、有楽町が外国人居住地になっていたり。
 店に来られる客が少ないから出前をしているのですが、これが命がけ。お皿も使い捨てにせず陶器なので、自爆テロや地雷の危険を顧みず、取りに行かなければなりません。そこまでして食に、味に、こだわる男たち。

 店の常連客の武器商人が売った銃で、デリバリーの若者が殺されます。被害者も加害者も、日本人も中国人も集う混沌とした中華料理店で、皆の中心にあるのは“美味しい食事”なんだと思います。終盤のクライマックスで一気に集約するかなと思ったんですが、初日時点ではそういう求心力は感じられなかったですね。雨のせいかもしれません。

第27項
出演(役柄):植村宏司(デリバリー担当?) 西原誠吾(アメリカ帰り) 井内勇希(日本語の読み書きができる中国人) 小野ゆたか(店長) 今里真(武器商人) 加藤敦(刑事) 生津徹(八百屋) 兼間慎(デリバリー担当・左手に怪我) 渡辺芳博(料理人・腹に怪我) 池田大二(しゃべらないクォーター) 浜野隆之(料理人・デザート好き) 平田耕太郎(日本語の読み書きができない日本人) 中川智明(一流料理人) 山田隆史(一流料理人の弟)
脚本・演出:野木萌葱 証明協力:伊藤泰行 舞台協力:金安凌平 青木拓也 写真:渡辺竜太 販促:副島千尋 制作部:たけいけいこ 今井由紀 生活統括:赤沼かがみ(G-up) 
【発売日】2011/10/16 一般前売予約 2011年10月16日(日)より 前売り3,000円 当日3,200円
http://www.pdx-c.com/?cat=4

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Posted by shinobu at 23:25 | TrackBack

2011年11月18日

tpt『袴垂れはどこだ』11/17-30すみだパークスタジオ倉

 福田善之さんの1964年初演戯曲を、千葉哲也さんが演出されるTPTの新作です。すみだパークスタジオ倉という空間にはじめて伺いました。ちょっとベニサン・ピットを思い出したり。

 時代ものの設定に慣れるのに少々苦労しましたが、中盤から一気に面白くなりました。上演時間は約2時間10分。舞台から埃が舞うのでマスクを携帯されると良いかもしれません。
 帰り道のツイート⇒

 若い俳優が大勢出演しています。ベテランの山本亨さん、真那胡敬二さんがしっかり引き締めてくださっていました。
 
 ⇒CoRich舞台芸術!『袴垂れはどこだ

 ≪あらすじ≫
 江戸時代(?)。圧政に苦しむ農民たちは、いつしか勇猛な盗賊「袴垂れの党」がやってきて、非道な役人たちを懲らしめ、取り立てられた年貢を奪い、貧しい自分たちに分配してくれると信じていた。しかし待てども待てども袴垂れは現れない。
 ≪ここまで≫

 山本亨さんが登場したとたん、それまでと鮮やかに対比できて面白くなりました。若いキャストでは今回初舞台という岡山天音さんがとても良かったです。

 ラストの演出は、パンフレットの福田さんの言葉にもあった「ブレヒト的」で、私自身とこの作品が直接出会ってぶつかって、交わることができたように感じいました。

 ここからネタバレします。

 岡山天音さんは妹、妻、母を殺されたため、地頭の息子をなぐり殺してしまった農民役でした。

 黒子のような衣装の若い女性が大勢、コロスを演じます。黒い傘を開いて回して踊ったり、開いた傘を縦に並べて壁のようにしたり。最後に死んでしまった男たちが傘を差したことで、周囲のコロスもまた死者たちだったとわかるのがいいですね。でもコロスはあんなに大勢はいらなかったんじゃないかしら。

tpt80
出演(一部Wキャスト):山本亨, 鈴木ゆき, 真那胡敬二 伊藤公一 上田和弘 江前陽平 岡山天音 熊本昭博 小寺悠介 田村元 豊永伸一郎 中川香果 福田裕也 山田宏平 秋定史枝 飯塚紗 飯村綾子 今井夢子 大樹桜 大道朋奈 岡田さやか 櫻井美代子 鈴木まりこ 瀬尾さよ子 田嶋真弓 田口かすみ 中井奈々子 西原沙矢香 蓮見のりこ 浜田えり子 林咲希 トン子 三辻香織 森田綾 渡辺樹里 伯鞘麗名
作◎福田善之 演出◎千葉哲也 美術◎朝倉摂 照明◎金英秀 衣裳◎桜井久美 音楽監督◎後藤浩明 振付◎伯鞘麗名 音響◎長野朋美 舞台監督◎宮下卓
【休演日】10月21日(月)【発売日】2011/10/17 4,000円 25歳以下&65歳以上(tpt電話予約のみ取扱):3,000円
http://www.tpt.co.jp/aboutus/archive/080.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年11月17日

【オーディション】F/T12「公募プログラム参加団体募集(日本国内に拠点を置く個人・団体)」※〆切2012年1/22(インターネットのみ)

 来年のフェスィバル/トーキョーの公募プログラム参加団体募集情報です。⇒今年の参加団体

 先にYouTubeに応募動画(1種類)をアップした上でエントリーするなど、応募方法は独特です。募集要項(PDF)をよく読んでご応募ください。〆切は来年1月22日深夜です。

 ●F/T12公募プログラム
  期間:2012年11月上旬~下旬
  会場:シアターグリーン(会場費はF/Tが負担)
  ウェブエントリー受付開始:2011年11月21 日(月)12:00~
  応募締め切り:2012年01月22日(日)24:00まで

Posted by shinobu at 15:55 | TrackBack

世田谷パブリックシアター『往転―オウテン』11/06-20シアタートラム 

 劇団KAKUTAの桑原裕子さんの新作戯曲を青木豪さんが演出する、世田谷パブリックシアターのプロデュース公演『往転―オウテン』。稽古場レポートを書かせていただきました。

 シアタートラムの天井の高さを生かした美術(二村周作)に映像演出も加わり、娯楽作品としての見どころも多い仕上がり!脚本を読んで稽古も拝見しましたが、本番でやっと気づいたこともありました。上演時間は約2時間5分。

 ⇒ぴあ「4つの物語で織りなす大人のドラマ、『往転-オウテン』が開幕」
 ⇒公式togetter感想まとめ
 ⇒CoRich舞台芸術!『往転―オウテン

 ここからネタバレします。役名でなく役者名で書いてます。すみません。

 ミニチュアのバスを動かして、それをデジタルビデオで撮影し生中継するなど、映像を使った演出がありました。「人間を見下ろす神の視点」といった意味もあったのでしょうけど、私は実写録画や生中継、CG、文字映像などいろんな種類があって、単純に面白かったですね。

 バスの横転事故の直前の乗客の会話場面が、冒頭あたりと終盤の計2度あります。2度目に、これは地震と福島第一原発の事故のことだと気づきました(そういう意図かどうかはわかりませんが)。運転手の乱暴な運転のせいでバスが異様に揺れます。乗客は「乱暴すぎない?」「道が滑るんですよ」などと言いつつも3回はスルーするのですが、4度目に峰村リエさんが「運転手さんに言ってくる」と言って立ち上がり、そこで、急な横転。危ないと思いながらも、転ぶまで気づかなかったのです。私自身が、爆発してからしか原発の危険さに気づかなかったように。さらには仗桐安さんが「転んで、痛い目に遭えってことですよね?(略)それでも懲りないかもしれない。のが怖い」というセリフも、横転事故の直前に語っています。

 やはり「アンチェイン・マイ・ハート」のお2人(高田聖子/大石継太)に涙。地味で“いい人”だった女性は、愛人がバスに乗るのを拒んで結果的に彼の命を救い、最後まで“いい人”でした。事故で亡くなった高田さんの幽霊と大石さんが再会する場面への、スムーズな移行にはゾクっとしました。
 「桃」の市川実和子さんと尾上寛之さんのラブシーンがすっごく良かった!尾上さんの感情と動作が一致していて、まっすぐでブレない演技に引きつけられました。2人は結ばれるのですが、結局市川さんは農園を去ります。容易なハッピーエンドを用意しないところがまたイイ!お兄さんのこと、好きだったんだろうな。
 「横転」の峰村さんと仗さんには何度も爆笑しちゃいました。ボケとつっこみの漫才のようなやりとりが続きますが、仗さんは脱税疑惑の渦中にいる有名人で逃走中だし、峰村さんはお金を無心しすぎて息子と絶縁状態だとわかってきます。このエピソードに限らず、短いセリフから人物の背景が濃く立ち上がってくるのが、脚本、演出、演技ともに素晴らしいと思います。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:青木豪/高田聖子/大石継太/峯村リエ/仗桐安 司会:矢作勝義

 役者さんの中には「青木さんは厳しい(怖い)演出家だ」という噂があったんですね。でも『往転』ではそんなことはなかったようで。私もとても穏やかな稽古場だったと思います。それが舞台にも反映されていたのではないでしょうか。

 青木さんが桑原さんから脚本を受け取ったのは今年の1月8日なので、震災前だったそうです。なのに3月11日以降のことにぴたりと当てはまる内容になっているのは、作品に普遍性があるからでしょうし、劇作家の桑原さんのアンテナの繊細さ、というのか、感性の鋭さが表れているのだと思います。

[出演]「アンチェイン・マイ・ハート」高田聖子/大石継太 「桃」 市川実和子/尾上寛之/安藤聖 「いきたい」 穂のか/浅利陽介/柿丸美智恵 「横転」峯村リエ/仗桐安  他:藤川修二/遠藤隆太
脚本:桑原裕子(KAKUTA)演出:青木豪 美術:二村周作 衣裳:前田文子 照明:三谷恵子 音響:小笠原康雅 ヘアメイク:宮内宏明 映像:吉本直紀 舞台監督:佐川明紀 演出助手:松倉良子 宣伝美術:SUN-AD 主催:公益財団法人せたがや文化財団 企画制作: 世田谷パブリックシアター  協賛:トヨタ自動車株式会社/Bloomberg  後援:世田谷区 平成23年度(第66回)文化庁芸術祭参加公演
一般5,000円 高校生以下 2,500円(世田谷パブリックシアターチケットセンター店頭&電話予約のみ取扱い、年齢確認できるものを要提示) U24 2,500円(世田谷パブリックシアターチケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 4,500円 世田谷区民割引 4,700円 ★11/6プレビュー:一般4,000円 高校生以下・U24 2,000円 
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/11/post_249.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:25 | TrackBack

【オーディション】箱庭円舞曲「2012年5月東京公演、6月大阪公演出演者募集」11/23,11/26※11/19〆切(メールor郵送)

 CoRich舞台芸術まつり!5代目グランプリ箱庭円舞曲が、2012年5月に東京、6月上旬に大阪で上演する新作、及び、2012年以降の劇団公演に向けて、出演者を募集しています。

 作・演出を手がける古川貴義さんは日本劇団協議会公演への書き下ろしなど、外部でも活躍している注目の劇作家・演出家です。

 ●箱庭円舞曲第十八楽章「どうしても地味(仮)」
  2012年5月16日(水)~27日(日)@駅前劇場
  2012年6月上旬@大阪某所

 ●募集要項 詳細は公式サイトでどうぞ。
  応募資格:18歳以上の男女
   ※箱庭円舞曲の公演の観劇経験があること(DVDも可)
  参加定員:各回15名
  日時 ※計4回のうち、どれか
   1:2011年11月23日(水・祝)13:15~17:00
   2:2011年11月23日(水・祝)18:00~21:45
   3:2011年11月26日(土)13:15~17:00
   4:2011年11月26日(土)18:00~21:45

  締切:2011年11月19日(土)18:00(必着)
  参加費:2,000円

Posted by shinobu at 10:15 | TrackBack

2011年11月15日

新国立劇場演劇『天守物語』11/05-20新国立劇場中劇場

  新国立劇場の【美×劇】(ビ・カケル・ゲキ)シリーズ3作の最後は、中劇場で上演される『天守物語』。泉鏡花による1917年に発表された戯曲を、「和もの古典は初めて」という白井晃さんが演出されます。⇒制作発表会写真レポート

 奥行きとセリ(床が上下する装置)を存分に使った豪華な舞台で、きらびやかな衣装の俳優が舞い、戦います。約100年前の美意識を私たちが受け継ぎ、伝えていきますという新国立劇場の意思表示と受け取りました。上演時間は約1時間50分。⇒舞台写真

 ⇒『天守物語』は青空文庫に全文掲載されています。
 ⇒CoRich舞台芸術!『天守物語

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 武田播磨守の居城、白鷺城の天守閣。巨大な獅子頭がすえてある最上階には、魔界の者たちが住んでいる。今宵は天守夫人・富姫の親しい友・亀姫がやってくるというので、腰元たちは歓待の準備に大わらわ。
 亀姫の一行が到着し、楽しいひと時を過ごす魔物たち。亀姫は手土産の男の生首を披露する。それはこの白鷺城の城主・播磨守の兄弟で、猪苗代亀ヶ城の城主・武田門之介の首だった。亀姫がそろそろ帰ろうとするところへ、城主・播磨守が鷹狩りから戻ってくる。播磨守自慢の白鷹をすっかり気に入った亀姫。富姫は白鷺に化けて羽ばたいてみせ、それに釣られて飛んで来た白鷹を捕らえて亀姫に進呈する。
 日はとっぷりと暮れ、富姫が一人獅子頭の前に佇んでいると、灯りを手にもった一人の若者が現れる。その若者は播磨守の鷹匠・姫川図書之助(ずしょのすけ)と名乗り、白鷹を逃がしたために切腹させられるところ、だれも恐れて登ろうとしない天守に白鷹の行方を捜しにいけば一命を助けようといわれたと語る。
 富姫は心がまっすぐで凛々しい図書之助を一目で気に入ったが、天守へ登ってくる者は生きて返さない掟なので、二度とここへ来てはいけないと諭して帰す。しかし雪洞の灯りを大蝙蝠に消されてしまった図書之助が火をわけてほしいと戻ってくる。
 もはや図書之助を愛おしく思う富姫は、彼を帰したくないと告げるが、図書之助は迷いつつも地上に戻ることを選ぶ。富姫は自分に出会った証拠として、さきほどの播磨守秘蔵の兜を渡す。
 しかし図書之助は、兜を盗んだという疑いをかけられ三度、天守にのぼってくる。無実の罪で殺されるくらいなら、天守に登った罪で姫の手にかかって死にたいと。
 追手に囲まれる富姫と図書之助。二人は獅子頭の中へと逃げ込むのだが……。
 ≪ここまで≫

 富姫の「今度来ると帰しません」というセリフが胸に刺さり、じわじわと浸透して、今も私を支えてくれています。自分の信念を曲げず、相手を尊重し思いやり、恋こがれる気持ちも伝えています。篠井英介さんの演技のおかげだと思います。

 亀姫役の奥山佳恵さんは妖怪であることに納得の怪しさと恐ろしさ。きびきび、ぱっきりと動く所作も美しく、ぎらぎらとした笑顔に不気味さも漂いました。

 ここからネタバレします。

 富姫が図書之助に一目ぼれする瞬間、素敵だった~~~♪彼の美貌だけでなく、やはり生き方を見込んだからですよね。図書之助が三度目に戻ってきた時に、ようやく相思相愛を確認するのは「三顧の礼」なのかな。奥ゆかしい。
 「今度来ると帰しません」は、「人間は生きて天守から戻れない(あなたを殺します)」「愛しているから帰さない(あなたを私のものにする)」という意味であり、「これが今生の別れです」というお別れの言葉でもあります。この瞬間があるだけで、いい。満足です。

 オープニングは3人の現代服の男性(篠井英介、平岡祐太、小林勝也)が舞台上に居ました。白いシャツに白いズボンの篠井さんは死んでいるかのように、ほぼうつぶせで床に横たわっています。それを小林さん(だったか平岡さんだったか)が起こして、生き返らせて、3人一緒に舞台から去りました。その後、赤い着物の小さな少女たちが登場して『天守物語』が始まります。今はもうなくなってしまった美意識を「横たわる富姫(篠井)」で表現したのだと思います。

 富姫(篠井)と恋に落ち、汚い人間の世界に別れを告げた図書之助(平岡)ですが、武士たちに襲われて富姫ともども失明してしまいます。そこに突然、翁(小林)が現れ、あっという間に魔法で2人の目を治しました。とても唐突であっけないハッピーエンドなのですが、白い照明が明るく、神々しく舞台を丸裸にするように3人を照らす、ダイナミックで力強い演出が施されていました。

 現代の若者(平岡)が100年前の日本人の美意識を体現した富姫(篠井)を愛し、ともに戦い、敗れた。そして彼らを現代の老人(小林)がよみがえらせた。すなわち私たち現代日本人(若者から老人まで)は、先祖の遺志を汲み取って、再現し、これからも受け継いで生きていきますと表明したのだと思います。

 ≪終演後のトーク≫
 出演:白井晃 篠井英介 平岡祐太 宮田慶子 司会:中井美穂

 衣装について篠井さんが「今まで私が着たどんな衣装よりも重いです」とおっしゃいました。・・・なんと!そ、それは・・・重たそうだ・・・。
 そういえば女中たちと朱の盤坊(坂元健児)のダンス場面を長く感じたり、ところどころ所作のキレがにぶいように見えたのは、衣装が重たいせいなのかしらと思いました。

【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─Ⅲ『天守物語』
出演:篠井英介 平岡祐太 奥村佳恵 村岡希美 関秀人 関戸将志 坂元健児 小林勝也 田根楽子 江波杏子 粟田麗 鳴海由子 小見美幸 岡野真那美 冠野智美 淺場万矢 飛鳥井みや 津村雅之 今國雅彦 稲葉俊一 早川友博 関佑太 遠藤広太 平良あきら
作:泉鏡花 演出:白井晃 音楽:三宅純 美術:小竹信節 照明:齋藤茂男 音響:井上正弘 衣裳:太田雅公 ヘアメイク:川端富生 振付:康本雅子 殺陣:渥美博 演出助手:河合範子 舞台監督:藤崎遊
一般発売日:2011年9月11日(日) S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円 三作品特別割引通し券16,600円(正価18,900円)
http://www.nntt.jac.go.jp/play/tenshu/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:42 | TrackBack

2011年11月14日

東京都高等学校演劇連盟「2011年中央発表会(都大会)」11/12-13練馬文化センター小ホール(つつじホール)

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看板

 9月から10月にかけて、城東地区大会の審査員をさせていただきました。都大会に進んだ2校を見届けたい気持ちもあって、2日連続で練馬文化センター小ホールに伺いました。初日は7本中の4本、2日目は5本全て鑑賞。小ホールといえど600席弱はありましたので、中劇場ぐらいの印象ですね。

 城東地区の2校以外は一般観客の視点で拝見しました。講評を生徒と同じ席から拝聴したことで学ぶことが多かったです。⇒第65回中央発表会結果

 下記はいつもどおりのレビューですので、事実誤認や誤読などあると思います。セリフは正確ではありません。審査員ではないので辛口です。ご興味ある方は一観客の感想としてお読みいただけたらと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『第65回東京都高等学校演劇コンクール中央発表会

【第1日目  11月12日(土)】

●1 都立新宿『ひたすら、国道6号線。』
 原案:朝見たUMA 作:高木優希(生徒創作)★アマチュア創作脚本賞
 ⇒上演台本が公開されていますひたすら、国道6号線。」(PDF)(2011/11/28追加)
 
 都立新宿高校にめでたく合格したウッキウキの高校生男子(高木優希)。「学業に励むか部活に没頭するか恋愛を充実させるか・・・いやその全部だ!」と意気揚々と高校生活をエンジョイし始めます。可愛い同級生女子とともに演劇部に入り、ちょっと怖くて乱暴な他の女子にからまれつつも、演劇部は全国大会に出場。そして入試でも東大合格!なんと順風満帆な人生!!、の、はずだったのですが、次の幕で彼はいきなり牢屋(=脚立の下)に入れられていました。

 1人の女子(怖い女子を演じていた人)がやって来て「自分は(お菓子の)ケーキだ」と名乗り、牢屋の彼に向かって、自分の体を生クリームでデコレーションしろと言います。鍵はなぜか開いていて、自分で牢屋から出ることができた男子は、ケーキ(女子の体)をデコレーションしたり、一緒に戦争ごっこしたりします。唐突で奇想天外な妄想タイムが始まりました。

 舞台奥には真っ白の模造紙が貼られた壁が上下(かみしも)に2枚建っていて、その間はちょうどドア1枚分ほどの間が空いており、出はけ可能です。壁の前には左側(下手)と右側(上手)に1人ずつ女子がいて、黒いペンで模造紙に図形を描きはじめます。牢屋にいる人物らは絵について一切言及せず、演技と同時進行で絵は増えて行きます。
 最初は○(丸)や□(四角)が並ぶだけで何の模様かわからないのですが、徐々に左側は地震と津波の被害を示す絵で、右側は福島第一原発を示す絵だとわかってきます。家族写真、ビルの上に乗っかった船、菊の花束をそなえる人、もくもくと煙を上げる、骨組みがあらわになった四角い建物・・・。絵を描く女生徒らの丁寧な手つきに、今苦しんでる人々、がんばっている人々への思いが込められているように見えました。

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チラシ表

 やがてケーキは「自分は完成したから売られるのだ」と言って、彼のもとを去ります。今度はそのケーキを食べたという見知らぬ少女が、面会に訪れました。少女は「何かを食べたら、それを作った人のことがわかる。あなたは罪を犯していないはず」と言い、男子が間違って逮捕されたことがわかってきます。彼は国道6号線を走っていた時に捕まったようなのです。※このあたりのことはあまり覚えていません。警察権力の横暴を描いたのだろうとも解釈しました。

 男子は牢屋を飛び出して走り出します。自分の空想の中に閉じこもる事をやめて、現実(=模造紙の絵)を見に行くことにしたのです。自分の足で走っているのか自転車に乗っているのか判別できなかったのですが、終盤では彼の背後に少女もいたので自転車かもしれません。どちらにしても自動車や飛行機ではなく、自力で国道6号線を突っ走っていました。200キロ進むと、地震と津波で壊滅した街が見えました。橋桁しかない橋、砂まみれのぬいぐるみ。そこから20キロ進むと、警察官の姿が多くなり、足止めされました。「管理区域だ」と言われます。さらにまっすぐ走ると福島第一原発が現れました。演劇という嘘(彼の妄想)の中で、たった数秒で福島第一原発に到着した時は、胸がぐしゃりと押しつぶされるような思いがしました。

 男子「いびつな立方体」。
 怪物「(赤く燃える原発を見て嗤いながら)想定外、だって!」
 男子「想像力が、足りてなかったんだ。」

 サザンオールスターズの「TSUNAMI」が流れる中、突然現れた怪物(ケーキ?演劇部女子?)と男子はぶつかり、取っ組み合い、暴れまわります(どういう文脈でこのシーンになったのかは失念)。放送が自粛された悲しい有名ポップスをBGMに、言葉ではあらわせない熾烈な憤り(などのさまざまな感情)を全身で表現してくれたように思いました。のたうちまわる、若く、か弱い体たち。日本の子供たちが心にどれほどの傷を負ったのか、その深さは計り知れないとあらためて思いました。

 愚かな大人に、醜悪な世界に絶望して、何もできない無力な自分にも絶望した男子と少女は、ピストルで何度も自殺を試みます。でも空想(演劇)の中では、死ねない。2人はお先真っ暗のどん底で挫折しますが、やがて、いま自分たちを絶望させた現実を見つめ、生きていくことを選びます。国道を走ってきたように、また前を向いて走り始めました。終幕。
 ※感想の続きをこのページ下方に掲載。


●2 桐朋女子『からから』
 作:阿部遥・演劇部(生徒創作) 演出:阿部遥

 親や教師が子供にふるっている言葉や態度の暴力が、子供の視点から子供によって描かれました。親が大人になれてないから子供が苦労するという構図は、本当につらいですね。
 現実と虚構(脳内)が入れ替わったり共存したりするのは面白いですが、同じ意味のセリフの繰り返しが多く、まどろっこしく感じました。


●3 都立江戸川『Colors』
 作・演出:今井清光(顧問創作)

 緊張されてたのか、地区大会よりもちょっと固い印象でした。「塾のラウンジ」という設定には、地区大会の狭い空間の方が合ってたかも。
 上演分数が伸びて新しいシーンが増えていました。たとえばお弁当にまつわる男子2人の場面。先輩の「(お弁当だけじゃなく女の子も)食っちゃえばいいじゃん」という大人な(スレた)発言に対して、後輩が「それ、ないわー」と軽蔑も込めた拒否反応を示すのですが、長い間(ま)が絶妙。よくお稽古されたのだろうと思います。
 最後のダンスも増えてましたが、余計だったんじゃないかな~。でも拍手喝さいだったし、高校生には大いに受け入れられていましたね。

 講評で前田司郎さんが「恋愛がプラスチックみたい(味気ない・恋愛らしくない・リアルじゃない)」という意味のことをおっしゃっていましたが、私はそんなおもちゃみたいな軽い恋であること(そう見せる演出)が良いと思いました。


●4 都立石神井『僕のジャグ劇部日記 -ファイナルシーズン-』★12月の関東大会新潟会場に推薦(3位)
 宮沢賢治原作 菊池准脚色『宛名のない手紙』より
 構成(生徒創作):二瓶遼太 石神井高校演劇部 出演・選曲:二瓶遼太

 演劇部員が少なく、ずっと1人でジャグリングばかりやってきたという男子生徒の一人芝居。今年4月からの彼の演劇部での日々を日記形式でお芝居にした作品でした。特殊な環境だからこそ生まれたんですね。面白かったー!ジャグリング上手い!!ディアボロは私が今まで見た中で一番上手!!!
 地区大会直前なのに後輩部員が来ないなどの様々な修羅場を、ぽつりぽつりとニュートラルに、優しく語ってくれます。トボけた味わいで哀愁もほどよく漂い、笑えるんだな~。宮沢賢治作「セロ弾きのゴーシュ」、別役実作「空中ブランコ乗りのキキ」をジャグリング(複数のボールを投げる技)で表現する時は、なんと客席からお客さんを舞台上に連れ出していました。飾り気なく、仰々しくない程度に紳士的な態度で。俳優だと柄本時生さんに似てる気がします。
 最後に彼は舞台から去って、幕の奥からマイクを通して、3年間の演劇部生活の総括と、たった今終えた本番について語ってくれました。「三年間ジャグリングができて良かった」「お客さんが手伝ってくれたおかげで本番ができた」「そんなに口聞いてないクラスメート3人が助けてくれた」「ボールは落とし過ぎて失敗だった」「ディアボロも落としてマジあせった」など。
 

【下記3作品は拝見できず】

●5 中央大学附『カラーバーの虹かかるまで』★来年8月の国立劇場公演に推薦(4位) ★舞台美術賞
 作・演出:臼井遊(生徒創作)

 講評で前田さんが「臼井君の作品は昨年も観てまして、彼には才能があります。ぜひ演劇を続けて欲しい」と評価されていました。「ただ今回の作品は、自分ができることを説明するために饒舌になりすぎている」と指摘。都立新宿高校の高木優希さんについても同様に感じたそうです。


●6 東京農大一『つっかけ!!』★来年1月の関東大会甲府会場に推薦(2位)
 作・演出:農大一高演劇部(生徒創作)

●7 都立羽村『ただのサラミだった。』
 作:串田杢弥(既成)


【第2日目 11月13日(日)】

●1 都立八王子北『ピースケ祭り』★生徒審査員賞 ★既成作品上演賞
 作:伊藤ひろし(既成)

 毎年夏祭りを行っている空き地がスーパーに買収されてしまった。あそこは小学生の頃からの思い出の場所なのに・・・。
 小学生役がちゃんと小学生に見える演技が素晴らしかったですね。ありきたりでちょっと恥ずかしくなるような会話も、みんなで動きをぴったりそろえるパワフルな身体表現で面白く見せていました。でも“死んだクラスメート”のエピソードなども含め、私にとってはいわゆる“いい話”過ぎました。


●2 日本大学第二『殺生石』
 作・演出:宇田川豪大(顧問創作)

 演劇部の女生徒たちのおしゃべり。地震を怖がったり、被災地で亡くなった祖母のことを話したり。お能になってびっくり。
 普段なら新聞の訃報欄には載るはずのない、一般人の祖母の名が新聞に載ったことを語る場面が良かったです。私は震災以降の数ヶ月は主にインターネットで情報を入手していたので、女子高生が新聞についてこれほど言及するのはちょっと意外でした。みんなそんなにネットやってないのね。
 

●3 都立足立『恋愛妄想 ダメ、ぜったい!』
 作:藤原徹(生徒創作)

 幕開けの音がなかなか鳴らなくて、ちょっと心配になりました。どうやら全体的に音響オペのミスが多かったみたい。音楽の音量が大きすぎてセリフが聞こえづらいこともありましたが、私は地区大会でもあまり気にしませんでしたし、今回もそこはスルー。審査員の方々はかなり気になったようです。
 劇場の幕と奥行きを使って、オープニングもエンディングも演出が進化していました。高校生活の楽しい日々(空想?幻覚?)に別れを告げて、主人公が現実世界へ戻っていく静かな場面で終幕したのが良かったです。でも、どの高校も同じ条件ですが、やはり初めての劇場で備え付けの機構を使った演出を成功させるのは難しいだろうと思いました。

 都立江戸川高校の『Colors』の講評で前田さんが「日本語の歌を使う時は慎重に。音楽は音楽だけで完成している芸術だから、それと演劇とを組み合わせるのは簡単ではない」という意味のことをおっしゃっていました。この作品についても前田さんはそう感じられたことと思います。私個人としては、日本語のヒット曲を大っぴらに、敢えて使う演出は面白いと思います。親しみのある、もしくは手あかのついた、完成された楽曲と演劇がぶつかることで生まれる、奇妙な刺激も好みです。


●4 村田女子『本年度の夏期休暇期間は短縮されました。』★来年1月の関東大会甲府会場に推薦(1位) ★創作脚本上演賞
 作:野村彩(生徒創作)

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チラシ表

 緞帳が上がると、舞台にはたった一人。床を小さく四角く照らす照明の中で、堂々たる独白場面から始まりました。この段階で完成度の高さがわかりました。大きく動いてテキパキ止まって、はっきり言葉を発して、女優さんはみなさん魅力的。かなりのお稽古を積まれたことと思います。カラフルで可愛らしい美術は、舞台芸術の楽しみを提供してくれていました。
 ただ、内容はドタバタのシチュエーション・コメディーで、最後はお涙ちょうだいの説教くさい展開に。私の好みではなかったです。


●5 都立つばさ総合『夏のおもいで パートⅡ』
 作:阿部順(既成) 演出:つばさ総合演劇部

 既成脚本ですが時代が古いようですね。私には痛々しくて観ていられない場面もありました。生徒自身が面白いと思うことをやって欲しいです。主役の男性と、終盤に女性役で登場する男性は素直な演技でがんばってらっしゃるなと思いました。

 高校野球の描写があり、「高校球児○万人のうち甲子園に行けるのは○人だ(凄く少ない)」というセリフがありました。演劇部も大勢の高校生が大会に向けて必死で稽古してるでしょうし、これほど大量に、一気に、全国で新作が上演されているんですよね。内輪客とはいえど毎公演、お客さんは集まっています。演劇部の生徒および先生方には堂々と胸を張っていただきたいと思いました。


【奨励賞授与・諸連絡】

【中央委員(の生徒)による幕間ショー】
 少林寺拳法が得意な女生徒によるチカン撃退講座。アドリブでどんどん盛り上げて。うまいな~。

【講評・審査結果発表】
 登壇者(敬称略):目黒未奈、前田司郎、内藤美奈子、伊藤雅子の専門審査員4氏と教員審査員3氏、司会

 前田さんが「例えば俳優の演技について目黒さんと僕とでは全く考えが違うので、今から審査員が言うことはあまり気にしないで欲しい」という意味のことをおっしゃいました。城東地区大会で関美能留さんがおっしゃっていたことと同じですし、私も同意見です。関連ツイート⇒

 人によって視点や尺度はこれほどまでに違うものなんだな~と、またもや確認することになりました。演劇(創作でも鑑賞でも)において大切にしていることも、それぞれ違うでしょうしね。全ての作品を観られていないので、私は順位付けについてコメントする資格はありません。

 地区大会のとの違いは、なんといっても美術家(伊藤雅子)が全作品について講評されることでしょう。舞台美術に焦点をあてた講評から、美術の工夫から生まれる演出の可能性の広がりを実感できました。「美術家のクレジット(表記)は“大道具”ではなく、“美術”または“装置”である」とのご指摘には心から納得です。舞台美術家という職業があることからもわかるように、舞台において“美術”が占める役割が大きいことは自明。高校演劇部生や顧問の先生方の今後の創作のために、伊藤さんのご意見を参考にしていただきたいと思います。あと、公式パンフレットには作者だけでなく演出も掲載希望!

【各賞の授与】

【都立新宿高校『ひたすら、国道6号線。』を観て】

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チラシ裏

 地震と津波は自然災害ですが、原発事故は私を含む大人のせいで起こった人災です。子供には責任はないです。なのに彼らは汚れた空気を吸わされ、汚れた食べ物を食べさせられ、いつかガンになるかもしれない、寿命が短くなったかもしれないと思わせられました。家族とバラバラの生活を強いられたり、進路を変更せざるを得なくなった人もいるでしょう。3月11日以降、今の高校生は『ひたすら、国道6号線。』の冒頭で描かれた“理想の高校生活”を心穏やかに夢想することができなくなりました。

 そして彼らは廃炉完了まで30年以上かかる放射能のゴミを押し付けられました。日本にはそんな殺人ゴミになるかもしれない原発が約50基あり、政府はそれらを維持し、止まっていたものを再稼動させ、さらには新しいものを外国に販売しようとしています。福島第一原発事故による放射能汚染の被害の全容はまだわかっていないし、使い終わった(爆発した)原発の処分方法(棄て方)もまだ見つかっていないのにも係わらず、です。深刻極まりない問題を未来に先送りして、子供たちに押し付けていると私は思います。
 ※原発の燃料となるウランは採掘時にも被曝をともないます。動かす前も、動かしている最中も、止まった後も原発は危険です。
 ※被ばくが人間の身体に及ぼす影響はまだはっきりとはわかっていません。体質によるかもしれないし、もしかしたら心配するほど影響はないのかもしれません。でも遺伝子の異変から子孫に影響が出るとの報告もあります。

 原発事故についての意見をこのように私がインターネット上に書けるようになったのは、恥ずかしながらごく最近です。情報が秘匿されたり、見えないところで改ざんされている恐れがあり、自分の意志を決める判断材料を集めることが困難でした。5月にこのようなエントリーを書かなければならなかったのは、放射能汚染の事実が広く報道されていなかったためです。今だに某大手新聞は各地の放射線量の数値を、奇妙な発表の仕方でごまかしていると私は思っています。「メディアも政府も大人も、何も信じられない」という状況を生んでしまい、日本人の大人の信用はすっかり失墜しました。

 子供たちに「大人は子供のことを全く考えてくれていない」と思われても仕方ありません。子供たちは「こんな恥ずかしい国、汚い、情けない世界なんか、見たくない」と思って当然です。それでも『ひたすら、国道6号線。』の主人公は、心を閉ざすことを止め、現実をしっかり見つめて生きて行くことを選んでくれました。ごめんなさい。そしてありがとう。
 大人のくせに、私も無力な日本人の一人です。何をどうすれば「(私が信じる)より良い世の中」になるのか、具体的な手立てはわかっていません。でも、醜くて悲しい現実をちゃんと見て、自分の信じる道を生きていこうと思っています。心を閉ざさず、あきらめずに。


大会の正式名称:第65回東京都高等学校演劇コンクール中央大会、第33回東京都高等学校文化祭演劇部門中央発表会
入場無料。ほぼ自由席。
http://tokyo.koenren.org/mu50e1rxn-135/#_135
http://blog.goo.ne.jp/keito-28/e/8a4c020219dcf955b25841d6d6bd4bb9

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:16 | TrackBack

2011年11月10日

【稽古場情報】水天宮ピット「小スタジオ1、2、3『2012年4月~9月使用期間分』選考申込受付中」※11/30〆切(郵送 or持参)

 東京芸術劇場が運営する稽古場施設「水天宮ピット」小スタジオ1、2、3の、『2012年4月~9月使用期間分』の選考申込受付が始まっています。
 以下、水天宮ピットより頂いた情報です。小スタジオ3は水天宮ピットの中でも格安で、利用料金は制作室付きで1日2,000円(8日以上なら長期割引あり)です。芸術団体の皆さん、どうぞご検討ください。

 ●水天宮ピット「H24年度上半期の小スタジオ選考申込」
  選考受付期間:2011年11月1日(水)~11月30日(木)※当日消印有効
  使用期間:2012年4月1日(日)~2012年9月30日(日)
  〆切:2011年11月30日(郵送or持参)
  ⇒フロアガイド
  ⇒昨年冬の「スタジオ無料貸出し」に選ばれた3団体の「使用感想レポート」(PDF)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】小スタジオ選考申込について
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

◆H24年度上半期の小スタジオ選考申込開始◆

H24年度上半期の小スタジオ選考申込開始のお知らせです。

小スタジオ1または2をご希望の場合は使用希望スタジオに【小スタジオ】、
小スタジオ3をご希望の場合は【小スタジオ3】と明記してください。
※小スタジオ3は小スタジオ1・2と仕様が異なりますので、ご注意ください。

◎選考受付期間:2011年11月1日(水)~11月30日(木)※当日消印有効

◎使用期間:2012年4月1日(日)~2012年9月30日(日)


◎応募方法
  
  下記のURLから使用申請書と使用計画書をダウンロードし、ご記入ください。
  選考申込には、登録申請団体が主催した過去の公演チラシ(過去の活動実績)の提出が必要です。
  
  ※団体登録をしていない場合は団体登録申請書の同時提出が可能です。
  ※各様式は水天宮ピット窓口でも配布しています。

  ダウンロードURL
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry.doc(Word)
  『使用申請書』→http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei.doc(Word)
  『使用計画書』→http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan.doc(Word)

  記入例:必ず記入例をご参照ください。
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry_ex.pdf(PDF)
  『使用申請書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei_ex.pdf (PDF)
  『使用計画書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan_ex.pdf (PDF)

ご記入いただいた書類は、水天宮ピットの窓口、または郵送にて受付致します。

 ◎提出先

  〒103-0015 
   東京都中央区日本橋箱崎町18-14 
水天宮ピット
   TEL:03-6661-6901

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】大スタジオ・中スタジオの11月受付状況
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

小スタジオ以外のスタジオの受付は下記の通りとなっています。

◆大スタジオ・中スタジオ1・中スタジオ2 受付状況◆

 ◎使用期間:2012年11月1日(木)~11月30日(金)

 ◎応募受付期間:2011年11月1日(火)~11月30日(水)※当日消印有効

  大スタジオ・中スタジオ1・中スタジオ2
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/space.html

 ◎各スタジオの空き日(10/20現在)
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/akibi.html

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】小スタジオ3のリノリウムの厚さが2.5㎜になりました!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2011年6月に増設しました小スタジオ3のリノリウムの厚さがこの度2.5㎜になりました。
ダンス稽古などにぜひご利用ください。

◆小スタジオ3概要◆

本館3階に位置したスタジオです。
無料の制作室(本館3階)が付随しています。小スタジオ1・2・3で共有(仕切有)します。
制作室には冷蔵庫があり、スタジオ内へ移動も可能です。
スタジオと共にひかり電話の電話回線(個別契約)を引くことが出来ます。

床面積は約30㎡(6m×5m )高さ約3m
床面:リノリウム 
駐車スペース:1台(無料)

利用料金‐1日2,000円(8日以上のご利用で長期利用割引あり)

  小スタジオ3
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/space.html

※小スタジオ1・2と仕様が異なります。お申込みの前にぜひ内覧をお願い致します。

――――――――――――――――――――――
水天宮ピット(東京舞台芸術活動支援センター)
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町18-14
TEL.03-6661-6901
FAX.03-6661-6951
E-MAIL:s-pit(アットマーク)geigeki.jp
URL:http://www.geigeki.jp/suitengu/index.html

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Posted by shinobu at 09:21 | TrackBack

2011年11月07日

モダン・テーブル『アウェイク』『ジョーカーズ・ブルース』11/07-08あうるすぽっと

 韓国からやってきたモダン・テーブル。F/T11公募プログラム参加作品です。⇒記者会見
 『アウェイク』は2人、『ジョーカーズ・ブルース』は8人(?)が踊るダンス作品の2本立て。

 ムキムキで歌も上手な男性ダンサーが、「俺(たち)、超イケテル!!」って感じで・・・私がダンスに不案内でリテラシーが低いせいでしょうけど、こっぱずかしかった・・・。連想したのは軍隊、BL、東方神起、コブクロ、CHEMISTRY、後半はEXILE、映画「男たちの挽歌」など。

 歌も演奏もあって音楽ライブみたいだったり。カーテンコールは拍手だけでなくヒュー!という声もあがってました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『アウェイク』『ジョーカーズ・ブルース』
 レビューは記録のみ。

 一人、ダンスに見入ることが出来たダンサーがいて。彼とパンソリの歌声の場面は集中して味わいました。

フェスティバルトーキョー2011 公募プログラム
出演:イ・ピルスン、イ・ジョンイン、グァク・デソン、アン・ナムグン、チョン・ジョンウォン、シン・ヨンジュン、ジャン・ウォンホ、ソン・チャンヨン
パンソリ(唄):ユン・ソッギ
ドラム:ホ・ソンウン/ベース:ムン・ヨンソク/ギター:ジョン・ジャイン/キーボード:イム・ヤンホ
振付・音楽:キム・ジェドク 照明:パック・ナキョン 照明アシスタント:クォン・ヨンギル 音響オペレーター:パック・ソンテ マネージメント:EO Creative (Planning of Performing Arts & Art Space)
【東京公演】技術監督:寅川英司+鴉屋 舞台監督:弘光哲也 照明コーディネート:佐々木真喜子((株)ファクター) 音響コーディネート:相川晶((有)サウンドウィーズ) 後援:駐日韓国大使館 韓国文化院 主催:フェスティバル/トーキョー
【発売日】2011/09/10 自由席 一般 前売 2,500円(当日 +500円) 学生 前売・当日 2,500円
http://www.festival-tokyo.jp/program/Awake_DarknessPoomba/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:49 | TrackBack

【オーディション】4つの公共ホールとままごと、□□□、モモンガ・コンプレックスによる「2012年新作音楽劇『魔笛』(仮)出演者募集」〆切12/9(郵送のみ)

 世田谷パブリックシアター三重県文化会館高知県立美術館ホール水戸芸術館ACM劇場の4つの公共劇場と、ままごと□□□(クチロロ)モモンガ・コンプレックスとが共同で新作音楽劇を創造し、2012年9月下旬~11月上旬に、シアタートラム、三重県文化会館小ホール、高知県立美術館ホール、水戸芸術館ACM劇場にて上演するそうです。ビッグな企画ですね!

 その出演者が公募されます。ご興味の湧いた方は概要をよく読んでお申し込みください。応募用紙はPDFでダウンロード。〆切は12月9日(金)郵送必着。

 ●新作音楽劇「魔笛」(仮)
  脚本:柴幸男(ままごと)
  音楽:三浦康嗣(□□□(クチロロ))
  振付:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)
  稽古期間:2012年8月中旬~9月下旬(横浜&世田谷にて実施予定)
  公演期間:2012年9月24日~11月4日(予定)4会場での仕込・リハ・本
  上演会場:シアタートラム 2012年10月14日(日)まで。その後、三重県文化会館小ホール、高知県立美術館ホール、水戸芸術館ACM劇場にて11月4日(日)まで

 ★出演者応募資格(以下の条件の全てを満たす方)
  1 演劇・歌(音楽)・ダンスの、複数の分野、もしくは、どれかひとつの分野で秀でていること。
  2 稽古期間及び公演期間に参加可能な方。
  3 12月26日~30日の審査日程に参加可能な方。
  4 18歳以上の男女。※プロアマ問いません。
  募集人数:男女合わせて8名~12名程度
  応募締切: 2011年12月9日(金)郵送必着

Posted by shinobu at 16:28 | TrackBack

【ワークショップ】時間堂「黒澤世莉[2011年11~12月]演技:集中クラス」11/17-12/07中央区※先着順(メールのみ)

 時間堂堂主の黒澤世莉さんのワークショップ情報です。⇒時間堂がワークショップをやる理由
 ご興味ある方は公式サイトもしくはCoRich舞台芸術!の掲示板でどうぞ。

 ●時間堂「黒澤世莉[2011年11~12月]演技:集中クラス」
  日程:2011年11月17日(木)~12月7日(水)
  定員:12名、先着順にて〆切
  参加費:30,000円/10回
  備考:原則として全回参加できる方

Posted by shinobu at 15:27 | TrackBack

【ワークショップ】ひょっとこ乱舞・広田淳一による『カラダとセリフのワークショップ』12/04-10世田谷区、杉並区近辺※11月20日(日)〆切(メールのみ)

 劇団ひょっとこ乱舞は来年3月の新作公演で解散すると発表しました。同劇団の劇作家・演出家の広田淳一さんのワークショップ情報です。1週間のワークショップ最終日には全員参加の発表会あり。詳細は公式サイトでご確認ください。

 ■ひょっとこ乱舞・広田淳一による『カラダとセリフのワークショップ』
 【日時】12/4~8 18:00~22:00 /12/9,10 13:00~22:00
 【場所】世田谷区、杉並区近辺
 【定員】15名前後
 【参加費】14,000円
 【締切】2011年11月20日(日)
  ※選考結果は2011年11月23日(水)までに合格者のみに電話にてご連絡。

Posted by shinobu at 15:13 | TrackBack

SPAC『ガラスの動物園』10/22-11/06静岡芸術劇場

 SPAC・静岡県舞台芸術センターによる『ガラスの動物園』。ダニエル・ジャンヌトーさんが美術と演出を手掛けます。上演時間は約2時間。

 徳永京子さんと宮城聰さんのトークを目当てに、千秋楽に伺いました。徳永さんが「『ガラス…』は“お母さんのアルアル”だ」的なことをおっしゃっていて納得。アマンダの言動、行動を見てると、「そうなのよ、母親ってみんなそう!」と言いたくなるんですよね(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ガラスの動物園
 レビューはほぼ記録のみ。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 語り手であるトムの追憶の物語。舞台は1930年代、アメリカのセントルイス。家を出た父の代わりに家計を支える息子トムは、理想の世界に生きる母アマンダと口論が絶えない。姉のローラは内向的な性格で、ビジネススクールも辞めてしまい、今ではガラス細工の動物たちにばかり愛情を注いでいる。そんなローラの将来を心配するアマンダは娘の結婚に気をもみ、トムに同僚を家に招くように迫る。トムが連れてきた同僚は、ローラがハイスクール時代に想いを寄せていたジムだった。しかし、思いがけないジムの言動で……。
 ≪ここまで≫
 
 半透明の白い幕で覆われたステージ。幕を挟んで向こう側の世界は、夢や異界を想像させました。そして幕が取り払われた時の鮮やかさが引き立ちます。

 ここからネタバレします。

 トム(阿部一徳)が冒頭から、観客の方をかなり親しげに、生々しく見つめながら、話しかけてきました。これが私は苦手だったな~。阿部さんが「トム」と「役者、阿部一徳」の両方を持ったままのように感じて、奇妙な心地でした。
 母アマンダ(鈴木陽代)がかなりデフォルメされていたのが、滑稽でもあり恐ろしくもあり。

SPAC・静岡県舞台芸術センター
出演:阿部一徳、鈴木陽代、布施安寿香、牧山祐大
演出・美術:ダニエル・ジャンヌトー 作:テネシー・ウィリアムズ 訳:松岡和子 照明:沢田祐二 舞台監督:村松厚志/装置製作:彦坂玲子/照明:樋口正幸、松村彩香/音響:原田忍、小嶋純真/舞台:佐藤洋輔、渡辺明/衣裳:駒井友美子/演出助手:湯本アキ/通訳:山田ひろ美/制作:佐伯風土、中野三希子、石井萠水 助成:アンスティチュ・フランセ 支援:平成23年度 文化庁優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業 後援:静岡県
【休演日】月~金 一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円  ※ SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、早期購入割引、みるみる割引、ペア/グループ割引、障がい者割引などの割引料金があります。※ 静岡県内の中学生以下の方は1公演30名までご招待あり!(お問い合わせ・お申し込みはSPACチケットセンター TEL.054-202-3399まで)
http://www.spac.or.jp/11_autumn/glass.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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Posted by shinobu at 11:43 | TrackBack

2011年11月01日

メルマガ 2011年11月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2011年11月のお薦め舞台12本+αをご紹介します。
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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 89     2011.11.01  1,771部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎木枯らし一号が吹いて、東京も秋になりました。忙しさに
  かまけていると、瞬く間に年末を迎えてしまいそうなので(汗)、
  11月はホっと息をつける日をあらかじめ作っておこうと思います。  

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め12本+α】
   
   ◎No.1→選べませんでした。いちおし公演3本に★をつけています。

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→流山児★事務所『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-』
       10/14-10/30座・高円寺1
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1014234434.html

 ◆3【学びの秋! ~舞台芸術関連レクチャーのご紹介~】

   ◎今月は豪華パネリストが揃うレクチャーが多数開講されます。

 ◆4【編集後記】

   ◎演劇公演の終演後のトークにゲスト出演します。
    日本の問題『日本の問題』
    11/27-12/04ザ・ポケット ↓こりっちでカンタン予約!
     http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27387
    私が出るのは12/3(土)14:00の回の終演後です。

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め12本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※紹介本数を10本から12本に増やしました。


1.プリエールプロデュース『おしるし』
  11/01-09赤坂RED/THEATER
  ≪北海道、東京≫
  ☆出演:重田千穂子 井之上隆志 小林美江 山本芳樹 加藤忍 佐藤麻衣子
      山口森広 枝元萌 人見はる菜 人見あす花
   脚本・演出:田村孝裕(ONEOR8)
   前売4,500円 当日4,700円
    http://priere.jp/stage/1111/
   初演↓がとても面白かった、田村孝裕さん作・演出の現代劇です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0607114728.html
   かなりシビアに切り込んだ、妊娠・出産にまつわる悲喜こもごも。


2.木山事務所『出番を待ちながら ~Waiting in The Wings~』
  11/03-05あうるすぽっと
  ≪東京、九州地域≫
  ☆出演:三田和代 新井純 長内美那子 大方斐紗子 堀内美希 山本与志恵
      岩瀬晃 本田次布 林次樹 磯貝誠 橋本千佳子 木村万里 千葉綾乃
      宮内宏道 木村愛子
   作:ノエル・カワード 訳:高橋知伽江 演出:末木利文
   一般5,500円 学生3,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www1.odn.ne.jp/kiyama-co/html/11wings.html
    http://www.owlspot.jp/performance/111103.html
   引退した女優たちの終の棲家を舞台にした、英国のストレート・プレイ。
   私は2009年の再々演を拝見。大人がしっとり、じっくり味わえる会話劇です。
   三田和代さんと新井純さんの競演はエレガントで迫力あり!


3.ホリプロ『炎の人』
  11/04-13天王洲銀河劇場
  ≪東京、北海道5ヶ所、神奈川≫
  ☆出演:市村正親 益岡徹 富田靖子 原康義 原康義 さとうこうじ
      渚あき 斉藤直樹 荒木健太朗 野口俊丞 保可南 中嶋しゅう
      大鷹明良 今井朋彦 銀粉蝶
   脚本:三好十郎 演出:栗山民也
   S席9,000円 A席7,500円
    http://hpot.jp/honoo/
    http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=166
   ゴッホの半生を描いた重厚なストレート・プレイ。↓初演レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0615113920.html
   三好十郎さんの言葉に打たれます。


4.文学座『岸田國士傑作短編集「明日は天気」「驟雨」「秘密の代償」』
  11/04-13紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、大阪、兵庫≫
  ☆出演:本山可久子 塩田朋子 石井麗子 名越志保 片渕忍 頼経明子
      渋谷はるか 千田美智子 菅生隆之 大原康裕 若松泰弘
      浅野雅博 斉藤祐一 藤側宏大
   脚本:岸田國士 演出:西川信廣
   一般前売・当日6000円 ユースチケット(25歳以下) 3800円 
   中・高校生2500円  夫婦割(ペア)11000円 
   夜割(11/4・7のみ)一般5000円
    http://www.bungakuza.com/kishidakunio/index_top.html
   劇作家・演出家の岸田國士さん(1954年没)は文学座の創設者の1人で、
   演劇界の芥川賞と呼ばれる「岸田國士戯曲賞」に名を残す人物です。
   岸田作品の短編上演は頻繁にありますが、本家本元といえる文学座でも
   観てみたいですね。設定を現代に置き換えた映画↓も今年上映されました。
    http://kamifusen-movie.com/ 


5.新国立劇場演劇『天守物語』
  11/05-20新国立劇場中劇場
  【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─3
  ☆出演:篠井英介 平岡祐太 奥村佳恵 村岡希美 関秀人 関戸将志
      坂元健児 小林勝也 田根楽子 江波杏子 粟田麗 他13人
   脚本:泉鏡花 演出:白井晃
   S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/tenshu/index.html
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000437_play.html
   白井晃さんが和物の古典を初演出されます。中劇場の広い空間で
   妖怪の城をどう表現するのか。篠井英介さんはじめ出演者も豪華で、
   太田雅公さんの衣裳、三宅純さんの音楽、康本雅子さんの振付などの
   スタッフワークにも大いに期待が高まります。↓合同制作発表会
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0912205227.html
   現場のスタッフさんの稽古場ブログ↓が熱い!
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/tenshu/blog/


6.ナイロン100℃『ノーアート・ノーライフ』
  11/05-27本多劇場
  ≪東京、福岡、愛知、大阪、広島≫
  ☆出演:みのすけ 三宅弘城 大倉孝二 廣川三憲 吉増裕士 喜安浩平
      温水洋一 山崎一
   脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   一般6900円 学生券4300円
    http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon37th.html
    http://www.sillywalk.com/nylon/info.html
   KERAさんが作・演出される劇団ナイロン100℃の10年振りの再演。
   初演とほぼ同じ男性のみのキャストによる、「自称芸術家」たちのお話。
   初演拝見しました。10年を経て私が受け取るものも変わるだろうなと期待。


★7.世田谷パブリックシアター『往転―オウテン』
  11/06-20シアタートラム
  ☆出演:高田聖子 大石継太 市川実和子 尾上寛之 安藤聖 穂のか
      浅利陽介 柿丸美智恵 峯村リエ 仗桐安 藤川修二 遠藤隆太
   脚本:桑原裕子(KAKUTA) 演出:青木豪
   一般=5,000円 高校性以下=2,500円 U24=2,500円 
   プレビュー一般=4,000円 プレビュー高校性以下/U24=2,000円
    http://setagaya-pt.jp/outen/
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/11/post_249.html
   桑原裕子さんの戯曲を青木豪さんが演出されます。ゆるやかに重なる
   4つの短編から、複雑でデリケートな人間模様が浮かび上がります。
   稽古場レポート↓を書かせていただきました。青木さんの
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1030215032.html
   インタビューも含め長文です。稽古場の密な空気を感じていただければ!


★8.イキウメ青山演劇LABO #005『太陽 THE SUN』
  11/10-27青山円形劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:浜田信也 盛隆二 岩本幸子 伊勢佳世 森下創 大窪人衛 加茂杏子
      安井順平 有川マコト
   脚本・演出:前川知大
   前売4,000円 当日4,200円
   プレビュー公演のみ 前売3,800円 当日4,000円
    http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html
   二分された人間と世界をテーマにした、前川知大さん率いるイキウメの新作。
   2006年の『双魚』↓をベースにしたSFだそうです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1004173355.html


9.ラッパ屋『ハズバンズ&ワイブズ』
  11/11-20紀伊國屋ホール
  ☆出演:福本伸一 おかやまはじめ 木村靖司 俵木藤汰 三鴨絵里子 弘中麻紀
      大草理乙子 ともさと衣(客演) 岩本淳 中野順一朗 浦川拓海
      宇納祐 熊川隆一 武藤直樹
   脚本・演出:鈴木聡
   一般 4,800円 学生3,800円
    http://homepage3.nifty.com/rappaya/038.htm
    http://www.kinokuniya.co.jp/label/20110818130300.html
   この度の震災と原発問題を一般人の目から描く現代劇。↓作家インタビュー
    http://t.pia.jp/interview/stage/rappaya-suzuki.jsp
   東日本大震災真っただ中の今を、ラッパ屋らしい喜劇で観てみたい。


10.東宝『ヴィラ・グランデ 青山 ~返り討ちの日曜日~』
  11/11-27シアタークリエ
  ≪東京、大阪、静岡、長野、石川、広島、福岡、長崎、愛知≫
  ☆出演:竹中直人 生瀬勝久 山田優 田口浩正 谷村美月 松下洸平
   脚本・演出:倉持裕
   8,800円
    http://www.tohostage.com/takenama/index.html
   倉持裕さんの新作です。有名スターが勢ぞろいのキャスト陣ですね。
   倉持さんは商業演劇でも劇団の小劇場作品でもハイ・クオリティーの舞台
   を発表し続けています。今年5月のプロデュース公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0520153932.html
   個人的には『スリル・ミー』↓が素晴らしかった松下洸平さんにも注目。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0922002533.html


11.キューブ『有毒少年』
  11/15-26 CBGKシブゲキ!!
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:木戸邑弥 昆夏美 三倉茉奈 丸尾丸一郎 西山宏幸 君沢ユウキ
      水野小論 伊与勢我無 上田結 小松利昌 六角慎司 竹下宏太郎
      姜暢雄 シルビア・グラブ
   脚本・演出:末満健一(ピースピット)
   前売・当日共6,300円 学生割引券4,500円(前売のみ/チケットぴあのみ)
    http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/yuudoku.html
   大阪で活躍する劇作家・演出家の末満健一さんの劇団で、2003年に初演、
   2011年に再演された人気作が、有名キャストの揃ったプロデュース公演で
   東京初登場。末満さん作・演出の公演で2月にメルマガ号外↓を発行。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0218104310.html


12.メジャーリーグ『おやすみ、かあさん』
  11/26-12/04あうるすぽっと
  ≪東京、新潟、兵庫≫
  ☆出演:白石加代子 中嶋朋子
   脚本:マーシャ・ノーマン 訳=酒井洋子 演出:青山真治
   4500円
    http://www.majorleague.co.jp/stage/nightmother/index.html
   白石加代子さんと中嶋朋子さんの2人芝居なんて、とても贅沢!
   映画監督が演出する舞台というと少々不安もあるのですが、
   1983年度のピュリッツァー賞受賞戯曲なので観たいですね。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円台の気になる作品を6本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》※12月初旬まで上演中なので先月のメルマガより再掲。
  青年団『ソウル市民五部作連続上演』
  10/29-12/04吉祥寺シアター
  ☆出演:のべ約100名の青年団俳優陣
   脚本・演出:平田オリザ
   日時指定・全席自由席・整理番号付き 前売・予約:一般3,500円
   学生・シニア2,500円 高校生以下1,500円 
   当日券:一般4,000円 学生・シニア3,000円 高校生以下2,000円
    http://www.seinendan.org/seoul5/
   平田オリザさん率いる青年団の人気シリーズ5部作連続上演です。
   『ソウル市民』は2006年に三部作連続上演されました。レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1207170506.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1211223012.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1219164610.html
   新作の2作品も含め全て観るにはタイムテーブル↓を要確認!
    http://www.seinendan.org/seoul5/info/
   例:毎週月曜夜に観れば、時系列で全5作品観られます♪
   ※3演目以上観るならこまばアゴラ劇場支援会員↓への入会がお得!
    http://www.komaba-agora.com/shien/2011/


《2》やなぎみわ演劇プロジェクト『1924 海戦』
  11/03-06神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ☆出演:金替康博 富岡晃一郎 大久保綾乃 山本麻貴 植田真介 川口覚
      山森大輔 遠山悠介 下村マヒロ 南拓哉 関輝雄
   脚本:あごうさとし 原案・演出・美術:やなぎみわ
   一般:3,500円 シルバー割引:3,000円 U24チケット:1,750円
   高校生以下割引:1,000円
    http://www.kaat.jp/pf/kaisen.html
   日本初の近代劇場“築地小劇場”を創設した芸術家たちを描く歴史劇。
   舞台『海戦』は1924年に初演された同劇場の旗揚げ公演です。
   美術作家でもあるやなぎみわさんの挑戦に興味津々。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1120222230.html


《3》エイチエムピー・シアターカンパニー『最後の炎』
  11/03-06川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
  ≪兵庫、宮城、神奈川≫
  ☆出演:高安美帆 森田祐利栄 澤田誠 武田暁 澤田誠 堀部由加里
      山川勇気 澤野正樹
   脚本:デーア・ローア 演出:笠井友仁
   前売3,000円 当日3,500円 ユース 前売2,500円 当日3,000円
   学生・障がい者・シニア(60歳以上)2,000円
   ※各回終演後のトークのゲストが豪華!
    http://www.hmp-theater.com/info.html ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=29080
   『最後の炎』は少々難解ですが刺激的で面白いドイツの現代戯曲↓です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0714010114.html
    クロスレビュー:http://www.wonderlands.jp/archives/19148/


《4》箱庭円舞曲『いつも誰かのせいにする』
  11/03-13駅前劇場
  ☆出演:須貝英 爺隠才蔵 片桐はづき 井上裕朗 村上直子 清水穂奈美
      ザンヨウコ 小林タクシー 原田優理子 菊池明明 大谷幸広
   脚本・演出:古川貴義
   全席自由 前売:3,000円 当日:3,500円
   11/3(木・祝)19:30の回は初日割引で前売:2,800円、当日3,300円
    http://www.hakoniwa-e.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=29448
   古川貴義さんが作・演出される箱庭円舞曲の新作です。
   今年「CoRich舞台芸術まつり!2011春」グランプリ↓を受賞。
    http://stage.corich.jp/festival2011/sponsored.php ↓レビュー
    http://stage.corich.jp/festival2011/grand_prix09.php
   グランプリ副賞100万円を支援されたCoRichスポンサード公演です。


《5》パラドックス定数『戦場晩餐』
  11/19-23 SPACE EDGE
  ☆出演:植村宏司 西原誠吾 井内勇希 小野ゆたか 今里真 加藤敦 生津徹
    兼間慎 渡辺芳博 池田大二 中川智明 浜野隆之 平田耕太郎 山田隆史
   脚本・演出:野木萌葱
   前売り3,000円 当日3,200円
    http://www.pdx-c.com/?cat=4
   野木萌葱さんが作・演出されるパラドックス定数の新作。男性14名の
   出演者が、戦場にある中華料理店を舞台にどんな闘いを見せてくれるのか。
   SPACE EDGEは野木さんの使いなれた空間。同劇場公演の過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0321190919.html


《6》ザ・スズナリ『うお傳説~立教大助教授教え子殺人事件~』
  11/19-28ザ・スズナリ
  ☆出演:谷川昭一朗 占部房子 ノゾエ征爾 榊原毅 渡部友一郎
      森下真樹 中島愛子
   脚本:山崎哲(新転位・21) 演出:関美能留(三条会)
   指定/一般前売 ¥3,500 当日 ¥3,800
   自由/一般前売 ¥3,200 当日 ¥3,500
   学生前売 ¥2,000 当日¥2,300(当日要学生証提示)
    http://www.honda-geki.com/suzunari/30HP/top3.html
   ザ・スズナリ30周年記念公演として、同劇場こけら落とし公演の戯曲を
   関美能留さんが演出。色とりどりの実力派ぞろいの出演者陣も魅力的。
   演劇フリークを自称する私は見逃したくない、注目の記念公演です。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1】アジア舞台芸術祭制作オフィス『お母さんの十八番』
  11/05-06水天宮ピット・中スタジオ1
  アジア舞台芸術祭2011 国際共同クリエーション公演 in 東京
  ☆出演:下総源太朗 那須佐代子 根岸絵美 深谷由梨香 bable
   脚本:李善姫 翻訳:洪明花 演出:朴章烈
   入場無料
    http://www.butai.asia/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31135
   日本と韓国の演劇人による国際共同製作です。稽古場での上演ですが
   このキャストで入場無料はお得!土曜日昼の追加公演のみ残席あり。


【2】新国立劇場演劇研修所公演・第5期生試演会1『ゼブラ』
  11/11-13新国立劇場小劇場
  ☆出演:新国立劇場演劇研修所第5期生
   脚本:田村孝裕 演出:鈴木裕美
   A席 2500円 B席1500円
    http://ja-jp.facebook.com/event.php?eid=206139912790175
   ONEOR8の田村孝裕さんの代表作『ゼブラ』のシアタークリエ版↓を、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0610220130.html
   鈴木裕美さんの演出で上演。出演者は演劇研修所の生徒ですが、
   新国立劇場小劇場でこの価格ですし、見逃す手はないかと。
   前の週に上演される田村さん作・演出の『おしるし』と合わせてぜひ。


【3】柿喰う客・日韓演劇交流プロジェクト2011『検察官』
  11/12-28こまばアゴラ劇場
  ☆出演:玉置玲央 コロ 深谷由梨香 村上誠基 永島敬三 右手愛美 葉丸あすか
    澤田慎司 イ・ソングォン チョン・ユンギョン イ・ウンセム ソ・ミヌ
   脚本:ニコライ・ゴーゴリ 演出:中屋敷法仁
   ※12~13日はプレビュー公演 一般前売:3,300円 
   プレビュー公演:1,800円 初日割引:2,500円 韓流ナイト:3,300円 
   レディースナイト:女性2,800円(※男性は3,300円) 
   メンズナイト:男性2,800円(※女性は3,300円) 平日昼割引:2,800円
   ≪各ステージ≫学生:2,000円/高校生以下:1,000円
   ※当日料金は前売料金より500円増。
    http://kaki-kuu-kyaku.com/main/?p=2201 ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31357
   年中休まず演劇公演中と言って過言ではない劇団、柿喰う客が、
   韓国人俳優とゴーゴリ作『検察官』を創作。同作は↓2007年にも上演。
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=2640
   11/17~23に劇団NLTでも『検察官』↓が上演されますね。
    http://www.nlt.co.jp/


【4】五反田団『五反田の夜』
  11/17-20アトリエヘリコプター
  ☆出演:大山雄史 後藤飛鳥 中川幸子 西田麻耶 前田司郎 宮部純子
   脚本・演出:前田司郎
   予約・当日ともに2,000円 日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付き
    http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
   小説家としても大活躍中の前田司郎さんが率いる五反田団の、
   劇団員のみの公演。ミニマムな空間で無限の広がりを体験できるかも。


【5】Produce lab 89『官能教育~官能をめぐるリーディング~
  第4回 藤田貴大×中勘助「犬」』
  11/23-27新世界
  ☆出演:山内健司 青柳いづみ 尾野島慎太朗
   テキスト:中勘助『犬』より 構成・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
   自由席2,500円+ドリンク代(当日・予約共に)
    http://www.producelab89.com/
   20代の藤田貴大さんが“官能”のリーディングに挑戦。
   「官能教育」シリーズは3度拝見しています。
   客席が大人向けのいいムードに開放的になる、22時の回がオススメ!


≪首都圏以外≫

 ○青森中央高校演劇部被災地応援公演
  『もしイタ~もしも高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』
  11/12ワ・ラッセ交流ホール(青森)
  ≪青森、宮城県気仙沼市など≫
  ☆出演:青森中央高校演劇部
   脚本:畑澤聖悟 演出:高橋未来
   入場無料。
    http://nabegen4ro.exblog.jp/15765841/
   青森中央高校演劇部が被災地で公演するために創作された作品です。
   高校演劇地区大会で最優秀賞、県大会を経て東北大会への出場権を獲得。
   青森市からバスで日帰りできる被災地での上演を希望されています。
   費用も入場料も無料。ぜひ同部を被災地に!過去公演の実績↓
    http://stage.corich.jp/troupe_stage_list.php?troupe_id=445


★○SPAC・静岡県舞台芸術センター『オイディプス』
  11/26-12/04静岡芸術劇場
  ☆出演:大高浩一、たきいみき、武石守正、舘野百代、仲谷智邦、
      藤田桃子、三島景太、森川弘和、吉見亮、渡辺敬彦
   演出:小野寺修二 作:ソポクレス テキスト:小里清
    http://www.spac.or.jp/11_autumn/oedipus.html
   振付家としてもひっぱりだこの小野寺修二さんが、とうとうSPACを演出。
   小野寺さんは来年、新国立劇場で『カラマーゾフの兄弟』↓を演出されます。
    http://www.nntt.jac.go.jp/dance/20000460_dance.html
   ※ダニエル・ジャンヌトー演出・SPAC『ガラスの動物園』は11/6まで!
    http://www.spac.or.jp/11_autumn/glass.html


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.流山児★事務所『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-(再演)』
  10/14-10/30座・高円寺1
  ☆小劇場で低価格の社会派ミュージカル。メルマガ号外↓を発行!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1014234434.html

2.KUNIO『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部・第二部一挙上演』
  10/20-23自由学園明日館講堂
  ≪京都、東京≫
  ☆若者の感覚で8時間以上の世界的名作戯曲を親しみやすいエンタメに。
   雄弁かつ大胆な演出で天使が日常に舞い降りました。一挙上演に感謝!
   http://kunio.me/kunio09/

3.バナナ学園純情乙女組『バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!』
  10/26-11/01シアターグリーン BIG TREE THEATER
  ≪京都、東京≫
  ☆情報が氾濫する日本の今を約1時間の絶叫ライブに凝縮。本日千秋楽!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1026234937.html

  その他は風琴工房『Archives of Leviathan』、パルコ『猟銃』、
  劇団民藝『カミサマの恋』、マームとジプシー『Kと真夜中のほとりで』
  エイブル・アート・ジャパン『R&J』など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2011年10月(観劇数46作品)は『ユーリンタウン』↓で発行!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1014234434.html


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 ◆3 【学びの秋! ~舞台芸術関連レクチャーのご紹介~】
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 ◎「フェスティバル/トーキョー11」↓開催中の東京では、
   http://festival-tokyo.jp/
  豪華パネリストがそろうレクチャーが多数開講されます。
  公共劇場主催の企画も含め、舞台芸術関連レクチャーをご紹介します。
  ※作り手向け、一般人向けの区別なく掲載しています。


 ■Next主催/提携:フェスティバル/トーキョー
  『これからの舞台芸術カンパニー、アーティストの
   ステップアップ戦略を考える』
  11/7(月)14:30~18:30 ※無料・入退場自由
   http://www.next-nevula.co.jp/eve-meeting/
  会場:池袋「F/Tサロン」ホテルグランドシティ地下1階
  参加予定者:野村政之、宮永琢生、坂本もも、吉田千尋、笠原希、
   藤田晶久、矢口友朗、玉山悟、蔭山陽太、落合由人、丸岡ひろみ、
   佐藤道元、神野和美、大塩哲史、北川大輔


 ■F/Tシンポジウム
   http://festival-tokyo.jp/program/symposium/
  各回1,000円(前売・当日) 会場:あうるすぽっと

 ・テーマ1:3.11以降の芸術活動とその公共性を巡って
  11/9 (水)16:00-18:00
  パネリスト:近藤誠一 ハンス=ティース・レーマン 相馬千秋
  司会:鴻英良
  *ドイツ語から日本語の逐次通訳つき

 ・テーマ2:アート/ジャーナリズム/アクティビズムの新地平
  11/9 (水)19:00-21:00
  パネリスト:津田大介 中沢新一 高山明
  司会:濱野智史

 ・テーマ3:日本・現代・アート~「終わりなき日常」の断絶から
  11/10 (木)16:00-18:00
  パネリスト:宮台真司 宮沢章夫 黒瀬陽平
  司会:鴻英良

 ・テーマ4:アジアの同時代とは何か?
  11/10 (木)19:00-21:00
  パネリスト:住友文彦 福嶋亮太 松田正隆
  司会:濱野智史


 ■世田谷パブリックシアターレクチャー
  http://setagaya-pt.jp/workshop/

 ・『プロデューサーの仕事』
   http://setagaya-pt.jp/workshop/2011/11/post_237.html
   <受講料> 3,000円(全3回)

  (1)「これから、劇場は何をすべきなんだろう?」
   11月1日(火)19時~21時
   講師:楫屋一之(世田谷パブリックシアター劇場部長)

  (2)「入門編」
   11月11日(金)19時~21時
   講師:根本晴美(世田谷パブリックシアター劇場部)

  (3)「実践編」
   11月17日(木)19時~21時
   講師:穂坂知恵子(世田谷パブリックシアター劇場部)


 ・『公共空間と劇場のポリティクス/対話編(その3)』
   http://setagaya-pt.jp/workshop/2011/10/3_1.html
   <受講料> 各回1,000円 ※(1)は先月終了。

  (2)「チェルノブイリとソヴィエト・ロシアの解体」
   11月22日(火)19時~21時30分
   ゲスト:塩川伸明 沼野充義 聞き手:鴻英良

  (3)「3.11震災以降における公共劇場の使命」
   11月29日(火)19時~21時30分
   ゲスト:松本小四郎 聞き手:鴻英良

  (4)「震災・原発事故から国家と国民の関係を考える―私たちの権利とは何か」
   12月14日(水)19時~21時30分
   ゲスト:小島延夫 聞き手:鴻英良


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎10月は忙しすぎました・・・メルマガを作りながら中旬の自分の予定を
  眺めると、遠い昔のことのように懐かしく感じるぐらい。
  12月は“師走”となるに違いないので、今月の予定は緩い目にしたいです。


 ◎高校演劇・東京城東地区発表会の審査員をさせていただきました。
  10月の観劇本数が46本に激増したのはそのためです。↓レポート
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1011204137.html
  都大会に出場する城東地区の2校を観に行こうと思います。
 
  ・東京都高等学校演劇連盟『中央発表会(都大会)』
   11/12-13練馬文化センター小ホール(つつじホール)
   ※入場無料・予約不要
    http://tokyo.koenren.org/mu50e1rxn-135/#_135
    http://blog.goo.ne.jp/keito-28/e/8a4c020219dcf955b25841d6d6bd4bb9
   第1日目 11月12日(土)
    12:50~13:45 都立江戸川高校『Colors』
   第2日目 11月13日(日)
    12:50~13:45 都立足立高校『恋愛妄想 ダメ、ぜったい!』


 ◎来月、演劇公演の終演後のトークにゲスト出演します。
  ・日本の問題『日本の問題』
   11/27-12/04ザ・ポケット
   【A班】経済とH、風琴工房、DULL-COLOREDPOP、Mrs.fictions
   【B班】ろりえ、ミナモザ、JACROW、アロッタファジャイナ
     http://nipponnomondai.net ↓こりっちでカンタン予約!
     http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27387
    私が出るのは12/3(土)14:00 (A班)の回の終演後です。


 ◎「しのぶの演劇レビュー」内の原発事故関連エントリー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0804134402.html
  文部科学省「東京都及び神奈川県の航空機モニタリングの測定結果」(PDF)↓
   http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/10/1910_100601.pdf


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
  「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html

  【WOWOW】「生誕50周年 三谷幸喜の日」11月03日(土)08:15~
    http://www.wowow.co.jp/movie/mitani/?banner_id=mv_top
  【WOWOW プライム】11/3(木)15:00~
  【WOWOW ライブ】11/26(土)21:00~
   SIS company『ベッジ・パードン』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075521/
   出演:野村萬斎 深津絵里 大泉洋 浦井健治 浅野和之
   作・演出:三谷幸喜


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2011年10月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「八日目の蝉」←永作博美さんの迫力。いい映画でした。
    http://www.youkame.com/
  ・「歓待」←青年団所属の深田晃司さん監督作品。オススメです。
    http://kantai-hospitalite.com/ ↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0713113245.html
  ・「まほろ駅前多田便利軒」←松田龍平さんの歩き方に惚れました。
    http://mahoro.asmik-ace.co.jp/
  ・「海炭市叙景」←全編暗過ぎで衝撃的。
    http://www.kaitanshi.com/
  ・「大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇」←前田司郎さん原作・脚本。
    http://ookike.gaga.ne.jp/


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Posted by shinobu at 00:07 | TrackBack