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2011年10月30日

【稽古場レポート】世田谷パブリックシアター『往転―オウテン』11/06-20シアタートラム

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『往転』チラシと台本

 劇団KAKUTA桑原裕子さんの新作戯曲を青木豪さんが演出する、世田谷パブリックシアターのプロデュース公演『往転―オウテン』の稽古場に伺いました。
 桑原さんの戯曲を青木さんが演出するのは初めてのことなんですね。⇒青木さんと桑原さんのインタビュー ⇒桑原さんが出演した青木作品レビュー

 『往転―オウテン』は『アンチェイン・マイ・ハート』『桃』『いきたい』『横転』の4つの物語から成り、人々が抱える問題や言葉にならない気持ちを、そっとすくい上げるようにしたためた戯曲です。思わずこぼれてしまった言葉でつづられた会話が、胸に染み入ります。

 複雑で繊細な世界を、青木さんがダイナミックに立体化する過程を拝見することができました。独自の作品解釈に基づいた演出が、戯曲の世界をさらに広げてくれそうです。

 ●世田谷パブリックシアター『往転―オウテン』
  期間:11月6日(日)~20日(日)@シアタートラム
  プレビュー一般:4,000円 プレビュー高校生以下・U24:2,000円 
  一般:5,000円 高校生以下・U24:2,500円
  友の会会員割引:4,500円 世田谷区民割引:4,700円
  ⇒公演特設サイト ⇒劇場内詳細ページ ⇒公演公式ツイッター
  ⇒CoRich舞台芸術!『往転―オウテン

 各エピソードに分かれて稽古をしてきた出演者が、初めて全員そろう日に伺いました。舞台の骨組みはほぼ本番どおりに建て込まれており、音響さんが音楽と効果音も出してくれます。まずはオープニングの具体的なシーンづくりから。青木さんが事前に指示していた通りにやってみたところ、俳優と音楽、装置が息を合わせたアンサンブルとなり、私の中で“文章”だった『往転―オウテン』(以下、『往転』)が、いきなり命ある生き物のように、目の前に立ち上がりました・・・!

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写真左は青木さん

 最初の場面を初めて通してみたことで、役者さんとスタッフさんから問題点が指摘され、新しいアイデアも続々と出てきます。青木さんは「(その提案は)どっちもいいね。じゃあ両方試してみよう!」と、にっこり笑顔。
 役者さんがいつ、どうやって、舞台上にスタンバイするのか、どんな音・音楽が鳴って、どのスピードで照明が暗転するのか、最初のセリフはいつ発せられるのか・・・幕開けの瞬間には多くのきっかけが集中します。演出の腕の見せどころであり、作品の第一印象を決める重要なポイントでもあるんですね。

 オープニングの場面を数回繰り返した結果、音楽が鳴るタイミングと暗転のスピードが変わり、セリフがひとこと増え、役者さんの動き方・演技も変化しました。青木さんがパっとひらめいて演出を追加されることも!
 3分弱のシーンの全てのきっかけが決まるまでに、かかった時間は約20分間。たった20分でこれほどまでに世界が変わるなんて・・・演劇のプロたちの発想が“あ・うん”の呼吸で実を結び、ゼロからものが生み出される創造の時間でした。

 オープニングの後は台本の順序通りに場面を作っていきました。青木さんのダメ出しはとてもリズミカル。明るく、簡潔に指示をして、褒めることも忘れません。演出席から演技スペースへするりと入って行って、愉快に演出されます。演出家ご自身が稽古場のムードメイカーなんですね。


■『アンチェイン・マイ・ハート』
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 高田聖子さん大石継太さんが何やらワケありの中年男女を演じる『アンチェイン・マイ・ハート』。タイトルは日本語で「私の心の鎖を解いて」という意味です。含みのある会話からさりげなくヒントが与えられ、2人の関係がじわり、じわりとわかってきます。セリフとセリフの間、つまり行間の演技があまりに面白くて、ほんの数分間の短いシーンの間に大笑いしたり、じんわり泣けてきたり、揺さぶられどおしでした。
 ドアを開けるか開けないか、手を伸ばすかどうか、相手に触れるかどうか・・・ぎりぎりの、すれすれのところまで緻密に組み立てられています。でもその場・その瞬間に生きている演技をされるので、鼻につくようなわざとらしさはありません。演技の工夫とぴたりと合わせる呼吸で、魅せるお芝居が完成していました。


■『桃』
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 初対面の男女のかみあわない関係を描く『桃』では、桃農園で働く弟役の尾上寛之さんが、突然訪れた兄の婚約者に戸惑います。婚約者を演じる市川実和子さんに対して、尾上さんが真剣に怒れば怒るほど、笑えてしまうんです!役柄の心のままに、自然に舞台に存在しているからこそ生まれる可笑しさです。ふすまの開け閉めのタイミングや足音の大きさなど、セリフがない時間の演技を細やかに積み重ねることで、お互いの素性を知らない2人の所在ない空気がリアルにふくらみました。
 安藤聖さん演じる兄弟の幼なじみの女性は、他のエピソードにも登場して『往転』の世界をつなげるキーパーソン。都会的な空気をまとったサラリとした身のこなしが、桃農園にうっすらと不穏なムードを漂わせます。

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おめでとうございます!

 休憩時間には煙草を吸いに稽古場を出る人もいれば、自分の席に座って台本を読みながら、アルミホイルに包んだ大きなおにぎりをほうばる人もいます。台本にメモを熱心に書きこむ人も、パートナーとセリフ合わせをする人も。自立した俳優・スタッフが集まっている、とてもスマートな現場です。

 1回目の休憩時間が終わった時、青木さんが「さきほどのシーンの暗転中を想定した転換稽古をしましょう。カーテンを閉めてもらえますか?」と指示されました。大きな窓が厚いカーテンで覆われ照明が消えると、稽古場が完全暗転の真っ暗闇に。役者さんもしっかりスタンバイした状態で、なんと流れてきたのが「ハッピーバースデー!」と連呼する曲!お誕生日の大石さんへのサプライズだったんです!!
 大石さんがケーキのろうそくを吹き消して拍手喝采。なごみました~。青木さんは余興の演出もさりげなくてお上手!でもこのお誕生日イベントはたったの5分間で終了。すぐに稽古が再開しました。皆さん、楽しむときは大いに楽しんで盛り上げて、切り替えも早いです。


■『いきたい』
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 青木さんのダメ出しに「はい!」とシャキシャキ返事をして、指摘されたことをメモする穂のかさん。はつらつと発せられるセリフに、まっすぐ前を見つめる純粋さが備わっていて、みずみずしい存在感です。『いきたい』の舞台は病院で、穂のかさんは入院患者役ですが、見舞客を演じる柿丸美智恵さんとの会話が軽妙なので暗いムードに沈みません。ベッドに横たわる浅利陽介さんの役については本番を観てのお楽しみ!


■『横転』
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 峯村リエさん仗桐安さんのデコボコ・コンビによる『横転』は、マイペースで大はしゃぎする峯村さんがとっても可愛らしい!熱い峯村さんに対して仗さんがピシャリと冷めた態度で返し、緩急の鮮やかな会話に笑いが絶えません。でも青木さんは「もっと面白くなると思うんだよね~」とお2人にさらに課題を出します。言葉のニュアンスや熱量、語尾の上げ下げ、発音の速度などを微調整して、幾度か繰り返し稽古をしたところで大成功!同じセリフでもこんなに変わるものなのかと感心しきりでした。


 13時から始まった稽古は18:15で終了。青木さんに少々お時間をいただきインタビューさせていただきました。

 ―桑原裕子さんの脚本を演出されるのは初めてですね。
 青木「まずは早く書き上げてもらったのがすごく嬉しかった。バラ(=桑原さん)に1つだけ言ってたのは、KAKUTA(=桑原さんの所属劇団)ではできないことを書いてってこと。映像用の台本のようだと言う人が多かったんですが、僕はそこにすごくそそられて。どう見せようかという想像がどんどん沸いてきて、絵作りをするのが面白かったですね。
 もうひとつ嬉しかったのが、登場する女性が、絶対に僕には書けないタイプばかりだったことです。たとえば性格が悪い女性は明らかに悪いわけじゃなく、じわっと悪い感じで、桑原ならではの描き方ですね。」

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演出中の青木さん

 ―稽古中にどんどんシーンが変わっていきました。青木さんがご自身のプランを柔軟に変更されて、とても刺激的でした。
 青木「劇団だけをやっていた時代は、一人で全て細かく決めて演出してましたが、それだと面白くなくなってきて。役者さんやスタッフさんがその場で出したものを、僕がエディターとしてまとめる方が豊かな気がしたので、ある時期から今のように何度か試してもらって作るようになりました。」

 ―『アンチェイン・マイ・ハート』の高田さんと大石さんの演技に圧倒されました。各エピソードの稽古はどのように進めたのですか?
 青木「『アンチェイン…』については僕は特に何もしてないです。お2人で勝手にあそこまで作ってくれました(笑)。稽古ではまず登場人物がどういう人なのかディスカッションしました。台本にない部分をエチュード(即興)で作ったりもしましたね。たとえば『いきたい』だと、入院中の女の子(穂のか)がなぜ入院したのか、その原因となる事件や家族との会話もエチュードでやりました。」

 ―脚本には書かれていない、作品の色を決めるような大胆な演出があります。
 青木「人の運命は決まってるんじゃないかと読めたところがあって。バスの横転事故で死ぬ人も、怪我する人も、生き残る人もいる。それはあらかじめ決められてるんじゃないかという運命論を感じた。だから神様のような作家の目線というか、この『往転』という作品を見ている、俯瞰の視点を持った人たちを登場させようと思ったんです。」


 【稽古場取材を終えて】
 今年3月の大地震の日以降、私たち日本人はバラバラになってしまった、いえ、もともとバラバラだったことが露わになってしまったように思います。でもバラバラに存在する私たちの“間”にも、世界は相変わらず存在しています。その“間”にどうやってアクセスして、変化を生じさせ、つなげていくのか。私と誰かを阻む“間”にこそ人生があるのだと思います。

 戯曲『往転』は4つの独立した物語が、時間軸を行き来しながら展開していく構成ですが、オムニバス形式ではありません。青木さんの演出により、台本で読んだ第一印象よりも人と人との係わりが強く、鋭く、ねばりのあるものになっていました。各エピソードの“間”を埋めて、全体を包むような演出もほどこされています。
 台本にはない登場人物も含め「俯瞰の視点」から立ち上がった舞台『往転』は、私たちが生きる日常と劇場との“間”にも変容をもたらしてくれることと思います。


[出演]「アンチェイン・マイ・ハート」高田聖子/大石継太 「桃」 市川実和子/尾上寛之/安藤聖 「いきたい」 穂のか/浅利陽介/柿丸美智恵 「横転」峯村リエ/仗桐安  他:藤川修二/遠藤隆太
脚本:桑原裕子(KAKUTA)演出:青木豪 美術:二村周作 衣裳:前田文子 照明:三谷恵子 音響:小笠原康雅 ヘアメイク:宮内宏明 映像:吉本直紀 舞台監督:佐川明紀 演出助手:松倉良子 宣伝美術:SUN-AD 主催:公益財団法人せたがや文化財団 企画制作: 世田谷パブリックシアター  協賛:トヨタ自動車株式会社/Bloomberg  後援:世田谷区 平成23年度(第66回)文化庁芸術祭参加公演
一般5,000円 高校生以下 2,500円(世田谷パブリックシアターチケットセンター店頭&電話予約のみ取扱い、年齢確認できるものを要提示) U24 2,500円(世田谷パブリックシアターチケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 4,500円 世田谷区民割引 4,700円 ★11/6プレビュー:一般4,000円 高校生以下・U24 2,000円 
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/11/post_249.html

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Posted by shinobu at 21:50 | TrackBack

2011年10月27日

白井剛『静物画―still life』10/27-30自由学園明日館講堂

 白井剛さんのダンス、ものすごく久しぶりに観られました~。昔から変わらないイケメンですね。体のキレも美しくて上品。上演時間は約1時間40分。⇒FT11記者会見
 
 全く脈絡ないのですが、昨日観たバナナ学園純情乙女組とちょうど対をなすように、正反対の作品だと感じました。昨日の今日だからかもしれませんが、この作品は私には高尚すぎましたね・・・。明日館という空間はぴったりでした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『静物画―still life

 自由学園明日館講堂なので先日観た『Angels in America』のことがすぐに浮かびました。劇場入口が違うところにあるので印象はがらりと変わっているのですが、『Angels…』を観た時とほぼ同じ位置に自分が座わっていることに気づいたんです。もう懐かしくてたまらない。また天使たちに会いたい・・・なんて考えていたら、ダンスが始まりました。

 『静物画』でした。机、ベンチ、フォーク、ガラス瓶などと、同等に並ぶ人体。ビー玉(?)が机の上で転がるのが面白かったです。でも全体としては退屈してしまいました。私はダンスには不案内です。

 ここからネタバレします。

 1時間15分ほど経った頃にダンサー全員がそろって、大きな動きで素早く踊る場面があり、そこが楽しかったです。人体がモノと同等に確かな物体として存在することを示してから、その粒だった複数の生命体(=ダンサー)のアンサンブルが生まれて、また個々の存在へと散っていく・・・ようなイメージ。
 最後の照明(窓とランプ)がきれいでした。

フェスティバル/トーキョー実行委員会
出演:青木尚哉、鈴木美奈子、高木貴久恵、竹内英明、白井剛
構成・振付・演出:白井剛 舞台監督:夏目雅也 舞台美術:杉山至+鴉屋 照明:吉本有輝子 音響:宮田充規 衣裳:清川敦子 衣裳管理:坂本千代 企画:橋本裕介、丸井重樹 制作:川崎陽子(京都芸術センター)、和田ながら 製作:京都芸術センター「演劇計画2009」 主催:フェスティバル/トーキョー
【発売日】2011/08/28 自由席 一般 前売 4,000円(当日 +500円) 学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/StillLife/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:50 | TrackBack

新国立劇場演劇『イロアセル』10/18-11/05新国立劇場小劇場

 倉持裕さんの新作戯曲を鵜山仁さんが演出されます。新国立劇場の演劇部門にとっては、厳密な意味で震災以降初の新作ですね。⇒合同制作発表会

 10/25以降、すべてのステージのカーテンコール直後に藤井隆さんのトークがあります。藤井さんが他の出演者を誘って10分ほどおしゃべりされます。誰が出るかはその日ごとに違うようです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『イロアセル

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 ある小さな島。その島民の言葉には色があり、
 それそれ異なる固有の色を持っている。
 いつどこで発言しても、その色によって
 誰の言葉かが特定できてしまう。
 そのため、この島の住民はいつも慎重に発言し、
 決してウソをつかない。
 ある日丘の上に檻が設置され、
 島の外から囚人と看守がやってくる。
 この男との会話はなんと無色透明。
 やがて島民が次々と面会に来て、
 打ち明け話をしていく。
 ≪ここまで≫

 私が観たのは平日マチネだったんですが、オープニングがぎくしゃくしているように感じました。ステレオタイプかつレトロ(というか時代遅れ)なSF感を出すことで、寓話の世界に連れて行こうとしてくれたのかもしれませんが、あんないきなりでは入り込めないです。
 最後まで観て、設定もストーリーも面白いと思いました。でも私には演技、空間、転換などについて、全体的に演出がフィットしてると思えなかったですね。倉持さんの演出だったらどうなったんだろうな~。

 なぜ藤井隆さんが主演なのかと何度も考えながら観ることになりました。藤井さんは真摯にがんばってらっしゃるし、好感も持てます。でも演技は上手ではありません。なぜ、彼なのか。テレビによく出ている人気スターだからなのだろうという結論に落ち着いてしまいました。

 ここからネタバレします。

 純真な女の子が囚人の利き指を切り落とすのに納得。最後には、ある大事故で島の人々の声と文字から色が消えてしまいます。新体操みたいな架空のスポーツと、はるか遠くの喝采、熱狂。『不満足な旅』『審判員は来なかった』を思い出したり。

 ≪カーテンコールに付随したトーク≫

 カーテンコールの拍手の後、藤井さんがステージに残って島田歌穂さんを呼び止めて、お2人によるトークが始まりました。何も打ち合わせをされていなかったようで、内容は世間話のようなものでした。知名度の高い藤井さんのファン向けのイベントなのでしょうか。島田さんのファンも多いでしょうね。

 舞台天上部のパネルに映写される動画は、役者さんの声に反応してできるそうで、つまり各ステージごとに全く違う絵になるそうです。うーん、でも観客は観劇中に動画を出す技術・方法を知りようがないし、知らなくてもいいので、大事なのは舞台成果なんじゃないかしら。私個人としてはあの動画は美しいと思えなかったです。特に最初の黒い絵。やはり私はオープニングでつまづいたんですね。
 あと、島田さんは開場前に劇場ロビーで柔軟体操をされているそうです。

 私は劇作家、演出家目当てでお芝居を観ることが多い演劇フリークで、新国立劇場公演の場合は「新国立劇場が世界に向けて発信する舞台が観たい」と思って通っています。だからこういった、明らかに客寄せ目的だとわかる軽率なイベントには閉口してしまいます。作品で勝負して欲しいですし、何かやるならちゃんと準備して欲しい。新国立劇場の実績に、歴史に恥ずかしくない企画にして欲しいです。
 私はこのトークが始まった最初の回を拝見しましたので、もう改善されているかもしれません。そう望みます。

【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─Ⅱ
出演:藤井隆 木下浩之 小嶋尚樹 松角洋平 花王おさむ ベンガル 島田歌穂 加藤貴子 高尾祥子 剣幸 
脚本:倉持裕 演出:鵜山仁 美術:乗峰雅寛 照明:服部基 映像:鈴木大介 音響:栗原亜衣 衣裳:黒須はな子 ヘアメイク:佐藤裕子 演出助手:斎藤栄作 舞台監督:北条孝
【休演日】10/24,31【発売日】2011/08/06 A席 5,250円 B席 3.150円 Z席 1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000436_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:01 | TrackBack

2011年10月26日

バナナ学園純情乙女組『バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!』10/26-11/01シアターグリーン BIG TREE THEATER

 メルマガ(⇒)で度々お薦めしてきたバナナ学園純情乙女組F/T11公募プログラム参加作品、初日の夜を拝見してきました。総勢40名以上による“絶叫★ヲタ芸アイドルライブ”の上演時間は約1時間強。 ⇒公演詳細 稽古場写真⇒ 過去レビュー⇒ 

 何もかもが混ざって破滅へと疾走するカオスの中から、汗まみれの手が差し伸べられて、ギュっ!と抱きしめられたように感じました。若い人たちからこんなにいっぱいの愛情をもらってしまって、申し訳ないし、恥ずかしいし、でも、嬉しい。ありがとう!!!

 好き嫌いがかなり分かれる作品ですが、できるだけ多くの人にに体験してもらいたいです。私は特に高校生に観て欲しいな~と思いました(中学生以下には刺激が強すぎかも)。バカでカッコいい先輩たちに直接会って、触れて、これだけのことやらかしてもイイんだってことを知って欲しい。それがどれだけ大変なことかも、劇場に来ればわかるから!これを13回(東京公演)も繰り返すんだと思ったらシビれるよっ!

 ★この作品は“参加型”で、客席は安息の場所ではありません。座席も通路もこのように養生されています。つまり水(など)が飛んでくるということです。劇場入り口でレインコートが配られますが、ひざ上までしかガードできませんので、濡れても汚れてもいい、洗濯機で洗えるお洋服推奨。
 座席には養生用以外にもビニール袋がかぶせられており、赤と白のボールが用意されています。ビニール袋に上着や鞄などを入れて足元に置きましょう。ボールは最後に使います。
 舞台に近い席ほどスリリングで、通路席もキャストととの触れ合い必至。刺激少なめ希望の方は、客席後方の中央寄りの席がいいかもしれません。私は前から6列目の上手から3番目の席で、水に濡れただけで済みました。

 ⇒公式感想まとめ ⇒刺激の強い作品なので、苦手な方も無論いらっしゃいます
 ⇒CoRich舞台芸術!『バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!』※CoRichでカンタン予約!

 オープニング・メドレーで早くも落涙。今回も黒田育世さんの推薦文↓のとおりの作品だと思います。うにたもみいちさんのつぶやきに共感します。

 【黒田育世さんの推薦文】 ※CoRich舞台芸術!より
 バナナ学園はあなたの手を握りたがっている。でもそう簡単に初めて会うあなたの手を握ることは出来ない。だから集まってトレーニングする。
 トレーニングする。トレーニングする。トレーニングする。トレーニングする。もっと。
 うしろめたくみだらになる。集団で陶酔する。全部の体が悦に入る。あなたの手を握ることが出来る気がする。
 舞台上で暴れていた集団の中の一つの体が、息切れしながら客席に侵入してきました。私の手を握りしめて「ありがとうございます」ととても慎ましく私に伝えてくれました。
 バナナ学園は集まった。その集団を閉ざさないように、みだらでも開こうとしている。陶酔しながら開こうとしている。悦に入って開こうとしている。叶わないかもしれない。それでも慎ましくあなたの手を握ろうとしている。
 「ありがとうございます」が素晴らしい「はじめまして」でした。本当に心よりありがとうございます。
 BATIK主宰 振付家 ダンサー 黒田育世
 【ここまで】

 この作風はずっと続くものじゃなくて、主宰の二階堂瞳子さんが飽きた時にガラリと変わるのだろうなと思いました。

 ここからネタバレします。間違ってたらごめんなさい。

 ももいろクローバーZとかサザンオールスターズもあったな。初音ミク、エヴァンゲリオン「残酷な天使のテーゼ」はデフォルト。

 もう書いてたらキリがない、っていうより知らない曲もいっぱいあったし憶えてない・・・ゆらゆら帝国「空洞です」が最高のツボだった。十字架背負うチーム出てくるし(爆笑)。でも全部一瞬なの。駆け抜けて散っていくの。

≪東京、京都≫ F/T11 公募プログラム参加作品
【★紅組出場者】風林火山★前園あかり(以上、バナナ学園純情乙女組) 自暴自棄★石澤希代子(犬と串) 百発百中★一色洋平(早稲田大学演劇研究会) 不老不死★伊藤今人(ゲキバカ/梅棒) 残虐非道★海田眞佑(劇団ウミダ) 大胆不敵★大柿友哉(害獣芝居) 満身創痍★紺野タイキ(FLIPLIP) 頭脳明晰★榊菜津美 勇猛果敢★高橋宏行 外柔内剛★高村枝里 超素敵顎★佐賀モトキ 欲求不満★だてあずみ。(TRAPPER/Minami Produce) 眉目秀麗★成田里奈 支離滅裂★服部由衣 温故知新★引野早津希 豪華絢爛★間野律子(東京デスロック) 日進月歩★三科喜代 品行方正★三塚瞬 大器晩成★森川奈津美 魑魅魍魎★山内大輔 酒池肉林★吉原あおい 恋愛足算★小方竜二※京都大会のみ
【☆白組出場者】起死回生☆加藤真砂美 難攻不落☆野田裕貴(以上、バナナ学園純情乙女組) 無我夢中☆粟野友晶(劇団てあとろ50') 冠婚葬祭☆今野雄仁 脱無一文☆大森美里(劇団大森美里) 波瀾万丈☆梶井咲希 傾城傾国☆河嶋遥伽 臥薪嘗胆☆郷家真之(劇団S.A.R) 一発逆転☆小林和也 落下彼氏☆小林由紀 才色兼備☆佐野恵子 文武両道☆戸谷絵里 弱肉強食☆中峰健太(東京バンビ) 威風堂々☆古川侑 七転八起☆保坂藍 神出鬼没☆松崎浩太郎 百戦錬磨☆森一生 正々堂々☆山岡貴之 閑話休題☆山田麻子 天真爛漫☆吉原小百合 傍若無人☆ばんない美貴子(The Gunzys 原子力事業部)※京都大会のみ 容姿端麗☆吉武奈朋美※京都大会のみ
構成/演出:前代未聞∞二階堂瞳子 大会委員長:二階堂瞳子 爆音楽教師:ミ世六メノ道理(体験) 銀幕教師:矢口龍汰(ウィルチンソン) 運動場監督教師:喜久田吉蔵 運動場設計教師:角田知穂 閃光教師:内山唯美(劇団銀石) 体操着教師:山内彩湖、浅利ねこ 髪飾り教師:ばんない美貴子(The Gunzys 原子力事業部) 委員長補佐:瀧澤玲衣、羽原寛子、あんな、小笠原悠紀 電子情報板教師:吉武奈朋美 紙情報デザイン教師:ヨシダサオリ イラスト教師:Kハジメ 制作教師:杉生みゆき 制作統括教師:樺澤良 共催:立誠・文化のまち運営委員会(京都公演) フェスティバルトーキョー(東京公演) 宣伝協力:株式会社ネビュラエクストラサポート 主催:バナナ学園純情乙女組、劇団制作社
【発売日】2011/09/10 □前売 2,500円 □当日 2,900円 □制服・運動会コスプレ割 2,000円(事前入金時2,500円※当日会場にて500円キャッシュバック) □高校生割引※当日精算 1,000円(当日会場にて要学生証提示) □Tシャツ付きチケット 4,000円□通学定期 8,000円(4授業分出席可・要予約) □理事長 30,000円(全授業出席可・要予約/秘密特典付き) □バナナWS※当日精算 1,500円(30日12時の回のみ・同日16:00の回の出場権有り) □877シート 877円(エリア指定自由席)
http://banagaku.xxxxxxxx.jp/undoukai/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:49 | TrackBack

【オーディション】バストリオ「『Rock and Roll/わたしにとって大切なのはココロ』出演者オーディション」11/03-04※11/01〆切(メールのみ)

 今野裕一郎さんが作・演出されるバストリオが、2012年1月末から2月に行われる新作公演の出演者を募集しています。今野さんは遊園地再生事業団の近作(『ニュータウン入口』『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所』『トータル・リビング 1986-2011』)に、カメラを持つ男役で出演して、映像製作も担当されています。 以下、主催者からいただいた情報です。ご興味ある方はどうぞ。演出助手、制作スタッフも募集中です。

 ●バストリオ「『Rock and Roll/わたしにとって大切なのはココロ』出演者オーディション」
  期間:11/03~04 ※どちらか1日だけでも大丈夫
  参加費用:2日間で1,500円
  〆切:11/01(メールのみ)

■新作『Rock and Roll/わたしにとって大切なのはココロ』ワークショップオーディション

日時
11月3日(木)/4日(金)17時から21時
※基本的に2日間通しての参加をお願いしますが、どちらか1日だけでも大丈夫です。

参加費用
2日間で 1,500 円

募集対象
年齢・性別・演技経験不問。2011年12月上旬の稽古から 2012年2月1日の公演終了まで参加出来る方。

備考
公演に際しチケットノルマはありません。

選考方法
※2日間のワークショップオーディションの後、出演者を選考。合否結果を 11月7日に連絡します。

応募方法
1、履歴書(書式自由) 2、応募動機 3、顔写真
を添付の上件名を「ワークショップ応募」と記して info(アットマーク)busstrio.com にメール下さい。
追って詳細を連絡します。

※応募者数が多数の場合は書類審査を行いますのであらかじめご了承くださいませ。
また、公演にあたり演出助手、制作スタッフも募集いたします。ご興味のある方は info(アットマーク)busstrio.com へお問い合わせください。

応募〆切 11月1日(火)

・公演概要
『Rock and Roll /わたしにとって大切なのはココロ(仮)』

日時:2012年 1月末から2月頭
作・演出:今野裕一郎
衣装:安食真、告鍬陽介
稽古日程:12月中 週 3~5 日程度 17~21 時、1月中 週 5 日程度 17~21 時 or 13~21 時、公演直前は 13~21時
場所:墨田区の稽古場を予定


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:29 | TrackBack

2011年10月23日

【情報】東京芸術劇場&立教大学・連携協定締結記念シンポジウム「“西池袋”を刺激する!―東京芸術劇場×立教大学による持続可能な地域づくり―」11/28立教大学池袋キャンパス

 池袋に立地する東京芸術劇場立教大学の間で、西池袋の地域活性化および芸術文化振興に寄与することを目的とした連携協定が締結されました。協定締結を記念したシンポジウムが開催されます。

 ●連携協定締結記念シンポジウム
  「“西池袋”を刺激する!―東京芸術劇場×立教大学による持続可能な地域づくり―」
  【日時】2011年11月28日(月) 18:30~21:00(開場18:00)
  【会場】立教大学 池袋キャンパス 7号館1階 7102教室
  【講師】福地茂雄氏(東京芸術劇場館長)、高萩宏氏(同副館長)、吉岡知哉(立教大学総長)、阿部治(同ESD研究センター長)
  ⇒開催概要(PDF) ⇒立教大学ESD研究センター参加申込フォーム 
  ⇒シアターリーグ演劇ニュース「東京芸術劇場・立教大学 連携協定締結記念シンポジウム

 野田秀樹さんが東京芸術劇場(ただいま閉館中・以下、芸劇)の芸術監督に就任し、同劇場が昨年までのF/Tのメイン会場だったのもあって、私は池袋の劇場に通う回数が劇的に増えました。池袋駅を最寄駅とする立教大学と芸劇が連携することで、西池袋から発信される舞台芸術シーンがより豊かになるかもしれません。ご興味持たれた方はぜひシンポジウムにお運びください。

Posted by shinobu at 11:40 | TrackBack

2011年10月22日

風琴工房『Archives of Leviathan(アーカイブズ・オブ・リヴァイアサン)』10/19-24ザ・スズナリ

 詩森ろばさんが作・演出・主宰される風琴工房の新作は、いきのいい若い男性ばかり9人が出演する、現代日本を舞台にした緻密な会話劇。ごく最近の科学的な発明にまつわる、男たちの嫉妬の物語です。

 面白かった~~~~! 装着、照明、音響(生演奏)、俳優によるアンサンブルがすっごく楽しい!!ロビーで販売されていた上演台本(1000円)を購入。上演時間は約1時間45分。高校生以下1000円(枚数限定)!内容的に男子高演劇部にもぴったりかも。

 劇場に入るなり「来て良かった!」と思うはず。ぜひお友達を誘って下北沢へGO!

 ⇒CoRich舞台芸術!『Archives of Leviathan』※CoRichでカンタン予約!
 ⇒劇団によるトゥギャッターまとめ
  もっと詳しく書きたいんですがレビューは短めです。多忙のため・・・すみません・・・。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 舞台となるのはとある地方にある、化学会社。
 その小さく地味な会社で
 とある世界的な発明がなされようとしていた。
 それは、長年に渡り世界中の科学者が挑み、
 作ることができなかった
 ある「光」の開発であった。

 Leviathan レヴィアタン、
 英語読みだとリヴァイアサン、
 海に棲む怪物。
 七つの大罪では嫉妬を司る悪魔。
 これはとある世界的な発明を巡る
 九人の男たちの嫉妬を巡る物語。
 ≪ここまで≫

 演劇ならではの重層性も堂々と出して、ストーリーもわかりやすくて面白い、一般の人も演劇通も楽しめる娯楽作だと思います。
 役者さんは全員出ずっぱりです。慎重に、でも小さく収まらずアグレッシブに・・・と、俳優に課せられた仕事は盛り沢山。ライブ感を出す仕掛けや劇中劇に見せる構造も効果的です。欲深に冒険に出て、ぎりぎりの抑制を効かせた演出。それに応えた俳優陣も素晴らしい。

 いつも思うんですが、詩森さんのブログを読むとすごく観たくなるんです。ぜひ読んでみてくださいませ(今作品についてはこのあたりから)。特に今回は男子校のような稽古場の雰囲気がよく伝わってきました。そしてお芝居にもそれが反映されています。

 ここからネタバレします。

 ほぞ組み(?)の繊細な本棚に囲まれた舞台。青色発光ダイオードの照明が瓶を照らした時は背中からシビれました。床には縦横の裂け目があり、そこからも青い光が。この発明は芸術にも大いに影響を与えています。
 チェスを思わせるオープニングはかっこ良いんだけど、かっこ良すぎてちょっと笑えたりも(それが良かった)。透けた本棚の向こう側で、役者さんが白衣の上から水を被ったのには驚かされました。舞台脇で待機している俳優が舞台中央で行われている会話にチャチャを入れたりもします。

 開発に成功したのは(裁判に実質的に勝つのは)伊勢谷(酒巻誉洋)ですが、主人公は冒頭と最後に登場した日下(金成均)だったのだろうと思います。一番熱心に協力し続けたプロジェクトが、決して成功しないようにと祈ってしまう。人間にはそういうところありますよね。献身的に尽くすほど、その対象を呪ってしまうとか。

 日本企業のルールや慣習はロジカルに考えるとおかしいことだらけですが、でもアオはその環境があったからこそ生まれたのかもしれない。白黒つけず、責任を取らず、しらばっくれ続けるのは犯罪行為になることもありますが、灰色にしたまま見守り続けることで大切なものの命が永らえることもありますよね。そんなことを考えました。

 ⇒AllAbout「中村修二氏の職務発明訴訟に高額判決出る! 青色LED訴訟、200億円の判決

風琴工房code.30
【出演者】人事部新人:東谷英人(DULL-COLORED POP) ガンちゃん:岡本篤(劇団チョコレートケーキ) 日下:金成均 伊勢谷:酒巻誉洋 開発室新人:佐野功 開発室医療部門:園田裕樹(はらぺこペンギン!) フリーライター:多根周作(ハイリンド) 人事部部長:寺井義貴(ブルドッキングヘッドロック) 開発室室長:根津茂尚(あひるなんちゃら)
作・演出:詩森ろば 舞台美術デザイン:杉山至+鴉屋 照明プラン:榊美香(有限会社アイズ) 音響プラン:青木タクヘイ(STAGE OFFICE) 舞台監督:小野八着(JETSTREAM) ドラマトゥルク:大塩哲史(北京蝶々) 演出助手:元吉庸泰(エムキチビート/虚構の劇団) 沼景子(虚構の劇団) 早坂彩(トレモロ) 制作:池田智哉(feblabo) チラシ画:塩崎顕「Judgement」 宣伝美術:詩森ろば 助成:トップレベルの舞台芸術創造事業/東京都芸術文化発信事業
(全席指定)一般前売 3300円/当日 3500円 大学生 2300円(枚数限定) 高校生以下1000円(枚数限定) 障碍者1500円《前半はじめて割》 19日(水)、20日(木)、21日(金)の3日間、風琴工房に初めていらっしゃるお客様とご来場頂くとお一人様分ご招待となります。
http://windyharp.org/leviathan/info.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:27 | TrackBack

2011年10月21日

【オーディション】ハイバイ「2012年8月公演出演者・劇団員募集オーディション」※11/10〆切(郵送のみ)

 岩井秀人さんが作・演出・出演される劇団ハイバイ(⇒公式ツイッター)が、2012年8月に上演を予定している公演の出演者および劇団員募集オーディションを実施します。詳細は公式サイトでどうぞ。

 ●ハイバイ「2012年8月公演」@東京・兵庫・愛知・福岡
  日程:2012年7月18日(水)~8月12日(日)
  作・演出:岩井秀人
  ・出演者オーディション
   応募条件:2012年6月下旬の稽古から上記の公演日程終了まで参加可能な方
   応募書類(PDF)は公式サイトでダウンロード
   応募書類締切:11月10日(木)郵送必着
   書類審査の合否:11月15日までに郵送で発送
   オーディション参加費用:2,000円

 ※「お手伝いして頂ける方も本気で募集中!」だそうです。

Posted by shinobu at 13:50 | TrackBack

2011年10月20日

【ワークショップ/観覧情報】「若手演出家サミット2011」12/15、12/19-25アトリエ春風舎※11/18〆切(専用応募フォームのみ)

 アトリエ春風舎芸術監督の谷賢一さん個人ブログ)が「若手演出家サミット2011」という新しい企画を立ち上げられました。今注目されている20代の若手演出家5人による5日間のワークショップに加え、その成果を発表する試演会が開催されます。演出家5人は出自も作風も違う刺激的な顔触れですね。

 参加アーティスト(50音順/敬称略):奥山雄太ろりえ)、柴幸男(ままごと)、中屋敷法仁柿喰う客)、藤田貴大マームとジプシー)、船岩祐太演劇集団 砂地) 
 ※私は5人全員の作品を観たことがあります。よかったら当サイトの過去ログ検索で名前検索して、過去レビューなども参考にしてください。

 ワークショップの参加費用は6,000円。演出家5人のうち2人のワークショップに参加することになります。ただいま応募受付中〆切は11/18(金)24:00
 プログラムはすべて一般観覧可です(有料・要予約)。ワークショップは俳優向けだと思いますが、演出家志望の方がワークショップを受講・観覧をするのもいいと思います。観覧には資格不要なので観客もOKです。

■「若手演出家サミット2011」スケジュール ⇒公式サイト
  ※すべて一般観覧可(有料・要予約)。

 ・キックオフミーティング 12/15(木) 19:00~23:00

 ・公開ワークショップ 12/19(月)~23(金) ⇒詳細応募フォーム
  期間:12月19日(月)~25日(日)
  参加費:6,000円
  定員:30名(予定)
  エントリー受付期間:10月19日(水)0:00~11月18日(金)24:00

 ・試演会+トークセッション 12/24(土)~25(日)

 ⇒CoRich舞台芸術!『若手演出家サミット2011

Posted by shinobu at 10:49 | TrackBack

ろりえ『三鷹の化け物』09/30-10/10三鷹市芸術文化センター星のホール

 今年のMITAKA"Next"Selectionに選ばれたのは3団体(青☆組水素74%ろりえ)。ろりえは早稲田大学から出てきた劇団で、作・演出は奥山雄太さん。私は初見です。奥山さんは「若手演出家サミット2011」の参加アーティストということで興味を持ち伺いました。

 告知どおり上演時間は約2時間55分(途中5分間の休憩あり)でした。覚悟して行ったので時間的には平気でしたけど、私にとっては学生演劇の延長のような内容で面白くはなかったですね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『三鷹の化け物

 後半から登場した主人公の新恋人役の中村梨那さんが素晴らしかったです。オープニングの大人数のダンスでも目立ってました。

 ここからネタバレします。

 芸人志望の青年(高木健)が皇族の娘(梅舟惟永)と恋に落ちますがうまくいかず(←ロミジュリっぽい展開)、青年は道端で全裸になってた少女(中村梨那)と同棲し始めます。前後半をまたいだ三角関係。

 いいアイデアだなと感心することは何度もあったんですが、単発で、アイデアどまりで終わることが多いのが残念。ダメ男がやんごとなき少女に近寄るとブザーが鳴るのがすごく面白かったのに、次のシーンではもう仲良くベッドインしちゃったり・・・。下手の坂を自転車でかけぬける場面が良かったな~。

 最後は巨大なゴジラの上半身(胸から上)がどどーんと登場。目も光るし首も動くし、しっぽも。よく作られた大道具でした。ちゃんとモスラも出てきました。

MITAKA"Next"Selection 12th 参加作品
出演:梅舟惟永(ろりえ)、斎藤加奈子(ろりえ)、志水衿子(ろりえ)、徳橋みのり(ろりえ)、安藤理樹(PLAT-formance)、大山雄史(五反田団)、岡野康弘(Mrs.fictions)、尾倉ケント(アイサツ)、久保貫太郎(クロムモリブデン、後藤剛範(国分寺大人倶楽部)、櫻井竜、佐藤航太、高木健(タイタニックゴジラ)、田島慶太、中村梨那(DULL-COLOREDPOP)、長瀬みなみ、松原一郎、松下伸二、本山歩、横山翔一(お前と悪戯酒)
脚本・演出:奥山雄太 演出助手:島田真吾、細井ひさよ 舞台監督:土居歩 舞台美術:三井優子 音響:田中亮大 照明:南香織 特殊小道具:田畑美穂 映像:横山翔一(お前と悪戯酒) 宣伝美術:南裕子(mikieu design) 広報:山田恵理子プリンティングディレクション 青山功(リトルウィング) 制作:会沢ナオト(劇団競泳水着)、徳橋みのり 企画製作:ろりえ・(公財)三鷹市芸術文化振興財団 主催:公益財団法人三鷹市芸術文化振興財団
【休演日】10月3日(月)【発売日】2011/07/22【全席自由・日付指定】 一般 前売2,800円 当日3,000円 高校生以下1,000円(前売・当日とも) *早期観劇割引 9/30(金)のみ 一般 前売2,500円 当日2,800円 高校生以下1,000円(前売・当日とも) *未就学児は入場できません。
http://rorie.jp
http://mitaka.jpn.org/ticket/1109300/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:14 | TrackBack

2011年10月19日

マームとジプシー『Kと真夜中のほとりで』10/14-24こまばアゴラ劇場

20111014_K_midnight.JPG
B5サイズのチラシと当日パンフ

 「この団体を観ることなしに、東京のホットな現代演劇シーンは語れないと言って過言ではない」と思う、マームとジプシーの新作です。今回も早々と前売り完売しました。当日券は販売されます。

 演劇、ダンス、ミュージカル・・・と舞台芸術作品をジャンル分けするのは容易ではないし、私は必要だともあまり思っていないのですが、便宜性を計るためには有効だと思っています。その意味で言うとこの作品はコンテンポラリー・ダンスに近い気がします。上演時間は約2時間だと開演前の前説で教えてくれたけど、終わらないんじゃないかって思った・・・。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Kと真夜中のほとりで

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 記憶の欠片、揺さぶられて。
 繰り返される、言動と行動。
 あの真夜中。Kとの思い出。
 ≪ここまで≫

 始まった途端フルスロットル!「えええぇ!いきなり?あぁ素晴らしい!目が離せぬ!」となってしまって、そのまま2時間・・・座席が最前列のベンチだったのもあり(←初日で調子に乗ってしまった!)、とても疲れました。途中で朦朧としてきて、照明と映像と音楽の効果もあり頭が真っ白になって、今まで舞台で起こっていたことがリセットされ、でも繰り返されていることは認識できていて・・・と、もう演劇を観てるんだかどうなんだか、わからない状況に(笑)。目の前で動き続ける光と体に圧倒され続けました。

 作・演出の藤田貴大さんがパンフレットに「真夜中という時間だけに取り組んだ」と書かれていました。ある町の住人のある夜の数時間を、それぞれの現在の視点と思い出をもとに何度も繰り返します。でもある人物についての事実が徐々に明かされていくので、コラージュ的な情報の出し方ではあるものの、ストーリーがないわけではありません。
 でももう、ストーリーとかどうでもよくなっちゃったなー(笑)。人が、目の前で、ある決まった行為を、必死で繰り返している、空間。でもその繰り返しは当然のことながら、全く同じではなくて。動き続ける人物と戦うように変化する音楽、照明とともに、作品を全身で浴びました。

 これまでの作品でも感じていたことですが、「同じセリフを繰り返し言う」ことを、さらに繰り返すことで、舞台に生まれる世界(俳優が演じる人物が暮らす街)のリアリティーが、情報ではなく肉感として厚みを帯びるように思います。この作品ではその先へ行ったんだと思います。

 ここからネタバレします。

 ある夜、突然いなくなった少女ケイ(K)。湖のほとりに靴が揃えて置いてあったから、おそらく自殺したのだろうと予想されますが、本当のところはわかりません。「ケイに縁のある人もない人も、続々と湖に集まってくる」展開に自分自身の気持ちの盛り上がりがあったのは確かですが、“ケイ”に執着する人が多すぎるように感じました。でも2回ご覧になった方がおっしゃるように(⇒)、席によるのかもしれませんね。私はしんみりムードを過剰に感じて首を傾げ気味。

 部屋のぬくもりを伝えるオレンジ系のランプ、じりじりする蛍光灯、劇場をライブハウスのようにする映像、そして音楽。音楽には全く詳しくないので曲名などはわかりませんが、すごく良かったです。

出演:伊野香織 大石将弘(ままごと) 大島怜也(PLUSTIC PLASTICS) 荻原綾 尾野島慎太朗 川崎ゆり子 斎藤章子 坂口真由美 高橋ゆうこ 高山玲子  成田亜佑美 波佐谷聡 萬洲通擴 召田実子 吉田聡子
脚本・演出:藤田貴大 舞台監督:森山香緒梨 加藤唯 照明:吉成陽子 山岡菜友子(青年団) 音響:門田理枝 美術協力:細川浩伸(急な坂アトリエ) 演出助手:佐藤○子 吉田彩乃 宣伝美術:本橋若子 パンフレット製作:青柳いづみ 制作:林香菜 企画制作:マームとジプシー/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
予約2500円 当日2700円 ※当日券販売は開演の60分前より
http://mum-gypsy.com/next/10k.php
http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/10/mum-gypsy/

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Posted by shinobu at 14:02 | TrackBack

ゴジゲン『極めてやわらかい道』10/06-23駅前劇場

 松居大悟さんが作・演出・出演される劇団ゴジゲンの新作は、下北沢の駅前劇場で約3週間のロングラン公演。強い個性のある達者な役者さんが多数客演されています。上演時間は約1時間45分。

 松居さんは演劇だけでなく映画も創作されているんですね。監督作品「アフロ田中」は来年2月に上映開始です。主演は松田翔太さん。

 ⇒CoRich舞台芸術!『極めてやわらかい道』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 舞台は現代の福岡の、男たちが暮らすアパートの一室。厳格なルールにのっとり、彼らは“姫”を見守り続けていた。
 ≪ここまで≫

 細かいところまで作り込んだ具象の美術。小さく閉じたあるコミュニティーが、幕開け早々に外界と交わる時点でわくわく!でも、その後の広がりや飛躍があまりなかったのが残念。

 役者さんでは中間管理職的な立場でダメっぷりを見せる吉田亮さんが良かったです。

 ここからネタバレします。

 ダメな彼氏の借金を返すために風俗嬢となったミキ姫をストーキングする男たち。その彼氏にまとわりつく借金取りの2人組が、ストーカー男子たちの城(国)に乗り込んできた。
 ある女性を10年も見守り続ける、しかもひきこもって。まあ正常ではないですよね。

 とうとう姫と対面した男子(辻修)の、「くちクサッ!」が最後のセリフでした。愛する人と接してもいいことばかりあるわけじゃない、むしろ他者に対する違和感や嫌悪感が付きまとうもの。きれいごとではない現実とぶつかった、その後が観たかったです。

平成二十三年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業 日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進劇団育成公演
出演:川島潤哉 辻修(動物電気/モッカモッカ) 野中隆光(THE SHAMPOO HAT) 東迎昂史郎 松居大悟 村上航(猫のホテル/表現・さわやか) 目次立樹 吉田亮(ハイバイ) (五十音順)
脚本・演出 / 松居大悟 舞台美術 / 片平圭衣子 照明 / 伊藤孝(ART CORE) 照明操作 / 上原皓介 音響 / 田上篤志(atSound) 音楽 / 森優太 映像 / 大見康裕 衣裳 / 横田真理 本間圭一 演出助手 / 久保大輔 演出部 / 秋山拓弥 舞台監督 / 川除学+至福団 宣伝美術 / 今城加奈子 宣伝写真 / 松本のりこ WEB / 飯塚美江 アシスタント・プロデューサー / 武藤香織 小野塚央 西川悦代 プロデューサー / 北川隆来 企画 / ゴジゲン 制作 / 社団法人日本劇団協議会 主催 / 文化庁
【休演日】10月11・18日(火)【発売日】2011/08/27
全席指定席・税込 前売3,000円/当日3,500円/学割2,500円(要学生証提示)
http://www.5-jigen.com/next.html

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遊園地再生事業団『トータル・リビング 1986-2011』10/14-24にしすがも創造舎

 やっと、やっと、フェスティバル/トーキョー11に初参戦!!(⇒記者発表)あー長かった・・・先月から忙しすぎて。にしすがも創造舎ではいつものF/Tの空気が!懐かしい気持ちさえしてしまった(嬉涙)。折込チラシも全然他の公演とは違うな~。これまたやっと『カオス*イグザイル』のチラシをゲット。

 メルマガでF/T11私的オススメ3本だった『トータル・リビング 1986-2011』は、バブル以降から今までの日本の空気を、冷静さを保ったまま観察して味わいなおす、私にとって知的思索と郷愁の時間でした。時々爆笑しつつ!(笑)
 上演時間は約2時間30分弱(途中10分間の休憩2回を含む)。休憩2回がすごく良かったです。

 いつも思うけど高校生以下1,000円って激安!感度の高い中高生はF/Tに集っちゃうといいよ!若い人には10/26から始まるバナナ学園純情乙女組(⇒当日精算チケット予約)も観てもらいたいです♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『トータル・リビング 1986-2011
 レビューはネタバレ前までです。※加筆しました(2011/10/26)。

 真っ白な床に、真っ白で四角い柱が上下(かみしも)に並ぶ、シャープでクールな空間。『トーキョー/不在/ハムレット』を思い出しました。舞台中央奥の上部に大きなスクリーンが設置され、舞台上の演技をカメラで撮影した映像がそのまま中継されます。あのスクリーンの形状は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズによく出てくる看板に似てるな~。舞台奥を横切る腰の高さぐらいの壁の上部に沿って、オレンジ色の直線が引かれています。立ち入り禁止区域に貼られたテープみたい。
 パステルカラーのカジュアル系の衣装はかっこいいし可愛いんだけど、ちょっと古い気も。狙いなのかもしれませんが。
 役者さんの演技(存在の仕方)に均一性は見つけられなかったので、けっこう自由なんじゃないかと想像。メガネをかけたリーダー的存在の男性のツッコミに何度も笑わせていただきました。※パンフレットの出演者情報には役者さんがどの役を演じたのかを載せて欲しいです。ヒントだけでも!

 冷静さを保ったまま時を行き来して、独特の浮遊感を味わいました。音楽も気持ち良かったですね。映像のための立ち居地で演技する俳優を、客席から眺めるのが面白いです。何でも映像で記録されるインターネット社会、無数の視点から多層に分類される世界などを考えました。2011年と1986年を対比する構成ではありましたが、“現代日本人”を描いていたように思います。
 私個人のことですが、触れたくないニュースに触れるようにして、日本が平和な状態ではないことを常に意識するように日々生きています。そういった舞台や映画なども観るようにしているので、最後はよくある収束方法で、説明過多に感じました。

 ここからネタバレします。セリフは全く正確ではありません。

 第一幕は映画学校が入ったビルの屋上。サラリと屋上から飛び降りる(自殺する)人が何度も出てくるのは、1986年に四谷三丁目のビルで飛び降り自殺をした女性アイドルでもあり、今年5月に首つり自殺したグラビアアイドルでもあり、毎年3万人以上の自殺者がいる日本のことも示しているんでしょうね。『転校生』を思い出しました。何でもかんでもビデオを回して録画し、生き急ぐ2011年の若者たちは、インターネットがほぼインフラとなった世界で生まれ育った子供たちの宿命だと思いました。

 対して第二幕の1986年の大人たちののんきなこと!ビンゴゲームの場面は苦笑・失笑の連続でした。パーティーの映像も凝ってて可笑しかった。高度成長期に生まれてバブルの時代の空気だけは知っていた私は、いわゆる“現代日本人”なのだと思います。だから全幕通して登場する「欠落のある女」、「忘却の灯台守」とは私自身のこと。自分に足りないものがあるのはわかっているけれど、それを探すのは他人まかせ。定点から周囲に広く光を照らして情報収集をするものの、次の日にはすべて忘れてしまっている。なぜ生きているのか、生かされているのかに疑問も持たなければ、その問いがあることに気づきもしないで、何でも誰かの、環境(国とか)のせいにして生きてきました。でも今は違う。この国にいて今までどおり平穏に生きることができなくなったからです。

 落涙ポイントは映像に出演者の上半身が映り、その人が心の中で思っていることが字幕で出るところ。「ギターを弾かされるなんて」などで爆笑するんですが、「声が聞きたいんだ(声を集めたいんだ・?)」で気持ちが反転。大量の噂話と信用できない報道にかき消され、「反論するなら対案は?」「あなただけ助かりたいの?」といった心無い怒号にうずもれていく、私たち一人ひとりの思いをこそ、すくい取りたい。感じ取りたい。そして分かち合いたい。肩を震わせて泣いてしまった。

 ドキュメンタリー映画の監督で映画学校の講師もしている男性(永井秀樹)は、3月11日に福島県の海辺で灯台で働く人々を撮影していて、亡くなっていました。これまで舞台で描かれた全ては、死んだことに気づかずさまよっている講師の追憶であった・・・というパッケージは、ない方が良かったです。第3幕の序盤までにあらわされた、伸縮自在で何が起こるかわからない刺激的な時間が、小さく具体的な世界に閉じ込められてしまったように思いました。「欠落のある女」と「忘却の灯台守」が一人の人間に色づけされてしまって残念。

 ステージ上に等間隔に並べられた目覚まし時計やフライパンなどの日用品は、この震災で亡くなった方々、そして今生き残った私たち一人ひとりを示すものだと受け取りました。だとすると少々ありがちすぎるんじゃないか、とも。舞台からおもむろに立ち上がり、天に向かって浮かび上がったもの(=芝居)を遠く(=客席)から観察して味わい、咀嚼していたのに、舞台から生まれるもののベクトルが客席に向かう直線へと(垂直のカーブをきって)変化したことで、私の心は閉じてしまいました。“ストーリー”はいらなかったな~。

フェスティバル/トーキョー実行委員会
出演:上村聡 牛尾千聖 大場みなみ 上村梓 今野裕一郎 時田光洋 野々山貴之 橋本和加子 矢沢誠 永井秀樹
脚本・演出:宮沢章夫 美術:林巻子 音楽:杉本佳一(FourColor/FilFla) 衣裳:山本哲也(POTTO) 照明:齋藤茂男(シアタークリエイション) 音響:半田充(MMS) 映像:今野裕一郎 ドラマトゥルク:桜井圭介 舞台監督:田中翼、大友圭一郎 演出助手山本健介、石原裕也 宣伝写真:小山泰介 デザイン:相馬称 制作:ルアプル(金長隆子) 製作:遊園地再生事業団 共同製作:フェスティバル/トーキョー 主催:フェスティバル/トーキョー
【発売日】2011/08/28 自由席 一般 前売 4,500円(当日 +500円) 学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/TotalLiving/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年10月18日

【情報】北九州の枝光本町商店街で「えだみつ演劇フェスティバル2011」が始まっています!

 北九州の枝光本町商店街アイアンシアター(以下、アイアンシアター)で「えだみつ演劇フェスティバル2011」が始まっています。⇒昨年夏に訪れた際の写真レポート

 キャッチコピーは「演劇が住む街、枝光」。のこされ劇場≡が商店街で上演する、その名もズバリの公演『枝光本町商店街』に参加してみたいですね。平日は観客3名の申込みがあったら上演するという募集型公演。このタイムテーブル、萌えるわー!

 ●枝光本町商店街アイアンシアター「えだみつ演劇フェスティバル2011」
  ⇒公式サイト ⇒公式ツイッター
  期間:2011年10月5日(水)~11月27日(日)
  参加団体:Ort-d.d、なんばしすたーず、柿喰う客、to R mansion、すんぷちょ、劇団GUMIレパートリー(韓国)、のこされ劇場≡(レジデント・カンパニー)

 アイアンシアターで行われている企画のコンセプトは、規模は違えど宮城聰さんが芸術総監督をつとめる静岡県舞台芸術センター(SPAC)に似ています。宮城さんは『ふじのくに⇔せかい演劇祭2011』の記者発表で「今は国同士が交流するのではなく、固有の文化を持つ地域間交流の時代です」「町中にアーティストがうろちょろしていて、歩いてると変わった人とすれ違うような環境を、1ヶ月でも1週間でも作りたい」とおっしゃっていました。

 アイアンシアターは韓国の劇場“小劇場GONGTER-DA”との交流を開始し、レジデントカンパニーののこされ劇場≡は今年9月に韓国で公演を行いました。ただいま開催中の「えだみつ演劇フェスティバル2011」では東京と宮城から来たアーティストが、町に滞在して作品を発表します。上演だけでなくワークショップも行い、観客との交流企画も多数あります。

 今年の夏に枝光に訪れたダンサーの山田うんさんは、アイアンシアターとの共同プロジェクトとして枝光本町商店街でダンス作品を披露されました。山田さんは今後も継続的に同地で踊る予定だそうです。
 PV「Co.山田うん×枝光本町商店街」↓
 

 銀行だった建物が劇場になり、なんと今では近所の小学生が放課後に集まって、自分たちで勝手にお芝居を作るようにもなりました(関連ツイート⇒)。アイアンシアターは日常生活の中の「広場」として機能し、商店街の一員として存在する、非常に珍しい、画期的な成果を上げている民間の小劇場だと思います。

 東京からアイアンシアターに訪れた演劇関係の知り合いは、「楽しかった」「また行きたい」と口をそろえて言うんですよね。私もその1人です。キラリ☆ふじみの芸術監督である演出家の多田淳之介さんは、ツイッターでこんな風におっしゃっています。
 @GKTJ「何度でも言おう、日本で演劇に関わる人の一人でも多くの人にアイアンシアターに来てほしい。作り手も観客も。3000円の芝居10本観る100倍の価値はあると思います。世の中にはアイアンシアターを知ってる人と知らない人の二種類がいる。」(関連ツイート:

 立派な劇場のゆったりとしたシートに座って鑑賞する演劇も私はもちろん大好きなのですが、街と人と結びついた演劇の在り方にもとても興味がありますし、「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」と願ってメルマガを発行している者としては、ひとつの理想の形にも見えています。
 演劇に会いに、街と人に会いに、秋の旅行で枝光に行っちゃおうかしら。劇場から徒歩1分の場所に北九州八幡ロイヤルホテルがありますし、美味しい食べ物は商店街にありますしね♪ ※のこされ劇場≡は同ホテルで夏休みの親子向け体験型演劇公演を実施しています。

「えだみつ演劇フェスティバル2011」:http://otegarugekijou.org/irontheater/edafes2011/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:51 | TrackBack

【写真レポート】北九州・枝光本町商店街アイアンシアターに伺いました(2010年9月)

20100906_edamitsu_thumb.JPG
枝光本町商店街アイアンシター

 初めて枝光本町商店街アイアンシター(以下、アイアンシアター)の存在を知ったのは、2009年のこの記事からです。その後、北九州市で活動する劇団のこされ劇場≡が関わるようになったと知り、いつか訪れてみたいと思っていました。現在は北九州お手軽劇場が運営しており、のこされ劇場≡は同劇場のレジデント・カンパニーとなっています。

 アイアンシアターの芸術監督はのこされ劇場≡の演出家、市原幹也さん(⇒ツイッター)。幸運なことに演劇関係の知人の紹介で知り合い、2010年9月に市原さんを訪ねて同劇場に伺いました。

 劇場名に「枝光本町商店街」と掲げているように、アイアンシターは商店街の中の1つの施設として存在しています。劇場が周囲の街とそこに住む人々と一緒に息をするように、親密な関係を持っていることに驚きました。“街の一員として求められている劇場”がそこにありました。

 ⇒市原幹也「地域演劇の未来形を求めて 枝光本町商店街アイアンシアター(北九州市)

 ※掲載が1年以上遅れて時期外れの記事になってしまったのですが、どうしても枝光本町商店街とアイアンシアターのことをご紹介したく、劇場関係者のご承諾を得て掲載させていただきました。

 まずはJR鹿児島本線のスペースワールド駅で市原さんと待ち合わせ。
20100906_edamitsu02.JPG

 駅の改札から出るとすぐにテーマパークが見えます。
20100906_edamitsu01.JPG

 市原さんが車で案内してくださり、数分で枝光本町商店街アイアンシアターに到着!
20100906_edamitsu03.JPG

 もともと銀行だった建物で、すっごく広いんです。
20100906_edamitsu04.JPG

 1階のフリースペース(主劇場)がこの広さ!⇒施設案内
20100906_edamitsu05.JPG

 2階のアトリエは稽古場になっていました。客席のひな壇もありますね。2階にはもうひとつ、アトリエ兼会議室という部屋があります。他にも宿泊できる部屋や倉庫などもあって、なんて贅沢なスペース・・・優雅だ・・・。
20100906_edamitsu06.JPG

 そして屋上!!野外バーベキューでもてなされた演劇関係者は、楽しすぎて悲鳴を上げるようです(ツイッターのつぶやきが実証)。写真中央↓は市原さん。
20100906_edamitsu08.JPG

 アイアンシアターの自慢は建物だけではありません。徒歩1分以内のごく近くにある枝光商店街へとふらりと歩いていくと、そこには現実なのに天国のような、温かい交流がありました。市原さんが商店街の一員だからだと思いますが、身に余るおもてなしを受けました。

 酒屋のおじいさん(右)と缶ビール片手に、炭鉱があった時代のお話を伺いました。でも缶ビールは劇場の近くの自動販売機で買っちゃって・・・すみませんっ。写真左↓は市原さん。
20100906_edamitsu09.JPG

 商店街の中央の通りに行くと、歩道でお肉の串焼きを販売している肉屋のおじさんと遭遇。劇団員の方(右)も一緒に、できたばかりの雑誌「零」を手にして談笑。「零」はのこされ劇場≡とある出版社が協力して発行されたもので、おじさんもモデルとして登場しているんです。すっごく元気で気さくな方で、串焼きをたくさんサービスしてもらっちゃいました。
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 市原さんが青果店のお父さんと娘さんにも雑誌を届けます。雑誌およびチラシ用の撮影現場の動画はこちら(約5分)。のこされ劇場≡公演『オズの魔法が使えない』は、商店街で働く人も参加する、町を巻き込んだイベントだったんですね。
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 次は商店街のアーケードの中のお店めぐりへ。市原さんが挨拶すると昔からのよしみの客のように対応してくださり、市原さんと商店街の方々が同じ町に暮らす仲間同士なんだなと感じました。写真右側にはアイアンシアター関連のチラシが置いてあります。
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 天ぷら屋さんでは、地元のお祭りや戦争の話を伺いました。写真右側↓が店主のおじさん。天ぷらとは練り物を揚げたもので、いわゆる“さつま揚げ”です。いくつか購入してその場でいただいたんですが、ものすっごく美味しかった!
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 8月9日に小倉に原爆が落とされなかったのは小倉上空が曇っていたからと言われていますが、実は前日に八幡空襲があり煙が立ち込めていたからだそうです。全く知りませんでした・・・。
 おばさん(写真↓)が「80代のお客さんが、もう私たちは走れないから逃げられないって言ってたよ。戦争はやだよね。」とおっしゃったのが鮮烈でした。そうだ、空襲の時は走って逃げたんだ、と。「空襲」という漢字と情報を知っていただけで、私は本当に空から爆弾が降ってくるのだとわかっていなかったんですね。おばさんの言葉のおかげで気づきました。
20100906_edamitsu14.JPG

 肉屋のおじさんが大通りから帰って来て、鹿児島産の上等の霜降り肉を見せて下さいました。目利きのお客さんが遠くから買い付けに来られるそうです。
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 最後は65年の歴史を持つ老舗和菓子店“みずま”へ。このお店でしか販売していない八幡銘菓「ひょうたん最中」を、市原さんからお土産にいただきました。可愛らしいひょうたんの形です。
 ※2011年現在、アイアンシアターとの共同おみやげプロジェクトとして、「ひょうたん最中」全3種類が入ったおみやげセットを劇場にて限定販売中!来場客の5人に1人がお買い上げになる人気スイーツだそうです♪
20110906_edamitsu16.JPG

 数時間の枝光滞在はとにかく楽しくて、吹いてくる風にも思わず微笑んでしまうぐらいに幸せな時間でした。「ここはこの世の天国だ!」と叫びたくなるぐらいに。
 少子高齢化による過疎が進んだ枝光ですが、かつては製鉄の町として栄えた有名な地域でした。商店街にはその頃からずっと枝光で暮らしてきた、歴史の生き証人であり、今も街も生かし続けている方々がいらっしゃいます。東京という大都市で所在なく、孤立しがちな日常を生きる私とは違い、地に足をつけて堂々と立って、どんな来訪者も分け隔てなく受け入れる、太陽のような大らかさのある方々でした。

 そんな素敵な街に溶け込んだアイアンシアターに行ったら、街で深呼吸するようにお芝居を観られるかもしれない。きっと特別な体験になる気がします。私は作品の面白さばかりを追求しがちな首都圏在住の演劇フリークの1人ですが、次に枝光を訪れる際には、街と劇場に心も体も委ねて、演劇との新しい出会い方、関わり方を見つけてみたいと思います。

枝光本町商店街アイアンシター:http://otegarugekijou.org/

※2010年夏に取材したものの、公開がこのように遅れてしまったことを心よりお詫び申し上げます。

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:50 | TrackBack

2011年10月16日

劇団ひまわり『カラフル』10/16-30シアター代官山

 森絵都著「カラフル」は1998年に出版され、実写映画にもアニメ映画にもなった小説です。ご縁があって劇団ひまわりによる舞台版再演を拝見しました。上演時間は約2時間。A、Bのダブルキャスト公演で、私が観たのはAキャストでした。

 “劇団ひまわりといえば子役”というイメージだったのもあり、最初は高校演劇っぽいな~と感じたのですが、中盤移以降のハードな展開に引き込まれました。主人公の秘密が明かされ、メッセージを受け取った時には感動しちゃいました。

カラフル (文春文庫)
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森 絵都
文藝春秋
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 ⇒CoRich舞台芸術!『カラフル

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 死んだはずの僕は、神様の気まぐれで再び生きることになってしまった。
 しかも中学生の小林真として甦り、その家族と一緒に生活をしながら、生前自分が犯した罪も見つけろという難題つきで。
 僕は生前の記憶をすっかり失っているというのに。
 家族はそれぞれに奇妙な問題を抱えているし、果たして僕は小林真として生きていけるのだろうか?
 ≪ここまで≫ 

 役者さんの説明過多な演技は私の好みではなかったですが、ダンスや身体表現を多用した演出が面白く、ストーリーにも引き込まれました。例えば満員電車に揺られる場面は動きのバリエーションもステージングも工夫されていて、直線的なストーリー・テリングに陥らない演劇的なふくらみがありました。中学生の少年の目を通して、きれいごとでは済まない日常を少々露悪的に、コミカルに描いているのも、今の時代にフィットする緊張感があったように思います。舞台化にあたり原作小説をカット・脚色したのであろうオリジナル台本は、きっとよく練られた末に完成したのだろうと思いました。

 10代の出演者の親御さんが大勢客席にいらっしゃるでしょうに、こんなに刺激のある内容でいいのかな・・・と思ったりもしたのですが、私が保守的すぎ、神経質すぎだったみたい。今の若者とそのご両親はもっとススンデルんでしょうね。

 シアター代官山に伺ったのは2005年以来、6年振りでした。長年存続している劇場ですから、劇団のゆりかごのような、温かい場所なのかもしれませんね。所属俳優のショーケース(発表会)のレベルに収まらないお芝居を観せていただけたので、美術や照明、衣装、小道具などのスタッフワークにあまりお金をかけていない(と明らかにわかる)のは、個人的にはもったいない気がしました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

20111016_colorful.JPG
劇場入り口の看板

 死んでしまった主人公が生前に犯した罪を思い出すために、睡眠薬を大量摂取して自殺した14歳の少年、小林真の体を借りて現世に戻ってきます。真(まこと)の家庭で暮らし、彼の両親と兄をはじめ学校の先生や同級生らと接して、まずは真の生きる社会の現実と向き合うのですが、それがけっこう厳しい道のりでした。母親は不倫中だし、クラスではいじめられるし・・・自殺するだけの理由があるんですね。さらには好きな女の子が援助交際中と発覚。

 母が不倫相手のフラメンコ教師と踊る情熱的かつ官能的なダンスシーンは、周囲のアンサンブルもエロティックに踊りますので、それを見つめる主人公の姿が痛いです。でもフラメンコに罪はないんですよね。恋もセックスも人間ならではの営みで、フラメンコ同様に美しいもののはず。矛盾と複雑さをダンスで表現するのが素敵です。

 主人公が、思い寄せる女の子と援助交際相手のサラリーマンが入ったラブホテルの一室まで行ってしまうのも、痛い・・・しかもラブホでは、主人公が彼女にプレゼントした口紅で、むりやり唇を赤く塗られてしまいます。口元が赤く汚れたまま、公園で他のクラスメートの女子生徒を襲おうとする場面では、彼が自暴自棄になって欲の化け物に変身してしまった瞬間を描いていました。
 援助交際をしていた女の子は、後で本当に化け物となって登場します。おぼつかない足取りで、毛皮のコートにブランドもののバッグやスカーフなどを山盛りくっつけた大きな衣裳をまとい、公園の場面の主人公のように口元は大々的に汚く、赤く塗られていました。欲におぼれて体をお金と交換してしまった少女の成れの果ての姿を、衣裳で象徴的に示していました。口紅の使い方がうまいですよね。

 やがて主人公は、真が描いた深い海に泳ぐ馬の油絵を見つめる内に、自分こそがこの体の持ち主、真だったと気づきます。彼の罪とは真(=自分)を殺したことだったんですね。わかる人は最初からわかっていたかもしれませんが、私はこの時まで主人公の正体に全然気づかなかったので(笑)、すっかり心をつかまれてしまいました。主人公(=真)が馬の帽子を被って光に向かって駆けていく演出にも魅せられました。
 他人の家に“ホームステイ”していた主人公が、再び真として生きることを許された時、誘導役だった天使プラプラが「これからも“ステイしてる”と思って生きて行けばいい」とアドバイスします。私たちの体は、命は、天からいただいた借り物なのだという意識を持って、感謝して大切に生きて行くこと。ベタだとか教育的でダサイとか思われがちな、とても大事なことを、フィクションの魔法で力強く、ストレートに伝えてくださったと思います。
 
【Aキャスト出演】小林真:野本ほたる 天使プラプラ:近藤大介 唱子:内田千晶 ひろか:高宗歩未 真の父:齋藤秀貴 真の母:水野里香 真の兄:増田圭太 レポーター:孕石きよ 天使:岩崎あやめ、木内文香、栗山りさ、竹本実加 医者:福島靖夫 先生:石原智彦 フラメンコダンサー:豊田豪 愛人:青山義典 アンサンブル(通勤客など):依田賢矢 坂場元 小野晃義 本澤未来 渡部新 下垣内大介 野本蓉子 岩田麻衣子 山本あかね 石山あつ子 佐藤菜央
作:森絵都「カラフル」文春文庫刊 企画協力:文藝春秋 脚本:横山一真 演出:山下晃彦 音楽・音響:和田啓 振付・ステージング:KALAMA WAIOLI 美術:尼川ゆら 衣裳:関野公子 照明:重松希代子 演出助手:鬼ヶ原優 舞台監督:今野忠明 プロデューサー:砂岡不二夫 主催・製作:劇団ひまわり
8月27日(土)販売開始 前売・当日・全席指定 4,800円(税込)
http://www.himawari.net/stage/colorful/

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2011年10月15日

【ワークショップ】アクターズワークス「プロのためのマイズナーテクニックWS~エクササイズクラス募集~2011年12月」※12/05〆切(メールのみ)

 女優・俳優指導者の柚木佑美さんのワークショップのご案内です。⇒ワークショップのレポート(2006年) ⇒柚木さんインタビュー(2007年) 
 今回から応募者多数の場合は書類選考を行うそうです。クリスマス期間をつかって演技のブラッシュアップをしたい俳優さん、ぜひどうぞ。詳細は公式サイトでご確認ください。

 ■アクターズワークズ「プロのためのマイズナーテクニックWS~エクササイズクラス募集~」
 日程:2011年12月16日~25日(日)計10回(いずれも時間は18:00~21:00)
 予備日程:26日(月)・27日(火)
 会場:都内施設
 定員:最多10人
 申込締切: 2011年12月5日
 受講料: 35.000円
 受講条件:18歳以上の、プロの俳優もしくはプロを目指す新人の方で心身ともに健康な方

Posted by shinobu at 22:13 | TrackBack

2011年10月14日

メルマガ号外 ミュージカル『ユーリンタウン』

 流山児★事務所『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-』
 10/14-10/30座・高円寺1
 ※公演詳細はこちら

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 ⇒CoRich舞台芸術!『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-

20111014_urine_town_stage.JPG

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.48  2011.10.14 1,768部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp


   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎流山児★事務所『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-』
  10/14-10/30座・高円寺1
  座・高円寺 秋の劇場14“これがオレタチのブロードウェイミュージカルだ!”
  ☆出演:別所哲也 伊藤弘子 関谷春子 今村洋一 坂井香奈美 清水宏
      大久保鷹 福麻むつ美 三ツ矢雄二 塩野谷正幸 他
   作曲:マーク・ホルマン 脚本:グレッグ・コティス 
   翻訳:吉原豊司 台本:坂手洋二 演出:流山児祥
   音楽監督:荻野清子 訳詞・歌唱指導:浅井さやか 振付:前田清実 
    http://www.ryuzanji.com/
    http://ameblo.jp/rurinetown2 2009年の初演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0608211023.html


 ◎観劇後のコメント◎

  2009年に初演されリピーターが続出したブロードウェイミュージカルです。
  メルマガ10月号↓でいちおし3本中の1本としてご紹介しましたが、
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1001000058.html
  期待をはるかに上回る作品で大満足!初演よりグレードアップ!!

  『ユーリンタウン』とは日本語に直訳すると「おしっこの町」。
  深刻な水不足のため公衆便所が有料化され、お金を払わずに排泄した者は
  厳しく罰せられるという、ちょっと変わった設定のお話です。
  また、語り部が「このミュージカルは…」と観客に話しかけたり、
  これから起こる事件の結末を先にしゃべってしまう驚きの展開もあります。

  そんな一筋縄ではいかない、クセのある海外ミュージカルですが、
  遊び心があるオリジナルの日本語台本・訳詞のおかげで
  言葉が面白い上に、作品の狙いがとてもわかりやすくなっています。

  一番の見どころは40余名の大迫力のアンサンブルでしょう!
  見事な振付の群舞とステージングで、客席を含む空間全体が
  一気に『ユーリンタウン』の世界に染め上げられます。
  特に体制側と民衆側の人々の対立場面は、目が離せない見せ場の連続!  

  原発事故による放射能汚染の実態がやっと明らかになってきた今、
  最後のメッセージは初演時よりも鋭く、重く胸に届きました。
  ミュージカルが好きな人にも、そうでない人にもお薦めしたい、
  生演奏ありの超~贅沢な“社会派”ミュージカルです。

  2002年に日生劇場で主役のボビーを演じた別所哲也さんは、
  警官役でほぼ出ずっぱりです。おなじく警官役の清水宏さんが
  アンサンブルの皆さんと一緒に開演前から盛り上げてくれます。
  300席以下の小空間で、役者さんは観客にどんどん話しかけて来ますから、
  ぜひ積極的に楽しむ気持ちで、ノリノリで、劇場に入ってください♪

  初演は1ヵ月のロングラン公演でしたが、今回は20ステージのみ。
  一般4,800円はお得すぎる!ご家族、お友達、恋人を誘ってぜひ高円寺へ!

  ※上演時間は約2時間40分(途中10分の休憩1回を含む)。


 【チケット情報】 残席あります!

   全席指定 一般4,800円 学生割引3,500円
   10/14(金)はプレビューで4,000円
   座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」も利用可。

   流山児★事務所ホームページで公演前日まで当日精算予約可能。
    http://www.ryuzanji.com/

   サンライズオンライン http://sunrisetokyo.com/
   チケットぴあ http://pia.jp/t TEL 0570-02-9999 (Pコード410-877)
   イープラス http://eplus.jp/
   ローソンチケット http://l-tike.com/
    TEL 0570-000-407  0570-084-003 (Lコード30092)
   CNプレイガイド TEL 0570-08-9999
   座・高円寺チケットボックス(月曜定休)
    TEL 03-3223-7300(10:00~18:00) 窓口(10:00~19:00) 
   座・高円寺WEBチケット http://za-koenji.jp/


 【お問い合わせ】
   流山児★事務所(りゅうざんじ・じむしょ) 
    TEL 03-5272-1785


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 ◆ 【編集後記】
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 ◎プレビューの日のお昼間に行われた公開ゲネプロを拝見しました。


 ◎2011年4度目のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0420225339.html


 ◎ツイッター↓やってます! ※フォロアー2900人超え感謝♪
  ⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
  メルマガ号外は読者の方々に直接届ける手段として今後も続けますが、
  速報としてはツイッターが最速です。


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎稽古場レポートや演劇人へのインタビュー記事などを書いています。
  2009年のお仕事のまとめはこちら↓ 2010年分はアップできるか不明。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0207224341.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
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 今回の配信は“号外”です。
 メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。

 毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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【出演】別所哲也 伊藤弘子 関谷春子 今村洋一 坂井香奈美 清水宏 大久保鷹 福麻むつ美 三ツ矢雄二 塩野谷正幸 栗原茂 甲津拓平 小林七緒 柏倉太郎 平野直美 武田智弘 阿萬由美 山下直哉 荒木理恵 稲増文 石本径代 菊池ゆみこ 後藤英樹 舩山智香子 松井亜紗美 森加織 横山央 大塚恵美 梶雅人 川原洋子 菊地隆之 小林真梨恵 佐藤賢 重岡佐都子 下村界 神在ひろみ 鈴木崇乃 高島美沙 林洋介 日和佐美香 本城直紀 丸山徹 皆川良美 和田武 ※木内尚は都合により出演不可能となりました。
【演奏】Reed 小藤田康弘 Tuba 古本大志 Drums 萱谷亮一 Piano 荻野清子
【脚本・詞】グレッグ・コティス 【音楽・詞】マーク・ホルマン 【翻訳】吉原豊司 【台本】坂手洋二 【演出】流山児祥【音楽監督】荻野清子 【訳詞・歌唱指導】浅井さやか 【振付】前田清実 【殺陣】岡本隆 【美術】水谷雄司 【照明】沖野隆一 【音響】島猛 【舞台監督】廣瀬次郎 【衣裳】大野典子 【演出助手】畝部七歩 鈴木麻名実 山丸莉菜 【宣伝美術】Flyer-ya 【宣伝写真】アライテツヤ 【起案・上演権取得交渉】吉原豊司 【制作】岡島哲也 米山恭子【制作協力】ブレインズアンドハーツ【提携】座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク【後援】杉並区【主催】流山児★事務所


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:44 | TrackBack

2011年10月13日

【オーディション】東宝「新演出『レ・ミゼラブル』全キャスト・オーディション」※11/30(水) 郵送必着

 25周年を迎えたミュージカル『レ・ミゼラブル』(⇒2007年レビュー)が新演出で創作されることになりました。2013年に東京、福岡、大阪、名古屋の4都市で上演される日本版の全キャストが、公募オーディションで選ばれます!すごい!

 第1次予備審査の〆切は2011年11月30日(水) 郵送必着募集要項をよく、よく、よ~く読んで、なるべく早めに申し込んでください。⇒レ・ミゼラブル2013 オーディションQ&A

 無名の俳優の中から新しいスターが誕生する予感!絶対観に行く!!

Posted by shinobu at 18:29 | TrackBack

【オーディション】チェルフィッチュ「2012年春の新作出演者オーディション」※11/26〆切(郵送のみ)

 岡田利規さん率いるチェルフィッチュが、2012年4月下旬~5月中旬に神奈川芸術劇場にて上演予定の新作公演出演者オーディションを実施します。募集対象は女性。1名のみ。

 第一次審査の書類選考は11月26日(土)必着です。審査は第二次、第三次まで12月に実施。詳細は公式サイトでどうぞ。

 ■チェルフィッチュ新作「In Between Jupiter and Mars」(仮) 出演者オーディション
  稽古期間:2012年2月~4月(週4日~6日予定)
  公演期間:4月下旬~5月中旬のうち、10日ほどを予定
  募集対象:女性1名
  応募条件:
  ・女性のみ
  ・チェルフィッチュの舞台を観たことがある方
  ・稽古、本番の全日程参加可能な方
  ・2012年6月以降、国内および海外ツアーが入った場合、最優先できる方

Posted by shinobu at 17:39 | TrackBack

【ワークショップ】「玉置玲央ワークショップ」10/27-30※先着順・メールのみ

 劇団柿喰う客の俳優でゴーチブラザーズに所属し、自身の演劇ユニット“カスガイ”を主宰されている俳優の玉置玲央さんが、俳優向けワークショップを開催されます。4日間通しの参加が望ましいが1日だけでもOKとのこと。詳細は公式ブログでどうぞ。

 ■玉置玲央ワークショップ
  2011年10月27日(木)~30日(日)
   毎日18:30~21:30を予定(計4コマ、12時間)
  会場:都内
  参加費:1コマ1,000円
  定員:各回10~15名を予定
  申込方法:メールのみ・先着順
  参加資格:健康で演劇が好きならどなたでも。但し、一度でもお客様からお金を頂いて、舞台に立った経験のある方

Posted by shinobu at 17:19 | TrackBack

2011年10月11日

東京都高等学校演劇連盟「2011年城東地区発表会」9/25、10/1、2、9、10都内ホール3か所

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2011年城東地区発表会

 東京ではじめて高校演劇の地区大会の審査員をさせていただきました(⇒昨年は山梨県大会)。地区大会、都大会、関東大会、そして全国大会と続く全国の高校演劇部の一大行事です。

 東京都の地区大会は城東地区、中央地区、城西地区、山手城南地区、多摩南地区、多摩北地区の計6つの地域で、各4~5日間にわたって行われました。私が担当した城東地区の参加校は34校で、その中から2校しか都大会(=中央発表会)には出られません・・・激戦です。

 審査員は三条会関美能留さん不等辺演劇倶楽部青年団演出部林成彦さん、そして私の3名でした。

 ●第65回中央発表会
  日時:2011年11月12日(土)~13日(日)
  会場:練馬文化センター
  ⇒東京都地区大会結果・中央発表会出場校

  林成彦さんが企画されている「高校演劇サミット」が昨年(⇒詳しい公式サイト)に続いて今年も開催されます。ご興味のある高校演劇部の方は林さんにお問い合わせください。申し込みにはエントリーシートが必要です。

 ●【高校演劇サミット2011】公式ブログ
  日時:2011年12月15日(木)~18日(日)
  会場:アトリエ春風舎

 城東地区は東京都で最も上演本数が多かったようです。大会参加校が増えたのか演劇部が増えたのか原因はわかりませんが、高校生の間で演劇が流行ってると思うと嬉しいですね!※今年の城東地区大会は通常60分の上演時間を45分間に制限するという特別な措置も取られていました。

 最多で1日8作品鑑賞、計5日間となるとさすがに体力的にも精神的にもきつかったのですが、関さん、林さんのおかげで乗り越えられました。演出家(アーティスト)、ワークショップデザイナー(教育者)、そして観る側の私という立場が全く違う3人だったので、変に遠慮しすぎたり妙に気づかったりすることなく、講評の役割分担もうまくいったように思います。ありがとうございました!

 以下、上演校と作品の記録です。特に印象に残った作品については少しですが感想を書きました。
 ◎:中央発表会推薦(2校) ○:奨励賞(15校) ⇒各地区大会のプログラム

【1日目 9/25(日)】7作品 会場:都立東高校しおさいホール
○都立足立東『対人完全不干渉罪』
 都立葛飾野『ナイトバトル・インザスクール』
○江戸川女子『グッドバイ・マイ…』
○都立上野『ふたり』
  作:いしかわあやね
 女子高生と家庭教師が登場する2人芝居。演技が自然で良かったです。

 都立小岩『キミとの一歩。』
○都立飛鳥『リビングルーム』
○都立橘『嘘 ~ロベール・トマ「罠」より~』
  脚本:池之上真菜 脚色:野澤勇一(顧問)
 有名海外戯曲の設定を明治44年の日本に置き換えて上演。力作の翻案でした。


【2日目 10/1(土)】4作品 会場:シアターX
 駿台学園『ムカシバナシンドローム』
 都立葛西南『そうだなぁ…例えばこんなコトがあったらうけるよね。…多分。』
◎都立足立『恋愛妄想 ダメ、ぜったい!』
  作:藤原徹
 男子高校生の恋の脳内暴走。気づかぬ内に現実と妄想の垣根を超えてしまい、思いを寄せる同級生女子との関係に進展が。それをきっかけに封印していた中学時代の記憶もよみがえり・・・。
 脚本に事件や問題を詰め込みすぎではあるものの、演劇における演出の効果を非常によくわかっていて驚かされました。悲しいことは笑顔で、過激なことはサラリと、または踊って歌って表現。オープニングから劇中劇というパッケージングも同時多発会話もいやみなく成立していましたし、中学時代と高校時代の人間関係を相似させて見せるのも見事。ボカロなどのいまどきのネット発信の楽曲を交えた選曲もうまかったですね。
 講評でも伝えましたがセックスと暴力の表現にはもっと丁寧に、慎重に積み上げるのが良いかと思います。人と人との距離の違い(10m、1m、10cm、0cmなど)で目に見える関係も立ちあがる空気も激変します。正解などないのですが、他者のどこに、どうやって、どういうスピード(タイミング)で、どのぐらいの時間、触れるのかを幾種類も試してみて欲しいと思います。
 講評時に審査員の一言ひとことに対して返事をしてくれたのはこの作品の作者だけでした。対等にコミュニケーションができたように感じ、頼もしく思いました。※審査は作品についてのみ行いました。

 女子聖学院『卍』


【3日目 10/2(日)】7作品 会場:シアターX
○開成『コンマ1秒の憂鬱』
  作:坂野嘉昭
 ある診療所にトラックが突っ込み、待合室にいた4人の患者が即死・・・するコンマ1秒前。スーツ姿の死神が現れて 未練を残さず死を受け入れるように4人を誘導する。高校生からリタイアした老人まで、さまざまな年齢の人々が人生を振り返り・・・。
 たまたまある場所に居合わせた人々が、予期せぬ災害や事故で瞬時に、理不尽に命を奪われます。現在進行中の東日本大震災をふまえ、生死について考えたことを自分の言葉でつづった素晴らしい戯曲でした。もしこの度の津波や地震で亡くなった方々が、死の前に人生を振り返る時間を与えられていたとしたら。未来を奪われた無念を、残された大切な人への思いを、それぞれに考え、かみしめていたかもしれない。劇場にいる私たちが失われたひとつひとつの命、人生ついて思いを馳せる時間を作ってくれました。生涯をすごろくやゲームに例えてコミカルに表現するのは男の子らしい発想で、達観していて知的だとも思いました。
 
 都立葛飾総合『Sputnik』
○日本大学第一『アルジャーノンに花束を』
  原作:ダニエル・キイス 脚色:菊池准
○都立忍岡『ごはんの時間2ぃ』
 都立荒川商業『噂の商子さん』
○都立白鷗『ヒーローのヒーロー』
  作:小野寺莉乃
 成績も悪いし体も弱いが戦隊モノのヒーローになりたい高校生男子。いきなり天使とその秘書が現れ、どんな願いでも3つ叶えてくれると言ってきて・・・。
 客席を向いて決めポーズを取るなど、定型の身体表現の組み合わせで全編を構成。天使と秘書のコンビネーションが面白く、笑いの絶えない完成度の高い作品でした。

 都立深川『ないと』

≪都大会に推薦された足立高校と江戸川高校のチラシと台本≫
renaimoso_colors.JPG

【4日目 10/9(日)】7作品 会場:都立科学技術高校サイエンススクエア
○都立科学技術高校『ジプシー 千の輪の切り株の上の物語』
  作:横内謙介 潤色:木原延昭(顧問)
 潤徳女子『みくじかの逆襲(のろい)』
 武蔵野『persona』
 都立足立新田『赤犬の檻~If~』
○都立本所『百枚めの写真 一銭五厘たちの横丁』
  作:ふたくちつよし 原作:児玉隆也 潤色:本所高校演劇部
 都立竹台『ヴェルディーク』
 都立紅葉川『7 GAME』
○都立江北『ゴッゴローリ伝説』
  原作:ミヒャエル・エンデ 脚色:大野敬二


【5日目 10/10(月・祝)】7作品 会場:都立東高校しおさいホール
 都立篠崎『とある探偵事務所の事件簿』
 関東第一『Enjoyしようよ! Let's 異世界trip』
  ※制限時間45分を超えるため、生徒の判断で途中で幕。ラストシーンが観られずとても残念。
 都立足立西『Crack ~欠片(かけら)~』
 都立墨田川『チェンジ・ザ・ワールド』
  作:石原哲也(既成)
○都立小松川『deliver』
◎都立江戸川『Colors』
  作:今井清光(顧問)
 塾のラウンジを舞台にした高校生の恋愛模様。クドくなく、きれいごとにならず、エッチになりすぎず、茶化すバランスも見事な等身大コメディーで、最初から最後まで笑いに笑って純粋に楽しませていただきました。まず“塾のラウンジ”という場面設定が秀逸。登場人物の個性が衣裳でも演技でもはっきりと区別され、一人ひとりがとっても魅力的です。終わった時に全員の顔と役名を憶えておけるぐらい。きっと顧問の先生による素晴らしいあて書きおよび演出の成果かと思われます。この作品を観た子供たち(小学生から高校生)は「演劇に出てみたい!」と思うかもしれません♪
 講評で関さんが「芝居は出はけが大事」とおっしゃっていたのですが、まさに「出はけ」の必然性をつくるセリフが絶妙で、観ながら心の中で「凄い!」と叫んでました(笑)。ネタではなく無言の間(ま)で笑いを生むなど、演技で立体感と訴求力のあるシチュエーションを作りあげる高度な会話劇でした。次回の上演では群舞の場面に変化があるといいなと思います。個人的にはもっと派手で際立った演出・演技を希望。

○都立淵江『だって女の子だもん!』
  作:根本美紀
 妊娠した(?)ぽっちゃり体型の男子高校生の妄想を、粗野で赤裸々でアグレッシブなダンスと叫びで表現・・・衝撃的でした。ちょっとFUKAIPRODUCE羽衣みたい。ジェンダー(性)についての疑問と不満をこれでもか!と言わんばかりに晒した後、最後は人間の孤独を美しく、研ぎ澄まされた高みにまで持って行ってくれました。静謐なラストに落涙。
 頭痛・生理痛用の市販薬品の箱(の着ぐるみを被った男性)からひっぱり出される赤いひもには女性用パンティーがぶら下げられ、生理用ナプキンが乱暴にばら撒かれます。女性が赤いボンボンを2つ、男性が赤と青のボンボンを1つずつ持って踊る染色体ダンスや、なぜか神妙に踊るへなちょこバレエもあり、奇抜な選曲も含めて笑っていいのやら怖がった方がいいのやら(笑)。イスの腰かけ部分に銀色の棒を置き、その先にトイレットペーパーを刺しただけで女子トイレに見せ(和式もあったのが凄い)、排泄までも描きます。生まれたばかりの子うさぎと、堕胎されて生まれることができなかった人間の子供との対比もさらりと。まるで作者の臓物をステージ上に投げ散らかしたかのように、生々しい血が噴き出し続けるような壮絶な脚本および演出でした。
 女性には毎月痛みをともなう生理があり、出産には社会的なことも含めいろんな試練があります。でも“妊娠”という2人以上の人間が1つの体の中に同居する状態によって、「守りたいし守られたい、愛したいし愛されたい」という他者との完全無欠の関係が実現するんですよね。だから性同一障害で体は男性だけれど心は女性という主人公は、「妊娠」がしたかった、「赤ちゃん」が欲しかったのです。最後は主人公が心を許している女性教師との2人っきりの静かなシーンで幕。教師が主人公の顔に女性用のきれいなメイクをほどこす無言の時間の神々しいこと。
 荒削りなのも個性だと思いますが少々危ないぐらいだったので(笑)、精度を上げるお稽古を丁寧に継続してくださるといいなと思います。

○都立東『ふたりはママ母』
  作:藤田葵
 歌とダンスで元気にコミカルに開幕。なぜか母親が2人いる家庭で、過保護な扱いを受け戸惑う姉妹。妹が突然「もうやめる」と言って子供の衣裳を脱ぎ、女子高生の姿に。
 上演会場である東高校演劇部の作品で、さすがは“ホーム”ならではの堂々たる空間づかい。演劇部内の人間関係を疑似家族と見立てた構成がとても面白いです。ダンスシーンではこの地区大会で唯一、手拍子も起こりました。
 ママ役の女性がとうとうママの衣裳を脱ぎ捨て、ノースリーブでお腹も足も露出した黒のセパレートのスポーツウェア姿になったのが痛快でした。私には家族、学校、友達も全部捨てて、“裸一貫”になったように見えたんです(精神面で)。だから彼女がセーラー服を着て女子高生に戻ってしまった(演劇部内の人間関係の話に世界がしぼんだ)のは残念でした。

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 【「日本最大」の演劇フェスティバル?】
 「もしかすると高校演劇の大会は日本最大の演劇フェスティバルなのではないか」と関さんがおっしゃっていました。9月から10月にかけて東京だけで約180校が参加し、1日に最大8本の作品が計4~5日間上演されます。東京よりも本数は少ないとはいえ全国各地で同時に行われるのですから、「日本最大」と言って過言ではないかもしれません。
 私はご縁があって審査員という形で参加させていただきましたが、一般の観客として高校演劇を観に行くのもいいと思います。⇒都大会は来月11/12(土)~13(日)

 【運営の要は顧問の先生】
 大会終了後の反省会(と称した打ち上げ)で顧問の先生方からゆっくりお話を伺えました。大会当日は休日を返上して会場の運営・進行(上演中の裏方含む)にあたってらっしゃいます。情熱がなければ継続できないであろう激務に頭が下がります。ご自身が顧問をつとめる演劇部員だけにではなく、参加校のすべての生徒が1回きりの発表の機会に全力を発揮できるよう、細やかな対応をされていました。
 ※最終日の会場だった都立東高校では、演劇部OB・OGが上演会場から各賞の発表会場となる体育館への誘導を手伝ってくれていました。

 【未来への高揚感/高校生は大人】(ツイッター⇒
 大勢の高校生の創作を一挙に多数観ることができ、とても刺激的で夢のような日々でした(疲れましたけど・笑)。会場にいた5日間は脳が完全に現実から乖離していましたね。生まれたてホヤホヤの若い才能を発見した気になることって(←ただの思い込みかもしれません)、麻薬のように中毒性がある気がします。成長のスピードが早い上に未来の時間もたっぷりありますから、トキメキと高揚感が尋常じゃないんです。どんな作品にも「無制限の伸びしろ」が付加されており、「いつか遥か遠くの未知の世界へと連れて行ってくれるかもしれない」と夢見る時間もセットでもらっているように思います。

 全体を通して気になったのは、従順に“高校生”でいる人が多いこと。身体も年齢も社会的にも高校生であることは事実ですが、演劇創作において(もしくは実生活でも)そんなことに縛られる必要はないんじゃないかしら・・・と思いました。
 携帯電話とインターネットがほぼインフラのようになってもう何年も経ちました。今の高校生はデジタル・ネイティブと呼ばれる世代ですよね。もちろん学校や家庭、個人で差があるでしょうけど、大学生の時に携帯さえなかった私とは違って、無料で情報収集および発信できる環境は努力すれば手に入れられると思います。とても極端な例ですが、やろうと思えば起業もできますしね。高校生が一人前の大人として、自立した人間としての意識をもって生きるステージは、探せばすぐそこにあるものだと思います。
 最初から「高校生なのだから」と自分を枠の中におさめず、「高校生であること」を意識的に利用するぐらいの気持ちで創作してくれたらと思います。安全で不自由な場所から飛び出した作品を私は観たいです。

 【意見:クレジットについて】
 地区大会で配布される公式の冊子には、上演作品の「演目(タイトル)」「作者」「上演校」「上演時間」が記載されています。スタッフのクレジットとしては、できれば「作者」だけでなく「演出」も載せていただけたらいいなと思います。どんな戯曲も演出家次第でいかようにも変化するものですし、舞台の「演出家」という職業の周知にもつながると思います。


 来月は都大会に行って、足立高校と江戸川高校の成長を見届けたいと思います!

東京都高等学校文化祭演劇部門地区大会・第65回東京都高等学校演劇コンクール地区発表会
日程:2011年9/23~10/10(延べ27日間)
東京都高校演劇連盟:http://www.geocities.jp/tokyo_koenren/index.html
東京都高等学校演劇連盟・ニュースと情報:http://tokyo.koenren.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:41 | TrackBack

2011年10月08日

NPO法人エイブル・アート・ジャパン『R&J』10/09-10彩の国さいたま芸術劇場小ホール

 英国のグレイアイ・シアター・カンパニー(障害のある人たちによるプロ劇団)の芸術監督をつとめるジェニー・シーレイさんが、オーディション(⇒告知エントリー)により322名の応募者から選ばれた8名の日本の俳優たちと『ロミオとジュリエット』を創作します。⇒ジェニーさんのワークショップのレポート(2006年)

 本番は明日とあさっての各1ステージずつです。私はどうしても本番に伺えないので、関係者のご厚意により1日前のゲネプロ(本番同様に行うリハーサル)を拝見させていただきました。

 ジェニーさんならではの演出手法による、スタイリッシュなロミジュリでした。物語の全貌がわかる本格上演です。疾走する、透き通るような純愛に落涙止まらず。一般2000円は安すぎです。上演時間は1時間50分ぐらいかと。曖昧です、すみません。※前売り完売。当日券は数枚出るかどうかだそうです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『R&J

 あらすじはコチラでどうぞ。
 以下、演出について少々ネタバレしますが、読んでから観ても問題ないと思います。

 装置は白い天板のテーブルとイスだけ。足や背もたれのパイプ部分の色は黒です(たぶん)。衣裳の色彩も白黒でまとめ、スパイスとして赤が入ります。
 『血の婚礼』でもそうでしたが、障がいのある方とない方が垣根なく俳優として出演しています。舞台上で交わされる言語は声を出して語るセリフの他に手話があり、舞台奥には字幕も出ています。また、セリフは日本語ではなく英語で語られることもあります。

 例えば声で語るロミオと手話で語るジュリエットのカップルのそばには、手話で語るロミオと声で語るジュリエットが居ます。2組のカップルが同時に存在して同じシーンを演じるので、障がいのない観客も耳の聞こえない観客も物語を理解できます。また今回はセリフの字幕も出ていますから、手話を知らない耳の不自由な観客も大丈夫なんですね。

 この演出方法にはバリアフリーな観劇環境を作る以外にも効果があります。カップルが2つ存在することで、ロミオとジュリエットという特定の人物だけでなく、他のカップルにも当てはまる物語だと思えますし、異なる言語(声に出す日本語と手話など)を使っていることで、全人類の物語であるとも受け取れるのです。また、これが重要だと思うのですが、“1組の男女の話”に収まらないようにすることで、観客が単線道路を直進するだけで済むような、一方通行の観劇にならないんですよね。実は劇中劇の構造にもなっているので、階層の違う、色んな種類の演劇(的表現)を同時に味わう構造になっています。時にはわざとストーリーの進行を止める仕掛けもあり、観客は観劇中に冷静な気持ちに戻って思考できるのです。

 『R&J』はこの公演のために集まったメンバーによる、いわゆるプロデュース公演です。初めて会った人同士、しかも異なる言語を使う人たちの集団なのに、なぜこんなに一体感があるのでしょうか。柔らかくて、優しくて、注意の行き届いた、気持ちのいい緊張感でつながった空間でした。ジェニーさんの稽古(ワークショップ)にその秘密があるのだと思います。

 恋は時に粗野で乱暴でみっともない上に、一時の思い込みに過ぎない、とてもはかないものです。でも2人の他人が同時に妄想に囚われて、相手の全てを愛し許し合うのは、幸せな奇跡と言っていいと思います。ロミオ役の若菜大輔さんとジュリエット役の中村ひとみさんが見つめ合うごとに、キスするごとに、涙がボロボロととめどなくこぼれました。※個人的には中央ブロック上手寄りの席がお薦めです。

 ここからネタバレします。

 シェイクスピア講座に集まった人々が先生(金崎敬江)の指導のもと『ロミオとジュリエット』を上演することに。オーディションで配役を決め、手話担当、セリフ担当なども交替しながら、徐々に古典恋愛劇の世界に入り込んでいきます。ゲネプロの最初はさすがに演技が硬かったですね。

 バルコニーの場面ではロミオが3人いたように思います。そうやって3種類のロミオがいたり、乳母とジュリエットがそれぞれ2人ずつ同時に演技をすると、同じ役でも全然違うアプローチがあり、演じる人たちの個性が粒だって見えてきます。そうやって見かけでは“違い”がクローズアップされるのですが、全員が持っている「好きだ!」「悲しい!」といった強い感情は、凝縮され、より激しく、重く、直球で伝わってくるように感じました。そうなってくるともうセリフは耳に入りません。大きなひとかたまりとなった思いが体にぶつかってくるんですから。
 2組の乳母とジュリエットのシーンで特に感じたのは、“2組の場面”ではなく“4人の場面”に見えてきたこと。相手の組み合わせも変わるので、2人芝居の2セットではなく4人による複数の層があるコミュニケーションになっていました。

 ジェニーさんがゲネプロ終了後にチラリと"My beautiful, perfect Romeo !"と評した若菜さん。まさに“美しい、完璧の”、ロミオ♪ はっきりとした語りに感情がブレずにともなう正統派の演技をされます。ルックスも声も美しくって、もう、吸いこまれるように若菜さんに見とれました。手話のジュリエットを演じる中村さんと何度もキスを交わしますが、そのキスがとってもきれいなんです。「ああ、キスってこんなに素敵なんだ」とあらためて愛情表現としてのキスの美しさを再認識。肌と肌が直接触れるラブシーンを観るのは得意な方じゃないのですが、この2人のキスはもっと観たかったですね。
 霊廟の場面で、それまで一度も声を出さなかった中村さんが、声と呼べるほどの音にはならない叫びをあげて、ロミオの遺体を揺さぶりました。恐怖と悲しみで静止したような表情と、コントロールできていない(であろう)、喉からしぼり出される音。その後にジュリエットがナイフで自殺するのは当然だと思えました。

 先生(金崎敬江)と主にマキューシオ役を演じていた男性(奥本真司)との関係が、劇中のラブシーンを経て本物の恋に発展しそうになるエピソードは、私個人としてはコミカルに演出してもいいんじゃないかと思いました。若菜&中村のロミジュリと比べると、どうやって観ていいのかわからないバランスだったんですよね。

出演:大橋ひろえ(乳母・手話) 奥本真司(マキューシオ、ロミオ・手話、他) 金崎敬江(ジュリエット・声、ロレンス新婦、先生) 高橋佑輔(ティボルト、乳母・声、ロミオ・手話、他) 中村ひとみ(ジュリエット・手話) 野澤健(ベンヴォーリオ、キャピュレット、他) 山野茉璃乃(キャピュレット夫人、他) 若菜大輔(ロミオ、他) 米内山陽子(ロレンス神父・手話、他 所属:トリコ劇場) ジェニ・ドレイパー(乳母、召使、バルサザー、他)
脚本:W.シェイクスピア 演出:ジェニー・シーレイ  舞台美術:杉山至+鴉屋 衣装:川口知美(COSTUME80+) 衣装アシスタント:千葉朋栄 照明:岩品武顕(公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団) 音響:山海隆弘(公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団) 舞台監督:平井徹(公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団) 演出助手:倉品淳子(山の手事情社) フライヤーデザイン:京(kyo.designworks) コーディネーター:吉野さつき 稽古通訳:山田規古 日本手話コーディネーター:米内山陽子(トリコ劇場) イギリス手話通訳:ジェニ・ドレイパー 制作助手:今井由希 宮本晶子  主催:厚生労働省、埼玉県、さいたま市 共催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団 後援:内閣府、文化庁、(財)日本障害者リハビリテーション協会、(社福)全国社会福祉協議会、(社福)日本身体障害者団体連合会、(社福)日本盲人会連合、(財)全日本ろうあ連盟、(社福)全日本手をつなぐ育成会、(財)日本知的障害者福祉協会、(公社)全国精神保健福祉会連合会、(財)毎日新聞社会事業団、(社福)朝日新聞厚生文化事業団、(社福)読売光と愛の事業団、(社福)産経新聞厚生文化事業団、(株)日本経済新聞社、(社福)中日新聞社会事業団、(社福)NHK厚生文化事業団、(社)共同通信社、(株)時事通信社、(株)毎日新聞社、(株)読売新聞社、(株)朝日新聞社、(株)産業経済新聞社、東京新聞、日本放送協会さいたま放送局、(株)埼玉新聞社、(株)テレビ埼玉、FM NACK5 協賛:埼玉音楽文化協会((社)埼玉県経営者協会)、埼玉県生命保険協会、(株)埼玉りそな銀行、(株)武蔵野銀行、埼玉縣信用金庫 企画製作:NPO法人エイブル・アート・ジャパン 運営:第11回全国障害者芸術・文化祭埼玉大会実行委員会
全席自由 一般=2,000円 割引=1,500円 ※ユース(25歳以下)、シニア(65歳以上)、障害のある 方及び介助の方(1名)が割引の対象となります。※障害のある方は障害者手帳を、ユース、シニアの方は年齢を確認できるものをご持参ください。受付時に確認させていただく場合があります。※車いすでご来場のお客様は、チケット購入時にお申し出ください。インターネットで購入された方は劇場チケットセンター(TEL:0570-064-939)まで事前にご連絡ください。
http://randj.jimdo.com/

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Posted by shinobu at 22:02 | TrackBack

2011年10月06日

【告知】シアターアーツ「劇評講座Vol.7『劇評って何だろうか......』」に登壇者として参加します

 演劇批評誌シアターアーツを発行するAICT(国際演劇評論家協会)日本センターが主催する講座に、登壇者として参加させていただきます。テーマは『劇評って何だろうか......』。(⇒劇評講座Vol.5Vol.6

 私が観劇感想文(レビュー)をインターネット上に投稿し始めたのが2000年、「しのぶの演劇レビュー」を開設したのが2004年、毎月のメルマガ発行を始めたのも同年からですね。当サイトは昔も今も一観客による感想文ブログです。

 劇評という形で初めて雑誌に書かせていただいたのは2004年のパフォーミング・アーツ・マガジンBacchus 02号で、採り上げたのはOrt-d.d『四谷怪談』でした。2007年ごろから稽古場・記者会見レポートや演劇人インタビューなども執筆させていただいております。

 私は個人的な観劇感想をネット上に発表する行為を続けていますが、自分の書いたものを劇評だと思ったことはありません。“劇評”って……何なんでしょうね…。劇評に求められるもの、批評の生産的なあり方について皆さんと一緒に考える時間にできたらと思います。

 ●シアターアーツ劇評講座 Vol.7「劇評って何だろうか......」 ⇒公式サイト
  日時:10月23日(日)18:30~21:00
  会場:東池袋あうるすぽっと・B会議室
  参加費:1,000円 ⇒申し込みフォーム
  登壇者(公式サイト掲載順):徳永京子、高野しのぶ、梅山いつき、嶋田直哉、藤原央登、柾木博行、西堂行人

Posted by shinobu at 11:40 | TrackBack

2011年10月05日

四つ子『四つ子の宇宙』10/01-16アトリエヘリコプター

 岩井秀人さん(ハイバイ)、江本純子さん(毛皮族)、前田司郎さん(五反田団)、松井周さん(サンプル)がともに脚本を書いて演出して、共演する舞台。これだけで必見でしょう。

 めちゃくちゃ面白かったです・・・!ある場面でお腹がよじれるほど笑わせていただきました(笑)。私が観た回の上演時間は約1時間50分。

 内容的に私なら高校生以上推奨ですね。ぜひ高校生にも観てもらいたい!演劇ってこんなに自由に何でも生み出せて、物なんか何もなくてもこんなに面白いんだってことわかるんじゃないかな~。
 ※ご参考までに、隣りに座っていたお友達は「(内容的に)中学生でも大丈夫でしょう」。終演後にお会いした制作さんは「ダメ!大学生以上!」。席によるのかも。私はひな壇の最後列でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『四つ子の宇宙
 レビューは記録程度です。

 ≪あらすじ≫ ※少々ネタバレしています。
 今からおよそ100年後。新しいエネルギーを探しに宇宙へと旅立った大手電池会社の男性3人と女性1人。1人各10年間の当番制で(他の3人は冷凍睡眠)、往復40年かけて地球に帰還する予定だ。
 ≪ここまで≫

 流れは決まっているのでしょうけどアドリブが多そう・・・というより、演技が非常に緻密で自然だから、アドリブに見えるのかもしれません。いえ、実際アドリブの連続で進む場面は多いと思います。でもそれがダラリと崩れたり内輪受けにならないんですよね。さすがです。

 ここからネタバレします。

 松井周さんが両性具有になるために自分で手術をするシーン。もう・・・やめて!、松井さん、もういいから・・・!!!って叫びたくなるぐらい笑いました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 
 出演:出演者全員

 エチュードでシーンを作っていって、最終的にセリフが全て書かれた脚本はなかったようです。起こる出来事が書かれたものが数枚だけとのこと。

脚本・演出・出演:岩井秀人(ハイバイ) 江本純子(毛皮族) 前田司郎(五反田団) 松井周(サンプル)
照明・音響:山口久隆(S-B-S) 演出助手:郷淳子 衣裳:正金彩 宣伝美術:two minute warning web:斎藤拓 制作助手:島村楓 東川佳子 制作:Little Giants 企画・製作:四つ子
【休演日】10/6,13【発売日】2011/08/28 全席自由・前売、当日とも 3,500円
http://4go.main.jp/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:36 | TrackBack

劇団民藝『カミサマの恋』10/05-19紀伊國屋ホール

 1950年から続く老舗劇団の劇団民藝に、渡辺源四郎商店の劇作家・演出家・俳優の畑澤聖悟さんが新作を書き下ろされました。主演は奈良岡朋子さん!畑澤さんと奈良岡さんのファンである私にとって見逃す手はないお芝居です。

 全部受け取ってから、ゆっくり温かく返す奈良岡さんの言葉にボロ泣き。上演時間は約2時間。一般6,300円ですが夜公演の後部席なら4,000円で観られます。学生割引は3,150円。

 ロビーで戯曲が掲載された雑誌を買いました。ありがたいです。

テアトロ 2011年 10月号 [雑誌]

カモミール社 (2011-09-13)

 ⇒CoRich舞台芸術!『カミサマの恋

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 まだそこここに雪の残る津軽。"カミサマ"遠藤道子のもとへは嫁姑問題、息子の受験、息子の結婚相手探しなどなど何かしら家庭の悩みごとを抱えた人びとがひっきりなしに訪れている。相談者の話を丁寧に聞いてやり、神様の言葉と適切な助言で心をほぐしてゆく道子は、近隣の人びとから信頼を集めている。そんな道子には息子として育てた銀治郎がいる。何年も連絡がなかった銀治郎がある日突然あらわれ、神妙な面持ちで道子に頼みごとを持ちかける。なにやら隠していることがある様子だ。そんな銀治郎を見守る道子の目には、むかし事故で死んだ婚約者の姿が重なって見えてくるのだった……
 ≪ここまで≫

 いわゆる“お芝居”です。小劇場演劇を見慣れている観客には「まどろっこしいな」と感じる演出もあるかと思います。そういうものだと思ってリラックスして心を開いて座っていれば、長い歴史のある劇団で培われてきた、どっしりとした大らかさを肌で感じることができると思います。

 やわらかい津軽弁の優しさに包まれて、「人の痛みがわかること」の大切さが身にしみました。私は「思いやりを持ちなさい」とか「人の気持ちを考えなさい」とか、小学校でよく先生に言われていました。でも大人になってからわかる「思いやり」の意味もありますよね。年をとった人間には誰にも言えない秘密があるものですし、取り返しのつかない過ちも犯しています。自分がダメ人間だから、自分がひどく傷ついたことがあるから、他人のダメさを許せるし、傷を傷と認めて優しく接することができるはず。私もこの年になるまで生かされてきて、それなりの人生経験はさせてもらったのだから、他人の痛みがわかる・・・ところまでいけなくとも、せめて痛みを想像して寄りそうぐらいはできるようになりたいです。

 民藝公演の客層は、若者がいるとちょっと目立つぐらい、ご高齢の方が多いです。昔からずっと民藝に通っているお芝居通のお客様が多いんじゃないかと想像。もちろん奈良岡さんのファンも大勢いらっしゃると思います。そんな客席にも畑澤聖悟さんの戯曲は歓迎されたようでした。カーテンコールでは手拍子も起こって暖かでした。

 ここからネタバレします。

 カミサマ(奈良岡朋子)は死んだ人の霊を呼んできて、その人の声を自分を通して伝えることができます。それが本当なのか嘘(演技)なのか。曖昧さを残しているのが面白いです。
 カミサマの息子(実はカミサマの夫の生まれ変わり?)と、息子の妻の生まれ変わりの(演技をしていた)女性との別離場面は、演じ方も演出も、他のやりようがあるんじゃないかと思いました。

 カミサマの孫娘(本当は血がつながっていない)の名前が“しのぶ”でした。何度も呼ばれるので、自分に言ってくれているように感じて(←自意識過剰)、また泣いてしまった(笑)。帰宅して父にお線香をあげました。

【出演(役名…俳優名)】遠藤道子…奈良岡朋子 下条由紀…藤巻るも 遠藤銀治郎…千葉茂則 遠藤しのぶ…小嶋佳代子 唐牛サイ子…塩屋洋子 唐牛信一…梶野稔 工藤志野…箕浦康子 工藤瑞穂…望月ゆかり 工藤政志…天津民生 石田幸子…船坂博子 石田雅春…行田旭 久米田玲子…飯野遠 久米田大…武藤兼治
脚本:畑澤聖悟 演出:丹野郁弓 装置…加藤ちか 照明…沢田祐二 衣裳…緒方規矩子 効果…岩田直行 舞台監督……中島裕一郎
【発売日】2011/08/24 一般6300円、学生割引3150円(劇団のみ取扱)、NIGHT TICKET4000円(夜公演・後部席限定)
http://www.gekidanmingei.co.jp/2011kamisama.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:52 | TrackBack

2011年10月01日

メルマガ 2011年10月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2011年10月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 88     2011.10.01  1,766部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎季節の変わり目には自然の変化に感謝したい気持ちになります。
  でも今年は、風に揺れる緑の木々を見てもちょっと怖いと思ってしまう。
  首都圏で風の強い日は、マスクをした方が良さそうです。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→新国立劇場演劇『イロアセル』
       10/18-11/05新国立劇場小劇場
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000436_play.html ↓制作発表
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0912194441.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→新国立劇場演劇『朱雀家の滅亡』
       09/20-10/10新国立劇場小劇場
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0924103427.html

 ◆3【「フェスティバル/トーキョー11」公募プログラムも開幕!】

   ◎野外公演に加え劇場公演も始まります。無料イベントも要チェック!
    http://festival-tokyo.jp/ ↓記者会見
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0712010939.html

 ◆4【ちょっと気になるイケメン舞台~作・演出のスタッフにも注目!~】

   ◎「アイドルに興味なし」と最初から無視するのはもったいないかも♪

 ◆5【お薦め前売り情報 チェルフィッチュ『三月の5日間』】

   ◎2004年初演の岸田國士戯曲賞受賞作が5年振りに首都圏で再演!
    http://chelfitsch.net/next_performance/

 ◆6【編集後記】

   ◎高校演劇地区発表会の審査員をつとめさせていただいてます。

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.彩の国シェイクスピア・シリーズ『アントニーとクレオパトラ』
  10/01-15彩の国さいたま芸術劇場大ホール
  ≪東京、福岡、大阪、韓国≫
  ☆出演:吉田鋼太郎、安蘭けい、池内博之、橋本じゅん、中川安奈、
    熊谷真実、坂口芳貞、横田栄司、青山達三、手塚秀彰、塾一久、
    廣田高志、池谷のぶえ、妹尾正文、大川ヒロキ、岡田正、
    石母田史朗、二反田雅澄、清家栄一、新川將人、井面猛志、
    篠原正志、田村真、下塚恭平、長谷川祐之、高嶋寛、小久保寿人、
    堀源起、露敏
   脚本:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄
   S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生B席2,000円 
   劇場会員割引あり
    http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2011/p1001.html
   蜷川幸雄さんが演出されるシェイクスピア・シリーズの第24弾。
   上演機会の少ない作品ですし、ぜひ観ておきたいです。韓国公演あり。


2.パルコ・プロデュース『猟銃』
  10/03-23パルコ劇場
  ≪カナダ・モントリオール、東京、兵庫、新潟、福岡、名古屋、京都≫
  ☆出演:中谷美紀 ロドリーグ・プロトー
   原作:井上靖 翻案:セルジュ・ラモット 
   日本語台本監修:鴨下信一 演出:フランソワ・ジラール
   ¥7,350 U-25チケット¥5,000(25歳以下対象)
    http://www.parco-play.com/web/page/information/huntinggun/
   中谷美紀さんの初舞台は、中谷さんが妻、愛人、愛人の娘の3役(?)
   を演じる2人芝居。原作は井上靖さんが1949年に発表された小説で、
   翻案・演出はシルク・ド・ソレイユ『ZED』を手がけた方々です。
   どんな舞台なのか想像がつかないですが、美術や照明、音楽など
   の空間演出にも期待できそうです。


3.劇団民藝『カミサマの恋』
  10/05-19紀伊國屋ホール
  ☆出演:奈良岡朋子 藤巻るも 千葉茂則 小嶋佳代子 
    塩屋洋子 梶野稔 箕浦康子 望月ゆかり 天津民生 
    船坂博子 行田旭 飯野遠 武藤兼治
   脚本:畑澤聖悟 演出:丹野郁弓
   一般6300円 学生割引3150円
   NIGHT TICKET4000円(夜公演・後部席限定)
    http://www.gekidanmingei.co.jp/2011kamisama.html
   青森の劇団渡辺源四郎商店の畑澤聖悟さんが、老舗劇団の民藝に
   新作を書き下ろしました。しかも主演は奈良岡朋子さん!
   悩み相談にのる老女というと、この作品↓を思い出します。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0218164814.html


4.シス・カンパニー『泣き虫 なまいき 石川啄木』
  10/07-30紀伊國屋サザンシアター
  ☆出演:稲垣吾郎 貫地谷しほり 渡辺えり 西尾まり 鈴木浩介 段田安則
   脚本:井上ひさし 演出:段田安則
   7,000円
    http://www.siscompany.com/03produce/34takuboku/index.htm
   井上ひさしさんの戯曲にSMAPの稲垣吾郎さんが主演されます。
   『泣き虫なまいき石川啄木』2010年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0327225621.html


5.名取事務所『同居人』
  10/12-16 俳優座劇場
  ☆出演:吉野悠我 森尾舞 児玉泰次 三谷昇 他
   作:別役実 演出:K. KIYAMA
   前売り5000円 当日5500円 学生2,000円
    http://www.nato.jp/profile/2011/dokyonin1110-1.html
   別役実さんの書き下ろし新作というだけで惹かれます。
   今年8月の『対談:野田秀樹×別役実』の部分レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0808190301.html


6.可児市文化芸術振興財団『エレジー~父の夢は舞う~』
  10/13-19吉祥寺シアター
  ≪可児、東京、静岡、長岡、滋賀、茅野、兵庫、上越、富山、能登≫
  ☆出演:平幹二朗 坂部文昭 角替和枝 山本郁子 大沢健
   作:清水邦夫 演出:西川信廣 美術:朝倉摂
   一般 4,000円 学生 2,000円(学生券は当日のみ)
    http://www.kpac.or.jp/collection4/index.html
   1986年に第35回読売文学賞を受賞した清水邦夫さんの戯曲です。
   主演の平幹二朗さんを吉祥寺シアターという小劇場で観られる贅沢。


★7.新国立劇場演劇『イロアセル』
  10/18-11/05新国立劇場小劇場
  【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─2
  ☆出演:藤井隆 木下浩之 小嶋尚樹 松角洋平 花王おさむ
      ベンガル 島田歌穂 加藤貴子 高尾祥子 剣幸
   脚本:倉持裕 演出:鵜山仁
   A席 5,250円 B席 3.150円 Z席 1,500円
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000436_play.html
   制作発表会の写真レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0912194441.html
   倉持裕さんの新作を鵜山仁さんが演出されます。描かれるのは
   “声に色がついている人々”が暮らす島での、あるシステムの崩壊。

   ●お薦めポイント●
   娯楽に徹しすぎると退屈で、実験をしすぎると難解でついていけない。
   倉持さんの作品は劇団公演でもプロデュース公演でも、そのバランスが絶妙。
   理解しやすくて面白い物語に謎を残し、実験も冒険も主張も盛り込まれます。   
   ご参考:倉持さんの寄稿「演劇の地平を均せ」(View Point No.54)↓PDF
    http://www.saison.or.jp/viewpoint/pdf/11-02/viewpoint-no.54.pdf
   『イロアセル』は現代における“美意識”と“滅び”をテーマにした寓話。
   3.11以降に改稿されたので、厳密な意味で新国立劇場の震災後初の新作です。
   演出の鵜山仁さんがどうやって「声に色をつけるのか」にも注目ですね。


8.劇団青年座『切り子たちの秋』
  10/21-30青年座劇場
  ☆出演:藤夏子 松熊つる松 尾身美詞 五味多恵子 小豆畑雅一
    山﨑秀樹 上杉二美 石井淳 山賀教弘 麻生侑里
   作=ふたくちつよし 演出=黒岩亮
   一般4,000円 学生3,000円(当日受付清算のみ)
    http://www.seinenza.com/performance/public/202.html
   ふたくちつよしさんが青年座に書き下ろす“昭和の家族劇”シリーズの
   第3弾。舞台は37年前の町工場です。ふたくち作品のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0804223058.html


9.加藤健一事務所『音楽劇「詩人の恋」』
  ☆10/25-30本多劇場
   ≪東京、京都、ほか多地域≫
   出演:加藤健一 畠中洋
   脚本:ジョン・マランス 訳:小田島恒志 訳詞:岩谷時子 演出:久世龍之介
   前売5000円 当日5500円 高校生割引2500円(当日のみ)
    http://homepage2.nifty.com/katoken/80-index.html
   上質の海外戯曲を上演し続けている加藤健一事務所で、
   4演目を迎える2人芝居です。2004年に数々の賞を受賞されました。
   残念ながら私は未見なので、この機会に観られたらと思ってます。


10.Bunkamura『あゝ、荒野』
  10/29-11/06彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ≪埼玉、東京≫
  ☆出演:松本潤 小出恵介 勝村政信 黒木華 渡辺真起子、
      村杉蝉之介 江口のりこ 月川悠貴 立石凉子 石井愃一 他
   原作:寺山修司 脚本:夕暮マリー 演出:蜷川幸雄
   S席10,500円 A席9,500円
    http://www.bunkamura.co.jp/otherhalls/shosai_11_kouya.html
   1966年に出版された寺山修司さんの初の長編小説を舞台化。
   演出は蜷川幸雄さんです。人気スターの松本潤さんと小出恵介さんは
   蜷川作品への出演経験がありますので、新しい挑戦をしてくれるのかも。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円台の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》四つ子『四つ子の宇宙』
  10/01-16アトリエヘリコプター
  ☆脚本・演出・出演:岩井秀人(ハイバイ) 江本純子(毛皮族)
    前田司郎(五反田団) 松井周(サンプル)
   全席自由・前売、当日とも3,500円 ※未就学児入場不可
    http://4go.main.jp/ ↓公式ツイッターが面白いです。
    http://twitter.com/yotsugo
   作家、演出家、俳優として大活躍中の30代の精鋭4人が集結。
   一体何が生まれるのか全く予想がつきませんが、この4人が一同に介して
   1つの作品を作るというだけで興味津々。怖いもの見たさあり(笑)。


《2》富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ『あなた自身のためのレッスン』
  10/18-23メインホール特設ステージ&観客席
  ☆出演:宇井晴雄、伊東沙保、猪股俊明、中村まこと、大川潤子、
      大崎由利子、小田豊
   作:清水邦夫 演出:多田淳之介
   日時指定・全席自由・整理番号つき 一般3,000円
   学生・シニア(65歳以上)2,000円 高校生以下1,000円 
   ※未就学児の入場不可。保育サービスあり。
    http://www.city.fujimi.saitama.jp/30shisetsu/99kirari/02infomation/2010-0524-1402-137.html
   キラリふじみ芸術監督の多田淳之介さんが劇場のレパートリーとして
   清水邦夫さんの1970年初演戯曲↓を演出。市民会館が舞台の戯曲なので、
    http://www.cafebleu.net/simizu/play/anata.html
   キラリ☆ふじみという施設自体も装置として機能するのかも。
   美術は島次郎さん。実力ある個性派キャストが揃っています。


《3》風琴工房『Archives of Leviathan』
  10/19-24ザ・スズナリ
  ☆出演:東谷英人 岡本篤 金成均 酒巻誉洋 佐野功 園田裕樹
      多根周作 寺井義貴 根津茂尚
   脚本・演出:詩森ろば
   前売3300円 当日3500円 大学生2200円
   高校生以下1000円 障碍1500円
    http://windyharp.org/leviathan/index.htm ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=29225
   詩森ろばさんが作・演出される風琴工房の新作です。
   魅力的な男性キャスト9人による激しい嫉妬の物語。
   

《4》KAKUTA『ひとよ』
  10/21-30シアタートラム
  ≪東京、北九州≫
  ☆出演:岡まゆみ 成清正紀 若狭勝也 原扶貴子 高山奈央子
      馬場恒行 佐賀野雅和 ヨウラマキ 桑原裕子 大山鎬則 
      寺田剛史 磯西真喜 まいど豊
   脚本・演出:桑原裕子
   前売3,800円 当日4,000円 学生3,500円(前売・当日とも)
   ※初日と2日目はサービスデーで前売・当日ともに3500円
    http://www.kakuta.tv/hitoyo/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=30375
   桑原裕子さんが作・演出・出演される劇団KAKUTAの新作です。
   会場は劇団のホームとも言えるシアタートラム。
   劇団初の地域ツアーで北九州公演あり!


《5》青年団『ソウル市民五部作連続上演』
  10/29-12/04吉祥寺シアター
  ☆出演:のべ約100名の青年団俳優陣
   脚本・演出:平田オリザ
   日時指定・全席自由席・整理番号付き 前売・予約:一般3,500円
   学生・シニア2,500円 高校生以下1,500円 
   当日券:一般4,000円 学生・シニア3,000円 高校生以下2,000円
    http://www.seinendan.org/seoul5/
   平田オリザさん率いる青年団の人気シリーズ5部作連続上演です。
   『ソウル市民』は2006年に三部作連続上演されました。レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1207170506.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1211223012.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1219164610.html
   新作の2作品も含め全て観るにはタイムテーブル↓を要確認!
    http://www.seinendan.org/seoul5/info/
   例:毎週月曜夜に観れば、時系列で全5作品観られます♪
   ※3演目以上観るならこまばアゴラ劇場支援会員↓への入会がお得!
    http://www.komaba-agora.com/shien/2011/


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台の気になる作品を3本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

★【1】彩の国さいたま芸術劇場『R&J(ロミオとジュリエット)』
  10/09-10彩の国さいたま芸術劇場小ホール
  ☆出演:大橋ひろえ 奥本真司 金崎敬江 高橋佑輔 中村ひとみ
      野澤健 山野茉璃乃 若菜大輔 米内山陽子 ジェニ・ドレイパー
   脚本:W.シェイクスピア 演出:ジェニー・シーレイ
   全席自由 一般=2,000円 割引=1,500円(詳細は公式サイトへ)
    http://randj.jimdo.com/
   英国の演出家ジェニー・シーレイさんのもと、障がいのある人と
   ない人が一緒に創作する舞台です。出演者は322人の中から選ばれました。
   私は2006年にジェニーさんのワークショップ↓を観て、人間の見方が
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1114173736.html
   変わりました。そのワークショップを経て上演された公演↓では、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1013162928.html
   舞台上でも客席でも、障がいのある人とない人に分ける垣根がなく、
   平等に、『血の婚礼』というお芝居を味わうことができたと感じました。


【2】マームとジプシー『Kと真夜中のほとりで』
  10/14-24こまばアゴラ劇場
  ☆出演:伊野香織 大石将弘 大島怜也 荻原綾 尾野島慎太朗
    川崎ゆり子 斎藤章子 坂口真由美 高橋ゆうこ 高山玲子
    成田亜佑美 波佐谷聡 萬洲通擴 召田実子 吉田聡子
   脚本・演出:藤田貴大
   予約2500円 当日2700円 ※当日券販売は開演の60分前より
    http://mum-gypsy.com/ ↓完売の×印が壮観…。
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=29763
   この団体を観ることなしに、東京のホットな現代演劇シーンは語れない
   と言って過言ではないマームとジプシーの新作。前作のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0820140703.html


【3】Offsite Dance Project『Borrowed Landscape-Yokohama(横浜借景)』
  10/28-11/01横浜ホームコレクション内「ハウゼ」モデルホーム
  ☆参加作家:ハイネ・アヴダル 篠崎由紀子 岡田利規
    ファブリス・モワネ 小浜正寛 神村恵 社本多加 川口隆夫 山田うん
   前売・当日:1,500円[各回定員15名]
    http://borrowed-landscape.jp/
   有名アーティストが多数集まり、横浜のモデルルームで披露される
   “都市空間におけるダンスコラボレーションプロジェクト”。
   定員が少ないので、ご興味のある方はお早めにご予約を。


≪ミュージカル、ダンス、首都圏以外≫

 ★○流山児★事務所『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-』
  10/14-10/30座・高円寺1
  座・高円寺 秋の劇場14“これがオレタチのブロードウェイミュージカルだ!”
  ☆出演:別所哲也 伊藤弘子 関谷春子 今村洋一 坂井香奈美 清水宏
      大久保鷹 福麻むつ美 三ツ矢雄二 塩野谷正幸 他
   作曲:マーク・ホルマン 脚本:グレッグ・コティス 
   翻訳:吉原豊司 台本:坂手洋二 演出:流山児祥
   一般:4,800円 学生割引:3,500円 プレビュー:4,000円
   *座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」も利用可。
    http://www.ryuzanji.com/
   2009年に初演↓されリピーターが続出したブロードウェイミュージカル。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0608211023.html
   オリジナルの日本語台本で一風変わった構成がわかりやすくなっています。
   時事ネタも盛り込まれ、社会風刺もピリリと利かせたアングラ風。
   比較的小さな空間で生演奏あり。大勢のキャストが元気に歌って踊ります。
   一般4,800円は破格!騙されたと思って観に行ってください♪


 ○TOKYO DANCE TODAY #7『近藤良平ソロダンス公演「11DANDY」』
  10/19-23青山円形劇場
  ☆構成・振付・出演:近藤良平
   舞台美術:日比野克彦 音楽:ハナレグミ
   前売¥4,000/当日¥4,500
   10/22(土)14:00開演の回に限り、こども・学生料金の設定あり。
   3才以上高校生まで、前売のみ¥2,500 3才未満の入場不可。
    http://www.aoyama.org/topics/2011/11dandy.html
   コンドルズの近藤良平さんのソロダンス。音楽はハナレグミ!


 ○SPAC・静岡県舞台芸術センター『ガラスの動物園』
  10/22-11/06静岡芸術劇場
  ☆出演:阿部一徳、鈴木陽代、布施安寿香、牧山祐大
   脚本:テネシー・ウィリアムズ 翻訳:松岡和子
   演出・美術:ダニエル・ジャンヌトー
   【休演日】月~金 ※一般向けには土日のみ上演(一部例外あり)
   一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
   ※SPACの会特典のほか、ゆうゆう割引、早期購入割引、みるみる割引、
    ペア/グループ割引、障がい者割引などの割引料金あり。
   ※静岡県内の中学生以下の方は1公演30名まで招待あり。
    http://www.spac.or.jp/11_autumn/glass.html
   ダニエル・ジャンヌトーさん演出の『ブラスティッド』↓は凄かったです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0617011428.html
   

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.新国立劇場『朱雀家の滅亡』
  09/20-10/10新国立劇場小劇場
  ☆日本の終戦前後を生きた人々の声を受け取り、“滅びの美学”
   について自分自身と関連づけて考えることが出来ました。
   上演機会の少ない戯曲です。10/10(月・祝)まで!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0924103427.html

2.こまつ座『キネマの天地』
  09/05-10/01紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、大阪、岩手、山形≫
  ☆井上ひさしさんは演劇のさまざまな手法、効果などを知った上で、
   お芝居らしいお芝居を書くことを選んで来られたのだなと思いました。
   東京公演は本日千秋楽。その後に3都市ツアーあり!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0913151000.html

3.ホリプロ『ミュージカル「スリル・ミー」Bキャスト』
  09/17-10/03アトリエフォンテーヌ
  ☆両バージョン観て良かったです!来年夏に天王洲銀河劇場で再演。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0922002533.html
  ※来年年3月中旬にアトリエフォンテーヌでAキャストの再演決定!
   http://ameblo.jp/tmjp2011/entry-11034079680.html

  その他は中野成樹+フランケンズ『ライブイベント「一年後」』、
  ポツドール『おしまいのとき』、ヨーロッパ企画『ロベルトの操縦』、
  柿喰う客『悩殺ハムレット』、ミナモザ『ホットパーティクル』、
  あうるすぽっと『家電のように解り合えない』など(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2011年9月(観劇数29作品)は残念ながら発行しませんでした。

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 ◆3 【「フェスティバル/トーキョー11」公募プログラムも開幕!】
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 ◎9月に2つの野外公演が上演されたF/T11(エフティー・じゅういち)。
   http://festival-tokyo.jp/ ↓記者会見
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0712010939.html
  
  10月に入ると主催公演に加えて公募プログラムも始まります。
  今月のしのぶ(←ダンスより演劇好き)の注目公演はこちらの3本!

 ○遊園地再生事業団『トータル・リビング 1986-2011』
  10/14-24にしすがも創造舎
  ☆脚本・演出:宮沢章夫
   自由席 一般 前売 4,500円(当日 +500円) 学生3,000円
   高校生以下1,000円(前売・当日共通、要学生証提示)
    http://www.festival-tokyo.jp/program/TotalLiving/
   2011年は日本人にとって決して忘れてはいけない年になりました。
   1986年の日本はバブル前夜、チェルノブイリ原発事故のあった年です。

 ○KUNIO『エンジェルス・イン・アメリカ』
  10/20-23自由学園明日館 講堂
  ≪京都、東京≫
  第1部「至福千年紀が近づく」/第2部「ペレストロイカ」
  ☆脚本:トニー・クシュナー 翻訳:吉田美枝 演出・美術:杉原邦生
   整理番号付自由席 一般3,300円 学生・25歳以下2,800円
   【セット券】一般¥4,800 学生・25歳以下¥3,800(前売りのみ)
   上演時間:第1部 約3時間50分/第2部 約4時間30分
    http://www.festival-tokyo.jp/program/AngelsInAmerica/
    ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=29342
   日本人の演出家が、合計8時間を超える2部作連続上演を手掛けるのは
   本邦初のことだそうです。米国人演出家作品(2007年)のメルマガ号外↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0325134802.html

 ○バナナ学園純情乙女組『バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!』
  10/26-11/01シアターグリーン BIG TREE THEATER
  ≪京都、東京≫
  ☆構成・演出・振付・出演:二階堂瞳子  
   前売2,500円/当日2,900円 その他いろいろ
    http://www.festival-tokyo.jp/program/BANAGAKU/
    ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=30181
   ちょっぴり危険覚悟で劇場へGO!前回&昨年レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0625135816.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1124130513.html


 ●チケットはF/Tオンラインチケットサービスでどうぞ。
   http://festival-tokyo.jp/ticket/
   ※会員登録が必要です。

 ・シンポジウムや映像上映会なども開催されます。
   http://festival-tokyo.jp/program/index03.html
  「なにもない空間からの朗読会」(無料)の開催日も要チェック!
   http://www.festival-tokyo.jp/program/Nanimonai/

 ・公式ツイッターをフォローしてお得な情報をGET!
  フェスティバル/トーキョー:http://twitter.com/festivaltokyo
 公募プログラム:http://twitter.com/FTram ←ゆるキャラ炸裂♪

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 ◆4 【ちょっと気になるイケメン舞台~作・演出のスタッフにも注目!~】
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 ◎初めての試みなのですが、気になるイケメン舞台を4本ご紹介します。   

  若くてカッコイイ男の子たちが出演する舞台は首都圏に多数あります。
  イケメン通でない観客にとっては、どれも似通ったものに見えるかも
  しれません。でも脚本家、演出家などのスタッフに注目してみると、
  「これは見逃せない…!」と思っちゃう公演もあるのです♪

 ○ネルケプランニング『少年探偵団』
  10/05-16青山円形劇場
  ☆出演:佐藤永典 阿久津愼太郎(D2) 岩義人 鯨井康介 根岸拓哉(D2) 
      平井浩基 石倉良信 細見大輔
   原作:江戸川乱歩『怪人と少年探偵』 脚本:石井幸一(一徳会/K・A・G)
   演出:中野成樹(中野成樹+フランケンズ)
   前売・当日共 5,000円
    http://www.nelke.co.jp/stage/shonen-tanteidan2011/
   中野成樹+フランケンズの中野さんが演出!円形劇場ですし、想像通りの
   “乱歩の少年探偵団”に収まらないはず♪ ↓参考レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1003180406.html

 ○TBS『美男(イケメン)ですね』
  10/08-20赤坂ACTシアター
  ≪東京、神奈川、大阪、福岡≫
  ☆出演:北山宏光(Kis-My-Ft2) 内博貴 宮田俊哉(Kis-My-Ft2) 高畑充希
      玉置考匡 真野恵里菜 市川しんぺー 竹井亮介 植田裕一 藻田留理子
      猫背椿 松澤一之 高橋ひとみ
   脚本・演出:福原充則(ピチチ5/ニッポンの河川/ベッド&メイキングス)
   S席 ¥8,500 A席 ¥7,500
    http://www.ikemen-desune.com/
   韓国ドラマが日本でリメイクされ、今度は演劇に。原作ものとはいえ
   脚本・演出が福原充則さんなので、いい意味で危険な香り!↓参考レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1105123237.html

 ○ワタナベエンターテインメント『D-BOYS STAGE 9th
  「検察側の証人~麻布広尾町殺人事件~」』
  10/15-23青山劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:瀬戸康史 五十嵐隼士 柳下大 荒木宏文 橋本汰斗 堀井新太(以上D-BOYS)
      平田敦子 有福正志 若杉宏二 高橋愛美 馬渕英俚可
   原作:アガサ・クリスティー 脚本:鈴木哲也 飯島早苗 演出:鈴木裕美
   S席:7000円 A席:6000円
    http://www.d-boys.com/d-boysstage2011/index.html
   A・クリスティーの推理小説の舞台を昭和初期の日本に置き換えています。
   脚本に鈴木哲也さんと飯島早苗さん、演出に鈴木裕美さんとは手堅い布陣。
   前作『ヴェニスの商人』↓が面白かったので、D-BOYSの皆さんにも期待。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0508000515.html

 ○Studio Life『音楽劇「夏の夜の夢」「十二夜」』
  10/22-11/08紀伊國屋ホール
  ≪東京・新宿、大阪、新潟、東京・亀有、韓国≫
  ☆出演:笠原浩夫、関戸博一、岩﨑大、及川健、青木隆敏、松本慎也
      曽世海司、林勇輔、石飛幸治、坂本岳大(客演) 他
   脚本:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子
   上演台本・作詞・演出:倉田淳 
   前売・当日共 一般5,700円 学生 Lifeシート¥4,000(当日精算)
   劇団会員割引などあり。
    http://www.studio-life.com/stage/nights2011/index.html
   男優集団の元祖とも言える劇団スタジオ・ライフ。好評だった
   シェイクスピア戯曲2本の再演です。台本・演出に同劇団ならではの
   解釈がほどこされた、元気いっぱいの音楽劇。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0921182820.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1103204131.html
   美術・衣裳を宇野亜喜良さんが担当されますので、
   新作同様に変化しそうですね。『夏の夜の夢』は一部ダブルキャスト。

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 ◆5 【お薦め前売り情報 チェルフィッチュ『三月の5日間』】
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 ◎岡田利規さん率いるチェルフィッチュの代表作『三月の5日間』が
  首都圏で5年振りに上演されます!
   http://chelfitsch.net/
  世界中(27都市)で上演され続けて、とうとう100回目なんですね。

 ○チェルフィッチュ『三月の5日間』
  12/16-23 KAAT神奈川芸術劇場・中小スタジオ
  ≪熊本、神奈川≫
  ☆出演:山縣太一 松村祥子 武田力 青柳いづみ 渕野修平 鷲尾英彰 太田信吾
   作・演出:岡田利規 音楽演奏:サンガツ(熊本公演のみ出演)
   ※熊本公演初日12/9(金)には100回公演記念パーティーが開催されます。
    http://chelfitsch.net/next_performance/

  『三月の5日間』は2004年初演。第49回岸田國士戯曲賞受賞作↓です。
   http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/review49.php
  今どきの若者言葉でつづられた脚本とダンスのような独特の身体表現。
  私は初演で感動し、再演時には六本木の会場に何度も通いました。
  2007年12月大阪公演レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1212150053.html
  2006年3月東京公演レビューまとめ↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0324120402.html
  2004年初演レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0525002641.html

  前売一般3500円は破格!若者向け割引も太っ腹!高校生以下は1000円!!
  ご家族、お友達、恋人を誘ってぜひ観に行っていただきたいです。
  ※私個人としては、鑑賞年齢は中学生以上推奨。

 ≪チケット情報≫
  一般発売:2011年10月15日(土)~
  前売一般3500円、当日一般4000円
  シルバー割引3000円、U24チケット1750円、高校生以下割引1000円
  【KAme(かながわメンバーズ)先行発売】10月9日(日)~15日(土)
   http://www.kaat.jp/pf/chel35.html

  ※2012年4月~5月にKAAT神奈川芸術劇場で上演される新作の
   出演者(女性1名)オーディションが開催されます。
    http://chelfitsch.net/news/post_89.html

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 ◆6 【編集後記】
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 ◎先月から今月にかけて、高校演劇地区発表会の審査員をさせて
  いただいております。そのため観劇本数が増えています。
  1日7本は大丈夫でした。9本の日はどうなるか…限界に挑戦です。
  現役の高校生の皆さんと触れ合うことができて、とても嬉しいです。
  オリジナル戯曲の作品を観ると、親の影響が非常に大きいなと感じます。


 ◎「しのぶの演劇レビュー」内の原発事故関連エントリー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0804134402.html
  首都圏の放射能汚染について国の公式な発表↓が出てきました。
   http://www.asahi.com/national/update/0929/TKY201109290441.html
  東京都、神奈川県の測定は終わっており、発表を待つ段階です。
  放射性物質とともに暮らすことになるとは、全く想像していませんでした。


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
  「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html

  【NHK BSプレミアム】10月1日(土)午後11時30分~午前4時10分
   『たいこどんどん』作:井上ひさし 演出:蜷川幸雄
   『父と暮せば』作:井上ひさし 演出:鵜山仁
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

  【NHK BSプレミアム】10月9日(日)午前0時~4時
   サイトウ・キネン・フェスティバル松本2011から
   バレエ『中国の不思議な役人』&歌劇『青ひげ公の城』(バルトーク)
   指揮:沼尻竜典(中国の不思議な役人)/小澤征爾(青ひげ公の城)
   演出・振付:金森穣
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

  【WOWOW ライブ】10月22日(土)22:00~
   大人計画ウーマンリブ『サッドソング・フォー・アグリードーター』
   出演:松尾スズキ 宮崎あおい 田辺誠一 岩松了 ほか
   作・演出:宮藤官九郎
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075514/index.php


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2011年9月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「ランウェイ☆ビート」←田中圭さんが救い。
    http://www.runbea.jp/pc.html
  ・「毎日かあさん」←夫婦のキャスティングの時点ですでに大勝利。
    http://kaasan-movie.jp/
  ・「京都太秦物語」←田中壮太郎さんに何度も爆笑。
    http://www.ritsumei.ac.jp/eizo/kyotostory/
  ・「紙風船」←岸田國士戯曲を現代に置き換えた上質の短編集。
    http://kamifusen-movie.com/
  ・「婚前特急」←広告からは想像できない番狂わせ多発で面白い。
    http://konzentokkyu.com/


 ◎ツイッターやってます!フォロワー2800人超えに感謝♪
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  情報収集はもっぱらツイッター頼りです。
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
  最近は震災・原発事故関連の公式リツイートが多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
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  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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