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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年04月27日

ナイロン100℃『神様とその他の変種』04/17-05/17本多劇場

 ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの新作、ナイロン100℃の劇団本公演です。毎月のようにケラさんの芝居を観ているような気がします(←少々おおげさ)。

 「こんなにハイペースで作品を発表されると、観る方だって結構大変なんですよ~!」なんて言いたくなる気持ちをすっ飛ばす、素晴らしい作品でした。上演時間は約3時間(途中休憩10分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『神様とその他の変種

 ≪あらすじ≫
 三階建ての古い家屋に暮らすサトウ家の人々。ほぼ不登校になっている息子ケンタロウ(みのすけ)と、過保護な母親(峯村リエ)。義理の母(植木夏十)はボケはじめており、夫(山内圭哉)は見かけとは裏腹に、妻に従順なタイプのようだ。
 向かいにある小さな動物園の飼育係(大倉孝二)と、隣に住むおしゃべりな主婦(長田奈麻)もたびたび家を訪れる。新しい家庭教師(水野美紀)が来る日、たまたまケンタロウの担任教師(藤田秀世)もやってきていた。
 ≪ここまで≫

 不毛の荒野に建った、屋根のない牢屋のような教会で、不器用な神々がおろおろ、ヨロヨロと、なんとか踏ん張りながら生きていました。それぞれに夢を見て、挫折して。
 私は何度も大笑いして、何度も涙を流しました。ケラさん、すごすぎる。とってもお勧めです。全席指定6,800円なら安いと思っちゃう。
 オープニングも衝撃的でした。色々観てきたつもりですが、宇宙遊泳をしているような心地がしたのは初めて。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 ケンタロウ(みのすけ)はクラスメイトの鈴木幸男君の顔を木の棒で殴り、前歯を2本折る大怪我をさせました。幸男の両親(山崎一&犬山イヌコ)が乗り込んでくるのですが、サトウ家の夫婦(山内圭哉&峯村リエ)は息子は悪くないし謝る必要もないと言い放ちます。それも全く動じず、悪びれずに。

 登場人物たちは、誰もがわがままでものすごく不器用で、笑っちゃうほどみっともない人々でした。それは私を含む現代日本人だと思います。
 どうしたらいいかわからないから、謝る。ただひたすら、謝る。願いなんて叶うわけはないし、特に強い望みがあるわけでもないから、他人の言うことを全て聞いて、言うとおりにする。やられたらやり返さない。やられっぱなしにして、そのままやり過ごそうとする。他人はお金を渡せば言うことを聞いてくれるから、何でもお金で解決しようとする。それでも平穏に生きていけないなら、邪魔な他人を殺してしまう。

 祖母(植木夏十)が死んでから言った遺言「またカレーかよ!」をケンタロウ(みのすけ)が言った時、なんとも言えない気持ちになって泣けてきました。人間はみんな絶望的に愚かなんだけれど、大勢でバカ話をして笑いあったりできるなら、それは単純に楽しいし幸せです。

 何もかもが明るみに出てしまった後、皆は祈ります。生きている息子(ケンタロウ)に、自殺した息子(鈴木幸男)に、未来の自分に。祈りって誰に対してでも、何に対してでも、同じですね。だったら祈る対象はすべて神なんだと思います。

 語り部で預言者でもある神様(廣川三憲)は、浮浪者で下着泥棒。
 家の中にだけ、たたきつけるように雨が降り、誰もがびしょぬれになる中、終幕。

ナイロン100℃33rd SESSION "GODS AND FREAKS" ≪東京、愛知、大阪、広島、福岡≫
出演:犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、大倉孝二、廣川三憲、長田奈麻、藤田秀世、植木夏十、水野美紀、山内圭哉、山崎一、猪岐英人、白石遥
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 音楽:朝比奈尚行 美術:BOKETA 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:水越佳一〔モックサウンド〕 映像:上田大樹 荒川ヒロキ 衣裳:前田文子 ヘアメイク:武井優子 演出助手:相田剛志 舞台監督:宇佐美雅人(バックステージ) 大道具:唐崎修(smile stage) 音楽助手:鈴木光介 歌唱指導:安澤干草 ステージング:長田奈麻 映像助手:大鹿奈穂 記録スチール:引地信彦 大道具製作:C-COM舞台装置 テルミック 美術工房拓人 小道具:石﨑三喜(高津映画装飾) 特殊効果:糸田正志(特効) 宣伝美術:雨堤干砂子(wagon) 宣伝写真:江隅麗志 宣伝衣裳:堀口健一(フロムアップ) 宣伝ヘアメイク:山本絵里子 浅沼靖 宣伝ヘアメイク協力:MAKE UP FOREVER プロデューサー:高橋典子 制作:仲谷正資 北里美織子 太齋志保 佐々木悠 永田聖子 広報宣伝:米田律子 製作:北牧裕幸 企画・製作:シリーウォーク キューブ
全席指定6,800円
http://www.sillywalk.com/nylon/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:39 | TrackBack

2009年04月26日

【お知らせ】『ミュージカル「UMOJA(ウモジャ)」』の作品紹介文を書かせていただきました。5/29(金)より前売り開始!

 2009年9月19日(土)~23日(水・祝)に赤坂ACTシアターで上演される『ミュージカル「UMOJA(ウモジャ)」』について、作品紹介文を書かせていただきました。

 「UMOJA」2004年版では、すごく感動したのでメルマガ号外を発行したんです。その時のレビューはかなり興奮気味(笑)。どなたにでもお勧めしたいミュージカルです。

 チケットは全席指定で9,500円と、前回よりお買い得価格なんです。一般発売開始は5/29(金)で、ただいまイープラスでプレオーダーの受付が始まっています。
 ※6/12(金)18:00までにペア券(19,000円)を購入された方には、南アフリカ産オリジナルワインが付いてきます。

 ご興味の沸いた方はぜひお早めにご予約を!躍動感がすごいので、なるべく良い席でご覧頂きたいです。私は9/19(土)初日の19:00開演の回に伺う予定です♪

 ⇒イープラス内『UMOJA』公式サイト
 ⇒CoRich舞台芸術!『UMOJA

 作品紹介文は公式サイトの他に、光藍社が発行した会員向けDMと、ただいま配布中のチラシに掲載されています。
 光藍社のDM↓はサイズが大きい!左が新聞、右がDMです。
UMOJA_DM1.JPG

 左指で示した部分が紹介文です。結構な面積!がんばって書いたので嬉しいです~。
UMOJA_DM2.JPG

 6/12(金)まで配布されるチラシは↓
UMOJA_flyer1.JPG

 A4が3枚分の大きさ↓で、とっても豪華! 
UMOJA_flyer2.JPG

 私の文章が掲載されたページ↓のデザインは、公式サイトも同じです。よかったらご覧下さいませ。
UMOJA_flyer3.JPG

世界の音楽が生まれたアフリカ発の壮大でパワフルなステージ「UMOJA~THE SPIRIT OF TOGETHERNESS~」上演時間:約150分 ※字幕解説付き
製作:トッド・トワラ&テンビ・ニヤンデニ 振付:トッド・トワラ 衣装:テンビ・ニヤンデニ プロデューサー:ジョー・テロン 主催:TBS/朝日新聞社/光藍社/イープラス
公式サイト:http://eplus.jp/umoja/
光藍社:http://www.koransha.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:29 | TrackBack

メルマガ号外 キレなかった14才♥りたーんず『すご、くない』(振付・構成・演出:白神ももこ)

 キレなかった14才♥りたーんず『すご、くない』
 04/18-05/06こまばアゴラ劇場
 ※公演詳細はこちら
 ※同企画の他の演目のレビュー⇒

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 ⇒シアターガイドWEBの特集
 ⇒CoRich舞台芸術!『すご、くない

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.39  2009.4.26 1,399部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎キレなかった14才・りたーんず『すご、くない』
  04/18-05/06こまばアゴラ劇場
  ☆出演:川崎香織 池田義太郎 石松太一 重岡漠 清水嘉邦 千田英史
   振付・構成・演出:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)
    http://kr-14.jp/
    http://kr-14.jp/kr-14web/sakuhin.html#shiraga
   モモンガ・コンプレックス『初めまして、おひさしぶり。』レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0117202546.html
   『初めまして・・・』舞台写真↓
    http://d.hatena.ne.jp/momonga_complex/20090125/1232902708


 ◎観劇後のコメント◎

  『すご、くない』の振付・構成・演出を手がける白神ももこさんは、
  モモンガ・コンプレックスというダンス・カンパニーを主宰されています。
   http://d.hatena.ne.jp/momonga_complex/

  今年1月の『初めまして、おひさしぶり。』に続き、今作品でも
  私はあまりに感動して、終演後はしばらく席から動けませんでした。
  いっぱい笑って、優しくされて、心の底から癒されました。

  登場するのはゆるゆると動く、普段着の若い妖精(?)たち。
  出演者の持ち物(個性)をそのまま生かしつつ、さらに魅力的に見せて、
  舞台で起こることを、偶然目撃した面白い出来事のように感じさせてくれます。

  白神さんはダンサー・振付家ですが、演出力が群を抜いていると思います。
  開場時間のまったりムードから、おどけた前説を経て、
  ゆるりと開幕へと導くさりげない手腕もさすがです。

  演劇、ダンス、パフォーマンスといったジャンルの線引きなど忘れて、
  普段の自分のままで観て、感じればOK!老若男女問わず、
  何も考えずにリラックスして楽しめる、幸せな時間になることと思います。

  ※座席は背もたれのないベンチシートですが、上演時間が約1時間ですので
   負担なく観られると思います。残すは4ステージです。

   4/28(火)19:30~
   4/30(木)14:00~
   5/3(日・祝)16:00~
   5/6(水・祝)12:00~

 【チケット情報】

  日時指定・全席自由・整理番号付

  [休祭日・平日夜]
  一般:予約2,500円 当日2,800円
  高校生以下:予約・当日共1,000円
 
  [平日昼割引]
  一般:予約2,000円 当日2,500円
  高校生以下:予約・当日共1,000円

  ネット予約ページ↓
  https://sv68.xserver.jp/~481engine/481engine.com/rsrv/pc_webform.php?d=bc640fd1f9&s=&PHPSESSID=95d03ad259cbe99f6d23d29b6da697f1

 【お問い合わせ】

  キレなかった14才・りたーんず制作室
   TEL:りたーんず電 080-3712-4414
   http://kr-14.jp

  ※【キレなかった14才・りたーんず】は、
    6名の若手演出家による6つの新作を、ランダム上演する企画です。
    演出家は1982年生まれが5人と、1984年生まれが1人。

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 ◆ 【編集後記】
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 ◎2009年2度目のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0125021311.html


 ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ただいま開催中!
   http://stage.corich.jp/festival2009/index.php
  審査員をつとめさせていただきます。


 ◎「まぐまぐ大賞2008」にて、当メルマガが
  エンタメ部門約3000本中の15本に選ばれました!
   http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/ent.html


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  2008年のお仕事のまとめはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0106181111.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

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 ◆ 【このメルマガについての注意事項(号外説明文を少々変更)】
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 今回の配信は“号外”です。
 メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。

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 メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
 発行人:高野しのぶ
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 まぐまぐ:http://www.mag2.com/

 Copyright(C)2004-2009 MTR standard corporation. All rights reserved.
 許可無く転載することを禁じます。

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※企画全体の上演期間:4/16~5/6
【出演】少女:川崎香織 ぽっちゃりさん:池田義太郎 I LOVE NYのTシャツ:石松太一 メガネさん:重岡漠 坊主頭さん:清水嘉邦(SpaceNoid) おかっぱの青年:千田英史(Rotten Romance)
振付・構成・演出:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)  企画:柴幸男(青年団演出部)・篠田千明(快快)・中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:富山貴之 音響:星野大輔 イラスト:きたがわゆう 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:40 | TrackBack

2009年04月25日

MCR『シド・アンドウ・ナンシー』04/22-26駅前劇場

 MCRは櫻井智也さんが作・演出(出演も)される劇団です。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として観に行きました(⇒応募内容)。
 昨年の「CoRich舞台芸術まつり!2008春」に続き、最終審査の10団体に選ばれています。

 今までに私が拝見したMCR作品の中で、一番好きです。上演時間は約1時間35分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『シド・アンドウ・ナンシー
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より。
 「俺さ、毎日300グラムずつ太っていくんだよ。どれだけ食べても何も食べなくても」
 久しぶりに会った友人は笑いながらそう言った。続けて「だから、いつか死ぬと思うんだ」と呟き、俺の「誰でもいつかは死ぬでしょ」という返事には答えもせず「迷惑はかけないから」と部屋に上がり込むと布団で口を抑えてくしゃみを二度した。
 「死にたくないなあ」と笑う友人の横に座る彼女であろう人物に「あなたも同じ病気ですか?」と質問したらビンタで返答されたりして、でも友人は「そいつヤクザなんだから、殺されちゃうよ」って笑いながら注意をしたあと「死にたくないなあ」ってもう一度呟いた。
 毎日300グラムずつ太っていつか破裂でもして死ぬであろう友人と、関係なく太っている友人の彼女と、来週に控えた抗争中の組長襲撃で恐らくは死ぬであろう俺の「笑えもしない事を笑って食いつなぐ」お話。
 ≪ここまで≫ 

出演:櫻井智也 おがわじゅんや 北島広貴 上田楓子 江見昭嘉 福井喜朗 渡辺裕樹 小野紀亮 伊達香苗 中川智明 辰巳智秋(ブラジル)  石澤美和
脚本・演出:櫻井智也 舞台監督:金安凌平 舞台美術:袴田長武(鴉屋) 照明:久保田つばさ(M Light) 音響:平井隆史(末広寿司) 宣伝美術:GEWGAW 撮影:メリケンサック 制作:丸山かおり(MCR)/MCR プロデューサー:八田雄一朗(MCR) 企画・製作:MCR
【発売日】2009/03/20 前売3,300円、当日3,500円
http://www.mc-r.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:29 | TrackBack

2009年04月24日

キレなかった14才♥りたーんず『学芸会レーベル』04/21-05/04こまばアゴラ劇場

 【キレなかった14才♥りたーんず】の4本目です(他作品のレビュー⇒)。柿喰う客の中屋敷法仁さんの新作です。上演時間は約1時間15分。

 青年団、快快、ひょっとこ乱舞などと、柿喰う客の見事な“コラボ”というか(笑)。こまばアゴラ劇場に中屋敷ワールドが元気いっぱいに繰り広げられました。老若男女問わず楽しめる娯楽作になっているのではないでしょうか。

 ⇒シアターガイドWEBの特集
 ⇒CoRich舞台芸術!『学芸会レーベル

 ≪作品紹介≫
 みゆき先生(伊東沙保)が幼稚園に戻ってきた。彼女は1年前にある事件を起こし、園から追放されていたのだが・・・。
 ≪ここまで≫

 役者さんがぴょんぴょん飛びながら人形みたいに登場するオープニングが可愛いくて、すんなり作品に入っていけました。あぁ、中屋敷作品ではじめて最初から気持ちよかった気がする(笑)。

 早口すぎてところどころ聞き取れないんだけど、そんなの気にしてられない!どんどん先へ先へと進んでいく大急ぎの展開に、誘われるがままに付いて行きました。
 客席に向かって大きな声で語り、細かい振付をどんどんこなしていく役者さんたちの、そのがんばりを見るだけでも退屈はしません。セリフまわしや動きが達者な役者さんだからこそ、成立させられるものだよなと思います。

 幕開けから色々と盛りだくさんですが、メインは学芸会。学芸会(つまり演劇)は誰もが何にでもなれる、つまり夢がかなうので、参加した子供は誰もが幸せになれるのです(・・・というだけでは終わらないのですが)。演劇の効能について演劇で示すという王道も、ギャグ満載の形式でガッチリ固めることで、いやみなく伝わってきました。

 ただ、こんなにすっきりと楽しめるなんて・・・私には不満(笑)!すみません、自分勝手で。グサっとショックを受けたり、むずむず考えさせられたりしたいですね。柿喰う客カラーに慣れすぎなのかしら。

 終演後のトークのおかげで、中屋敷さんにとってのこの作品の位置づけがわかり、すごくすっきりしました。
 観客からの質問がとても面白くて、しかも勉強になるものが多く、楽しかったです♪質問された皆様、ありがとうございました!

 ここからネタバレします。

 ダニエル君(今村圭佑)のぬぼーっとした演技が可笑しいです。これもまた計算済みなんですね。

 終幕はカーテンコールの拍手を挟んだ後、オープニングと同じ動きで役者さんが退場していきました。「この作品自体が学芸会だった」という入れ子構造にしてくれて良かった。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ ※下記はメモしたことの覚書程度。言葉は正確ではありません。
 出演(下手より):中屋敷法仁 三澤さき 永島敬三
 
 中屋敷「今回はセルフ・プロデュースをしない方向で作っています。今までは『パルコに行きてーっ!コクーンでやりてーっ!』といった気持ちを、作品(演出)の前面に出していた(笑)。でも今回は、この企画のメンバーからの要望もあり、観客にこびたりせず、自分の原体験から作品作りをした。」

 中屋敷「僕は幼稚園で“フック船長”を演じて、ものすごく楽しかった(一生懸命やった)ので、それが今でも続いている感じ。ふわふわしてるんです(つまり、現人生自体が学芸会である状態)。」

 観客「神話や諸星大二郎(漫画家)の世界に通じるものがあった気がする。現実では呪文なんて実在しない(ことになっている)けれど、物語(神話など)の世界では、呪文に絶対的な力がある(歌やおゆうぎで他人を動かすシーンは、それに通じる)。」

 観客「使われた“呪文”は比較的可愛いらしいもので、怖いものはなかったように思う(例:エンガチョ等)。」
 中屋敷「呪文といってもいたずら程度のもので、人を陥れる方法は入れないようにしました。悪い魔法はダメ。小学校に上がるといじめなどが出てくるので、幼稚園程度のものにした。(劇中に出てきた)“まねっこ”は愛なんです。自分よりも下に見ているの人(下等だと思う対象)の真似はしないものだから(つまり、いじめとは、自分よりも下等なものを作って、それを陥れようとするものである)。」

 観客「装置がマトリックスみたい。」
 中屋敷「僕としては原稿用紙のつもりです。虚構の世界なのでマトリックスだと捉えるのも合ってますよね。」

※企画全体の上演期間:4/16~5/6
出演:伊東沙保 今村圭佑(Mrs.fictions) 荻野友里(青年団) 川口聡 川田希 大道寺梨乃(快快)  武谷公雄 田中佑弥 永島敬三 三澤さき
作・演出:中屋敷法仁(柿喰う客)  企画:柴幸男(青年団演出部)・篠田千明(快快)・中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:富山貴之 音響:星野大輔 衣裳協力:飯田裕幸 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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劇団コーヒー牛乳『男の60分 -東京場所-』04/22-29江古田ストアハウス

 劇団コーヒー牛乳は柿ノ木タケヲさんが作・演出される劇団です。作品を観るのはこれで3度目。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として観に行きました(⇒応募内容)。

 愛知県で開催中の演劇博覧会「カラフル3」参加のために作った新作の、東京凱旋公演です。5月2~4日の「カラフル3」2nd.stageのへの進出も決まっています。上演時間は約1時間10分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『男の60分 -東京場所-』★CoRichでカンタン予約!
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 母が亡くなり久しぶりに実家へと帰ってきた「俺」。
 セミの音のとどろく夕暮れに、ふと少年の日を思い出す。
 仲間と遊んだ野原、無茶して溺れた川、無性に冒険心を掻き立てられた山。
 当時とは変わってしまったもの、けして変わらないもの。
 そして母への想い。
 ≪ここまで≫

出演:西川康太郎、石黒圭一郎、鈴木ハルニ、伊藤今人、中山貴裕、渡辺毅、持永雄恵
脚本・演出:柿ノ木タケヲ 舞台監督:大畑豪次郎 音響:佐藤春平 照明:宮崎正輝 衣裳:車杏里 題字・写真:高円寺是盛 撮影:和知明 制作:浅倉良徳 吉田千尋 企画・製作:劇団コーヒー牛乳
前売り2500円、当日3000円 割引:大学・専門学校生 2000円 高校生以下 0円(各回限定数のみ、通常2000円) その他、割り引きあり。未就学児童入場不可。
http://www.coffee-milk.com

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2009年04月23日

劇団6番シード『テンリロ☆インディアン』04/18-26東京芸術劇場小ホール2

 劇団6番シードは松本陽一さんが作・演出される劇団です。同劇団の作品はずいぶん前に一度観たのですが、作・演出家が変わったんですね。
 「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として観に行きました(⇒応募内容)。

 『テンリロ☆インディアン』はBOYS、GIRLSの2バージョン公演。それぞれが一部ダブルキャストになっているので、全部で4バージョンあります。出演者数は同じですが登場人物の職業が違うので、ストーリーも違ったものになっているのかも。私はBOYSの①バージョンを拝見しました。上演時間は約2時間5分。 

 ⇒CoRich舞台芸術!『テンリロ☆インディアン
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より。
 アメリカ合衆国、カンザス州・・・
 留置所に送り込まれた「9人の日本人」
 拘留期限は3日間、9人が留置所で導き出した、「10人目のインディアン」の真相とは・・・。
 ≪ここまで≫

 4/22(水)14:00の回に伺ったら、終演後にスペシャルイベント(約30分間)がありました。イベントに参加した後、帰りにタオルをいただきました。

200904221731000.jpg

出演:平川洋祐 山口征秀(B-Box) 小沢和之 牧島進一 (Studio Life) 土屋兼久 樋口靖洋【ダブルキャストB1】 須藤大輔【ダブルキャストB2】 藤堂瞬(ダブルアップエンタテインメント) 小林祐介【ダブルキャストB1】 武野内康寛【ダブルキャストB2】 妹尾伸一 WEZ
脚本・演出:松本陽一 舞台監督:松本翠 舞台美術:青木拓也 照明:榊原大輔 照明助手:寺田香織 音響:岡村崇梓 音楽:shige(空感) 宣伝美術:佐瀬勉 宣伝写真:nogaproject 制作:劇団6番シード
【発売日】2009/02/14 [前売]一般3500円、LOVE6会員3300円、BoysGirlsチケット(一般)5000円、BoysGirlsチケット(LOVE6会員)4800円 [当日]3800円、学割2500円(高校生以下、学生証提示)
http://www.6banceed.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:36 | TrackBack

映画「愛のむきだし」04/23新宿K's cinema

 映画に詳しいお友達に「今年のベストワンが、もう出ちゃいました(笑)」な~んて言われて、観に行かないわけにはいかず、園子温監督の映画「愛のむきだし」、とうとう観て来ました。上映時間は237分(約4時間)。途中に10分間休憩が入ります。⇒Yahoo!映画

 面白かった~・・・。「なんてこった!(笑)」の連発。驚いて、笑いながらあきれて、感心して、映画が終わった時に涙がこみ上げてくる。ゆらゆら帝国の「空洞です」がヘビーローテーション中。たまんないッス。

 新宿K's cinemaで明日4/24(金)までです。11:30~15:50の回のみ。

原題: LOVE EXPOSURE
製作年度: 2008年
監督: 園子温 上映時間: 237分
キャスト:西島隆弘 満島ひかり 安藤サクラ 他

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:00 | TrackBack

2009年04月22日

キレなかった14才♥りたーんず『14歳の国』04/21-05/04こまばアゴラ劇場

 【キレなかった14才・りたーんず】を観に、またまたこまばアゴラ劇場へ(他作品のレビュー⇒)。宮沢章夫さんの戯曲『14歳の国』(⇒1998年公演情報 ⇒演劇◎定点カメラ)を杉原邦生さんが構成・演出されます。

 ゲネプロ(本番同様に行うリハーサル)を拝見。菅原直樹さんに目がクギ付けでした。感想は控えます。
 ⇒シアターガイドWEBの特集
 ⇒CoRich舞台芸術!『14歳の国

14歳の国
14歳の国
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宮沢 章夫
白水社
売り上げランキング: 254538
20090421_KR14_flowers.jpg
KUNIOからのお花。「14」になってますね。

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 12年前、同年齢の少年Aが起こしたあの事件に衝撃を受けた。それはもちろんそうだったけれど、あの<教室>という空間で友だちと、先生と、事件の話をした、あのとき、ボクらにはどこかで「14歳である」という共同体意識が生まれ、なにか事件が起きたことへの<達成感>みたいなものに満たされていたんじゃなかったか。そのことに先生は気付いていたんじゃないか。
 気持ち悪かった。いや、気持ち良かった。気持ち良かったんだと思う。
 ≪ここまで≫

※企画全体の上演期間:4/16~5/6
出演:真田真 菅原直樹 山崎皓司(快快) 鈴木克昌 小畑克典(青年団)
作:宮沢章夫 演出:杉原邦生(KUNIO/こまばアゴラ劇場<サミット>ディレクター)  企画:柴幸男(青年団演出部)・篠田千明(快快)・中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:伊藤泰行 富山貴之 音響:星野大輔 高橋真衣 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/kr-14web/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:19 | TrackBack

InnocentSphere『ゲニウスロキ-GeniusLoci-』04/19-26シアタートラム

 西森英行さんが作・演出されるInnocentSphere(イノセントスフィア)の再演作です(⇒初演レビュー)。会場は新宿シアターモリエールからシアタートラムへ。

 装置はもちろん演出も大幅に変わり、新たなシーンも追加されていたようです。上演時間は約1時間55分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ゲニウスロキ
 レビューは途中まで。最後までアップできるかどうか不明。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。改行を変更。
 主人公カズミ(狩野和馬)は 新宿御苑に突如出現した巨大な穴から、地下空間へと入り込む。そこで見たものは、果てしなく続く地下戦争だった……。
 一方、地上では満月の夜に起こる「月夜の死者」による連続殺傷事件が世間を騒がせていた。カズミは弟ユウタ(間野健介)のブログに不可解な記述を見つけ、ユウタと事件との関係を疑い始める……。
 決死の攻防、毒手の男(三浦知之)、ミカド(黒川深雪)と呼ばれる片腕の謎の少年……襲い来る闇の化身たちから逃れ、カズミはユウタを救い出すことができるのか!?
 ≪ここまで≫

 InnocentSphereは紀伊國屋サザンシアターでの公演経験もある人気劇団ですから、シアタートラムでの公演も手馴れたもので、空間が埋まっていないとか、使いこなせていないといった印象は皆無。

 ここからネタバレします。 

幻想ひしめくサイコミステリー
出演:狩野和馬 倉方規安 坂根泰士 日高勝郎 足立由夏 黒川深雪 三浦知之 間野健介 八敷勝 こうのゆか 中田真弘 伊藤優 一青妙 廣野未樹(Unit woi) 久野一洋(劇がく杜の会) 北島宏章 北見ユリ 城戸啓佑 小林一恵 近藤エジソン(エスプレイング) 斉藤みのり(ハーツエージェント) 鈴木宏幸 西本高広 前田龍宏 遊佐邦博
脚本・演出:西森英行 舞台監督:横尾友広 照明:斎藤真一郎 音響:天野高志 選曲:高橋秀雄 楽曲:MITSUU 舞台美術:松本わかこ 大道具製作:イトウ舞台工房 衣装:村瀬夏夜 ヘアメイク:泉淑 宣伝美術:冨田中理 スチール:坂田峰夫 撮影:テアトルプラトー 協力:RIDEOUT ㈱ハーツエージェント エスプレイング 田中浩補 制作:横内里穂 柳悠美 竹内啓史 中田豪一 四十八願智子 筧尚子 デザイン:風見尚子 賄い:田村幹代
【発売日】2009/03/07 前売3,500円 当日4,000円 学割2,500円 プレビュー・平日マチネ割引3,000円(前売のみ) 世田谷区民 3,400円 劇場友の会会員 3,300円
http://www.innocentsphere.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:15 | TrackBack

2009年04月20日

キレなかった14才♥りたーんず『少年B』04/19-05/06こまばアゴラ劇場

 先日に続き、【キレなかった14才♥りたーんず】を拝見。『少年B』は青年団演出部の柴幸男さんの作・演出作品です。

 男優4人の他に、本物の14歳(厳密には15歳?)の女優さんが出演されていました。上演時間は約1時間15分。

 ⇒シアターガイドWEBの特集
 ⇒CoRich舞台芸術!『少年B

 ≪あらすじ≫
 男が中学生の頃を回想する。お笑いコンビを組んでいた友人、ちょっと気になるクラスメートの女子、合唱の練習・・・。
 ≪ここまで≫

 色んな演出が施されているので、単純な回想劇にはなっていませんでした。中学生男子の生態が可愛らしく、滑稽に、そしてリアルに描かれていて(実体験に基づいてそうだし)、女子の私には新鮮(笑)。でもそんなに興味は持てなかったですね~。これまた私が年を取ってるからかしら。女子だからかしら。

 企画名にもなっている“14才”が、作劇の大事な要素になったのでしょうね。今企画に参加している6人の作・演出家は、自分自身について掘り下げていく方向に進んだ方が多かったのでしょうか。できれば他の4作品を観て確かめたいです。

 ここからネタバレします。

 大人になった姿(ローソンの店長)で不良だった中学時代の演技をするなど、過去と現在とが重なっていきます。

 玉井くん(玉井勝教)の、「宇宙人は人間の皮を被って地球に生息しており、徐々に自分が宇宙人であることを忘れていく。すっかり忘れてしまった時、宇宙人である中身と人間の皮がくっついて、普通の人間になる」という考え方が面白かったです。だったらずっと宇宙人のままでいたいな~。

 最後は合唱曲をみんなで歌って終幕。岡部くん(岡部たかし)と井上さん(井上みなみ)が並んで歌う様子は、リアルに30代と10代の男女にも見えるので、可笑しいような苦々しいような。幕が下りる時の暗転の長さが心地よかったです。でも岡部くんが自室のふとんの中で考えているシーンの暗転は、私には長すぎました。 

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(下手より):篠田千明 柴幸男 白神ももこ

 柴さんの「女子が不良と仲良く話すのはルール違反だ」発言は可笑しかった。でも女子は、かっこいい男子なら誰でもいいんじゃないかな(笑)。そっか、だからルール違反なのか。不公平ですね、人生は。

 合唱された曲は松井孝夫さん(Wikipedia)作詞・作曲の「明日へ」だそうです(「はばたこう明日へ」じゃないのかな)。柴さんが最初に使おうと考えていた「マイバラード」も、有名な合唱曲なんですね。私は合唱コンクールなんてなかった世代だからか(地域の問題?)、全然知らなかったです。

※企画全体の上演期間:4/16~5/6
【出演】女子:井上みなみ ラーメン屋:大柿友哉(害獣芝居) ぼく:岡部たかし 宇宙人:玉井勝教 お母さん・不良:山田宏平(山の手事情社)
作・演出:柴幸男(青年団演出部) 企画:柴幸男(青年団演出部)・篠田千明(快快)・中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:伊藤泰行 富山貴之 音響:星野大輔 高橋真衣 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/kr-14web/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:05 | TrackBack

2009年04月19日

Blue Shuttle Produce Axle『BANANA FISH』04/18-19新国立劇場 中劇場

 吉田秋生さんの人気漫画「BANANA FISH」の舞台化です。2005年にも拝見したのですが、劇場が大きくなっているので再び伺いました。「BANANA FISH」好きなんですよね~。脚本・演出はAxle(アクサル)の吉谷光太郎さん。

 ジャンルはイケメン芝居に入ると思うのですが、客席には意外と男性も多く、年配の方もいらっしゃいました。上演時間は約3時間強(途中10分の休憩を含む)。終演後のイベントには参加しませんでした。長くて疲れちゃったし・・・。休憩が10分っていうのは短すぎると思います。

BANANA FISH REBIRTHオフィシャルガイドブック
吉田 秋生
小学館
売り上げランキング: 89001

 ⇒CoRich舞台芸術!『BANANA FISH

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 「死を招く魚・・・BANANA FISH」
 1973年、ベトナム。一人の兵士が銃を乱射し同僚を射殺した。
 「バナナフィッシュ…」最後に謎の言葉を残し彼は廃人と化した。
 …1985年、ニューヨーク。IQ200の知能に超一級の戦闘能力をあわせもつ少年アッシュ・リンクス。
 暴力と抗争に血塗られた街でストリート・キッズを束ねるアッシュと日本から来たごく普通の少年、奥村英二の運命的な出会い。
 2人にはバナナフィッシュをめぐる巨大な陰謀との戦いがせまっていた。
 少女漫画の枠を超え、あらゆる世代に感動と共感を呼び起こした吉田秋生の傑作コミック「BANANA FISH」を舞台化。
 陰謀、抗争、友情、孤独、裏切り、救済、死…アメリカを舞台に描かれる少年たちの戦いと友情の日々。
 ≪ここまで≫ 

 前回は、長い物語をよく1本の芝居にまとめているなぁと思ったのですが、今回は、もっとエピソードを絞った方が良いんじゃないかと思いました。原作に忠実であればあるほど、「アッシュらが危機に陥り、なんとか窮地から脱出する」ことの繰り返しになるんですよね。それらがスピーディーに展開するので、単調に感じてしまいました(もちろん危機の種類も、問題解決方法も様々なんですが)。
 何年もかけて連載された漫画なので、やっぱり難しいですよね。魅力的な登場人物ばかりですから、もっと1人ひとりに時間を取って、人間関係をじっくり描いてもいいんじゃないかと思いました。

 マイクでエコーがかかって、セリフがとても聞こえづらかったです。大音量の音楽が流れる時はほとんど全滅でした。もったいない・・・。

 ここからネタバレします。

 最初のダンスは長すぎる気がしました。ファンの方へのサービスなのかもしれませんが。
 お笑いのシーンがかなりの割合で挟み込まれていて、ないよりある方がいいとは思いましたが、長すぎる・・・。長いこともちゃんとネタにはされていましたけどね。それもまた関西風ってことなのかしら。

 英二が手紙の内容を独白する中で、アッシュは静かに息を引き取りました。おふざけがなくて良かった。

≪大阪、東京≫ Blue Shuttle Produce AXLE 第10回公演
【出演】アッシュ・リンクス:柄谷吾史 奥村英二:宮下雄也(RUN&GUN) ディノ・F・ゴルツィネ:酒井高陽(劇団M.O.P.)  マックス・ロボ:田中照人 伊部俊一:山本健史 ショーター・ウォン/ラオ・イェン・タイ:古川貴生 フレディック・オーサー:加藤巨樹 ケイン・ブラッド:武原広幸 李月龍(ユーシス):田渕法明 アントニオ・ジェンキンズ:日ノ西賢一 チャールズ・ディキンソン:坂口修一 プランカ:横山敬 シン・スウ・リン:小野賢章 李王龍/李華龍/ドクター・マナーハイム:谷省吾 エドアルド・L・フォックス:タイソン大屋 マーピン:斉藤崇 スキップ/アスラン:山田諒 ストリート・キッズ、他:林明寛 ストリート・キッズ、他:江口紘一
原作:吉田秋生「BANANA FISH」(小字館文庫刊) 脚本・演出:吉谷光太郎 監修:BS文芸部 演出補:佐々木智広(afro13) 音楽:石田雄一 振付:江良健二 殺陣:奥住英朗(T.P.O) 舞台美術:柴田隆弘(株式会社LOG) 舞台監督:北澤佳奈子(株式会社LOG)  照明:西崎浩造 音響:児島塁(Quantum Leap*)/とんかつ音房 公演・パンフレット衣裳:永田浩典(iroNic ediHt DESIGN ORchestra)/森田赳明 小道具:kK工房 宣伝美術:黒田武彦(sandscape) 宣伝写真:大久保啓二 制作:瀬戸憲一 大西千保 プロデューサー:砂岡誠 企画・製作:Blue Shuttle
【発売日】2009/03/01 前売 7,000円 当日7,500円(全席指定・税込)※未就学児のご入場はお断りいたします
http://www.blue-shuttle.com/axle/stage.shtml

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:15 | TrackBack

2009年04月18日

【スナップ】新国立劇場演劇『シュート・ザ・クロウ』FRIDAY PUB@新国立劇場小劇場ロビー

20090417_FridayPub_board.JPG
FRIDAY PUB

 ただいま新国立劇場で上演中の『シュート・ザ・クロウ』では、毎週金曜日のソワレ終演後(20:45-21:30)に、FRIDAY PUB(フライデー・パブ)が開店しています。
 劇場ロビー内に、誰でも自由に入れる飲食スペースができたのは、新国立劇場開場以来、初めてのことのようです。

 お芝居は既に4/11(土)に観ていたのですが、どうしても新国立劇場に出来たパブに行きたくて、4/17(金)のパブ開店時刻を見計らって行ってみました。残すは4/24(金)です。

 ⇒演劇情報サイト・ステージウェブに写真あり
 ⇒Nuts about Theater(2009/04/20追加)
 ⇒CoRich舞台芸術!『シュート・ザ・クロウ

 ロビーの中にイスとテーブルが並べられ、電飾付きのフラッグも立ってる!「わ~っ、楽しそう~!」っと思うやいなや、ビュッフェ前の席で偶然、お友達を発見!ラッキー!!
 一緒にギネス・ビールを飲みながら、お芝居の感想を話し合いました。「あの役者さんが良かった(悪かった)」「脚本家のマカファーティーさんはトークでこんなことを言っていた」「音響がいい」などなど。楽しかった~♪

 缶のGUINNESSを、自分でグラスに注いでいただきます↓
20090417_FridayPub_Guinness.JPG

 いつも1人で観劇してるので、こんな機会ってあんまりないんですよね~(大・中劇場では)。これからも開いてくれるなら、新国立劇場には誰かと一緒に行きたくなっちゃうな~。ビールもいいんですけど、できればソフトドリンクもあったら嬉しいですね。公演コンセプトに合ったスペシャルな飲み物を♪ ←わがまま放題

 ※残念ながら、出演者サイン入りタイル抽選会には間に合わなかったんですが(私はその日のチケットがないので絶対に当たりませんが)、こんなご感想も。来週は改善されるといいですね。

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Posted by shinobu at 23:04 | TrackBack

GaiaDaysFunctionBand『中也が愛した女』04/15-19赤坂RED/THEATER

 古城十忍さんが作・演出されるGaiaDaysFunctionBandの三人芝居です。チラシの写真が素敵なのですごく気になっていました。

 初演は2005年。中原中也と小林秀雄、そして彼らが愛した女のお話。女1人、男2人の役者さんが約1時間50分しゃべりっぱなしでした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『中也が愛した女

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 二人の文学青年、中原中也と小林秀雄。
 そして一人の女優志願の女、長谷川泰子。
 波乱に満ちた三人の人生は、
 文学史に残る「奇怪な三角関係」で幕が開く……。
 ≪ここまで≫

 時代は大正末期から昭和初期の数年間。史実にもとづいた男女3人の激しい愛を描きます。
 客席を向いての説明ゼリフあり、内面を吐露する独白あり、役柄同士で対話するシーンあり。とにかく膨大なセリフが語られていきます。その分、セリフのない時間の豊かさや色っぽさが際立ったように思いました。

 熱い恋愛の話だけれど、性的なことを露骨に描くのは、敢えて避けた脚本・演出のようでした。でも、これは個人的な好みなのかもしれないですが、2人の文豪に愛された女には、もっとエロティックな魅力を漂わせてもいいんじゃないかと思いました。死の匂いさえまとったような、抗いがたい妖艶さとか、好きなんですよね~(←やっぱり自分の好みなだけかも)。

 中也の詩ってやっぱりかっこいいですね。頭の中でひらがなや漢字を思い浮かべて味わいました。

 ここからネタバレします。セリフは完全に正確ではありません。

 長谷川泰子は父が吐血死した現場、母親の自殺未遂現場も目撃した、不幸な幼少時代を過ごしています。彼女が潔癖症になったり、中也に猛烈に愛されたりするのは、彼女の体からそういった経験がにじみ出ているからなんじゃないかと思います。そのあたりが感じられなかったのは残念。

 「いけるとこまで、いきますか」っていいですね。昔の人も自由に生きてたんだよな~と、思い出したような気分になりました。私だって「とりあえず、いけるとこまで」という気持ちで、飛び込んでいいんですよね。

出演:山田キヌヲ(長谷川泰子役) 池上リョヲマ(中原中也役) 溝渕隆之介(小林秀雄役)
脚本・演出:古城十忍 美術:礒田ヒロシ 照明:磯野眞也 音響:角張正雄 衣裳:宮本尚子 舞台監督:今井聰 宣伝写真:馬場龍一郎 宣伝デザイン:GaiaDaysFunctionBand 制作:岸本匡史、佐藤優子 プロデューサー:宮本尚子 企画製作:GaiaDaysFunctionBand  後援:中原中也記念館
【発売日】2009/02/14 全席指定 4,000円 学生 2,500円(要学生証)※未就学児童はご入場いただけません。
http://www.chuyagaaishitaonna.com/
http://www.gaiadaysfunctionband.com/gdfb/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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2009年04月16日

【オーディション】サンプル「2009年秋の新作・出演者募集オーディション」5/31郵送〆切

 松井周さんが作・演出されるサンプル出演者募集です。サンプルは「フェスティバル/トーキョー09秋」に新作を発表されるんですね。ご興味ある方はぜひ。

 ・サンプル新作「フェスティバル/トーキョー09秋」参加作品
  2009年11月6日(金)~15日(日)
  @東京芸術劇場小ホール
  作・演出:松井周

【サンプル新作 出演者募集要項】
■応募〆切:2009年5月31日(日)消印有効
■募集人数:若千名
■オーディション日程
 ・一次書類審査
 ・二次ワークショップ審査(会場:都内)2009年6月19日
 ・三次ワークショップ審査(会場:都内)2009年6月20日
 ・四次ワークショップ審査(会場:都内)2009年6月21日
 ・決定通知 6月末
■応募資格
 ・年齢、性別、国籍不問
 ・心身ともに健康な方
 ・オーディション、9月中旬~の稽古と公演期間の全てに参加できる方。
 ・応募方法
  ①サンプル公式サイトより申込用紙(word)をダウンロードの上、
   全身写真、バストアップ写真(3ヶ月以内に撮影したもの)を添えて
   以下住所まで送付してください。
  ②書類審査合格者には6月7日までに電話で連絡致します。
  ③不合格者にはメールでご連絡致します。
  ④二次ワークショップ審査の参加費として1,000円を会場でお支払いください。

■書類郵送先
 〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷5-16-4-402(有)quinada宛
■問い合わせ先
 問い合わせはメールでお願いします → samplenet(アットマーク)gmail.com
※E-mailのみでのお問い合わせとさせていただきます。
※郵送のみ受け付けます。持参、E-mailでの提出はご遠慮下さい。
※内容に不備がないようにお願いします。

サンプル:http://www.samplenet.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 23:25 | TrackBack

キレなかった14才♥りたーんず『アントン、猫、クリ』04/16-05/04こまばアゴラ劇場

 【キレなかった14才♥りたーんず】は、6名の若手演出家(1982年生まれが5人と1984年生まれが1人)の作品をランダム上演する企画です。
 本日はこの企画の初日。トップバッターの篠田千明さんの作品を鑑賞しました。男女1名ずつの2人芝居で、上演時間は約50分。

 この企画の参加者が作った雑誌「りた→んず」(800円)もロビーで売っています。新宿のジュンク堂書店でも販売されているそうです。

 ⇒シアターガイドWEBの特集
 ⇒CoRich舞台芸術!『アントン、猫、クリ

 ≪あらすじ≫
 マンションに暮らす若い女。ときどきアントンという猫がやってくるので、たまに餌をあげている。下の階には若い男が暮らしている。
 ≪ここまで≫

 乱暴にひとことで言ってしまうと、ダンスと演劇が融合した作品だったと思います。でも私にはダンスも演技も中途半端に見えて楽しめず。映像は最初は楽しめたんですが、繰り返すのが退屈で・・・。2人の役者さんはすごくがんばってらっしゃるな~とは思いました。

 狭い部屋のごくごくプライベートな出来事が、実は広い宇宙の普遍性につながる可能性がある、ということには反論の余地はありません。でも、今日の舞台にいた“集合住宅の住人、またその周辺の人々”に、私は興味が持てなかったですね。だから自分の内面にも潜れなかったし、宇宙にも飛べませんでした。役者さんが汗をかいて息を切らしていても、作品全体が内側に閉じている気がしました。

 篠田さんがトークでおっしゃっていたんですが、「ゲネプロ(本番同様に上演するリハーサル)が初通し稽古だった」そうで、まだまだこれから伸びる作品なのでしょうね。次の上演は1週間後なので、様変わりしているかもしれません。でもそれって、初日を観た私にはすごく残念なんだけど・・・。

 ≪ポストパフォーマンストーク≫
 出演(舞台下手より):中屋敷法仁、篠田千明、杉原邦生

 いきなり質疑応答から。「初日が開けたばかりのところで、隣りの仲間たちにいろいろ言われるとムカついちゃうから」という理由(篠田)。お客さん、いっぱい質問されてました。
 でもトークも内輪なムードで、なんだかがっかり。私が年を取ったからかもしれませんね。若者の盛り上がりに冷めてしまうのは。

※企画全体の上演期間:4/16~5/6
出演:カワムラアツノリ(初期型) 中村真生(青年団)
作・演出:篠田千明(快快) 企画:柴幸男(青年団演出部)・篠田千明(快快)・中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:伊藤泰行 富山貴之 音響:星野大輔 高橋真衣 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/kr-14web/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:57 | TrackBack

劇団昴ザ・サード・ステージ『親の顔が見たい』04/14-19シアターサンモール

 『親の顔が見たい』は鶴屋南北戯曲賞の最終候補になった戯曲です。渡辺源四郎商店の畑澤聖悟さんが『猫の恋、昴は天にのぼりつめ』に続いて、劇団昴に書き下ろされました。2008年の初演から数えて早くも3演目。2演目は「NHKシアター・コレクション'09」に選ばれた公演でした。

 上演時間は1時間40分。なんと開演時刻を1時間まちがえて(涙)、40分遅れての入場になってしまいました・・・ごめんなさい。

 ⇒「教師しながら劇作家 畑澤聖悟作品、東京で相次ぎ上演」(朝日新聞)
 ⇒CoRich舞台芸術!『親の顔が見たい

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 都内カトリック系私立女子中学校会議室。そこに集まる保護者達。彼らは、いじめを受けて自殺した生徒の遺書に名指しされた、加害者の親たちである。
 それぞれ、年齢も、生活環境も、職業も違う親達は、真実の究明をよそに我が子を庇護することに終始する。怒号飛び交う会議室。子供達のいじめを通して、それぞれの親達の「顔」が浮き彫りになる。
 青森を拠点に活動を続ける、気鋭・畑澤聖悟。現役高校教師が描く渾身の意欲作、待望の再演!
 ≪ここまで≫

 後半の1時間ぐらいしか観てないのですが、一応感じたことを。

 いじめの加害者の親たちを描いているのが、まずとても面白いですよね。親は子供を守ろうとする。では、どうすれば子供を守れるのか。
 本当のことを正直に認めればいいのでは・・・という結論に達するのかと思いきや、そこにもまた疑問が生まれるのがいいなと思いました。

 映画『トウキョウソナタ』を観た時と同じ感想なんですが、親と子のコミュニケーションがなさすぎますよね。もっと仲良くなってもいいのにな~と、舞台の上の人たちをふんわり眺めていました。もっと笑えるシーンを増やしてもいいのでは、と思いました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 自殺した生徒の通夜に行くかどうかを話すシーンで終幕。「いずれ行くだろうけど、まだ行けない。裁判になるだろうから(罪を認めたり謝ったりすると、裁判で不利な証拠になりかねないから)」という判断は、なんとも息苦しいですよね。

 ≪トークショー≫
 出演:畑澤聖悟 永井誠(新聞配達所の職員を演じた役者さん)

 観客の質問に面白おかしく答えてくださった畑澤さんのおかげで、楽しいトークでした。でも司会が何も準備してないのって良くないですよね。ゲストに頼りっきりのように見えました。

 畑澤「いじめの原因は人間の悪意ではないと思う。いじめとは誰かを自分よりも下位に置き、そのことを大人数(いじめる側)のコンセンサスにして、自分のことを守ろうとする行為ではないか。」

劇団昴ザ・サード・ステージ
出演=西本裕行 小沢寿美恵 姉崎公美 宮本充 林佳代子 大坂史子 田村真紀 金房求 星野亘 落合るみ 市川奈央子 永井誠 ※北村昌子が急病で降板。4/15より代役は小沢寿美恵。
脚本=畑澤聖悟 演出=黒岩亮 美術=柴田秀子 照明=古宮俊昭 衣装=竹原典子  音響=藤平美保子  舞台監督=井上卓 演出助手=河田園子  宣伝美術=真家亜紀子 写真=梅原渉  制作=演劇企画JOKO/劇団昴 協力=渡辺源四郎商店/劇団青年座 主催=劇団昴  協賛=(財)現代演劇協会
3月5日(木)前売開始 一般=5500円  大学生以下=3500円 ペアチケット(男女不問)=10000円 ※14日初日はオープニングチケットデー(一律3500円)となります。 ※学生・ペアチケット・オープニングチケットは劇団のみ取扱い。
http://www.theatercompany-subaru.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:46 | TrackBack

松竹『赤い城 黒い砂』04/11-26日生劇場

 蓬莱竜太さんがシェイクスピア作品をもとに脚本を書き下ろし、栗山民也さんが演出を手がけます。岸田國士戯曲賞を受賞した『まほろば』のペアですね。主演は歌舞伎俳優の片岡愛之助さん、中村獅童さん、そしてヒロインに黒木メイサさん。スタッフ、キャストともにとても豪華な公演です。

 1,358席の大劇場の、ご年配の方も多い客席で、さすがは松竹(株)のプロデュースだなぁと安心して鑑賞できる“娯楽演劇”でした。もちろん何も考えずに済むようなお手軽な作品ではなく、人間の争い(戦争)について、苦い気持ちにもさせられました。上演時間は約3時間(途中20分の休憩を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『赤い城 黒い砂

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。改行を変更。
 草原が広がる大地に二つの国があった。赤い国と黒い国。二つ国は絶えず戦争を繰り返していた。
 黒い国には、「黒い国の獅子」と謳われる二人の英雄がいた。冷静沈着な男ジンク(片岡愛之助)、自信家のカタリ(中村獅童)。二人は無二の親友として育ち、戦場では目を見張る活躍ぶりを見せていた。
 赤い国には、その勇猛さから「赤い国の魔女」という異名を持つ女がいた。王女ナジャ(黒木メイサ)。
 戦場で刀を交わす三人。ナジャの美貌とその剣技の美しさに配奪われるカタリ。運命の出会い。
 そこへ、突然の閃光 -訪れる静寂- 赤い国の兵器により、黒く焼き爛れた大地。そうして三人は、荒れ狂う運命に巻き込まれていく-
 ≪ここまで≫

 衣裳は赤、黒、青、白、緑(差し色)といった原色で、登場人物の背景を非常にわかりやすく示してくれています。装置も赤や黒の旗などで色分けして、そのシーンの状態(2つの国の情勢)が一目でわかります。

 登場人物の立場も個性もはっきりしていて、独白も多いし、ミュージカルになったらすごく面白いんじゃないかな~と思いました。2つの国の戦争を舞台にした、数年間にわたる男女の愛憎の物語は、とてもドラマティックですし。
 「二人の貴公子」だけではなく、他のシェイクスピア作品を思い出させるエピソードが数多くあり、それも面白かったですね。なんとも上手くまとまった脚本だと思いました。

 役者さんでは、ナジャの腹違いの姉を演じた馬淵英俚可さんが素晴らしかったです。中村獅童さんは役が当て書きなのか、とてものびのびしてらっしゃいました。魅力のある方だと思います。

 ここからネタバレします。

 ナジャ(黒木メイサ)は2人の男の間で揺れ動くはずなのですが、そのようには感じられず。ロングスカートを着ての殺陣は大変だと思いますが、ミスして欲しくないな~。さやが裾にからまったりしてました。獅童さんが終盤の大事なシーンで剣を落としちゃったり。残念でした。

 牢番の娘(南沢奈央)のろいで兵士が倒れていく、ファンタジーのような展開は意外で面白いです。疫病と聞いて、すぐに生物兵器を思い浮かべてしまいました(それだと怖すぎますよね)。

 武器商人モト(中嶋しゅう)はただ1人だけ青い衣裳を着ており、最後は赤い国の上に青い旗がバサっと落ちてきます。武器はただの道具じゃなくて生き物だよなぁと思いました。

≪東京、京都≫
出演:片岡愛之助 黒木メイサ 中村獅童 南沢奈央 馬淵英俚可 中嶋しゅう 田口守 中山仁 瀬戸摩純 川上彌生 井上恭太 児玉真二 西條義将 小椋毅 古山憲太郎 津村知与支 松原美穂 大野梨栄 中島愛子 松村沙瑛子 斉藤直樹 原田みのる 永田治 宮田幸輝 野口俊丞 齋藤裕亮 横山光一 平野亙 村岡弘之 嶋田翔平 芦原由幸 六本木康弘 山田貴之(パーカッション生演奏)
※津嘉山正種が急病のため降板。代役は中山仁。クジャ王役:津嘉山正種 → 中山仁
W.シェイクスピア/J.フレッチャー作「二人の貴公子」より 脚本:蓬莱竜太 演出:栗山民也 美術:松井るみ 照明:服部基 音楽:甲斐正人 効果:内藤博司 衣裳:前田文子 振付:夏貴陽子 アクション:渥美博 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:川畑秀樹 舞台監督:姉帯修司 中島幸則 水戸部雅史 制作事務:桐ヶ谷香 制作:松本康男 真藤美一 伊東羊介 吉田実加子 製作:松竹株式会社
【発売日】2009/02/28 S席-9,500円/A席-6,500円/B席-3,000円
http://www.shochiku.co.jp/play/others/090411/index.html

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Posted by shinobu at 17:33 | TrackBack

新国立劇場演劇『最後の炎』4/15、4/18、4/22新国立劇場小劇場

 『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』に続いて、無料リーディング公演『最後の炎』を拝見しました。上演時間は約1時間45分。
 すっごく刺激的で面白い戯曲でした。朗読の王道でありつつ演出も雄弁で良かった~♪ぜひ本格的な上演を観たいです。どなたか上演してくださ~い!大変そうだけどっ!(笑)

 番外連続リーディングは、新国立劇場のシリーズ・同時代【海外編】のスペシャルイベントの1つで、3演目(『昔の女』(⇒レビュー)『シュート・ザ・クロウ』(⇒レビュー)『タトゥー』)のいずれかのチケットがあれば入場可(無料)。チケット1枚で複数作品が観られます。
 5月の『タロットカードによる五重奏のモノローグ』には、新国立劇場演劇研修所第4期生が出演されるそうです。

 今は『シュート・ザ・クロウ』が上演中で、金曜日の夜の終演後は誰でも入れるパブも開店しています。凄いな~新国立劇場。印象が変わってきました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『最後の炎

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 人間の深層を静かに見つめ、詩的なリアリズムで語る作風が高い評価を得ている女性劇作家デーア・ローアー。08年に発表された『最後の炎』では、交通事故をきっかけに偶然知り合った男女の愛のゆくえが、コロスを駆使した斬新な文体で鮮烈に描かれている。ミュールハイム戯曲賞など多くの賞を受賞。
 ≪ここまで≫

 幕開けがいきなり凄くて、頭がくらくら。先が読めないストーリーに、長い独白。「私たちは」と語り始めるコロスのセリフも大量です。
 リーディング公演で泣くとは思わなかった・・・・いえ、それも感動じゃなくて、衝撃で。恐ろしくて、色っぽくて。劇作はデーア・ローアーさん。5月に上演される『タトゥー』もローアーさんの作品です。ものすごく楽しみになりました。

 出演者は『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』と同じく新国立劇場演劇研修所の3期生です。透き通るような存在感で、明晰な日本語を語ってくれました。役者独自のくせが少ないので、色んな役ができそうだな~と思います。
 14人中8人が出演されているので、おそらくオーディションがあったのですよね。そういうシビアな環境は研修生にとっては良いことなのではないでしょうか。それが俳優という職業の現実ですものね。
 ルートヴィヒを演じた若菜大輔さんの声がとてもきれいで(私の個人的な好みかもしれませんが)、もっとしゃべって欲しいと思っちゃいました(笑)。

 ここからネタバレします。

 交通事故で8歳の息子を失ったルートヴィヒ(若菜大輔)とズザンネ(鈴木良苗)。ルートヴィヒの愛人カロリーネ(熊坂理恵)を通じて、事故の一部始終を目撃した元兵士ラーベ(金成均)とズザンネが出会います。

 「光(ひかり)」というセリフで何度かショックを受けました。「光」と言われた瞬間に、それまで語られていた物語が“光”へと凝縮されて輝いたように感じました。私の命だって一瞬の光に過ぎないという実感もありました。

 最後はもともとの配役にしばられず、全員が色んな役のセリフを次々と語っていきました。壮絶で、悲しくも美しいこの物語の登場人物は、世界中の誰か(私)であると感じられました。

新国立劇場2008/2009シーズン
出演:新国立劇場演劇研修所研修生3期生 【登場人物・配役】ズザンネ(妻):鈴木良苗 ルートヴィヒ(夫):若菜大輔 ローズマリー(祖母):辻村優子 エドウナ(女性警官):渡邉樹里 カロリーネ(元教師):熊坂理恵 オーラフ(殺人者):長元洋 ペーター(オーラフの友人):竹田桂 ラーベ(元兵士):金成均 その他の登場人物:私たち(語り手)/エドガー(死んだ子供)/ヴュルガー・フンボルト(犬)
作:デーア・ローアー 翻訳:新野守広 演出:森新太郎 衣裳アドバイザー:田中光子 舞台・照明・音響操作:新国立劇場技術部 シアターコミュニケーションシステムズ レンズ 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000180_play.html

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Posted by shinobu at 12:50 | TrackBack

2009年04月14日

東京ノーヴイ・レパートリーシアター スタジオ旗揚公演『イワーノフ』04/13-19東京ノーヴイ・レパートリーシアター

 下北沢でレパートリー上演をし続けている東京ノーヴイ・レパートリーシアターが、2008年春に新たにスタジオ(研究所)を設立したそうで、その旗揚げ公演に伺いました。⇒ワークショップレポート

 チェーホフの初期作品『イワーノフ』をスタンダードな演出で観てみたいとも思ってたので、いい機会でした。上演時間は約2時間20分(途中休憩15分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『イワーノフ

 ≪あらすじ≫
 ニコライ・イワーノフは憂鬱に取り付かれている。お金はないし、妻は病気だし。
 ≪ここまで≫
 
 『イワーノフ』は4幕劇。3幕と4幕の間に休憩がありました。どんなお話なのかがわかって良かったです。次はコメディとして観たいですね。
 
 スタジオ所属の役者さんは昨年春からお稽古を始められたとすると、アニシモフさんの演技指導を受けてまだ1年ですよね。レパートリーシアターの役者さんと比べるのは酷なことだとは思いますが、やはり見劣りするのは否めず。

 ただ、今作品については演技よりも、演出が私には合わなかったですね。ささやき声が小さすぎて大げさだし、自分の内面を忠実に語っているのだとしても、あんなに大勢の人がいる前で、みんながみんな自分だけに語りかけるのはおかしい気がしました。
 全体的に内側へ、内側へと向かっていて、観客(私)は無理やりその中を除き見しなければいけない状態でした。誘導してくれるのではなく、致し方なく。

 演技がおぼつかない部分は演出でカバーすることもできると思います。美術、照明、音楽、衣裳、振付など、手立てはあるんじゃないかしら。でもそれは、劇団が目指すものとは違うのかもしれませんね。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 最後の最後、ウェディングドレスを着た娘が父親に向かって「自分は自分の道を行くから放っておいて」というシーンで、初めて笑えました。向こう見ずで自分のことしか見えていない、愚かな若者像がリアルでした。

 転換の時にメイド2名がゆーーーっくりと家具を動かすのが不快。短いフレーズを延々と繰り返す音楽が何より苦痛でした。

TNRT the 1st STUDIO旗揚げ公演
出演【14日の19:00】イワーノフ:横田拓伸 アンナ:金井裕子 シャベリスキー:竹内浩一 ボールキン:山本悠生 レーベジェフ:柿沼慶典 サーシヤ:南早希 ジナイーダ:岡崎朋代 リヴオーフ:久保直也 ババーキナ:川田朗子 アヴドーチャ:滝浪陽子 召使:槐奏子 召使:長尾雅世
脚本:アントン・チェーホフ 日本語訳:松下裕 演出:レオニード・アニシモフ
前売2500円 当日3000円
http://www.tokyo-novyi.com/

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Posted by shinobu at 23:25 | TrackBack

2009年04月13日

【インタビュー】栗山民也ロングインタビュー『ミュージカル「マリー・アントワネット」』ドイツ・ブレーメン公演②

 に引き続き、栗山民也さんにドイツのミュージカル創作現場について、具体的にお話いただきました。劇場を取り巻く環境はもちろん、作り手のスタンス、観客の意識も日本とは違うようです。

 ⇒〔〕〔このページ〕〔〕〔4〕
 ⇒劇場公式サイト(音が鳴ります)
 ⇒公演公式サイト(※Musikをクリックすれば、曲を視聴可能)

■ブレーメン到着翌日に100人の前でプレゼンテーション
―ドイツの舞台創作現場で、栗山さんが体験したことをお聞かせください。約2ヶ月間のブレーメン滞在だったんですよね?

栗山「去年の12月6日に行って2月3日に帰ってきたので、計57日間ブレーメンに居ました。宿泊する部屋に着いたのが夜10時で、その翌日の朝10時から顔合わせ。もう時差とかなんとか言ってられない(苦笑)。
 顔合わせには俳優約50人とスタッフ、劇場の人も含めて100人ぐらいが集まっていました。その100人の前で一番初めに「はい、これから演出家のプレゼンテーションです」と言われて。始まった途端に1時間半、話すことになりました。そういうシステムなんですね。作品について、どんな姿勢でやるのかを全員に宣言するんです。演出家の次は美術家、照明家、衣裳家・・・とプレゼンが続きました。演出家よりは持ち時間は短いけどね。
 顔合わせの後は装置の打ち合わせをしました。装置家はイギリス人で、稽古に入る前にロンドンで2日間ほど話はしていたんですが、何しろ全部で26場ぐらいありますからね、そうたやすく出来る装置じゃないんですよ。その日一日をめいっぱい使って、何時間も装置家と話をして。そしたら翌日から立ち稽古ですって言われて。」

―え!いきなり立ち稽古ですか?
栗山「そう、いきなりそう言われてね(苦笑)。でも「ちょっと待ってくれ」って言って1日だけ猶予をもらって、全スタッフを集めて作品全体の流れを確認し合いました。だからその次の日からですね、立ち稽古に入ったのは。」 ↓会見写真

actor_and_creative.jpg

■朝と夜に2回の稽古。その間に4時間の休憩がある
―稽古スケジュールについて具体的に教えてください。
栗山「朝10時から午後2時まで稽古して、4時間休憩して、夜の6時から10時までまた稽古というシステムでした。『(俳優の)組合の力が強いので、スケジュールは必ず守ってください』と言われて。初めはすごく戸惑いましたね。」

―なぜ4時間も休憩があるんですか?
栗山「特に北ドイツでそういう時間帯になっているようです。ドイツは16の州からなった連邦制の国家ですから、16州それぞれの法律、政治形態があって。ミュンヘンなどの南ドイツの都市ではまた違うシステムのようです。
 ドイツは離婚率が世界一高い国らしく、母子家庭、父子家庭が多いんですね。だから夕方の4時間の内に子供を迎えに行って、家で夕食を食べさせて、また仕事に行くとか。そういうライフスタイルが反映されているんでしょう。」

―栗山さんはその4時間の休憩の時、何をしていらしたんですか?
栗山「午後2時にいったん開放されるものの、それまでには15分間ぐらいの休憩しか取らないんです。しかも稽古場の集中力たるや、ものすごいエネルギーでしょ。だから4時間でへとへと。休憩時間になったら昼食を取って、2時間ぐらいはぼーっとしてた(笑)。そしてまた夜の稽古が始まる・・・2ヶ月の稽古を2回やったぐらいの感覚ですよ。日本の稽古場みたいな生ぬるさは、全くないですからね。」

■劇場稽古の期間は2~3週間
―日本とは違って、ヨーロッパでは劇場に入ってからの稽古期間が長いと聞きました。
栗山「劇場稽古の期間はプレビュー(4日間)を入れて、2~3週間ありました。稽古のために劇場が空けられているんです。劇場での稽古で、作品はどんどん変わっていきましたね。」

―“海外公演を体験すると、演出家は日本のスタッフがいかに優秀かがわかる”というエピソードを何度か耳にしたのですが、ブレーメンではいかがでしたか?

栗山「僕が現地のスタッフに向かって『なぜ今すぐできないの?』『さっき言ったでしょ?』と言うことはありました。すると彼らは『僕らはそんなに急いで作ってないんだ』って言うんです。あるドイツ人スタッフが言っていました。『僕は日本に行ったことがあって、2日間の仕込みでオペラの幕を開けることができた。僕らの方式を取っていたら、幕は開かなかったかもしれない。日本人スタッフは驚くほど機敏に働いてくれて、とても感謝している。でも、日本の現状では、そうせざるを得ないのでしょう。』と。
 ドイツでは準備期間があるので、劇場で自由に稽古をやっていいんです。彼らは、劇場での稽古で新しい発想が生まれて、芝居がより良くなればいいと考えている。つまり稽古場が劇場に移っただけで、まだ稽古中なんだと。」

■プレビュー最終日に装置が突然停止
―何かトラブルはなかったですか?
栗山「最後のプレビューの日、第1幕の終わりで突然バトンが止まって、装置の吊り物が動かなくなったんです。場面転換が一切できない。休憩時間に協議した結果、2幕からはコンサート形式でやることになりました。演出家としては非常に難しいところでしたが、俳優たちがすごくやる気でね。『ここまでドラマを観てくれた観客を帰すわけにはいかない』と。彼らは観客を守るんです。コンサート形式になっても観客は誰も帰りませんでした。終演したのは夜12時頃。凄い拍手だった。もちろんチケットは全て払い戻しです。
 スタッフはその後から北ドイツ中に連絡を取って、色んな手配をして、初日の公演にバッチリ間に合わせてくれました。俳優も今までの力を出し切って、すごい集中力でしたね。」 ↓プレミアのカーテンコール  ⇒初日映像レポート(東宝)

MA_premiere.jpg

■観客は劇場の一員。文化は日常生活の中で動いている。
―公立の劇場がミュージカルをプロデュースし、しかも4ヶ月のロングラン公演を実施するなんて、日本では想像も出来ないことだと思います。でも、ブレーメンの人口は54万人ですよね(ex.東京都世田谷区は83万人)。4ヶ月間も観客が集まるものなのですか?

栗山「正確なことはわかりませんが、チケットは売れているようです。ドイツは鉄道が発達していて、観客は色んな地域からやって来るんですよ。俳優も、ドイツのさまざまな地域から集まっていました。」

―ドイツの公立劇場にはそういった地盤が整っているということなのでしょうか?
栗山「公立劇場のあり方として当然のことですが、住民の税金で劇場が成り立っているわけだから、劇場は住民のものなんですよ。彼らはそこで上演される作品を評価すべきなんですよね。俳優、スタッフと同じように、観客(住民)は鑑賞するという形での劇場の一員なんです。だから、幕が開くのを心待ちにしている。」

―ブレーメンで暮らす人々や客席に集まった観客が、そういう意識を持っていると感じられたのですか?
栗山「もちろんです。(この作品の幕が開くのを)待ち構えていましたからね(笑)。ブレーメンは小さいですが、いわゆる中世の都市でとってもいい街なんですよ。『街を挙げてこの作品を守ろう、成功させよう』といったポスターが、いたるところに貼ってありました。
 僕はアーティスト・レジデンスの一角のアパートを借りていました。つまり劇場の中に住んでいたんです。窓を開けると劇場へ行くお客さんや、稽古場に向かう俳優が通っていく。だからつぶさに見ましたね、劇場がいかに街の人々によって支えられているのかを。文化は日常生活の中で、動いているものなんだってことをね。」

■クビを切るのは当たり前
―街を挙げての大プロジェクトなんですね。
栗山「例えば日本のように『来年の3月公演はどうする?』と、劇場の空き状況をきっかけに創作が始まるのではないんですよ。まず作品があって、完成形が出来上がる時期を見据えて、公演期間を決める。充分な準備期間を確保してね。そして作品に関わる人間と劇場が一体となって、数年後のその時に向かって、動いていくんです。」

―関わるアーティストの意識も相当に高いものになるのではないかと想像します。逆に言うと、公演の失敗は許されないというか・・・。

栗山「俳優はもちろん、ヨーロッパではスタッフもいわばオーディションで選ばれているんです。作品についてプレゼンをして、ダメなら落とされます。今までのキャリアなんて関係ない。だからその熱の入れようはハンパじゃないですよ。
 それに、ぎりぎりになって(スタッフの)誰かを降ろしたとか、よく例に出されましたよ。ダメな時はクビを切る、そういうことが頻繁に行われると。ヨーロッパでは常識なんですね。だから演出家(の僕)も降ろされる可能性はあった(笑)。ただ、いいものを作るために。そのへんの割り切り方が凄いですね。」

栗山民也ロングインタビュー③につづく!

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年04月11日

新国立劇場演劇『シュート・ザ・クロウ』04/10-26新国立劇場 小劇場

 『昔の女』に続いて、シリーズ・同時代【海外編】第2弾『シュート・ザ・クロウ』を拝見しました。上演時間は約1時間20分。開場時間から“タイル貼り”は始まっています。
 ⇒「シュート・ザ・クロウ 豆ちしき」がとっても充実!
 ⇒メディア掲載情報

 作家のオーウェン・マカファーティーさんを迎えた新国立シアタートーク特別編の日に伺ったところ、イベントが盛りだくさん!
 ロビーでは「世界のタイル博物館・ヨーロッパのタイル」展、「シリーズ・同時代」戯曲販売会、『夏の夜の夢』模型展示、『タトゥー』美術家の作品展示があります。終演後にはタイルプレゼント抽選会も開催。お芝居を観に行ったんだけれど、まるでカーニバルの催しのようでした。楽しかった~!

 金曜日のソワレ終演後にはFRIDAY PUB(フライデー・パブ⇒仮設写真)が開店するそうです(毎週金曜20:45-21:30)。残すは17日(金)&24日(金)ですね。チケットがなくても自由に参加できるので、私も来週チャレンジしようかな~。

 トーク終了後にはマカファーティーさんの戯曲本サイン会も開催されました(「悲劇喜劇」↓1300円購入者向け)。

 ※番外連続リーディングVol.2は『最後の炎』です(⇒Vol.1レビュー。シリーズ・同時代【海外編】の半券(実券)があれば観られます。5月の『タロットカードによる五重奏のモノローグ』も観られますよ♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『シュート・ザ・クロウ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 北アイルランド、ベルファストの建築現場で働く4人のタイル貼り職人の1日。今日を最後に仕事をやめるディンディン(平田満)は、大量のタイルを盗み、売りとばすことをランドルフ(柄本佑)に提案する。が、同じころ別室のソクラテス(板尾創路)とピッツィ(阿南健治)もタイルを盗む計画を立てていた……。
 ≪ここまで≫

 劇場に入ると、すでに役者さんがタイル貼り作業をしていました。正面には彼らが作業する2つの部屋。それらをつなぐ階段と廊下(踊り場)が中央にあります。部屋の下にも装置が組まれており、部屋の上部奥にも演技スペースとなる通路が作られていました。4人芝居だけれど劇場を広く使った装置で、空間が入り組んでいるのが面白いです。

 タイル貼りは単純そうに見えて、おそらく神経も体力も使う肉体労働。どうやら彼らはずっと同じ作業をしている職場仲間らしい。引退間近の老人から体力があり余ってそうな若者まで、数世代に渡る男たちが、いつもの仕事中に本音で話をします。

 家族のことで悩むソクラテス役の板尾創路さんの演技が、どうも私には合わなかったようで、たまに集中が途切れて眠くなってしまうこともあり・・・無念。
 でも、終盤のある事件を経て最後に至った時、このお芝居は確かに平凡な労働の1日を描いたものだけれど、人の一生、もしくは繰り返される人類の歴史を表しているんだと気付きました。4人の労働者が居た舞台が、身体にじーんと染み込んでくるように感じました。

 ここからネタバレします。セリフは悲劇喜劇2009年5月号より抜粋。

 今日で仕事納めの老人ディンディン(平田満)。お金を貯めてバイクを買う夢を見る若者ランドルフ(柄本佑)。優秀な娘をフランス留学に行かせたいピッツィ(阿南健治)。妻と息子に出て行かれて、いつも一人で哲学しているソクラテス(板尾創路)。4人が狭い踊り場でケンカするシーンが可笑しかったです。

 タイルを盗もうという企みも、納品書が見つかったことでおじゃん。その上、金曜日の夜だというのに、大嫌いな社長から追加の仕事を無理やり押し付けられます。でも、息子と映画に行く約束を取り付けたソクラテスだけは、残業を拒否。
 ソクラテス「世の中にはもっと大事なことがあるんだ ― 俺は息子を映画に連れて行く ― 小せぇことかもしんねぇ ― つまんねぇことかもしんねぇ、けど、俺がやんなきゃいけねぇのはそっちだ」

 この後ピッツィは、ソクラテスが放っていった仕事を引き受けて、残業代も彼のものにしておくという判断をします。あぁ、これが“正しいこと”だよなぁと思いました。理屈は通らないかもしれないけど、道理には適ってる。

 タイル職人をクビ(引退)になり、次は窓拭きになりたいと言っていたディンディンは、地べたに座ったまま息を引き取っていました。動かなくなった老人と花束にスポットライトが当たり、終幕。“仕事”をしながら怒ったり笑ったり、必死で生きていた4人の男たちを思い出し、これが人間の一生なんだと、ストンと腑に落ちました。老人のシルエットとぽつんと置かれた花束を見つめながら。

 ≪新国立シアタートーク特別編≫ 
 出演:オーウェン・マカファーティー(脚本) 田村孝裕(演出) 浦辺千鶴(翻訳) 小田島恒志(翻訳) 鵜山仁(芸術監督) 司会:平川大作 通訳:(女性)

 マカファーティーさんはユーモアのある方で(ユーモアといってもブラックユーモアの方)、とても楽しいトークでした。田村さんとも相性ぴったりのようにお見受けしました。お2人とも、ちょっとへそまがりな感じで(笑)。←褒め言葉です! 自称“おしゃべり”の小田島さんのお話も面白かった。

 マカファーティー「仕事とは何かということを書いた戯曲です。仕事には矛盾がある。例えば、仕事なんか大嫌いと言いながら、人間は仕事なしには生きていけない。仕事をテーマにするとシリアスになりすぎるので、仲間同士でしか通じない会話を書くことでコメディーにした。」

 平川or小田島「日本人には全くと言っていいほどわからない言葉・会話が多い。イギリス人なら誰でもわかるのでしょうか?」
 マカファーティー「いいえ、イギリス人にも通じない(笑)。あまりに退屈だから出てくる言葉たちなんだと思う(色んな言葉遊びがあるから)。」

 田村「(昔は)翻訳劇は嫌いでした。でもマカファーティーさんの戯曲は、今まで自分が思っていた翻訳劇とは違っていた。それに新国立劇場で上品ではないコメディーができる(それは自分にとっては嬉しい)ので、マカファーティーさんの戯曲をやりたいと伝えました。」

 平川「マカファーティーさんはよく稽古場に来られる劇作家なのですか?」
 マカファーティー「私は自分で演出をする時もありますが、脚本を書くだけの時は、最初の1週間ぐらいは稽古場に行ったりします。この戯曲の作家は死んでない(生きてる)んだぜと伝えるために(笑)。また、私のことを覚えておいてもらうためにもね。」
 田村「あなたが稽古場に来なくてよかったです(笑)。」

 小田島「この作品はこれで3度目の上演になりますが、どの上演が良かったですか?」
 マカファーティー「日本のが最高です。いえ、本当に。狭くて閉塞感のある部屋で、4人がずっと仕事をしていた。いやだと言いながらも4人がつながり合っていることが表れていた。うまくいっていない結婚関係のようだ。こいつとは絶対うまくやれないんだけど、でも、いないと生きていけない、というような。」

 田村「ト書きに“部屋が2つある”と書いてあったから、2つの部屋を並べただけでもあるんですが(笑)、美術の伊藤雅子さんとは、彼らが閉じ込められているということを表そうと話し合っていました。僕は主に小劇場で活動していたので、この劇場(THE PIT)でも自分にとっては大きい方なんです。だから空間全体を使ってやろうと思って。(ロンドン版では回り舞台になって、2つの部屋が交互に出てくる演出だったけれど)自分は全部見せるやり方にした。」

 観客より「タイトルは『カラスを打て』という意味ですか?」
 マカファーティー「"shoot the crow"はゴロがいい言葉なんです。ただ"go"というだけの意味です。『行くよ』という。ソクラテスが『息子と映画を見に行くんだ』と言って、出て行くような時に使う『行くよ』ですね。」

 観客より「『イカれてるイカ』というセリフが面白かった。原文はどんな英語なんですか?」
 田村「それは僕が変えた(作った)セリフです(稽古中にセリフを変更することはあった)。」

新国立劇場2008/2009シーズン シリーズ・同時代【海外編】Vol.2
出演:板尾創路 柄本佑 阿南健治 平田満
脚本:オーウェン・マカファーティー 翻訳:浦辺千鶴 小田島恒志 演出:田村孝裕 美術・衣裳:伊藤雅子 照明:中川隆一 音響:加藤温 演出助手:渡邊千穂 舞台監督:村岡晋 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場 協力:ブリティッシュ・カウンシル
【発売日】2009/02/08 A席:4,200円 B席:3,150円 Z席:1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000065_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年04月10日

KAKUTA『帰れない夜』04/04-12ザ・スズナリ

 桑原裕子さんが作・演出(出演も)される劇団KAKUTA(カクタ)の、朗読と演劇の2作品同時上演です。私は朗読「帰れない夜」を拝見。「さとがえり」は残念ながらスケジュールが合わず観にいけません(涙)。

 朗読といってもリーディング公演ではないんですね。小説を読む人が舞台にいますが、演劇だと言っていいほど作りこまれた作品でした。SF、ホラー、ファンタジー色の短編を5つ楽しみました。

 ポスト・パフォーマンス・トークショーに出演された、小説家の朱川湊人さんのお話がとても面白かったです。気さくでユーモアのセンスがあって、もちろん知的で、素敵な方でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『帰れない夜
 レビューは後ほどアップ予定。

 ■井上夢人『あなたをはなさない』

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)
井上 夢人
講談社
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 ■小池真理子『生きがい』

ゆがんだ闇 (角川ホラー文庫)
小池 真理子 篠田 節子 鈴木 光司 瀬名 秀明 小林 泰三 坂東 真砂子
角川書店
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 ■田口ランディ『縁切り神社』

縁切り神社 (幻冬舎文庫)
田口 ランディ
幻冬舎
売り上げランキング: 107678

 ■朱川湊人『昨日公園』

都市伝説セピア (文春文庫)
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文藝春秋
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 ≪ポスト・パフォーマンス・トークショー≫
 出演(舞台向かって左から):成清正紀、桑原裕子、朱川湊人(小説家・『昨日公園』原作者)、矢作勝義(世田谷パブリックシアター)

KAKUTA Sound Play Series 朗読の夜#5/蔵出し公演二作同時上演
出演:成清正紀 若狭勝也 高山奈央子 原扶貴子 野澤爽子 馬場恒行  吉見一豊(演劇集団円) 内田健介 後藤飛鳥(五反田団) 大見遥 久保貫太郎(クロムモリブデン
脚本・構成・演出/桑原裕子 照明/西本彩(青年団) 音響/島貫聡 舞台監督/ 安田美知子 舞台美術/袴田長武(ハカマ団) 選曲/真生 演出助手/田村友佳 衣装/山崎留里子 アンダースタディ/大見遥 宣伝写真/相川博昭 宣伝美術/川本裕之 映像/メリケンサック 制作助手/宮崎由 制作/前川裕作 眞覚香那子 堀口剛 企画・製作/K.K.T.
【発売日】2009/02/28 前売:3200円 当日:3500円 サービス公演:2800円 ※「帰れない夜」「さとがえり」同時購入の場合400円割引
http://www.kakuta.tv/gohome/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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テレビ朝日・ニッポン放送・シーエイティプロデュース『キサラギ』04/09-19世田谷パブリックシアター

 映画もヒットした『キサラギ』を人気男優を迎えて舞台化。もともと戯曲だったんですよね。映画をDVDで観てとっても面白かったので、観に行くことにしました。

 ストーリーがわかっていてもクスクス笑ったり、ちょっとドキドキしたり。わかりやすい王道のエンターテインメントでした。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『キサラギ

キサラギ スタンダード・エディション [DVD]
キングレコード (2008-01-09)
売り上げランキング: 1926

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。改行を変更。
 これぞオリジナル完全密室劇の決定版!!大ヒット映画『キサラギ』。
 元々は脚本家・古沢良太が密室舞台劇に憧れ、ある劇団のために書き下ろした作品。
 そのハートフル・ワンシチュエーション・サスペンスが2009年、再び舞台へ!!

 D級アイドル如月ミキの謎の死から一年――。
 彼女をこよなく愛する5人の男達はその一周忌に、とある建物の一室に集まった。インターネットのファンサイトの中だけでやり取りしている彼らが実際に顔を合わせるのは今日が初めて。思い出の品を持ち寄り楽しくひと時を過ごすはずだったが、
 ―「彼女は殺されたんだ・・・」
 誰かが言い出したその言葉をキッカケに、展開は目まぐるしく変わっていく。お互いに疑いの目を向けながらも、アイドル★如月ミキを想う気持ちは皆同じ!!そんな5人の5つのストーリーが重なり合った時、思いもかけない一つの結論に辿り着く――。
 ≪ここまで≫

 公演はいわゆる“イケメン芝居”の種類に入るのでしょうが、次々と予想外の展開が待っているので、役者さんのファンでなくてもストーリーは楽しめると思います。
 役者さんの特技(松岡充さんなら歌、今村ねずみさんならダンス)をかっこ悪い方向に生かしてるのが良かったです。ただ、セリフの間が開き過ぎているのは気になりました。

 如月ミキのコレクションなら自分が一番だと思っていた家元(松岡充)が、どんどん自信をなくしていく様子が可愛いかったです。

 ここからネタバレします。

 最後はミキのために、全員で彼女の曲を歌います(ミキは当然出てきませんが)。またそれがかっこ悪い衣裳だし、ヘンな歌でヘンな振付で、イイ(笑)。ただ、晴れやかな大団円になる前が長すぎたかも。畳み掛けるようにラストにたどりついて欲しかったですね。

 最後の大きな転換で、白いアーチの下に茶色の柱が出てきて、公民館の舞台らしくなりました。凝ってていいな~と思いました。

≪東京、福岡県、鹿児島、岡山、新潟、宮城、福島、北海道、石川、愛知、大阪、東京≫
ニッポン放送開局55周年記念公演
出演:松岡充(家元) 今井ゆうぞう(スネーク) 佐藤智仁(安男) 中山祐一朗(いちご娘) 今村ねずみ(オダ・ユージ)
原作脚本:古沢良太 企画:野間清恵(『キサラギ』プロジェクト総合プロデューサー) 演出:板垣恭一  舞台脚本:三枝玄樹 美術:伊藤雅子 照明:鶴田美鈴 音響:堀江潤 衣裳:関けいこ 演出助手:福原麻衣 舞台監督:安田武司 舞台製作:加賀谷吉之輔 主催・製作:テレビ朝日 ニッポン放送 シーエイティプロデュース
【発売日】2009/01/25 ・チケット料金 7,800円 
http://www.kisaragi-stage.com/

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Posted by shinobu at 22:11 | TrackBack

【インタビュー】栗山民也ロングインタビュー『ミュージカル「マリー・アントワネット」』ドイツ・ブレーメン公演①

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栗山民也さん

 ドイツのブレーメンで現在ロングラン中のミュージカル『マリー・アントワネット』の演出を手がけられた、栗山民也さんにインタビューをさせていただきました。
 ⇒〔このページ〕〔〕〔〕〔4〕

 『マリー・アントワネット』は、小説「王妃マリー・アントワネット」(遠藤周作著)をもとに、ミヒャエル・クンツェさんが脚本・作詞、シルヴェスター・リーヴァイさんが作曲をした東宝のオリジナル・ミュージカルです。2006年初演関連記事⇒
 ⇒日本演劇史上初!東宝ミュージカル、初の本格的海外進出!(東宝) 
 ⇒現地からのご報告(東宝) 
 ⇒劇場公式サイト(音が鳴ります)
 ⇒公演公式サイト(※Musikをクリックすれば、曲を視聴可能)

 日本初の快挙となった記念すべき公演の創作現場や、ドイツのミュージカル俳優について、そして、栗山さんのこれからについて語っていただきました。

 栗山「ドイツの話をすると、2日間ぐらいしゃべりっぱなしになるかもしれない(笑)。今でも目をつぶると、一瞬の内にあのブレーメンの稽古場の中に居るような気持ちになる。それぐらい、僕にとって熱い振動だったんですよ。強烈な体験でした。」

■ミュージカル『マリー・アントワネット』について ※少々ネタバレあり。
―『マリー・アントワネット』世界初演は、2006年11月に帝国劇場で幕を開けました。東京、福岡、大阪をまわって再び東京凱旋公演もあった、大きなプロダクションでした。

栗山「この作品は小説の忠実なる舞台化ではありません。タイトルロールのマリー・アントワネットだけでなく、マルグリッド・アルノーという、マリーとは全く違うタイプの女性も主軸になります。最高位の女と最底辺の女をもうけて、最後には2人が同じ地平に並ぶという。原作からいかにインスピレーションを拾い、広げるかが重要でした。」

―最後は「自由!」という言葉で終幕しました。私はとても感動したのですが、同時に意外でもありました。ミュージカルによくある大団円ではなかったし、たしか音楽も不協和音でしたよね。⇒「ハイライト・ライヴ録音盤CD」は購入可能

栗山「これに関してはクンツェさんともかなり議論しました。フランス革命とは、人間がいかに自由を獲得するかという歴史だった。だから最終的に“自由”という言葉で終わろうと決めたんです。人間の歴史の中で繰り返される普遍的なるものとしての、いわゆる“自由”なんですよね。それはイラク戦争であってもいいし、アメリカの貿易センタービルの崩壊であってもいい。ある歴史において人間が獲得するのは、人間としての権利、つまり自由である、と。だからそんなにハッピーに終わるわけはなくって。いろんな問題を山積みにしたままの、その中での“自由”ですから。」

■ドイツ版と日本版との違い
―ドイツ公演が実現することになった、最初のきっかけを教えてください。
栗山「東京初演の初日に、テアター・ブレーメン(ドイツ・ブレーメンの公立劇場)の総芸術監督ハンス・ヨアヒム・フライさんがいらしていたんです。終演後のパーティーで、彼がクンツェさんと一緒に僕の方に寄ってきて、勢いよく話しかけてきたんですよ。英語で『やるからね、これ、ヨーロッパで!』と。初日が開いたばかりだったし、最初は『本当なの?』と半信半疑だったんですが(笑)、ドイツではしっかりと準備が進められていた。その後、東宝からどんどんと進捗状況の連絡が届きました。」

―ドイツでの上演に向けて、脚本や演出などは変更されたのでしょうか。
栗山「この2年の間に、僕は日本での仕事の合間を縫ってドイツのクンツェさんの家にも行って、台本の直しをしました。だから大きく変わりましたよ。たとえばボンマルシェはほとんど出てこない。カリオストロはもっとひょうきんな男になって(笑)、狂言回しも1人でがんばってもらっています。マリーの歌も2曲ぐらい増えたかな。脚本変更にともなう音楽の変更ももちろんあるし、新しいスタッフ(美術、衣裳、照明など)ですからね、全てに手が入っていますよ。」

■初日翌日には54もの劇評が出た
―多数の劇評が出たそうですね。
栗山「ええ、その量と早さには驚きました。初日だけ観て日本に帰ってきたら、クンツェさんからメールが届いていて、件名に『勝利』って書いてあったんです(笑)。『とにかくメディアの反応がものすごくいい』と。初日翌日に54の劇評が出て、『自分の今までの演劇体験でもこんなことはなかった。ほとんどが絶賛である』と。」

―初日の翌日に、そんなに沢山の劇評が出たんですか?
栗山「そうです。新聞や、その他のさまざまな小冊子などを含めて計54個。その内のある劇評を、200ほどの地域に配信したみたいです。あの初日にはベルリン、ハンブルク、ミュンヘンなどの多くの地域から、大勢の劇評家が観に来ていたんだと、その時に知りました。劇評のことなんて全く頭になかったですからね。前日のプレビューでも大変なことが起こったし・・・(苦笑)。」

栗山民也ロングインタビュー②につづく!

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★インタビュー実施日:2009年3月1日 写真撮影日:2009年3月2日
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Posted by shinobu at 17:30 | TrackBack

青年団若手自主企画・西村企画『桜の園』04/09-15アトリエ春風舎

 青年団演出部の西村和宏さんがチェーホフの『桜の園』を演出されます。FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介さんが楽曲提供し、振付も担当されています。

 意外な組み合わせでどんな音楽劇(?)になるのかを楽しみに、初日に伺いました。上演時間は約2時間5分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『桜の園

 客席と地続きの状態のシンプルな舞台。ゆるやかな階段が舞台を丸く囲むように設置されています。奥には白いカーテン。

 『桜の園』を1幕から4幕まで。ノっていける部分はあったけれど、全体はバラバラな印象。激しい歌とダンスで盛り上がっても、その次の静かな演技のシーンで流れが途切れてしまうように感じました。シーンごとに何を見せたいのかはある程度汲み取れるのですが、全体でどんな作品にしようとしているのかが、私にはわかりませんでした。
 第3幕が面白かった。糸井さんの楽曲、振付はとても楽しいです。エロが入ってなくても問題なく素敵じゃないですか!(笑)

 おおげさではない日常会話のシーンでは、自然な状態でいる“振り”をしているように見えました。歌のシーンと会話のシーンの差が激しいので、どういうバランスにするのかがまだ決まっていないのか、つかめていないのか。役者さんは大変そうでした。

 先日のトークで銀粉蝶さんがおっしゃっていたことを思い出しました。尋常じゃない歌、踊り、セリフ、演技方法には、尋常じゃない身体で挑まないと成立しづらいんじゃないかと思います。青年団の役者さんは演出部にさまざまな演出家がいるので、いわゆる“静かな演劇”ではない演劇に出演する機会が増えているんでしょうね。その境を越えている人と、越えていない人との差が、自ずと見えてきてしまいます。

 ラネーフスカヤを演じた石村みかさん、ラネーフスカヤの兄ガーエフ、その他を演じた髙橋智子さん、大学生トロフィーモフ、その他を演じた堀夏子さんに目が行きました。

青年団若手自主企画vol.41
出演:島田曜蔵 鈴木智香子 髙橋智子 長野海 堀夏子 村田牧子(以上青年団) 石村みか(ノックアウト)
脚本:チェーホフ 演出:西村和宏 音楽・振付:糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣) 照明:岩城保 舞台美術:濱崎賢二 衣装:兼松光 制作:木元太郎 音響協力:泉田雄太 映像:深田晃司 演出助手:伊達紀行 ドラムス録音:日髙啓介 芸術監督:平田オリザ企画 制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【発売日】2009/01/29 一般:2300円 学生:2000円(予約・当日共)
http://www.komaba-agora.com/line_up/2009_04/nishimura.html

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2009年04月09日

劇団☆新感線『いのうえ歌舞伎☆壊〈Punk〉「蜉蝣峠」』03/11-04/12赤坂ACTシアター

 宮藤官九郎さんの脚本をいのうえひでのりさんが演出する、劇団☆新感線の新作です。1月に『リチャード三世』を観たばかりなので、頻繁に新感線を観てる気分。劇場も同じですしね。

 う~ん・・・脚本も演技も楽しめなかったです・・・。1階のかなり後方席だったせいもあるのかしら。上演時間は約3時間(途中休憩1回を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『蜉蝣峠

 身代わり(犠牲)、入れ替わり、なりきり、見なしなど、興味のあるキーワードとつながるかな~と思ったのですが、最後まで私自身との接点を見つけられず。宮藤官九郎さんの脚本は、私には合わないのかも。

 大きな紗幕に映す動画は、それ自体はかっこいいと思うのですが、動画で表現する部分が私には多すぎました。紗幕の模様と動画が重なるのは絵的に良かったです。

 右近健一さんが面白かったな~。勝地涼さんも期待通りでした。木村了さんもきれいだった。

 ここからネタバレします。

 記憶を失っていた闇太郎(古田新太)は、銀之助(勝地涼)に「来いよ!」と声をかけられたから、ろまん街に戻ってきてしまったんですよね。2人があんなに簡単に連れ合うようになったことに納得できなくて、最初からつまづいてしまいました。

 本物の闇太郎として登場した右近さんが、高らかと気持ちよく歌を歌ってくださり、映像に「日生劇場」のロゴが出てきたので爆笑。

≪東京、大阪≫
出演:古田新太、堤真一、高岡早紀、勝地涼、木村了、梶原善、粟根まこと、高田聖子、橋本じゅん、右近健一、逆木圭一郎、河野まさと、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ 、村木仁、少路勇介、川原正嗣、前田悟、教祖イコマノリユキ 武田浩二、藤家剛、工藤孝裕、矢部敬三、川島弘之、加藤学、根岸達也 安田桃太郎、葛貫なおこ、角裕子、水野伽奈子、二平夏初、北川響、佐々木光弘、高木珠里、西川瑞、浜田麻希、坂東工、眞中幸子
脚本・作詞:宮藤官九郎 演出:いのうえひでのり 美術:堀尾幸男 照明:原田保 衣裳:緒形規矩子 音楽:岡崎司 振付:川崎悦子 音響:井上哲司 音効:末谷あずさ/大木裕介 殺陣指導:田尻茂一/川原正嗣/前田悟 アクション監督:川原正嗣 ヘア&メイク:宮内宏明 小道具:高橋岳蔵 特殊効果:南義明 映像:上田大樹(&FICTION) 大道具:俳優座劇場舞台美術部 音楽部:右近健一 演出助手:山﨑総司 舞台監督:芳谷研  宣伝美術:河野真一 宣伝画:洗智樹 宣伝写真:渞忠之 宣伝メイク:内田百合香 宣伝:ディップス・プラネット 票券&広報:脇本好美(ヴィレッヂ) 制作協力:サンライズプロモーション東京(東京公演) 制作助手:辻未央/市瀬玉子 制作補:小池映子(ヴィレッヂ) 制作:柴原智子(ヴィレッヂ) エグゼクティブプロデューサー:細川展裕(ヴィレッヂ) 企画・製作:劇団☆新感線/ヴィレッヂ
【発売日】2009/01/24 ★本公演 S席-11,000円/A席-9,000円 ★3月11日(水)プレビュー公演 S席-9,000円/A席-7,000円
http://www.kageroutouge.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:52 | TrackBack

2009年04月06日

Bunkamura/TBS『音楽劇 三文オペラ』04/05-29シアターコクーン

 演出家・宮本亜門さんがシアターコクーンに初登場。『三文オペラ』は大好きな作品で何度か拝見していますが、今までで一番刺激的で面白かった!
 カーテンコールは拍手が鳴り止まず、手拍子にもなって、計5回。最後は私もスタンディング・オベーションしちゃいました。チケット代はS席12,000円、A席9,000円、コクーンシート席6,000円と高い目ですが、ご興味ある方にはとってもお薦めです!!※刺激が強い演出でしたのでメルマガ号外は控えます。

 『三文オペラ』といえば、歌が聴けるだけでも嬉しいと思うほど好きな作品です。でも今作では、歌を楽しむなんて余裕はありませんでした。それが『三文オペラ』本来の世界なのかもしれないとも思えました。

 異種格闘技戦を思わせるキャスティングですが、デーモン小暮閣下も溶け込んでらっしゃいました(笑)。その理由はぜひご覧になって確かめてくださいね♪ 米良美一さんも素敵でした。上演時間は約3時間(途中休憩15分、10分の2回を含む)。あっという間でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇 三文オペラ
 レビューをアップしました(2009/04/14)。
 ⇒舞台写真(ぴあ・2009/04/08加筆)

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 窃盗団の親分メッキ(三上博史)と、”乞食の友”社のピーチャム(デーモン小暮閣下)の一人娘ポリー(安倍なつみ)が、親に内緒で結婚式を挙げる。メッキとは戦友で警視総監のブラウン(田口トモロヲ)も二人を祝福するが、それを知ったピーチャムと妻(松田美由紀)は大慌て。ポリーに別れるよう説得するが耳を貸さない。そこでピーチャムは警察を使いメッキを捕らえる計画を立てる。危険を察知して身を隠したメッキだが、かつての恋人で娼婦のジェニー(秋山菜津子)に裏切られ捕まってしまう。牢獄のメッキの元へ、恋人の一人ルーシー(明星真由美)がやってくる。そこにポリーが現れて大喧嘩。隙をついてメッキは牢獄を逃亡するが…。
 ≪ここまで≫

 乱痴気騒ぎのスプラッター・ホラー風『三文オペラ』。“猥雑”というよりは“剥き出し”でした。怖いくらいのがさつな騒ぎっぷりに、第1幕は付いていくのが少し難しく、身体をこわばらることもありました。でも2幕以降、特に秋山奈津子さん演じるジェニーが登場してからは、粗野で野蛮な人々からパンクの精神が伝わってきて、“ゆったりとは楽しめない音楽劇”の刺激に快感を覚えました。

 劇場機構をそのままに見せる舞台美術で、ステージの高さが客席より下に作られていました。そのせいか、前方中央ブロックの座席もいくらか下に沈んでおり、両隣のブロックとは段差が出来ています。客席通路にはベニヤが貼られており、舞台と平行に通る客席中央の通路にも演技スペースがしつらえられています。工事現場もしくは危険区域のような舞台と、劇場全体が地続きになっているような印象。私は前方の沈んだブロックに座っていたので、役者さんが通路を歩く(走る)度にイスがぐらぐら揺れました。

 『三文オペラ』に登場するの悪党、物乞い、娼婦、そして彼らを取り締まろうとする警察たちです。不安定で先の見えない、ひっ迫した状況に置かれた彼らの苛立ちや怒り、つかの間の快楽をむさぼって不満を発散させる様が、そのまま吐き出すようにぶつけられた気がしました。今の日本人の生活や精神状態にも重ね合わせ、その現実が突き刺さるような衝撃を受けて、歌を楽しんでいる場合じゃない、歌詞に感動してる場合じゃないという気持ちで挑むように拝見しました。
 もちろん美しい歌に聴きほれることも大好きなんですけど(笑)、そういう状態にはなれなかったですね。ブレヒトの異化効果が私にはぴったりはまったのかもしれません。

 三上さん(メッキ)が、『時計仕掛けのオレンジ』(Wikipedia)のアレックス・デラージ、『ダークナイト』のジョーカーに見えました。
 米良美一さんが幕タイトルを読み上げる不気味な案内人役で、観客と舞台をつないでくれました。彼も『バットマン』のジョーカー(ジャック・ニコルソン)みたいでした。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 登場人物は全員が白塗りメイクで戯画的な演技をします。誰もが人形であり、道化のよう。登場人物たちは役名の人物ではなく、悪党、娼婦といった役割を象徴する存在に見えてきました。
 例えばほぼ冒頭のシーンで、乞食のフィルチ(加藤啓)が「路上でTHE BIG ISSUEを売るはめになった」と、実物のTHE BIG ISSUEをかざしながら言いました。それは他人事ではない、現代日本の貧困と直結します。そうやって加藤さんはフィルチではなく、今の貧困の真っ只中に居る若者の象徴になりました。

 歌としてじっくり聴き入ることが出来たのはメッキ(三上博史)とジェニー(秋山菜津子)の「メロドラマ」。秋山さんと三上さんは、生きるために地獄をくぐり抜けてきた化け物のようでした。
 彼ら2人以外の人物についても感じたのですが、舞台に居る人たちは誰とも心を通い合わせる気がないんですよね。誰もがわがままで一方的で、自分の欲をむき出しにして他者に欲求ばかりしています。そんな彼らが叫ぶ「じゃあ何を糧に生きていけばいいのか!?」という切実な問いが、私にはとてもリアルに感じられました。

 小悪魔ギャルのポリー(ピーチャム乞食商会の社長の娘)と、ガチガチいかず後家風ルーシー(警視総監の娘)の対決は新鮮。
 シーンは前後しますが、ポリーが歌うところで、月の顔が描かれた大きな風船が出てきてしぼむのが面白かった。

 ピーチャム(デーモン小暮閣下)が「顔面にバラが咲いたようなあざがある者たち、手足のない者たちなど、皆が目に入れたくないと思っている醜い者たちを、女王様の凱旋パレードに押しかけさせる」と、ブラウン警視総監(田口トモロヲ)を脅します。これまでに観た『三文オペラ』では、このシーンはいつも他人事のように通り過ぎていたのですが、自分が見たくないものは見ないで、その存在さえ無視しているのは私自身であり、ピーチャムに脅されているのも私であるように感じました。
 
 女王陛下(米良美一)が現れて死刑囚のメッキに恩赦が与えられ、彼は貴族の称号と100万円(だったかな)の年金を死ぬまで得ることになります(そんなことあるわきゃないと、またひっくり返されるのですが)。なんとそこでサンリオピューロランドのミュージカルが始まりました。どぎついパステルカラーのキティちゃんの夢の世界は、おぞましいほど偽善に満ちています。その中央で、メッキは白塗りメイクを取った素顔になり、客席をにらみつけていました。彼は私であり、私を責める誰かであり、つまり世界中のすべての人間であるように感じました。
 それにしても、亜門さんがご自身のお仕事をパロディーにしちゃうのって・・・凄い(笑)。

≪東京、大阪≫ Bunkamura20周年記念企画
出演:三上博史、秋山菜津子、安倍なつみ、松田美由紀、明星真由美、米良美一、田口トモロヲ、デーモン小暮閣下 大鷹明良 つまみ枝豆 加藤啓 さけもとあきら 水野栄治 岡田誠 村上勧次朗 星智也 原慎一郎 福山健介 石井則仁 二宮優樹 南智子 菅原さおり 松田愛子 多岐川装子 高山のえみ いせゆみこ
ミュージシャン:青木タイセイ(トロンボーン/ベース/キーボード) 内橋和久(ギター/ダクソフォン) エミ・エレオノーラ(ピアノ/アコーディオン) 坂本弘道(チェロ) 塩谷博之(クラリネット/サックス/フルート) 高良久美子(マリンバ/ビブラフォン/パーカッション) 芳垣安洋(ドラム/パーカッション)
脚本:ベルトルト・ブレヒト 音楽:クルト・ヴァイル 翻訳:酒寄進一 演出:宮本亜門 音楽監督:内橋和久 歌詞:三上博史 美術:松井るみ 衣裳:岩谷俊和 振付:上島雪夫 音響:山本浩一 映像:栗山聡之 歌唱指導:伊藤和美 音楽監督助手:中條純子 演出助手:寺﨑秀臣 技術監督:堀内真人 舞台監督:有馬則純 主催・製作:Bunkamura/TBS  企画:Bunkamura
【発売日】2009/02/07 S席12,000円 A席9,000円 コクーンシート席6,000円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_sanmon.html
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/09_sanmon/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 01:00 | TrackBack

2009年04月05日

Oi-SCALE『AtoP』04/02-05シアタートラム

 林灰二さんが作・演出されるOi-SCALE(オイ・スケール)の新作、シアタートラムでの公演です。タイトルは「エイ・トゥー・ピー」と読むようです。

 林さんならではの、都会の夜の暗闇のファンタジーに浸りました。でもストーリー展開には少々馴染みづらかったですね。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『AtoP

 ≪あらすじ≫
 田舎から東京に出てきたけれど、アトピーになって専門学校には通えなくなり、お姉ちゃんの家にいそうろうしつつ、ひきこもりになったまき子(朝倉えりか)。夜になると自分で自分の体をひっかいてしまうので、寝られない。医者はクスリをくれるばかりで治る気配はなし。バイトを見つけて働こうとするのだけれど・・・。
 ≪ここまで≫

 黒い空間に赤いコーンがぐるりと円を描くように置かれ、その中がアクティングスペース。外側ではセリフを朗読したりします。都会の深夜2時から3時ぐらいの静けさが、ひんやりと伝わってきました。
 舞台中央上部には大きなスクリーンがあり、ステージを上から写した動画が中継されます。空に浮かぶ月の視線の先にあるものを写しているように感じました。

 主人公が寝てるのか起きてるのかわからない少女なので、中盤までは、色んなエピソードの断片が交差していくファンタジーとして、じんわり、ゆったりと楽しみました。若者の閉ざされた心の奥にある、消え入りそうな願いや怒りが垣間見える瞬間が、とても大切に届けられます。でも後半に入って具体的な本筋が出てくるあたりから、付いて行きづらくなりました。もっと前からヒントを散りばめておいた方が、入っていきやすいんじゃないかしら。

 林さんならではの詩的な世界が好きです。勝手なこと言わせていただくと、もっとファンタジー色を強く、コントも多い目で(笑)、上演時間が1時間30分ぐらいだと嬉しいな~。

 ここからネタバレします。

 うさぎのぬいぐるみ(まき子の架空の友人ユキ)、ドアののぞき穴から見える魚(新聞勧誘員)、満員電車、自動販売機、病室、月。

 「医者は薬を出すばかりで治す気がない」というエピソードは、残念ながら身に覚えがあります。まき子が怒ってくれて嬉しかったです。

 実のところ、まき子の姉はすでに交通事故で死んでおり、姉の恋人がひき逃げ犯グループに復讐するというのが本筋になっていました。冒頭に登場した、夜中に病院前に集まる男たち(=ひき逃げ犯)の正体がここでわかります。最後はひき逃げ犯のリーダーに、まき子が復讐を果たして終幕(リーダーは新聞勧誘員だったので、まき子は部屋に訪れた彼をナイフで刺す)。

 ≪トークショー≫
 出演:グランジ 林灰二 荒井眞理子 他2名

 グランジは男3人組のお笑いグループなんですね。メンバーの1人、遠山大輔さんが出演されています(姉の車に同乗していた若い男役。つまりヒロインが昔好きだった男でもある)。舞台上にはイスがなく、立ったまましゃべりっぱなしの30分間。

 お笑い芸人さんって、客席が笑わなかったら、その間(ま)を埋めようとして一生懸命に話してしまうみたいで、かわいそうでした。演劇の観客は笑うためだけに劇場に来てるわけじゃないので、そこまで頑張らなくていいのにな(頑張って欲しくないな)と思いました。お笑い芸人さんなので、仕方ないのかな。

Oi-SCALE+Hi-SPECS公演
出演:福山亜弥 奥瀬繁(幻の劇団見て見て) 遠山大輔(グランジ) 朝倉えりか 久保田芳之(reset-N) 家納ジュンコ(サモ・アリナンズ)ふるたこうこ 緒方健児 小原雄平(電動夏子安置システム) 如月モエ(チェリーブロッサムハイスクール) 荒井眞理子 林竜三 吉成豊 川島佳帆里 佐藤亜衣 中泉裕矢 西畑聡 芝エニシ 嶋則人(マグズサム)斉藤岳夫 林灰二
脚本・演出:林灰二 映像監督:松田大佑(under high) 舞台監督:伊藤龍彦 美術:仁平祐也  照明:原宏昌(ライトスタッフ) 音響:田島誠治、飯田彰子(Sound Gimmick) 小道具:中島香奈子・當間英之 楽曲提供:DEADPHONES(tuba...disk) 演出部:利闘流TKO 佐藤亜衣  宣伝美術(web):清水慎太郎 スチール:河合信幸 衣装協力:島田 翔太 メイク:ミタマイコ 制作部:中野博文 票券:スギヤマヨウ(QuarterNote) 制作:Oi-SCALE 企画製作:松田大佑/Oi-Hi crew Harts
【発売日】2009/03/01 料金:一般3,500円 当日3,700円 世田谷区民3,400円 劇場友の会会員3,300円
http://www.oi-scale.com/

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Posted by shinobu at 00:12 | TrackBack

パラドックス定数『インテレクチュアル・マスターベーション』03/27-04/01シアター711

 野木萌葱さんが脚本・演出を手がけるパラドックス定数の新作です。千秋楽に滑り込みました。
 新しい劇場シアター711に入ったのは初めて。元映画館だからシートがふかふかで嬉しいですね!※対面座席だったので片側の席だけですが。

 明治時代の熱い社会主義者たちのお話。私は史実についての知識がほぼなくて(すみません)、特に日本が舞台だとも思わずに拝見。面白かったです。上演時間は約2時間弱。

 ⇒CoRich舞台芸術!『インテレクチュアル・マスターベーション

 木製のイス数脚以外にほぼ何もない舞台。上下(かみしも)にある劇場付属の分厚い扉を使っていました。照明の切り替えなどですばやく場面転換し、時間も場所も瞬時に変わります。軽やかでとても良かったです。そういえば音響(音楽)はなかった気がします。言葉がとめどなく飛び出してくるので、他の音はなくて良かったのかも。

 衣裳が派手だったので(歴史に忠実ではなかったので)、最初からフィクションの世界に入っていけて良かったです。熱い男たちの丁々発止のセリフのやり取りを、ぎゅっと耳をそばだてて、でも気持ちを楽にして拝見できました。

 行き過ぎた資本主義について議論をしているのは彼らだけではなく、平成の今を生きる私たちもなんですよね。史実をもとにした物語ではありますが、むしろ現代の、この不況を生きる自分への問いかけとして受け取りました。

 井内勇希さん(大杉栄役)の変貌ぶりが毎回楽しいです。今回はひげ面の暴れん坊。役によって、しなやかに変身してくれる俳優を見ていたいですね。

 ここからネタバレします。

 人間は押さえつけられたら、それを跳ね除けたくなるものですよね。そして、「自分は報われなくてもいいから、次の世代のために人を殺す」なんてことも思いついて実行してしまいます。テロリズム。

 幸徳秋水の演説シーン(事実か架空かは知りませんが)での、軍隊についての発言に納得でした。以下、脚本より引用します。
 秋水「軍隊が自国の民を最後まで守り抜いた例はない。民に刃を向ける時、軍隊は最も得意な表情を見せる。」

 客入れ、客出しの音楽がTHE BLUE HEARTSでした。私が10代の頃のパンクというとブルーハーツだったので、うまい具合にハマりました。

パラドックス定数第18項
出演:植村宏司(内山愚童役)、十枝大介(山川均役)、西原誠吾(木下尚江役)、井内勇希(大杉栄役)、今里真(幸徳秋水役)、山ノ井史(荒畑寒村役)、小野ゆたか(堺利彦役)
脚本・演出:野木萌葱 照明:伊藤泰行 舞台監督:金安凌平 衣裳:渡辺まり 写真:渡辺竜太 販促:副島千尋 制作補:たけいけいこ 制作統括:赤沼かがみ(G-up) 企画製作:パラドックス定数研究所
web先行予約 2600円(銀行振り込みのみ・おまけつき) 一般前売り 2800円 当日券 3000円 平日マチネ(3/31 15時の回) 受付、当日共2500円(web先行は2300円)
http://www.pdx-c.com/

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Posted by shinobu at 00:03 | TrackBack

2009年04月03日

アトリエ・ダンカン『夜は短し歩けよ乙女』04/03-15東京グローブ座

 アトリエ・ダンカンがプロデュースする小説の舞台化第2弾(第1弾は残念ながら見逃しています)。初日に伺いました。

 2007年の本屋大賞で第2位に輝き、第20回山本周五郎賞を受賞した森見登美彦さんの小説「夜は短し歩けよ乙女」(角川書店刊)を、劇団桟敷童子の東憲司さんが脚本化し、演出もされます。上演時間は約2時間35分(途中休憩15分を含む)。

 と~っても楽しかった!!奇想天外な物語を演劇らしいにぎにぎしさで、元気いっぱいに立体化してくださっていました。オープニングから一気に幸せになって、途中休憩の時にロビーで販売されていた原作本↓を買ってしまいました。チラっと読む限りでは、原作にかなり忠実のようです。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 551

 ⇒インタビュー(渡部豪太&田中美保)
 ⇒CoRich舞台芸術!『夜は短し歩けよ乙女

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。改行を一部変更。
 私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。
 「あ!先輩、奇遇ですねえ!」
 …「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。
 二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛模様in京都
 京都でのある一年を、あるいは四季を通し語られる、いまどきの若者と程遠い、なんともじれったい恋の物語、そして、京都という不可思議な街と奇奇怪怪な登場人物達が物語りに花を添える。
 ≪ここまで≫

 前知識ゼロで伺ったものですから、奇怪な登場人物に最初は少々戸惑いました(笑)。でもすぐに、アリエナイ妄想の世界に、迷いなくどしどしと突進していくことが出来ました。全身で演じてくださる役者さんと、手作りの演劇の楽しさを堂々と見せていく演出のおかげで、舞台上の人々としっかりと共犯関係を結ぶことができたからではないかと思います。

 純粋なときめきに満ちた恋愛ファンタジーのど真ん中を進みつつ、怪奇小説のようなおどろおどろしいムードもあり、冒険小説にありそうなスリルやアクションもあり、“御都合主義”をケレン味たっぷりにやりきってくださいます。

 照明が素晴らしかった~。ムービングや目くらまし(客席に向かって斜め下方向に光を当てて、スモークで舞台上が見えなくなる)が効果的で、色合いはパッと派手であると同時に、どことなく物憂げで恐ろしげでもありました。

 美術はいかにも「セット」とわかるデザインで、役者さんの手で動かすダイナミックな演出が生きていました。
 音楽も私にはツボでした。よく知られている有名な曲を、色んなバージョンで使っていらして、その曲の意味もフィットしていたと思います。
 乙女の衣裳が素敵だな~と思ったら、衣裳協力にBEAMSがクレジットされているんですね。

 語り部でもある先輩役の渡部豪太さん。明るくてひたむきで、冒頭からすっかり魅せてくださいました。
 乙女役の田中美保さんは初舞台ならではの初々しさ。相当な“不思議ちゃん”を清純さを前面に出して演じ、ヒロインの役割を果たされていたと思います。
 登場してくれるのが楽しみだったのは、学園祭事務局長役を演じた宮菜穂子さん。きびきびしたダンス的な動きが面白かったです。

 ここからネタバレします。

 春は夜の先斗町、夏は古本市(「深海魚」を連想させる緑色の照明が美しかったです)、秋は学園祭、冬は風邪が猛威を振るう町。
 家やビルの絵が描かれた白黒のパネルを移動させて転換します。李白翁(ベンガル)の三階建てのバス(?)も具象で登場。

 音楽はパッヘルベルの「カノン」が何度も流れました。繰り返す夢のイメージと重なりました。
 男役を女優さんが演じるのがとても良かったです。例えば宮菜穂子さんが学園祭事務局長役を演じたおかげで、エッチなこともむやみに際立つことなく、世界の中にうまく溶け込んでいたように思います。
 声をそろえてセリフを群読するのも好き。役者さんが気持ちと声を合わせているのって、やっぱりわくわくします。

 李白翁(ベンガル)が振舞うニセデンキブランが飲みたくなっちゃった(笑)。
 先輩と乙女の、月夜の飛行シーンは泣けました。鯉が泳いでいたのも可愛い。最後の花吹雪も大量で嬉しかったです。私の気持ちも大団円でした。

≪東京、大阪、仙台、京都、名古屋≫
出演:田中美保(黒髪の乙女)/渡部豪太(先輩)/ベンガル(李白翁)/辺見えみり(羽貫)/綾田俊樹(東堂)/高山都(少年・古本市の神様)/西村直人 (パンツ総番長)/宮菜穂子(学園祭事務局長)/原口健太郎(樋口)/板垣桃子(須田紀子)/工藤和馬/島守杏介/長友なつみ/伊原農/桑原勝行/深津紀暁/古味哲之甫/山本あさみ /新井結香/ヨネクラカオリ
原作:森見登美彦(「夜は短し歩けよ乙女」(角川書店刊)2007年本屋大賞2位・第20回山本周五郎賞受賞) 脚本・演出:東憲司(劇団桟敷童子) 美術:大津英輔 照明:相良浩司 音響:藤田赤目 衣裳 畑久美子 ヘアメイク:宮内宏明 音楽:川崎貴人 舞台監督:松下清永+鴉屋 演出助手:松倉良子 イラスト:中村佑介 宣伝小道具:高津映画装飾 宣伝写真:加藤孝 宣伝美術:立川明 運営:サンライズプロモーション東京 宣伝:る・ひまわり テレビ朝日:中村雪浩 吉原智美 票券:後藤まどか 制作:島袋佳 外山博美 アシスタントプロデューサー:佐々木弘毅 プロデューサー:池田道彦 企画協力:角川書店 衣装協力:BEAMS 主催:テレビ朝 企画製作:アトリエ・ダンカン
チケット料金:S席8,500円/A席5,000円(全席指定・税込)※未就学児童の方は入場をお断りする事がございます
http://www.duncan.co.jp/web/stage/otome/index.html

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Posted by shinobu at 22:52 | TrackBack

映画「曲がれ!スプーン」04/02都内某試写室

 本広克行監督の映画「曲がれ!スプーン」の試写を拝見しました。原案・脚本はヨーロッパ企画の上田誠さん。上映時間は約1時間45分。劇場公開は2009年冬だそうです。

 主演は長澤まさみさん。その他のメイン・キャストは小劇場の人気俳優さんがズラリ!(⇒三宅弘城、諏訪雅、中川晴樹、辻修、川島潤哉、岩井秀人、志賀廣太郎)

 細かい仕掛けや演技に笑って、長澤さんの可愛らしさに「ムフっ♪」となって、そして・・・いい映画でした。本広さんはとても優しくて、温かい心をお持ちの方だと思いました。

 日本映画、いいな~。こうやってどんどん舞台俳優が映画に出演していって欲しいです。

製作 : フジテレビジョン ROBOT 博報堂DYメディアパートナーズ 東宝 日本映画衛星放送 制作プロダクション : ROBOT 配給 : 東宝
http://magare-spoon.com/

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2009年04月01日

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 ◎桜も咲き始めましたね!最寄り駅への行き帰りも晴れやかな心地です。
  4月は新しいことが始まりそうな、前向きな気持ちになれます♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→松竹『赤い城 黒い砂』
       04/11-26日生劇場
       ≪東京、京都≫
    http://www.shochiku.co.jp/play/others/090411/index.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→SPAC・フェスティバル/トーキョー『転校生』
       03/26-29東京芸術劇場 中ホール
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0328164305.html

 ◆3【お薦め芝居の前売情報 新国立劇場演劇『夏の夜の夢』 】

   ◎2007年の初演が好評だったロマンティックな喜劇の再演です!
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000068_play.html

 ◆4 【劇団MONOの土田英生戯曲・3作連続上演!】

   ◎4月から5月の間に、土田英生さんの新作が3本上演されます。
    http://www.c-mono.com/

 ◆5【「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ネット審査結果発表! 】

   ◎第一次(ネット)審査通過の10団体を発表!
    http://stage.corich.jp/festival2009/result.php

 ◆6【編集後記】

   ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」へのご応募を
    ありがとうございました!

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.東宝『淫乱斎英泉』
  04/02-12あうるすぽっと
  ≪東京、新潟、兵庫、愛知、石川≫
  ☆出演:浅野和之 田中美里 木下政治 高橋由美子 山路和弘
   脚本:矢代静一 演出:鈴木裕美
   7,000円 ※未就学児童入場不可
    http://www.eisen-choei.jp/
   1975年に書かれた、矢代静一の浮世絵師三部作の内の1編。
   浅野和之さんと山路和弘さんが対照的な江戸の絵師を演じます。
   鈴木裕美さんの演出にも期待。
   ※浅野和之さんが演じるのは医師、山路和弘さんが演じるのは絵師です。
    失礼いたしました(2009/04/03加筆)。


2.アトリエ・ダンカン『夜は短し歩けよ乙女』
  04/03-15東京グローブ座
  ≪東京、大阪、仙台、京都、名古屋≫
  ☆出演:田中美保 渡部豪太 ベンガル 辺見えみり 綾田俊樹 
      高山都 西村直人 宮菜穂子 原口健太郎 板垣桃子 他
   原作:森見登美彦(「夜は短し歩けよ乙女」角川書店刊)
   脚本・演出:東憲司(劇団桟敷童子)
   S席8,500円 A席5,000円
   ※未就学児童は入場不可の可能性あり。
    http://www.duncan.co.jp/web/stage/otome/index.html
   2007年本屋大賞2位・第20回山本周五郎賞受賞作品の舞台化。
   東憲司さんのダイナミックな演出も楽しめそう。


3.Bunkamura『音楽劇 三文オペラ』
  04/05-29Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:三上博史、秋山菜津子、安倍なつみ、松田美由紀、明星真由美、
      米良美一、田口トモロヲ、デーモン小暮閣下 他
   脚本:ベルトルト・ブレヒト 演出:宮本亜門
   S席12,000円 A席9,000円 コクーンシート席6,000円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_sanmon.html
   宮本亜門さんがシアターコクーン初登場。ブレヒトの『三文オペラ』が
   華やかなキャストとともに、どう仕上がるのかとても楽しみ。


4.新国立劇場演劇『シュート・ザ・クロウ』
  04/10-26新国立劇場 小劇場
   シリーズ・同時代【海外編】Vol.2
  ☆出演:板尾創路 柄本佑 阿南健治 平田満
   脚本:オーウェン・マカファーティー 翻訳:浦辺千鶴 小田島恒志
   演出:田村孝裕
   A席:4,200円 B席:3,150円 Z席:1,500円
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000065_play.html
   海外現代戯曲を日本の若手演出家の手にゆだねる、新国立劇場の企画第2弾。
   北アイルランドの男4人芝居をONEOR8の田村孝裕さんが演出されます。
   終演後のトークや無料リーディングはとってもお得です!
   Vol.1『昔の女』のレビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0314175205.html
   リーディング公演『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』のレビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0320113327.html


5.ニッポン放送『キサラギ』
  04/09-19世田谷パブリックシアター
  ≪東京、福岡県、鹿児島、岡山、新潟、宮城、福島、北海道、
   石川、愛知、大阪、東京≫
  ☆出演:松岡充 今井ゆうぞう 佐藤智仁 中山祐一朗 今村ねずみ
   脚本:三枝玄樹 演出:板垣恭一
   7,800円
    http://www.kisaragi-stage.com/
   小栗旬さん主演の映画もとても面白かった『キサラギ』を、
   人気男優をそろえて舞台化。もともとが舞台作品なので期待できそう。   


★6.松竹『赤い城 黒い砂』
  04/11-26日生劇場
  ≪東京、京都≫
  ☆出演:片岡愛之助 黒木メイサ 中村獅童 南沢奈央 
      馬淵英俚可 中嶋しゅう 田口守 中山仁 ほか
   ※津嘉山正種が急病のため降板。代役は中山仁。
   W・シェイクスピア作「二人の貴公子」より
   脚本:蓬莱竜太 演出:栗山民也
   S席9,500円 A席6,500円 B席3,000円
    http://www.shochiku.co.jp/play/others/090411/index.html
   岸田國士戯曲賞を受賞したばかりの蓬莱竜太さんが、
   シェイクスピア戯曲をもとに書き下ろし。演出は栗山民也さん。
   片岡愛之助さん、中村獅童さんら豪華キャストです。

  ●お薦めポイント●
   蓬莱竜太さんは様々な公演にひっぱりだこの若手劇作・演出家です。    
   岸田國士戯曲賞を受賞した『まほろば』↓の演出も栗山民也さんでした。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0718144304.html
   ドイツで『マリー・アントワネット』↓を成功させたばかりの栗山さんの、
    http://www.tohostage.com/ma_houkoku.html
   大劇場での演出には大いに期待できそうです。


★7.劇団昴『親の顔が見たい』
  04/14-19シアターサンモール
  ☆出演=西本裕行 北村昌子 姉崎公美 姉崎公美 宮本充 林佳代子 大坂史子
      田村真紀 金房求 星野亘 落合るみ 市川奈央子 永井誠
   脚本=畑澤聖悟(渡辺源四郎商店) 演出=黒岩亮(劇団青年座)
   一般5500円 大学生以下3500円 ペアチケット10000円
   ※4/14初日は一律3500円
    http://www.theatercompany-subaru.com/
   評価の高い畑澤聖悟さんの戯曲の再演。
   「NHKシアター・コレクション'09」↓にも選ばれていました。
    http://www.nhk-p.co.jp/concert/20090207_160101.html


8.文学座4月アトリエの会『犀(さい)』
  04/14-29文学座アトリエ
  ☆出演:奥山美代子 山本あゆみ 城全能成 大場泰正 牧野紗也子
      浅地直樹 川辺久造 飯沼慧 鈴木弘秋 松岡依都美
      三木敏彦 沢田冬樹 岡本正巳 頼経明子
   脚本:ウージェーヌ・イヨネスコ 訳:中村まり子 演出:松本祐子
   前売・電話予約:4000円 当日:4300円
   ユースチケット:2500円(25歳以下)※未就学児童の入場不可。
    http://www.bungakuza.com/sai/
   新しくなった文学座アトリエで、松本祐子さんがイヨネスコを演出。


9.ナイロン100℃『神様とその他の変種』
  04/17-05/17本多劇場
  ≪東京、愛知、大阪、広島、福岡≫
  ☆出演:犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、大倉孝二、廣川三憲、
      長田奈麻、藤田秀世、植木夏十、水野美紀、山内圭哉、山崎一
   脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   6,800円
    http://www.sillywalk.com/nylon/
   勢いが止まらないケラさんの新作・劇団公演。こんなにハイペースで
   新作を発表されるとドキドキします。もちろん、嬉しいですが(笑)。


★10.パルコ/大人計画『大パルコ人 メカロックオペラ
  「R2C2~サイボーグなのでバンド辞めます!~」』
  04/27-05/31パルコ劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:出演 阿部サダヲ 森山未來 三宅弘城 皆川猿時 近藤公園
      平岩紙 宮藤官九郎 片桐はいり 松田龍平
   作曲:富澤タク 脚本・演出:宮藤官九郎
   8,800円 ※未就学児の入場不可。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/r2c2/
   宮藤官九郎さんが手がけるロック・オペラ。
   大人計画の面々に松田龍平さんら個性派俳優もそろって、
   未知の世界に連れて行ってくれそう!

 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3000円台以下の気になる作品を1企画+2本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【企画】《6人の演出家による連続上演》
  「キレなかった14才・りたーんず」
  ☆04/16-05/06こまばアゴラ劇場
   企画者:柴幸男(青年団演出部)/篠田千明(快快)
       中屋敷法仁(柿喰う客)
    http://kr-14.jp
  今、注目を集めつつある20代の最若手演出家6人の企画公演です。
  6作品をランダムに上演。演目は以下のとおり(初日順)↓ 

 『アントン、猫、クリ』
  作・演出:篠田千明(快快)

 『グァラニー ~時間がいっぱい』
  作・演出:神里雄大(岡崎藝術座)

 『すご、くない』
  振付・構成・演出:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)

 『少年B』
  作・演出:柴幸男(青年団演出部)

 『学芸会レーベル』
  作・演出:中屋敷法仁(柿喰う客)

 『14歳の国』
  作:宮沢章夫
  演出:杉原邦生(KUNIO/こまばアゴラ劇場〈サミット〉ディレクター)

  ※チケット詳細
   全演目共通:日時指定・整理番号付・全席自由席
   一般:予約2,500円 当日2,800円 高校生以下:予約・当日共1,000円
   [平日昼割引]一般:予約2,000円 当日2,500円
         高校生以下:予約・当日共1,000円

  ※スタンプラリーが実施されます。
   5演目以上鑑賞した観客に演出家からプレゼントあり!


【1】KAKUTA 朗読の夜#5『帰れない夜』『さとがえり』
  04/04-12ザ・スズナリ
  ☆脚本・演出:桑原裕子
   日時指定・全席自由 整理番号付き。
   前売:3200円 当日:3500円 
   4/4(土)昼、4/5(日)昼と平日昼はサービス公演:2800円
   ※『帰れない夜』『さとがえり』同時購入の場合400円割引
    http://www.kakuta.tv/gohome/
   桑原裕子さんが作・演出を手がける劇団KAKUTA(カクタ)の朗読公演。
   いつも全身全霊で、観客を温かく迎えてくれるのが嬉しい。


【2】InnocentSphere『ゲニウスロキ-GeniusLoci-』
  04/19-26シアタートラム
  ☆脚本・演出:西森英行 
   前売:3,500円 当日:4,000円 学割:2,500円 
   プレビュー・平日マチネ割引:3,000円(前売のみ)
   世田谷区民・劇場会員割引などあり
    http://www.innocentsphere.com/
   西森英行さんが作・演出を手がける劇団の再演作。私がはじめて
   イノセントスフィアを拝見したのがこの作品でした。
   「地霊(ゲニウス・ロキ)」レビュー(2003年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/1011175736.html


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.SPAC『転校生』
  03/26-29東京芸術劇場 中ホール
  ≪静岡、東京≫
  ☆本物の女子高生が女子高生を演じる“伝説”と呼ばれた舞台の再演。
   演劇という表現の広さ、深さを体感。時報と鼓動が今も響いています。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0328164305.html


2.さいたまゴールド・シアター『95kgと97kgのあいだ』
  03/18-29にしすがも創造舎 特設劇場
  ☆老人と若者の肉体そのものを対比させる演出に衝撃を受けました。
   虚構と現実が猛スピードで入れ替わる、ダイナミックな空間でした。    
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0320171438.html


3.新国立劇場演劇『昔の女』
  03/12-22新国立劇場 小劇場
  ☆コミカルかつ象徴的に演出された現代の怪談。暗に示された主張も、
   目に見えて楽しい仕掛けも、存分に味わいました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0314175205.html


  3月は「F/T(フェスティバル/トーキョー)」のおかげで、にわかに
  濃い国際交流をしちゃった気分♪ 1位・2位ともにF/T参加作品です。
  全22作品中、9作品↓を鑑賞しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0330111410.html
  次回は2009年秋(11月~12月)開催予定だそうです。
   http://festival-tokyo.jp/blog/2009/03/09.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2009年3月(観劇数23作品)は残念ながら発行しませんでした。

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 ◆3 【お薦め芝居の前売情報 新国立劇場演劇『夏の夜の夢』】
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 ◎初演が大好評だった新国立劇場の『夏の夜の夢』が再演されます!

 ●新国立劇場演劇『夏の夜の夢』
  05/29-06/14新国立劇場中劇場
  ≪東京、富山≫
  ☆作:ウィリアム・シェイクスピア
   翻訳:松岡和子 演出:ジョン・ケアード
   出演:村井国夫 麻実れい チョウソンハ 細見大輔 石母田史朗
      小山萌子 宮菜穂子 青山達三 大島宇三郎 吉村直 大滝寛 
      小嶋尚樹 酒向芳 水野栄治 神田沙也加 JuNGLE 倉田亜味
      清家悠圭 森川次朗 浅井信好 柴一平 西田健二
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000068_play.html
   初演(2007年)のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0605140622.html
   
  シェイクスピアの『夏の夜の夢』は何度も観ていますが、
  出演者と観客が一緒に夢を見ていたんだと実感できたのは初めてでした。
  ご家族そろって観ても楽しめるロマンティックな娯楽大作だと思います。

 【チケット情報】

  ・一般発売日:2009年3月20日(金)~ 発売中!

  ・全席指定 S席6,300円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円

  ・チケット取扱
   新国立劇場Webボックスオフィス:http://ent-nntt.pia.jp/
   電子チケットぴあ:http://t.pia.jp/
   イープラス:http://eplus.jp/
   チケットWeb松竹:http://www1.ticket-web-shochiku.com/p/
   CNプレイガイド:http://www.cnplayguide.com/
   ローソンチケット:http://l-tike.com/

  ・お問い合わせ
   新国立劇場ボックスオフィス  電話03-5352-9999

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 ◆4 【劇団MONOの土田英生戯曲・3作連続上演!】
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 ◎劇団MONOの作・演出家である土田英生さんの戯曲が、
  4月から5月にかけて3作連続上演されます。すべて新作!
   MONO:http://www.c-mono.com/

【1】福田転球×平田敦子÷土田英生『戸惑い男、待ち女』
  04/29-05/03駅前劇場
  ☆作・演出:土田英生
   出演:福田転球・平田敦子
   全席指定 前売3500円 当日3800円 未就学児童入場不可。
   お問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 
    http://cucumber-m.com/news/2009/05/post-10.html
   ※大阪公演あり⇒5/8~10@インディペンデントシアター2nd

【2】演劇集団円『初夜と蓮根』
  05/14-27ステージ円
  ☆作:土田英生 演出:内藤裕子
   出演:金田明夫 磯西真喜 山口太郎 岩崎正寛 細越みちこ
      佐藤銀平 吉田久美 石田登星
   全席指定 一般5,000円 ペアチケット9,000円(2枚1組)
    http://www.en21.co.jp/

【3】劇団青年座『その受話器はロバの耳』
  05/23-31本多劇場
  ☆作:土田英生 演出:須藤黄英
   出演:綱島郷太郎 五十嵐明 椿真由美 遠藤好 鈴木貴子
      津田真澄 森脇由紀 山崎秀樹
   チケット発売日:4月23日(木) 全席指定 一般4,500円
   ネット予約4,300円 ゴールデンシート(65歳以上)4,000円
   学生券3,500円 ※5月23日・5月25日は3,000円
    http://seinenza.com/performance/public/196.html

  ★“円⇔青年座”往復切符あり! ※要予約
   『初夜と蓮根』『その受話器はロバの耳』のチケット、
   またはその半券を持参すると一般券が500円割引き!

  土田さんのブログ「土田頁」↓で
   http://tsuchidapage.seesaa.net/
  台本執筆の奮闘振りを拝読していましたので、とても楽しみ♪

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 ◆5 【「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ネット審査結果発表!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2009春」の審査員をさせて頂いております。
   http://stage.corich.jp/festival2009/
  グランプリ受賞団体には次回公演資金として100万円が支援されます。

  第一次(ネット)審査にて65作品の中から10作品が選ばれました!
   http://stage.corich.jp/festival2009/result.php
  ※下記、初日の早い順に

【4月】
 ■劇団6番シード「テンリロ☆インディアン」(東京都)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=8400

 ■MCR「シド・アンドウ・ナンシー」(東京都)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=8947

 ■劇団コーヒー牛乳「男の60分 -東京場所-」(埼玉県)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=9078

 ■DULL-COLORED POP「ショート7」(千葉県)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=7598

【5月】
 ■FUKAIPRODUCE羽衣「朝霞と夕霞と夜のおやすみ」(東京都)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=9135

 ■北京蝶々「愛のルーシー」(東京都)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=8546

 ■studio salt「天気のいい日はボラを釣る」(神奈川県)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=9632

 ■犬と串「CASSIS」(東京都)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=9398

 ■劇団ぎゃ。「玉ノ井家のエンゲル係数」(福岡県)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=9009

【6月】
 ■時間堂「花のゆりかご、星の雨」(東京都)
  http://stage.corich.jp/festival2009/detail.php?stage_main_id=8844

 3ヶ月間で審査員が10作品を鑑賞し、7月中旬にグランプリを発表します。
 よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://www.corich.jp/stage/user_register.php
   携帯サイト:http://corich.jp/m/s

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 ◆6 【編集後記】
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 ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」への多数のご応募を
  ありがとうございました!これから3ヶ月の審査をがんばります。
   http://stage.corich.jp/festival2009/result.php
  2010年も開催されますので、ご興味ある団体の方はチェックしてください!


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2009年3月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「パコと魔法の絵本」←やっぱり舞台の方が好き。
    http://www.paco-magic.com/
  ・「ジャージの二人」←山に行きたくなりました~。
    http://www.ja-zi2.jp/
  ・「容疑者Xの献身」←話が面白い。キャラメルボックスが舞台化しますね。
    http://yougisha-x.com/
  ・「真木栗ノ穴」←私はかなり好きかも。最後にうっとりしました。
    http://www.makiguri.com/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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 ◆7 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
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 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
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 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

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 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
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Posted by shinobu at 11:45 | TrackBack

TOKYO DANCE TODAY #4『あらかじめ』03/26-29青山円形劇場

 小野寺修二さん(関連エントリー⇒)の新作公演です。小野寺さんは水と油での活動を休止して、今はカンパニーデラシネラというユニットで活動されています。

 ダンサーだけではなく舞台俳優もキャスティングされた今作は、マイムだし、ダンスだし、演劇だし、パフォーマンス(路上パフォーマンスのような)だし・・・。私は楽しく眺めながらも、最後までグっとつかむことはできなかったかも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『あらかじめ
 レビューはほぼ記録のみ。月末で書けない状況です。すみません。

 カチっと動きを決めるばかりではなく、かといって、ずっとゆるゆるしてるわけでもなく。セリフはあってもストーリーはないようで・・・。小道具(と言っていいのかしら)の使い方が面白かったです。

 水と油の作品でも思っていたんですが、女性が着ているスカート(ワンピース)がいつもすごく可愛い!

 ここからネタバレします。

 職安に「この女を殺して」と言ってくる女(宮下今日子)。まんまと人殺しをしてしまう男(有川マコト)。でも女(藤田桃子)は死んでない(生き返ってくる)みたいで・・・。

 電動の小さな自動車の道を作っていくのが楽しかったです。飛行機が降りてくるのも夢見心地な気分。

出演:有川マコト 佐藤亮介 藤田桃子 宮下今日子 小野寺修二
作・演出:小野寺修二(カンパニーデラシネラ) 舞台美術:石黒猛 テキスト:小里清(フラジャイル) 衣裳:大野雅代 照明:磯野眞也(アイズ) 音響:田中裕一(サウンドウェッジ) 舞台監督:矢島健 宣伝美術:太田博久(golzopocci) 制作協力:高樹光一郎(ハイウッド) 平岡久美(Dance in Deed!) 制作:小野晋司(青山円形劇場) 主催:こどもの城 青山円形劇場
チケット前売開始2009年1月30日(金)全席指定 前売3,700円/当日4,000円
http://www.onoderan.jp/website/
http://www.aoyama.org/japanese/schedule/s2009/enkei/3arakajime/arakajime.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:53 | TrackBack