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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年05月29日

【情報】映画「愛のむきだし」DVDは2009年7月24日(金)発売開始!

 上映最終日前日に劇場にすべり込んで、すっかりハマってしまった映画「愛のむきだし」(出演:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、他 監督:園子温)。⇒ひとこと感想  早くも2009年7/24よりDVDが発売されます。

愛のむきだし [DVD]
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アミューズソフトエンタテインメント (2009-07-24)
売り上げランキング: 116

 amazonだと定価5,460円のところ4,002円(2009/05/29時点)。ロードショーのチケットが2,500円だったので、特典映像がついていることも鑑みるとオトク価格なのかも。あぁ、買ってしまうかも・・・。ゆらゆら帝国「空洞です」は今もよく聴いてます。

Posted by shinobu at 22:44 | TrackBack

2009年05月26日

elePHANTMoon『成れの果て』05/21-26サンモールスタジオ

 elePHANTMoon(エレファントムーン)はマキタカズオミさんが作・演出される劇団です。チラシの絵が怖いので(←すみません!)予約を躊躇していたのですが、劇団競泳水着『NOT BAD HOLIDAY』と同様にCoRich舞台芸術!のクチコミが盛り上がっていたので、なんとか千秋楽にすべりこみました。通路席まで満席でした。上演時間は・・・失念。2時間より短かったと思います。

 elePHANTMoonの作品を観るのはこれで2度目ですが、比較にならないほど完成度が高かったように思います。開き直ってむき出しになった悪意が充満する中に、非常にセンスよくユーモラスな間(ま)が刻まれるのが快感。修羅場のシーンでにやにや笑っている自分がちょっと怖くなりました(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『成れの果て
 レビューは記録のみ。月末でテンパってます。すみません。

 ≪あらすじ≫ 公式ブログより。(役者名)を追加。
 『不幸や絶望はもういらない。私は幸せがほしい。』
 早代(菊池佳南)は東京で生活していた。
 或る日、田舎で暮らす姉のあすみ(津留崎夏子)から連絡があった。
 それは今度結婚するという内容の電話。
 「おめでとう。何て人? 地元の人?」
 あすみは言いにくそうに名前を言った。
 「布施野くん(永山智啓)…」
 名前を聞いて早代は愕然とした。
 その男は11年前に早代を強姦した男だった。
 ≪ここまで≫

elePHANTMoon#7
出演:永山智啓 酒巻誉洋 山口オン 菊地奈緒 津留崎夏子(世界名作小劇場) 菊池佳南(バナナ学園純情乙女組) 石井舞 江ばら大介 保田泰志 藤井宏之
脚本・演出:マキタカズオミ 舞台美術:福田暢秀(F.A.T STUDIO)/照明:若林恒美 音響:星野大輔/舞台監督:大澤佑介 西山みのり イラスト:駕籠真太郎 舞台写真:石澤知絵子 舞台撮影:頃安祐良 衣裳:三井さやか 演出助手:上松頼子(風花水月) 制作:塩田友克 製作:elePHANTMoon
【発売日】2009/04/10 日時指定・全席自由 前売:2500円 当日:2800円
http://www.elephant-moon.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:59 | TrackBack

劇団競泳水着『NOT BAD HOLIDAY』05/19-26シアターグリーン BASE THEATER

 上野友之さんが作・演出(時には出演も)される劇団競泳水着の、正式劇団化第1作となる第11回公演です。CoRich舞台芸術!のクチコミが大変好評なので、期待して伺いました。劇団初の追加公演も実施されました。

 劇団のキャッチコピーは“トレンディ・ドラマ”。清潔感があって、さわやかで、ふんわりとアットホームな、等身大の(ように見える)若者たちの恋の群像劇でした。勝手に飲み物にたとえると、微炭酸のカルピスソーダのような。小劇場演劇によくある、きわどい(汚い)言葉や関係性は出てきません。劇中の空気の濃度は低い目ですが、だからこそリラックスして気軽に楽しめるのかも。上演時間は約2時間。

 当日パンフレットに上野さんが書かれていた、正式劇団化したことの喜びと感謝の言葉を読んで、開演前からグっと来てしまいました。劇団化おめでとうございます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『NOT BAD HOLIDAY
 レビューは記録のみ。月末で時間が取れません・・・すみません。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 東京近郊のとある県。
 その郊外に位置する中くらいの町。
 町で暮らす長女(細野今日子)、東京から突然戻ってきた弟(玉置玲央)、自信を失った医者(堀越涼)。
 そして、新設された「県民の休日」に起きた交通事故。
 それぞれの想いが、事故によって大きく揺れ動く-。
 ≪ここまで≫

劇団競泳水着第十一回公演 劇団競泳水着、初めての追加公演決定!
出演:川村紗也、大川翔子、細野今日子、玉置玲央(柿喰う客)、堀越涼(花組芝居)、高見靖二(チャリT企画)、梅舟惟永(ろりえ)、佐伯佳奈杷、橋本恵一郎、百花亜希、さいとう篤史、高橋克己(おぼんろ)
脚本・演出:上野友之 舞台監督:藤田有紀彦 舞台美術:福田暢秀(F.A.T STUDIO) 大道具:梅津勝 照明:島田雄峰(lighting staff Ten-Holes) 照明操作:岩崎亜希子 音響:星野大輔 演出助手:陶山浩乃(演出女子.) 衣装:劇団競泳水着 飯田裕幸 宣伝美術:立花和政 宣伝写真:永西永実 写真ヘアメイク:伏屋陽子 写真モデル:細野今日子 WEB:Atelier.Logic+box. 制作:会沢ナオト 中根安里紗 制作補:吉水恭子(芝居屋風雷紡) 制作協力:塩田友克 製作:「NOT BAD HOLIDAY」製作委員会
【発売日】2009/04/12 日時指定・全席自由 前売 2500円  当日 2800円 ペアチケット(要予約) 4400円 ※初日割引 2000円……19(火)19:30 ◎平日マチネ割引 2300円……21(木)14:00&25(月)14:00 競泳水着着用でご来場された方は無料!!
http://k-mizugi.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:45 | TrackBack

2009年05月25日

劇団、江本純子『まじめな話』05/22-24ギャラリーLE DECO

 毛皮族の作・演出をされているジュンリーこと江本純子さんが、新しいプロジェクトを始められました。“毛皮族らしくない芝居”ってどんなのかしら~と思っていたら、早口の現代口語でギュっと凝縮された、笑えて切ない2人芝居でした。上演時間は約1時間25分。

 第0回の出演者は町田マリーさんと江本純子さんでしたが、第1回(6/26~28)は五反田団の前田司郎さんと、元ポツドールの安藤玉恵さんです。必見ペアですね!

 ⇒CoRich舞台芸術!『まじめな話
 レビューは記録のみ。月末で忙しくなりました。すみません。

劇団、江本純子 第0回公演
出演:町田マリー 江本純子
作・演出:江本純子 美術:伊藤雅子 照明:吉岡靖 音響:岡田悠(One-Space) 舞台監督:村田明 衣裳協力:中西瑞美 演出助手:高野ゆらこ 宣伝美術:two minute warning WEB:rhythmicsequences 制作協力:山並洋貴 森澤友一朗 制作:照井恭平 制作統括:樺澤良(劇団制作社) 企画製作:毛皮族
【発売日】2009/04/25 前売3,200円/当日3,500円
http://kegawazoku.com/gekiemo

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:31 | TrackBack

劇団ぎゃ。『玉ノ井家のエンゲル係数』05/23-24 ColaboCafe

 劇団ぎゃ。は中村雪絵さんが作・演出・出演される福岡の劇団です。東京、大阪 福岡の3都市ツアーは劇団初の試みなんですね。

 「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として拝見しました(⇒応募内容)。上演時間は約1時間5分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『玉ノ井家のエンゲル係数
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 事故で両親を亡くした日から妹は病んじゃってそれからニート。
 外に出れば謎の巨体女にストーキングされ、
 男もいまだかつて一度もできたことがなく、
 病院行ったらあっさり死を宣告された女の話。
 娯楽作品ですので、安心して観に来てくださいね。
 ≪ここまで≫

≪東京、大阪 福岡≫ 劇団ぎゃ。挨拶回りツアー
出演:中村雪絵 三坂恵美 神の声:富田文子
脚本・演出:中村雪絵 演出助手:大畑佐織 古賀つばさ 音響:廣瀬由依 音響オペ:中原智香 照明オペ:富田文子 舞台監督:三坂恵美 チラシデザイン:林良子(スバラボ) チケット・パンフレットデザイン:児玉真名美 受付:古賀つばさ、児玉真名美、富田文子 制作:古賀つばさ、三坂恵美 企画制作・主催:劇団ぎゃ。
5月23日(土)14:00/18:00/21:00・5月24日(日)14:00/18:00
【発売日】2009/04/13 前売り2,000円 当日2,500円
http://www.gekidangya.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:58 | TrackBack

犬と串『CASSIS』05/21-27早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ

 犬と串はモラルさんが作・演出される早稲田大学演劇研究会(通称:劇研)内アンサンブルです。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として拝見しました(⇒応募内容)。上演時間は約1時間30分。私は初見です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『CASSIS
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ・解説≫ CoRich舞台芸術!より。
 あなたの「うれしい」は、私の「うれしい」。
 だから、私の「うれしい」は、あなたの「うれしい」、よ、ね?…え?違う?
 犬と串、春の第二回公演は、反吐が出るほど甘ったるいメルヘン・ワールド!
 さあ、ハンカチのご用意を忘れずに!(泣けないけど…)
 ≪ここまで≫ 

犬と串case.2
出演:満間昂平、鈴木アメリ、藤尾姦太郎、松崎みゆき、堀雄貴、石澤希代子、萩原達郎、廣瀬瞬、片岡選己、中原穂
脚本・演出:モラル 照明:伊藤孝(ART CORE)照明操作:横井佑輔 音響:志水れいこ 音響操作:古川直幸 舞台美術:満間昂平 舞台監督:角本敦 (d'UOMO ex machina)  作業監督:桜井健太郎 スチール:金丸圭 記録撮影:稲門シナリオ研究会 宣伝美術:木村将海 当日運営:池田智哉(feblabo)・潮田塁(猫ノ手) 制作:鈴木アメリ 主催:早稲田大学演劇研究会
【発売日】2009/04/01 前売1000円 当日1200円 新入生割引(要学生証) 500円 リピーター割引(要
半券)500円 ★金のチケット・銀のチケット:当日受付でお渡しするチケットの中に、毎ステージ1枚、銀のチケットを封入します。当選者の方は、次回「case.3」の公演を無料でご覧いただけます。 そして、全ステージを通して1枚だけ、金のチケットを封入します。当選者の方は、次回以降の犬と串の公演を、いつでもすべて無料でご覧いただけます!
http://inutokushi.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:20 | TrackBack

2009年05月24日

【スナップ】「パナソニックとベネトンのある楽しい暮らしをショーウィンドウで実演」05/21-31ベネトンメガストア表参道

 ベネトンメガストア表参道にて、ベネトンとパナソニックとの期間限定コラボイベント開催中。
 「マネキンがショーウィンドウで生活していまーす。ぜひご覧になってくださーい」と呼び込みをしていました。

200905241751001.jpg

 たしかにお料理してる(笑)。マネキンを演じるのは劇団ホチキスの方々です。パフォーマンスは毎日12:00~20:00に実施。ネットでライブ中継されています。メッセージも送れます。

200905241751000.jpg

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:22 | TrackBack

北京蝶々『愛のルーシー』05/20-26 OFF OFFシアター

 北京蝶々は大塩哲史さんが作・演出される早稲田大学出身の劇団です。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として拝見しました(⇒応募内容)。上演時間は約1時間15分。私は初見です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『愛のルーシー』★CoRichでカンタン予約!
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 愛の理を、あなたに。
 1991年、アリゾナの砂漠に建設された実験施設「バイオスフィア2」に
 8人の男女が集められた。
 彼らは2年間、「バイオスフィア2」から一歩も出ることなく自給自足の生活を送った。
 「バイオスフィア2」を模して日本に建設された「バイオスフィアJ」。
 かつての実験を再現するかのように、8人の男女が集められる。
 彼らもまた、自給自足の生活を開始するのだが―――。
 少子化と晩婚の時代に北京蝶々がお送りする、バイオロジック・ラブストーリー。
 ≪ここまで≫

北京蝶々第12回公演
出演:帯金ゆかり・鈴木麻美・森田祐吏・田渕彰展・白井妙美・岡安慶子・本井博之(コマツ企画)・高木エルム(柿喰う客)・東谷英人(カカフカカ企画)・石井由多加
脚本・演出/大塩哲史 照明/伊藤孝 (ARTCORE design) 照明操作/守屋康子 音響・音響操作/志水れいこ 映像・映像操作/張燦 舞台監督/主侍知恵 舞台美術/稲田美智子 宣伝美術/満冨優子 宣伝写真/野中裕仁 衣装/小原敏博 小林由香 スチール/金丸圭 記録映像/笠原恵 制作協力/村松佑香 安田裕美 制作/鈴木麻美 製作/北京蝶々
【発売日】2009/04/20 前売2500円 当日2800円 平日マチネ割引2000円
http://pekinchocho.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:01 | TrackBack

studio salt『天気のいい日はボラを釣る』05/20-24王子小劇場

 studio saltは椎名泉水さんが作・演出される劇団です。主宰は役者の麻生0児さん。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として拝見しました(⇒応募内容)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『天気のいい日はボラを釣る』★CoRichでカンタン予約!
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 あのピョンピョン跳ねてるやつ?ボラって魚だよ。
 この辺のボラは臭くて食えたモンじゃないね、ヘドロとか食ってるから。
 ヘドロの臭いになっちゃうんだよ、肉が。腹が黄色いのは臭いボラ。みんなよく棄ててくね、釣っても。その棄てボラが腐って臭うんだよ。夏なんか最悪だね。でも海の方回ってるのはさ、ちゃんと処理してやれば旨いもんだよ、刺身とか。鯛みたい。寒ボラって言ってね、冬のは旨いんだよ。カラスミ食ったりする?旨いよね、高いけど。あれだってボラの卵だからさ。高級魚だよね、ホントは。今時分はね、海の温度より川の方が高くなるから外ボラがこっちに上がって来るんだよ、腹が白いやつね。うまくすれば外ボラが釣れる。うまくすればね。だから今日みたいに天気がいい日はここで釣ってるよ。釣れたらボラしゃぶにしてね、みんなで食うの。寒いからあったまる。腹ン中にある「そろばん玉」って、砂肝みたいなのがまた珍味でさ。焼いて食うとコリコリしてこれまた旨いんだ。酒がすすむよね。
 ≪ここまで≫

studio salt第11回公演
出演:麻生0児  東享司 高野ユウジ 木下智巳 鷲尾良太郎 小川雅功(劇団川崎演劇塾) 川嵜美栄子
脚本・演出:椎名泉水 舞台美術:小林奈月 照明:奥田賢太(colore) 音響:岩野直人 舞台監督:笹浦暢大(うなぎ計画) 演出助手:松本プッチーニ 宣伝写真:藤倉善郎 宣伝美術:windage.  記録スチール撮影:藤倉善郎 WEB:山本麻季 当日運営:石川智美  劇団制作:藤本忠生 企画・製作・主催: studio salt
【発売日】2009/04/10【日時指定・全席自由席】前売・当日共2,800円 早期観劇割引2,000円  [20日(水)19時30分・21日(木)14時の回のみ] 学生割引1,500円[前売・劇団扱いのみ](高校生以下・要学生証提示)★20日(水)19時30分、21日(木)14時の回は、早期観劇割引2,000円です。
http://www.studiosalt.net

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:40 | TrackBack

2009年05月23日

冨士山アネット『Romeo.』05/22-24川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場

 シンガポールの劇場に招聘された冨士山アネット『Romeo.』の凱旋公演です。川崎市アートセンターのクリエイティブ・サポート事業・第1弾として、同劇場でのお稽古の末に初日を迎えたそうです。
 簡単に言ってしまうと、ストーリー性のはっきりしたダンス、もしくは格闘技風の無言劇。出演者6人のうち5人は俳優です。

 積極的に身体に触れて、からみ合って、取っ組み合って、人間の関係性を激しい動きで表現していきます。見世物として、素直に、とても面白かった!
 チラシのビジュアルには洗練さが前面に出ていますが、感情表現はストレートだし、むしろ愚直な野生も感じられる作品でした。上演時間は約1時間弱。

 当日パンフレットに登場人物紹介が書かれていますので、ご覧になる前に読まれると、よりわかりやすく楽しめるかと思います。

 ⇒asahi.com「川崎市アートセンター、6団体に劇場を提供
 ⇒CoRich舞台芸術!『Romeo.シンガポール&ジャパンツアー』★CoRichでカンタン予約!
 レビューは続きを書けるかどうか不明。すみません。

 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』が題材になってはいますが、特に原作を気にしなくていいと思います。登場するのは1人の女と5人のロメオ。女性ダンサーは1人しかいませんが、5人のロメオそれぞれにとってのジュリエットだとすると、彼女は1人5役を演じていることになるのだと思います。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(向かって左から):市村作知雄(川崎市アートセンター統括ディレクター) 徳永京子(演劇ライター) 長谷川寧(作・演出・振付・出演)
 

シンガポール凱旋公演/川崎市アートセンタークリエイティブ・サポート事業
≪シンガポール、神奈川≫
出演:山本伸一(BQMAP)、石川正義(ク・ナウカ)、大石丈太郎、大園康司、伊藤麻希、長谷川寧
作・演出・振付:長谷川寧 衣裳パフォーマー:山下和美 音楽監督:吉田隆弘 ドラマトゥルグ:石橋源士 舞台監督:中西隆雄 照明:奥田賢太(colore) 照明操作:須賀谷沙木子(colore) 音響:佐藤春平 映像:浦島啓(PUREDUST) 演出補:福岡佑美子 宣伝美術:太田創(01Ga graphics) 制作:岩間麻衣子+冨士山家 制作助手:神島晶子 海外制作:仲島智沙子 協力:Esplanade 主催:冨士山アネット 共催:川崎市アートセンター
【発売日】2009/04/04 早割2200円(事前振込・4/30までご予約の方のみ) 一般2,500円 学生2300円(前売当日共/要学生証提示) 団体券6900円(3名様・要予約)当日2700円
http://fannette.net/

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2009年05月22日

サンプル『通過』05/15-24三鷹市芸術文化センター星のホール

 松井周さんが脚本・演出を手がけるサンプルの再演公演です。『通過』は松井さんの処女戯曲。私は初見です。

 岸田國士戯曲賞最終候補に選ばれた『家族の肖像』を、選考委員の1人として強く推した岩松了さん(⇒第53回岸田國士戯曲賞選評)と、演劇ライターの徳永京子さんをゲストに迎えたトークの日に伺いました。

 性的描写、暴力描写などがヴィヴィッドなので、そういう心の準備はして行かれた方がいいかもしれません。でも私には、とんでもなく醜くてみっともない人間を、いとおしく見つめる視線が感じられる作品でした。そしていっぱい笑わせて頂きました(笑)。

 上演時間は約1時間40分だったように思います。舞台装置がまた凄いことに。
 ★「通過」ご来場にあたって(公式サイトより)
 *客席の都合上、ミニスカート・ハイヒールを避け、動きやすい格好でお越しく ださいませ。
 *開演時間までにお越しくださいますよう、ご協力をお願いいたします。

 ⇒松井さんと出演者のインタビュー
 ⇒CoRich舞台芸術!『通過

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 性機能不全の夫(吉田亮)、親の介護にくたびれる妻(辻美奈子)、旧同級生(奥田洋平)との不倫関係。
 一見、現代社会では生活の周辺にありふれた諸事情を抱える家庭に、一人の男(古舘寛治)が現れる。
 男の「ユートピアをつくる」という発言から形作られていく環境に支配される人間たち。
 激しい舞台シーン展開、それとは裏腹にある俳優の繊細な芝居によるリアリティの探求を試みた作品。
 ≪ここまで≫

 四面からステージを囲む、すり鉢状の客席。初演はプロセニアム形式(額縁舞台)だったそうですので、演出は相当変わったのではないでしょうか。
 なんでもされるがままになっている夫婦。ぐだぐだ・うだうだ言うんだけれど、無条件に受け入れまくり(『神様とその他の変種』を思い出したりも)。この作品のテーマとして、私の中に大きく残ったのは“依存”です。

 目の前にいる役者さんが、登場人物の感情に忠実な、いわば自然な演技をする現代口語劇です。でも徐々に意外なことが起こってきます。「・・・あれ? なぜ?」と不可思議に感じることが連発する内に、劇中のゆるやかなルールがわかってきます。でもそのルールよりも、人々の言動や行動が目をひん剥くほど異常なので(笑)、次々と自分の中の常識・非常識の枠が破壊されていくような感覚を覚えます。

 終演後に友人と感想を話し合ったところ、それぞれに気持ち悪いと思ったり、可笑しくて笑ったりしたところがバラバラでした。終演後のトークで「性的というより暴力的だ」という感想を述べられた方がいらっしゃいましたが、その方が指摘された場面(関係性)は、私にとっては滑稽だけれど可愛らしい恋愛表現に見えていました。

 ここからネタバレします。セリフはうろ覚えです。

 客席は周囲をゴミに囲まれており、客席内にもところどころビニールに入ったゴミが配置されています。そのゴミと客席の裏側にあるゴミもライトアップされるので、溶暗するとゴミの中に居る(自分たちもゴミである)ような感覚になります。
 舞台への出ハケ口は1箇所だけ。その通路に次に登場する役者さんが待機して、舞台を眺めています。時には舞台上のゴミの中(ゴミにはさまれた場所)に座って待機することもあり。演技スペースと舞台裏との境界が曖昧です。

 突然に現れた兄は、母親の介護ヘルパーを名乗る粗野な若者2人(野津あおい、坂口辰平)を引き連れて、妹夫婦の家にあがりこみます。兄は「リサイクル業を始める」と言い出し、兄が手配した産廃業者による敷地内へのゴミの不法投棄が、どんどんエスカレートしていきます。家の中もゴミだらけになり、近所からの苦情は窓への投石にまでヒート・アップ。それでも、何もかもされるがまま、なすがままになっていく家族たち。

 ボケはじめて(?)自室に引きこもっている母親(登場しない)が、家族を呼び出す度に居間にブザーが鳴り響きます。拡声器のようなスピーカーが舞台中央天井から吊り下げられており(吊るといっても紐によってではなくパイプで)、それに服従する娘は牢屋に入った囚人のよう。
 でも母親がトランプ遊びをしたい時は、ブザーじゃなく音楽が鳴ります。笑えるポイントなんだけど、考えてみたら母親は本当に引きこもりなのか、本当にボケはじめているのか、そもそも存在するのかさえわからないんですよね。兄は何かと「お母さんに許可を取ったから」と言いますが、その真偽は定かではありません。なのに兄の言うことを信じる人たちのダメっぷりたるや。

 鳥肉味のガムについて薀蓄をのべる夫に、兄が言い放った「理屈じゃねぇんだよ。ガムなんだから」で爆笑。夫は(彼だけじゃないけど)妙な良心や思いやりに頼って、自分の五感に忠実じゃないんですよね。夫を演じる吉田亮さんの身体には、常に二重性を感じました。それが素晴らしかった。

 妻の不倫相手である保険会社社員(奥田洋平)が、夫を人工ペニスでレイプした後に、「(こんなつらい体験も)いつか時が経てばよかったねと言えるようになる」と、泣きながら感慨にふけったフリをしてしゃべるのにも大笑いしました。愚かすぎる。

 最後はストーリーから逸脱し、家族それぞれが自身の状態を象徴する動作をして、それらの演技によってコラージュされたようなシーンでした。男たちはトランプ遊びをしていたかと思いきや、カードを投げつけてケンカを始めます。娘は客席と客席の隙間に溜めこまれて盛り上がった、ゴミの山を這い登ろうとします。そこで溶暗して終幕。この溶暗がまた不気味で気持ちいい。
 たしかボケた母親は、家の近くの崖を登って、そこから転落して死亡してしましたので、ゴミ山を登る娘と母親が重なりました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ メモしたことの覚え書き程度です。
 出演:岩松了(俳優・劇作家・演出家)、徳永京子(演劇ライター)、松井周(サンプル所属。俳優・劇作家・演出家)

 ・『家族の肖像』について
 岩松「1つの作品の中に色んなイメージがあって、多面的な印象があった。」

 ・『通過』について
 岩松「前半は『蒲団と達磨』(岩松さんの1989年岸田國士戯曲賞受賞作品)に似てる気がした。」
 ※松井さんは岩松さんの影響を大いに受けていると自覚されていました。

 岩松「日常生活を描く時、その中に潜んだ何かを見つけるのが難しい。(松井さんの)光の当て方が作品の良さにつながっていると思う。」
 岩松「プリンやそうめんなど、貧しいものが出てくるのが好き。アキ・カウリスマウキの映画のような。貧しさの中に何かがある。ヘルパー1、2のとても怠惰で、だらしのない振る舞いの中に性的なものがある。」

 ・戯曲における性的なことについて
 岩松「誰かがいなくなった時に、いなくなった人の悪口を言うシーンがあるとする。特に身体の特徴についての悪口とか。そういったものを(僕は)性的だと思う。」
 徳永「その場にいる人と共犯関係を結ぶことになりますよね。」

 ・何の目的もない時にこそドラマがある
 松井「(出来事が起こる)確率の高いところから書き始めて、少しずつ確率の低い方向に書いていく。そうすると(筆が)ノってくる。」
 岩松「確率の高いところから低いところに行こうとする時、人間はどうするのか。それを描くことで平坦な日常を平坦じゃないものにする。人が行動する際に、ある特別な目的に向かっていく時にはドラマがない。何の目的もない時にこそドラマがある。根拠もなくて、どこに向かえばいいのかわからない方が、演じる時も面白い。」

 ・『男はつらいよ』極悪版?
 徳永「映画『男はつらいよ』に似ている気がした。妹の家に兄がフラっとやってくることとか。」
 松井「僕は寅さんが大好きなんです。『男はつらいよ』では起こりそうにない方向に話を進めてみた(結果、こんな話になった)。」

出演:辻美奈子(サンプル・青年団)、古舘寛治(サンプル・青年団)、古屋隆太(サンプル・青年団)、羽場睦子、吉田亮、野津あおい、坂口辰平(ハイバイ)、奥田洋平(青年団)、山村崇子(青年団)
脚本・演出:松井周 舞台美術:杉山至+鴉屋 照明:松本大介(enjin-light) 音響協力:長谷川ふな蔵 音響操作:森澤友一朗 衣装:小松陽佳留(une chrysantheme) 舞台監督:小林智 ドラマターグ・演出助手:野村政之 宣伝美術:京 宣伝写真:momokojapan 記録写真:青木司 記録映像:深田晃司 WEB運営:牧内彰 制作:三好佐智子 森澤友一朗 有田真代(背番号零) 企画・製作:サンプル・(有)quinada 主催:(財)三鷹市芸術文化振興財団 
ポストパフォーマンストーク: 15日 19:30 内野儀/16日 19:00 岩井秀人(ハイバイ)/20日 19:30 岩松了&徳永京子/21日 19:30 柴幸男(青年団演出部/ままごと)
【休演日】5/18(月)【発売日】2009/04/17 全席指定席 前売一般:3,000円 当日一般:3,300円 高校生以下:1,000円(前売当日共・当日学生証拝見)
http://www.samplenet.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年05月20日

【写真レポート】青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』記者発表05/18東京日仏学院エスパス・イマージュ

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『鳥の飛ぶ高さ』記者発表

 SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」記者発表と同会場で行われた、青年団『鳥の飛ぶ高さ』記者発表の写真レポートです。

 青年団は平田オリザさんが作・演出を手がける、国際的な活躍が目覚しい劇団です。
 『鳥の飛ぶ高さ』は30年前に書かれたフランス戯曲をもとに、平田オリザさんが舞台を現代日本に置き換えて翻案した“ドロ沼企業買収劇”。平田作品とは縁の深い、若手フランス人演出家アルノー・ムニエさんが演出されます。
 
 ●青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画
 『鳥の飛ぶ高さ
 【京都公演】 2009年6/12(金)~14(日)@京都芸術センター・フリースペース
 【東京公演】 2009年6/20(土)~28(日)@シアタートラム
  ※京都、東京公演の後にはフランス公演が控えています。
  ※日本語・フランス語上演/日本語・フランス語字幕付き

 ⇒CoRich舞台芸術!『鳥の飛ぶ高さ

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 フランスを代表する現代劇作家ミシェル・ヴィナヴェール作"Par-dessus bord"の舞台を、現代の日本に置き換え、平田オリザがお届けするドロ沼企業買収劇。
 超高性能便器を開発した日本の家族経営メーカーが、世界最大手のフランス資本便器会社に狙われる。
 日仏合作の新型経済演劇をフランスの次世代を担うアルノー・ムニエが演出する。
 ≪ここまで≫

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アルノー・ムニエさん

 ムニエ「『鳥の飛ぶ高さ』は現代のグローバル化を形にしたコメディーです。原作はそのまま上演すると8~9時間になる大作で、登場人物は40人、舞台となる場所は20ヶ所にも及びます。それらが同時進行で描かれる、ばらばらのコラージュ作劇と申しましょうか、常軌を逸した良作です。
 2時間の短縮版をもとに翻案された今作は、登場人物17人のうち、14人が日本人、3人がフランス人です。近代資本主義の叙事詩ともいえるべき戯曲を、オーケストラの指揮者になったつもりで演出したい。」

 原作者のヴィナヴェールさんは長年ジレット社の社長をされてきて、ビジネスの最前線にいながら劇作を続けてこられました。今は80代にして演出も手がけられています。平田さん曰く“フランスの堤清二”(Wikipedia)とも言える方だそうです。

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平田オリザさん

 平田「“Par-dessus bord”は30年前に書かれた戯曲で、アメリカ資本に買収されようとしているフランス企業を描いています。最初に藤井慎太郎さんの翻訳を読んだ時、まさに今の日本そのものだと思いました。原作ではトイレットペーパーの会社なのですが、日本のハイテク温水洗浄機器の会社に置き換えました。
 原作者と一緒に翻案できたのは大変幸運なこと。ヴィナヴェールさんには『全く新しい作品なのに、確かに僕の作品だ』と言っていただきました。」

 10年前にフランスに進出した青年団は、今ではヨーロッパで最も有名な日本のシアター・カンパニーのひとつです。今シーズンは平田オリザ戯曲の4つのプロダクションが、フランス国内を巡演中。『鳥の飛ぶ高さ』も来年にはフランスで上演されます。

 青年団が日本演劇界に新提案する“経済演劇”(小説において、1つのジャンルとして確立してる経済小説にならった平田オリザの造語)は、作品そのものもグローバルに展開していきます。経済にどっぷり浸かった日本に暮らす者として、ぜひとも目撃したい新作です。

   ★タイトル『鳥の飛ぶ高さ』について

 平田「原題の“Par-dessus bord”は日本語で“船から投げ出されて”“鍋から吹き出して”といった意味になり、直訳するのは難しかった。なので、日本公演のためだけに新しく日本語タイトルを作りました。外資系企業のことを“ハゲタカ”を呼ぶことがあります。そのイメージから『鳥の飛ぶ高さ』となりました。」

青年団国際演劇交流プロジェクト2009 日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
Projet de Collaboration Internationale de Seinendan 2009 Spectacle franco-japonais
出演:山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、志賀廣太郎、永井秀樹、天明留理子、太田宏、大塚洋、田原礼子、石橋亜希子、大竹直、畑中友仁 高橋広司(文学座) フィリップ・デュラン(Philippe Durand)、エルザ・アンベール(Elsa Imbert)、ナタリー・マテール(Nathalie Matter)、モアンダ・ダディ・カモノ(Moanda Daddy Kamono)
原作:ミシェル・ヴィナヴェール(texte original:Michel Vinaver"Par-dessus bord") 演出:アルノー・ムニエ(Arnaud Meunier) 翻案・演出協力:平田オリザ 原作戯曲邦訳:藤井慎太郎 翻案戯曲仏訳:ローズマリー・マキノ・ファイヨール(Rose-Marie Makino-Fayolle) 通訳:原真理子 ドラマトゥルグ:シモン・シェママ(Simon Shemama) 演出助手:西村和宏 舞台監督:中西隆雄 舞台美術デザイン:カミーユ・デュシュマン(Camille Duchemin) 舞台装置:鈴木健介 照明デザイン:フレデリック・グルダン(Frédéric Gourdin) 照明・字幕:西本彩 音響デザイン:バンジャマン・ジョソー(Benjamin Jaussaud) 音響:泉田雄太 衣裳:有賀千鶴 宣伝美術:京 宣伝写真:山本尚明 制作:西尾祥子(システマ) 西山葉子、横山優 カリーヌ・ブランシュロ(Karine Branchelot) 総合プロデューサー:平田オリザ 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
チケット発売日:4月18日(土) 全席指定席 前売・予約・当日券共 一般=3,500円/学生・シニア=2,500円/高校生以下=1,500円 世田谷区民=3,300円/劇場友の会=3,200円
http://www.seinendan.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年05月19日

【写真レポート】Studio Life『LILIES(リリーズ)』記者発表05/19ウエストエンドスタジオ

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「LILIES」ポスター

 男優ばかりの劇団Studio Life(スタジオライフ)が、劇団の代表作の1つである『LILIES(リリーズ)』を再演します(⇒2003年版のレビュー)。

 『LILIES』はカナダの劇作家ミシェル・マルク・ブシャールさんの戯曲で、2002年に同劇団によって日本初演を迎えました。
 刑務所を舞台に繰り広げられる、濃密で悲しい愛のドラマです。男ばかりの劇中劇という構成は、劇団の特徴にもぴったり。初めてStudio Lifeをご覧になる方にもお勧めしたい作品です。

 FEU、SOURCE、TERREの3チームによるトリプルキャスト公演となります。主要登場人物の全てが異なるキャストですので、今まで以上にチームごとのカラーが変わってきそうですね。

 ●Studio Life『LILIES』⇒公演公式サイト
 東京公演:6/17~7/12@紀伊國屋ホール(30ステージ)
 神戸公演:7/18~7/19@新神戸オリエンタル劇場(3ステージ)

 ⇒CoRich舞台芸術!『LILIES

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 修道院で出会った3人の少年に起こった悲劇。
 封印されたシモンとヴァリエのロマンチックな物語。
 1952年、カナダ郊外の刑務所。囚人達の告解を聞くために訪れたビロドー老司教は突然、看守や囚人たちに監禁される。そして、彼の目の前で囚人シモンの計画による囚人達の手の込んだ芝居が始まる。そこには40年前の自分の姿があった。奔放な少年シモンと惹かれ合うヴァリエ。そんなふたりに嫉妬心を抱くビロドー。修道院で出会った少年達に何があったのか、封印された過去の悲劇がよみがえる。
 ≪ここまで≫

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曽世海児さん

 司会・曽世海児「『LILIES』の初演は2002年。本邦初演でもありました。完成度の高い脚本と、倉田の情熱的で繊細な演出が評判を呼び、翌2003年に早くも紀伊國屋ホールにて再演。当日券を求めて並んだお客様の人数は、紀伊國屋ホールの記録を塗り替えました。今回が6年ぶり、2度目の再演となります。」

 劇団代表・河村喜一朗「嘘の告白をさせられて40年以上も刑務所に入れられた囚人が、ある神父を呼び出すところから物語は始まります。そこで囚人たちは真実をもとめる劇中劇を上演するのです。嘘をつきながら生活をしている囚人たちの劇から、“人間は嘘をつかなければ生きていけない”という真実が見えてくる。しかしながら同時に人間は、嘘をついてもつききれない時があります。それは人を愛した時なのです。生き抜くために一番大切なものは愛情です。このお芝居が観客の皆様にとって、生き抜くための糧となれば幸いです。」

 【写真↓】上段左からカサノボー晃さん(客演)、重松収さん(客演)
 下段左から新納慎也さん(客演)、倉田淳さん(作・演出)、河内喜一朗さん(劇団代表)
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 倉田淳「『トーマの心臓』をご覧になったお客様に勧められて『ゆりの伝説』というビデオを観ました。刑務所という密室での劇中劇で(劇中にも劇があるため“劇中劇中劇”でもある)、とても緻密な構成で素晴らしい作品でした。原作を探したのですが、当時はインターネットも今ほど発達していなかったため、なかなか見つかりませんでした。ロンドンの“フレンチシアターブックショップ”という演劇書専門の書店に行って問い合わせたところ、ニューヨークとカナダの支店まで探してくださり、ようやく見つかったのです。長期間かかって手元に届いた時は、『やっと出会えた!』と嬉しさもひとしおでした。」

 倉田淳「嘘で充満している多重構造の戯曲ですので、セリフの言葉どおりに演じればいいというわけではありません。言葉の裏にいくつもの嘘が積み重なっているのです。それはメビウスの輪のように延々とねじれており、ある時、その中からフっと真実が浮上してくる。それはものすごい瞬間です。
 原作者のミシェル・マルク・ブシャール氏は、世間の規範からはみ出してしまった、はかなくか弱いものたちへの、慈しみの感情を美しく描いています。劇団員一同、とても大切にしている作品です。ぜひ劇場にお運びいただき、ご覧頂きたいと思います。」

 【写真↓】上段左から三上俊さん、青木隆敏さん、山本芳樹さん
 下段左から岩﨑大さん、松本慎也さん、村上幸平さん(客演)
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 シモンを演じる客演・新納慎也「『トーマの心臓』『OZ』に続いて、大好きなスタジオライフにまた出られて嬉しいです。僕は倉田さんの演出を受けたくて、スタジオライフに出演しています。倉田さんの前では絶対に嘘がつけない。今回も自分を裸にして、全てを倉田さんにおまかせして、この作品を素晴らしいものにしたいです。」

 ヴァリエを演じる客演・村上幸平「劇団の代表作に出演できることを光栄に思っています。『LILIES』はとても重たい作品だと思います。役者として、お客さんの心を壊すぐらいの意気込みでがんばりたい。」

 【写真↓】上段左から三上俊、青木隆敏、山本芳樹、カサノボー晃、重松収
 下段左から岩﨑大、松本慎也、村上幸平、新納慎也、倉田淳、河内喜一朗
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 ★写真中央のゆりの花のアレンジは、フラワーアーティストの東信(あずま・まこと)さんの作品です。先週末にちょうど東さんの個展を拝見したばかりだったので、とっても奇遇でした!

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Distortion×Flowersパンフレット

 「Distortion×Flowers」では、花と音をテーマにした写真作品とインスタレーションが見られます。『LILIES』のゆりのアレンジは豪華でありつつも清楚で穏やかな印象ですが、個展の作品は、電子機器と生花を融合させて、艶やかな色合いの中に狂気や死を匂わせるアグレッシブなものでした。

 ●東信エキシビジョン「Distortion×Flowers
  会場:GYRE 3F 「EYE OF GYRE」
  会期:2009年5/15(金)~6/7(日)午前11時~午後8時
  入場料:無料

出演:新納慎也 村上幸平 カサノボー晃 岩﨑大 山本芳樹 松本慎也 青木隆敏 三上俊 林勇輔 石飛幸治 奥田努 藤原啓児 重松収 河内喜一朗 船戸慎士 関戸博一 他
原作:ミシェル・マルク・ブシャール 上演台本・演出:倉田淳 美術:松野潤 照明:森田三郎 舞台監督:清水浩志(ニケステージワークス) 音響:竹下亮(OFFICE my on) 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:角田和子 美術助手:渡辺景子 演出助手:平河夏 荒川真寿恵 宣伝美術:成田久 宣伝写真:河上輝明 宣伝スタイリスト:塩畑美由喜 題字:重松淳也 制作:稲田佳雄 揖斐圭子 大野純也 麻場優美 小山智子 若松美香 デスク:山﨑みれい 瀬津丸砂織 宣伝:ディップスプラネット プロデューサー:玉塚充 蓬田恵美子 企画・制作:スタジオライフ 東京公演主催:スタジオライフ 神戸公演主催:新神戸オリエンタル劇場
【東京公演】【発売日】2009/04/19≪S席≫<前売> 5,200円 / 一般<当日> 5,400円 ≪A席≫<前売> 4,700円 / 一般<当日> 4,900円 ≪ウィークデイマチネ公演≫<前売> 4,200円/一般<当日> 4,400円 (ウィークデイマチネ公演にはS席・A席の区別はありません 【神戸公演】【発売日】2009/05/02≪S席≫<前売> 6,000円 / <当日> 6,500円 ≪A席≫<前売> 4,000円 / <当日> 4,500円
http://www.studio-life.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年05月18日

【写真レポート】SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」記者発表05/18東京日仏学院エスパス・イマージュ

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チラシ

 静岡舞台芸術センター(SPAC)主催「Shizuoka春の芸術祭2009」は、今年で10年目を迎える国際的な舞台芸術の祭典です。

 今回は世界8カ国から新作を含む9演目(演劇、ダンス、映画)が上演されます。テーマは「帰りなんいざ古典へ!世界まさに荒れなんとす!」。シェイクスピア、モリエール、紫式部、グリム兄弟が揃ったチラシが素敵ですよね♪

 芸術総監督の宮城聰さんが、9演目をひとつずつ詳しく紹介してくださいました。どれもすっごく面白そう!皆さん、6月の週末は静岡でお会いしましょう♪
 ※早々に完売した演目もあります。ご予約はお早めにどうぞ!

 ●SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009
  2009年6/6(土)~7/5(日)
  会場:静岡芸術劇場、屋内ホール「楕円堂」、
     野外劇場「有度」、稽古場棟「BOXシアター」

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宮城聰さん

 宮城「世の中にはありとあらゆる情報が大量に溢れていて、いつでもどこでもすぐに情報が流れ込んでくる状況にあります。でもそれらはマスメディアによってフィルターにかけられ、咀嚼しやすく加工されたものです。
 『Shizuoka春の芸術祭2009』のラインアップには、日本ではあまり紹介されていないものを選びました。フィルターから漏れているものを紹介することで、世界にはもっと色んな人がいるんだということを観客にわかってもらいたい。そう簡単には咀嚼できなくて、飲み下す途中で止まってしまうような違和感こそが、自分を変えてくれる契機になる。それが“他者”の良さであり魅力だと思います。」

 宮城「かまびすしく“100年に1度の不況”“未曾有の不況”などと喧伝するものいいには、少々鼻白む気持ちがします。こんな大変な時にこそ、素晴らしい戯曲が書かれてきたのです。
 人間がかつて危機に対面した時、どんな風にあえいで、どうやって戦って、乗り切ったのか。今回の芸術祭では古典を通じて、人間が戦った痕跡、傷跡を観ることになるでしょう。人間は昔も今と同じように戦い続けてきた。そんな演劇を観て勇気や元気をもらって欲しい。」

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■『ふたりの女~唐版・葵上~
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 宮城「唐十郎さんの戯曲は日本の奇跡といえるものがたくさんあります。世界の観客に唐さんの戯曲を紹介したい。だから日本語上演ですが英語の字幕付きです。この作品は野外劇場で上演します。原始の森の中で、唐さんの戯曲の幻想性を楽しんでいただきたい。」


■『プ・レ・ス
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 宮城「ピエール・リガルさんのダンスは、何もかもやりつくしてしまったような、いわば大きな壁にぶつかった状態のコンテンポラリー・ダンスの世界で、その壁を突破できるのではないかと思わせてくれた。彼の作品はメッセージがとてもはっきりしています。これから先、(雄弁なメッセージ性は)とても大切なことだと思います。」


『半人半獅子ヴィシュヌ神』『シータ姫、大地に還る』 ※前売り完売!
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 宮城「踊り手のカピラ・ヴェヌさんは、2000年前に書かれたインドの演劇舞踊書のすべてを、20代で獲得された世界の宝のような方。カピラさんの師匠が亡くなったばかりなので、名実ともに世界の頂点と言えるでしょう。」


■『ブラスティッド
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 宮城「サラ・ケインの戯曲の中でも設定やストーリーなど、具象性の有る作品です。フランス人演出家のダニエル・ジャンヌトーさんが静岡に滞在して、オーディションで選ばれた日本人俳優とともに製作してくださっています。」

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ダニエル・ジャンヌトーさん

 ジャンヌトー「『ブラスティッド』は1995年に書かれて初演された、イギリスの劇作家サラ・ケインの処女作です。もう10年以上経っていますが、生き生きと現在を映す傑作であり、重要な作品です。ホモセクシュアルや死を正面から語り、人間を追求していきます。イギリスでの初演時はスキャンダルだと言われました。卑俗で暴力的でシンプルだと解釈されがちですが、実は教養があって構造的な戯曲です。複合的で、深くて、色々な意味を持っています。
 シェイクスピア、ベケット、ブレヒト、イプセンなどの引用も含まれており、サラ・ケインは25歳でそんな戯曲を読んでいた知性のある女性でした。教養の豊かさ、人間の豊かさがこの作品には盛り込まれている。インテリの読み方もできる、臓物(ぞうもつ)に響く作品です。今回は新キャストを迎えた新製作で、劇場も違いますので、演出も全く違うものになるでしょう。」


■『マルコ・ポーロ~東方見聞録のヒミツ~
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 宮城「台湾の指人形劇です。指人形劇は中国の福建省から台湾に伝わったという文献を読みました。100年かけて台湾で洗練されて、今では伝統芸能と言っていい境地に到達しています。
 マルコ・ポーロがイタリアから中国に来て恋をするというストーリーで、東方見聞録の成立の裏話が描かれます。オランダ人が戯曲提供していますので、作品自体も東洋と西洋が出会ってできたものなのです。」


■『じゃじゃ馬ならし
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 宮城「オランダで一番人気の劇団の大ヒット作です。アムステルダムでは上演が決まるとすぐにソールド・アウト。今のベルギー人ディレクターが就任してから、海外でも有名になりました。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、ヨーロッパでひっぱりだこになっています。
 リアリズムの演技手法ではありますが、英国とは違って、途方もなくエネルギッシュ。すさまじい熱量を使った、まさに体当たりの芝居です。しかも洗練されていて、かっこよく決まる。R-18にした方がいいかもしれない場面もありますが(笑)、誰が観ても面白い作品だと思います。」


■『オリヴィエ・ピィのグリム童話
 「少女と悪魔と風車小屋」「いのちの水」「本物のフィアンセ」の計3作品を上演。
 ※「少女と…」「いのちの水」は前売り完売。「本物の…」は6/28(日)13:00の回のみ前売り完売。
 ↓画像はプロモーション映像より。
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 宮城「フランス・オデオン座の芸術監督であるオリビエ・ピィさんが、今年も来てくださいます。昨年は2作品上演されましたが、どれも非常に好評でした。
 『本物のフィアンセ』は昨年12月に発表されたばかりの新作で、現サルコジ政権への批判がたくさん入っています。演劇的な演出と気のきいたセリフをお楽しみいただけると思います。」


■『スカパンの悪だくみ
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 宮城「コメディア・ディラルテのように様式的でありながら、身体の面白さでみせてくれるスイスの仮面劇です。Shizuoka春の芸術祭にはこれで5度目の参加で、毎回観客の爆笑を呼んでいます。」


■『タイタス解剖―ローマ帝国の落日
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 宮城「ドイツの劇作・演出家ハイナー・ミュラー氏が亡くなって10年。もしご存命なら80歳になっているはずでした。『タイタス解剖』はミュラー生誕80周年記念として製作された映像作品です。監督のブリギッテさんはミュラー氏のプライベートでのパートナーで、この作品には娘のアンナ・ミュラーさんも出演されています。」


●京都におけるフランス演劇月間●

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渡邊守章さん

 京都造形大学・舞台芸術研究センターの所長である演出家の渡邊守章さんが、「京都におけるフランス演劇月間」について紹介されました。『ブラスティッド』は静岡公演を経て、7/11(土)に京都芸術劇場・春秋座でも上演されます。⇒『アヴィニョン演劇祭の60年』上映会、⇒コメディ=フランセーズ・プレゼンツ『神の曲芸師』

 渡邊「フランス人は日本の舞台芸術というと、能・歌舞伎などの古典芸能にしか興味がない。日本の現代演劇も知ってもらいたい。実はフランスのパリで演劇を上演したことがある日本人演出家は、宮城聰さん、平田オリザさん、そして私だけなんですよ。」


出演:宮城聰、ダニエル・ジャンヌトー、渡邊守章 主催:静岡舞台芸術センター(SPAC) 写真提供:SPAC
SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」チケット料金[一般大人]4,000円[同伴チケット(2枚)]7,000円[学割]大学生・専門学校生 2,000円/高校生以下 1,000円
『タイタス解剖』一般大人 2,000円/大学生・専門学校生・高校生以下 1,000円
☆お得な週末劇場ハシゴ券☆同じ週末の3劇場の公演をご予約いただくと、1演目あたり3,500円でご覧いただけます。4,000円×3枚=12,000円が10,500円に!7/4・5の週末は、4,000円×2枚+2,000円=10,000円が9,000円になります。なお、学生料金など他の割引券との併用はできません。※週末劇場ハシゴ券は電話予約と窓口販売のみのお取り扱いとなります。※ハシゴ観劇ツアーバス from トーキョー(無料・要予約)あり!!
http://www.spac.or.jp/
http://www.k-pac.org/

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2009年05月17日

新国立劇場演劇『タトゥー』05/15-31新国立劇場小劇場

 『昔の女』『シュート・ザ・クロウ』を経て、シリーズ・同時代【海外編】の最後を飾るのは、ドイツの劇作家デーア・ローアーさんが1992年に発表した『タトゥー』です。演出はチェルフィッチュの岡田利規さん。
 ローアーさんの『最後の炎』をリーディングで拝見し、ものすごく面白かったので期待して伺いました。上演時間は約1時間40分。

 今回も作家さんを迎えた新国立シアタートーク特別編の日に伺いました。トーク終了後にはローアーさんの戯曲本サイン会も開催されました(1680円。購入者向け)。

タトゥー (ドイツ現代戯曲選30)
デーア ローアー
論創社
売り上げランキング: 121550

 ※劇場入り口には舞台美術の塩田千春さんの作品(チラシの写真)が展示されています。
 ※番外連続リーディングVol.3は『タロットカードによる五重奏のモノローグ』です(⇒Vol.1レビュー、⇒Vol.2レビュー。シリーズ・同時代【海外編】3作品の半券(実券)があれば無料で観られます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『タトゥー
 レビューをアップしました(2009/05/22)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 気さくで働き者で家族思いの父(吹越満)、家事と仕事を両立しながら控えめに家を支える母(広岡由里子)、仲良く喧嘩するしっかりものの姉(柴本幸)とやんちゃな妹(内田慈)、どこにでもある普通の平穏な家庭、それはこの家族の一表面であると同時に「なんとしても失いたくない」心の拠り所になっている。その願いの陰で行われる父の蛮行。
 長年かけて築いてきた温かい家庭の体面を保ちたい母ユーレは、娘の犠牲を見て見ぬふりをするが、自分を統括しきれず自虐行為で発散する。そんな母を軽蔑し、父の愛が姉だけに向けられているのを妬む妹ルルは、自分の未熟とコンプレックスを攻撃性に変える。家族のため、家族が崩壊したら困る自身のため父との関係を受け入れる姉アニータは、平穏な日常と残酷な悪夢の間を行き来する。マイホーム・パパを自負する父ヴォルフは、家族の依存心を利用して野蛮な慣習を正当化し、強大な支配力を発揮していくが、実はそんな家族に誰よりも依存しているのがこの父であった。
 そんな日常の中、花屋の店員パウル(鈴木浩介)との出会いによって、アニータに訪れたまたとない「機会」は、諦めかけていた未来への希望を蘇らせるが……。
 ≪ここまで≫

 黒い劇場に、無数の白い窓枠が吊り下がっています。その底に、ぽつん、ぽつんと人間が居ます。オブジェの中に人が埋まっているような、いえ、人も含めた全てが現代美術作品のような空間でした。客席にも常に照明が当たっていて、作品の中に没頭することを許してくれません。緊張が途切れることのない刺激的な作品でした。

 ものすごく、怖かった・・・・。静かだけれど非常に暴力的で、官能的で、目に映る強烈な美しさを瞬間ごとに味わいました。そして、その場で起こる現象のあまりの恐ろしさに、震えながら涙しました。

 白いいびつな衣裳に身を包んだ俳優は頻繁に、身体に合わない衣服をいじったり、体を掻いたりしています。セリフの言葉の意味どおりの発音・動作はしません。でも、声の響きや発語される言葉には、何らかの硬質な意思が通っているように感じます。パっと見は人形のようでもありますが、血の通った、熱を持つ人間であることも、ありありと伝わってきました。

 すごく単純な考えですが、自分のために誰かを犠牲にしたら、やっぱりその報いは自分に返って来ますよね。もちろんそんなことを結論に描きたかった戯曲じゃないと思いますけど、「なぜこんなことになったんだろう」と考えたら、そんな答えが出てきました。
 でも、破滅に向かって突進するあわれな家族のことを「可哀そうだ」なんて全く思いませんでした。ただ、そこに居る愚かな人間たちを冷静に見つめて、起こった出来事そのもの(声、動作、音響、照明、美術の変化など)を自分の感覚で感じ取って、そこから先へと思索を続ける体験になりました。

 俳優の動作・状態が未来を予言していることに、後から気づきました。現実世界も実はそうですよね。人間は体で(目で見て)わかっているのに、わざとそれに気づかない振りをすることがあります。失敗するとわかっていても実行したり、嫌われるとわかっていることを、わざとやってみたり。

 ここからネタバレします。セリフは戯曲本より引用。

 母(広岡由里子・犬の着ぐるみ着用)が家出をしたため、父と2人きりで暮らすことを恐れたルルは、結婚した姉アニータとパウルの家に逃げてきます。しかしパウルは、やがて生まれる子供と自分たち夫婦のことだけを考え、ルルを追い払います。ルルは案の定、父に妊娠させられ、父は「お前がママの代わりをしろ」と、アニータに家に戻るように説得しにやってきます(ものすごく高圧的に)。
 恐ろしい父から逃げられないと知り、そして夫婦関係にも絶望したパウルは、とうとう拳銃を手に入れました。彼はアニータに拳銃を手渡します。「君は僕を犯罪者にはできない やってみろよ ひとりで アニータ」。そしてアニータはパウルに銃口を向けて・・・(比較的に軽やかな音楽とともに終幕)。アニータはたぶん、パウルを撃っただろうと思います。

 パウルとアニータのラブシーンだったと思うのですが、音楽に「からたちの花」が流れました。ロマンティックだけれど、ウィスパー・ヴォイスの歌が恐ろしくもあり。窓に映す日本語字幕もクール。

 私にとって最も強烈だったのは、妹ルル(内田慈)があおむけに寝転がり、下半身だけを投げ出すように上に蹴り上げてから、バタン!バタン!と床にたたきつける動き。無骨な動きなのにものすごくエロティック。いずれ彼女も父親にレイプされることが暗示されました。

 ≪シアタートーク特別編≫ メモしておきたかったことを少し記録。
 出演(舞台下手より):佐藤康(司会。フランス語教師・フランス現代演劇研究)、鵜山仁(芸術監督)、岡田利規(演出)、三輪玲子(翻訳)、デーア・ローアー(劇作家)、ドイツ語通訳の女性

 岡田「翻訳劇の良いところ(の1つ)は、好きな日本語に直せるところ(もともとが日本語だと、そういうわけにはいかない)。」

 三輪「ローアー戯曲の特徴は詩的であること、言葉が少ないこと、人工的に整えられていること。ドイツ演劇によくある“(現実の)社会問題を描いた芝居”ではあるけれど、新しい切り口の演劇テキストである。」

 岡田「僕はリアリズムをやらない(と決めている)のではなく、リアリズムから出発して、遠くまで行こうとしている。むしろそれ(リアリズム)以外の出発点を見つけられていない。」
 岡田「僕はリハーサルに入るまでは何も決めない方なのだけれど、この戯曲は『絶対にリアリズムの方向ではいけない』ということはわかっていた。」
 ※ここでの「リアリズム」とは「心理的リアリズム演劇」のことだと思います。

 ローアー「アメリカで上演された時は、翻訳家とのやりとりが困難だった。私がせっかくばらばらに解体した言葉を、翻訳家が(わかりやすい言葉を追加して)整えてしまうからだ。それでは異化の効果がなくなってしまう。」

 ローアー「ドイツではリアリズム演劇と非リアリズム演劇についての議論がよく起こり、収まったかと思ったらまた起こるということが(何十年も)繰り返されています。私は、そんな議論はもうしなくてもいいと思っています。なぜかというと、演劇はそれ自体がリアルではなく、虚構だからです。俳優がどんなにリアルな演技をしたとしても、そもそもが嘘なのだからリアルには成り得ません。リアリズムの手法はむしろテレビ(映像)の方が有効だと考えます。だから演劇は、より演劇らしい、演劇にしかできない方法で作るべきだと思います。」
 岡田「僕もそう思います。」

 観客「最後のリンゴの意味は?」※パウルの頭上に赤いリンゴがスっと降りてきた。
 岡田「窓(ウィンドウズ)ばかりの舞台装置なので、アップルがあってもいいんじゃないかと(場内爆笑)。いえ、もちろんリンゴは原罪の象徴でもありますけど。例えばパン(父がこねる)は肉の表象だというのも有名ですよね。」
 ※他にも意味はありそう。でも言及するのは控えた様子。

新国立劇場演劇2008/2009シーズン シリーズ・同時代【海外編】Vol.3
出演:吹越満 柴本幸 鈴木浩介 内田慈 広岡由里子
脚本:デーア・ローアー 翻訳:三輪玲子 演出:岡田利規 美術:塩田千春 照明:大迫浩二 音響:福澤裕之 衣裳:堂本教子 ヘアメイク:中井正人 演出助手:宮越洋子 舞台監督:米倉幸雄 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場 協力:ドイツ文化センター
【発売日】2009/03/14 A席:4,200円 B席:3,150円 Z席:1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000066_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:36 | TrackBack

柿喰う客・企画公演『邪道・プロポーズ』05/16-17王子小劇場

 王子小劇場が企画する小劇場団体のショウケースイベント「PRIFIX2」参加作品です(⇒イベント詳細 ⇒参加団体)。前売り2500円で5劇団の短編を観られます。一度退場したら再入場不可。

 初日1本目の柿喰う客『邪道・プロポーズ』は14:00開演でした。13:30には客席の半分以上が埋まってましたね。私は時間の都合で『邪道・プロポーズ』のみ鑑賞。

 ⇒CoRich舞台芸術!『邪道・プロポーズ

 「邪道」とタイトルにあるように、『結婚申し込み』をそのまま上演するわけではありませんでした。
 ガツガツとまくしたてるように早口でしゃべる、熱い女優さんたち。がっつり現代口語のシーンもあり。

 「昔の作品でも名作だから、今観ても面白いよね」「名作だからって何度も同じようにやり続けたら面白くないよね」「『結婚申し込み』ってそもそもコントみたいなやりとりだよね」等々、考えながら見ることができました。面白かった。

 柿喰う客の役者さんは、全く退屈することなくじっと見つめていられます。真面目で、それゆえ魅力的な方々だと思います。劇団以外での活動も、もっと広げていって欲しいですね。

 持ち時間1時間のところ本編が30分で終わってしまったため、作・演出の中屋敷さんが宴会用コントを数本披露してくれました。かなり笑いました。芸達者ですね。

 ここからネタバレします。

 お笑いコンビのアントン・チェーホフ(コロ、深谷由梨香)が持ちネタ「プロポーズ」の稽古をしている。そこに突然やってくる、およびでない人々(先輩、後輩、女子高生、マネージャー(?)の4役。七味まゆ味)。

≪東京、福岡≫ -東京:PRIFIX2 参加作品-
出演:七味まゆ味、コロ、深谷由梨香
原作:アントン・チェーホフ「結婚申し込み」  構成・演出:中屋敷法仁
2,500円(当日券のみ。予約、前売はありません)1度退場されたかたの再入場はできません。1本みても2,500円。10本みても2,500円。チャリティーチケット:7,500円(各日5枚限定・1度退場してからの再入場可能。このチケットの売り上げはシステム利用料、手数料などの経費をのぞき、日本赤十字に寄付されます。)
http://kaki-kuu-kyaku.com/
http://blog.livedoor.jp/event_prifix/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:20 | TrackBack

2009年05月16日

【写真レポート】流山児★事務所『ブロードウェイ・ミュージカル「ユーリンタウン」』囲み取材&稽古場見学』05/14座・高円寺稽古場

urinetown_maincasts_thumb.JPG
流山児祥さんとメインキャストの皆さん

 25周年を迎えた流山児★事務所が、杉並区に新しく出来た公立劇場、座・高円寺のオープニング企画としてブロードウェイ・ミュージカル「ユーリンタウン」を上演します。
 公演期間は2009年5/29~6/28。上演時間は休憩込みで約2時間40分の予定。

 新しくてきれいな稽古場で一幕最後のクライマックスのシーンを拝見し、演出の流山児祥さんとメイン・キャストの方々にお話を伺いました。声優でもあり、「ミュージカル・テニスの王子様」の作詞家としても有名な、三ツ矢雄二さんも大いに語ってくださいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ブロードウェイ・ミュージカル「ユーリンタウン」

1urinetown_poster.JPG
「ユーリンタウン」ポスター

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部引用。
 舞台は、地球上の干ばつにより、節水を余儀なくされた近未来のある街。誰もが有料公衆トイレの使用を義務付けられていた。“立ちション”などをすると警官ロックストックらに逮捕され、誰もが恐れている「ユーリンタウン」に送り込まれることになっている。全てのトイレを管理しているのはUGC社。この法律はUGC社長クラッドウェルが賄賂で作り上げたもの。
 貧民街では今朝も、金がなくてトイレを使用できないホームレス達が大騒ぎ。しかし管理人ペニーは容赦がない。そんななか、ペニーの助手ボビーの父親が“立ちション”をし、「ユーリンタウン」に送られてしまう。ボビーは失意の中、美しい娘ホープに出会い、自分が今何をすべきかに気づく。それは自由を求めて「革命」を起こすこと。街は大混乱。ボビーがついにクラッドウェルらと対峙した時、ホープが彼の愛娘だと知る・・・そして?
 ≪ここまで≫

 ■『ユーリンタウン』の舞台は近未来の貧民街。同時に現代日本でもある。

 流山児「舞台は近未来のニューヨークと思わしき場所の、貧乏な人が住んでいる街(『ユーリンタウン』は日本語で“ションベン街”)。でも高円寺という地名も出てきますし、麻生、中川、小沢といった実在する日本の政治家から名前をとった人物も登場しますので、今の日本とも言えます。」
 稽古場写真:一幕最後のシーンより↓
2urinetown_rehearsal.JPG

 流山児「ユーリンタウンという深刻な水不足に見舞われる街で、警察国家、格差社会といった現代日本に通じる様々なテーマを描く、坂手洋二さんらしい台本です。原作を少々逸脱する部分もありますが、言葉は新しいし、聴きやすい日本語で書かれています。ブロードウェイ版より面白いと思いますよ。」

 ■個性派キャストが勢ぞろいの異種格闘技ミュージカル

 流山児「出演者は役者48人に生バンドを加えると、合計52人の大所帯です。ミュージカル畑と小劇場界の役者がほぼ半々の、奇妙な集団ですね(笑)。」
 三ツ矢「何かやりたい人ばっかり!それも“記号”じゃなくて“役”になりたい人たちです。稽古場に珍しい生き物がいっぱい(笑)。」

 三ツ矢「ミュージカルでは最初に歌を歌い込んで、それから演技に入るのですが、今回は演技から始まりました。まず役者の個性があって、音楽がそれを追いかける形です。セリフを歌に変える、つまりセリフにメロディが載っている。こんな作り方は初めてですね。
 一般的にミュージカルでは音楽がシーンをつくりますが、この作品の場合はキャラクターがシーンをつくる。役者は、自分が演じる役で歌います。役を作って、役をとおして歌にするのです。人となりや、人との関わりで見せていくんですね。画期的だと思います。
 もともとの楽曲は、和音が高度な上に色んなタイプの音楽が揃っています。そして今回は出演者の人数が原作の3倍以上なんです。だからコーラスが凝っている。その分、ソロ・パートはがんばらないいけないんですが、役者の迫力がプラスアルファになっていると思います。」 ↓写真提供:流山児★事務所
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 ■生々しく、そこに人間たちが居る舞台にしたい

 流山児「原作はブレヒトの『三文オペラ』を題材にした、小さな劇場で生まれたミュージカルです。それがオフ・ブロードウェイ、ブロードウェイと進出していった。坂手さんの台本で小ネタやセリフは増えていますが、原作の構成はそのままです。音楽のアレンジも特にしていません。ただ、ヒーロー・ヒロイン以外の人物造形を深めて、役者の物語を足せればいいと思っています。」

 流山児「舞台とは“現在、今、ここ”であること。演劇とは、人とのぶつかりであると同時に、歴史、社会、地球とのぶつかりでもある。個人の話が社会とつながっていることを表したい。生々しく、そこに人間たちが居る舞台にしたい。稽古場で毎日間違って、色々事件を起こして、試行錯誤しながら作っていきたいです。」↓写真提供:流山児★事務所
urinetown_stage2.JPG

 ■オーディションで選ばれた主役の2人について

 流山児「主役2人は完全公募のオーディションから選ばれました(2人とも募集チラシを見て応募)。
 ボビー役の遠山悠介君はオーディションに坊主頭でやってきたんです。それがイメージにぴったり合った。彼は見た感じがいわゆる“草食系男子”でしょう(笑)。そんな彼が舞台で“肉食”に変わった時にどうなるのかを観ていただきたい。ホープ役の関谷春子さんは歌も踊りも素晴らしい。何でも吸収して、すぐにやれる。その場の対応が早いですね。」
 遠山悠介さん(中央)と関谷春子さん(右端)↓
3urinetown_bobby_hope.JPG

 ■座・高円寺は演出家が集まる広場

 流山児「訳詞・歌唱指導をやっている浅井さやかさんは、20代のとても優秀な方。公演中の土日に開催する『ユーリンタウン祭』の演出を手がけるのは、地下空港という劇団の演出家・伊藤靖朗君です。座・高円寺を若い演出家がフラっと来られる場所にして、次の時代にバトンタッチしていきたい。」

 座・高円寺の外観↓ 小さくて丸い窓が可愛い!
5the_koenji_outside.JPG

 座・高円寺エントランス奥のマーケット↓ 土日はもっとにぎわっているそうです。
6the_koenji_1st_floor.JPG

 取材終了後に、劇場内のレストラン“カフェ アンリ・ファーブル”でお茶をいただきました。おしゃれで心地よいお店でした。座・高円寺はその名のとおり、高円寺の町と地元の方々との交流を広げる劇場になってくれそうです。
 『化粧 二幕』に続いて開幕する『ユーリンタウン』、そして『ユーリンタウン祭』が、さらに活発な人と人との“ぶつかり”を生み出してくれることを期待します。

流山児★事務所創立25周年記念公演スペシャル「ユーリンタウン―URINETOWN The Musical-」
【出演】千葉哲也・曾我泰久・伊藤弘子・関谷春子(ホープ)・遠山悠介(ボビー)・栗原茂・石橋祐・坂井香奈美・植野葉子・有希九美・木内尚・横須賀智美・上田和弘・小林七緒・里美和彦・平野直美・木暮拓矢・武田智弘・諏訪創・阿萬由美・鈴木麻理・山下直哉・・青葉みちる・秋葉ヨリエ[燐光群]・石本径代・井上裕朗・井村タカオ[オペラシアターこんにゃく座]・奥山隆[オフィス3○○]・菊池祐美子・鈴木啓司[劇団銅鑼]・清水泰雄・滝香織・鄭光誠[新宿芸能社]・中山圭[イッツフォーリーズ]・箱田好子[劇団昴]・平野トン子・舩山智香子・松井亜紗美・茉莉以・森加織・横山央[江戸糸あやつり人形座]・渡邊亮・稲増文・大久保鷹・三ツ矢雄二・塩野谷正幸 【演奏】Reed:小藤田康弘 Tuba:古本大志 Drums:萱谷亮一 Piano:荻野清子
【脚本・詞】グレッグ・コティス 【音楽・詞】マーク・ホルマン 【翻訳】吉原豊司 【台本】坂手洋二 【演出】流山児祥【音楽監督】荻野清子 【訳詞・演出補】浅井さやか 【振付】北村真実【殺陣】岡本隆【美術】水谷雄司 【照明】沖野隆一 【音響】島猛 【映像】濱島将裕 【衣裳】胡桃澤真理 【舞台監督】廣瀬次郎 【演出助手】畝部七歩 【ユーリンタウン祭り演出】伊藤靖朗 【宣伝美術】アマノテンガイ 【制作】岡島哲也 米山恭子 【制作協力】ネルケブレインズアンドハーツ 【提携】座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク 【主催】流山児★事務所
全席指定 一般:4,500円  学生割引:3,000円 Ryu'sClub会員:3,600円
http://www.ryuzanji.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:15 | TrackBack

2009年05月15日

アトリエ・ダンカンプロデュース『鴨川ホルモー』05/15-06/07吉祥寺シアター

 アトリエ・ダンカンによる、2007年本屋大賞6位・第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞小説『鴨川ホルモー』の舞台化です。小説の舞台化第1弾は見逃しましたが、第2弾はすごく面白かったんです。映画版も上映中ですね。鄭義信さんの作・演出なので、期待して吉祥寺に伺いました。

 京都の大学生の恋、恋、恋、そして“ホルモー”に巻き込まれた(?)青春!こんなに甘酸っぱくて汗臭い(笑)、恋のお話だったとは!明るく無邪気で元気いっぱいの、若々しいコメディーでした。中高生も楽しめるんじゃないかしら。上演時間は約2時間45分(途中休憩1回を含む)。

 『夜は短し…』に続き、ロビーで原作本↓を購入。帰りの電車で読みました。楽しい!

鴨川ホルモー (角川文庫)
万城目 学
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 285

 ⇒CoRich舞台芸術!『鴨川ホルモー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。
 葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。
 腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、
 出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。
 このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。
 祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。
 「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。
 戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。
 恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。
 京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。
 都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。
 「鴨川ホルモー」ここにあり!! (本誌扉より抜粋)
 ≪ここまで≫

 吉祥寺シアターってこんなにタッパのある劇場だったのか~とホレボレ。役者さんは階段の上り下りが大変そうだな~。

 舞台が京都だから、おかしな“儀式”もあるかもしれないと思えるんでしょうね。あ、葵祭(あおいまつり)って、まさに今日のことじゃないですかっ!なんだか嬉しい♪

 主役の石田卓也さんは、映画でしか観たことがなかったので新鮮でした。エネルギッシュで可愛かったな~。高村役の中川真吾さんも面白かった。芦名星さん髪きれい!そして細いっ!

 ここからネタバレします。

 2年に1度しか部員募集をしない、京都大学の謎のサークル「京大青竜会」。普通の人の目には見えない“鬼”たちを操って、勝敗を決める競技“ホルモー”を行う団体だ。何も知らずに入部した安倍(石田卓也)は、新歓コンパで一目ぼれした早良京子(芦名星)に心を奪われながら、全身を使う“鬼語”を習得して、他大学との対抗試合に出場することになる。

 “鬼”を照明と音響で表現していたので(映画だとCGですよね)、ファンタジー色はそれほど前面には出てこない、青春ラブコメ現代劇でした。
 恋の三角関係あり(それも複数)、コーラ一気飲み、ビール(ノンアルコールでしょう)一気飲みあり、男子たちの元気なストリップあり。エグザイルとか草なぎ君とか、時事ネタも笑えました。青いジャージがまぶしい(笑)。

 出演者がみんな京大生に見えるかというと難しいところですが(笑)、そんなこと気にするところじゃないですよね。 

≪東京、大阪、京都、愛知≫ 吉祥寺シアター開館5周年記念公演
出演:石田卓也(安倍) 芦名星(早良京子) 中川真吾(高村) 相山奈々(楠木ふみ) 上田悠介 上原香代子 白井義将 高畑こと美 根本大介 札内幸太 松下大亮 山口龍人 見上寿梨
原作:万城目学(「鴨川ホルモー」産業編集センター刊) 脚本・演出:鄭義信 美術 池田ともゆき 照明:増田隆芳 音響:藤田赤目 衣装:畑久美子 殺陣:栗原直樹 振付:伊藤多恵 演出助手:E-RUN ヘアメイク:宮内宏明 舞台監督:松本仁志 イラスト:石居麻耶 宣伝小道具:高津映画装飾 撮影協力:居酒屋蔵八 CO*STARRING ACCESSORY 宣伝写真:加藤孝 宣伝美術:立川明 テレビ朝日:中村雪浩 吉原智美 運営:サンライズプロモーション東京 宣伝:る・ひまわり 票券:後藤まどか 制作:市川亜由美 アシスタントプロデューサー:佐々木弘毅 プロデューサー:池田道彦 企画協力:ボイルドエッグズ 企画・製作:アトリエ・ダンカン 主催:テレビ朝日 財団法人武蔵野文化事業団 アトリエ・ダンカン 衣装協力:BEAMS
【発売日】2009/02/14 チケット料金:6,000円(全席指定・税込) ※未就学児童の方は入場をお断りする事がございます
http://www.duncan.co.jp/web/stage/horumo/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:58 | TrackBack

「劇談、土佐有明。」第二幕【『キレなかった14才・りたーんず』とはなんだったのか!?】5/14渋谷UPLINK FACTORY

 ライターの土佐有明さんが演劇人とトークをする企画の第二弾(⇒第一弾)。5/6に終幕したばかりの『キレなかった14才・りたーんず』(以下、りたーんず。レビュー⇒)について、りたーんず企画者の3人の演出家(後で2名増加)が語ってくれました。

 19:40頃(10分押し)に開始して終わったのが22:45頃(途中休憩10分を含む)。ものすごい長丁場でしたが、終盤になるにしたがってトークの内容が濃密になり、へとへとになりながらも充実した気持ちで会場を後にできました。

 ⇒土佐有明のPlaylist「劇談第二幕、終了。」(2009/05/17リンク追加)

20090514_returns.JPG
UPLINK前の看板

 まず初めに新作パフォーマンス「ひっくりカエル」(柴幸男、篠田千明、中屋敷法仁の共同製作)が上演されました。ひとことで言ってしまうと、りたーんず企画全体を振り返る内容。
 私はクラブやライブのノリが苦手な、いわゆる劇場大好き派なので、前半は完全にアウェイの気分。場違いなところに来てしまった・・・とオロオロしましたが、後半になって話し合いの密度が上がってきた頃には、私の“場違い感覚”もまたこの場を構成する大事な要素だったんだと思えました。

 音楽ライターを10年やってこられた土佐さんは、数年前に演劇に興味を持たれたそうで、今では雑誌で演劇について連載されたり、ウェブ上で「ほぼ初日劇評」を立ち上げたりされています。「CDの売り上げとライブ来場者の数は反比例。つまりCDは売れなくなっているが、ライブの観客は増加している」というデータには興味津々。

 「りたーんず企画そのものが“内輪ウケ”なムードをかもし出していたのではないか」という議題については、色んな角度から長く話してくださって嬉しかったです。私は神里さんが主張していらした「りたーんずについて全く知らない人にとっても、居心地のいいトークになるべきだ」というご意見に賛同します。でも、「内輪の“輪”を広げればいい(広げるしかない)。ただし(輪に入ってもらう人への)敬意を持って。」という篠田さんのお考えにも納得でした。

 私は6作品コンプリートしながらも、“内輪っぽい盛り上がり”をそれほど快くは感じていなかった観客の1人でした。でも、「特に意図していなかったのに、いつの間にか“祭り”のようになっていった」という分析は、外から眺めていた私にもそう見えましたし、この企画が生んだ素晴らしい成果の1つだと思います。中屋敷さんがおっしゃってましたけど、“奇跡”と呼ばれてもいいことですよね。

 りたーんず作品を1つも観たことがないし、演劇も観たことがないという人が、最後にされた質問がとっても良かったです(「10年後はどうしていたいですか?」など)。こうやって、快も不快も賛否も含めて、しっかりと肌で実感したことが広がっていくのは幸せなことだな~と思います。

 土佐有明「(コンサートでも演劇でも)観る前と観た後で何かが変わるような、観た後で何かがしたくなるようなライブが良い」
 藤原ちから「目の前に居る人の言葉を聴きたい。(これは自分がりたーんずを経験して変わったこと。)」
 神里雄大「反省がいっぱい、です。」(場内爆笑)

【『キレなかった14才・りたーんず』とはなんだったのか!?】―若手演出家6人による連続上演企画を総括し、彼らの今後を探る
5/14(木)19:00~
出演:柴幸男(青年団演出部) 篠田千明(快快) 中屋敷法仁(柿喰う客) 神里雄大(岡崎藝術座) ヨークからウェブ中継出演:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)、他
聞き手:土佐有明(ライター)、 藤原ちから(編集者)
日時:5/14(木)19:00開場/19:30開演 料金:¥1,800(1ドリンク付き)
http://www.uplink.co.jp/factory/log/003019.php

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:05 | TrackBack

【情報】新国立劇場演劇研修所第3期生試演会①『美しきものの伝説』06/05-07新国立劇場 小劇場※入場無料・5/28FAX必着

 2005年に開講した新国立劇場演劇研修所の3期生の第1回目の試演会情報です(過去レビュー⇒1期生の試演会1試演会2卒業公演1回目卒業公演2回目2期生の試演会1試演会2卒業公演)。

 14名の2期生以外に1期生ほかの賛助出演あり。4期生も数名出演します。入場無料はオトクだと思います。公式サイトで申込用紙をダウンロードし、FAXでお申し込みください。

 ⇒CoRich舞台芸術!『美しきものの伝説

■新国立劇場演劇研修所第3期生試演会①『美しきものの伝説』概要(公式サイトより)

【公演日程】
2009年6月5日(金)6:00開演 め組
     6日(土)1:00開演 め組
     6日(土)6:00開演 ろ組
     7日(日)1:00開演 ろ組

 各回開演の30分前より開場いたします。
 配役はこちら(PDF)をご覧ください。
 *やむを得ない事情により配役が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

 入場無料(予約申込制)

 ◇観覧をご希望の方は、申込用紙をダウンロードして必要事項を記入の上、ファックスにて下記までお申し込みください。(1回の申し込みにつき3名様まで、5月28日必着)折り返し確認の連絡をさせていただきます。

 ◇申し込みが多数の場合は、先着順のご案内とさせていただきますので、予めご了承ください。

 申し込み先:新国立劇場 演劇研修所 試演会①『美しきものの伝説』係
 FAX 03-5352-5776

出演:岸田茜、熊坂理恵、鈴木良苗、辻村優子、野村真理、吉田紗和子、渡邉樹里、宇髙海渡、金成均、香原俊彦、竹田桂、長元洋、米川貴久、若菜大輔、神野崇(賛助出演)、井上倫宏(賛助出演)、大杉良(特別出演)、二木咲子(1期生・賛助出演)、趙栄昊(4期生)、今井聡(4期生)、扇田森也(4期生)
脚本:宮本研
入場無料(予約申込制)
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000260_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:26 | TrackBack

2009年05月13日

バンダラコンチャ・ソロアルバム『相思双愛』05/09-16紀伊國屋ホール

 バンダラコンチャは、劇団ダンダンブエノの近藤芳正さんが新たに企画・製作される演劇ユニットです。
 2本の短編小説を倉持裕さんと前川知大さんがそれぞれに戯曲化し、近藤さんと桑原裕子さんが演出されます。今注目を集めている若手劇作・演出家を3人も起用されていて、近藤さんは凄い目利きだな~と思います。

 2本の短編は1本ずつ別々にではなく、少しずつ交互に上演されます。“ソロアルバム”という冠名の意味がよくわかりました。榎木孝明さんの豪快な演技が楽しかったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『相思双愛
 レビューは記録のみ。

 ■「春は馬車に乗って」
 原作:横光利一 脚本:倉持裕(ペンギンプルペイルバイルズ)、

 肺病の妻(坂井真紀)を介抱する文筆家の夫(近藤芳正)。妻がいつもそばにいて欲しいとわがままを言うので、仕事が全然はかどらない。

 ■「四十回のまばたき」
 原作:重松清 脚本:前川知大(イキウメ)

 翻訳家(近藤芳正)の妻が半年前に交通事故で死んでしまった。妻にそっくりの姪(辺見えみり)が、今年も“冬眠”をしにやってきた。

 ここからネタバレします。

 近藤さんがメガネをかけている神経質そうな文筆家と、気が弱くて優しそうな翻訳家という、全然違う性格の2役を交互に演じていくのが見どころの1つでしょうね。

≪東京、兵庫、山形、鹿児島、山口、愛知、大阪、茨城≫
出演:坂井真紀、辺見えみり、近藤芳正、榎木孝明
原作:横光利一「春は馬車に乗って」(新潮文庫)/重松清「四十回のまばたき」(幻冬舎文庫)  脚本:倉持裕(ペンギンプルペイルバイルズ)、前川知大(イキウメ) 演出:近藤芳正、桑原裕子(KAKUTA)  音楽:アルケミスト&花れん 美術:松岡泉 照明:倉本泰史 音響:島貫聡 舞台監督:松阪哲生 衣裳:牧野純子 演出助手:田村友佳 宣伝美術:タカハシデザイン室 宣伝写真:清水博孝 宣伝ヘアメイク:近藤英雄 宣伝衣裳:小野涼子 宣伝衣裳提供:ダダグラム 制作協力:トップシーン 票券:荘司雅子 制作:藤野和美 安積智子 企画・製作: 近藤芳正
【発売日】2009/03/14 S席6,500円 A席4,800円
http://www.dandanbueno.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:53 | TrackBack

【ブロガー招待】「プロペラ・ブロガー募集」30名様初日ご招待※5/15(金)18:00締切

 野田秀樹さんが芸術監督に就任された東京芸術劇場が、芸術監督就任記念プログラムとして、イギリスのシェイクスピア劇団プロペラの初来日公演を行います。

 ●プロペラ初来日公演 ⇒公式サイト
  『ヴェニスの商人』『夏の夜の夢』(2本立てランダム上演)
  2009年7月2日(木)~12日(日)
  会場:東京芸術劇場 中劇場
  ※イヤホンガイドあり(有料)
  ⇒CoRich舞台芸術!『プロペラ

 なんと“ブロガー招待企画”が実施されます!自分のブログでプロペラ公演についての記事を書けば、『夏の夜の夢』初日(7/2)もしくは『ヴェニスの商人』初日(7/3)の公演にご招待していただけるのです(鑑賞後の感想も必須)。
 ※7/3終演後はエドワード・ホールさん(プロペラ演出家)と野田秀樹さんのポスト・パフォーマンス・トークあり。

 劇場が観客に向かって広く手を伸ばしてくれているように感じます。舞台芸術の発信地として、観客とともに新しく変化していく東京芸術劇場にますます興味が沸きました。 

 詳細資料、写真等もご提供いただけるそうですので、ご興味のあるブロガーの皆さんはぜひ応募してみてください。応募〆切は5/15(金)18:00です。 以下、公式サイトからの情報です。

■プロペラ・ブロガー募集 30名様初日ご招待■

 イギリスの劇団、プロペラが7月に初来日します。ポップ&パワフルなシェイクスピア作品を見せてくれる彼らについて、あなたのブログから発信してみませんか。
 内容は特に限定しません。例えば、

・「プロペラ」ってどんな劇団?
・オトコだけでシェイクスピアの作品ができるの?
・私の「シェイクスピア論」
・おもしろい「ヴェニスの商人」を見たことがない!
・海外の舞台の字幕って、ストレスを感じる。
・このチラシ、いい? 悪い?
・一度は舞台を見てみたい。

 など、あなたがプロペラの公演から発想することなら何でも結構です。

 下記要領でご応募いただいた方の中から30名様(応募者多数の場合は抽選)を、プロペラ・ブロガーとして初日公演(7/2「夏の夜の夢」もしくは7/3「ヴェニスの商人」)にご招待いたします。プロペラの初来日を、皆さんのブログで是非盛りたててください。

 <募集要項>
 応募資格と条件:
 ・自分のブログを持ち、定期的に更新している方(演劇のブログでなくても可)
 ・5/20-6/20の間に3回以上、プロペラ公演に関する記事をUPできること
 ・初日公演(7/2、3 のどちらか)に必ず来場できること
 ・7/5までに観劇日記をUPできること
 ※詳細資料、写真等はこちらから提供いたします。

 応募方法:下記事項を明記のうえ、メール(件名:プロペラ・ブロガー)でご応募ください
 ・氏名
 ・ブログURL
 ・メールアドレス
 ・住所
 ・電話番号
 ・年齢
 ・観劇希望日(7/2もしくは7/3)
 ・ご自身のブログについてひとこと
 応募宛先:propeller(アットマーク)geigeki.jp
 締切:5/15(金)18:00
 発表:5/20(水)当選者にのみメールでお知らせいたします

 お問合せ:東京芸術劇場 事業企画課 事業係
 電話:03-5391-2111
 e-mail:propeller(アットマーク)geigeki.jp
 東京芸術劇場公式サイト:http://www.geigeki.jp


上演時間:『ヴェニスの商人~The Merchant of Venice』2時間26分(休憩20分)/『夏の夜の夢~A Midsummer Night’s Dream』2時間38分(休憩20分)
出演:プロペラ 
作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:エドワード・ホール 主催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団)
S席6,500円 A席4,500円[全席指定・税込]  S席2作品セット券:10,000円 特別割引チケット(枚数限定・要身分証提示):65歳以上の方はS席半額 25歳以下の方はA席半額 ※セット券・特別割引チケットは、東京芸術劇場チケットサービスで前売りのみ取扱 ※未就学児童はご入場いただけません。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:06 | TrackBack

2009年05月12日

風琴工房『無頼茫々』05/10-18ザ・スズナリ

 風琴工房は詩森ろばさんが作・演出される劇団です。『無頼茫々(ぶらいぼうぼう)』は史実を題材に大正時代の新聞記者たちを描く、真摯で熱い芝居でした。プレビューを拝見。上演時間は約2時間。
 風琴工房を観に行く時はいつも「勉強をさせてもらおう」という気になってます。今回もまた、その期待は裏切られず。

 公演公式サイトは役者紹介から演出記録ブログ、稽古場ブログ、お悩み相談室、写真館など、とても充実しています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『無頼茫々

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より。(役者名)を追加。
 時は大正。気骨のジャーナリスト陸羯南に憧れる堂海栄吾(浅倉洋介)は、理想を抱いて日の出新聞社の門を叩く。
 しかし、そこで堂海が見たものは、「売れる新聞」であることを一義とし、政党のタイコモチ的な存在と成り下がった新聞の姿であった。
 堂海は、創社精神を取り戻すべく立ち上がる。最初は孤軍奮闘を強いられた戦いも、下層労働者に深く関わる変り種記者・村嶋帰一(根津茂尚)や、女性記者・高村紅子(小山待子)などを味方に得て前へ進みだす。
 上からの圧迫、発行停止処分など、言論の自由を脅かす社会的制裁に負けず堂海たちは、真の報道の意味とはなにかを求め、戦いはじめる。
 ≪ここまで≫

 木目が美しい非常にシンプルなステージで、袴や着物姿の大正の人々が闊歩します。
 プレビューだったので、役者さんの演技やアンサンブルについては、ぎこちなさも感じましたが、脚本に書かれたせりふに真剣に向き合って、腹の底から納得した状態で語ってくれる(ように見える)方も多く、自らの信念に従って行動を起こした大正の日本人の心意気を、肌で感じることができました。

 着物の衣裳を贅沢に着替えてくださって眼福でした。「お芝居を観たな~」という実感が沸きました。

 ここからネタバレします。

 新聞は、報道は、言葉。言葉が死んだら報道は死ぬ。
 詩森さんがパンフレットにも書かれていたことですが、「報道されなかったことは、なかったことになる」。けれど、「報道されたことが、事実だとは限らない」こともあり得るんですよね。私たちが学習してきた歴史だって、残念ながら不確かなものであることは否めません。
 でも文字として残された言葉の中に、どのような形であれ、それを書いた人間の真実があるはずだと信じて、自分の力で読み取ろうとすることが大事だと思いました。劇中に出てきた大阪朝日新聞の謝罪文、堂海らが発行した白紙の号外が胸に残ります。

風琴工房code27
出演:浅倉洋介、津田湘子、渡邉真二、小山待子、多根周作(ハイリンド)、はざまみゆき(ハイリンド)、根津茂尚(あひるなんちゃら)、青木柳葉魚(タテヨコ企画)、洪明花(ユニークポイント)、地獄谷三番地(劇団上田)、前田暁彦、五十嵐勇、上野理子
【脚本・演出】詩森ろば 【音響】 青木タクヘイ(STAGE OFFICE)【照明】榊美香(有限会社 アイズ)【美術製作】福田暢秀(F.A.T STUDIO)【舞台監督】小野八着(Jet Stream)【舞台美術・衣装・宣伝美術・宣伝写真】詩森ろば【制作】森岡鞠子【票券管理】北村耕治(猫の会)【企画製作】ウィンディ・ハープ・オフィス
【発売日】2009/03/28 【全席指定】一般 前売3200円 当日3500円 障害者 1500円(前売・当日共) 学生 2500円(前売のみ) ペア券 5600円(前売のみ) プレビュー 前売2000円 当日2500円 ※一般前売・プレビュー以外は劇団での取扱いのみとなります。
http://www.windyharp.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:00 | TrackBack

FUKAIPRODUCE羽衣『朝霞と夕霞と夜のおやすみ』05/09-20こまばアゴラ劇場

 FUKAIPRODUCE羽衣は、深井順子さんがプロデュースする団体です。作・演出・音楽を手がけるのは糸井幸之介さん。
 「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として拝見しました(⇒応募内容)。上演時間は約1時間45分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『朝霞と夕霞と夜のおやすみ
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

第10回公演
出演:藤一平 日高啓介 寺門敦子 鯉和鮎美 高橋義和 伊藤昌子(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧) キムユス(散歩道楽) 熊谷知彦 澤田慎司(劇団掘出者) 西田夏奈子 深井順子
プロデュース:深井順子 作・演出・音楽・振付・美術:糸井幸之介 照明:松本永(光円錐) 音響:樋口亜弓 松丸恵美 舞台監督:西廣奏 衣裳:吉田健太郎(yu-GEN CRaFTS) 衣裳製作協力:小野澤彩夏 鷺淑恵 写真:田中流 宣伝美術:吉田健太郎 イラスト:鈴木燦  モデル:本山夏子 ビデオ撮影:藤川智美 演出助手:井出智子 制作:坂田厚子 大石丈太郎 主催:(有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場 企画制作:FUKAIPRODUCE羽衣 (有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場
【発売日】2009/04/01 前売2,690円/当日2,000円/学生2,200円 ウルトラマニアチケット⇒15,000円(要学生証) プレビュー<9日(土)19:30> 2,000円◎ささやかなプレゼントをご用意してお待ちしております⇒10日(日)15:00/11日(月)19:30/12日(火)19:30/13日(水)15:00/19:00
http://www.geocities.jp/hagoromo_hukai/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:31 | TrackBack

2009年05月11日

メタリック農家『針~チクチクするいばらひめのおはなし。~』05/06-10駅前劇場

 メタリック農家は葛木英(くずき・あきら)さんが作・演出される劇団です。伊藤ヨタロウさんを初め、気になる役者さんたちが出演されるので観に行きました。

 ストーリーや演出については、私には意図がわからないことが多かったのですが、最後の最後に「あぁ、そっか~・・・」と納得(共感)するところがありました。装置が豪華!上演時間は約1時間40分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『

 ≪あらすじ≫
 ある王国で、人民の幸福のために「憎まないこと」「独占しないこと」「実際以上の理想を求めないこと」という3つの法律が制定された。その国の王女(内田亜希子)は仕立て屋(オレノグラフィティ)と相思相愛なのだが、父である国王(伊藤ヨタロウ)の命令で、他の誰かとの婚約させられそうになっている。王女は自分の望むハッピーエンドを迎えたいと強く願うが、彼女の気持ちはいつも3つの法律に触れてしまうのだ。
 ≪ここまで≫

 徹底してメルヘンチックに作りこんだファンタジーなのか、そう見せかけて実はシュールさを漂わせる現代劇なのか、どこに視座をあわせたらいいのかな~と迷っている時間が長かったですね。前半は、役者さんがもっと思い切ってやりきってくれたらなぁと思うシーンもチラホラ。

 個人的には王女(内田亜希子)と仕立て屋(オレノグラフィティ)のラブシーンが好き。内田さんは、立ち姿だけでちゃんと“王女”に見えるシーンがあって良かったです。

 宣伝美術と作品内容がぴったり合っているのは嬉しいです。衣裳は宣伝写真の撮影時点で既に作られていたんですね。小劇場の規模では珍しいことだと思います。

 ここからネタバレします。

 王女は仕立て屋とは結ばれないと思い込み、彼を裁ちバサミで殺してしまいます。そこから100年の眠りに堕ちて再び目覚めると、オープニングのシーンに戻ります(装置は未来の景色になってます)。
 100年後もまた愛する仕立て屋が目の前に。王女は「今度こそ、ハッピーエンドを」とまた気を取り直して頑張るかと思いきや、彼を腕で抱きしめながら、手にはハサミが握られていました。

 誰かを心から好きになり、その人を自分のものにしたいという気持ちから、邪魔になる他人を徹底的に嫌ったり、または相手自身を恨んだりするのって、ごく普通の恋愛によくあることですよね。つまり誰かを愛する行為そのものが、誰かを傷つけることになるのです。
 その必然は悲しいけれど美しいと思います。人間のそんな矛盾が愛らしいとも思います。でも、そのまま受け入れたらいつも悲劇ばかりになってしまうので、どうやったらハッピーエンドを手に入れることができるのかを考えなきゃね。やっぱりその答えは「見返りを求めない愛(いわゆる無償の愛)」なのかな。そんなの理想ですけど。

 葛木さんのコメント付きの脚本を読ませていただきました(物販されていました)。自分の女子力(ジョシリョク)の低下を再確認(苦笑)。がんばらにゃな~。

出演:内田亜希子/オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)/羽鳥名美子(毛皮族)/近藤智行(ペンギンプルペイルパイルズ)/岸潤一郎(NAィKI)/宮本愛美(7%竹)/古市海見子(メタリック農家)/福田高徳(メタリック農家)/伊藤ヨタロウ
【脚本・演出】葛木英 【舞台監督】川除学+至福団 【舞台美術】 田長武+鴉屋 【照明】工藤雅弘(Fantasista?ish) 【音響】中村嘉宏 【映像】浦島啓(PURE DUST) 【衣裳協力】さっちゃん(風みどり@新中野) 【演出助手】今城文恵 【イラスト】リタ・ジェイ 【宣伝美術】two minute warning 【WEB制作】小林タクシー(ZOKKY) 【制作協力】Karte、ハイレグタワー 【制作補】丸山立 【企画・製作】 メタリック農家
【発売日】2009/04/05 前売¥3300、当日¥3500(全席指定) *早期割引:6日と7日14時の回のみ、前売¥2800、当日¥3000
http://www.metanou.com/

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Posted by shinobu at 00:47 | TrackBack

2009年05月09日

パルコ・大人計画『大パルコ人 メカロックオペラ「R2C2~サイボーグなのでバンド辞めます!~」』04/27-05/31パルコ劇場

 宮藤官九郎さんが作・演出・出演される、パルコと大人計画のプロデュース公演です。大人計画&グループ魂の面々に、森山未來さん、松田龍平さん、片桐はいりさんが加わった豪華キャスト。

 ロックオペラの名の通り、バンドの生演奏が物語に大きくからんだ音楽劇でした。下ネタを含むギャグもいつもどおり満載。舞台上のどの役者さんもかっこ良くて、面白くて、歌も演奏も楽しくて、全く飽きない約2時間20分でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『R2C2
 レビューは短めです。ちょっと体力なくなってます・・・

 ≪あらすじ≫
 舞台は2044年の東京・渋谷。パルコはすべてハンバーグ・レストラン“びっくり!ドンキー”に買収されていた。“びっくり…”のオーナーは、今は世間から姿を消している大ロックスター・パルコム(阿部サダヲ)の息子・クワトロ(森山未來)だ。彼は日本からアメリカの戦地へ送り出す、戦闘用サイボーグの製造も手がけていた。
 ≪ここまで≫

 楽器が演奏できるって、歌えるって、凄いことですね。森山未來さんは歌えるし踊れるしピアノ弾けるし。は~・・・かっこえーわ。

 ここからネタバレします。

 「戦争反対」と発言するのも違法、バンドを組むのも違法となった渋谷で、冷凍睡眠(?)から目覚めたパルコム(阿部サダヲ)が、ロックの叫びを上げたのには涙が出そうになりました。めっさかっこえーっす。

 「誰のギターだろうが同じ」というセリフが引っかかりました。打ち込みの演奏はずっと前からありましたけど、最近は歌もボーカロイドがいますものね。音楽、どうなるんだろう。

≪東京、大阪≫
出演:阿部サダヲ 森山未來 三宅弘城 皆川猿時 近藤公園 平岩紙 宮藤官九郎 片桐はいり 松田龍平
脚本・演出:宮藤官九郎 作曲:富澤タク 美術:小泉博康 照明:吉川ひろ子 音響:山本浩一 衣裳:伊賀大介 ヘアメイク:大和田一美 振付:八反田リコ 映像:上田大樹 演出助手:大堀光威 佐藤涼子 衣裳助手:戸田京子 伊澤潤子 梅田和加子 舞台監督:舛田勝敏 制作:河端ナツキ 北條智子 赤堀あづさ プロデューサー:長坂まき子 田中希世子 企画:大人計画 プロデュース・製作:(株)パルコ/大人計画
【発売日】2009/03/01 全席指定・税込 8,800円 ※未就学児のご入場はお断りいたします。
http://www.parco-play.com/web/page/information/r2c2/

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DULL-COLORED POP『ショート7』04/29-05/06 pit北/区域

 谷賢一さんが作・演出されるDULL-COLORED POP(ダル・カラード・ポップ)の短編集2本立て公演(合計7本)です。4本上演するAプログラム、3本上演するBプログラムがランダムに上演されます。

 「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員としてA、B両プログラムを拝見しました(⇒応募内容)。上演時間はAプログラムが約2時間、Bプログラムは・・・失念しました。すみません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ショート7
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

■Aプログラム
・『ソヴァージュばあさん』(35分) 
 原作:ギ・ド・モーパッサン『ソヴァージュはあさん』
 出演:堀川炎、和知龍範、佐野功、堀越涼

・『Bloody Sauce Sandwich』(20分)
 出演:ハマカワフミエ、佐々木なふみ、千葉淳

休憩(10分)

・『15分しかないの』(15分)
 出演:堀奈津美、桑島亜希、境宏子、千葉淳

・『アムカと長い鳥』(30分)
 出演:清水那保

【アフタートークイベント】
 4/29(水)出演:谷賢一 中屋敷法仁(柿喰う客・代表)


■Bプログラム
・『息をひそめて』(25分)
 出演:堀奈津美、佐野功、田中のり子

 セットチェンジ(5分)

・『エリクシールの味わい』(40分) ※新作
 出演:岡田あがさ、小林タクシー、清水那保、千葉淳、桑島亜希、佐々木なふみ、田中のり子、ハマカワフミエ 演奏:伊藤靖浩

 休憩(10分)

・『藪の中』(30分) 原作:芥川龍之介『藪の中』
 出演:堀越涼

【アフタートークイベント】
 4/30(木)出演:谷賢一 船岩祐太(演劇集団 砂地・演出)

DULL-COLORED POP #7.7『しょーと×しょーと×しょーと×しょーと×しょーと×しょーと×しょーと』
出演:清水那保、堀奈津美(以上DULL-COLORED POP)、岡田あがさ、桑島亜希、小林タクシー(ZOKKY)、境宏子(リュカ.)、佐々木なふみ(東京ネジ)、佐野功、千葉淳(東京タンバリン)、田中のり子(reset-N)、ハマカワフミエ(国道五十八号戦線)、堀川炎(世田谷シルク)、堀越涼(花組芝居)、和知龍範
脚本・演出:谷賢一 舞台監督:小林慧輔/音響:長谷川ふな蔵/照明:松本大介(enjin-light)/照明オペレーター:朝日一真/作曲・演奏・音楽監修(『エリクシールの味わい』):伊藤靖浩/アクティングコーチ(『ソヴァージュばあさん』):黒渾世莉(時間堂)/衣裳:中埜愛子/衣裳協力(『藪の中』):花組芝居/舞台美術:鮫島あゆ&グラマラスキャッツ/宣伝美術・Web制作:小林タクシー(ZOKKY)/制作:池田智哉(feblabo)、北沢芙未子(KOEKIMO)、鮫島あゆ
【発売日】2009/03/29 前売:2,500円 当日:3,000円 学生割引:500円引き(受付にて学生証をご提示下さい) リピーター割引:半券ご提示で1,000円引き ※Aを観た後にB、Bを観た後にAなど、別グループのご観劇でもご利用できます。リピーター割引をご利用頂けば、A・Bあわせて7作品が前売4,000円にてご観劇頂けます。
http://www.dcpop.org/short7

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:22 | TrackBack

【ワークショップ】芸団協・新国立劇場NNTドラマスタジオ「現役の俳優のためのリフレッシュコースVol.4<役づくりのプロセス>」07/03-11芸能花伝舎

 2006年度より、芸団協新国立劇場との共催で行われている「現役の俳優のためのリフレッシュコース」の募集情報です(過去記事⇒)。

 8日間84,000円という受講料は安価とは言えないかもしれませんが、ご興味のある方で対象になる現役俳優の方々には、お勧めしたい期間集中ワークショップです。

 【日時】2009年7月3日(金)~11日(土)の10:30~18:45
 【対象】舞台俳優として5~6年以上のキャリアがある俳優
 【応募期間】2009年5月15日(金)~6月24日(水)の間に郵送必着
  ⇒若干名追加募集・6/30〆切
 【募集人数 】16名程度 ※書類選考が有ります

■「現役の俳優のためのリフレッシュコースVol.4<役づくりのプロセス>」※公式サイトより

【日時】2009年7月3日(金)~11日(土) ※8日(水)は休み 
    10:30-18:45
    ※終了時間は日によって異なります。詳細は6月中にWeb上で告知します。
【会場】芸能花伝舎内 創造スペース
【受講料】84,000円
【対象】舞台俳優として5~6年以上のキャリアがある俳優 (全日程参加できる方のみ)
【募集人数 】16名程度 ※書類選考が有ります

【講師・内容】
・ローナ・マーシャル(新国立劇場演劇研修所 主任講師)⇒写真レポート(記録のみ)
 「役づくりのプロセスCharacter Development」
   
・池内美奈子(新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチ)
 「声と身体をつなげるトレーニング」
   
・橋本佳子(新国立劇場演劇研修所 主任講師)
 「ボディーワークス」
   
・栗山民也(新国立劇場演劇研修所所長・演出家)⇒「MA」ドイツ公演のロングインタビュー①
 「いろんな自分と出会うために」

 ※その他にもゲスト講師を複数お招きします。

【応募方法】
・受講希望の方は、申込み用紙(PDF版またはWORD版を公式サイトにてダウンロード)に記入の上、顔写真(バストアップ)を添えて、応募期間内に下記送付先まで郵送してください。
・選考結果は遅くとも6月29日(月)までにはお知らせします。
・なお、提出書類の返却はいたしませんので予めご了承ください。

【応募期間】
 2009年5月15日(金)~6月24日(水)の間に必着
 遅くとも6月29日(月)までにはご参加いただけるかどうかのご連絡を差し上げます。

【宛先】
 〒160-8374 新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2F
 芸団協・芸能文化振興部リフレッシュコース係 宛

【お問合せ】
 芸団協・芸能文化振興部 担当:米屋・日比谷
 TEL:03-5909-3060  FAX:03-5909-3061
 E-mail:seminar(アットマーク)geidankyo.or.jp

芸団協内公式サイト:http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/jitsuenka/refresh_090703.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:52 | TrackBack

イキウメ『関数ドミノ』05/08-24赤坂RED/THEATER

 前川知大さんが作・演出される劇団イキウメの公演です。小空間で贅沢なSFワールドを堪能。お話が面白くって、手放しに楽しんでしまいました。演出も洗練。上演時間は約1時間45分。

 前川さんは昨年の『表と裏と、その向こう』で読売演劇大賞優秀作品賞、優秀演出家賞を受賞され、紀伊國屋ホールの『相思双愛』(本日開幕/脚本提供)、世田谷パブリックシアターの『奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話』(7月/作・演出)、パルコ劇場の『狭き門より入れ』(8月/作・演出)に連続登場する、今、最も注目される若手劇作・演出家の一人です。
 劇団としても、『イキウメ短篇集』(関連レビュー⇒)が5/1(金)にNHK教育「芸術劇場」で放送されたばかり。

 公演期間は長い目ですが小さな劇場ですので、ご興味ある方は早めに予約された方がいいかも。近くに座ってたお客様が「3500円は安すぎる!」って連発してました(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『関数ドミノ

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。改行を変更。(役者名)を追加。
 ある地方都市で奇妙な交通事故が起きる。
 車はゆるいカーブをスピードを落とさず曲がってきた、信号のない横断歩道に歩行者(緒方健児)を発見するが、既に停止できる距離ではない。しかし車は歩行者の5cm手前で、まるで透明な壁に衝突するように大破した。歩行者は無傷。運転手(窪田道聡)はエアバッグのおかげで軽傷、助手席の彼女は頭部を激しく打ち重傷。目撃者は三人(浜田信也、ともさと衣、古河耕史)。
 この事件の担当になった保険調査員(安井順平)は不可解な事故に手を焼き、当事者と目撃者を集めて検証をする。
 ≪ここまで≫

 本気で望んだことなら何でもすべて叶う“期間限定の神様・ドミノ”なる人物をめぐるお話です。端から見ていて、順風満帆すぎる人生を送っている人っていますよね。反対に、驚くほど不運続きでお気の毒な人もいます。運の良さが本人の意志や能力に関係なく、神様から与えられた運命のように定まったものだとしたら、そしてその人物が目の前にいるアイツだとわかったら・・・。

 舞台美術は大きく分けて、手前と奥の2つの演技スペースから成っていました。手前(客席面側)は上下(かみしも)、天井、床の四方向をベージュ色(?)の板で囲んだ、奥行き浅い目のステージ。その奥に、手前よりも1段ほど床のレベルを下げた空間があります。
 説明する言葉なしに、次々とスピーディーに場面転換していく演出(脚本の構成も?)が洗練されていました。特に、前のシーンの人物を残して次のシーンに移るところは、意味が幾層にも負荷されて素晴らしかったです。

 ストーリーにすっかり引き込まれて楽しく鑑賞しながら、人間の欲望について考えました。人間の欲望を実行した結果が、今わたしたちが生きている世界なのだと思います。でも欲望って一体何なのか。目先の欲望と将来の夢は別物だし、性欲と愛情はいつもセットではないし、私が今望んでいることって、本当の本当に、私自身が心の底から欲していることなのかしら・・・などなど。SFの世界を通じて人間、すなわち自分自身について深く考えさせてくれました。さらに娯楽作でもあるところが、前川作品の凄いところだと思います。

 保険調査員役の安井順平さんの言葉がとっても可笑しくて、何度も笑わせていただきました。お笑い芸人さんのネタとしてではなく、会話の中の呼吸や心の機微を表す方向での笑いなので、大満足。
 “ドミノ”の存在を証明しようとする真壁役・古河耕史さんの独白が良かったです。古河さんの顔(演技)があまりに柔軟に変化するので、古河耕史という役者ではなく、真壁その人がそこに居るような気持ちで観られました。

 ここからネタバレします。※これからご覧になる方は読まないで下さいね!

 “ドミノ”が見つかった。事故の目撃者である駆け出しの小説家・森魚(浜田信也)がそうなのだ。あの交通事故で「透明な壁」を出したのは森魚だと見込んだ事故関係者らは、ドミノである彼の力を利用して、自分たちの望みをかなえようとする。
 HIVキャリアである土呂(盛隆二)は、森魚に自分の病気が治って欲しいと思ってもらうよう、彼の友人になるべく急接近するが…。

 一体どうなるんだろう!?と物語の中に没頭して、わくわくしながら観ていた先に待っていた結末は、ドミノのせいで人生は不公平で、自分はいつも損ばかりしていると思い込んでいた真壁(古河耕史)こそが、実はドミノだったというどんでん返しでした(ドミノは期間限定なのだから、森魚もある時期はドミノだったかもしれないし、真壁もあの瞬間にドミノになったのかもしれない・・・な~んて後から頭の中でぐるぐる考えたりもしました・笑)。
 耳から血を出して倒れてしまった秋山(ともさと衣)の手をとり、真壁は彼女の回復を、心から願うのか、どうか・・・というところで暗転して終幕。とても良かったです。前川さんは人間への愛情が深いと思います。

 婚約者が重症(しかも顔面ヘルレイザー状態)なら、新田(窪田道聡)はもっと切羽詰っていてもいいんじゃないか。森魚(浜田信也)に好きな女(大久保綾乃)を取られたなら、田宮(緒方健児)は怒るだけじゃなく、落胆や嫉妬の陰影をもっと濃くしてもいいんじゃないか。命がけの賭けに出た土呂(盛隆二)と森魚の会話は、押したり引いたりだけじゃなく、浮かんだり沈んだり、ソレたり様子見したり、もっと広く揺らいでもいいんじゃないか。秋山(ともさと衣)は真壁(古河耕史)をドミノを信じる同志として守りたいのかもしれないけど、恋愛がらみの色っぽい、切ない空気も漂わせていいんじゃないか。などなど、役者さんの演技については厚みを増して欲しい気もしました。私が拝見したのは初日ですので、回を増すごとに良くなることと思います。

出演:浜田信也 盛隆二 岩本幸子 緒方健児 森下創 窪田道聡 安井順平 ともさと衣 古河耕史 大久保綾乃
脚本・演出:前川知大 舞台美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:鏑木知宏 楽曲提供:安東克人 衣裳:今村あずさ ヘアメイク:前原大祐 演出助手:石内エイコ 舞台監督:谷澤拓巳 制作:中島隆裕 吉田直美 大道具製作:C-COM舞台装置 演出部:棚瀬功 照明操作:和田東史子 宣伝美術:末吉亮 宣伝写真:坂田智彦 舞台写真:田中亜紀 提携:赤坂RED/THEATER 後援:TOKYO FM 運営協力:サンライズプロモーション東京 主催:イキウメ/エッチビイ株式会社
【発売日】2009/03/14 前売3,500円 当日3,800円 (全席指定・税込)※未就学児童入場不可
http://www.ikiume.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:52 | TrackBack

2009年05月08日

こまつ座・ホリプロ『きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~』05/06-24天王洲 銀河劇場

 何度も再演されている井上ひさしさんの戯曲を、栗山民也さんが演出されます(⇒関連レビュー)。
 “井上&栗山”という作・演出のペアはこまつ座でも新国立劇場でもお馴染みですが、『きらめく星座 』については、栗山さんは初演出になるんですね。最初は井上ひさしさん、次は木村光一さんが演出されていたそうです。

 前半は全体的に元気がなさそうな雰囲気でしたが、後半にぐっと盛り上がって、名ゼリフに身を浸しました。やっぱりハンカチなしには観られません。上演時間は約3時間5分(途中休憩15分を含む)。

きらめく星座―昭和オデオン堂物語
井上 ひさし
集英社
売り上げランキング: 234504

 ⇒CoRich舞台芸術!『きらめく星座

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 昭和15年の浅草。小さな小さなレコード店に、4人の家族(愛華みれ&久保酎吉&阿部力&前田亜季)と、2人の間借人(木場勝己&後藤浩明)が仲良く暮らしていた。しかしこの平和なオデオン堂に大事件が起こる。  
 陸軍に入隊していた長男の正一(阿部力)が、脱走したというのだ。「敵前逃亡」は重罰。すぐさま追手がかかって、憲兵伍長「蝮の権藤」(八十田勇一)がオデオン堂に乗り込んできた。  
 さらにもう1人、堅物の愛国主義者が家族に加わる。長女みさを(前田亜季)が「ハガキの束から選んだ」夫、源次郎(相島一之)。この家の住人たちのジャズがかった音楽好きが、傷痍軍人の源次郎にはどうしても許しがたい。 
 こうしてオデオン堂には、ときならぬ大嵐がふきあれることとなる。
 ≪ここまで≫

 前半はいつものこまつ座っぽくないような、どことなくよそよそしい感じがして入り込みにくかったのですが、傷痍軍人・源次郎役の相島一之さんが登場してからは、スっといつもの晴れやかな、素直な気持ちになって鑑賞できました。相島さんの演技は怪演ともいえるような迫力があり(笑)、コミカルでありながら感情の変化も細やかに表現されていて、いつも目を奪われました。

 昭和15年(1940年)から翌16年のお話ですので、日本の戦況は悪くなる一方。オデオン堂に暮らす人々の生活もますます厳しくなっていきます。そんな中でも感謝を忘れず、皆で歌って、笑って、前向きな気持ちで生きていく姿は、微笑ましいと同時にうらやましくもありました。家族の誰もが知ってるヒット曲なんて、今の日本にはないですしね。
 でも、元気で明るいコメディーの裏には、不穏な空気や恐怖の真っ暗闇が常に忍んでおり、その表裏は頻繁に入れ替わって、観客を戦慄させます。戦争の当事者であった登場人物のことを私自身に置き換えて、一緒に楽しんで、怒って、恐怖して観ることができました。

 舞台は畳の居間。中央にはちゃぶ台、ひもを引っ張って点灯させる電灯、ふすま、木製の勉強机とイスなど。昭和の日本家屋の装置は今もお芝居ではよくあるものですが、観る度に、懐かしさよりもめずらしさを強く感じている自分がいます。私が幼い頃は、まだご近所・親戚の家でもよく見たものですが、今の日常生活で全く目にしなくなったんですよね。
 祖母が数年前に亡くなって、我が家では軍歌を歌う人がいなくなりました。だからなのか、劇中に出てくる流行歌を聴く感覚も、私の中では変化していました。懐かしいのではなく、新曲を聴いているような気持ちだったんです。

 今が昔になり、現実が思い出になり、確かにそこにあったものの輪郭は、淡くぼやけて消えていくのですね。記憶の風化からは逃れられません。井上ひさしさんの演劇を観て、昔を思い出して自分の変化を自覚しながら、感じたままを新たに記憶していきたいと思います。

 お母さん役の愛華みれさんの、明るく大らかな母親像は新鮮でした。度胸があって太っ腹で魅力的でした。
 脱走兵となった長男役の阿部力さんのセリフが少々聞こえづらかったのは残念。きびきびと動かれるし、はつらつとしたさわやかな印象もあるので、もったいないなと思いました。

 ここからネタバレします。

 きらめく星空の中、ロマンティックに幕が開いたかと思うと、防毒マスクを被った人々がズラリ。ちょっと不気味なムードでお話は始まり、最後もまた、防毒マスクで終わりました。

 オデオン堂は国の政策で取り潰しになり、店舗・家屋ともに国に召し上げられてしまいます。一体なんの権利があってそんなことができるのか、今の感覚では全く理解不能ですが、それがまかり通ったのが戦時中の日本なんですよね。
 ※掲示板にご意見をいただきましたので、リンクを追加します。
  ⇒「防衛大臣が攻撃を予想しただけで土地や人、物の強制収用が可能」(Wikipedia「有事法制」より)
   つまり、今の日本でも起こり得るということです(2009/05/10)。

 小笠原夫妻(愛華みれ&久保酎吉)は妻の実家の長崎に行くことになり、源次郎(相島一之)は吹き飛んだ右手が痛むので再入院し、竹田(木場勝己)は大連へ渡り、最後は皆ちりじりになってしまいます。防毒マスクのエンディングは彼らの行く末を暗示しているのでしょう。恐ろしい演出でした。

 卵1個をどう調理して食べようか、みんなで相談するシーンがとっても楽しかった。卵かけご飯、湯でたまご、目玉焼きが、目に見えないのにあんなに美味しそうだと感じるなんて。

 源次郎(相島一之)が「日本の道義を疑うようになったきっかけ」を語るシーンは圧巻。彼の、銃後(守るべき人々)を思う熱い気持ちが伝わってきたおかげで、戦地へ赴く兵隊の気持ちが少しわかった気がしました。
 コピーライターの竹田(木場勝己)が語る「人間は奇跡そのもの。」というセリフは、やはり涙なしには聞けません。満天の星空に1つだけ際立って大きく光る星がありました。誰もがあの星のように輝く奇跡なのだと、信じることができました。

≪東京、宮城、大阪≫
出演:愛華みれ 阿部力 前田亜季 久保酎吉 八十田勇一 後藤浩明(ピアノ) 相島一之 木場勝己 古川龍太 阿川雄輔
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也 音楽:宇野誠一郎 美術:石井強司 照明:服部基 音響:泰大介 振付:謝珠栄 衣裳:中村洋一 歌唱指導:伊藤和美 宣伝美術:和田誠 演出助手:田中麻衣子 舞台監督:木崎宏司 主催:ホリプロ/銀河劇場/テレビ朝日/こまつ座
【発売日】2009/02/14 S席:7,350円 A席:6,300円 学生席:4,200円(全席指定・税込)
http://www.gingeki.jp/special/seiza.html

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Posted by shinobu at 16:24 | TrackBack

2009年05月07日

Bunkamura『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』05/06-30シアターコクーン

 清水邦夫さんの戯曲を蜷川幸雄さんが演出されます。同じコンビで1982年に初演された作品なんですね。

 囚われ人の思い出の中に、私もすすんで堕ちていって、号泣。さらにカーテンコールでダメ押しされ、嗚咽。燃え盛る命がけの夢が、現実と重なりました。上演時間は約3時間弱(途中20分の休憩を含む)。

 三田和代さんの鬼気迫る演技に、最初から最後まで魅せられっぱなし。「俳優という漢字は“人に非ず、人を憂う”と書く」とよく言われますが、その言葉に心の底から納得しました。

 終演後に劇場のすぐ外で、S席のチケット販売をしていました。完全完売ではないようですので、ぜひどうぞ!

 ⇒CoRich舞台芸術!『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた
 レビューは後ほどアップします。

 ⇒wonderland『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』レビュー掲載(2009/06/12)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 とある百貨店、真夜中。突如、音楽が響き、闇を切り裂いて大階段が現れる。夜な夜な、女装をして「ロミオとジュリエット」の稽古に励んでいるのは、新村久(古谷一行)をはじめとする壮年の男性たち。かつてこの百貨店に創立された石楠花少女歌劇団の熱狂的ファンであった“バラ戦士の会”の面々である。
 ジュリエットを演じるのは歌劇団の名花と呼ばれた風吹景子(三田和代)。三十年以上前、空襲により歌劇団が消滅した事実を受け入れられず、未だゴールデンコンビといわれた相手役、男役スターの弥生俊(鳳蘭)を待ち続けている。新村たちは、景子の少女のような危うい精神をなんとか守ろうと、歌劇団再結成を呼び掛ける新聞広告を出し、稽古につきあっているのだった。新村たちの奮闘を冷ややかに見つめる新村の義妹・加納夏子(中川安奈)や北村次郎(ウエンツ瑛士)など若い世代も、次第に彼らの不思議な情熱に取り付かれていく。
 歌劇団の歌姫であった直江津沙織(毬谷友子)をはじめ、メンバーたちが集まり始め、華やぐ百貨店。妹の理恵(真琴つばさ)の手にすがりつつ、ついに俊がその姿を現した。謎めいた瞳をサングラスで隠して・・・。
 ≪ここまで≫

出演:三田和代 鳳蘭 真琴つばさ 中川安奈 毬谷友子 衣通真由美 市川夏江 古谷一行 磯部勉 山本龍二 石井愃一 横田栄司 ウエンツ瑛士 井上夏葉 赤司まり子 石井ゆき 今井あずさ 江幡洋子 太田馨子 柏木ナオミ 加藤弓美子 吉祥美玲恵 佐藤薫 高間智子 玉井碧 土屋美穂子 戸谷友 仲田幸代 鳴海由子 難波真奈美 羽子田洋子 ひがし由貴 別府康子 蓬莱照子 松乃薫 山口詩史 山口夏穂 山本順子 祐輝薫
★加納夏子役の中川杏奈が急病で途中降板し、5/29昼は公演中止。中川の代役に毬谷友子。毬谷演じる直江津紗織役の代役に、難波真奈美、祐輝薫、広崎うらん。5/29夜、5/30昼の2ステージは代役で上演。
作:清水邦夫 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:室伏生大 音楽:門司肇 振付:広崎うらん 音響:井上正弘 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:鎌田直樹 演出補:井上尊晶 舞台監督:濱野貴彦 主催・企画・製作:Bunkamura
S席10,000円 A席8,500円 B席7,000円 コクーンシート5,500円

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Posted by shinobu at 00:27 | TrackBack

2009年05月06日

【情報】NHK番組開発ドラマ「渋谷JK(しぶやジェーケー)」5/29(金)深夜0:10~0:40放送

 ろりえ快快(ファイファイ)、ハイバイのメンバーによるテレビドラマが、NHK総合で放送されます。・・・一体どんな番組なんだっ!?(笑)

 脚本だけでなく出演者も演劇関係の役者さんですね。ハイバイ作品には主宰の岩井秀人さん、サンプルの松井周さん、THE SHAMPOO HATの黒田大輔さんが出演!期待は高まるばかりです!!

 ●番組開発ドラマ「渋谷JK(しぶやジェーケー)
  2009年5月30日(土)
  午前0:10~0:40 [5月29日(金)深夜]
  チャンネル:NHK総合

【渋谷発、超!新感覚ドラマの誕生】※公式サイトより引用。

 今まで見たことの無い斬新なドラマを制作します。
 今演劇界で最も注目を集める3つの小劇場劇団とNHKドラマの奇跡のコラボレーション!

■第1話「アイスコ-ヒ-」 
 作・奥山雄太(ろりえ)
 出演:ミキ…梅舟惟永 ナツコ…志水衿子 店員…高木健(早稲田演劇倶楽部) ナツコの男…奥山雄太

■第2話「ハチになっちゃいたいのに」
 作・快快(ファイファイ)
 出演:女の子…篠田千明 パフォーマー…天野史朗 大道寺梨乃 中林舞 山崎皓司 ティッシュ配り…天野史朗 警察官…山崎皓司

■第3話「コンビニ(または謝罪について)」
 作・岩井秀人(ハイバイ)
 出演:男…岩井秀人 店員…松井周(サンプル) 弁当男…黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)


番組開発ドラマ「渋谷JK(しぶやジェーケー)」:http://www.nhk.or.jp/drama/dramalist/shibuyajk.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:38 | TrackBack

【オーディション】タカハ劇団『モロトフカクテル』出演者オーディション※5/22(金)〆切・郵送必着

 タカハ劇団第5回公演『モロトフカクテル』の出演者オーディション情報です。
 作・演出は高羽彩さん。会場は杉並区に新しくオープンした公立劇場“座・高円寺1”です。

 『モロトフカクテル』の初演は2007年CoRich舞台芸術!で5つ★の「観てきた!」クチコミが連続したため、急いで早稲田大学学生会館まで観に行きました。すっごく面白かったですよ~。

 ・タカハ劇団『モロトフカクテル』
  2009年10/15~18@座・高円寺1

 詳細は下記をどうぞ。公式サイトからの情報です。申込用紙が印刷されたチラシも、劇場に折り込まれています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『モロトフカクテル』(2009年10月)

【次回公演「モロトフカクテル」出演者オーディション】(劇団公式サイトより)

色々な方と出会いたい。
そんな気持ちで、タカハ劇団 第5回公演「モロトフカクテル」の
出演者オーディションを実施します。

■開催日時
 ①2009年5月31日(土)/5月31日(日) 両日共に 13時~21時
 ②2009年6月 6日(土)/6月 7日(日) 両日共に 13時~21時

■参加費
 2,000円(①②共通)
■締切
 2009年5月22日(金)必着
■応募条件
 男女不問。年齢 30代までの方。
 上記①または②に、2日間とも参加できる方。
 ※2日間を通して、一本の戯曲に取り組んで頂きます。
 (2日目に発表あり)

■場所
 東急東横線 学芸大学駅 G-upスタジオ
■申込方法
 下記※のプロフィールに必要事項を記載の上、バストアップ写真一枚を添えて
 郵送でお申込ください。折り返し詳細をご連絡します。
 応募者多数の場合、書類選考をさせて頂く場合がございます。
 ※オーディション申込用紙(pdfファイル)は劇団公式サイトからダウンロードしてください。

■応募先 
 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-33-8 CASTOS-4F タカハ劇団宛

■お問い合せ info(アットマーク)takaha-gekidan.net

たくさんのご応募お待ちしております!


第五回公演『モロトフカクテル(再演)』2009年10/15~18@座・高円寺1
~わたしたちは あの時代を なつかしむことはできない~
出演:有馬自由(扉座)、恩田隆一(ONEOR8)、他
作・演出:高羽彩
タカハ劇団:http://takaha-gekidan.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:16 | TrackBack

2009年05月05日

Conclave『父と暮せば-朗読劇-』05/05-08アレイホール

 井上ひさしさんの傑作2人芝居『父と暮せば』(過去レビュー⇒)を、中嶋しゅうさんと岡野真那美さんが演じるとのことで、初日に伺ってきました。上演時間は約1時間15分ほど。

 台本は手から離されていましたので、朗読ではなく本格的なお芝居でしたね。2人の役者さんはお互いを受け入れ、刺激して、豊かに反応し合って、舞台上でのびのびと自分の役を生きていらっしゃいました。

 アレイホールには初めて行きました。フラットな客席なので前方の席でご覧になるのがいいと思います。全席自由ですので会場へはお早めにどうぞ。

父と暮せば (新潮文庫)
井上 ひさし
新潮社
売り上げランキング: 19615

 ⇒CoRich舞台芸術!『父と暮せば-朗読劇-

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 1945年8月6日午前8時15分、ほんのわずかな違いが父と娘の生死を分けた。
 舞台は原子爆弾が投下された三年後の広島。
 福吉美津江は父・竹造と二人で暮している。あの日、生き残ってしまった事への強い罪悪感に苛まれる娘・美津江を想う竹造。ときに励まし、ときに叱咤し、美津江の心を慰めつづける。ある時、美津江は原爆資料を集める青年木下と想いを寄せ合う。その恋を後押しする竹造。しかしピカの記憶はいつまでも美津江の胸に重くのしかかる。
 美津江は木下への気持ちを胸の内に隠したまま、遠い地へ姿をくらますと竹造に告げるが、竹造は怒り、そして静かに言葉を紡ぐ。
 「気持はようわかる。じゃが、おまいは生きとる、これからも生きにゃいけん」――と。
 その言葉を聞いた美津江は、遂に心の奥底に押し込めていたあの日の記憶を辿り始める。あの日、あの時、父の死を目の当たりにした自分の姿を……。
 ≪ここまで≫

 イスが4客だけのごくシンプルなステージ。2人の会話と生演奏の効果音だけで見せていきます。
 最初っから泣いてしまって大変でした・・・。私はこの作品にはめっぽう弱いのです。原爆が落ちてきた、その真下にいた人たちの言葉は、何度聞いてもショックを受けて、涙が流れてしまいます。

 ここからネタバレします。

 「生き残ったのが間違いだった」「自分は幸せになってはいけない」と強く自分に言い聞かせる美津江を見て、太陽2個分の熱さを持ったあの爆弾が残した、傷の深さを再度確認します。

 美津江は木下さんの原爆資料をあずかって、彼とはラブラブ状態になったというのに、やはりその幸せから離れようとします。それは、あの地獄よりもひどい火の海の中で、自分が父・竹造を見捨てたからでした。
 竹造の必死の説得で、美津江は、自分が死んだ人によって生かされているということに気づきます。このシーンが素晴らしかったですね。

出演:中嶋しゅう(竹造) 岡野真那美(美津江) 和太鼓・鳴り物の生演奏:金刺敬大(8日のみ横山亮介)
脚本:井上ひさし 演出:池内美奈子 尺八・作曲:藤原道山 舞台監督・照明オペ・音響オペ:野口俊丞 方言指導:大原穣子 美術協力:中村公一 制作協力:シーエイティプロデュース(CATプロデュース) コンクラーベ主宰:中嶋しゅう
自由席 前売券3,000円 当日券3,500円
http://www.stagegate.jp/performance/2007/chichito/index.html
http://members.jcom.home.ne.jp/conclave/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:54 | TrackBack

キレなかった14才♥りたーんず『グァラニー ~時間がいっぱい』04/17-05/05こまばアゴラ劇場

 キレなかった14才♥りたーんずをやっとこさコンプリート(他作品のレビュー⇒)。最後は岡崎藝術座の神里雄大さんの作・演出作品を拝見しました。上演時間は約1時間10分。

 スタンプラリーでは、5作品目でりたーんずステッカーを頂戴しました。6本全部観た観客には何かプレゼント(福袋)があるみたい。品切れで後日郵送していただけることになりました。お手数かけますが楽しみにしています。

 ⇒シアターガイドWEBの特集
 ⇒CoRich舞台芸術!『グァラニー ~時間がいっぱい

 日本から南米パラグアイに移り住んだ、幼い頃を回想する男(杉山圭一)・・・。

 役者さん1人ひとりが長い独白をハイテンションで語ります。最初の男性はじっと楽しく見ていられたのですが、次からは引き込まれなくなってしまいました。少々体調がよくなかったのも原因かと思います。

 終演後はトークイベントが開催されていました。1日3ステージになってからは、公演の間にこういった企画が行われているようですね。素晴らしいな~。上演するだけでも大変でしょうに、観客のためにさらに面白いことを考えて、実行してくださって。アゴラ劇場の本棚がりたーんず仕様になっているのにも感動しました。

20090505_kamisato_talk.jpg

 私は次の劇場に行かなけらばいけなかったため、途中で帰りました。
 出演:神里雄大(岡崎藝術座)×九龍ジョー(ライター・編集者)×岸井大輔(劇作家/playworks主宰)

 ここからネタバレします。

 女優さんが着ていた白いロングスカートが、映像を映すスクリーンになるのが素敵。

 終演後、ラッキーなことにマテ茶をひとくちいただきました。ストローがお茶っ葉をこす仕組みなんですね。美味しかった♪ありがとうございました。

出演:上田遥 菊島かずは 坂倉奈津子 宇田川千珠子(青年団) 高須賀千江子 寺田千晶 杉山圭一(北区つかこうへい劇団)
作・演出:神里雄大(岡崎藝術座) 企画者:柴幸男(青年団演出部)/篠田千明(快快)/中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:佐藤恵 舞台美術:佐々木文美 照明:伊藤泰行 音響操作:高橋真衣 映像:渡辺一樹 イラスト:きたがわゆう 宣伝美術:天野史朗 web:加藤和也 制作統括:野村政之 宮永琢生 制作:木元太郎 山本ゆい 企画協力:岸井大輔(playworks) 制作協力:佐藤泰紀 制作クルー:赤羽ひろみ 細木香代子 土屋和歌子 雑誌編集:藤原ちから 雑誌デザイン:加藤賢策(東京ピストル) 雑誌チーム:かなちん&ポギャル(徳本彩花&内田優花&鈴木美香子&矢島寛子) 武田砂鉄 特別協力:熊井玲(シアターガイド) 企画制作:キレなかった14才・りた一んず/(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
全演目共通・日時指定・全席自由・整理番号付 一般:予約 2,500円 当日 2,800円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円 [平日昼割引] 一般:予約 2,000円 当日2,500円 / 高校生以下:予約・当日共 1,000円
《スタンプラリー》5演目以上見たら演出家からプレゼントあり
http://kr-14.jp/

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Posted by shinobu at 22:11 | TrackBack

渡辺源四郎商店『シュウさんと修ちゃんと風の列車/県立戦隊アオモレンジャー全国放送版』05/04-05 ザ・スズナリ

 『3月27日のミニラ』に続いて同時上演のリーディング作品も拝見しました。太宰治と寺山修司が登場する『シュウさんと修ちゃんと風の列車』(約40分)と、「県立戦隊アオモレンジャー全国放送版』(約6分)の2本立てです。
 
 『シュウちゃん・・・』の生演奏も『アオモレンジャー』の作りこみも非常に贅沢で、一般予約1,200円というチケット代はお得だと言い切れる面白さでした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『シュウさんと修ちゃんと風の列車/県立戦隊アオモレンジャー全国放送版

 ここからネタバレします。

 ■シュウさんと修ちゃんと風の列車

 効果音を生音(なまおと)で出すために、チューバに琴などの大きな楽器も大集合。
 「過去はすべて虚構だ」という考えに心から納得でした。最後はちょっと涙ぐんでしまった。

 ■県立戦隊アオモレンジャー全国放送版

 青森県を防衛するアオモレンジャーが、次々と襲い掛かってくる他都道府県に立ち向かう。今回の敵は秋田県でした。ナマハゲとネプタが戦っちゃう(笑)。
 戦隊もの独特のテーマソングも、ものすごくよく出来ていて、畑澤聖悟さんの美声を堪能。とにかく手放しに面白かったです。

なべげんRadio Drama Readingシリーズ1
出演:工藤由佳子 工藤静香 高坂明生 工藤貴樹 ささきまこと 工藤千夏 牧野慶一(劇団雪の会) 畑澤聖悟 工藤良平
脚本・演出:畑澤聖悟 照明:浅沼昌弘 音響:藤平美保子 音楽:盛隆 舞台美術:畑澤聖悟、山下昇平 舞台監督:三上晴佳 ドラマターグ:工藤千夏 制作:渡辺源四郎商店 制作補:西後知春、おりゅう、秋庭里美 主催・企画制作:渡辺源四郎商店 後援:RAB青森放送
【発売日】2009/04/01 全席自由 予約:一般1,200円/学生(高校生以下も含む)700円、当日:一般1,500円//学生(高校生以下も含む)1,000円 『3月27日のミニラ』とのセット券(渡辺源四郎商店のみのお取り扱い):一般4,000円、/学生(高校生以下も含む)2,500円
http://xbb.jp/wgs

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Posted by shinobu at 13:42 | TrackBack

2009年05月03日

渡辺源四郎商店『3月27日のミニラ』05/02-06ザ・スズナリ

 畑澤聖悟さんが作・演出(出演も)される渡辺源四郎商店の新作です。上演時間は短めで、約1時間20分。

 青森弁の現代劇と壮大なフィクションを当然のように融合させた、大胆な脚本・演出だったと思います。もやもやして、むずむずして、息苦しくて、最後は怖くて切なくて。観終わった後に考えることがいっぱい。一緒に観ていた人と話し合って、「そうか、そうだったのか」とうなづいたり、さらに深く考えたり・・・。

 5/4と5/5の夜公演はラジオドラマのリーディング上演が行われます。賞を受賞している作品なんですね。明日うかがう予定です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『3月27日のミニラ

 ≪あらすじ≫
 3月27日はある中学校教員の退任式。ゴジラの息子ミニラ(工藤良平)が校長室を陣取っている。
 ≪ここまで≫

 ある中学校の一日を自然な演技で見せていきます。一見、ごく普通の日常を描く現代劇のようですが、ファンタジーだとも言える作品だと思います。

 暴力を傘に着たミニラにはもちろん、彼に徹底的に屈服する教師らにムカつき、被害者(?)の父親の仏のような優しさにもイライラし・・・。でも、今日でその場を去る立場なら、私もそうするかもしれない・・・。なるべく波風立てずに立ち去りたいですから。完全にさようならするために。

 ※開演時刻を間違えて遅刻(涙)。最初の10~15分ほど見逃したので、終演後にロビーで上演台本を購入しました。上演中の戯曲を販売してくださるのは助かります。

 ここからネタバレします。

 体長50メートルの母親ゴジラが、海からやってくる描写が面白いです。
 息子は名実ともにミニラなんですよね。怪獣ミニラとしての雄たけびが、通分(分数の計算)もできない中学2年生男子の心の叫びと重なります。
 人は嫌いな人から離れるし、いやな場所からは逃げ出すし。とても自然なことだと思います。チラシの花束はfarewellの意味なんですね・・・つらい。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:畑澤聖悟 本広克行(映画監督) 司会:工藤千夏

 本広さんは「ゴジラ」のファンクラブに入ってらっしゃるそうです。畑澤さんは本広さん以上に「ゴジラ」についての豆知識があるようで(笑)、お2人のゴジラ・トークは聞き応えがありました。
 セリフや設定に「ゴジラ」へのオマージュが捧げられているんですね。オマージュというよりはリスペクトかも?どちらにせよ、細かい部分までこだわりぬいた戯曲であることはわかりました。

 校長室にたった一人残されたミニラは、最後にタバコを吸います(あんなに「吸ってない」って言ってたくせに)。煙を吐く様子は、口から光線を吐くミニラを表しているんですね。トークを聞いてわかりました。

 畑澤さんは現役の高校教師でいらっしゃるので、学校の現状はよくおわかりなのだと思います。もちろんモンスターピアレンツとも交流もされているのでしょう。「教師はそこまで保護者にヘコヘコしなきゃいけないの?」「そんなに大勢の教員が一度に異動するの?」といった疑問は沸くのですが、現実に沿ったことなのでしょうね。

≪青森、東京、秋田≫
出演:工藤由佳子 工藤静香 高坂明生 山上由美子 工藤良平 ささきまこと 柿崎彩香 工藤貴樹 宮越昭司 牧野慶一(劇団雪の会)
脚本・演出:畑澤聖悟 照明:浅沼昌弘 音響:藤平美保子 舞台美術:山下昇平 装置:萱森由介 舞台監督:三上晴佳 プロデュース:佐藤誠 ドラマターグ:工藤千夏 宣伝美術:木村正幸 制作:渡辺源四郎商店 制作補:西後知春、おりゅう、秋庭里美
【発売日】2009/04/01 一般前売 3,000円 学生前売 2,000円 一般当日 3,300円 学生当日 2,300円
http://xbb.jp/wgs/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:47 | TrackBack

ロロ『家族のこと、その他のたくさんのこと』05/02-03王子小劇場

 三浦直之さんの戯曲『家族のこと、その他のたくさんのこと』は、王子小劇場の【「筆に覚えあり」新作戯曲選考制度】入選作品です(⇒関連レビュー)。
 入選した作品が王子小劇場で本格的に上演されるのは、今作が初めてですね。ロロ(ろろ)は三浦さんの作品を上演するために結成された劇団です。

 初日の昼公演(つまり一番初めのステージ)のポスト・パフォーマンス・トークに出演させていただきました。上演時間は約1時間45分。満席でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『家族のこと、その他のたくさんのこと

 ≪あらすじ≫
 ある日、僕は道端でオヤジを拾ってきた。妹は素直に受け入れ、オヤジを家に招き入れるが、母親は「この人、違うよ」と言って家出する。
 ≪ここまで≫

 装置・衣裳がポップで、ギャグがシュール。いまどきの若者言葉で書かれた現代口語劇でありつつ、登場人物が作品の外側に出て観客に話しかける独白などもあり。役者さんが1人で数役を演じたり、照明の変化だけで舞台が色んな場所に飛んだり、いきなりダンスや歌が始まったり。独特の世界観が感じられる作品でした。

 当日パンフレットに配役名がないのは残念。どの役者さんが何役を演じたのかがわかりません。

 ここからネタバレします。

 冒頭の前説でパンツ一丁の三浦さんが登場し、“僕”と作者が重なるのが良かったです。
 雨が溜まりつづけるステージ。いつでも水に濡れてしまう役者たち。“僕”の友人の“晴れ間がささない男”には、常にジョウロで水がかけられます。
 猿が大勢でてきて踊るシーンが面白かった。
 衣裳の色使いがとても好きです。快快の藤谷香子さんのデザインですね。そういえば振付も快快の野上絹代さんだ。

 妙な衣裳を着てアスファルトに水をやりつづける生き物(中村早香さんじゃなくて、両角葉さんだったようです・2009/05/10加筆)が、「ここからクライマックスです」と言った後が長過ぎました。すぐクライマックスが来て終幕して欲しかったです。

 突然病死してしまった夫に「死んで欲しくない」と伝えられなかったことが、母親の大きな心残りだった・・・というのがキーになっていたようですが、私にはあまり重要なメッセージだとは感じられず。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:三浦直之(ロロ主宰)×玉山悟(王子小劇場代表)×高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー)

 『家族のこと、その他のたくさんのこと』は三浦さんの処女戯曲で、演出するのも生まれて初めてだったそうです。王子小劇場は太っ腹というか勇気があるというか(笑)。
 初めてとは思えない、色んな工夫と広がりが感じられる演出でした。若い人は凄いな~。作・演出の三浦さんの今後が楽しみです。

出演:板橋駿谷(劇団堀出者) 亀島一徳 北川麗 多賀麻美 中村早香(ひょっとこ乱舞) 三浦直之 森本華 両角葉
脚本・演出/三浦直之 照明/中能良 舞台美術/松本謙一郎(王子小劇場) 音響・映像/池田野歩 衣裳/藤谷香子(快快) 振付/野上絹代(快快) 舞台監督/鳥養友美 WEB/望月綾乃 制作/篠崎大悟 モコ 幡野萌 企画アドバイザー/玉山悟(王子小劇場) 協力/王子小劇場 六尺堂 劇団掘出者 ひょっとこ乱舞 快快
【発売日】2009/04/01 前売り・当日 2300円(全席自由席)
http://llo88oll.web.fc2.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:26 | TrackBack

東京ハートブレイカーズ『あの世の気持ち』04/28-05/03ザ・ポケット

 東京ハートブレイカーズは首藤健祐さんがプロデュースする演劇・音楽ユニット・・・なのかしら?演劇だけじゃなくライブも行っているんですね。私は初見。

 ギターと歌の生演奏ありの演劇でした。女性の固定ファンが大勢いらっしゃるみたい。上演時間は約1時間40分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『あの世の気持ち
 レビューは記録のみ。

 ≪あらすじ≫
 ある居酒屋で、アルバイター(浅野雅博)と店長(森啓一郎)がケンカ中。温厚な料理長(首藤健祐)が間に入ったところ、突然3人はどこか見知らぬ場所へとトリップする。そこに天使と名乗る男(石川よしひろ)がやってきて…。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 母親に虐待されて死んだ、料理長(首藤健祐)の幼い妹の魂が、アルバイター(浅野雅博)にのりうつって登場したところが面白かったです。

出演:浅野雅博(文学座) 石川よしひろ 森啓一郎(東京タンバリン) 首藤健祐
脚本:竹田新(ふくふくや) 演出:大岩美智子(ジュークスペース) 音楽: 石川よしひろ 照明:五十嵐正夫 音響:田上篤志 舞台美術:秋山光洋 舞台監督:吉川悦子 演出助手:八鍬慶子 宣伝美術:右近カズサ 写真:右澤知絵子 制作:Little Giants プロデュース:首藤健祐
【発売日】2009/03/22 前売り4,000円 当日4,500円
http://www.tokyoheartbreakers.com/

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Posted by shinobu at 17:48 | TrackBack

2009年05月01日

世田谷パブリックシアター『日本語を読む2 Aプログラム「ふたりの女」』05/01-04シアタートラム

 近現代の日本の戯曲を、ドラマ・リーディング形式で上演するシリーズの第2弾。世田谷パブリックシアターのプロデュースならではの贅沢なキャスティングで、若手演出家が起用されているのも魅力です。

 今年はゴールデンウィーク中の開催で計3作品。唐十郎さんの戯曲『ふたりの女』を冨士山アネットの長谷川寧さんが演出されるAプログラムを拝見しました。

 躍動感があって、ちょっと怖くて、楽しかった~。上演時間は約1時間・・・だったと思います。前売り・当日ともにチケット代は1000円です。これはお買い得!他の2本も観たくなりました。フラッと三軒茶屋へどうぞ~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『日本語を読む2 Aプログラム「ふたりの女」

 ≪あらすじ≫
 精神病院の女性患者・六条が医師・光一に、ある鍵を預ける。光一には妊娠中の妻・葵がいるのだが、退院した六条が近づいてきて・・・。
 ≪ここまで≫

 役者さんはイスを使って大きく動き、シーンごとに景色も変わります。音響も効果的で気持ちが盛り上がりました。
 タイトルの通り、六条と葵という2人の女(両役とも久世星佳)と光一という男(田中壮太郎)が登場します。三島由紀夫の近代能楽集が題材になっているのかしら。唐十郎さんの言葉は熱くて刺激的。意外な単語が次々と出てきて引き込まれます。気温や湿度、匂いも想像できるのがすごい。
 ※「近代能楽集」でなくとも「源氏物語」でいいんですね(※以降は2009/05/03に加筆)。

 終演後のトークで、稽古は3回のみとおっしゃっていました。役者さんって素晴らしいねって思います。これぐらい出来て、プロなんでしょうね。

 ここからネタバレします。

 蟻の穴。砂の中。髪油の匂い。らん間から飛び降りる葵。
 走る。イスを倒す。譜面台が車のハンドルになる。
 ト書きを読む役者さん(石川正義)が電話になったのが可笑しかった。
 蟻地獄の砂の中に吸い込まれていくのと、絶命必至のカーレースの疾走感がマッチしました。最後の爆音の後、役者が全員いなかったのも良かったです。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ メモしたことの覚書程度です。
 出演:長谷川寧 楫屋一之(世田谷パブリックシアター)

 楫屋「『ふたりの女』は唐十郎さんが1979年に、第七病棟のために書き下ろした戯曲で、唐さんご自身も気に入ってらっしゃる作品です。」

 長谷川「朗読とはいえ、熱量を落とさないことを大事にした。朗読劇は目を閉じて耳をすますだけでも味わえるタイプの作品があるが、そうはしたくなかった。身体をつかって大きく伝えようとした。」

 長谷川「役者さんには体を意識するように伝えた。言葉を発しているのは体(体を使って出てくるのが、言葉)。セリフも動きも空気の振動だと思っています。声はもちろん、体は空気を切り裂いて動く。お客さんとつながっているのは空気だけだから。」

ドラマ・リーディング形式による上演
出演:久世星佳/田中壮太郎/麻生絵里子/石川正義/谷川昭一朗/山中崇/吉見一豊
【脚本】唐十郎 【演出】長谷川寧(冨士山アネット) 【舞台監督】田中直明【照明プラン】三谷恵子【照明】大屋惠一、丸野知美【音響プラン】小笠原康雅【音響】遠藤瑶子、竹下亮【プロダクションマネージャー】福田純平【技術監督】熊谷明人【道具製作】SePT舞台美術部 水森利明【衣裳】SePT舞台衣裳部 三茶小町【小道具】高津装飾美術【法務アドバイザー】福井健策【営業】鶴岡智恵子、吉兼恵利【広報】宮村恵子、和久井彩【制作進行】大迫久美子【制作助手】上杉晴香【制作】楫屋一之、穂坂知恵子、矢作勝義、大下玲美【主催】財団法人せたがや文化財団【企画制作】世田谷パブリックシアター【後援】世田谷区
全席自由 前売・当日1,000円 TSSS500円(要事前登録、オンラインにて前売のみ) 高校生以下500円(劇場チケットセンターのみ・要年齢確認) 未就学児童はご入場いただけません。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/05/_2.html

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Posted by shinobu at 22:35 | TrackBack

【メルマガ 2009年05月のお薦め舞台】

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2009年5月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 60     2009.5.1  1,369部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎今年のゴールデン・ウィークは長い目ですね。観劇予定は立てられましたか?
  今月は「CoRich舞台芸術まつり!2009春」参加作品を6本鑑賞予定。
  大劇場の新作ミュージカルにも惹かれる!!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→新国立劇場演劇『夏の夜の夢』
       05/29-06/14新国立劇場 中劇場
       ≪東京、富山≫
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000068_play.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→キレなかった14才・りたーんず『すご、くない』
       04/18-05/06こまばアゴラ劇場 ★ただいま上演中!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0426144014.html

 ◆3【お薦め芝居の前売情報 ミュージカル『UMOJA(ウモジャ)』 】

   ◎大迫力のサウスアフリカン・ミュージカルが再来日!
    http://eplus.jp/umoja/
    作品紹介文を書かせていただきました。

 ◆4【「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ただいま開催中! 】

   ◎4月に続き、5月は6団体が公演中です!
    http://stage.corich.jp/festival2009/result.php

 ◆5【編集後記】

   ◎5/2(土)にポスト・パフォーマス・トークに出演いたします。
   ◎NHK総合でハイバイ、快快、ろりえのドラマが放送されるらしい!

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


★1.こまつ座/ホリプロ『きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~』
  05/06-24天王洲 銀河劇場
  ☆出演:愛華みれ 阿部力 前田亜季 久保酎吉 八十田勇一 後藤浩明
      相島一之 木場勝己 ほか
   脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
   S席:7,350円 A席:6,300円 学生席:4,200円
    http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=200905#91
    http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index.html
   幾度も再演を重ねるこまつ座の代表作のひとつ。
   演出に栗山民也さんを迎えた、豪華キャスト公演。
   板垣恭一さん演出版(2006年)のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0917005355.html


2.Bunkamura『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』
  05/06-30 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:鳳蘭 三田和代 真琴つばさ 中川安奈 毬谷友子 石井愃一 
      磯部勉 山本龍二 横田栄司 ウエンツ瑛士 古谷一行 他
   脚本:清水邦夫 演出:蜷川幸雄
   S席10,000円 A席8,500円 B席7,000円 コクーンシート5,500円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_juliet.html
   1982年に初演された清水邦夫さんの戯曲を、蜷川幸雄さんが再び演出。
   元宝塚の女優さんら豪華キャストが勢ぞろい。ショーも華やかそう!


3.バンダラコンチャ ソロアルバム『相思双愛』
  05/09-16紀伊國屋ホール
  ≪東京、兵庫、山形、鹿児島、山口、愛知、大阪、茨城≫
  ☆出演:坂井真紀、辺見えみり、近藤芳正、榎木孝明
   原作:横光利一「春は馬車に乗って」/重松清「四十回のまばたき」
   脚本:倉持裕(ペンギンプルペイルバイルズ)、前川知大(イキウメ)
   演出:近藤芳正、桑原裕子(KAKUTA)  音楽:アルケミスト&花れん
   A席4,800円 S席6,500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.dandanbueno.com/
   若手注目の作・演出家を起用した、近藤芳正さんのプロデュース公演。
   

4.シス・カンパニー『楽屋 流れ去るものはやがてなつかしき』
  05/10-06/14シアタートラム
  ☆出演:小泉今日子 蒼井優 村岡希美 渡辺えり
   脚本:清水邦夫 演出:生瀬勝久
   7,000円
    http://www.siscompany.com/03produce/23gakuya/
   清水邦夫さんの『楽屋』は頻繁に上演される人気戯曲です。
   人気女優がそろった4人芝居を演出するのは、生瀬勝久さん。


★5.アトリエ・ダンカン『鴨川ホルモー』
  05/15-06/07吉祥寺シアター
  ≪東京、大阪、京都、愛知≫
  ☆出演:石田卓也 芦名星 中川真吾 楠木ふみ 他
   原作:万城目学(「鴨川ホルモー」産業編集センター刊)
   脚本・演出:鄭義信
   6,000円 ※未就学児童は入場不可の場合あり
    http://www.duncan.co.jp/web/stage/horumo/
   2007年本屋大賞6位・第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞小説の舞台化。
   作・演出は『焼肉ドラゴン』で数々の賞を受賞した鄭義信さんです。
   映画もただいま上映中⇒ http://www.horumo.jp/
   『夜は短し歩けよ乙女』レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0403225239.html


6.新国立劇場演劇『タトゥー』
  05/15-3新国立劇場小劇場
  ☆出演:吹越満 柴本幸 鈴木浩介 内田慈 広岡由里子
   脚本:デーア・ローアー 演出:岡田利規
   A席:4,200円 B席:3,150円 Z席:1,500円
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000066_play.html
   海外現代戯曲を日本の若手演出家の手にゆだねる、新国立劇場の企画第3弾。
   ドイツの劇作家デーア・ローアーさんの戯曲を、
   チェルフィッチュの岡田利規さんが演出されます。
   終演後のトークや無料リーディング企画↓は期待大!
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000180_play.html
   4月はFRIDAY PUBも開店していました↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0418230448.html
   Vol.2『シュート・ザ・クロウ』のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0411205917.html
   リーディング公演『最後の炎』のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0416125035.html
    ※『最後の炎』はローアーさんの戯曲です。すごく面白かった!


7.演劇集団円『初夜と蓮根』
  05/14-27ステージ円
  ☆出演:金田明夫 石田登星 山口太郎 岩崎正寛 佐藤銀平 
      磯西真喜 細越みちこ 吉田久美
   脚本:土田英生 演出:内藤裕子 
   一般5,000円 ペアチケット9,000円
   円⇔青年座往復切符:『その受話器はロバの耳』のチケット又は
   その半券持参で、一般券が500円割引きに。劇団扱いのみ要予約。
    http://www.en21.co.jp/shyoyatorenkon.html
   MONOの土田英生さんが演劇集団円に新作を提供。
   内藤裕子さんは円に所属する演出家です。


8.劇団青年座『その受話器はロバの耳』
  05/23-31本多劇場
  ☆出演:綱島郷太郎 五十嵐明 椿真由美 他
   脚本:土田英生 演出:須藤黄英
   一般 4,500円 ネット予約4,300円 学生券(当日清算のみ)3,500円
   ゴールデンシート(65歳以上)4,000円
   プレビュー・マンデー割引3,000円
   円⇔青年座往復切符:『初夜と蓮根』のチケット又は
   その半券持参で、一般券が500円割引きに。劇団扱いのみ要予約。
    http://www.seinenza.com/performance/public/196.html
   MONOの土田英生さんが劇団青年座に新作を提供。
   土田さん作『悔しい女』↓の韓国公演も好評だったようですね。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0624214438.html


9.フジテレビジョン/サードステージ『僕たちの好きだった革命』
  05/19-31東京芸術劇場 中ホール
  ≪東京、北海道数ヶ所、石巻、福島、岩手2箇所、名古屋、
   大阪、山口、広島、兵庫2ヶ所≫
  ☆出演:中村雅俊、片瀬那奈、塩谷瞬、森田彩華、GAKU-MC、大高洋夫、
    田島令子、安原義人、藤井びん、田鍋謙一郎、澤田育子、武藤晃子、他
   企画・原案:堤幸彦 企画・原作・脚本・演出:鴻上尚史
   S席7500円 ジーンズシート4000円
    http://www.kakumei2009.com/
   1969年と1999年の学園紛争がつながる、2007年上演作の再演。
   中村雅俊さんを主演に迎えた、堤幸彦さんと鴻上尚史さんの合作(?)。
   私は初演を観ていないので、今度こそ。


★10.新国立劇場演劇『夏の夜の夢』
  05/29-06/14新国立劇場 中劇場
  ≪東京、富山≫
  ☆出演:村井国夫 麻実れい チョウソンハ 細見大輔 石母田史朗
      小山萌子 宮菜穂子 青山達三 大島宇三郎 吉村直 大滝寛 
      小嶋尚樹 酒向芳 水野栄治 神田沙也加 JuNGLE 倉田亜味
      清家悠圭 森川次朗 浅井信好 柴一平 西田健二
   作:ウィリアム・シェイクスピア
   翻訳:松岡和子 演出:ジョン・ケアード
   S席:6,300円 A席:5,250円 B席:3,150円 Z席:1,500円
   ※6月3日(水)、11日(木)は学生団体が入ります。
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000068_play.html
   初演がとても好評だった、本当の夢のような『夏の夜の夢』です。

  ●お薦めポイント●
   メルマガ4月号のお薦め前売り情報でもご紹介しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0401114513.html
   メインキャストも初演と同じですし、安心してお薦めできます。
   ご家族、恋人、お友達と一緒にどうぞ♪
   お子様は小学校高学年以上なら大丈夫じゃないかしら。
   初演(2007年)のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0605140622.html


≪ミュージカル≫

 ○劇団四季『春のめざめ』
  05/02-08/30自由劇場
  ☆作曲:ダンカン・シーク 台本・歌詞:スティーヴン・セイター
   原作:フランク・ヴェデキント 演出:マイケル・メイヤー
   S席9,000円 A席7,000円 B席6,000円(B席・学生料金3,000円)
   ステージシート7,000円 劇団会員割引などあり。
    http://www.shiki.gr.jp/applause/springawakening/
   劇団四季の新作ブロードウェイ・ミュージカルです。
   トニー賞を多部門受賞していますし、原作戯曲が好きなので期待。


 ○東宝『ミュージカル「シラノ」』
  05/05-28日生劇場
  ☆出演:鹿賀丈史 朝海ひかる 浦井健治(Wキャスト) 中河内雅貴(Wキャスト)
      戸井勝海 光枝明彦 鈴木綜馬 他
   作曲:F・ワイルドホーン 脚本:L・ブリカッス 演出:山田和也
   S席12,600円 A席7,350円 B席 4,200円
    http://www.tohostage.com/cyrano/
   ブロードウェイに先駆けて、スペインと日本で上演されるようです。
   『シラノ・ド・ベルジュラック』が大好きなのでぜひ観たい。


 ○流山児★事務所『ユーリンタウン THE MUSICAL』
  05/29-06/28座・高円寺1
  ☆出演:千葉哲也 曾我泰久 伊藤弘子 関谷春子 遠山悠介
      栗原茂 石橋祐 坂井香奈美 植野葉子 有希九美 他
   脚本・詞:グレッグ・コティス 音楽・詞:マーク・ホルマン
   翻訳:吉原豊司 台本:坂手洋二 演出:流山児祥
   前売4500円 学生割引3000円 劇団会員割引あり
    http://www.ryuzanji.com
   新しくできた公立劇場で、低価格のミュージカルを上演。
   名作ブロードウェイ・ミュージカルがどう変わるのか楽しみ。


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3000円台以下の気になる作品を4本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】渡辺源四郎商店『3月27日のミニラ』
  05/02-06ザ・スズナリ
  ≪青森、東京、秋田≫
  ☆脚本・演出:畑澤聖悟
   一般前売3,000円 学生前売2,000円 一般当日3,300円 学生当日2,300円
   ※5/4~5/5の夜はラジオドラマ・リーディングを上演。
    『シュウさんと修ちゃんと風の列車/県立戦隊アオモレンジャー全国放送版』
   予約:一般1,200円/学生700円 当日:一般1,500円/学生1,000円 
   『3月27日のミニラ』とのセット券:一般4,000円/学生2,500円
    http://xbb.jp/wgs/
   渡辺源四郎商店は青森を拠点に活動する劇団です。
   外部でもひっぱりだこの座付き作・演出家、畑澤聖悟さんの新作。


【2】イキウメ『関数ドミノ』
  05/08-24赤坂RED/THEATER
  ☆脚本・演出:前川知大
   前売3,500円 当日3,800円
    http://www.ikiume.jp/
   人気劇団イキウメの2005年初演作の再演。
   作・演出の前川知大さんは、7月にシアタートラム、
   8月にパルコ劇場に登場する大注目の若手です。

  ※本日夜に『イキウメ短篇集(全4話)』がNHKで放送されます!
   5/1(金)22:30~ @NHK教育テレビ「芸術劇場」
    http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html#drama0501
   『図書館的人生』Vol.1、Vol.2のレビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0316143709.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1116232852.html


【3】サンプル『通過』
  05/15-24三鷹市芸術文化センター星のホール
  ☆脚本・演出:松井周
   前売一般3,000円 当日一般3,300円 高校生以下1,000円
    http://www.samplenet.org/
   サンプルの座付き作・演出家である松井周さんの、処女戯曲の再演。
   松井さんのお芝居には、鮮烈な風刺と洗練されたエロスがあります。


【4】冨士山アネット『Romeo.』
   05/22-24川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
   ≪シンガポール、神奈川≫
   ☆脚本・演出・振付・出演:長谷川寧
    一般2,500円 学生2300円 団体券6900円(3名様・要予約) 当日2700円
    http://fannette.net/
   “演劇的ダンス”ならぬ、“ダンス的演劇”を標榜する、
   冨士山アネットのシンガポールからの凱旋公演です。


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.キレなかった14才・りたーんず『すご、くない』
  04/18-05/06こまばアゴラ劇場
  ☆振付・構成・演出をされた白神ももこさんの、作品全体の演出力に
   感服しました。メルマガ号外↓を発行!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0426144014.html
   残すは5/3(日・祝)16:00と、5/6(水・祝)12:00の2ステージのみ。


2.ナイロン100℃『神様とその他の変種』
  04/17-05/17本多劇場
  ≪東京、愛知、大阪、広島、福岡≫
   昨年12月にメルマガ号外↓を出したばかりなのですが、またもや
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1216150826.html
   ケラさんの新作にいい意味で打ちのめされました。東京公演は5/17まで!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0427233928.html


3.Bunkamura/TBS『音楽劇 三文オペラ』
  04/05-29シアターコクーン
   歌と音楽を楽しむ余裕がない『三文オペラ』なんて初めて。
   むき出しの切実さは、現代日本の貧困と重なりました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0406010001.html


  4月は『シュート・ザ・クロウ』のFRIDAY PUBが楽しかった!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0418230448.html
  観客以外にも広く開いていく、新国立劇場の新しい試みに期待します。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2009年4月(観劇数27作品)は『すご、くない』で発行!
  ※観劇数は28作品でした。計算間違いしました。すみません(2009/05/01加筆)。

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 ◆3 【お薦め芝居の前売情報 ミュージカル『UMOJA(ウモジャ)』】
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 ◎今年9月に赤坂ACTシアターで上演されるミュージカル
  『UMOJA(ウモジャ)』の作品紹介文を書かせていただきました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0426182918.html
  文章はこちらでご覧いただけます↓
   http://eplus.jp/sys/web/s/umoja/whats.html

 ●TBS/朝日新聞社/光藍社/イープラス主催
  『「UMOJA~THE SPIRIT OF TOGETHERNESS~」』
  09/19-23赤坂ACTシアター
   http://eplus.jp/umoja/
   ※上演時間:約150分 ※字幕解説付き

  『UMOJA』は約10年前に南アフリカで生まれたミュージカルです。
  2004年の来日公演で初めて拝見し、メルマガ号外↓を発行しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1023020150.html
  興奮しすぎ(笑)のレビューはこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1022022256.html

  チケットは全席一律9,500円ですので、お早めのご予約をお勧めします。
  全身をシビれさせてくれる歌と踊りを、良い席で浴びてください♪

 【チケット情報】

  ・一般発売日:2009年5月29日(土)

  ・全席指定9,500円 ペアチケット19,000円
   ※6/12(金)18:00までにペアチケットご購入の方には、
    公演オリジナルワイン(南アフリカ産)をプレゼント!
   ※未就学児の入場不可。

  ・チケット取扱 ※先行予約が始まっています
   ACTオンラインチケット:http://www.tbs-act.com/ticket.html
   イープラス:http://eplus.jp/
   光藍社:http://www.koransha.com/
   電子チケットぴあ:http://t.pia.co.jp/
   ローソンチケット:http://l-tike.com/
   楽天チケット:http://ticket.rakuten.co.jp/

  ・お問い合わせ
   光藍社  電話03-3943-9990


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 ◆4 【「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ただいま開催中!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2009春」の審査員をさせて頂いております。
   http://stage.corich.jp/festival2009/
  グランプリ受賞団体には次回公演資金として100万円が支援されます。

  ただいま、65作品の中から選ばれた10作品を審査中!
   http://stage.corich.jp/festival2009/result.php
  ※下記はこれから上演される作品です(初日の早い順)。

【5月】

 ■DULL-COLORED POP『ショート7』※4月から上演中
  04/29-05/06 pit北/区域
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=7598

 ■FUKAIPRODUCE羽衣『朝霞と夕霞と夜のおやすみ』
  05/09-20こまばアゴラ劇場
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=9135

 ■北京蝶々『愛のルーシー』
  05/20-26 OFF OFFシアター
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=8546

 ■studio salt『天気のいい日はボラを釣る』
  05/20-24王子小劇場
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=9632

 ■犬と串『CASSIS』
  05/21-27早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=9398

 ■劇団ぎゃ。『玉ノ井家のエンゲル係数』
  05/23-24 ColaboCafe
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=12241

【6月】
 ■時間堂『花のゆりかご、星の雨』
  06/02-14ギャラリーLE DECO
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=8844

 7月中旬にグランプリを発表します。
 よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://www.corich.jp/stage/user_register.php
   携帯サイト:http://corich.jp/m/s


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 ◆5 【編集後記】
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 ◎ポスト・パフォーマス・トークに出演いたします。
  ロロ『家族のこと、その他のたくさんのこと』
  05/02-03王子小劇場
  ☆脚本・演出:三浦直之
   前売り・当日ともに2300円(全席自由席)
    http://llo88oll.web.fc2.com/lonext.html
   5/2(土)14:00の回 終演後のトーク
   出演:ロロ主宰・三浦直之、玉山悟(王子小劇場代表)、
      高野しのぶ(しのぶの演劇レビュー)


 ◎毎月1日に発行する本メルマガが、第60号を迎えました。
  登録してくださってる皆様、ありがとうございます♪
  号外を合わせると99本。おお、次で100号ですね~。
  できれば号外で、記念すべき回を迎えたいものです。


 ◎NHK総合で、小劇場劇団の人たちが作ったドラマが放送されるらしい!
  ドラマ「渋谷JK(しぶやジェーケー)」
  5月30日(土)午前0:10~0:40(5/29金曜深夜)
  原案・脚本・出演:ハイバイ、快快、ろりえ


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2009年4月は下記の5作品を拝見しました。
  ・「きみの友だち」←引きで撮った絵がわざとらしく感じてしまった…。
    http://www.bitters.co.jp/kimitomo/
  ・「ブタがいた教室」←子供の演技(?)に目を奪われる。
    http://www.butaita.jp/
  ・「トウキョウソナタ」←最後ボロ泣き。ブラボー。
    http://tokyosonata.com/
  ・「GSワンダーランド」←人は熱しやすく冷めやすい、でも愛らしい。
    http://www.gs-w.jp/
  ・「Happyダーツ」←孤独な戦いを経て自立する、意外に地に足の着いた映画。
    http://www.happy-darts.jp/

  邦画といえば、友人の勧めで見た「愛のむきだし」は最高でした!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0423170034.html


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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 ◆6 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
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 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

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 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
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Posted by shinobu at 11:11 | TrackBack