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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2014年01月06日

2013年しのぶの観劇ベストテン

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2013年の総決算

 2013年のしのぶの観劇ベストテンを発表します。お先にwonderlandの「今年の3本」に参加させていただきました。
 ベストテンは「CoRich舞台芸術アワード!2013」にも投票します。日本劇団協議会の会報紙「join」の「私が選ぶベストワン2013」、「シアターアーツ2013年年間回顧」にも参加予定です。
 ご参考:シアターリーグ「新聞の2013年演劇回顧

 ※2013年の観劇本数は243本(内、同じ作品を3回観たのは1公演、同じ作品を2回観たのは3公演、ダブルキャストで両公演観たのが1公演、ゲスト出演者違いで2回観たのが1公演)。

■メルマガ号外■ ※初日の早い順。

・メルマガ号外 モジョ ミキボー上演委員会『モジョ ミキボー』(再演)
・メルマガ号外 クロムモリブデン『連続おともだち事件
・メルマガ号外 ハイバイ『』2013年版
・メルマガ号外 演劇ユニットてがみ座『地を渡る舟-1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち
 ※メルマガ号外を出したかったのに、時間も余裕もなくて出せなかった公演⇒ナイロン100℃『わが闇(再演)』


■心に残る10本■ ※初日の早い順。 ※号外を発行した公演を除く。
・テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)
・イキウメ『獣の柱
・SPAC・静岡県舞台芸術センター『黄金の馬車』
・Runs First『帰郷 The Homecoming』
・彩の国さいたま芸術劇場『ザ・ファクトリー3 さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 ワーク・イン・プログレス公開』 
・葛河思潮社『冒した者』
・ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』
・Doosan Art Center Produce・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ
・こまつ座&ホリプロ公演『音楽劇「それからのブンとフン」』
・渡辺源四郎商店『イタコ探偵工藤よしこの事件簿』
次点:こまつ座&ホリプロ『木の上の軍隊』(蓬莱竜太さんの脚本に)


■日本劇団協議会機関誌「join」80号特集「私が選ぶベストワン2013」■ ※2014/04/06加筆

・舞台
 Runs First『帰郷 The Homecoming』

・女優(対象となる舞台)
 工藤由佳子(渡辺源四郎商店『オトナの高校演劇祭「ひろさきのあゆみ~一人芝居版」』、渡辺源四郎商店『イタコ探偵工藤よしこの事件簿』)

・男優(対象となる舞台)
 浅野雅博(モジョ ミキボー上演委員会『モジョ ミキボー』(再演)、Runs First『帰郷 The Homecoming』、世田谷パブリックシアター『「ジャンヌ」―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―』、俳優座劇場プロデュース『もし、終電に乗り遅れたら…』 )

・演出家(対象となる舞台)
 小川絵梨子(名取事務所『ピローマン』、新国立劇場『OPUS/作品』、Runs First『帰郷 The Homecoming』)

・スタッフ(分野・対象となる舞台)
 伊藤佐智子(衣装)
 (Bunkamura『マクベス Macbeth』)

・団体(理由)
 SPAC・静岡県舞台芸術センター
 (「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」の開催、オリジナル作品の新創作、レパートリー作品の再演・海外ツアー、中高生鑑賞事業を評価する。)

・戯曲(作家名)
 『木の上の軍隊』(蓬莱竜太)

・ノンジャンル※海外国内問わず、すべての舞台芸術から1作品
 Doosan Art Center Produce・東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』


▼演劇関連のお仕事▼
・「CoRich舞台芸術まつり!2013春」審査員(初回より7年連続)。
・劇作家女子会×時間堂presents『劇作家女子会!』6月14日(金)19時30分の回終演後のトークにゲスト出演
・intro『わたしーTHE CASSETTE TAPE GIRLS DIARY』7月19日(金)19時30分の回終演後のトークにゲスト出演
・TACT/FEST 親子クリティック
・高校演劇/東京都山手城南地区大会の審査員 ⇒都大会では都立片倉高校のみ拝見
・【登壇します】日本文化政策学会第7回研究大会企画フォーラム「こどもの城、青山劇場、青山円形劇場を考える ~文化政策の視点から~」12/01(日)午前9:30-11:10東京芸術劇場中リハーサル室1  ⇒終了のご報告
・【お知らせ】公益社団法人国際演劇協会日本センター「高校生劇評グランプリ」の選考委員をつとめます


▼執筆▼
・「SPT 09 特集 本棚のなかの劇場「劇的なる本」235冊


●稽古場レポート
・テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』03/15都内某所


●記者発表
・韓国ミュージカル『ウェルテルの恋』 ⇒プレスツアー参加報告  ⇒チョン・ドンソクさんインタビュー  ⇒キム・ダヒョンさんインタビュー  ⇒演出家インタビュー  ⇒韓国公演初日レビュー  ⇒日本公演初日レビュー(ダヒョン版)
・シアター風姿花伝「10周年記念プロジェクト制作発表会」02/04シアター風姿花伝
・わらび座『ミュージカル「ブッダ」』5/7-12シアター1010 ⇒制作発表会見写真レポート
・SPAC・静岡県舞台芸術センター「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」6月1日~30日開催!プレス発表会記事⇒前編後編
・『芸劇eyes番外編第2弾「God save the Queen」』09/12-16東京芸術劇場シアターイースト ⇒記者・媒体関係者懇談会写真レポート
・『「ジャンヌ」―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―』09/05-24世田谷パブリックシアター  ⇒制作発表写真レポート
・可児市文化創造センター・ala Collectionシリーズvol.6『秋の螢』10/10-16@吉祥寺シアター
 ⇒公演製作記者発表の写真レポート ⇒「劇場施設見学」写真レポート
・韓流ぴあ/ヤマハ株式会社『韓国ミュージカル俳優コンサート&トーク~キム・ダヒョン~』10/11 YAMAHAホール
・フェスティバル/トーキョー13(F/T13)⇒「記者懇談会」写真レポート
・NODA・MAP『MIWA』10/4-11/24 制作発表記者会見写真レポート
・韓流ぴあ『韓国ミュージカル俳優コンサート&トークVol.2~キム・ジェボム~』11/14サントリーホール・ブルーローズ


●情報掲載
・Studio Life『音楽劇 アルセーヌ・ルパン カリオストロ伯爵夫人』製作発表6/15都内某所
・Studio Life「『LILIES』製作発表レポート」10/09銀座・某店舗
・Studio Life『LILIES』11月20日開幕・ゲネプロ・レポート
・かながわの伝統文化の継承と創造プロジェクト実行委員会『カナガワ リ・古典プロジェクト/2014紅葉ヶ丘』01/11-12横浜市紅葉ヶ丘地区の3つの劇場


●政治的な意見
・【意見】7月21日の参議院議員選挙で自民党に圧勝して欲しくない理由
・【記録】2013年11月26日特定秘密保護法案が衆院特別委員会で可決
・【意見】舞台芸術関係者の皆様、ぜひご一読ください⇒表現人の会「特定秘密保護法案に反対する賛同人募集


●その他
・【つぶやき】俳優の演技について(2013年4月)
・【新聞記事】岡田利規さん「21世紀現代演劇の先陣を切る」「僕らを知れば演劇が変わる」(朝日新聞フロントランナー)を読んで/「嘘」の力について
・【レポート】新国立劇場演劇「マンスリープロジェクト・トークセッション Try・Angle-三人の演出家の視点-」09/15新国立劇場小劇場
・【ご報告】東京大学見聞伝ゼミナールのサイトにインタビュー記事が掲載されました
・【速報】ソン・ギウン脚色、多田淳之介演出『가모메 カルメギ』が韓国で第50回東亜演劇賞の作品賞、演出賞、舞台美術・技術賞の三冠を受賞!

・【ON-PAM】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「文化政策ラボ1 鈴木忠志さんとのディスカッション」06/04森下スタジオCスタジオ
・【ON-PAM】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「第二回文化政策委員会『理想と現実のはざま~日本版アーツカウンシルの動向から考える文化行政の未来~』」09/03神奈川芸術劇場中小スタジオ
・【ON-PAM】舞台芸術制作者オープンネットワーク[ON-PAM]「第3回文化政策委員会『公共・劇場について考えるー劇場法制定を受けて』」12/04東京芸術劇場プレイハウス・ロビー

・「しのぶの演劇レビュー」TOPで演劇関連情報の告知をしています。2013年は約114件。


▼2013年を振り返って▼

 写真↓は2013年10月27日の光化門広場(ソウル)
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 2012年に続き、2013年もレビューが書けなかったですね…仕事が落ち着き始めた秋の終盤ごろから、やっと少し時間が取れるようになりました。今年は短い感想と記録を残すことだけでも、ちびちびやろうと思います。メルマガは今までどおり継続します。ワークショップ・オーディション情報が驚くほど好評なので、メルマガ同様、続けようと思っています。

 総観劇数243本中、メルマガの「先月のベスト3&その他」に選んだのは104本でしたので、打率的には4割2分ですね。6割打者だった時期もあるんですが、CoRich舞台芸術まつり!やTACT/FEST 2013、高校演劇地区大会、そしてフェスティバル/トーキョーなど、自分なら選ばないような作品を観る機会が増えたため、打率が下がったんだろうと思います。気づかないうちに偏ってタコツボ化しないためにも、意識的に専門分野外の観劇をしていきたいです。とはいえ、ストレート・プレイに本格的に回帰していくつもりでもいます。事あるごとに書いてきましたが、9月受けたインタビューでまたはっきりとさせることができました。俳優の演技重視の観劇姿勢は今後も続きそうです。

 観たくて複数回通った作品は4つあります。韓国ミュージカル『ウェルテルの恋』は主演のキム・ダヒョンさん目当てで2度観ました。メルマガ号外を発行したクロムモリブデン『連続おともだち事件』は、家族を連れてもう一度観に行きました。3回行ったのはテアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』(作・演出:谷賢一)です。初日観劇し、2回目でお友達を誘ってささやかな観劇の会を開いたのはRunsFirst『帰郷』(演出:小川絵梨子)。谷さんは(『従軍中の…』ではないですが)小田島雄志・翻訳戯曲賞文化庁芸術祭賞演劇部門・優秀賞を受賞され、小川さんは紀伊国屋演劇賞個人賞千田是也賞を受賞されました。お2人の今年のご活躍がとても楽しみです。
 東日本大震災と東電福島第一原発事故から2年半~3年弱経っても、「復興」は見えてこないし、心身の傷の上に新たな傷が生まれて被さって、より複雑に、ねじれ、こじれていっているように感じます。wonderlandの「今年の3本」に書いたとおり、私は当事者の立ち場で今と向き合っている日本人の演劇に胸打たれ、それら(彼ら)に頼っています。

 2012年秋にソウルで取材をした韓国創作ミュージカル『ウェルテルの恋』日本公演からはじまり、2013年は韓国関連の舞台を多数拝見しました(コンサートも含め20公演ほど)。旅行が苦手な私がまさかソウル一人旅まで敢行するとは…(今年も行きます)。アミューズミュージカルシアター(←音が鳴ります)のおかげで日本にいながら5本も韓国創作ミュージカルを観ることができたんですが、直近数作でK-POPスターを主演にするようになったのが残念。集客ができなかったための戦略変更だと考えると無理もないと思います。やっぱりビジネスなんですよね。
 ビジネスといえば、劇団青羽(韓国)『そうじゃないのに』(キム・クァンボ演出)終演後のトークで、「昨年この作品が韓国で10個も演劇賞を受賞したのは、過度に商業的になっている韓国演劇界への警鐘だ」という話題が出ていたんです。今年『가모메 カルメギ』が東亜演劇賞で三冠受賞したことからも、賞を選考する韓国の舞台芸術関係者の気概を感じます。
 
 欠かさず観るようにしている新国立劇場の演劇は、今年もほぼハズレなしの佳作揃い(『長い墓標の列』『効率学のススメ』内企画アッセンブリー、『アジア温泉』『OPUS/作品』『エドワード二世』『ピグマリオン』)。特に若手演出家3人(森新太郎、小川絵梨子、上村聡史)を特集する「Try・Angle-三人の演出家の視点-」は素晴らしい企画だと思います(⇒トークセッションのレポート)。無料のマンスリープロジェクトも充実していて、芸術監督の宮田慶子さんに感謝しています。

 2013年からこの私的ベストテンに「政治的な意見」という項目を増やすことになりました。そもそも2009年の事業仕分けから「しのぶの演劇レビュー」における私の政治的発言が始まり、2010年の劇場法ラウンドテーブルでは合計10エントリーのレポートを掲載。2011年3月11日以降は東日本大震災および原発事故に関する主張が増えました。2012年9月からはこどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を願い、有志の会の活動のお手伝いをしています(12月には学会のフォーラムに出ました)。演劇にお世話になって約15年になリますし年齢も年齢ですから、ご恩に報いる必要があると感じています。また、自分では気づかなかったのですが、私の深くない知識や拙サイトのアーカイブが意外にお役に立っているようなので、今年も演劇ファンの1人として感じたこと、考えたことを発信していきたいと思います。


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Posted by shinobu at 2014年01月06日 01:14 | TrackBack (0)