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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2012年09月28日

KUNIO10『更地』09/27-30元・立誠小学校講堂



≪あらすじ≫ 公式サイトより
「夜空だってことは、つまり、地球の上だってことだ」

家の解体を終えた更地。
一人の男と、一人の女がやってくる。
彼らは、その場所でのかつての生活を語りはじめる。

やがて「なにもかもなくしてみるんだ」と男は言い、
二人は誕生から人生の記憶を辿る旅へと出かける。
≪ここまで≫ 





KYOTO EXPERIMENT 2012
出演:武田暁(魚灯)、大窪人衛(イキウメ)
作:太田省吾 演出・美術:杉原邦生 舞台監督:大鹿展明/照明:魚森理恵/音響:齋藤学/衣装:植田昇明(kasane)/チラシ・WEB写真(杉原、武田):堀川高志/web:ヨシダホーセー/演出助手:土屋和歌子/演出部:楠海緒/制作:小林みほ
主催・共同製作:KYOTO EXPERIMENT  製作:KUNIO/協力:イキウメ、エッチビイ、魚灯 助成:平成24年度文化庁国際芸術交流支援事業、公益財団法人セゾン文化財団、公益財団法人アサヒビール芸術文化財団、EU・ジャパンフェスト日本委員会/協賛:資生堂/認定:公益社団法人 企業メセナ協議会/共催:立誠・文化のまち運営委員会
http://www.kunio.me/kunio10_special/
http://www.kunio.me/archive/page/3/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:38 | TrackBack

2012年09月24日

メルマガ号外 葛河思潮社『浮標(ぶい)』再演

 葛河思潮社『浮標(ぶい)』再演
 09/20-30世田谷パブリックシアター
 ≪東京、大阪、兵庫、宮城、新潟≫
 ※公演詳細はこちら

 ⇒日経新聞劇評「命の輝きをみすえる絶唱」(内田洋一)
 ⇒CoRich舞台芸術!『浮標(ぶい)

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.51  2012.09.24 1,848部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎葛河思潮社『浮標(ぶい)』再演
  09/20-30世田谷パブリックシアター
  ≪東京、大阪、兵庫、宮城、新潟≫
  ☆出演:田中哲司、松雪泰子、長塚圭史、佐藤直子、平岳大、荻野友里、
    池谷のぶえ、大和田美帆、木村了、高部あい、赤堀雅秋、深貝大輔
   脚本:三好十郎 演出:長塚圭史
    http://kuzukawa-shichosha.jp/

 ◎観劇後のコメント◎

  葛河思潮社『浮標』は昨年初演でもメルマガ号外↓を発行しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0118155108.html
  あらすじはこちら↓
   http://kuzukawa-shichosha.jp/schedule/#monogatari

  三好十郎さんのわがままで、赤裸々で、子供っぽいと言ってしまえるほど
  純粋な言葉を受け取って、何度も笑い、同時に泣けてきました。
  社会の矛盾にもがきながら不器用に生きる人たちを見て、
  その不格好さを笑い、自分のことのように悲しみました。

  俳優は、稽古で体得した振付をただ再現するのではなく、
  舞台上で、役柄として、生きていたと思います。
  (私は心理主義リアリズムの演技手法を好んでいます)

  初演から連投した出演者は新らたな解釈も加え、深味を増していました。
  再演からの出演者は、初演での役柄の印象を刷新するほどの鮮やかな存在感。
  スタッフワークも進化していたように思います。
  個人的には特に照明が素晴らしく、細やかな光の明滅に心を動かされました。
  どれもこれも再演だから到達できたクオリティーなのではないでしょうか。

  秋の首都圏は面白そうな舞台がとても多いのですが、
  この作品は観て損はないと思います。
  上演自体が珍しい戯曲でもありますので、ぜひご覧いただきたいです。

  ※上演時間は約4時間5分(途中休憩2回を含む)。
   長さは恐るるに足らず!観始めたらそれほど気にならないと思います。


 【感想など(一部ネタバレあり)】 

  チケットぴあ『浮標』初日観劇レポート
   http://ticket-news.pia.jp/pia/news_image.do?newsCd=201209190009&imageCd=0
  9/20(木)twitter感想まとめ
   http://togetter.com/li/377049
  9/21(金)twitter感想まとめ
   http://togetter.com/li/377640
  9/22(土)twitter感想まとめ
   http://togetter.com/li/378082


 【東京公演チケット情報】 

  全席指定 S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円 
  U24(18~24歳)2,000円(B席) 高校生以下2,000円(B席) 
   ※劇場友の会、区民割引などあり
   ※未就学児童の入場不可。

  取り扱いプレイガイドは公式サイト↓でご確認ください。
   http://kuzukawa-shichosha.jp/schedule/

  ★『アフター7チケット』発売中!
   平日夜に2幕から2時間半観られて3,000円!
   公演対象(9月24日、25日、27日、28日)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0924210625.html

 【東京公演のお問い合わせ】

  ゴーチ・ブラザーズ
  電話:03-6809-7125(平日10:00~18:00)

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 ◆ 【編集後記】
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 ◎この公演で「再演舞台を観て語らう夕べ」↓を開催しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0810151703.html
  男女11人で感想を話し合い、前回↓同様、すごく盛り上がりました♪
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0411204723.html
  ※リンクが間違っていました。下記が正しいです。失礼いたしました(2016/08/05)。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/1005224748.html


 ◎2012年3度目のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0705002924.html


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  2012年のお仕事のまとめはこちら↓
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

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 今回の配信は“号外”です。
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Posted by shinobu at 23:59 | TrackBack

【情報】葛河思潮社『浮標(ぶい)』「『アフター7チケット』発売のお知らせ」平日夜公演対象(9月24日、25日、27日、28日)

 “再演舞台を観て語らう夕べ”を開催した葛河思潮社『浮標(ぶい)』で、『アフター7チケット』が発売開始!
 平日18時開演に間に合わない方向けに、1度目の休憩後の第二幕(19時30分ごろ開幕)から観られる格安チケットです。終演は22時5分ごろですから、2時間半たっぷり観られて3,000円!

 『浮標』再演、素晴らしかったです!ぜひぜひお見逃しなく♪

 ⇒チケットぴあ『浮標』初日観劇レポート(一部ネタバレあり)

★浮標『アフター7チケット』発売のお知らせ ※公式サイトより

 仕事終わりに駆けつけたいがどうしても18時の開演に間に合わない!という多数の声にお応えし、休憩後の第二幕よりご覧いただけるお席を発売いたします。平日の夜、アフター7にゆったりとご観劇をぜひお楽しみくださいませ。

【対象日】
平日夜公演(9月24日、25日、27日、28日)
【料金】
3,000円(一律)
※お席は当日の空席状況によって変わります。予めご了承ください。

【お取り扱い窓口】
◆世田谷パブリックシアターチケットセンター
 TEL:03-5432-1515 (10:00~19:00)

◆世田谷パブリックシアターオンラインチケット
 http://setagaya-pt.jp/(PC)
 http://setagaya-pt.jp/m/(携帯)

◆ゴーチ・ブラザーズ
 03-6809-7125(平日10:00~18:00)

※劇場受付にてアフター7チケットの当日券も販売いたします。

【発売日】
9月24日(月)10:00AM~

【お引換方法】
19時より劇場受付にて。
引換券を発券後、当日受付窓口にて本券とお引換えください。

【ご入場について】
19時30分より第二幕が開演する予定ですが、
当日の状況によって、やや前後する可能性があります。
※すでにご購入済のお客様による席種の変更はご遠慮ください。

Posted by shinobu at 21:06 | TrackBack

2012年09月21日

アミューズ/プラグマックス&エンタテインメント『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』09/21-30本多劇場

 THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋さんの新作戯曲を河原雅彦さんが演出されます。初日昼間のゲネプロを拝見させていただきました。タイトルの『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』は「非常に愚か」という意味のことわざです(シアターガイド2012年10月号より)。上演時間は約2時間5分。

 河原さんがインタビューでおっしゃる通り「舞台は北関東あたりのどこか。毎日同じ人と顔合わせて、同じ店に通って、という閉鎖された街で起こる連続殺人事件の話」でしたが、東京在住の私にも他人事とは思えなかったです。言葉には出さない憤り、あきらめ、後ろめたさ、カラ元気といった、震災以降ずっと心の中に沈着している暗い部分を、登場人物たちが行動にあらわしてくれているようでした。

 ⇒イープラス「河原雅彦を直撃![インタビュー]
 ⇒+act(プラスアクト)「河原雅彦インタビュー
 ⇒CINRA.NET「赤堀雅秋と河原雅彦の初タッグ舞台『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』、本多劇場で上演
 ⇒下北沢経済新聞「下北沢で舞台「阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ」-演出は河原雅彦さん

 ★イープラスで当日引換の格安チケット取扱中!(9/23まで受付・対象ステージに制限あり)

【舞台写真(c)引地信彦】
ahou_hanage1.jpg

 《アフタートークショー予定》
 ・9月24日(月)19:00の回終演後
  登壇者:橋本淳・平田裕一郎・栁澤貴彦・瀧内公美・加藤啓・伊藤正之
 ・9月25日(火)19:00の回終演後
  登壇者:植原卓也・板橋駿谷・田島ゆみか・吉本菜穂子・駒木根隆介・市川しんぺー
 ・9月26日(水)19:00の回終演後
  登壇者:園子温(映画監督)、河原雅彦(演出家)、司会:徳永京子(演劇ジャーナリスト)

 園子温監督がお芝居のトークに出演されるとは!ぜひお話を伺いたいです。
 赤堀さんが脚本・監督される映画『その夜の侍』(主演:堺雅人・山田孝之)は11月17日からロードショー!⇒原作舞台レビュー

 ⇒公演公式ツイッター
 ⇒CoRich舞台芸術!『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ

 ≪あらすじ≫
 関東のとある田舎町で連続殺人事件が発生。被害者遺族はじめ住民らは進展しない捜査にいらだつが、手がかりは現場に落ちているネジだけだった。
 ≪ここまで≫

 病院の一室、スーパーマーケットの店員控室、常連客ばかりが集まるスナックなど、小さな具象空間が建て込まれた舞台。その部屋たちの間を1本の細いコンクリートの階段が通っています。階段の上にはゴミが放置されたようなさびれた道路があり、田舎らしく沿道には木々が茂っています。

 どこもかしこも行き止まり感ただよう舞台は、私にとって現在の日常と重なります。刃物による無差別(と思われる)殺人が次々と起こっているのに、なぜか当事者意識を持てずにのらりくらりと表層的な会話ばかりで、日々をやり過ごしてしまう人々。無理やり大声で笑ったり、大げさにはしゃいだりするのは、八方ふさがりで無力感にさいなまれる現状をなんとか生き抜くために、不器用ながらも必死で自分なりの処世術を選んでいるのだと思いました。

 幕切れの言葉が残した余韻が長く続きました。あの言葉の意味は何だったのかと、劇場を出てからも考えをめぐらせました。大洪水の予言、何度も響いたあぶくの音、そして冒頭に語られたあの哺乳類のこと。パンフレットによると、赤堀さんは以前に劇団で上演した作品をもとに書かれたそうですが、やはり震災後を生きる私たちに向けた新作なのだろうと思います。

 若い登場人物を演じる方々は映像方面で人気の役者さんのようです。ゲネプロの時点ではまだ、1人ひとりが自分の役を演じるのに精いっぱいのようでした。徐々にお芝居全体を担う存在感を出していかれるといいですね。出演者の中ではスナックのママ役の吉本菜穂子さんが際立って良かったように思います。

【舞台写真(c)引地信彦】
ahou_hanage2.jpg

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 照明と映像で光を当てる空間を区切って場面転換します。クロスワードパズルの映像からタイトルが出る演出が面白かったですね。ナイロン100℃公演のように、舞台上の役者さんの動作と映像のコンビネーションが見られました。

 自分の子供が生まれることを素直に喜べなかった若い刑事が、「子供を生んでくれ」と妻に言えるようになったのは、不慮の事故で亡くなった先輩刑事(市川しんぺー)の言葉があったからなのでしょう。こんな日本でも「子供を産んで増やして繁栄する」という命の肯定です。

 父親(伊藤正之)にスパナで頭を殴られて入院していた春彦(橋本淳)は、近い未来に大洪水が起こって人類は絶滅し、選ばれたツガイだけがノアの方舟に乗って生き延びられる…と予言めいた嘘を吹聴していました。彼こそが連続殺人犯で、被害者はいつも年配の女性。幼い自分を捨てて蒸発した母への愛憎のあらわれだと思います。彼が崇拝に近いあこがれを抱いているのがクジラ。父親に首を絞められながら、「お母さん!お母さん!」と叫び、やがて彼は頭上を悠々と泳ぐクジラの姿を見ます。彼が「クジラ!」と叫んだ時、他の登場人物たちも上空を見上げました。クジラの黒い影が舞台を覆い、終幕。

 おかしな外科医(加藤啓)はじめ日常に絶望した人々には破滅願望があり、それが世界の水没という噂としてあらわれたのだと思います。クジラが頭上を通り過ぎたことで、劇場全体が海に沈んだようでした。でも海はすなわち命の源であり、母です。どん詰まりの世界が大水に覆われて文字通り息苦しくなったはずが、同時に胎内のぬくもりに満たされ、自然の恵みに抱かれているようにも感じました。
 劇場を出た時、空が晴れていることに驚いた自分がいました。ずっと雨が降ってると思っていたから。

出演:植原卓也(若い刑事)/橋本淳(春彦・入院中)/平田裕一郎(母を殺されたプータロー・一美)/柳澤貴彦(晴彦の友人・百姓・スナックのママの弟)/板橋駿谷(警官)/田島ゆみか(若い刑事の妻・妊娠中・スナックの店員)/瀧内公美(一美の妹・スーパーのアルバイト)/加藤啓(外科医)/駒木根隆介(浮き輪をした万引き犯)/吉本菜穂子(春彦の父の恋人・スナックのママ)/市川しんぺー(ベテラン刑事)/伊藤正之(春彦の父・スーパーのアルバイト)
脚本:赤堀雅秋 演出:河原雅彦 美術:秋山光洋 照明:佐藤啓 音響:大木裕介 映像:ムーチョ村松+石田肇 衣裳:髙木阿友子 ヘアメイク:山本成栄 演出助手:原育美 舞台監督:津江健太+至福団 演出部:梶原顕/金子晴美/小宮山実侑 照明操作:田中稔彦 音響操作:桜井有未 映像助手:手代木梓 映像操作:林雄大 衣裳進行:山中麻耶 運搬:マイド アクション指導:前田悟 小道具製作:清水克晋 小道具:高津映画装飾/天野雄太 大道具:C-COM舞台装置/櫻井俊郎、唐崎修  美術工房 拓人 宣伝デザイン:山下浩介 宣伝写真:引地信彦 当日運営:半田桃子 制作:多田里奈/重田知子 プロデュース:西山由紀子/佐々木康志 主催:アミューズ/プラグマックス&エンタテインメント
8月18日発売 全席指定 前売5,500円、当日5,800円(税込)
http://www.amuse.co.jp/stages/ahounohanage/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:37 | TrackBack

2012年09月20日

【オーディション】流山児★事務所『ミュージカル「アトミック☆ストーム」』主要キャスト募集」※10/6〆切(郵送のみ)

 流山児★事務所が2013年春に上演する新作ミュージカルの主要キャストを募集します。作:佃典彦(劇団B級遊撃隊)、演出:中屋敷法仁(柿喰う客)のミュージカルなんて、すっごく面白そう!流山児★事務所のミュージカルというと『ユーリンタウン』は素晴らしかったです。

 性別、経験不問。ご興味のある方は公式サイトで詳細をご確認ください。

 ●流山児★事務所2013春公演・ミュージカル『アトミック☆ストーム』
  2013年5月30日(木)~6月16日(日)
  会場:座・高円寺1
  劇作:佃典彦 演出:中屋敷法仁 企画:流山児祥
 【審査日程】2012年10月13日(土)、14日(日)
 【応募〆切】2012年10月6日(土)必着

◆ 主要キャスト募集!! ◆ ※公式サイトより。

流山児★事務所2013春公演
2013年5月30日(木)~6月16日(日)
座・高円寺1

『アトミック☆ストーム』

劇作:佃典彦
演出:中屋敷法仁
企画:流山児祥

大ヒット作「ユーリンタウン」(第44回紀伊国屋演劇賞受賞)を超えるミュージカルが「世界」に向けて発進!
日本演劇界の風雲児たちが贈る「愛と原子をめぐる」ミュージカル!

【審査日程】
2012年10月13日(土)、14日(日)

【応募資格】
2013年4月からの稽古に参加できること

【応募方法】
プロフィールをA4サイズ1枚で作成し、流山児★事務所に郵送
バストアップの写真を貼り付け、身長、体重、年齢(生年月日)、連絡先住所、電話、メールアドレスを明記してください。

【応募〆切】
2012年10月6日(土)必着

【応募宛先】
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町60-307 流山児★事務所

【審査料】
3,000円

■問合せ・申し込み■
流山児★事務所(りゅうざんじ じむしょ)
〒162-0045 新宿区馬場下町60 まんしょん早稲田307 
TEL:03-5272-1785 FAX:03-3207-9170


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年09月19日

【写真記事】Studio Life「『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』製作発表」09/13中野サンプラザ

 男優集団Studio Life(スタジオライフ)が来たる10月6日より、昨年大変好評だった『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』の続編を上演します。

 前作同様に、美術・映像にマット・キンリーさん、照明にニック・シモンズさんという豪華スタッフを迎え、芸術性の高い舞台が期待されます。個人的なことですが、私は昨年の日本劇団協議会機関誌「join」・「私が選ぶベストワン2011」で、最も印象に残るスタッフワークとして同公演のニック・シモンズさんによる照明を選びました。
 ⇒前作プレビュー初日のマット・キンリーさん、ニック・シモンズさんのインタビュー

 残念ながら製作発表には伺えなかったので、劇団からご提供いただいたレポートと写真を掲載させていただきます。

 ●Studio Life『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』公式サイト
  プレビュー公演 10月6日(土)~10月7日(日)
  公演日程:2012年10月8日(月・祝)~24日(水)
  会場:シアターサンモール
  チケット:
   全席指定 一般(前売・当日)¥5800
   プレビュー公演 全席指定 一般(前売・当日)¥4800
   U-23 チケット 前売・当日 ¥3000
  ※AvenirとEspoirの2バージョンあり
  ⇒CoRich舞台芸術!

【写真(敬称略)↓上段左から:笠原浩夫、関戸博一、松本慎也、山本芳樹、曽世海司 下段左から:河内喜一朗、倉田淳】
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■スタジオライフ版フアントム ついに完結へ
 『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』製作発表

 劇団スタジオライフの今年最後の本公演が『PHANTOM 語られざりし物語 The Kiss of Christine』に決定し、製作発表が都内で行われた。

 同劇団は昨年6 月、『オペラ座の怪人』の主人公ファントムことエリックの知られざる生い立ちを描いた『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』を上演、大好評を博した。このたび上演される『PHANTOM 語られざりし物語The Kiss of Christine』はその後編にあたる内容で、いよいよエリックが“オペラ座の怪人”と呼ばれるようになり、そして新人歌手クリスティーヌとの運命の恋に落ちるまでの顛末が綴られてゆく。

 原作は、イギリスの作家スーザン・ケイが、ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』にインスパイアされて記した小説『Phantom』。またスタッフにはPHANTOM THEUNTOLD STORY 語られざりし物語』に引き続き、ともに世界的に活躍中のマット・キンリー(舞台装置・映像デザイナー)とニック・シモンズ(照明)という強力な舞台芸術家が名を連ねる。前作でも高い評価を得たその斬新でスケール感のある舞台美術は、今回も物語世界の奥行きと味わいを倍増させてくれるに違いない。

 制作発表では、まず主宰の河内喜一朗が「クリスティーヌのキスが持つ本当の意味、そしてガストン・ルルーの原作最後の数ページに登場する謎のペルシャ人。この二つが作品の中核になっています」と本作の見どころを述べ、続いて脚本・演出の倉田淳が登壇。「主人公エリックは生来の恐ろしい顔というどうにもならない現実と向き合い、戦い、成長していきます。観た方にとってもこの作品が、どうにもならない現実と向き合う力に少しでもなればありがたいなと思っています。華やかなオペラ座の大階段など、すごい映像もいろいろ準備されていますので楽しみにご覧いただけたら」と声を弾ませた。

【写真↓左から(敬称略):笠原浩夫、関戸博一、松本慎也、山本芳樹、曽世海司】
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 Wキャストにてエリック役を演じる笠原浩夫山本芳樹は「ファントムは、約20 年前ロンドンで初めて『オペラ座の怪人』を観て以来ずっと憧れてきたキャラクター。今はとてつもないプレッシャーを感じている毎日で、家に帰っても死神の夢を見ました(笑)。ファントムの名に恥じないよう務めたいと思います」(笠原)、 「世界中の誰もが知っているとんでもない人物を演じられることに、俳優として震えるくらいの喜びを感じ、魂を込めて演じたいと思っています。顔の半分がすっぽり隠れてしまう仮面を着けるのでほとんど表情が見えないんですが、その奥の表情みたいなものが伝わっていけばいいなと…思うんですけど、どこまであの存在感やオーラを出せるか…」(山本)と、それぞれに大役を演じる高揚感や意欲を語った。

 ヒロインのクリスティーヌ役を演じるのはこちらもWキャストで関戸博一松本慎也。「おそらく世界中の女優さんが一度はやりたいと思うであろう役を、男優の僕がやらせていただけることを“どうだ羨ましいだろう”と、光栄に思っております(笑)。エリックにとって“最後に辿り着く場所”という意味でのクリスティーヌを、大切に受け止めながら精一杯演じたいと思います」(関戸)、 「前編に負けない重厚で悲痛な、美しい物語を作っていきたい。クリスティーヌの最後のキスの持つ意味を皆さんにお伝えできるよう、真摯に役と向き合っていきます」(松本)と口々に挨拶。

 またクリスティーヌの恋人、ラウール・ドゥ・シャニー役の曽世海司は「いろんなスタイルの演劇をやってきましたが、僕達がやりたいのはやはりストレートプレイなんだなということを実感させていただいたのが去年の『PHANTOM THE UNTOLD STORY 語られざりし物語』でした。俳優と俳優が向き合ってその間に生まれる空気のようなものが、劇場中を支配し、お客様と共有できる瞬間を手応えとして得られた公演でした。また劇場であの空気感を、お客様と共有し合いたいなと思っております」と挨拶。ミュージカル版『オペラ座の怪人』にはない、劇団スタジオライフならではの『怪人』エリックの物語への期待感を煽った。

【写真↓左から(敬称略):笠原浩夫、関戸博一、松本慎也、山本芳樹、曽世海司】
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■スタッフ プロフィール

[舞台装置、映像デザイナー]Matt Kinley マット・キンリー
 舞台用そして映画用の小道具、衣装製作のスペシャリストとして活動後、ロンドンMontley Theatre Design Course でさらにデザインを学ぶ。以来、ロンドン・ナショナル・シアターで40作品以上もの作品を手がけた。その後、商業演劇のデザインチームの一員として、『マイ・フェア・レディー』(UK、US ツアー)、『レ・ミゼラブル』(ブロードウェイ、オランダ)、『エクウス』(ウェストエンド)、『メアリー・ポピンズ』(UK、US、オーストラリア、オランダツアー)に携わる。今年2010年、『レ・ミゼラブル』25周年記念の新演出版の舞台装置、映像デザイナーに抜擢に続き、2011 年『オペラ座の怪人』25 周年記念公演in ロンドンの舞台装置、映像デザインも務めた。

[照明]Nick Simmons ニック・シモンズ
 ロンドン・ナショナル・シアターの話題作であり、NY ツアーも実施の『War Horse』のプログラマーとして知られ、『Oliver!』や『オペラ座の怪人』の続編『Love Never Dies』にも携わる。新しい技術と類稀なデザインセンスを駆使したその照明の織りなす世界は、ロンドン・ミュージカル界に旋風を巻き起こしている。


Studio Life『PHANTOM 語られざりし物語-The Kiss of Christine-』
出演:笠原浩夫、山本芳樹、関戸博一、松本慎也、曽世海司、岩﨑大、石飛幸治、佐藤滋(客演)、及川健、林勇輔、ほか
原作:スーザン・ケイ「Phantom」 脚本・演出:倉田淳
http://www.studio-life.com/stage/phantom2/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:44 | TrackBack

2012年09月18日

NODA・MAP『エッグ』09/05-10/28東京芸術劇場プレイハウス

 野田秀樹さんの新作です。リニューアル・オープンした東京芸術劇場の新しいプレイハウスでの初観劇となりました。上演時間は約2時間10分。前売り完売ですが当日券は毎回発売されます。※プレイハウスには立ち見席が90席あります。

 「“無知のベール”で日本映画について考える」というツイートまとめを見つけて共感したので、試しに「出演している俳優の知名度はわからない(誰も知らない)」つもりで観ることにしました。

 ⇒日経劇評「イメージが跳躍する演劇的交響楽」(内田洋一)
 ⇒CoRich舞台芸術!『エッグ

 ≪あらすじ≫
 オリンピック出場を目指している“エッグ”という競技の選手たちの控室。そこには試合開始前の競技場で「君が代」を歌う、大人気歌手の姿もあった。
 ≪ここまで≫

 トリッキーなストーリーを追いかけていくうちに、“エッグ”というスポーツの謎が解けていき、登場人物の正体も明かされていきます。大勢のアンサンブル出演者や、物と人をすばやく移動させてイリュージョンを生み出していく演出は、NODA・MAPおなじみですね。
 例えば椎名林檎さんの楽曲を歌手役が歌うなど、美術、衣裳、照明、映像、音楽、振付(群舞・ステージング)などのスタッフワークのひとつひとつは非常に凝っているのですが、突起物がにょきにょきとまばらに突き出ていているような印象でした。見かけは派手だけれど濃く深く交わってはいないように感じ、全体的に私には物足りなかったです。

 架空のスポーツ“エッグ”とその選手であるエッガー(エッグの選手)のことは、話が進むごとにますます解らなくなってきます。真相が明かされる時に、今の日本についての野田さんの考えが伝わって来て(勘違いかもしれませんが)、「あぁ、その通りだな」と思いました。作品にオンタイムの強い主張が堂々とあらわされていることが、野田作品の好きなところです。

 スポーツが生む暴力的な熱狂や歌による洗脳など、人間にしか作りだせない芸術的営みの、危険な方の側面が残酷に暴かれていくのですが、出演者の躍動する身体(=スポーツ)と人気歌手役のオリジナル楽曲(=歌)は、この舞台作品を構成する重要な要素であり、他にはない個性、魅力だと思います。“スポーツ”と“歌”の二面性がこのお芝居そのもので表現されているのが良かったです。

 出演者の中で印象に残ったのは仲村トオルさん。だってあのカラダ…!!

 ここからネタバレします。※これからご覧になる方はお読みにならない方がいいです。

 エッガーのユニフォームや歌手(深津絵里)の衣裳が未来的なので、近未来の話かと思いきや、実は1964年の東京オリンピックの時代、いや、1940年の幻の東京オリンピックの…と時はさかのぼっていきます。登場人物の時間は過去から未来へと時系列に進むので、逆行する複雑さが面白いです。
 脚本・演出の野田さんがストーリーテラーで、芸術監督(の愛人)役でもありました。この作品であらためて、新しくなった東京芸術劇場の芸術監督であると名乗りを上げられたのだと思いました。「寺山修司の幻の戯曲『エッグ』を上演する」という設定の劇中劇にもなっています。いわゆる演劇らしい枠組みがあるのも“劇場”をフォーカスしたためだと思います。

 十数個のロッカーを移動させる大人数によるステージングは、最初はわくわくしたのですが徐々に慣れました。半透明のビニールシートのカーテンが舞台を横切り、そのレールが垂直に交わるのは、まつもと市民芸術館の『罪と罰』と同じアイデアですね。ビニールに顔を押しつけてガス室のように見せる演出は、恐ろしいけど美しかったです。
 仲村トオルさんのボディービルダーのように鍛えられた体にびっくり!あの卵の競技にそれだけの筋トレが必要なのか…と、ある意味余計で(笑)、楽しい空想ができました。

 寺山修司さんは東北出身です。主人公(妻夫木聡)もまた東北から医師を目指して上京した若者でした。集団就職、集団嫁入り(?)など、東北の人材を中央が搾取していく戦後の様子が描かれました。“エッグ”の起源を探るごとに事実がねつ造されてきた経緯がわかり、なんと最後には満州国の731部隊の人体実験に行き着きます。日本が戦争に負けることを先に知っていて、早めに手を打って逃げ延びた人たちも描かれました。かたや敗戦間際に特攻隊になったり、自決させられた若者もいたのです。情報弱者を切り捨てる棄民の歴史は、今、まさに繰り返されています。つまりこのお芝居は、東日本大震災後の現在の日本のことなのだと思います。
 731部隊で人殺しをしていた張本人たちはうまく逃げおおせてしまいました。それを繰り返させてはいけない、身代わりの犠牲を出させてはいけないと思います。毒を撒き散らした人たちを裁判にかけなければいけません。また同じことが起こらないためにも。

第17回公演
出演:妻夫木聡、深津絵里、仲村トオル、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、野田秀樹、橋爪功
アンサンブル出演(50音順):上地春奈/秋草瑠衣子/伊藤昌子/大石貴也/大石将弘/大西智子/川原田樹/菊沢将憲/木村悟/久保田武人/黒瀧保士/河内大和/後藤剛範/後藤陽子/近藤彩香/佐藤ばびぶべ/佐藤悠玄/下司尚実/白倉裕二/竹内宏樹/冨永竜/永田恵実/西田夏奈子/野口卓磨/萩原亮介/深井順子/的場祐太/三明真実/柳沢友里亜
脚本・演出/野田秀樹 音楽/椎名林檎 美術/堀尾幸男 照明/小川幾雄 衣裳/ひびのこづえ 音響・効果/高都幸男 振付/黒田育世 映像/奥秀太郎 美粧/柘植伊佐夫
【発売日】2012/07/21 全席S席9,500円/A席7,500円/サイドシート5,500円(25歳以下3,000円、要身分証)/高校生割引1,000円(対象公演限定、事前申込制、要学生証)
http://www.nodamap.com/productions/egg/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:11 | TrackBack

2012年09月17日

【写真レポート】「フェスティバル/トーキョー~F/T12~記者会見&キックオフ・フォーラム」09/12東京芸術劇場5階コンサートホール・ロビー

 世界から先鋭の舞台芸術作品が集まる「フェスティバル/トーキョー」が来月から開幕します!5回目となる今回は昨年とほぼ同規模の開催で、 F/T主催演目12作品に加え、アジア各地から集まる公募プログラムが11作品
 昨年休館中だった東京芸術劇場リニューアル・オープンしましたから、今年の秋は池袋西口を拠点にして、1ヵ月間みっちり、密な交流ができそうです。

 今回のコンセプトは「ことばの彼方へ」。全演目を紹介する記者会見の後、参加アーティストらが登壇するキックオフ・フォーラムが開かれ、言葉や舞台表現の根本を問う率直なお話を伺えました(⇒一般参加募集告知)。

 【フェスティバル/トーキョー(通称:F/T12(エフティー・ジュウニ)】公式サイト
  会期:2012年10月27日(土)~11月25日(日)
  会場:東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎、シアターグリーン、The 8th Gallery
  チケット一般発売日:2012年9月15日(土)10:00~
  ※券種などの詳細は公式ページでどうぞ。
   F/Tパス32,000円などのお得な券種には販売期限あり。内容チェックだけでもお早めに!
  ⇒facebookページ ⇒公式twitter ⇒公募プログラムtwitter

【出席アーティスト集合写真↓:(C)熊谷篤史 上段左から:三浦基、三浦大輔、神里雄大、松田正隆、村川拓也、勅使川原三郎、高山明 下段左から:鹿島将介、三野新、白神ももこ、川口典成、作者本介、谷竜一(敬称略)】
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【市村作知雄さん(実行委員長)】※質疑応答時の発言も含む。

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市村さん

 市村:今思っていることをお話しさせていただきます。芸術における性的な表現がどうあるべきかについてです。僕の持論なんですが、劇場法もできたことだし、劇場や美術館においては、それが性的であろうと表現の規制をすべきではないと思います。性的な部分は人間が生きていく上で非常に大きなウェイトを占めていますし、芸術的な課題にとっても非常に重要なファクターであると考えます。だからそれを劇場、美術館で規制することには大反対です。かといって日本の法をやぶることはできないので、それは守っていくしかないのですが。
 たとえば「ヨーロッパでは性的な表現に制限がない」というのは不正確な表現でして、ヨーロッパにおいて表現が規制を受けないのは「劇場や美術館において」です。同じこと(性的な表現)を社会の一般的なところでやるのは有り得ない。ところが日本は逆になっている。たとえば電車の中づり広告などに、大手の出版社が異様に無制限に性的内容を載せています。一般的なところでは性が氾濫しているのに、劇場内で規制するという逆転現象を起こしているのです。青少年が性的なものに非常に関心が強い時期を逆手にとって、大手出版社が商売にしようとしていることに対しても、僕は大反対です。日本の社会がネグレクトしてきた課題が、今ここにあらわになっていると思います。
 少なくとも劇場法ができたからには、劇場内で規制すべきことは何なのか、性的な表現はどうやるべきなのかを、芸術界としてかなり時間をかけて討論すべきだと思っています。それが今回のF/T12に携わってきて、僕がもっとも考えたことです。これは演劇界、アート界がさぼってきたことだとしか言いようがない。僕としては今後、シンポジウムなど様々なことをしながら論議を深めていきたいと思っています。


【相馬千秋さん(フェスティバル・ディレクター)】

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相馬さん

 相馬:毎年恒例なのか、F/T記者会見では実行委員長の市村がアドリブで、誰も予想だにしないことをしゃべります。それが面白くもあるのですが、私は大変動揺しております(笑)。性的な表現の規制について、もうちょっと穏便なかたちで言葉をつづけてみたいと思います。
 F/Tは今年で5回目になり、通常の劇場開催に戻ったので初心に帰ってやりたいと思っています。これまで一番大事にしてきたことは、あえて言うのも馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、市村の話を受けますと、やはり表現の自由を守るということではないかと思っております。私個人の考えでは、表現はあくまでもそれぞれの個人に立脚した、誰も侵すことができないもので、個人が自分の頭で想像したことや欲求は、誰も規制したり制限したりすることはできないと思います。
 じゃあこの社会で芸術の名のもとに何をやってもいいかというと、当然そうではないわけで、我々としましても社会の様々な制度、文脈の中でどこまで表現としてやるべきかの、ギリギリの線を狙う必要があるんだろうと思います。アーティストも我々も表現と社会とのせめぎ合いのところで日々創作をしています。そのこと自体が尊重されるべきであり、われわれもアーティストの活動を尊敬し、尊重していきたいと思っています。
 F/Tは表現が集まる場ですから、表現の自由をどうやって担保していくかを、初心に帰ってもう一度問い直したい。そういったボーダーをちょっとずつ更新するような作品が新たに生まれれば、それがF/Tという場の現実的な評価につながっていくのではないか。私個人はそのような信念を持ってこのフェスティバルをやっていきたいと思っています。
 表現の自由やそれに基づく多様な価値観がぶつかり合っている状態は、ひいては東京という街の文化的なポテンシャルを向上させることにもつながるでしょう。東京ではこれだけ多様な価値観が認められ、議論が生まれているということを、世界に対してアピールしていく場、それがF/Tです。特に今年はアジアの国々からもたくさん若手の演出家を招聘しています。アジアの人たちとの対話の回路をしっかりと開いた上で、多様な価値観が常に拮抗する場としてのフェスティバルを実行していきたいと思っています。


 ■テーマは「ことばの彼方へ」公式ページ

 相馬:演劇の基本的な要素である“ことば”にフォーカスして、今年のプログラム全体を考えました。演劇というメディアを使って、我々は震災後のリアリティーをどうやってつかみ直していくことができるのか。去年のF/Tの問題意識であった「私たちは何を語ることができるのか」というテーマを引き継ぐものです。今年はことばを媒介に、この問題について考えていきたいと思っています。
 「ことばの彼方へ」と言ってしまうと、ことばを軽視していたり、ことばをスルーしてどこかへ行ってしまうと思われる危険性もあるのですが、全く逆でして、我々としては震災後に発せられた演劇のことばを経由して、新たな現実と向き合っていきたいと思っています。

【キックオフ・フォーラム参加(左から敬称略):三浦基、神里雄大、松田正隆、三浦大輔、村川拓也、高山明】
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 ★以下、キックオフ・フォーラムでのアーティストのご発言も合わせて掲載します。

【F/T12イェリネク三作連続上演】

 相馬:「ことばの彼方へ」というテーマを深める提案といたしまして、オーストリアのノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクを特集いたします。イェリネクは世界の演劇界で今最も盛んに上演されている同時代の劇作家です。日本ではなかなか翻訳が難しかったり、テキストが複雑難解ということで、まだそれほど上演されていません。そんなイェリネクをなぜ今年F/Tで特集するかといいますと、彼女が311を受けて2つの戯曲を執筆したからに他なりません。また、それがF/Tで取り組もうと思っているテーマに呼応するものでもありました。その戯曲を私共の方では林立騎さんという翻訳者に翻訳をしていただきまして、今回は2人の日本人の演出家に演出を委嘱することになりました。


■『光のない。
 作:エルフリーデ・イェリネク [ オーストリア ]
 演出:三浦基(地点) 音楽監督:三輪眞弘 [ 日本 ]
 写真:(C)Naoya Hatakeyama
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 相馬:まずはイェリネクが震災直後に執筆した『光のない。』を、地点の三浦基さんに委嘱いたしました。音楽的な要素が大変重要な戯曲であるため、現代音楽家でメディア・アーテイストである三輪眞弘さんにも音楽監督としてご参加いただきます。

 三浦基:イェリネクの言葉は強い。言葉に強い意味しかないほどに。この戯曲は東電の記者会見やソフォクレスなど、色んな引き出しの題材が一緒になっている。イェリネクは飛行機に乗らないので、ずっと自宅で執筆をしている。それなのに、よくもここまで(日本の震災の)情報を得て、それを咀嚼できているなと思う。分量も多いし視点も多い。鋭い批評眼をお持ちで尊敬している。
 演出家の仕事は「何」を「どうやるか」。この作品の「何」は「震災」だから、「震災を、どうやるか」が問われている。幸か不幸か、私たちにわかりやすい題材。誤解を招くような厳しいメッセージもある。よくもここまで書くなと思うほど。この戯曲は「判決が欲しい」で終わっている。責任をどう考えるのかの指針になれば。問い掛ける作品になればいいと思って作っている。


■Port B [ 日本 ]『光のない Ⅱ
 作:エルフリーデ・イェリネク [ オーストリア ]
 構成・演出:高山明 [ 日本 ]
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 相馬:『光のない。』の続編にあたる『光のない Ⅱ』は、震災からちょうど1年と1日後の2012年3月12日に、イェリネク自身のホームページで発表された戯曲です。発表時は『フクシマ・エピローグ?』というタイトルがついていました。こちらをPort B(ポルト・ビー)の高山明さんに演出して頂きます。
 イェリネクの戯曲というのはト書きもなければ状況設定も非常に少ないので、戯曲をどう解釈するかは演出家の手に大きくゆだねられています。

 高山明:イェリネク戯曲は5年前に『雲。家。』を演出した(⇒F/T09)。実はここ5年ぐらい舞台作品を作っていなかったので、久しぶりに戯曲に向き合っている。三浦基さんのおっしゃるとおり、言葉が強い。これ以上ないんじゃないかと思うぐらい強いという意味で、イェリネクは特殊。その強さだけを信頼できるというか、全面的に受け入れられる。
 震災から1年半経って、自分の中の“福島”が落ち着いてきて、秩序を持ってきた。時間が経ったし、マスメディアの報道もあって整理されてきたのだろう。それがこの戯曲で再起動させられた。この戯曲は『フクシマ・エピローグ?』という題名で、ちょうど311から1年と1日経った、2012年3月12日に発表された。エピローグ化してはいけないという思いを受け取った。
 今回の訳は敢えて、いびつで、おかしな日本語になっている。今、自分の中にある“福島”をいびつな日本語によって掻きまわせるかどうか。


■ミュンヘン・カンマ―シュピーレ[ ドイツ ]『レヒニッツ (皆殺しの天使)
 作:エルフリーデ・イェリネク [ オーストリア ]
 演出:ヨッシ・ヴィーラー [ スイス ]
 舞台写真↓(c) Arno Declair
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 相馬:海外からもイェリネク作品を招聘しています。ヨッシ・ヴィーラー演出の『レヒニッツ』という作品です。ヨッシさんは2005年に『四谷怪談』という作品を日本人キャストと創作されましたので、ご記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。本国ではイェリネク戯曲の第一人者とも評されている方です。
 作品の舞台はオーストリアのレヒニッツという村。時代は第二次世界大戦末期。ナチスドイツに協力していた貴族の館において、ある余興の一環として200人ものユダヤ人が虐殺され、今だに遺体の埋葬場所さえわからないという事実に基づいて書かれた戯曲です。極めて凄惨な事件を扱っているのですが、舞台上ではとても魅力的な実力派の役者さんたちが、ニコニコと不気味な笑顔を湛えながら、この状況を報告し続ける、ある種のメッセンジャーとして語り続けるという演出です。
 誰も語り得ないほどの現実を、当事者ではない立場の人間がどう語っていくのかという難問に対して、イェリネクの言語の実験、そしてヨッシ・ヴィーラー独自の解釈、演出というものを是非観ていただきたいと思います。
 今回の目玉作品なんですが、ヨッシさんが大変お忙しいので来日が叶わないため、スカイプを経由したメッセージをいただきました。

 ヨッシ・ヴィーラー:今までにこの作品を上演したのは、ホロコーストの加害者もしくは被害者にあたる人々がいる都市でした。そうでない場所で上演するのは今回が初めてです。議論を呼ぶと思います。遠くに離れていようとも、別のやり分で対話が起こるでしょう。

 ★イェリネク3戯曲連続上演にあたり、白水社より戯曲集↓が発売されました!

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 ■マレビトの会[ 日本 ]『アンティゴネーへの旅の記録とその上演
 写真:(C)笹岡啓子
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 相馬:『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』は、実はすでに上演が始まっております。WEB上の特設ページで、10人の登場人物たちがそれぞれの立場から物語を紡ぎ、それがfacebookやツイッターなどのメディアでも発表されていきます。現実の世界でも、それらの物語のシーンが都内あるいは福島でひっそりと上演されています。F/Tの会期中には、それらの上演の記録を再現ドラマとして再構成して、毎日7時間かけて上演するという壮大な計画です。さまざまな物語がすでに紡がれていますので、ぜひ特設サイトからもご覧ください。

 松田正隆(マレビトの会代表):なぜアンティゴネーかというと、生きている人の情報のやりとりじゃなくて、死者に向かう言葉を考えたから。そしてメディア(媒体)について。私たちは情報を物語化して安易に流用していく。そこに無力感を感じた。舞台上やウェブ上で、どこから視線が来てるのかわからないような、直接的な眼差しと間接的な視線とをふまえた演劇作品ができないか。
 今も上演をしているので、よかったら観に来てください。
 ⇒マレビトの会公式サイト ⇒マレビトの会facebookページ


 ■村川拓也[ 日本 ]『言葉
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 相馬:村川拓也さんは昨年の公募プログラムで上演された『ツァイトゲーバー』という作品で非常に高い評価を得て、今回初めてF/Tの主催プログラムに出てくださることになりました。タイトル『言葉』はF/Tのテーマにも直接的に呼応してくださっているのかなと思います。震災後の失語状態から対話劇を立ちあげたいということで、その実験的な試みをしていただくことになります。

 村川拓也:私は映像作品も作っていて、被災地に行って出会った人のドキュメンタリーを撮ったりもしている。出演者と被災地を旅をして、勝手に歩きまくって、そこで出会った人と話をしてきてもらった。帰ってきた俳優たちに、どんな話を聴いたのかとインタビューをしたら、全く面白くなかった(笑)。弱っちい言葉ばかりが並んで、本質からずれたことしか出てこない。でも、大きな言葉を並べるより、弱い言葉を並べてそこに何らかの仕掛け、仕組みを作れば、対話の本質が言葉と言葉の間に現れるんじゃないか。


 ■勅使川原三郎 [ 日本 ]『DAH-DAH-SKO-DAH-DAH
 演出・振付・美術・照明:勅使川原三郎 [ 日本 ]
 舞台写真↓:(C)小川峻毅
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 相馬:宮沢賢治作品に想を得た『DAH-DAH-SKO-DAH-DAH(ダーダースコダーダー)』を、勅使河原三郎さんが20年振りにリクリエーションされます。いまなぜこの作品をつくろうと思ったのか。勅使河原さんにF/Tのアーティストを代表してお話をいただきます。

 勅使河原三郎:先ほど相馬さん、市村さんがおっしゃったように、性的なことにしても何にしても、ものを作るということはとても個人的なことだし、ものごとに係わることも、踊る時の体も、個人的なことだと思います。
 『DAH-DAH-SKO-DAH-DAH』は「原体剣舞連(はらたいけんばいれん)」という詩から取ったオノマトペ(擬音)で、風を表現しているのか、人間の鼓動を表現しているのか、そういう「響き」ですよね。「原体剣舞連」という詩の中にあるものは、心と体、物質と精神、それらがぶつかったところにある音、あるいは生と死。「原体剣舞連」にある「剣舞(けんまい)」とは死者を迎え入れる時の踊りで、小学校六年生の男子しか踊らないという、ある種の規制がある民族舞踊なんですね、それに触発されたところもあります。

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勅使川原さん

 別の詩の中に「心臓が3つも4つもなくて、どうして脚本ひとつ書けましょう」という僕の好きなフレーズがあります。ただ生きているだけでも心臓1個じゃ足りない時もあるし、ましてや脚本にかかわる方々は違う人生を取り込みながら、人間を、別人生を大量に見ていくから、生も死も一緒くたになってしまうぐらい激しいものでしょう。だからこのフレーズに同意するわけです。でもこれには続きがあって、「脚本書いて作品をつくって、芸術だとか言ってんじゃないだろうな。そういう気どりこそを叩き潰さなきゃいけない」と言うんです。「アメニモマケズ、カゼニモマケズ」という詩を語っている人だけど、こんな挑戦的な言葉を書いている。根本的に反抗的な、挑戦的な人だということがわかる。僕はそこに共感するところがあります。
 「響く」ということは大事なテーマだと思う。「響く」とは、何によって、何を響かせるのか。言葉の強さを感じながら、響きを体に持ちながら、新しい挑戦をする。これは創作に近い改作になります。そういう態度で臨みたいと思います。


 【ジャーナリズムを越えて 海外の3作品】

 相馬:ジャーナリズムでは伝えきれないような複雑な現実と向き合って、独自の手法を編み出しているアーティストをラインアップしました。

 ■ジャン・ミシェル・ブリュイエール / LFKs [フランス]『たった一人の中庭
 舞台写真↓
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 相馬:フランスのジャン・ミシェル・ブリュイエール率いるLFKs (エルエフケーズ)は、哲学者や詩人などによる表現者集団で、既存のジャンルにとらわれず、社会に対する鋭い問題提起を作品化してきたグループです。この作品では移民収容所を模した空間が広がっており、ある意味美的に、かつ批評的に再構成されています。白い衣裳に身を包んだ複数のパフォーマー、やせ細った黒人のパフォーマーが、上演時間中さまざまなパフォーマンスを繰り広げて行きます。私が海外で拝見した時の上演時間は10時間だったんですが、10時間ずっと衣裳を着てパフォーマンスをしていました。今回の東京バージョンでも、そんなに長時間ではないですが、こういう形でやっていただきます。
 毎日のパフォーマンスの中で何かしらの批評的なアウトプットが行われ、その成果も日々発表されて作品の全体に影響を及ぼしていくという仕掛けになっています。今回の東京公演では、にしすがも創造舎の校舎、校庭、体育館をすべてフルに活用しまして、ひとつの巨大な展覧会形式の演劇として発表されます。
 ⇒2009年のアヴィニヨン・フェスティバルのレポート(岩城京子)
 ⇒F/T12オープニング演目『たった一人の中庭』 エキストラ大募集!!


 ■メヘル・シアター・グループ [イラン]『1月8日、君はどこにいたのか?
 作・演出:アミール・レザ・コヘスタニ [イラン]
 舞台写真↓:(c) Mohammadreza Soltani
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 相馬:コイスタニはイランを代表する若手演出家です。F/T09春の時に、平田オリザさんとフランス人演出家との共同作品『ユートピア?』で来日しています。
 物語の舞台はある大雪の日のテヘラン郊外。4人の若者たちがジャン・ジュネの『女中たち』の稽古をするために集まる中、兵役中の男性が合流して事件が起きます。登場人物たちは携帯電話でひたすら対話を繰り広げます。対話の中にはさまざまな隠喩や嘘が飛び交っています。実はイランの現状を反映したもので、イランではご存じのとおり検閲があって表現の自由が担保されていないため、表現自体が非常に比ゆ的にならざるを得ないという事情があるのです。現地の状況を反映した演劇を通じて、ジャーナリズムでは伝え切れないイランの現実を知っていただければと思います。


 ■クレタクール [ハンガリー]『女司祭―危機三部作・第三部
 作・演出:アールパード・シリング [ハンガリー]
 舞台写真↓:(c) Krétakör - Máté Tóth Ridovics
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 相馬:ハンガリーは東欧諸国の中でも近年多くの才能が花開いて、演劇がとても盛んな国のひとつです。中でもアールパード・シリング率いるクレタクールは社会に対して真摯な問いを続ける前衛アートグループとして、大変な人気を誇っています。
 この作品の舞台はハンガリーとルーマニアの国境地帯にあるトランシルバニア地方。歴史的に非常に深刻な民族問題をかかえた地域です。クレタクールの面々はそこに長期滞在しまして、15人の子供たちとのワークショップを経て、この作品を作り上げました。
  ある都会から元女優だった教師が赴任してきます。彼女は演劇教育のメソッドを通して子供たちと対話しようとするのですが、なかなかうまくいかず葛藤するという物語です。そこには実際のワークショップで起こったことが反映されています。地域格差の問題や地域の宗教など、非常になまなましい率直な問いが、この作品のあいだ中、問い続けられる。それが子供たちのリアルな存在感とともに差し迫ってくる舞台となっています。
 『女司祭―危機三部作』は映画、オペラ、演劇で三部作になってまして、第一部にあたる映画は演劇と合わせて上映しますので、そちらもご覧下さい。


【アジアの3作品】

 ■グリーンピグ [韓国]『ステップメモリーズ―抑圧されたものの帰還
 構成・演出:ユン・ハンソル [韓国]
 舞台写真↓:(C)Hansol Yoon
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 相馬:ユン・ハンソルは韓国の若手の中でも最も先鋭的な表現手法で注目を集めている劇作家、演出家の一人です。『ステップメモリーズ』は2010年にソウルの美術館で初演されました。観客は俳優に導かれながら、館内の複数の空間を巡って作品を体験することになります。
 この作品の中心的な主題は朝鮮戦争の記憶をどう語るのかということ。同じ民族同士が殺し合って今も解決を見ない出来事の記憶を、あえてさまざまな証言をして語り直すことで、被害者と加害者あるいは集団と個人の関係性を明らかにしていく作品になっています。今回はにしすがも創造舎の全館を使って、西巣鴨固有の歴史をまじえたサイト・スペシフィックな作品を創作します。その際に、さいたまゴールド・シアターの女優さんなど日本人キャスト5人にもご参加いただきますので、そちらもご注目ください。


■岡崎芸術座 [日本]『隣人ジミーの不在
 作・演出:神里雄大 [日本]
 ↓(c)神里雄大
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 相馬:神里さんは前回のF/Tで未来の日本の移民問題を扱って、大きな物議をかもしたわけですが、今回は隣人をテーマに、あえて隣国の韓国で稽古を行い、日本の外側から日本を描くという試みをされます。

 神里雄大:映画「ダークナイト」が面白かったので続編の「ダークナイト・ライジング」を観に行ったが、面白くなかった。そういえば「バットマン・リターンズ」も「バットマン・ビギンズ」も面白くなかった。それは“悪の組織”のような大きなものが描かれているからだと思う。個人が埋もれると面白くない。「ダークナイト」ではバットマンやジョーカーの個人的なことが前に来ていた。日本人が、韓国人が、移民がといった大きな話より、ごくごく個人的なことを並び立てて、具体的なものを前に持ってきたい。


■ポツドール [ 日本 ]『夢の城 - Castle of Dreams
 作・演出:三浦大輔 [ 日本 ]
 舞台写真↓
12CastleofDreams.jpg

 相馬:この作品はご記憶に残っている方も多いと思いますが、2006年の岸田戯曲賞受賞直後に上演され、いっさい言葉を使わない作品として大センセーションを巻き起こした問題作と言われています。さきほど市村が申しました性的表現は、この作品でも当然問題になってくる部分かと思います。今回のF/Tでやっていただくのは、2010年から2011年の海外ツアーで絶賛されたバージョンで、その凱旋公演的な位置づけになっています。

 三浦大輔:震災前の作品ですから、震災後の今は逆説的に観てもらうしかない。2006年初演と価値観も状況も変わった中で、皆さんがどう見るのかを知りたい。そこから新しいものが生まれる気がする。
 海外で上演してきたことで、無言でやることと若者たちの無気力、怠慢さをリンクさせたことが、この作品の価値だと自覚した。本質が見えてきた。
 とはいえ俗っぽい作品です。18歳未満入場不可だし問題作だとも言われて、実際、ポツドールの作品は怖がって観に来ない人もいるんですけど(笑)、本当に大丈夫ですよ、わかりやすくてポップな作品です。ちょっと泣いちゃったりするような感動する作品ですので、観に来てください!


公募プログラム
13koubo_program.jpg

 相馬:アジアの同世代が一堂に集うプラットフォームとして今年も公募プログラムを行います。今年はアジア全域からなんと180件もの応募がありまして、2年目にしてさらにアジアの若手の間にこのプログラムが浸透した実感を持っております。

・アジアからの6団体:
 シアタースタジオ・インドネシア[インドネシア]『バラバラな生体のバイオナレーション!
 新青年芸術劇団[中国]『狂人日記
 Co-Lab プロジェクト・グループ[韓国]『Co-Lab:ソウル―ベルリン
 WCdance[台湾]『小南管
 ダニエル・コック・ディスコダニー[シンガポール]『ゲイ・ロメオ
 アゲインスト・アゲイン・トゥループ[台湾]『アメリカン・ドリーム・ファクトリー

・日本からの6団体:
 The end of company ジエン社『キメラガール アンセム/120日間将棋
 ピーチャム・カンパニー『美しい星
 ヒッピー部『あたまのうしろ
 重力/Note『雲。家。
 集団:歩行訓練『不変の価値

 今年もF/Tアワードを実施し、新しい価値を創造する優れた作品を表彰します。今年は中国、韓国からも審査員をお招きし、よりアジアの視点を入れた審査が期待されます。政治的には非常にぎくしゃくしたアジア関係ですけれども、こういう時だからこそ若い世代の表現者が、観客が、同じ場を共有して批評し合うことが非常に重要な取り組みになってくるのかなと思います。今年のF/Tでは対話の場を多く設けて行きます。


F/Tモブ
14FTmob.jpg

 相馬:フラッシュモブの手法を使った群衆ゲリラ・パフォーマンスを、週末ごとにしかけて参ります。コアに踊っていただくダンサーを募集したところ、なんと190名の方にお集まりいただきました。飛び入りで参加したい人にはPVをご用意しております。場所は1000人ぐらい参加しても大丈夫なぐらい広いので、自宅で練習してぜひ参加してください。


■質疑応答

 質問:劇場、美術館内での表現の自由が話題にのぼったが、これまでに具体的な問題はあったのか。また今回はどう取り組んでいるのか。

 相馬:これまでのF/Tで上演してきた野外や公共の場での作品では、法律やルールあるいは(行政側の)担当者がはっきりしているので、創作の際にあきらめざるを得ないこともありました。でもそれはそれとして作品に反映されていくものです。それが今の日本という状況であり、自分たちが置かれた状態なのだとして、作品に内在化していくしかない。そういう覚悟でいつもやっているつもりです。
 それよりも私が非常に危惧しているのは、そういった手ごたえのあるものよりも、むしろ手ごたえのないもの、実体のないものなんです。特に震災後に感じていることですが、「世間が」とか「一般の方がこうおっしゃってます」とか、あるいはツイッターやSNSでも、色んな方が上から目線で言いたいことを言うことが、日本のメディアで割と当たり前になってしまっている。実際にリアルに向き合っているわけではない、ふにゃふにゃとした他者の声が、なんとなく我々の表現に対してある種の抑圧的なものに感じられる。このことの方が、私は今の日本での表現にとって非常にマイナスだなと考えております。


主催:フェスティバル/トーキョー実行委員会 東京都 豊島区 東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団) 公益財団法人としま未来文化財団 NPO法人アートネットワーク・ジャパン
フェスティバル/トーキョー:http://festival-tokyo.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:19 | TrackBack

2012年09月15日

【ワークショップ】ロロ「ロロワークショップ」09/21-23都内某所※各回前日〆切(メールのみ)

 三浦直之さんが作・演出される若手劇団ロロが、来年の作品に向けてワークショップを開催します。詳細は公式サイトでご確認ください。

 日程:2012年9月21日、22日、23日の間に5回開催。
    (申込時に受講したい日時を第三希望まで書く)
 料金:1500円
 参加人数:各回約12名程度。
 資格:演劇経験、年齢性別問わず。
 〆切:実施前日まで応募可能。定員に達し次第締め切る場合あり。
 応募方法:メールのみ。

Posted by shinobu at 22:55 | TrackBack

【ワークショップ・オーディション】アマヤドリ「俳優、スタッフ募集・乞う新参者!」9月22日、23日、10月6日、7日※定員になり次第〆切(専用フォームあり)

 広田淳一さん率いる劇団アマヤドリがワークショップ・オーディションを実施します。以下、fringe forumより引用。

 アマヤドリでは新プロジェクトの始動に向けて俳優、スタッフを募集します。応募資格は日本語を話せること。根気か覚悟、もしくは勢い、あるいは才能不思議な味わいのようなものを持った方との出会いを切に望んでいます。  俳優志望の方は9月22日、23日、10月6日、7日に行われるWSの午前または午後のいずれかの回にご参加ください。ご応募はこちらから。

 実施日時:9月22日、9月23日、10月6日、10月7日 
  各回10:00-15:00、16:00-21:00 ※8回とも同じ内容
 会場:都内
 参加費:2000円

Posted by shinobu at 22:47 | TrackBack

2012年09月13日

新国立劇場演劇研修所第6期生朗読劇『ハーメルンの死の舞踏』09/12-13新国立劇場小劇場

 毎年『少年口伝隊一九四五』が上演されてきた新国立劇場演劇研修所の朗読劇ですが、今年は新作になりました。ミヒャエル・エンデ作『ハーメルンの死の舞踏』です。演出は同研修所アソシエイト・ディレクターの田中麻衣子さん。上演時間は約1時間10分。

 全くの偶然ですが、今週末は神奈川県民ホール・オペラ『ハーメルンの笛吹き男』も観に行きます。

 パンフレットの田中さんの言葉によると、“『モモ』で「時間」を問うたエンデが、亡くなる前に絶えずその思考を巡らせたのは「お金の正体」でした”とのこと。
 ちょうどこの本↓を読んだところだったので、物語の舞台である1820年代も、今も、私たちは同じ境遇にあるのだと、じっくり考えながら観ることができました。

アングロサクソン資本主義の正体 ―「100%マネー」で日本経済は復活する
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 ⇒CoRich舞台芸術!『ハーメルンの死の舞踏

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 ものがたり にかえて
 市長ら支配者たちのひそかにあがめる「大王ねずみ」が金貨をひり出すたびに町中にねずみが氾濫し、市民は死の影におののく。そこに不思議な笛をもつ男が現れ、ねずみ退治の約束を交わすのだが……。
 1284年 聖ヨハネ・聖パウロの祝日
 すなわち 6月の26日
 道化の衣に身を包んだ笛吹き男に誘われ
 ハーメルン市に生をうけた子ども 130名
 カルヴァリーの丘に入り 行方知れずとなる
 ドイツの有名な民話『ハーメルンの笛吹き男』、そのねずみ取り伝説にまつわる謎を、オペラ台本として新たに読み解いたエンデ晩年の作。
 ≪ここまで≫

 ステージには3段の黒い台が重ねられて、上に金持ち(支配者層)、下に貧乏人(被支配者)という具合に役者さんが並んで座り、適宜入れ替わります。主要な役柄はキャストが固定されているのでストーリーもわかりやすく、舞台奥の壁に大きく映像が映し出され、場面の変化も明快でした。“笛吹き男”の奏でる笛の音などの音響効果も凝っており、この朗読劇のために作曲された歌もありました。

 先ほどご紹介した本の話なんですが、私たちが銀行に預けたお金は、ほんのわずかですが利子がついて、時間が立つと増えることになっています。でも預けたお金がずっと銀行の中にあるかというと、そうではないですよね。だって銀行は私たちの預金を他の人(会社)に貸したり、運用したりするのですから(その利益が私たちの利子となって還元される)。でも実はこの“信用創造”というシステムは、銀行が、私たちの預金と同じの額だけの新たなお金を、無の状態からつくり出すものなのだ…と指摘していました。たしかに、私の預金は本当は銀行の中にはないのに、通帳の数字という形で存在していることになっています。目からウロコでした。

 ここからネタバレします。

 金持ちの支配者層は、街を致命的に汚染するネズミと金貨とを、同時に排出する「大王ねずみ」を神とあがめる宗教に入信し、それに支配されています。地下の秘密の礼拝堂でいかがわしい儀式が行われる…という、いわゆる物語らしい設定が明晰な言葉で語られ、映像や音響でさらに鮮やかに立体化されるので、入り込んで行けました。

 笛吹き男は言葉を話さないが、笛の音を聴いた者は、彼が何を言っているのかをわかってしまう。私たちは本当は何が正しいのか、自分たちの何が間違っているのかを知ってるのに、見ないふりをしている。物欲、名誉欲、独占欲などに支配された人間は、すべて滅びてしまう。そういうった教訓をスっと素直にくみ取ることができました。


【出演:6期生】笛吹き男:□□□□ 二人組の子供:森川由樹、野口雄作 ハイナー・グルールホート、市長:田部圭介 アテーラ・グルールホート、その妻:池田朋子 マグダレーナ・グルールホート、その娘:横山友香 ゴットフリート・ヴェレゲジウス、司祭・預言者:細川慶太 アメルング・ライッケ、代官:頼田昂治 ランベルト僧院長:森下庸之 市民、乞食、修道僧、市参事会員、富豪、傭兵、死刑執行人その他の役人、男女の召使、子どもたち:沖田愛、落合千恵、木村圭吾、杉山みどり、玉田裕太、西井裕美、南名弥
脚本:ミヒャエル・エンデ 訳:佐藤真理子/子安美知子 上演台本・演出:田中麻衣子 音楽:国広和毅 照明:矢場拓史 音響:黒野尚 映像:井口雄一郎 衣裳コーディネート:田中光子 演出助手:吉田妙子(第2期修了生) 舞台監督:米倉幸雄 舞台・照明・音響操作:新国立劇場義呪物シアターコミュニケーションシステムズ レンズ 制作助手:岡本はるか 長川原秀美 演出助手:鈴木麻美 堀本宗一郎(8期生) 演劇研修所所長:栗山民也 制作:新国立劇場
【発売日】2012/08/04 全席指定 1,000円
http://www.nntt.jac.go.jp/training/20000660_training.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:17 | TrackBack

2012年09月09日

wonderland「劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース」第1回「トークセッション『私が考える劇評』」09/07東京芸術劇場シンフォニースペース

 小劇場レビューマガジンwonderland(ワンダーランド)が主催する劇評セミナーのトークセッションを拝聴しました(2010年のトークセッション⇒)。登壇者(50音順)は佐々木敦さん、扇田昭彦さん、徳永京子さん、林あまりさん。司会はワンダーランド編集長の北嶋孝さん。4人それぞれに劇評についての考えが異なっていてとても面白かったです。

 セミナー参加者は今から東京芸術劇場で上演される9演目について、4人の講師の方々とともに劇評を書いて講評をすることになります。ご興味ある方は公式サイトへどうぞ。

 以下、話し始められた順に。メモしたことのごく一部です。

 :私は歌人。書くより観る方が好き。観る時は舞台に没頭したい。自分なんて何者でもない、好きで書いているだけだと思うようにしている。私は演劇専門雑誌に書いているから、読者層は演劇に興味がある人。たとえば地方の高校生が手にとってくれることを考えて書いている。

 徳永:最初の数行が勝負。「でだし命」。別ジャンルのファンを演劇ファンにしたい。舞台を観に来てもらいたい。劇評は「名乗りと名付け」。数千字を使って、その作品に脚本を書いた人とは違う名前をつけること。そのくらいの責任感を持ちたい。生産的なネガティブなことを書けると最高。

 扇田:新聞の読者は舞台を観ていない人がほとんどだから、その人たちにもその舞台が分かるように書く。描写が必要。60~70年代の方が厳しい劇評が多かった。80年代以降優しくなった。昔は長い批評で紙面が埋められていることもあった。今の文化欄は予告記事ばかりで劇評欄は800字弱しかない。昔はもっと自由だった。今は非常に不自由。劇評にとってヤバイ状況ではないか。

 佐々木:アウトサイダーとして批評する立場を取るようにしてきた。常に外部からの視線を意識することが重要。他のジャンルと演劇との違いは、あらすじを簡潔に書くことで消えてしまうものがとても多いこと。特徴はその時、その場でしかおきないという一回性と現前性。それが他ジャンルと根本的に違うところ。不景気がいけない。一番可能性があるのがネット劇評(扇田氏も同意見)。匿名でなく、ちゃんと書く人が増えれば変わるんじゃないか。


2012年9月7日(金)19:00-21:30
登壇(50音順):佐々木敦(批評家)+扇田昭彦(演劇評論家)+徳永京子(演劇ジャーナリスト)+林あまり(歌人、演劇評論家) 進行:北嶋孝(ワンダーランド)
主催:ワンダーランド(小劇場レビューマガジン) 共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
2,000円(セミナー事前申し込み者は無料)当日受付可。
http://www.wonderlands.jp/seminar2012/
http://www.geigeki.jp/performance/event006/
https://twitter.com/wonderlandsjp

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:30 | TrackBack

2012年09月08日

【オーディション】パルコ・プロデュース「『レミング~世界の涯まで連れてって』出演者募集」※9/30〆切(郵送のみ)

 寺山修司作品を松本雄吉さんが演出する来年春公演について、パルコ劇場が出演者を募集しています。上演台本に天野天街さんのお名前も。これは刺激的なプロダクションになりそう!詳細は公式サイトでご確認ください。

 ●パルコ・プロデュース『レミング~世界の涯まで連れてって』
  作:寺山修司 
  上演台本:松本雄吉(維新派)・天野天街(少年王者館)
  演出:松本雄吉
  稽古:2013年3月初旬より開始予定。
  公演期間:2013年4月下旬~6月2日まで予定(地方公演含む)

  募集役柄:少女、妻、夫、大家1~4、支那の魔術師、ミストルコ1~3(ヌードシーンあり)、映画の登場人物たち、他
  応募資格:16歳以上の男女
  応募方法:郵送のみ。
  応募締め切り:2012年9月30日(日)必着。
  一次審査:書類選考
  二次審査:実技選考2012年10月20日(土)、21日(日)予定。
  二次審査内容:歌、踊り(ステップ)、せりふ

Posted by shinobu at 23:39 | TrackBack

ニッポン放送・WOWOW『ロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」』08/29-09/10渋谷O-EAST

 森山未來さんがヘドウィグをやるなら、それだけで必見と信じてチケット購入。そしてそれはハズレではなかったです♪ (関連レビュー⇒) 上演時間はカーテンコール含んで約2時間10分(途中休憩なし)。

 終演後に会場で他の日のチケットも販売中。まだ残席あるようですのでご興味ある方はぜひ。多地域公演を経たツアーファイナル公演も東京であります。※お下劣な表現多々あり。覚悟して楽しんでくださいませ。
 会場入り口のポスター↓
20120908_hedwig_moriyama.JPG

 ⇒CoRich舞台芸術!『ロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

 原作どおりではないというより、換骨奪胎と言えるほど翻案されています。この作品は『ヘドウィグ~』ではなく、『ヘドウイグ~』からインスパイアされて新しく作られたライブ・パフォーマンスだと解釈するのが、私にとってはいいあんばいでした。

 森山さんかっこ良かった~。演技もうまいし歌もいい。ダンス・動作の切れも素晴らしい。観客への接し方も上から目線にならず、決してへりくだらず対等でありながら、サービス精神満点。

 スガシカオさんの歌詞は、私が以前に観ていたものより英語が少なくなっており、音楽と日本語の相性が良くて、歌がとてもこなれたものになっていたように思います。サントラCDがあったら買いたかったけど売ってませんでした。

 三上博史さんの歌声が聴けますよ↓

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ・トリビュート(CCCD)
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 ここからネタバレします。間違っているかもしれません。ご容赦ください。

 ご参考までに、あらすじです。おそらく約30年ぐらい先の未来。福島第一原発から20㎞圏内が“原発スラム”化し、アウトサイダーたちの住処になっていた。水商売をする母と原発作業員の父との間に生まれたヘドウィグは“原発二世”。少年の頃から父に少々性的な手ほどきを受け、教会で偶然会った牧師と恋仲に。牧師にプロポーズされたヘドウィグは、男性器の切除手術を受け、母親のパスポートを偽造して自分のものにし、20㎞圏内から初めて脱出する。でも1年後には牧師にフラれてひとりぼっちに。その1年の間に“テロリストの巣窟”だとされた原発スラムは、米軍により爆破された。
 廃墟となった故郷に再び戻ったヘドウィグは、かろうじて残っていたあの教会でトミーという若い青年と出会い、とうとう“自分のカタワレ”を見つける。ヘドウィグはトミーに音楽を教え、彼にノーシス(ギリシア語で知識)という名前を与えた。でもトミーはヘドウィグの股間の“怒りの1インチ(切り取られず残った男性器の一部分)”に触れて、ヘドウィグが放射能被ばくによる後遺症のある原発二世だと思いこみ、「ごめん、僕、無理だ」と言って彼のもとを去る。その後トミーはヘドウィグの楽曲を歌い、大スターになった。ヘドウィグの今のパートナーは同じく原発二世で男性器も女性器もないイツァーク。ヘドウィグは「今27歳だけど、自分の命はもう長くないのかも」という思いも抱きながら、ライブ・パフォーマンスを行っている。ヘドウィグは愛も恩も忘れてしまったトミーに恨みごとをつぶやくが、実のところトミーは…。

 開幕前から、舞台奥の壁面には原発事故関連の新聞記事の映像が映されていました。そして登場したミュージシャンは皆ガスマスクをつけていました。この時点で、どうしよもなく悲しくなって泣きそうになってしまいました。演出の大根仁さんはテレビや映画などでご活躍の映像作家であり演出家です。大根さんは昨年3月の震災以来、言いたいことが言えない状態にずいぶんと苦しまれたのではないか、その怒りや悔しさをこの作品にぶつけたのではないかと想像したからです。大根監督はじめ、この公演にかかわっている方々はきっと原作をとてもリスペクトされているはずです。それでも翻案せずにいられなかったのだろうと勝手に想像し、ヘドウィグが登場する前に「どんな演出にもうろたえない」と腹を決めました。

 森山さんは最後にトミー・ノーシスとなって登場し、歌います。トミー自身としても、大人気ロックスターのパフォーマンスとしても観られたし、ヘドウィグとトミーが一体となった奇跡を体現しているとも受け取れました。今までに観た中では最高のトミーでした。

 イツァーク役の後藤まりこさんのプロフィールには「大阪府生まれ」「セーラー服がアイコン」「パワフルでエキセントリック」「ポップ&キュート」などの言葉が。たしかにそんな感じでした。なんとセリフも大阪弁でしゃべってました。イツァークの人物像からはかなり離れた方ですね。後藤さんが何かするごとに森山さんが立ち上げたた劇世界がすっかり消え去り、その都度、私は落胆しました。だから後半はなるべく気にかけないよう努めました。後藤さんは歌手として人気があるのかもしれませんが、イツァーク役には演技のできる方をキャスティングしてもらいたいです。

 ステージごとにバンドとの即興のセッションがあるようで、私が観た回は、「垂直に立てられたベッドに両手両足をくくりつけられたヘドウィグが、裸にネクタイ&赤ふんどしの小沢一郎さんと…」という濃厚すぎるネタでした(笑)。
 スタンディングエリアは大盛り上がりで、森山さんが手を上げる観客たちの中に飛びこんだりも。カーテンコールの曲は「マイウェイ」でした。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]
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≪東京、大阪、愛知、福岡、東京≫
出演:森山未來 後藤まりこ バンド:岩崎太整 MAKO-T JUON(FUZZY CONTROL) 木島"MAX"靖夫 フルタナオキ 阿部徹 a.k.a.SANTA 永友聖也
作:ジョン・キャメロン・ミッチェル  作詞・作曲:スティーブン・トラスク 上演台本・演出:大根仁 訳詞:スガシカオ 音楽監督:岩崎太整 照明:久保良明 音響:松山岳 映像:奥秀太郎 衣装:杉山まゆみ ヘアメイク:宮内宏明 舞台監督:齋藤英明 演出助手:長町多寿子 宣伝デザイナー:森諭・清水尚樹(easeback) 宣伝衣装:杉山まゆみ 宣伝ヘアメイク:沓掛倫雄 宣伝カメラマン:大橋仁 プロデューサー:村田篤史 制作:神戸丈志 制作協力:クオーレ 宣伝:ELECTRO89 協力:有限会社植田屋染工場 主催:ニッポン放送/WOWOW
【休演日】9/3 【発売日】2012/05/26 全席指定7,800円(+1ドリンク500円)/フロントスタンディング4,800円(+1ドリンク500円、整理番号付)
http://www.hedwig2012.jp/

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Posted by shinobu at 20:29 | TrackBack

2012年09月07日

日穏-bion-『かわたれの空』08/29-09/04シアター風姿花伝

 日穏-bion-(ビオン)は岩瀬晶子さんがプロデュースを手がける演劇ユニット。岩瀬さんは女優としてだけでなく脚本家、アナウンサーとしても活動されています。上演時間は約1時間40分。

 「夏に戦争を題材にした作品を鑑賞する」という日本の習慣は、ずっと守っていっていいだろうと私は思っています。今年は朗読劇『少年口伝隊一九四五』が上演されないので、私にはいい機会だったかもしれません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『かわたれの空
 レビューは記録程度です。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 昭和27年夏、日本が戦後初めて参加したヘルシンキオリンピックが行われている頃・・・。
 港の見える町の一角にたたずむ飲み屋には、毎日のように近所の住民が集まってきては一杯酒を酌み交わして帰っていく。
 そんなある日のこと、一人の傷を負った男が店に運び込まれてくる。彼は9年前にその町から出征し、戦死したと思われていた男だった。彼の生還に沸く家族や住民たち。
 しかし、彼にはその町で過ごした記憶が全くなかった・・・
 ≪ここまで≫ 
 
 戦争によって理不尽に奪われる市井の人々のささやかな幸せ。
 選曲含め演出は私好みではなかったです。演出家も出演者も、登場人物1人ひとりに思い入れがあるのだと思いますが、会話の中に不要な間(ま)が多かったように思います。

 岩瀬さんが演じたのは記憶を失った元兵士の妻役。キリっとした聞きやすい発語をされながら、ふんわりと膨らみがあるきれいな声でした。さすがはアナウンサーだと思いました。

 ここからネタバレします。
 
 「かわたれ」とは朝焼け前あたりの時刻のこと。「たそがれ」の反対だそうです。

第3回公演
出演:山田将之、岩瀬晶子、田辺日太、大原研二、内田晴子、深津哲也、田村幸士、市村尚子、木村龍太、玉代勢圭司、亀岡園子、たんじだいご
企画・脚本:岩瀬晶子 演出:たんじだいご 照明:大村真一 音響:平井隆史(末広寿司) 舞台美術:吉野章弘 舞台監督:村信保 制作:遠藤いづみ(TEAM♯BISCO) 宣伝美術:田村幸士 題字:岩瀬敦子
【発売日】2012/07/01 前売り3,500円 当日3,800円(日時指定・全席自由)  8月29日(水)7時半&31日(金)2時 割引3,300円 ペアチケット 2枚1組6,500円 学生割引 2,800円
http://bion.jp/?page_id=46

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:37 | TrackBack

ワタナベエンターテインメント・Dステ11th『クールの誕生』09/04-10紀伊國屋ホール

 稽古場レポートを書かせていただいた『クールの誕生』東京公演初日を拝見。上演時間は約2時間10分(途中休憩なし)。D-BOYS舞台公演の過去レビュー⇒

 D-BOYSファンの若い女性の笑い声と、大人の男性客の笑い声が響きました。老若男女問わず楽しめる娯楽作だと思います。1960年代のお話ですが、現役サラリーマンへのメッセージも込められています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『クールの誕生

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 明日への夢があふれていた1960年代・・。裏銀座にある弱小商社「東京堂物産」の社員たちは、来年に控えた東京オリンピック用のグッズ販売の権利を得ようと必死だった。隣接するグランドキャバレー「COOL」で、あの手この手で取引先を接待するのだ。若手社員・岡田清(牧田哲也)と安達裕人(三上真史)もそんな狂騒に巻き込まれる。二人は伝説のサラリーマン・塙(柳浩太郎)に導かれるようにたくましく成長してゆくが、やがて派閥争いに巻き込まれ、ホステス・美枝子(三鴨絵里子)を巡る恋に翻弄され、同期の友情にひびが入る。そして訪れる東京堂物産の危機に、二人はもう一度手を取り合って立ち向かうことになるのだが・・。
 ジャズ、キャバレー、接待・・60年代の風俗の中で、時流に流されながらも夢とプライドを持ちながら生きようとするサラリーマンたちの姿を、おまぬけに、エネルギッシュに描きます。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 キャバレーに勤めるボーイ(堀井新太)が東京堂物産の情報をライバル会社にリークし、その会社の社員になっていたなんて。苦味があっていいですね。
 中堅社員の矢部(鈴木裕樹)は恋人のホステス(三鴨絵里子)を連れ出して、会社を辞めてしまいます。会社のルールを破りそうにない人物が、全く予想外の大胆な行動に出てしまうことの衝撃って大きいんですよね。稽古場で演出家が指摘されていたことが改善されていました。

 幻のサラリーマンを演じた柳浩太郎さんの予想できない動きが、強烈なナンセンスギャグを生むのが面白かったです。最後の場面で旅行鞄を床に放り出したのには、声を上げて笑っちゃいました(笑)。カルピスの瓶に直接水を入れて飲むのもか可笑しかったな~。ひょうひょうと独自の美学を披露していくキャラクターがぴったりでした。

 ≪終演後のトーク≫
 出演(左から):牧田哲也 鈴木聡(脚本) 山田悠介

 脚本の鈴木さんが書籍「社畜のススメ」(藤本篤志)に言及されました。私自身も過剰な個性重視の風潮には疑問があるので、生き生きと働いている会社員を描く『クールの誕生』は爽快でした。

社畜のススメ (新潮新書)
藤本 篤志
新潮社
売り上げランキング: 10459

出演:柳浩太郎、鈴木裕樹、加治将樹、牧田哲也、三上真史、山田悠介、堀井新太(以上D-BOYS・順不同)/ 三鴨絵里子、俵木藤汰、弘中麻紀、永井秀樹
脚本:鈴木聡 演出:山田和也 音楽:川崎晴美 美術:二村周作 照明:佐藤公穂 音響:長野朋美 衣裳:木村猛志(衣匠也) 演出助手:相田剛志 舞台監督:堀吉行(DDR) 宣伝美術:タカハシデザイン室 宣伝写真:西村淳 宣伝衣裳:牧野iwao純子(ダダグラム) 宣伝ヘアメイク:糸川智文 協力:藤本篤志 宣伝:大澤剛 票券:上野正人 制作:水島智代 佐藤みのり プロデューサー:渡部隆 総合プロデューサー:渡辺ミキ
【一般発売】7月7日(土)午前10時~【料金】7,000円(税込/全席指定/未就学児童入場不可)
※D-BOYS STAGEは11thよりDステになりました。
http://www.dstage.jp/cool/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:51 | TrackBack

マルハンクラブ『父を葬る』09/05-09劇場MOMO

 新国立劇場『温室』での怪演に魅せられ、半海一晃さん演出の舞台を観に行くことにしました。脚本は石原燃さん。石原さんのことは日本劇作家協会「月いちリーディング」でお見かけしていました。

 劇場MOMOに行ったのって、ものすごく久しぶり。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『父を葬る

 ≪あらすじ≫
 25年会っていなかった父親の遺骨を受け取った。納骨したのに成仏してくれない。
 ≪ここまで≫

 1人暮らしの女性の部屋に父親の幽霊が出てくるお芝居といえば、井上ひさしさんの『父と暮せば』。現代、というより、まさに今の日本に置き換えたようなお話になっていました。

 父親役の二瓶鮫一さんがすっごくキュートでした。どんなに大声で怒鳴っても可愛らしいのって凄い。

 ここからネタバレします。

 父親は母親と娘を棄てて日雇労働者になっており、酒場で友達(半海一晃)に殴られて死亡。母親はガンで既に亡くなっており、娘は高校は卒業したものの母親の看病と仕事に追われ、友達もできないまま孤独に生きてきました。娘の職業はスーパーのレジ打ちのパート職員。重労働なのに薄給で、クビが怖いから上司には何も文句が言えません。

 父親がばけて出てきたのは、娘が放火をするのを止めさせたかったから。そして娘と楽しく飲みたかったからなのかな。両方を叶えたから成仏したのだと思いました。

マルハンクラブ番外公演
出演:近藤佑子(三条会)、二瓶鮫一、半海一晃
作:石原燃 演出:半海一晃 美術:大津英輔 照明:宮野和夫 音響:坂口野花 舞台監督:伊藤新 松下清水+鴉屋 宣伝美術:春口浩一郎(スフィア) 制作協力:ぷれいす
一般発売:2012年7月30日[月] (全席指定、税込) 4,000円
http://www.place-net.co.jp/maruhan.html


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Posted by shinobu at 13:53 | TrackBack

日本劇作家協会『戯曲朗読研究会・月いちリーディング』06/30座・高円寺の地下稽古場2

 日本劇作家協会の『戯曲朗読研究会・月いちリーディング』に初参加してきました。採り上げられた戯曲は鈴木アツトさんの新作『グローバル・ベイビー・ファクトリー―Global Baby Factory』。

 朗読といってもただ読むだけではなく、しっかり演技もしてくださいます。無料イベントで継続開催されているので、お客様には常連さんが多いようですね。⇒今月は9月29日

 ⇒CoRich舞台芸術!『月いちリーディング/12年6月

 『グローバル・ベイビー・ファクトリー』の題材はその名のとおり“赤ちゃん工場”。妊娠できない日本人女性がインド人女性に代理母になってもらうのですが…というお話です。代理母だけでなく色んな社会問題を織り込んだ面白い戯曲で、実際の上演に興味が湧きました。

 自作が朗読され、その場で講評されるのは、まな板の上の鯉になった気分なのではないでしょうか。立候補する劇作家さんには相当の勇気が必要だと思います。

【出演】赤澤ムック(黒色綺譚カナリア派) IKKAN(テアトルエコー/オフィス怪人社/ツラヌキ怪賊団) おーみまみ(アズリードカンパニー) 枝元萌(ハイリンド) 帯金ゆかり 坂本鈴(劇団だるめしあん) 重田千穂子 西田夏奈子 宮本奈津実(味わい堂々) 矢内文章(アトリエ・センターフォワード) 丸尾聡
【コーディネイター】丸尾聡 (世の中と演劇するオフィスプロジェクトM) 【ファシリテイター】山田裕幸 (ユニークポイント) 【今月の劇作家】永井愛 (二兎社) 【ゲスト】谷賢一 (DULL-COLORED POP) 【劇作家協会リーディング部】長谷基弘 石原燃 篠原久美子 谷賢一 中津留章仁 夏井孝裕 丸尾聡 山田裕幸
無料。要予約。
http://www.jpwa.org/main/activity/reading-workshop

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Posted by shinobu at 13:48 | TrackBack

2012年09月04日

東京芸術劇場『東京福袋(9月3日)』09/02-09東京芸術劇場シアターウエスト

 東京芸術劇場のリニューアルを記念したショーケースの1週間。『東京福袋』のどの回も一回コッキリのパフォーマンスです。私は9月3日に伺いました。出演は劇団コープス、珍しいキノコ舞踊団、柿喰う客、東京デスロック(上演順)。上演時間は途中休憩を含んで2時間強。

 コープスは『ひつじ』を上演しているカナダの劇団です。そういえば今日だけ『ひつじ』は休演でしたね。東京デスロックにはSPAC芸術総監督の宮城聰さんが出演!お話を聞けて本当に幸運でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『東京福袋

 ここからネタバレします。メモしたことの正確さは保障できません。ごめんなさい。

●劇団コープス(CORPUS)
 Performers: Micheal Caldwell, David Danzon, Akina Johnson, Keiko Ninomiya and Matt O'Connor Original concept and choreography: Sylvie Bouchard and David Danzon Directed by David Danzon  ツアーマネジャー:さくら こりん 舞台監督:夏目雅也 協力:カナダ大使館

 演目は作年も観た『飛行隊(A Flock Of Flyers)』でした。うまいな~。キャプテン・フィーフィーとして飛行隊の一員になった男性、ありがとうございました!
 日本語訳が変わってましたね。「カナダには飛行機はない。でも飛んでみせる!」

●珍しいキノコ舞踊団『珍しいキノコダンス』
 出演:山田郷美 篠崎芽美、茶木真由美、梶原未由、伊藤千枝 振付・構成・演出:伊藤千枝 演出補:小山洋子

 とっても久しぶりに拝見。皆さん、すごく筋肉質になられたような!長年活動されてますものね。
 最初は衣裳も選曲も含め可愛らしいなと思っていたのですが、徐々に音楽に当て振りをしてるように見えてきて退屈に。篠崎芽美さん(青い上着に幅広パンツの衣裳)は踊って踊って、あたたまってくればくるほど、表情も体も美しくなっていくようでした。終盤は彼女ばかり見ていたように思います。

 ≪休憩≫

●柿喰う客『いまさらキスシーン』 ⇒過去レビュー
 出演:玉置玲央 作・演出:中屋敷法仁

 初演よりずっとグレードアップしてました~。面白かった~。女子高生を男性が演じる時点でフィクションなので、ストーリーが急進展したり驚くほど過激になっても、観客が即座に想像力を働かせて一緒に飛んでいけるんですよね。
 超絶早口やジャンプなど、玉置さんの身体能力の高さに魅せられました。一人語りで世界を立ちあげて行く演劇の力も感じさせてくれて、観客が言葉の意味を咀嚼して、笑ったり考えたりする時間的な余裕も与えてくれたのが嬉しかったです。玉置さんと一緒に演劇を味わえた実感がありました。
 ある事件が起きた瞬間に暗転(?)して、じわーーーーーーっと、かすかに明るくなっていく照明が良かったです。舞台中央の玉置さんがうっすらと残像のよう見え続けました。

●東京デスロック『Counseling カウンセリング』
 出演:宮城聰(SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督) 多田淳之介(東京デスロック主宰/富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督) 制作:服部悦子 演出助手:橋本清

 埼玉の公共劇場の芸術監督(多田淳之介)と静岡の公共劇場の芸術監督(宮城聰)が、東京の公共劇場のリニューアル企画に出演し、東京での芸術活動についてトーク。
 キラリ☆ふじみで芸術監督として働きながら、国内の東京以外の地域および海外で劇団公演を行ってきた多田さんは、来年に東京公演を再開させます。東京で演劇を上演することについて今、多田さんが思っていることをお話しされ、それに対して(カウンセラーとして)宮城さんがご自身の考えを述べられました。あ~ものすごくスッキリ!さすがは宮城さん。心洗われる思いがしました。私もカウンセリングを受けちゃった♪

 宮城「村落共同体の演劇と都市の演劇は似て非なるもの。村落共同体の演劇は、演者も観客も、そこにいる人が“同じ”であることを確認するもの。都市の演劇はギリシア時代からすでにあったと思う。価値観の違う人がいる都市で(もしかすると家庭内でも)、人々がひとつの芝居を見ると、反応は色々になる。その場にいろんな奴がいるのが面白い、というのが都市の祭り。その場にいる人たちがそれぞれに違う価値観を持っていることを楽しんじゃおうというテクニック、仕掛け。いわば高度な芸術。
 ところが矛盾がある。ク・ナウカ時代から前衛だったり先端的といわれる舞台を作ってきた結果、劇場には“先端的な演劇を観るのが好き”な人が集まるようになった。だから価値観がそれほど違わない。客席にいるのは世界的に見れば極めて恵まれた、極めて少ない数の人たち。それってどうなんだろう。東京にはさまざまな人が集まっているはずなのに、地方の方がお客さんが多様。」
 多田「都市部だと同じような思考を持つ人が集まる傾向がある。色んな地域に行ったが、京都、神戸などもそう。」

 宮城「観客が自分の表現を縛ると考えるのは虚妄。私の経験上、自分の芝居は変わらない。どこに住んでもつくるものは変わらない。静岡でつくっても“静岡ならでは”にはならない。どこにいてもそこが自分のふるさととは思えないのがアーティスト。作品をつくることは、自分のふるさとを殺していくこと。」

 宮城「ものをつくることで、行った場所を面白くできればと思う。東京でやることで(批評される際に)座標軸の中に位置づけされたくないという気持ちはあった。今考えると、東京をもっと面白くできるなら(やっても良かった)。ある場所を人が行きたい場所にすることに、アーティストとして少しでも寄与できるなら。東京で公演をすることを、僕はことさらに避けなくてもいいと思ってる。」

 宮城「静岡に住んで初めてわかったことがあって。静岡は東京に比べて総じて豊か。たとえば住む家の広さとか。でも変な人が暮らしづらいんです。変な人が居づらくなっている。東京は変な人、居放題。東京以外でも変な人がいられるようにすること(に寄与したい)。でないと今は人材の一極集中です。昔はインフラの一極集中と言われた。それが情報の一極集中となり、人材の一極集中に。今はインターネットがあるから情報の一極集中は緩和されたけれど、人材は?(まだ東京に集中してる) あらゆる地域が色んな人が住める場所になることの役に立ちたい。」

 宮城「東京は日本の中では“面白い”“行ってみたい”場所だけど、アジアの中ではどう?ちょっとヤバイんじゃない?アジアの他の国から“あそこなら自分もいられる”と思われているか?」
 多田「そうですね、ソウルとかのほうが面白そう。」
 宮城「上海やシンガポールもね。東京のアーティストはもっとがんばらないと。」

 宮城「東京でク・ナウカで活動をしている時から、一年の半分は海外で公演をすることを目標にしていて、それは達成してた。2つ理由があって、まず演劇という前提がない人たちに作品を見てもらいたかった。芸術のポジションが確立していない場所(国や地域)は、世界にはまだまだいっぱいあるんです。僕の作品は東京では先鋭的だと言われるものだったけれど、たとえば敦煌だと大衆演劇というか、ホテルの宴会場でやるような作品だったんです(笑)。そうやって、自分が固まらなくて済むように。変わっていく契機を与えたかった。」


東京芸術劇場リニューアル記念
【発売日】2012/07/28 一般 前売3,000円/当日3,500円 高校生割引 1,000円
<パフォーマンス>袋
9月2日(日)17:00 昨日の祝賀会、酒井幸菜、鉄割アルバトロスケット、中野成樹+フランケンズ
9月3日(月)19:00 柿喰う客、劇団コープス(カナダ)、東京デスロック、珍しいキノコ舞踊団
9月4日(火)19:00 アマヤドリ、表現・さわやか、冨士山アネット、モモンガ・コンプレックス
9月5日(水)19:00 近藤良平、3軒茶屋婦人会、吹越満、山田広野
9月6日(木)19:00 田上パル、範宙遊泳、モダンスイマーズ、ロロ
9月7日(金)19:00 サスペンデッズ、ジエン社、DAZZLE、はえぎわ
<リーディング>袋
9月8日(土)14:00 <「自作自演」リーディング> 前田司郎×町田康
9月8日(土)19:00 <「自作自演」リーディング> 西村賢太×本谷有希子
<演芸>袋
9月9日(日)17:00 東 京太・ゆめ子、三遊亭小遊三、春風亭小柳枝、瀧川鯉昇(50音順)
<パフォーマンス>袋:持ち時間は各団体25分。「自作自演」は30~40分ずつぐらい自作を朗読し、そのあとに対談。
芸術監督:野田秀樹 技術監督:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 舞台監督:谷澤拓巳 久保勲生 照明コーディネート:乳原一美 照明操作:小田つばさ 唐沢千弥子 崎山直子 小嶋伸一(六工房) 音響コーディネート:末廣友紀 映像:岸本智也(Luftzug) 東京芸術劇場技術スタッフ:鈴木久仁日呂 秋山佑子 志賀正 高山智弘 阿部桃子 音響:齊藤泰邦 小島慎司 プログラム・コーディネート:徳永京子 宣伝美術:柳沼博雅(GOAT) 広報:藤井満里子 小林尚美 票券:佐島めぐみ 仲田佳世 制作:前田圭蔵 中山静子(quinada) 古田佳代 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 東京都/東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)/豊島区 助成:平成24年度 文化庁 地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ
一般 前売3,000円/当日3,500円 高校生割引 1,000円 ※特典付チケット:一般3,000円(前売のみ・枚数限定・座席選択不可) ※未就学児入場不可 ※高校生割引は東京芸術劇場ボックスオフィスにて、前売のみ、一般発売より取扱い。(枚数限定・要学生証提示)
http://www.geigeki.jp/theater/006/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 01:07 | TrackBack

2012年09月02日

劇団コープス『ひつじ』09/01-05東京芸術劇場ロワー広場

 カナダから『ひつじ』が東京に来てくれるのは今年で3度目(過去レビュー⇒)。ロワー広場での放牧は2度目です(昨年は水天宮ピットでした)。上演時間30分。観覧無料。

 私は1階から地下を眺める位置で鑑賞。すっごい人数のお客様が!親子連れがとても多かったです。芸劇のホワイエの入口にドアが付いてクローズドの空間になったせいか、子供たちはじめ観客の歓声が大きく響くようになっていました。楽しそうだったな~、ひつじを追いかけて走り回ってる子供もいっぱいで♪ “毎年恒例”になってきたのかもしれませんね。

 『ひつじ』終演後すぐに、同じフロアのシアターイーストで『ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~』が始まるスケジュールになっています。合わせてどうぞ!

20120901_les_moutons.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『ひつじ

 ここからネタバレします。

 1階にもひつじさんたちがよく来てくれて楽しかったです。オオカミの雄たけびも真横で聴けました。

東京芸術劇場リニューアル記念 TACT/FESTIVAL 2012
≪新潟、大阪、東京≫
出演:劇団コープス(カナダ)
観覧無料 ※上演時間30分
http://www.geigeki.jp/performance/theater004/theater005/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:18 | TrackBack

劇団オルケーニ『ジャンク・オペラ「ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~」』09/01-09東京芸術劇場シアターイースト

 9月1日に東京芸術劇場がリニューアルオープンしました!⇒記者発表会・内覧会の写真レポート シアターイーストで一番初めに開幕したのはハンガリーからやってきた劇団オルケーニの親子向け音楽劇です。上演時間は約1時間40分(途中休憩を含む)。ハンガリー語上演・日本語字幕つき。

 舞台写真がかなり刺激的なので覚悟はしてましたが(笑)、やはり実際に観るとキョーレツ!幕開けからガツンとブラック!!でもユーモラスで愛らしいので、お子様も大丈夫です(ただし親御さんの付き添いは必要かと)。役者さんも上手いし、舞台下のピットで生演奏もあってとても贅沢でした。赤い緞帳もあるので『チェーホフ?!』を思い出しました。

 ※開演前に『ひつじ』が無料で観られます!ぜひ合わせてどうぞ♪

【舞台写真 photos by Eszter Gordon】
20120901_SHP1.jpg

 ⇒公式サイトに舞台動画・解説あり
 ⇒ぴあ「大人も子供も喜ぶ怖くて愉快な音楽劇『ショックヘッド・ピーター』ハンガリー版が来日
 ⇒CoRich舞台芸術!『ジャンク・オペラ「ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~」

 原作は1845年に書かれたドイツの絵本で、1998年にミュージカルになってロンドンで初演されました。2009年にハンガリーの劇団オルケーニが翻案・演出した新バージョンが、今回の来日作品です。演出はアシェル・タマーシュさん。

 ロポス博士(ガールフィ・ラースロー)なる人物が、「純真そうでいて本当は必ず悪心を持っている子供という生き物」について、解説をしていきます。悪ガキの自業自得による最期、親による虐待死など、子供1人ずつのエピソード紹介をするごとに、赤い幕が閉じるオムニバス形式。ロポス博士役のガールフィさんはほぼ出ずっぱりで、細かいしぐさなども作り込んでらして素晴らしかったです。

 スプラッターホラーなストーリーなのに、あっけらかんと音楽に合わせて歌って踊るのがシュール。メイクは皆がゾンビのようにグロテスクなんだけど、メルヘンな可愛らしさがハマります。少年を女性が、少女を男性が演じ、性を入れ替えることで虚構性が増し、舞台上で起こる事件から距離を置いて観られたのも良かったです。「絵本」であることが舞台から感じ取れました。

 最初に残酷な表現があった時、後ろの席から「もう帰る~… (´;ω;`)」というお子様の声が聴こえたのですが、結局はご両親と一緒に最後までご覧になってました。慣れてくると、あまりに露骨で笑えてくるんですよね(笑)。大人の私は最初っから爆笑でした。だってひどいよ、ひどすぎるっ!(笑)
 でも過激でシュールな笑いばかりが目立つわけではなく、色んな教訓が読みとれるお話でした。説教くさくないからいいですね。

 初めて知ったのですが、ハンガリーでは氏名が日本と同様の並びだそうです。苗字の次が名前なんですね。ハンガリー人はアジアからヨーロッパに移動してきて、9世紀ごろから現在のカルパチアに定住をした民族だそうです(当日配布パンフレットより)。

【舞台写真 photos by Eszter Gordon】
20120901_SHP2.jpg

 ここからネタバレします。

 マッチで火遊びして自分を燃やした女の子とか、犬に乱暴して逆に咬みつかれて死んだ男の子とか、ゆびしゃぶりする赤ちゃんが指を全部切られて出血多量で死ぬとか…死にすぎ!(笑) 自分の不注意で溺死したり、空を飛んでそのまま帰ってこない子供たちもいました。親の虐待がひどかったですね。最初に父親が「この鼻は俺のものだ!」と言って息子の鼻をもぎ取ったら、次は母親が「このおでこは私に似てる!」とか言って息子のおでこを剥いでしまうのが強烈だったな~(笑)。
 
 前半は物語の進め方や、壁にたくさんドアがついた舞台美術と組み合わせたステージングなど、目新しくて工夫が凝らされた演出、演技に引き込まれたのですが、後半は遠くから眺めるような心地になり、ちょっとさびしかったですね。なぜかはわからないのですが、私個人としては、観客の方まで迫ってくるような熱量があまり感じ取れなかったせいかな~と思います。

東京芸術劇場リニューアル記念 TACT/FESTIVAL 2012 "Shockheaded Peter Good Children's Picture Book"
出演(※以外は劇団オルケーニ所属):ガールフィ・ラースロー(ロボズ博士)※ マーテー・ジョルト(コール博士) ジャブロンガ・ヨージェフ(ママ)※ チュヤ・イムレ(パパ) ビーロー・クリスタ(ピーター) フュル・アニコー(夢見がちなジョニー) サントネル・アンナ(空飛ぶロバート) ケレケシュ・エーヴァ(いじわるなフレデリック) ポガーニ・ユディット(指しゃぶりコンラッド) タカーチ・ノーラ・ディアーナ(落ち着きのないメガネのフィリップ) デブレツェニ・チャバ(拒食症のアウグスタ) フィツァ・イシュトヴァーン(マッチ好きのハリエット) 音楽監督:ダルヴァシュ・フェレンツ※
作:ジュリアン・クラウチ/フィリム・マクダーモット/タイガー・リリーズ(音楽) ハンガリー語版翻案:パルティ・ナジュ・ラヨシュ ハンガリー語版演出:アシェル・タマーシュ 劇団オルケーニ芸術監督:マーチャイ・パール 共同制作:パレス・オブ・アーツ 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
【休演日】9月3日(月)【発売日】2012/06/09 一般:4,000円 / こども(高校生以下):1,000円 / 親子セット券:4,500円(高校生以下対象) / 65歳以上:3,000円 / 25歳以下:2,500円
※65歳以上及び25歳以下割引チケットは、東京芸術劇場ボックスオフィスHPにて、前売のみ取扱い。※こども券でご入場の際に年齢の確認ができる身分証のご提示をお願いする場合がございます。※一般、こども、親子セット券は当日券を販売予定。(一般・親子セット券は前売料金に500円プラス)
※劇中に小さなお子様にとってやや怖く感じる場面がございます。就学年齢以上のお子様との同伴鑑賞をおすすめいたします。
http://www.geigeki.jp/theater/004/index.html

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Posted by shinobu at 21:26 | TrackBack

2012年09月01日

メルマガ 2012年09月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2012年9月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。

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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 99     2012.09.01  1,853部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎長い目の夏休みを満喫し、ただいま仕事に埋もれております(汗)。
  9月は気になる舞台が山盛り、てんこ盛りっ!! 
  仕事量と相談しつつマイペースの観劇を心がけます…。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→葛河思潮社『浮標(ぶい)』
       09/20-30世田谷パブリックシアター
       ≪東京、大阪、兵庫、宮城、新潟≫
       http://kuzukawa-shichosha.jp/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→コンフェティ劇団『チックタックの秘密のとびら』
       08/13-15神奈川芸術劇場・ホール(ステージオンステージ)
       ≪高知、金沢、愛知、神奈川≫
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0829224715.html

 ◆3【お薦め前売り情報 「フェスティバル/トーキョー12」】

   ◎今年で5回目を迎える「F/T12」で世界の先鋭舞台を体験!
    http://festival-tokyo.jp/

 ◆4【編集後記】

   ◎昨年に続き、高校演劇の審査員をさせていただきます。
   ◎「しのぶの演劇レビュー」facebookページ↓でブログ更新を報告中!
    http://www.facebook.com/shinobureview
    「いいね!」をクリックしてニュースフィードに混ぜてください♪

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.東京芸術劇場リニューアル記念 TACT/FESTIVAL 2012
  『ジャンク・オペラ「ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~」』
  09/01-09東京芸術劇場シアターイースト
  ☆出演:劇団オルケーニ(ハンガリー)
   演出:アシェル・タマーシュ
   一般:4,000円/こども(高校生以下):1,000円
   親子セット券:4,500円(高校生以下対象)
   65歳以上:3,000円 25歳以下:2,500円
   一般、こども、親子セット券は当日券を販売予定。
   (一般・親子セット券は前売料金に500円プラス)
    http://www.geigeki.jp/performance/theater004/
   ※ハンガリー語上演・日本語字幕つき
   公演動画、インタビュー、コラム↓
    http://www.geigeki.jp/ch/ch1/t004.html
   池袋の東京芸術劇場が約1年半ぶりにリニューアル・オープン↓します。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0811143354.html
   一番初めに幕を開けるのがハンガリー発の親子向けミュージカル。
   シュールなブラックユーモア満載で強烈なインパクトがあることは、
   舞台写真↓からも想像可能!演出家のタマーシュさんは今注目の方です。
    http://ticket-news.pia.jp/pia/news_image.do?newsCd=201208150001&imageCd=2
   『ショックヘッド…』観劇前には無料公演『ひつじ』↓が観られます!
    http://www.geigeki.jp/performance/theater004/theater005/
  ・9/1からの2ヵ月間↓、土日祝日の午後は東京芸術劇場前が大道芸広場に!
    http://www.geigeki.jp/performance/event007/


2.ワタナベエンターテインメント・Dステ11th『クールの誕生』
  09/04-10紀伊國屋ホール、09/12-17 PARCO劇場
  ≪大阪、東京2会場≫
  ☆出演:柳浩太郎、鈴木裕樹、加治将樹、牧田哲也、三上真史、山田悠介、
    堀井新太、三鴨絵里子、俵木藤汰、弘中麻紀、永井秀樹
   脚本:鈴木聡(ラッパ屋) 演出:山田和也
   7,000円 ※未就学児童入場不可。
    http://www.dstage.jp/cool/
   イケメン集団に鈴木聡さんがサラリーマン・コメディーを書き下ろし。
   演出はミュージカルでもご活躍の山田和也さんです。
   写真たっぷりの稽古場レポート↓をアップしました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0822094927.html
   演劇に馴染みのない方にもお勧めしたい作品です。
   東京公演の会場は新宿と渋谷。会社帰りにもぜひ!


3.久ヶ沢牛乳Presents『A HALF CENTURY BOY』
  09/05-09本多劇場
  ☆出演:いしのようこ、今立進(エレキコミック)、久ヶ沢徹、小宮孝泰、
    辻本耕志(フラミンゴ)、永野宗典(ヨーロッパ企画)、平田敦子
   脚本:岩井秀人(ハイバイ) 川尻恵太(sugarboy) 
      ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃) 小林賢太郎 G2
   演出:福原充則(ピチチ5)
   5,500円
    http://kugasawa.com/index.html
   俳優の久ヶ沢徹さんの生誕50周年祭りとして企画された公演。
   豪華脚本家陣によるオムニバスで、演出が福原充則さんだから爆笑必至!


4.NODA・MAP『エッグ』
  09/05-10/28東京芸術劇場プレイハウス
  ☆出演:妻夫木聡 深津絵里 仲村トオル 秋山菜津子 大倉孝二 藤井隆
   脚本・演出・出演:野田秀樹 楽曲:椎名林檎 振付:黒田育世
   S席9,500円/A席7,500円/サイドシート5,500円(25歳以下3,000円)
   高校生割引1,000円(対象公演限定、事前申込制、要学生証)
    http://www.nodamap.com/productions/egg/index.html
   野田秀樹さんの新作には妻夫木、深津、仲村という、苗字だけで
   ピンと来るスターが勢ぞろい。新生プレイハウス↓での観劇も楽しみ。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0811143354.html
   そして、楽曲:椎名林檎、振付:黒田育世、ですよっ!


5.文学座創立75周年記念『エゲリア』
  09/07-23吉祥寺シアター
  ☆出演:吉野実紗 増岡裕子 伊藤安那 大滝寛 鈴木弘秋 大場泰正
      粟野史浩 佐川和正 柳橋朋典 南拓哉 駒井健介 後田真欧
   脚本:瀬戸口郁 演出:西川信廣 演奏:後藤浩明
   一般:5500円 一般夜割:4500円(9/7,10,11夜の部のみ)
   夫婦割:9000円 ユース:3800円(25歳以下) 中・高校生:2500円
   未就学児の入場不可。
    http://www.bungakuza.com/egeria/index.html
   明治時代の画家とその妻のお話。あらすじ↓を読んで興味が湧きました。
    http://www.bungakuza.com/egeria/intro_2.html
   文学座のがっつりストレート・プレイを吉祥寺シアターの小空間で観たい。


6.シス・カンパニー『騒音歌舞伎(ロックミュージカル)「ボクの四谷怪談」』
  09/17-10/14 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:佐藤隆太、小出恵介、勝地涼、栗山千明、三浦涼介、谷村美月、
    尾上松也、麻実れい、勝村政信、瑳川哲朗、青山達三、梅沢昌代、
    市川夏江、大石継太、明星真由美、峯村リエ、新谷真弓、清家栄一、
    塚本幸男、新川將人、佐野あい、隼太、松田慎也 周本絵梨香、内田健司
   作曲:鈴木慶一 脚本:橋本治 演出:蜷川幸雄
   S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.siscompany.com/yotsuya/
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/12_yotsuya.html
   人気スターが出演する、蜷川幸雄さん演出のロックミュージカル。
   『四谷怪談』だけれども、時代は「昭和五十一年にして文政八年、
   さらに元禄十四年であり、しかも南北朝時代」だそうです。


★7.葛河思潮社『浮標(ぶい)』
  09/20-30世田谷パブリックシアター
  ≪東京、大阪、兵庫、宮城、新潟≫
  ☆出演:田中哲司、松雪泰子、長塚圭史、佐藤直子、平岳大、荻野友里、
    池谷のぶえ、大和田美帆、木村了、高部あい、赤堀雅秋、深貝大輔
   脚本:三好十郎 演出:長塚圭史
   S席/6,000円、A席/5,000円、B席/4,000円 
   U24・高校生以下/B席2,000円 ※未就学児童の入場不可。
    http://kuzukawa-shichosha.jp/
   昨年上演された長塚圭史さん演出『浮標(ぶい)』の再演です。

  ●お薦めポイント●
   『浮標』は日本近代戯曲の名作。昨年、メルマガ号外↓を発行しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0118155108.html
   舞台は戦後間もない日本。深く悩み抜く人々の感情が凝縮されていました。
   上演時間4時間弱で登場人物も多く、上演自体が珍しい作品です。
   1日1回のみで平日は14時か18時開演。土日狙いの方はお早目にご予約を!
  ※9月22日(土)14時開演の回で「再演舞台を観て語らう夕べ」を開催!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0810151703.html
    http://www.facebook.com/events/174197269381117/


8.アミューズ/プラグマックス&エンタテインメント『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』
  09/21-30本多劇場
  ☆出演:植原卓也/橋本淳/平田裕一郎/柳澤貴彦/板橋駿谷/田島ゆみか/
    瀧内公美/加藤啓/駒木根隆介/吉本菜穂子/市川しんぺー/伊藤正之
   脚本:赤堀雅秋(THE SHAMPOO HAT) 演出:河原雅彦 
   前売5,500円 当日5,800円
    http://www.pragmax.co.jp/ahounohanage/
   赤堀雅秋さんの新作戯曲を河原雅彦さんが演出。タイトルは
   「非常に愚か」という意味のことわざ。赤堀さんの前回公演↓が
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0331214251.html
   素晴らしかったので期待大。11月には赤堀さんが脚本・監督を手掛ける
   映画「その夜の侍」↓(主演:堺雅人・山田孝之) が公開されます。
    http://sonoyorunosamurai.com/ 『その夜の侍』初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1003174738.html


9.江戸糸あやつり人形 結城座『ミス・タナカ』
  09/26-30東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆出演:結城孫三郎、結城千恵、結城育子、平井航、橋本純子、結城数馬、
    岡泉名、柴田恵
   音楽・生演奏:マシュー・ドイル、トニー・ルイス、坂本弘道
   作:ジョン・ロメリル 翻訳:佐和田敬司 
   脚色・演出・人形美術デザイン:天野天街
   指定A席 6,000円 指定B席 4500円
    http://www.youkiza.jp/news/mstanaka/index.html
   少年王者館↓の天野天街さんが脚色・演出・人形美術デザイン!
    http://www.oujakan.jp/
   結城座の人形劇をこの機会に初体験したいと思います。


10.TBS『ふるあめりかに袖はぬらさじ』
  09/28-10/21赤坂ACTシアター
  ☆出演:坂東玉三郎、檀れい、松田悟志、伊藤みどり、藤堂新二、団時朗、他
   脚本:有吉佐和子 演出:齋藤雅文
   S席 ¥13,000 A席 ¥9,000
    http://www.tbs.co.jp/act/event/furuamerica/
   坂東玉三郎さんは今年、人間国宝に認定されました。
   『ふるあめりか…』はシネマ歌舞伎↓にもなっており、
    http://www.kabuki-bito.jp/news/2008/05/__photo_93.html
   玉三郎さんの同作への主演は10回目。檀れいさんとの共演も豪華。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売3000円台の気になる作品を8本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1】東京芸術劇場リニューアル記念『東京福袋』
  09/02-09東京芸術劇場シアターウエスト
  ☆<パフォーマンス>袋:持ち時間は各団体25分。
   <リーディング>袋:作家が30~40分ほど自作を朗読し、その後に対談。
   一般 前売3,000円/当日3,500円 高校生割引1,000円
    http://www.geigeki.jp/performance/theater006/
   げきぴあ:http://community.pia.jp/stage_pia/cat93/tokyofukubukuro/
   豪華な日替わりショーケース企画。私は柿喰う客、劇団コープス、
   東京デスロック、珍しいキノコ舞踊団が出る9月3日(月)に行きます♪
   コープスは『ひつじ』の劇団です。過去レビュー↓に写真あり!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0811163603.html
   ベテラン俳優ユニット、若手劇団、ダンスカンパニーなど、
   一度は観ておきたいパフォーマーが揃っていますので要チェック!


【2】落語王『清水宏のジャパニーズ・ターミネータる!
   ~こうなりゃヤッタる、アバレタる!~」
  09/03-09シアター711
  ☆出演:清水宏
   予約¥3,000/当日¥3,500 全席自由
    http://rakugo-oh.com/dp_shjt.html
   熱いコメディアンで俳優でもある清水宏さんのワンマン・ライブ。
   今年のエジンバラのフェスティバルで新聞に↓大きく掲載されました。
    http://tinyurl.com/8w5uffw
   一度は清水さんの熱に当たってみてもイイかも♪ 過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0702220112.html


【3】ONEOR8『そして母はキレイになった』
  09/08-17赤坂RED/THEATER
  ☆出演:恩田隆一、和田ひろこ、冨田直美、野本光一郎、伊藤俊輔、
    山口森広、瀧川英次、小野健太郎、保倉大朔、成田沙織、高橋惠子
   脚本・演出:田村孝裕
   前売り3800円、当日4300円
    http://oneor8.net/pg18.html
    げきぴあ:http://community.pia.jp/stage_pia/gekisusu/oneor8/
   田村孝裕さんが作・演出される劇団ONEOR8(ワンオアエイト)が
   高橋惠子さんを主演に迎えました。田村さんは昨年の岸田賞候補↓です。
    http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/award.php 過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0915164539.html


【4】柿喰う客『無差別』
  09/14-24東京芸術劇場シアターイースト
  東京芸術劇場リニューアル記念「eyes plus」
  ≪東京、福岡、大阪≫
  ☆出演:七味まゆ味、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、
      葉丸あすか、中屋敷法仁
   脚本・演出:中屋敷法仁
   アリーナ7:4,800円(前売のみ、各回限定7席) 一般:3,800円
   初日割引:3,500円 平日昼間割引:3,500円 
   乱痴気公演:3,800円(全キャストシャッフル)
   全ステージ共通割引 敬老(60歳以上)3,500円/学生2000円/
   高校生以下1000円 ≪当日料金≫各前売りより500円UP
    http://kaki-kuu-kyaku.com/
    げきぴあ:http://community.pia.jp/stage_pia/gekisusu/kaki-kuu-kyaku/
   人気劇団柿喰う客の1年半ぶりの新作長編ツアー。出演は劇団員のみ。
   作・演出の中屋敷法仁さんは外部公演でもご活躍の注目の若手です。


【5】劇団青年座『雷鳴』
  09/21-30青年座劇場
  ☆出演:永幡洋、田中耕二、家中宏、井上智之、植村喜八郎、堀部隆一、
    小豆畑雅一、石井淳、須田祐介、野沢由香里、松乃薫、麻生侑里、
    椿真由美、佐野美幸、亀井惟志、西岡創、高橋佑太朗、山脇広大、
    大野裕生、中山将志、安部由利子、大黒谷まい、玉木彩乃、安岡千夏、
    奥山智恵野、丸山朋子、友野珠江、鍋島久美子、いしばしともか、
    森田綾、加藤真美、佐藤道子、舘めぐみ
   原作:梁石日 脚本:江原吉博、高木達 演出:高木達
   日時指定 全席自由 一般3,500円 学生2,800円
    http://seinenza.com/performance/studio/113.html
   舞台は1910年代の日本統治下の朝鮮、最南端の済州島。
   小空間で33名もの俳優が、分厚い歴史劇を見せてくれるかも。


【6】座・高円寺劇場へいこう!『旅とあいつとお姫さま』
  09/25-10/07座・高円寺1
  ☆出演:高田恵篤、KONTA、楠原竜也、辻田暁、逢笠恵祐
   脚本・演出:テレーサ・ルドヴィコ
   全席自由 大人(18歳以上)3,000円 ユース(15歳以上)2,000円
   中学生以下は無料(要予約)。
   星めぐりセット券:大人4,000円、ユース3,000円
   (『ふたごの星』と『旅とあいつとお姫さま』の両方を鑑賞可能)
    http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=687
   『旅とあいつとお姫さま』は杉並区の小学生が毎年観ている作品です。
   プロの技で、大人にも子供にも演劇の魔法にかけてくれます。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1001174052.html
   ※一般公演は5ステージのみ。ご予約はお早めに!


【7】はえぎわ・MITAKA "Next" Selection 13th『ライフスタイル体操第一』
  09/28-10/08三鷹市芸術文化センター星のホール
  ☆出演:滝寛式、笠木泉、本多力、川上友里、踊り子あり、ノゾエ征爾、他
   脚本・演出:ノゾエ征爾
   前売3,300円 当日3,600円 大学生1,000円 高校生以下500円
   初日割引・平日マチネ割引、劇場会員割引などあり。
    http://www.haegiwa.net/
   岸田國士戯曲賞を受賞されたノゾエ征爾さんの劇団新作公演です。
   オーディション↓で選抜された50代以上のアンサンブル出演も楽しみ。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0618212746.html


★【8】音楽劇『ファンファーレ』
  09/28-10/14シアタートラム
  ≪東京、三重、高知、茨城≫
  ☆出演:坂本美雨、今井尋也、今村洋一、初夏、大柿友哉、北川結、
    重岡佐都子、清水久美子、名児耶ゆり、西尾大介、bable、柳瀬大輔
   脚本・演出:柴幸男(ままごと) 音楽・演出:三浦康嗣(□□□)
   振付・演出:白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)
   全席自由・日時指定  一般5,000円 プレビュー3,000円 
   高校生以下2,000円 U24 2,500円 劇場会員、区民割引などあり。
    http://fanfare-mix.com/
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/09/post_299.html
   岸田國士戯曲賞受賞作『わが星』↓のスタッフが集結する新作舞台。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0420225339.html
   『わが星』はクチコミサイトCoRich舞台芸術!の観客人気投票で、
   2009年の初演、2011年の再演ともに年間No.1↓を獲得しました。
    http://stage.corich.jp/award/2009/result.php
    http://stage.corich.jp/award/2011/result.php
   言葉、動作、歌、音楽と一体になる、みずみずしい音楽劇を期待。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を4本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》劇団コープス(カナダ)『ひつじ』
   09/01-05東京芸術劇場ロワー広場
  ☆出演:劇団コープス
    http://www.geigeki.jp/performance/theater005/
   無料 ※上演時間30分
   俳優が羊に扮するのですが、本当に動物みたいなんです!過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0814180505.html
   ※『ひつじ』終演後に『ショックヘッド・ピーター』↓が開演します。
    http://www.geigeki.jp/performance/theater004/
   リニューアルした東京芸術劇場↓にぜひ訪れてみてください♪
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0811143354.html


★《2》マームとジプシー『ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。』
  09/07-17三鷹市芸術文化センター星のホール
  ≪東京、福岡≫
  ☆出演:伊野香織、石井亮介、荻原綾、尾野島慎太朗、斎藤章子、高山玲子、
      成田亜佑美、波佐谷聡、召田実子、吉田聡子
   脚本・演出:藤田貴大
   一般ご予約:2500円/当日:3000円 高校生以下:ご予約当日券共に1000円
    http://mum-gypsy.com/next/9.php
   岸田國士戯曲賞受賞後、ほぼ毎月新作を発表してきた藤田貴大さんの
   劇場での新作長編。場所とは、時間とは、と再考させてくれる
   刺激的な体験になるのではと思います。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0603221047.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1130162831.html


《3》アマヤドリ『フリル』
  09/08-17王子小劇場
  佐藤佐吉演劇祭2012参加作品
  ☆出演:松下仁、根岸絵美、田中美甫、糸山和則、渡邉圭介、小角まや、
      伊比井香織、榊菜津美、鈴木由里、中村梨那、長瀬みなみ
   脚本・演出:広田淳一
   一般2,300円 学生2,000円 高校生以下1,000円
    http://amayadori.sub.jp/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=37099
   ひょっとこ乱舞から改名してアマヤドリになった、広田淳一さん率いる
   劇団の新作です。「佐藤佐吉演劇祭2012」のラストを飾ります。
    http://www.en-geki.com/sakichisai2012/


《4》快快(ファイファイ)『りんご』
  09/13-16神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ☆出演:天野史朗、大道寺梨乃、中林舞、野上絹代、山崎皓司、ほか
   脚本:北川陽子 演出:篠田千明
   前売 一般2,800円  学生:2,500円 当日(一般のみ)3,300円 
   U24:1400円、高校生以下:1000円、シルバー:2300円
    http://www.kafe-kaat.jp/-/faifai
    http://faifai.tv/news/faifai/1455/
   パフォーマンス集団快快(ファイファイ)の新作のテーマは「死」。
   演出家の篠田千明さんが日本での快快作品創作に携わるのは、
   これが最後になるかも。快快新作『りんご』に向けての声明文↓
    http://faifaijapan.blogspot.jp/2012/08/blog-post_19.html
   過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0129203349.html
  ・9月に9つの先鋭的な演劇やダンスがKAAT神奈川芸術劇場に集結!
   アートフェスティバル「KAFE9」(カフェナイン)特集(vol.1)↓
    http://tinyurl.com/8g2e2n8


≪ダンス≫

 ○イデビアン・クルー『涙目コーデュロイ』
  09/01-29十六夜吉田町スタジオ
  十六夜吉田町スタジオ オープニング公演
  ☆出演:斉藤美音子、中村達哉、井手茂太
   演出・振付:井手茂太
   (全席自由・日時指定)一般:3,500円 ユース(25 歳以下):2,500円 
   ペア(2 名):6,000円 
    http://izayoiyoshidamachistudio.com/ja/cycles/1/namidame-corduroy/
   横浜に新しいスタジオが誕生し、イデビアン・クルーの新作でこけら落とし。
   ダンス公演で、なんと1ヵ月のロングランです。


≪レクチャー≫

 ○『演劇と社会』SPT×ITI レクチャーシリーズ
  『世界の同時代演劇を知る!』Vol3.
  「演劇を支える社会的仕組み」
  9月13日(木)19時~21時@世田谷パブリックシアターのビル内
  ☆ゲスト:平田オリザ(劇作家・演出家、大阪大学教授)
   1,000円(当日精算・要予約)
    http://setagaya-pt.jp/workshop/2012/05/post_252.html
   劇場法↓が成立し、日本版アーツカウンシルができて、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0710153020.html
   東京版、大阪版もできるらしい現状について、専門家に聴ける機会。


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.コンフェティ劇団(カナダ・ケベック)『チックタックの秘密のとびら』
  08/13-15神奈川芸術劇場・ホール(ステージオンステージ)
  ≪高知、金沢、愛知、神奈川≫
  ☆親子向けのプロフェッショナルの無言劇。子供たちの可愛らしい
   しゃべり声が最高の音響効果でした。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0829224715.html

2.東京ドイツ文化センター『原サチコのハノーファー⇔ヒロシマ☆サロン』
  08/03ドイツ文化会館ホール(OAGホール)
  ☆ドイツ在住の女優の原サチコさんは、ハノーファーの劇場で日本の
   今を伝えるイベントを主催されています。今回はその日本版。
   これまでの成果を多数の動画とともに報告してくださいました。
   人間が1人でできることの可能性の大きさを実感できました。感謝。
   http://www.facebook.com/events/384404354946382/

3.カンパニーデラシネラ『ゲーム』
  08/19-26神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ☆年齢問わず楽しめるマイムとダンスと無言劇のパフォーマンス。
   キューっと緊張感がはりつめたり、思わずクスっと笑っちゃったり。
   ひとときも目が話せない緻密な1時間15分でした。
   http://www.kaat.jp/pf/game.html

  その他はパラドックス定数『東京裁判』、月影番外地『くじけまみれ』、
  日本劇作家協会『SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo』、
  劇団ハタンセ(韓国)『タイタス・アンドロニカス』、
  パルコ・プロデュース『三谷文楽「其礼成心中」』、
  チェルフィッチュ『女優の魂』など(順不同)。


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2012年8月(観劇数19作品)は残念ながら発行せず。

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 ◆3 【お薦め前売り情報 「フェスティバル/トーキョー12」】
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 ◎2009年から毎年開催されている「フェスティバル/トーキョー」。
  今年で5回目を迎えました。主催、公募などプログラムは多彩かつ多数!

  「フェスティバル/トーキョー12(F/T12)」
   http://festival-tokyo.jp/
  会期:2012年10月27日(土)~11月25日(日)
  会場:東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎、
     シアターグリーン、The 8th Gallery
  コンセプト↓は「ことばの彼方へ」。
   http://festival-tokyo.jp/about/concept.html

  私が注目しているのはこちらの2作品です!(上演日順)

 ○LFKs/EPIDEMIC [フランス]『たった一人の中庭』
  10月27日(土)~11月4日(日)@にしすがも創造舎
  演出:ジャン・ミシェル・ブリュイエール
   http://www.festival-tokyo.jp/program/12/lepreaud_unseul/
   *展覧形式の演劇作品です。
  2009年のアヴィニヨン・フェスティバルのレポート(岩城京子)↓
   http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20091026/104575/?rt=nocnt
  シアターガイド2010年5月号↓にも岩城さんのレポートあり。
   http://www.fujisan.co.jp/product/1281682113/b/330049/?ncp=1

 ○ポツドール [日本]『夢の城 - Castle of Dreams』
  11月15日(木)~11月25日 (日)@東京芸術劇場シアターウエスト
  作・演出:三浦大輔
   http://www.festival-tokyo.jp/program/12/castleofdreams/
   *18歳未満の方はご鑑賞いただけません。刺激の強い性描写があります。
  2006年初演レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0308220344.html
  2006年しのぶの小劇場ベスト3↓にランクイン
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1226112244.html
  ※10月25日~28日に京都公演あり↓
   http://kyoto-ex.jp/program/potudo-ru/


 ●チケット一般発売日:2012年9月15日(土)10:00~
  券種はいっぱい!公式ページ↓でじっくり吟味してください。
   http://festival-tokyo.jp/ticket/
  1作品観たら他も観たくなるのが「F/T」。F/Tパス32,000円、
  「イェリネク戯曲集」付き3演目12,000円などのセット券がオススメ!
  ネット購入にはF/Tオンラインチケットサービスへの会員登録↓が必要です。
   http://festival-tokyo.jp/ticket/flow.html
  お得な券種は売り切れますので、早めのご予約をお勧めします♪

 ・公式ツイッターをフォローしてお得な情報をGET!
  フェスティバル/トーキョー:http://twitter.com/festivaltokyo
 公募プログラム:http://twitter.com/FTram ←2代目ラムちゃん活躍なるか!?

 ・会期中の週末は誰でも参加できる「F/Tモブ」が池袋を占拠!
   http://www.festival-tokyo.jp/program/12/mob/
  「『F/Tモブ・ダンサーズ』100名大募集!」↓※9月2日応募〆切
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0808093037.html
 
 ・「F/T12 キックオフ・フォーラム」9月12日(水)夜開催
  一般参加募集中!↓※9/5正午〆切
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0829170319.html
  当日は東京芸術劇場のボックスオフィスにてチケットの先行窓口販売あり!


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎「再演舞台を観て語らう夕べ 葛河思潮社『浮標(ぶい)』」
  9月22日(土)14時開演の回に開催します。※女性の応募は〆切りました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0810151703.html


 ◎昨年に続き、高校演劇の審査員を務めさせていただきます。
  今年は東京都中央地区大会です。
   http://www.geocities.jp/tokyo_koenren/
   http://tkek.org/2012/07/chikutaikai-kaijyo2012/


 ◎京都にコレ↓を観に行きたい…!
  KYOTO EXPERIMENT 2012「KUNIO10『更地』」
  09/27-30元・立誠小学校(京都)
  ☆出演:武田暁(魚灯)、大窪人衛(イキウメ)
   脚本:太田省吾 演出:杉原邦生
    http://kyoto-ex.jp/program/kunio/
  
  北九州では『えだみつ演劇フェスティバル2012』、
   http://otegarugekijou.org/irontheater/edafes2012/index.html
  鳥取では『鳥の演劇祭5』が開催されます。9月は芸術祭の季節ですね。
   http://www.birdtheatre.org/engekisai/


 ◎「しのぶの演劇レビュー」facebookページ↓でブログ更新を報告中!
   http://www.facebook.com/shinobureview
  「いいね!」をクリックしてニュースフィードに混ぜてください♪


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
  「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html

  【NHK-BSプレミアム】9月3日(月)【2日深夜】午前0時~午前4時30分
   蓬莱竜太作の2作品を連続放送。
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
   パルコ劇場『SHOW STAGE NO.1! Triangle Vol.2 ~探し屋ジョニーヤマダ~』
    作:蓬莱竜太 演出:宮田慶子 出演:井上芳雄 新納慎也 彩乃かなみ
   モダンスイマーズ『ロマンサー~夜明峠編』
    作・演出:蓬莱竜太 出演:石田えり 千葉哲也 ほか 

  【WOWOW ライブ】9/8(土)よる9:00~
   コクーン歌舞伎『天日坊』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/101687/index.php
   原作:河竹黙阿弥 脚本:宮藤官九郎 演出・美術:串田和美 レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0728210002.html

  【WOWOW ライブ】9/12(水)よる11:00/9/29(土)よる6:45
   『オペラ座の怪人』25周年記念公演 in ロンドン
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/100320/
   ※再放送

  【WOWOW ライブ】9/22(土・祝)よる9:00~
   新国立劇場演劇『サロメ』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/101601/index.php
   作:ワイルド 訳:平野啓一郎 演出:宮本亜門 レビュー↓
     http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0625114857.html  

  【WOWOW ライブ】9/29(土)よる10:00~
   NODA・MAP『THE BEE』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/101266/index.php
   出演:宮沢りえ 池田成志 近藤良平 野田秀樹 レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0426221659.html


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2012年8月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「わが心の歌舞伎座」←俳優インタビューと名場面の数々。オススメ!
    http://www.shochiku.co.jp/kabukiza-movie/
  ・「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」←被りものだけど豪華キャスト。
    http://autb.jp/
  ・「はやぶさ 遥かなる帰還」←数々の逆境を克服した成果だったんですね。
    http://www.hayabusa2012.jp/
  ・「セイジ -陸の魚-」←カッコつけすぎの感はあるけど好きなタイプ。
    http://v.ponycanyon.co.jp/seiji/
  ・「逆転裁判」←短時間で次々に判決が。単純にストーリーが面白い。
    http://www.gyakutensaiban-movie.com/


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


 ◎ツイッターやってます!フォロワー3700人超えに感謝♪
  ⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
  観劇感想の速報もたまにつぶやきます。
  震災・原発事故関連の公式リツイートが多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/user_register.php
  メンバー登録はこちら↓
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  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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