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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2012年08月29日

森崎事務所M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、すくい上げる』08/09-26本多劇場

 前回がとっても面白かった、倉持裕さん作・演出の新作です。三宅弘城さんが演じる執事が主人公のコメディーの続編ですが、前回を観てなくても心配無用。上演時間は約2時間15分(途中休憩なし)。

 キャラで勝負するような演技をされる役者さんが前回に比べて多かったせいか、私はそれほど楽しめず。期待しすぎたのもありますね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『鎌塚氏、すくい上げる

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 『完璧なる執事』鎌塚アカシは、主人である由利松公爵の長男モトキ(田中圭)の従者として、豪華客船レッドジンジャー号に乗り込んだ。
 彼の使命は、花房家令嬢センリ(満島ひかり)とモトキの見合いをクルーズ中に成功させること。
 しかし一方、見合いを嫌がるセンリは女中のミカゲ(市川実和子)になりすまし……。
 荒れ狂う波に揺らぐ船内をアカシが走る! 飛ぶ! 激しく転倒! すぐに起きてまた走る!
 そして大海原へ――
 ≪ここまで≫ 

 豪華客船で繰り広げられる貴族と使用人たちのドタバタ・ラブコメディー。メルヘンな回り舞台で場面転換。お盆が回る音がして、気になってしまいました。

 三宅弘城さんは決めどころをきっちり決めてくださいます。お坊っちゃまキャラが壊れまくる田中圭さんがとっても良かったな~。

 ここからネタバレします。

 鳥全般が苦手なモトキ(田中圭)はカモメに怯えます。いかにも作りものとわかるカモメが下手天井部から降りてくるのが可愛い。

 鎌塚氏(三宅弘城)がメイド姿の令嬢(満島ひかり)を自室で猛指導(?)する場面で、満島さんが髪をばさばさにして椅子にふんぞり返って座ったのがかっこ良かったです。満島さんのワイルドな面がドン!と出るのが好きですね。

≪東京、大阪、愛知、島根≫
出演:三宅弘城 満島ひかり 田中圭 市川実和子 広岡由里子 玉置孝匡 今野浩喜 六角精児
脚本・演出:倉持裕 照明:笠原俊幸/美術:中根聡子/音響:高塩顕/舞台監督:田中直明/衣裳:半田悦子/ヘアメイク:大和田一美(APREA)/演出助手:則岡正昭/演出部:平石尚子、川畑信介、藤原秀明/照明オペレーター:渥美友宏、三輪弓子/美術助手:寺田真理/衣裳助手:窪田由紀/ヘアメイク助手:井草真理子(APREA)/劇中曲編曲・歌唱指導:ゲイリー芦屋/振付指導:川崎悦子 大道具:C-COM/大道具機構:TELMIC/小道具:高津映画装飾/小道具協力:京阪商会/衣裳製作:阿部朱美、佐藤美香、砂田悠香理、渡邊百桃/宣伝:吉田絵理、金井智子(る・ひまわり)/票券:サンライズプロモーション東京/制作助手:土井さや佳/制作デスク:大島さつき/制作協力:Little giants
制作&プロデューサー:大矢亜由美/宣伝美術:坂本志保/宣伝イラスト:安斎肇/宣伝写真:柴田和彦/宣伝スタイリスト:兼子潤子/宣伝ヘアメイク:大和田一美(APREA)/助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)/主催:(株)森崎事務所M&Oplays
【休演日】8/13,20【発売日】2012/06/09 前売り・当日共¥6,800(全席指定・税込み)
http://www.morisk.com/plays/kama2/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:44 | TrackBack

コンフェティ劇団『チックタックの秘密のとびら』08/13-15神奈川芸術劇場・ホール(ステージオンステージ)

 すっごく面白かった『暗いところからやってくる』に続いて、「KAATキッズ・プログラム2012」の2作目を観に行ってきました。カナダのケベック州からやってきたコンフェティ劇団の無言のパフォーマンスです。

 プロフェッショナルの技を堪能!可愛らしくて、ちょっと怖くて、人懐っこいようでいて、実は人と人との適切な距離を保っている、すごく心地よい時間でした。

 写真↓はホールの舞台上にしつらえらえたロマンティックな芝居小屋。外側は撮影OKでした。写真撮影:mao

20120814_ticktack1.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『チックタックの秘密のとびら

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。改行を一部変更。
 この夏、子供も大人も秘密のとびらをあけに行こう!
 さあ、大きな鏡の秘密のとびらをあけてごらん。
 ヘンテコな鳥、時間の歯ぐるま、
 きらきらの宇宙、ダイヤモンドのような星空、
 チックタック チックタック…
 とびらの内側で「時」の世界へのパーティがはじまるよ!
 ビジュアル・アート、音楽、演劇がミックスした、
 セリフなしでくりひろげられる、色鮮やかで、
 想像力かきたてられるインスタレーション・ショーが。
 あなたも時の旅にでかけませんか。
 チックタック チックタック…
 ≪ここまで≫

 最初の導入部分(スタッフによる前説)は少々堅苦しくて改善の余地ありでしたが、制服姿の車掌さん(?)が観客1人ずつときちんとアイコンタクトをとって(人数を数えて、背の高さを確認して)劇場に迎え入れてくれて、始まる前から気分は最高に盛り上がりました。

 時間をあらわすオブジェで装飾された通路を通って、小さな小さな劇場に入ります。舞台では四季をあらわす短編が上演されました。無言劇を観ている子供たちから、自然に言葉が出てきます。可愛らしいおしゃべりが最高の音響効果でした。

 舞台上手で打楽器などの生演奏をする男性が素晴らしかった!聴かせるだけでなく見せる(演じる)演奏が見事でした。演奏者を含め出演者はたった3人なんですが、どなたも演技がとてもうまい。ため息が出るほど。やはり子供には本物じゃないと通用しないんですね。

 ここからネタバレします。

 小さな小さな劇場に入るなり、舞台上手で楽器演奏をしているオウム(俳優のフレデリック・ラブラスールさん)に魅了されました!柿の種っぽいスナックを演奏の合間に何度もついばむのですが、かなりの量をポロポロと口から落とすんです!子供たちは「こぼしてる!」「汚ーい!」と口々に言いながら、すっごく楽しそう。俳優であり演奏者でありオウムでもあるフレデリックさんが、本当の鳥のように動くので、子供たちは面白いと思いつつも、ちょっと恐がっているようでした。好奇心と恐怖が入り混じった視線でフレデリックさんに釘付けになっている子供たちを見ているだけで、私は幸せ気分。

KAATキッズ・プログラム2012 ※上演時間:約50分 (カナダ・ケベック)
≪高知、金沢、愛知、神奈川≫
【出演】 車掌(?):クリスチャン・エシアンブル Christian Essiambre  生演奏するオウム:フレデリック・ラブラスール Frederic Labrasseur 女優:マリアンヌ・マルソー Marianne Marceau
【コンセプト・美術】クロウディ・ガニョン Claudie Gagnon 【舞台美術・衣裳・小道具】クロウディ・ガニョン Claudie Gagnon 【音楽】フレデリック・ラブラスール Frederic Labrasseur 【照明】ジョナス・ヴェロフ・ブシャール Jonas Veroff Bouchard [主催]KAAT神奈川芸術劇場(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)[協力]ケベック州政府在日事務所(ケベック州政府在日事務所開設40周年プレイベント)[後援]神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会 tvk(テレビ神奈川)
こども 1,500円(中学生以下) おとな 2,500円 おやこチケット 3,500円 <こども1枚(中学生含む)、おとな1枚>
http://www.kaat.jp/pf/ticktack.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:47 | TrackBack

【オーディション】ライズ・プロデュース『眠れない羊(仮)』出演者オーディション※9/4(火)18時〆切(メールのみ)

 空想組曲のほさかようさんが作・演出される舞台のオーディション情報です。ご興味ある男性はぜひ。詳細はプロデューサーの川田希さんのブログでご確認ください。空想組曲公演のクチコミ⇒CoRich舞台芸術!公演情報

 ●ライズ・プロデュース「眠れない羊(仮)」
  期間:2012年12月5日~9日(9ステージを予定)
  場所:中野ウエストエンドスタジオ
  脚本・演出:ほさかよう(空想組曲)
  プロデューサー:川田希・吉田隆太(Studio Life)

 ・オーディション
  開催日9月8日(土) 都内にて (書類選考通過者のみ)
  オーディション料:1,000円(当日受付にてお支払い頂きます)
 ・応募資格
  10代後半~30代くらいまでの男性
  11月上旬からの稽古、及び12月5日~9日の本番に参加出来る方
 ・応募締切:9月4日(火)午後18時まで。メールのみ。

Posted by shinobu at 17:26 | TrackBack

【情報】「F/T12 キックオフ・フォーラム」9月12日(水)夜・一般参加募集※9/5正午〆切(専用フォームあり)

 10月から開幕するF/T12(フェスティバル・トーキョー・ジュウニ)のキックオフ・フォーラムが開催されます。参加アーティストとプログラム・ディレクターらが自由に議論するトークイベントに、一般客も参加できます。詳細は公式サイトでご確認ください。

 ●フェスティバル/トーキョー「F/T12 キックオフ・フォーラム」
  会場:東京芸術劇場5F コンサートホールロビー
  日時:2012年9月12日(水)18:00~19:30 (受付開始 17:30)
  参加アーティスト(予定/五十音順):神里雄大(岡崎藝術座)、高山明(Port B)、松田正隆(マレビトの会)、三浦大輔(ポツドール)、三浦基(地点)、村川拓也、ほか
  司会:相馬千秋(プログラム・ディレクター)

  参加費:無料(事前申込・抽選制)
  応募締切:9月5日(水)正午
  ※公式サイトの専用フォームよりお申込みください。
  ※当日は東京芸術劇場のボックスオフィスにてチケットの先行窓口販売あり!

Posted by shinobu at 17:03 | TrackBack

2012年08月22日

【稽古場レポート】ワタナベエンターテインメント・Dステ11th『クールの誕生』08/20都内某所

 ワタナベエンターテインメント所属の若手俳優集団D-BOYSの新作演劇公演『クールの誕生』の稽古場に伺い、通し稽古を拝見させていただきました。過去レビュー⇒
 
 『クールの誕生』は1960年代の高度経済成長期を舞台にしたサラリーマン・コメディー。会社員の悲喜こもごもを描かせたら天下一品の、劇団ラッパ屋の鈴木聡さんによる書き下ろし戯曲です。
 演出はミュージカル界でも有名な山田和也さん。鈴木さんとのコンビは『ミュージカル「ザ・ヒットパレード」』以来なんですね。

 【稽古場写真:左端は演出の山田和也さん】
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 はつらつとしたD-BOYSの面々と技術の確かなベテラン客演陣が、約50年前の企業戦士たちの戦いっぷりを、熱く、コミカルに見せてくれます。笑いあり、ドラマあり、恋愛ありの、文句なしに楽しい娯楽作でした!健康的なお色気があるのも鈴木さんならではですね♪

 ●ワタナベエンターテインメント・Dステ11th『クールの誕生』
 【大阪公演】
  2012年8月25日~26日@森ノ宮ピロティホール
 【東京公演】
  2012年9月04日~10日@紀伊國屋ホール
  2012年9月12日~17日@PARCO劇場
  ⇒公式サイト ⇒公演公式twitter ⇒公演公式facebookページ
  ⇒CoRich舞台芸術!『クールの誕生』★チケットプレゼント実施中!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 明日への夢があふれていた1960年代・・。裏銀座にある弱小商社「東京堂物産」の社員たちは、来年に控えた東京オリンピック用のグッズ販売の権利を得ようと必死だった。隣接するグランドキャバレー「COOL」で、あの手この手で取引先を接待するのだ。若手社員・岡田清(牧田哲也)と安達裕人(三上真史)もそんな狂騒に巻き込まれる。二人は伝説のサラリーマン・塙(柳浩太郎)に導かれるようにたくましく成長してゆくが、やがて派閥争いに巻き込まれ、ホステス・美枝子(三鴨絵里子)を巡る恋に翻弄され、同期の友情にひびが入る。そして訪れる東京堂物産の危機に、二人はもう一度手を取り合って立ち向かうことになるのだが・・。
 ジャズ、キャバレー、接待・・60年代の風俗の中で、時流に流されながらも夢とプライドを持ちながら生きようとするサラリーマンたちの姿を、おまぬけに、エネルギッシュに描きます。
 ≪ここまで≫

 稽古場には11人の出演者の他、大勢のスタッフさんがスタンバイ。通し稽古の1時間前から集合して、セリフが変更になった場面の返し稽古などをされていました。本番用の食べ物などの準備を整え、いざ、通し稽古開始。音響スタッフも参加し、音楽と効果音も本番仕様です。
 
 
 【写真左から:加治将樹、三上真史、牧田哲也、俵木藤汰】
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 かっこよくスーツを着ていても、スマートに気どるばかりではありません。汗だくになって体当たりのサラリーマン・コントも披露してくださいます(笑)。
 俵木藤汰さんは若い部下たちをたばねる部長役です。相手のセリフをうまく拾うアドリブを連発されるので、共演者は笑いをこらえるのに必死のようでした(笑)。
 
 
 【写真左から:三鴨絵里子、永井秀樹、三上真史、俵木藤汰】
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 キャバレーのホステス(三鴨絵里子)に熱を上げる取引先会社の幹部(永井秀樹)を、必死で接待する弱小商社の社員たち。
 1960年代のバリバリのサラリーマンは、戦争の焼け跡から這い上がってきた企業戦士でもあります。兵士として戦った体験を語る場面ではピリっとした緊張が走り、歴史の重みを感じさせてくれます。
 
 
 【写真:牧田哲也】
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 牧田哲也さん演じる若手社員は純粋で生真面目な性格。会社への忠誠心と自分の信念との間で揺れ動きます。
 
 
 【写真:加治将樹】
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 加治将樹さんは野心に燃える中間管理職をコミカルに演じます。ワイルドで愛嬌たっぷり!
 
 
 【写真左から:俵木藤汰、柳浩太郎】
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 柳浩太郎さんは、独自の美意識を持つ、謎めいた“伝説のサラリーマン”。語り口に独特のムードがあり、空気を一変させます。
 
 
 【写真左から:加治将樹、鈴木裕樹】
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 鈴木裕樹さんは加治さんと同じ中堅社員役で、仲間でありながらも実はライバル同士。会社内の戦いも熱いのです。
 
 
 【写真左から:山田悠介、弘中麻紀】
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 山田悠介さんは、どんな苦難も笑顔で乗り切る総務の鑑、近石役。先輩社員役の弘中麻紀さんとの凸凹コンビが微笑ましい!
 
 
 【写真左から:三上真史、堀井新太】
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 堀井新太さんはキャバレーに勤めるボーイ役。三上真史さん演じる若手会社員との間に、意外な共通項が…。
 
 
 【写真左から:三上真史、山田悠介、牧田哲也】
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 斜めストライプのネクタイをして大きなフレームの眼鏡をかける、レトロな会社員ルック。同じ白いシャツを着ているからこそ、性格や言動の違いがクッキリとあらわれます。
 
 
 【写真左から:鈴木裕樹、三上真史、牧田哲也、加治将樹】
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 サラリーマン社会にも弱肉強食の厳しい現実があります。笑顔の裏には競合企業との熾烈な争いがあり、同じ部内のライバルを演技で出し抜く狡猾さも必要です。
 タイトルの「COOL」、つまり「かっこいい」って一体どういうことなのか。登場人物が決断をしていくうちに、それぞれの「COOL」が見えてきます。
 
 
 【写真左から:柳浩太郎、山田和也、鈴木裕樹】
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 通し稽古の上演時間は約2時間10分(休憩なし)。演出の山田さんは最初に「昨日に比べて見事に良くなってます。柳さん、すごく良かったですよ!」とひとこと。とても優しく、穏やかにお話をされる方でした。ダメ出しをする時は、根拠を詳しく説明してから、具体的な指示をされます。音響と演技のきっかけ、バランスなど、微調整にも余念がありません。
 
 柳さんは2003年に交通事故に遭われて以来、高次脳機能障害を持つ俳優として活動されています。障害を持つ仲間との創作活動は、作品にも、D-BOYSのチームワークにも、少なくない影響を与えているのではないでしょうか。D-BOYSの方々は気さくで人懐っこく、積極的に人に関わっていこうとする明るい行動力も魅力的です。ありのままの相手を見て、聞いて、感じとる豊かな感受性が、外向きに開かれた包容力のある柔軟さにつながっているように思います。

障害役者 ~ 走れなくても、セリフを忘れても ~
柳 浩太郎
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 美術は仮設で照明効果はなく、衣裳も本番用ではありませんでしたが、とても面白くって、手放しに楽しんでしまいました。劇場での本番はこれより面白くなることは間違いなし!演劇に馴染みのない方にもお勧めしたい作品です。会社帰りに同僚と、お休みの日にお友達、恋人と一緒に、大笑いできるお芝居を存分に堪能してください♪
 
 
出演:柳浩太郎、鈴木裕樹、加治将樹、牧田哲也、三上真史、山田悠介、堀井新太(以上D-BOYS・順不同)/ 三鴨絵里子、俵木藤汰、弘中麻紀、永井秀樹
脚本:鈴木聡 演出:山田和也 音楽:川崎晴美 美術:二村周作 照明:佐藤公穂 音響:長野朋美 衣裳:木村猛志(衣匠也) 演出助手:相田剛志 舞台監督:堀吉行(DDR) 宣伝美術:タカハシデザイン室 宣伝写真:西村淳 宣伝衣裳:牧野iwao純子(ダダグラム) 宣伝ヘアメイク:糸川智文 協力:藤本篤志 宣伝:大澤剛 票券:上野正人 制作:水島智代 佐藤みのり プロデューサー:渡部隆 総合プロデューサー:渡辺ミキ
【一般発売】7月7日(土)午前10時~【料金】7,000円(税込/全席指定/未就学児童入場不可)
※D-BOYS STAGEは11thよりDステになりました。
http://www.dstage.jp/cool/

稽古場写真撮影:mao

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:49 | TrackBack

2012年08月21日

【募集情報】アーツカウンシル東京準備機構「平成24年度アーツアカデミー調査員の募集」※9/7〆切(郵送必着)

 アーツカウンシル東京(仮称)の平成24年度中の発足にそなえ、アーツカウンシル東京準備機構のホームページが開設されています。

 同機構が、芸術文化活動の適正な評価や支援のあり方について見識を持った人材を育成する「アーツアカデミー事業」というプログラムを実施するに当たり、「アーツカデミ調査員」の募集を開始しました。

 募集人数:7名(予定)
 年齢制限:年齢20歳以上35歳位まで
 応募受付期間:平成24年8月20日(月)から同年9月7日(金)まで(必着)

 詳細および必要書類は公式サイトからダウンロードしてください。

Posted by shinobu at 15:10 | TrackBack

2012年08月19日

劇団ガプリヨツ『おやすみ、母さん』08/16-19ギャラリーLE DECO 5F

 新国立劇場演劇研修所4期生(修了生)の女優さん2人が劇団を旗揚げされました。劇団名がガプリヨツって…ロゴの絵も直球で「どすこい!」な(笑)。

 『おやすみ、母さん』は1983年度ピューリッツァー賞受賞作で、先日、白石加代子さんと中嶋朋子さんの豪華キャストで上演されていました。残念ながら見逃したので、今回観られて幸運でした。演出は新国立劇場演劇研修所アソシエイト・ディレクターの田中麻衣子さん。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『おやすみ、母さん

 ≪あらすじ≫ 
 年老いた母(斉藤まりえ)と娘(日沼さくら)が2人で暮らすアパート。母はお菓子を食べながらテレビを見ている。いつもの平穏な夜のはずだった。
 ≪ここまで≫

 女優2人のがっつり会話劇。お芝居自体も1時間30分間のお話です。戯曲をしっかり読み込んで演技を組み立てていかれたのであろう、真摯な態度が見て取れました。
 母が動、娘が静というコントラストがはっきり。娘役も感情の振れ幅をもっと大きくした方が面白いんじゃないかと思いました。

 ルデコの空間にソファやテーブルセット、台所と棚、そして沢山の食料品が並べられています。小道具が細かく揃えられているのに感心しました。

 今月、新国立劇場演劇研修所の修了生による公演を観るのは2度目です(⇒1度目)。3月に観た3期生による作品はイギリスの学生演劇フェスティバルに招聘され、いくつか賞を受賞されました(⇒新国立劇場のニュース)。修了生はいい戯曲を選ばれているのが頼もしいですし、観に行くのが楽しみです。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 母は60歳、娘は40歳。娘はてんかんの患者で、いわゆる一般の社会人のように働くことはできません。夫が出て行き、息子が非行に走り、娘は母の家に引き取られました。考えに考えた結論が自殺。娘の「今日、自殺するわ」との告白から幕が開きます。

 母は娘の自殺を止められるのか。娘は本当に自殺する気なのか。もしかすると娘は母を殺すのではないか。母を殺して自分も死ぬのではないか。最後の銃声がした後、自殺に失敗した娘がひょっこりドアを開けて出てくるのではないか…。観客は結末を知りませんから、そういったさまざまな想像ができるように、もっと激しく、小刻みに気持ちを変化させてもいいのではないかと思いました。

劇団ガプリヨツ旗揚げ公演  "Night mother"
出演:斉藤まりえ 日沼さくら
脚本:マーシャ・ノーマン 訳:酒井洋子 演出:田中麻衣子(Theatre MUIBO)  舞台監督:森下康之 音響:信澤祐介 照明:中島一  宣伝美術:杉崎壮一 制作:松永彰子
【発売日】2012/07/10 ¥2,800税込(全席指定、日時指定)
http://www.gapriyo2.com


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:13 | TrackBack

ACT commune「航跡」『セイム・タイム・ネクストイヤー』08/07-09 APOCシアター

 『セイム・タイム・ネクストイヤー』はある男女の25年間のお話。加藤健一事務所公演で拝見したことがあります。とてもいい戯曲なんですよね。今回は新国立劇場演劇研修所5期生(修了生)のお2人が出演される公演なので伺いました。

 小さな劇場での無名の俳優の二人芝居で、前売り3000円(ワンドリンク付き)は、ちょっと高い目だな~と思ったのですが、観終わった時にはそのお値段に納得でした。上演時間は約2時間30分(途中休憩10分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『セイム・タイム・ネクストイヤー

 ≪作品紹介≫ 公式ブログより一部抜粋。
 このセイムタイムネクストイヤーという作品は、とある男女が一年に一度だけ
 ある場所で会い、24年間に渡る歳月を五年ごとに二幕六場で上演します。
 ≪ここまで≫

 舞台はあるホテルの一室。中央にベッド。奥にソファ。転換時はギターの生演奏があります。

 ジョージ(梶原航)とドリス(北澤小枝子)というアメリカ人の男女の約25年間を描きますので、2人とも場面ごとに年を取り、衣裳も演技ももちろん変化します。手ごわい2人芝居ですが、最後までまったく退屈することなく観られました。その場のその気持ちに嘘がないので、言葉づらだけの、とりつくろったような演技がないのがいいんですよね。
 
 ジョージはコミカルなキャラクターが好感度大。ドリスは各場面ごとにもっと過激に変化してもいいだろうと思いました。彼女はジョージよりも波乱ぶくみの人生ですし、女性は外見(服装)の変化によって歩き方も言葉づかいも節操なく変わるんじゃないかしら。衣裳が全体的に地味だったせいもあるかもしれません。

 ここからネタバレします。

 お互いに結婚もしていて子供もいるけれど、毎年1度、同じホテルの1室で会う2人。場面は1951年、1956年、1961年、1965年、1970年、1975年という5年ごとの6場から成ります。

 それぞれの求めるもの、目指す夢が変化して、会う度にズレが生じます。正直に気持ちを確かめることから始める2人の貪欲さが唯一無二の信頼関係を築いたのだと思うと、人間のコミュニケーションに希望が持てます。
 稼ぎまくっていたジョージが金に興味を失った時、ドリスは自分の店を拡大しようとビジネスに没頭しているなど、2人のすれ違いがとても面白いです。いい戯曲ですね。また違うカップルでも観てみたいです。

梶原航プロモーション公演 "same time next year"
出演:梶原航 北澤小枝子(FMG) 生演奏:寺中名人
脚本:バーナード・スレイド 翻訳・演出:小山裕嗣(CPProject) 舞台監督:渡邊歩 照明:塩田和行 照明オペ:井上雅照 宣伝美術:三上毅 衣裳:大澤久美子 北澤小枝子 制作統括:梶原航 後援:梶原航私設応援団「オーナーサポーターズ」 主催:ACT commune「航跡」
【発売日】2012/07/07 前売り・当日共に3,000円 。ワンドリンク付
http://apoc-theater.net/?m=20120807&cat=3
http://ameblo.jp/actcommune/entry-11316211168.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年08月13日

日本劇作家協会『劇作家協会公開講座2012年夏「SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo」』08/05座・高円寺2

 東日本大震災からちょうど1年目の2012年3月11日に、アメリカ各地77か所で“SHINSAI Theaters for Japan”というリーディング企画が行われました。震災支援を目的としたチャリティー公演で、朗読されたのは日米劇作家による震災にまつわる19本の短編。

 日本劇作家協会が、同企画で上演された戯曲を(必要なものは日本語に訳して)、ほぼそのままにドラマリーディング上演をしたのが『SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo』です。第一部、第二部ともに鑑賞しました。上演時間はともに約2時間。些少ながら募金させていただきました。 

 企画事業部担当の谷賢一さんのブログ⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!『SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo

 ≪公演概要≫ PLAYNOTEより
 SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo
 2012年、3月、アメリカ。
 東日本大震災の報に触れたアメリカの演劇人たちが、互いに声をかけあって立ち上げた、短編戯曲のドラマリーディング企画があったことをご存知ですか?
 一人の俳優の呼び掛けから始まったこの企画には、アメリカの著名な劇作家のみならず、坂手洋二、鴻上尚史、平田オリザ、鈴江俊郎、岡田利規など日本の劇作家からも作品が提供されました。
 「日本の震災支援の義援金とするため、1日のみ著作権フリー」
 とされたこの作品群は、2012年3月11日、ニューヨークの主要劇場から大学の演劇部まで、アメリカ各地70ヶ所を超える場所でリーディング上演され、大きな反響を呼びました。
 まったくのボランティアで企画され上演されたこのアメリカからの「絆」に応えるため、提供された日米の劇作家の作品すべてを、日本語でドラマリーディング上演します。
 ≪ここまで≫

 まず「アメリカでこんな企画があったとは…!」と、とても驚きました。しかも77か所も!英語で上演されたものを、ほぼそのまま日本語のリーディングで再現してくださったことに感謝します。ラインアップも出演者も豪華なので、一般発売開始直後に予約しました。

 日本、震災というテーマでアメリカ人が何を発想し、何を上演すると決めたのか。そこも興味深かったですし、坂手洋二さんの戯曲を前川知大さんが演出すると、イキウメらしい日常に地続きのSFサスペンス風になるなど、演劇ファンとしてコアな楽しみ方もできました。

 第二部の最後にミュージカルの訳・演出をされた青井陽治さんが、「震災チャリティーの企画で祝祭的な作品を上演することに疑問がないわけではない」といったことをおっしゃっていて、やはり演目全てを素直に肯定できるわけではないのだとわかりました。そういうズレもあるのが国際交流なんでしょうね。私自身、共感も疑問もありました。そんな摩擦を感じ取って考える機会になって良かったです。

 この公演は被災地の演劇人の支援を目的としており、第一部、第二部ともに、朗読後に岩手と福島の演劇人のお二方(特別講師のくらもちひろゆきさん、大信ペリカンさん)が舞台上でお話をされました。聴き手は坂手洋二さん。
 あらためて、「地震が起きて津波が来たのが、たまたま自分の暮らす町だった」「福島第一原発の放射性物質が飛来してきたのが、たまたま自分の家の近くだった」だけなのだと思いました。どこに暮らしていても、演劇をしたい人が演劇を続けられるように、演劇人同士が支え合うのは尊いことだと思います。観客もその仲間に入れていただけることを嬉しく思います。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。間違っていたらすみません。

【1】第1部 15:00~

 1.『残された人』
  作・演出:鴻上尚史
  出演:長野里美、三上陽永、鴻上尚史

 震災後行方不明の夫を待っている妻。小さな息子にも話しかけるが、来訪者の男性2人にはその姿は見えない。
 家族を失ったままになっている人の気持ちを、お芝居を観ることで考える。そういう機会は何度あってもいいと思います。些細な部分なんですが、夫の部下の「海岸近くを回る営業を代わってもらったばっかりに、僕でなく先輩が行方不明になってしまった…。この話は当然、誰にも言ったことないです」というセリフが、どうにもひっかかってしまいました。だったらなぜ初対面の人に言えちゃったのかな。

 
 2.『少数の屈強な人々』
  作:ジョン・グワー 訳:小田島恒志 演出:成島秀和
  出演:片桐はづき(箱庭円舞曲)、永山智啓(elePHANTMoon)、蓮根わたる、廣瀬友美(こゆび侍)、宮崎雄真

 天皇とアメリカ軍の上官(?)が登場。アメリカ人にとって「日本と言えば昭和天皇」なのかと思うと、興味深かったです。透明ビニール傘に赤いセロハン(?)を貼って日本国旗を表現したのはいいアイデアですね。


 3.『さようならII』(抜粋) 
  作:平田オリザ 演出:谷賢一
  出演:荒井志郎(青☆組)、川村紗也(劇団競泳水着)

 若い女性型ロボットは新しい仕事を依頼される。人間が立ち入られなくなった場所で、死者を弔う詩を詠み続けること。アンドロイドが登場する必然性もあり、今を描いてもいる、とてもいい戯曲だと思いました。アンドロイドが「椰子の実」を朗読し、男性に「それ何?」と訊かれて「島崎藤村です」と答える。泣きそう。「10㎞圏内は俺たちは入れないから、君(アンドロイド)の仲間が連れていくからね」とか。泣く。
 演技も演出も丁寧で、1つの演劇作品として味わえました。私は「アンドロイド演劇」のアンドロイド(ジェミノイドとか)を見るのが苦手なので、人間の女性(川村紗也)がアンドロイドを演じていることが、さらに良かった。荒井志郎さんは電話で話すのも、ロボットに話しかけるのも、伸び伸びと自然でした。


 4.『子は人の父』
  作:フィリップ・カン・ゴタンダ 訳:吉原豊司 演出:土田英生
  出演:高阪勝之(男肉 du soleil)

 亡くなった父親についての1人語り。舞台奥の白い幕に写真や映像を映してわかりやすくしていましたが、朗読がおぼつかない印象。


 5.『北西の風』
  作:篠原久美子 演出:関根信一
  出演:伊藤めぐみ(青年劇場)、犬塚浩毅、坂東七笑(劇団だるま座)、藤あゆみ(座・コスモス)、山本悠生、吉村直(青年劇場)

 福島県の飯舘村の村民の証言集。劇作家の篠原久美子さんは飯舘村に何度も行かれています。この「SHINSAI Theaters for Japan」も、昨年3月11日にアメリカで鑑賞して来られました。


 6.『あの頃の私たちの話』
  作:リチャード・グリーンバーグ 訳/演出:谷賢一
  出演:木下祐子、渡邊亮

 登場するのは日本人とアメリカ人のハーフの男性、そして彼の母。日本人の父の故郷が被災したのだ。
 台本を載せる譜面台を俳優が移動させて、相手役との距離に変化を出すのが良かったです。


 7.『一時帰宅』
  作:坂手洋二 演出:前川知大
  出演:有川マコト、加茂杏子、川添美和、工藤佑樹丸、西山聖了、猫田直、藤井びん、安井順平

 放射線量が高いせいでずっと避難所にいた家族が、「一時帰宅」で長らく留守にしていた我が家に戻る。空き巣に入られていたり、勝手に居候をしていた人物(安井順平)がいたことがわかります。理不尽すぎてやるせない。言葉を失います。


 8.『この劇の長さはウラニウムの半減期』
  作:スーザン=ロリ・パークス 訳:常田景子 演出:河原その子
  出演:新井純、松浦佐知子、山像かおり(文学座)、

 3月11日の体験を語る女性3人。どこで地震を感じ、どうやって帰宅したかなど。なぜか決まった動作とともにその体験談を繰り返す。
 ト書きも含めて戯曲そのものが仕掛けのような面白い作品でした。


 9.『指』
  作・演出:瀬戸山美咲
  出演:つついきえ、山森信太郎(髭亀鶴)

 昨年12月の『日本の問題』で上演された2人芝居を同じキャストで朗読。2人が定位置から動かない朗読だからこそ、クスリと笑えたり、じっくりと風景や動作を想像できて胸がしめつけられたりも。ラストに2人が手を合わせるところは、実際には手を使わずに、表情や体のこわばり方で表現されていて、とても良かったです。そのままじんわりと暗転して終幕するのも。



【2】第2部 18:00~

 1.『太平洋序曲』からの2曲 (SHINSAIのための特別脚色版) 
  作詞/作曲:スティーヴン・ソンドハイム 脚本:ジョン・ワイドマン 訳/演出:青井陽治
  出演:東京藝術大学の池田泰基・尾川詩帆・瀧本真己・本多都・松原凛子・川崎龍(ピアノ伴奏)。

 「NEXT」には疑問炸裂。「さあ次だ!進め!」とそんなに朗々と歌われても…と思ってしまいました。翻訳のせいなのか、もともとそういう歌詞なのか。


 2.『はっさく』(抜粋) 
  作:石原燃 演出:小笠原響
  出演:内田龍磨・木村万里(いずれもPカンパニー)

 被災地で暮らしている女性。男性が「岡山で一緒に暮らそう」と言うが…。2人はかつての夫婦で、生まれた子供が無脳症だった。その原因はもしかしたら広島での被ばくのせい?
 「死なばもろともよ!」という女性の言葉は、ヤケになっているようでいて、実は固い信念も感じられて、部外者(=私)には何も言えなくなってしまう強さがあります。


 3.『消えたイザベル』
  作:ナオミ・イイヅカ 訳/演出:河原その子
  出演:岡田栄美、須藤翔、山像かおり(文学座)

 人力車の運転手とアメリカ人女性との昔の恋。現代の国籍の違う恋人たちにも続く。
 セリフや演技がいかにも英語の翻訳劇っぽくて、私には合わなかったです。


 4.『ゾウガメのソニックライフ』(抜粋) 
  作:岡田利規 演出:赤澤ムック
  出演:牛水里美・芝原弘・升ノゾミ・山下恵(いずれも黒色綺譚カナリア派)

 オフィスで働く日本人女性の白昼夢。電車に乗ってどこまでも。「アメリカの言いなりになってたら滅びるよ」的なつぶやきがサラリと。
 なんと役者さんが全員着物で登場!がっつり引き込まれました。中央でイスに座って口をぼんやり開けっ放しだった芝原弘さんが、主人公の女性(寝てる)だったんですね。


 5.『日本流エチケットの手引き』
  作:ダグ・ライト 訳:常田景子 演出:坂手洋二、常田景子
  出演:坂手洋二(燐光群)、常田景子

 日本人のエチケットを語る男性(坂手洋二)。その男性や周囲の人の動きを説明するト書きを、翻訳者である常田景子さんが朗読。
 「だまってにっこりコトナカレ主義」でいる内に、どんどん放射能のせいで体調が悪化していく男性。ブラックユーモアが際立つ、とても面白い短編でした。昨年はこれをアメリカ人が演じたのだから、もっとブラックだったんだろうなと想像。


 6.『ふるさとを捨てる』
  作:鈴江俊郎 演出:樋口ミユ
  出演:安達修子、小椋毅(モダンスイマーズ)、佐々木琢

 どうやら「放射能汚染された地域に住む女性に、避難するよう説得する話」だったようですが、口論(?)している人たちの演技から、どういう意味を受け取ればいいのかわからなかったです。


 7.『海の風景』
  作:エドワード・オールビー 訳:鳴海四郎 演出:鈴木聡
  出演:鈴木聡(ラッパ屋)

 普段は舞台に上がらない鈴木さんが出てこられただけでドキっとしたのですが、体力が尽きたのか眠気が…。ごめんなさい。


 8.『血の問題』
  作:坂手洋二 演出:前川知大
  出演:菊池明明、安井順平

 白衣の女性と、うつらうつらしながら座っている男性。ここは献血用の車両。やがてその男性は女性を人質にして、車内に立てこもっていることがわかります。サスペンスタッチですごく面白かったです。
 「原発の近くで働いていた」と言うなり、献血を断られた男性。車を売って遠くに旅に出ようと思っていたら、車の線量が高かったせいでディーラーに「買って引き取れ」と言われ、どんどんと悪い方向に。


 9.『水の中』 “キャロライン、オア チェインジ” より
  作詞/作曲:トニー・クシュナー、ジャニーン・テゾーリ 訳/演出:青井陽治
  出演:東京藝術大学の池田泰基・尾川詩帆・瀧本真己・本多都・松原凛子・川崎龍(ピアノ伴奏)。

 水中にいる女性と陸上の女性が語り合う歌(?)。おそらく…溺死した人の霊が、生きている友人に語りかける歌だったのかと。


 10.『危機一髪』 ミュージカル “危機一髪” より
  作曲:ジョン・カンダー 作詞:フレッド・エブ 脚本:ジョセフ・スタイン 訳/演出:青井陽治
  出演:東京藝術大学の池田泰基・尾川詩帆・瀧本真己・本多都・松原凛子・川崎龍(ピアノ伴奏)。

 日本語の文法的に違和感のある歌詞で戸惑いました。たとえば「たとえ危機一髪だったとしても~」の意味がわかりません。ミュージカルには疑問ばかり浮かんでしまいました。



【発売日】2012/07/09 5日(日)[*全席指定]【1】第一部 ¥1,000 【2】第二部 ¥1,000 【5日通し券】¥2,000 *4日のみ劇作家協会会員・杉並区民割引あり
企画事業部担当:坂手洋二 谷賢一 前川知大 樋口ミユ 舞台監督:川前英典 スライド:清水弥生 制作:まつながかよこ 宣伝美術:奥秋生 劇作家協会事務局:勢藤典彦 国松里香
文化庁委託事業「平成24年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」 主催:文化庁/一般社団法人 日本劇作家協会 制作:一般社団法人 日本劇作家協会 協力:座・高円寺 / NPO法人 劇場創造ネットワーク
http://www.jpwa.org/main/content/view/161/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:31 | TrackBack

2012年08月11日

【写真レポート】東京芸術劇場「リニューアル・オープン記者発表会・内覧会」08/09東京芸術劇場

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野田さんは稽古中で映像登壇

 池袋の東京芸術劇場が1年半の大規模改修を経て、来たる9月1日(土)よりリニューアル・オープンします。「リニューアル・オープン記者発表会・内覧会」にてお話を伺って参りました。

 2009年に野田秀樹芸術監督が就任して以来(関連エントリー⇒)、創造発信型の公共劇場として話題作の上演や斬新な企画を実施してきた同劇場が、ハード面からも新しく生まれ変わります。⇒facebookページも開設

 劇場全体が統一感のあるシックなゆとり空間になっていました!写真とともに、リニューアルして素敵に変身したポイントをご紹介いたします。

 【9月1日開幕】ジャンク・オペラ『ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~
 【9月1日開幕】TACT/FESTIVAL 2012・劇団コープス『ひつじ
 【9月2日開幕】東京芸術劇場リニューアル記念『東京福袋
 【9月5日開幕】NODA・MAP『エッグ』※追加席販売 2012年8月19日(日)10時~

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 ■エントランス

 まずは劇場の顔であるエントランス。以前までは開けっ放しになっていた入口に、ガラスの扉がついていました。劇場という文化施設の中に入った実感と安心感が得られて、「お芝居を観に来たぞ~!」と高揚する気持ちも早いうちから盛り上がりそう!
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 入ってすぐ右側にボックスオフィスを見つけました。写真↓左側の丸い建物です。チケットを買いやすいし、待ち合わせもしやすそうですね。
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 ★イタリアンレストランとベルギービールのお店が新規テナントに。23時まで営業。
 ★郵便局ができるそうです。記念切手が発行されます。
 ★小さなお子様がいるご家庭に朗報!保育士が常駐するキッズルームができます。
  ※生後4ヶ月から小学校入学前のお子さま(定員あり)。
 
 
 
 ■巨大なエスカレーターを壁際に移設

 【改修前】空間中央に青い巨大なエスカレーターが鎮座していました。
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 【改修後】青いエスカレーターがなくなり、新しいエスカレーターはボックスオフィスの右側から壁に沿って2段階に分かれています。神奈川芸術劇場KAATのアトリウムにちょっと似てますね。高所恐怖症気味の私でも乗れました。

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 ■プレイハウス(元・中劇場 834席、車いす7席、立ち見90席)

 ボックスオフィス左手のエスカレーターで上がると、プレイハウスのエントランスがあります。落ちついた茶系色で統一され、ロビーもシックな印象。
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 演劇専用ホールとしての音響により気を配り、より見やすい座席配置に。新しいイスの座り心地はとても良かったです。席番号が見やすい! ★女性用トイレが増設されたそうです!
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 劇場内の壁は煉瓦の隙間に打ちっぱなしのコンクリートが覗く独特のデザインです。
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 舞台の両袖には障害物が何もありません。舞台って見えないところが広いんですよね。
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 楽屋が広い!美しい!ユニットバスがついてる部屋がある!ビジネスホテルみたい…。
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 畳の部屋も!
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 ■ロワー広場

 ボックスオフィス左手のエスカレーターを降りると、オレンジ系の茶色に塗られた壁と床が広がります。エスカレーター正面にあった噴水がなくなりました!
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 床の色がそのままシアターイースト、シアターウエスト内のロビーの床へも続いています。
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 カナダからやってくる大人気の『ひつじ』は、今年もロワー広場で“放牧”されますよ~!入場無料です。お子様とぜひ!
 ※『ショックヘッド・ピーター』開演前に観られます。9月3日(月)休演。
 
 
 
 ■シアターイースト(元・小ホール1 可動式272~324席)

 以前はこんな空間でした。ステージの機構が独特だったんですね。
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 改修後、客席の段差が高くなってます!天井が低い印象もなぜか解消されていました。
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 イスに手すりがあります。かなり見やすくなって快適!
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 楽屋(舞台奥)と舞台の床の高さが同レベルになったことで、表現の幅が広がるそうです。作り手の方は一度内覧されるといいですね。
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 ■シアターウエスト(元・小ホール2 可動式195~257席)

 以前は木製のプロセニアムの枠が気になる劇場でした。段差がない席が多くて見づらかったんですよね。
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 そして今はすっきり変身。前方座席にはこれまでと同様に段差がありませんが、上下(かみしも)の数列が舞台に向かって斜めに配置されているので、視界は広がりました。
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 お隣りのシアターウエストとお揃いのイスで、こちらも快適。
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 シアターイーストもシアターウエストも、舞台裏および楽屋が広いですね~。贅沢です。
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 ■コンサートホール(元・大ホール 1999席)

 私は入ったことのなかった音楽用ホールです。エントランスのドーム型の天井画はそのまま残し、間接照明などで統一感のある印象に。
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 パイプオルガンが有名なんですよね。ステージの幅を客席方向に増設して、観客が演奏者をより親密に感じられる距離感になったそうです。
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 開場時刻を開演30分前から1時間前に繰り上がり、劇場内でよりゆったりと過ごせるようになります。バー・ラウンジもあってロビーも広いですから、いいムードの社交の場になりそう。
 
 
 
 ■ボックスオフィスの屋上は可愛らしい涙型のスペース

 コンサートホールの高さからから眺めた景色です。ガラス窓の下にベージュの床、茶色が効いていて、いい景色。
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 ボックスオフィスの屋上になんて、全く用はないのに、なぜか上りたくなってしまう(笑)。高いところにいるとなぜか勝手に気分がアガってしまう(笑)。ロワー広場、アトリウム、そしてこの高さがあって丸いスペースを、アーティストが面白く使ってくれるんじゃないでしょうか!
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 【感想】 
 築20年以上の大きな施設を改修するにあたり、建築設計の担当者が「考え方を変えることで、イメージを変える」とおっしゃっていました。テーマは「アトリウムのあり方・暖かみのある色彩・滞在したくなる空間」。劇場エントランスを閉じたこと、ボックスオフィスをすぐ目に入る場所にしたことなど、入った瞬間にコンセプトがはっきり伝わってきました。

 もとからあるものの良い部分を残し、悪い部分をなくして、新しく良いものを加える。そして来館者に「わ!変わった!!」という印象を与える。そのためには、「どんな施設にしたいか」という根本の考えを変えることから始まるんですね。保育士が常駐するキッズルームができたことなどからも、より幅広い客層に対して、劇場が窓を開いてくれているように思います。

 「劇場法にある“地域の広場”“世界への窓”となることを目指し運営していく」と劇場副館長がおっしゃっていました。国内公共ホールと連携したツアーや、海外の作品の招聘、次世代の人材育成などにも力を入れて行くそうです。今後のラインアップが楽しみですね。私自身としては、1人でではなく、家族や友人と訪れる場にできればいいなと思います。


撮影:mao

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:33 | TrackBack

ロロ『父母姉僕弟君』08/05-14王子小劇場

 三浦直之さんが作・演出される劇団ロロの新作は、佐藤佐吉演劇祭2012参加作品。上演時間は約2時間。8月13日(月)14:00に追加公演があります。
 
 ロロは来月の東京芸術劇場リニューアル記念『東京福袋』の9月6日(木)19:00に出場。次回は10月に京都のKYOTO EXPERIMENT 2012・フリンジ"PLAYdom↗"に参加されます。東京の小劇場劇団が首都圏以外の地域でツアー公演を行うことが増えていますね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『父母姉僕弟君』※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 妻とドライブ。彼女はもうすぐ死ぬんだ。
 ≪ここまで≫

 王子小劇場の劇場入り口側が舞台。ベニヤ板の表面がそのままむき出しで使われた抽象美術です。シンプルなようでいて実は仕掛けがあって、毎度のことながら、ライブの舞台ならではのサービス精神に富んでいて嬉しいです。
 ほぼ何もない空間でイスを移動させるだけで場面転換するのが、安易には映らず、絵的に美しかったのが良かったです。三浦さんの演出のセンスはどんどん洗練されてきているように思います。

 ストーリーに理路整然とした筋道はない、脈絡など重要ではないのだと気づいてから、何のためにこのような表現をしているのかと探りながら観ることになりました。
 家族は集団演技の賜物で、疑似家族の営みは、まるで野球のチームのようにポジションが決まっていてルールも明確。家族(チーム)を構成する人々のそれぞれの理想がぶつかって、すれ違って破たんします。過去、現在、未来を同時に起こし、生前、死後を現世と混在させる試みが成功していたと思います。

 脚本については、なぜここでその話題になるのか、なぜこの言葉を交わすのかという必然性があまり感じられないことがあって、2時間という上演時間は私には長かったです。いわゆるポピュラーなテレビドラマや楽曲、もしかしたら漫画や小説などから多数引用されていたようですが、残念ながら私にはわからないことが多かったです。

 役者さんでは柿喰う客の葉丸あすかさんの存在がヴィヴィッドでした。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 土に埋まっている死者も、天に昇った死者も、まだ生まれていない赤ん坊も、同じ場所に。

 死んだ妻は夫に「憶えていて」「忘れないで」と言い続けます。それに対して夫が「思い出せる限りの全てを、できる限り細かく、記述する」と答えたのには納得でした。私たちはどうしたって何でも忘れます。だから、主観が入ってしまうとはいえ、記述することが大事なんですよね。自分が死んだ後も誰かが読んで伝えてくれるかもしれない。8月なので、ちょうどこんな記事↓も。
 ⇒被爆の記憶、あなたに託す 次世代の語り部、養成中(朝日新聞)

 ペット猫になった父につけた名前が「パブリックビューイング」ってのが可笑しかった。
 "We are the world"のトボけた茶番風の合唱の中、「なんでやねん!」とつっこみ続けるが良かったです。

 終盤のクライマックスで、上下(かみしも)に設置された2つのベニヤの壁が開いて、互いに中央に向かって迫っていき、客席からすごく近い位置でぴったりと閉じて巨大な壁になりました。主人公である夫(亀島一徳)が野球用バットで板を叩き破り、死んだ妻がいる“大きな木の下”に行きます。木の根元には妻の他に数人が寝そべっていました。黄泉の国だし天国だし夢の中だし。木の前で話す男女に日本神話のイザナミとイザナギも連想。
 そういえば夫は最初から1つの場所(妻との思い出の地)を目指していました。「人は場所に染み付いている」ものなのだと思います。

佐藤佐吉演劇祭2012参加作品 vol.8
出演:亀島一徳、篠崎大悟、望月綾乃、内海正考、小橋れな、島田桃子、多賀麻美、田中佑弥(中野成樹+フランケンズ)、葉丸あすか(柿喰う客)、山田拓実
脚本・演出/三浦直之 美術/松本謙一郎 照明/工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響/池田野歩 衣裳/森本華 舞台監督/鳥養友美 演出助手/中村未希 宣伝美術/玉利樹貴 制作助手/鈴木猛丸・横井貴子 制作/坂本もも 企画製作/ロロ
【休演日】なし 一般:2800円 学生:2500(要・学生証提示) 当日:300円増し 高校生以下:1000円(要・学生証提示、一律) 平日お昼の回割り引き:各料金より300円引き リピーター割引き:1000円(要・予約、一律)
http://llo88oll.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:21 | TrackBack

2012年08月10日

【告知】再演舞台を観て語らう夕べ「葛河思潮社『浮標(ぶい)』鑑賞&夕食会」2012年9月22日(土)14時開演の回@世田谷パブリックシアター

 今年4月に初めて企画してご好評いただいた“再演舞台を観て語らう夕べ”を、再び開催いたします。⇒ご報告エントリー
 確実に面白い再演舞台を一緒に観て、お食事&お酒をいただきつつ、感想を語らう愉しい時間を過ごしたいと思っております♪

 今回選んだ再演舞台は、葛河思潮社(くずかわしちょうしゃ)の『浮標(ぶい)』。『浮標』はどなたにもお勧めしたい日本近代戯曲の名作です。上演時間が4時間弱という大作で登場人物も多いため、上演自体が珍しい戯曲でもあります。
 葛河思潮社による2011年1月初演時にはメルマガ号外を発行し、メルマガ今月号のお薦め前売り情報でもご紹介しました。
 お申込み方法などの詳細は下記をご覧ください。ご連絡をお待ちしております!

 ★再演舞台を観て語らう夕べ
  「葛河思潮社『浮標(ぶい)』鑑賞&夕食会」facebookイベントページ
  ・会場:世田谷パブリックシアター
  ・日程:9月22日(土)14時開演の回
  ・定員:約15名。8/28現在11名参加予定(高野しのぶを含む)。
    ※女性の申込は〆切りました。 ※お申込みは〆切りました(2012/09/04)。
  ・申込〆切:9月3日(月) ※定員に達し次第〆切の可能性あり。
   ⇒問い合わせフォーム

 ●明日8月11日(土)朝10時より一般発売開始!
 1日に1ステージのみの上演で、平日は14時と18時に開演。土日観劇をご希望の方には、お早めのご予約をお勧めします。
 一般S席6,000円の公演ですが、U24(18~24歳)および高校生以下ならば、B席2,000円でお求めいただけます!

  ⇒公演公式サイト ⇒公演公式twitter
  ⇒ものがたり・公演情報
  ⇒チケットぴあ「浮標」特設ページ
  ⇒青空文庫「浮標」全文読めます。
  ⇒2003年新国立劇場公演『浮標(ぶい)』公式サイト
  ⇒CoRich舞台芸術!『浮標(ぶい)

 ★A4版チラシ↓学生2000円はお得です!
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【葛河思潮社『浮標(ぶい)』初演とのご縁】

 戦前から戦後にかけて活躍した劇作家、三好十郎さんの作品に初めて出会ったのは、栗山民也さん演出の『浮標』が2003年に新国立劇場で上演された時でした(⇒レビュー)。セリフの一言ひとことにいたく感動して、その後は三好作品を追いかけて何本か拝見しました。過去レビュー⇒

 昨年、約8年振りに長塚圭史さん演出、出演による葛河思潮社の『浮標』を拝見し、現代の俳優が今、発している言葉として、1930年代を生きた日本人の言葉を味わいました。主人公の画家は強い信念と看病生活とを両立させる困難と、愛する人を失う苦しみにさいなまれ、今の私たちと同様に、芸術と経済、理想と現実の間で悩み抜きます。激しい憤り、容赦なく襲いかかる悲しみ、ふとした瞬間に訪れる無上の喜びなど、いやおうなしに発露する人間の感情が凝縮された舞台でした。

 長塚さんのインタビュー記事によると、シンプルな抽象美術で俳優が舞台上に待機する演出は継続されるようです。でも上演会場が大きくなり、12人中8人が新キャストに変わりますので、初演とは印象がかなり変わることと思います。


 ★再演舞台を観て語らう夕べ「葛河思潮社『浮標(ぶい)』鑑賞&夕食会」
  ・会場:世田谷パブリックシアター
  ・日程:2012年9月22日(土)14時開演の回
  ・定員:約15名。
  ・ご予算:S席6,000円+夕食代4500円ぐらい
  ・申込〆切:2012年9月3日(月) ※定員に達し次第〆切の可能性あり。
  ⇒facebookイベントページ


 【注意事項】
  ・初演をご覧になっている方も、いない方もご参加いただけます。
  ・未成年の方はご参加いただけません。
  ・チケット代は銀行振込みでお支払いいただきます。恐れ入りますが振込手数料もご負担ください。
  ・チケットをご自身で手配していただいても結構です。
  ・『浮標』の上演時間は約4時間弱(予定)。18時過ぎから食事をして22時ごろ解散という流れになるかと思います(未定)。


 【お申込み方法】
  下記必要事項をお問い合わせフォームより送信してください。
  ●は記載必須です。
  twitterもしくはfacebookから私まで直接ご連絡いただいても結構です。
  ※お申込み後2日経っても返信メールが来なかった場合、再度お問い合わせください。

  ●氏名(匿名不可)
  ●氏名カタカナ
  ●ご利用中のtwitterもしくはfacebookのURL(氏名と合致するもの)
    例:しのぶのtwitterfacebook
  ・CoRichメンバーの方はMyページのURL
    例:しのぶのMyページ
  ●チケットをご自身で手配される方は、その旨をお知らせください。
   私の方でご用意するのは一般S席6000円のみです。
   チケット価格帯の詳細は劇場公式サイトでご確認ください。
  ・その他、意気込み、ご希望などをつれづれなるままに。
   例:「家族同伴でもいいですか?」「お酒は飲めないけど大丈夫ですか?」など。お申込みの動機などをお聞かせ頂けると嬉しいです。
    

 【企画意図・動機】
  ・面白いお芝居を観て、同じ作品を観た人と飲みに行きたい(という、ごく個人的な動機)。
  ・再演される演目はほぼ確実に面白い(はず)なので、劇場や舞台鑑賞になじみのない方を誘って、舞台ファンを増やしたい。
  ・前回の“再演舞台を観て語らう夕べ”がとても楽しかったから、また開催したい。


≪東京、大阪、兵庫、宮城、新潟≫
出演(戯曲配役順):田中哲司 松雪泰子 佐藤直子 平岳大 荻野友里 池谷のぶえ 大和田美帆 木村了 長塚圭史 高部あい 赤堀雅秋 深貝大輔
作:三好十郎 演出:長塚圭史 美術:二村周作 照明:小川幾雄 音響:加藤温 衣裳:伊賀大介 ヘアメイク:河村陽子 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 プロデューサー:伊藤達哉 主催:ゴーチ・ブラザーズ 企画・製作:葛河思潮社
発売日:2012年8月11日(土) S席6,000円 A席5,000円 B席4,000円 U24(18~24歳)2,000円(B席) 高校生以下2,000円(B席) ※劇場友の会、区民割引などあり。 ※未就学児童の入場不可。
http://kuzukawa-shichosha.jp/
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/09/post_298.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:17 | TrackBack

2012年08月08日

パラドックス定数『東京裁判』07/31-08/12 pit北/区域

 野木萌葱さんが作・演出されるパラドックス定数の代表作の再々演です(⇒初演レビュー再演レビュー)。タイトルどおり、ずばり東京裁判とはどんな裁判だったのかを、男たちの会話劇で教えてくれます。ご覧になったことにない方はぜひ。上演時間は約1時間50分。

 初演は「CoRich舞台芸術アワード!2007」のグランプリに選ばれています。再演時にはメルマガ号外を発行しました。今回の公演は、きたく子ども劇場中高生部例会に選ばれています。

 初演、再演そして再々演の3度とも同じ劇場にこだわった作品です。1Fは通常席、2Fは傍聴席となっています(料金は同じ)。傍聴席は天井側から出演者を俯瞰できる特別な席です(枚数限定)。チラシ表面がちょうど俯瞰した時の舞台写真になっています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『東京裁判

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。改行を一部変更。
 おそらくあと一時間もすれば、
 此処は傍聴人で溢れ返るだろう。
 煌々と照らされたその空間の片隅に、彼ら五人の席がある。
 弁護団主任弁護人。
 「人類の知る最重刑」を求刑する検察団を相手に、彼らは真っ向から勝負を挑む。
 個人の尊厳をかけた、言葉の戦い。
 1946年、東京、市ヶ谷。
 極東国際軍事裁判所本法廷。
 祭りの落とし前をつけるべく、世紀の裁判が開廷する。
 ≪ここまで≫

 脚本が改訂され、上演時間も長くなっています。演技の方法にもずいぶん変化が見られました。特にオープニングは、役者さんの表情が豊かで全体の雰囲気も変わっていて、驚くと同時に引きこまれました。

 中盤で、ある登場人物が演技とセリフでしめす意味がわからなくなり、少々長く感じましたが、終盤ではそれぞれの熱弁で東京裁判の正体を暴いてくれました。※この作品はフィクションです。
 
 ここからネタバレします。

 鵜沢(西原誠吾)が何をしたいのかがよくわからなかったです。コロコロと態度も言うことも変わるのに、その根拠が見えなくて。私が観たのは3ステージ目でしたので、今は良くなっていることと思います。

 東京裁判の正式名称は極東国際軍事裁判。日本人戦犯らの主任弁護団5名は、この裁判自体が裁判の体をなしていないことを証明しますが、全く受け入れられません。そもそも戦勝国が戦敗国を裁く不公平なものだからです。

 ヒットラーが自殺して無政府状態になってから首都を占拠されたドイツは、無条件降伏をしました。そのドイツが裁かれた裁判がニュルンベルク裁判です。戦勝国はこの東京裁判で、日本は“平和に対する罪”、“人道に対する罪”を犯したと訴えるのですが、それらはニュルンベルク裁判で生まれた罪なので、事後法です。また、日本はポツダム宣言を受諾して降伏したのでいわゆる“無条件”の降伏はしていませんから(解釈は分かれます)、ドイツと同じに扱うのも間違いです。
 戦勝国もまた“人道に対する罪”は犯しています。たとえば広島、長崎への原爆投下などがそうです。

 私は「当時の日本はドイツほど悪くない」などと言いたいわけではありません。ただ、私たちはあまりに東京裁判および戦後処理について関心がなさすぎたのではないかと思います。井上ひさしさんの「東京裁判三部作」でも学ばせていただきました。今はこの本↓を読んでいます。

東京プリズン
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赤坂 真理
河出書房新社
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パラドックス定数 第29項 東京バビロン提携公演
出演:植村宏司 西原誠吾 井内勇希 今里真 小野ゆたか
脚本・演出:野木萌葱 照明:伊藤泰行 小道具:櫻井徹 撮影:渡辺竜太 反則:副島千尋 制作部:たけいけいこ 今井由紀 提携:東京バビロン 企画製作:パラドックス定数
【発売日】2012/06/24 【先行予約】6月24日(日)0時から23時59分まで パラドックス定数公式HPにて ・1F通常席・2F傍聴席ともに、2500円 【一般予約】7月1日(日)より ・1F通常席・2F傍聴席ともに、 前売3000円、当日3200円 未就学児は入場できません
http://www.pdx-c.com/?cat=4


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:58 | TrackBack

【一般人出演者募集】フェスティバル/トーキョー「『F/Tモブ・ダンサーズ』100名大募集!」※9月2日(日)23時59分〆切(専用フォームあり)

 今年秋開催のフェスティバル/トーキョー12に「F/Tモブ・ダンサーズ」として参加してみませんか?

 ダンス経験の有無は不問。年齢制限あり(18歳以上)。事前説明会と、アーティスト(ジェローム・ベル、井手茂太、白神ももこ、KENTARO!!、小野寺修二)による事前ワークショップに参加してから、本番があります。

 本番は10月27日(土)から11月25日(日)までの毎週末。どのアーティストの振付を覚えて、どの日に出演したいかを選べます(複数応募可)。本番当日にその場を偶然通りかかった方々をリードする役割になるのでしょう。楽しそう♪

 ●「F/Tモブ・ダンサーズ」100名大募集!
  応募締切:2012年9月2日(日)23時59分
  参加費無料。本番当日の交通費支給(上限1000円)。
  詳細は公式サイトをどうぞ。

Posted by shinobu at 09:30 | TrackBack

2012年08月06日

月影番外地『くじけまみれ』08/03-12ザ・スズナリ

 劇団☆新感線の女優、高田聖子さんが自ら主宰・出演される月影番外地の第3弾(月影十番勝負から数えると13弾?)です。福原充則さんが新作を書き下ろし、木野花さんが演出されます。

 木野さんの丁寧な演出で、福原さんのセリフの1つひとつをじっくり味わえました。荒唐無稽でポエジーに満ち満ちた、赤羽のお話。小劇場らしい、小劇場ならではの、贅沢な時間でした。上演時間は約1時間50分。

 ⇒団体公式ツイッター ⇒団体公式facebook
 ⇒「ステージ・チョイス!徳永京子2012年8月オススメステージ情報
 ⇒CoRich舞台芸術!『くじけまみれ

 ≪あらすじ・作品紹介≫ エントレβより
 麻子(高田聖子)は、45歳の独身女。社長1人、社員1人の小さな会社で働いていた。
 何も起こらない日常と、社長・真壁(政岡泰志)からの執拗なプロポーズに疲れていく日々。
 そんな麻子の唯一の慰めは、声高に革命を叫ぶ青年(丸山厚人)の、深夜の海賊放送を聞くこと。
 ある日、このラジオの男と出会い、恋に落ちる!
 “そこまでしないと人を愛せない面々”の“狂っているようで純愛”が炸裂!

 若手No.1の脚本家・福原充則の脚本、高田が最も信頼する木野花の演出で、
 この夏、月影番外地がザ・スズナリを熱くします!!
 ≪あらすじ≫ 

 複数の滑車付きパネルを動かして、黒子の姿もあまり隠さずにどんどんと場面転換をします。手作り感も生かし、ガチャガチャした印象を与える美術は、具象と抽象を荒々しく組み合わせ、戯曲の世界を生き生きとビジュアル化しています。

 薄幸そのものを体現している高田聖子さんが、みるみる美しく見えてくる演技の魔法。
 丸山厚人さん(=元唐組の役者さんです)が出演されているからだけではなく、客席に向かって、てらいなく真剣に言葉を届ける役者さんたちの姿を見ていて、一瞬、唐組のお芝居の1シーンであるかのように感じました。福原さんのセリフは、唐十郎さんの書かれるセリフのように、血と涙がにじむ詩のようでした。こらえられず、ちょっと涙が流れちゃったりも。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 麻子(高田聖子)が海賊放送の主=おマントさん(丸山厚人)と初めて本当に出会う場面は、3人の男性が騎馬戦の騎馬になって高田さんをかついで運びます。いわゆる笑える演出のはずなのに、ドラマティックなラブシーンになっていました。このギャップがかっこいいです。

 自信のない麻子の性格を直すのではなく、周囲の人々を麻子のように自信を持てない状況に陥れようという、おマントさんの発想が面白いです。弱点に開き直って武器にする逆転の発想が、意外な方向へとドラマをぐんぐん推し進めていくのは、福原戯曲の魅力だと思います。

 おマントさんが最初の方にラジオ放送で語っていた、彼独特の考え方がこちら↓
 「童貞の時は夢の中で女性器はぼやけていたが、童貞じゃなくなるとリアルに見えるようになる。人間は現実を夢に反映することができるんだ。ただ、何年も経つと記憶が曖昧になり、夢がリアルで現実が夢になることもよくある。だから30年後の自分からすると、“今の自分は空を飛んでいた”という記憶が本物になることもあるんだ。」
 過去の記憶が間違った風に塗り替えられて、何度も繰り返し思い出すうちに、いつの間にか間違いが本当になってしまうことは、恥ずかしながら私自身も経験しています。人間の脳は常に正しいわけではありません。その事実から、「いま胸に抱いている途方もない夢や希望を本当にしてしまおう」という発想になるんですね。すごく面白いです。

月影番外地 その3
出演:高田聖子、丸山厚人、山本圭祐、碓井清喜、植田裕一、政岡泰志
脚本:福原充則 演出:木野花 美術:片平圭衣子 照明:宮野和夫 音響:山本能久 衣裳:伊藤早苗 演出助手:柏木俊彦 舞台監督:福澤論志、小野綾香 演出部:小宮山実郁、石塚貴恵 小道具製作:泰真祐子、下田昌克 制作:高比良理恵 北澤芙未子 プロデューサー:岩間多佳子 企画・制作:月影番外地 主催:ぴあ
【発売日】2012/06/09 前売・当日 指定席 ¥5,000(税込) 自由席ベンチシート ¥4,500(税込)
http://www.sunrisetokyo.com/schedule/details.php?id=1213

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:51 | TrackBack

2012年08月05日

ナカゴー!『黛(まゆずみ)さん、現る!』07/25-30王子小劇場

 王子小劇場が2年に一度開催している佐藤佐吉演劇祭参加作品です。王子小劇場は玉山悟芸術監督のもと、すべての利用団体を審査して選んでいる稀有な民間小劇場。フェスティバルにも独自色が出ています。

 ナカゴー!は鎌田順也さんが作・演出(出演も)される劇団で、今回が第10回公演。私の知り合いの小劇場ファンの間で話題になっていたので、初めて伺いました。

 フェスティバル開催中の看板が劇場入り口に出ています。「演劇を、着る」はケラリーノ・サンドロヴィッチさんによるキャッチコピー。

20120730_engeki_wo_kiru.JPG

 ⇒CoRich舞台芸術!『黛(まゆずみ)さん、現る!

 ≪あらすじ≫
 ある夏の日。バイト先の先輩が店の客にストーカーされているらしい。先輩の旧友らとともに、先輩の家に直接事情を聴きに行くことにした。
 ≪ここまで≫

 シュールなギャグにたまにクスリと笑えましたが、演技も上手くないですし、私には面白くなかったです。
 若い女優さんが走って暴れて、汗だくになって、ぴちぴちの頬を紅潮させているのが可愛らしかったです。

 ここからネタバレします。

 女優の檀れい役(菊池明明)が登場するのには驚きました。ビールのCMの真似をして「金麦!」とか言ってるので同姓同名の別人物ではないです。私は電車のつり革広告でしか見たことないんですけど。性格が異様に天狗でドSだった。その檀れい役が他の女性に電気あんまをかけながら、「ダンレイ!ダンレイ!」って叫ぶのは面白かったな~。もう人名じゃなくてオモシロな掛け声だもんね、「檀れい」が。

 舞台上で若者が暴れる場面がすっごく長くて大変そう。これを面白いと思えるかどうかなんでしょうね。私は、舞台上で身体を酷使することを見せ場にしているお芝居は、観たいと思わないです。

佐藤佐吉演劇祭2012参加作品 ナカゴー第10回公演
出演:鈴木潤子 髙畑遊 鎌田順也 篠原正明( 以上、ナカゴー ) 甘粕阿紗子 ( カムヰヤッセン ) 菊池明明 ( ナイロン100℃ ) 佐々木幸子 ( 野鳩 ) 墨井鯨子 ( 乞局 ) 田畑菜々子
作・演出:鎌田順也 制作:原夏希(VIATICUM) 宣伝美術・Web:tutoji 照明:井坂浩 音響:許斐祐
【発売日】2012/06/08 ( 全席自由・日時指定 ) 前売り予約2500円 当日2800円 高校生以下 無料 ( 枚数限定・予約のみ )開場は、開演の30分前。受付は、開演の60分前。
http://nakagoo.com/mayuzumi-arawaru.htm


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:49 | TrackBack

2012年08月04日

笑の内閣『非実在少女のるてちゃん』08/03-05こまばアゴラ劇場

 笑の内閣は高間響さんが作・演出(出演も)される京都の劇団です。
 『非実在少女のるてちゃん』は2010年に京都で初演され、ちょうど東京都青少年健全育成条例改正案が話題になっていた東京での公演が企画されましたが、仮契約をした劇場に「内容が反体制的だから」という理由で借りるのを断られたという逸話のある作品です。
  終演後のトークゲストがとても豪華で、明日8月5日(日)13時の回は前文部科学省副大臣の鈴木寛さん。

 「エロ漫画・エロアニメを有害だとして規制すること」で、具体的にどのようなことが起こるのかを、わかりやすく、熱弁で伝えてくれました。上演時間は約1時間55分。

 ⇒東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト
 ⇒CoRich舞台芸術!『非実在少女のるてちゃん』※こりっちでカンタン予約!(当日精算価格)

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 冷泉のるては、日々マンガの世界を脅かす敵を倒す魔法少女。今回は、漫画の神様から人間の世界に行き東京都で審議されている「青少年健全育成条例改正案」を止めてくるように命令する。
 さっそく規制派の重要人物、阿佐ヶ谷立秀高校教諭の津川道久の説得に出かけたのるて、説得に応じないと見るやすぐ魔法でこらしめようとするもなにもおこらない。実は漫画の神様はすぐ魔法に頼るのるてに言論で相手を説得する大切さを教える為に、あえて魔法が通用しない人間の世界に派遣したのだ。
 しかし、今まで魔法頼りだったのるてはどうしていいかわからない。そこに、津川から廃部を命じられた漫画研究会のメンバーがやってくる。彼らと仲良くなっていく課程で、都議会議員への陳情、同志を増やす活動をしていきだんだん反対運動は広がってゆく。そして、ついに規制派の重い腰をあげ討論会が開かれる事に。果たして、のるてと仲間たちは条例を防ぐ事が出来るのか?
 「エロ漫画を規制する」という美名の下、表現の自由を脅かす天下の悪法「青少年健全育成条例改正案」に、表現者として挑む、笑の内閣代表作。打倒石原のため、ついに再演
 ≪ここまで≫

 舞台美術はほぼなくて、空間へのこだわりはなさそうです。出演者の演技は上手ではありません。登場人物の出はけや場面転換もやっつけ仕事的な印象をぬぐえません。でも、そこが重要なお芝居ではないんだと思います。目を、耳を疑わざるを得ない、悪い意味で驚くべきことが次々と起こる今の日本を、実在の人物の発言や偉人の格言を引用しつつ、笑いで思いっきり風刺する、若さみなぎる社会派演劇といいましょうか、気概を感じられる作品でした。
 とはいえ、笑いのネタがわからないことが多かったのは残念。まぁ私の教養のなさが原因かもしれません。アニメのネタは全然と言っていいぐらいわからないからな~。

 ここからネタバレします。

 条例賛成派と反対派の対話形式で進めてくれるのがわかりやすいです。規制を増やす方が性犯罪が増えるというスウェーデンの実例があるんですね。

 条例賛成派は「子供たちを守るために、有害なマンガやアニメを禁止すべき」と主張します。「彼らの言う“子供たち”こそ非実在だ」という意見に至極納得でした。

 ゲスト出演は七味まゆ味さん。のるてちゃんを別件逮捕する警察役でした。一瞬でしたが華もあるしかっこ良かったです。

 最後は「新世紀エヴァンゲリオン」の『世界の中心でアイを叫んだけもの』になってました。これぐらいはわかりました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:坂手洋二 高間響

 坂手さんと燐光群の方々が、いま高間さんが活動している京都大学内の劇場(古い講堂や食堂)を、お掃除したり修理したりして、使えるようにしたという経緯があるそうです。


第16次笑の内閣
≪東京、愛知、北海道、大阪≫
出演:伊集院聖羅、田中浩之、小林まゆみ、上蔀優樹、鈴木ちひろ、中西良友、由良真介、眞野ともき、藤井麻理、谷脇友斗、浪崎孝二郎、合田団地、髭だるマン、高間響、キタノ万里、征木ゆう、向坂達矢、橋本源氏、焼酎ステラ、DJ、伊藤純也、嵯峨シモン
8/3(金)19:00~ ゲスト:楢原拓氏(チャリT企画)、森田祐吏(北京蝶々)
8/4(土)13:00~ ゲスト:海野デカ氏(ゲキバカ)
8/4(土)19:00~ ゲスト:七味まゆ味氏(柿喰う客)
8/5(日)13:00~ ゲスト:石黒淳士(ぬいぐるみハンター)
8/5(日)17:30~ ゲスト:ゲスト:モラル(犬と串)
脚本・演出:高間響/ エグゼクティブアドバイザー&舞台監督 唐仁原俊博 / 助演出 由良真介 / 照明 山本恭平 / 音響 神田川雙陽(劇団粋雅堂) / 衣装 藤井麻理 / 小道具 つじ / チラシイラスト 神奈江淳 / 宣伝美術 末山孝如(劇団酒呑童子) / 制作 浅田麻衣(月面クロワッサン) / 平田ユミ(劇団紫) 井上華奈 / 制作協力 京都ロマンポップ / オタ知識提供 にょろ(京都ロマンポップ) / 演奏 井村匡孝(京都ロマンポップ) / 映像 ゲツクロスタジオ / オタ芸 HIROFUMI / 雑用 川崎一輝
アフタートークゲスト:3日19時 長島☆自演乙☆雄一郎氏/4日13時 宮台真司氏/4日19時 坂手洋二氏/5日13時 鈴木寛氏
前売り:2,000円 当日清算:2,500円 当日:3,000円
http://warainonaikaku.sitemix.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年08月03日

クロムモリブデン『進化とみなしていいでしょう』07/28-08/14赤坂RED/THEATER

 青木秀樹さんが作・演出される劇団クロムモリブデン。毎回必ず新作で、再演はしないようです。今年の本公演は今回だけですので、気になった方はお見逃しなく。

 緻密に組み立てられたステージングに見入りました。よくお稽古をされたからこそのクオリティーなのだろうと思います。登場人物は皆どこかおかしくて、ひしめく狂気が快感になったりも。上演時間は約1時間30分

 ロビーで前回公演『節電ボーダートルネード』のDVDを購入。すっごく面白かったので誰かに見せたいのです!
setsuden_border_tornade_DVD.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『進化とみなしていいでしょう

 ≪あらすじ・作品紹介・作/演出家のメッセージ≫ CoRich舞台芸術!より
 指名手配され逃亡生活を送っていた男女。
 自首しようと数年ぶりに街に出たら人々の様子が変化していた。
 相手の気持ちが分からないようだ。
 気持ちが分からないからか皆おしゃべりさんである。
 こんなにうるさかったっけ世の中って!
 これが進化の形なのか!?
 他人をおもんぱかったり、顔色をうかがったり、空気を読んだりできる人は超能力者扱いされている始末。人々は退化したの?これは未来の物語?何処の世界?頭から洗う?
 分からない、私もあなたが分からない、あなたが私を分かってくれてないなんて!
 今年のクロムはこれ一本!2012年後半をウルワシク・クルオシク過ごすためにもぜひご体感あれ!
 青木秀樹
 ≪ここまで≫ 

 上から見たらコの字型の箱が、舞台中央から下手に5個ぐらい並んでいます。客席からはその箱に何(誰)が隠れているのかは見えません。上手には膝高より高い目のほぼ正方形の台が置かれており、開演前はその上で生演奏をされていました(演奏:yasuyuki)。いつもながら装置、照明、音楽と、俳優の動きのコンビネーションが見事で、ビジュアルに魅せられ、リズムにもハマります。

 日記の代わりに小説を書く少年(奥田ワレタ)と、頭の中で変な警察が暴れ回る少女(渡邉とかげ)が軸になりますが、すぐに何が現実で何が空想なのかが入り組んでわからなくなってきます。登場人物の迷走がそのまま観客の頭脳の迷走になって、物語の行く末も自分の思考の行き先もわからないまま、クロムモリブデンの空間にひたり続ける感覚でした。

 ここからネタバレします。

 逃亡中の男女は先日つかまったオウム真理教の方々でしょうね。後先考えず一般人を捕まえたり、バレバレの嘘をつく警察には、昨年の震災以降、残念ながら馴れました。「世田谷症候群」「荒川症候群」などテキトーな(笑)病名がいっぱい出てきましたが、名付けられるごとに病気が増え、病人も増えて行く感覚は現実感があると思います。
 妄想ばかり肥大化させて現実社会とコミットしない生き方も、もう珍しくないですよね。これを「進化」と呼ぶ青木さんのセンスが素敵。そうかもしれないと私も思います。

出演:森下亮、金沢涼恵、奥田ワレタ、久保貫太郎、渡邉とかげ、幸田尚子、小林義典、武子太郎、花戸祐介、佐藤みゆき(こゆび侍)、手塚けだま(ラズカルズ)、ゆにば
【脚本・演出】青木秀樹 【音響効果】笠木健司【照明】床田光世【美術】ステファニー(劇光族)【舞台監督】塚本修・今井康平(CQ)【衣裳協力】色川奈津子【美粧】中西瑞美(ひなぎく)【演出部】入倉麻美 山口千晴(江古田のガールズ) 伊豫田一成【宣伝写真】安藤青太【宣伝美術】さくらの【web】小林タクシー(ZOKKY)【今回お休み】板倉チヒロ 木村美月 【制作】床田光世 野崎恵 安井和恵 新谷純 【制作部】 田あかり 藤井麻衣 重晶子 紺野憲和 【企画・製作】office crome
【休演日】8月7日(火)【発売日】2012/06/10【一般】前売3,500円 当日3,800円【学生(劇団のみ扱い)】前売2,500円 当日2,800円★ハヤクロ!★早期観劇割引7/28~31(前売のみ)ハヤクロ一般前売3,000円 ハヤクロ学生(劇団のみ扱い)前売2,000円
<宿泊パック>観劇日の前日または当日、劇場真上の赤坂グランベルホテル1泊+公演チケット!!
シングルルーム+公演チケット1枚 11,000円・プレミアダブル+公演チケット2枚 22,000円・プレミアツイン+公演チケット2枚 22,000円・楽天トラベルサイトよりお選び下さい。 「赤坂グランベルホテル 宿泊プラン一覧 → 観劇プラン」*枚数に限りがあります。ご予約はお早めに!観劇日時のみのご指定で、お申し込み順に良いお席を確保します。座席はお選び頂けません。
<リピーター割引> 詳細は公演中、劇場にてご確認下さい。
◎ロングラン公演限定企画◎ 「進化前CD(出演者が初めて台本を読み合わせた時の音声を収録!)+クロムモリブデンオリジナルステッカー」2回ご観劇の方に進呈!詳しくはwebで!
http://crome.jp/

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2012年08月02日

神奈川芸術劇場・KAAT『暗いところからやってくる』07/26-08/05神奈川芸術劇場・中スタジオ

 イキウメの前川知大さんが脚本を手掛け、小川絵梨子さんが演出する、夏休みの子供と大人のためのお芝居。すっごく面白かった!!子供たちの笑顔と元気な声、そして怖がってお母様にギュっとくっつく時の声も間近に聴きながら、大人の私も大笑いして、ぞわ~っと恐怖も味わい、大切なものをもらいました。 

 前川さんと小川さんのコンビはイキウメ前回公演に続いて2度目ですが、今回はより成熟して、完成度も高かったように思います。子供向けですが、大人向けでもある作品です。どうぞお見逃しなく!上演時間は約1時間10分。

 ⇒公演公式ツイッター(主人公の輝夫君がつぶやきます)
 ⇒前川知大ブログ 鈍ラ・エクスペリエンス「暗いところからやってくる
 ⇒朝日新聞(神奈川「子どもも夢中の出来
 ⇒ヨコハマ経済新聞『神奈川芸術劇場で親子でたのしめる「キッズ・プログラム」』※プレビュー写真あり
 ⇒舞台写真
 ⇒日経新聞劇評『「暗いところからやってくる」 大人も楽しめる現代の怪談』(内田洋一)
 ⇒CoRich舞台芸術!『暗いところからやってくる

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。改行を一部変更。
 祖母が住んでいた家に住むことになった。
 引っ越したその日から、僕はどことなく薄暗いこの家が怖かった。
 母に頼んで、部屋の電気を明るいものに変えてもらったけど、
 部屋のすみっこや、ちょっとした影に、何かがいるような気がしてならない。
 どうやら やっぱり…
 僕の隣りに何かがいる
 ≪ここまで≫

 あらすじはこちらのツイートが詳しいです。少しネタバレあり⇒

 舞台美術は入口から客席を含め、大人より背の低い子供たちが物語にスムーズに入れるように、心づくしの工夫が凝らされています。シンプルそうに見えて、実は手品のような仕掛けがちゃんと仕込まれているのも心憎い!

 田舎の広い日本家屋に引っ越してきた母、姉、弟・輝夫(主人公)と、「暗いところ」の住人が登場します。いわゆる「目には見えないが存在する何か」を信じるか信じないか、夢見る力があるかないか、という子供向けの物語らしいテーマだけでなく、親子間のコミュニケーションや老人介護といった現代の問題も描かれます。そして、これは私の個人的な考えですが、失敗することが怖くてなかなか行動に移せないことや、小さな失敗経験のせいで心を閉ざしてしまうことについて、「大丈夫。みんな許してくれるよ。再出発できるよ」というメッセージを送ってくれているように感じました。

 主人公の輝夫を演じた大窪人衛さんは、いつもながら自然な存在感で、演技も素晴らしかった!そこ(ステージ&劇中)に居ることに説明的にならないことが、人を引き込む力になっていると思います。

 約2カ月もの間、劇場に滞在して創作されたそうです。なんという贅沢!公共ホールが創作・発信する親子向けの舞台として、こんなにハイクオリティーな新作をつくってくださったことを、ありがたく思います。

 ここからネタバレします。セリフ等は正確ではありません。

 舞台三方を客席が囲み、一番前の席の床と舞台は同じ高さで地続き感があります。役者さんが子供たちのすぐそばまで近づく演技が多数あり、その度に子供たちが喜んだり怖がったり、反応がとてもいいんです。客席以外の一方は白いカーテンで覆われており、裏表両方から影があらわれたり、風に持ちあげられて動いたり、プロジェクターの映像が映されたり、大活躍。他にも水中で光が点滅する水槽、勝手に鴨居から落ちるハンガー、「暗いところの住人」が入るダンボール箱など、驚かせたり怖がらせたりする仕掛けがいっぱい。なかでも、誰も乗っていないのに動く車いすが…怖いっ!

 最初に輝夫とその家族の会話場面があり、次に暗いところの住人たちを登場させて、同じ会話場面を繰り返します。暗いところの住人の新人(浜田信也)のドジっぷりと、それに右往左往する先輩(盛隆二)、そして彼らの姿が見えない家族たちのコンビネーションが爆笑を生んでいきます。私も何度も笑わせていただきました。
 輝夫の環境や家族関係だけでなく、「暗いところ」の上下関係や出世コースなどを具体的に描いているのもまた面白いです。両方の世界に人間らしい感情と生活感のリアリティーがあるから、観客はどちらが良いか悪いか、正しいか誤りかという単純な思考に陥らないのです。また、どちらが現実でどちらが虚構なのかの区別をつけづらい余白も与えています。

 輝夫が新しい家で物音や気配に敏感になっていた(暗いところの住人を感じ取れた)のは、彼が子供の心を持っているからだけではありませんでした。彼は亡くなった祖母に対して恐怖心を抱いていたのです。理由は、おつかいの時にもらったお金のお釣りを、本当は返していなかったから。母と姉は「認知症のせいで祖母は何度も輝夫に催促をしている」と思っていましたが、輝夫は当然、自分が「お釣りは返した」と何度も嘘をついてきたことを自覚しています。その罪の意識が彼を疑心暗鬼にさせて、「暗いところの住人」という幻影を見せたのかもしれない、今まで舞台上で起こったこと全てが、輝夫の妄想の産物だったかもしれない(輝夫は精神を病んでるのかもしれない)…というところまで、観客に想像させる演出になっていました。どんな夢もなかったことにするような、白々とステージを照らす残酷な照明がとても良かったです。

 私も一瞬、そんな“夢落ち”になってしまうのか…と考えて、とても悲しい気持ちになったのですが、そうはならず。後から、輝夫と会話をしてきた暗いところの住人の新人が登場してくれて、ホっとしました(笑)。輝夫はお釣りを返さなかったことを母と姉に告白し、2人に許されます。また、暗いところの住人の新人は、上司(岩本幸子)に「出世の可能性はないわけではない」と言われ、将来の夢をまた見られるようになります。「彼(輝夫)の子供の母親と仲良くなれればいい」という上司のアドバイスが、遠い未来を想像させてくれました。観客の子供たちに、失敗をしても許されること、時間は今だけじゃなく未来もあることを教えてくれたのだと思います。大人としては、これからも長く一緒に生きて行こうという、余裕を持った気持ちで、子供たちと接していきたいと思います。 

KAATキッズ・プログラム2012 こどもとおとなのためのお芝居・神奈川芸術劇場で親子でたのしめる「キッズ・プログラム」
出演:伊勢佳世(お姉ちゃん) 大窪人衛(僕・輝夫) 岩本幸子(暗いところの監督) 浜田信也(暗いところの後輩) 盛隆二(暗いところの先輩) 木下三枝子(お母さん)
脚本:前川知大 演出:小川絵梨子 舞台監督/谷澤拓巳 美術/土岐研一 照明/原田保 音楽/かみむら周平 音響/徳久礼子(KAAT神奈川芸術劇場) 衣装/今村あずさ ヘアメイク/西川直子 演出助手/大澤遊 演出部/津江健太、渡邊亜沙子 プロダクションマネージャー/安田武司(KAAT神奈川芸術劇場) 広報/久田絢子(KAAT神奈川芸術劇場) 宣伝美術/末吉亮 宣伝イラストレーション/安達亨+板倉俊介(AC部) 制作/坂田厚子、林弥生、石井宏美(KAAT神奈川芸術劇場) プロデューサー/中島隆裕(イキウメ/エッチビイ)、崎山敦彦(KAAT神奈川芸術劇場) 後援/神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会、tvk(テレビ神奈川) 企画・制作/KAAT神奈川芸術劇場、イキウメ/エッチビイ 主催/KAAT神奈川芸術劇場(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)
【発売日】2012/05/27
(全席自由)◎こども 1,500円(高校生含む)◎おとな 3,000円 ◎おやこチケット 4,000円
<こども1枚(高校生含む)、おとな1枚> ◎シルバー割引 2,500円 ※シルバー割引は、チケットかながわ(電話窓口)のみの取扱
http://www.kaat.jp/pf/kuraitokorokara.html
http://www.kaat.jp/pf/kids2012.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2012年08月01日

パルコ・プロデュース『露出狂』07/26-08/04 PARCO劇場

 劇団柿喰う客代表で作・演出家の中屋敷法仁さんがパルコ劇場に初進出!それも「CoRich舞台芸術!2010春」グランプリ受賞作の上演ですから、観に行かないわけにはいきません。⇒初演レビュー

 初演のキャストは女性のみでしたが、今回は男性のみになりました。物語はほぼ同じですが、女が男に変わることで作品の印象全体が変わったように思います。客席では出演者のファンであろう、若い女性客の笑い声がよく響きました。上演時間は約1時間50分。

 ⇒スポーツ報知『「露出狂」の誘惑』(宮路美穂)
 ⇒CoRich舞台芸術!『露出狂

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 新興強豪校として名を馳せる高天原高校サッカー部!
 驚異的な結束力を誇るこの部には[鋼の掟]が存在するという…!
 部活という閉塞的社会で巻き起こる男同士のプライドを賭けた泥試合!
 どうぞご期待下さい!!
 ≪ここまで≫

 ちょっとどうよ?!と思うほど、BL(ボーイズラブ)。予想通りとはいえ面くらいますね(笑)。ボケつっこみなどのベタな笑いをストレートに決めて、笑わせてくれます。キャラクター設定がはっきりしていて、登場人物の特徴がすぐにわかり、憶えやすいのが中屋敷作品の特徴だと思います。

 イケメンアイドル、声優、お笑い芸人、小劇場の役者さんらの競演は、やはり舞台俳優に軍配があがります。マネージャー蔵毛(くらげ)役の玉置玲央さんが語り部の役割を果たし、物語を支えてくださっていました。

 ここからネタバレします。

 舞台となる学校は高天原(たかまがはら)高校ですから、登場人物はみんな神様だととらえてもいいと思います(これは中屋敷さんの脚本によくある設定です)。高天原高校サッカー部の部員たちは、ギリシア神話に登場するわがままで残虐な神々なのだと見立てれば、BLだけに収まらない示唆に富んだ戯曲だとわかります。

 舞台美術のコンセプトは“猿山”で、世代交代、下剋上、栄枯盛衰、諸行無常…といったことが想像できます。「チームワークを良くするために部員同士で乱交する」なんて、集団心理の恐ろしいところですよね。とはいえ、奇跡(全国大会優勝)を起こす人々は常軌を逸した精神状態(狂気)にあるものなのかもしれません。御器(柄本時生)らが卒業した次の年からアベック制が消滅したり、彼ら全員が卒業した後のサッカー部は、何事もなかったかように平凡な部活動に戻るなど、人間の営みのはかなさがあらわされます。

 そういった、フィクションの上に立ち上ってくる何かを感じ取れなかったのが残念でした。今や“BL”はジャンルとして確立されているので、男性同士の乱交は、女性同士に比べると観客の頭の中で“ぶっ飛んだフィクション”になりづらいのかもしれません。

出演:柄本時生 遠藤要 入野自由 玉置玲央 畑中しんじろう 磯村洋祐 板橋駿谷 稲葉友 孔大維(コン・テユ) 遠山悠介 永島敬三 松田凌 間宮祥太朗 森崎ウィン
脚本・演出:中屋敷法仁 音楽:佐藤こうじ 美術:原田愛 照明:高見和義 音響:高橋克司 衣裳:高木阿友子 ヘアメイク:田中順子 演出助手:棚瀬巧 宣伝写真:引地信彦 宣伝デザイン:山下浩介 宣伝:吉田プロモーション 製作:山崎浩一 制作:祖父江友秀 斎藤努 山家かおり 製作:(株)パルコ 企画制作:パルコ ゴーチ・ブラザーズ ミーアンドハーコーポレーション
【発売日】2012/06/09 土日☆料金=6,500円(全席指定・税込) 平日◎料金=6,000円(全席指定・税込)  U-25チケット=5,000円(25歳以下対象・当日指定席券引換・平日限定・要身分証明書・ぴあのみ取扱)
http://www.parco-play.com/web/page/information/rosyutsukyou/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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メルマガ 2012年08月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2012年8月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。

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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 98     2012.08.01  1,848部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎東京は35度を超える日もあった7月。8月も暑いのかしら…。
  劇場内は涼しいですが、行き帰りの暑さ・日焼け対策は必須ですね!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→森崎事務所・M&O Plays produce『鎌塚氏、すくい上げる』
       08/09-26本多劇場
       ≪東京、大阪、愛知、島根≫
       http://www.morisk.com/plays/kama2/index.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→(公財)可児市文化芸術振興財団『高き彼物』
       07/04-10吉祥寺シアター
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0705002924.html

 ◆3【お薦め前売り情報 葛河思潮社『浮標(ぶい)』再演】

   ◎昨年1月にメルマガ号外↓を発行した大作が、早くも再演!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0118155108.html

 ◆4【編集後記】

   ◎「しのぶの演劇レビュー」facebookページ↓でブログ更新を報告中!
    http://www.facebook.com/shinobureview

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※高額チケットのお薦め公演が少なかったので、3000円台も含めました。


1.Bunkamura/大人計画『ふくすけ』
  08/01-09/02 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:古田新太 阿部サダヲ 多部未華子 皆川猿時 小松和重 江本純子
    宍戸美和公 村杉蝉之介 平岩紙 少路勇介 オクイシュージ 松尾スズキ
    大竹しのぶ 青山祥子 赤池忠訓 井内ミワク 井澤崇行 井上尚
    井本洋平 延増静美 菅井菜穂 鈴真紀史 竹口龍茶 中尾ちひろ
    羽鳥名美子 町田水城 矢本悠馬
   脚本・演出:松尾スズキ
   S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/12_fukusuke.html
   松尾スズキさんの1991年初演戯曲を豪華キャストで十数年振りに再々演。
   個人的には多部未華子さんが見たくてたまりません!


2.月影番外地『くじけまみれ』
  08/03-12ザ・スズナリ
  ☆出演:高田聖子 丸山厚人 山本圭祐 碓井清喜 植田裕一 政岡泰志
   脚本:福原充則 演出:木野花
   前売・当日とも 指定席¥5,000 自由席ベンチシート¥4,500
    http://www.sunrisetokyo.com/schedule/details.php?id=1213
    http://www.facebook.com/tsukikagebangaichi
   劇団☆新感線の高田聖子さんが1995年から継続しているユニットの新作。
   福原充則さんは規模の大小問わず多数の脚本提供をされている人気作家です。
   高田さんを小劇場で観られるのは贅沢。この公演↓でも圧巻でした。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1015231228.html


★3.森崎事務所・M&O Plays produce『鎌塚氏、すくい上げる』
  08/09-26本多劇場
  ≪東京、大阪、愛知、島根≫
  ☆出演:三宅弘城 満島ひかり 田中圭 市川実和子 広岡由里子
      玉置孝匡 今野浩喜 六角精児
   脚本・演出:倉持裕
   前売り・当日共¥6,800
    http://www.morisk.com/plays/kama2/index.html
   劇団ペンギンプルペイルパイルズを主宰する倉持裕さんの新作です。

  ●お薦めポイント●
   昨年、とっても面白かった『鎌塚氏、放り投げる』↓の続編です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0520153932.html
   気軽に観られて大いに笑えて、最後はじ~んと考えさせられました。
   今度は三宅弘城さん演じる執事“鎌塚”が、豪華客船に乗り込みます。
   彼の使命は「令嬢に見合いさせること」なのでラブコメ要素大なのかも。
   満島ひかりさんの舞台出演にも注目ですし、共演者も豪華です。


4.パルコ・プロデュース『三谷文楽「其礼成心中(それなりしんじゅう)』
  08/11-22 PARCO劇場
  ☆出演:竹本千歳大夫 豊竹呂勢大夫 豊竹睦大夫 豊竹靖大夫 他
   脚本・演出:三谷幸喜
   7,800円 U-25チケット6,000円(25歳以下対象・平日限定)
   ※未就学児の入場不可。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/sorenarishinju/
   三谷幸喜さんが自ら文楽を作・演出。歌舞伎を作・演出された時↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0307115143.html
   とても面白かったんです。橋下徹大阪市長はご覧になるのかしら。
   前売り券は完売。当日券情報はこちら↓でご確認ください。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/sorenarishinju/toujitsuken.html


5.彩の国さいたま芸術劇場・彩の国シェイクスピア・シリーズ第26弾
  『トロイラスとクレシダ』
  08/17-09/02彩の国さいたま芸術劇場大ホール
  ≪埼玉、大阪、佐賀、愛知≫
  ☆出演:山本裕典 月川悠貴 細貝圭 長田成哉 佐藤祐基 塩谷瞬 内田滋
    廣田高志 横田栄司 塾一久 間宮啓行 鈴木豊 妹尾正文 岡田正
    福田潔 山下禎啓 井面猛志 星智也 谷中栄介 鈴木彰紀 尾関陸
    小野武彦 原康義 たかお鷹 ほか
   脚本:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
   S席8,000円 A席6,000円 B席4,000円 
   学生B席2,000円 劇場会員割引などあり。
    http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2012/p08mid.html
   蜷川幸雄さんがシェイクスピア戯曲を演出するシリーズの新作は、
   出演者が男性ばかりの“オールメール”仕様。現在ツアー中の舞台↓も
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0714171500.html
   面白かったので、蜷川さんの次の一手は何なのか期待しちゃいます。


6.こまつ座『芭蕉通夜舟』
  08/17-09/02紀伊國屋サザンシアター
  井上ひさし生誕77フェスティバル
  ☆出演:坂東三津五郎 坂東八大 櫻井章喜 林田一高 坂東三久太郎
   脚本:井上ひさし 演出:鵜山仁
   一般6,000円 学生割引4,000円 ※未就学児の入場不可
    http://www.kinokuniya.co.jp/label/20120516110000.html
    http://inouehisashi77.jp/program/schedule/#information06
   井上ひさしさんの戯曲を鵜山仁さんが演出されます。
   俳聖・松尾芭蕉を演じる坂東三津五郎さんの“ほぼ一人芝居”。
   全三十六景の場面転換も見どころのようです。
   

7.パルコ/カンパニーデラシネラ『ゲーム』
  08/19-26神奈川芸術劇場・大スタジオ
  KAATキッズ・プログラム2012 こどもとおとなのためのダンス
  ☆出演:森川弘和 藤本強 渡邊絵理 藤田桃子 小野寺修二
   作・演出・振付:小野寺修二
   一般3,000円/学生・子ども1,500円/親子セット券4,000円
    http://www.kaat.jp/pf/game.html
    http://www.parco-play.com/web/play/game/
   子供と大人のためのパントマイム公演。小野寺修二さんの作品は
   笑いも多く不思議なトリックも楽しい!美術館での無料公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0511135508.html


8.ヴィレッヂ・雪之丞一座参上公演
  『ロック☆オペラ「サイケデリック・ペイン」』
  08/22-09/11サンシャイン劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:北乃きい 福士誠治 綾野剛 松田翔 前川紘毅 内田朝陽 片瀬那奈
    内田慈 右近健一 菅原永二 橋本じゅん
   脚本:森雪之丞 演出:いのうえひでのり 音楽:布袋寅泰
   S席8,500円 A席6,900円 ヤングチケット2,000円
    http://psychedelic-pain.jp/
   作詞家・詩人の森雪之丞さんの新作戯曲を、
   劇団☆新感線のいのうえひでのりさんが演出されます。
   布袋寅泰さんが20もの楽曲を提供する“ロック・オペラ”。
   若い役者さんが楽器演奏もして、歌と音楽を聴かせる舞台のようです。
   シネマトゥデイ↓「北乃きいが初舞台で天使になる!」
    http://www.cinematoday.jp/page/N0041308


9.梅田芸術劇場『すうねるところ』
  ≪東京、兵庫、石川、愛知、新潟、福岡、大阪≫
  08/27-09/09シアタートラム
  ☆出演:薬師丸ひろ子 篠井英介 村井良大 萩原聖人
   脚本:木皿泉 演出:内藤裕敬(南河内万歳一座)
   6,800円
    http://www.umegei.com/schedule/192/
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/08/post_292.html
   テレビドラマの脚本家として有名な木皿泉さん(ご夫婦)の新作戯曲を
   大阪を拠点に活動する内藤裕敬さんが演出されます。
   吸血鬼が人間の子供を育てるお話だそうです。
   薬師丸ひろ子さんは14年振りの舞台出演なんですね。


★10.ニッポン放送/WOWOW『ロック・ミュージカル
  「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」』
  08/29-09/10渋谷O-EAST
  ≪東京、大阪、愛知、福岡、東京≫
  ☆出演:森山未來 後藤まりこ
   作:ジョン・キャメロン・ミッチェル 作詞・作曲:スティーブン・トラスク 
   演出:大根仁 訳詞:スガシカオ
   7,800円(+1ドリンク500円)
   フロントスタンディング4,800円(+1ドリンク500円、整理番号付)
    http://www.hedwig2012.jp/
   『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は映画化もされた
   アメリカ発の有名なロック・ミュージカル。出演者は2人だけです。
   森山未來さんのヘドウィグはぜひ観たい!
   山本耕史さんの『ヘドウィグ~』レビュー↓(2008年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0428103912.html
   三上博史さんの『ヘドウィグ~』レビュー↓(2005年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0622140003.html


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売2000円台の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》笑の内閣『非実在少女のるてちゃん(再演)』
 08/03-05こまばアゴラ劇場
  ≪東京、愛知、北海道、大阪≫
  ☆出演:伊集院聖羅 田中浩之 小林真弓 上蔀優樹 鈴木ちひろ 中西良友
    由良真介 眞野ともき 合田団地 浪崎孝二郎 キタノ万里 髭だるマン
    高間響 藤井麻理 向坂達矢
   脚本・演出:高間響
   前売り2,000円 当日精算2,500円 当日3000円
    http://warainonaikaku.sitemix.jp/
   ↓こりっちでカンタン予約!(当日精算価格)
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=34397
   笑の内閣は京都の劇団です。私は観たことがないのですが、
   東京都青少年健全育成条例をテーマにした舞台なので気になります。
   東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト↓
    http://mitb.mangalog.com/
   トークのゲストが宮台真司さん、鈴木寛さんなど豪華です。


《2》日本劇作家協会『劇作家協会公開講座2012年夏
  「SHINSAI Theaters for Japan in Tokyo」』
  08/05座・高円寺2
  ☆作:米国人劇作家 鴻上尚史 平田オリザ 篠原久美子 坂手洋二 瀬戸山美咲
   演出:鴻上尚史 成島秀和 谷賢一 土田英生 関根信一 前川知大
    河原その子 瀬戸山美咲 青井陽治 小笠原響 赤澤ムック 山下由宇
    坂手洋二 常田景子 樋口ミユ 鈴木聡
   第1部¥1,000 第2部¥1,000 通し券¥2,000
    http://www.jpwa.org/main/content/view/161/
   ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=38021
   今年3月11日に米国約70ヵ所で開催された短編戯曲リーディング企画
   「SHINSAI Theaters for Japan」を日本語でリーディング上演。
   第1部、第2部あわせて約20本もの短編(各10分)が上演されます。
   東日本大震災からちょうど1年経った日に、日本人のために
   米国人が開催してくださったチャリティー公演だったそうです。


《3》チェルフィッチュ『女優の魂』
  08/17-19 STスポット
  08/20ライブハウス晴れたら空に豆まいて
  ≪神奈川、東京、大分≫
  ☆出演:佐々木幸子
   脚本・演出:岡田利規
   横浜公演:(前売・当日共)一般2,500円 学生2,000円 当日3,000円
   東京公演:(前売・当日共)前売3,000円 当日3,500円 +1ドリンク500円
    http://chelfitsch.net/next_performance/post_93.html
   チェルフィッチュの岡田利規さんの小説が1人芝居に。
   佐々木幸子さんは岡田作品のよく出演されている女優さんです。


★《4》劇団ハタンセ(韓国)『タイタス・アンドロニカス』
  08/17-19こまばアゴラ劇場
  こまばアゴラ劇場ディレクター招聘公演
  ☆出演:HaDdangSe Theatre Company
   脚本:W・シェイクスピア 演出:ユン・シジュン
   予約2,500円 当日3,000円 ※日時指定・全席自由
   ※未就学児入場不可 ※全編韓国語・字幕無し
    http://www.komaba-agora.com/sf_pan/2012/haddangse/
   CoRich舞台芸術!↓でチケットプレゼント実施中!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=38722
   こまばアゴラ劇場のサマーフェスティバル〈汎-PAN-2012〉参加作品で、
   フェスティバル・ディレクターの矢内原美邦さんが招聘されました。
   矢内原さんは岸田國士戯曲賞を受賞されたばかりで、ご自身が主宰する
   Nibroll↓にて、ダンサー・振付家・演出家としてもご活躍です。
    http://www.nibroll.com/ ※ニブロールもただいま横浜で公演中!
   全編韓国語でのシェイクスピア戯曲の上演で、なんと“字幕なし”。
   作品への自信のあらわれではないでしょうか。昔観た、ロシアの劇団による
   全編ロシア語・字幕なしの『かもめ』の4人芝居↓を思い出しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0514014006.html
   韓国人俳優が身体、声、演技で魅了してくれることと期待します。ただ、
   『タイタス・アンドロニカス』のあらすじは読んでおいた方がいいかも。
   韓国での上演時間は約1時間30分だったそうです。


《5》オックスフォード大学演劇協会(OUDS)来日公演『から騒ぎ』
  08/25-27シアターTAC(舞台芸術学院内)
  ≪さいたま、東京、神奈川≫
  ☆出演:オックスフォード大学演劇協会(OUDS)
   脚本:ウィリアム・シェイクスピア
   整理番号付自由席 一般2,500円 学生2,000円 高校生割引1,000円
    http://www.geigeki.jp/performance/theater003/
   イギリスの大学生によるシェイクスピア戯曲の上演です。
   きれいな英語のセリフを聴けるいい機会かと。2006年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0812233846.html


≪レクチャー≫

 ○『演劇と社会』SPT×ITI レクチャーシリーズ
  『世界の同時代演劇を知る!』Vol2.
  「アーツカウンシル構想のこれから―演劇の公的支援を巡って」
  8月21日(火)19時~21時@世田谷パブリックシアター内
  ☆ゲスト:吉本光宏(ニッセイ基礎研究所)
   1,000円(当日精算・要予約)
    http://setagaya-pt.jp/workshop/2012/05/post_252.html
   劇場法↓が成立し、日本版アーツカウンシルもできて、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0710153020.html
   これからの公的助成はどうなるのか。専門家のお話を伺えます。


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.(公財)可児市文化芸術振興財団『高き彼物(たかきかのもの)』
  07/04-10吉祥寺シアター
  ≪岐阜、東京、滋賀、京都、新潟、石川、広島、大分、福岡≫ 
  ☆岐阜県で創作された名作が、日本各地へと発信されました。
   メルマガ号外を発行しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0705002924.html

2.松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎第十三弾「天日坊」』
  06/15-07/07 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、長野≫
  ☆どなたにもお薦めしたい舞台といえばコクーン歌舞伎と再確認。
   派手に世代交代を行う歌舞伎界に学ぶところ多いです。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0728210002.html
   ※9月にWOWOWで舞台中継あり!

3.神奈川芸術劇場・KAAT『暗いところからやってくる』
  07/26-08/05神奈川芸術劇場・中スタジオ
  ☆物語も仕掛けも演技も、とても丁寧で高品質!
   小さなお子様も大人も笑って、怖がって、考えながら、楽しめます。
   8月5日まで上演中!どうぞお見逃しなく!
   http://www.kaat.jp/pf/kuraitokorokara.html

  その他はテアトロ・マランドロ『春のめざめ』(静岡で上演)、
  こまつ座&ホリプロ『しみじみ日本・乃木大将』、
  子供のためのシェイクスピア『ヘンリー六世 3』、
  マームとジプシー『マームと誰かさん・今日マチ子さん(漫画家)』、
  ホリプロ『ミュージカル「スリル・ミー」(韓国キャスト)』、
  東宝ミュージカル『ルドルフ ザ・ラスト・キス』など(順不同)。


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2012年7月(観劇数20作品)は『高き彼物』で発行!


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 ◆3 【お薦め前売り情報 葛河思潮社『浮標(ぶい)』再演】
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 ◎昨年1月に上演された葛河思潮社『浮標(ぶい)』が再演されます。
  初演を神奈川芸術劇場で拝見し、メルマガ号外↓を発行しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0118155108.html

  『浮標』は三好十郎さんの1940年初演戯曲で、私は2003年の
  新国立劇場公演↓で初めて拝見し、猛烈に感動しました。レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0226205402.html
  新国立劇場公式ページに↓詳しい作品解説があります。
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/s179/s179.html

 ○葛河思潮社『浮標(ぶい)』再演
  09/20-30世田谷パブリックシアター
  ≪東京、大阪、宮城、新潟≫
  ☆出演:田中哲司 松雪泰子 佐藤直子 平岳大 荻野友里 池谷のぶえ
      大和田美帆 木村了 長塚圭史 高部あい 赤堀雅秋 深貝大輔
   作:三好十郎 演出:長塚圭史
    http://kuzukawa-shichosha.jp/

  演出は初演と基本的に同じだそうですが、劇場が大きくなるのと、
  キャストが7割ほど変わっているので、印象はかなり変わると思います。
  東日本大震災を経験した私たちに、この戯曲の言葉がどう響くのか。
  今の気持ちに正直に、受けとめたいと思っています。

  上演時間4時間弱という大作なので、1日1ステージのみの上演です。
  平日夜は18時開演なので、週末に観劇ご希望の方はお早めにチケット確保を!

 ≪東京公演チケット情報≫

  発売日:2012年8月11日(土)

  チケット料金(全席指定)
   S席 6,000円
   A席 5,000円
   B席 4,000円
   U24(18~24歳) B席2,000円
   高校生以下 B席2,000円
   ※劇場友の会、区民割引などあり。
   ※未就学児童の入場不可。

  チケット取扱先(プレイガイド)は公式サイトでご確認ください。
   http://xn--m8t03z75bd9ol3n.jp/schedule/


 ◎4月にご好評頂いた“再演舞台を観て語らう夕べ”↓の第2弾を開催します。
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0411204723.html
  http://www.facebook.com/events/347248075325984/

  日時:『浮標』9月22日(土)14時開演の回

  ※詳細は後日発表します。舞台を観て感想を語り合いましょう!
   お問い合わせ:http://www.shinobu-review.jp/contact/


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎今年のお盆休みはゆっくりしようと思っていま~す。


 ◎「しのぶの演劇レビュー」facebookページ↓でブログ更新を報告中!
   http://www.facebook.com/shinobureview
  「いいね!」をクリックしてニュースフィードに混ぜてください♪


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
  「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html

  【WOWOW ライブ】8/10(金)夜6:45~/8/28(火)午前11:45~
   『オペラ座の怪人』25周年記念公演 in ロンドン
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/100320/
   ※再放送。

  【NHK-BSプレミアム】8/6(月)[8/5(日)深夜]午前0時30分~午前4時30分
   ホリプロ『エンロン』天王洲銀河劇場
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
   作:ルーシー・プレブル 演出:デヴィッド・グリンドレー
   出演:市村正親 豊原功補 香寿たつき たかお鷹 ほか

  【WOWOW ライブ】8/31(金)午後4:00~
   世田谷パブリックシアター『現代能楽集VI 奇ッ怪 其ノ弐』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075526/
   作・演出:前川知大 レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0917171103.html
   ※再放送。


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2012年7月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実―」
    http://isoroku.jp/ ↑山本五十六は講和を目指していた。
  ・「キツツキと雨」←説明的な演技、演出が残念。
    http://kitsutsuki-rain.jp/
  ・「麒麟の翼~劇場版・新参者~」←さすがは東野圭吾原作。
    http://shinzanmono-movie.jp/
  ・「Peace」←介護がある日常を淡々と映す観察映画。
    http://peace-movie.com/
  ・「FLY!~平凡なキセキ~」←面白かった!脚本はヨーロッパ企画の方々。
    http://fly-the-movie.com/


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


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  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
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Posted by shinobu at 00:00 | TrackBack