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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年06月30日

メルマガ 2009年07月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2009年7月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 62     2009.6.30  1,381部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎6月は静岡に2回旅行して、観劇しながら贅沢な森林浴ができました♪
  今号は7月号ですが、まぐまぐさんのご都合↓により6/30に発行します。
   http://www.mag2.com/info/

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→こまつ座『兄おとうと』
       07/31-08/16紀伊國屋サザンシアター
       http://www.komatsuza.co.jp/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→SPAC・Shizuoka春の芸術祭2009/オリヴィエ・ピィ構成・演出
       『少女と悪魔と風車小屋』『いのちの水』『本物のフィアンセ』
       06/27-28舞台芸術公園・楕円堂
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0629233641.html

 ◆3【もうすぐ夏休み!お子様向けのオススメ舞台♪ 】

   ◎子供と一緒に大人もきっとも楽しめる作品をご紹介します!

 ◆4【編集後記】

   ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」のグランプリ発表は7/15(水)!
   ◎おすすめ舞台中継 on TV

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.新国立劇場演劇『現代能楽集 鵺(ぬえ)』
  07/02-20新国立劇場小劇場
  ☆出演:坂東三津五郎 田中裕子 たかお鷹 村上淳
   脚本:坂手洋二 演出:鵜山仁
   A席:5,250円 B席:3,150円 Z席:1,500円
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000067_play.html
   坂手洋二さんの新作は、世阿弥の謡曲をもとに妖怪“鵺”を描く、
   時空を越えた三部構成作。現芸術監督・鵜山仁さんが演出する4人芝居。


★2.世田谷パブリックシアター『奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話』
  07/03-20シアタートラム
  ☆出演:仲村トオル 池田成志 小松和重 歌川椎子
      伊勢佳世 浜田信也 盛隆二 岩本幸子
   脚本・演出:前川知大
   一般=5,800円、高校生以下=2,900円 TSSS=2,900円
   トラムシート5,000円(対象公演のみ)
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/07/post_153.html
    http://setagaya-pt.jp/kikkai/
   人気劇団イキウメの作・演出を手がける前川知大さんの新作。
   仲村トオルさんら豪華キャストのプロデュース公演です。
   小泉八雲の「怪談」をもとにした、ちょっと怖くて不思議な物語。


3.メジャーリーグ『ヘッダ・ガブラー』
  07/08-14赤坂RED/THEATER
  ☆出演 小沢真珠 伊達暁 町田マリー 小野哲史 山本亨
   作:ヘンリック・イプセン 上演台本:笹部博司 演出:古川貴義
   4,500円
    http://www.hedda-gabler.net/
   『野鴨』『ちっちゃなエイヨルフ』に続く、メジャーリーグの
   イプセン・シリーズ第3弾。演出に若手の古川貴義さんを迎え、120年前の
   古典が、現代の悲喜劇として新しく生まれそう。稽古場レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0623060257.html   


4.松竹『コクーン歌舞伎 桜姫』
  07/09-30 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:中村勘三郎、中村扇雀、中村橋之助、坂東彌十郎、
      中村七之助、笹野高史、他
   脚本:四世 鶴屋南北 演出:串田和美
   1等席[椅子/ベンチ]13,500円 2等席9,000円 3等席5,000円
   ※小学生未満の入場不可。
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_sakura_kabuki.html
   6月の「桜姫-現代劇」↓に続き、7月は歌舞伎の「桜姫」を上演。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0616105714.html
   桜姫を演じるのは中村七之助さんです。2005年版レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0611235546.html


5.椿組『椿組09年夏・花園神社野外劇「新宿ジャカジャカ」』
  07/11-21花園神社
  ☆出演:春風亭昇太 山田まりや 草野徹 浅野雅博(文学座) 他
   脚本・演出:中島淳彦
   指定(60席)4.500円 自由(整理番号付き)4.000円
    http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/
   “新宿夏の風物詩”というキャッチコピーがふさわしい、椿組のテント芝居。
   作・演出は中島淳彦さんです。楽しくて切ない音楽劇になりそう。


6.ホリプロ『ブラックバード-BLACKBIRD-』
  07/17-08/09世田谷パブリックシアター
  ≪東京、富山、愛知、福岡、大阪≫
  ☆出演:内野聖陽 伊藤歩
   脚本:デビッド・ハロワー 演出:栗山民也
   S席9,000円/A席6,300円
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=126
   2007年度のローレンス・オリビエ賞・最優秀作品賞受賞作。
   内野聖陽さんと伊藤歩さんの2人芝居を栗山民也さんが演出されます。


7.ペンギンプルペイルパイルズ『cover』
  07/17-26本多劇場
  ☆出演:鈴木砂羽 小林高鹿 ぼくもとさきこ 玉置孝匡 近藤智行 吉川純広
   脚本・演出:倉持裕 音楽:SAKEROCK
   前売 4,700円 当日 5,000円
    http://penguinppp.com/
   倉持裕さん率いる劇団ペンギンプルペイルパイルズの新作は、
   鈴木砂羽さんを客演に迎えた5人芝居。


8.劇団M.O.P.『リボルバー』
  07/29-/08/09紀伊國屋ホール
  ≪大阪、東京≫
  ☆出演:キムラ緑子 三上市朗 小市慢太郎 林英世 酒井高陽 木下政治
      奥田達士 北村有起哉 岡田達也 片岡正二郎 ほか
   脚本・演出 :マキノノゾミ
   5,500円 ※未就学のお子様はご入場できません。
    http://www.g-mop.com/
   解散を宣言したM.O.P.の第44回公演です。残すは今回を含むあと2回!


★9.劇団、本谷有希子『来来来来来(らいらいらいらいらい)』
  07/31-08/16本多劇場
  ≪東京、新潟、大阪、福岡≫
  ☆出演:りょう、佐津川愛美、松永玲子、羽鳥名美子、吉本菜穂子、木野花
   脚本・演出:本谷有希子
   5,800円 ※未就学児の入場不可
    http://www.motoyayukiko.com/
   本谷有希子さんの岸田戯曲賞受賞後第1作目です。受賞作のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1021220906.html
   実力派で曲者(笑)の女優が勢ぞろいで、濃い本谷ワールドを堪能できそう。


★10.こまつ座『兄おとうと』
  07/31-08/16紀伊國屋サザンシアター
  ☆出演:辻萬長、剣幸、宮本裕子、大鷹明良、高橋礼恵、
      小嶋尚樹、朴勝哲(ピアノ演奏)
   脚本:井上ひさし 演出:鵜山仁
   一般5,250円 学生割引 3,150円
    http://www.komatsuza.co.jp/
   2003年の初演から再演を重ねて、新たにこまつ座の代表作になりそう。

  ●お薦めポイント●
   国家とは、憲法とは何なのか。易しい言葉と温かい歌で伝えてくれます。
   2006年の再演時にメルマガ号外を出しました。レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0217182503.html
   一部キャストが変わっていますので、また違った魅力が増しているかも。


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3000円台の気になる作品を5本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】ロハ下ル『セインツ・オブ・練馬』
  07/01-05赤坂RED/THEATER
  ☆出演:町田水城(はえぎわ) 數間優一 芦原健介
    石澤彩美 伊東沙保 梅里アーツ 遠藤留奈 岡村泰子(きこり文庫)
    シトミマモル 田中慎一郎 古河耕史 山縣太一(チェルフィッチュ)
   脚本・演出:山中隆次郎
   初日・平日マチネ割引3500円/前売3800円/当日4000円
   ※割引料金は前売のみ適応
    http://www.lohakudaru.net
   スロウライダーを解散した、山中隆次郎さんの新ユニット旗揚げ公演。
   小劇場で活躍する役者さんがいっぱい。
   しのぶ的にはめまいがしそうなほどの豪華キャストです(笑)。


【2】ONEOR8『躾(しつけ)』
  07/09-26 吉祥寺シアター
  ☆出演:山本裕典 野本光一郎 和田ひろこ 恩田隆一 冨田直美
      冨塚智 伊藤俊輔 坂田梨香子 金森勝 岡本麗
   脚本・演出:田村孝裕
   3,800円(前売) 4,200円(当日) ※未就学児童の入場不可。
    http://www.oneor8.com/
   田村孝裕さん率いるONEOR8(ワンオアエイト)の新作です。
   シアタークリエの『ゼブラ』↓も素晴らしかったので、期待大!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0610220130.html


【3】モダンスイマーズ『血縁~飛んで火に入る五兄弟~』
  07/17-08/02赤坂RED/THEATER
  ☆出演:西條義将 小椋毅 古山憲太郎 津村知与支 蓬莱竜太
      室伏ひかり 古川悦史
   脚本・演出:モダンスイマーズ
   一般:前売¥3,500 当日¥4,000 
   学生割引(24才まで):前売¥2,500 当日¥3,000 その他割引あり。
    http://www.modernswimmers.com/
   岸田國士戯曲賞を受賞した蓬莱竜太さんが座付き作家をつとめる、
   劇団モダンスイマーズの10周年記念公演です。
   なんと蓬莱さんが「脚本を書かない」で、出演されます。


【4】燐光群『現代能楽集 イプセン』
  07/25-08/03東京芸術劇場 小ホール1
  ≪東京、愛知、兵庫≫
  ☆出演:馬渕英里可 紺野美沙子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎
    猪熊恒和 大西孝洋 樋尾麻衣子 杉山英之 安仁屋美峰 阿諏訪麻子 他
   脚本・演出:坂手洋二
   前売3,600円 当日4,000円 ペア6,600円(前売・予約のみ)
   大学・専門学校生3,000円 高校生以下2,000(学生券は前売・当日共通料金)
    http://www.alles.or.jp/~rinkogun
   坂手洋二さんが作・演出される燐光群の新作です。
   馬渕英里可さん、紺野美沙子さんがイプセン戯曲のノラとヘッダに?
   坂手さんは新国立劇場『鵺』でも“現代能楽集”ですね。


【5】劇団、江本純子『常に最高の状態』
  07/28-08/02ギャラリーLE DECO 5F
  ☆出演:池谷のぶえ 内田慈 内田亜希子 安藤聖 柿丸美智恵
   脚本・演出:江本純子
   前売3,300円 当日券3,500円(整理番号付自由席)
    http://www.kegawazoku.com/gekiemo/
   毛皮族の江本純子さんが毎月新作を発表するシリーズのvol.2。
   若い女優さん5人が小さなギャラリーで、何をしでかしてくれるのかしら。
   vol.0とvol.1の記録↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0525233123.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0627095643.html

 ☆☆☆―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売2000円台の気になる作品を4本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆ 

《1》MCR『ドリルチョコレート「キドクラッチ」』
  07/08-12スタジオあくとれ
  ☆脚本・演出:櫻井智也(MCR)
   前売り、当日とも2500円
    http://www.mc-r.com/
   MCRの櫻井智也さんが劇団外の達者な役者さんとつくるお芝居。
   爆笑必至、と思われます(笑)。


《2》カニクラ『73&88』
  07/15-19アトリエヘリコプター
  ☆脚本・演出:柴幸男(青年団演出部・ままごと)
   2500円(前売り・当日共に)整理番号付き自由席。
   16日14時の回は平日マチネ割引で2000円
    http://ameblo.jp/canicula88
   カニクラは女優の川田希さんと宝積有香さんの2人ユニット。
   人気爆発中の柴幸男さんを作・演出に迎えた新作4人芝居です。


《3》リトルモア地下『3人いる!』
  07/31-08/12リトルモア地下
  ☆脚本:多田淳之介 演出:飴屋法水
   予約制 全席自由2,800円 当日3,000円
    http://www.littlemore.co.jp/chika/
   東京デスロックの多田淳之介さんの戯曲を飴屋法水さんが演出。
   飴屋さんはSPAC『転校生』↓で久々に演劇界に復帰したばかり。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0328164305.html
   『3人いる!』は非常~に面白い3人(?)芝居です。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0601155534.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1002182919.html
   “12日間、毎日、何かが違ってる。”らしい・・・!


《4》パラドックス定数『五人の執事』
  07/31-08/09三鷹市芸術文化センター 星のホール
  ☆脚本・演出:野木萌葱
   一般 前売2,800円/当日3,000円
   高校生以下 前売当日とも1,000円
    http://www.pdx-c.com/
   野木萌葱さん率いるパラドックス定数の新作。
   緻密で骨太な男芝居を今回も期待。
   若手劇団を取り上げるMitaka"Next"Selection 10th.参加作品です。


≪海外劇団の招聘公演≫

 ○プロペラ『ヴェニスの商人』&『夏の夜の夢』
  07/02-12東京芸術劇場 中ホール
  ☆出演:プロペラ
   脚本:W・シェイクスピア 演出:エドワード・ホール
   S席6500円(65歳以上の方3250円) A席4500円(25歳以下の方2520円)
   ※未就学児童はご入場いただけません。
    http://www.geigeki.jp/propeller/
    http://www.geigeki.jp/saiji_052.html
   プロペラは男優だけでシェイクスピア作品を上演する英国の人気劇団です。
   『夏の夜の夢』と『ヴェニスの商人』の2作品が交互上演されます。
   野田秀樹さんの東京芸術劇場・芸術監督就任記念プログラムとしての初来日。
   高校生を招待するなど、野田さんの熱いメッセージ↓が伝わってきます。
    http://www.nodamap.com/en/tokyo/message.html
   7/2、7/3、7/4昼、7/8夜は完売。※英語上演。イヤホンガイドあり(有料)


 ○ミラノ・ピッコロ座『アルレッキーノ~二人の主人を一度にもつと』
  07/03-05世田谷パブリックシアター
  ☆出演:フェルッチョ・ソレーリ(3・5日), エンリコ・ボナヴェーラ(4日)
   脚本:カルロ・ゴルドーニ 演出:ジョルジョ・ストレーレル
   一般S席5,000円 A席3,500円 高校生以下:各一般料金の半額
   その他劇場会員割引、区民割引などあり。※イタリア語上演・日本語字幕付
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/07/post_157.html
   イタリアの古典劇コメディア・デラルテの傑作の、10年ぶり・3回目の来日。
   フェルッチョ・ソレーリさんは50年にわたってアルレッキーノ役を
   演じてらっしゃるそうです。全席完売。


 ○韓国国立劇場『胎(テ)~The Life Cord~』
  07/10-11世田谷パブリックシアター
  ☆出演:韓国国立劇場国立劇団
   脚本・演出:オ・テソク
   指定席一般4,000円 3階自由席2,000円 高校生以下:各一般料金の半額
   TSSS:各一般料金の半額 その他劇場割引、区民割引などあり。
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/07/the_life_cord.html
   韓国の伝統的な演劇手法を現代化させた、韓国国立劇場の代表作だそうです。


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.SPAC・Shizuoka春の芸術祭2009
  『少女と悪魔と風車小屋』『いのちの水』『本物のフィアンセ』
  06/27-28舞台芸術公園・楕円堂
  ☆仏オデオン座のオリヴィエ・ピイさん作・演出のグリム童話シリーズ3作。
   1本挙げるなら『本物の…』。愛情あふれる俳優の至芸に感涙。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0629233641.html
   「Shizuoka春の芸術祭2009」記者発表の写真レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0518224852.html


2.青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
  06/20-28シアタートラム
  ☆青年団が世界に向かって、劇団としての新しい展開を実践していることを
   見せつけられました。メルマガ号外を発行しました!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0621003002.html


3.ホリプロ『炎の人』
  06/12-28天王洲 銀河劇場
   豪華キャスト・スタッフによる重厚なストレート・プレイに満足。
   スターには、スターたりえる所以があることに納得。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0615113920.html


  流山児★事務所『ユーリンタウン』はアングラ・小劇場演劇と
  ブロードウェイミュージカルの見事なマリアージュを、激安価格で実現。
  東宝『ゼブラ』では、小劇場で活躍する田村孝裕さんの劇作・演出が
  商業演劇の劇場でも充分に発揮され、観客に歓迎されたことに感動。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2009年6月(観劇数30作品)は青年団『鳥の飛ぶ高さ』で発行!


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 ◆3 【もうすぐ夏休み!お子様向けのオススメ舞台♪ 】
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 ◎夏は小さなお子様と一緒に楽しめるお芝居がいっぱい!
  多感な時期に出会う劇場の魔法は、生涯の宝物になるかも・・・♪
  きっと大人も満足できちゃう作品を4つご紹介します。
  数ある夏休みのお楽しみラインナップに、舞台鑑賞も加えてください!


【1】子供のためのシェイクスピアカンパニー『マクベス』
  07/18-26紀伊國屋サザンシアター
  ≪滋賀、東京、茨城、福岡、大阪、宮崎、福岡、福井、三重、神奈川、
   愛知県、静岡県、東京、埼玉≫
  ☆作:シェイクスピア 翻訳:小田島雄志 脚本・演出:山崎清介
   大人4,800円 子供3,000円(中学生以下) 当日学生割引4,300円
    http://homepage1.nifty.com/j-ishikawa/kodomo/company/info2007.htm
   シェイクスピア作品をわかりやすく、面白く上演してくれます。
   イエローヘルメッツの手拍子は、誰でも真似したくなる楽しさ!


【2】ホリプロ『ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」』
  07/22-08/03東京国際フォーラム・ホールC
  ☆ピーターパン:高畑充希 フック船長:橋本じゅん
   ウェンディ:神田沙也加 タイガー・リリー:峯眞琴
   ダーリング夫人:比企理恵 他
   原作:ジェームズ・M・バリ 演出・潤色・訳詞:松本祐子
   S席おとな7,500円 S席こども4,800円(3~12歳) 
   A席3,000円 ドリームシート6,600円
    http://hpot.jp/peter/
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=128
   1981年から毎年恒例となっているホリプロの親子向け公演。
   フライング(空中遊泳)は何度見ても心躍ります♪


【3】新国立劇場こどものためのオペラ劇場
  『ジークフリートの冒険~指環(ゆびわ)をとりもどせ!』
  07/24-26新国立劇場 中劇場
  ☆作曲:ワーグナー 芸術監督:若杉弘 編曲・指揮:三澤洋史
   台本・演出:マティアス・フォン・シュテークマン
   2,100円 ※4歳未満のお子様の入場不可。お子様も1人1枚チケット必要。
    http://www.atre.jp/kids/
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000198_opera.html
   2004年初演のレビュー↓ メルマガ号外を発行しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1003111403.html
   新国立劇場のオリジナル作品。海外でも好評だったようです。
   子供たちが大喜びしそうな美術と衣裳に、大人もわくわく!


【4】子どもに見せたい舞台vol.3「ドリトル先生と動物たち」
  08/04-12にしすがも創造舎
  ☆原作:ヒュー・ロフティング「ドリトル先生航海記」
   翻訳:井伏鱒二 台本・演出:倉迫康史
   おとな(18歳以上)1,500円 中高生(中学生~18歳未満)500円
   こども(小学生以下):無料 
   7月1日の午前11時から電話、ウェブサイトで予約受付開始。
   電話:03-5961-5200(月~金/午前11時~午後6時)
    http://art-matsuri09.blogspot.com/
    http://sozosha.anj.or.jp/dolittle/ ※7/1に公開予定
   にしすがも創造舎の夏休み恒例企画となった、
   「子どもに見せたい舞台」シリーズの第3弾。小学生以下無料!
   毎年大人気でチケットは早々に完売しますので、ご予約はお早めに!
   第1弾『オズの魔法使い』
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0826005203.html
   第2弾『少年探偵団~怪人二十面相を追え!!』
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0822164409.html


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎今月は観たい作品が山盛り!! 久しぶりに、
  チケット代3,000円台、2,000円台の欄を両方設けてみました。
  公式サイトやチラシ、新聞・雑誌などもチェックして、
  ピピッとひらめいた公演に足を運んでくださいね♪


 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル、
  「CoRich舞台芸術まつり!2009春」のグランプリ発表は7/15(水)!
   http://stage.corich.jp/festival2009/
  

 ◎おすすめ舞台中継 on TV

  【NHK BS2】7/4(土)午前0:45~3:50(3日深夜)
  こまつ座「太鼓たたいて笛ふいて」(2004年公演)
   http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/
  トークのゲストは劇作家の井上ひさしさん。

  【HK教育】7/10(金)23:30~
  リミニ・プロトコル「カール・マルクス:資本論、第一巻」
   http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html#drama0710 ↓レビュー
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0226235354.html

  【WOWOW】7/18(土)午後0:00~
  ホリプロ『ムサシ』彩の国さいたま芸術劇場大ホール
   http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075437001/index.php
  井上ひさし作・蜷川幸雄演出。藤原竜也&小栗旬の夢の競演。↓レビュー
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0313204728.html

  アトリエ・ダンカンの人気小説舞台化シリーズを3夜連続で放送!
  【WOWOW】7/27(月)深夜0:00~
  『風が強く吹いている』
   http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075425001/index.php

  【WOWOW】7/28(火)深夜0:30~
  『鴨川ホルモー』
   http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075429001/index.php ↓レビュー
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0515235858.html

  【WOWOW】7/29(水)深夜0:00~
  『夜は短し歩けよ乙女』
   http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075430001/index.php ↓レビュー
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0403225239.html


 ◎今月上演される作品の記者発表・稽古場レポートです(初日順)。

 ・SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」
  06/06-07/05静岡芸術劇場、屋内ホール「楕円堂」、
       野外劇場「有度」、稽古場棟「BOXシアター」
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0518224852.html

 ・Studio Life『LILIES』
  06/17-07/12紀伊國屋ホール
  ≪東京、兵庫≫
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0519214327.html

 ・メジャーリーグ『ヘッダ・ガブラー』
  07/08-14赤坂RED/THEATER
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0623060257.html


 ◎作品紹介文を書かせていただいた↓『UMOJA(ウモジャ)』のチケット発売中!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0426182918.html
 
 ・TBS/朝日新聞社/光藍社/イープラス主催
  『ミュージカル「UMOJA~THE SPIRIT OF TOGETHERNESS~」』
  09/19-23赤坂ACTシアター
   http://eplus.jp/umoja/
  全席一律9,500円/上演時間:約150分/字幕解説付き 
  良いお席でご覧いただきたいです。ご予約はお早めに!


 ◎「フェスティバル/トーキョー09秋」のプレサイトがオープン!
   http://festival-tokyo.jp/09at/
  今年は秋から冬にかけても忙しくなりそう♪ ↓「F/T09春」まとめ
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0330111410.html


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2009年6月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「K-20 怪人二十面相・伝」←金城武さんがコミカル&キュート。
    http://www.k-20.jp
  ・「ノン子36歳(家事手伝い)」←あの結末って…。星野源さんが素敵。
    http://nonko36.jp/
  ・「ラブファイト」←高1の恋の発露に萌えます(笑)。横恋慕女子もイイ!
    http://www.toei.co.jp/movie/details/1174801_951.html
  ・「夢のまにまに」←そうです、井上芳雄さん目当てです♪
    http://yumemani.com/

  邦画といえば、「愛のむきだし」DVDは7月24日(金)より発売開始!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0529224426.html


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


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  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
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  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 15:07 | TrackBack

2009年06月29日

SPAC・Shizuoka春の芸術祭2009『オリヴィエ・ピィのグリム童話「少女と悪魔と風車小屋」「いのちの水」「本物のフィアンセ 」』06/27-28舞台芸術公園・屋内ホール「楕円堂」

20090627_Grimm%27s_fairy_tales.JPG
オリヴィエ・ピィのグリム童話

 先々週に続いて、再び静岡の舞台芸術公園に伺いました。ひどい方向音痴の私ですが、静岡に行くのにはだいぶ慣れました~♪ 今回は初の1泊2日観劇旅行で、6/27(土)に4本、6/28(日)に1本の合計5本を鑑賞しました。

 『オリヴィエ・ピィのグリム童話』は、2007年3月から仏オデオン座の芸術総監督となったオリヴィエ・ピィさんの翻案・演出作品です。同じセット、同じ俳優による3作連続上演でした。素晴らしかった・・・!

 ⇒記者発表
 ⇒CoRich舞台芸術!『オリヴィエ・ピィのグリム童話

 演劇への愛、芸術への愛に満ちていました。何でもできちゃう役者さんたちが、演じて、歌って、楽器を演奏して。アクシデントへの対応も自然そのもので、プロの至芸を見たという気持ち。
 童話の登場人物を演じるためか、役者さんのメイクは基本的に白塗り。演じるのは男、女、動物、神、悪魔でも何でもこい。クラウン(ピエロ)の演技手法ってとても大事なんだということが、実感としてわかりました。

 アコーディオン、フルート、クラリネット、トランペット、シンバル、ドラム、チューバなど(楽器名は間違ってるかも)の演奏と、美しい詩のような歌が挟まれる音楽劇ですが、いわゆる“音楽劇”“ミュージカル”というイメージはゼロ。何が違うのかを一緒に観た人と話し合ったところ、BGMも効果音もすべて楽器や声の生音で表現しているため、演技と歌(&音楽)のシーンの境がないのではないかという結論にいたりました。そういえば音楽、歌、セリフが、役者さんの演技のおかげで調和していたように思います。「これから歌が始まるゾ!」という間(ま)も、演技でつながっているんですよね。

 舞台美術は3作品とも共通でした。丸い電球が等間隔に付いている壁と、舞台全体の色を変える赤と青のスクリーン、そして2階立て(といっても2階は屋根のみ)の小屋がメインの装置です。小屋は2つに分裂する箱でできており、壁が開いたり、窓・ドアが開いたり、シンプルな動きですがクルクルとすばやく場面を展開していきます。

 ヒロイン(娘・王妃など)を演じる女優さんがあまりに素晴らしくて、彼女を観るだけで幸せな気持ちになりました。『いのちの水』では死期の近い老王役を演じられており、変幻自在とはこのことだと思いました。楽器はフルート。けっこうなお年なんじゃないかな~と思うのですが、もーほんっとに可愛いんです!!

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

■少女と悪魔と風車小屋(65分。6/27(土)13:00開演)

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。
 風車小屋に住む粉屋が森で見知らぬ男に出会い、「三年後に風車の裏にあるものをくれるなら金持ちにしてやろう」といわれる。粉屋は男の提案を受け入れ、瞬く間に金持ちになる。だが約束の日、風車小屋の裏にいたのは、粉屋の一人娘だった。男は悪魔だったのだ。悪魔は粉屋に命じて娘の腕を切り落とさせる。娘は悲しみのあまり放浪の旅に出ていく…。
 ≪ここまで≫

 父親にも悪魔にも見捨てられた娘は、「ずっと家にいればいい」という父親の言うことは聞かず、娘は自ら旅に出ます。森で出会った天使の導きのとおりにしていたら、王に出会って結婚。戦争に行った王との往復書簡を悪魔に邪魔されて、生まれたばかりの子供を殺されかけますが、庭師の計らいで逃亡に成功。

 王が戦争を好きになったのだと勘違いして、庭師がささやいたセリフで泣けました。
 庭師「王に、花を名前を(あんなに沢山)教えたのは無駄だったのか。」
 庭師の牛乳瓶の底のような厚いメガネが可笑しい(笑)。庭師役の俳優さんは、『いのちの水』で優しい三男役。

 赤色メイクの悪魔がかわい~♪悪魔役の男優さんは、『いのちの水』では長男、『本物のフィアンセ』では王の部下役を演じてらっしゃいました。

 天使役はアコーディオンを弾く女優さん。「最後の王様の言葉にこの物語のすべてがある」という意味のセリフがありました。王様が叫んだのは「私は驚くばかりだよ!」だったかな。人生は人間の予想どおりにはいかず、神秘的なことばかり起こるもの、驚きの連続なのだと受け取りました。王妃の銀の手が生身の手に変わることだってあるんですよね。

■いのちの水(75分。6/27(土)18:00開演)

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。
 死にゆく王の枕元に、三人の息子が集められた。王が助かる道はただ一つ、永の宮殿にある「いのちの水」を飲むこと。まずは長男が、次に次男が「いのちの水」を求めて旅立つが、途中で出会った物乞いが天使であることに気づかず、動物の姿に変えられてしまう。そしてついに最後に残った末っ子が氷の宮殿へと旅立つ…。
 ≪ここまで≫

 三男は氷の宮殿で運命の女性と出会って恋に落ち、結婚の約束をします。女からもらった「いのちの水」を父に届ける途中で色んな国を救いますが、長男と次男の策略にかかり、父を殺そうとした罪で死刑を宣告されます。でも庭師の計らいで逃亡に成功。三男が助けた国から贈り物が届いたことで、父は自分が誤解していたことを知り、後悔します。

 父王が瀕死状態の時、長男の指示でひつぎが作られています。木に釘を打つ「コーン、コーン」という音は、時計の針がチクタクと鳴る音に聞こえて、それは時間が経つ音、つまり死の足音を示しています。三男が「ひつぎを作るのは止めて、音楽を演奏させよう」と提案し、音楽のおかげで父は息を吹き返します。
 「時計のチクタクの音を、メトロノームの音に変える」というセリフがあったと思います。最後は音楽の演奏で大団円のハッピーエンド。音楽こそ至上の喜び、命。No music, no lifeですね。
 ライオンが美味しいパンを食べて改心するのは、食の喜びを表しているんだろうな~とか。

 つばを吐く、水を吹くなど、荒々しい演出もあり(笑)。口から物を出すことに大きな意味があるんでしょうね。かなりお行儀が悪いのでしょうし、それを面白がっている節もあり。

 神様が三男に楽器(トランペット?)を渡そうとして、小屋の2階の床にガタン!と落としてしまうトラブルがありました。三男役の男優さんが即座に「わはははは!」と大声で笑い、常に無表情の神様役の女優さんも、ニヤリと笑ってらっしゃいました。アドリブというのか何というのか、舞台で役柄としても自分自身としても、無理なく存在されているからこそできる対応だと思います。


■本物のフィアンセ(約90分。6/28(日)13:00開演)

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。
 娘は継母に毎日無理難題を押しつけられていた。森に逃れた娘は王子と出会い、恋に落ちた王子は再会を約束して森を去る。だが、継母が王子に「忘却の水」を飲ませたために、王子は娘を忘れ、人形に恋をしてしまう。娘は牢獄に囚われ、やはり囚われの身となっていた俳優たちとともに、王子の記憶を取り戻すための舞台を準備する…。
 ≪ここまで≫

 本物を忘れ、偽物にまどわされ、自分自身のことも忘れてしまう王様。王のセリフ→「私に名前はいらない。私は王だ!」。
 「本物を見極めろ!」「自分の気持ちに従え!」というメッセージをもらったように思いました。最近観た『ハルメリ』を思い出したりも。

 『少女と悪魔と風車小屋』のパロディを面白おかしく見せて、「芸術は選ばれた人だけに与えられるものではない」「芸術は国家権力の下にあるものじゃない」「国のために演劇を作るなんて願い下げ!」という強い主張もあり。あぁ、この演出家は戦っているんだなと思い、笑いながらも涙が出てきました。

 一番感動したのはこの会話。劇中劇を通じて王様はやっと本物に気づきます。
 王「芝居をやめるのが怖い。」
 本物のフィアンセ「やめずに続ければいい。芝居は真実よ!」

 日本語のセリフがたくさん。この公演のために覚えてくださったんですね。
 「思い出して!」「あなたのことよ!(←ここは仏語)It's you!」
 「オデオン座で芝居ができるなんて思ってなかった!」というセリフの“オデオン座”を“日本(japon)”に変えていたり。

 ハプニングへの対処がものすごく自然で優雅です。部下役の役者さんの胸についていた(のであろう)小さなひまわりの花が、小屋の上から床にポトリと落ちたところで、舞台上の役者さんがそれを無視せずにきちんと反応し、アイコンタクトまでしていました。後から違う役者さんがひまわりを拾ってはけて、最後に近い大団円のシーンで、部下役の人は胸にひまわりを付けて登場。庭師の役者さんが胸のひまわりを指差して笑い、「胸に戻って良かったね」という演技をされていました。

 鳥に歌を教える庭師と王の部下の2人による、“鳥の鳴き声の歌”(タイトル不明)が素晴らしかったです。庭師が歌い続けるのに合わせて、部下は5種類ほどの小さな笛(?)を吹き続けます。吹く技術も凄いですが、表情やたたずまいの冷静さが笑いを誘います。あまりに長い間ずっと歌って演奏しているので、超~盛り上がりました。

 この作品でもっとも強烈な印象を残したのは、継母役と劇団団長役の2役を演じた男優さん。継母は恐ろしい鬼のようで、団長は悪代官のようで(笑)。どちらも大迫力でした。

 『いのちの水』と同様に音楽で終幕。スタンディング・オベーションにブラボーの掛け声も続出。拍手が鳴り止まず、何度もカーテンコール。

演劇/フランス Grimm's Fairy Tales "The Girl Without Hands" "The Water of Life" "The True Bride"
出演:パリ・オデオン座 (セリーヌ・シェエンヌ/サミュエル・シュラン/シルヴィー・マガン/トマ・マタルー/アントワーヌ・フィリッポ/バンジャマン・リテール)
原作:グリム兄弟 翻案・演出:オリヴィエ・ピィ 装置・衣裳デザイン・メイク:ピエール=アンドレ・ヴェイツ 照明デザイン:オリヴィエ・ピィ、ベルトラン・キリー 作曲:ステファヌ・リーチ 技術監督:フロラン・ガリエ 舞台:ダヴィッド・オルショウスキー 照明:ジョゼ・ミュリエダス 衣裳:ジュリエンヌ・ポール ツアーマネージャー:アンヌ・ロジョー 字幕翻訳:西尾祥子 通訳:宮脇永吏 製作:パリ・オデオン座、オルレアン=ロワレ=サントル国立演劇センター、シャロン=アン=シャンパーニュ国立舞台「ラ・コメット」 協賛:エールフランス、キュルチュールフランス、フランス大使館 協力:東京日仏学院
【発売日】2009/05/06[一般大人]4,000円 [同伴チケット(2枚)]7,000円[学割]大学生・専門学校生 2,000円/高校生以下 1,000円 ☆お得な週末劇場ハシゴ券あり☆
http://www.spac.or.jp/09_spring/grimm

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:36 | TrackBack

2009年06月27日

劇団、江本純子『セクシードライバー』06/26-28ギャラリーLE DECO 4F

 毛皮族の江本純子さんが作・演出する前田司郎さんと安藤玉恵さんの2人芝居。初日は立ち見続出の超満員でした。

 めっちゃくちゃ饒舌な2人芝居!面白かった~♪上演時間は約1時間22分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『セクシードライバー
 レビューは後ほどアップ予定。

劇団、江本純子第1回公演
出演:前田司郎(五反田団) 安藤玉恵 江本純子
作・演出/江本純子 美術/伊藤雅子 照明/黒尾芳昭 音響/岡田悠(One-Space) 衣裳/中西瑞美 舞台監督/村田明 宣伝美術/two minute warning チラシイラスト/河井克夫 WEB/rhythmicsequences 制作/照井恭平 制作統括/樺澤良 企画製作/毛皮族
【発売日】2009/05/31 前売3,200円/当日3,500円
http://www.kegawazoku.com/gekiemo/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:56 | TrackBack

reset-N『眠るために目醒める』06/25-30王子小劇場

 夏井孝裕さんが作・演出されるreset-N(リセット・エヌ)の新作です。夏井さんがフランス留学から帰国して、前回から作風がかなり変わりました。言ってみれば「私戯曲」ですね。お値打ち価格のプレビュー公演(1500円)に伺いました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『眠るために目醒める』★CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 この作品は二つの場所から立ちあがります。
 一箇所は皆さんのいる稽古場、もう一箇所は私の部屋です。
 二つの人体実験を我々は並行して進めなくてはなりません。
 私は、新しい主人公を創造します。
 彼女は、眠り続けます。
 実験が終わるとき、私たちはまた新しい演劇に出会うでしょう。
 (『眠るために目醒める』作者から俳優に届いたメールより)
 ≪ここまで≫ 

 どこまでが事実でどこまでが創作かということには、あまり興味は沸かなかったですね。前回観た時に充分以上に(笑)スリルを味わいましたので。
 それより、なぜ、もしくは何のために作品を作って、それを誰か(観客)に見せようとするのかが知りたいと思います。そういう意味では満足はできなかったです。
 チラシによると、作品を創る快楽が夏井さんの生命線だそうですので、私はその生き方を見つめていこうかなと思います。いつまでも、とは言えませんが。

 ここからネタバレします。

 私は作家でも演出家でもないですが、「脚本を書くのは眠って夢を見ること、演出するのはしっかりを目を見開いて世界を見つめること」という考えには、なんとなく共感します。

 王子小劇場のいつもの客席側を舞台にして、劇場入り口のドアを使っていました。机の上に寝ていた女が起き上がり、ドアから出て行く最後のシーンはきれいでした。

reset-N Ver.24.0
出演:鶴牧万里/原田紀行/田中のり子/山田奈々子/日高勝郎(InnocentSphere)/山前麻緒(劇団夜想会)/西尾美鈴 ※出演予定だった綾田將一は怪我のため、西尾美鈴が代役として出演いたします。
【脚本・演出】夏井孝裕 【グランドデザイン】massigla lab. (夏井孝裕/ 浅香実津夫/ 荒木まや/ 内野なみ)【舞台監督】桑原淳【音響】荒木まや【照明協力】ミゾカミクニコ【衣裳】万代貴子(ネコネンド)【演出助手】黒木唯(活劇工房)【制作協力】 藤田晶久(palette-bullet)【Other Members】久保田芳之/黒澤亜希子/綾田將一【宣伝美術】quiet design productions【主催】reset-N
【発売日】2009/05/15 前売り2,500円、当日3,000円、学生2,000円(前売のみ)、プレビュー(25日のみ)1,500円
http://www.reset-n.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:20 | TrackBack

西村和宏(青年団演出部)+ウォーリー木下(sunday)企画『ハルメリ』06/23-30アトリエ春風舎

 第13回劇作家協会新人戯曲賞を、審査員の圧倒的支持を受けて受賞した『ハルメリ』(作・黒川陽子)が、東京で初めて上演されます。リーディング公演を拝見した時にすごく面白かったので、本格的な上演の情報を知った時はとても嬉しかったんです。

 青年団演出部の西村和宏さんが、大阪の劇団sundayのウォーリー木下さんに演出を依頼し、この公演をプロデュースされました。やっぱり面白い戯曲でした~。

 チラシがかっこいいですよねー!デジタルで無機的なイメージが戯曲にぴったりだと思います。黒バージョンと白バージョンの2種類あるのも素敵。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ハルメリ

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 いま私はクラブ・ハルメリに来ています……またしても若者達の……学生運動や安保闘争は……抵抗……しかし今回は違います。見てください。ハルメリを合言葉に、若者達が年配の大人達と一緒に踊っています!!」 ――ハルメリは優しさの思想。つまらない競争をやめ、全てを受け入れ合う。相手も自分も大した人間でないことを知り、微笑みの中に自分の居場所を見つける。「……そういう、冗談なんです」
 現代社会を若い視点からするどく描き、審査委員の圧倒的支持をうけて第13回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した『ハルメリ』(作・黒川陽子)を東京で初めて上演。
 ≪ここまで≫

 文字通り劇場全体を使ったショッキング・ピンク色の装置(戯曲の指定どおりですね⇒戯曲サンプル)。壁も床や道になっているのが楽しいです。舞台奥のテレビ画面(笑)と、舞台中央の大きなテーブル、そして壁面だけで、スムーズに多くの場面転換をこなしていくのは見事だな~と思いました。

 フィジカル・シアターとまではいかないものの、歩いて、走って、登って、飛んで、ぶつかって、体を存分に使う激しい演出は見ごたえあり。でも、終盤以降はリズムがあまり良くなくて、ラストシーンはちょっと物足りなかったかも。全員オーディションで選ばれた(んですよね?)からか、役者さんの力量もバラバラで、全体のまとまりが弱い気もしました。

 ここからネタバレします。

 流行に踊らされる大衆とメディア、薄まっていく個人、「みんな仲良し」という脅迫。夫婦や恋人といった枠組みも溶けて消え去り、体ごとべっとりとつながって互いに侵食しあっていくイメージは、アニメ「エヴァンゲリオン」と重なりました。

 結局「ハルメリ」とは何だったのか(何を象徴していたのか)が、最後にわかりたかったですね。いえ、答えがあるわけじゃないのでしょうけど、演出家がこの戯曲の最後に何を伝えようとしたのか(もしくは、匂わせようとしたのか)を知りたかったです。リーディング公演では、台本の代わりにパソコンの画面を見て朗読されていまして(演出:山本健翔)、ラストシーンはリーディング版の方が、雄弁で面白かったな~。

 アイドルを筆頭にハルメリ美女(熊澤さえか)や“妻”(年清由香)が、次々と「ハルメリの神(三原玄也)の子供を身ごもった」と嘘の告白をしていきます。その後、彼と交際していた女(境宏子)の妊娠がわかりますが、彼女は即座に堕胎を決心し、終幕。つまり、嘘の子供は次々に生まれるけれど、本当の子供は殺されてしまうんですよね。ハルメリという実体のないものに人間が支配されて、命まで奪われていく(自滅していく)という恐ろしい結末だと思います。しかも、それが現代を表しているから凄い戯曲だと思います。

 アイドル(長野海)が踊って歌う「恋のハルメリ」という曲は、本当に長野海さんが歌っているオリジナル曲だそうです。いい曲だし踊りも可愛い(笑)。思いっきりperfumeですよね。劇場でCDが300円で売ってます。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(下手より):西村和宏/わたなべなおこ(あなざーわーくす)/ウォーリー木下

 作品に関係のないトーク(関西と関東の習慣の違いなど)に終始してしまって、非常に残念。

出演:荒木香奈(クレイヅ・プロ)  大友久志 片倉裕介 菊池美里 熊澤さえか 斎藤萌子(エムズクルー)  境宏子(リュカ.)  サカモトワカコ(THE MILLIONS)  長島美穂(机上風景)  中村祐樹 長野海(青年団)  年清由香(sunday)  三原玄也(オフィスクロキ)  山岡太郎 由かほる 芳川痺(9-States) 若旦那家康(ROPEMAN(31))*出演を予定していた江ばら大介は急病のため降板いたしました。
脚本:黒川陽子(劇団劇作家) 演出:ウォーリー木下(sunday) プロデューサー:西村和宏 照明:岩城保 舞台美術:濱崎賢二 映像:深田晃司 宣伝美術:京 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画) 制作協力:林有布子(アゴラ企画) 芸術監督:平田オリザ 企画制作:西村PRODUCE/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【発売日】2009/05/24 予約・当日共 一般2800円 学生2300円 ※芸術地域通貨ARTS(アーツ)がご利用いただけます。
http://saladball.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 00:03 | TrackBack

2009年06月26日

ヨーロッパ企画『ボス・イン・ザ・スカイ』06/17-28青山円形劇場

 ヨーロッパ企画は上田誠さんが作・演出を手がける京都の劇団です。東京公演は、新作をひっさげて国内6箇所をめぐるツアーの最終地。

 ヨーロッパ企画に会いたくて劇場に足を運んだら、いつものヨーロッパ企画が、いつものゆるくて温かい空気で、青山円形劇場を満たしてくれていました。ヨーロッパ企画があることに、感謝。

 今年の冬は映画「曲がれ!スプーン」の公開(11/21より)に合わせて、同タイトル作品のツアーがあります!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ボス・イン・ザ・スカイ

 ≪あらすじ≫
 ドラゴン退治という重大な任務を負う光の戦士たちは、今日も山奥で業務に励んでいた。そこにファンらしき1人の少女がやってくる。久しぶりのファンの来訪に沸き立つ戦士たち。しかし彼女の目的は違うものだった。それは・・・。
 ≪ここまで≫

 客席が360℃ぐるりと囲む、完全円形の舞台です。なにやら古い塔らしきものがそびえ、てっぺんにはドラゴンの体がうねうねとからまっています。

 苦労して集めたクリスタルを使って、ドラゴンを異界へと転送するのが戦士たちの仕事。でもイレギュラーなことが起こって、しばらく現場で野営することになります。そこからどんどんとスケールの小さな話になっていきます。「ドラゴン関係ないじゃん!」って言いたくなるぐらいに(笑)。

 いわゆるボケつっこみでも笑わせてくれますし、こまごました小ネタもこだわりが感じられて楽しいです。やっぱり劇団ならではの呼吸というか、独特のコミュニケーションの密度が心地いいんですよね。
 今回は劇中に流れた音楽がどれもとても素敵でした。サウンドトラックCDも発売されていた気がします。

 ここからネタバレします。

 少女はライブ・イベント"Howling Hills"に行きたかったんですね。例えばフジロックのような夏ならではの音楽祭に。
 戦士たちは最初にフェスのことを馬鹿にしたものだから、「やっぱり自分もフェスに行ってみたい」とは言えなくなります。それでもどうにかして、仲間には内緒でフェスに行こうと、それぞれにジタバタもがく姿が滑稽で、笑いを誘います。
 ラストシーンは真っ暗に暗転する中で、フェスのチケットである蓄光リストバンドが全員の手元に光っているというオチ。可愛かったな~。

ヨーロッパ企画第27公演 ≪滋賀、京都、広島、福岡、兵庫、東京≫
出演:石田剛太 酒井善史 諏訪雅 角田貴志 土佐和成 中川晴樹 永野宗典 西村直子 本多力 山脇唯
脚本・演出=上田誠 音楽=伊藤忠之 美術=長田佳代子 照明= 葛西健一 (Gekken Staffroom) 音響=宮田充規 (GEKKEN staff room) 衣装=中嶋佑一(artburt) 舞台監督= 筒井昭善×大鹿展明 宣伝美術=井上能之 宣伝写真=清水俊洋 制作= 井神拓也・諏訪雅・本多力・吉田和睦・吉永祐子 WEB=樫木由子・柏敏行・片岡二郎・中路まり絵 協力=REENAL by resona bank、Gekken Staffroom 京都芸術センター制作支援事業 企画・製作=ヨーロッパ企画/株式会社オポス
【休演日】6/23(火) 【発売日】2009/04/04 前売3,500円/当日3,800円
http://www.europe-kikaku.com/projects/e27/main.htm

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:52 | TrackBack

さいたまゴールド・シアター『アンドゥ家の一夜』06/18-07/01彩の国さいたま芸術劇場小ホール

20090621_Ma_Nuit_chez_Ando.jpg
劇場前のポスター

 蜷川幸雄さんが演出を手がける、平均年齢70歳(!)の劇団さいたまゴールド・シアターの新作です。現在、団員数は42名。『95kgと97kgのあいだ』を観て大ファンになってしまいました。

 脚本を手がけるのは、端から見ていてあまりに多忙そうなゆえ、勝手に「初日の幕は開くのかしら・・・」と心配になってしまう、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん。でも初日は無事に開いたようで、私は4ステージ目に伺いました。上演時間は約3時間20分(休憩15分を含む)。

 劇場内でさいたまゴールド・シアターの写真展も開催中です。とっても良かった~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『アンドゥ家の一夜

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 彼らが50年ぶりの再会を果たしたのは、学生時代の恩師、安藤の危篤の報せを受け取ったからだ。そこはポルトガルに建つ安藤先生の豪邸。隣家の老夫婦は「アンドウ」が発音しにくいのか、「アンドゥ」と呼ぶ。やがて「最期の瞬間」に立ち合うべく集まる、アンドゥの人生を彩ったたくさんの人々。あたかも全員が揃うのを待つかのように続く、アンドゥの小康状態――――

 人生の終焉を目前にした男と、彼をとりまく人々を独自の視点で見つめ、この世の不条理と、人間の愚かさ、逞しさをユーモラスに描く、ケラリーノ・サンドロヴィッチ渾身のブラック・ファンタジィ。
 ≪ここまで≫

 40人強の年配の役者さんが皆で一緒に歩くのを見るだけで、またもや涙がぼろぼろとこぼれてきてしまいました。皆さんそれぞれの体に、人生そのものがにじみ出ているように感じます。

 若かりし頃の(50年前!?)の恋とか、現在進行形の不倫とか、もう、煩悩ばっかり!(笑)。ケラさんならではのすっとぼけた、もしくは、毒の効いた笑いもいっぱいで、何度か大笑いしました。ただ、さすがに3時間20分は長かったかも。

 ちょこっとネタバレします。読んでから観に行っても問題ないと思います。

 会場に入ると、豪華な装置の上にすでに大勢の年配の役者さんが!中には黒いTシャツにズボンの若いスタッフさんもいるようです。なんと蜷川さんもいらっしゃる!手に台本を持っている方も多く、開場時間に皆さんで台本確認中??・・・あぁ、楽しすぎる。これだけでも埼玉まで来て良かったと思いました。チケット代3000円は格安です。

 さいたまゴールド・シアター、ヤン・ファーブル、コンドルズというラインアップ↓ なんて豪華な! 
200906211322000.jpg


 ここからネタバレします。

 蜷川さんがプロンプをやられるなんて、想像だにしませんでした(笑)。しかも通路の階段に座っているなんて!よく見たら、すべて(?)の通路にスタッフさんが台本を持って座っているのです。3方をぐるりと客席が囲む舞台なので、どの方向からもプロンプができるようになっているんですね。

 水色の玉が黒子の釣竿にひっぱられて動く、アナログな演出がツボ(笑)。最後はその玉が光って宙を舞います。またじんわりと涙してしまった。

さいたまゴールド・シアター第3回公演
出演:さいたまゴールド・シアター(中野富吉/益田ひろ子/田内一子/小川喬也/髙橋清/佐藤禮子/ちの弘子/倉澤誠一/遠山陽一/葛西弘/宅嶋渓/大串三和子/加藤素子/寺村耀子/石井菖子/小渕光世/吉久智恵子/竹居正武/美坂公子/北海雅章/田村律子/関根敏博/宇畑稔/林田恵子/小林允子/徳納敬子/石川佳代/滝沢多江/宮田道代/重本惠津子/森下竜一/竹居正武/神尾冨美子/高田誠治郎/中村絹江/小林博/百元夏繪/谷川美枝/都村敏子/上村正子/渡邉杏奴/西尾嘉十)
脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:蜷川幸雄 演出補:井上尊晶 美術:中越司 照明:岩品武顕 衣裳:小峰リリー 音響:市川悟 振付:広崎うらん 演出助手:藤田俊太郎 舞台監督:山田潤一  宣伝イラスト:山本容子 宣伝美術:坂村健次(C2design) 制作統括:渡辺弘 武井裕之 技術統括:山海隆弘 営業宣伝:藤田努 鶴貝典久 小林辰郎 瀧澤晶子 票券:鈴木勇一 松井哲 制作助手:三浦紗奈弓 インターン:岩山有子 岡島裕紀 設楽咲紀 制作:松野創 高木達也 田中謙介 主催・企画・製作:財団法人埼玉県芸術文化振興財団
【発売日】2009/04/18 一般:3,000円 メンバーズ:2,700円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2009/p0618.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:19 | TrackBack

2009年06月23日

【稽古場レポート】メジャーリーグ『ヘッダ・ガブラー』06/19都内某所

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『ヘッダ・ガブラー』チラシと台本

 メジャーリーグのイプセン・シリーズ第3弾は『ヘッダ・ガブラー』。初日まで約3週間となり、立ち稽古が始まった稽古場にお邪魔しました。
 これまでに庭劇団ペニノのタニノクロウさんの演出で『野鴨』と『ちっちゃなエイヨルフ』が上演されましたが、今回の演出は箱庭円舞曲の古川貴義さん。またもや若手劇作・演出家の大抜擢ですね!

 魔性の女ヘッダ役を演じる小沢真珠さんをはじめ、山本亨さんら魅力的なキャストが揃った、少数精鋭の5人芝居です。1890年に書かれた古典戯曲ですが、現代的でピリリと刺激のある、軽快なストレート・プレイに仕上がりそうな予感♪ 客席数173席の“大人の小劇場赤坂RED/THEATERにぴったりの、知的でシックなお芝居になりそうです。

 ■メジャーリーグ『ヘッダ・ガブラー』⇒公式サイト
  2009年7/8(水)~14(火)@赤坂RED/THEATER
  ⇒CoRich舞台芸術!『ヘッダ・ガブラー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。(役者名)を追加。⇒人物相関図
 舞台は、ガブラー将軍の娘ヘッダ(小沢真珠)とその夫、学者のテスマン(伊達暁)の新居。
 新婚旅行から帰ったばかりの二人のもとを訪れてきたのは
 ヘッダに思いを寄せ、その微妙な関係を楽しんでいるブラック判事(山本亨)。
 そしてテスマンのライバルであり、ヘッダが唯一特別な感情を抱いた、レェーヴボルク(小野哲史)。
 そのレェーヴボルクを追いかけてやってきた、かつての友人、エルヴステード夫人(町田マリー)。
 彼らはみな、自分の思うがままに奔放に生きるヘッダにその運命を振り回されることになる。
 ≪ここまで≫ 

【写真↓】左から、ヘッダ(小沢真珠)とエルヴステード夫人(町田マリー)
2hedda_maju_mary.JPG

 充実した静けさと緊張感は常にあるものの、全体としてはゆるりとリラックスした雰囲気で、さわやかな風も感じられる、肌に心地よい稽古場でした。
 まずは第1幕を通して短いフィードバック(ダメ出し)。次に第2幕をザっと通した後、2幕のはじめからシーンを細かく止めて、丹念に繰り返していきました。指揮を執るのは演出の古川さんですが、役者さんの方から「次はこのシーンをやりたい」「先に動きを決めていった方がいいんじゃないか」等の意見もスムーズに出ています。

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演出の古川貴義さん

 古川「制作会社のプロデュース公演に参加するのは初めてですが、役者さんとのコミュニケーションを楽しんで取れていると思います。役者さんから意見が出るのも、自分の劇団での稽古と同じですね。稽古開始から1週間ぐらいは、徹底的に読み合わせをしました。作品全体や個々のシーンの意図について議論し、質問し合ったので、相互に作っていけていると思います。」

 笹部博司さんによる上演台本は伸び伸びとした現代の日本語で書かれており、海外戯曲の香りはほんのりと漂うものの、一読した時は約120年前に書かれた古典という印象は全くありませんでした。
 古川「衣裳も装置もクラシックな感じにはしたくなくて。時代考証に重きは置かず、抽象的にするつもりです。」

 この日、稽古が綿密に繰り返されたのは、欲望のまま直情的に生きる軍人の娘ヘッダ(小沢真珠)と、彼女に夢中で何やら企みを秘めていそうなブラック判事(山本亨)が、2人っきりで話すシーン。【写真↓】
4hedda_yamamoto_maju.JPG

 ヘッダが本音を吐露する長いセリフの間に、短いセリフの小気味よいやりとりが挟まれ、リズミカルに進みます。圧倒的な主導権を握っているのはヘッダですが、ブラック判事が自分の下心を意図的に見え隠れさせて彼女を誘導するので、2人の関係は危うい均衡性を保ちつつ、シーソーのように上下します。プラトニックではあるものの、官能のムードを露骨に漂わせる駆け引きに、ニヒヒと笑えてきちゃったりも(笑)。
 古川「そこはじとっと見合って、2人だけの空気を作ってください。ヘッダの『お話をね』というセリフは、『を』の音を下げて、語尾の『ね』は上げて。・・・そう!エロいっすね~(笑)。いやらしい感じでお願いします。」
 古川「亨さんは、前に言ってた“下半身がもぞもぞする感じ”を(笑)、ぜひそこでやってください。」

 『ヘッダ・ガブラー』は読めば読むほど、探れば探るほど、人間関係の裏にあるものを多彩に想像できる戯曲のようです。稽古終盤に、古川さんと役者さんが意見を出し合って議論をする時間がありました。昔は恋人同士だったテスマン(伊達暁)とエルヴステード夫人(町田マリー)の距離感についてや、噂の的となっている謎の人物レェーヴボルク(小野哲史)とブラック判事との、戯曲には明示されていない対立についてなど。どこまで具体的に表すのか、それとも匂わす程度にするのか、むしろ別の解釈で作り直すか・・・。

【写真↓】左から、レェーヴボルク(小野哲史)とテスマン(伊達暁)
5hedda_ono_date.JPG

 古川「イプセンは“関係”を描いた人だと思います。だから登場人物の距離感を大事にしたい。それぞれの表情(を個別に成立させるの)ではなく、空気が動く感じにしたい。5人の順列組み合わせから色んな空気が匂いたち、うごめくさまを見たい(見せたい)です。
 ヘッダは自分の興味でしか動きません。『ちょっと面白いかも!』と思ったら、その場の感情ですぐに行動に移してしまう、2メートル先の楽しみしか考えていない人物。『ヘッダ・ガブラー』はその結果が自分に降りかかってくる悲劇であり、喜劇だと思います。」

【写真↓】左から小沢真珠さん、山本亨さん。右手前に座るのは演出の古川貴義さん。
6hedda_direction.JPG

 小沢さん演じるヘッダは次々ととんでもないことをしでかす、非常に迷惑な女性です(笑)。でも、彼女には嘘がありません。欲望があけすけに行動に出てしまっているのが、なんとも愛らしいのです。

 古川さんの「2メートル先の楽しみしか考えていない」という言葉が、今回の上演のキーになる気がしました。私たちは長期的な展望を持って計画的に、用意周到に生きることが理想(そして無難)であるかのように思いがちですが、そもそも人間は“今”にしか幸せを感じることができません。ヘッダは本能的にそれを知っていて、無心に幸せだけを求めたのではないかしら・・・。もちろんヘッダのような生き方は誰にもお勧めできるものではないんですけれど。 

 24時間休みなく情報の洪水にさらされて、私たち現代人は不安と不機嫌に溺れて暮らさざるを得なくなっているような気がします。人間がどのように幸せを求め、手に入れようとしたのか。120年前の登場人物が悩みに悩んでじたばたする姿に、そのヒントが隠されている気がします。

 古川「イプセン作品では、『話を聞かせて』と問いかけて、誰かの本音を聞き出そうとする展開が多いんです。この作品ではヘッダが基本的にそのポジション。彼女は相手の気持ちを引き出すのを楽しみながら、周囲を振り回していきます。」

 つま先から頭のてっぺんまで生き生きと躍動する俳優の体を介して、5人の登場人物たちの本音が聞けるのを、楽しみに待ちたいと思います。

出演:小沢真珠 伊達暁 町田マリー 小野哲史 山本亨
作:ヘンリック・イプセン 上演台本:笹部博司 演出:古川貴義 美術:伊藤雅子 照明:工藤雅弘 音響:岡田悠 衣裳:友好まり子 ヘアメイク:大宝みゆき 演出部:須貝英/栗山佳代子 舞台監督:大島明子 宣伝写真:松本のりこ 宣伝デザイン:今城加奈子 WEB:新藤健/今城加奈子 制作助手:時田曜子 制作:斎藤努 プロデュース:伊藤達哉 主催/企画/製作:メジャーリーグ 後援:TBSラジオ/NACK5 提携:赤坂RED/THEATER 制作:ゴーチ・ブラザーズ
2009年5月23日(土)チケット一般発売開始 前売 4,500円(税込・全席指定)
http://www.hedda-gabler.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 06:02 | TrackBack

2009年06月21日

【演劇教育】「ワークショップデザイナー育成プログラム」第2期・第3期の募集期間決定!

 学校教育法に基づく履修証明書、厚生労働省が発行するジョブ・カードを取得できる、「ワークショップデザイナー育成プログラム」の第2期・第3期の募集期間が発表されています。⇒第1期告知エントリー

■青山学院大学 募集期間:2009年7月13日~7月24日
 ・第2期:2009年9月~12月
 ・第3期:2009年12月末~2010年4月

■大阪大学 募集期間:2009年8月24日~9月4日
 ・第2期:2009年10月~2010年2月

 詳細は公式サイトでどうぞ。

Posted by shinobu at 23:53 | TrackBack

メルマガ号外 青年団『鳥の飛ぶ高さ』

 青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
 06/20-28シアタートラム
 ※公演詳細はこちら

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 ⇒記者発表の写真レポート
 ⇒CoRich舞台芸術!『鳥の飛ぶ高さ

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.40  2009.6.21 1,387部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
  06/20-28シアタートラム
  ≪京都、東京、フランス≫
  ☆出演:山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、志賀廣太郎、永井秀樹、
      天明留理子、太田宏、大塚洋、田原礼子、石橋亜希子、大竹直、
      畑中友仁 高橋広司(文学座)、ほかフランス人俳優4名
   作:M・ヴィナヴェール 翻案・演出協力:平田オリザ 演出:A・ムニエ
    http://www.seinendan.org/
   記者発表の写真レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0520131242.html

 ◎観劇後のコメント◎

  30年前に書かれた仏戯曲の舞台を、現代日本に置き換えた新作です。
  ハイテク便器を販売する日本の同族経営企業が、
  グローバル化の波に飲み込まれていく様をスピーディーに描きます。

  日本人とフランス人の俳優、スタッフがともに作り上げた、
  おしゃれでスマートな、大人の娯楽現代劇でした。
  企業の内情を赤裸々に、皮肉を込めて舞台化したコメディーですので、
  サラリーマンの皆さんにも、とってもお勧めです。

  企業内の勢力争いを日本の神話とからめていくことで、
  現代の経済の営みが、神話のダイナミズムと融合します。
  ルワンダ紛争などの深刻な問題と、俗っぽくてハレンチな色恋沙汰が、
  国や人種の枠を越えて同列に並べられ、現代の混沌を映します。
  
  青年団といえば“静かな演劇”というイメージが定着していますが、
  役者さんはその予想を裏切る、弾けた演技を見せてくださいました。
  観客に堂々と語りかけて、歌って、踊って、叫んで・・・大暴れです(笑)。

  直線が美しいシャープな舞台装置は、日本らしさとフランスらしさを
  両立させていました。衣裳のスーツがおしゃれでセクシー!
  大勢で大合唱する、皮肉の利いた劇中歌に爆笑してしまいました。

  日本語と仏語が共存する会話に無理がなく、役者さんもとても自由です。
  青年団の、10年に渡るフランス演劇界との交流の成果が
  結実した舞台であると言っても良いのではないでしょうか。

  3,500円というチケット代で、こんなに豊かな劇場体験ができるのだ
  ということを、多くの方に味わっていただきたいと思います。

  ※上演時間が約2時間15分(休憩なし)。
   背もたれはありますが少々堅いシートですので、お尻はつらいかも。
   ただ、そのまま上演すると5時間以上はある戯曲だそうですので、
   ずいぶんと観やすく仕上げてくださっていると思います。

  ※日本語&フランス語上演/日本語・フランス語字幕付き 
   東京公演初日はフランス人のお客様も大勢いらしていました。 
   フランス・ツアーは2010年から始まるそうです。

 【チケット情報】

  全席指定 前売・予約・当日券共 一般3,500円
  学生・シニア2,500円 高校生以下1,500円
  世田谷区民3,300円 劇場友の会3,200円

  劇場チケットセンター 03-5432-1515
   http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/06/pardessus_bord.html
  電子チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:393-970)
   http://pia.jp/t/
  青年団 03-3469-9107
   http://www.seinendan.org/

 【お問い合わせ】

  青年団 TEL:03-3469-9107


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 ◆ 【編集後記】
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 ◎2009年3度目のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0426144014.html


 ◎「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ただいま開催中!
   http://stage.corich.jp/festival2009/index.php
  審査員をつとめさせていただきます。


 ◎「まぐまぐ大賞2008」にて、当メルマガが
  エンタメ部門約3000本中の15本に選ばれました!
   http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/ent.html


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

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青年団国際演劇交流プロジェクト2009 日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
Projet de Collaboration Internationale de Seinendan 2009 Spectacle franco-japonais
出演:山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、志賀廣太郎、永井秀樹、天明留理子、太田宏、大塚洋、田原礼子、石橋亜希子、大竹直、畑中友仁 高橋広司(文学座) フィリップ・デュラン(Philippe Durand)、エルザ・アンベール(Elsa Imbert)、ナタリー・マテール(Nathalie Matter)、モアンダ・ダディ・カモノ(Moanda Daddy Kamono)
原作:ミシェル・ヴィナヴェール(texte original:Michel Vinaver"Par-dessus bord") 演出:アルノー・ムニエ(Arnaud Meunier) 翻案・演出協力:平田オリザ 原作戯曲邦訳:藤井慎太郎 翻案戯曲仏訳:ローズマリー・マキノ・ファイヨール(Rose-Marie Makino-Fayolle) 通訳:原真理子 ドラマトゥルグ:シモン・シェママ(Simon Shemama) 演出助手:西村和宏 舞台監督:中西隆雄 舞台美術デザイン:カミーユ・デュシュマン(Camille Duchemin) 舞台装置:鈴木健介 照明デザイン:フレデリック・グルダン(Frédéric Gourdin) 照明・字幕:西本彩 音響デザイン:バンジャマン・ジョソー(Benjamin Jaussaud) 音響:泉田雄太 衣裳:有賀千鶴 宣伝美術:京 宣伝写真:山本尚明 制作:西尾祥子(システマ) 西山葉子、横山優 カリーヌ・ブランシュロ(Karine Branchelot) 総合プロデューサー:平田オリザ 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
チケット発売日:4月18日(土) 全席指定席 前売・予約・当日券共 一般=3,500円/学生・シニア=2,500円/高校生以下=1,500円 世田谷区民=3,300円/劇場友の会=3,200円
http://www.seinendan.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:30 | TrackBack

2009年06月20日

【オーディション】MCR「2009年秋公演」出演者募集※6/21(日)午後12時〆切

 櫻井智也さんが作・演出・出演される劇団MCRの、次回公演の出演者募集情報です。
 公式サイトから申込用紙をダウンロードして、メールで応募できます。
 明日6/21(日)〆切!
 とりいそぎ、公式サイトへのリンクのみです。
 午後12時って、お昼の12時ってことかしら・・・?

Posted by shinobu at 12:03 | TrackBack

2009年06月18日

乞局『芍鸝(シャックリ)』06/17-22駅前劇場

 下西啓正さんが作・演出・出演される劇団乞局(こつぼね)の新作です。独特の、本当に独特の(笑)、ストレートプレイを上演されています。いつも気になる役者さんが多数出演されていて、いつもタイトルが読めない(笑)。今回の上演時間は約1時間40分。

 現代日本のとある公園にて、国づくりをはじめる人々。不気味で予想不可能な展開尽くしで、役者さんの演技にも驚かされっぱなしでした。とても面白かったです。

 平日昼だというのに客席は8~9割ぐらい埋まっていました。チケット代が公演前半のオトク価格だからかしら。終演後に上映された短編映画「グレムリンの行程」(約15分)も拝見しました。これも可笑しかった。

 ⇒CoRich舞台芸術!『芍麗鳥

 ≪あらすじ≫
 公園で新しい国を作ろうとしている人々。どうやら皆ホームレスのようだ。新しい仲間が数名ほど入国してくる。誰もがそれぞれに“神様”になるが、リーダーがいない。そこに「私が神様です」と答えた女がいた。
 ≪ここまで≫

 おそらく公園であろう場所。中央に汚いトイレが丸見えになっています。全体は木々に囲まれていますが、なぜか王族が暮していそうな装飾がちらほらと施されているため、装置自体は具象だけれど、抽象的な空間です。

 場面転換の度に白い幕で舞台を隠して、「第○章」「第○節」といった章タイトルが幕に映写されます。ある小さな国が生まれ、見知らぬ者同士が共同生活を始めて、何が起こっていくのか。過去の歴史をひもといていくような感覚でした。庭劇団ペニノのように、舞台という箱庭で淡々と事件を提示していくようにも受け取れました。

 役者さんの演技・動作も、照明も音響も、私の予想や期待の範ちゅうには収まりませんでした。シーンが記憶に残りやすい形をしていないという点で、岩松了さんの作品に似ている気がします。全て観終わってから、最後のシーンを始点にして前のシーンを思い返し、やっと意味がわかったような(?)気がしました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 公衆便所に住みついていた会社員の女(島田桃依)が神様になります。しばらくすると、なぜか神様が3人(岩本えり、中島佳子、立蔵葉子)増えています。夫(下西啓正)が迎えに来たところで、その3人は妻の過去の姿だったとわかります。でも個別に人格があるし、同時に生きている時点で、曖昧なのですが。
 神様たちは観客に向かって話しかけます。「ごめんなさい」と言いながら、全く謝罪の気持ちも、行動を改める気持ちもなさそうなところが、愚かしくて可愛らしいと思います。

 食べ物など必要なものを“調達”するのは義務だけれど、“換金”はしてはいけないという厳しいルールがあります。でも墓地をあばいて物を盗み、“換金”する者もいることがわかります。高い志(?)をもって建国したとしても、やはり内側から腐っていくんですよね。
 
 腐敗した酒を飲んで覚醒した一部の人間(佐藤みゆき、西尾佳織ら)によって、クーデターのようなものが起こりますが、やはりその酒は体に毒だったようで、すぐに倒れて死んでいきます。神様も1人ずつ消え去っており、生き残った人も逃亡して、国は自滅。
 最後のシーンで公園は、ゴミをあさるホームレスと幸せそうなカップルたちがすれ違う、ごく普通の公共の場所になっていました。それまでに観ていた物語が、日常生活のほんの近くに存在したかもしれない、架空の世界だったように感じました。

 中央のトイレには、夫と離婚して本当にホームレスになった女(島田桃依)が居ます。彼女の状況はより悲惨になっていますが、ホームレス(笹野鈴々音)に再び「あなたは神様ですか?」と聞かれて彼女は「いいえ、違います」と答えます。夢から覚めて、現実を知り、等身大の自分になったという点ではハッピーエンドなのかも。

 寝転がるヘロドトスさん(西尾佳織)に上着をかけようとして、オリンパス君(佐野陽一)が踊りだすシーンは面白すぎ。なんだあの照明と音楽は!(笑) あれは自分の欲望と戦ってたってことなのね。
 最初から居たホームレスの3人(池田ヒロユキ、三橋良平、笹野鈴々音)は、笹野さんと男優さんとの身長(および体の大きさ)の差が面白かったです。

乞局第16回公演
出演:岩本えり 下西啓正 墨井鯨子 西尾佳織 三橋良平(以上、乞局) 池田ヒロユキ(リュカ.) 石田潤一郎 伊藤俊輔(ONEOR8) 佐野陽一(サスペンデッズ) 笹野鈴々音 佐藤みゆき(こゆび侍) 島田桃依 立蔵葉子(青年団) 中島佳子
【脚本・演出】下西啓正 【舞台美術】 袴田長武+鴉屋 【照明】吉村 愛子(Fantasista?ish.) 【音響効果】平井隆史(末広寿司) 【映像制作】高村啓史(komono.studio) 【演出助手】田中元一(田中兄弟) 【舞台監督】棚瀬巧+至福団 【衣装・メイク】中西瑞美 【スチール】鏡田伸幸 【撮影】テアトルプラトー 【宣伝美術】鈴木敏夫 【WEB】柴田洋佑(とくお組) 【制作】上田郁子(オフィス・ムベ) 西岡よどみ 【制作補佐】辻奈緒理 【製作】乞局(コツボネ) 【劇中国家】作詞:飯田かほり 作曲:雨森スウ(時間堂) 編曲:星野奈穂子(時間堂)
【発売日】2009/05/01 日時指定・全席自由 前売り・予約:¥3,000 当日:¥3,500(開演の1時間前より販売)●前半割引:¥2,500 ←17(水)~19(金)は前売り¥2,500/当日¥3,000(※期間中他の割引はございません)●学生割引:¥2,500(劇団予約のみ・要学生証提示※当日券なし)●喪服割引:¥2,500 (劇団予約のみ※当日券なし)※喪服もしくは喪服に準ずる服装でのご来場。詳細はHPをご覧下さい。※15歳未満入場不可
http://kotubone.hp.infoseek.co.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:20 | TrackBack

【ワークショップ】「Robert Allan Ackerman Workshop 4th」08/15~26都内某所

 the companyがロバート・アラン・アッカーマンさんのワークショップを開催します。下記は、J-Stage Naviからいただいた情報です。概要と申し込み用紙は公式サイトでダウンロードしてください。

 【期間】2009年8月15日(土)~26日(水)
  ※20(木)・21(金)の両日は休み。
  「台本の読み方」と「シーンスタディ」を組み合わせたカリキュラム。
  テキスト別に2クラス開講。

  ●Class.1 : 13:00~16:00 (8/15~8/26)
   テキスト「ストレンジャーズ・オン・ア・トレイン」
   著:グレイグ・ワーナー 原作:パトリシア・ハイスミス
  ●Class.2 : 17:00~20:00 (8/15~8/26)
   テキスト「クローサー」著:パトリック・マーバー

 【参加費】100,000円
 【締切】WEBにて発表。※ただし、定員に達し次第〆切。

■ロバート・アラン・アッカーマン ワークショップ

 この度、the companyでは、演出家ロバート・アラン・アッカーマンによります、第4回ワークショップを、2009年8月15日(土)~26日(水)に、開催することとなりました。

 これまでに、数々の刺激的な舞台を創り続けているロバート・アラン・アッカーマン(演出)の2009年3月『ストーン夫人のローマの春』 パルコ・プロデュース公演は、皆様の記憶に新しいことと思います。

 この作品には、ロバート・アラン・アッカーマンワークショップを経てキャスティングされた俳優が16名出演しています。2008年10月『1945』世田谷パブリックシアター公演では、総勢65名、2008年4月『バーム・イン・ギリヤド』新宿シアターモリエールでは、20名の俳優が出演しています。

 常に素晴らしい役者たちと出会いを求めているロバート・アラン・アッカーマンのワークショップは、参加する俳優にとっても舞台出演の機会に直結する刺激的なものとなっています。是非この機会に、参加をご検討ください。皆様との素晴らしい出会いを楽しみにしております。


【お問合せ】
Robert Allan Ackerman Workshop4th
受付業務担当:J-Stage Navi(ジェイステージナビ)
〒176-0023 東京都練馬区中村北1-2-8 ライオンズシティ練馬 205号 
Tel:03-5971-9002(平日11:00~18:00)
Fax:03-5971-9003
MAIL: workshop4th(アットマーク)thecompany-t.com
http://www.j-stage-i.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:20 | TrackBack

Studio Life『LILIES(リリーズ)』06/17-07/12紀伊國屋ホール

 記者発表の写真レポートを書かせていただきました、Studio Lifeの『LILIES(リリーズ)』初日に伺いました。FEU、SOURCE、TERREの3チームによるトリプルキャスト公演で、初日はFEUチーム。⇒2003年版のレビュー

 終演後に、原作者であるミシェル・マルク・ブシャール氏のご挨拶がありました。この公演のためにカナダから来日されたそうです。ブシャール氏の作品は同じくStudio Lifeが上演した『孤児のミューズたち』も素晴らしかったので、お姿が見られて嬉しかった。快活でハンサムな紳士でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『LILIES

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 修道院で出会った3人の少年に起こった悲劇。
 封印されたシモンとヴァリエのロマンチックな物語。
 1952年、カナダ郊外の刑務所。
 囚人達の告解を聞くために訪れたビロドー老司教(青木隆敏)は突然、看守や囚人たちに監禁される。そして、彼の目の前で囚人シモン(石飛幸治)の計画による囚人達の手の込んだ芝居が始まる。そこには40年前の自分の姿があった。奔放な少年シモン(新納慎也)と惹かれ合うヴァリエ(松本慎也)。そんなふたりに嫉妬心を抱くビロドー(林勇輔)。修道院で出会った少年達に何があったのか、封印された過去の悲劇がよみがえる。
 ≪ここまで≫

 『LILIES』は2002年にスタジオライフが日本で初めて上演したカナダ戯曲で、今回が2度目の再演、つまり3演目になります。“刑務所で上演される男だけの劇中劇”は、男優集団スタジオライフに打ってつけの演目ですよね。

 2003年に観た時は、ヴァリエの母親である伯爵夫人(曽世海児さんが演じていました)に感情移入してボロボロ泣いていたのですが、今回はそういう感覚にはならなかったです。2度目だからかしら。
 でも、やはり戯曲はとても面白いと思いました。スタジオライフ以外の劇団でも観てみたいですね。

 少年ビロドー役の林勇輔さんはさすがの存在感。何をしても面白かったです。
 少年ヴァリエ役の松本慎也さんは、観るたびに、毎回毎回、成長されているように感じます。新納さんとのキスシーンは体のバランスもぴったりで美しかった。

 ジュニア7の方々が音楽ユニットを結成されたそうです。バンドデビュー?⇒雪月花

FEUチーム出演:新納慎也(シモン) 村上幸平(医師の妻・女の奴隷) 山本芳樹(パリジェンヌ) 松本慎也(ヴァリエ) 青木隆敏(老ビロドー) 林勇輔(ビロドー) 石飛幸治(老ヴァリエ・ヴァリエの父親) 船戸慎士(医師) 関戸博一(伯爵夫人)
原作:ミシェル・マルク・ブシャール 上演台本・演出:倉田淳 美術:松野潤 照明:森田三郎 舞台監督:清水浩志(ニケステージワークス) 音響:竹下亮(OFFICE my on) 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:角田和子 美術助手:渡辺景子 演出助手:平河夏 荒川真寿恵 宣伝美術:成田久 宣伝写真:河上輝明 宣伝スタイリスト:塩畑美由喜 題字:重松淳也 制作:稲田佳雄 揖斐圭子 大野純也 麻場優美 小山智子 若松美香 デスク:山﨑みれい 瀬津丸砂織 宣伝:ディップスプラネット プロデューサー:玉塚充 蓬田恵美子 企画・制作:スタジオライフ 東京公演主催:スタジオライフ 神戸公演主催:新神戸オリエンタル劇場
【東京公演】【発売日】2009/04/19≪S席≫<前売> 5,200円 / 一般<当日> 5,400円 ≪A席≫<前売> 4,700円 / 一般<当日> 4,900円 ≪ウィークデイマチネ公演≫<前売> 4,200円/一般<当日> 4,400円 (ウィークデイマチネ公演にはS席・A席の区別はありません 【神戸公演】【発売日】2009/05/02≪S席≫<前売> 6,000円 / <当日> 6,500円 ≪A席≫<前売> 4,000円 / <当日> 4,500円
http://www.studio-life.com/stage/lilies2009/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:28 | TrackBack

2009年06月17日

SPAC・Shizuoka春の芸術祭2009『ブラスティッド』06/13-21舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」

 楕円堂から徒歩で移動してBOXシアターへ。⇒記者発表

 SPACの新作『ブラスティッド』は、私にとってこの芸術祭の目玉演目です。上演時間は約2時間。かなり大人向けです。6月21日(日)19:30~の追加公演があります。⇒チケット売り切れ情報(6/6時点)

 はりつめた静かな空気の中、淡々と、目をふさぎたくなるような出来事が起こり続けます。後で起こる事が、前に起こった事の残虐非道レベルをやすやすと越えて、世界を塗り替えていきます。でも、破壊と虚無の先にあったのは人間賛美だと思いました。

 ⇒サラ・ケイン『Blasted & Phaedre's Love』(PLAYNOTEより)
 ⇒CoRich舞台芸術!『ブラスティッド

 レビューは途中です。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。完全にネタバレしています。
 イギリスの地方都市、高級ホテルの一室。中年のジャーナリスト、イアン(大高浩一)が若い娘ケイト(布施安寿香)を連れて入ってくる。イアンはケイトにセックスを迫るが、ケイトにはその気はない。イアンはケイトをレイプし、目的を遂げる。
 ケイトの入浴中、突然部屋に異国の兵士(阿部一徳)が侵入し、街を占拠したと告げる。ケイトは窓から逃れ、イアンは兵士にレイプされて眼球を食べられる。やがてホテルは爆破され、盲目となったイアンのもとにケイトが戻ってくる・・・。
 ≪ここまで≫

 ブラックボックスの劇場の中に、白くて丸い、ふさふさのベッド。白い天井。冷蔵庫の中の明かりが青白く点って、スタイリッシュな装置。

 マイナスにマイナスが重なりに重なって、最後にはプラスになったような。作風はずいぶん違いますが、マーティン・マクドナーの『ピローマン』を思い出したりも。

 ここからネタバレします。

演劇/フランス・日本(SPAC新作)
出演:阿部一徳 大高浩一 布施安寿香
脚本:サラ・ケイン(Sarah Kane) 翻訳:大西彩香 演出:ダニエル・ジャンヌトー 舞台美術:ダニエル・ジヤンヌトー 特別協力:マリー=クリスティーヌ・ソーマ 照明:川島幸子 塩原充知 音響:青木亮介 衣裳:竹田徹 舞台:仲谷智邦 市川一弥 市川莉沙 郭禎玟 竹内舞 装置制作:彦坂玲子 通訳:山田ひろ美 芳野まい 製作:静岡県舞台芸術センター
【発売日】2009/05/06[一般大人]4,000円 [同伴チケット(2枚)]7,000円[学割]大学生・専門学校生 2,000円/高校生以下 1,000円 ☆お得な週末劇場ハシゴ券あり☆
http://www.spac.or.jp/09_spring/blasted

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 01:14 | TrackBack

SPAC・Shizuoka春の芸術祭2009『半人半獅子ヴィシュヌ神』06/13-14舞台芸術公園・屋内ホール「楕円堂」

20090613_Narasimba_half_man_half_lion.jpg
カピラ・ヴェヌさん

 とうとう開幕しました、「Shizuoka春の芸術祭2009」!記者発表以来、とても楽しみにしていたんです。今月は2度静岡にお邪魔して、合計8本観る予定です。

 トップバッターはインドの古典舞踊クーリヤッタム。ポカンと口を開けて、ただただ、圧倒された1時間30分。あの濃度であのペースのまま、1時間30分もあったことにも驚愕。

 ⇒CoRich舞台芸術!『半人半獅子ヴィシュヌ神

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 「人にも獣にも、どんな武器にも殺されない」不死身の肉体を持った傲慢な魔王ヒラニヤカシプは、息子がヴィシュヌ神を讃えるのを聞いて我慢がならず、狂象や毒蛇を差し向けて殺そうとする。ところがそこに頭は獅子、体は人間という異形の姿に変身したヴィシュヌ神が顕れる・・・。
 ≪ここまで≫

 太鼓の音にまず衝撃を受けて、そして踊り手カピラ・ヴェヌさんの一挙手一投足、というか、主に目と眉のあたりに目は釘付け。すべての役柄を1人で演じていきます。セリフは非常に少ないです(というかほぼ無言劇)。人間技じゃない・・・。太鼓も凄かった。
 踊りと音楽は祈りで、舞台は聖なる場所だということが実感できました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(舞台下手より):宮城聰 カピラ・ヴェヌ ゴーパル・ヴェヌ 通訳の男性

 宮城「何度観ても圧倒される、示唆に富んだ、汲めども尽きぬ泉のような作品。」

 ゴーパル「舞台で演じることが、つまり神に祈ること」
 ゴーパル「この作品には人間の激しい怒りや残酷な部分、そして静かな平安(シャンティ)も描かれている。おごり・たかぶりが愚かであること、そして傲慢を乗り越えることを教えてくれる。芸能を楽しむ面もあるが、同時にお説教でもある。サンスクリット語の演劇にはダールマ(正しいこと)を伝える目的がある。」
 カピラ「インドの●●地方の王子は、1年間毎日ラーマーヤナの演劇を観なければいけない時期がある。それをしないと王になれない。」

 カピラ「5歳の時から訓練をしてきた。目の動きについては1日に5~6時間。全ての動きに意味がある。文法もあり、まとまった文章をしめすこともある。」
 カピラ「この劇場は世界で一番クーリヤッタムを演じるのにふさわしい場所。またここに来られてこの上なく嬉しく思っています。」

 ※この作品はナンギャール・クートゥーです。以下、公式サイトより。
 クーリヤッタムが複数の男優・女優によって演じられるのに対して、ナンギャール・クートゥーでは一人の女優がすべての役を演じる。

古典舞踊/インド 
出演:ナタナカイラリ(カピラ・ヴェヌ、ニルマラ・ヴェヌ、カラーマンダラム・ラジーヴ、カラーマンダラム・ハリハラン、カラーニラヤム・ウンニクリシュナン)
演出:ゴーパル・ヴェヌ  字幕作成:足澤一成
【発売日】2009/05/06[一般大人]4,000円 [同伴チケット(2枚)]7,000円[学割]大学生・専門学校生 2,000円/高校生以下 1,000円 ☆お得な週末劇場ハシゴ券あり☆
http://www.spac.or.jp/09_spring/sita

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:20 | TrackBack

2009年06月16日

Bunkamura『桜姫 ー現代劇』06/07-30シアターコクーン

 シアターコクーンで鶴屋南北の『桜姫東文章』(解説・公演記録など⇒)が2ヶ月連続で上演されます。6月はただいま英国留学中の長塚圭史さんが、現代劇に翻案した新作『桜姫 ー現代劇』です。7月はコクーン歌舞伎第十弾として、原作そのままの『桜姫』が上演されます。

 可動式ベンチシートでの観劇になりまして・・・参りました(笑)。イヤじゃなかったですが、やっぱり恥ずかしい・・・。どうせ誰も気づかないと思っていたのですが、偶然同じ回を観てた友達に、終演後に声をかけられてしまいました(汗)。上演時間は約3時間(途中休憩15分を含む)。

 ⇒舞台写真
 ⇒CoRich舞台芸術!『桜姫 ー現代劇

 ≪あらすじ≫ 間違っていたらすみません。役名はうろおぼえです。
 16歳の少女マリア(大竹しのぶ)は十字架を背負った聖人セルゲイ(白井晃)に、生まれつき開かなかった左手を祈祷で治してもらう。手に握られていたのは、16年前にセルゲイを残して死んでしまったジョゼが持っていた青い石。セルゲイはマリアがかつての恋人ジョゼの生まれ変わりだと信じ込む。マリアは金持ちの紳士(佐藤誓)のもとに嫁ぐ前日に、1年前に自分を犯した男・ゴンザレス(中村勘三郎)と再会し、一夜をともにする。マリアはゴンザレスと同じいれずみを自分の足に施すほどに彼を慕い、彼の子供も生んでいたのだ。翌朝、マリアが男と密通していたことがバレて、その相手がセルゲイだと誤解される。マリアとセルゲイは乳飲み子を抱えて谷底(?)へと追いやられる。
 ≪ここまで≫

 舞台は南米のどこか。乾いたピンクと緑の色合いが鮮やかな床。でも乾いていて寂しげでもある、シンプルな装置だったように思います。俳優による楽隊がにぎやかで、様々な人物たちのロードムービーのような、白昼夢のような・・・不思議な感覚の作品でした。南米つながりだからかもしれませんが、舞台『エレンディラ』(ガルシア・マルケス作)にも似ている気がしました。

 可動式ベンチシートは・・・最初はビクビクしました(笑)。普段どおりの観劇体験じゃなかったですね。装置と照明の競演を眺めるのではなく、自分が装置の中で照明を浴びている感覚でしたし(笑)。座席の位置によって見えるシーン・見えないシーンがある演出でしたが、敢えてそうしていることが明白だったので不満はありませんでした。それに役者さんがものすごく近い!

 素敵だな~と思った役者さんは、佐藤誓さん。派手なストライプのスーツに黒サングラスで笑うシーンがかっこ良かった。

 ここからネタバレします。

 登場人物の事実認識が甘い上に、時間も空間も混濁していきますので、何が本当で何が嘘なのかわからなくなっていきます。生きてるのか死んでるのか、本当にマリア(桜姫)がそこにいたのかさえも。

 セルゲイ(清玄)とゴンザレス(権助)の「生きたい」という思いに集約されていくエンディングにはびっくり。ついていけるようになるまでに時間がかかりましたが、生者も死者も含めたすべての人間の命が出会う瞬間を迎えたように感じられた時に、ぐぐっと芝居のうねりの中に入ることができました。それは古典『桜姫』と現代劇『桜姫』が重なった時でもあったと思います。私たちは時を超えて、幸せと不幸を互いに分け合いながら(結局、両方を経験しているのだと思いますが)、今という瞬間に同時に存在しているように感じました。

 秋山菜津子さんの人間マングース(だっけ?)は、背後から見ていてもすごく面白かった(笑)。ココ(古田新太)の肉襦袢もキュート。小さな電車や家具を使う演出が可愛いかったです。

 ※可動式ベンチシートは最初は舞台側面にありますが、プロローグが終わるやいなや90度動いて、舞台背面に来ます。

Bunkamura20周年記念企画「桜姫~清玄阿闍梨改始於南米版」
出演:秋山菜津子、大竹しのぶ、笹野高史、白井晃、中村勘三郎、古田新太 井之上隆志 内田紳一郎 片岡正二郎 小西康久 斉藤悠 佐藤誓 豊永伸一郎 三松明人 パーカッション:熊谷太輔
原作:四世 鶴屋南北 脚本:長塚圭史 演出:串田和美 音楽:伊藤ヨタロウ 美術:松井るみ 照明:斎藤茂男 音響:市来邦比古 衣裳:太田雅公 ヘアメイク:宮内宏明 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 技術監督:堀内真人 企画・製作:Bunkamura 制作協力:松竹株式会社
【発売日】2009/04/29 S席12,000円 A席9,000円 コクーンシート5,000円 (税込)※小学生未満のお子様はご入場いただけません。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_sakura_gendai.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年06月15日

ホリプロ『炎の人 ゴッホ小伝』06/12-28天王洲 銀河劇場

 重厚な三好十郎戯曲(過去レビュー⇒)を栗山民也さんが演出。天才画家ゴッホ(Wikipedia)の半生を市村正親さんが演じます。上演時間は約3時間20分(途中15分の休憩を含む)。

 「いいお芝居を観た!」というずっしりとした充足感・・・♪ 心に刺さるセリフを役者さんが全身で伝えてくださいました。美術と照明は具象と抽象のバランスが芸術的。総合芸術としてのストレート・プレイを堪能できました。分厚い観劇体験ができると思います。オススメです。

 ロビーで戯曲本が販売されていたので購入しました。ありがたいです。三好十郎さんの言葉をもう一度、かみしめたい。

三好十郎 (1) 炎の人 (ハヤカワ演劇文庫 22)
三好 十郎
早川書房
売り上げランキング: 133731

 ⇒ゴッホの生涯(絵がいっぱい!)
 ⇒CoRich舞台芸術!『炎の人

 ゴッホの生涯は有名ですし、あらすじがわかってから観にいっても問題ないと思います。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 ベルギーの炭坑町で宣教師を志したヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(市村正親)だが、並はずれた献身ゆえに解雇され、放浪の果てに生きる道を絵画に求める。
 オランダの首都ハーグに移り住んだヴィンセントは弟テオ(今井朋彦)からの僅かな送金を頼りに修行を始め、やがて酒場で知り合った哀れな貧しいモデル、シィヌ(荻野目慶子)と同棲する。世間の嘲笑を浴びながら身重のシーンをモデルに売れない画を描き暮らすヴィンセントに画業の師でもある従兄のモーヴ(原康義)は絶縁を告げ、シィヌもまた去っていく。悲嘆に暮れるヴィンセントの心を慰め、力づけてくれるのは弟のテオだけだった。
 孤独なヴィンセントは花の都パリに向かう。若い印象派の画家たちの色彩の新鮮さに刺激され、タンギー(大鷹明良)の店で、ロートレック(さとうこうじ)やシニャック(原康義)、ベルナール(斉藤直樹)やゴーガン(ゴーギャン:益岡徹)らと画論をたたかわせる。ゴーガンの才能はヴィンセントにとって憧れであると同時に憎しみすら覚えるものであった。ただひとり独自の技法と世界を追い求め、憑かれたように絵を描きつづけるうちに、肉体と神経はみるみるすり減っていくゴッホ。
 パリの喧騒を逃れヴィンセントは、アルルの明るい陽光の中、ついに待ち望んだゴーガンとの共同生活が始まる。美しい田園風景と妖精のような踊り子ラシェル(荻野目慶子)のやさしさに癒されるヴィンセント。テオのために、と変わらない飢えの中で描き続けるヴィンセント。彼の真の才能を理解していたのはゴーガンだけだったが、強烈な二つの個性は激しくぶつかり合うことになる。そして、ヴィンセントに狂気の発作が起こる・・・・。
 ≪ここまで≫

 ステージは木製(に見える)の巨大な額縁にぐるりと囲まれ、中央の装置は回り舞台になっています。重々しい空気に支配された教会から、貧しいアトリエ兼住居に変わり、そして大きな窓と水色の壁がきれいに映える画材屋にも変身。お盆が回るだけの単純なものではなく、次々とハっと驚く景色を見せてくれます。

 舞台上に絵(に順ずるもの)を出して、その絵にまつわるエピソードも展開されるので、とてもわかりやすくて面白いです。私はもともとゴッホが好きなのもあって、彼が描いた肖像画の人物が出てきただけで涙ぐんでしまうことも。もちろん、こんなにどっぷり感情移入できたのは、役者さんがあってこそです。過去にまぎれもなく存在したであろう魂を、今そこによみがえらせるような、生々しい実感とごつごつとした実体をともなった演技を見せてくださいました。

 ゴッホを初めロートレック、スーラ、ゴーガンら当時の絵描きたちが本音でぶつかり合う、タンギイ(大鷹明良)の画材屋のシーンは、密度が濃くて熱い上にユーモアも挟み込まれて、リズムも軽やか。青春そのものでした。三好さんが芸術に捧げる思い、命の賛美はもとより、人生や人間に対する大きな疑問や悩み、問いかけも、登場人物それぞれの姿や動作、発言に表れているように感じました。

 ゴッホ「(中略)色彩は大事だ。しかし一番大事なものは色彩じゃない、やっぱりデッサンだ。いや、デッサンと言うと、やっぱり違う。技法としてのデッサンは、無い。実体のことだ。描こうとする物の、当の実在のことだ。リアリティのことだ。そこに物が在るという事なんだ。」(戯曲本より引用)

 ゴッホを演じる市村正親さんの無骨さが、痛々しくて愛らしくて。矛盾を抱え込み、両極端に引き裂かれてしまう心が目に見えるよう。
 数役を見事に演じ分ける役者さんの技に感服。口ばかり達者で階級主義の宣教師、ゴッホの才能を見抜いた男、画材屋タンギイの3役を演じた大鷹明良さん。同じく、ゴッホに祈祷を依頼する腰の曲がった老女、“何でも”売る雑貨屋の女主人、画材屋タンギイの妻の3役を演じた銀粉蝶さんなど。

 ここからネタバレします。

 2幕が始まって最初のシーンでは、アルルの風景とゴッホとゴーガンが暮した黄色い家の絵が、大きな額縁いっぱいに映写されました。絵に合わせて、その頃のゴッホの心境(テオへの手紙)を読む市村さんの声の録音が流れます。録音には少々驚きましたが(いきなり大胆な演出ですよね)、巨大なゴッホの絵をバックに、ゴッホ自身の声が聞こえてくるようで、またその言葉の切実さもたまらなくて、涙がほろほろと流れました。実はこの音声による演出は、後に出てくる“ゴッホの心の声”の伏線でもあったんですね。

 映像用の幕が上がると、今度は舞台奥にゴッホの絵とそっくりにアルルの風景が描かれた幕が登場しました。床にはゴッホ(市村正親)がつっぷして倒れています。そこに郵便配達夫ジョゼフ・ルーラン(中嶋しゅう)が、肖像画そっくりの衣裳で登場しました。絵の中のアルルに飛び込んだみたい!

 ゴッホとゴーガンの部屋へと場面転換すると、そこは安らぎと不安、幸せと不幸が拮抗する濃密過ぎる密室。明るい商売女ラシェル(荻野目慶子)への思いや、絵が売れないことに悩んでいるゴッホは、ゴーガンに当たったり甘えたり。
 ゴーガンが酔ったゴッホを2階の自室(?)に運んだ後、ゴーガンが1人で下手のベッドで眠っている無言シーンがあまりに悲しくて美しかったため、私はゴッホが次に登場するまでにかなり長い時間が経ったものと勘違いしてしまいました(朝になったか、数日間経ったように思っていました。実際は数十分から2~3時間だと思います)。なので、その後のゴッホとゴーガンのやりとりに戸惑ってしまい、2人の身を切るような言い争いにあまり入っていけず。自業自得とはいえ、これは残念でした。

 耳を切り落としてしまったゴッホは、自らの狂気にさいなまれて精神病院への入退院を繰り返すようになります。闘病生活やピストル自殺などの具体的な描写はなく、真っ白で縦に細長い教会のような空間で、ゴッホが包帯をした自画像を描いている姿が、それこそ絵画のように舞台中央にありました。
 そこで物語はプツっと途切れるように終わり、郵便配達夫の格好をした中嶋しゅうさんが、三好十郎さんの言葉(詩)を語り始めます。それはゴッホへの熱烈なラブレターで、ありったけの賞賛の拍手の花束。非常に唐突で、大胆というよりは劇世界を逸脱(放棄?)した展開で、最初はついていけなかったです。でも、中嶋さんがしっかりと三好さんの言葉を届けてくださったので、すぐに頭の切り替えができました。なんとまっすぐで、なんと熱い、言葉。緻密に芝居を書き上げた末に、そこから完全にはみ出してしまったみたい。ここで戯曲本購入を決めました。

 「ヴィンセントよ、
  貧しい貧しい心のヴィンセントよ、
  今ここに、あなたが来たい来たいと言っていた日本で
  同じように貧しい心を持った日本人が
  あなたに、ささやかな花束をささげる。
  飛んで来て、取れ。」(戯曲本より引用)

≪東京、新潟、愛知、大阪≫
出演:市村正親、益岡徹、荻野目慶子、原康義、さとうこうじ、渚あき、斉藤直樹、荒木健太朗(StudioLife)、野口俊丞、保可南、中嶋しゅう、大鷹明良、今井朋彦、銀粉蝶
脚本:三好十郎 演出:栗山民也 美術:堀尾幸男 照明:勝柴次郎 音響:井上正弘 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:加藤高 主催:ホリプロ/天王洲 銀河劇場 企画制作:ホリプロ 
【発売日】2009/03/07 S席9000円 A席7500円 ※未就学児童入場不可
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=125

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:39 | TrackBack

2009年06月14日

東京デスロック『LOVE 2009 Obirin ver.』06/13-14 PURNUS HALL

 多田淳之介さんが構成・演出を手がける東京デスロックの「演劇LOVE2009~愛のハネムーン~」ツアーです。劇団は東京公演休止中ですが、桜美林大学のPURNUS HALLは神奈川県相模原市にあるので、この公演が実現したとのこと。ありがたいです。

 初演とは全く違う印象でした。男女同数の出演者によって世界観がさらに広がった気がします。私は今回の方が好きでしたね。上演時間は約1時間20分。

 チラシがとっても可愛い!細かいところに毒も効いていて、味のあるイラストですね。

 ⇒GALA Obirin2009
 ⇒CoRich舞台芸術!『LOVE 2009 Obirin ver.

 演劇とかダンスとかパフォーマンスとか、音楽とかライブとか。そういうジャンル分けは頭から追い出して、ただ浴びれば、体の衝動のままに頭を突っ込めばいいんじゃないかと思います。

 人がこの世界に複数居て、互いに影響しあって、仲良くしたり殺しあったり。至上の喜びを味わった直後に、とんでもなく傷ついて絶望したり。それでも生き続ける人間たち。
 「こんにちは」と投げかける気持ちの対象が人じゃなくなっても、1人がどこかに向かって確かに発したならば、それは“LOVE”なんじゃないのかな(もちろん、それを観ている誰かが必要なんだけど)。・・・な~んて楽観的に受け取りました。

 照明が大きな役割を果たしていました。赤・青・緑の三原色からすべての色が生まれ、ぐちゃぐちゃに混ざって変容し続けるのが効果的。動きが幾重にも重なる無数の影も、ずっと映っている「LOVE」の文字も雄弁。

 客席を背にして激しく踊る佐藤誠さんがかっこいい。乱れ狂う堀井秀子さんに目は釘付け。

 ここからネタバレします。

 踊り続ける人々。奇跡的な調和。次第に衝突が生まれ、叩いて傷つけ合って、周りが全員敵になって、不安と恐怖が充満。音楽が鳴っても(3度目)なかなか絶望から這い上がれない。やっとある男(佐藤誠)が踊り始める。そして女(髙橋智子)は1人ひとりに再び手を差し伸べる。激しい反発(佐山和泉)。微動だにしない者もあり、燃え尽きて倒れる者もあり。幸せは復活しない。ここまではほぼ無言劇です。

 ものすごく長い静止時間の後に、「こんにちは」「ご機嫌いかが」「さようなら」と声を掛け合う。「好きな~~は何ですか?」「あぁいいですね」という一方的な発言の連発。断末魔の声なのか、産声なのかどちらともいえない、複雑な叫び(山本雅幸)。1人ずつオープニングと同じ順で去っていく。無人の舞台。終幕。  

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:多田淳之介、丸田裕也(桜美林大学劇場コミッティ代表/GALA Obirin2009プロデューサー)

 学生向けの可愛いトークでした。質問がいっぱい出ていい感じ。やっぱり若者には優しくしないとね(と、一瞬だけ思いました)。
 丸田さんをはじめ桜美林大学の学生の皆様、どうぞ愛だの恋だのにうつつを抜かしてくださいませ。彼女(彼氏)を3人つくるのは大変だろうけど(笑)。

≪韓国、埼玉、神奈川、青森、神戸≫
キラリンク☆カンパニー 東京デスロック 演劇LOVE2009~愛のハネムーン~ GALA Obirin2009招聘公演
桜美林大学のお祭りにお呼ばれしました。学生達よ、愛だの恋だのにうつつを抜かすのは今だ!
出演:夏目慎也 佐山和泉 坂本絢 佐藤誠 髙橋智子 堀井秀子 山本雅幸 井坂浩
演出:LOVE Director多田淳之介  照明:岩城保 制作:服部悦子 企画:福島真 飯塚なな子 重田実咲 宣伝美術:横山明香音 舞台班:石川佳澄 音響班:角田里枝 市川公美子 照明班:塚原佑梨 主催:桜美林大学総合文化学群 GALA Obirin2009実行委員会 桜美林大学劇場コミッティ 
【発売日】009/05/08 一般予約2,000円 当日2,200円/学生予約1,500円 当日1,700円/高校生予約1,000円 当日1,200円
http://deathlock.specters.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:53 | TrackBack

2009年06月12日

【つぶやき】NODA・MAPのDMに野田秀樹さんからの直筆レター

 自宅ポストに「大竹しのぶさんのアップのチラシが届いてる~」と思ったら、NODA・MAPからのDMでした。「THE DIVER 日本バージョン」のチラシとともに同封されていたのは、野田秀樹さんが東京芸術劇場の芸術監督に就任して初めて招聘する、イギリスの劇団プロペラのチラシ。そして野田さん直筆(もちろんコピーですが)のお手紙が計4枚!

20090612_from_NODA_HIDEKI.JPG

 お手紙によると、プロペラ公演中、野田さんは終演後のロビーにいらっしゃるそうです。芸術監督自ら直筆の手紙でラインアップのアピールをして、しかも公演中ずっと現場にいるのって凄いと思います。自称“思う壺”の私は、すっかりグっと来ちゃいました(笑)。野田さんのトークがある7/3(金)夜の『ヴェニスの商人』に行こうと思います。

 ●プロペラ初来日公演 ⇒公演特設サイト ⇒チケット情報
  『ヴェニスの商人』『夏の夜の夢』(2本立てランダム上演)
  2009年7月2日(木)~12日(日)
  会場:東京芸術劇場 中劇場
  ※イヤホンガイドあり(有料)

 ⇒プロペラ公演に高校生を無料招待! ※6月22日(月)必着
 ⇒プロペラ「ブロガー招待5/15(金)18:00締切
 ⇒CoRich舞台芸術!『プロペラ「ヴェニスの商人」「夏の夜の夢」

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:17 | TrackBack

2009年06月11日

ニッポン放送『GLORY DAYS(グローリー・デイズ)』06/11-25新宿FACE

 映画「愛のむきだし」に主演されていた西島隆弘さん(AAA)目当てで観に行きました。イケメン(?)4人のミュージカルで6800円+ワンドリンク代500円(必須購入)というのは、私には痛手だった・・・。上演時間は約2時間弱。

 ファンの方なら楽しめるんじゃないでしょうか。歌も多いしソロもあるし、新宿FACEは舞台も近いですしね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『GLORY DAYS

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 高校を卒業して1年が経ったある5月の夜、大学1年生のウィル(西島隆弘)、スキップ(伊礼彼方)、アンディ(良知真次)、ジャック(洸平)が母校の校庭に集まった。彼らの高校時代といえば、人気者や先輩にいつもいじめられて、落ちこぼれて冴えないものだったが、そんな中で支え合い、ふざけあって絆を深め、お互いにかけがえのない存在となっていた。
 無邪気にじゃれあった高校時代には想像もつかなかった仲間の「変化」を目の当たりにし、かつての「Glory Days」には戻れないことを知った4人は、大人への一歩をどう踏み出すのか?
 ≪ここまで≫

 登場するのはともに高校時代を過ごした4人の大学生たち。彼らが何歳なのかがわからなくて、舞台が昼なのか夜なのかもわからなかったな~。
 どんな高校時代を過ごして、どんな経験をして今にいたったのかが、立っている姿を見ただけでわかれば理想的なんでしょうね。

 カーテンコールが終わって下手にはける時、西島さんは「また来てねー」「気をつけて帰ってねー」「歌舞伎町は危ないからねー」「夜更かししちゃだめだよー」って言いながら去っていたんですが、こういうことがサラリと言えるか言えないかで、人生には差がつくんだろうな~などと、つまらないことを考えながら帰りました。

 ここからネタバレします。

 ジャックは大学を休学して一人旅に出て、旅の途中に出会った男と恋をしました。ジャックがゲイであることをカミングアウトしたことで、4人の関係は突然変化してしまい、アンディーはいきどおりを隠せません。
 ジャックが思わずウィルにキスしてしまうシーンは可愛かったです。

≪東京、福岡、大阪、愛知≫
ニッポン放送開局55周年記念公演
出演=西島隆弘(AAA) 伊礼彼方 良知真次 洸平 バンド:中村康彦=guitar 渡辺大=bass 加藤直史=drums 前嶋康明=keyboard/conductor
作曲=Nick Blaemire 脚本=James Gardiner 訳詞=高橋亜子 演出=板垣恭一 音楽監督=前嶋康明 美術=中村公一 照明=吉川ひろこ 音響=山本浩一 衣装=尾崎由佳子 振付=青木美保 歌唱指導=吉川麻衣子 演出助手=福原麻衣 舞台監督=安田武司 舞台製作=加賀谷吉之輔 宣伝・票券=インタースペース 主催・製作=テレビ朝日/ニッポン放送 製作=シーエイティプロデュース
【発売日】2009/03/29 6,800円(全席指定・税込)※別途当日1ドリンク代として500円が必要となります。※未就学児童入場不可
http://www.glorydays.jp/
http://www.ints.co.jp/glorydays/index.htm
http://www.stagegate.jp/performance/2007/g_days/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:52 | TrackBack

【ワークショップ】アクターズワークス「俳優のためのマイズナーテクニック・エクササイズクラス」07/27-08/09東京都内

 柚木佑美(ゆうき・ひろみ)さん が主宰するActors Worksのワークショップが、夏休みの時期に開催されます。⇒ワークショップのレポート ⇒柚木さんインタビュー 

 柚木さんは新国立劇場演劇研修所の講師をされています。⇒アクターズワークスのワークショップの特徴

 【日程】2009年7月27日~8月9日
  全10回 PM6:30~9:30
 【会場】東京都内
 【申込締切】2009年7月15日

 ※アクターズワークスからいただいた情報です。詳細は下記をどうぞ。

■夏は演劇だ!俳優のためのマイズナーテクニック エクササイズクラス開催

≪N.Y.の有名な演劇学校ネイバーフットプレイハウスのメソッド≫
 サンフォード・マイズナーのシステムを体験してみませんか?

 演出家やプロデューサーの方から言われたことはありませんか?「役者は感受性が鋭くなきや…」
 感受性って何でしょう?感受性が鋭いってどんな状態でしょう?感受性が鋭ければ自由に人前で泣いたり笑ったり、感情を表現できるのでしょうか?どうしたらそうなれるのでしょう?演技とは、人間の「感性」を扱う繊細な世界。1+1=2というわけにはいきません。私はこの方法に出会って、この曖昧な世界が一つーつ具体的に解ってきた気がします。「人間」というものが解ってきた気が・・・。そして以前より「人」が、「演劇」が好きになった気がします。ぜひ一度体験してみて下さい。今後の俳優人生に大きくプラスになると確信しています。(講師:柚木佑美)

【コースの説明 *エクササイズクラス*】
 アクターズワークスのワークショップは、エクササイズクラス→キャラクタークラス→シーンクラスの3段階です。エクササイズクラスは、“感情”について具体的に学習していくクラス。様々なエクササイズを使って出しにくかった感情をよりスムーズに豊かに表現できるよう練習し、リピートエクササイズで相手とコミュニケーションすることを身体で学びます。
 *そのほか、ディープエクササイズクラスI、II、リピテションクラス等もあります。詳細はHP又はお問い合わせください。*

 ※エクササイズクラス終了後、ディープエクササイズクラス、キャラクター&シーンクラスと続きます。はじめてアクターズワークスのワークショップに参加される方は皆様エクササイズクラスから受講していただきます。

【講師】柚木佑美(ゆうきひろみ)
【日程】全10回 PM6:30~9:30
 2009年7月27日・28日・29日・30日・31日・8月1日・3日・4日・5日・6日
 予備日程:7日・8日・9日
 (講師や会場都合など、急な日程変更に対応させるための振り替え用日程)

【会場】東京都内(受講決定の方には書類とともに地図をお送りします)
        
【定員】8人~12人

【受講資格】18才以上(高校在学中は不可)のプロの俳優、もしくはプロの俳優を目指す方で、心身共に健康な男女。

【申込締切】 2009年7月15日

 ※当ワークショップは俳優ひとりひとりと、講師が向き合う、少人数制のワークショップです。エントリーが定員になり次第締め切りとなります。尚、お申し込みが開催最少人数に満たない場合は、中止させていただく場合もございます。

【受講料】受講料38,000円(年会費3000円を含む)
 ※本年分の年会費を既に支払われた方は受講料のみ。

【申込方法】氏名、住所、電話番号、年齢、プロフィールを記入のうえ、郵送・メール・ファックスにてお申し込みください。

【連絡先】
 〒151-0066東京都渋谷区西原3-17-4第2西原フラット201
  アクターズワークス アクティングクラス係
 FAX:03-3465-0705  
 E-mail:actorsworks(アットマーク)yahoo.co.jp  
 URL:http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/6040/
 お問い合わせ:制作 藤井 090-8111-7174

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:55 | TrackBack

【ワークショップ】芸団協『戯曲を読むシリーズ Vol.1「ピンターの『バースデイ・パーティ』を読む」』07/27-30芸能花伝舎

 芸団協が主催する演劇の作り手向けのワークショップです。講師は新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチの池内美奈子さん。池内先生とは知り合って数年になります。ほがらかで優しい方ですよ♪

 講師:池内美奈子(新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチ)
 日時:2009年7月27日(月)・29日(水)・30日(木)
    計3日間13:30-17:00
 参加費:6,000円 (3回分)
 対象 :現役の舞台俳優および演出家等の演劇関係者
 応募〆切:7月15日(水)必着(Eメール)

 詳細は下記をどうぞ。

■戯曲を読むシリーズ Vol.1「ピンターの『バースデイ・パーティ』を読む」(芸団協ウェブサイトより)

 戯曲を読む力は俳優の基礎力のひとつ。ひとりで読むのではなく仲間とともに声を出して読んでみませんか? 今回取り組むのは、ハロルド・ピンターの不条理劇。翻訳ものの戯曲を読むとき、言語や文化的、社会的背景の違いから、戯曲が意図しているところを読み込みにくいことが多々あります。今回は、『バースデイ・パーティ』を題材にして、戯曲の場面が、どういうスタイル、リズムを要求しているか、本質的にもっているものは何かをみつけることを目指すワークショップです。

 講師:池内美奈子(新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチ)
 日時:2009年7月27日(月)・29日(水)・30日(木)
    計3日間13:30-17:00
 会場:芸能花伝舎内 3階 3-1
 参加費:6,000円 (3回分) ※要事前申込み
 定員: 16~20名程度
 対象 :現役の舞台俳優および演出家等の演劇関係者
 ※但し、俳優を専門としない人も、俳優として参加していただきますので、俳優経験のある人が望ましいです。

 備考:参加を希望される方は、事前に「バースデイ・パーティ」を読み、ワークショップ当日、ご持参いただく必要があります。「バースデイ・パーティ」は、新潮社刊『ハロルド・ピンター全集』(全3巻)のうち、第1巻に、沼澤洽治訳が収録されています。2005年刊の復刻版は、3巻セット販売のみで9,450円が定価となっていますが、古書店、古書通販などでは、以前に刊行された初版本などが、1巻のみで販売されています。事前に購入されるか、図書館などから借りて必ず各自ご用意ください

【お申し込み】
 参加申込用紙に必要事項を記入の上、FAXまたはE-mailでお申込みください。
 e-mailの場合は、件名を【戯曲1】としてください。※電話での申込みは受付けておりません。
 ○応募〆切 7月15日(水)必着
 ○選考結果 7月20日(月)までにご参加いただけるかどうか通知します
 【参加申込用紙】 PDF版とWORD版あり。ダウンロードはこちら

【お問合せ】芸団協・芸能文化振興部 担当:米屋・日比谷
 TEL/03-5909-3060  FAX/03-5909-3061
 E-mail/seminar(アットマーク)geidankyo.or.jp

主催: 社団法人日本芸能実演家団体協議会 [芸団協] 共催: 財団法人新国立劇場運営財団/日本演出者協会 広報協力: 日本劇作家協会 助成: 平成21年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
社団法人私的録音補償金管理協会(sarah)
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/jitsuenka/gikyoku_090727.html 

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年06月10日

新国立劇場演劇『夏の夜の夢』05/29-06/14新国立劇場 中劇場

 初演がとても好評だった、新国立劇場の『夏の夜の夢』再演です(⇒初演レビュー)。メインキャストが初演と同じなので、夢の国の妖精たちと再会する気持ちで伺いました。

 そして・・・今回も良かった~♪ 前回同様ラストは涙目になっちゃいました。初演よりもきめ細かい演技・演出になっています。チョウソンハさんのパック役はやはり必見。

 約3時間20分(途中休憩を含む)という上演時間を長く感じる時もありましたが、「シェイクスピアの『夏の夜の夢』を観るならコレ!!」とお勧めしたい作品です。今週末の6/14(日)まで。※6/27(土)に富山公演があります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『夏の夜の夢

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 アテネの公爵(村井国夫)とアマゾンの女王(麻実れい)の結婚式を間近に控えたある夜。貴族の娘ハーミア(宮菜穂子)は許婚ディミートリアス(石母田史朗)との結婚を拒絶し、相愛のライサンダー(細見大輔)と共に妖精の住むアテネ近郊の森へと駆け落ちする。ハーミアを追いかけるディミートリアスと彼に片想いするヘレナ(小山萌子)も2人の後を追いかけ森の中へ。その森の中では妖精の王(村井国夫)と女王(麻実れい)が可愛い小姓をとりあって喧嘩の真っ最中。そこにいたずら好きの妖精パック(チョウソンハ)が登場し、王の命令で「惚れ薬」を手に女王にいたずらを仕掛ける。そして、女王はロバの頭をした職人ボトム(吉村直)と不思議な一夜を過ごすことに・・・・。
 妖精と人間、男と女、日常と夢の世界・・・・。一夜のスリリングな恋の大騒動の結末はいかに。
 ≪ここまで≫

 細かい演出がたくさん付け加えられて、2組の恋人たちのケンカも、妖精が人間たちにかける魔法も、シーンの1つひとつが見どころアップ!
 道化集団である村の職人たちによる劇中劇が、堂々とクローズアップされて、こんなに大成功している『夏の夜の夢』は観たことがありません。
 生演奏のバンドメンバーも、ちゃんと背中に羽をつけて演奏しているのが嬉しい。

 大掛かりな装置と豪華な衣裳で人知の及ばない世界をつくりあげて、人間と妖精とがともに歌い踊る夢を見せてくれて、そして最後には、夢から覚めたからこそ見られる夢も見せてくれます。それが本当の夢なのではないかと思います。

 ここからネタバレします。これからご覧になる方は絶対に読まないで下さいね!

 “舞台裏”に役者さんが素の状態(の演技)で登場するラストシーンは、演劇への愛そのもの。その愛で観客を満たしてくれます。

 「いま舞台で起こったすべての夢は、役者(人間)がつくったものだ」という告白は、夢を壊すのではなく、夢はいつでもそこにあると信じさせてくれる魔法でした。人間ってなんて素敵。今の私は妖精もホレ薬も信じられますよ♪

≪東京、富山≫ 新国立劇場2008/2009シーズン
出演:村井国夫 麻実れい チョウソンハ 細見大輔 石母田史朗 小山萌子 宮菜穂子 青山達三 大島宇三郎 吉村直 大滝寛 小嶋尚樹 酒向芳 水野栄治 神田沙也加 JuNGLE 倉田亜味 清家悠圭 森川次朗 浅井信好 柴一平 西田健二 インドの小姓(交互出演):小山颯 小島幸士

■配役
シーシアス/オーベロン 村井国夫
ヒポリタ/ティータニア 麻実れい
イジーアス/フィロストレイト 大島宇三郎
ハーミア 宮菜穂子
ヘレナ 小山萌子
ライサンダー 細見大輔
ディミートリアス 石母田史朗
クウィンス 青山達三
ボトム 吉村直
スナッグ 小嶋尚樹
フルート 水野栄治
スナウト 大滝寛
スターヴリング 酒向芳
パック、またはロビン・グッドフェロー チョウソンハ
豆の花 神田沙也加
蜘蛛の糸 坂上真倫
蛾の精 JuNGLE
カラシの種 松田尚子

作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:ジョン・ケアード 美術・衣裳・ヘアメイク:スー・ブレイン 照明:中川隆一 音楽:イローナ・セカッチ 音楽監督:久米大作 音響:黒野尚 振付:広崎うらん 演出助手:大江祥彦 衣裳助手:林なつ子 ヘアメイク助手:佐藤裕子 舞台監督:澁谷壽久 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
一般発売日:2009年3月20日(金)~ 全席指定 S席6,300円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円※料金は税込みです。 ※6月3日(水)、11日(木)は学生団体が入ります。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000068_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:29 | TrackBack

東宝『ゼブラ』06/09-29シアタークリエ

 劇団ONEOR8(ワンオアエイト)で2度上演された人気作品(⇒初演レビュー)が、商業演劇のシアタークリエに登場。作・演出もONEOR8の田村孝裕さんです。上演時間は2時間休憩なし。

 檀れいさんが初日直前(5/31ごろ)に病気で降板され、代役に星野真理さんが抜擢されました。私は初日翌日のマチネを拝見しましたが、ヒロインにふさわしい、堂々たる演技を見せてくださったように思います。作品も素晴らしかったです。ブラボー!

 ⇒出演者休演のお詫びと新配役のお知らせ
 ⇒CoRich舞台芸術!『ゼブラ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を一部追加。
 これは、母の手ひとつで育てられた四姉妹のおはなし。長女(斉藤由貴)と四女(大沢あかね)は既に嫁ぎ、三女(山崎静代)も近々結婚を控えている。次女(星野真里)はひとり自家に残り、家を切り盛りするばかり。母親(和田ひろこ)は現在入院中で、生死の境をさまよっている。三女の引越しの準備と母親の見舞いをかねて、四人全員が久々に顔を合わせた。
 久々というのは、なにかが起こる前兆に過ぎない・・・。
 姉妹が幼いころに家を出て行った父親の存在。突然現れた葬儀屋の兄弟(村杉蝉之介&野本光一郎)。互いに隠していたことが次々と明らかになったその日、一本の電話がかかってくる…。
 ≪ここまで≫

 向田邦子作「阿修羅のごとく」をモチーフにしたというキャッチコピーに大いに納得できる、密度の濃い、一筋縄ではいかない家族ドラマでした。でも深刻になったり悲しくなったりし過ぎることはなく、トボけた笑いが満載!田村さんならではのしつこいギャグも(笑)、クリエの奥様方に大いに歓迎されていたようでした。

 どんなにダメな親でも、子供は親のことを信じたいと思ってしまいます。自分を捨てた人でも、美化して愛してしまうんですよね。宿命ともいうべき親子のつながりが、素直に発せられた言葉から痛いほどに伝わってきました。

 出演者は全員で12人で、誰もが独特の個性を持っていて、それぞれに魅力的。四姉妹は子供の頃と現在(20~30代?)を演じますので、パジャマ、ランドセル、セーラー服姿も込みで、現代日本の大人の女性として見つめました。誰もが愛らしい。
 次女以外は結婚(もしくは婚約)しています。長女の夫(入江雅人)、四女の夫(是近敦之)、三女の婚約者(今井ゆうぞう)は三人三様で、嫁の実家での居住まいのぎこちなさがとっても面白いです。幼なじみの文房具屋(矢部太郎)と三女の婚約者は、登場するだけで笑いを誘うこともありました(笑)。

 昭和の香りがする家屋が、物語の主役に見えてきたのが感動的。えらそうな言い方になって恐縮ですが、田村さんは、大劇場で大人が満足できる娯楽演劇を作ることができる、作・演出家になられたのだと思います。

 ここからネタバレします。

 長女(斉藤由貴)と愛人(江口のりこ)のバトルは、初演より火花バチバチで迫力アップ。次女(星野真里)に向かって「そんなに簡単じゃない」と言い返す長女のセリフに説得力あり。斉藤さん、かっこいい!

 長女の夫(入江雅人)が入院中の母から聞いた言葉から、父が家を出たのは母の浮気が原因だったかもしれないとわかります。このどんでん返しで劇の空気が突然変容しました。向田作品の香りがします。

 告別式が終わって親族が帰ると、次女(星野真理)は広い家にたった1人になり、昔を回想します。小学生の頃、中学生の頃、そして自分の絵(タイトルは「ゼブラ」)が金賞を受賞して、母が大喜びしてくれたこと。家の中に家族の思い出が充満して、壁に、柱に染み込んでいるように見えました。

 母の容態の悪化および死をきっかけに、ずっと音信不通だった父と姉妹との間で連絡が取られるようになりますが、次女だけはかたくなに父を拒否していました。でも次女が1人で実家にいる時に父から電話がかかってきます。一度はつっぱねるのですが、すぐにまたベルが鳴り、次女が電話を取らないのでベルが鳴りつづけたまま、暗転して終幕。このすっきりしない、曖昧な幕切れが良かった!何でも白黒つけられるわけがないし、人は迷い悩んで、怒って泣いて、一生じたばたし続けるしかないんだと思います。それに人の気持ちなんてすぐに変わりますから、先のことなんて誰にもわからないんですよね。

出演:斉藤由貴 星野真理 山崎静代(南海キャンディーズ) 大沢あかね 入江雅人 今井ゆうぞう 是近敦之 矢部太郎 村杉蝉之介 野本光一郎 和田ひろこ 江口のりこ ※檀れいが急病で降板のため、代役に星野真理
脚本・演出:田村孝裕 美術:香坂奈奈/照明:中川隆一/音響:本間俊哉/衣裳:小峰リリー/ヘアメイク:武田千巻 舞台監督:田中力也/演出助手:岡本栄策/企画協力:Bunko 向田和子/プロデューサー:小林香 製作:東宝
【発売日】2009/05/02 S席:9,000円/A席:7,500円(全席指定・税込)
http://www.tohostage.com/zebra/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年06月09日

チェリーブロッサムハイスクール『愛妻は荒野を目指す』06/05-09シアターグリーン BOX in BOX THEATER

 チェリーブロッサムハイスクールは、小栗剛さんが脚本、 柴田雄平さんが演出を手がける劇団です。チラシがかっこいいので気になっていました。演出の柴田さんが降板したという情報があって少々心配もあったのですが、池袋まで行ってみました。

 私が座った座席は中央ブロック2列目で、1列目との段差がなかったため、残念ながら死角が多かったです(全席指定でした)。でもストーリーは楽しむことができました。上演時間は約1時間45分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『愛妻は荒野を目指す

 ≪あらすじ≫ 公式サイトに詳しいです。
 大震災で東京が東京でなくなってから1年後。舞台は深夜2時以降の小さなレストラン(名物料理はコーンポタージュスープ)。客は心を病んだ妻と彼女をいたわる夫、命がけで取材を続ける記者たち、制服のように黒いスーツを着込んだ集団など。
 ≪ここまで≫

 設定もセリフも、登場人物の背景もきっととても面白いものなのだろうと思うのですが、ここ最近の私はとにかく役者重視でして、演じる役者さんの体に真実味が感じられないと、話が頭に入ってこないのです。(演じ方に関係なく)役者さん自身に魅力を感じられた時は、そうでもなかったりするんですけどね。勝手な観客ですみません。

 選曲が楽しかった~!私は音楽には詳しくないので曲名などはわかりませんが、音量とリズム(呼吸っていうのか)のセンスに気分が高揚しました。ムービング照明のカラフルな配色も良かったですね。

 シーンの変わり目(舞台転換時)に役者さんがダンスを踊ります・・・と書くと「もしかしてサム~イ演出だったのでは?」と思われるかもしれませんが、そういうわけではなかったです。ダンスができない人(俳優)が踊ることを前提に、きちんと見栄えを計算した振付で、装置との関係性も面白かったです。積極的に体に触れていくのは冨士山アネットに似てるかも。振付担当は、ぬいぐるみの妻ヨウコを愛するメガネの男・ヒウラ役の荒川修寺さん。

 ここからネタバレします。セリフは正しいわけではありません。

 レストランはほぼ4つに区切られており、セットを乗せた四角いステージがくるりと回って、それぞれのテーブル席で交わされる会話を見せていきます。正面で演じられた場面の裏側を順に演じていくだけでは単調ですが、それは最初の2場面だけ。3場面目で数十分後へと展開し、最後に空間全体を使ったクライマックスを迎えました。
 アングルA、B、Cの後にchapter1(第一章)となったのが素敵。愛妻が荒野を目指す最終場面が、物語の始まり(第一章)というわけなんですね。

 震災で壊滅したかつての高度情報化都市・東京が、2つに分裂した自衛隊の対立によって内戦状態にあるという設定は、私にはリアルに感じられました。国が軍隊を持つことは、そういう危険をはらんでいるんですよね。
 「覚悟のある人間だけが希望を持つことができる」「希望は運命を変える(力がある)」という会話に納得。

 役者さんで印象に残ったのは、先生を辞めたアマガイ先生役の東澤有香さんと、レイプされてもポジティブなカメラマン・イク役を演じた如月モエさん。終盤に“あいつら”の1人である王(ワン)役で登場した、脚本担当の小栗剛さんの存在感も大きかったです。

チェリーブロッサムハイスクール2009.EarlySummer CherryBlossomHighSchool PLAY_⑥
出演:渡部ラム、荒川修寺、山咲広美、野田政虎、雪森しずく、池上武蔵、如月モエ、椎名豊丸、小栗剛、柴田雄平、イチキ游子(B-amiru)、柚木幹斗(ナイロン100℃)、三科喜代(ブルドッキングヘッドロック)、東澤有香(オフィス3◯◯)、酒井和哉、荒木睦代(劇団森)
作:小栗剛 演出:柴田雄平 振付:荒川修寺 照明:関定己 音響:UC-WORKER 舞台監督:幸光順平 (株式会社 ダイ・レクト) 舞台監督補:渡辺了 (株式会社 ダイ・レクト) 舞台美術:福田暢秀 (F.A.T STUDIO) 宣伝美術:藤本征史郎 (Raredrop/くねくねし) 演出助手:佐藤圭 当日制作:阿部美和子 制作:CBHS制作部 企画・製作:チェリーブロッサムハイスクール
【発売日】2009/05/02 日時指定 全席指定席 前売:¥3,000 □ 当日:¥3,300 □ ☆平日昼割引:¥2,500※ 未就学児童はご入場になれません。
http://www.cbhs.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 01:41 | TrackBack

2009年06月08日

ハイバイ『リサイクルショップ「KOBITO」』06/05-16こまばアゴラ劇場

 岩井秀人さんが作・演出・出演される劇団ハイバイの新作です。岩井さんのお母様が実際に営むリサイクル・ショップをモデルに、取材を経て書き上げた戯曲だそうです(終演後のトークより)。

 店に集まるオバサマたちを、男の役者さんが熱く激しく(笑)演じます。上演時間は約1時間45分。終演後のトークのゲストにケラリーノ・サンドロヴィッチさんがいらっしゃいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『リサイクルショップ「KOBITO」

 ≪あらすじ≫ 劇場サイトより
 多摩地区。50代の女性四人で営んでいるリサイクル屋には、暇な主婦や定年退職した老人達が冷やかし半分で今日も一杯100円のコーヒーだけを飲みに来る。
 時々訪れる息子や孫の存在から明らかになる50も過ぎれば当然あるだろう、それぞれのそれなりの過去。
 お互いの暗い過去は言いっこなし、ちょっと馬鹿で「ババア」って言われてるくらいが気楽で良い。
 悪態を付き合い励まし合う、かつて「女」であり「母体」であった者達の強がる風景。
 を、ハイバイ流に男優達で上演。
 岩井の母が実際に営むリサイクル屋をモデルに「圧倒的な幸福を願った女達の、ある果ての姿」を雑な女装をしたイカつい男達で描きます。
 ≪ここまで≫

 何でも売る個人経営のリサイクルショップが舞台。劇場の壁には無数の洋服が吊り下がり、下手奥には古着が積み重なった小高い山が出来ています。
 途中休憩があるわけではないのですが、明確に前後編に分かれた脚本だったように思います。前半は爆笑・失笑の連続。後半はしんみりゾクゾク。

 前半はとにかく可笑しくて、手放しに喜んで観ていました。役者さんにとってはかなり難しい設定なのではないかと思います。ほんの一瞬のズレが整合性をなくさせてしまうような、リスキーな間合いがいっぱい。スカっとするほど気持ちよく決まる瞬間を何度も見せて頂けました。
 後半は人生のつらいエピソードがズシンと来ますが、役者さんが大汗をかいて暴れまわるので、目が離せません。そして、とてもスリリング(笑)。怪我をされませんよう!

 店の商品は、商品なのかゴミなのかが非常に曖昧な状態にさらされます。値段もあってないようなものだし。大事なものと不要なものがごちゃまぜになった時、人間の命もゴミと同じようになっちゃうような気がしました。でも同時に、何がなんだかわからないものに囲まれて(囲まれずとも)、つまらないことにゲラゲラと笑ってる瞬間は、確実に幸せなんだということも伝わってきました。

 「金があれば●が買える、だから幸せになれる(●がないのは不幸せだ。金が全てだ)」といった風説を信じ込まされて、ひたすらそれを求めて突っ走った末に何が残ったのかを、立ち止まって見つめる勇気が必要なのだろうと思います。

 ここからネタバレします。

 前半は、ひきこもりがちな娘(永井若葉)のために劇を見せようとするハイバイお得意の劇中劇シーン(演目は手塚治虫『火の鳥・未来編』)。劇自体はもちろん、人に見せるためのショーの体裁さえ整えられないオバチャンたち。人の話を聞かない、勝手に誰かと関係ない話を始める、全員で独り言を同時に話してしまう・・・。予想をもれなく上回る失態ぶりに、次々と爆笑させられました。
 でも同時に思うんですよね、私も同じだよなって。人と会話をしているようでいて、実は全く相手の話を聞いていなかったり(聞いたフリをして自分の話をしようとしてたり・汗)。これが無自覚だったりするから恐ろしいですよね。

 後半は、演出家・品川ユキコ(岩井秀人)の指令に従った娘(永井若葉)が、オバチャンたちをリサーチするという枠組みの中、富子(有川マコト)と山本(岩瀬亮)の人生を回想していきます。富子と山本以外の役者さんも、彼女たちの心の声を語ります。

 富子の人生。親に搾取されるので長崎(?)の実家を出て、名古屋の工場に行くが、伊勢湾台風で工場が大破。銀座にあこがれて夜行列車で東京へ。電車で偶然会った人の誘いでパン屋に勤めることになり、常連客だった料理人見習いの男と結婚。1度だけ銀座に行ったときに、あまりのまばゆさに感動して、命がけで働くことを決意。夫と中華料理屋を開業し、男の子を生む。しかし忙しい毎日の中で子育てはそっちのけ。夫が脳卒中で死亡したため、店を売って小金井に移るが、息子は出て行ってしまった。

 山本の人生。不動産業を営む夫が土地を転がし、家族で湯水のように金を使っていたが、バブルが崩壊したため自分(妻である山本)の母親から金を借りることに。夫は仕事のことを何も話してくれない。自分が必死で母親から借りた300万円も、夫は一瞬で使い果たした。それも「焼け石に水」のようだ。娘は会社員になったが、夜にひとりごとを言い続けるようになる。小学生の頃に度を過ぎる贅沢をさせたせいで、理想と現実のギャップに耐えられなかったのか、精神を病んでしまったのだ。

 『グランド・フィナーレ』でも感じたのですが、岩井さんは「子供が、子供らしい時期を過ごすことができないことが、子供の病気の原因だ」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。富子の息子は子供時代に親に甘えることができなかったのでしょうし、山本の娘は小学生なのに銀座のクラブで遊んだりしたため、「子供らしい時期」を奪われたのだと思います。

 岩井さん演じる劇団の演出家・品川ゆきこの登場シーンが少なかったのは残念。品川ユキオのファンなので(笑)。
 岩井さんとは小金井つながりでもある松井周さんの、サンプル『通過』と重なるところがありました。特に装置はそっくりですよね。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(舞台下手より):岩井秀人、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、徳永京子(演劇ライター)

 ケラさんが積極的にお話されて、とても面白かったです。岩井さんはケラさんの舞台に立つご予定があるそうです。楽しみ!

 ケラ「(自分の作劇方法は)散文でリアリスティックに始まるが、最後はポエティックになる。たとえば映画『自転車泥棒』のように。」

≪東京、大阪≫
出演:金子岳憲、永井若葉、坂口辰平、岩井秀人(以上ハイバイ)、有川マコト(絶対王様)、岩瀬亮、斉藤じゅんこ、小熊ヒデジ(てんぷくプロ/KUDAN Project)
脚本・演出:岩井秀人 舞台監督:西廣奏 照明:松本大介(enjin-light) 音響:長谷川ふな蔵 衣装・小道具:mario 記録写真:曳野若菜 記録映像:トリックスターフィルム 宣伝イラスト:岩井秀人 宣伝美術:土谷朋子(citron works) 制作:三好佐智子 坂田厚子 主催:ハイバイ・有限会社quinda 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場(東京)
【休演日】6月9日(火)【発売日】2009/05/02 前売:2,800円 当日:3,300円(整理番号付自由席) 6月5日~8日の回には予約特典あり!
http://hi-bye.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:03 | TrackBack

流山児★事務所『ブロードウェイ・ミュージカル「ユーリンタウン」』05/29-06/28座・高円寺1

 演出家の流山児祥さん率いる流山児★事務所が、創立25周年を記念してブロードウェイ・ミュージカルに初挑戦されました。杉並区の公共劇場である座・高円寺のオープニング公演でもあります。⇒囲み取材&稽古場見学レポート

 総勢40人以上の出演者による歌と音楽、ステージングに興奮!テーマ曲がまだ頭に残っています♪それがユーリンタ~ウン♪(だっけ?) 上演時間は約2時間45分(途中休憩15分を含む)。

 通常の劇場入り口ではなく、搬入口から客席へ。いきなりピチピチのセクシー警官に迎えられて、目がクラクラ(笑)。露出度高いッス!
 土日は劇場内外で「ユーリンタウン祭」が開催されます。阿波踊りやエイサーもあるらしい!⇒出演日程表

 ⇒「トイレ」巡る恋と革命 ミュージカル「ユーリンタウン」遠山悠介、関谷春子(産経ニュース)
 ⇒CoRich舞台芸術!『ユーリンタウン

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 舞台は、地球上の干ばつにより、節水を余儀なくされた近未来のある街。誰もが有料公衆トイレの使用を義務付けられていた。“立ちション”などをすると警官ロックストック(千葉哲也)らに逮捕され、誰もが恐れている「ユーリンタウン」に送り込まれることになっている。全てのトイレを管理しているのはUGC社。この法律はUGC社長クラッドウェル(塩野谷正幸)が賄賂で作り上げたもの。

 貧民街では今朝も、金がなくてトイレを使用できないホームレス達が大騒ぎ。しかし管理人ペニー(伊藤弘子)は容赦がない。そんななか、ペニーの助手ボビー(遠山悠介)の父親(大久保鷹)が“立ちション”をし、「ユーリンタウン」に送られてしまう。ボビーは失意の中、美しい娘ホープ(関谷春子)に出会い、自分が今何をすべきかに気づく。それは自由を求めて「革命」を起こすこと。街は大混乱。ボビーがついにクラッドウェルらと対峙した時、ホープが彼の愛娘だと知る・・・そして?
 ≪ここまで≫

 『ユーリンタウン』は2002年に日生劇場で宮本亜門さん演出版を拝見しましたが、その時はなぜこのミュージカルがアメリカでヒットしたのかがわかりませんでした。でも今作はとっても面白かった!!
 巡査部長ロクスッポ役の千葉哲也さん、ちびサリ役の坂井香奈美さんが、役を演じる以外に狂言回し的な役割も果たされます。劇の外側に居る立場から観客に話しかけたり、大胆なネタばらしをしてしまったり(このミュージカルの結末は・・・など)。観客は常に物語を外側から観る視点を持って、いわば冷静に登場人物たちの行く末を見守っていくことになります。

 『ユーリンタウン』はつまり「ションベン街」って意味ですので、猥雑っていうか・・・下品!、なシーンもありますが(笑)、それもまたこの作品の味だよねって思える可愛らしさ。そもそも私が生きてるこの街こそ、汚物まみれだよねと納得させられました。

 正方形のステージをL字型に客席が囲みます。私は会場に入って左側の2階(中2階?)席。上から下を覗くので、セクシー警官の女優さんの胸の谷間たちが次々と目に飛び込んできてですねぇ、女の私でも目がギラギラしちゃうよ(笑)。あ、でも2階からは生バンドが見えなくて残念。入り口から見て正面の席がいいな~。桟敷席の人は大迫力だったことと思います。

 2階といっても舞台はとても近かったです。東京ではミュージカルといえば1000席以上の大劇場で観ること多いですから、この公演はチケット代も4500円とオトクで、贅沢だと思います。ミュージカル界のスターが出演してるわけではないので、歌唱力やアンサンブルのダンスなどに過度の期待はしない方がいいですが、大勢のキャストがステージを埋め尽くし、全員で踊って合唱するシーンは鳥肌もの。特に第1幕最後のシーンが素晴らしかったです。

 公開オーディションで主役に選ばれた遠山悠介さんと関谷春子さんのコンビは初々しくて、恋に落ちた2人が見つめあうシーンの清純なムードに胸キュン♪ ただ、遠山さんは歌が得意ではないようでした。役者さんなのだから多くを求めてはいけないと知りつつも、関谷さんがお上手なのでどうしても比べてしまいました。長い公演ですので、がんばってもらいたいです。遠山さんは新国立劇場演劇研修所を修了したばかり。関谷さんは東宝ミュージカルアカデミーに所属されています。

 休憩時間は劇場内ロビーをてくてく歩いて過ごしました。建物全体は、倉庫がパカっと開いたような開放的な印象。らせん階段の空間が広くて素敵!上の階から下を眺めるのが楽しかった♪

 ここからネタバレします。

 日本の政治家(麻生総理、中川大臣、小沢民主党元党首など)を登場させるシニカルな歌は、ラップ調だった気がするのですが、歌詞が聞こえなくてとっても残念。ステージングも音楽も楽しかったゆえ、意味をわかりたかった・・・。

 「ユーリンタウン行き」とはつまり死刑のこと。UCC(うっしっし)社の高層ビルのてっぺんから突き落とされるのです。ビンボー(遠山悠介)も父親に続いて死刑になり、ビンボーの遺志を継いだホープ(関谷春子)は、自分の父親であるUCC社の社長クラウド(塩野谷正幸)を死刑にします。暴力の報復が連鎖しちゃうんですよね。
 その場でホープがUCC社の次期社長に就任し、水を無料で自由に使えるようにします。するとすぐに深刻な水不足に見舞われて、街は崩壊してしまうのです。冷血クラウドは市民を搾取していたけれど、街を水不足から守ってはいたんですよね。愛と理想を朗々と説きながら、ホープは市民を自滅の道連れにしてしまいます。とても皮肉な結末です。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:松本哉(素人の乱)、流山児祥、ほか

 松本哉(まつもと・はじめ)さんはとても愉快で勇気がある方だと思いました。六本木で鍋パーティーをしようとして、最後はどうなったのか聞きたかったな~。
 松本「街を混乱させるのが好き。」
 松本「今の街には隙間がない。余裕がない。」
 流山児「演劇で街を劇場化させたい。」

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流山児★事務所創立25周年記念公演スペシャル「-URINETOWN The Musical-」/座・高円寺 春の劇場03
【出演】千葉哲也・大久保鷹・三ツ矢雄二・塩野谷正幸・曾我泰久・伊藤弘子・関谷春子(ホープ)・遠山悠介(ボビー)・栗原茂・石橋祐・坂井香奈美・植野葉子・有希九美・木内尚・横須賀智美・上田和弘・小林七緒・里美和彦・平野直美・木暮拓矢・武田智弘・諏訪創・阿萬由美・鈴木麻理・山下直哉・・青葉みちる・秋葉ヨリエ[燐光群]・石本径代・井上裕朗・井村タカオ[オペラシアターこんにゃく座]・奥山隆[オフィス3○○]・菊池祐美子・鈴木啓司[劇団銅鑼]・清水泰雄・滝香織・鄭光誠[新宿芸能社]・中山圭[イッツフォーリーズ]・箱田好子[劇団昴]・平野トン子・舩山智香子・松井亜紗美・茉莉以・森加織・横山央[江戸糸あやつり人形座]・渡邊亮・稲増文 【演奏】Reed:小藤田康弘 Tuba:古本大志 Drums:萱谷亮一 Piano:荻野清子
【脚本・詞】グレッグ・コティス 【音楽・詞】マーク・ホルマン 【翻訳】吉原豊司 【台本】坂手洋二 【演出】流山児祥 【音楽監督】荻野清子 【訳詞・演出補】浅井さやか 【振付】北村真実【殺陣】岡本隆【美術】水谷雄司 【照明】沖野隆一 【音響】島猛 【衣裳】胡桃澤真理 【舞台監督】廣瀬次郎 【演出助手】畝部七歩 【ユーリンタウン祭り演出】伊藤靖朗 【宣伝美術】アマノテンガイ Flyer-ya 【宣伝衣裳協力】宮村泉 【舞台写真】横田敦史 【起案・上演権取得交渉】吉原豊司 【制作】岡島哲也 米山恭子 【制作協力】ネルケブレインズアンドハーツ 【提携】座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク 【主催】流山児★事務所
全席指定 一般:4,500円  学生割引:3,000円 Ryu'sClub会員:3,600円
http://www.ryuzanji.com

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2009年06月06日

【お知らせ】wonderlandに寄稿させていただきました(2009年6/10発行のメルマガ第143号に掲載)

 “小劇場のいまにふれる劇評サイト~wonderland”に、Bunkamura『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』についてのレビューを掲載していただくことになりました。

 まずは6/10(水)に配信されるメルマガ「小劇場レビューマガジン ワンダーランド」第143号に掲載されます。ご興味のある方は、よかったらメルマガにご登録くださいませ。レビュー以外にも、お得な情報が載ってますよ♪

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 ⇒ウェブサイトに掲載されました(2009/06/12)。

Posted by shinobu at 20:06 | TrackBack

新国立劇場演劇研修所第3期生試演会①『美しきものの伝説』06/05-07新国立劇場 小劇場

 新国立劇場演劇研修所・第3期生の第1回目の試演会です。2年の基礎訓練を経て3年生になった研修生は、最後の1年間に実際の舞台公演(計3回)を行います。申し込み必須の無料公演で、早々に受付は終了していました。過去レビュー⇒1期生の試演会1試演会2卒業公演1回目卒業公演2回目2期生の試演会1試演会2卒業公演

 め組とろ組のダブルキャスト公演で、各2ステージずつ。私はめ組の2ステージ目を拝見しました。1964年初演の宮本研・作『美しきものの伝説』は、大正時代に実在した社会主義者や小説家、演出家、俳優たちのお話です。上演時間は約3時間15分(途中15分の休憩を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『美しきものの伝説

20090606_utsukushiki.jpg
劇場入り口の看板

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 大正元年、四分六(堺利彦)はクロポトキン(大杉栄)、暖村(荒畑寒村)らと興した売文社で、雑誌『近代思想』を発行し始める。3人は大逆事件の残党で、いつか行動を起こそうと機会を待っている。そこへ、青鞜社のモナリザ(平塚らいてう)に会うために、女優志望の野枝(伊藤野枝)が訪れる。
 一方、洋行帰りのルパシカ(小山内薫)、早稲田(沢田正二郎)、サロメ(神近市子)たちは、新劇や政治について熱く議論を交わしている。先生(島村抱月)が主宰する芸術座では、松井須磨子主演の『復活』が、音楽学校(中山晋平)作曲の劇中歌もあって大当たりをとる。またクロポトキンは妻がいながらサロメとも恋愛関係にあった。
 やがてクロポトキンらは時期を待てずに動き出し、「平民新聞」を発行するが発禁処分を受ける。その活動にも温度差が生じ始め、暖村は距離を置くようになる。そんな時、野枝は夫の幽然坊(辻潤)と別れてクロポトキンの元にやってくる。
 芸術座のサロンでは学生(久保栄)も議論に加わるようになるが、スペイン風邪がもとで先生が亡くなり、松井須磨子もその後を追い自殺。クロポトキンは革命思想を突き詰めて行く・・・。
 ≪ここまで≫

 長編戯曲をオーソドックスに、セリフの意味を大切に演出されていたように思います。登場人物が理想の演劇や演技手法について語るシーンも多く、日本の俳優学校で上演されるのに、ぴったりな演目なのかもしれませんね。長いセリフが多い上に言葉も平易ではありませんから、ハードルは高いと思います。

 1期生、2期生と研修生の試演会を拝見してきたこともあり、私が試演会でついつい期待してしまうのは、俳優がその場に居ることの力や輝き、そしてそこから生まれる目には見えない何かです。作品自体が面白いかどうかよりも、目の前にいる人(俳優)に意識が集中してしまうんですよね。そういう意味では、今日の公演で私の心身をゆさぶってくれた人はいなかったかも(開場時間に歌ってくれた女優さんは素晴らしかったです)。また次の試演会を楽しみに待とうと思います。

 ここからネタバレします。

 明晰な話っぷりといえばルパシカ(小山内薫)役の長元洋さん、音楽学校(中山晋平)役の米川貴久さん。芸達者で器用だなと再確認したのは四分六(堺利彦)役の金成均さん(でも私は『最後の炎』の時の方が好き)。早稲田(沢田正二郎)と呼ばれる調子のいい役者役の竹田桂さんは、トボけた演技で笑いを誘ってくださいました。松井須磨子役の辻村優子さんとの2人劇中劇も可笑しかった。幽然坊(辻潤:野枝の夫)役の若菜大輔さんは登場した瞬間にその立ち姿に目が奪われました。でも長ゼリフは少々リズムが単調だった気も。 

 賛助出演の先生(島村抱月)役の井上倫宏さん(演劇集団円)、暖村(荒畑寒村)役の神野崇さん(文学座)もすごく丁寧に演じていらっしゃるように感じました。
 突然坊役の二木咲子さんが開演前の前説がわりに歌を披露して、劇場の空気を心地よく盛り上げてくださいました。二木さんは1期生ですから、修了して2年経っているんですね。さすがの貫禄と華やかさでした。修了生がこんな風にどんどん成長していかれるなんて、ありがたいことだと思います。

め組(5 日18 時/6 日13 時)/ろ組(6 日18 時/7 日13 時)
【出演】松井須磨子:[め]辻村優子 [ろ]二木咲子(1期生・賛助出演) 先生(島村抱月):井上倫宏(演劇集団円・賛助出演) ルパシカ(小山内薫):長元洋 早稲田(沢田正二郎):竹田桂 音楽学校(中山晋平):米川貴久 学生(久保栄):宇髙海渡 クロポトキン(大杉栄):香原俊彦 暖村(荒畑寒村):神野崇(文学座・賛助出演) 四分六(堺利彦):金成均 野枝(伊藤野枝):[め]岸田茜 [ろ]鈴木良苗 モナリザ(平塚らいてう):[め]野村真理 [ろ]熊坂理恵 サロメ(神近市子):[め]吉田紗和子 [ろ]渡邉樹里 尾行:趙栄昊(4期生) 女給:[め]鈴木良苗 岸田茜 幽然坊(辻潤):若菜大輔 突然坊:[め]二木咲子(1期生・賛助出演) [ろ]辻村優子 裏方:大杉良(特別出演) 男優:今井聡(4期生) 男優:扇田森也(4期生) 女優:[め]熊坂理恵 [ろ]野村真理 女優:[め]渡邉樹里 [ろ]吉田紗和子
作:宮本研 演出:西川信廣 美術:長谷川康子 衣裳:中村洋一 照明:立田雄士 音楽:後藤浩明 音響:吉海真 振付:室町あかね ヘアメイク:我妻淳子 歌唱指導:伊藤和美 演出助手:大杉良 舞台監督:井川学 演出部:浅木靖志 衣裳操作:富原守武 阿久津真与 稽古写真:落合高仁 演奏:原良子(ヴァイオリン) 土田寿彦(チェロ) 後藤浩明(ピアノ) 岩村久雄(尺八) 新国立劇場舞台技術部:吉田信夫(舞台) 佐々木朗(照明) 信澤祐介(音響) 滝内慶太(映像) 村田祐二(調整) 松田周作(大道具) シアターコミュニケーションシステムズ レンズ 大道具:プランニング・アート 小道具:高津映画装飾 衣裳:東京衣裳 履物:神田屋 台本印刷:三交社 宮川洋
入場無料(申し込み制)
公式:http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000260_play.html
配役表:http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/pdf/haiyaku.pdf

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:46 | TrackBack

726『こころ』06/05-09 OFF OFFシアター

 鬼塚俊秀さんと西地修哉さんというお2人の役者さんが立ち上げたユニットのようです。「726」は「ナナ・ニー・ロク」と読むのかしら。チラシが素敵。

 演出に元NLTの北澤秀人さん、脚本に青年団リンク・青☆組の吉田小夏さん迎えて、夏目漱石の「こゝろ」(Wikipedia)を舞台化するという試みに興味を持ちました。

 北澤さんの演出は無料リーディング『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』がとても面白かったんです。吉田さんと漱石という組み合わせはぴったりな気がしました。上演時間は約1時間45分。

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 ⇒CoRich舞台芸術!『こころ』CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 時は明治末期。
 夏休み中に鎌倉に旅行に行った際、「私」は「先生」と出会った。
 「私」は世捨て人のような生活を送る先生の事に興味を抱き、
 親密な交際をすることになる。
 そんな折、 「私」は父の容態の急変により
 実家から離れる事が出来なくなる。
 父親が危篤という状況になって、先生からの手紙が届く。
 手紙には、衝撃的な先生の過去が綴られていた…。
 ≪ここまで≫

 舞台中央に1段高く作られた正方形のステージ。その周囲も演技スペースとなる抽象美術です。下から上に向かって照らす照明が舞台の周囲をぽつ、ぽつと囲んで、ほんのり和のムード。役者さんは全員和服で、袴や上着などを着替えて1人2役以上演じます。

 「こゝろ」は〔先生と私〕〔両親と私〕〔先生と遺書〕の3部からなる長編小説です。一部分にフォーカスをあてるのではなく、全体を2時間弱にまとめたのは凄いなーと思いました。
 役者さんは皆さんが、演じる役について真面目に取り組んだことが伝わってくる、丁寧で真摯な演技をされていたように思います。

 ちゃぶ台、花瓶などの小道具を舞台上に残したまま、違う時代へとすばやく場面転換するのがスマート!役者さんが何の役を演じているのか(何役に変わったのか)がわからない時間がスリリング♪原作を読んだからこその楽しみもありました(どこをどのように省略・肉付けしたのか、人物造形など)。
 こうやって個別に考えていくと見どころの多い作品だったと思うのですが、全体として面白かったのかというと疑問が残りました。帰り道にその理由を考えました。

 ここからネタバレします。

 原作「こゝろ」で私が一番引き込まれたのは〔両親と私〕の最後の場面です。“私”は実家に先生からの分厚い遺書が届いたため、父がまさに亡くなろうとしている時に、電車に飛び乗って東京に向かいます。“私”がどれほど先生のことを慕っていたかがわかりますし、しかもてん末(“私”は先生の自殺を止められたのかどうか)が書かれていないので、余計に想像が膨らんで切なさが増しました。

 今作では“私”がなぜそこまで先生に執着したかの理由が、描かれていなかったように思います。「明治時代をそれぞれに懸命に生きた人々の群像劇」という仕上がりだったのは、私にとっては物足りなかったのかも。  
 ※劇団フライングステージの『新・こころ』は、「先生と“私”はゲイである」という視点から全編を読み解いており、先生と“私”が出会った「海」と、Kと“私”が旅した「海」が見事にシンクロしていました。

 K、“私”の父、先生の3人の死が、1点に集まるアイデアにはなるほどと思いましたが、“私”の父という人物には感情移入できるきっかけがなかったので、効果はそれほど高くなかったように思います。

 K(西地修哉)が“私”(鬼塚俊秀)にお嬢さんへの恋心について初めて相談する時の、Kの恥じらいっぷりに胸キュンでした。

出演:鬼塚俊秀〔私、若い頃の先生〕、西地修哉〔K、私の兄、船頭?〕、杉山薫(ナイロン100℃)〔先生の妻、お嬢さんの母〕、照屋実〔先生、私の父〕、高原コマキ〔お嬢さん、私の兄嫁〕、ほりすみこ〔女中、私の母〕、大西玲子〔お嬢さんのご学友、結婚する女中〕
【原作】夏目漱石 【演出】北澤秀人【劇作】吉田小夏【美術】野村真紀【照明】高山晴彦【音響】天野高志【衣裳】大井崇嗣【舞台監督】中西隆雄 井上林堂【宣伝美術】高橋裕樹【制作】高市由香里【制作助手】岩間麻衣子【企画・製作】726
【発売日】2009/04/01 前売 2,800円 当日 3,000円 学生 2,500円
http://www.act726.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:27 | TrackBack

2009年06月05日

劇団チョンウ『ブラインド・タッチ』06/04-06あうるすぽっと

 日本演出者協会と韓国演出家協議会が主催する「第一回 日韓演劇フェスティバル」が池袋のあうるすぽっとで開幕しています。日本と韓国の演劇が1ヶ月間に渡って連続上演されます。

 日韓5人の演出家が相手国の戯曲を上演するメイン事業の他に、劇場ロビーでは無料朗読などのイベントも多数!※朗読には整理券が必要です。ロビーにもステージと照明が建て込まれていました。すごい!

 トップバッターは坂手洋二さんが書かれた2人芝居『ブラインド・タッチ』。演出も出演者も韓国人です。演劇集団円で上演された時は見逃していた演目なので、ありがたい機会でした。

 ⇒<インタビュー>演劇『ブラインド・タッチ』の作家・坂手洋二さん
 ⇒CoRich舞台芸術!『ブラインド・タッチ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 三十年前、学生運動のさなかに逮捕された男と、彼の冤罪を晴らす支援グループの女。 二人は男が獄中にあるまま結婚し、十数年が過ぎた。晴れて釈放され、初めて一緒に暮らすようになったその日から物語は始まります。闘争や政治や思想や哲学が語られ、もう若くない男女が漂い、もがきながらお互いを捉えようとする様相を描いた作品。
 ≪ここまで≫

 男女2人の4幕劇でした。舞台は日本の東京。名前も地名も日本語で、装置も障子のある日本家屋。転換時の音響・音楽にしっとりと、ひたることができました。こおろぎの鳴き声とピアノ、三線(?)の音色など。

 重たいテーマを描く戯曲だけれど、2人の俳優さんが熱く、優しく語ってくださって、リラックスしてゆっくり考えながら鑑賞できました。ところどころ気持ちよくユーモラスだったのも良かったです。ラブ・ロマンスより、同志としての男女の関係が強く出ていたように思います。字幕に漢字が多かったのも、私には良かったのかもしれません。感情に溺れるよりも冷静に意味を考えることができました。

出演:ユン・ソジョン イ・ナミ  ※日本語字幕あり 
脚本:坂手洋二 演出:キム・カンボ 主催:日本演出者協会/韓国演出家協会 共催:としま未来文化財団 共同企画製作:日本演出者協会/韓国演出家協会
(日時指定・自由席) 学生2,500円 前売り3,500円 劇場5作品通し券 10,000円 としま未来友の会3,150円
http://www.k2.dion.ne.jp/~jda/
http://www.owlspot.jp/performance/090601.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:48 | TrackBack

2009年06月04日

時間堂『花のゆりかご、星の雨』06/02-14ギャラリーLE DECO

 時間堂は黒澤世莉さんが作・演出される劇団です。この公演が劇団化第1弾になるそうです。

 「CoRich舞台芸術まつり!2009春」審査員として拝見しました(⇒応募内容)。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『花のゆりかご、星の雨』★CoRichでカンタン予約!
 ※レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより (役者名)を追加。
 ミキ(花合咲)は退職勧告された日、骨董屋で祖母の形見によく似た品を見つける。それはかつて東京に出るときに母から盗み、売ってしまった高価な物だ。上京以来ミキは実家に帰らず、母にも会っていなかった。
 実家から母が重要な手術を受けるとの連絡を受けたミキは、帰郷の手みやげにと意を決して購入を決める。しかし受け取りに行くと、それはすでに人の手に渡っていた。のんだくれの店長(菅野貴夫)、そのマイペースな妻(雨森スウ)、威勢のいい店員(星野奈穂子)、そして頑固なオーナーシェフ(鈴木浩司)。やがて半信半疑で「モノの記憶」をたどることになるミキが出会うひとびとは。
 ≪ここまで≫  

出演:雨森スウ 花合咲 菅野貴夫 鈴木浩司 星野奈穂子
脚本・演出:黒澤世莉 照明:時間堂 音響:時間堂 舞台監督:時間堂 舞台美術:時間堂 宣伝写真:大和みゆき / 黒澤世莉 宣伝美術:大和みゆき Web制作:小林タクシー(ZOKKY) ビデオ撮影:$堂 お手伝い:大竹悠子 / 武井翔子 企画・製作:時間堂
【休演日】2009年6月8日(月) 【発売日】2009/04/15 全席自由2,000円 学生1,500円 / 当日券のみ、要証明
ポスト・パフォーマンス・トークのゲスト⇒3(wed) 徳永京子(演劇ライター)/4(thu) 松井周(サンプル 主宰)/9(tue) 下西啓正(乞局 主宰)/10(wed) 吉田小夏(青☆組 主宰/青年団演出部)/11(thu) コロ(柿喰う客 / コロブチカ 主宰)
http://www.jikando.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:16 | TrackBack

新国立劇場演劇『タロットカードによる五重奏のモノローグ』5/20、5/23、5/27新国立劇場小劇場

 『アテンプツ・オン・ハー・ライフ』『最後の炎』に続いて、新国立劇場の無料リーディング公演『タロットカードによる五重奏のモノローグ』を拝見しました。演出は芸術監督の鵜山仁さん。客席はかなり埋まってました。上演時間は約1時間30分。

 4つの短編を劇場内・ロビーを移動しながら鑑賞するという、新国立劇場では初めて味わうスタイル。しかも演目は観客それぞれがくじ引きを引いて選びます。私は3回公演の内、2回伺いましたので、計12作品中の8本を観た計算になります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『タロットカードによる五重奏のモノローグ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 感性も文体も、そして世代も異なる5人の作家によって書かれた旅立ち、喪失、出会い、届かぬ星。4つのテーマからなるモノローグ。すべてはタロットカードの寓意から着想されて無数のヴァリエーションを構成する。はたして今回の舞台ではどんなヴァージョンが実現するのか。あなたの意味への旅が始まる。
 ≪ここまで≫

 新国立劇場が新しい企画を連発して、劇場の印象をどんどん新しいものにしてくださっていることが、1ファンとしてとても嬉しいです(私はThe Atreの会員です)。

 ただ、私はイスに座って観るのが好きなんですよね。演目ごとに場所を移動することには、全く抵抗はないのですが、出演者に誘導されつつ、立ったままで(時には歩きながら)一人芝居を観るのは苦手でした。これは好みでしょうね。

 きっと面白い現代戯曲ばかりだったのだろうと想像しますが、研修2年目に入ったばかりの4期生のモノローグは・・・観てる方もガッチガチに緊張しちゃいました。声や表情はきれいだな~と思っても、言葉の意味が伝わってこなくて、作品自体を味わえないことが多かったです。

 本当はリーディングのはずですよね。でも台本を持たずにしっかり演技をされていました。たった1人で、ロビー中を観客を誘導しながらしゃべったり・・・。難易度が高すぎたのではないでしょうか。
 できれば『アテンプツ…』『最後の炎』と同様に、3期生にやって欲しかったな~。※3期生は6/5~7に試演会①があるので、スケジュール的に無理だったのかもしれませんね。


■第一幕 旅立ち
プロローグ【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:田島真弓 土井真波)
 「出発します!」とか。(「出発します!」はプロローグの前かも?)

[戦車]『戦車』【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:扇田森也 田島真弓 土井真波)
 車イスに座った、大金持ちの男の独白。女優2人が数役演じる。

[節制]『ジェレミー』【見ました】
 (作:ジャン=イヴ・ピック 出演:安藤大悟)
 黄色い半そでシャツ。セリフを間違ってやり直しても、心が折れないのがスゴい(笑)。

[運命の輪]『マトロック』
 (作:シルヴァン・ルヴェ 出演:日沼さくら)


■第二幕 喪失
プロローグ【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:田島真弓)

[教皇]『教皇』【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:趙栄昊)
 社会の底辺にいる、キャンピングカー暮らしの男。他の役も見てみたい。

[隠者]『もうひところりん』【途中から見ました】
 (作:フランソワーズ・ピレ 出演:白川哲司) 
 『ジェレミー』の続編的な。

[太陽]『太陽』【見ました】
 (作:ジャン=イヴ・ピック 出演:仙崎貴子)
 白いドレス。“蛍光灯の街”への批判。とてもユーモラス。


■第三幕 出会い
プロローグ
 (作:ミシェル・アザマ 出演:土井真波)【見ました】
 朗読。「僕の・・・」というセリフの連続。

[正義]『ころりん、そしてわきへころりん』【見ました】
 (作:フランソワーズ・ピレ 出演:木原梨理子)
 “ブランコに乗ったお嬢さん”に訴えかける。舞台を1人で走りまわる姿は魅力的だけど、話はわからなかった。

[月]『若い男が池のなかをさまよっている』【見ました】
 (作:ナタリー・パパン 出演:竹田雄大 田島真弓 土井真波 他、男性1名)
 純白のウェディングドレスを着た男(竹田雄大)が、劇場の外から登場。

[力]『カ』(作:ジャン=イヴ・ピック 出演:原一登)


■四幕 届かぬ星
プロローグ
 (作:ミシェル・アザマ 出演:田島真弓 土井真波)

[女教皇]『女教皇』【最後の少しだけ見ました】
 (作:ジャン=イヴ・ピック 出演:佐藤真希)

[吊られた男]『吊られた男、あるいは西洋世界のセイレーン』【見ました】
 (作:ミシェル・アザマ 出演:斎藤麻里絵)
 空港で暮らす41歳の女。「ここでは何でも手に入るけど、飛行機にだけは乗れない」「死ぬときは障害者用のトイレの隅で」。一番面白かった。

[悪魔]『ヘーゼル・ナッツ』【見ました】
 (作:シルヴァン・ルヴェ 出演:今井聡)
 自転車(床に固定)に乗って暴走。正視できず。演出が私には合わなかったんだと思います。

シリーズ・同時代【海外編】スペシャルイベント 番外連続リーディングvol.3
出演:新国立劇場演劇研修所4期生(木原梨里子/斎藤麻理絵/佐藤真希/仙崎貴子/田島真弓/土井真波/日沼さくら/安藤大悟/今井聡/白川哲司/扇田森也/竹田雄大/趙栄昊/原一登)
作:ミシェル・アザマ シルヴァン・ルヴェ ナタリー・パパン ジャン=イヴ・ピック フランソワーズ・ピレ 翻訳:佐藤康 演出:鵜山仁 舞台監督:増田裕幸 舞台・照明・音響操作:新国立劇場技術部 シアターコミュニケーションシステムズ レンズ 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000180_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:49 | TrackBack

劇団青年座『その受話器はロバの耳』05/23-31本多劇場

 MONOの土田英生さんが劇団青年座に新作を書き下ろされました。演劇集団円『初夜と蓮根』も土田さんの新作で、2劇団が同時期に公演を行うため、“青年座⇔演劇集団円・往復切符きっぷ”という企画も実施されています。いいですね~こういうの。お祭り気分で嬉しくなります。・・・なのに青年座しか観られなかった(涙)。

 のんびり平和な南の島にある、某大企業のお客様相談室(コールセンター)が舞台のコメディーでした。上演時間は約1時間45分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『その受話器はロバの耳

≪あらすじ≫ 公式サイトより
 東京から遠く離れた島、ヘソ島
 そのはずれ、丘の上の元レストランここに「ミキマツ製菓」お客様相談室がある
 広い空 青い海 輝く太陽
 社員8人、リゾート気分の暇な部署
 ところがある時電話が一斉に鳴り始める・・・・
 『まずいだっちぃ』
 思うようには生きられない
 端っこの小さな島で繰りひろげられる
 ホントと嘘、中心と端をめぐる物語
 ≪ここまで≫

 ミキマツ製菓の大ヒット商品“なきまめちゃん”に有害物質が混入しているという噂がたち、暇だったはずのコールセンターに、ひっきりなしに電話がかかってくることになります。

 虚言癖とか浮気とか不倫とか・・・やってることがあからさまにダメ過ぎる登場人物たち。「人間って、そういうものだよね」とも言えるますが、それにしても・・・(笑)。
 役者さんはおトボケ気味の可愛らしい演技をされていたので、どんなにみっともなくても嫌悪感はゼロ。むしろ愛嬌があるので微笑ましかったです。ただ、起こった出来事に対する感情の動きが、全体的に軽快すぎたようにも思います。恐怖や不安、危機感を感じる瞬間がもっとあって、起伏が激しい方が私好みかも。

 オフィスは目の前に海が広がる素晴らしいロケーション。美術のデザインが船のデッキのようなので、観客である私も彼らと一緒に、沈みゆく船に乗ってゆらゆら揺れているような心地になりました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 嘘をつくのが心苦しくて、限界がやってきて、どんどん正直にぶっちゃけ発言をしていく社員たち。本土の社員たちが島の悪口を言っていたとか、2人で飲んだ後にお泊りしちゃってたとか、実は不倫関係だったとか、あなたがずっと好きだったとか(笑)。隠していたことが社員全員の前で暴かれていくのは痛快です。

 次から次に考えなしに口から出てしまう嘘、命令されて仕方なくつく嘘、自分を守ろうと考えに考え抜いた末に編み出した嘘。自分の嘘のせいでがんじがらめになっていく私たち。でも、何でもかんでも正直にぶちまけることが、いつも正しいわけないんですよね。その時はすっきりするけど、先には困難が待っているのも確かです。

 室長の愛人である入社2年目の若い女性が、とうとう正直にお客様に返答してしまいます。「有害物質は混入していたらしいです。でも会社からだまっているようにと言われています」と。登場人物だけでなく、私もスカっとして爽快な気分になりました。
 結果、コールセンターは閉鎖。島で採用された社員はおそらくクビで、副室長の2人(五十嵐明&椿真由美)は自分から会社を辞めました。この不況時に。

 「ま、いっか」というあきらめの言葉が、とてもさわやか。最後の「あきらめないよ!」というセリフには勇気と希望が込められていたように思います。でも、演出がサラっとし過ぎていてちょっと物足りなかったかも。

 ヘソ島の名物は蓮根という設定で、レンコンの大きなクッション(?)が舞台に置かれていました。『初夜と蓮根』つながりかしらん。

劇団青年座第196回公演
出演:綱島郷太郎 五十嵐明 椿真由美 遠藤好 鈴木貴子 津田真澄 森脇由紀 山﨑秀樹
脚本=土田英生 演出=須藤黄英 装置=伊藤雅子 照明=宮野和夫 音響=中島正人 衣裳=半田悦子 舞台監督=今村智宏 製作=森正敏・紫雲幸一
【発売日】2009/04/23 一般 4,500円 ネット予約 4,300円 ゴールデンシート(65歳以上) 4,000円 学生券 ※当日受付清算のみ 3,500円 プレビュー・マンデー割引 3,000円 “円⇔青年座”往復切符あり! ※要予約。『初夜と蓮根』『その受話器はロバの耳』のチケット、またはその半券を持参すると一般券が500円割引き!
http://www.seinenza.com/performance/public/196.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:25 | TrackBack

2009年06月03日

【オーディション】キラリンク☆カンパニー東京デスロック『ロミオとジュリエット』韓国二本立て公演、日本人バージョン出演者募集※7/4(土)郵送必着

 多田淳之介さんが構成・演出を手がける東京デスロックが、出演者募集オーディションを行います。東京デスロックは、埼玉県の富士見市民文化会館キラリ☆ふじみを拠点に活動するキラリンク☆カンパニーです。

 韓国人キャストによる『ロミオとジュリエット』は韓国で拝見しました。昨年の私選・小劇場ベスト3に入る傑作でした。
 今年10月に韓国版と日本版を2本立てで上演するんですね。ものすごく楽しみ♪ご興味のある役者さんは、続きをどうぞ。

 ・東京デスロック『ロミオとジュリエット』
  公演日時:2009年10/24~28(予定)
  会場:キラリ☆ふじみマルチホール
  ※応募は7/4(土)郵送必着

■キラリンク☆カンパニー・東京デスロック『ロミオとジュリエット』
 韓国二本立て公演、日本人バージョン出演者募集(キラリ☆ふじみ公式サイトより)

演目:東京デスロック『ロミオとジュリエット』
公演日程:10月24日(土曜)~28日(水曜) 予定
原作:ウィリアム・シェイクスピア
構成・演出:多田淳之介
会場:キラリ☆ふじみマルチホール

応募条件:
 演劇経験のある方。オーディション、9月からの稽古、10月24日(土曜)から28日(水曜)の本番に参加出来る方。
 稽古は都内、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみで行う予定です。
 未成年の方は保護者の同意が必要です。

【1次】書類申込締切 7月4日(土曜)必着
【2次】面接・実技 7月17日(金曜)、18日(土曜) ※下記より希望の日程を第2希望までお選びください。
 7月17日(金曜)①午後6時 ②午後7時 ③午後8時 ④午後9時
 7月18日(土曜)⑤午後6時 ⑥午後7時 ⑦午後8時 ⑧午後9時
【3次】ワークショップ形式 7月25日(土曜)、26日(日曜)午後1時から午後9時 予定  ※二日ともご参加ください。
 オーディション会場 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
 オーディション参加料金 1,000円(2次審査当日会場にてお支払頂きます。)

応募方法:
 ①専用の応募用紙(写真添付) ★こちらからダウンロード
 ②90円切手を貼った返信用封筒(ご自身の住所・お名前を明記)

 上記2点をキラリ☆ふじみにお送りください。結果は7月10日頃、書面にて通知します。
 なお、提出いただいた申込用紙等は一切返却できませんのでご了承ください。
 いただいた個人情報は本オーディションの目的のみに使用し、責任を持って管理いたします。

備考:出演に際して、チケットノルマなどの上演に付随する負担は一切ありません。
応募先・問合せ:富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
 電話049-268-7788 〒354-0021 埼玉県富士見市鶴馬1803-1
http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/bosyu/bosyu.html#desurokku

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年06月01日

メルマガ 2009年06月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2009年6月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 61     2009.6.1  1,385部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎毎月号と号外を合わせて、今回で100号目のメルマガとなりました!
  ご登録の皆様、本当にありがとうございます♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→ホリプロ『炎の人 ゴッホ小伝』
       06/12-28天王洲 銀河劇場
       ≪東京、新潟、愛知、大阪≫
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=125

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→Bunkamura『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』
       05/06-30シアターコクーン
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0507002711.html

 ◆3【6月の週末はSPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」で決まり! 】

   ◎世界の舞台芸術が静岡に集結します。見どころ満載の9作品!
    http://www.spac.or.jp/09_spring/

 ◆4【「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ただいま開催中! 】

   ◎最終審査進行中!残すは最後の1団体です。
    http://stage.corich.jp/festival2009/result.php

 ◆5【編集後記】

   ◎今月の週末は、静岡に2回行っちゃいます♪
   ◎おすすめ舞台中継 on TV

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.劇団新派『女の一生』
  06/06-26三越劇場
  ☆出演:波乃久里子、風間杜夫、安井昌二、中山仁、司葉子、他
   脚本:森本薫 補綴:戌井市郎 演出:大場正昭
   8,000円
    http://www.shochiku.co.jp/shinpa/pfmc/0906/index.html
   森本薫の名作『女の一生』を劇団新派が初上演。
   昭和の名女優・杉村春子が30年以上にわたって演じた主役を、
   波乃久里子さんが演じます。相手役は風間杜夫さん。


2.松竹『NINAGAWA十二夜』
  06/07-28新橋演舞場
  ≪イギリス、東京、大阪≫ 
  ☆出演:尾上菊之助、尾上菊五郎、市川左團次、市川亀治郎、他
   原作:シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
   1等席15,000円 2等席9,000円 3階A席5,000円
   3階B席3,000円 1階桟敷席16,000円
    http://www.kabuki-bito.jp/juniya/
   シェイクスピア作品を歌舞伎に。英国公演を経た凱旋公演です。
   2005年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0717010232.html


★3.Bunkamura『コクーン歌舞伎「桜姫 ー現代劇」』
  06/07-30 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:秋山菜津子 大竹しのぶ 笹野高史 白井晃
      中村勘三郎 古田新太 他
   原作:四世 鶴屋南北 脚本:長塚圭史 演出:串田和美
   S席12,000円 A席9,000円 コクーンシート5,000円
   ※小学生未満入場不可。
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_sakura_gendai.html
   ただいま英国留学中の長塚圭史さんの新作です!そして豪華キャスト。
   原作は鶴屋南北の『桜姫東文章』ですが、物語の舞台は南米!!
   7月には『コクーン歌舞伎第十弾「桜姫」』を上演。
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_sakura_kabuki.html


4.東宝『ゼブラ』
  06/09-29シアタークリエ
  ☆出演:斉藤由貴 星野真理 山崎静代(南海キャンディーズ) 大沢あかね
      入江雅人 今井ゆうぞう 是近敦之 矢部太郎 他
      ※檀れいが急病で降板のため、代役に星野真理
   脚本・演出:田村孝裕(ONEOR8)
   S席:9,000円/A席:7,500円
    http://www.tohostage.com/zebra/
   劇団ONEOR8の人気作品が、商業演劇のシアタークリエで上演。
   作・演出はONEOR8の田村孝裕さんです。初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1013225421.html


★5.ホリプロ『炎の人 ゴッホ小伝』
  06/12-28天王洲 銀河劇場
  ≪東京、新潟、愛知、大阪≫
  ☆出演:市村正親 益岡徹 荻野目慶子 中嶋しゅう 大鷹明良
      今井朋彦 銀粉蝶 他
   脚本:三好十郎 演出:栗山民也
   S席9000円 A席7500円 ※未就学児童入場不可
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=125
   三好十郎戯曲を栗山民也さんが演出。
   市村正親さんが天才画家ゴッホを演じます。

  ●お薦めポイント●
   昭和初期から戦後復興期に活躍した劇作家・三好十郎の重厚な戯曲を、
   豪華キャスト・スタッフが上質なストレート・プレイに仕上げてくれそう。
   三好十郎作品の過去レビュー↓
   『その人を知らず』(2008年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1231173727.html
   『鈴が通る』(2006年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0609220229.html
   『胎内』(2005年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1026231816.html
   『浮標(ブイ)』(2003年)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0226205402.html


6.ヨーロッパ企画『ボス・イン・ザ・スカイ』
  06/17-28青山円形劇場
  ≪滋賀、京都、広島、福岡、兵庫、東京≫
  ☆出演:石田剛太 酒井善史 諏訪雅 角田貴志 土佐和成 
      中川晴樹 永野宗典 西村直子 本多力 山脇唯
   脚本・演出:上田誠
   前売3,500円/当日3,800円 ※未就学児入場不可
    http://www.europe-kikaku.com/projects/e27/main.htm
   上田誠さんが作・演出する劇団ヨーロッパ企画の新作。
   東京公演は完売日が続出。ご予約はどうぞお早めに!
   上田さんが脚本を手がけた映画「曲がれ!スプーン」は今年11月公開!
    http://www.magare-spoon.com/


7.劇団昴『隣で浮気?』
  06/18-24本多劇場
  ☆Aキャスト:高山佳音里 小田悟 林佳代子 岡田吉弘 落合るみ 宮本充 
   Bキャスト:米倉紀之子 山口研志 要田禎子 金尾哲夫 矢島祐果 平田広明
   作:アラン・エイクボーン 翻訳:三輪えり花 演出:ニコラス・バーター
   一般¥5,500 大学生以下¥3,500 ペア券¥10,000 AB通し券¥9,500
   ※6/18(木)・19(金)オープニングチケット¥3,500
    http://www.theatercompany-subaru.com/tonarideuwaki/index.html
   アラン・エイクボーンのコメディーをダブルキャストで。
   ニコラス・バーターさん(RADA前校長)↓の演出に期待。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0912111828.html


★8.さいたまゴールド・シアター『アンドゥ家の一夜』
  06/18-07/01彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
  ☆出演:さいたまゴールド・シアター
   脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:蜷川幸雄
   一般:3,000円 メンバーズ:2,700円
    http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2009/p0618.html
   ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが、55歳以上の劇団員からなる
   さいたまゴールド・シアターに新作を提供。演出は蜷川幸雄さん。
   2009年3月の『95kgと97kgのあいだ』レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0320171438.html


9.青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
  06/20-28シアタートラム
  ≪京都、東京、フランス≫
  ☆出演:山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、志賀廣太郎、永井秀樹、
      天明留理子、太田宏、大塚洋、田原礼子、石橋亜希子、大竹直、
      畑中友仁 高橋広司(文学座)、ほかフランス人俳優4名
   作:M・ヴィナヴェール 翻案・演出協力:平田オリザ 演出:A・ムニエ
   前売・予約・当日券共 一般3,500円 学生・シニア2,500円
   高校生以下1,500円 世田谷区民3,300円 劇場友の会3,200円
   ※日本語・フランス語上演/日本語・フランス語字幕付き
    http://www.seinendan.org/
   30年前の仏戯曲を現代日本に置き換えた“ドロ沼企業買収劇”。
   平田オリザさんが翻案し、若手フランス人が演出。記者発表↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0520131242.html


10.劇団、江本純子『セクシードライバー』
  06/26-28ギャラリーLE DECO
  ☆出演:前田司郎(五反田団) 安藤玉恵
   脚本・演出:江本純子
   前売3,200円/当日3,500円 ※5/31より発売中!
    http://www.kegawazoku.com/gekiemo/
   毛皮族の江本純子さんが、三島由紀夫賞受賞者↓の前田司郎さんと
    http://www.shinchosha.co.jp/prizes/mishimasho/
   元ポツドールの安藤玉恵さんの2人芝居を作・演出されます。
   70席のギャラリーで全6ステージ。ご予約はお早めに!前回の記録↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0525233123.html


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売2000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】ハイバイ『リサイクルショップ「KOBITO」』
  06/05-16こまばアゴラ劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆脚本・演出:岩井秀人
   前売:2,800円 当日:3,300円(整理番号付自由席) 
   6月5日~8日の回には予約特典あり
    http://hi-bye.net/
   劇作・演出家としてだけでなく、俳優としても注目を集める
   岩井秀人さんの新作。終演後のトークのゲストも豪華!


【2】エビビモpro.『鬱病のサムシンググレート』
  06/12-23サンモールスタジオ
  ☆作曲・脚本・演出:矢ヶ部哲
   前売:2,800円 当日:3,000円 平日昼割:2,300円
    http://www.ebipro.com/
   元気でメッセージ性のあるオリジナル・ミュージカルを発表する
   最若手劇団の新作。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0131173425.html


【3】東京デスロック『LOVE 2009 Obirin ver.』
  06/13-14 PURNUS HALL
  ≪韓国、埼玉、神奈川、青森、神戸≫
  ☆演出:多田淳之介
   席種は不明。おそらく全席自由かと。
   一般予約2,000円 当日2,200円/学生予約1,500円 当日1,700円/
   高校生予約1,000円 当日1,200円
    http://deathlock.specters.net/
   東京公演を休止した東京デスロックの日本ツアー。
   関東地方公演はキラリ☆ふじみと桜美林大学にて。


【4】高木珠里ひとり芝居『一人オリンピック~千の仮面をもつ女』
  06/18-29リトルモア地下
  ☆出演:高木珠里(劇団宝船)
   脚本・演出:福原充則(ピチチ5) ブルースカイ
   前売・当日ともに2,500円(整理番号付き自由席券)
    http://takagijuri.com/
   “怪演”と評されることも多い女優・高木珠里さんの1人芝居。
   作・演出に福原充則さん、ブルースカイさんを迎えて。


【5】本能中枢劇団『シリタガールの旅』
  06/20-27こまばアゴラ劇場
  ☆脚本・演出:西島明 振付:山田うん
   前売り2800円〈日時指定 整理番号付自由席〉 当日3300円
    http://honchu.net/
   元ベターポーヅの西島明さんの新作。
  “寸止めエロス”の不思議遊戯、再び!?


≪ダンス、大手ミュージカル≫

 ○音楽座ミュージカル/Rカンパニー『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』
  06/06-14赤坂ACTシアター
  ≪東京、神奈川、大阪≫
  ☆作曲:筒井広志 脚本:横山由和 演出:ワームホールプロジェクト
   S席:9,870円/A席:7,770円/学生:3,500円(公演日指定)/
   シニア:6,300円(公演日指定)/劇団会員割引あり。※5歳未満入場不可。
    http://www.ongakuza-musical.com/about/stage/shabon/shabon.php
   『シャボン玉…』は数多くの受賞歴を誇る、音楽座の代表作のひとつ。


 ○Noism『ZONE - 陽炎 稲妻 水の月』
  06/17-21新国立劇場小劇場
  ≪新潟、東京≫
  ☆出演:Noism09
   演出・振付・出演:金森穣
   A席:5,250円 B席:3,150円 Z席:1,500円
    http://www.noism.jp/
   金森穣さん率いるダンス・カンパニーNoismの新作です。


 ○アミューズ『EVIL DEAD THE MUSICAL~死霊のはらわた~』
  06/25-07/05サンシャイン劇場
  ☆出演:諸星和己、大和田美帆、上山竜司(RUN&GUN) 右近健一、
      瀬戸カトリーヌ、森本亮治、高橋由美子、他
   脚本:倉持裕 演出:河原雅彦
   S席 8,500円 A席 6,300円
    http://www.evildead.jp/
   米ホラー映画『死霊のはらわた』がミュージカルに。
   日本版の脚本は倉持裕さんが手がけ、河原雅彦さんが演出。
   どこまで本気でゾンビ?一体どんな作品なのやら(笑)。


≪演劇フェスティバル≫

 ○日本演出者協会・韓国演出家協議会主催
  「第一回日韓演劇フェスティバル」06/01-30あうるすぽっと
    http://www.owlspot.jp/performance/090601.html
   日本と韓国が劇場で出会う1ヶ月。劇場ロビーでは無料朗読などの
   イベントも多数! ※朗読には整理券が必要です。

  『ブラインドタッチ』06/04-06
   出演:韓国人俳優 ※日本語字幕あり
   作:坂手洋二 演出:キム・カンポ 

  『ちゃんぽん』06/10-03
   出演:日本人俳優
   作:ユン・ジョンファン 訳:津川泉 演出:森井睦

  『壁の中の妖精』6/16-18
   出演:キム・ソンニョ ※日本語字幕あり
   原作:福田善之 脚色:ペ・サムシク 演出:ソン・ジンチェク 

  『七山里』06/21-23   
   出演:日本人俳優
   作:イ・ガンベク 訳:秋山順子 演出:福田善之

  『狂ったキッス~接触への熱望』06/26-29 
   出演:日本人俳優
   作:チョ・ガンファ 訳:木村典子 演出:鐘下辰男

   ※劇場作品5公演のチケット(日時指定・自由席)はすべて共通金額。
   一般3,500円 学生2,500円 通し券(5作品共通)10,000円
   としま未来友の会3,150円


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.Bunkamura『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』
  05/06-30シアターコクーン
  ☆演技、スタッフワークともに最高級。ライブならではの熱さも最上級。
   集団で同時に悪夢を見ているような、ぞくぞくする恐ろしさもあり。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0507002711.html
   ※外部に文章を書かせていただきます。公開されたらご報告します。


2.サンプル『通過』
  05/15-24三鷹市芸術文化センター星のホール
  ☆松井周さんの“変態”世界にぞっこん。細やかな演技でとんでもない行動を
   起こす人々をにやにや眺めながら、自分も同じ穴のムジナと自覚します。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0522115139.html


3.イキウメ『関数ドミノ』
  05/08-24赤坂RED/THEATER
   手放しに面白いSF芝居。人間について、人生について考えさせられつつ、
   娯楽作品であることが素敵。シャープな演出にも魅せられました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0509105251.html


  新国立劇場で岡田利規さん演出の『タトゥー』を観て、日本の新世代の演劇が
  より多くの観客に届けられていることを嬉しく思いました。
  5月は「CoRich舞台芸術まつり!2009春」最終選考作品を4本鑑賞。
  ひとくちに小劇場といっても作風は様々です。新しい出会いは刺激的!

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2009年5月(観劇数30作品)は残念ながら発行しませんでした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆3 【6月の週末はSPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」で決まり! 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎静岡舞台芸術センター(SPAC)が、ク・ナウカの宮城聰さんを
  芸術総監督に迎えて3度目となる「春の芸術祭」を開催します。

 ・SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」
  06/06-07/05静岡芸術劇場、屋内ホール「楕円堂」、
       野外劇場「有度」、稽古場棟「BOXシアター」
   http://www.spac.or.jp/09_spring/ 記者発表↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0518224852.html

  世界の舞台芸術9作品が、爽やかな緑がいっぱいの静岡に集結!
  今回のテーマは「帰りなんいざ古典へ!世界まさに荒れなんとす!」。
  完売演目も出ています。まだ予約可能な、気になる3作品をご紹介します。

 ●SPAC新作演劇『ブラスティッド』(フランス・日本)
  06/13-21舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」
  ☆出演:阿部一徳 大高浩一 布施安寿香 
   脚本:サラ・ケイン 演出:ダニエル・ジャンヌトー
    http://www.spac.or.jp/09_spring/blasted
   ※刺激の強い表現がありますので若年者の観劇はおすすめしません。
   ※背もたれのない客席です。

 ●SPAC新作演劇『ふたりの女』(日本)
  06/20-07/04舞台芸術公園 野外劇場「有度」
  ☆出演:三島景太、奥野晃士、永井健二、武石守正、
      吉見亮、たきいみき、牧山祐大、三木美智代、
      木内琴子、若宮羊市、石井萌生
   脚本:唐十郎 演出:宮城聰
    http://www.spac.or.jp/09_spring/twoladies
   ※背もたれのない客席です。※雨天時も上演。

 ●演劇『じゃじゃ馬ならし』(オランダ)
  06/27-28静岡芸術劇場
  ☆出演:トネールフループ・アムステルダム(劇団)
   脚本:シェイクスピア 演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ
    http://www.spac.or.jp/09_spring/shrew
   ※刺激の強い表現がありますので若年者の観劇はおすすめしません。

 【チケット】
 [一般大人]4,000円 同伴チケット(2枚)7,000円
 [学割]大学生・専門学校生 2,000円 高校生以下 1,000円
  週末劇場ハシゴ券をご購入の方に、東京・静岡間無料バスを運行!
   http://www.spac.or.jp/09_spring/bus
  売り切れ情報⇒ http://spac.or.jp/news/?p=528

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 ◆4 【「CoRich舞台芸術まつり!2009春」ただいま開催中!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2009春」の審査員をさせて頂いております。
   http://stage.corich.jp/festival2009/
  グランプリ受賞団体には次回公演資金として100万円が支援されます。

  最終審査参加団体のコメント↓が公開されています。
   http://stage.corich.jp/festival2009/finalist.php

  ただいま、65作品の中から選ばれた10作品を審査中!
  とうとう残すは1作品となりました。

 ■時間堂『花のゆりかご、星の雨』
  06/02-14ギャラリーLE DECO
  http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=8844

  7月中旬にグランプリを発表します。
  よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://www.corich.jp/stage/user_register.php
   携帯サイト:http://corich.jp/m/s


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 ◆5 【編集後記】
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 ◎5月に比べると、6月は大手の話題作が少なめでしたので、
  3,000円台の公演も“おすすめ10本”の中でご紹介しました。
  今月は週末に2回、静岡観劇に行きますよ~♪
  

 ◎おすすめ舞台中継 on TV

 【NHK教育】6/12(金)22:30~24:45
  NHK芸術劇場・演劇劇場中継
  新国立劇場演劇『焼肉ドラゴン』@新国立劇場小劇場
  作:鄭義信 翻訳:川原賢柱 演出:ヤン・ジョンウン/鄭義信
   http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html#drama0612

 【WOWOW】6/14(日)16:00~
  東京サンシャインボーイズ『returns』@THEATER/TOPS
  作・演出:三谷幸喜
   http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075438001/index.php


 ◎今月上演される作品の記者発表レポートです(初日順)。

 ・流山児★事務所『ブロードウエイ・ミュージカル「ユーリンタウン」』
  05/29-06/28座・高円寺1
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0516201524.html

 ・SPAC「Shizuoka春の芸術祭2009」
  06/06-07/05静岡芸術劇場、屋内ホール「楕円堂」、
       野外劇場「有度」、稽古場棟「BOXシアター」
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0518224852.html

 ・Studio Life『LILIES』
  06/17-07/12紀伊國屋ホール
  ≪東京、兵庫≫
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0519214327.html

 ・青年団国際演劇交流プロジェクト2009・日仏交流企画『鳥の飛ぶ高さ』
  06/20-28シアタートラム
  ≪京都、東京、フランス≫
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0520131242.html


 ◎作品紹介文を書かせていただいた↓『UMOJA(ウモジャ)』のチケット発売中!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0426182918.html
 
 ・TBS/朝日新聞社/光藍社/イープラス主催
  『ミュージカル「UMOJA~THE SPIRIT OF TOGETHERNESS~」』
  09/19-23赤坂ACTシアター
   http://eplus.jp/umoja/
  全席一律9,500円/上演時間:約150分/字幕解説付き 
  ※6/12(金)18:00までにペア券(19,000円)を購入された方には、
   南アフリカ産オリジナルワインをプレゼント!


 ◎「フェスティバル/トーキョー09秋」のプレサイトがオープン!
   http://festival-tokyo.jp/
  またもや、ものすごいラインナップですね~。


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2009年5月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「俺たちに明日はないッス」←俳優の生々しい演技に陶酔。
    http://oreasu.com/
  ・「東南角部屋二階の女」←いい話だけど少々物足りなかったかも。
    http://tounankadobeya.com/
  ・「三本木農業高校・馬術部」←最後は時間をかけ過ぎな気が…。
    http://sannou-bajutsu.com/
  ・「ジャーマン+雨」←もの凄い作品。横浜聡子監督、覚えました。
    http://www.german-ame.net/

  邦画といえば、「愛のむきだし」DVDは7月24日(金)より発売開始!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0529224426.html


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 00:10 | TrackBack