2008年11月30日
【ご報告・宣伝】「まぐまぐ大賞2008」にノミネートされました!
毎月&不定期に発行しておりますメルマガ『今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪』が、「まぐまぐ大賞2008」エンターテイメント部門(約3,170本)の中から、ノミネートメルマガ(15本)に選ばれました!
「まぐまぐ大賞」とは、さまざまな部門において、今年“最も輝いていた☆メールマガジン”を選ぶ企画です。毎年恒例なんですね。
ご推薦くださった読者の皆様、ノミネートメルマガに選んでくださったまぐまぐの社員の皆様、ありがとうございます!
ノミネートメルマガの中から投票によって大賞が選ばれます。よかったらぜひご投票をよろしくお願いいたします♪
⇒「まぐまぐ大賞2008」の投票はこちらです!
【投票方法】部門賞の右上「エンターテイメント部門」のコンボボックスから『今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪』を選択して、投票してください(推薦理由とメールアドレスが必須入力)。
※投票締め切り:12月8日(月)18:00まで
2008年11月28日
【写真レポート】「メセナ アワード2008贈呈式・たたかう劇場賞受賞 佐藤電機株式会社」11/28スパイラルホール
佐藤電機(株)関係者の皆さん
王子小劇場を運営する佐藤電機株式会社が「メセナ アワード2008・たたかう劇場賞」を受賞され、その贈呈式に伺いました。スパイラルホールはとても晴れやかなムード。
小劇場と若手劇団を10年に渡り支えてきた実績が、芸術文化支援活動として認められ顕彰されました。一観客でしかない私ですが、少し誇らしい気持ちです。
佐藤電機株式会社の皆様、王子小劇場職員の皆様、おめでとうございます。どうぞ今後もよろしくお願い申し上げます。
※メセナ[mecenat]という言葉は、芸術文化支援を意味するフランス語です(公式サイトより)。
※「あなたが選ぶメセナ賞」は(財)竹中大工道具館が受賞されました。
↓こうやって並ぶと・・・すごいですよね、顔ぶれが。
【メセナ大賞】サントリー(株):~美を結ぶ。美をひらく。~サントリー美術館の運営と活動
【地域文化支援賞】(株)伊予銀行:「伊予銀行地成文化活動助成制度」による草の根文化支援
【たたかう劇場賞】佐藤電機(株):王子小劇場の運営と、若手劇団への支援
【伝統技能継承賞】(財)竹中大工道具館:竹中大工道具館での交流・体験重視型活動
【音楽文化普及賞】トヨタ自動車(株):「トヨタコミュニティコンサート」~アマチュアオーケストラによる訪問コンサート~
【網の目コミュニケーション賞】(株)ふくや:博多の伝統芸能、祭りの普及・支援
【文化庁長官賞部門 文化庁長官賞】(財)ソニー音楽芸術振興会:クラシック音楽を通じた次世代育成と、若い演奏家への支援活動
審査委員:いとうせいこう[作家、クリエイター]/大笹吉雄[演劇評論家]/岡部真一郎[音楽学者、評論家、明治学院大学教授]/樺山紘一[東京大学名誉教授、印刷博物館館長]/北川フラム[アートディレクター、アートフロントギャラリー主宰]/楢崎洋子[武蔵野音楽大学教授、音楽学専攻]/山根基世[LLPことばの杜代表](以上50皆順)/福地茂雄[企業メセナ協議会理事長]*文化庁長言言部門については、文化庁担当者が加わりました。
http://www.mecenat.or.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月27日
ポかリン記憶舎『鳥のまなざし』11/27-30シアタートラム
明神慈さんが作・演出されるポかリン記憶舎がシアタートラムに初進出。小劇場界の実力派俳優がそろった豪華な座組みです。
あの世とこの世が交わる幽玄の闇の中を、観客の私も浮かんだり沈んだり。役者さんが帯同する空気が色っぽいです。上演時間は約1時間15分。
⇒CoRich舞台芸術!『鳥のまなざし』
三方から客席に囲まれた島のような、丘のような舞台。舞台奥には橋掛かりのような花道もあります。
曇ったパステル系の配色でそろえたのカジュアルな衣裳の役者さんたちは、体にも声にも隙がなく、見飽きることがありません。アンサンブル的な動きには、いつもの色っぽさに野蛮さもプラスされていたように思います。うっとりしたり、痛いと感じたり。
このまま群像劇のように進むのかしら・・・と少し不安になったのですが、そうはならず。終演時の暗転が心地よかったです。
ここからネタバレします。
リョウ(日下部そう)とサホ(福士史麻)の2人をを中心にした、街のコラージュであり、人間の心の軌跡。リョウは親友のマコトが自殺しており、サホは彼氏だったヒロキが自殺しています。
死んだヒロキ(平原テツ)が誰かの体を借りてサホに会いに来たところで、あの世とこの世がすっかり重なりました。対して、ここではない場所に行きたかったマコトを思い、自分はここにいるとはっきりと自覚するリョウ。サホとリョウが出会い、2人の影が黒く伸びて現れるのを観て、あぁ、私もここに生きているなぁと思いました。
ポかリン記憶舎#15
出演:中島美紀、日下部そう、山田宏平(山の手事情社)、寺内亜矢子、金田淳、井上幸太郎、平原テツ、市川梢、福士史麻(青年団)、堀夏子(青年団)、桜井昭子
脚本・演出:明神慈 音楽:木並和彦 美術:杉山至+鴉屋 舞台監督:寅川英司+鴉屋 照明P:キイトス 照明OP :シバタユキエ 音響:荒木まや 写真:松本典子 AD:松本賭至 衣裳:フラボン 演出助手:渡邊佳奈子 小杉美也子 百花亜希
制作:遠山ちあき フラボン
【発売日】2008/09/28 指定席(椅子)・自由席(桟敷) 前売:指定席 3300円 自由席 2800円 当日:指定席 3500円 自由席 3000円 平日マチネ割:指定席 3000円 自由席 2500円 和服割:指定席 3000円 自由席 2500円 学割:自由席のみ 2500円(入場時:要学生証)(劇場チケットセンターTEL&店頭取扱い、フラボン取扱い)劇場友の会会員:指定席 3000円 自由席 2500円 世田谷区民:指定席 3100円 自由席 2600円(劇場チケットセンター取扱い)
http://www.pocarine.org/mt/archives/2008/08/15.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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芸団協セミナー『劇場をめぐるラウンドテーブル Vol.3「劇場と劇団と観客と~民間の小劇場のこれから」』11/26芸能花伝舎1-1

ラウンドテーブル3
芸団協が主催するセミナーです(関連レビュー→1、2、3)。ゲストスピーカーは野村政之さん(こまばアゴラ劇場制作部) 玉山悟さん(王子小劇場代表) 黒澤世莉さん(王子小劇場/時間堂主宰)。今、東京で注目されている代表的な小劇場を運営する方々です。聞き手は矢作勝義さん(世田谷パブリックシアター)。
やはり今回も、登壇者はもちろん参加者の皆さんの熱意が伝わってきて、とても充実した会合でした。「中高生のチケット代を一律1000円にする」というアイデアが出て、ぜひぜひ多くの劇場や芸術団体の方々が協力して、実現していただきたいと思いました。SPACは高校生以下1,000円なんですよね。
ゲストスピーカー:野村政之(こまばアゴラ劇場制作部) 玉山悟(王子小劇場代表) 黒澤世莉(王子小劇場/時間堂主宰) 矢作勝義(世田谷パブリックシアター)
参加費 2,000円(茶菓代を含む)必ず、事前にお申込みください。11月19日(水)までに、所定の用紙に必要事項を記入して送付すること(FAXまたはEメール可)
主催: 社団法人日本芸能実演家団体協議会 芸団協・芸能文化振興部 担当:米屋 TEL/03-5909-3060 FAX/03-5909-3061
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/gekijyo_rt083.html
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2008年11月26日
【写真レポート】「フェスティバル/トーキョー~F/T09春~記者発表」11/25東京芸術劇場5階
「F/T09春」記者発表
2009年2/26~3/29の約1ヶ月にわたって開催される、舞台芸術の国際フェスティバル「フェスティバル/トーキョー(F/T09春)」の記者発表に伺いました。
上演されるのは19演目(内、外部参加は5作品)。海外で話題のあの演出家が、静岡やさいたまで大好評だったあの作品が、トーキョーに集まります。3月は「F/T」通いの日々になるかも・・・!
チケットは2008年12月18日より発売開始。価格は一般3000円~4500円。学生は全演目3000円で、高校生以下はなんと全演目一律1000円!
メイン会場は東京都豊島区の東京芸術劇場、あうるすぽっと、にしすがも創造舎です。
フェスティバル・ディレクターの相馬千秋さんの司会のもと、8人のアーティストが作品およびフェスティバルへの思いを語りました。
相馬「舞台芸術には、多様なものを単純化せずに伝えていく可能性があります。多様で刺激的な対話によって、フェスティバルを満たしてくれると信じます。」
■イ・ユンテクさん(「オセロー」)
イ・ユンテク「1980年、1997年につづいて3度目の日本公演になります。今回上演する『オセロー』は、もともとは宮城さんの作品『夢幻能 オセロー』です。日本の能をそのままに、尊重して上演したい。能役者にも出演してもらいます。日本人の俳優と2週間生活をともにしながら稽古をする予定です。私の演出作品の中で一番面白い作品だと思います。」
イ・ユンテク「東京は色んなものを受容する都市であって欲しい。東京的、日本的というよりも、今ここで、地球の文化が混ざっている場所であって欲しい。」
■蜷川幸雄さん(さいたまゴールド・シアター『95kgと97kgのあいだ』)
蜷川「『95kgと・・・』は私自身の演劇を相対化する作品。強い文化的発信力のある舞台を作って、海外から訪れてもらう東京にしたい。」
蜷川「こういった会見に出ると、いつも自分が最年長(という年齢)になってしまった。このように若いアーティストと並ぶと戦慄的な恐怖心が起こります。初めて行ったエジンバラ・フェスティバルでの会見を思い出しました。この若い方々と一緒に私もがんばります。」
■宮城聰さん(『転校生』)
宮城「私が芸術総監督をつとめる静岡芸術劇場では、自分が刺激を受けて、いわばライバルとしても意識していたアーティストに作品を作ってもらいたいと考えた。そこで平田オリザ氏と飴屋法水氏をお呼びした。平田さんの戯曲『転校生』はいわば現代口語劇の極北。同時多発会話という手法も最高に磨かれた状態で実現されている作品。飴屋さんに演出を依頼した際、キャスティングも全ておまかせしようと思っていた。飴屋さんのお返事は『女子高生のプロに出てもらいたい』、つまり現役の女子高生をキャスティングしたいとのことだった。」
■飴屋法水さん(『転校生』)
飴屋「『舞台上に女子高生』というト書きがある。そこ(“本物の女子高生”と“女子高生を演じる俳優”)には簡単には超えられないものがある。人間は動物だけれど、他の動物にはない特別に革新的な部分がある。しかし同時に、やはり人間はどこまでいっても動物である。その間に緊張感がある。そこを探っていくのが僕にとっての演劇です。」
■松田正隆さん(マレビトの会『声紋都市-父への手紙』)
松田「身近に従軍した、戦争を体験した人(つまり松田さんの父)がいた。加害者的な立場にいた身近な人に話を聞きたいと思った。映像で取材してインタビューからテキストを作り、俳優と一緒に演劇にしていきます。国家・天皇がどうやって人間の心に内包していったのかを、作品を作りながら考えたい。」
■高山明さん(Port B『サンシャイン63』『雲。家。』)
高山「サンシャイン60がある場所には巣鴨プリズンがあった。60人の戦犯が処刑された場所に、今は60階建てのビルが建っている。まるで墓石のように見えてきた。『雲。家。』は「わたしたちは・・・」が300回以上連呼されるモノローグで出来た作品。3年間のフィールドワークの成果を、新たにバージョンアップして見せたい。」
■井手茂太さん(『コウカシタ』)
相馬「『コウカシタ』には日本人とタイ人のダンサーが出演します。76人の応募者から6人のタイ人ダンサーを選出されました。不安と期待が入り混じるお心もちでいらっしゃることと思います。」
井手「そうですね、期待と不安ですね・・・いえ、不安はないですね(笑)、期待です!タイ人の方々はすごく面白くて、あえてダンサー然としていない人を選びました。タイトルは“高架下”ですから日陰っぽいですが、でも活気があって笑い声が聞こえるイメージもあります。」
■松井周さん(『火の顔』)
松井「『火の顔』に登場する家族はそれぞれが、自分が作る物語にがんじがらめになっており、それがディスコミュニケーションを生んでいる。例えば俳優はテキスト(脚本に書かれたこと)を自分の物語だと信じて動いているが、それには根拠がないのではないか。また、自分が何かを信じている場合、それは自分から進んで信じているのではなく、何かによってそうさせられているのではないか。」
松井「(いつもは作・演出の両方をしているが)既成の戯曲に取り組むことで、物語と俳優との距離に注目したい。ゾンビのような主体性のなさを舞台上に乗せることで、それを積極的に言う(肯定する)ことができないかと思っている。」
■ビデオメッセージ:ダニエル・ヴェツェルさん(『カール・マルクス:資本論、第一巻』)
↓ヴェツェルさん(左)&ハウグさん(c)Rimini Protokoll / Hanna Lippmann
「フェスティバル・トーキョー2009春」のオープニングを飾るのは、2008年のTIFで大評判だった『ムネモパーク』に続いて、早くも再来日するリミニ・プロトコル(ドイツ)。本物の経済学者、革命家、労働者らが登場するドキュメンタリー演劇です。
■ビデオメッセージ:ロメオ・カステルッチさん(『Hey Girl!』)
↓『Hey Girl!』(c)HG Raffaeli
イタリアの演出家カステルッチさんは、秋に予定されている「F/T09秋」にも大作をひっさげて来日されるそうです。『Hey Girl!』は“生”の深淵に触れる象徴演劇。紹介された舞台映像はとても刺激的でした。
■ビデオメッセージ:平田オリザさん(『ユートピア?』)
↓3人の演出家(c)Fred Kihn
平田さんの新作『クリスマス・イン・テヘラン』と、その舞台裏と、その劇の演出家の妄想を描くメタ・メタ演劇。日本、イラン、フランスの共同製作です。
その他のプログラムも充実!
⇒山海塾『金柑少年』、白井剛『blue Lion』、『演劇/大学09春』
写真↓左から飴屋、宮城、イ・ユンテク、蜷川、松田、高山、松井
フェスティバル/トーキョー組織委員(五十音順):池田弘一 扇田昭彦 永井多恵子 蜷川幸雄 野村萬 林省吾 福原義春
フェスティバル/トーキョー主催:東京都/財団法人東京都歴史文化財団/フェスティバル/トーキョー実行委員会(豊島区、財団法人としま未来文化財団、NPO法人アートネットワーク・ジャパン)
【フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局】プログラム・ディレクター:相馬千秋 事務局長:蓮池奈緒子 事務局長補佐:宮崎あかり 広報:及位友美、ハッセル、タラ・石塚 制作:植松侑子、クラウトハイム・ウルリケ、武田知也、辻奈都子 インターン:三井亜久里、堀江紗恵 技術監督:寅川英司 アートディレクション:アジール ウェブディレクションデザイン:(株)Synchronicity 編集:大堀久美子 票券:(有)ぷれいす PR:(株)コミュニケーションデザイン 顧問弁護士:福井健策
フェスティバル/トーキョー:http://festival-tokyo.jp/
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2008年11月25日
東宝『月の輝く夜に』11/22-29ル テアトル銀座 by PARCO
私の大好きな映画『月の輝く夜に』が大地真央さん主演で舞台化。他のキャストも豪華です。脚本のジョン・パトリック・シャンレイというと『ダウト』もすごく面白かったんですよね。
上演時間は前半1時間、休憩20分、後半1時間20分。体調不良のため途中休憩の時に帰りました・・・無念。後半に盛り上がるはずなのに(涙)。
⇒CoRich舞台芸術!『月の輝く夜に』
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≪あらすじ≫ 公式サイトより
7年前に夫を亡くしたイタリア系アメリカ人・ロレッタ(大地真央)は、会計士として、葬儀屋や母の兄レイモンド夫婦(河野洋一郎・小林美江)の経営する雑貨店の経理の仕事をしている。
ある日、ロレッタは友人・ジョニー(福井貴一)からのプロポーズを受け入れるが、彼の絶交中の弟・ロニー(岩﨑大)が ぜひ結婚式に出席するよう、彼を説得してほしいとジョニーに頼まれる。ジョニーは危篤の母に結婚式の報告をすべくシシリーへと飛んだ。
満月の夜、ロレッタは、初めて会った婚約者の弟ロニーといきなり結ばれてしまう。
何が起きたのか、眠っていた恋の炎に激しく火がついてしまった二人。
翌朝、深く自分を戒めるロレッタを見たロニーは、大好きなオペラを二人で見ることができたらロレッタをあきらめると、ラストデートを申し込む。
満月の夜、ロレッタやその家族たちの人生にも、それぞれの変化が起きる。浮気をしているロレッタの父・コズモ(上條恒彦)は、浮気相手のモナ(三鴨絵里子)といる現場をロレッタに見られてしまう。夫の浮気に気付いて悩んでいる母・ ローズ(諏訪マリー)は、一人寂しくレストランで食事中に、大学教授ペリー(ヨシダ朝)と偶然出会い、複雑な想いながらも腕を組んで彼に送ってもらうところを、義父(花房徹)に見られてしまう。
月の輝く夜、自らの身に起こった出来事に想いを馳せるロレッタ。
そして、翌朝、それぞれの思いで食卓を囲む家族のもとに・・・
≪ここまで≫
レストラン、ロレッタの家、ロニーの店や部屋など、舞台になる場所の数が多いです。場面転換の度に暗転して装置(家具)を動かすのですが、その時間が長くて少々退屈しました。回り舞台にするなり何らかの方法はあったんじゃないかしら。年配の方が多い客層だから、あえてそういった“休憩”の時間を多くしたのかもしれませんが、それにしても物語がぶつぶつと途切れてしまうのはもったいない気がしました。
感情を吐露するセリフを観客に向かって説明するように話してしまっているのが残念。役者さんは芸達者な方ばかりのはずですから、演出意図なのでしょうね。
ここからネタバレします。
ロレッタとロニーがベッドインしてしまうまでが前半でしたので、後半にオペラのシーンや父と母の浮気騒動などが描かれるはずですよね。どう考えても後半が盛り上がるのに、気分が優れず、失礼してしまいました。残念です。
≪東京、広島、兵庫、愛知、大阪、石川≫
出演:大地真央 岩﨑大(Studio life) 諏訪マリー 福井貴一 河野洋一郎 ヨシダ朝 花房徹 小林美江 三鴨絵里子 上條恒彦
脚本:ジョン・パトリック・シャンレイ 演出:寺﨑秀臣 脚色:飯島早苗 装置:土屋茂昭 照明:大石真一郎 衣裳:前田文子 音楽:佐橋俊彦 音響:秋山斎裕 ヘアデザイン:嶋田ちあき 舞台監督:染谷信幸 演出助手:古川典史 プロデューサー:吉田訓和 製作:東宝 主催:コマ・プロダクション/読売新聞社
【発売日】2008/09/20 9,800円(税込) BOX席18,500円(2名様) ※未就学児童のご入場をお断りしております。
http://komapro.co.jp/pfm08_06.html
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【つぶやき】USBメモリ「GRiD TAG」がグッドデザイン賞2008・中小企業庁長官特別賞を受賞
知人の会社の商品USBメモリ「GRiD TAG」が、グッドデザイン賞2008・中小企業庁長官特別賞を受賞しました(⇒詳細)。
「GOOD DESIGN EXPO 2008・お気に入り投票」では「移動・ネットワーク領域」部門で第8位にランクイン。私も便利に使わせてもらっている品物だったので、嬉しさもひとしおです♪
しのぶのTAG
3,000以上の商品の中から各賞に選ばれた約70点が東京ミッドタウン・デザインハブで展示されています。
東京ミッドタウンに初めて行ったんですけど、バブリーな場所ですね~(笑)。クリスマスらしいイルミネーションもばっちり点灯していて、いつもとは違う気分になれました(←出かけるといえば劇場ばかりな私)。
売り上げランキング: 20714
2008年11月21日
パラドックス定数『怪人21面相』11/21-24 space EDGE
野木萌葱さんが作・演出されるパラドックス定数が、2006年初演の『怪人21面相』を同じ会場で再演します。いわばあの空間ありきとも言える作品で、チラシにあるとおり「開演時刻を過ぎたら入場できません」ので、会場へはどうぞお早めに。特設サイトに「事件概要」が載っています。読んでからご覧になっても良いと思います。
上演時間は約2時間。開演前の前説でもおっしゃっていましたが、会場の都合上少し寒いですので、暖かい目の服装をされることをお勧めします。私は最前列で拝見しました。タバコの煙が気になる方は後方の席が良いかも。
⇒CoRich舞台芸術!『怪人21面相』
初演を観ていますので少しはストーリーを覚えていましたが、男たちの丁々発止の言葉の戦いにやっぱり魅せられました。演技の熱がぐっと上がってくるわくわく感があり、個人的には初演よりも楽しんで拝見できました。
観終わった後に偶然ご一緒した知り合いと「あそこは~~だったよね」「あの人物は~~だよね」など、わいわい語り合えたのも嬉しかった。鑑賞後も味わいが持続する脚本です。
終演後に野木さんが、今回は出演していないもう1人の劇団員(井内勇希さん)について、彼の出演している公演の宣伝をされていました(遠慮がちに)。劇団っていいな~としみじみ思いました。数年前から野木さんの作品を拝見していますが、今では自分はパラドックス定数という劇団のファンになっていると思います。役者さん目当てで伺う気持ちもありますしね。今回も、見慣れた役者さんが登場しただけで楽しくなったりしました(メガネとか髪型とか・笑)。
・・・と言いながら同時に、野木さんの戯曲がパラドックス定数だけでしか観られないのはもったいない気もします。たとえば(何度もつぶやいていますけど)新劇の老舗劇団とかで上演されたら嬉しいな~。年配の渋い男優さんが出ても面白いと思います。
ここからネタバレします。
江崎グリコの役員・蓮見(植村宏司)、朝日新聞の記者・鳥羽(小野ゆたか)、元公安刑事・白砂(西原誠吾)、元KCIAの暴力団員・幸村(十枝大介)の4人が、グリコ・森永事件の犯人グループだったという架空の物語です。事件の裏側を見せていくのが面白いのはもちろん、長年の怨恨や人種差別にもつながっていくから目が離せません。
ただ、今回も白砂と幸村の関係が腑に落ちなかったですね・・・。白砂は元部下(大阪府警の警視)にあからさまにケンカを売るような姿勢を取っていたけれど、実は彼に深い親しみを抱いていたんですよね。幸村はその代わりだったわけですから。“可愛さ余って憎さ百倍”という感情なのかしら。そのあたりが私にはよく見えてきませんでした。
“日本を敵にまわした四人の男”
出演: 植村宏司 十枝大介 西原誠吾 小野ゆたか
脚本・演出:野木萌葱 照明:伊藤泰行 舞台監督:渡辺陽一 宣伝美術:成川知也 写真:渡辺竜太 販促:副島千尋 制作統括:赤沼かがみ(G-up) 企画・製作:パラドックス定数研究所
(日時指定・全席自由)前売り2800円 当日3000円
http://www.pdx-c.com
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】劇団Studio Life『フルーツバスケット』新人出演者募集11/28〆切(郵送のみ)
高屋奈月原作の人気漫画『フルーツバスケット』(白泉社刊・全23巻)が、劇団Studio Lifeにより初舞台化されます(⇒白泉社による公式サイト、⇒テレビアニメ ⇒Wikipedia)。
公演はフジテレビジョン/銀河劇場/劇団Studio Lifeの3社共催で、会場は天王洲 銀河劇場。23歳までの新人男性の募集です(経験不問)。〆切は11/28(金)。ご興味のある方はぜひ♪
以下、募集内容です。
【新人出演者募集オーディション概要】
(開催:劇団Studio Life/ホリプロ・ブッキング・エージェンシー/フジテレビジョン)
「あなたの手で あなたを あなたの手で あの人を デビューさせませんか……?」
~私たちは、ニューフェイスとの出会いを求めています!~
募集期間:2008年10月1日(水)~2008年11月28日(金)
資格:23歳までの健康な男性。(18歳未満の方は保護者の同意が必要)
応募方法:下記を同封して郵送にて応募してください。
履歴書(身長、体重、3サイズを明記)
写真2枚(全身、顔アップ各1枚=3ヶ月以内に撮影したもの)
80円切手を貼った返信用封筒(返信先を明記のこと)
選考方法:
1次 書類選考後返信封筒にて連絡。
2次 面接・実技 12月6日(土)・7日(日)
3次 実技・歌唱 12月15日(月)・16日(火)
※オーディション会場:フジテレビスタジオ
備考:
オーディション合格者は、公演終了後話し合いによりStudio Lifeに所属出来ます。
フルーツバスケットの稽古は2009年1月10日(金)開始予定
公演期間2009年2月25日(水)~3月8日(日)予定
劇団Studio Lifeの紹介:
1985年旗揚げ。男性のみで構成されている劇団であるが、脚本・演出は女性。
男優のみという特徴を生かしながら、耽美色に包まれた文芸作品のみならず、東野圭吾原作「白夜行」等様々なジャンルの作品を上演、好評を得ている。
年間4~5作品、全国7都市で約150ステージの公演を行っている。
主な代表作に萩尾望都原作「トーマの心臓」、皆川博子原作「死の泉」などがあり、2006年9月にはシェイクスピア作「夏の夜の夢」を上演した。
※2008年6月より、劇団はホリプロ・ブッキング・エージェンシーと業務提携しております。
【お問い合わせ・郵送先】
〒165-0026 東京都中野区新井1-38-10サンフジビル1F
TEL 03-3319-5645 FAX 03-3319-9867
Studio Life 新人出演者募集 係
http://www.studio-life.com/audition/
★以上、Studio Lifeから頂戴した情報です。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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柿喰う客『玉置玲央 一人芝居「いまさらキスシーン」』11/19-24王子小劇場
中屋敷法仁さんが作・演出される柿喰う客の1人芝居2本連続上演企画。七味まゆ味さん主演の『いきなりベッドシーン』の後に続いて拝見。
大阪インディペンデントシアター2ndで開催される一人芝居フェスティバル『INDEPENDENT:08』招聘作品だそうです。上演時間は約25分。
⇒CoRich舞台芸術!『いまさらキスシーン』
≪あらすじ≫
勉強、部活、恋に全力投球したい女子高生・三御堂島ひより(ミミドウシマひより・玉置玲央)は、背筋をピンと伸ばして国道4号線を自転車で突っ走る。
≪ここまで≫
女子高生ルックの玉置さん。派手なヘアスタイルも手伝って存在感は華やか。声のトーンや言葉の早さ、表情などをくるくる変化させてテンポ良く進んでいきます。
2本連続で同じ劇団の1人芝居を観たので、どうしても比較する視点から逃れられず。脚本は『いきなりベッドシーン』の方が面白かったように思います。
ここからネタバレします。
あっという間に高校時代が過ぎていく構造は単純に面白いです。照明で色を変えるのもわかりやすい。
オトコマエダ先輩(『いきなりベッドシーン』にも登場)に一目ぼれしたということでしたが、恋しているようには見えづらかったかも。
≪東京、大阪≫
出演:玉置玲央
脚本・演出:中屋敷法仁 舞台監督:本郷剛史 貴台美術:玉置玲央+黒柿 音響:上野雅(SoundCube) 照明:富山貴之 宣伝美術:山下浩介 フライヤー写真撮影:内堀義之 制作補佐:古澤和泉 田畑諭 藤岡美咲 伊佐美由紀 現場助手:飯田裕幸 吉田仁美 望月綾乃 佐賀モトキ 制作:赤羽ひろみ
【発売日】2008/10/25 前売・当日共 500円
http://kaki-kuu-kyaku.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月20日
柿喰う客『七味まゆ味 一人芝居「いきなりベッドシーン」』11/19-24王子小劇場
中屋敷法仁さんが作・演出される柿喰う客の1人芝居2本連続上演企画。七味まゆ味さん主演の『いきなりベッドシーン』(上演時間は約50分)の後に、玉置玲央さん主演の『いまさらキスシーン』(上演時間は約25分)が上演されます。※2つは独立した公演です。
『ZOKKYののぞき部屋コレクションPart3』と合わせて、王子小劇場で3本立ての1日となりました。
⇒CoRich舞台芸術!『いきなりベッドシーン』
≪あらすじ≫
高校に入学して念願の女子高生になった鷲津神ヒカル(七味まゆ味)は、青春時代を謳歌せんと、入学式当日からフルスロットル以上の活動を始めてしまう。
≪ここまで≫
最初の15分ほどは七味さんの爆裂な演技っぷりに(笑)、「ど、どうしよう、このまま進んだら・・・(汗)」と少々戸惑いましたが、はたと違う空気へと変化し始めた時から、物語にどっぷり入り込めました。柿喰う客らしいブラックな内容で、最後は何かの境地に達した気分を味わえました。
セリフの言い方(発音の仕方、音の大きさ、長さなど)が細かく指定されているのでしょうね。50分間1人で魅せきるのは大変なことだと思います。若い役者さんが限界に挑戦しているのを見られるだけでも、かなり嬉しい。
ここからネタバレします。
ヒカルはあまりの傍若無人っぷりにイジメの対象となります。でもイジメられることも青春の証だと信じて、よりエスカレートしていく方を好んで選びます。唯一の友達マゴコロさんがリストカットをしているのをうらやみ、自分もリストカットをせざるを得ないぐらい追い詰められたいと、強く願うようになります。
最後には「1度やったことを2度やるのはいやだけど、時間があまってしまったから、清水の舞台からまた身投げする」、ヒカル。マルキ・ド・サドなど悪徳の限りをつくす人物を思い浮かべました。『パイドラの愛』のヒッポリュトスも。
セリフの繰り返しが効果大。「合体!合体!」とか痛いよな~。ふさふさの黒い布が貼られたステージに照明も映えました。
≪東京、大阪≫
出演:七味まゆ味
脚本・演出:中屋敷法仁 舞台監督:本郷剛史 貴台美術:玉置玲央+黒柿 音響:上野雅(SoundCube) 照明:富山貴之 宣伝美術:山下浩介 フライヤー写真撮影:内堀義之 制作補佐:古澤和泉 田畑諭 藤岡美咲 伊佐美由紀 現場助手:飯田裕幸 吉田仁美 望月綾乃 佐賀モトキ 制作:赤羽ひろみ
【発売日】2008/10/25 前売2000円/当日2300円(初日のみ、前売1500円/当日1800円)
http://kaki-kuu-kyaku.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月19日
ZOKKY『ZOKKYののぞき部屋コレクションPart3「馬並みなはなし」』11/19-24王子小劇場
小林タクシーさんがプロデュースするZOKKYののぞき部屋演劇(過去レビュー⇒1、2)。王子小劇場の裏側のスペースを使ったユニークな公演です。ウェブサイトも王子小劇場と似せて作る凝り様。デザインが豊富な仮チラシも面白くて集めたくなりました。
予約開始と同時に次々と完売の×印が付いていく、CoRichチケット!のタイムテーブルは壮観でした。1公演につき観客1名ですからね(笑)。なんとか1枚だけチケットをゲットして、柿喰う客の1人芝居企画に合わせて初日に伺いました。
⇒CoRich舞台芸術!『ZOKKYののぞき部屋コレクションPart3』
王子小劇場の裏側の入り口の搬入用エレベーターで地下へ。エレベーター内部まで装飾する、凝りに凝った空間演出です(笑)。地下2階に着いたらメイド姿のZOKKY GIRL・清水那保さんがお出迎え。あぁいかがわしい!(笑) 受付も待ち時間もシステマチックに進化していて好印象(いかがわしいけど・笑)。
私が拝見したのは「馬並みなはなし」(出演:コロ/黒澤世莉/原田優理子)。上演時間は約5分間。
ここからネタバレします。
締め切りまであと1時間もないのに、漫画家(黒澤世莉)を誘惑するアシスタント(コロ)。ひととおり「いいでしょ」「ダメだよ」を繰り返した後、目の前に時計を持った女神(原田優理子)が登場。女神は「こうして欲しいの?」「それともこっち?」と思わせぶりに言いながら、時計の針を戻したり、進めたり。その後ろでは「そう!そうして!」「だめ!それはだめ!」などと叫び、生々しいあえぎ声をあげる2人。
思いっきりエロですが(笑)、すっごく可笑しかった。
世界最小演劇・ZOKKY王子リバーシブル#02
【出演】 遠藤留奈 菊池佳南(バナナ学園純情乙女組) コロ(柿喰う客) 境宏子(リュカ.) 佐々木なふみ(東京ネジ) 西尾美鈴 原田優理子(トリのマーク(通称)) 松葉祥子 山崎和代 印宮伸二(劇団神馬) 江原大介 黒澤世莉(時間堂) 齋藤豊 瀬尾卓也 松本隆志(Mrs.fictions) 小林タクシー 【声の出演】森下亮(クロムモリブデン)
脚本・演出・音響・舞台美術・宣伝美術・WEBデザイン:小林タクシー 舞台監督・制作:佐伯風土 イメージガール:清水那保(DULL-COLORED POP) 照明:兼子慎平(Le Sens) 写真撮影:堀奈津美(*rism/DULL-COLORED POP)
料金 500円 【発売日】2008/11/01
http://zokky.jp
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】新国立劇場演劇研修所第5期生(2009年度4月開講)募集
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場演劇研修所の第5期生の募集内容が公示されました(過去の募集時の記事⇒1、2、3、4)。
研修期間は3年間、授業は週5日のフルタイム(午前10時から午後6時)の国立の俳優学校です。年齢制限は18~30才以下。⇒講師陣のプロフィール。
願書受付期間:平成21年1月14日(水)~1月28日(水)(当日消印有効)
受験料:5,000円
※応募方法は公式サイトでよくお調べください。「募集要項・願書 請求票」をダウンロードして願書を取り寄せる必要があります。★願書受付期間に入ってから動き出すのでは遅いです。
まず、「募集要項・願書 請求票」を郵送して、願書を入手してください。請求票はダウンロード(PDF)できます。必要事項を記入の上、140円切手を貼った返信用封筒を同封のこと。
願書が届いたら、必要事項を記入の上、2009年1/14(水)~28(水)までの期間中に『新国立劇場 研修主管 演劇 第5期生募集係』に郵送(2009年1/28消印有効)。この期間内に受験料(5,000円)も振込みます。これで受験申し込みが完了(e-mailおよびfaxは不可)。
【試験日程】
第1次試験 平成21年2月11日(水・祝)
第2次試験 平成21年2月13日(金)
第3次試験 平成21年2月15日(日)
※試験は文化学園(渋谷区代々木)、及び新国立劇場稽古場(渋谷区本町)でおこなわれます。
★応募資格、研修概要などをよくお読みくださいね。しのぶの演劇レビュー内にも色んな記事がありますので、「新国立劇場演劇研修所」で過去ログ検索してみてください。
【お問い合わせ・郵送先】
新国立劇場 研修主管 演劇
〒151-0071 渋谷区本町1-1-1
TEL:03(5351)3011(代表) (月~金/土日祝を除く) 10:00~17:00
新国立劇場演劇研修所:http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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青年団『冒険王』11/15-12/08こまばアゴラ劇場
青年団の『冒険王』は平田オリザさんの自伝的作品。1996年に初演、2001年に再演され、今回が3度目で7年ぶりの上演になります。
通路まで席を出すほどの満席でした。クスっと笑って、いっぱい考えて、充実の約1時間25分でした。
⇒CoRich舞台芸術!『冒険王』
終演後のトークの内容を少しアップしています。
≪あらすじ≫ 2001年版の舞台写真はこちら。
トルコのイスタンブールにある安宿。日本人ばかりが同室している。再び旅に出る人、無為にただ寝ている人、誰かを訪ねてくる人・・・日本を遠く離れて、その場で知り合い、その場で別れる旅人たち。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
≪日替わり解説≫
出演:岩井秀人 (聞き手:古舘寛治 野村政之)
岩井「この作品は平田オリザの自伝的作品。平田さんは16歳の時に自転車で世界一周されていたわけですが、僕は16歳からの4年間、家の中のリビングと自分の部屋を行ったりきたりしていました(笑)。」
観客1「初演も再演も両方観ているが、キャストが変わっているのもあり、演出が違ってる気がする。平田さんといえば俳優にきっちりと振付をするような演出手法を取っていると考えていたが、今作は俳優がかなり自由に動いている気がした。平田さんが稽古場にあまりいなかったのではないか?(あまり演出をほどこされていないのではないか)」
野村「パンフレットにもありますが今回はスケジュールの都合上、夏に稽古をしております。」
古舘「平田がいた稽古はいつもより少し短期間だったという印象は、確かにあります。私は青年団に入って7年ほどですが、平田の演出は昔よりも俳優を自由にさせる方向に変化してきました。今回もそうでした。」
観客2「岩井さんは、もし自分がこの作品を演出・出演するならば、どの役を演じたいですか?」
岩井「古舘さんが演じた男(国語教師だったがアテネで針金細工を売って生活し、イスタンブールに避暑に来ている)の奥さんをやりたい。それも2人1役で。実際に奥さん役の能島瑞穂さんと並んで同じ演技をする。でも他の俳優は全然それに気づく様子なく演技をする。」←想像したらすごく面白かったです(笑)。
青年団第57回公演
出演:永井秀樹 秋山建一 小林智 能島瑞穂 大塚洋 申瑞季 古たち寛治 石橋亜希子 大竹直 熊谷祐子 山本雅幸 二反田幸平 佐藤誠 海津忠 木引優子 近藤強 桜町元 鄭亜美
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至 照明:岩城保 衣裳:有賀千鶴 宣伝美術:工藤規雄+村上和子 太田裕子 宣伝写真:佐藤孝仁 宣伝美術スタイリスト:山口友里 制作:野村政之 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
★:終演後、青年団演出部による『冒険王』日替わり解説あり。青年団演出部が平田オリザ気分で奔放に語ります。(平田オリザは出演いたしません)
[出演]15日(土)18:00:多田淳之介/16日(日)18:00:工藤千夏/18日(火)19:30:岩井秀人/19日(水)19:30:吉田小夏/20日(木)19:30:松井周
【発売日】2008/09/06 前売・予約・当日共 一般=3,500円 学生・シニア(65歳以上)=2,500円 高校生以下=1,500円(日時指定・全席自由・整理番号付)※未就学児童はご入場いただけません。
http://www.seinendan.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月18日
【宣伝】『まぐまぐ大賞2008』にご投票いただけると嬉しいです!
『まぐまぐ大賞2008』というイベントが開催されます。今まで知らなかった・・・。
もし私が発行しているメルマガ「今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台」をお薦めいただけるなら、投票していただけると嬉しいです。
こちらから投票できますので、よかったらぜひー♪
締め切り時間は本日(11/18)18:00です。
よろしくお願いいたしま~す!
芸団協セミナー「海外研修サポートセミナー2008・アーティストから見た海外パフォーミングアーツ事情~報告交流会」11/17芸能花伝舎1-1

海外研修サポートセミナー
1年間の海外研修を修了された方をゲストに向かえたセミナーです。ゲストはパフォーマー・ディレクターの小野寺修二さん(元・水と油)と、新国立劇場・制作部演劇専門職員の高瀬磨理子さん。
内容が札幌、仙台、大阪、広島、福岡にインターネット中継されるという新しい試みもありました。「こちら、札幌です」と声が聞こえた時はちょっと興奮!・・・インターネットは凄いですね。
小野寺さんも高瀬さんさんもご自身の研修経験について気さくに、沢山、お話しくださいました。パフォーマーであり演出家である小野寺さんはフランスでの苦労をユーモアを交えて(笑)。高瀬さんはイギリス・ウェールズの劇場で教育関連の演劇製作にも関わっていらしたそうで、私が今、興味を持っていることぴったり!シェイクスピアのテキストを使った「words, words, words」という子供向けワークショップのお話がすごく面白かったです。
実際に研修に行かれた方とお会いできて、直接お話を伺えるのは貴重ですね。海外研修にご興味のある方は、今後もぜひチェックされると良いと思います。
進行の後藤美紀子さん(Arts Managers' Net)もフランスで研修されていた方で、お三方とも語学には苦労されたようです。「とにかく出来る限り、全力で準備を!」とのこと。
※札幌、仙台、大阪、広島、福岡でインターネット中継を担当するのは、皆さんPmP2006でお会いした制作さんでした(⇒公式サイト)。あの時の出会いが今につながっているんですね。感慨深いです。私も頑張らなきゃと思いました。
芸団協セミナー「芸術分野海外研修サポートセミナー2008 ガイダンスと報告交流会」
第一部18:00-18:30 第二部19:00-21:00
第二部 進行:後藤美紀子(Arts Managers' Net)
ゲスト:小野寺修二(パフォーマー・ディレクター・平成18年度文化庁新進芸術家海外留学制度・演劇部門研修員)/高瀬磨理子(新国立劇場・制作部演劇専門職員・平成18年度文化庁新進芸術家海外留学制度・演劇部門(アート・マネジメント)研修員)
主催:社団法人日本芸能実演家団体協議会 共催:NPO法人FPAP 協力:文化庁芸術家在外研修員の会/Arts Managers' Net 助成:平成20年度文化庁芸術団体人材育成支援事業 社団法人私的録音補償金管理協会(sarah)
※札幌・仙台・大阪・広島・福岡の5地域でインターネット中継されます!※インターネット中継についてはトヨタ自動車株式会社の助成を受けて、NPO法人FPAPおよび各地域の主催者が実施するものです。
第一部のみの方は無料 第二部 2,000円(交流会の茶菓代を含む。)
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/manage/kaigai08.html
海外研修サポートセミナー2007の要約:
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/seminar/kaigaivo11.html
http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/04pro/seminar/kaigaivo12.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月17日
新国立劇場演劇研修所『第4期生シーンスタディー「ヘンリー六世」』11/17NNTドラマスタジオ実習室
新国立劇場演劇研修所第四期生シーンスタディー 2008/11/17(月)16:00~17:00
【配役】ヘンリー六世:扇田森也 王妃マーガレット:石橋真珠 皇太子エドワード:佐藤真希 エクセター/ソールズベリー:斉藤麻理絵 バッキンガム/ウェストモアランド:日沼さくら サマセット:土井真波 ノーサンバランド/クリフォード(父):竹田雄大 クリフォード(父親の敵を討つ。最後にさらし首):白川哲司 ヨーク公:原一登 エドワード(ヨーク公の長男):田島真弓 ジョージ(ヨーク公の次男):安藤大悟 リチャード(ヨーク公の三男):今井聡 ラットランド(ヨーク公の末っ子):土井真波 ノーフォーク:仙崎貴子 ウォリック(ヨーク公の右腕的存在):趙栄昊(チョウ・ヨンホ) モンタギュー/侍女:木原梨里子 @:田島真弓 木原梨里子 家系図:土井真波 木原梨里子 仙崎貴子
作:W.シェイクスピア 脚本・演出:山崎清介 ファイト・コレオグラフ:渥美博 ファイト・コレオグラフ助手:今国雅彦 舞台監督:白川哲司/仙崎貴子 大道具:安藤大悟/佐藤真希 小道具:石橋真珠/竹田雄大 衣裳:田島真弓/今井聡 演出助手:趙栄昊 パンフレット作成:尾田森也/原一登 題字・似顔:日沼さくら 相関図:石橋真珠 制作:斉藤麻理絵
http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/
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2008年11月16日
イキウメ『図書館的人生vol.2 盾と矛』10/24-11/03三鷹市芸術文化センター 星のホール
前川知大さんが作・演出されるイキウメの短編集シリーズ第2弾です(⇒第1弾)。上演時間は約2時間20分。日常生活と隣り合わせのひんやりとしたSFを堪能。少々長いめでしたが、いっぱい笑えたのも楽しかった。
星のホールの使い方にも余裕が感じられました。青山円形劇場や紀伊國屋ホールでの上演経験がある劇団ですものね。
来年1月には「NHKシアター・コレクション'09」でも『イキウメ短篇集』が上演されます(Vol,1、Vol,2から選ばれた4篇)。
⇒CoRich舞台芸術!『図書館的人生vol.2 盾と矛』
短編集なのでひとつの話が終わると次の話へと場面転換をします。舞台奥のホリ幕が青一色に染まり、移動させる家具がシルエットになってかっこよかったです。※色は青じゃないこともありました。
ここからネタバレします。
1、賽の河原で踊りまくる「亡霊」
出演:板垣雄亮 國重直也 盛隆二 森下創 浜田信也 伊勢佳世
鬼(板垣雄亮)の厳しい監視のもと、死者たちがやりがいのない単純作業をさせられる。
鬼が奪衣婆(だつえばあ・伊勢佳世)に反旗を翻すのが可笑しかった。そしてそのおかげで“あがり”になり、最後に残った死者(浜田信也)が鬼になってしまうのも。
2、やさしい人の業火(ごうか)な「懐石」
出演:古河耕史 盛隆二 岩本幸子 浜田信也 國重直也 盛隆二
(おそらく)幼い子供を失った夫婦(盛隆二&岩本幸子)が、暴漢に襲われた見知らぬ若者(古河耕史)を自宅に招いてもてなそうとする。彼が刑期を終えて出所したばかりとは知らずに。
さわやかな笑顔を浮かべつつ、淡々と夫婦を支配していく若者がうすら恐ろしくてかっこ良かったです。若者が去った後、妻が警察に電話をするのを止めた夫も、覚悟があっていいですね。
3、瞬きさせない宇宙の「幸福」
出演:窪田道聡 森下創 緒方健児 岩本幸子 板垣雄亮 古河耕史
宇宙人(板垣雄亮)がある秘密兵器をもって地球を支配しにやってきた。ソレを見ると、どんな人間も幸せな気持ちになって身動きができなくなる。
至福を味わわせながら死に至らしめる大量殺戮なら、簡単に成功しそうだとすんなり納得。渋谷の大きな広告にソレが貼られたら・・・とリアルに想像できてゾワっと来ました。
4、東の海の笑わない「帝王」
出演:浜田信也 伊勢佳世 國重直也 岩本幸子
感情が顔に表れずに体の反応として出てしまう奇病を持つ男と、そうとは知らずにその男と結婚した女のお話。カラっと気持ちよく大笑いさせていただきました。
MITAKA "NEXT" Selection 9th 攻めるものと守るもの、武器についての短編集
出演:浜田信也 盛隆二 岩本幸子 森下創 緒方健児 國重直也 伊勢佳世 古河耕史 板垣雄亮 窪田道聡
脚本・演出:前川知大 美術:土岐研- 照明:松本大介(enjin-1ight) 音響:鏑木知宏 楽曲提供:安東克人(&cut) 衣裳:今村あずさ(SING KEN KEN) ヘアメイク:前原大祐 演出助手:矢本翼子 舞台監督:谷渾拓巳 演出部:渡邉亜沙子 上嶋倫子 衣裳部:山本有子(ミシンロックス) 宣伝美術:末吉亮(図工ファイブ) 宣伝写真:坂田智彦 WEB制作:渡邊由布 舞台写真:田中亜紀 制作協カ:エッチビイ 制作:中島隆裕 吉田直美 主催:イキウメ(財)三鷹市芸術文化振興財団
【休演日】10/27(月)【発売日】2008/09/06【全席指定】一般:前売3,300円 当日3,600円 高校生以下1,000円(前売・当日共/当日学生証拝見) 未就学児童入場不可
http://www.ikiume.jp/
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ドイツ文化センター/日本演出家協会「シンポジウム 演劇と社会」11/15ドイツ文化センター

演劇と社会
日本演出家協会が主催する国際演劇交流セミナー2008【ドイツ特集】の、シンポジウムに伺いました。
ドイツの演劇人が来日して東京と大阪でワークショップを開くなど、大掛かりな企画のようです。できたらDVD上映や講演も聞きたかったんですけど、シンポジウムのみ拝聴いたしました。
■シンポジウム(17:00-19:00)
パネリスト(登壇者下手から):司会:新野守広(立教大学教授) 堤広志(舞台評論家) ローラント・コーベルク(ドラマトゥルク、ベルリン・ドイツ座) ヘレーナ・ヴァルトマン(演出家、振付家) リズ・レッヒ(演出家) 田中孝弥(劇作家・演出家・清流劇場代表)
まずは舞台評論家の堤広志さんが日本の小劇場劇団(チェルフィッチュ、ピチチ5、サンプル、五反田団、ポツドール、東京デスロック、ひょっとこ乱舞、ハイバイ)を舞台映像、舞台写真とともに紹介されました。ヘレーナ・ヴァルトマンさんは大いに興味を持たれたご様子でした。
ドイツに留学されていた田中孝弥さんが、ご自身の劇団・清流劇場の活動とドイツ演劇への取り組みについて、しっかり準備された資料を読み上げられました。
田中「ドイツ演劇に触れたことで、考え続けることの美しさに気づくことができた。友人に『演劇人は新しい価値観、ものの見方を提供してくれる』と言われて嬉しかった。劇場を拠点にして、ふだん生活している社会について考える機会を与えるのが、演劇。」
田中「日本人は、責任の取り方を考えなくなってきているのではないか(例:汚染米事件など)。責任の追及について描いたドイツ戯曲を演出し、自分はどうするのか、自分はどう生きるのかに向き合った。7年間ドイツ演劇に関わって、『わからなくてもいいんだ』ということがわかった。失敗しない人間などいない。だからこそ人間は、責任の取り方について考える必要がある。問題を考え続けることで、豊かな人生を生きられると思う。」
田中「ドイツ演劇は、『私が生きている』ということを実感できるおもちゃである、と思った。」
田中「稽古場で日本語だけが飛び交う必要性はないと思うようになった。多ヶ国語が飛び交うほうが、価値観の可能性を考えられる。表現をつくる上で、健全な気がする。」
ローラント・コーベルク「(最近のドイツでは)特定のあり方に疑問を呈する演劇が多い。free theater(インディペンデントの劇団?)が公立の劇場にも乗り込んできた。ドイツの劇場は、観客の頭を刺激できればそれがいいと考えている。(観客が)『よくわからない』と思って、考えることが大事。観客に『演出家の意図を知りたい』と思わせることが大事。」
ローラント・コーベルク(もしくはヘレーナ・ヴァルトマン)「昔の人は解決策を提示していたが、今は疑問を投げかけたり、問題を可視化したりして、その解釈は観客にゆだねるタイプの作品が多い。演劇は、考えて生きる可能性の時間。」
※ヘレーナ・ヴァルトマンさんも一緒にお話されていました。
リズ・レッヒ「今のドイツの若手の演劇は、主張したりするのではなく、対案を出すのがホットなテーマだと思う。社会全体が相対的になって、ごちゃまぜで、政治性をともなわないようになった。次にどういう対案(例えば資本主義への対案)を出すのかが重要。答えがわからなくても暫定的な対案を出すのが、次の世代の演劇だと思う。」
■ひとこと感想
ワークショップでは“アイデンティティー(自己同一性)”がテーマになっていたようです。リズ・レッヒさんが「日本人が自分のアイデンティティーを問うことにあまり頓着がないことに驚いた」という意味のことをおっしゃっていました。
日本は島国で公用語が1言語ですし、日本人は自国が単一民族国家と思い込んでいる傾向がありますし、また「他人に迷惑をかけてはいけない(迷惑になる自己主張は控えろ)」といった義務教育のムードもありますし。「私とは一体誰なのか」と自分自身に問う機会は、何か特別なきっかけでもなければ起こりづらいのかもしれないと思いました。
来年はドイツの演劇が日本で上演される機会がけっこうあるようで、ぜひ公演に伺いたいと思いました。
15:00-16:00 DVD上映とコメント(ヘレーナ・ヴァルトマン)
16:00-17:00 講演「演劇と社会」(ローラント・コーベルク)
17:00-19:00 シンポジウム
パネリスト:ヘレーナ・ヴァルトマン(演出家、振付家) リズ・レッヒ(演出家) ローラント・コーベルク(ドラマトゥルク、ベルリン・ドイツ座) 堤広志(舞台評論家) 田中孝弥(劇作家・演出家・清流劇場代表) 司会:新野守広(立教大学教授) 共同主催:日本演出家協会
有料(1,000円)、要申込 日独同時通訳付
http://www.k2.dion.ne.jp/~jda/
http://www.h2.dion.ne.jp/~port/tg/tg0811.pdf
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/kue/the/ja3602890v.htm
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五反田団『すてるたび』11/15-25アトリエヘリコプター
前田司郎さんが作・演出・出演される五反田団の新作公演です。劇団のホームであるアトリエ・ヘリコプターでの4人芝居で11日間公演。
ゆるりと漂うような、するりとすり抜けるような、約1時間25分でした。
⇒CoRich舞台芸術!『すてるたび』
イスが4脚ならんだだけの空間。客席はステージを正面と下手の2方向から挟む形状でした。私は正面の席を選択。たぶんどちらでも楽しめるんじゃないかと思います。
照明や音響、衣裳などのスタッフワークはミニマム。ゆるりゆるりと4人がしゃべる内に、景色が変わり続けます。あっ、という間もなく、どこかに連れて行かれてしまいます。
当日パンフレットの前田さんの文章の「昼寝して、変を見ちゃったみたいな感じ」を、そのまま体感した気分でした。だからなのか、途中で少々眠くなったりもしました。15:30開演のマチネって私にはちょっとした危険ゾーンだったかも(眠気に襲われるので・・・)。
ここからネタバレします。
長女(後藤飛鳥)、長男(前田司郎)、次男(黒田大輔)と、次男の妻(安藤聖)が、“タロウ”が入った棺を捨てる旅に出ます。タロウが何なのかははっきりとはわかりません。もしかしたら父親かもしれないし、でも次男のことかも・・・?と、棺の中に入っている死人が誰なのかがスルスル変化していくのが面白かったです。
人間が死んだら死体が残る、つまり人間はこの世に体を捨ててあの世に行くことになります。人生は、体をもらってから捨てるまでの旅路みたいなものなのかしら、と。
長男と次男のやりとりが小学生みたいで可愛かったです。
巨大な仏像(?)は私も電車の車窓から見つけたことがあります。あれは何なんだろうなぁ。
五反田団第36回公演
出演:安藤聖 黒田大輔(SHAMPOOHAT) 後藤飛鳥 前田司郎
脚本・演出:前田司郎 宣伝美術:藤原未央子 制作:榎戸源胤 票券管理:三橋由佳 制作補:清水建志 尾原綾 照明協力:山口隆(S-B-S) 主催:五反田団
2008年10月15日(水)予約受付開始 予約・当日ともに1500円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月15日
瀧川英次主演『赤ペン瀧川先生のエロメール添削スライドショーVol.3』11/14 LOFT PLUS ONE

チラシ
七里ガ浜オールスターズの瀧川英次さんが“赤ペン瀧川先生”と名乗って、容赦なく届く迷惑な“エロメール”を添削しまくるワンマンショー。SNSサイトmixiの中の人気コミュニティーから生まれた企画です。
“エロ”ですから、当然大人向けですし下ネタ満載(というか下ネタのみ・笑)ですが、客席には女性が多い!
今回は第3回目。休むに似たり。でもお薦めされていたので(⇒1、2)、ちょっと勇気を出して参戦しました。
早めに行ってなんとかステージが見える席をゲットしましたが、歌舞伎町のLOFT PLUS ONEは満席。当日券狙いの方は入れない方もいらしたそうです。
予約するまでにちょっと躊躇したりしてたんですが・・・普通に下ネタで笑いまくってしまいました(笑)。トークに合わせたスライドをきちんと準備されて、ネタはほぼハズレなし。1人で約2時間半(途中休憩を含む)を盛り上げ続けるのは凄いです。
エロメールはいわゆる“ネタ”ではありますが、実際の社会で流通しているものだから、さらに面白いんですよね。自分のパソコンに届いて思わず最後まで読んでしまった達筆エロメール(笑)を、瀧川先生が色んな方向からツッコミまくって、いえ、“添削”してくださって、それを大勢で共有して笑いものにして・・・まあ~このスッキリすること!(笑)
エロメールや変なハンドルネームなどは瀧川先生が漫画喫茶で出会い系サイトに接続し、お金を払って仕入れてきたもの。出会い系サイトというものがどうやって利用者からお金を取っているのかがわかったのもすごく面白かった。そっかー、メール送ったり開いたりするだけで数千円かかっちゃうんだね~。自腹切って、心労重ねて(笑)、本当にご苦労様です。ありがとうございます。こちらでも指摘があるように、清水宏さんのワンマンショーに通じるものがありますよね。
客席数と同様、回を重ねるごとにグレードアップしているようで何よりですね。ただ、オープニング映像はがんばって撮影されたようですが、ちょっと長すぎる気も。かっこいいところは敢えて出し惜しみする方がいいんじゃないかしら・・・な~んて大きなお世話ですよね。瀧川先生の大ファンの女性客には大切なサービスかもしれません。
※イベントで使っていたスライド内容をmixi内サイトで公開されています。読める環境にある方はぜひ(笑)。
赤ペン瀧川先生のエロメール添削スライドショーVol.3
【主演】瀧川英次 【日時】11月14日(金)開場18時30分 開演19時30分【料金】前売り2300円、当日2500円(ドリンク代別) ※前売り券はローソンチケットにて8/14より発売(Lコード:36932) 【問い合わせ】LOFT PLUS ONE(03-3205-6864)
http://blog.livedoor.jp/eromail_takigawa/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月14日
【雑誌】THE BIG ISSUE vol.106(11/01発売)

ビッグ・イシュー106
しばらく振りにザ・ビッグ・イシュー販売員さんに出会えました。バックナンバーを問い合わせたところ「明日持ってきます」とのお返事。待ち合わせみたいで嬉しいし、明日もテクテクっと行ってみようかな。あ、明日は最新号が出る日かも。じゃあ2冊買いましょうかね。
106号の表紙は坂本龍一さん。特集は「森、未来をつくる人々」です。宣伝のためのインタビューが載るのではないので、他の雑誌よりもずっと面白いと思います。
表紙が日本人の方が、個人的には買いたくなりますね。次号のスペシャルトークは茂木健一郎さん。表紙になるのかな~。
2008年11月12日
世田谷パブリックシアター『友達』11/11-24シアタートラム
チェルフィッチュの岡田利規さんが安部公房戯曲『友達』を演出。主催者公式サイトで「世田谷パブリックシアターでなければ実現し得ないプロダクション」と言い切る、自信満々の企画です。そりゃそうですよね、出演者の面々も凄すぎる(笑)。
期待と不安半々で伺った初日ですが・・・すっごーーーーく、かっこ良かった!!装置、照明、音楽、衣裳も洗練!そして、濃すぎるキャスト全員がセクシー!ドイツ演劇みたいだなって思いました(そんなに世界の演劇を観ているわけじゃないですが)。
でも2時間20分休憩なしは、私には少々つらい目でした。だって目が離せなくって緊張しっぱなしなんだもの、そりゃ勝手に疲れますよね(苦笑)。
安部公房「友達」は個人的に苦手な戯曲だったんですが(だって怖いから・・・)、大好きになっちゃいました。原作本↓がロビーで販売中!ありがたいですね。
⇒ステージウェブに岡田利規さんの動画インタビューあり!
⇒シアターガイドの特集
⇒CoRich舞台芸術!『友達』
※開演前に当日パンフレットを読んだ方がいいかもしれません。読まなくても全く問題ないと思いますが。
ここからネタバレします。思い出せることを箇条書きで。
ピンク、緑、オレンジの照明がぱらぱらと客席を照らしていて、クールなヴォーカルありの音楽が流れている。その演出の延長上に開幕。なんとも言えない、いえ、ぐうの音も出ない恍惚の居心地。完全に心を持っていかれた。
木製の板で出来たステージに、金属製のパイプを簡単に組んで部屋に見立てた装置。住人は牛(の着ぐるみを着た小林十市さん・笑)。そこに9人の招かれざる他人がぞろぞろと侵入してくる。でもドアから入るわけじゃない。てくてくとステージのど真ん中を歩いてくる。部屋は“枠”でしかなかった。個人の存在の曖昧さにつながった。ぼやける境界線。動物のテリトリーを当然のごとく侵し、地球を汚染する人間にも見えてくる。住人(小林十市)が「モーッ!」と叫んだときは思わず吹き出してしまった(笑)。
役者さんがぎらぎらした表情で客席に話しかけるスタイルで(これがドイツっぽいと思った)、演じているのかいないのかの線引きが曖昧で、目が離せない。我がもの顔で個人のプライバシーを蹂躙するやからは、ものすごく自由。楽しげに這い回る老人(麿赤兒)、むやみに体操(倒立・客席を走る)する父(若松武史)。体が激しく動くことで、「個人の部屋」が「複数人の部屋」へとぬるりと変化する。とうとう占領されてしまった。
何かと「多数決で決めよう」という提案をする侵略者たち。多数の暴力。「実質的な損害、不利益がないなら動かない」ので、警察も大家も役に立たない(大家にスポットライトが当たるのが可笑しい!)。倫理観の欠如、地域社会の崩壊などが見て取れる。住人が少々ぼんやりさん(激怒したり、困って叫んだりしない性格)であることで、この状況がフィクションだと思えたのがとても良かった。おかげで「怖い!」と思わずに風刺だと受け取りやすくなった。さらに、「この孤独な住人は、見ず知らずとはいえ大人数の家族の一員になった方が幸せなんじゃないか」とさえ思えた。
母(木野花)がお金を管理するというルールを無理やり住人にも押し付ける。搾取しても共有財産にすることは善だという横暴。長男(今井朋彦)がスリをしたエピソードがじっくり、たっぷり描かれる。正義が金で買われ、嘘が本当になり、金はなし崩し的にめぐりめぐって、バラ撒かれていく。
夜。次男(加藤啓)がビールを飲んでる間に照明が変わる。黄色い光で人物・物体がモノクロになる。横長ベンチを2脚置いて、家族らがにっこりと客席に微笑みかけながら座っている、静止。そこにはらはらと落ち葉が数枚落ちた。その瞬間、ここは公園だとわかる。あまりの洗練にシビれる!
住人の婚約者(塩田倫)がベンチに座ったまま徐々に体を斜めに傾けはじめる。舞台空間が斜めになる!スリの長男(今井朋彦)が上手ドアから婚約者と同じ方向に体を斜めにして登場して、さらに斜め!婚約者はなぜか足でステップを踏みながらしゃべっている。首をカクカクと回し、ハンモックに入れられた住人(婚約している相手)とはほとんど顔を合わせない。このシーンはちょっと退屈でした。
美しい長女(剱持たまき)が住人と逃亡を企てたと次女(ともさと衣)が告発。住人は「逃げようと言ったのは、しがみつきたいという気持ちを逆に表現した」と言う。でも父(若松武史)は住人を檻(おり)に入れる決断を下す。原作では言い訳がましいセリフとして書かれている印象ですが、小林さんの演技は本当にうっかりしてたという雰囲気。逃げる気持ちは全然なかった(最初はあったけど、消えてなくなった)ように見えました。住人は自分(自己・アイデンティティー)を捨てたから、檻に入れられたんじゃないかな・・・と想像。the company『1945』での高橋和也さんのセリフ「それでも俺たちは従った」を思い出した。
住人は毛布にくるまって、檻の中に入って犬になる。檻をつつんだ毛布に小林さんが犬になって吠える動画を映写。これまたクールだな~。結局は食事を持ってきた次女(ともさと衣)に毒入りミルクを飲まされて死亡。なぜ次女は住人を殺したのか。殺人後にやってきた次男(加藤啓)の「またやってしまったのか」というセリフで、次女がよく人殺しをすることがわかるけど、でもなぜ?
次女「さからいさえしなければ、私たちなんて、ただの世間にしかすぎなかったのに…」
つまり、世間にさからった者は殺されるということか。“友達”という言葉の幅広さに息苦しくなる。
戯曲の指定どおり、父が上演当日の新聞を読む。スポーツ新聞だった。若松さんは何度か読むのに詰っていたから、おそらくその場でのほぼ即興なんだと思う。小室哲哉さんの記事に胸が傷む。これも世間の集団暴力。「みんなと同じ意見じゃないヤツなんて、いらない」という声が聞こえる。
マイクを持ってセリフを言うシーンは、その演出意図はわからないけど、私は好き。生の声にメディアが入ることで、空気が変わるからかしら。ともさと衣さんの歌がとても良い。『友達のブルース』の“糸がちぎれた首飾り”という歌詞も。
戯曲のオープニングがエンディングに変更されていて、ループするイメージにもなった。
役者さんは皆セクシー。男性にはうっとり。女性だけど木野花さんにホレてしまいそうになった。
歌声も、ちょっぴり上げる足のかかとも素敵だったともさと衣さんのブログで写真発見。ピナって何?!
新世代の旗手・岡田利規×安部公房『友達』
出演:小林十市/麿赤兒/若松武史/木野花/今井朋彦/剱持たまき/加藤啓/ともさと衣/柄本時生/呉キリコ/塩田倫/泉陽二/麻生絵里子/有山尚宏
脚本:安部公房 演出:岡田利規 美術:堀尾幸男 照明:大野道乃 音響:市来邦比古 衣裳:半田悦子 演出助手:大澤遊 『友達のブルース』作詩:安部公房 作曲:猪俣猛 技術監督:熊谷明人 プロダクションマネージャー:山本園子 舞台監督:福田純平 舞台監督助手:橋本加奈子 音響操作:徳久礼子 衣裳スーパーバイザー:阿部朱美 衣裳製作:SePT衣裳部 衣裳部:森映 宣伝美術:グッドデザインカンパニー 法務アドバイザー:福井建策 営業:鶴岡智恵子 吉兼恵利 広報:宮村恵子 和久井彩 票券:金子久美子(ぷれいす) 制作進行:相見真紀 制作:大下玲美 プロデューサー:楫屋一之 [主催] 財団法人せたがや文化財団 [企画・制作] 世田谷パブリックシアター
【発売日】2008/09/14 一般5,000円 TSSS2,500円 友の会会員割引 4,500円 世田谷区民割引 4,700円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2008/11/post_127.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月11日
【情報】芸団協セミナー「海外研修サポートセミナー2008」&「劇場をめぐるラウンドテーブルVol.3」(2008年11月)
ここ数年で、芸団協で開催されるセミナーによく伺うようになりました。
今月は2度、足を運ぶことになりそうです。ご興味ある方はぜひ♪
※参加対象者が限定されているものもありますので、公式サイトでご確認ください。
⇒「芸団協メールニュース」は登録しておくと便利だと思います。
■11月17日(月) 第一部18:00-18:30 第二部19:00-21:00
「海外研修サポートセミナー2008」
アーティストから見た海外パフォーミングアーツ事情~報告交流会
研修報告者:小野寺修二さん(パフォーマー・ディレクター)
高瀬磨理子さん(新国立劇場・演劇制作)
※札幌・仙台・大阪・広島・福岡の5地域でインターネット中継されます!
■11月26日(水)19:00-21:00
劇場をめぐるラウンドテーブルVol.3
「劇場と劇団と観客と~民間の小劇場のこれから」
ゲスト:こまばアゴラ劇場と王子小劇場の方々
進行:矢作勝義さん(世田谷パブリックシアター制作部)
※舞台芸術関係者同士の交流の機会です。
【ワークショップ】俳優指導者アソシエーション「シリーズ『俳優のすべて』第1回 自分自身の「土壌」を耕す」12/15-21森下スタジオ・受講者募集
俳優指導者アソシエーションが主催する俳優向け企画への受講者募集情報です(関連エントリー⇒1)
2008年12/15(月)から21(日)までの1週間、午前~午後までみっちりと、勉強会、ワークショップ、レクチャーが受けられます。
講師は新国立劇場演劇研修所などで活躍している方々です。これまで研修所が芸団協と共催してきた「現役の俳優のためのリフレッシュコース」に比べると受講料も格安。主催者より「若い俳優志望の方に是非受けていただきたいです」とのメッセージあり。
募集人数:16名(選考有り)※受付順に選考し、定員になり次第しめ切り。
受講料:35000円
以下、主催者よりいただいた募集概要です。
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俳優指導者アソシエーション presents
■シリーズ「俳優のすべて」
第1回 自分自身の「土壌」を耕す
シリーズ「俳優のすべて」は俳優に関わる様々の要素をいろいろな角度から検証し、それをもとに勉強会やワークショップ、レクチャーなどをおこなっていく企画です。第1回目は~声・身体・感情・コミュニケーション~に焦点を当て、俳優の基礎的な訓練の方法が多数あって、またその指導には専門性があるのだということを体験していただきます。
≪タイムテーブル≫
12月15日(月)~21日(日)
15日(月)10時~12時 ガイダンス 13時~17時声と演技:池内美奈子
16日(火)10時~12時 アレクサンダー・テクニーク:鍬田かおる
13時~17時 声と演技:池内美奈子
17日(水)10時~12時 アレクサンダー・テクニーク:鍬田かおる
13時~17時 マイズナー・テクニック:藤野節子
18日(木)10時~17時 演劇への旅路(戯曲をつかって):黒澤世莉、池内美奈子
19日(金)10時~12時 ムーブメント:鍬田かおる
13時~17時 マイズナー・テクニック:藤野節子
20日(土)10時~12時 ムーブメント:鍬田かおる
13時~17時 即興:石本興司
21日(日)10時~12時 パーソナル・コーチングの意義:川南恵
13時~16時 ディスカッション
【募集要項】
対象:俳優。20才以上で2年以上の実技経験のある人。大学の演劇専攻過程在籍の方、養成所所属や小劇場系劇団所属の方も対象になります。全日参加のできる方。
日程:2008年12月15日(月)~21日(日)
時間:10時~17時 (12時~13時昼休み)*21日(日)は16時終了
場所:森下スタジオ Aスタジオ
(東京都江東区森下3-5-6 地下鉄都営新宿線、 都営大江戸線「森下駅」 A6出口徒歩5分)
募集人数:16名(選考有り)
受講料:35000円
【申込方法】
氏名、性別、年齢、所属、簡単な実技経験の記載、住所、電話番号、メールアドレス、『シリーズ「俳優のすべて」第1回受講申込み』と記入して、
メール:http://www.unit-duo.net/mail.html(←アクセスしてください)
またはFax:050-3440-3380のいずれかの方法で送付してください。
受付順に選考し、受講の手続きをおこないます。定員になり次第、締め切ります。
主催:俳優指導者アソシエーション 助成:財団法人セゾン文化財団
お問い合わせ:http://www.unit-duo.net/mail.html
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2008年11月10日
弾丸MAMAER『昭和スキャンティ』11/06-10あうるすぽっと
竹重洋平さんが作・演出される弾丸MAMAER(ダンガン・ママー)。チラシのビジュアルや描く時代・内容などが私の好みにビビっと来なかったため、今まで拝見せずにいたのですが、雑誌のぴあでお薦めされていたので観に行きました。
劇団の自主公演とは思えない、本格派の商業演劇のようでした。上演時間は約2時間20分(休憩なし)。
⇒CoRich舞台芸術!『昭和スキャンティ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
昭和33年、東京下町の裏街道に佇むとあるBAR。一見何の変哲もないこの酒場、働く女たちは皆、表向きには女給と称した訳ありの売春婦ばかりであった。ある日、突如現れた警視庁保安課の2人の捜査官。日本の国連加盟に際し施行された『売春防止法』により、違法営業に徹している女給たちを一斉検挙しようと躍起になる2人だが、所詮、彼らも「男」であった。一般客に成りすまし鋭い眼光を放って取締りにあたるものの、男の秘めたる情欲を察知する女給たちは、その上をいく。華やかな夜の蝶たちは色香を振り撒くと、その「お堅い客」を快楽の世界へいざなうのだが・・・。
おもしろうて、やがて哀しき、春を売る女たちの情炎
生きる術を奪われた、赤線娼婦たちの運命は如何に―
≪ここまで≫
高さもあって間口も広い舞台に、2階部分までしっかり建て込まれたバー(実は売春宿)。装置といい衣裳、ヘアメイクといい、客席に向かってガツンとセリフを言う役者さんといい、始まった時から“小劇場劇団の自主公演”といった印象は受けませんでした。26人の役者さんの出ハケや配置、アンサンブル的な動きなども、派手目の照明とマッチしています。
そういえばあうるすぽっとのロビーも、過去公演の舞台写真や今公演の美術模型がきれいに展示されていて、これまで私があうるすぽっとで観た公演の中で、一番ロビーらしい雰囲気だったかも。イスがふかふかで心地よいのも手伝って、すっかり大劇場で商業演劇を観るような気分でしたね。たとえば明治座とかシアタークリエとか。
エンタメ人情ものの色が濃いお芝居ですが、役者さんは観客にこびたりせず、しっかりと自分の役柄を自立して演じてらっしゃるように見えました。客演の方と劇団員の差もほとんど目立たず、作品のために存在するのが前提になっていて、好感度大。ただ、振付られたとおりに動いているのがしばしば目に付いて、退屈したりもしました。
売春宿をマッサージ店だと素直に信じ込んでいた警察官役の中村哲人さんが面白かったです。
ここからネタバレします。
「国家がついた嘘」という言葉が出てきた時、最近観たお芝居や読んだ本などを思い出しました。エンタメ色の強いドラマですが、作家が伝えたいことを堂々と示しているのもかっこいいですね。でも全体的には商業演劇の色合いが強いので、私の好みど真ん中ではありませんでした。
出演:中村哲人、小林広実、河合伸之、山口晶由、田仲晶、染谷恵子、安藤純、川根有子、日向宏之(吉江企画)、高森ゆり子( (株)ウィル・ドゥ)、小林香織(ワンダー・プロ)、森本73子(E-sprinG)、三枝翠、木村慎一、宮下千恵、川崎清美、土屋雄、坂田久美子(J.CLIP)、大曽根徹、千葉いづみ、松菜美樹、中路貴之(J.CLIP)、丹羽隆博(劇団バッコスの祭)、塚本愛美 嘉門洋子、坂口理恵(演劇集団キャラメルボックス)
脚本・演出:竹重洋平 音楽:吉川清之 美術:佐藤朋有子 照明:中山仁((株)アートプラス) 音響:宮崎裕之(predawn) 衣裳:阿部美千代((株)MIHYプロデュース) 舞台監督:山田和彦 宣伝美術:吉田光彦 宣伝デザイン:村上律子 ヘアメイク:火田山りやの 日景裕美子 特殊メイク:池浦順子 制作:水橋千佳子(弾丸MAMAER) 古谷真弓 プロデューサー:安井ひろみ((有)キィーワード) 企画・制作:弾丸MAMAER事務局 アキラグローバルビジョン(株)
【発売日】2008/09/06 前売り4000円、当日4500円
http://dangan-mamaer.gogo.tc/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【演劇教育】「Workshop on Workshop 2008 ワークショップの意味と仕組みを考えるワーク ショップ」11/09東京大学福武ホール内ラーニングシアター
平田オリザさん、吉野さつきさんがパネリストとして出演されるので伺いました。チラシはこちらでダウンロードできます。
ラーニングシアターってすっごい施設!!!参加者およそ100人が、一気にワークショップを体験・見学することができます。ワークショップ専用に設計されているということにも驚きました。
下記は自分がメモしたことの記録です。
■第1部 パネルディスカッション「クロスオーバーしていくワークショップ」
パネリスト:
・平田オリザ(劇作家/大阪大学コミュニケーションデザイン・センター)
・吉野さつき(ワークショップコーディネーター)
・苅宿俊文(青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センター)
司会:植村朋弘
平田「1982~3年頃から劇団を初めて88年頃から新しい方法論の演劇を作り始めた。その手法を説明するために、ワークショップを自分で作ってきた。94年に高校生向けにワークショップを実施したところ驚くほど好評だった。90年代後半に全国の公共ホールにワークショップブームが起こったため、依頼が殺到した。2000年頃から桜美林大学で教えていたが、今は大阪大学のコミュニケーション・デザイン・センターで教授をしている。」
平田「大阪大学では、コミュニケーション・デザイン・センターの授業を数年後には必修にする方向で動いています(おそらく医学部生について)。つまり演劇の授業を受けなければ医者にはなれないという、素晴らしい(笑)時代になる。ダンスも演劇もやります。最後は6人1組になって半年かけて専門領域を生かした演劇を作ることになります。その脚本は利害対立を含むものにする。」
平田「ワークショップが子供の教育に良いということは、もうすでにわかっていることです。不登校の子が学校に行き始めたりもします。そんな例はもう山ほどあります。」
平田「ワークショップをすることで『みんなそれぞれに違う(独特だ)』とわかります。金子みすずの『みんな違って、みんないい』ではありますが、それで終わるわけじゃない。世界の状況は『みんな違って、大変だ』なのです。」
平田「人間はそれぞれに違うから、インプット(して感じること)は皆ばらばらです。でも(実社会では)アウトプットでは何らかの答えを出さなければいけない。」
平田「フィンランドの国語教科書がよく例に挙がりますが、たった1つの正解を出すことが目的ではない。『誰が(ばらばらの意見を)まとめたか』が評価される。『どうにかする』能力が一番大事。」
平田「(日本の)学校では努力すれば報われると教えがちですが、芸術は努力しても報われないことが前提です。人間は集団でしか生きていけない。でもなかなか気持ちが伝わらない。そのもどかしさや絶望を知った上で、どうにかしなきゃいけない、どうにかするんだ、ということを学ぶ(のがワークショップ)。」
平田「演劇ワークショップと他のジャンル(美術ワークショップ、音楽ワークショップ)との違いは、『集団でどうにかして発表をしなければいけない』ということ。どうにかできなかった体験が、とてもつらいものであるのも特徴。その体験をすれば子供たちは『次は頑張る』のです。」
平田「小・中・高と学校で学んできたことが、社会生活とは乖離していることを皆さんは実体験でわかっていると思います。私たちの受験勉強では、ある一定の情報をある一定期間で覚えることを競っていた。期末試験の時までしか残らない短期的な記憶に意味はない。『ただ覚えること』は、人間の能力に意味を成さない。そういった『記憶』ははもうコンピューターがやってくれます。」
平田「短期的記憶についてはある程度わかっています(研究が進んでいます)が、実は私たちに必要な長期的な記憶については、まだほとんど解明されていないのが実情。ただ、複雑なさまざまな経験と、知識を組み合わせることで覚えると、長期的な記憶になる(ことはわかっている)。」
平田「人間は複雑な動きをする時ほど、インプットとアウトプットを同時に行っている。例えば私たちは学校で習った植物の名前よりも、散歩の帰りに母に教えてもらった花の名前をよく覚えている。『よりよく記憶する』ことが大事。」
平田「ワークショップ・デザイナーがワークショップをする時に大切なことは、参加者その人のそれまでの人生を大切にすること。」
吉野「今私たちが直面しているさまざまな問題に、芸術が役に立つことをヨーロッパの人たちは気づいている。」
平田「日本の学校の科目に音楽や美術はありますが、演劇はありません。芸大にも演劇学科がない。さらに音大、美大はありますが、演劇大学はない。職がないから学科がない、学科がないから職もないというのが現状。例えばカナダにはドラマ・ティーチャーという専門職の先生が各ハイスクールに配置されています。イギリスでは劇場が学校にアーティストを派遣したりしている。小学校の語学教師(ALT)と同じ位置づけです。世田谷パブリックシアターも世田谷の学校に派遣していますね。輸入して真似るのが上手い日本人ですから、この10年でワークショップのレベルはかなり上がっています。あとは意識の高い自治体が制度化するしかない。」
平田「出会いの場を作ることが大切。大阪・中ノ島に『哲学カフェ』というものを作りました。演劇はこの2500年間、コミュニケーション・デザインをしてきた分野である。コミュニケーションの幅を広げる場を作りたい。」
※司会の方は常に「まとめると」「共通するところは」「ひとことで言うと」などとおっしゃっており、“ワークショップ”の意味をわかっていない方のように思いました。
■第2部 ミニワークショップ「まさにワークショップ オン ワークショップ」
ワークショップデザイナー:
・柏木陽(演劇ワークショップ/NPO法人演劇百貨店)
・高尾美沙子(メディアワークショップ/青山学院大学 ヒューマン・イノベーション研究センター)ほか
・ワークショップ解説:苅宿俊文/吉野さつき
演劇ワークショップ参加者、メディアワークショップ参加者、それの映像中継を見る人の3つのグループに分かれて、約1時間のワークショップの後にグループディスカッションあり。
主催:特定非営利活動法人学習環境デザイン工房 担当:苅宿俊文 高尾美沙子
協力:青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センター 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
参加費:¥1,000(資料代として)
チラシダウンロード⇒URL http://www.heu-le.net/wonw.pdf
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Bunkamura『表裏源内蛙合戦』11/09-12/04シアターコクーン
平賀源内(1758-1779)の生涯を描いた、井上ひさしさんの1970年初演戯曲『表裏源内蛙合戦(おもてうらげんないかえるがっせん)』。演出は蜷川幸雄さん、主演は上川隆也さん、勝村政信さんという今年下半期の話題作です。
何曲歌うの!?何度着替えるの!?一体何シーンあるの!?これでもか、これでもかと、止まらず、進み続ける約4時間10分(途中20分の休憩を含む)の超大作。
⇒CoRich舞台芸術!『表裏源内蛙合戦』
平賀源内が生まれて死ぬまでの江戸時代の風俗を、言葉遊びがふんだんな歌に乗せて、ピンからキリまで徹底的に紹介していきます。総勢38人の役者さんがどんどこ着替えて何役も演じて、もうその目まぐるしさったら!!カーテンコールでは、疲れを通り越してすがすがしさがありました(笑)。
いわゆる上質なストレート・プレイとは言えない作品だと思います。脚本・演出・演技・スタッフワークの完成度なんて気にしていられない疾走感でした。膨大な情報の洪水に、ひとつひとつをじっくり考える余裕はなく、終幕直後は疲れていたのもあって、面白かったんだか面白くなかったんだかも、わからなかった(笑)。
個人的には正視できないきわどいシーンもあり、耳を疑いたくなるほど卑猥なセリフもありました。でも、全てを観終わった後にやってきた、あの、感覚は・・・“観劇をした”気分じゃなかったんですよね。役者さんとスタッフ、そしてお隣りに座った観客の方々と一緒に、現在とはまるで違う世界(江戸時代の日本)の中を走り過ぎたような・・・。「表裏」とタイトルにありますように、清も濁も含み込んで、ただ必死に生きた人々の渦の中に巻き込まれて、そこで息をしていたからなのかも。全てひっくるめて“平賀源内の人生”で、“江戸時代”だったのかもしれません。
小道具、衣裳の贅沢な使いっぷりに『ニンゲンご破産』を思い出しました(笑)。
ここからネタバレします。
出演者全員(おそらく?)による前口上が素晴らしかったです。後半の幕開けの勝村政信さんの長いセリフも圧倒的でした。
歌がすっごく多いです。歌だけで1シーン終了することもあったり。とにかく止まらないお芝居でした。ひたすらまっすぐ進み続ける!おバカと、どマジが交互に、または同時に手加減なく降り注ぐというか(笑)。♪あ~長崎は~今日も、雨だった~♪
上川隆也さんは何をやっても(笑)クリーンな好印象で凄い。落ち着きも華もあって、最後に無言で1人舞台に立っていた時は素晴らしかった。勝村政信さんが登場するとピリリと空気が引き締まりました。
オ●ニーばかりやってる殿様役の高橋努さんと家老役の豊原功補さんは、やってることはひどいのですが(苦笑)、愛らしい存在感。お2人が全然違う役柄で登場した時も良かったです。どんな役でもいつも目を引かれたのは六平直政(むさか・なおまさ)さんでした。
吉原のシーンの露骨な精描写は『新・近松心中物語~それは恋~』でも免疫があったのでオッケイ。でも両国は・・・清濁というより濁濁・・・。客席が照明で明るくされていたもつらかったですが、今も昔も人間のやってることって、“正視できない”“耳を疑う”ようなことだとは思います。
昼&夜に公演がある日は、いったい役者さんとスタッフさんはいつ休憩されるのでしょうか・・・??(休憩なんてないのかな)
出演:上川隆也、勝村政信、高岡早紀、豊原功補、篠原ともえ、高橋努、大石継太、立石凉子、六平直政 あさひ7オユキ 福本伸一 木村靖司 冨岡弘 二反田雅澄 大富士 飯田邦博 塚本幸男 堀文明 井面猛志 篠原正志 田村真 星智也 澤魁士 野辺富三 西村篤 川﨑誠司 本山里夢 鈴木重輝 増田広太郎 谷中栄介 羽子田洋子 難波真奈美 太田馨子 蜷川みほ 今井あずさ 山崎ちか 茂手木桜子 荻野美香
脚本:井上ひさし 演出:蜷川幸雄 音楽:朝比奈尚行 美術:中越司 照明:室伏生大 音響:鹿野英之 衣裳:小峰リリー 振付:広崎うらん 所作指導:花柳輔太朗 かつらメイク:奥松かつら 演出補;井上尊晶 舞台監督:明石伸一 営業:加藤雅広 票券:岡野昌恵 制作助手:市川美紀 制作:森田智子 唐澤まどか 大宮夏子 プロデューサー:加藤真規 企画・製作:Bunkamura 東京公演主催:Bunkamura
S席・¥9,500 A席・¥7,500 コクーンシート・¥5,000 中2階立見券 ¥3,500
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_omoteura.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月09日
岡崎藝術座『はやねはやおき朝御飯』11/3、11/9こまばアゴラ劇場

巣恋歌さん
岡崎藝術座『リズム三兄妹』のスピンオフ企画・『はやねはやおき朝御飯』を観てきました。約1時間で、朝食付き。
立派なアングラ精神だよな~・・・かっこいいッス!加担するのはちょっと勇気がいったけど(笑)、行って良かったです。あぁ、眠い・・・。
⇒CoRich舞台芸術!『 「リズム三兄妹」「はやねはやおき朝御飯」 』
普通にアゴラ劇場の客席に座って開演を待っていたところ、テンションがちょっと不思議な方向にふりきれたリズム三兄妹が登場。舞台上には誰かが布団を被って寝ています。
『リズム三兄妹』の登場人物たちの3年前を描くという設定ですが、お芝居鑑賞というよりは、観客参加型イベントでした(笑)。
ちょっとどきどきして不安にもなったけど、国民的歌手・巣恋歌(西田夏奈子)が愛らしくて良かったです。
スピンオフ企画なので、これは本編を観てからの方が楽しめるのではないかと思いました。観てなかったら、色々とあまりに唐突なのでは?(笑)
ここからネタバレします。
白神美央さんのお得意のラップも披露していただきつつ、観客は順番に劇場内からロビーへと移動して朝食をいただきます(お弁当でした)。移動に工夫が凝らされていて、ちゃんと劇世界にいたままでいられたのが嬉しかった。自動シャッターが開いて次へ展開するのもお見事。
巣恋歌が渋谷ハチ公前でデビュー・ライブを行うことになり、観客も各自、電車で移動。回数券とパンフレットを配り、警察対策(笑)も万全でした。東急百貨店のエントランス前で、巣恋歌は堂々とヴァイオリンを弾きながらの熱唱。観客が丸く彼女を囲んで、手拍子も拍手も起こり、朝から異様な盛り上がり(笑)。
終演後は「朝ごはんを出してしまったので赤字になりました。よかったらカンパをお願いします」とのアナウンスあり。CD(4曲収録で500円。作詩:神里雄大 歌・演奏・作曲・編曲:西田夏奈子)も買って、カンパもしちゃいました。みんな楽しそうだった。いや、楽しかった。写真はライブ終了後の巣恋歌さんです。
こまばアゴラ劇場2008年度秋のシーズンラインナップ作品
特別CD「巣恋歌はうたいつづける」(巣恋歌とリズムブラザーズ・シスターズ)
出演:西田夏奈子(巣恋歌) 白神美央(リズム三兄妹の姉) 内田慈(リズム三兄妹の妹) 鷲尾英彰(リズム三兄妹の兄) 億土点(サカタ社長) 坂倉奈津子(マネージャー) 召田実子(マイクの精、マイク)
脚本・演出:神里雄大 照明: 高橋かおり 制作: elegirl label 助手: 鈴木啓史 企画制作: 岡崎藝術座/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催: (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【休演日】11月4日(火)【発売日】2008/09/15 前売2000円 当日2500円 両公演共通券3500円(前売りのみ取り扱い) (朝公演はセット券のみ販売) ※11月7日(金) 14:00の回は前売、当日券ともに500円割引き(共通券には適応不可)
終演後トークあり→10月30日(木):出演者によるトーク 10月31日(金):篠田千明氏(快快・演出家) 11月5日(水):山内健司氏(青年団・俳優)
http://okazaki.nobody.jp
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月08日
わらび座『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」』11/08-16 THEATRE1010
わらび座のミュージカル「火の鳥~鳳凰編」を北千住のTHEATRE1010に観に行ってきました。今年のお正月に稽古場レポートを書かせていただいて以来、これで本番を観るのは3度目です(舞台写真のある過去レビュー⇒1、2)。初演メインキャストが変更になってからは初めて伺いました。上演時間は約2時間休憩なし。
うーむ・・・やっぱり素晴らしかった・・・!!終盤の怒涛の展開は何度観ても引き込まれ、そしてあまりに美しい景色に愕然とします。ミュージカルをリピートする観客の気持ちがわかりますね。とうとうCDを買ってしまった(笑)。
※シアター1010での公演は11/9(日)、11/15(土)、11/16(日)のみ(すべて14:00開演)。速魚役に初演キャストの碓井涼子さんが出演するのは11/15(土)、11/16(日)です。今は『天草四郎』に主演中なんですね。どうぞお見逃しなく!
⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」』
今回の収穫はなんと言ってもブチ役の末武あすなろさん。初演の今泉由香さんも魅力的でしたけど、末武さんもまた素晴らしかったです。ずっと彼女ばかりを追いかけてしまいました。声が澄んで、伸びて、美しいです。演技にも躍動感があります。無邪気な子供のように元気ですが、線が細い目なので、それがブチの女としての可憐さにつながります。茜丸(戎本みろ)への恋も健気で良かったです。
ここからネタバレします。
終盤の茜丸が邪心に染まってからの展開がやはり凄い。ちょっと乱暴な言い方ですが、前半がどういう状態であっても、このミュージカルはここで絶対に成功するんだろうなと思いました。涙、涙で大変ですよ、もう(苦笑)。ラストに現れる日の光が射すホリ幕の神々しさは、また格別でした。
我王役はパク・トンハさんからバトンタッチした三重野葵さん。私は初めて拝見しました。わらび座ではよく主役を演じてらっしゃる方なんですね。歌はトンハさんに比べるともうちょっと、というところでしたが、演技にはとても引き込まれました。茜丸に告発されて右手を切り落とされた後の、じっと静止しているところが良かったです。『坊ちゃん』を観に行けばよかったな~。
手塚治虫生誕80周年記念・ミュージカル
出演:我王/三重野葵 茜丸/戎本みろ 速魚/佐藤明日香 ブチ/末武あすなろ 橘諸兄/椿康寛 吉備真備/中山城治(フリー) 藤原仲麻呂/尾樽部和大 良弁/本間識章(フリー) 若者/長掛憲司 若者/森山晶之(劇団M.M.C) 役人/内田勝之(オフィスPAC) ミカド/飯野裕子 川の精/窪寺杏 川の精/山口貴久子 川の精/小林すず 火の鳥(声)/新妻聖子
原作:手塚治虫 演出:栗山民也 脚本:齋藤雅文 音楽:甲斐正人 美術:妹尾河童 演出助手:栗城宏 振付:田井中智子 振付助手:高田綾 歌唱指導:矢部玲司 歌唱指導助手:紫竹ゆうこ 舞台監督:石井忍・板子光男 稽古場助手:黒木いづみ 制作:渡辺澄子 広報:押久保陽子/尾﨑隼 協賛:手塚プロダクション・角川書店
S6000円 A5500円
http://www.warabi.jp/hinotori/
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tpt『広い世界のほとりに』10/29-11/09ベニサン・ピット
イギリスの劇作家サイモン・スティーヴンズの2006年ローレンス・オリヴィエ賞・ベストニュープレイ賞受賞作品の、日本初演です。
千葉哲也さんの演出(過去レビュー⇒1、2)は軽快で開放的で温かく、舞台上の役者さんものびのび、生き生きとしていていました。ベニサン・ピットでtptの上質な海外戯曲を観る幸せを堪能。上演時間は約2時間45分(途中1回の休憩を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『広い世界のほとりに』
≪あらすじ≫
時代は2004年、場所はイギリスの地方都市ストックポート。家の修理工ピーター(千葉哲也)とその妻アリス(大沼百合子)には2人の息子がいる。兄はアレックス(山崎雄介)で弟がクリストファー(奥山滋樹)。兄に可愛い恋人サラ(小林夏子)ができて、弟の胸がざわざわしはじめた。ピーターの父チャーリー(真那胡敬二)はいつもお酒を飲んでいて、母エレン(安奈淳)は生活を変えたいと思っている。そんな家族三世代の約9ヶ月間の物語。
≪ここまで≫
暗い倉庫のようなセットは、黒いステージが螺旋階段とイントレで劇場上部のロフトとつながっており、登場人物は部屋や時間の境をするりと越えて自由に行き来します。若者はイントレから飛び降りることもしばしば。
あるシーンが終わったかどうかというところで、すばやく次のシーンが始まるスピード感は、スリルがあるし快感です。2人だけで語るシーンでも、その隣りや上部に他の人物が自然に存在していて、時にはアイコンタクトを取ることもあります。そういえば開演前や休憩中は、劇場とロビーとの間の壁も開けられていました。お芝居の中の壁を取り除くだけでなく、私たちの日常とも地続きであるように感じられる開放的な演出でした。
役者さんの動きの軽やかさと、感情に嘘がないことが、観ていてすごく嬉しいし、楽しかったです。男同士でじゃれ合って語り合うところなどは、おそらく普通に脚本どおりに読んでいたら生まれないであろうシーンでした。勝手な予想ですが、稽古場で役者さんたちが能動的に語り合い、色んな遊びと実験を重ねてこそ生まれたものなのではないかと思いました。命の通った生き生きとした演技と、登場人物の心と俳優を大事にしながらも、脚本に大胆に意味づけをして想像力を喚起させる演出に魅せられました。上演時間は長いし決して明るいとは言えないストーリーですが、すがすがしい観劇体験になりました。
ここからネタバレします。
散らかした小道具などをそのままにしておくのが良かったです。例えば祖父チャーリーがテーブルクロスをひっぺがした時に、ばらばらと床に落ちたトランプの札など。最も効果的だったのは、弟が事故で亡くなった時に乗っていた自転車でしょう。ぐにゃりと曲がった自転車が、天井から鎖にぶらさげられてリビングのテーブルの上に落ちてきたのは衝撃的でした。軽薄なポップスとミラーボールの明かりもかっこ良かった。そしてその自転車は、舞台のほぼ中央に最後まで鎮座しているのです。弟の死が家族のど真ん中に堕ちてきて、ずっと彼らの心に重くのしかかっていることがわかります。
弟の死は、家族をバラバラにしてしまいました。一度は離婚を考えたピーターとアリスですが、息子を失った悲しみをお互いに確認し、分かち合うことができた時、絶望から再生への光が見え始めます。その時、自転車が鎖に引っ張られて天へと上っていくのです。ピーターとアリスは床で抱き合い、笑顔を浮かべながらその自転車を見つめていました。おそらくこういうことは脚本に書かれていないと思います。千葉さんの演出、かっこいいですね。
気になったのは携帯電話が出てこなかったこと。イギリスではあまり使わないのかしら。私は携帯が出てこないお芝居の方が好きなんですけどね。
"On the shore of the world" by Simon Stephens
出演:安奈淳 真那胡敬二 山崎雄介 小林夏子 奥山滋樹 小谷真一(ロンドンに住むアレックスの悪友・金髪) 植野葉子(編集の仕事をしていた妊婦。ピーターが家の修理に行く) 岸田研二(弟を跳ねた男。アリスと浮気をしそうになる) 大沼百合子 千葉哲也
脚本:サイモン・スティーヴンズ 訳:広田敦郎 演出:千葉哲也 装置:石原敬 衣裳:原まさみ 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美 舞台監督:八須賀俊恵
【発売日】2008/07/01 全席指定 6,000円 学生3,000円(TPTのみ取り扱い)
http://www.tpt.co.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月07日
【オーディション】ハイバイ『ヒッキー・カンクーントルネード』(愛知公演)出演女優1名募集※11/25(火)応募〆切・郵送必着
岩井秀人さんが作・演出・出演される、今、関東で注目を集める劇団ハイバイが、初の愛知公演でヒロイン役を演じる女優を募集します。演目はハイバイの十八番(おはこ)、『ヒッキー・カンクーントルネード』(過去レビュー→1、2、3)。
岩井さんは名古屋、福岡で俳優向けワークショップの講師として呼ばれる実績もあり、ハイバイはその活動区域を全国へと広げつつあります。
【公演期間・会場】
2009年4月10日(金)~12日(日)@愛知県芸術劇場 小ホール
・応募〆切:11月25日(火)【郵送必着】
・応募方法:公式サイトよりダウンロードした応募用紙(PDF)に必要事項を記入し、郵送で提出。メール・持参での提出はご遠慮下さい。
以下、ハイバイから頂戴した情報です。
■ハイバイ「ヒッキー・カンクーントルネード」愛知公演・「綾」役オーディション■
来年の愛知で上演する公演で引きこもりおにいちゃんをなんとかしてくれる愛すべき妹役募集。明日のシスターは君だ。
公演期間:2009年4月10日(金)~12日(日)
上演作品:「ヒッキー・カンクーントルネード」作・演出:岩井秀人
上演会場:愛知県芸術劇場 小ホール
募集:「綾」役 女子1名募集
<募集要項>
応募条件:健康な18歳~30歳くらいまでの女性
オーディション、および稽古、公演期間に全て参加できる方。
公演日時:2009年4月10日~12日(4月9日移動日)
会場:愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
稽古期間:3月中旬より約1ヶ月間を予定。本番1週間前から昼間と夜間の両方になります。
稽古場:東京都内数カ所(世田谷、新宿近辺です。名古屋での稽古はありません)
一次審査:書類審査 12月2日までに合格者にのみご連絡致します。
二次審査:12月7,8,9日のいずれか1回(18時~22時)
東京の会場で実技審査を行います。
12月10日までに合否をご連絡いたします。
三次審査:二次審査合格者は12月11日に東京の会場で面接を
行います。12月下旬までに合否をご連絡いたします。
二次審査参加料として1,000円を頂戴します。
応募方法:11月25日までに応募書類を郵送してください。
(11月25日必着、メール・持参での提出はご遠慮下さい)
応募書類のリンク先はhttp://hi-bye.net/hikky-aud.pdf
送付先:〒184-0004 東京都小金井市本町2-9-18 オリーブハウス101 ハイバイ宛
問い合わせ 090-9393-0809(ハイバイ制作電話)
http://hi-bye.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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風琴工房『機械と音楽』11/06-17王子小劇場
詩森ろばさんが作・演出される風琴工房の再演公演。私は初見です。1910年からの約20年間、ロシアで活躍した建築家たちを描く本格的な歴史ものでした。初演を観た人の話によると、初演よりもシンプルでかなりわかりやすくなっているようです。
劇場全体を使った美術・照明に生演奏もあり、私が観た過去の風琴工房の作品ではなかった新しい方向の演出もあり、「ものすごく力の入ったプロダクション」だと思います。上演時間は約2時間強。
⇒CoRich舞台芸術!『機械と音楽』
あらすじはこちらでどうぞ。
風琴工房の作品を観る時にいつも感じるのは、どの公演にも渾身の力をこめて取り組んでいて、新しいことに挑戦していること、そして、出演者および作品の雰囲気全体が、もしかしたら限界を超えてしまっているんじゃないかしら・・・と心配になるぐらい、ある飽和点を越えているような印象を与えることです。
そして、作・演出の詩森さんのその時の考え方、生き方が正々堂々、臆面なく提示されます。これは好みが分かれるところかもしれませんが、私はある切り口に対して、1人のアーティストが全身全霊かけて取り組んで意思表示をすることに、敬意を表したいです。
装置は王子小劇場の空間全体を使い、黒、白、灰色、赤に配色をしぼったシャープなデザインで、建築家が作った斬新な建物の中にいるような気分を味わえます。劇場をズバっと斜めに横切るキャットウォークのようなステージを、2方向から挟む客席でした。私は入口から遠い方を選択。劇場奥から登場する人物の出ハケを観られたので、個人的には正解でした。
文字情報や静止画のスライド映写あり、群舞あり、生演奏あり。舞台上での衣裳の早替えと、装置に組み込まれた大道具の出し入れもシステマチックでスピーディー。躍動感を大事にしていて、それはロシア革命からスターリンの独裁という過酷な時代を描くのにマッチしていたように思います。ただ、初日だったせいもあってか、まだ全体が調和するところまでは行っていないようでした。これからぐんぐん良くなることと思います。
建築は実物が建たなければ人の目に触れることはありません。膨大な設計図があっても存在し得なかったものは、形に残らないという意味で舞台芸術に似ている気がしました。
芸術家とは何なのか。そればかり考えていました。
ここからネタバレします。
主人公は天才建築家のイヴァン(浅倉洋介)。でも彼の素晴らしい建築(案)は実体化しないままでした。建築は、実際に建てられなければ存在しないと考えた場合、膨大な数の設計図が“なかったもの”となってしまう、非常に厳しい分野なのですね(“アンビルト”という分野もあるそうです)。
イヴァンの同僚の女性建築家(宮嶋美子)が、イヴァンの設計図の束を抱きしめて「これを燃やすなら私を殺してからにして」と叫びます。建築物が機械になってそこから音楽が聴こえなければ、芸術じゃない。だったら音楽が聴こえてくる設計図は、そのものが芸術であると言えるでしょう。その音楽が聴こえる人でありたい。
役者さんについては、過度と取れるほどキャラクター造形をしている人たちが可笑しかったです。計算が得意なニコライを演じた好宮温太郎さんの存在感が、空気に溶け込むようで良かったと思います。
※実際に建った建築の写真や、イヴァンの設計図などをスライド映写していたので、とてもわかりやすかったです。初演ではなかったそうで、かなりのグレードアップですよね。
それはロシアアヴァンギャルドの建築家たちの物語
出演:浅倉洋介(風琴工房)/イヴァン・レオニドフ 中田顕史郎(フリー)/コンスタンチン・メーリニコフ 佐藤拓之(双数姉妹)/アレクサンドル・ヴェスニン 扇田拓也(ヒンドゥー五千回)/モイセイ・ギンスブルク 好宮温太郎(タテヨコ企画)/ニコライ・クラシルニコフ 宮嶋美子(風琴工房)/エレーナ・セミョーノヴァ 渡邉真二(風琴工房)/オシープ・ブリーク 津田湘子(風琴工房)/ニーナ・アンドレーヴァ 小山待子(フリー)/オリガ・ミリョーノヴァ
脚本・演出・振付・宣伝美術・衣裳:詩森ろば 音響・演奏:青木タクヘイ(STAGE OFFICE) 舞台美術: 杉山至+鴉屋 照明:榊美香(I's) 映像作成:野口真実 二階堂貴文 舞台監督:山下翼 模型制作:袴田長武+鴉屋 制作:盛岡鞠子 当日運営:Karte 【協力】にしすがも創造舎 【後援】ロシア大使館・(社)日本建築家協会・日本ユーラシア協会 【主催】ウィンディー・ハープ・オフィス
【発売日】2008/09/27 一般前売 3000円 当日 3300円 大学生 2000円 高校生以下・障碍 1500円 ペア 5600円
http://www.windyharp.org/
http://windyharp.org/machine/
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2008年11月06日
中野成樹+フランケンズ『多田淳之介+フランケンズ 「トランス」』11/05-06江古田ストアハウス
中野成樹さんが誤意訳・演出を手がける中野成樹+フランケンズが、東京デスロックの多田淳之介さんを演出に向かえ、多田淳之介+フランケンズとして鴻上尚史さんの人気戯曲『トランス』(1993年初演)を上演します。
鴻上さんって凄い!『トランス』って深い!と、ものすごい発見をした気分になっちゃいました。私はこれまでに2種類の『トランス』を観たはずなんですが、戯曲の意味をわかっていなかったんでしょうね~(汗)。上演時間は約1時間20分。
江古田ストアハウスでの公演は本日までで、11/7~9は横浜のSTスポットで上演されます。
⇒CoRich舞台芸術!『 トランス』
レビューは途中です。
≪あらすじ≫
高校時代の仲良し同級生3人が数年ぶりに再会。それぞれに精神科医、フリーライター、オカマになっていた。フリーライター・雅人が精神病の患者として精神科医・礼子のもとにやってくる。オカマの参三は雅人が偶然入ったバーで働いていた。
≪ここまで≫
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 日本芸術大学内で「二次会?」として開催。
出演:多田淳之介 中野成樹 ←お2人とも日芸出身で、第三舞台が大好きだったそうです。
多田「鴻上尚史さんとはご縁がありまして、20歳の時に『コーマ・エンジェル』のオーディションに受かったんですが、本番2週間前に降板させられました。まあ演技が下手だったからでしょうけど(笑)。」
中野「今回は稽古期間が約2週間でした。多田さんは俳優に大量のセリフを短時間で覚えることを要求するタイプじゃないですか?」
多田「自分の経験からすると、丸2日間、稽古をし続けて、1時間分の芝居のセリフをすべて覚えるのが限界でした。それぐらいはやってもらいたい。」
観客「戯曲『トランス』の悪い(と思う)ところ、良い(と思う)ところはどこですか?」
多田「悪いのは・・・あとがきとか・・・。良いのは構成ですね。情報の出るタイミングとか人物の出ハケとか、素晴らしいです。さすがだと思いました。」
≪江古田、横浜≫
出演:フランケンズ(村上聡一、福田毅、野島真理、石橋志保)
脚本:鴻上尚史 演出:多田淳之介(東京デスロック) 照明:高橋英哉 宣伝美術:青木正(Thomas Alex) 制作:ゴ・フランケンズ 主催:中野成樹+フランケンズ
【発売日】2008/10/10 前売2300円 当日2500円
http://frankens.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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岡崎藝術座『リズム三兄妹』10/30-10こまばアゴラ劇場
神里雄大さんが構成(作)・演出される岡崎藝術座の公演を拝見するのは2度目です(→1度目)。今回もまた驚きの連続の末、大いに刺激を受けて、感動させられました。
期間中2回上演される朝公演(朝食付き)「はやねはやおき朝御飯」も予約しました(すでに完売)。
神里さんが演出で参加する『キレなかった14才りたーんず』オーディションは11/15応募〆切。
⇒CoRich舞台芸術!『 「リズム三兄妹」「はやねはやおき朝御飯」 』
何が起こるか予想できず、常に驚きをもって観る内に、自分の状態がある飽和点に達したらしく、涙がダーダー。個人的にとても気に病んでいたことが作品の内容と偶然に合致して、その問題に対するひとつの解決策も提示されたように感じたからだと思います。
寝て、起きて、食べて、排泄して・・・という動物としての人間の営みと、働いて金を稼いで消費して・・・という社会的・経済的な活動を同列に並べるのは、前作でも見受けられました。そうやってすべてのモノ・コトを徹底的に平面化させた舞台に、体から湧きあがるあらがえない欲望を帯びた人間たちが、垂直に屹立します。これが衝撃的で感動的。
神里さんは、役者さんに何かしらの限界を超えて欲しいと思っているんじゃないかしら。セリフについても動きについても、ある範ちゅうを振り切れるところが必ず用意されているように思います。その意味で、見世物であることに充分な強度もあるんですよね。
観終わってから、登場人物の関係がすべてつながっていたことに気づきました。一人ひとりがバラバラに点在しているように感じていたからだと思います。そういえばストーリーもちゃんとあったのですが、何もかもが突然脈絡なく起こってるように感じていました。これも演出の仕掛けなのだろうと思います。
サントラ買っておけば良かった。
ここからネタバレします。
歌手の巣恋歌(スゴイ・ウタ:西田夏奈子)は中島みゆき「地上の星」のようにメロディアスに歌い上げる歌でヒットしましたが、最近リズムが少し狂ってきているのをリズム三兄妹の兄(鷲尾英彰)が指摘します。
そのおかげで巣恋歌にある変化が訪れるのですが、具体的なストーリーは忘れてしまいました(すみません)。ヒット曲のようなものではなく、ラップのような歌(?)を巣恋歌が生き生きと歌い始めたところで、私の中のスイッチがカチっと入った気がしました。ここから落涙。たぶん、平面が立体になった瞬間だったんじゃないかしら。
リズム三兄妹の妹(内田慈)が一人で長いせりふを語るシーンは圧巻です。徐々に手が曲がり、体がうねり、少々息がきれるぐらい激しい動きになっていきます。
妹はたしか、「地球は一定の円を描き続ける。その地球の運動が“時間”。時間という横軸に縦のリズムが刻まれて、世界は平面になる(縦軸と横軸があるから)。でもリズムから外れた行動をする時、縦でも横でもないものが時間に加わることになって、世界は立体(三次元)になる」という意味のことを言っていたと思います。
役者のサカタ(億土点)に一方的に愛の告白をする少女(召田実子)の、身が弾けんばかりの叫びっぷりには唖然(笑)。でも最後にはその叫びが愛らしく見えました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:億土点 坂倉奈津子 鷲尾英彰 内田慈 白神美央 召田実子 神里雄大 西田夏奈子
神里「欲望を知った者にしか、世界は三次元に見えない(という仮説を立ててみた)。」
■個人的なつぶやき
最近、お芝居を観つづけていて徒労に感じることが多くなってきていました。観ている時は楽しいし、感動も勉強もできるし、作り手の方々への感謝の気持ちもおのずと湧いてきて、単純に幸せになれるんですけどね。観れば観るほど、面白いお芝居ばかりですし。
ただ東京では、どんなにお芝居を観ても観ても、観たりないのです。次から次に新しい劇団(ユニット)が誕生して、新しい劇場ができて、チケット代は高騰して・・・。観たくても観られない公演が山盛りです。
毎日劇場に行って年間約300本のお芝居を観ても、おそらく今東京で上演されているお芝居の10分の1にも満たないでしょう。そんな私が「おすすめ演劇を紹介するメルマガ」を発行してるって、どうなんだろう・・・という気がしてきたんです。
誰でも体は1つしかないですからどうしようもないですし、このウェブサイトをオープンした時から既にわかっていたことなんですけどね。
また、お芝居の感想をウェブサイトにアップして公開している身ですが、誰に対して発信して、誰がそれを見てくれてるのか、自分で全てを把握することはできません。それが、このお芝居に登場する歌手・巣恋歌の状況と重なった気がして、彼女に自分自身を投影してセリフを聞き、舞台で起こることを受け止めることになりました。
はっきりと答えがわかったわけではないですが、まずは今の生活リズムからはずれた方向に進んでみようと考えています。
※2008/11/14加筆
このエントリーに対してメッセージをいくつか頂戴しております。ありがとうございます。
六角形さんからご意見をいただき、一部文章を変更いたしました。
「また、お芝居の感想をウェブサイトにアップして自己表現している身ですが、」
↓
「また、お芝居の感想をウェブサイトにアップして公開している身ですが、」
当サイトはトラックバック機能がうまく働いておらず、ほとんど受信ができていない状態です。ごめんなさい。修理の見込みも立っていませんので、もしご意見いただける場合はお問い合わせフォームをご利用いただけたら幸いです。
こまばアゴラ劇場2008年度秋のシーズンラインナップ作品
出演:白神美央(リズム三兄妹の姉) 内田慈(リズム三兄妹の妹) 億土点(役者のサカタ) 鷲尾英彰(リズム三兄妹の兄) 坂倉奈津子(リズム三兄妹の姉と暮らす女) 召田実子(シミズショウコ) 西田夏奈子(巣恋歌)
脚本・演出:神里雄大 照明: 高橋かおり 制作: elegirl label 助手: 鈴木啓史 フライヤー表紙画: 新宅睦仁『宿河原在住男性』 企画制作: 岡崎藝術座/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催: (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【休演日】11月4日(火)【発売日】2008/09/15 前売2000円 当日2500円 両公演共通券3500円(前売りのみ取り扱い) ※11月7日(金) 14:00の回は前売、当日券ともに500円割引き(共通券には適応不可)
終演後トークあり→10月30日(木):出演者によるトーク 10月31日(金):篠田千明氏(快快・演出家) 11月5日(水):山内健司氏(青年団・俳優)
http://okazaki.nobody.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月04日
新国立劇場演劇研修所3期生『オープン・ラヂオドラマ~ラヂオの向こう側~』11/06新国立劇場・舞台美術センター〔美術工作棟〕
①『首の飛ぶ女』 原作:倉橋由美子(「大人のための怪奇掌編」より)
<出演>K:若菜大輔 父:長元洋 娘:熊坂理恵
<あらすじ> パンフレットより
父のところに、ある目Kという友人が訪ねてきた。中国から引き上げてきたというその友人は、問われることもなく、一緒につれてきた美少女との隠微な関係を語り始める。しかし、その少女はやがてある男が好きになる。嫉妬に駆られた男がしてしまったことは…。残された娘が語る、その父とKの凄惨な物語。
②『開いたままの窓』 原作:サキ 翻訳:中西秀男(「ザ・ベスト・オブ・サキ」より)
<出演>フラムトン:宇髙海渡 ヴィアラ:吉田紗和子 サプルトン夫人:渡邉樹里 伯父:香原俊彦 夫人の弟:若菜大輔 夫人の末弟:長元洋
<あらすじ> パンフレットより
フラムトン・ナテルは病気療養のためにある村に滞在している。この村に知人がいないフラムトンのために姉が書いてくれた紹介状を持って、ある目サプルトン夫人を訪ねる。夫人を待っている間、取り次いでくれた夫人の姪が伯母の悲しい運命を語り始める。開いたままの窓にまつわる悲しい話とは…。
③『未来ドロポウ』 原作:藤子不二雄(「藤子・F・不二雄SF短編集 PEREECT版第4集」より)
<出演>少年:金成均 その父:米川貴久 その母:辻村優子 大金持ち:竹田桂 執事:香原俊彦 同級生(和子):野村真理
<あらすじ> パンフレットより
人生の成功者をめざし勉学にはげむ少年が、父親の工場の倒産により進学を断念せざるを得なくなる。人生の目標を失い、途方に暮れているときにひとりの老人と出会う。地位と名誉と財産を手に入れた老人から、老人の財産全部と少年の未来をとりかえてみないかともちかけられ…。
④『人生の回転木馬』 原作:オー・ヘンリー 翻訳:大久保康男(「オー・ヘンリー短編集(3)」より)
<出演>判事:金成均 アリーラ:鈴木良苗 ランシー:竹田植 警官:米川貴久 ナレーション:香原俊彦
<あらすじ> パンフレットより
治安判事ベナジャ・ウィダップのところに離婚を訴え出る1組の夫婦がやってくる。すんなり離婚が成立するかに見えたが、妻が夫に対してわすかな離婚手当を要求する。明日までに金を都合するという夫の主張を受け、離婚の判決書の受け渡しは延長される。離婚訴訟の行方は…。
※11月4日(火)15時開演のトライアルを拝見。場所:演劇研修所実習室
【構成・演出】田中麻衣子 【出演・効果音】新国立劇場演劇研修所第3期生 【主催】新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/index.html
9月のトライアル公演:http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0906175000.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月02日
ジャンクション『傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~』10/25-11/03赤坂RED/THEATER
ミュージカル俳優として活躍されている吉野圭吾さん主演のストレート・プレイです。新国立劇場演劇研修所を卒業したばかりの女優・内田亜希子さん目当てで伺いまして、目的は達成されて満足。鮮やかな存在感でした。
赤坂RED/THEATERで前売7,500円とチケット代が高額なのは、やっぱり吉野さんをはじめ有名な役者さんが出てるからなのかしら。上演時間は約1時間40分。
⇒CoRich舞台芸術!『傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~』
画家のモディリアーニ(吉野圭吾)が亡くなるまでのわずかな日々を描いていました。独白で説明するシーンと、体の動きで関係性を見せるシーンが同時に起こるのが面白かったです。ユトリロ(岩田翼)とモディリアーニの対比が素敵でした。
作・演出は宝塚歌劇団の荻田浩一さん。きっと命を削って芸術を生み出した画家たちに、強い思い入れをお持ちなのだろうと思います。ただ、一人ひとりを大切に描きすぎている気もしました。セリフに繰り返しが多かったような。
裏側を向けたキャンバスを並べてパネルにした壁が良かったです。芸術の裏側がこんなにも厳しいなんて。見る人と作る人の間には超えられない壁がありますよね。
ここからネタバレします。
ジャンヌ(内田亜希子)とハイム・スーチン(溝呂木賢)が無言のまま向き合って、アトリエ中を歩いたり、イスに座ったり、机に寄りかかったりして、2人の体勢を変えながら力関係の揺れを表すのが面白かったです。セリフを話している人たちよりも、そっちばっかり見つめてしまいました。でも何か起こって欲しかったな~。ジラされた(笑)。
出演:吉野圭吾、内田亜希子、溝呂木賢、岩田翼、小野妃香里、戸井勝海
脚本・演出:荻田浩一(宝塚歌劇団) 照明:笠原俊幸 音響:眞澤則子 美術:升平香織 舞台監督:粟飯原和弘
【発売日】2008/08/30 全席指定 前売:7,500円 当日:8,000円
http://www.junction99.com/
http://mayuta.cocolog-nifty.com/modigliani/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2008年11月01日
【ご報告】「the company『1945』アフター茶話会」11/01世田谷パブリックシアター・ロビー
茶話会・配布資料など
the company world premiere『1945』にて、11/1(土)マチネ終演後の“『1945』アフター茶話会”の進行役を務めさせていただきました。ご参加いただいたお客様、本当にありがとうございました!
作品と深く関わりを持つことに貪欲な方がいっぱいで、語られることのひとつひとつの重量感がずっしりでした。 そして、やはり同じ作品を観ても感じることは千差万別ですね。実際にお会いして、それぞれの感想を分かち合えたことで、知らなかったことに気づけたり、少し寛容になれる気がします。私自身、すごく面白かったですし勉強になりました。
『1945』東京公演は11/3(月・祝)まで。新潟公演は11/5(水)です。
⇒公式ブログ「『1945』アフター茶話会レポート」
⇒CoRich舞台芸術!『1945』
メルマガ 2008年11月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2008年11月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 54 2008.11.1 1,326部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎9~10月は秋の芸術シーズンで話題作続きでしたね!
しのぶは少々観劇をがんばりすぎたかも・・・(苦笑)。
11月は仕事の都合もあり、少しお休みしようと思います。
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://blog.mag2.com/m/log/0000134861
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→こまつ座『太鼓たたいて笛ふいて』
11/21-12/20紀伊國屋サザンシアター
≪東京、山形2箇所≫
http://www.komatsuza.co.jp/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』
10/03-05横浜市中区吉田町街頭(店舗内および路上)
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1004014001.html
◆3【the company『1945』でイベントの進行役をいたします 】
◎芥川龍之介「藪の中」を1945年の日本に置き換えた話題作!
http://www.thecompany-t.com/
◆4【劇団青年座の「マキノノゾミ三部作連続上演」 】
◎『フユヒコ』『赤シャツ』『MOTHER』が揃って再演されます。
http://seinenza.com/makino3/index.html
◆5【関西の注目3劇団が青山円形劇場で連続公演! 】
◎劇団鹿殺し/クロムモリブデン/デス電所が青山円形劇場に登場。
◆6【編集後記】
◎11月は観劇を少しお休みしま~す。
◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
1.パルコ『昭和島ウォーカー』
11/02-23東京グローブ座
≪東京、大阪≫
☆出演:井ノ原快彦、京野ことみ、松本まりか、粟根まこと、
福田転球、中山祐一朗、「ヨーロッパ企画」メンバー
脚本・演出:上田誠(ヨーロッパ企画)
S席:8,500円 A席:7,500円 B席:5,500円 ※未就学児の入場不可
http://www.parco-play.com/web/page/information/showajima/
ヨーロッパ企画の上田誠さんが東京グローブ座で作・演出。
主演はジャニーズ事務所の井ノ原快彦さんです。
2.大人計画ウーマンリブ『七人は僕の恋人』
11/08-12/07本多劇場
≪東京、兵庫≫
☆出演:伊勢志摩 宍戸美和公 猫背椿 田村たがめ 荒川良々 平岩紙
少路勇介 星野源 宮藤官九郎 峯村リエ 遠山景織子 池田成志
脚本・演出:宮藤官九郎
前売5400円 当日5500円
http://www9.big.or.jp/~otona/next.html
大人計画の宮藤官九郎さんが作・演出される新作舞台。
ただいま放送中のTVドラマ「流星の絆」は宮藤さんの脚本です。
http://www.tbs.co.jp/ryuseinokizuna/
第一話を見たら、サスペンスなのに笑いがいっぱいで楽しかった♪
3.SPAC秋のシーズン2008『ハムレット』
11/09-24静岡芸術劇場
☆作:シェイクスピア 翻訳:小田島雄志 演出:宮城聰 音楽:棚川寛子
一般大人4,000円 同伴チケット(2枚)7,000円
大学生・専門学校生2,000円 高校生以下1,000円 2演目セット7,000円
http://www.spac.or.jp/index.html
SPACの今秋は『ハムレット』と『ドン・キホーテ』です。
11月はSPAC芸術総監督・宮城聰さんが演出される新作『ハムレット』。
★4.Bunkamura『表裏源内蛙合戦』
11/09-12/04 Bunkamuraシアターコクーン
☆出演:上川隆也、勝村政信、高岡早紀、豊原功補、篠原ともえ、
高橋努、大石継太、立石凉子、六平直政 他
脚本:井上ひさし 演出:蜷川幸雄
S席9,500円 A席7,500円 コクーンシート5,000円 中2階立見券3,500円
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_omoteura.html
井上ひさしさんと蜷川幸雄さんのタッグで、豪華キャスト公演。
上川隆也さんはコクーン初登場で蜷川さんと組むのも初めてだそうです。
5.世田谷パブリックシアター『友達』
11/11-24シアタートラム
☆出演:小林十市/麿赤兒/若松武史/木野花/今井朋彦/剱持たまき/
加藤啓/ともさと衣/柄本時生/呉キリコ/塩田倫/泉陽二/
麻生絵里子/有山尚宏
脚本:安部公房 演出:岡田利規
一般:5,000円 TSSS:2,500円 劇場会員・世田谷区民割引などあり
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2008/11/post_127.html
チェルフィッチュの岡田利規さんが安部公房戯曲『友達』を演出。
“世田谷パブリックシアターでなければ実現し得ないプロダクション”
というキャッチコピーに頷いてしまう、強烈なキャスティングです。
6.パルコ『グッドナイト スリイプタイト』
11/18-12/28パルコ劇場
≪東京、大阪≫
☆出演:中井貴一 戸田恵子
脚本・演出:三谷幸喜
9000円 ※プレビュー公演(11/18-22):7500円
http://www.parco-play.com/web/page/information/gnst/
三谷幸喜さんの新作は30年間に渡る夫婦の物語。
中井貴一さんと戸田恵子さんの2人芝居なんて豪華!
『セイムタイム・ネクストイヤー』↓を思い出しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0613230254.html
★7.こまつ座『太鼓たたいて笛ふいて』
11/21-12/20紀伊國屋サザンシアター
≪東京、山形2箇所≫
☆出演:大竹しのぶ 木場勝己 梅沢昌代 山崎一 阿南健治 神野三鈴
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
一般6300円 学生割引4200円
http://www.komatsuza.co.jp/
初演で数々の賞を受賞した、こまつ座の音楽評伝劇の再々演。
●お薦めポイント●
第十回読売演劇大賞最優秀作品賞をはじめ、俳優賞、脚本賞などの
多くの賞を受賞した、作家・林芙美子の生涯を描く音楽評伝劇です。
再演(2004年)のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0414173843.html
メルマガ10月号のお薦め前売り情報にも掲載しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1001005108.html
8.コマ・プロダクション『月の輝く夜に』
11/22-29ル テアトル銀座 by PARCO
≪東京、広島、兵庫、愛知、大阪、石川≫
☆出演:大地真央 岩﨑大(Studio life) 諏訪マリー 福井貴一 他
脚本:ジョン・パトリック・シャンレイ
演出:寺﨑秀臣 脚色:飯島早苗
9,800円 BOX席18,500円(2名様) ※未就学児童の入場不可。
http://komapro.co.jp/pfm08_06.html
大地真央さんはじめ豪華キャストに、飯島早苗さんの脚色も楽しみ!
映画版↓は1987年アカデミー賞主演女優賞、助演女優賞、脚本賞を受賞。
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id14907/
私の大好きな映画で、映画館でもビデオでも繰り返し観た覚えがあります。
9.プロペラ犬『ジャージマン』
11/27-12/04赤坂RED/THEATER
≪東京、大阪≫
☆出演:水野美紀 設楽統(バナナマン) 玉置孝匡
脚本:楠野一郎 演出:福原充則(ピチチ5)
5,300円
http://www.propellerken.com/
女優・水野美紀さんと脚本家・楠野一郎さんのユニットの第2回公演。
演出に福原充則さんを迎え、今回は3人芝居です。第1回レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1129171627.html
10.ギンギラ太陽's『BORN TO RUN』
11/28-12/07あうるすぽっと
≪東京、福岡≫
☆出演:大塚ムネト, 立石義江, 杉山英美 他
脚本・演出:大塚ムネト
4,500円 ※未就学児童の入場不可。
http://www.gingira.com/tokyo/index.html
前作↓が大好評だった福岡の劇団ギンギラ太陽's。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0110002842.html
再び東京に来てくれます。今回は初代0系新幹線の物語。
★★★――――――――――――――――――――――――――――――
前売3000円台の気になる作品を5本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――★★★
【1】劇団ジャブジャブサーキット『死立探偵』
11/05-09ザ・スズナリ
≪大阪、愛知、東京≫
☆草案:北村想 作・演出:はせひろいち
全席自由・日時指定 一般:前売3200円 当日3500円
学生:前売2300円 学生当日2600円
大学生を含む金曜マチネ(11/7(金)14:00):前売2000円 当日2300円
ペア券5600円 ※未就学児の入場不可。
http://www.owari.ne.jp/~iku/toppage.html
ほんわかムードながら実は上質な推理劇という作風でも有名な劇団です。
大阪、愛知でも好評だった模様。
【2】風琴工房『機械と音楽』
11/06-17王子小劇場
☆脚本・演出:詩森ろば
一般前売3000円 当日3300円 大学生2000円
高校生以下・障碍1500円 ペア5600円
http://www.windyharp.org/
詩森ろばさん率いる風琴工房の再演作は、こだわりのキャスティング。
ロシアアヴァンギャルドの建築家たちの物語。CoRichで↓カンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=8459
【3】青年団『冒険王』
11/15-12/08こまばアゴラ劇場
☆脚本・演出:平田オリザ
(日時指定・全席自由・整理番号付)
前売・予約・当日共 一般3,500円 学生・シニア(65歳以上)2,500円
高校生以下1,500円 ※未就学児童の入場不可。
http://www.seinendan.org/
平田オリザさんが10代で自転車世界一周した経験を基にした人気作の再々演。
青年団の本公演が3000円台すえ置きであることに感謝。
【4】燐光群『戦争と市民』
11/21-12/07ザ・スズナリ
≪東京、宮城、岩手、愛知、福岡、兵庫≫
☆出演:渡辺美佐子/田岡美也子/児玉泰次/吉村直/河野しずか/佐古真弓/他
脚本・演出:坂手洋二
前売3,600円 ペア6,600円 当日4,000円
大学・専門学校生3,000円 高校生以下2,000円
http://www.alles.or.jp/~rinkogun/
坂手洋二さんの新作。渡辺美佐子さんら豪華客演を迎えて前売3,600円!
【5】ポかリン記憶舎『鳥のまなざし』
11/27-30シアタートラム
☆脚本・演出:明神慈
指定席(椅子)・自由席(桟敷)
前売:指定3300円 自由2800円 当日:指定3500円 自由3000円
平日マチネ割:指定3000円 自由2500円
和服割:指定3000円 自由2500円 学割:自由のみ2500円
劇場会員、世田谷区民割引などあり。
http://www.pocarine.org/mt/archives/2008/08/15.html
地上3cmの楽園を創造するポかリン記憶舎・明神慈さんの新作。
かなりの実力派・豪華キャストです。
☆☆☆――――――――――――――――――――――――――――――
前売2000円台以下の気になる作品を6本ご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆
《1》多摩川アートラインプロジェクト
『パフォーマンス「多摩川劇場」』
11/02-03多摩川線電車内(14時蒲田発)
☆参加作家:柴幸男(青年団演出部/toi)、
中野成樹(中野成樹+フランケンズ)、山下残(振付家・演出家)
参加費無料(電車賃がかかります)
http://tamagawa-art-line.jp/2008/10/2008_4.html
東急多摩川線の三両編成の車両内でのパフォーマンスです。
上演時間は「蒲田駅」から「多摩川駅」までの約10分。
乗客や窓からの風景も劇中の一部になるそうです。わくわく!
シアターガイドのウェブサイトに特集あり↓
http://www.theaterguide.co.jp/feature/tamagawa/index.html
《2》中野成樹+フランケンズ『トランス』
11/05-06江古田ストアハウス
≪江古田、横浜≫
☆脚本:鴻上尚史 演出:多田淳之介(東京デスロック)
前売2300円 当日2500円
http://frankens.net/
中野成樹+フランケンズが演出に多田淳之介さんを迎えました。
『トランス』は鴻上尚史さんの代表作の1つ。
登場人物は3人のはずですが、出演者は4人!
★《3》五反田団『すてるたび』
11/15-25アトリエヘリコプター
☆出演:安藤聖 黒田大輔(SHAMPOOHAT) 後藤飛鳥 前田司郎
脚本・演出:前田司郎
予約・当日ともに1500円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
新国立劇場に2作品連続で関わっていた前田司郎さんが、
ホームである五反田に帰還。新作です。
《4》柿喰う客『一人芝居「いきなりベッドシーン」』
『一人芝居「いまさらキスシーン」』
11/19-24王子小劇場
≪東京、大阪≫
☆出演:七味まゆ味「いきなり…」/玉置玲央「いまさら…」
脚本・演出:中屋敷法仁
「いきなり…」前売2000円/当日2300円 ※初日のみ前売1500円/当日1800円
「いまさら…」前売・当日共 500円
http://kaki-kuu-kyaku.com/
おそらく東京で今一番勢いのある若手劇団・柿喰う客の1人芝居企画。
※王子小劇場裏でZOKKYによる『のぞき部屋コレクション』も同時開催。
http://zokky.jp/ のぞき穴から1人で観る演劇は料金(1作)500円。
CoRichで↓カンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=9240
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=10467
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=9445
《5》パラドックス定数『怪人21面相』
11/21-24 SPACE EDGE
☆脚本・演出:野木萌葱
日時指定・全席自由 前売り2800円 当日3000円
http://www.pdx-c.com
野木萌葱さんの骨太な戯曲・演出が好評。
遅刻厳禁のこだわりの会場です。初演レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0514120849.html
《6》三条会・秋のアトリエ公演『「熊野」「弱法師」』
11/22-28三条会アトリエ
『近代能楽集』~全作品連続上演・2~
☆脚本:三島由紀夫 演出:関美能留
全席自由/来場順入場 2,000円
http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html
10月の『「班女」「道成寺」』につづき、三島作品の連続上演。
千葉の小さなアトリエで、自らの想像力の限界にチャレンジ♪
≪歌舞伎・ミュージカル・バレエなど≫
○国立劇場『江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)』
“明智小五郎と人間豹 ― 市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候”
11/03-26国立劇場 大劇場
☆出演:松本幸四郎, 市川染五郎 ほか
脚本:岩豪友樹子 演出:九代琴松
特別席12,000円(学生8,400円)1等A9,200円(学生6,400円)
1等B6,100円(学生4,300円)2等2,500円(学生1,800円)
3等1,500円(学生1,100円)
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2103.html
江戸川乱歩作品が歌舞伎に!色んな大仕掛けがありそうです。
○東宝ミュージカル『RENT』
11/07-12/30シアタークリエ
≪東京、大阪≫
☆出演:森山未來 Ryohei 米倉利紀 他(一部ダブルキャスト)
脚本・作詞・音楽:ジョナサン・ラーソン 演出:エリカ・シュミット
S席:12,000円 A席:10,000円 当日抽選席(限定数):5,000円
http://www.tohostage.com/rent/index.html
ピュリッツァー賞ドラマ部門、トニー賞ミュージカル部門など
数々の賞を受賞しているブロードウェイ・ミュージカル『RENT』を
若々しいキャストで日本語上演。
○わらび座『ミュージカル「火の鳥~鳳凰編」』
11/08-16 THEATRE1010
☆出演:我王/三重野葵 茜丸/戎本みろ 速魚/佐藤明日香 ブチ/末武あすなろ
原作:手塚治虫 演出:栗山民也 脚本:齋藤雅文 音楽:甲斐正人
S6000円 A5500円
http://www.warabi.jp/hinotori/
全国ツアー中の「火の鳥」が東京に帰ってきました。どうぞお見逃しなく!
プレビュー公演レビュー↓舞台写真あり!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0331232700.html
東京公演初日レビュー↓舞台写真あり!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0426135143.html
○新国立劇場バレエ『デヴィッド・ビントレーのアラジン』
11/15-22新国立劇場 オペラ劇場
☆振付:デヴィッド・ビントレー
S席12,600円 A席10,500円 B席7,350円
C席4,200円 D席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000082_ballet.html
ビントレーさんの演出は拝見したことがないのですが、
話題作のようですのでご紹介。世界初演だそうです。
◎しのぶの今月の全予定(30本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
観たいものを全て掲載しましたが、実際に観るのは少なくなりそうです。
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◆2 【先月のベスト3】
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1.急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』
10/03-05横浜市中区吉田町街頭(店舗内および路上)
☆路上を自由に歩いて、目の前で始まる短編演劇を楽しみました。
一般の通行人も観客もスタッフも、気持ちよく一体化した奇跡的な時間。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1004014001.html
2.the company world premiere『1945』
10/25-11/03世田谷パブリックシアター
≪東京、新潟≫
☆アメリカ人演出家の直球の主張に衝撃を受けました。
大きな劇場で一流のスタッフと“挑戦”をした公演だと思います。
70人のアンサンブルもストレート・プレイとは思えない贅沢さ。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1027124638.html
※11/03(月・祝)まで上演中!
3.岡崎藝術座『リズム三兄妹』10/30-11/10こまばアゴラ劇場
☆規則正しいリズムを刻み続ける日常は、いわば無機質に広がる平面。
そこに欲望というイレギュラーな瞬間を挟み込むことで世界は立体になり、
人間は生きていることを実感するのかもしれません。
作・演出の神里雄大さんは20代。また凄い人に出会ってしまいました。
http://okazaki.nobody.jp/
※『リズム三兄妹』は11/10(月)まで上演中!
※11/3、11/9は、9:00AMより『はやねはやおき朝御飯』を上演。
☆『キレなかった14才りたーんず』オーディションは11/15応募〆切。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1025130125.html
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2008年10月(観劇数25作品)は『ラ・マレア 横浜』で発行!
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◆3 【the company『1945』でイベントの進行役をいたします 】
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◎ただいま世田谷パブリックシアターで上演中の
the company(ザ・カンパニー)『1945』にて、
“『1945』アフター茶話会”の進行役を務めさせていただきます。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1018174730.html
※本日11/1(土)の午後開催。参加者募集は終了。
●the company world premiere
『1945(イチ・キュー・ヨン・ゴー)』
10/25-11/03世田谷パブリックシアター
≪東京、新潟≫
☆出演:中村ゆり 山本亨 パク・ソヒ 瀬川亮 松浦佐知子 高橋和也 ほか
原作:芥川龍之介「藪の中」
脚本・演出:ロバート・アラン・アッカーマン
脚本・演出補:薛珠麗
http://www.thecompany-t.com/
初日のレビュー↓に稽古場レポート、演出家インタビューへのリンクあり。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1027124638.html
公式ブログにご覧になったお客様の感想ブログが随時紹介されています。
http://blog.thecompany-t.com/
ご興味がわいた方はぜひ!
東京公演は11/3(月・祝)までです。11/5(水)に新潟公演あり。
【チケット情報】
・全席指定 S席(1階&2階最前列)7,000円
A席(2階2・3列)6,000円 B席(3階)5,000円
・お問い合わせ
ゴーチ・ブラザーズ 03-3466-0944(平日11:00~19:00)
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◆4 【劇団青年座の「マキノノゾミ三部作連続上演」 】
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◎劇団青年座が紀伊國屋ホールを約1ヶ月占拠して、
「マキノノゾミ三部作」を連続上演します。
http://seinenza.com/makino3/index.html
安心して楽しめるストレート・プレイを3作品連続で観られる
嬉しい機会。初演時はどの作品も演劇賞をにぎわせたそうです。
●劇団青年座『フユヒコ』(1997年初演)
11/04-09紀伊國屋ホール
☆出演:山野史人 津田真澄 太田佳伸 椿真由美 五十嵐明
加茂美穂子 佐藤祐四 木下政治(劇団M.O.P.)
脚本・演出:マキノノゾミ
http://seinenza.com/makino3/file/huyuhiko.html
●劇団青年座『赤シャツ』(2001年初演)
11/12-18紀伊國屋ホール
☆出演:今井和子 宇宙 高義治 横堀悦夫 小豆畑雅一 安藤瞳
酒井高陽(劇団M.O.P.) 若林久弥 野々村のん 堀部隆一
松川真也 セルゲイ・ツァリョーフ
脚本:マキノノゾミ 演出;宮田慶子
http://seinenza.com/makino3/file/akasyatsu.html
2001年のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0508013014.html
●劇団青年座『MOTHER 君わらひたまふことなかれ』(1994年初演)
11/21-30紀伊國屋ホール
☆出演:キムラ緑子(劇団M.O.P.) 山路和弘 綱島郷太郎
奥田達士(劇団M.O.P.) 川上英四郎 田島俊弥 遠藤好
那須佐代子 大家仁志 田中耕二 永滝元太郎(劇団M.O.P.)
脚本:マキノノゾミ 演出:宮田慶子
http://seinenza.com/makino3/file/mother.html
【チケット情報】
一般:5,500円 ゴールデンシート(65歳以上):5,000円
学生割引(大学生以下):3,500円 3作品セット券:14,500円
お問い合わせ↓
劇団青年座 0120-291-481(11:00~18:00/土日祝を除く)
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◆5 【関西の注目3劇団が青山円形劇場で連続公演! 】
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◎劇団☆新感線のプロデュースでも知られる(株)ヴィレッヂが、
http://www.vi-shinkansen.co.jp/
東京でも活動している関西出身の3劇団を取り上げました。
その名も「演劇村フェスティバル」! (Village=村だから?)
円形劇場をパワフルに使いきってくれそうなラインアップです。
【1】劇団鹿殺し『電車は血で走る』★上演中!
10/29-11/03青山円形劇場
☆脚本:丸尾丸一郎 演出:菜月チョビ
前売3,500円 当日3,800円
http://shika564.com/
【2】クロムモリブデン『テキサス芝刈機』
11/06-09青山円形劇場
≪東京、兵庫≫
☆脚本・演出:青木秀樹
前売:一般3200円 学生2000円 当日:一般3500円 学生2500円
http://crome.jp/
【3】芝居流通センター デス電所『ヌンチャクトカレフ鉈鉄球』
11/13-16青山円形劇場
≪東京、兵庫≫
☆脚本・演出:竹内佑
前売一般3000円 当日一般3300円 前売学生2000円 当日学生2300円
高校生以下(前売当日とも)1000円 ※未就学児童の入場不可。
※プレビュー公演11/12(水)17:00の回に、50名様をご招待。
詳細は公式サイトで公開。
http://www.deathtic.com/
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◆6 【編集後記】
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◎面白い公演が多すぎて嬉しいはずなのですが、毎日劇場に行く内に、
1公演ずつの幸せが減っているような気がして・・・。
それも踏まえて11月はちょっと休息したいと思います。
と言いいながら、今月もいっぱいご紹介しちゃいましたが(笑)。
やっぱり東京では面白そうな作品が同時に多数上演されています。
◎mixiの人気コミュ「エロメール添削 赤ペン瀧川先生」がライブに。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=588712 ←mixi内アドレス
ネタ的に深夜ならまだしも19:30開始って・・・(汗)と
躊躇していたのですが、今回は行ってみようかな~。
『瀧川先生のエロメール添削スライドショー!Vol.3』
11/14新宿ロフトプラスワン ☆メルマガでは日付が11/15と間違っていました。ごめんなさい!
☆出演:瀧川英次
前売り¥2300 当日¥2500(共に飲食別)
http://blog.livedoor.jp/eromail_takigawa/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2008年10月は下記の5作品を拝見しました。
・「天国からのラブレター」←中村ゆりさん目当て。
http://www.ccre.co.jp/menu_picture/detail/30
・「丘を越えて」←西島秀俊さんは噂どおり良かった。最後が残念。
http://www.okaokoete.com/
・「六ヶ所村ラプソディー」←観たらもう戻れない。でも必見。
http://www.rokkasho-rhapsody.com/
・「靖国 YASUKUNI」←勉強になります(1)。
http://www.yasukuni-movie.com/
・「つくられる自白 ―志布志の悲劇―」←勉強になります(2)。
http://www.jicl.jp/now/cinema/backnumber/20080630.html
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
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携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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