REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2008年10月31日

新国立劇場演劇研修所2期生稽古場公演『罪人たちのクリスマス』10/31新国立劇場稽古場合唱リハーサル室

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより
 ある年のクリスマスイプ。場所は、とある刑務所の音楽室。
 刑務所の行事であるチャリティーコンサートを控えた囚人達が歌の練習をしている。ところが、
 本番当日になって次々に歌えないと言い始める囚人達。ボランティアの音楽指導員は彼らに
 必死に参加を促すが、事態はどんどん混乱していく。
 様々な問題を抱えた囚人達の行く末は・・・そして、コンサートは無事に迎えられるのか・・・。
 ≪ここまで≫

出演:演劇研修所2期生 [登場人物](A/B) 東:サカキバラ?(西原康彰/阿川雄輔) 大森:コンビニ強盗(遠山悠介/宇井晴雄) 加藤:秋葉原無差別殺人犯?(西村壮悟/角野哲郎) 北村:不倫相手の子供2人を放火して殺害(保可南/岩澤乃雅) 水本:母親に毒を盛った少年(熊澤さえか/吉田妙子) 三橋:夫殺し(藤井咲有里/滝香織) 辻:ボランティアの音楽指導員(佐々木抄矢香/深谷美歩)
総合演出:深沢桂子 台本:演劇研修所2期生 構成・作詞・作曲:深沢桂子 振付:夏貴陽子 演奏:深沢桂子 協力:新国立劇場、新国立劇場演劇研修所
日時: 10月31日(金)昼:12:00Aキャスト/13:10キャスト 18:00Bキャスト/19:10Aキャスト
※上演時間は両キャスト1時間弱を予定しています。
※A、B両キャストがご覧になれますが、間に休憩があります。
http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:42 | TrackBack

2008年10月27日

the company world premiere『1945』10/25-11/03世田谷パブリックシアター

 ロバート・アラン・アッカーマンさん率いるthe companyの世界初演『1945(イチ・キュー・ヨン・ゴー)』の初日に伺いました。

 第二次世界大戦の戦勝国アメリカの演出家が、戦敗国である日本の終戦直後を舞台化するという、チャレンジングな作品です。フィクションに浸って物語を追っている内に、今までに観た演劇作品と重なることが頭に浮かんできて、最後は「お芝居」という枠組を超えたところからメッセージが届きました。70人以上のアンサンブルは贅沢!

 上演時間は約2時間20分(途中休憩15分を含む)。パンフレットによると、いつかNHKで舞台中継されるそうです!

 ☆11/1(土)マチネ終演後に開催される『1945』アフター茶話会で進行役を務めます。よかったらご応募くださいませ♪ 10/29(水)締切。

 ⇒the company公式ブログ
 ⇒『1945』稽古場レポート
 ⇒演出家インタビュー
 ⇒ワークショップ写真レポート
 ⇒イープラス特集 ⇒民団新聞 ⇒読売新聞 ⇒朝日新聞 ⇒朝日新聞劇評(10/28)
 しのぶの演劇レビュー内・関連記事⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!『1945

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。改行を変更。
 1945年秋。太平洋戦争終結直後の日本。戦災で焼けこげた商店街のアーチの下で、二人の男が遠くに見える進駐軍の兵舎を見つめながら、語り合っている。
 昨日、一人の男が殺された。その男は、美しいヴェール付きの帽子で顔を覆った若妻を伴い、混沌とした終戦直後の闇市へ高級車に乗って現れた。そしてその夜、銃声が鳴り響いた──
 失われた想い出、捨て去ったはずのプライド、消えない欲望、泣くように響くジャズ・トランペットの調べ。
 食い違う目撃証言と人々の心の声が、闇の中で錯綜する。真実はいったいどこに隠されているのか?
 ≪ここまで≫

 舞台装置は灰色一色の廃墟。大きな階段や壁を垂直にのぼる梯子などもあり、劇場の高さを使ったダイナミックな空間です。そこになんと70人以上の闇市の人々がうごめく!まるでオペラみたいな贅沢さです(笑)。

 拳銃で撃たれた男の死体が発見された事件について、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の軍警察(MP)の前で、その事件に関わる人物が証言していきます。語る人物によって1つの出来事の違った側面が見えてくるのは、芥川龍之介著「薮の中」のスタイルですね。独白から回想シーンになり事件のことが証言にそって演じられますが、それぞれに全く違う経過・結末になるのが面白いです。犯人探しのサスペンスの味わいもあり。

 前半は初日らしい硬さもあってか全体的に少々おとなしめに進んでいる印象でした。戦争直後の悲惨な日本が目の前にありますし、差別用語も多発しますので、観客が身構えてしまうのも無理はないと思います。稽古場にお邪魔していた私もどぎまぎしながら観ていました。
 でも休憩をはさんで後半が始まったとたん、客席と舞台の距離が一気に縮まったんです。突然、劇場が一体になって物語とともに動き始めたような。原因ははっきりとはわからないですが、これはフィクションなんだ、エンターテインメントなんだと徐々にわかってきて、観客も一緒に楽しめるようになったからではないかと想像します。また、後半始まってすぐの展開がわくわくするものだったのも大きいんじゃないかしら。

 今までアッカーマンさんが演出されてきた海外作品と比べると、今作は洗練よりも荒削りであることを狙っているように感じました。私は直接的に政治的な主張をする演劇(や映画など)がそんなに得意ではありません。でも、80人もの若い日本人キャストとアメリカ人演出家が、今、必死でこのテーマに取り組んで作品を発表したことに大きく心を動かされましたし、現在マイブームのこの本に書かれていることとばっちり重なって、グッサリと、衝撃を受けました。特に、当事者たちが生々しく語る長い独白から、生き残ってしまった無念、生きるために自分や他人に嘘をつく苦しみなど、今の日本では耳にすることがないかもしれない切実さが伝わってきました。

 ずしんと届いたメッセージは長い煩悶を経て生まれてきたものだと感じました。その意見に賛成か反対かに関わらず、1945年以来現在にいたるまで日本が歩んできた道と、今と、この先に見えてくる日本の将来について長期的な視点を持って考える、そんなきっかけを与える刺激的な作品になったことが非常に意義深いと思います。

≪東京、新潟≫
出演:Jun Tyler 呂美 高橋和也 瀬川亮 松浦佐知子 松本晶 谷昌樹 吉田昌美 酒井和哉 廣畑達也 川辺邦弘 三嶋義信 宮光真理子 斉藤直樹 山本亨 中村ゆり 矢内文章 パク・ソヒ 有希九美 深貝大輔 倉本朋幸 Jacob Sandelin 園部まりあ タリン 猪瀬早紀子 吉田真理 加藤華子 柴田淳 額田麻椰 守美樹 巖大介 石原身知子 水谷友子 菅原達也 尾崎舞 中井奈々子 堀川炎 土山紘史 飯田元子 Zinzy 永栄正顕 松井美宣 中尾裕美 藤田千穂 渡辺文香 日高恵 古谷佳也 ヒザイミズキ 青山みその 及川千春 山脇ゆい 本郷剛史 神藤恭平 大倉マヤ 五百蔵久子 日下諭 露敏 山崎和代 兼多利明 伊東沙保 岡田あがさ 小出奈央 髙橋来花 竹内さやか 塚田弥与以 山崎えり 渡辺直子 寿寿 永井輝久 中島広隆 中村伝 宮下泰幸 伊藤公一 下垣隼一 松田愛子 水沢昭彦 岡田さやか 吉岡亜紀子 カトウシンスケ
原作:芥川龍之介「薮の中」 脚本・演出:ロバート・アラン・アッカーマン 脚本・演出補:薛珠麗 美術:今村力 照明:沢田祐二 音響:高橋巌 衣裳:朝倉摂 ヘア&メイク:鎌田直樹 舞台監督:小川亘 アーティスティック・プロデューサー:玉塚充 制作:斉藤努 稽古場進行:三浦瞳 票券:西川悦代 宣伝:吉田プロモーション 牛山晃一 二宮大 プロデューサー:伊藤達哉 [宣伝美術staff]アートディレクション&デザイン:隆 俊作(5fret) 撮影:taro スタイリング:神波憲人 ヘアメイク:イオギユミ 制作:二宮大(Gene & Fred) 企画:the company 製作:ゴーチ・ブラザーズ
【発売日】2008/09/06 S席(1階&2階最前列)7,000円 A席(2階2・3列)6,000円 B席(3階)5,000円
http://www.thecompany-t.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 12:46 | TrackBack

【書籍】芥川龍之介著「地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇」(岩波文庫)

 the company world premiere『1945』の予習のため、「薮の中」を読み直しました。文体が美しいですね。“王朝物”ということで公家の世界にトリップ。
 『袈裟と盛遠』もすごく良かった~。

地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)
芥川 龍之介
岩波書店
売り上げランキング: 16769
Posted by shinobu at 11:03 | TrackBack

2008年10月25日

【オーディション】『4x1h project Play #2「月並みなはなし」』ワークショップオーディション※11/06(木)24時〆切

 「4x1h project Play #2」出演者募集ワークショップオーディション」情報です。関連レビュー⇒

 ■公演情報
  4x1h project Play #2「ソヴァージュばあさん / 月並みなはなし」
  2009年1月23日(金)~30日(金)
  @新宿・シアターミラクル
 ■〆切:2008年11月6日(木)24時
  参加希望の方はE-mailにてご応募下さい。
 ※出演者募集対象作品は「「月並みなはなし」(作:黒澤世莉/演出:中屋敷法仁)です。

 以下、公式サイトより

■■■4x1h project Play #2出演者募集のお知らせ■■■

■公演情報
4x1h project Play #2「ソヴァージュばあさん / 月並みなはなし」
2009年1月23日(金)~30日(金)
@新宿・シアターミラクル

■オーディション対象作品
「月並みなはなし」
作:黒澤世莉(時間堂)
演出:中屋敷法仁(柿喰う客)

■稽古スケジュール
12月下旬~本番
--------------------
■日時
2008年11月9日(日)14:00~17:00
2008年11月9日(日)19:00~22:00
※いずれかひとつにご参加ください。
※遅刻・早退は原則として認めません。
--------------------
■場所
都内某所
※会場の詳細は、参加者にのみ通知いたします。
--------------------
■参加費
1,000円
※当日、受付にてお支払いください。
--------------------
■備考
〆切:2008年11月6日(木)24時
--------------------
■応募方法
下記のものを、project4x1h(アットマーク)gmail.comまで「オーディション参加希望」でお送りください。
(1)お名前(ふりがな)
(2)性別
(3)年齢
(4)電話番号(当日連絡先)
(5)メールアドレス
(6)住所
(7)所属(あれば)
(8)簡単な演劇歴
(9)参加動機
(10)俳優としての長所/短所
(11)参加希望する時間帯
(12)備考
※芸名で活動されている方は、本名と併せてお送りください。

■申し込み・お問い合わせ
ワークショップオーディションに関するお問い合わせ・申込みはすべて以下にお願いいたします。

4x1h project
オーディション係(担当:菊地)
project4x1h(アットマーク)gmail.com
070-6513-1262

ご参加をお待ちしております。
--------------------
■4x1h project
070-6513-1262
project4x1h@gmail.com
http://blog.livedoor.jp/project4x1h/
--------------------

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:06 | TrackBack

【オーディション】こまばアゴラ劇場系・若手企画『キレなかった14才りたーんず』出演者募集※11/15(土)応募〆切

 こまばアゴラ劇場周辺で活躍しはじめた、かなり若手の演出家6人が揃った企画『キレなかった14才りたーんず』の出演者募集オーディション情報です。

【公演期間・会場】
 2009年4月16日(木)~5月6日(水・祝)@こまばアゴラ劇場

【参加演出家】
 柴幸男(青年団演出部/toi
 篠田千明(快快
 中屋敷法仁(柿喰う客
 神里雄大(岡崎藝術座
 白神ももこ(モモンガ・コンプレックス
 杉原邦生(KUNIO/こまばアゴラ劇場<サミット>ディレクター)

・応募〆切:11月15日(土)【必着】
・応募方法:公式サイトよりダウンロードした応募用紙に必要事項を記入し、Eメールで提出(宛先⇒ KR.14returns(アットマーク)gmail.com )。郵送も可。

 以下、オーディション特設ブログより。

公演概要

○公演名:
 『キレなかった14才(ハート)りたーんず』

○企画者:
 柴幸男(toi/青年団演出部)
 篠田千明(快快)
 中屋敷法仁(柿喰う客)

○日程・会場:
 2009年4月16日(木)~5月6日(水・祝)
 こまばアゴラ劇場

○内容:
 82年生まれの演出家5名(+84年生まれ1名)による6作品を連続上演します。


オーディション詳細

◆応募条件
 演技経験のある方。
 下記のオーディション、1月下旬~の稽古、4/16~5/6の本番に参加できる方。

◆応募方法
 ①、②どちらかの方法をお選び下さい。
 ①オーディション公式サイトより応募用紙をダウンロードし、
  必要事項を記入の上KR.14returns(アットマーク)gmail.com宛にお送りください。
 ②PC環境のない方は、下記の電話番号にお問い合わせください。

 ※①、②いずれにおきましても、写真(全身とバストアップ 各1枚ずつ)を添えていただきます。

◆応募〆切
 11月15日(土)【必着】

◆参加費用
 2000円(2次審査当日会場にてお支払いいただきます)

◆審査日程
 1次審査・・・書類選考
 書類選考に合格された方には、11月25日(火)までにメールまたは電話にてご連絡いたします。

 2次審査・・・面接・実技
 2008年12月1日(月)~3日(水)/6日(土)~7日(日)に1~2回審査を行います。

<2次審査詳細>
 ・12月1~3日の間に、すべての1次審査通過者の方に2次審査を受けていただきます。
  ※拘束時間は12月1~3日のうちで3時間(1コマ)、12月6,7日で2時間(1コマ)です。
 ・12月1~3日の審査の際、受付でオーディション参加費2,000円をお納めください。
 ・12月6~7日の審査は、12月1~3日の審査終了時点で、再度審査を受けていただきたい方にのみ、12月4日(木)に電話でご連絡します。
 ・12月1~7日の審査全体から選定を行い、12月20日(土)までに出演者を確定し、ご連絡いたします。

◆会場
 ○12月1日(月)、2日(火)、3日(水):STスポット(横浜)
 〒220-0004 横浜市西区北幸1-11-15 横浜STビルB1

 ○12月6日(土)、7日(日):急な坂スタジオ(日ノ出町/桜木町)
 〒220-0032 横浜市西区老松町26-1 旧老松会館

◆備考
 ・出演に際し、チケットノルマなどの形で公演運営費の負担を要求することはございません。
 ・応募にあたり、出演希望の作品を指定することはできません。あらかじめご了承ください。


【 問い合わせ・郵送先 】
 『キレなかった14才(ハート)りたーんず』制作室
 〒195-0072 東京都町田市金井6-47-12
 tel:090-9971-9824(野村)
 e-mail:KR.14returns(アットマーク)gmail.com

応募要項ダウンロード
 応募要項ダウンロードされる方はこちら

制作クルー募集
 当公演に協力してくださる制作クルーを募集します。

 <制作室コアメンバー>
 野村政之、宮永琢生、木元太郎、山本ゆい

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 13:01 | TrackBack

2008年10月24日

新国立劇場演劇『山の巨人たち』10/23-11/09新国立劇場 中劇場

 フランスから演出家ジョルジュ・ラヴォーダンさんを招き、イタリアのノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロの未完の遺作を中劇場で上演するという、新国立劇場ならではの豪華な公演です。平幹二朗さんと麻実れいさんの競演も嬉しい。

 照明、装置、衣裳の色使いや、音の鳴るタイミング、大きさなどが刺激的。日本(東京)では出会えないものじゃないかと思いました。中盤でちょっと眠くなったりもしたんですが(すみません)、最後はすごく面白かったです。できたらもう一度観て勉強したい気分。上演時間は約2時間5分、休憩なし。

 ⇒平幹二朗インタビュー(会報誌The Atre 9月号掲載)
 ⇒CoRich舞台芸術!『山の巨人たち

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 世界から隔絶した山間に建つ一軒の別荘「ラ・スカローニャ」。この別荘の主は世界に絶望し隠遁生活をおくる魔術師コトローネ(平幹二朗)だ。ある日この別荘におちぶれた旅の一座がやってきた。伯爵夫人と名乗る主演女優イルセ(麻実れい)は正気と狂気を行き来している。劇団員は別荘に一夜の宿を借りた。その晩、彼らは夢の中に引きずり込まれ、幻想的な体験をする。翌朝コトローネは、劇団員たちにある提案をもちかけた。「山の巨人と呼ばれる二家族の結婚式の余興に芝居をしてみてはいかが」と・・・・。
 作家ピランデルロは34年ノーベル文学賞を受賞、その2年後に他界したが、この『山の巨人』は絶筆の未完作として世に遺されたのだ。今回、演出家ラヴォーダンはどのような“終わり”をこの舞台に用意するのか。
 ≪ここまで≫

 まずは装置にびっくり。そしてオープニングの躍動感が面白い。空間全体は厳かな印象なのに、笑いと恐怖が垣根なく混ざっている軽い雰囲気も新鮮です。劇団が山中の魔法の世界へと迷い込む奇想天外なストーリーで、ついていくのに一苦労(笑)。でも、語られた言葉をその時に、そのまま受け取るだけでいいんじゃないか、とも思いました。会話がとてもうまく成り立っていて、役者さんは凄いなと思いました(演出家の手腕かもしれませんが)。

 平幹二朗さん演じるコトローネの長ゼリフ(本当に長い!)でとても大事なことが語られていて、ゆっくり話してくださる平さんの言葉を、ひとつひとつ意味を確認するように聞きました。あー戯曲本が欲しい。でもネットで検索する限りでは見つからないな・・・(ピランデッロ戯曲集⇒)。

 舞台のイメージ画(小劇場での公演時に、ロビーにあった宣伝パネルに貼ってありました)から和風の装置かと想像していたのですが、全然和風じゃなかったですね、すみません。舞台のあの曲線はかなりの勾配なんじゃないかしら。かっこ良かったです。

 ここからネタバレします。

 装置はいわば巨大な太鼓橋。空に炎のがのぼるような舞台奥の絵(?)が渋い。“夢”のシーンで出てくるガイコツの人形はホラーだけどコミカル。赤いドレスの女がポイントになって現代の抽象絵画みたい。
 麻実れいさんが生演奏に合わせて音楽劇のように歌いだすのも、大鷹明良さんがゆるりとステップを踏んで踊りだすのも、意外なタイミングでとても楽しかった。

 未完の脚本ですが、最後は遺言に書かれていたストーリーを字幕で説明してくれます。中央には伯爵夫人の人形。その周囲で歩いたり立ち止まったりする人々。伯爵夫人以外はすべてシルエットになっているのが美しくて、字幕が終わった後は吸い込まれるように見とれました。

 “山の巨人たち”はタイトルにもなってるのに結局登場しません。粗野で頭が筋肉質になってしまったという“山の巨人たち”って、一体何なのか・・・“国家権力”“集団暴力”とか??と考えたり。時々鳴っていた何かが崩れるような轟音は、彼らの音だったのかしら。夢(魔術師らの世界、そして劇場)を破壊しようとするような。

 “住民たち”のような観客にならず、夢の真実を信じられる子供のような観客でいたいと思いました。そして自分を好きだと言える人間にならなきゃ。じゃないと魅力ないですよね!(笑)

出演:平幹二朗 麻実れい 手塚とおる 田中美里 綾田俊樹 田根楽子 大鷹明良 植本潤 及川健 久保酎吉 渕野俊太 細見大輔 大原康裕 真織由季 佐伯静香 小春 澤田若菜
脚本:ルイジ・ピランデルロ 翻訳:田之倉稔 演出:ジョルジュ・ラヴォーダン 美術:ジャン・ピエール ヴェルジェ 照明:ジョルジュ・ラヴォーダン 音楽:久米大作 音響:黒野尚 衣裳:ブリジット・トリブイヨワ ヘアメイク:鎌田直樹 振付:夏貴陽子 演出助手:保科耕一 舞台監督:藤崎遊 芸術監督:鵜山仁 主催:新国立劇場
【発売日】2008/09/06 S席:¥7,350 A席:¥5,250 B席:¥3,150 Z席:¥1,500
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000062_play.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:22 | TrackBack

2008年10月23日

【稽古場レポート】モダンスイマーズ『夜光ホテル~スイートルームバージョン~』10/21都内某所

suiteroom_hagiwara_thumb1.JPG
萩原聖人さん(右)

 蓬莱竜太さんは新国立劇場に『まほろば』を書き下ろすなど、若手で最も注目を集める劇作家・演出家の1人。蓬莱さんが作・演出される劇団モダンスイマーズへの評価は、公演ごとに着実に高まってきています。

 今年5月に上演された『夜光ホテル』が“スイートルームバージョン”となって大阪で再演されることになり、遠征直前の稽古場にお邪魔させていただきました。※来年1月の「NHKシアターコレクション'09」(東京・渋谷)での上演も決まっています。

 主演に萩原聖人さんを迎えた同作は、下北沢OFF OFFシアターで1ヶ月間のロングラン上演を果たした作品で、なんと全ステージ満席という人気公演だったんです!⇒東京公演の観客の感想10件(CoRich舞台芸術!) 

★精華演劇祭 vol.11参加/平成20年(第63回)文化庁芸術祭参加公演
 モダンスイマーズ『夜光ホテル~スイートルームバージョン~
 11/01~04@精華小劇場(大阪)
 〔お問合せ〕Habanera 03-5489-3740(平日11時~18時)
 
 ⇒CoRich舞台芸術!『夜光ホテル~スイートルームバージョン

 稽古場はステージの実寸が取れる大きさがあり、家具もほぼ本番どおりに揃っている万全の状態。まずは最初から全体の5分の4あたりまで通し、その後はほぼラストまでの動きを決めていくお稽古でした。OFF OFFシアターから精華小劇場に移ると舞台のサイズがかなり大きくなるそうで、動きを新しく組み直すことになったんですね。再演とはいえ、動き以外にも細かい調整が必要になってきます。
 蓬莱「OFF OFF(シアター)ではそれで良かったけど、今回はその(シーンの)前を見せた方がいいと思うんですよ。」

suiteroom_1.JPG

 萩原聖人さんとモダンスイマーズのメンバーは、1ヶ月間のロングランを小さな空間で一緒にやってきた5人(+作・演出の蓬莱さん)ですから、チームワークは抜群です。皆が無言になって思考する時間も、のびのびとした充実感に満ちていました。客演の萩原さんはいわば“頼れる兄貴”のポジションで、自ら進んで提案したり、休憩時間にはほがらかに雑談もされて、ムードメイカーになってらっしゃいました。

suiteroom_2.JPG

 『夜光ホテル』は青森のホテルに集まった、ワケありの男たちの一夜を描く会話劇。彼らがなぜ再会したのか、なぜ東京に向かおうとしているのかが、笑いをふんだんに交えながら、少しずつ明かされていきます。『まほろば』パンフレットの座談会記事(内の、演劇ライター・徳永京子さんの発言)にありましたように、蓬莱作品の特徴は“自分の生まれた家や土地というしがらみから抜け出して新しい人生を歩き出す、その時の大きな痛みを描いている点”です。『夜光ホテル』もまた、5人の男たちが初めてしっかりと目を開いて、自分の人生と対峙する瞬間が描かれていました。

suiteroom_hagiwara.JPG

 セリフを話す人物だけではなく、だまって聞く人物の演技にも大いに見どころがあります。例えば萩原さん演じる篠原はリーダー的存在なのに口数が少ないのですが、文庫本を携えイスにじっと座っている時の表情の変化が、実は多くを語っているのです。ストーリーを知ってからもう一度観ることで、登場人物それぞれの痛みや葛藤をより深く味わえました。大きな転換が起きる前に語られていることも、それぞれがこの物語の核となる部分と密接につながっており、改めて戯曲の面白さに唸らされることになりました。2度観るのもオススメです。

 モダンスイマーズの大阪公演はこれが初めてのことで、作品の面白さは東京公演でも実証済み♪ 関西地方の皆様、どうぞお見逃しなく! 
 ※11/3(月・祝)14:00の公演は終演後のトークもあって売れ行きが良いそうです。

平成20年(第63回)文化庁芸術祭参加公演 精華演劇祭VOL.11参加
出演:萩原聖人 モダンスイマーズ〔古山憲太郎 津村知与支 小椋毅 西條義将〕
作・演出:蓬莱竜太 美術:伊達一成 照明:森脇清治(東京舞台照明) 音響:今西工 宣伝美術&衣裳協力:小原敏博 宣伝写真:引地信彦 ヘアメイク(宣伝写真):二宮ミハル 記録写真:Yoshizo Okamoto 制作:神野和美 協力:アルファエージェンシー サイスタジオ 制作協力:オフィスPSC 重留定治 広川由季  Habanera 松尾由紀
前売3,500円 当日4,000円 全席指定
http://www.modernswimmers.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:50 | TrackBack

2008年10月22日

地点『桜の園』10/18-22吉祥寺シアター

 三浦基さんが演出される地点(京都)の『桜の園』を観てきました。予約しようとしたら、千秋楽以外は完売。平日昼にすべりこみました。やはり満席でした。

 上演時間は約1時間25分。地点ならではの“言葉の分解”は少なめでしたが、言葉に対する鋭さは変わらず。唯一無二なのだろうと思います。
 
 ⇒CoRich舞台芸術!『桜の園

 絵の額、窓枠の中に何もせずじっと停滞する家族。金を道しるべに一直線にまい進する商人。高い志を持って新しい世界を求めて脱出していく無力な若者。
 チェーホフの言葉が、今の私に直接ぶつかってくるようでした。

 ここからネタバレします。

 変化を起こすのは人間で、変化を拒むのも人間で。走る汽車の映像と、舞台中央で全く動かない家族の対比が鮮やかです。
 1円玉が敷き詰められたステージを、ロパーヒンが踊りながらすべって転ぶのが可笑しかった。

≪東京、ほか≫
出演:安部聡子 石田大 岩澤侑生子 大庭裕介 小林洋平 谷弘恵
原作:アントン・チェーホフ 演出:三浦基 演出助手:村川拓也 照明:吉本有輝子  映像:山田晋平 美術:杉山至+鴉屋 音響:堂岡俊弘 衣裳:堂本教子 舞台監督:鈴木康郎 宣伝美術:納谷衣美 制作:田嶋結菜 主催: 地点/財団法人武蔵野文化事業団
【発売日】2008/08/04(日時指定・全席指定席)一般:前売・予約3,500円/当日4,000円 学生:前売・予約2,500円/当日3,000円 *要学生証提示 【三人姉妹】【桜の園】2演目セット券 6,500円 *前売のみ、劇団のみ取扱 武蔵野文化事業団のみ取扱(前売)→特別セット券 6,000円 *12日(日)19:30と20日(月)19:30の日時指定 限定16セットアルテ友の会会員 一般/3,150円  特別セット券/5,400円 
ポストパフォーマンストークゲスト:(11日)宮沢章夫 [遊園地再生事業団主宰/劇作家・演出家・作家](18日)岡田利規 [チェルフィッチュ主宰/演劇作家・小説家]
http://www.chiten.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 18:08 | TrackBack

2008年10月21日

パルコ『幸せ最高ありがとうマジで!』10/21-11/09パルコ劇場

 本谷有希子さんがパルコ劇場に初進出。永作博美さんをはじめ豪華キャストの話題の公演です。

 予想のつかないセリフのやりとりにいっぱい笑わせていただき、最後は本谷節にシビれました。上演時間は約2時間(休憩なし)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『幸せ最高ありがとうマジで!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより (役者名)を追加。
 舞台は「エリートが書いたもんをヤクザが売る」とからかわれる、とある町の新聞販売所。
 慎太郎(梶原善)の留守中に、彼の愛人を名乗る得体の知れない女・明里(永作博美)が突然現れる。もともと慎太郎の女癖の悪さは病的とも言えたため、妻(広岡由里子)と子供たち(近藤公園&前田亜季)はその話を信じ込んでしまう。が、家族は一丸となって明里の存在を無かったことにしようとする。嫉妬でおかしくなったように家に上がりこもうとする明里を、妻と息子と娘は協力して阻止。
 明里は道に放り出されるが、住み込みバイト・えいみ(吉本菜穂子)の手引きによって、なぜか敷地内のプレハブ小屋に密かにかくまわれることに。
 こうして、誰にも予想できない復讐劇の幕は上がった・・・。
 ≪ここまで≫

 すさんだ新聞販売所で、家族および従業員らが揃ってひた隠しにしていたドロドロの人間関係が、正体不明の女・明里(永作博美)によって暴かれていきます。修羅場を面白がる彼女によってどんどんヒートアップ。
 大掛かりな装置に、ノリノリの音楽も面白かったです。

 初日でまだ演技の硬さが気になりましたが、すぐ盛り上がっていくでしょうね。追加公演もあるようです。

 ここからネタバレします。

 「大声で叫んだことが本当になる」、「人気がある方が勝つ」など、明里の分析は明快で、「精神病になる確固とした理由があるのは幸せだ(自慢できる)」という考えも面白いです。

 「人間が起こす行動に意味なんて、理由なんてない!」という主張にスカっとしました。予想なんてできないのが人生ですし、無意味な行動が人を、世界を形作っていると思います。だから永作博美さん演じる謎の女(=モンスター)が無差別に、ある家族を興味本位で(愉快犯として)本当にぐちゃぐちゃにしちゃうのが痛快。「明るい人格障害」ってサイコー(笑)。

 現代社会(特に東京かも)は、今ある全てをぶち壊してくれるモンスターを求めていると、私も思います。でも、新聞配達員のところに届けるべき夕刊が納品されたら、彼らはまずその仕事をこなすことが最優先なんですよね。そうやって私たちはご飯を食べて生きているから。明里と一緒に一瞬はじけて、ブっ飛んでも、すぐに日常へと戻っていきます。

 最後はパウンドケーキにささったみじめなろうそくに、明里がチャッカマンで火をつけて自分の40歳のバースデーを祝おうとしますが、火がつかないで終幕。思う通りにならない、全然うまくいかない、この世界バンザイ。

パルコ劇団外、本谷有希子 第一回作・演出作品
≪東京、倉敷、大阪≫
出演:永作博美、近藤公園、前田亜季、吉本菜穂子、広岡由里子、梶原善
脚本・演出:本谷有希子 美術:中根聡子 照明:倉本泰史 音楽:渡邊琢磨 音響:藤森直樹 衣裳:伊藤早苗 ヘアメイク:二宮ミハル 演出助手:則岡正昭 舞台監督:宇野圭一+至福団 宣伝美術:榎本太郎 宣伝写真: 忠之 宣伝:る・ひまわり 制作協力:寺本真美+ヴィレッヂ 制作:高石由紀子 プロデューサー:佐藤玄 製作:山崎浩一 企画・製作:株式会社パルコ 後援 ニッポン放送
【休演日】10/27(金)、11/4(火)【発売日】2008/08/03 7,000円 ※未就学児の入場はご遠慮下さい。
http://www.parco-play.com/web/play/motoya

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:09 | TrackBack

ハイバイ『ハイバイ オムニ出す』10/19-11/05リトルモア地下(『フランス』&『いつもの』)

 昨日に続いてリトルモア地下に伺いました。今日もほぼ満席。『いつもの』&『フランス』は上演時間が約2時間10分(途中5~10分の休憩を含む)。

 『いつもの』「ヒッキー・カンクーントルネード」を観るのはこれで3度目ですが(過去レビュー⇒)、やはり笑って泣いてしまう。
 『フランス』は・・・もしかしたら何度観ても驚いたり笑ったりできる演目なのかも・・・(笑)。強烈でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ハイバイ オムニ出す

 客席が三方からステージを囲みます。「落/星」は下手から、「常/仏」は正面から拝見。正面からが観やすいんじゃないかと思いました。まあどこに座っても見えるもの、見えないものがあるんですけどね。それも一期一会のお楽しみです。至近距離で私だけの表情、感情を持って帰りました。
 『フランス』はできたらもう一回観たいですね~・・・。あっけに取られて、頭の中が「?(ハテナ)」状態で、突発的に可笑し過ぎて爆笑して、そして最後はわ~ステキ~♪、でした。

 ここからネタバレします。

■『いつもの』「ヒッキー・カンクーントルネード」
 作・演出:岩井秀人(ハイバイ)
 出演:岩井秀人(ハイバイ)/坂口辰平(ハイバイ)/瑞田新菜(青年団)/平原テツ/川田希

 28歳のひきこもり10年選手トミオ(岩井秀人)と、その妹アヤ(瑞田新菜)はいつもながら見事なコンビネーション。母親役の平原テツさんものびのびしている印象。
 出張おにいさんの坂口辰平さんはドモって挙動不審なのが可愛いやら気持ち悪いやら(笑)。出張おねえさんの川田希さんは外見も話し方も真面目でちゃんとしているので、話す内容(強引で無礼で勘違い)とのギャップが面白い。

 最後にトミオ(岩井秀人)が玄関へと向かう演技でやっぱり落涙。「みちのくプロレスが見たい」という欲望と、外に出ることへの恐怖がぐるぐるうずまいて、一歩一歩、おそるおそる踏みしめる歩みのゆらめきがたまりません。


■『フランス』「コンビニュ~または謝罪について~」(「テンプルトンペックン」よりタイトル変更)
 作・演出:岩井秀人(ハイバイ)
 出演:永井若葉(ハイバイ)/坂口辰平(ハイバイ)/篠田千明(快快)/師岡広明

 岩井さんが親族代表に脚本提供した「コンビニ~または謝罪について~」の一部が題材になっていました。タバコの銘柄を間違えたのに謝らないコンビニの店員(師岡広明)に、しつこく「謝って」とすごむ(懇願する)客。役柄は次々と変わって、1つの役を4人で演じたり、タバコや机を演じたりもします。これが生っぽくて刺激的なんですよね。どこまでが脚本どおりでどこからアドリブなのか全然わからない。

 白い紙が貼られた大きなパネルが壁に取り付けられており、いくら説明しても謝ってくれない店員に対して、客(2人)が墨で絵を書いて伝えようとします。でもその絵がヘナチョコで・・・(笑)。あの絵で一番笑ったかも。コミュニケーションの難しさ、多様さが見事にあらわされていると思いました。

 「謝ってよ」「謝らないよ」の繰り返しが続き、なぜかコンビニのキャッシャーから宇宙へと飛翔。パネルに日本地図を書いて周囲を黒く塗りつぶしていき、空へと俯瞰する視点に移行したのも面白い!

 スピーカーと棚の上に別々に置かれていたにぎり寿司のしゃりとエビが、宇宙で合体しようとします。片方が「謝って」で、片方が「謝らない」を示しており、ぴったりと気持ちよく合体するかと思いきや、ぎりぎりのところですれ違ってしまいます。反発するもの同士がぶつかって、やっぱり離れていって、"Yes"と"No"の声が不協和音のようなノイズのまま大きくなっていって、最後はハーモニーにまで昇華。感動的。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:岩井秀人(ハイバイ)/永井若葉(ハイバイ)/坂口辰平(ハイバイ)/篠田千明(快快)/師岡広明

 岩井「『フランス』は今日、出来ました(笑)。でも脚本はずいぶん前に完成していて、役者はいつどこででも自分から話せるように、脚本の全てを覚えています。最後までプランが完成したのが、今日だった。」

仮チラシ時点のタイトル「数打つよ短編の宴(仮)」
「落(落語)」出演:夏目慎也(東京デスロック) 高橋周平 師岡広明 坂口辰平 石澤彩美
「星(SF)」出演:岩井秀人 金子岳憲 師岡広明
「常(いつもの)」出演:端田新菜(青年団) 平原テツ 岩井秀人 坂口辰平 川田希
「仏(フランス)」出演:師岡広明 永井若葉 坂口辰平 篠田千明(快快)
照明/松本大介(enjin-light)音響/長谷川ふな蔵 宣伝イラスト/岩井秀人 宣伝美術/土谷朋子(citronworks) 素材提供/湯沢靖典 記録写真/青木司 制作/三好佐智子、増井めぐみ 企画・製作/ハイバイ 共催/リトルモア地下
チケット発売日:9月15日 チケット料金: 全席整理番号付自由席 前売/2,000円 当日/2,500円 
セット券/3,500円  (前売のみ。落/星、常/仏 各1回ずつご覧になれます)*セット券は1名2回(落星+常仏)で3,500円です。
http://hi-bye.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:08 | TrackBack

2008年10月20日

Hula-Hooper『光る女』10/16-20 OFF OFFシアター

 菊川朝子さんが作・演出・出演される劇団Hula-Hooper(フラ・フーパー)。SFにチャレンジということでお邪魔してみました。

 上演時間は約1時間15分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『光る女

 何もないどこかで、次々と、何かが、また失われていく・・・という設定&ストーリーなのかと思いましたが、意図はどうなのかよくわかりませんでした。衣裳とダンスはやっぱり可愛いと思いましたけど。OFF OFFシアターの客席部分まで“砂漠”が広がっている美術はとても良かったですね。

 でも、前売2800円は高いと感じちゃいました。お金ってどこにどれだけ使っているのか、観客には全然わからないことなんですけどね。

出演:菊川朝子、上枝鞠生、上田遥、太田幸絵、宮沢紗恵子
脚本・演出:菊川朝子 照明:松本大介 音響:中田摩利子(OFFICE my on) 舞台美術:土岐研一 舞台監督:吉川悦子 衣装:竹内陽子 宣伝美術:菊川朝子 制作:ふらぴすと
【発売日】2008/09/13 前売2800円/当日3000円(日時指定・全席自由)
http://hula-hooper.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 16:12 | TrackBack

TBS『ブロードウェイミュージカル「CHICAGO」』10/08-11/02赤坂ACTシアター

 超有名なブロードウェイミュージカル「シカゴ」。2002年の映画版は観たんですが、ミュージカルは初見だったんです。とっても楽しかった~♪音楽はもちろん、演出もかっこいいんですね(今さらですが)。キャストを変えて上演され続けている理由がわかりました。

 米倉涼子さん、和央ようかさん、河村隆一さんという有名スターがひたすら、必死に、がんばってらっしゃるように見えました。本気じゃないとできないですよね。

シカゴ
シカゴ
posted with amazlet at 08.10.20
ハピネット (2007-02-09)
売り上げランキング: 1031

 ⇒CoRich舞台芸術!『ブロードウェイ・ミュージカル「シカゴ」

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 『ようこそ紳士淑女の皆様、これよりお目にかけるのは殺人、貧欲、堕落、暴力、搾取、不義不貞―我々全てが心に持つ闇、身につまされる物語です。』
 Ladies and gentleman, you are about to see a story of murder, greed, corruption, violence, exploitation, adultery, and treachery, -all those things we hold near and dear to our hearts.
 1920年代のジャズ全盛時代、イリノイ州シカゴ。不倫を重ねていた夫と妹を殺した元ナイトクラブ・ダンサー、ヴェルマ・ケリー(和央ようか)が収監されている監獄に、新顔がやってくる。彼女の名はロキシー・ハート(米倉涼子)。冴えない夫に飽き飽きしている女優志願の人妻ロキシーは、自分を捨てようとした愛人を殺害したのだ。悪徳敏腕弁護士ビリー・フリン(河村隆一)の力でメディアの注目を一身に集め、スターとなっていたヴェルマに負けじと、ロキシーもビリーを雇ってマスコミを利用し、正当防衛の“悲劇のヒロイン”として一躍メディアの寵児になっていく。スポットライトを求めるロキシーの快進撃はどこまで続くのか? 彼女と反目するヴェルマのリベンジは? 二人の女と一人の男の名声を賭けた争いが今、幕を開ける──。
 ≪ここまで≫

20081015_chicago_board.jpg
赤坂ACTシアターの大看板

 私が観た回は思いっきりセリフを間違ってたりして(笑)、はらはらドキドキものだったんですが、徐々にがむしゃらな頑張りが伝わってきて、キャストが魅力的に見えてきました。
 米倉さんはチャーミングな方でした。「黒革の手帖」再演には行ってみようかな~(初演関連サイト⇒)。

≪東京(赤坂)、大阪、東京(青山)≫
出演:米倉涼子 和央ようか 河村隆一 大澄賢也 田中梨花 金澤博 H.Masuyama 他
作曲、脚本/作詞:ジョン・カンダー & フレッド・エッブ 台本・初演演出/振付:ボブ・フォッシー 原作:モーリン・ダラス・ワトキンス 演出:ウォルター・ボビー 振付:アン・ラインキング
スーパーバイザー:吉川徹 翻訳:常田景子 訳詩:森雪之丞 音楽監督・指揮:上垣聡 振付助手:大澄賢也 舞台監督:平山正仁 制作進行:嶋健 制作:三瓶雅史 主催: TBS/キョードー東京/梅田芸術劇場/朝日新聞社(東京公演) 特別協賛:チャイナクイック 後援:アメリカ大使館/スポーツニッポン新聞社(創刊60周年)/TBSラジオ 協力: フラン&バリー・ワイズラー 企画協力:PRODUCERS 企画制作:TBS/キョードー
【発売日】2008/06/14 料金(税込/全席指定):S席 ¥12,500 / A席 ¥10,500 未就学児童の入場不可。
http://www.chicago2008.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:47 | TrackBack

渡辺源四郎商店『どんとゆけ』10/16-19こまばアゴラ劇場

 畑澤聖悟さんが作・演出(出演も)される渡辺源四郎商店の新作は、CoRich舞台芸術まつり!2008春グランプリ受賞・スポンサード公演です。CoRich審査員として伺いました。レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。

 死刑という非常に重いテーマを真正面から扱いながら、笑いもふんだんに織り込んだ完成度の高い津軽弁芝居でした。青森、東京公演は終了。来年2月に広島公演があります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『どんとゆけ

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 青森県津軽地方のある町に住む一組の家族が、一人の死刑囚と対面する。「死刑執行員の参加する死刑執行に関する法律」による死刑執行である。加害者と被害者家族、それを取り巻く人々。埋めることの出来ない欠落は、本当に埋めることができないのか。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

≪青森、東京≫ 第8回公演 ※私が拝見したのは★キャスト。
出演:工藤由佳子、工藤静香、★高坂明生(ダブルキャスト)、工藤良平(ダブルキャスト)、ささきまこと、田中耕一(ダブルキャスト・劇団雪の会)、★牧野慶一(ダブルキャスト・劇団雪の会)、畑澤聖悟 
【脚本・演出】畑澤聖悟 【照明】浅沼昌弘 【音響】藤平美保子 【舞台美術】山下昇平 【装置】萱森由介 【舞台監督】三上晴佳 【プロデュース】佐藤誠 【ドラマターグ・演出助手】工藤千夏 【宣伝美術】木村正幸 【制作】渡辺源四郎商店 【制作補】西後知春、おりゅう 【主催・企画制作】渡辺源四郎商店 協賛:こりっち株式会社
【発売日】2008/09/01 予約:一般 3,000円 学生 2,000円 高校生以下 1,000円 当日:一般 3,300円 学生 2,300円 高校生以下 1,300円
http://xbb.jp/wgs

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:05 | TrackBack

ハイバイ『ハイバイ オムニ出す』10/19-11/05リトルモア地下(『SF』&『落語』)

 岩井秀人さんが作・演出・出演されるハイバイの短編4本立て公演(1ステージで2本上演)です。『SF』&『落語』、『フランス』&『いつもの』が交互上演されます。

 シアターガイドやSPA!などの雑誌でも取り上げられているように、初めての方には今話題の劇団ハイバイの入門編として良い機会ではないでしょうか。

 初日は『SF』&『落語』でした。上演時間は約1時間35分(途中5分間の休憩を含む)。公演前半は終演後にトークがありますのでお勧めです。初日はトーク(というかアクト)でめっちゃくちゃ盛り上がりました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ハイバイ オムニ出す

 原宿の小さな地下のギャラリーで、目の前にいる役者さんの奇行(笑)を堪能。顔のしわの奥まで覗き込むような気分になる至近距離の演劇鑑賞は、秘密の集会みたいな味わいもあり。個人的にちょっと苦手な題材もありましたが、それもまたハイバイらしさだな~と思いました。※『落語』は大人向けなのです。

 役者さんって凄いな~・・・と、しみじみ思いました。こんな恥ずかしいことできないYO!(笑)という意味でもありますが、人間を観察する力、自分の体を使って何かを作り出すクリエイティブな能力、それを人前で実践する勇気など、間近でじっくり見つめながら、ただただ感心。人と人が出会って、お互いを感じ合って、刺激を受けて変化する。それを確認する時間にもなりました。

 ここからネタバレします。

■『SF』「輪廻TM」
 作:前川知大(イキウメ) 演出:岩井秀人(ハイバイ)
 出演:岩井秀人(ハイバイ)/金子岳憲(ハイバイ)/師岡広明

 イキウメで上演された短編をハイバイ風に。車椅子のタイムマシーンに乗って前世や来世を観に行きます。
 顔芸を楽しむことになるとは予想外。これも小さなギャラリーならではですね。


■『落語』「男の旅-なつこ編-」
 作・演出:岩井秀人
 出演:坂口辰平(ハイバイ)/高橋周平/夏目慎也(東京デスロック)/師岡広明/石澤彩美

 岩井さんの新作です。エッチなお話でした・・・ので、強烈な部分は正視できず。すみません。
 バイト先の同僚である若い男子3人組が風俗のお店に行きます。女の子を写真で選ぶところから本番までばっちり表現。その後の苦味も描ききるのが、岩井さんの凄い(怖い)ところだなと思います。

 落語のように1人で何役も演じます。セックスを1人で演じる(1人2役する)のとか、凄い。
 導入(高橋周平)がすっごく面白かったです(ピンク色の機具は衝撃・笑)。夏目慎也さんがおかっぱのかつらを被って演じた女役(なつこ)が艶っぽくて素敵でした。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 司会:岩井秀人 出演:師岡広明/高橋周平/坂口辰平

 寡黙な男優さん3人が、「岩井役を交互に演じて、このトーク自体を進めてください」という岩井さんの指示を受けたとたん、即興演劇をガツンと始められたのが圧巻。役者ってすごい。
 師岡広明さんの満員電車の中での実体験語りは、面白すぎてお腹がよじれました。

仮チラシ時点のタイトル「数打つよ短編の宴(仮)」
「落(落語)」出演:夏目慎也(東京デスロック) 高橋周平 師岡広明 坂口辰平 石澤彩美
「星(SF)」出演:岩井秀人 金子岳憲 師岡広明
「常(いつもの)」出演:端田新菜(青年団) 平原テツ 岩井秀人 坂口辰平 川田希
「仏(フランス)」出演:師岡広明 永井若葉 坂口辰平 篠田千明(快快)
照明/松本大介(enjin-light)音響/長谷川ふな蔵 宣伝イラスト/岩井秀人 宣伝美術/土谷朋子(citronworks) 素材提供/湯沢靖典 記録写真/青木司 制作/三好佐智子、増井めぐみ 企画・製作/ハイバイ 共催/リトルモア地下
チケット発売日:9月15日 チケット料金: 全席整理番号付自由席 前売/2,000円 当日/2,500円 
セット券/3,500円  (前売のみ。落/星、常/仏 各1回ずつご覧になれます)*セット券は1名2回(落星+常仏)で3,500円です。
http://hi-bye.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 01:13 | TrackBack

2008年10月18日

【お知らせ】「the company『1945』アフター茶話会」★11/1(土)マチネ終演後に開催

 いよいよ来週末10月25日(土)より開幕するthe company world premiere『1945』にて、11/1(土)マチネ終演後に開催される“『1945』アフター茶話会”の進行役を務めさせていただくことになりました。

 「同じ作品を観た観客同士が、劇場で気軽に感想を話し合いましょう!」という、お楽しみイベントです。ご興味ある方はぜひ♪ 
 ⇒『1945』アフター茶話会のご案内(世田谷パブリックシアター)10/28加筆

 ⇒the company公式ブログ
 ⇒『1945』稽古場レポート
 ⇒演出家インタビュー
 ⇒ワークショップ写真レポート
 ⇒イープラス特集 ⇒民団新聞
 しのぶの演劇レビュー内・関連記事⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!『1945

■■『1945』アフター茶話会のご案内■■ (the company MailService 2008/10/18 より)

 2008年10月25日より、世田谷パブリックシアターにて上演されますthe company『1945』(イチ・キュー・ヨン・ゴー)。
 11月1日(土)のマチネ観劇後に、皆で感想を語り合おうという趣旨で企画されました、アフター茶話会をご案内いたします。

★『1945』アフター茶話会

 演劇は一期一会、同じ作品を観た方と「どうだった?」と語り合う文化、そんな「場」を作りました。

 日時:11月1日(土)16:45~ 45分間(予定)
 会場:世田谷パブリックシアター 劇場2階ロビー
 概要:『1945』観劇後(別の回をご覧の方でも可)に、互いの感想を話し合う会
 参加資格:『1945』をご観劇いただいた方のみ参加可能。無料。
 定員:約10名を予定
 進行役:
  高野しのぶ(現代演劇ウォッチャー/ライター)
   しのぶの演劇レビューhttp://www.shinobu-review.jp/

  おきなお子(演劇ファシリテーター/えんがわカンパニー主宰)
   えんがわカンパニーhttp://engawa.ackk.org/

「観客同士で『1945』の感想を話し合ってみませんか?
 劇場は豊かな対話を生みだす広場です。
 舞台から受け取ったものを気軽に分かち合って、
 観るだけで終わらないハッピーな演劇体験をしましょう!」(高野しのぶ)

「わきあがる感想、それも立派な個性の発見。観るというクリエイティブを、
 語り合うことでちよっと確認してみませんか?
 むずかしい解釈よりも感じたこと・思ったことを言い合えば、
 となりの席の人とも仲良くなるかもしれません。
 みなさんが主役の観劇サロン、お気軽にご参加下さい♪」(おきなお子)

★参加応募方法
メールにて、

・ご観劇の日時
・お名前
・メールアドレス
・当日ご連絡のできるお電話番号
・性別
・年齢
・ご職業
・ご参加にあたって、ひと言

を書いて

sawakai1945(アットマーク)thecompany-t.com

までお送りください(10月29日(水)締切)。
折り返し10月30日(木)までに詳細についてのメールをお送りいたします。

※応募者数の状況によっては、先着順により参加者を限定させていただく場合もございますので、あらかじめご了解下さい。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 17:47 | TrackBack

ジェットラグ・プロデュース『あなたと私のやわらかな棘』10/17-26 THEATER/TOPS

 牧田明宏さん(明日図鑑)の脚本を中屋敷法仁さん(柿喰う客)が演出する・・・それだけで危険な香りがしていた(笑)プロデュース公演ですが、初日をご覧になった方からのお勧めがあって観に行きました。

 牧田さんの作品を何度か拝見していたのでそれと比較できたせいもあるかもしれませんが、とっても意外で、とっても面白かった!中屋敷さんらしい演技方法に装置、照明、音響もマッチしていて、牧田さんの脚本の肝になるのはここじゃないか・・・と想像をめぐらすこともできました。

 上演時間は約1時間30分弱。すっきり気持ち良かったです。物語は爽快なものではないですが(笑)。それにしてもいっぱい笑ったな~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『あなたと私のやわらかな棘
 レビューは書けるかどうかわかりません。

 ★中屋敷さんが外部演出される公演の出演者オーディションがあります。ご興味ある方はぜひチェックを!⇒『4x1h project Play #1』(〆切:2008年11月6日(木)24時)

出演:初音映莉子、猪野学、町田カナ、村木仁、カゴシマジロー(トラッシュマスターズ)、倉方規安(InnocentSphere)、岡部たかし、山口奈緒子(明日図鑑)、深谷由梨香(柿喰う客)、乙黒史誠、丸山彩智恵(劇団アルターエゴ)、長尾長幸(劇26.25団)、中林舞(快快)、高木健
脚本: 牧田明宏(明日図鑑) 演出: 中屋敷法仁(柿喰う客)【舞台美術】伊東龍彦 【照明】工藤雅弘(Fantasista?ish.) 【音響】佐藤春平 【衣裳】宮本まさ江 【舞台監督】藤本志穂(うなぎ計画) 【宣伝美術】秋野孝夫(BENCH) 【演出助手】古川侑 【制作】ジェットラグ、B-PLANT 【プロデューサー】阿部敏信 【企画・製作】ジェットラグ
【発売日】2008/09/06 前売り4,000円、当日4,500円
http://www.jetlag.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 17:20 | TrackBack

【書籍】テネシー・ウィリアムズ著「ストーン夫人のローマの春」 (1956年) (新潮文庫)

 テネシー・ウィリアムズの小説「ストーン夫人のローマの春(THE ROMAN SPRING OF MRS. STONE)」が初舞台化されます。ロバート・アラン・アッカーマンさん(通称:ボブさん)のブログで正式発表されました。

 演出はボブさん、脚本は『BENT』(など)のマーティン・シャーマンさんです。マーティンさんはthe companyのアソシエイトでもあるんですね。そして会場はパルコ劇場!さっそく原作をチェック↓ 

ストーン夫人のローマの春 (1956年) (新潮文庫)
テネシー・ウィリアムズ
新潮社
売り上げランキング: 335685

 ボブさんはヘレン・ミレンさんを主演に迎え、映画「ストーン夫人のローマの春」の監督をされました。色んな賞にノミネートされたんですね(ブログより)。
 その前に「ローマの哀愁」というタイトルで1962年に映画化されています。主演はビビアン・リーとウォーレン・ビーティ。これはDVDが入手できるようです。

ローマの哀愁 特別版
ローマの哀愁 特別版
posted with amazlet at 08.10.18
ワーナー・ホーム・ビデオ (2006-05-12)
売り上げランキング: 83527

 書籍はこちらもあるみたいです↓

ストーン夫人のローマの春 (1981年) (テネシー・ウィリアムズ小説集)
テネシー・ウィリアムズ
白水社
売り上げランキング: 572591

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 12:23 | TrackBack

2008年10月17日

ガバメント・オブ・ドッグス コントライブ『Refresh!』10/17-19三鷹市芸術文化センター 星のホール

 11年ぶり、だけど東京には初上陸のガバメント・オブ・ドッグスのコントライブです。合計12本で上演時間は気持ちのいい約1時間30分。

 ピリっとブラック・ユーモアが効いた、大人向けの知的な笑いがいっぱい。雰囲気は気さくで軽やかです。コントといっても勢いにまかせるタイプではないので、ゆったり、じっくり楽しめました。大人の男優さんの余裕のある(ように見えるんです)エンタメ精神もかっこいい。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Refresh!

 短編コントって音楽の1曲分みたいだなと思いました。決まったメロディーやリズムがあって、それをチームで奏でるんですよね。だから一言間違うと流れが崩れてしまいます。でも崩れたら崩れたで、そこからまた持ち直すのを見るのもライブの魅力です。
 柔らかな音色を楽しんだような気分になりました。幸せ♪

 ここからネタバレします。演目と出演者名は当日パンフレットより。

1オープニング
 出演:エディ/犬飼/水沼/土田/故林(中央)

 巨大なエクスクラメーション・マーク(!)が5本並んでいる美術。マークの長い部分が天井方向に上がって、下の四角い部分がイスになったのが素敵。

2冤罪漫画
 出演:土田/水沼/犬飼(弁護士)

3天才番組
 出演:エディ(小6)/故林(司会者)

4祝賀会
 出演:土田(フェンシング)/水沼

5セブンスリー
 出演:犬飼(独白)

 七三分けフェチ(オヤジ限定)の男の独白。絶品。

6親友ホテル
 出演:土田(客)/犬飼(フロント)/水沼(ボーイ)/エディ(支配人)

7ポジティブ1
 出演:エディ(ポジティブ)/土田/水沼/故林

8SPたち
 出演:犬飼/土田/エディ/水沼(店員)

9ポジティブメドレー
 出演:エディ(ポジティブ)/土田/水沼/故林/犬飼

10デザイアー
 出演:犬飼(アナウンサー)/水沼(解説)

 女にモテたいがためにかっこつけることが優先される高校野球。これが私にはNo.1。ネタとして最高に面白かったです。

11 守護ミス
 出演:エディ(守護霊?)/故林(作家)

(映像コント) 「消火より運動重視」
 出演:土田/エディ/水沼 

12聖戦
 出演:故林(隊長)/土田/水沼/エディ/犬飼


≪大阪、東京≫
出演:エディ・B・アッチャマン 犬飼若博 水沼健 土田英生 故林広志 
台本/故林広志 演出/水沼健  照明/葛西健一 音響/堂岡俊弘 音響操作/児玉菜摘 舞台美術/柴田隆弘 衣裳/権田真弓・大野知英[iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA] 映像/尾田一良・遠藤幹大・田中章義 舞台監督助手/磯村令子 舞台監督/浜村修司 宣伝美術/西山英和[PROPELLER.] 宣伝写真/清水俊洋・松本謙一郎 WEB/清水俊洋 制作協力/田平有佳 制作/垣脇純子・本郷麻衣 企画製作:有限会社キューカンパー
【発売日】2008/09/05 前売:一般3,000円/財団友の会会員2,700円 当日:一般3,500円/財団友の会会員3,150円 高校生以下: 1,000円(前売り・当日とも)【全席指定】
http://governmentofdogs.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:46 | TrackBack

2008年10月16日

【書籍】世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか(講談社)

 fringeで紹介されていたので読みました。佐藤久一(きゅういち)さんが映画館グリーン・ハウスを「世界一」と言わしめるほどの空間にしていく過程が感動的。あまりの献身っぷりに泣けてきました。「忘れ去られた」原因をたどっていくのはちょっと切なかったですけど。でも納得づくしでした。

 佐藤さんが中学生のころにたずねた高名な数学者・小倉金之助さんが、講義の合間におっしゃった言葉が引用されていました。

 「これからの日本をつくるきみのような若い者は、けっして専門バカになってはいけないよ。何をするにしても自分の専門的研究がどのような役割を社会で果たすのか、そのことをつねに意識しながら生きていきなさい。」(p.49部分引用)

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 17:47 | TrackBack

2008年10月15日

【稽古場レポート】the company『1945』10/08都内某所

20081008_keikoba.JPG
『1945』稽古場

 演出家ロバート・アラン・アッカーマンさん(通称:ボブさん)率いるthe companyの、新作・世界初演『1945(イチ・キュー・ヨン・ゴー)』のお稽古を拝見させていただきました。

 静かな緊張に満ちた稽古場でした。ボブさんの英語と薛珠麗さん(通訳)の日本語が、ほとんど同時に飛び交う状態。初日が近づいているからでしょうね。東京公演は10/25(土)開幕です。11/5(水)には新潟公演があります。

 ⇒演出家インタビュー
 ⇒ワークショップ写真レポート
 ⇒イープラス特集 ⇒民団新聞
 しのぶの演劇レビュー内・関連記事⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!『1945』 

20081008_bob_and_sit1.JPG
休憩中のボブさん(右)とシュレイさん

 大きなセットで出演者も多いため、この日は稽古場のロフト部分から拝見しました。メインキャストも揃っており、アンサンブルも一部を除き集合しています。
 私が見たのは第2幕の中の1場面。おそらくのべ20分間ほどのシーンが、数時間の内に何度も繰り返されました。

 まず、トランペット吹きの若い男を演じる瀬川亮さんの元気な声が響きました。体全体から弾けるように飛び出すセリフは、登場人物の背景や物語の筋道を一瞬で伝えると同時に、お芝居全体のリズムを作り出します。それに動きが敏捷で、階段を駆け上がる動作ひとつでも目を引くんですよね。2人で対話をする高橋和也さんとも息が合っているご様子。

20081008_scene.JPG
高い階段のあるセット

 パク・ソヒさんと中村ゆりさんのシーンでは、対照的なお2人の姿にニヤリ。パクさんは筋肉隆々のハンサムでいわば野生的な魅力をお持ちの男優さんです。でも言葉からそろりとにじみ出るのはそのナイーブさ。素直な子供のような弱ささえ漂います。対して中村さんは、か細い体にこれまた華奢な手足がすらりと伸び、まっすぐのロング・ヘアーが背中に落ちて、悲劇のヒロインにもぴったりの美女です。でもお腹の底から出てきた声の恐ろしさに、体がビクっと震えました。なんと強靭で、残酷な声!
 ほんの数分間の短いシーンでしたが、男女の駆け引きの醍醐味を味わえました。強さと弱さ、善と悪といった相反するものが瞬時に入れ替わるのです。このギャップがたまらない!

 『1945』には多人数のアンサンブルが出演します。その数は70人以上!終戦直後の闇市(black market)を表現するのです。第2幕では大勢が穴倉に隠れるようにして、舞台の2階部分の下にじっと待機しています。もちろんその間も自分が演じる役柄として存在していなければなりません。
 ボブ「地下の皆さん、大丈夫ですか?死にそうになったら声を掛けてください(笑)。」
 な~んてジョーク(?)が出るほど、体力的にも精神的にもタフな現場です。

20081008_black_market.JPG
闇市の人々

 稽古場は「待つ」場所でもあるんですよね。役者さんが自分の出番が来るまで待つというのもありますが、何度も繰り返し稽古が続く場合、舞台上にいて演技をしながら待つことにもなるのです。アンサンブルの方々がじっと静かに、動かずに暗闇に居ることで、空気の密度が高まっていたように思います。抽象的な言い方になってしまうのですが、空気が一段階上のレベルに届いていたというか、稽古場だけが建物からはずれて、ぽっこりと宙に浮かんでいるような錯覚をした瞬間がありました。

 山本亨さんの長いセリフはとても鋭くて、エロティック。簡潔な情景描写と、人物の感情をぐさりと刺すように伝える、濃厚な言葉を堪能しました。
 『1945』は芥川龍之介の「藪の中」を原作にした、“嘘”がうずまくロマンティック・スリラーです。登場人物のセリフでひとつ、胸にひっかかったのはこちら↓
 「死んでまで嘘つく奴なんていないでしょう。」
 さて、どうなのでしょうか。初日が楽しみです。

the company world premiere『1945』
【東京公演】10/25-11/03世田谷パブリックシアター 【新潟公演】11/05りゅーとぴあ劇場 
原作:芥川龍之介「藪の中」 脚本・演出:ロバート・アラン・アッカーマン 脚本・演出補:薛珠麗
http://www.thecompany-t.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:13 | TrackBack

2008年10月14日

彩の国さいたま芸術劇場『彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾 「から騒ぎ」』10/07-23彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

 蜷川幸雄さんが彩の国さいたま芸術劇場でシェイクスピア作品を演出するシリーズ第20弾は「から騒ぎ」。出演者全員が男優というオールメール・シリーズの第4弾です(過去レビュー⇒)。上演時間は約3時間(休憩15分含む)。

 昔も今も、人は恋をするし、罪を犯すし、つまらないことに一喜一憂して、あっという間に心変わりをします。観客と舞台上の役者さんとが一緒になって、思いっきり楽しい時間を過ごす、幸せな観劇になりました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『から騒ぎ
 レビューは2009年1/21に加筆。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 パデュアの若き貴族ベネディック(小出恵介)とメッシーナ知事レオナート(瑳川哲朗)の養女ビアトリス(高橋一生)は、会えば口論ばかりしている仲だった。ある時、ベネディックの主君ドン・ペドロ(大川浩樹)が異母弟ドン・ジョン(長谷川博己)との争いに勝利し、凱旋の途中で一行を連れてメッシーナに立ち寄るが、そこでベネディックの親友でこの度の戦で戦功を挙げたフローレンスの若き貴族クローディオ(長谷川博己)が、知事の跡取り娘ヒアロー(月川悠貴)に恋をしてしまう。ベネディックには勇猛果敢なクローディオの変心を理解できないが、ドン・ペドロは朴訥な彼に代わってこの恋をとりまとめ、ついでにベネディックとビアトリスをもくっつけてしまおうと考える。しかし一行に恨みを持つドン・ジョンがクローディオとヒアローの縁談を壊そうと企んだことから事態は意外な展開をみせ・・・
 ≪ここまで≫

 初舞台の小出恵介さんをはじめ、役者さんの個性を生かし、舞台でのびのびと楽しく生きることを優先した演出だったのではないかと思います。ドレスや軍服に身を包んだ男優さんたちは、自由に跳ねて、踊って、とにかく楽しそう。そのおかげで私もずっと楽しかったです。

 恋をして、天にも昇るほどの喜びに震えて、でもやがて悩み、怒り、心変わりして・・・という人間の裸の感情を、役者さんがひたすら正直に、熱心に、全身で表現してくださっていたように思います。だから演技が上手いとか下手とかは全然気にならなかったですね。恋に一喜一憂する姿がとにかく可愛らしくて、微笑みながらじ~んと感動していました。

 乳母役の方と神父役の方のセリフがわかりやすくて、意味も感情も伝わってきてとても良かったです。シェイクスピアの長いセリフはこうやって話してくださると嬉しいなと思いました。演じた方の名前は失念。ごめんなさい。

 ここからネタバレします。

 たくさんの石像の顔それぞれに照明が当たり、昔から人間は“から騒ぎ”してきたのだよと言ってくれているみたいでした。

 若いキャスト(小出恵介/高橋一生/長谷川博己/月川悠貴)とともに、無邪気に大暴れ(笑)してらした吉田鋼太郎さんが素敵でした。

≪東京、新潟、愛知、大阪≫ "Much ado about nothing"
出演:小出恵介/高橋一生/長谷川博己/月川悠貴/吉田鋼太郎/瑳川哲朗/手塚秀彰/青山達三/井手らっきょ/妹尾正文/岡田正/大川浩樹/高瀬哲朗/鈴木豊/清家栄一/高橋広司/今村俊一/福田潔/宮田幸輝/石田佳央/石井則仁/千田真司/下塚恭平/宮内克也
生演奏:サックス・クラリネット(松延耕資)、チュ―バ(木村仁哉)、パーカッション(古川玄一郎)
脚本:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:大島祐夫 衣裳:宮本宣子 音響:井上正弘 ヘアメイク:佐藤裕子 音楽:阿部海太郎 振付:広崎うらん 演出補:井上尊晶 演出助手:桐山知也 舞台監督:小林清隆 主催:財団法人埼玉県芸術文化振興財団 朝日新聞社 テレビ朝日 制作:財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ 企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
【休演日】10/9, 16 (木)【発売日】2008/06/21 S席 9,000円 A席 7,000円 B席 5,000円 学生席 2,000円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2008/p1007.html
http://shakespeare.eplus2.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:39 | TrackBack

映画「ダークナイト」10/13渋谷シネパレス

 バットマン・シリーズの最新作「ダークナイト」。⇒Yahoo!映画
 映画館に8回観にいった人の勧めで見に行きました。上映時間は約2時間30分。

 すごかった・・・。

 渋谷シネパレスでは10/19まで20:30~の1回のみ、やってます。
 レイトショーなので一般・学生ともに1,300円。

 映画館で見てよかったです。大きな画面でしか、たぶん受け取れなかった。 もう一度見るとしても映画館で見たいですね。自分の家のテレビで見ても意味が分からない気がする。

 終わって、エンドロールが始まって、 「いったい、この映画は、何だったんだろう」と色んなシーンを振り返っていたら、じわじわと涙がしぼり出されてきてしまいました。こりゃ最後まで立ち上がれなくて当然だ。

 ヒース・レジャーはやばかったです。死んじゃったなんて、なんてもったいない。

 ここからネタバレします。

 死の報復を止める方法を、ひとつ提示していたんじゃないかと思います。漫画「MONSTER」と似ているような。
 そして、嘘をつき通す勇気も。

 Because he is not our hero, he is a silent guardian, a wrathful protector, a dark knight.
 ↑友人が書いて送ってくれました。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:58 | TrackBack

2008年10月13日

tpt『いさかい』10/10-22ベニサン・ピット

 フランスの劇作家マリヴォーの1744年初演の戯曲『いさかい』を、毬谷友子さん主演で熊林弘高さんが演出されます。若いキャストによってフレッシュな現代劇のような印象も味わえました。上演時間は約1時間35分。現在TPTのTOPページに舞台写真あり。

 私が観た回は終演後に出演者全員が揃うポスト・パフォーマンス・トークがありました。10/20(月)19:00開演の回も終演後にトークがあります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『いさかい
 レビューは後ほどアップ予定。トークの簡単な記録のみアップしています。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 王子(塩野谷正幸)が恋人エルミアンヌ(濱崎茜)を森の奥へと誘う。
 王子の意図をはかりかねるエルミアンヌに対して、王子は今から、見せ物と称して一つの実験を見せるという。
 その実験とは、赤ん坊のころから他の人間と一切接触せずに育てられ、しかし普通の人間と同じ知性を持った二組の男女(毬谷友子&田島亮、渡辺真起子&藤沢大悟)を初めて外の世界に出し、その男女の間に生まれる恋愛感情、そして恋の駆け引きを観察しようというのだ。
 恋愛における「不実」は男から生まれるのか女から生まれるのか。その永遠の問いに決着をつけるべく、無邪気で残酷な実験が今、始まる。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:熊林弘高(演出)/木内宏昌(台本)/奥香織(マリヴォー研究)/出演者

 毬谷「(私が演じた)エグレは、川も、自分の顔も見たことがないような人間。目にするものすべてが初めてのもの。役作りについては狼少女をイメージしました。」
 毬谷「さら~っと読めば60分で漫画みたいに終わってしまう物語ですが、その行間を、セリフとセリフの間を考えるうちに(ここまで)できました。戯曲に身を任せている内にできていたというか。マリヴォーはすごいと思います。」

 毬谷「毎日、命を燃やして90分。緒形拳さんがおっしゃるように、まさに“不惜身命”。だから終わったらこのようにへとへとです(苦笑)。その人間として舞台で息をすると、それがお客様の心を動かせるんじゃないかと信じています。毎日お客様と一緒に作るので、やっていてスリリング。それが舞台。舞台は一期一会で、贅沢なもの。」
 毬谷「今回の衣装を手がける原まさみさんは夢の遊眠社『桜の森の満開の下』で、私が演じた夜長姫の衣装を作ってくださった方。」

 熊林「ガムテープで川を生み出すというアイデアは、毬谷さんがワークショップで出してくれたものです。」
 木内「カタカナを使わないというルールで台本を書きましたが。どうしても“キス”という言葉が残ってしまった。でも稽古場で俳優が“くちびるを押し当てる”などのアイデアを出してくれたので、最終的にはカタカナ言葉はすべてなくなりました。俳優が、彼ら(登場人物)は“キス”という単語を知らないのではないか、だからしゃべらないのではないか、と考えた結果です。」

「いさかい~la Dispute」Marivaux(1688~1763)
出演:毬谷友子 田島亮(後に芸名を田島優成とする。田島亮は本名。2010年11/3加筆) 渡辺真起子 藤沢大悟 濱崎茜 松平英子 杉内貴 藤川洋子 塩野谷正幸
脚本:マリヴォー 訳:阿部崇/小溝佳代子 台本:木内宏昌 演出:熊林弘高 装置:池田ともゆき 照明:井内眞 衣裳:原まさみ 音響:長野朋美 ヘア&メイクアップ:鎌田直樹 舞台監督:中瀬古靖
【発売日】2008/07/01 全席指定 6,000円 学生3,000円(TPTのみ取り扱い)
http://www.tpt.co.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 18:41 | TrackBack

2008年10月12日

青山円劇カウンシル#2 ~Relation~ONEOR8プロデュース『思い出トランプ』10/10-19青山円形劇場

 故・向田邦子の短編小説集『思い出トランプ』を、ONEOR8の田村孝裕さんが1つの物語へと脚本化し、演出されます。主演はデビュー10周年を迎えて今回初舞台を踏む田中麗奈さん。

 上演時間は約1時間50分。カーテンコールが2回。観客の私も勝手に心温まってしまった、良い初日でした。

 ⇒田中麗奈さんにインタビューさせていただきました。
 ⇒原作本のご紹介
 ⇒CoRich舞台芸術!『思い出トランプ

 ≪あらすじ≫
 英子(田中麗奈)は6歳の息子をもつ主婦。姑(根岸季衣)と夫(野本光一郎)と子供との4人暮らしだが、ある事故をきっかけに実家へと帰ることになる。実家では、急な病気で弱気になっている父(山口良一)と、今も昔も変わらずマイペースで元気な母(阿知波悟美)が暮らしており、英子の姉(和田ひろこ)がよく出入りしている。家族ぐるみで付き合いのある今里夫妻(八十田勇一&宮地雅子)の間には、近ごろすきま風が吹いているらしい。
 ≪ここまで≫

 円形劇場の中央部分と、客席のおよそ4分の1が舞台として使用されていました(形としては前方後円墳のような)。主な演技スペースはたたみの部屋、台所、洋間の3つ。その中央にすべてをつなぐ廊下があり、周囲には家の縁側と庭があります。壁や戸は枠だけで透けていますので、見通しがとても良いです。

 『思い出トランプ』の中から「大根の月」「だらだら坂」「花の名前」「かわうそ」の4作品が主に取り上げられているそうです(Weeklyぴあ10/16号より)。よくもこんなに上手く組み合わさったものだと感心しきり。微笑ましいギャグも挟みつつ、たわいない日常会話から人々の心の揺れを丁寧に描きます。装置のトリックに驚かされたり、じっくり考える時間も持てました。充実の観劇でした。 

 原作を読んだ時の第一の感想が「この本は・・・怖いっ!」だったので(笑)、もっと怖くてもいいんじゃないかと思うシーンがチラホラありました。例えばもっと怒る演技があってもいいんじゃないか、とか。個人的な感覚ですけどね。

 ここからネタバレします。

 冒頭から驚かされました。まさか英子の息子・健太(恩田隆一)が登場するとは思ってもみませんでしたから。健太は無事に大人になり(人差し指の先はありませんが)、妻(冨田直美)もいます。祖母(つまり英子の姑)の通夜から始まり、健太の回想として「大根の月」のエピソード(英子の話)が始まったのは、非常にスムーズな導入でした。“昭和の昔話”というパッケージを外側から楽しむのではなく、観客は現在の視点のままで物語に入り込んで味わうことができました。30歳の健太が6歳の健太を演じるのも効果的でした。

 異なるエピソードで場所を共有する演出は、舞台ならではの楽しみです。ひとつの部屋が、使う人によって違う空間になります。別のシーンに出ているはずの役者さんが、廊下で自然にすれ違うのはスリリング。姑同士がたたみの居間でにらみ合うシーンは、英子の嫁ぎ先なのか実家なのかがしばらくわからなくて、どきどきしました(衣装をよく見たらわかりました)。
 英子の母が手土産の芋ようかん(ですよね?)を、渡さずに持ち帰ってしまったのには笑いました。

 登場人物全員が舞台に同時に出て、音楽に合わせて演技をしながら歩き回るシーンは良いアクセントになりました。バラバラと動き回っていた人々が突然静止し、一人ずつにスポットライトが当たるのもリズミカル。群像劇として観る準備もできました。

 主役の英子を演じられた田中麗奈さんは、そこに本当に存在することを大事にされているように感じました。小さな背中から怒りや悲しみが伝わってきたのが良かったです。
 今里の妻(宮地雅子)がすごくセクシー!宮地さんのエレガントな大人の色香は、舞台では初めて拝見したかも。
 今里の愛人つわ子(中島愛子)が着ていた、だらりと無防備に胸元が開いたV襟のニットには、泥臭さ漂うエロスがあり、つわ子が暴れる度に可笑しいやら悲しいやら。

 ラストは現在の通夜のシーンでした。昼の(大根の)月は空に浮かんでおり、英子は「一番大切で、一番おぞましい」健太のもとに戻ったという、オリジナルの結末になっていました。健太が「子供を作ろうと思う」という決意をしたことで、時代は変わっても“家族(血族)”は未来へと続いていくという、時間の広がりを感じられました。

出演:田中麗奈 根岸季衣 八十田勇一 宮地雅子 弘中麻紀 中島愛子 野本光一郎 恩田隆一 和田ひろこ 冨田直美 阿知波悟美 山口良一
原作:向田邦子(新潮社刊) 脚本・演出:田村孝裕(ONEOR8) 舞台美術:香坂奈奈 音響:今西工 照明:伊藤孝(ART CORE design)衣裳:遠藤百合子 ヘアメイク:山本成栄 舞台監督:村岡晋 演出助手:城野健 照明操作:西山真由美 音響操作:飯嶋智 演出部:高嶋伶奈(らくだエ務店) 伊藤俊輔(ONEOR8) 熊木進 衣裳部:福田千亜紀 大道具製作:夢工房 小道具:高津映画装飾 美術協力:C-COM舞台装置 J.Flower Market 植吉 運搬:帯瀬運送 宣伝美術:美香(Pri-graphics) 宣伝美術協力:檜本マリコ 印刷:多田印刷 舞台写真:山本圭二 制作助手:斉藤友紀子 制作補:安元千恵 制作:岡本愛子 プロデューサ一:高田雅士 椎名浩子 エグゼクティププロデューサー:志茂聰明 松田誠 特別協力:向田和子 企画協力:Bunko 企画・制作:ONEOR8 主催:こどもの城青山円形劇場 ネルケプランニング
【発売日】2008/09/13 前売5,500円、当日6,000円(全席指定・税込)
http://www.oneor8.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 19:46 | TrackBack

東宝『私生活~Private Lives~』10/03-31シアタークリエ

 内野聖陽さん、寺島しのぶさんらによる4人芝居。1930年代の戯曲なんですね。華やかなスターの競演を、休日の日比谷でのんびり楽しみました。上演時間は約2時間45分(途中20分の休憩を含む)。

 ※最近だと2006年に『プライベート・ライヴズ』というタイトルでパルコ劇場で上演されていますね。私は残念ながら観られず。

 ⇒CoRich舞台芸術!『私生活

 ≪あらすじ≫
 エリオット(内野聖陽)は年下の妻シビル(中嶋朋子)とフランスの避暑地・ドーヴィルに新婚旅行に出かけた。リゾート・ホテルの隣りの部屋にいたのはなんと、エリオットの前妻アマンダ(寺島しのぶ)。アマンダもまた新しい夫ビクター(橋本じゅん)との新婚旅行中だったのだ。
 ≪あらすじ≫

 酸いも甘いも知り尽くしたはずの大人の男女が、またもや恋愛に振り回されるコメディー。大ゲンカをしたかと思ったら、すぐに甘いキスを交わす愛らしい男女を見て、人の感情はほんの一瞬間で変化するものだな~と再確認。自分も上手に気持ちをコントロールしたいなと思いました。恋心を無くすなどは無理でも、なんとなくふさいだ気持ちを明るくすることはできるんじゃないかしら。

 衣裳が美しかった~・・・・着こなしも見事で、特に女優2人のドレス姿にはうっとりです。
 客席数600の大きな劇場ですが、舞台上に2人っきりのシーンでも全然広く感じませんでした。

 ここからネタバレします。

 エリオットとアマンダは出会った途端に愛を再燃させて逃亡。2人はアマンダが持つパリのアパルトマンにしけこみます。ホテルのバルコニーからシックな内装のアパルトマンへと装置が変わるのは、高価なお芝居ならではで嬉しい。

 エリオットとアマンダはケンカになるのを避けるために、「クリストファー・コロンブス(省略するとクリーブス)」という合言葉を言えば2分間沈黙するというルールを作ります。その休戦の間にコロっと気持が変わるのです。歌や音楽の効果も絶大(クリーブスを何度も繰り返すと効果がなくなってくるのですが・・・)。

 内野聖陽さんと寺島しのぶさんのデュエットは、お2人の個性があまりにはっきりと鮮やかなので溶け合わず(笑)、それはそれで非常に聴きごたえがありました。息が合っていても歌声は共鳴しない。これはエリオットとアマンダの関係とも重なるような・・・ってこじつけ過ぎかしら(笑)。

 アパルトマンで鉢合わせした4人は、コーヒーを飲んで当たり障りのない話をしようとしますが、結局は大ゲンカに。でもエリオットとアマンダではなく、ビクターとシビルがののしり合いを始めるのです。最後はエリオットとアマンダが部屋から抜け出し、ビクターとシビルが熱いキスをして終幕・・・なんてこった(笑)。そうなるだろうとは予想していましたが、実際に熱演(ケンカ&キス)するお2人を見て、じんわりと暖かい気持ちになりました。

 アマンダが終盤に着ていた白いスーツとファー付きコート(襟、袖、裾に毛皮が豪華に付いている)が素晴らしかったです。
 たぶんエリオットが30歳、シビラが23歳、ビクターが35歳だったかな。アマンダはそうなると28歳ぐらいかしら。

出演:内野聖陽 寺島しのぶ 中嶋朋子 橋本じゅん 中澤聖子(アマンダのアパルトマンの召使ルイーズ役)
脚本:ノエル・カワード 演出:ジョン・ケアード 翻訳:松岡和子 美術:二村周作 照明:中川隆一 音響:本間俊哉 衣裳:小峰リリー ヘアメイク :宮内宏明 ファイティング:渥美博 演出助手:鈴木ひがし 舞台監督:八須賀俊恵 通訳:鈴木なお 製作助手:竹岸実夏 プロデューサー:小林香 スーパーヴァイザー:田口豪孝
【発売日】2008/07/12 10,500円 ※未就学児の入場不可
http://www.tohostage.com/private/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 17:27 | TrackBack

2008年10月11日

開幕ペナントレース『振り返れば俺がいる』10/08-13 OFF OFFシアター

 開幕ペナントレースは村井雄さんが構成・演出を手がけるパフォーマンス集団です。2006年から路上パフォーマンスを始め、今は劇場でも公演を行っているんですね。来年夏はニューヨーク公演を予定。

 黒い素舞台に、アフロ・ヘアーに半そでTシャツがトレード・マークの元気な男子が7人。上演時間は約1時間5分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『振り返れば俺がいる

 コスチュームは全員統一で、薄いピンクの半そでTシャツに、ニーパッドと膝までの灰色の短パン、そしてアフロ・ヘアー。コント集のように短編を上演していきます。暗転やダンス(?)が間に挟まったりも。特に順序や脈絡などは大事ではなさそう。個人的には、観客の笑い待ちをしているのかなと、気持ちが冷めてしまう間が多かったです。

 全員で声を合わせて叫ぶネタが面白かったです。バカなことに必死になっている男子って、愛らしいですよね。意味を通り越して全員で熱くなっているシーンは独特で面白いと思ったので、そこはもっと観たいと思いました。1時間だけのパフォーマンスなら、「こんなにやったら、燃え尽きちゃうんじゃない!?」と心配になるぐらいの熱さを見せてほしい気もしました。

 ここからネタバレします。

 「ロミオとジュリエット」を題材にしていましたが、ロミジュリである必要性は感じませんでした(こだわりはないのかもしれませんが)。男女の恋愛だったら、セリフにあった出演者の初恋の人(実物)をネタにしてくれた方が私は楽しめたんじゃないかと思います。

 便器の全身スーツを着た人(卓球ネタでも中央)が目を引きました。山本太郎さんのメロリンQを思い出した(笑)。高崎拓郎さんか、荒井太郎さんだと思います。残念ながら、どなたなのかはわからないキャスト表でした。
 大窪祐々さんが「サーカスで~~おろち~~」と何度も言うシーンがあって、言い方は劇画タッチで聴きごたえがあったんですが、私にはセリフの意味がわからなかったです。

 笑ったのは「ナイス混声合唱団!」というひとこと。だって男子だけだから混声じゃない(笑)。 
 アニメ「銀河鉄道999」の主題歌(唄:ささきいさお⇒音が鳴ります)が流れて“鉄郎”と“鉄ロミオ”がつながったのは面白かったです。

出演:高崎拓郎 大窪祐々 荒井太郎 村井雄 添野豪(ダムダム弾団) 寺本勲(青二プロダクション) 大森智治(七里ガ浜オールスターズ) ※藤原勝也は降板。
【構成・演出】村井雄 【音響】井上直裕(atSound)【照明】小川伊久馬(SECT)【舞台監督】吉田慎一(Y's factory)【衣装】西山紀美枝(wakame.miso) 【音響オペレーター】楠瀬ゆず子(Sound Cube) 【選曲】村井雄 【宣伝写真】猪又直之 【舞台美術】開幕ペナントレース 【当日受付】中田明佳 【制作】開幕ペナントレース事務局
【発売日】2008/08/15 前売 2500円 当日 2700円 全席自由・整理番号付き
http://www.kaimakup.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:00 | TrackBack

2008年10月09日

DULL-COLORED POP『JANIS -Love is like a Ball and Chain-』10/08-13タイニイアリス

 谷賢一さんが作・演出されるDULL-COLORED POP(ダル・カラード・ポップ)が、ジャニス・ジョップリンの最後の一ヶ月を描く、演劇とロックバンドが一体化した作品をタイニイアリスで上演中です。

 とにかくジャニス(武井翔子)の歌が凄い!前売り2000円+500円(1ドリンク)でこの歌が聴けるなら、かな~りお得です。ジャニス・ファンは必聴ですね。

 上演時間は約2時間15分(休憩なし)。全席自由で前方は背もたれはあるものの桟敷席ですので、お早めに劇場に到着されることをお薦めします。

 ⇒CoRich舞台芸術!『JANIS』★CoRichでカンタン予約!
 ※予約前にタイムテーブルをよくご覧ください。Livehouse Dayは客席での飲食・喫煙OKという驚くべきステージです。タバコが苦手な方はどうぞご注意ください。私はその日を避けたのですが、それでも全身が燻された気分に・・・(苦笑)。

 レビューをアップしました(2008/10/12)。

 タイニイアリスの黒い素舞台にドラムとギター、ベースのバンドセットが鎮座し、客席上手にはバー・スペースがせり出しています。生演奏が多数あり、舞台奥の壁には歌詞の日本語訳が映写されます。これがとても良かった。歌に夢中になって読めない時もありましたが、それはそれで問題なし。

 ジャニスの生き様と歌(の歌詞)とをうまくつなげた脚本でした。生き(死に)急ぐ彼女の気持ちと、彼女を精一杯愛すからこそ一緒にはなれない周囲の人々。ジャニスが選んだ破滅の道はやはり魅力的だと、歌う姿を生で見ることで実感できました。

 上演時間が1時間30分ぐらいだったら、さらに良かったのにな~と思いました。瞬間を燃え尽きるように生き抜いたジャニスのように、評伝劇もあっという間だったらいいんじゃないかしら。再演があったら絶対行きたいですね。今度はお友達を連れて。またあの歌が聴きたい。

 私が持っているジャニスのCDはこの2枚。どちらかというと「Pearl」の方が好きです。

チープ・スリル
チープ・スリル
posted with amazlet at 08.10.10
ジャニス・ジョプリン
Sony Music Direct (2004-08-04)
売り上げランキング: 36524
Pearl
Pearl
posted with amazlet at 08.10.10
Janis Joplin
Sony Mid-Price (1999-09-02)
売り上げランキング: 28019

 ここからネタバレします。

 ジャニスとバンドメンバー(岡部雅彦、新戸崇史、千葉淳)以外に登場するのは、プロデューサーのポール(齋藤豊)、衣装デザイナーで親友のリンダ(堀奈津美)、フィアンセでヤクの売人のセス(中村祥)、女の恋人ペギー(桑島亜希)、ホテルのベルボーイ(清水那保)、そしてスタジオの近所にあるバーのマスター(影山慎二)です。

 セスと努力してうまく付き合っていたジャニスですが、アルバムの収録が進むにつれて2人の間の溝は深まっていき、セスはペギーと関係を持つようになります。最初はペギーのことを邪険に扱っていたジャニスですが、終盤では反対に自分が疎外されるようになりました。
 ベルボーイにたばこを買いに行かせ、ジャニスはそのお釣りを手にして死んでいたというのは切ない最期ですよね(死因はヘロインのオーバードーズ)。ジャニスの無様な寝顔(死に顔)を見て「路上にいる浮浪者にそっくりだ」とベルボーイがいじわるそうにつぶやきます。浮浪者についても冒頭でもジャニスが語っていましたので、最初と最後でループする構造になっています。うまく考えてあるな~と思いましたが、これも全体をコンパクトにすればもっと効果が出るんじゃないかしら。

 ジャニスがホテル(自室)のソファに座って、登場人物に囲まれながら“Ball and Chain”を歌い始めたのがとても良かったです。
 「Pearl」に収録されるはずだった最後の曲『Buried Alive in the Blues(生きながらブルースに葬られ)』をライブで聴けるのって、もしかしたら貴重なのかしら?胸に響く曲でした。歌詞も良かった。

第7回公演アリスフェスティバル'08参加作品
出演:武井翔子、清水那保、堀奈津美、岡部雅彦(ギター)、影山慎二、桑島亜希、齋藤豊、新戸崇史(ベース)、千葉淳(ドラム)、中村祥
作・演出: 谷賢一 / 舞台監督: 横川奈保子(Y's factory) / 照明: enjin-light 富所浩一/ 音響: 長谷川ふな蔵 / 音楽監督: 伊藤靖浩 / 編曲: 新戸崇史 / 衣裳: 中埜愛子 / 舞台美術: あの子(Upper Gold Reason Aroma) / 宣伝美術: 鮫島あゆ×堀奈津美(*rism) / 演出助手: 陶山浩乃、永岡一馬 / 制作: 吉水恭子(芝居や風雷紡) 鮫島あゆ&クレイジービーンズ
【発売日】2008/09/01 ☆前売: 2000円+1Drink ☆当日: 2500円+1Drink (※1Drink = 500 yen)
<割引>* 学割: 大学生500円引き、高校生以下1000円引き(前売・当日ともに。要証明証提示) * 初日割引: 10/8(水)に限り一律500円引き(学割との併用可) * リピーター割引: 二回目以降は一律1000円+1 Drink(要半券提示)
http://www.dcpop.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:50

新国立劇場オペラ『トゥーランドット』10/01-15新国立劇場オペラ劇場(オペラパレス)

 プッチーニのオペラ『トゥーランドット』は、プロスケーターの荒川静香さんが楽曲「誰も寝てはならぬ」を使用したことでも、最近はよく話題になっているようですね。私はストーリーも音楽も大好きなので数回観ています(関連レビュー⇒)。

 久しぶりのオペラ鑑賞でしたが、私には演出の意図が汲み取れず・・・。初心者向けではないと思いますね。トゥーランドット役のイレーネ・テオリンさんは素晴らしかった!

 ⇒CoRich舞台芸術!『トゥーランドット

 西洋の街のどこかでお祭りの催しとして「トゥーランドット」が上演されるという設定でした。いわゆる劇中劇のスタイルです。舞台の周囲をぐるりと囲むように大勢のコーラスが舞台上にいて、オペラの豪華さを味わえました。でも次第にその印象は変化しました。

 メインキャストが仮面を被って登場します。なぜ被るのか、なぜはずすのかがよくわかりませんでした。
 道化のアクロバットがクローズ・アップされており、数人がピン、ポン、パンとセットになって活躍します。だからピン、ポン、パンが誰なのか終盤になるまでわかりませんでした(涙)。ソロで歌う女官も誰が歌っているのかわからず。出し物を見物する民衆、もしくは脇役として、コーラスの人々がずーっと舞台上にいつづけるのは、物語を理解することの弊害になっていたのではないでしょうか。どこを見たらいいのかがよくわかりませんでした。
 
 カラフの狂気の愛、リューの命がけの献身、そしてトゥーランドットの改心といった劇的な要素そのものをたっぷり見せていただければ、それで充分以上だと個人的には思います。 

 トゥーランドット役のイレーネ・テオリンさんは、そこに居るだけで「女王」であることがわかる見事な佇まい。歌にも余裕が感じられました。リュー役は私が観た回については力不足だったように感じました。

 ここからネタバレします。

 幕開けはなんと5分間の無言劇でした。移動遊園地のようなセットで、綿菓子、アイスクリーム、駄菓子の屋台が並び、人々がお祭りを楽しんでいる演技を続けます。こんなのは(私は)オペラでは初めて!序曲が始まったときは興奮で鳥肌が立ちましたね。黒、灰色などのモノトーンから赤、黄色を基調とした中国風の明るい色彩にあっという間に変化したのもかっこ良かった。

 “TURANDOT”の文字が塗られた豪華な山車が登場して、カーニバルの見世物としての歌劇が始まった時はなるほどと思いましたが、劇中劇として「トゥーランドット」を表現することで、世界がある箱の中に小さく収まってしまいました。装置がそのまま終幕まで進んでしまったのも物足りなかったです。でもそれも演出意図だったのでしょう。

 新国立劇場eメールClubからのメールによると「幻想的な物語の世界と、プッチーニ自身の人生がオーバーラップするブロックハウスの斬新な演出に注目です!」とのこと。ヨーロッパで上演されるなら観客もすっかり成熟していることでしょうし、オーソドックスな上演はもう飽きられているかもしれませんから、問題なく受け入れられるのかもしれませんね(予想に過ぎませんが)。
 こういうライブ映像(2008/10/14まで)を観る限りでも、日本との違いを身にしみて感じます。悲観的な気持ちは全くないですが、駅での無料ライブ・オペラを上品に楽しめるような状況は東京にはない気がします。

新国立劇場2008/2009シーズンオープニング作品“TURANDOT”
出演:【トゥーランドット】イレーネ・テオリン 【カラフ】ヴァルテル・フラッカーロ 【リュー】浜田理恵 【ティムール】妻屋秀和 【アルトゥム皇帝】五郎部俊朗 【ピン】萩原潤 【パン】経種廉彦 【ポン】小貫岩夫 【官使】青山貴 【クラウン】ジーン・メニング 【合唱】新国立劇場合唱団 【児童合唱】NHK東京児童合唱団 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【作曲】ジャコモ・プッチーニ ※フランコ・アルファーノが補筆【台本】ジュゼッペ・アダーミ&レナート・シモーニ【指揮】アントネッロ・アッレマンディ【演出】ヘニング・ブロックハウス【美術・衣裳】エツィオ・トフォルッティ【照明】ヘニング・ブロックハウス【舞台監督】大澤裕【芸術監督】若杉弘【演出助手】田尾下哲 ほか
S席26,250円 A席21,000円 B席14,700円 C席8,400円 D席5,250円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000054_opera.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:24 | TrackBack

【演劇教育】NPO法人フリンジシアタープロジェクト「環境警察2208 in 東京」10/15-19参加者募集中!(小・中学生)

 小・中学生向けの演劇ワークショップのご案内です。地球の環境をテーマに子供たちが演劇創作をします。講師は京都の劇団衛星の方々。「演劇で学ぼう!」は日本全国で実施されてきた企画です(⇒演劇で学ぼうとは)。

 「環境警察2208」は参加者が23世紀の“環境警察”の一員となって、200年前(つまり21世紀現在)の地球のことを考えるという設定です。子供たちがその場で創作するので、ストーリーも結末も地域によって変わってくるのでしょうね。面白そう!
 10/19(日)の発表公演「環境警察2208」と、その後に開催されるシンポジウムには私も伺いたいと思っています。

■北とぴあ演劇祭2008参加企画「環境警察2208 in 東京」(公式サイトより)

会場:王子小劇場
講師:劇団衛星 ほか

日程:10月15日(水)17:30~20:30
      16日(木)17:30~20:30
      18日(土)10:00~13:00
      19日(日)11:00~ リハーサル
            13:00~ 発表公演「環境警察2208」
            14:00~ まとめ会&シンポジウム
            15:30解散予定

3日間のワークショップで、劇団員とともに環境問題をテーマにしたお芝居を作成します。
対象:小学・中学生 定員:30名 参加費:無料

只今、参加者募集中!
発表公演も入場無料!こどもたちの演技をぜひ観に来てください!

10月19日13時~『発表公演「環境警察2208」』
会場:王子小劇場

※発表会終了後、シンポジウムを開催します。
「環境教育におけるコミュニケーションティーチングについて」
シンポジウムスピーカー:蓮行氏(劇団衛星代表)
  蓮池奈緒子氏(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)
  藤川大祐氏(千葉大学教育学部教授)

主催:NPO法人フリンジシアタープロジェクト
協力:劇団衛星 きたく子ども劇場
助成:独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金

お問合:NPO法人フリンジシアタープロジェクト
TEL・FAX:075-724-6502 Mail:info(アットマーク)fringe-tp.net

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:21 | TrackBack

2008年10月07日

ナイロン100℃『シャープさんフラットさん』【ブラックチーム】09/15-10/19本多劇場

 ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが作・演出するナイロン100℃の新作です。ケラさんは新作続きで、また12月も新作ですよね?すごいな・・・。補助席もずらりと出ていました。当日券はあるみたいです。

 ダブルキャスト2本立てで、私が拝見したのはブラックチームです。上演時間は約2時間45分(休憩なし)。「長い!」と言うのには、もう飽きました(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『シャープさんフラットさん

 ≪あらすじ≫
 1990年代初頭の景気のいい日本。辻煙(つじ・けむり:大倉孝二)は東京から車で3時間ほど離れた、豪華サナトリウムに滞在している。彼の職業は脚本家。ある事情があって、誰からも連絡がつかないように1人でこもっているのだ。
 ≪ここまで≫

 両方とも豪華キャストですね。大倉孝二さんと三宅弘城さん以外は全員どちらかのバージョンにしか出演されませんので、全く違う作品になってそうです。
 映像と舞台を融合させた演出がまた進化していて、わくわくしました。

 自分が可笑しいと思うことが、必ずしも誰にでもウケるわけではない。これは仕方がないですよね。他人と笑いを分かち合えたら嬉しいし、そもそもウケなければ売れません。これにも納得できます。でもウケを狙って自分の好きな笑いとお別れしてしまうと、それは人生が面白くなくなる気がします。
 何事も追及していくと、時と場所をわきまえるとか他人を思いやるといった、自分と周囲とをなめらかにつなぐための何かを、自ずと放棄せざるを得なくなる気がします。タガをはずすというのかしら。このお芝居の場合だと、笑いが他人を傷つけたり・・・。何が正しいとか間違っているとかじゃなく、自分がどう戦っていくのかを考える時間になりました。

 サナトリウムの従業員を演じていた坂井真紀さんは、まゆを太い目にメイクされていたのではないでしょうか。パっと見た時に大阪の「くいだおれ人形」に見えて、そう見えた自分が可笑しくて笑ってしまいました。坂井さんは弱々しげなのに、時々妙~に強くなったり、誰かのために必死にどたばたしても、かえって失礼なことをしでかすのが、とても面白かったです。

 ここからネタバレします。

 辻煙(大倉孝二)が赤坂弥生(峯村リエ)と、劇団の過去作品のタイトルやその内容を楽しそうにしゃべるところが、可笑しくて、悲しくて、泣けてきました。後から何度もこのネタを思い出して一人で笑ってしまいました。カフカとか。
 あとは「日体大の教師(なぜか背むし)」が可笑しかった。

NYLON100℃ 32nd SESSION 15years Anniversary -ダブルキャスト2本立て興行-
出演【ブラックチーム】(ホワイトチーム):大倉孝二(三宅弘城) 犬山イヌコ(村岡希美) みのすけ(清水宏) 峯村リエ(松永玲子) 長田奈麻(安澤千草) 植木夏十(六角慎司) 喜安浩平(藤田秀世) 大山鎬則(皆戸麻衣) 廻飛雄(吉増裕士) 柚木幹斗(眼鏡太郎) 水野顕子(杉山薫) 三宅弘城(大倉孝二) 小池栄子(新谷真弓) 坂井真紀(佐藤江梨子) 住田隆(廣川三憲) マギー(河原雅彦)
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 美術:BOKETA 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:水越佳一(モックサウンド) 音楽:三浦俊一 映像:上田大樹(&FICTION!) イラスト(切り絵):古屋あき 衣裳:松本夏記(ミシンロックス) ヘアメイク:武井優子 演出助手:山田美紀(至福団)・相田剛志 舞台監督:山矢源(ダイ・レクト) 記録スチール:引地信彦 宣伝美術:雨堤千砂子(wagon) 宣伝美術コーディネート:モリタダシ(Homesize) 宣伝写真:江隈麗志 宣伝衣裳:堀口健一(フロムアップ) 宣伝ヘアメイク:山本絵里子、浅沼靖 宣伝イラスト:野中和美、おがわまさひろ、山本浩子 宣伝CG協力:BOKETA プロデューサー:北牧裕幸、高橋典子 制作:北里美織子、太斎志保、佐々木悠 制作協力:馬場順子、花澤理恵 高比良理恵 広報:米田律子 制作:キューブ 企画・製作:シリーウォーク
【発売日】2008/08/09 6,800円(全席指定・税込) ※バージョンセット券 12,000円(全席指定・税込)《cubit clubのみの期間限定取扱い》  cubit clubでの予約には会員登録(無料)が必要です。http://www.sillywalk.com/nylon/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:11 | TrackBack

【お知らせ】CoRich舞台芸術!「注目インタビュー・田中麗奈」2008年10月

 女優の田中麗奈さんにインタビューさせていただきました。
 麗奈さんの初舞台となる『思い出トランプ』は10/10(金)開幕です。残席少ないそうですので、気になる方はお早めにチケットをゲットしてくださいね!

 ⇒原作本のご紹介
 ⇒CoRich舞台芸術!『思い出トランプ

Posted by shinobu at 16:37 | TrackBack

劇団俳優座『スペース・ターミナル・ケア』10/04-12紀伊國屋ホール

 坂手洋二さんが俳優座に新作を書き下ろされました。演出は栗山民也さんです。お2人のコンビは『ピカドン・キジムナー』以来7年ぶり。タイトルはスペース・ターミナル(宇宙ステーション)とターミナル・ケア(終末期医療)をかけたものです。

 演技のスタイルはいわゆる“新劇”でしたが、私たちが今、生きているこの瞬間を、舞台と客席とが一体になって実感できる素晴らしいお芝居でした。上演時間は約2時間45分(途中1回の休憩を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『スペース・ターミナル・ケア

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 ターミナル・ケア(終末医療)を行うホスピスを舞台にした坂手洋二の書き下ろし作品を栗山民也演出で俳優座が贈るこの秋の話題作
 「終末期医療」を受けることになった、ある夫婦癌と診断されてショックを受ける20代の女性、がん診断初期から積極的治療として「緩和ケア」を受ける少年、ケアの中心となる先輩医師と後輩の女医、彼らとともに働くチーム、医療過誤を疑う患者の姿などが描かれる中で判明する先輩男性医師の末期がん。人生の終末を意識しながら、本人と周囲の人たちがどのように生きるか、どのようにお互いに向き合うかを描く。
 ≪ここまで≫

 現代西洋医学では、がんを完治できる治療方法(特効薬)は見つかっていません。末期がんに侵された患者は、治る見込みがないまま予言された“余命”を生きることになります。ホスピスの舞台で、パジャマを着た役者さんが対話をして伝えてくれるからこそ、身になる知識が得られる気がします。

 少々くどく感じる説明ゼリフがないわけではありませんが、永井愛さんがおっしゃっていたように、人間の日常会話はほとんどが説明だったりするのです。それに、演劇はそもそも“嘘”ですからリアルである必要はないと思います。観客一人ひとりが、自分の中でリアルを受け取れば良いと思います。少なくとも私は、清潔なホスピスでもがく患者と医師たちの苦悩や小さな喜びを、自分のこと(自分の家族のこと)のように感じ取れました。

 患者の子役の薄衣峻平さんが素敵でした。元気な看護士役の森尾舞さんも魅力的。

 ここからネタバレします。

 余命を宣告された人と、介護をする人間がどうやって一緒に生きていくのか。介護する人へのアドバイスのひとつとして「問題が起こっても、許すこと」というセリフがありました。許せる人間になりたい。

 100年後はがんの特効薬ができているかもしれない。だからこの宇宙船(ホスピス)に乗って100年後に行こう。そしてがんを治したら、未来のタイムマシンに乗ってここに帰ってくればいい。夕陽が美しいたそがれの時間に出発して、同じ時刻に戻ってくれば、つまりこの夕陽は永遠なのだ。永遠の6時40分。時を越えて、今、ここに生きる。―永遠の一瞬が舞台にありました。

劇団俳優座・現代劇作家連続公演
出演:加藤佳男/田野聖子/川井康弘/若尾哲平/森尾舞/太田亜希/川口啓史/片山万由美/阿部百合子/田中茂弘/小澤木の実/薄衣峻平(劇団ひまわり)/佐藤あかり/星野元信/松島正芳
※高山真樹は体調不良のため、片山万由美に配役変更。
脚本:坂手洋二 演出:栗山民也 美術:松井るみ 照明:勝柴次朗 音響:小山田昭 衣裳:若生昌 演出助手:眞鍋卓嗣 舞台監督:関裕麻 制作:下哲也 高橋かずえ
【発売日】2008/09/01 一般5,250円 学生3,675円 ※11月公演「春立ぬ」との一般セット券9,200円 学生セット券6,500円(但し俳優座のみの取扱い)
http://www.haiyuza.sakura.ne.jp/info/200810.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:03 | TrackBack

2008年10月06日

shelf『Little Eyolf― ちいさなエイヨルフ ― 』(名古屋公演直前の通し稽古)10/06都内某所

 矢野靖人さんが構成・演出を手がける劇団shelf(シェルフ)の稽古場にお邪魔して、『Little Eyolf』の名古屋公演直前の通し稽古を見学させていただきました。

 利賀演劇人コンクール2008にて、『Little Eyolf』に出演された川渕優子さんが最優秀演劇人賞を受賞しています。
 衣裳なし、照明なしの通し稽古でも、川渕さんの存在感は堂々としていてギラギラと鮮やか。受賞の意味がよくわかりました。名古屋公演は七つ寺共同スタジオで10/09(木)~13(月)です。上演時間は約60分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Little Eyolf』★CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 町から離れたフィヨルドの近く、アルメルス邸で起きた1日半の出来事ー
 両親の過失で足に障害を持ったエイヨルフ。 
 父親アルメルスの息子への過剰な愛情と、夫の異母妹への妻の激しい嫉妬。
 不気味な鼠ばあさんの訪問。そしてちいさなエイヨルフの溺死。
 ≪ここまで≫

 役者さんはあまり動かず、基本的にじっと立ったまま(座ったまま)客席に向かってセリフを語ります。
 川渕さんが演じるリタ(エイヨルフの母親)は、情熱的で、超~わがまま!夫アルフレッドと自分との間に入る邪魔者は、息子エイヨルフでさえも取り除きたいと言い切る、ちょっと頭がおかしいんじゃないの?と思うぐらい、力強いファム・ファタールでした。

 欲望むき出しで、自分の思うままに他人を動かそうとするリタの姿に、命を一心不乱に燃焼させるパワーを感じました。でも起こす行動はあまりに浅はかなのです。だから彼女が自信満々ではっきりと語る度に爆笑してしまいました。同時に涙がぼろぼろとこぼれました。そこに愚かしくも美しい人間がいたから。
 アスタ役(アルフレッドの妹)を演じた今枝千恵子さんもはかない立ち姿がきれいでしたね。

 ※私が拝見したのは衣裳なし、照明なし、音響ありの通し稽古です。

 ここからネタバレします。

 リタがアルフレッドを誘惑するのを、川渕さんが上着を脱いで上半身裸になることで表現します(稽古場では脱がれませんでしたが)。あらがえない肉欲をあらわすのに非常に効果的だと思いました。

 びっこのエイヨルフが溺死してしまったことで、自分のことばかりにご執心だったリタが、「息子の代わりに貧しい子どもたちの面倒をみる」と言い出します。彼女は変化したのです。夫も彼女の影響を受けて変化します。そして2人はエイヨルフがいたことは無駄ではなかったとお互いに認め合います。とても感動的なエンディングでした。リタが一幕、二幕で本当のおバカさんだったから、私は全身でこの奇跡を信じられたのだと思います。

≪東京、利賀、名古屋≫ Written by Henrik Johan Ibsen
出演:川渕優子、大川みな子、今枝千恵子、青木佳文、ナギケイスケ、秋葉洋志
【東京公演】脚本:ヘンリック・イプセン 演出:矢野靖人 音響 / 荒木まや (Stage Office) 音響操作 / 大久保友紀 照明 / 則武鶴代 衣装 / 竹内陽子 舞台監督 / 小野八着(Jet Stream) 制作助手 / 秋葉洋志 協力 / 川崎市アートセンター 企画・制作 / shelf 後援 / ノルウェー王国大使館 主催 / shelf ・atelier SENTIO
【名古屋公演】脚本:ヘンリック・イプセン 演出:矢野靖人 音響 / 荒木まや (Stage Office) 照明 / 則武鶴代 衣装 / 竹内陽子 舞台監督 / 小野八着(Jet Stream) 提携 / 七ツ寺共同スタジオ 後援 / ノルウェー王国大使館 企画・制作 / shelf
【発売日】2008/09/09 前売 3,000円 当日 3,500円 学割 2,000円(前売・当日共、要学生証) ペアチケット 5,600円(要予約)
http://theatre-shelf.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:22 | TrackBack

【書籍】赤坂真理著「モテたい理由」(講談社現代新書)

 この本を、毎晩読み返しています。「そういう意味だったのか!」と、毎度発見します。最近はお芝居を観たり他の本を読む度に、この本に立ち返ります。8月にはもう読み終わっていたのですが、ご紹介が遅れておりました。

 「モテたい理由」というキャッチーな印象のタイトルですが、女性雑誌を長年取材してきた経験から、現代日本人の性質について分析する硬質な内容です。軽い語り口なので笑いながら読めますが、なんと最後は「戦争とアメリカ」に行き着きます。

モテたい理由 (講談社現代新書 1921)
赤坂 真理
講談社
売り上げランキング: 5946

 ご自身の人生について客観的に分析した赤裸々な書きっぷりは、どうやら好き嫌いが分かれるようです。でも私は、自分が経験したことぐらいしか確かなことなんて言えないのではないかと思っていますので、経験を語るからこそ真っ当で立派で、説得力があると思います。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 16:37 | TrackBack

2008年10月05日

【情報】チューリヒの駅で無料上演されたオペラ「椿姫」の中継映像がネット配信中!※10/14まで

 『ラ・マレア横浜』で路上の無料演劇に感動したばかりのところに、ヨーロッパにいるお友達から素敵な情報をいただきました。

 チューリヒ(スイス)の駅で無料上演されたオペラ「椿姫」の中継映像が、インターネットで見られます。 ⇒こちら
 なんて素敵・・・!10/14まで配信中!

Posted by shinobu at 17:17 | TrackBack

2008年10月04日

メルマガ号外 『ラ・マレア 横浜』

20081003_LaMarea_Kiss.jpg
「接吻」

 急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜
 10/03-05横浜市中区吉田町街頭(店舗内および路上)
 ※公演詳細はこちら

 ★メルマガへの ご登録はこちら へ!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ラ・マレア 横浜

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.36  2008.10.04 1,365部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp


   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』
  10/03-05横浜市中区吉田町街頭(店舗内および路上)
  ☆出演:オーディションにより選出された16名の日本人俳優
   脚本・演出:マリアーノ・ペンソッティ
   無料(チケット発券なし)
   ※荒天中止 日本語字幕付き/解説資料配布あり
    http://kyunasaka.jp/lamarea/
   2005年のブエノスアイレス国際演劇祭での初演映像↓
    http://kyunasaka.jp/channel/

 ◎観劇後のコメント◎

  路上を自由に歩いて、目の前で始まる短編演劇を楽しめます!
  「参加無料」の回遊型パフォーマンスです。
  秋の夜に、街と一体化したアートにひたれます。
  レビュー↓に写真もアップしました♪
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1003234218.html

  約10分間の短編が合計10作品。上演の合間に2分間の休憩あり。
  ※「バー」ではAとBの2種類が上演されます。

  吉田町内のバーや居酒屋では物語にちなんだカクテルを味わえます。
  舞台として作り変えられた「本屋」が期間限定で営業中。
  残すは明日とあさっての夜、計2回だけです。どうぞお見逃しなく!

  上演時間:約2時間(19:00~21:00)

 【チケット情報】

  無料(チケット発券なし)

 【お問い合わせ】

  急な坂スタジオ
   TEL 045-250-5388
   http://kyunasaka.jp/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎今年8月16日以来のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0816163809.html


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回の配信は“号外”です。
 毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本をご紹介します。
 バックナンバーは全て公開中!
   → http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
  → http://stage.corich.jp/my_troupe.php?member_id=57
  簡単なプロフィールはこちらです。
  → http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0111000000.html

 ◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
  まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.htm

////////////////////////////////////////////////////////////////

 メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
 発行人:高野しのぶ
 しのぶの演劇レビュー:http://www.shinobu-review.jp/
 お問い合わせ:http://www.shinobu-review.jp/contact/

 このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
 まぐまぐ:http://www.mag2.com/

 Copyright(C)2004-2008 MTR standard corporation. All rights reserved.
 許可無く転載することを禁じます。

////////////////////////////////////////////////////////////////

Posted by shinobu at 01:40 | TrackBack

2008年10月03日

急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』10/03-05横浜市中区吉田町・街頭

 『ラ・マレア 横浜』は「参加無料」の回遊型パフォーマンスです。メルマガ10月号でもご紹介いたしました。とっても楽しかった!!⇒動画が観られます

 舞台は関内・吉田町(よしだまち)の路上。道を自由に歩きながら、目の前ではじまる演劇をその場で楽しみます。1人でじっくり楽しむのも良し、カップルでうっとりするも良し。内容は少々大人向けです。

 約10分間の短編が合計10作品。上演の合間に2分間の休憩がはさまれます。19時開演で21時終了ですので、19時から居れば全て観られるはず。※私は残念ながら最初からは伺えなかったので、9つ拝見いたしました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ラ・マレア 横浜

 路上でそのままはじまるものや、店舗の中にセットが組まれたものなど、いろんなスタイルがあります。基本的に無言劇。字幕でストーリーを追います。
 パフォーマンスをする人、見る人、ただの通行人、スタッフ、警察官・・・本当に横浜の街と一緒になった演劇でした。この臨場感と一体感は初めて。そしてこんなにハッピーに楽しいなんて!“稽古だけじゃない稽古場”急な坂スタジオ、凄い!

 ここからネタバレします。私が観た順です。

【1】07「バー(B)」
1LaMarea_barB.jpg

 “9つのショートストーリー”とありますが、「バー」はAとBの2種類あります。これは見落としちゃうな~。私はBを拝見。
 一番最初に観て衝撃が大きかったのもあるかもしれませんが、私はこのエピソードが一番良かったです。菅原直樹さん(ベルモント?役)が素晴らしかった!黄色いシトロエン、泣ける。

【2】04「待ち人」
2LaMarea_Waiting.jpg

 すれ違う2人。それぞれが待っている間に思うことが字幕に。思いつめる人間はみんな可愛くて、悲しい。

【3】09「接吻」
3LaMarea_Kiss.jpg

 街角でキスっていうだけで素敵。しかも可愛いカップルだし。でもストーリーは辛口。さらに良い。

【4】03「本屋」
 ※女の子のあまりの可愛さ、男の子の妄想の切なさに、シャッターを切りそびれました(涙)。グリーンのミニ・ワンピがほんとに可愛かった。そっかZARAなのか、タイ製なのか(笑)。

【5】05「眠れない女」
5LaMarea_AWomanTryingToSleep.jpg

 終盤で、女優さん(鯨エマさん?)が下手の方をじっと見つめたのが良かった。

【6】02「リビング」
6LaMarea_CoupleInALivingRoom.jpg

 中国、パリ、横浜、高知、横浜、オーストラリア&パリ、そして中国(息子が行くから)、だったかな。このストーリーは日本オリジナルなのかしら。

【7】06「パーティー」
7LaMarea_Party.jpg

 おそらく加治慶三さん?「マイケル・ジャクソンのCDを全部買う(聴く?)」だったかな、笑えました。

【8】08「エクササイズとピアノ」
8LaMarea_Exercise_and_Piano.jpg

 こぎれいな北欧デザインのリビング。仲睦まじげなカップルなのに、実はこのお話が最も恐ろしかった。

【9】01「バイク」
9LaMarea_Motorcycle.jpg

 鷹を追った男。転がったバイクに関わった人々の話に飛ぶのも面白かった。


急な坂スタジオ国際交流レジデンス事業
※夜更け。路上に浮かび上がるパフォーマンス/重なり合う9つのショートストーリー
出演(オーディションにより選出された16名の日本人俳優) :安藤真理/伊沢はるひ(劇団飛び道具)/井上真鳳/太田直人/大谷賢治郎/加治慶三/鯨エマ/小泉芽由紀/佐藤友紀/菅原直樹/住吉梨紗/武田力/中山朋文(横浜未来演劇人シアター)/深沢理春/松澤輝朝/八巻新
脚本・演出:マリアーノ・ペンソッティ / Text and Direction : Mariano Pensotti 美術・衣装:マリアナ・ティランテ / Set and Costume : Mariana Tirantte 照明:マティアス・センドン / Light : Matiás Sendón 音楽:フェデリコ・マラル / Music : Federico Marrale 製作:ブエノスアイレス国際演劇祭 / Production : Festival Internacional de Buenos Aires 横浜バージョン共同制作:急な坂スタジオ / Yokohama version Co-production : Steep Slope Studio 出演:オーディションにより選出された16名の俳優 / Cast : The actors and actresses selected by the audition 日本スタッフ / Project Team in Japan ディレクター:相馬千秋(急な坂スタジオディレクター) / Producer : Chiaki Soma (The Director of Steep Slope Studio) 翻訳:岸本佳子 / Translator : Yoshiko Kishimoto 宣伝美術:先崎哲進(TETUSIN) / Design : Takayuki Senzaki (TETUSIN) 舞台チーム:清水義幸+カフンタ / Stage team : Yoshiyuki Shimizu + Kafunta清水義幸、有島由生、井上達夫、江連亜花里、小川信濃、角隆司、武田幹也
Yoshiyuki Shimizu, Yu Arishima, Tatsuo Inoue, Akari Ezure, Shinano Ogawa, Takashi Kado, Kanya Takeda 技術制作:細川浩伸(急な坂スタジオ) / Technical Manager : Hironobu Hosokawa (Steep Slope Studio) 制作:米原晶子(急な坂スタジオ) / Production Manager : Akiko Yonehara (Steep Slope Studio) 制作補:並河咲耶、米山淳一 / Production Assistant : Saya Namikawa, Junichi Yoneyama
【料金】 無料 / チケットの発券はありません。
http://kyunasaka.jp/lamarea/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:42 | TrackBack

2008年10月02日

コマツ企画『動転』10/02-05新宿シアターモリエール

 こまつみちるさんが作・演出・出演されるコマツ企画の新作です。

 早稲田大学の学生会館に一度観に行ってから数年経ち、久しぶりに伺いました。上演時間は約1時間45分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『動転

 バックステージものというか、ショウ・マスト・ゴー・オンものというか。私はもともと苦手なんですよね。作家はよっぽどの自信がない限り、チャレンジしない方がいいんじゃないかと、個人的には思います。

 ここからネタバレします。

 「毎公演後、コマツ企画員によるアフタートーク有。」とありますが、トークの体裁はとりつつも、お芝居の一部でしたね。企画員の本井博之さん、浦井大輔さん、川島潤哉さんの3人組は達者だな~と眺めていました。

出演:本井博之、浦井大輔、川島潤哉、斎田智恵子、成川知也、高羽彩(タカハ劇団)、平間美貴、遠藤弘章(東京タンバリン)、伊藤淳二、松本美奈子(オフィスジュニア)、清水穂奈美、相馬加奈子(カナデコトビート)、七味まゆ味(柿喰う客)、宮本奈津美(味わい堂々)、鈴木燦
【脚本・演出】こまつみちる 【舞台美術】泉真【舞台監督】藤田有紀彦 【音響】楠瀬ゆず子 【照明】工藤雅弘(Fantasista?ish) 【照明オペ】安齋里美(Fantasista?ish) 【宣伝美術】立花和政 【演出助手:映像オペ】目崎剛(+1) 【制作】伊藤静香(Karte) 【制作当日運営】松島瑞江
【発売日】2008/08/01 前売¥3000 当日¥3200
http://komatsukikaku.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 21:48 | TrackBack

2008年10月01日

KAKUTA『STAR MAN』09/27-10/05青山円形劇場

 桑原裕子さんが作・演出・出演されるKAKUTA(カクタ)の新作です。桑原さんは岸田國士戯曲賞候補にもなった注目の若手劇作家でもあります。

 KAKUTAはシアタートラムや青山円形劇場といった300席クラスの劇場の、広い空間を上手に使える劇団です。今回も円形劇場の個性を生かしたドラマを見せてくださいました。

 平日夜公演だったのでKAKUTA特製「おまけCD」をいただきました♪上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『STAR MAN

 ≪あらすじ≫
 2008年夏。若い夫婦(成清正紀&桑原裕子)が運営するキャンプ場に1人の男(若狭勝也)がやってきた。「1人客の宿泊はお断り」と一度は門前払いされるが、常連客の女(高山奈央子)が気を利かせてくれたおかげで、男は宿を得た。そこで女は、このキャンプ場が閑散としている理由を語る。
 ≪ここまで≫

 あるキャンプ場の数年間の夏を描きます。中央の円形ステージは切り株のテーブルがならんだ野外ロビーで、周りには事務所、バンガロー、通路があり、その間に客席があります。

 川遊び、バーベキュー、花火、きもだめしなど、明るく楽しげな夏のレジャーのムードに、ねたみ、恨みといった暗くてどろどろとしたものが、こっそりとまぎれています。軽快な空気の中にある明暗のコントラストが、桑原さんの劇世界の特徴のような気がします。

 なんてことのない小道具が人間らしい温かい生活を匂わせたかと思ったら、悪意や狂気をおびて存在感を増し、そのシーンを支配する主役に成り上がったりします。読んだばかりだからかもしれませんが、向田邦子さんの小説に似たものを感じました。

 全体としてはもっと上が目指せるんじゃないかと思いました。でも「KAKUTAを観に行ったらこんなお芝居が観られる」という期待を込めた予想には、いつも応えてくれていると思います。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 描かれるのは2004年から2008年までの5回の夏。2008年から過去を回想する形で進みます。
 2004年に自殺するために1人でキャンプ場に訪れた星次(横山真二)は、従業員で未亡人の洵子(原扶貴子)に慰められて思いとどまります。2005年には彼女を追ってそこで一緒に働くようになります。いわゆるストーカーですね。

 洵子の妹・教子(青木岳美)は、近所で有機野菜農園を経営するバツイチの男・津川(内田健介)と姉をくっつけようと張り切って、2人は夕飯を毎日一緒に食べるほどに接近します。星次はそれをせつなく見守るだけ。
 でも意外なことに、津川は常連客の恩田(高山奈央子)と結婚するのです。明るい音楽と華やかなムード全開のセリフなしの結婚式のシーンでは、洵子のどん底の悲しみがにじみ出ていていました。

 星次が引き出物のバームクーヘンをまるごとかじる情けない姿が、あまりに惨めで笑い泣きしてしまいました。その後、酔っ払った洵子が「星次さんは、大きな切り株の上にバームクーヘンを乗せるというギャグをかましてるんだ!」と叫んで、バームクーヘンが惨めさの象徴から、ギャグの小道具に変化したのがめちゃくちゃ面白かった。津川と恩田の子供の名前を「津川バームクーヘン!」とちゃかすのも、さらに笑えました。

 2次会から勝手に消えた2人のことを探して、新郎・津川がやってきます。この3人がそろったシーンの緊張感がとても良かったです。無神経にも幸せな姿を見せ付けて、「心配だったから」なんて残酷な言葉を吐く色男・津川。彼に背を向けてうなだれて「ごめんなさい」と力なく謝る年増の洵子。面白くないギャグを連発するキモいストーカー・星次。

 その後、さんざんに酔っ払った洵子と星次には、最悪の悲劇が訪れます(星次は洵子の首をしめ、洵子は鉄板で星次の頭を打つ)。こうなるしかなかったと思えなかったのが残念。怒りと悲しみが最高潮に盛り上がって、狂気に至るというところが感じ取れませんでした。意味では理解できたんですが。

 泉(若狭勝也)が実は恩田(高山奈央子)のことが好きで、突然にキャンプ場まで追いかけてきたのだという結末は、ちょっとお膳立てが過ぎる気がしないでもないのですが、「見返りを求めない愛」がいつか成就すると信じたくなる、とても幸せなエンディングにしてくださいました。これはKAKUTAならではだと思います。役者さんの素直な演劇の賜物でしょう。

 生活臭がぷんぷんする小道具(バーベキュー用の鉄板、プラスチックのカップなど)に、人間の気持ちがやどるように感じました。
 2組のおバカ・カップルの位置づけはわかりやすいし、笑えました。でもまだこなれてない気もしました。

 ※『STAR MAN』とは星男、つまり星次のこと。

青山演劇LABO#001 KAKUTAオトコまつり2008 in Japan
出演:成清正紀/若狭勝也/原扶貴子/高山奈央子/松田昌樹/大枝佳織/横山真二/馬場恒行/桑原裕子/青木岳美/内田健介/小堀友里絵
作・演出:桑原裕子 舞台監督:横尾友広 舞台美術:田中敏恵 照明:三嶋聖子(SEW) 照明操作:山口久隆 音響:島貫聡 選曲:真生 衣装:山崎留里子 宣伝美術:川本裕之 宣伝写真:相川博昭 演出助手:山崎総司 演出補佐:大見遥 制作助手:横内里穂 小野由香 制作:前川裕作 田村友佳 企画・製作:K.K.T. 提携:こどもの城 青山円形劇場
(平日オマケ付き公演=KAKUTAオリジナル「オマケCDダイジェスト版」をご来場者全員にプレゼント!!)■前売 3500円/当日 3800円(全席指定)■学生割引 3000円(劇団扱いのみ)
http://www.kakuta.tv/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:39 | TrackBack

【情報】新国立劇場演劇研修所「研修所説明会」2008年11/9(日)

 新国立劇場演劇研修所(主な関連記事⇒10111213141516)にて、研修生選考試験の受験をお考えの方に向けた研修所説明会が11月9日(日)に開催されます。無料。事前申込必要です。

 ⇒詳細 ⇒第5期研修生選考試験の募集案内
 応募〆切⇒平成20年10月31日(金)ファックス到着分

 新国立劇場演劇研修所は18才以上、30才以下の俳優のための学校です。授業の見学は一般には受け付けられていませんので、どうぞこの機会を逃さないで下さい。

■演劇研修所 「研修所説明会」のご案内(公式サイトより)

[開催日]平成20年11月9日(日)
 第1回目11:00~
 第2回目13:00~

[参加資格]演劇研修所選考試験の受験をお考えの方

[定員]各回25名程度

[参加費]無料

[応募〆切]平成20年10月31日(金)ファックス到着分

 ※FAX用紙は公式サイトでダウンロードできます。
 ※電話・郵送による受付はありません。ダウンロードができない方は、電話でファックス用紙を請求して下さい。
 ※応募者数の状況によって、先着順により参加者を限定する可能性あり。
 ※お問い合わせ:03-5351-3011(代)

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 18:03 | TrackBack

パラドックス定数『三億円事件』09/30-10/05 OFF OFFシアター

 パラドックス定数は野木萌葱さんが作・演出される劇団です。客席はコアな小劇場演劇ファンがいっぱいでした。

 『三億円事件』は2002年初演ですが、脚本は大幅改訂されているそうです。上演時間は約1時間50分。
 “メガネ&スーツ男子”萌えの方はぜひ!・・・な~んてミーハー発言(笑)。いえいえ、もちろん見どころはそこだけじゃありません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『三億円事件
 レビューは途中までアップ。

 舞台は1975年、時効まであと3ヶ月となった「三億円事件」の捜査本部。客席は対面式です。私は最前列に座りましたが、もしかしたらもうちょっと後方高い目の方がいいかも。人の影で見えないところがありました。

 実際に起こった事件ですから、犯人がつかまらないことはわかっているわけで・・・「じゃあどこを演劇にするの?」という少しばかり不安も含んだ疑問に、ばっちり応えてくれました。

 レビューは途中です。 

 ここからネタバレします。

 古めかしい黒縁メガネつけた井内勇希さんの、青白いしかめっ面を見ただけで吹き出してしまいました(私にとっては出落ち・笑)。“機動隊上がり”の植村宏司さんのむやみな熱さも面白かったです。これぐらい密度が高いキャラクターが観たいと思います。

 勢いがあって、底力もあって、ファンもついてきていて、未来が明るい劇団だな~と思います。だからついつい「もっと!」と求めてしまうんですよね。
 できれば1970年代だということを分厚く表現して欲しいなと思いました。スーツ(ネクタイの形や靴のデザインなども)ももうちょっと工夫が欲しい気がしました。

パラドックス定数第16項
出演:植村宏司 十枝大介 西原誠吾 井内勇希 今里真 加藤敦 諌山幸治 小野ゆたか
脚本・演出:野木萌葱 照明:伊藤泰行 舞台監督:渡辺陽一 音響:古場田良子(オフィスFLIP-TOP) 宣伝美術:成川知也 写真:渡辺竜太 販促:副島千尋 制作統括:赤沼かがみ(G-up) 企画製作:パラドックス定数研究所
(日時指定・全席自由)前売り2800円 当日3000円
http://www.pdx-c.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 01:25 | TrackBack

メルマガ 2008年10月のお薦め舞台

mail magazin visual.bmp
お薦めお芝居をご紹介しています

 2008年10月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
 ★メルマガへのご登録はこちら
 ★バックナンバーはこちらです。

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 53     2008.10.1  1,364部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎そろそろ朝夕は涼しくなってきましたね。
  10月は話題の舞台・イベントが盛りだくさん!
  さすがは“芸術の秋”、紹介本数が大量になってしまいました・・・。
  ピン!と来たものを公式サイトでチェックしてみてくださいね♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→the company『1945(イチキューヨンゴー)』
       10/25-11/03世田谷パブリックシアター
       ≪東京、新潟≫
       http://www.thecompany-t.com/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→シス・カンパニー『人形の家』
       09/05-30シアターコクーン
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0923225432.html

 ◆3【お薦め芝居の前売情報 こまつ座『太鼓たたいて笛吹いて』 】

   ◎初演で数々の賞を受賞した、こまつ座の音楽評伝劇の再々演!
    http://www.komatsuza.co.jp/

 ◆4【編集後記】

   ◎王子小劇場が「メセナ アワード2008」を受賞!
   ◎渡辺源四郎商店『修学旅行』の劇評を書かせていただきました。
    渡辺源四郎商店「7日で作る『修学旅行』」の
    ドキュメンタリー番組が全国ネットで放送されます!

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.東宝『私生活』
  10/03-31シアタークリエ
  ☆出演:内野聖陽 寺島しのぶ 中嶋朋子 橋本じゅん
   脚本:ノエル・カワード 演出:ジョン・ケアード
   10,500円 ※未就学児の入場不可
    http://www.tohostage.com/private/index.html
   スター俳優たちが2組の新婚カップルを演じるコメディー。
   日比谷でゴージャスな大人の観劇デートができそう♪


2.劇団俳優座『スペース・ターミナル・ケア』
  10/04-12紀伊國屋ホール
  ☆出演:阿部百合子 片山万由美 若尾哲平 川口啓史 他
   脚本:坂手洋二 演出:栗山民也
   一般5,250円 学生3,675円 
   11月公演「春立ぬ」との一般セット券9,200円 
   学生セット券6,500円
    http://www.haiyuza.sakura.ne.jp/info/200810.html
   俳優座による現代劇作家連続公演。
   坂手洋二さんの新作を栗山民也さんが演出されます。
   “ターミナル・ケア”とは「終末医療」の意。


3.彩の国さいたま芸術劇場『から騒ぎ』
  10/07-23彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ≪東京、新潟、愛知、大阪≫
  ☆出演:小出恵介 高橋一生 長谷川博己 月川悠貴 吉田鋼太郎 瑳川哲朗 他
   脚本:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄
   S席 9,000円 A席 7,000円 B席 5,000円 学生席 2,000円 劇場会員割引あり
    http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2008/p1007.html
    http://shakespeare.eplus2.jp/
   蜷川幸雄さんがシェイクスピア作品を演出するシリーズ第20弾です。
   オールメール・シリーズ(出演者は全員男性)となる今回も
   イケメン揃いでチケット完売続出。小出恵介さんは初舞台!


4.ONEOR8プロデュース『思い出トランプ』
  10/10-19青山円形劇場
  ☆出演:田中麗奈 根岸季衣 八十田勇一 宮地雅子 弘中麻紀 中島愛子
      阿知波悟美 山口良一 他
   原作:向田邦子(新潮社刊) 脚本・演出:田村孝裕(ONEOR8)
   前売5,500円、当日6,000円
    http://www.oneor8.com
   向田邦子の短編小説集を、田村孝裕さんが脚本化して演出されます。
   田中麗奈さんはデビュー10周年で初舞台!


5.tpt『いさかい』
  10/10-22ベニサン・ピット
  ☆出演:毬谷友子 田島亮 渡辺真起子 藤沢大悟 塩野谷正幸 他
   脚本:マリヴォー 訳:阿部崇/小溝佳代子 台本:木内宏昌 演出:熊林弘高
   一般6,000円 学生3,000円
    http://www.tpt.co.jp/
   毬谷友子さんを至近距離で!木内宏昌・台本&熊林弘高・演出のコンビも楽しみ。
   美術、衣裳などのスタッフも豪華です。来年閉館してしまう
   ベニサン・ピットの芸術的な空間を味わえる良い機会だと思います。


6.アトリエ・ダンカン『サド侯爵夫人』
  10/17-26東京グローブ座
  ≪東京、北九州、大阪、長野、石川、富山、新潟、茨城、仙台、愛知≫
  ☆出演:篠井英介 石井正則 小林高鹿 山本芳樹 天宮良 加納幸和
   脚本:三島由紀夫 演出:鈴木勝秀
   S席8,000円/A席4,800円 ※未就学児童入場不可
    http://www.duncan.co.jp/web/stage/sade/
   女方:篠井英介×演出:鈴木勝秀シリーズの第2弾。
   第1弾レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1116234028.html
   登場人物が女性ばかりの三島由紀夫の有名戯曲を、男性豪華キャストで。


7.パルコ『幸せ最高ありがとうマジで!』
  10/21-11/09パルコ劇場
  ≪東京、岡山、大阪≫
  ☆出演:永作博美 近藤公園 前田亜季 吉本菜穂子 広岡由里子 梶原善
   脚本・演出:本谷有希子
   7,000円  ※未就学児童入場不可
    http://www.parco-play.com/web/page/information/motoya/
   文芸界でも活躍している本谷有希子さんがパルコ劇場に初進出。
   永作博美さんはじめ豪華キャストの新作です。


★8.演劇集団円『孤独から一番遠い場所』
  10/22-11/09ステージ円
  ☆出演:朴ろ美(「ろ」の漢字は「王+路」) 山崎健二 石田登星 他
   脚本:鄭義信 演出:森新太郎
   5,500円(指定) 10,000円(ペアチケット指定席券2枚1組)
   ベンチシート3,500円 プレビュー公演は全席3500円
    http://www.en21.co.jp/
   『焼肉ドラゴン』↓が韓国でも大好評だった鄭義信さんの新作脚本を、
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0418003345.html
   注目の若手演出家・森新太郎さんが演出されます。


9.新国立劇場演劇『山の巨人たち』
  10/23-11/09新国立劇場 中劇場
  ☆出演:平幹二朗 麻実れい 手塚とおる 田中美里 綾田俊樹 田根楽子
      大鷹明良 植本潤 及川健 久保酎吉 他
   脚本:ルイジ・ピランデルロ 演出:ジョルジュ・ラヴォーダン
   S席:¥7,350 A席:¥5,250 B席:¥3,150 Z席:¥1,500
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000062_play.html
   フランスの演出家が豪華キャストとともに、中劇場を
   和のイメージを用いた幻想世界にしてくれそう。


★10.the company『1945(イチキューヨンゴー)』
  10/25-11/03世田谷パブリックシアター
  ≪東京、新潟≫
  ☆出演:中村ゆり 山本亨 パク・ソヒ 瀬川亮 松浦佐知子 高橋和也 他
   原作:芥川龍之介「藪の中」
   脚本:青木豪&ロバート・アラン・アッカーマン
   演出:ロバート・アラン・アッカーマン
   S席(1階&2階最前列)7,000円 A席(2階2・3列)6,000円
   B席(3階)5,000円
    http://www.thecompany-t.com/
   1945年・終戦直後の日本が舞台のロマンティック・スリラー。
   日本人とアメリカ人が共に“戦争”に取り組む意欲作です。

  ●お薦めポイント●
  イギリス、アメリカなど世界で活躍する演出家アッカーマンさんが率いる
  the company(ザ・カンパニー)の本格始動公演。
  大人数のアンサンブルで表現する“闇市”のカオスも見どころですね。
  ・アッカーマンさんインタビュー
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0831202256.html
  ・ワークショップ写真レポート
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0831121444.html
   ※このワークショップから出演者が多数選ばれました!


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3000円台の気になる作品を5本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】地点【チェーホフ・四大戯曲】シリーズ
  『三人姉妹』10/11-14吉祥寺シアター≪大阪、東京≫  
  『桜の園』10/18-22吉祥寺シアター 
  ☆原作:アントン・チェーホフ 翻訳:神西清 演出:三浦基
   一般:前売・予約3,500円/当日4,000円 学生:前売・予約2,500円/当日3,000円 
   『三人姉妹』&『桜の園』セット券6,500円、劇場会員割引などあり
   ポストパフォーマンストークゲスト⇒11日:宮沢章夫/18日:岡田利規
    http://www.chiten.org/
   三浦基さんが演出する京都の地点が、チェーホフの名作を連続上演。
   言葉を分断して発語する独自の表現を、この貴重な機会にぜひ。


【2】渡辺源四郎商店『どんとゆけ』
  10/16-19こまばアゴラ劇場
  ≪青森、東京≫
  ☆脚本・演出:畑澤聖悟
   予約:一般3,000円 学生2,000円 高校生以下1,000円
   当日:一般3,300円 学生2,300円 高校生以下1,300円
    http://xbb.jp/wgs
   現役高校教師の畑澤聖悟さんの新作は、死刑についてのお話。
   “CoRich舞台芸術まつり!2008春”グランプリ受賞・スポンサード公演です。
    http://stage.corich.jp/festival2008/sponsored.html
   ※前回公演の劇評↓を東奥日報に書かせていただきました!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0927143634.html


【3】ガバメント・オブ・ドッグス コントライブ『Refresh!』
  10/17-19三鷹市芸術文化センター 星のホール
  ≪大阪、東京≫
  ☆出演:エディ・B・アッチャマン 犬飼若博 水沼健 土田英生 故林広志
   脚本:故林広志 演出:水沼健
   前売:一般3,000円 当日:一般3,500円 劇場会員割引あり
   高校生以下:1,000円(前売り・当日とも)
    http://www.c-mono.com/news.htm#stage_gov
   ガバメント・オブ・ドッグスはなんと11年ぶりの復活。
   大人のコントで幸せに笑いたいですね。


【4】MCR『貧乏が顔に出る。』
  10/21-26劇場MOMO
  ☆脚本・演出:櫻井智也
   前売3,300円、当日3,500円
    http://www.mc-r.com/
   櫻井智也さんが作・演出するMCR。風刺の効いた軽い笑いと
   ロマンティックな物語を見せてくれる、デートにお薦めの劇団です。


【5】イキウメ『図書館的人生vol.2 盾と矛』
  10/24-11/03三鷹市芸術文化センター 星のホール
  MITAKA "NEXT" Selection 9th
  ☆脚本・演出:前川知大
   一般:前売3,300円 当日3,600円 劇場会員割引あり
   高校生以下:前売・当日共1,000円 未就学児童入場不可
    http://www.ikiume.jp/
   身近でちょっと恐ろしいSF作品で人気のイキウメ。
   演劇界で本格的に評価が高まってきた前川知大さんの新作短編集です。


 ☆☆☆―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売2000円台の気になる作品を3本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆ 

《1》ハイバイ『オムニ出す』
  10/19-11/05リトルモア地下
  ☆脚本・演出:岩井秀人
   「落(落語)」「星(SF)」「常(いつもの)」「仏(フランス)」の4本立て。
   「落/星」と「常/仏」の2本セットを交互上演。
   全席整理番号付自由席 前売:2,000円 当日:2,500円 
   セット券:3,500円(前売のみ。「落/星」「常/仏」各1回ずつ鑑賞可能)
   ※セット券は1名2回(「落/星」+「常/仏」)で3,500円
    http://hi-bye.net/
   注目を集めている劇作家・演出家・俳優の岩井秀人さんの短編4本立て公演。
   小さなギャラリーでハイバイの濃ゆ~い世界を堪能できそう。


《2》三条会・秋のアトリエ公演『「班女」「道成寺」』
  10/25-31三条会アトリエ(千葉)
  『近代能楽集』~全作品連続上演・2~
  ☆脚本:三島由紀夫 演出:関美能留
   全席自由/来場順入場 2,000円  
    http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html
   関美能留さんと三条会の役者さんによる、目からうろこの三島作品。
   千葉の小さなアトリエで、想像力の果てしない飛翔を味わえます。


《3》岡崎藝術座『「リズム三兄妹」/「はやねはやおき朝御飯」』
  10/30-10こまばアゴラ劇場
  ☆脚本・演出:神里雄大
   全席自由・日時指定 前売2000円 当日2500円 両公演共通券3500円
   ※11月7日(金)14:00は前売、当日ともに500円引き(共通券には適応不可)
    http://okazaki.nobody.jp/
   『三月の5日間』↓の演出が見事だった神里雄大さんの新作。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0726180808.html


≪ダンス≫

 ○山海塾【新作・朝日舞台芸術賞グランプリ受賞作連続公演】
  新作『降りくるもののなかで―とばり』10/01-05世田谷パブリックシアター
  ≪福岡、東京≫
  第6回朝日舞台芸術賞グランプリ受賞作・キリンダンスサポート公演
  『時のなかの時―とき』10/10-13世田谷パブリックシアター
  ≪熊本、滋賀、東京、高知、長野≫
  ☆演出・振付:天児牛大
   S席(1F&2F) 4,500円 A席(3F) 3,500円 
   劇場会員、世田谷区民割引あり
    http://www.sankaijuku.com/
   山海塾の日本公演。2本上演されるなんて贅沢ですね。
   ※『かがみの隠喩の彼方へ―かげみ』は相模大野のみの上演。
    http://www.hall-net.or.jp/schejule/kouen/01green/20081025_g.html


 ○吾妻橋ダンスクロッシング実行委員会『吾妻橋ダンスクロッシング』
  10/10-12アサヒ・アートスクエア
  ☆出演:おやつテーブル、Chim↑Pom、快快、ボクデス(小浜正寛)、
   康本雅子+戌井昭人(鉄割)+村上陽一(鉄割)、
   Line京急(山縣太一×大谷能生)、KENTARO DX!! 他
   前売一般3200円/前売学生2800円/当日一般3500円
   ※オールスタンディング(ラウンジスペースにてフード/ドリンクあり) 
    http://azumabashi-dx.net/2007/10/200810.html
   面白いパフォーマンスが1度でたくさん観られる大人気のシリーズです。
   ※10/10は追加公演のため、出演者に若干変更あり。


≪ミュージカル、その他≫

 ◎維新派『びわ湖水上舞台公演「呼吸機械」』
10/02-13さいかち浜野外特設劇場<びわ湖水上舞台>
 《彼》と旅をする20世紀三部作 #2
  ☆脚本・演出 松本雄吉 音楽:内橋和久
   一般¥6,000 18才以下¥5,000(当日券各500円UP)
   休演日:10/6~8
    http://www.ishinha.com/
   びわ湖(滋賀県)に浮かぶ舞台なんて素敵!土日は完売ステージ続出ですね。
   関東から行かれる維新派ファンも多いようです。うらやましい!


★◎急な坂スタジオ『ラ・マレア 横浜』
  10/03-05横浜市中区吉田町街頭(店舗内および路上)
  ☆出演:オーディションにより選出された16名の日本人俳優
   脚本・演出:マリアーノ・ペンソッティ
   無料(チケット発券なし)
   ※荒天中止 日本語字幕付き/解説資料配布あり
    http://kyunasaka.jp/lamarea/
   路上に浮かび上がる9つの物語を、自由に足を進めて鑑賞する
   「参加無料」の回遊型パフォーマンスだそうです。楽しそう!
   吉田町内のバーや居酒屋では物語にちなんだカクテルを味わえます。
   街中では舞台として作り変えられた「本屋」が期間限定で営業!
   2005年のブエノスアイレス国際演劇祭での初演映像↓
    http://kyunasaka.jp/channel/


 ◎リンゼイ・ケンプ・カンパニー『エリザベスⅠ世~ラスト・ダンス~』
  10/04-13シアターコクーン
  ☆演出:リンゼイ・ケンプ
   S席13,000円、A席9,500円、コクーンシート6,500円
   ※4歳未満のお子様の入場不可。
    http://tate.jp/LINDSAY/
   リンゼイ・ケンプ・カンパニーが13年ぶりの来日。


 ◎TBS『ブロードウェイミュージカル「CHICAGO」』
  10/08-11/02赤坂ACTシアター
  ≪東京(赤坂)、大阪、東京(青山)≫
  ☆出演:米倉涼子 和央ようか 河村隆一 他
   作曲:ジョン・カンダー 脚本:フレッド・エッブ 演出:ウォルター・ボビー
   S席 ¥12,500  A席 ¥10,500 未就学児童入場不可
    http://www.chicago2008.jp/
   映画にもなっている有名ミュージカル『シカゴ』に人気スターが出演。
   河村隆一さんの歌声も楽しみですね。


 ◎青年団「青年団若手自主企画vol.40 映画『東京人間喜劇』」
  10/11-19アトリエ春風舎
  ※演劇ではなく、映画の上映です。
  ☆脚本・監督:深田晃司(青年団)
   『東京人間喜劇』予約・当日共 一般1,500円 学生1,200円
   『ざくろ屋敷』1,000円(当日券のみ)
   『東京人間喜劇』『ざくろ屋敷』相互割引:片方の半券持参で300円割引
   全席自由/上映時間138分
    http://www.komaba-agora.com/line_up/2008_10/fukada.html
   青年団の俳優だけで画面が埋め尽くされた映画だそうです。


≪講演、シンポジウム等≫

 ■京都芸術センター演劇計画2008
  「演出家フォーラム『パフォーマンスが生まれる場所』」
  10/11森下スタジオ・Aスタジオ
  ☆第一部 《基調報告》登壇者:森山直人(演劇批評家/京都造形芸術大学准教授)
   第二部 《討論》登壇者:小崎哲哉/岡田利規/白井剛/筒井潤/松田正隆
   受講料:無料
    http://www.tp-kac.com/KAC_TP_j_forum.html
   ※「演出家フォーラム」はdracom公演『ハカラズモ』↓終演後に開催。
    http://blog.dracom-f.com/blog.php?ucid=1794
 

 ■早稲田大学演劇博物館グローバルCOE
  『国際研究集会「60年代演劇再考」』
  10/17-19早稲田大学内
  【会場】17日:小野記念講堂、18日:井深大記念ホール、19日:大隈講堂
  ☆講演予定者:安藤紘平、岡田利規、唐十郎、菅孝行、九條今日子、
   佐伯隆幸、佐藤信、扇田昭彦、蜷川幸雄、萩原朔美、別役実、堀切直人、
   平田オリザ、宮沢章夫、エレン・スチュアート(ラ・ママ実験劇場)ほか
    http://www.waseda.jp/prj-gcoe-enpaku/project/index.html


 ■シンポジウム「殺人社会と演劇」
  10/26淑徳大学みずほ台キャンパス1号館210
  淑徳祭に際して~国際文化コミュニケーション講座~
  ☆コーディネーター:村井健
   ゲスト:永井愛、野田秀樹、高橋豊
   定員:100名 受講料:無料
    http://www.shukutoku.ac.jp/graduates/information/extension/2008a/t-004.html


 ◎しのぶの今月の全予定(29本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.シス・カンパニー『人形の家』
  09/05-30シアターコクーン
  ☆イプセンの古典が鮮やかな現代演劇に!スタッフワークも芸術的!
   シアターコクーンで上質のストレート・プレイが観られる幸せに感謝です。
   はかなさと強さが共存する、美しい宮沢りえさんに目が釘付けでした。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0923225432.html


2.世田谷パブリックシアター『現代能楽集Ⅳ「The Diver」』
  09/26-10/13シアタートラム
  ☆野田秀樹さんとイギリス人俳優が実験を重ねて創作された劇空間を、
   心の中で一緒に浮き沈みしながら堪能。楽しみつつ思索にふける醍醐味。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0926223951.html
   ※10/13(月・祝)まで上演中!


3.東京デスロック『演劇LOVE2008~愛の行方3本立て~【倦怠期】』
  09/12-23リトルモア地下
  ☆前情報が一切非公表だった【倦怠期】。登場した女優さんは・・・!
   個人的な思い入れが強かったのも手伝って、涙が流れっぱなし、
   緊張しっぱなしの40分間でした。最後の10分間は事件もあってドキドキ。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0915221623.html


  9月は青年団・こまばアゴラ劇場国際演劇月間「キスフェス」に
  明け暮れました。鑑賞したのは全部で9作品!(映像上映イベント含む)
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0925004333.html
  スロウライダー『トカゲを釣る-改-』では、久しぶりに
  THEATER/TOPSならではの密度の濃い演劇体験を味わえました。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2008年9月(観劇数28作品)は残念ながら発行しませんでした。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆3 【お薦め芝居の前売情報 こまつ座『太鼓たたいて笛ふいて』 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎2002年の初演でものすごく沢山の賞を受賞した、作:井上ひさし・
  演出:栗山民也の豪華キャスト公演が再々演されます!

 ●こまつ座『太鼓たたいて笛ふいて』
  11/21-12/20紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、山形県2ヶ所≫
  ☆出演:大竹しのぶ 木場勝己 梅沢昌代 山崎一 阿南健治 神野三鈴
   ピアノ演奏:朴勝哲
   脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
    http://www.komatsuza.co.jp/

  第十回読売演劇大賞最優秀作品賞をはじめ、俳優賞、脚本賞などの
  多くの賞を受賞した、作家・林芙美子の生涯を描く音楽評伝劇です。
  再演(2004年)のレビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0414173843.html

  2006年に亡くなられた松本きょうじさんに代わって山崎一さんが初参加。
  他はすべて初演からのキャストが揃っています。
  優しさに包まれて癒されるけれど、優しいだけじゃない、
  晴れやかで楽しいけれど、楽しいだけじゃない、笑って泣いて考えるお芝居です。

 【チケット情報】

  ・一般発売日:2008年10月4日(土)

  ・全席指定 一般6,300円 学生割引4,200円

  ・チケット取扱
   こまつ座:http://www.komatsuza.co.jp/
   ローソンチケット:http://l-tike.com/
   電子チケットぴあ:http://t.pia.co.jp/
   イープラス:http://eplus.jp/
   JTBエンタテインメントチケットデスク:TEL 0570-03-0311
   キノチケットカウンター(新宿東口紀伊國屋書店本店5階):
    店頭販売のみ(10:00~18:30)

  ・お問い合わせ
   こまつ座  電話03-3862-5941

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆4 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2008」が閉幕しました。
  こりっち賞、シアターガイド賞、ロボット賞などが発表された後夜祭↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0911113625.html

  王子小劇場を運営する佐藤電気株式会社が、
  「メセナ アワード2008」にて「たたかう劇場賞」を受賞!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0929140502.html
  おめでとうございます!

 ◎渡辺源四郎商店『修学旅行』の劇評を書かせていただきました。
  9/19(金)の東奥日報夕刊に掲載されました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0927143634.html

  渡辺源四郎商店・中学生演劇ワークショップ「7日で作る『修学旅行』」の
  ドキュメンタリー番組が全国ネットで放送されます!

  民教協テレビ番組「発見!人間力」
  第24回「演じて考える平和~人って、なんで争うの?~」
   http://www.tv-asahi.co.jp/ningenryoku/
  10/11(土)朝6:00~6:30【テレビ朝日】 予告動画↓
   http://dogatch.jp/tv/ningenryoku/detail/024/024.html


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2008年9月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「星影のワルツ」←役者ではない主人公(孫)役の方が素敵でした。
    http://www.hoshikage.jp/
  ・「北辰斜にさすところ」←戦中と戦後をつなぐ老名優の豪華競演。
    http://www.hokushin-naname.jp/
  ・「ガチ☆ボーイ」←原作は蓬莱竜太さんのお芝居『五十嵐伝』です。
    http://www.go-go-igarashi.jp/
  ・「うた魂♪」←意外に名言連発で、もう一度チェックしたい。
    http://utatama.com/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆5 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
  → http://stage.corich.jp/my_troupe.php?member_id=57
  簡単なプロフィールはこちらです。
  → http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0111000000.html

 ◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
  まぐまぐ → http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

////////////////////////////////////////////////////////////////

 メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
 発行人:高野しのぶ
 しのぶの演劇レビュー:http://www.shinobu-review.jp/
 お問い合わせ:http://www.shinobu-review.jp/contact/

 このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
 まぐまぐ:http://www.mag2.com/

 Copyright(C)2004-2008 MTR standard corporation. All rights reserved.
 許可無く転載することを禁じます。

////////////////////////////////////////////////////////////////

Posted by shinobu at 00:51 | TrackBack