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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年10月31日

風琴工房『砂漠の音階』10/30-11/04シアター風姿花伝

 風琴工房は詩森ろばさんが作・演出される劇団です。前作『紅の舞う丘』が「CoRich舞台芸術まつり!2007春」にてグランプリを受賞し、今作はそのスポンサード公演です。

 メインのキャストが変わって初演とは違う味わいでしたが、じんわりと涙する優しい、おだやかな時間は健在でした。上演時間は約1時間40分。

 ⇒「シアター風姿花伝への心の距離を縮めて行こうよプロジェクト」実施中!
 ⇒CoRich舞台芸術!『砂漠の音階

 あらすじなどは初演レビュー公式公演サイトをご覧下さい。

 初日だったからか、前半は役者さんが硬い感じがしてちょっとハラハラしました。でも後半に入って中谷(なかや)先生の言葉を深く味わえる状態になると、じわ~っと温かい気持ちが沸いてきて、涙が込み上げました。数々の名言を、また生の声で聞けたことが嬉しいです。

 登場人物はまっすぐポジティブで、素直な人たちが揃っています。彼らの情熱にすすんで乗っかって行けば、曇りのない善意の世界を信じることができるような気がします。それはとても幸せな体験です。
 北海道大学のある研究室での1日を描くシンプルな会話劇ですが、研究室から飛び出していろんな国を旅した気持ちにもなりました。
 
 主役の中谷先生役が杉山文雄さんから山内健司さんに変わっていますので、初演とは全く違う作品のように感じました。杉山さんは弱々しいけれどひたむきで愛らしく、山内さんは男らしい力強さがあって、賢いゆえに優しい人に見えました。どちらかというと私は杉山さん演じる中谷先生の方が好みだったかも(初演の印象が強いだけかもしれません)。

 ここからネタバレします。

 中谷先生と秘書の津島さん(笹野鈴々音)が2人で雪について話すシーンで、一気に作品の中に入り込むことができました。観客に背を向けて中谷先生が語る言葉に聞き入って、何度も落涙。雪降りしきる平原が風の舞う砂漠に見えたり。「雪は弦楽器の音楽なのか、ピアノの音楽なのか、あぁたしかに弦楽器のなめらかさは合ってるかも・・・」と私も津島さんと一緒に考えたり。

 研究者の佐田役が岩崎裕司さんから北川洋介さんに変わっていたのも大きな違いでした。津島さんとのラブシーンの清らかさにうっとり。佐田のように、自分の研究の成果が日の目を見なかった多くの人のことを想像しました。

≪北海道2箇所、東京≫ ★CoRich舞台芸術!スポンサード公演
出演=山内健司(青年団)、小高仁、笹野鈴々音、松岡洋子、浅倉洋介、宮嶋美子、山ノ井史、北川洋介
脚本・演出・衣裳・宣伝美術=詩森ろば  美術=杉山至+鴉屋 濱崎賢ニ(六尺堂) 照明プラン=jimmy(フリーウェイ) 照明オペ=田原聖子 舞台監督=弘光哲史 スチール=鏡田伸幸 演出助手=木内美帆/津田湘子 舞台監督助手=渡辺景介 制作=森岡鞠子 企画・製作=ウィンディ・ハープ・オフィス 
【発売日】2007/09/19 前売3000円 当日3500円 大学生2000円 高校生以下1500円 障碍者1500円 その他割引あり
http://windyharp.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 01:48 | TrackBack

2007年10月29日

時間堂『月並みなはなし』10/19-29王子小劇場(2回目)

 初日ポストパフォーマンストーク、そして千秋楽に伺ってきました。ダブルキャスト公演なので、もう片方を。

 ⇒CoRich舞台芸術!『月並みなはなし

 この公演は19日(金)から始まって合計11日間。途中に2度の休演日がありましたが、長期間だったのでクチコミも広がったようです。特に千秋楽は(月)だったので、補助席までパンパンの超満員。作品が好きだった私としても嬉しかったです。

 黒幕(って言うのかな)役を演じる役者さんが変更になるので、初日とは全く違う裏のストーリーが見えてきたのが面白かったです。役者さんは十余ステージを経てずいぶんリラックスされているようでした。

 ただ、千秋楽だったからだと思うのですが、一部の役者さんについて普段の自然さが減っているように感じました。だから私は千秋楽が苦手なんだな~・・・って、これは本当に個人的な好みの問題なんですけどね。
 初日、千秋楽ともに一番お気に入りは、二世議員を演じられた鈴木浩司さん。しなやか!軽やか!

 時間堂は次回、チェーホフ『三人姉妹』に挑戦されるそうです(2008年3/13~23@王子小劇場)。あ~ん、今からもう楽しみ!

 ここからネタバレします。

 黒幕のハナちゃん役が足立由夏さんから大塚秀記さんに変わり、ハナちゃんの妹・耳ちゃんは衣裳が黄色のミニ・ドレスから着物になります。姉妹から兄妹になるので大変化なんですよね。

 大塚さん演じるハナちゃんは明らかに腹に一物ありそうな男。耳ちゃんが兄のハナちゃんとグルに見えるので、ただの天然ボケさんだとは思えなくなります。どっちかというと大塚さんバージョンの方がストーリー面で腑に落ちました。でも、納得がいかなくて、どうしようもなく沸き起こってしまう憤りや悲しみは、足立さんバージョンの方が強く感じることができました。

【休演日】10月24日(水)、25日(木)の2日間
出演=雨森スウ、河合咲、木村美月(クロムモリブデン)、こいけけいこ(リュカ.)、境宏子(リュカ.)、池田ヒロユキ(リュカ.)、鈴木浩司、中田顕史郎 ダブルキャスト:足立由夏/大塚秀記 ※千秋楽は大塚さんでした。
脚本・演出:黒澤世莉 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 宣伝美術:村山泰子(時間堂) 宣伝・舞台写真:松本幸夫 ビデオ撮影:大澤大介(大澤大介事務所) $堂 演出助手:菊池佳南/佐伯風土/谷賢一(DULL-CORORED POP) 制作:田中沙織(柿喰う客) 提携:王子小劇場 主催:時間堂
http://www.seriseri.com/jikando/
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 23:10 | TrackBack

2007年10月28日

【写真レポート】京都日帰り旅行(10月某日)

20071014_ginkaku.jpg
銀閣

 昨年夏のTOKYOSCAPE(⇒wonderland)以来、京都がすっかり近くなった私。なんとランチだけ京都でいただく、みたいな贅沢なことをしでかしてしまいました(笑)。

 演劇と全然関係ないんですが(笑)、写真だけでもアップしたいなと思いましたので、チラリと覗いていただけたらと思います。

 亀屋良永に行きたかったんだけど行けなかったな~。また夏に「琥珀糖」を買いに行きたい。ぶらりと歩いたら目の前にお寺、すぐ隣りに絶品和菓子。TOKYOSCAPEはそういう散歩道でもありました。夏は熱すぎたけど(苦笑)。

kiccho_dishes.jpg

京懐石、いただきました。もー無言です。美味しすぎて。 

kiccho_window.jpg

広い和室。広すぎて緊張。広くなくても緊張するけど(汗)。

cakes_kyoto_eki.JPG

 JR京都駅にあるケーキ屋さん。入ってないんですけどね、ショーウィンドウが大胆だったので、ついパチリ。

 あーもー絶対また行く。まだ紅葉の季節ではないですが、観光客が殺到してるみたいです。

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Posted by shinobu at 21:24 | TrackBack

2007年10月26日

【ワークショップ】the company「オフブロードウェイ・シリーズ第一弾決定!」

 ザ・カンパニー公式サイトより転載します。
 「オフブロードウェイ・シリーズ第一弾決定!2008年4月、ワークショップから選ばれた役者を含む、総勢30人による国内初上陸のプロダクション(最高に刺激的なアメリカ戯曲)でこのシリーズは幕を開けます。詳細は近日公開予定!」

 ワークショップ申し込みの締め切りは10/31(水)です。年齢・性別・経験不問!郵送推奨。

Posted by shinobu at 11:59 | TrackBack

ペンギンプルペイルパイルズ『ゆらめき』10/17-28吉祥寺シアター

 倉持裕さんが脚本・演出を手がけるペンギンプルペイルパイルズの新作です。上演時間は約1時間50分。美術が素敵でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ゆらめき

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
高宮進とわたるはお互い30代後半になって一緒になった夫婦。現在二人の生活にこれといった問題もなく、幸福といっていい。
ある日、休業中のスタイリストであるわたるに断りきれない仕事の依頼が入る。
その現場で、わたるは江尻という歳下のスタッフに口説かれる。既婚者だと明かすと江尻は大人しく引き下がった。
そんな出来事をわたるは半ば笑い話として夫に話す。進はからかい混じりに笑う。
その場に居合わせた進の旧友・仙波も、わたるの友人・塔子も笑う。
しかし次第に進は、わたるが江尻を「正確に」振ることが出来たのかどうか不安になってくる。
江尻に遺恨はないか? たまりかねて進は江尻を家に招くことを提案。当然わたるは反対するも、進は一歩も譲らない。
数日後、江尻がびくびくしながらやって来る。一人では心細く、学生時代の先輩である朝比奈という男を伴って……。
ちゃんと諦められたのか、と進に睨まれ委縮する江尻。そこで朝比奈が助け舟を出してやる。
「あれから江尻には彼女が出来たんです」
ようやく安心する進の横で、わたるは不機嫌になっていく。
(まだ何日もたっていないのに……そもそもこれは知らずに済んだ情報のはず)
わたるの胸の内で夫に対する憎悪の炎が燃え上がる……。
覚悟や責任から遊離した<現代の夫婦像>に関する物語。
 ≪ここまで≫

 公団の古いマンションをおしゃれにリノベーションしてるっぽい、子供のいない夫婦(戸田昌宏&坂井真紀)の家。隣人や友達がひっきりなしに出入りして、簡単に済みそうな些細な出来事が、なぜかおかしな方向に進んだり、立ち消えたり。

 舞台美術が素晴らしかった~♪マンションの部屋が斜めにばっさり切り落とされていました(笑)。排水管(のような筒)がびゅんびゅん天井に伸びているのも面白いです。壁が切れて低くなっているので、奥の部屋での演技が見えたり見えなかったり。そのバランスがかっこいいです。

 なんでもないことをわざと誇大にしてみたり、もめる必要ないのに火種を作ったり。生きることに一心不乱になる必要がない状態って、平穏で幸せなはずなんだけど、物足りないんですよね、どうしても。平和ゆえのざわざわした気持ちには共感。

 倉持さんの書くセリフには独特の風合いがある気がして、言葉自体を味わう楽しみがあります。でも演技については、予定通りのことをやっているような印象を受けたりもして(わざと気持ちを熱く盛り上げたり等)、全体的にはちょっと退屈だったかな。でも最後の最後は笑っちゃったし、じ~んと来ました。

 ここからネタバレします。

 夫は昔、好きになられた女にナイフで刺された経験があって、それがトラウマになっています。開幕してすぐの、黒い服の女(内田慈)が寝室でべったりと夫にしなだれかかるシーンが良かったです。香りたつような何かが感じられました。

 ラストは「鎌倉に行きたい」と言っていた妻を、またもや夫が「買い付けがあるからNG」と裏切ります。とっくみあいの大喧嘩になって妻が夫に台所用品をじゃんじゃか投げつけたら、なんと夫の背中にナイフが刺さっちゃった。「ざまあみろ!」って勢いで全く夫をいたわらない妻。だけど夫が「(バンソウコウを)貼ってよ!」と甘えてきたら、妻はちょっと嬉しくなっちゃって、小さな笑みを浮かべて終幕。大喧嘩が生々しくて不恰好で可愛かったし、最後の小さなハッピーが優しいなと思いました。

≪東京、大阪≫
出演=戸田昌宏、坂井真紀、小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡、内田慈、近藤智行、吉川純広
脚本・演出=倉持裕 照明=清水利恭(日高照明) 音響=高塩顕 舞台美術=中根聡子 音楽=SAKEROCK 衣裳=今村あずさ(SING KEN KEN) 舞台監督=橋本加奈子(SING KEN KEN) 舞台部=武藤晃司(SING KEN KEN)、金子晴美 衣裳部=嶋田亜夕美 演出助手=渡邊千穂(至福団) ヘアメイク=栗原由佳 大道具=C-COM、オサフネ製作所 小道具=高津装飾美術 運搬=マイド 宣伝美術=坂村健次、鈴木健朗 樋口大(C2デザイン) 宣伝写真=江隈麗志 宣伝ヘアメイク=山下まきえ、山本絵里子 WEB製作=いのくちあきこ 舞台写真=引地信彦 制作助手=新貝美奈子 制作=土井さや佳 後援=TOKYO FM 主催=ペンギンプルペイルパイルズ、財団法人武蔵野文化事業団
前売り開始7月16日(日) 指定(いす席)前売3,600円 当日3,900円 自由(前方ベンチシート、日時指定、整理番号付)前売3,400円 当日3,600円 
10/18 アフタートーク男性編:ゲスト岩松了さん×戸田昌宏さん+小林高鹿+玉置孝匡+倉持裕 10/19 アフタートーク女性編:ゲスト水野美紀さん×坂井真紀さん+ぼくもとさきこ+倉持裕
【発売日】2007/09/16 前売3800円 当日4000円
http://www.penguinppp.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 00:38 | TrackBack

2007年10月25日

【情報】NPO法人FPAP(福岡)「劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー」11/23-25東京

 NPO法人FPAPが主催する「劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー」のアドバイザーをつとめさせていただきました。

 「九州地域に主たる活動の拠点をおく劇作家または演出家が、週末に東京に観劇ツアーに行って、芝居の内容についてディスカッションする」という企画です。fringeにも取り上げられました。

 福岡観劇ツアーでお世話になった高崎さんと相談して、観劇決定した演目はこちら↓

【2泊3日で鑑賞する4作品】
 ・メジャーリーグ「野鴨」
 ・劇団桃唄309「三つの頭と一本の腕」
 ・猫田家「ミーコのSFハチャメチャ大作戦~ベルンガ星人をやっつけろ!~」
 ・柿喰う客「傷は浅いぞ」

 たぶん私も観に行くと思います。よろしければ11月の観劇スケジュールのご参考にぜひ。
 観劇ディスカッションブログは鑑賞後の更新が楽しみです。

※注意を払って記事を掲載していますが、正確な情報は公式サイトでご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:57 | TrackBack

自転車キンクリートSTORE『ツーアウト』10/17-28 THEATER/TOPS

 ジテキン脚本家の飯島早苗さんが演出に初挑戦!ということで伺いました。チラシの絵のとおり、舞台はグラウンドではなくベンチでした(笑)。
 上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ツーアウト

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 舞台は、秋の休日、草野球のグラウンド、三塁側ベンチ。
 草野球チーム・ホケッツの監督・秀吉は、何事もなく日々を無難にやり過ごす人生を送りたいと思ってきた。ややこしい問題はすべて先送り。妻や大学受験を控える息子とコミュニケーションが上手く取れていないと自覚はしていても、何らかの対策を取ろうとしてこなかった。
 そして、今朝、「妻の家出」という危機的状況に直面することになった。が、あまりの大問題に思考が停止したか、あるいは現実逃避か、秀吉は草野球の試合に来ていた。しかし、もちろん心中は野球どころではない。
 試合中の秀吉に、息子・塁治が、「母が家出したのに、草野球かよ!」と、文句をつけに来る。行動力や決断力のない父親・秀吉に、いつもイラついている塁治だが、実は自分も父に似ている気がしていて、尚更に腹を立てている。
 そのうえ、なぜか恋愛に悩む、秀吉の会社の女子社員・真坂も現れ・・・・・・。

 家出した妻は、見つかるのか。彼女は、一体なぜ家出したのか。父と息子は、現実に向き合えるのか。いきなりお邪魔してきた真坂の恋愛人生は、どーにかなるのか。草野球チーム・ホケッツは、勝てるのか。

 『ツーアウト』は、秋の午後の、草野球の試合中の約二時間を描いた、少しばかり駄目人間かもしれない、“ツーアウトな人たち”の物語です。

 出演者は5人。 朝起きたら妻がいなくなっていた監督に、樋渡真司。 野球と父親嫌いの監督の息子に、鹿野良太。プレイは何ひとつできない野球オタクに、岡田 正。 崖っぷちの恋愛人生を立て直したいOLに、文学座の太田志津香。 他人の話に首を突っ込みたがる、自称プロ草野球選手に、七里ガ浜オールスターズの瀧川英次。

 作・演出は、飯島早苗。いつもは脚本担当の飯島が、今回は演出も手がけます。飯島の無謀な挑戦にご期待下さい。
 ≪ここまで≫

 終始懐かしさが感じられた、地味目のストレート・プレイでした。派手な舞台転換や豪華な照明・音響効果があるわけではないので、役者さんの演技次第で作品の出来が決まるタイプですね。

 登場人物は5人ですが、監督と息子の話ばかりに力点が置かれているように感じて残念。
 妻に逃げられた監督(樋渡真司)は大学受験を控える息子を持つには若すぎて、息子(鹿野良太)も高校生(浪人生)にしては大人すぎたように思いました。

 ここからネタバレします。

 自称プロの助っ人野球選手(瀧川英次)が登場すると、パっと舞台が明るくなります。「あの人が出てくると面白いな~」と思えるのは観客にとっては良いことかもしれません。でも瀧川さんが異物に見えるぐらい目立ってしまうのは、演出の意図どおりではないのではないでしょうか。

出演=樋渡真司/岡田正/太田志津香/鹿野良太/瀧川英次
作・演出=飯島早苗 美術/川口夏江 照明/中川隆一 音響/末谷あずさ 演出助手/山田美紀 舞台監督/安田美知子 イラストレーション/根本孝 写真/加藤孝 宣伝美術/鳥井和昌 制作/須藤千代子、大槻志保、村田明美 企画・製作 : 自転車キンクリーツカンパニー
【全席指定・消費税込み】オープニング料金(★10/17~10/19)3000円 通常料金(●10/20~)3800円
http://www.jitekin.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 14:16 | TrackBack

mon『「私の知っている男は、これだけ」』10/25-28ギャラリーLE DECO 4F

 mon(モン)は大久保亜美さんと山本ゆいさんの2人ユニットです。副題が面白いですね。「料理できねぇ、のー天気、歯並びが悪い、勘違い、友達いなそぉ、ダサい、セクシーさが足りない、めんどくせぇ、何考えてるかわかんねーよ、と言われようが、それでも妊娠したい女子について。」

 上演時間は約1時間強だったような。うろ覚えです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『「私の知っている男は、これだけ」

 今どきの若者のしゃべり言葉でふんわりと。ダンスだったり体操だったり。人間でないものを演じるなどの面白みがありました。ただ、私が大久保さんにいつも勝手に期待しているエロスが少なめだったのが個人的に残念(笑)。あと、全体がひとつのトーンに染まって暗い目だったのも好みではなかったかな。

 青い照明にじんわりと包まれて、水の中に沈んでいく感覚が気持ち良かった。

 ここからネタバレします。

 半年前に失踪してしまったある女の子について、登場人物が質問をされて(取調べみたいに)話します。野村麻衣さんがそのコなのかと思ったら、野村さんも質問を受け始めたのでハズレ。結局その女の子が誰だったのかは私にはわからずでした。

 大久保さんが電話で話す“さっちゃん”という友達のことかなとも思ったのですが、それだと寂しかったので(“さっちゃん”像が私にはあまり伝わらなかったから)、誰かを特定するのは止めることにしました。質問を受けて「あのコのことはよく知らない」と言う人自身が、その女の子であるととらえる方が、私には面白かったです。

 現代の若者のコミュニケーションの希薄さ。それゆえの孤独。でも孤独の気持ちよさも肯定して、深層心理の海の中を漂うような。

出演=齊藤庸介、シトミマモル、山崎皓司(小指値)、野村麻衣 、大久保亜美
脚本・演出=mon(大久保亜美+山本ゆい) ドラマドクター・音響=篠田千明(小指値) 照明=松本大介(enjin-light) 宣伝美術=富田藍子 制作補佐=金子千尋 当日受付=塩田友克 企画・制作・プロデュース=mon
【発売日】2007/09/09 前売一般2000円 学生1500円 当日一般2500円 学生2000円
http://userhost-1.cmo.jp/~mon/main.htm

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Posted by shinobu at 14:08 | TrackBack

2007年10月24日

時間堂『月並みなはなし』ポスト・パフォーマンス・トーク10/22王子小劇場

20071022_tsukinami_PPT.JPG
10/22(月)夜PPT

 初日に拝見し、「行きたい!」って雄たけびを上げていたポスト・パフォーマンス・トークに行ってきました。
 ●ポスト・パフォーマンス・トーク
  22日(月)20:00の回 終演後
  「ワークインプログレスって実際どうなの」
  出演(右から):黒澤世莉×中屋敷法仁(柿喰う客)×杉田鮎味(劇26.25団)
  司会(一番左):谷賢一(DULL-COLORED POP)

 出演者全員が作・演出家なんですね。黒澤世莉さん以外は全員(おそらく)20代前半。若っ!
 ざわざわしたフレッシュ感があって、さわやかなトークでした。物腰柔らかそうな黒澤さんの、才気がギラっと光る瞬間があって面白かったです。
 ⇒『月並みなはなし』ワークインプログレス(SNSサイト「Orlin」)
 ⇒ポストパフォーマンストーク抜粋映像がアップされています(2007/11/01)。

 22日(月)は平日夜にも関わらず、なんと当日券が25枚も出たそうです。夜8時開演で前売・当日同価格だからかしら。それにしても地の利があるとは言えない王子で、そんなに当日券が出るとは!ネットのクチコミの威力を感じます。
 10/29(月)千秋楽です。10/24(水)、25(木)は休演日。ご予約はお早めに~。

 ⇒公式ブログ 毎日更新されています。感想も読めます。
 ⇒CoRich舞台芸術!『月並みなはなし

Posted by shinobu at 12:56 | TrackBack

2007年10月21日

燐光群『ワールド・トレード・センター』10/20-11/06ザ・スズナリ

 坂手洋二さんの新作です。副題は「WORLD TRADE CENTER as in Katakana(カタカナのワールド・トレード・センター)」。2001年9月11日に姿を消したマンハッタンの高層ビル群。

 私はあの日、口をあんぐり開けて立ったまま、テレビで何度も繰り返される映像を見続けていました。何が起こったのか全然わからなくて。そして今もわかっていなかったのだと、このお芝居を観て気づきました。次から次に涙があふれてきて止まらなかった。

 上演時間を失念。たぶん2時間15分(休憩なし)ぐらいだった気がします。
  ↑これで合ってるみたいです(2007/10/22)。
 終演後にトークがある日は既に混んでいるそうです。ご予約はお早めに!
 ツアースケジュール:東京、伊丹、岡山、北九州、名古屋、金沢、川崎

 ⇒CoRich舞台芸術!『ワールド・トレード・センター

 マンハッタンに暮らす日本人が体験したワールド・トレード・センターの倒壊を、起こった事実に即して描きます。長い、長い1日を。
 パンフレットには「2001.9.11その日の出来事」「マンハッタンの地図」「用語集」「参考文献」などの情報がぎっしり。開演前にこれを読んだだけでも目頭が熱くなってしまいました。でも「この作品はフィクションです」との注意書きもあります。この作品は911の真相究明を目的にしているわけではないんですね。
 
 あの時あの場所にいた当事者たちが何を見て何を感じたのかを、目の前で生きている人が語ってくれました。身体がガクガク震えて、胸がしめつけられて、恥ずかしいぐらい涙をぼろぼろこぼして、遠い遠い街で3000人もの方が亡くなったあの出来事が、肌で感じられる、体温をともなった記憶になりました。
 あの時の私は何も出来なかったし、今も何が出来るというわけではないけれど、911を自分のこととして驚いて、ショックを受けて、悲しむことができたことで初めて、地に足のついた視点から911以降の世界を見ることができるような気がします。

 今はインターネットの普及でさまざまな情報が瞬時に無料で手に入ります。でも、何が本当で何が嘘なのかを教えてくれるわけではありません。例えば「アメリカ同時多発テロ事件」についてのWikipediaを参照しても、「アメリカ同時多発テロ事件陰謀説」というページもあるのです。際限なく降り注がれる文字・写真・動画の中に真実があるとは限らないんですよね。
 自分の心に響く情報を慎重に集めて、勇気をもって真実を見つけていきたいです。いや、真実なんて見つかるものじゃなくて、信じるしかないものなのかもしれませんが。だから私はいつも演劇に触れて物事を知っていくようにしているんだと思います。

 最近の私は役者さんの演技に特に注目していて、演技に納得できないせいで作品全体が楽しめなかったりするのですが、この作品についてはそういうことは全く気になりませんでした。演技の種類は私の好みではないんですけど。

 ここからネタバレします。

 登場人物らが演劇のワークショップ(エクササイズ)をするシーンがありました。少々唐突にも感じましたが、私はそういうことが日常になって欲しいと思っているので、嬉しくもありました。

 ダンボール箱の中に入って瞑想することで、現場にいる編集者と事務所に残っている見習いが通じ合ったり、ワークショップで未来に起きることを予言し合ったり、現実から離れた世界が生まれるのが面白かったです。照明や音響などの演出をもっと加えてもいいんじゃないかと思いました。

WORLD TRADE CENTER as in Katakana 燐光群創立25周年記念公演
≪東京、伊丹、岡山、北九州、名古屋、金沢、川崎≫
出演=大西孝洋、中山マリ、猪熊恒和、向井孝成、秋葉ヨリエ、小金井篤、小宮孝成、嚴樫佑介、江口敦子、武山尚久(Wキャスト)、鈴木陽介(Wキャスト)、伊勢谷能宣、樋尾麻衣子、久保島隆、ED・VASSALLO、川中健次郎、杉山英之、安仁屋美峰、吉成淳一、阿諏訪麻子、西川大輔
作・演出=坂手洋二 美術・衣装=伊藤雅子 照明=竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 音響=島猛(ステージオフィス) 舞台監督=森下紀彦 演出助手=清水弥生 翻訳=須藤鈴・秋葉ヨリエ・ED・VASSALLO イラスト=沢野ひとし 宣伝意匠=高崎勝也 制作=古元道広・近藤順子 主催・企画製作:燐光群/(有)グッドフェローズ
前売3.300円 ペア6,000円(前売・予約のみ) 当日3,600円 大学・専門学校生3,000円 高校生以下2,000円 (学生券は前売・当日共通料金 劇団の電話・e-mail予約のみ 受付で要学生証提示)
http://www.alles.or.jp/~rinkogun/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 15:18 | TrackBack

2007年10月20日

【ワークショップ】TOKYOSCAPE「第3回TOKYOSCAPE東京WORKSHOP3+シンポジウム」10/01-14森下スタジオ

 募集告知もしておりました『第3回TOKYOSCAPE東京ワークショップ+シンポジウム』に行って参りました。
 この日は京都日帰り旅行だったんですが、早朝に東京を出て、嵐山でお昼ご飯をいただいたらすぐに東京にとんぼ返り、そして森下に直行。やるね私(←何が?)。

 昨年夏に京都に通った私です。総まとめになるイベントに参加できて良かったです。

【TOKYOSCAPE東京ワークショップ成果発表】 詳しいレビューは休むに似たり。に!

■内藤クラス
 出演:川連太陽/米澤藍/加治祐樹/三井翔太/森住亮子/中澤健太郎/青木千佳/井坂浩 Assistant:明石修平(出演せず)

 特に戯曲(岸田國士『紙風船』)は読まず、テーマだけ決めて作ったような。「わー、bird's-eye viewだわ~♪」と懐かしくなったり。
 マイムが無残だったな~。散らばった無数の携帯電話に次々と着信が鳴り響くエンディングはきれい。

■詩森クラス
 出演:宮本悠子/佐藤みゆき/山田敬子/野澤沙織/森澤友一郎/神保良介/唐沢龍之介/野口卓磨/松本哲也 Assistant:笹野鈴々音/山ノ井史/木内美帆

 25分ある戯曲を削って15分バージョンに。6カップル出演なので6等分。戯曲全体がわかるし、男女の個性も引き立つし、楽しめました。野口卓磨&笹野鈴々音カップルが面白かった。

■明神クラス
 出演:蒻崎今日子/星野名保子/真下由美/沖田愛/鵜沼綾子/森下誠吾/宮下舞/櫻井純子/斎藤マサキ/望月雅之/笹野鈴々音/山口柚香 Assistant:中島美紀/日下部そう/浦壁詔一

 男VS女。戯曲のエッセンスを短編パフォーマンスで見せていく形式。目が離せない笑いとエロス。歩くこと、手を伸ばすこと等の些細な動作を真剣に積み重ねていくことで、演劇世界は生まれるんだな。
 最後に笹野鈴々音さんが紙風船で遊ぶ「ともこちゃん(だったかな?)」になった。男と女、どんなに戦っても子供が生まれてしまう。それはハッピーだしアンハッピーだなと思いました。

■夏井クラス
 出演:宮本悠子/蒻崎今日子/音室亜三美/小林和未/松本美香 Assistant:綾田將一

 戯曲に深い関係はないコント集のような。あまりに軽快で驚いた。フランス帰りの夏井さんは変身したんだな~と思い、来年の新作がますます楽しみになりました。


【TOKYOSCAPEシンポジウム】
 
 観客には知りえない作り手の本音がぼろぼろとこぼれて出てくる。参加して良かったのかな、とあせるぐらい(汗)。ここで主催メンバーが顔をあわせてたことで、次に進むかどうかを決めるところに行き着いたのではないかと思いました。会合を開いた詩森ろばさんに敬意を。
 「TOKYOSCAPE全記録」の冊子が凄いボリュームでした。私の記事を掲載してくださっています。ありがとうございました。京さんの本を購入。

ワークショップ発表会・演出:内藤達也(bird's-eye view)、詩森ろば(風琴工房)、明神慈(歩かリン記憶舎)、夏井孝裕(reset-N)
シンポジウムのパネリスト:<プロデューサー> 杉山準(アトリエ劇研プロデューサー)/<企画> 荻野達也(fringeプロデューサー)/<アートディレクター> 京(グラフィックデザイナー)/<京都制作> 井神拓也(ヨーロッパ企画制作)/6主宰者
参加費:500円
http://windyharp.org/windyharp/tokyoworkshop.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 15:48 | TrackBack

時間堂『月並みなはなし』10/19-29王子小劇場

 黒澤世莉さんが脚本・演出を手がける時間堂。俳優指導者としての黒澤さんの活動にも注目しています。2004年初演の作品の再演で、脚本は今回のために改訂されています。

 ボッロボロ涙を流して、アハっと笑って、でもどうしようもなくムカムカ来ることもあって・・・。目の前の舞台にすっかり没頭した100分でした。ダブルキャスト公演なので、もう1回行けたら行きたいな。

 <cinema price theater project>と銘打ってチケット代は前売・当日ともに1800円!
 ポスト・パフォーマンス・トークが4回あります。
 コレ↓に行きたいっ!(たぶん行けない・涙)
 ●22日(月)20:00の回 終演後
  「ワークインプログレスって実際どうなの」
  出演:杉田鮎味(劇26.25団)×中屋敷法仁(柿喰う客)×黒澤世莉
  司会:谷賢一(DULL-COLORED POP)

 ⇒CoRich舞台芸術!『月並みなはなし
 チラシの情報に変更がありました⇒【休演日】10月24日(水)、25日(木)の2日間

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより 
 今より少し未来の秋の昼下がり、地球の温暖化が進み、ひとが月への移民をはじめたころの話。
 郊外のとあるレストランの、テラスのある一室では、移民候補者たちの残念会が催されていた。厳しい選考試験の中で最終選考まで残った優秀なひとびとだが、結果は落選。の、はずだった。けれど、管理官と呼ばれるひとの一言によって、状況は一変する。
 「補欠がでたので、一名の代表者を選んでください。制限時間は60分」
 信頼しあい、助け合ってきた仲間たち。
 だからこそ一人は月へと送ろうと、お互いを労りあい、傷つけあいながら話しあう。恋人たちは、月と地球の距離をおそれ、気持ちがすれ違っていく。
 36,000キロの恋人たち、選ばれるのは一人。
 ≪ここまで≫

 シンプルな舞台美術。音楽もなし。普段着の若い役者さんが、相手を感じながらコミュニケーション。そこで起こる感情がそのまま、そこにあります。

 月に行きたい人たちの集まりの中で、1人だけ月に行ける人を彼ら自身が選ぶのは試練です。優しくスマートに振舞おうとしても本音を出さざるを得ません。目の前で起こるのは気軽なおしゃべりだけど、言葉の意味や身体の動きから沸き立つように見えてくるのは、血は出ないけど心は張り裂ける、地獄。

 面白かったです。とっても。演劇をよく観る人にも、全然観ない人にも、ぜひ観に行ってもらいたいなと思います。でも、このお芝居って一体どういう種類のものなのか、今の私にはしっくりくる言葉が見つかりません・・・。時系列に進み、始まりがあって終わりがある現代口語演劇で、「自然な演技」「リラックスした演技」が特徴・・・というように平たい言葉でいいのかもしれないけど、それだけじゃ伝えたりない気がしています。

 客席はL字型。私は幅が広い方の最前列ほぼ中央で観劇。「タバコを吸うシーンがあります」と丁寧な説明がありました。ハンカチを忘れたのでティッシュを使うしかなく、ちょー恥ずかしーと思いながらもびょーびょー泣いてたナリよ(汗)。 

 初日は終演後に誰でも参加可能なレセプションが開かれました。飲み物と簡単な食べ物が用意されていて、演出家、出演者の皆さんとお話できました。

 ここからネタバレします。

 フリーター(池田ヒロユキ)が天文学者の妻(雨森スウ)の懇願も省みずに、「帰る場所があるから(君が地球で待っていてくれるから)、遠く(月)に行きたい」などとほざいたり・・・もー胸が悪くなった。男と女の絶望的な関係。これは乗り越えられない。

 「何が何でも俺は月に行きたい」と言いきったインテリ(中田顕史郎)が、最後に皆から選ばれて「月に行ける1人」になります。でもこの試練は、「選ばれた人以外の5人を月に行かせる」ためのものでした。彼の恋人(木村美月)が妊娠していたのは、作家からのロマンティックなプレゼントだなと思いました。

 リノリウムのステージに白いテープで間取りを表現するのは映画「ドッグヴィル」みたい。

【休演日】10月24日(水)、25日(木)の2日間
出演=雨森スウ、河合咲、木村美月(クロムモリブデン)、こいけけいこ(リュカ.)、境宏子(リュカ.)、池田ヒロユキ(リュカ.)、鈴木浩司、中田顕史郎 ダブルキャスト:足立由夏/大塚秀記 ※初日は足立さんでした。
脚本・演出:黒澤世莉 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 宣伝美術:村山泰子(時間堂) 宣伝・舞台写真:松本幸夫 ビデオ撮影:大澤大介(大澤大介事務所) $堂 演出助手:菊池佳南/佐伯風土/谷賢一(DULL-CORORED POP) 制作:田中沙織(柿喰う客) 提携:王子小劇場 主催:時間堂
http://www.seriseri.com/jikando/
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 11:33 | TrackBack

2007年10月19日

パルコ『ミュージカル「キャバレー」』10/06-21青山劇場

 “松尾スズキのキャバレー”に行ってきました!すっごく楽しかった~♪豪華にエッチだし、レビューも楽しいし、遊びもあるし。満足です。
 ただ、12,000円っていうのは作品の良し悪しに関わらず、お高いわ~ん(涙)。上演時間は約2時間50分(15分の休憩を含む)。

 ステージごとに枚数が限られているのか、本当に完売なのかはわかりませんが、ポスター(小)は途中休憩の時点で売り切れていました。チラシのイラストの拡大版です。めちゃくちゃかっこいいですよね~。あれなら部屋に貼りたい。

 ★会場は青山劇場です。パルコ劇場ではありませんので、これから行かれる方はご注意を!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「キャバレー」
 レビューをアップしました(2007/10/20)。

 廃墟になったドイツの街角から、ナチスが台頭する前の華やかなベルリンを回想。阿部サダヲさん演じる幽霊のようなMCが案内してくれます。私は映画もミュージカルも観たことがないので、正真正銘の初「キャバレー」。だから“松尾スズキのキャバレー”に迷い込んだ気持ちで味わいました。

 スタイル抜群の女性アンサンブル・ダンサーズが良かったわ~。康本雅子さんの振付はスタンダードな“キャバレー”らしさにコンテンポラリー風な遊びも入っててすごくかっこいい。

 調子をはずすギャグが松尾さんらしくて嬉しい。歌詞が面白いし、歌は予想していたよりも楽しんで聴けました。
 松雪泰子さん。がんばりが伝わってきて見とれました。衣裳もとてもお似合い。太い声が聴けて良かった。

 ここからネタバレします。

 ハーケンクロイツの旗が増えていって2幕へ。でもおどろおどろしくならないのがクール。ラスト近くの色んな歌がクロスしていく幻想的なシーンが素晴らしかった。

 首が伸びるし口から煙吐くし、ぎらっと銀色でグロテスク極まりない巨大な猫のおばけが出てきて苦笑。そんなヘンなネコと戦いながら歌う阿部サダヲさん。何にも負けてなくてすごいなと思いました。

 平岩紙さんが「ユダヤの商人!」という決め台詞を「ユザワヤの商人!」と間違えたそうで(笑)、カーテンコールでお詫びされていました。

≪東京、愛知、大阪≫
出演=松雪泰子、阿部サダヲ、森山未來、小松和重、村杉蝉之介、平岩紙、秋山菜津子 星野源 花井京乃助 羽田謙治 大川聖一郎 長田典之 川島啓介 小林遼介 町田正明 安田栄徳 康本雅子 安藤由紀 宇野まり絵 坂上真倫 西林泰子 久積絵夢 宮本えりか
演奏=Bianca(滝沢ミナコ 織原洋子 守谷美由貴 中津裕子 三科律子) 宮脇裕子 大門陽子 長井ちえ 清水直人 西川八重 門司肇
台本:ジョー・マステロフ 作曲:ジョン・カンダー 作詞:フレッド・エブ 翻訳:目黒条 日本語台本・演出:松尾スズキ 美術:高野華生瑠 照明:大島祐夫 音楽監督:門司肇 音響:山本浩一 振付:康本雅子 衣裳:戸田京子 ヘアメイク:大和田一美 演出助手・歌唱指導:伊藤和美 演出助手:大堀光威 舞台監督:二瓶剛雄 宣伝美術:河野真一 宣伝画:寺門孝之 宣伝写真:秦淳司 宣伝ヘアメイク:冨沢ノボル 宣伝衣裳:飯嶋久美子 宣伝衣裳協力:OLD HAT Tokyo 宣伝:ディップスプラネット プロデューサー:田中希世子 尾形真由美 製作:山崎浩一 企画・製作:株式会社パルコ
【発売日】2007/07/28 S席12,000円 A席10,000円 B席7,500円
http://www.parco-play.com/web/page/information/cabaret/

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Posted by shinobu at 16:41 | TrackBack

2007年10月18日

tpt『スペインの芝居』10/13-28ベニサン・ピット

 ヤスミナ・レザさんの脚本を映画監督の天願大介さんが演出されています。5人芝居で上演時間は約2時間45分(途中15分の休憩を含む)。

 天願さんの映画は『暗いところで待ち合わせ』がすっごく面白かったんですよね。初日の客席は明らかに映画関係の方も見受けられて、いつもと少し違うムードでした。

 ⇒Club Silencio「スペインの芝居」
 ⇒CoRich舞台芸術!『スペインの芝居
 レビューをアップしました(2007/10/21)。

 そういえば劇場入口もいつもと違いました。舞台を通って席につき、そのイスも緑色(草模様)に塗られていて、「わーお、何が始まるのかな~」とわくわくしましたね。
 tptブログでイイ味だしまくってるウッチャリこと内田亜希子さん(新国立劇場演劇研修所1期生)が、前説でもオモシロな女の子で笑いました(笑)。観客の息をつかんでいます。

 ≪簡単な構造解説≫
 5人の俳優が「スペインの芝居」というの芝居のリハーサルをしている。役柄を演じたり、俳優そのものとしての独白もする。
 「スペインの芝居」は女優の姉妹・アウレリア(毬谷友子)とヌリア(月船さらら)、その母親ピラール(鰐淵晴子)、ピラールの恋人(中嶋しゅう)、アウレリアの夫(村上淳)が登場する会話劇。アウレリアが「ブルガリアの芝居」に登場するピアノ教師の演技もするので、劇中劇の中にさらに劇がある入れ子構造になっている。
 ≪ここまで≫

 出演者が5人という少人数で上演時間が長く、独白も多いので、役者さん1人ずつにかかる負荷(っていうのかな)が大きいんじゃないでしょうか。さらに、俳優に焦点を当ててシンプルに、ストイックに見せていく演出だったため、俳優重視の最近の私には演技のあらが気になってしまいました。中嶋しゅうさん、毬谷友子さんに魅せられるシーンが多くありました。

 ここからネタバレします。

 パンフレットに掲載された阿部崇さん(東京大学教養学部教務補佐員。地域文化研究(フランス)、哲学専攻)の文章より。
 「・・・そうした声部を変えながらの主題の変奏・反復が、音楽的な構造を模範にしていることは明らかだ。」
 なるほど~っ!と納得。そっか、この戯曲自体が音楽なんですね。なんだか腑に落ちました。最後にピアノの生演奏(メンデルスゾーンの曲を毬谷さんが演奏)があるのも素敵だと思います。でも、初日だったのもあると思いますが、私には作品の進む方向がわかりづらく、作品全体を受けとめづらかったですね。

 「ワーニャ伯父さん」を思い出させる要素がちらほら。地味な不動産管理者、呑んだくれの数学教師、セリフの引用などもありましたよね、確か。
 劇中劇に出てくるピアノ教師のセリフが心に残りました。たしか「すべてはプロセス。終わりに向かわない。」というような意味だったように思います。2回繰り返されたのも良かった。

出演=鰐淵晴子 毬谷友子 月船さらら 中嶋しゅう 村上淳
作=ヤスミナ・レザ 演出=天願大介 訳=阿部崇・宮川知子 美術=加藤ちか 衣裳=原まさみ ヘア&メイクアップ=鎌田直樹 照明=大野道乃 舞台監督=笠井隆行
9月14日(木)前売り開始 全席指定7,000円 学生3,000円(TPTのみ取扱い)
http://www.tpt.co.jp/

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Posted by shinobu at 17:21 | TrackBack

【情報】G-up『38℃』が演目変更で『棄憶~kioku~』に

 演目変更情報です。詳細は公式サイトでご確認下さい。
 
 G-up『38℃』10/29-11/04ギャラリーSite
  ↓
 G-up『棄憶~kioku~』10/29-11/04ギャラリーSite

 『棄憶~kioku~』は『38℃』と同じく野木萌葱さんの脚本で、過去にパラドックス定数で上演された『731』の改訂版だそうです。
 主催者は演目変更に伴うキャンセル・返金を受け付けています。『38℃』の再演も楽しみだったんですが、『731』を観てない私としては『棄憶~kioku~』も観たいですね。出演者も2人増えています。

Posted by shinobu at 12:53 | TrackBack

2007年10月17日

新国立劇場演劇『たとえば野に咲く花のように-アンドロマケ-』10/17-11/04新国立劇場 中劇場

 ギリシャ悲劇を題材にした「三つの悲劇」三部作の第2弾。新国立劇場・新シーズンの第2弾でもあります。『アルゴス坂の白い家-クリュタイメストラ-』に続いて初日に伺いました。

 1951年の日本に舞台を置き換えた、いわばスタンダードなドラマでした。上演時間は約2時間10分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『たとえば野に咲く花のように

 ≪ものがたり≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。安満喜に「田」を追加。
 1951年夏、とある港町の寂れたダンスホール。戦争で失った婚約者を想いながら働く朝鮮人、安田満喜(七瀬なつみ)。そこへ先頃オープンしたライバル店を経営する安部康雄(永島敏行)が訪れる。戦地から還った経験から「生きる」ことへのわだかまりを抱いていた康雄は、「同じ目」をした満喜に夢中になり店に通い詰めるが、満喜は頑として受けつけない。一方、康雄の婚約者あかね(田畑智子)は、心変わりした康雄を憎悪しながらも、恋心を断ち切れずにいる。そんなあかねを、康雄を恩人と慕う直也(山内圭哉)が見守っていたのだが……。
 ≪ここまで≫ 

 味のある木造のダンスホールが客席に向かって斜めに建っていて、これは座る席によって見えるところが変わってくるなと思いました。なので座る前にぐるりと舞台を見てまわりました(すみません、迷惑な客で)。で、思い出したんですよ。これって『欲望という名の電車』の時と同じだ!って。ちょっと嬉しくなりながら自席につきました。

 日本は1945年に終戦を迎え、1950年に始まった朝鮮戦争で特需に・・・。歴史で勉強したので知識としては知っていました。でも、こうやってお芝居で観ることで何とも言えない、歯がゆい、情けない気持ちになり、涙がボロボロこぼれました。“韓流ブーム”まで到来した現在の日本だからこそ、50年前を描く意味も大きいのかもしれません。

 ただ、中盤以降はあまり楽しめなくなってしまいました。舞台を鑑賞する時に何を重視するのかが、私の中で明らかに変わってきているのが大きいのですが。役者さんが心から、本気で感じていないことを口にしたり、段取りだから動くというような演技を見つけてしまうと、サーーーーーーーーッと舞台から気持ちが遠のいてしまうのです。そうなるとセリフもストーリーも頭に入らなくなって、最初の姿勢を取り戻すのに時間がかかってしまいます。

 前半は私も探り探り観ていたので、演技自体に引っかかることは少なかったんですよね。でも後半は、登場人物のそれぞれの深いところに入っていくので、どうしても肌にしみるようなリアリティを欲してしまいます。全体としては納まりの良いホームドラマのようににも受け取れる脚本なので、役者さんの調子によって作品全体の印象が変わるのではないでしょうか。本日初日ですので、これからどんどん変化していくことと思います。

 具象美術に音響、照明が雄弁でした。照明は時間の経過を示す以外にも大きな演出効果があって面白かったです。でも音響(効果音)は、説明のために使われすぎているように感じました。飛行機、セミの声などはもうちょっと小出しにしてもらえたらいいなと、個人的には思いました。

 康雄の婚約者あかねのキャラ(設定)は相当面白いですよね。田畑智子さんはもっと爆発できると思うので、これからもっと、ワーっとはじけてくれたらいいですね~。

 ここからネタバレします。

 南方戦線の地獄、海面下に潜む機雷(きらい)、朝鮮特需のジレンマなどは、なんとなく知ってはいても腹の底からわかってはいなかったことばかり。

 アル中のかおる(田畑智子)が直也(山内圭哉)に、可愛さ余って憎さ百倍の康雄(永島敏行)のことを「殺して」とつめよるシーンは、照明がオレンジから徐々に赤に変わっていくのが面白かったです。戯画的で可笑しさもありました。

 最後はダンスホールの売春婦3人が妊娠してハッピーエンド。もちろんあっけらかんとハッピーにはならないんですけど。ホールの外に咲いた小さな花のことをおしゃべりして終幕でしたが、残念ながら取ってつけたように感じました。
 なぜギリシア悲劇なのか、アンドロマケなのかは、よくわかりませんでした。

「三つの悲劇」ギリシャからVol.2
出演=七瀬なつみ、田畑智子、三鴨絵里子、梅沢昌代、永島敏行、山内圭哉、大沢健、大石継太、池上リョヲマ、佐渡稔
作=鄭義信 演出=鈴木裕美 美術=島次郎 照明=原田保 音響=友部秋一 衣裳=宮本宣子 ヘアメイク=西川直子 振付=前田清実 殺陣指導=川原正嗣/前田悟 方言指導=明石良 演出助手=城田美樹 舞台監督=村田明 総合舞台監督=矢野森一
【休演日】10/22、29【発売日】2007/09/08 S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円 当日学生券=50%割引 ※「三つの悲劇」3作品特別割引通し券あり
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000033.html

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2007年10月15日

真心一座 身も心も『第ニ章「流れ姉妹~ザ・グレートハンティング~」』10/05-21赤坂RED/THEATER

 ちょ~~~~~楽しかったっ!!“小劇場界の大衆演劇”バンザイ!ゲストの高田聖子さんに爆笑して、相島一之さんにうっとり♪

 “真心一座 身も心も”は座長:村岡希美さん、座付き作家:千葉雅子さん、座付き演出家:河原雅彦さん、座付き“にぎやかし”坂田聡さんの4人のユニットです。

 第2回公演となる今作は旗揚げ公演『第一章「流れ姉妹~たつことかつこ~」』の続編ですが、前回公演を観ていなくても全く問題なく楽しめます。第一章のあらすじ&舞台写真はこちら。上演時間は約2時間10分。

 にぎやかな夜の赤坂でこんなお芝居を観たら、パーッと飲みに行きたくなりますよっ!

 ⇒CoRich舞台芸術!『第二章「流れ姉妹~ザ・グレートハンティング~」

 ≪あらすじ≫
 ワケありニ人姉妹のたつこ(千葉雅子)とかつこ(村岡希美)。かつこは小倉で大衆演劇一座「松島座」に入り、座長・松島(高田聖子)を支える。たつこは持ち前のけんかっ早さが災いして警察に連れて行かれ、ケチな万引き犯(相島一之)と出会う。
 ≪ここまで≫

 たつこ(千葉雅子)とかつこ(村岡希美)が日本各地を流れ流れてゆく内に、たつこは誰かに愛されて、かつこは誰かに陵辱されるというのが「流れ姉妹」のお約束。ガヤ四人衆(小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順)がドンドコ着替えて何役も演じていくのもワイワイとにぎやかで楽しいです。

 小劇場界(出身)の手練の役者さんたちが、至近距離であんなバカ・こんなバカを全力でやり尽くしてくれます。舞台も転換しまくり、衣裳も着替えまくりの大サービス。前のめりに乗っかって楽しんじゃうが勝ち!もちろん、しっとり&うっとりな大人の恋のシーンもブレずに決めてくださいます♪

 ※折り込みチラシは客席のクッションの裏側のポケットに入っています。見当たらなくって探しちゃいました。

 ここからネタバレします。

 なんと高田聖子さんは男役なんです。それが最初の爆笑でした。レイプシーンが派手な見世物になっているのにも爆笑。もー高田さんカッコ良すぎです。
 ダメダメなサラリーマン役の相島一之さんは、笑顔のヴァリエーションが多くって見とれちゃいました。千葉さんと2人っきりのシーンが待ち遠しかった。背が高いので小柄で細い千葉さんとのバランスが良いですね。

出演=河原雅彦、千葉雅子、坂田聡、村岡希美、高田聖子(2代目ゲストレイパー)、小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順、相島一之(2代目ゲストラバー)
作:千葉雅子 演出:河原雅彦 照明:倉本泰史 音響:大木裕介 衣裳:木村猛志 映像:ムーチョ村松 美術:片平圭衣子 演出補:葛木英 演出助手:福本朝子 舞台監督:高橋大輔+至福団 宣伝美術:Coa Graphics 写真:引地信彦 イラスト:ケン月影 Web:新藤健 広報:吉田由紀子 票券:西川悦代 稽古場進行:川辺美代 制作:佐々木康志 プロデュース:伊藤達哉 宣伝協力:マガジンファイブ 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ 主催:赤坂RED/THEATER/TOKYO FM
【休演日】10/9 【発売日】2007/08/25 全席指定5,500円
http://mimokoko.net/

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【ワークショップ】tpt「『ミステリア・ブッフ』2ndワークショップ/ワーク・イン・プログレス」10/30-11/11ベニサン・スタジオ

 TPTで2008年春に上演される『ミステリア・ブッフ』(作=マヤコフスキー/演出=木内宏昌)の、出演者募集を兼ねた第2回ワークショップが開催されます。Eメール(携帯可)での参加申し込みOK!⇒詳細

 演出家の木内宏昌さんは青空美人を主宰されており、TPTでも多数の作品に関わってらっしゃいます。木内さんの主なお仕事についてのレビュー:演出⇒/翻訳・脚色・日本語台本⇒

 青空美人サイトに『ミステリア・ブッフ』および作者マヤコフスキーについての詳細情報あり。
 木内さんのブログ⇒Kiuchi's desktop
 下記は公式サイトより。

 ★定員をうわまる応募があり、締め切り。応募者全員参加(2007/10/29)。

■TPT『ミステリア・ブッフ』(作=マヤコフスキー/演出=木内宏昌)ワークショップ参加者募集

今、21世紀世界を旅する、われわれの“ノアの方舟”

TPTは2008年春、天才詩人・劇作家マヤコフスキーの祝祭劇『ミステリア・ブッフ』を上演いたします。

6月にスタートしたプロジェクトの1stワークショップではジャンルを超え、若い才能豊かなアーティストが多数参加。そのエネルギー、アイデアにインスパイアされ、演出・木内宏昌はニュー・ヴァージョン・テキスト創りをスタート。2ndワークショップでさらなる舞台表現の可能性を探求します。

大宇宙-方舟-地球-天国-廃墟-約束の地へ「方舟」で旅する
キレイな人々/キタナイ人々/俳優/シンガー/ダンサー/ミュージシャン、
あらゆるパフォーミングアートからの参加者とこの旅を共有したいと考えています。

 ~革命祝祭劇『ミステリア・ブッフ』(1918年初演)にて、作家ウラジミール・マヤコフスキーの遺した序文~
 “将来『ミステリア・ブッフ』を演じる人、演出する人、読む人、印刷する人にも自分の生きている時代に、今日のものに、なにより自分のものに変化させて欲しい”


●開催期間:10月30日(火)~11月11日(日)
●参加人員:20名×2クラス※(13:00-16:00/17:00-20:00)
●参加費 :50,000円
●場所  :ベニサン・スタジオ
●内容
 1.テキスト・ワーク/現代の言葉・現代の詩
 2.身体表現の可能性/演技、歌、ダンス、音楽
 3.シーンを創造する(後半:ワーク・イン・プログレスとして発表)
 4.2008年3月公演@ベニサン・ピット

●応募方法
申込書をTPTのサイトよりダウンロードし、TPT宛にファクスかEメールでご応募ください。
あるいは、以下の内容(氏名/メール/電話/住所/身長・3サイズ/生年月日/参加動機/このワークショップを何で知りましたか?)をEメール(※携帯電話からのご応募も可)にてお送りください。
 FAX:03-3634-1352
 Eメール:workshop@tpt.co.jp(@を@にしてください)

※注意を払って記事を掲載していますが、正確な情報は公式サイトでご確認ください。
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2007年10月13日

エイブル・アート・ジャパン『「Stepping Stones」「血の婚礼」』10/12-14シアタートラム

 メルマガ2007年10月号でもご紹介しておりました、障害のある人と健常者が一緒に創作する演劇公演です。「Stepping Stones」と「血の婚礼」の2本立てで上演時間は約2時間(休憩15分を含む)

 満員の初日は暖かい拍手に包まれました。客席と舞台との新しい関係が生まれていたように思います。チケットは完売。当日券は出るようですが立見の可能性大。

 ⇒『ジェニー・シーレイ ワークショップ』レポート
 ⇒CoRich舞台芸術!『「Stepping Stones」「血の婚礼」
 レビューは後ほどアップ予定。未定です。

エイブルアート・オンステージ  日英共同企画 飛び石プロジェクト公演
出演=大西智子、乙川正純、香村回人、ジョン・パルマー、宮本晶子、山崎阿弥、片岡祐介、新井恵二、尾崎彰雄、酒井郁、ジェニー・ドレイパー、高橋美貴、原田紀行、廣川麻子、福角幸子、米内山陽子
「Stepping Stones」作=マイク・ケニー 演出=ジョン・パルマー
「血の婚礼」作=フェデリコ・ガルシア・ロルカ 演出=ジェニー・シーレイ
【発売日】2007/08/01 全席自由・日時指定 2,800円/当日3,300円ほか ※ユース(25歳以下)、シニア(65歳以上)、障害のある方および介助の方(1名)は割引料金の対象となります。 前売1,800円/当日2,300円 詳細はお問合せください。 友の会会員割引 2,500円 世田谷区民割引 2,600円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/10/stepping_stones.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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2007年10月12日

DULL-COLORED POP『Caesiumberry Jam』10/12-15タイニイアリス

 谷賢一さんが作・演出されるDULL-COLORED POP(ダル・カラード・ポップ)の第5回公演です(過去レビュー⇒)。タイトルの読み方は「セシウムベリー・ジャム」。

 意外に超シリアスだった約2時間。入場に少々手間取りました。これからご覧になる方は早めに行かれると良いと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Caesiumberry Jam
 レビューをアップしました(2007/10/13)。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 乾いた砂埃が舞い上がる廃村、崩落しかけた農家の木戸を蹴破ると、一人の子供がジャムを食っていた。見たところ白痴である。ゴーグル越しに飛び込んでくる締まりのないガキの笑顔にいらいら、イライラする、けど人は撃たない。一匹の猫を射殺すると、シチューを煮ていた女やもめが姿を現し、もう遅いから泊まっていけと言う。こんな汚い、危険な村に泊まれって? ここがどんな場所だか、わかってるのか、お前は。
 史実への取材で得たマテリアルをグロテス・ポップな空想力で舞台化する、DULL-COLORED POPにしては初のロシア民謡風フォトダイアリー。
 ≪ここまで≫

 1991年から現在まで、ロシアのある村を数年おきに取材したカメラマンの回想。彼からインタビューを受けた村民の独白で導入しながら、村で起こったエピソードを紹介していきます。
 「くさいものに蓋」をしようとする人類に対して(自戒の念も込めつつ)、至極まっとうに向き合っている脚本でした。力作だと思いましたが、2時間は長かったです。

 演技がおぼつかない役者さんが少なくなく、脚本が伝えようとしていることに追いついていない印象でした。谷さんのギャグがとても面白いと思っている私にとっては、あまりギャグが機能していなかったのが残念。カメラマン役の菅野貴夫さんは静かで落ち着いた演技が良かったです。
 日替わりゲストがいかにも「日替わりゲストですよ」という感じで登場するのはもったいない。でも玉置玲央さんの破壊力は楽しかった。

 知りたいと思うこと、知ってそれを広く伝えたいと思うこと。愛すること、愛していることを伝えたいと思うこと。それはただのエゴかもしれないけど、私は何か(誰か)に対する何らかの思い(気持ち・心・感情・意志など)が存在するだけで愛(私はそう呼んでますが)だと思っています。だから価値も意味もあると思います。

 ここからネタバレします。

 1985年のチェルノブイリ原発事故によって汚染された村を、カメラマンが数回取材に訪れます。カメラマンが撮った写真を壁に映写するのは効果的でした。衣裳や舞台の土に「汚れ」のイメージが付加される工夫も面白いです。タイミングはよく理解できなかったですが、THE BEATLESの『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』が流れた(よね?違う?)のは、ミスマッチな雰囲気がかっこ良かった。

 奇形児が生まれるシーンは出産のリアリティに欠けるので必要性を感じず。甲状腺ガンで亡くなった少女のように、口紅を首に塗りつける演技で出来事を象徴する方向の方が良かったのではないかと思いました。
 「ゴドーを待ちながら」のシーンを入れるのは面白いアイデアだと思いますが、ハードルが高かったですね。

 舞台上に役者さんが待機しており、出番でない時もその役柄の演技をしています。「そして誰もいなくなった」ラストシーンの意味がよくわかりました。

アリスフェスティバル2007参加
出演=堀奈津美(DULL-COLORED POP)、清水那保(DULL-COLORED POP)、太田守信(劇団ギリギリエリンギ)、菅野貴夫、危村武志(巌鉄)、滝井麻美、ハマカワフミエ(3WD)、待村朋子(第弐牡丹)、和知龍範(fool-fish)、片山響子、澁谷美香(騒動舎)
日替わりゲスト=12日(金) 玉置玲央(柿喰う客)/13日(土) 富所浩一/14日(日) 猫道(猫道一家党首)/15日(月) 吉田ミサイル(吉田ミサイルの世界)
作・演出=谷賢一 舞台監督=鮫島あゆ 照明=松本大介(enjin-light) 音響=長谷川ふな蔵 演出助手=永岡一馬(第弐牡丹) 宣伝美術・舞台美術=鮫島あゆ&グラマラスキャッツ 役者顔写真撮影=秦達夫 映像=荻原かやの(騒動舎) 制作=黒澤ナホ&クレイジービーンズ
前売:2000円 当日:2300円(学割: 前売当日ともに大学生500円・高校生1000円引き。要学生証提示) 昼ギャザ実施: 12(金)14:00~・15(月)14:00~ 椅子席予約オプション:+500円
http://www.dcpop.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 17:47 | TrackBack

MCR『マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック』10/04-14ザ・ポケット

 MCRの2本立て公演です。『慈善 MUST BE DIE』に続いて2本目の『マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック』を拝見してきました。上演時間は約1時間40分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『慈善 MUST BE DIE/マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック

 ≪あらすじ≫
 病院でガン告知されちゃった。でもこの快感は何?どうやら誰かの身体と呼応し合ってるらしいよ、ボクの身体。
 ≪ここまで≫

 会話はコント風なんだけど、語られることがとてもロマンティック♪ギャグで遊びを入れながら、男女の性愛を含む人間関係のちょっと深いところまで、照れくさそうに、でもまっすぐに意見する姿勢が、すがすがしいし優しいなと思います。

 セットの変化は柱の色が変わったのと、棚に置かれている小道具が違ったぐらいだったかしら。
 役者さんの演技を含む全体の演出については、もっと演劇的厚み・広がりが欲しいなと思いました。

 ここからネタバレします。

 「誰かに迷惑をかけたくない」という一見思いやりとも取れるエゴについて、家族や親友の歯に衣着せぬ言葉で論破していくのが気持ちいいです。
 セックスの快感は身体だけじゃなくて「相手があなただから」こそ。な~んてことを声高に言ってくれるぐらい、ロマンティック♪

 ガン告知された男の弟カップルが面白かったです。

「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」出演=おがわじゅんや/江見昭嘉/福井喜朗/渡辺裕樹/小野紀亮/櫻井智也 /黒岩三佳(あひるなんちゃら)/三瓶大介(ククルカン)/高橋優子/異儀田夏葉/生見司織(本田ライダーズ)/篠本美帆(チーム下剋上)
作・演出=ドリル 舞台監督=金安凌平 舞台美術=袴田長武(ハカマ団) 照明=久保田つばさ(M Light) 音響=平井隆史(末広寿司) 宣伝美術・映像・撮影=メリケンサック 音楽=木村世志雄 演出助手=松下哲 制作チーフ=丸山かおり(MCR) プロデューサー=八田雄一朗(MCR) 製作=MCR
【発売日】2007/09/01 通常料金:3,000円 ロングラン割引(10/3-10/6全公演):2,500円 2ステージセット券:5,000円
http://www.mc-r.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 10:50 | TrackBack

2007年10月11日

【お知らせ】10月13日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。※今回は例外的に第ニ土曜日の出演になりました。

 劇団俳優座『豚と真珠湾 幻の八重山共和国』についてお話し、10月に観られるお薦めお芝居を3本ご紹介します。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
 10月13日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 ⇒PodCastingあり!放送終了後にアップされます(数日後だったりも)。
 ⇒アップされました(2007/11/03)。

Posted by shinobu at 12:42 | TrackBack

2007年10月10日

劇団俳優座『豚と真珠湾 幻の八重山共和国』10/04-14俳優座劇場

 斎藤憐さんが数百冊におよぶ資料をもとに、執筆だけで「1年間苦闘した」力作だそうです(朝日新聞2007/09/29夕刊より)。佐藤信さんが美術と演出を手がけます。

 脚本に惹かれて観に行って正解でした。上演時間は約3時間(15分の休憩を含む)。私が観た回はNHKのカメラが入っていました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『豚と真珠湾

 ≪あらすじ≫ 劇場公式サイトより
 敗戦後の八重山諸島に米軍は進駐しなかったため、役所も警察もない無政府状態におかれていた。八重山の豚や米を食い尽くした日本軍人を本土に帰還させる船もなく、蔓延するマラリアを食い止める医師も薬もなかった。島民たちは仕方なく自治共和国を建国したのだが……。
 ≪ここまで≫

 舞台は戦争直後の沖縄・石垣島。サカナヤー(料理屋)を営む家族と彼らを取り巻く人々の、1945年~1950年の約5年間を淡々と描きます。高くて真っ白な壁に三方から囲まれた空間は、最小限の大道具・小道具で広々としながら、隔離された島の閉塞感も表していました。上下(かみしも)の壁には大きな青い開き戸がはめ込まれており、家の外を歩いているはずなのにドアを開け閉めして出はけします。

 前半2時間は説明的なセリフで単調に進むことが退屈で仕方なかったのですが、後半になってからじわじわと引き込まれていきました。淡々と時系列に起こる出来事の裏側に、当たり前のように翻弄される人間、流されて変わっていく人間、過去がすっかり塗り替えられるように変化しても、やはり大昔と同じように命をつないでいく人間・・・など、むき出しの人間の姿が見えてきたからです。涙がボロボロこぼれました。

 知っていたつもりだったけれど、やはり知らなかった。歴史劇や古典劇を観る度に感じることです。私は賢くないので本を読むことでは充分に咀嚼できないような気がするし、性格がヘンクツなので、映画のように焦点を決められると(顔のアップのシーンなど)誘導されているように感じて素直に受け取れなかったりします。だから今作のように、さまざまな立場の人間のそれぞれの言い分や思い込みが同じ土俵に並べられ、その誰(どれ)を観ていてもいいような群像劇ほど、自由に解釈ができるし、より多くのことを学べるように思います。

 斎藤憐さんの脚本から多くを教えてもらいました。
 沖縄もハワイもどちらも海に浮かぶ島。沖縄は日本軍の基地が、ハワイにはアメリカ軍の基地が作られた。だから石垣島と真珠湾は標的になった。
 沖縄にアメリカ軍用の空港がなければ(飛行機が給油できないため)、長崎に原爆は落ちなかった。

 平日マチネとはいえ、客層の年齢層の高さに驚きました。半分以上が白髪交じりの男性でした(だいたいは女性の方が多いんです)。こういう作品こそ、教養の演劇として戦争を知らない世代(私を含め)に広まってくれたらなぁと思います。NHKで放送されるのはとても良いですね。

 ここからネタバレします。※セリフは完全に正確ではありません。

 巣鴨プリズンに入れられた戦犯の多くが死刑判決を受けたことについて、料理屋の女主人ナベ(大塚道子)の息子・英文(田中壮太郎)が言ったセリフが胸に残ります。
 「(死刑にして)今殺さなくたって、50年たてばみんな死んでるさ。」
 今は2007年ですから、もう57年経っているんですよね。

出演=大塚道子、阿部百合子、長浜奈津子、生原麻友美、小澤英恵、可知靖之、中野誠也、塩山誠司、田中茂弘、西川竜太郎、田中壮太郎、松島正芳、林宏和
作=斎藤憐 演出・美術=佐藤信  音楽=中村透 照明=黒尾芳昭 音響=田村悳 衣裳=若生昌 舞台監督=石井道隆 演出助手=安藤勝也 制作=山崎菊雄 村田和隆 主催=劇団俳優座
一般5250円 学生3675円
http://www.haiyuza.com/

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Posted by shinobu at 21:07 | TrackBack

【写真レポート】たざわこ芸術村・わらび座ミュージカル鑑賞ツアー09/23~24(まとめ)

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わらび座リーフレット

 東北の大自然を満喫できる楽しい観光旅行をさせていただきながら、わらび座についてお聞きすることができました。

 ミュージカルというと日本では一般的に、劇団四季、東宝ミュージカル、宝塚歌劇の名前がまず挙がりそうですが、オリジナルのミュージカルを全国規模で上演しているカンパニーもけっこうあるんですよね。その中でも独特の事業展開をしているのがわらび座です。

 ⇒写真レポート1日目2日目、まとめ(この記事です)

 わらび座は大小あわせて7チームが全国・海外を回っており、学校公演を含めて年間約1,200ステージを上演しています。海外公演はアメリカ、ヨーロッパ、アジア、ブラジルなど広く16カ国で行なっており、ロシアや韓国には毎年のように渡っているそうです。

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たざわこ芸術村内にある民族芸術研究所

 わらび座が海外へ行くだけでなく、海外からわらび座へと、劇団経営システムを学ぶために視察に来られることもあります。今年はこれまでに数回、韓国から20人以上の団体ツアーがたざわこ芸術村に訪れており、韓国とのつながりは年々深くなっているそうです。

 ホテルやショッピング・モールなどの複合レジャー施設と併設される形で、わらび座ミュージカル上演劇場が2006年に誕生しています。愛媛県東温市見奈良のレスパス・シティ内にある「坊っちゃん劇場」です。こけら落としはジェームズ・三木さん作・演出の『坊っちゃん!』(昨年の約300公演を経て現在全国ツアー中/東京公演は11/10~29に北千住のシアター1010にて)。海外だけではなく地方自治体からの、たざわこ芸術村視察が増加していることにも大いに納得です。

ghibli_kanban.JPG
スタジオジブリとのコラボレーション

 国際的な芸術活動をしつつ、ホテル経営や地ビール製造・販売などでも成功し、企業とビジネス面で積極的に関わりながら、地元のお祭には毎年必ず無償で参加したり・・・。この資本主義社会の日本において芸術と経済を両立させた、地に足のついた営みを実現されています。

 最も感動したのは子供2人に1人の保育士がつく、24時間体制の保育所があることです。小さなお子様がいる役者さんやスタッフさんが、安心して全国ツアーに行けるんですね。女性にとっての結婚・出産が、芸術活動を辞めるきっかけにならないのが凄いことだと思います。既に50年の歴史があるそうです。

 今舞台に立っている役者さんの中には、ご両親ががわらび座のメンバーという“わらびっ子”も大勢いらっしゃいます。私が観た『小野小町』主役の椿千代さんも、『坊っちゃん!』主役の三重野葵さんも“わらびっ子”です。日本のオリジナル・ミュージカルの世界で、芸術が親から子へと受け継がれていっているんですね。

 保育所ではわらび座関係者だけでなく、一般の方の子供も預かっているそうです。わらび座が始めることは何でも公(おおやけ)に近づいていくという、芸術が生活に結びついているひとつの成功モデルなのではないでしょうか。

 いくつものプロジェクトが並行して進んでいるわらび座ですが、来年4月から全国ツアーが始まる新作ミュージカル『火の鳥~鳳凰編~』は、その中でも大きなものになりそうです。原作は皆さんご存知の手塚治虫の名作漫画。演出の栗山民也さんほか、豪華スタッフが揃っています。キャストはわらび座メンバーを含めて現在オーディション実施中だそうです。わらび座による純日本製の新作オリジナル・ミュージカルの誕生が、今からとても楽しみです。

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Posted by shinobu at 10:03 | TrackBack

【写真レポート】たざわこ芸術村・わらび座ミュージカル鑑賞ツアー09/23~24(2日目)

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田沢湖

 初めて訪れた秋田県の秋は、柔らかい太陽光が注ぐ中で心地よい風も吹いて、深呼吸する幸せをしみじみ実感できる大自然の宝庫でした。

 ミュージカルを観て、美味しい食事をして、森林浴をして、もー何年ぶりだろう?って思うぐらいリラックスして楽しみました。

 ⇒写真レポート1日目、2日目(この記事です)、まとめ

 昨晩ビールを飲みすぎたかな~・・と思いつつ、温泉で贅沢に朝風呂に入ってすっきり爽快。バイキング形式の朝食ではパンにジャムという軽いものにしました。だって昨日は豪華に食べ過ぎた(笑)。

 ホテルをチェックアウトして、車で田沢湖観光に出発!田沢湖(Wikipedia)といえば、水深日本一のカルデラ湖です。中学の地理のテストで覚えたな~・・・などと思い出しつつ到着すると、なんとも美しい青色の、大きな湖でした!!

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 ↑山の緑と湖の青、そして晴れた水色の空!風が強かったようで、湖には大きな波が立っていました。

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 ↑神社にお参りしてから、ウグイという魚の餌付けポイントへ。温泉の排水が湖に流れ込んで一時は魚が死滅してしまったそうですが、町をあげて水質汚染対策に取り組んだところ、少しずつ魚が戻ってきたそうです。

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 ↑そのひとつがウグイ。餌を群れの中に投げ込むと・・・

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 ↑集まる!跳ねる!重なる!! 「わーーーっ!!」と喜びながらじゃんじゃん餌を投げる私(笑)。風も気持ちいいし、空気も美味しいし、絶景だし、もーサイコーに楽しかった。
 ダンサー・振付家のピナ・バウシュさんが、雪の中の田沢湖を観光に来られたこともあるそうです。

 ウグイに別れを告げて、湖の周りを走りながら田沢湖高原へ。わらび座ミュージカル『山神様のおくりもの~マタギの里から~』の作・演出を手がけられた菊池准さん、美術の島次郎さんも創作前にいらっしゃっています。

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 ↑またもや絶景!!奥に見えるのが先ほど餌付けをした田沢湖です。

 そしてわらび座が経営する田沢湖高原温泉郷・ゆぽぽ山荘にご案内いただきました(たざわこ芸術村から車で約40分)。女優の故・山本安英さん、昨年亡くなられた劇作家の木下順二さんが長期滞在されたこともあるそうです。※写真はゆぽぽ山荘サイトより。

 たざわこ芸術村のホテルの名前にもなっている“ゆぽぽ”の由来を教えてもらいました。アイヌ語で「歌」を示す“うぽぽ”と、東北弁で「温かい」を意味する“あぽぽ”(おばあさんが赤ちゃんに話しかける時に使う)から来ているそうです。そこに温泉の“湯”が入って“ゆぽぽ”になったのかしら。なんとも愛らしい名前です。

 高原を下りてたざわこ芸術村に戻り、昨日は貸切で入れなかったTAZAWAKO BEERでイタリアン・ランチをいただきました。
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 ↑パスタとピザが美味しかった。地ビールは昨日飲みすぎたので自粛(笑)。

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 ↑スタジオジブリとわらび座のコラボレーション商品です。『ジブリの絵職人・男鹿和雄展』が開催されていた東京都現代美術館と、わらび座関連施設のみでの販売。男鹿さんは秋田県出身なんですね。展覧会のオープニング・パーティーでは、わらび座が民族舞踊「沖揚音頭」を披露されたそうです。

 食事の後、角館(かくのだて)観光へ。

 武家屋敷(時代的のロケ地としても有名)をご案内いただき、わらび座と由縁のある安藤醸造元を訪れました。わらび座のメンバーが東京から秋田に移住し、農業を手伝いながら芸を披露して生計を立てていた頃に、お米や醤油、みそを分けてくださったのが安藤醸造元の女将(当時)だったそうです。※写真は安藤醸造元サイトより。

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 ↑レンガ造りの蔵座敷(くらやしき)を見学しました。

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 ↑蔵の中に和室があるんですよ~。ふすま絵が豪華。

 そして、安藤醸造元が経営する北浦本館にも足を伸ばしました。安藤醸造元は今は若旦那が経営されており、わらび座とともに角館を大いに盛り上げていくプロジェクトに関わっているそうです。

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 ↑高速道路のサービスエリアのように、休憩&お買い物する人がいっぱい。名物のソフトクリームがあるそうで、どんな味かと思ったら、なんとしょうゆ味!

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 ↑意外にもキャラメルのような味がして、これはクセになりそう♪地元の新聞で人気ランキングNo.1になっていました。

 ⇒たざわこ芸術村・写真レポート(まとめ)に続く

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【写真レポート】たざわこ芸術村・わらび座ミュージカル鑑賞ツアー09/23~24(1日目)

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わらび劇場

 オリジナル・ミュージカルを創作し、日本全国で公演をしているわらび座。本拠地のたざわこ芸術村がスゴイらしいという噂を聞き、1泊2日の旅行に行ってまいりました。

 そもそも秋田県でミュージカルを観たいと思ったのが始まりなんですが、実はわらび座が有名なのはミュージカルだけじゃなかったんです・・・!

 いいお天気にも恵まれ、暖かいおもてなしを受け、満足以上の秋の東北の旅になりました。

 ⇒写真レポート1日目(この記事です)、2日目まとめ

 秋田新幹線こまちに初めて乗りました。単線になっている箇所があるので、途中で止まったりするんです。それがのどかで可愛い。

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 ↑イスがデラックスなんですよ、カップ・フォルダーが付いてたりして。はやてに乗らずにこまちに乗る人も多いそうです。

 駅から車で7分ほどでたざわこ芸術村に到着。まずはホテル「温泉ゆぽぽ」にチェックインし、ふわっと新しい畳の匂いのする和室でいっぷく。そしてお食事処ばっきゃで昼食にしました。

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 ↑比内地鶏釜めし膳をいただきました(食べてる途中の写真でごめんなさい・・・)。上演中のミュージカル「小野小町」にちなんだ冷たいおうどん(“小町うどん”だったかな)のメニューもあり。

 昼食後、「小野小町」マチネが始まるまで森林工芸館でお買い物。

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 ↑手作りのオカリナを演奏していただいたりして、掘り出し物のおもちゃ「ひとひねり」を購入!かなりキてる、一種の“知恵の輪”です!!

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 ↑てくてく歩いて劇場へ。緑がいっぱいの道が気持ちいいです。

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 ↑イタリアン・レストランTAZAWAKO BEERでは、豪華にレストラン・ウェディングの最中でした♪

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 ↑わらび劇場(710席)が見えてきました。屋根が東北の建築らしいですね。わらび劇場では4月から翌年のお正月まで1演目が上演されます。年間およそ300ステージ!⇒「小野小町」レビュー(写真あり)
 1月から3月は積雪のためわらび劇場での上演はお休み。その期間は小劇場(150席)で「秋田風味コメディ」シリーズを上演されています。来年の演目は「花舞台だよ、おっ母さん」。女優2人のコメディだそうです。

 ミュージカル鑑賞後はたざわこ芸術村をぐるりと歩いてみました。

keikoba.JPG

 ↑広い敷地には稽古場が4つ!小劇場や民族芸術研究所もあります。劇場のすぐそばでお稽古をして、本番前に劇場を使ってお稽古をして、あーもー本当に恵まれた創作環境ですよね。

 歩きつかれたらホテルにもどって温泉へ。ゆっくり温まって浴衣に着替えてリラックスしたら、夕食です。

dinner.JPG

 ↑超豪華なディナーでした♪もちろん地ビールも一緒に。秋田県は米どころですから日本酒も種類がたくさんあります。でも今日はやっぱり地ビールで。たざわこ芸術村で作られたビールはインターナショナル・ビア・コンペティション(国際ビール大賞)で金賞を受賞しているものもあるんです。欲張って3種類いただきました。美味しかった~♪

 ⇒たざわこ芸術村・写真レポート(2日目)に続く

※注意を払って記事を掲載していますが、正確な情報は公式サイトでご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:56 | TrackBack

世田谷パブリックシアター『音楽劇「三文オペラ」』10/09-28世田谷パブリックシアター

 大好きな『三文オペラ』を、これまた大好きな演出家・白井晃さんが演出されるということで、スタッフも豪華ですし、楽しみにして初日に伺いました。

 上演時間は3時間10分ぐらい(休憩1回ふくむ)。んー、まだ完成していない感じがしましたね。これから観に行こうかと思ってらっしゃる方は、もうちょっと後に行くのがいいかも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇「三文オペラ」

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 20世紀最大の演劇の革命家、ベルトルト・ブレヒト。
 ~1928年、代表作「三文オペラ」は初演された。
 舞台は19世紀のロンドン。資本主義社会の矛盾を痛烈に皮肉った。
 演劇の枠組みをぶち壊し、脱オペラの手法を打ち立てた。
 ~2007年、21世紀の今。
 時代はハイパー資本主義へと拍車がかかる。
 人々の欲望は、見境なしに膨張する。
 舞台は現代、どことも知れぬアジアの街!
 翻訳も歌詞も大胆不敵にニューヴァージョン!
 クルト・ヴァイルの音楽が華麗に炸裂する!
 貫くエネジーで、現代社会のカオスを切り開く。
 白井版「三文オペラ」!
 世田谷パブリックシアターをぶっ飛ばす。
 ≪ここまで≫

 『三文オペラ』を観るのはこれで4作品目になります(⇒)。今年の新国立劇場演劇研修所第1期性の試演会1で、ぞっこんに大好きになりまして、音楽の前奏を聴くだけでもわくわくするぐらい。かなり期待していたせいもあり、今作は残念な仕上がりだったように思います。
 たまたま劇場でお会いした「『三文オペラ』は何百回も観たことがある」とおっしゃるベテランの演出家さんが、「今上演してもなかなか成功しないものなんだよ」と教えてくださいました。

 アジアが舞台とありますが、特に「アジア」とは感じなかったですね。今の日本人が出てるから現代日本で通用している言葉が出てくる、というぐらいで。役名も原作のままだし。

 薄汚れたコンテナなどを高く建て込んだ装置(松井るみ)は、最初は「すっごーい!」って思ったんだけど、持続せず・・・。役者さんが落ちるんじゃないかと心配になることが多々ありました。たぶん装置と照明の演出はかなり凝ってると思います。でも初日ではそのクオリティーがわからなかったな~。

 歌詞(ROLLY)は面白い言葉が並んでいて、今までに聞いたことのある歌詞を比べるのが面白かったです。スカンチっぽいんだな~、やっぱり。セリフも新たな翻訳(酒寄進一)なので、言葉の意味を聞いて「なるほど~」と思う分には楽しめました。

 役者さんは・・・セリフもよく間違ってましたし、まだ自信がなさそうに見えました。そして寄せ集め感は拭えず。濃いコミュニケーションが見えないんですよね。

 ジェニー(ROLLY)が働く娼館にいる娼婦たちは若い女優さんが演じられるんですが、めーーーーっちゃくちゃスタイルが良くって、ダンスがうまい!(と思う) しかもほとんど下着姿で出てきますから、男性には目の保養間違いなし(笑)。私は美しい女性の裸が大好きなので(危険発言か?)、めっさ見とれました。あーもー彼女たちをもっと観ていたかった。

 ちょっとネタバレになるのですが、どうしても書いておきたいのでひとこと。最初の「休憩」は休憩にはなりません。おそらくトイレに行ってしまったのであろう可哀想なお客様がいらっしゃいました。どうぞ1回目は座っていてください。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 オープニングの「マック・ザ・ナイフ」は素晴らしかったです。編曲がメロディーと全然違うんだもの!普段着姿のROLLYが素なのか演技なのか曖昧な状態で歌いだすのも、導入としては最高でした。

 客席にぐっと近づいて高くそびえる装置は3階立て。2階部分に歌のタイトルなどを表示する電光掲示板(LEDスクリーン?)があります。4階部分はコンテナのような四角い箱が天井に張り付いている状態で、その壁にくっついた細い蛍光灯が光るのもかっこ良かったです。

 メッキー(吉田栄作)の死刑シーンで、メッキーが電気イスで本当に殺されてしまいます。ビリビリと身体が震えて叫び声まであげるので、ちょっと怖かった。そしてピーチャム(大谷亮介)が「別のエンディングをご用意しました」「女王の使いがやってくる」等と言って、つかの間のハッピーエンド。助かったメッキーが「台本読んでたから助かるのは知ってたのさ!」と言ったのはびっくり(笑)。しかし一瞬でハッピー・ムードは消え、厭世的な歌を大合唱して幕。

 「人は悪を手立てに生きる」は、その部分だけNNTドラマスタジオ版と歌詞が一緒でした。いい言葉ですよね~、悪を手立てに生きるって。やっぱり好きですよ、三文オペラ。

出演=吉田栄作 篠原ともえ 大谷亮介 銀粉蝶 佐藤正宏 猫背椿 ROLLY 六角慎司 細見大輔 内田紳一郎 富岡晃一郎 櫻井章喜 田島俊弥 杉崎真宏 大林洋平 篠原功生 鈴木良一 金世一 岡寛恵(赤いスリップ) 中澤聖子(ジーンズ) もたい陽子(豹柄) 冨岡真理央(黄色いキャミソール)
作=ベルトルト・ブレヒト 音楽=クルト・ヴァイル 翻訳=酒寄進一 演出=白井晃 音楽監督=三宅純 歌詞=OLLY 美術=松井るみ 照明=齋藤茂男 音響=福本荘一 衣裳=太田雅公 振付=井手茂太 技術監督=眞野純 プロダクション・マネージャー=堀内真人 舞台監督=勝康隆 歌唱指導=満田恵子 演出助手=中村太郎 石内エイコ 音楽監督助手=荻野清子 学芸=小宮山智津子 制作=根本晴美 相場末江 宣伝美術=タカハシデザイン室 宣伝写真=ニ石トモキ スタイリスト=青柳美智子 ヘアメイク=神﨑美香 CGオペレーション=Studio Gumbo 撮影協力=Bee OMIYA
【休演日】月曜休演  全席指定 A席7,500円/B席5,500円 TSSS 各一般料金の半額 友の会会員割引(A席)7,000円 世田谷区民割引(A席)7,300円
主催=財団法人せたがや文化財団/ぴあ/朝日新聞社 企画・制作=世田谷パブリックシアター
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/10/post_90.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありませんので、ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 00:01 | TrackBack

2007年10月09日

【情報】「T★1演劇グランプリ」第2次審査結果発表!

 「T★1(ティー・ワン)演劇グランプリ」第2次審査の結果が発表されました!79団体の中から選ばれた8団体はこちら

 第1次、第2次審査に引き続き、決勝大会も審査員をつとめさせていただくことになりました。冬のお台場がとても楽しみです。

 本日発売の「TOKYO★1週間」にも記事が掲載されていますので、どうぞお買い求め下さい。

Posted by shinobu at 17:06 | TrackBack

【オーディション】新国立劇場演劇研修所第4期生(2008年度4月開講)募集

 新国立劇場演劇研修所第4期生の募集内容が公示されました(過去の募集時の記事⇒)。

 年齢制限は18~30才以下です。当てはまる役者さんは情報をチェックするだけでもしていただければ嬉しいです。「日本には国立の俳優学校がある」のを知ることが大切だと思います。

 まず、「募集要項・願書 請求票」を郵送して、願書を入手してください。請求票はダウンロード(PDF)できます。

 願書に必要事項を記入の上、2008年1/14(月)~28(月)までの期間中に『新国立劇場 研修主管 演劇 第4期生募集係』に郵送して(2008年1/28消印有効)、この期間内に受験料(5,000円)も振込みます。これで受験申し込みが完了(e-mailおよびfaxは不可)。

【試験日程】
 第1次試験 平成20年2月11日(月・祝)
 第2次試験 平成20年2月14日(木)、15日(金)
 第3次試験 平成20年2月17日(日)

 ★応募資格、研修概要などをよくお読みくださいね。しのぶの演劇レビュー内にも色んな記事がありますので、「新国立劇場演劇研修所」で過去ログ検索してみてください。

 新国立劇場演劇研修所には国内・海外から著名な講師が集まります。今年はナターリヤ・ズヴェーレヴァさんニコラス・バーターさんのお話をお聞く機会がありました。
 演劇教育のシンポジウムでは劇作家・演出家のふじたあさやさんが、「新国立劇場演劇研修所の試演会2に行った。今までにない俳優が育ってきてる。久保田万太郎のセリフに命が通っている俳優も居た。授業の内容は見学できないから知らないけれど、ケタ違いの金を使っている。」等とおっしゃっていました。

公式=http://www.nntt.jac.go.jp/training/drama/auditions/index.html
※注意を払って記事を掲載していますが、正確な情報は公式サイトでご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:51 | TrackBack

2007年10月08日

彩の国シェイクスピア・シリーズ第18弾『オセロー』10/04-21彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

 蜷川幸雄さんが演出されるシェイクスピア。毎回さいたまの与野本町まで行くのに大分慣れました。私は帰り道が寂しいので必ずマチネに伺うようにしています。

 蒼井優さんのデズデモーナを楽しみに伺いました。上演時間は約4時間(15分の休憩を含む)。ソワレをご覧になる方は終電のチェックが必要かも!

 ⇒CoRich舞台芸術!『オセロー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより (役者名)を追加。
 ヴェニス公に仕えるムーア人の将軍オセロー(吉田鋼太郎)は、若きデズデモーナ(蒼井優)を妻とし、二人は深く愛し合っている。旗手イアゴー(高橋洋)は、自分ではなく同輩キャシオー(山口馬木也)を副官に昇進させたことで、オセローに深い恨みを抱いている。イアゴーは忠実な部下を装いながら、オセローを罠にはめるべく、デズデモーナがキャシオーと通じているとうそぶく。誠実なオセローはその策略にはまり、深く愛するがゆえにデズデモーナへの疑いを募らせ、その抑え切れない嫉妬心は妻の真実の言葉さえ信じることができなり・・・。
 ≪ここまで≫

 予想していたよりもかなりシンプルな演出でした。もっと装置が変化するかな~と思ったんですけど、それほど大掛かりな転換はなく。役者さんの言葉で伝えていくことが中心だったようです。

 タイトルロールの吉田鋼太郎さんの声がかすれていて、それがすごく心配で集中しづらかったです・・・。あと、やっぱり私は『オセロー』という戯曲自体があまり好きじゃないのかもと思いました(過去レビュー⇒)。

 ものすごく乱暴に物語をはしょってしまうと、最愛の妻が浮気をしていると信じ込まされた立派な男が、嫉妬に狂って身を滅ぼしてしまうという悲劇です。そのストーリーの奥深くや、枠組みの外側へと想像を広げていければ良かったのかもしれませんが、残念ながらそういう探検や飛翔はできず。

 イアゴー(高橋洋)にまんまと騙されるオセロー(吉田鋼太郎)の慌てぶりが、たまに大げさなギャグをやってるかのように見えたのは、演出意図どおりなのか私の思い込みなのか、微妙な感じでした。
 じっくりと無言で見せるシーンは前のめりに味わえました。イアゴーの独白は特にゆったりと時間が取られていたような。オセローについても、怒りに任せて大声で叫んだ後の、呆然とした表情などがかっこ良かったです。

 蒼井優さん。細かった~。宮沢りえさんよりも折れそうだった。まゆ毛が「八」の字になって困ったような表情をされることが多く、もっと違う顔も見たかったですね。オセローの気持ちが変わった後、1人で舞台中央に座り込んでいたシーンが美しかったです。
 馬渕英俚可さんが演じられたイアゴーの妻エミリアは、馬渕さんならではの解釈で自信を持って堂々と演じられているようで、見ごたえがありました。

 ここからネタバレします。

 3階分ぐらいを一気に上れる銀色の金属製の階段が5つ出てきます。舞台上手と下手、そして舞台奥の壁に向かって3つ並んでいます。空間上部には細いキャットウォークがつり橋のように舞台を横断していました(建物をつなぐ連絡通路のようにも見えます)。役者さんが階段を上ったり下りたり通路を走ったり、何度も何度も。大変そうだな~と思って眺めつつ、ちょっと飽きちゃったりも。

 デズデモーナがオセローに「売女!」と呼ばれ、殴られたりした後で、デズデモーナとエミリアが2人で寄り添うシーンがあります。その後すぐに死んでしまう2人が、最後にしっかりと心を通わせたんだな~と思い、『オセロー』に登場する2人の女の関係についての新たな発見にもなりました。

≪東京、富山、名古屋、大阪≫
出演=吉田鋼太郎、蒼井優、高橋洋、馬渕英俚可 山口馬木也 壤晴彦 清水幹生 手塚秀彰 小田豊 山野史人 鈴木豊 妹尾正文 高瀬哲朗 清家栄一 飯田邦博 塚本幸男 髙山春夫 坪井里奈 並川倖大 関戸将志 高松潤 原暢宏 清水圭吾 中村大輔 今野太郎 倉澤誠一 渡部純二
脚本=W. シェイクスピア 翻訳=松岡和子 演出=蜷川幸雄 美術=中越司 照明=原田保(違う方に変わったそうです) 衣裳=小峰リリー 音響=井上正弘 ヘアメイク=宮内宏明 ファイトコレオグラフィー=國井正廣 演出助手=井上尊晶 大河内なおこ 舞台監督=白石英輔、八須賀俊恵 宣伝美術=服部浩臣 宣伝写真=川田洋司 宣伝ヘアメイク=石川智恵 宣伝スタイリスト=村上杏奈 主催=(財)彩の国さいたま芸術文化振興財団/朝日新聞社/テレビ朝日 制作=(財)彩の国さいたま芸術文化振興財団/ホリプロ 企画=彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
【発売日】2007/06/16 S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生席2,000円 メンバーズ割引などあり。
http://www.saf.or.jp

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありませんので、ご了承下さい。
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Posted by shinobu at 21:25 | TrackBack

2007年10月07日

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)『インド・イラン・ウズベキスタン・日本 コラボレーション「演じる女たち」3部作 ギリシャ悲劇からの断章』10/06-08シアターコクーン

 ウズベキスタン、イラン、インドのカンパニーによる、ギリシア悲劇のオムニバスです。随分前にチラシを見つけた時から気になっていて、ぎりぎりまで迷った末、行ってきました。超刺激的、でした(笑)。
 上演時時間は約2時間45分(15分の休憩を含む)。舞台中央に字幕つき。

 ⇒CoRich舞台芸術!『演じる女たち

 ≪解説≫ 公式サイトより
 インド・イラン・ウズベキスタンの精鋭演出家3人がシアターコクーンに集結!ギリシャ悲劇のヒロインを通して現代を再構築する―。07年1月にインド・ニューデリーで初演。各国から注目を集める中、日本での公演が決定!
 ≪ここまで≫

■第1部「メディア」<ウズベキスタン> 演出:オブリヤクリ・コジャクリ
 僧侶のようなゆったりとした衣裳を着た俳優が、民族舞踊のような歌と踊りで語っていく「メディア」のストーリー。
 始まった時は芸術的な空気に「おぉ~♪」とちょっと驚いたのですが、3つの中では一番スタンダードな演劇だったように思います。それぐらい「先鋭」ぞろい。
 メディアの夫の新しい妻(クレオンの娘)役の男優さんの歌声が美しかった。

■第2部「イオカステ」<イラン> 演出:モハメド・アゲバティ
 スタイリッシュな『オイディプス王』の3人芝居(登場人物は2人)。現代口語演劇のようにさらりと話す演技です。
 記憶の断片が並んでいくような。男の胎内回帰願望と男女のセックスが重なるような(母イオカステと息子オイディプスが交わるので)。

■第3部「ヘレン」<インド> 演出:アビラシュ・ビライ
 あーもーキテレツ!濃すぎ!(笑) とても面白かったですが、めちゃくちゃ疲れました。
 ゼウスの娘で絶世の美女ヘレナを、“石油”に見立てたり(おそらく)。ヘレナの妹クリュタイメストラの息子オレステスが、ジェット機型のゲーム・コントローラーでへらへら遊びながら「大量破壊兵器がを所持している恐れがある国と戦う!」などと演説します。衣裳も音楽も強烈でした。ステージのまわりに生えていたのは、パンティ・ストッキングだったんですね(石油製)。


※「ヘレン」はヘレナだったりヘレネだったりします。
A Theatre Collaboration of India, Iran, Uzbekistan and Japan "Performing Women" 3 Reinterpretations from Greek Tragedy
≪インド(2007年1月)、東京(2007年10月)、韓国(2007年10月)≫
『メデイア』演出=オブリヤクリ・コジャクリ(ウズベキスタン)
『イオカステ』演出=モハメド・アゲバティ(イラン)
『ヘレネ』演出=アビラシュ・ピライ(インド)
美術=中山ダイスケ 照明デザイン=大石真一郎 音響デザイン=遠藤憲 インターリュード(幕間)・テキスト=ギータンジャリ・シュリー インターリュード作曲・ボーカル(演奏も)=国広和穀 インターリュード・ボーカル=柴田暦 主催=国際交流基金(ジャパンファウンデーション)/Bunkamura/朝日新聞社 作品企画・制作=国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
S席 6,500円/A席 5,000円/コクーンシート 3,500円 (全席指定・税込) Bunkamura チケットセンター <10:00~17:30>03-3477-9999
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_07_onna.html

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Posted by shinobu at 21:36 | TrackBack

InnocentSphere『獅子吼~シンハナーダ~』10/04-07紀伊國屋サザンシアター

 InnocentSphere(イノセントスフィア)は西森英行さんが作・演出される劇団です。青山円形劇場、シアタートラムを経て今回は紀伊國屋サザンシアターに進出。

 時事問題に真っ向から立ち向かった、直球ど真ん中の真剣勝負。InnocentSphereの作風は社会派エンターテインメントと言われることもあるそうですが、オンタイムすぎて驚くほどでした。観られて良かったです。上演時間は約2時間弱。

 ⇒CoRich舞台芸術!『獅子吼~シンハナーダ~

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 歴史vs人間
 彼らは歴史に、最後の孤独な戦いを挑む。

 2007年。
 巨大な地下空間で共同生活をする若者たちがいた。
 「地上では『戦い』が続いている―。」
 彼らはやがて訪れる「来たるべき日」に向けて、日々心身の修養に励んでいる。
 彼らは一体何者なのか。
 革命の志士か犯罪者か。それともただ闘争の果ての平和を夢想する者たちか。
 まだ見ぬ敵への闘争心を抱えたまま、果てしなく続いていく平坦な日々…。
 ある時、彼らはふとしたきっかけからひとつの疑問を持ち始める。
 「『戦い』のためにここを出る日は、本当に来るのだろうか…。」
 やがて彼らは自分たちの信念を疑い始め、動揺し、激しく混乱していく。
 その時、ひとりの女が、
 彼らの存在をめぐる重大な秘密を告白する―。
 そして彼らは、強大な敵を相手に、最後の戦いを挑むことになる。
 ≪ここまで≫

 作・演出の西森さんは現在29歳。若い作家が今感じたことを、今演劇にして上演していること、そして役者さんがとても真面目に、本気でぶつかっていること。それだけでInnocentSphereならではの価値だと思います。
 さらに今回は戯曲が演劇ならではの構造になっており、作家が伝えんとすることを素直に受け取ることができました。きれいに治まる(まとまる)かと思いきや、さらに先へと、これでもか、これでもかと突き詰めていくあたりにも、作家の熱意が感じられます。

 現在の都合で過去(歴史)を塗り替えることに対して、力の限りに問題提起をされていたように思います。おおげさに正義漢ぶることなく、ただ真摯に、演劇という表現を使って。

 ここからネタバレします。

 地下空間とは1945年夏の沖縄の壕。そこで暮らしている若者とは、地下で死んでしまった兵士や民間人でした。戦死者が自分達が死んだ日のことを芝居(劇中劇)にして演じていくことで、その日に何が起こったのか、いったい彼らは誰にどうやって殺されたのかが明かされていきます。
 同時に2007年現在のシーンも平行します。沖縄戦での「集団自決」から日本軍強制の記述が削除される教科書問題(沖縄戦「集団自決」問題)について、意見が対立する老人(壕から脱出して生き延びた兵士)とその孫が登場します。老人が地下壕の仲間達のことを回想し、60年前の出来事が現在とつながります。

 あからさまな外国人差別(琉球人、台湾人、朝鮮人らを下級とみなす)や日本による植民地支配(劇中ではそう呼ばれることもありました)の惨状なども、劇中劇の中で純粋に演じられる登場人物によって言及されます。今の若者が知った日本の太平洋戦争の姿が、そこにありました。

 今を生きている若い俳優が劇中劇として戦争を演じることで、60年前の出来事が私自身にとってのリアルに近づきました。それは素晴らしいことだと思いますが、できれば、見事に仕上がった社会派演劇というパッケージの、さらに外側の世界も生み出してくれたらいいなと思いました。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演=吉田鋼太郎 西森英行 中井出健(AUN) 司会=柳悠美

 彩の国さいたま芸術劇場『オセロー』主演中の吉田鋼太郎さんが、終演後に駆けつけたそうです。すごいですね。

出演=狩野和馬 坂根泰士 倉方規安 日高勝郎 足立由夏 四十八願智子 黒川深雪 三浦知之 間野健介 八敷勝 こうのゆか 中井出健(AUN) 久野一洋(劇がく杜の会) 吉川博史(黒色綺譚カナリア派) 小櫻健一(AUN) 杉本政志 高田淳 中田真弘 長谷川耕(AUN) 山下潤 伊藤優 小澤恵(劇がく杜の会) 桑原なお 小垣外翔 吉田真由美
作・演出=西森英行 照明=斎藤真一郎(A.P.S.)  音響=ヨシモトシンヤ(SoundCube)  選曲=高橋秀雄(SoundCube)  美術=松本わかこ  大道具製作=イトウ舞台工房  小道具=蕪木久枝  衣裳=村瀬夏夜  ヘア・メイクプランナー=泉淑  宣伝美術・映像=冨田中理(SelfimageProdeukts)  スチール=坂田峰夫  演出助手=田村友佳(KAKUTA)  舞台監督=筒井昭善  票券管理=萬代純子(penguin jam)  制作補佐=柳悠美 ・筧尚子 ・中田豪一 ・風見尚子 ・宮永琢生(ZuQnZ)  制作=佐竹香子  企画製作=InnocentSphere 協力=ライドアウト・田中浩補  助成=芸術文化振興基金
全席指定 ■前売 一般:3500円/ペア:6400円 大学・専門学生:2000円 中・高校生:1000円 ■当日 一般:3500円 大学・専門学生:2000円 中・高校生:1000円
公式=http://www.innocentsphere.com/

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2007年10月05日

演劇集団円『天使都市』10/02-14ステージ円

 松田正隆さんの書き下ろし新作を演劇集団円の期待の若手演出家・森新太郎さんが演出されます(⇒過去レビュー)。
 昨年亡くなられた同劇団の仲谷昇さん、岸田今日子さんへの哀悼の念を込めた公演です。

 素敵だなと思った言葉、絵画のように美しい風景が、記憶にとどめる前に次々と消え去っていく、約1時間25分でした。意味は全然わからなかったんですが、とても面白かったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『天使都市
 途中だったレビューをアップしました。舞台写真あり!

 下手に砂山がある殺風景なステージ。舞台奥には下手から上手へとゆるやかに下る坂道があります。砂の上には木製のイス。中に古いラジオが半分ぐらい埋まっています。

20071005_tenshitoshi_stage1.jpg
左から高橋理恵子、梶原美樹(後方)、平木久子、三谷昇 (C)宮内勝

 登場するのは旅の装いの老夫婦(三谷昇&平木久子)と、若い男女(上杉陽一&高橋理恵子)、そして若い男女を支配している女(梶原美樹)。

 色んな隠喩があるのだろうと思って、心にひっかかるものに出会ったらその度に「これは“死”かな?男女の対比?思い出??」などと、自分の脳みその中にあるわずかな知識を掘り起こして当てはめようとしたのですが、後から次々と繰り出されてくる不思議な言葉や出来事に魅せられて、忘れ去ってしまいます。

 どこかにあるはずのヒントを見つけて、そこにしがみついて、何とか理解をしようとしたのですが、いかんせん無知な私です。何もわからず、舞台で起こる出来事を赤ん坊のように眺めて、可笑しい時に笑って、じ~んと来た時に泣いて、わからない時はやりすごして(笑)、ただただ受身の状態で『天使都市』というお芝居の中を漂いました。

 音楽がとても心地よくて、照明も非常に雄弁で効果的でした。観終わってから脚本を読ませていただいたんですが、もー・・・会話のようで詩のようで、さっき観たばかりなのに全く記憶に残っていない言葉もありました。また、かなり大胆に演出で変更を加えていることがわかり、森さんのセンスにまたもや感心させられました。

20071005_tenshitoshi_stage2.jpg
左から平木久子、三谷昇 (C)宮内勝

 命と記憶、そして時間・・・なのかなと思いました。ものすごく漠然とした印象だけが残っています。でも、それがまさにこの舞台だったんじゃないかなと思えました。漠然としたまま、消えていくこと。物も事も命も、砂の中に埋まっていくこと。『ニュータウン入口』を思い出しました。

 行動の意味がわからないし、無言の時間も多いですが、役者さんの演技は観ていて退屈しないものでした。老夫婦はそこに居るだけで厚みがありますし、若い女(高橋理恵子)のセリフは強くひびいてきて、いつも目が行きました。

 ここからネタバレします。

 黒装束の天使は「若い女」という役名で、脚本にはセリフがたくさんあるのですが、一言もしゃべりませんでした(オイルを塗られている時のあえぎ声以外)。誰かのセリフがラジオからかすかな騒音のように流れたりもしていましたね。演出家の力が見えました。

 天上から降り注ぐ砂。生きているのか死んでいるのか(見えているのか聞こえているのか)わからない老夫婦。とりとめもない思い出話は、説明すればするほど伝わらないし、曖昧になったりします。
 黒いトレンチコートの下はほぼ裸(黒いビキニ)の無言の天使が、若い男女に首輪をつけて縄でひっぱっています。砂のなかに埋められた女はそのまま解放され、下手な手品をやらされる男はこれまでと同様に縄につながれて、鞭で叩かれて連れて行かれます。
 ラストは老婆が天使と男の後を追って上手に去り、老人は砂の中の女を妻と間違えてから、1人で下手に去りました。埋まった女は埋まったまま。

 副題は「記録を残さなかった都市の記憶についての演劇的記録。」です。

出演=三谷昇、平木久子、上杉陽一、高橋理恵子、梶原美樹
脚本=松田正隆 演出=森新太郎 美術=伊藤雅子 照明=小笠原純 音響=藤田赤目 衣裳=緒方規矩子 舞台監督=田中伸幸 演出助手=林紗由香 ステージング=板垣朝子 宣伝美術=坂本志保 制作=桃井よし子 大谷香織
【休演日】10月9日 一般4,500円、学生3,500円 ペアチケット(2枚一組)8,000円
http://www.en21.co.jp/

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Posted by shinobu at 22:46 | TrackBack

わらび座『ミュージカル「小野小町」』04/14-01/03わらび劇場

 東京にもよくツアーに来て下さっているわらび座ですが、作品を観るのはこれが初めてでした。上演時間は約1時間50分休憩なし。

 秋田県は角館(かくのだて)のわらび劇場(710人収容)で、今年の4月中旬から来年1月初旬までの9ヶ月におよぶ長期公演中のミュージカルです。なんとシングルキャスト(1人1役で代役なし)!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「小野小町」

 ≪あらすじ≫ チラシより引用。
 出羽国司、小野良実と村長の娘・大町子の間に生まれた小野小町は、祖父母と母の愛に包まれて美しく育つ。「13歳になったら上洛せよ」との父の言葉通り、小町は母とともに京に上るが、都には正室の萩とその娘紅葉がいた。不慣れな京での暮らしの中、数々のいじめに遭うが、小町はひるむことはない。次々とみやびな都の文化を身に着けていく。
 やがて、小町の美しさと和歌の才能は京中に知られるところとなる。17歳になり舞姫に選ばれた小町はついに仁明天皇の目に留まる。小町は、父良実や小野家にとってなくてはならない人間となり、萩と紅葉の心は穏やかではない。
 仁明天皇の更衣となり、輝くばかりに美しく、さらに磨かれた和歌を詠む小町に、狂おしいほどの思いを寄せている男がいた。紅葉の夫、仁明天皇の皇子である「深草少将」であった。天皇の子を宿し、絶頂を極める小町を陰謀と策略が襲う。虚飾にまみれた世界に翻弄されながら、小町は「生きる」ことの真実を見つけていく。
 ≪ここまで≫

komachi_kanban.JPG
わらび劇場エントランス

 オープニングは客席後方から秋田音頭を歌い踊りながら役者さんが登場。お祭りの衣裳で男性も女性も元気いっぱいに開幕ムードを盛り上げてくれます。舞う手の動きがパキっと細かく静止するのが美しく、女性が叩く太鼓の音には軽やかながら堂々とした響きがありました。声も伸びと張りがあって気持ちよく聞いていられます。「あぁ、これは何年もお稽古を積み重ねて、身にしみこんだ動きだな」と思いました。稽古というより習慣と言った方が近いかもしれません。

 光沢のある真っ黒な回り舞台で優雅な衣裳を着た平安の世の人物たちが(美術・衣裳:朝倉摂)、素直な気持ちを言葉と歌にあらわしていきます。とてもわかりやすいストーリー展開で、時にはセリフ・歌がなくBGMと役者さんの演技だけで出来事を伝えることもあり、退屈することはありませんでした。

 秋田生まれの内館牧子さんが書かれた「小野小町」は、秋田に生まれ秋田に死んだ小町の「強いからこそ美しい女性像」が強く打ち出されていました。秋田県で観るからこそ楽しめる、地元ならではの題材も含まれていたように思います。福岡観劇の時にも感じましたが、舞台鑑賞というのは場所が変われば違う作品になるのだなと思います。まず観客は地元の方が多いですしね。秋田のわらび劇場で観る「小野小町」は、これしかないんですよね。東京で観たら全然違う感想を持つだろうと思います。

3actors.JPG
終演後に役者さんと記念撮影できます

 ミュージカルを観るとたまに、役者さんが自分1人だけの世界を作って、歌いながら自分に酔っている状態を目にすることがあります。今作ではそういうことが全くありませんでした。役者さんはまっすぐに自分が演じる人物として作品の中に存在し、歌い、演じており、登場人物それぞれが関係を交えていくことで、1本の線がはっきりと見えてくるような、とても素直な作品でした。だから何度も涙が流れたのだと思います。
 また、セリフの間違いが1度もありませんでした。わざわざ書くことではないと思いつつも、やはり触れずには居られません。私が観たのが9/23ですから初日から5ヶ月経っているとはいえ、すっかり心身にやきついた演技を見せていただけたるのは嬉しいことです。プロフェッショナルだなと思いました。

 小野小町は学校の授業で必ず学習する歴史上の人物ですが、知らないことがいっぱいでした。彼女については「実在の、架空の人物」と言われるほど、たくさんの逸話が残っているようです。

 ここからネタバレします。

 小野小町の和歌です(パンフレットより)。
 1「花の色は 移りにけりな いたずらに 我が身世に降る 眺めせし間に」
 2「我死なば 焼くな埋(うず)むな 野にさらせ 痩せたる犬の 腹肥やせ」
 1は百人一首にも入っている有名なもので、学校でも必ず習いますよね。2には驚きました。内館さんは2から強いインスピレーションを受けたようです。

 小町と天皇、紅葉と深草少将の恋の四重唱が美しかった。でも歌詞は全体的にちょっと平凡すぎるように感じました。

 秋田の実家に帰ってきた小町を追って、深草少将も都を捨ててやってきました。毎日1本ずつシャクヤクを植えて100日目を迎えたら、小町が彼の愛を受け入れるという約束をするのですが、100日目を迎える直前に少将が死んでしまいます。ドラマティックに盛り上げすぎのような気もしましたが、そのエピソードも小野小町について語り継がれている逸話だそうです。

 とにかく目が離せなかったのが、藤原良房役の萬谷法英さん。どんなセリフも演技もちょっと大げさ目に、見るからに悪者らしく作ってらっしゃるのが面白くて、登場される度に笑っちゃいました。わらび座所属ではなくフリーの方なんですね。この公演のためのキャストなのかもしれません。

出演:椿千代、山名孝幸(ヴォーカル株式会社) 、さとう龍二(ヴォーカル株式会社)、萬谷法英(フリー)、尾樽部和大/阿部佐和子/三重野きよ子/飯野裕子/近藤いずみ/長掛憲司/菅原円/高田綾/遠藤浩子
作曲:深沢桂子 脚本:内館牧子 演出:栗城宏 音楽:深沢桂子 作詞:高橋亜子 振付:鎌田真由美 振付・所作:尾上菊見 美術・衣裳:朝倉摂 照明:塚本悟 音響・効果:栗城恭子 ヘアメイク:鎌田直樹 小道具:平野忍 音楽助手:紫竹ゆうこ 所作助手:安達真理 美術・衣裳助手:西村有加 演出助手:牧田さとみ 舞台監督:石井忍/仁しづか 演出アドバイザー:中村哮夫 制作:劇団わらび座
一般:指定3150円(3675円) 自由2625円(3150円) 小・中:指定2310円(2625円) 自由1785円(2100円) ※( )は当日券料金
http://www.warabi.jp/komachi/

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Posted by shinobu at 16:37 | TrackBack

木山事務所・あうるすぽっと『駅・ターミナル』10/04-14あうるすぽっと

 堤春恵さんの書き下ろし新作ということで(⇒過去レビュー)、とても期待して新しい劇場に伺いました。上演時間は2時間10分(途中15分の休憩を含む)。

 あうるすぽっとはJR池袋駅から徒歩8分、東京メトロ東池袋駅直結の、巨大な高層ビルの中にありました。ガラス張りのエントランスを見てびっくり。まるで大企業のオフィスみたい!高層マンションも隣接し、豊島区立中央図書館も同じビル内にあるそうで、ロケーションは最高ですよね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『駅・ターミナル

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 文明開化を急ぐー伊藤博文を中心としたー政治家と、7歳でアメリカに官費留学し、後に津田塾大学の創設者となった津田梅子の青春から晩年までの人生を、明治のエリートたちの欧米文明受容の葛藤、史実とフィクションをまじえて描き出す。富国強兵を進める初代総理大臣・伊藤博文と、自由で自立した女子教育に情熱を燃やす津田梅子の関係は微妙な男女の心理もからんで対立を生む。駅・ターミナルは、様々な人が通り過ぎる「人生の起点」のシンボルであり、「開かれた世界」への登竜門。追いつき追い越せの欧米文明を乗せた線路が現代の日本の文明までつながり、そしていま、国境を越えていく。
 ≪ここまで≫

 明治時代の実在の人物たちが列車に乗り合わせて語らうことになる、史実をもとにしたフィクションです。舞台はずっと列車の中。時代と場所が変わるので車両が変化します。暗転が長いですが、大胆な転換もあって楽しめました。

 でも演技が・・・。いかにも説明口調で自己紹介するし、不自然に客席に向いて立つし、相手の反応に関係なく、振付がついたように動くし、朗々と歌うようにしゃべるし。舞台の上で役者さんが生きていません。せっかくの脚本もこんな演技で語られては・・・。
 前半はがっかりして集中できませんでしたが、後半は開き直って、言葉の意味を追いかけるようにしました。

 日本を縦横に走るようになった列車の終着駅はどこなのか。終盤で伊藤博文と津田梅子が、線路と駅に思いを馳せながら語るシーンで涙が流れました。

 初日の客席はいかにも演劇界の重鎮らしき人々が揃っていました。まるで新国立劇場の初日みたいに。新しい建物ですけど、中身が新しいわけではなさそうです。

 ここからネタバレします。
 ※セリフは一部パンフレットより引用。正確ではないものもあります。

 伊藤「(線路は伸びる。東京-神戸、上野-青森、北海道へも。)そして海峡を越えると・・・国境だ。」
 この「国境だ」というセリフを聞いた途端、涙があふれました。私達が使っている電車は日本中をくまなく走るようになりました(過疎地もありますが)。その先には海があり、海の先には国と国との境目があります。インターネットが発達して生活に浸透した今、見えないけれど確かに存在するその線を、私達はこれまでにはなかった視点から見つめることができるようになっているはずです。伊藤と梅子にとっての「国境」と私の「国境」の違いがはっきりと感じられました。

 トックビル著「アメリカン・デモクラシー」という分厚い洋書が伊藤と梅子の間を行ったり来たりします。その本の第十章はアメリカの白人至上主義について書かれており、2人ともが最も関心を持って、日本人であることのアイデンティティーを互いに確認することになった箇所でした。なのに伊藤は日本を守り、発展させるために、韓国を植民地化する道を選びます。

 梅子「男たちは線路に汽車を走らせ、その汽車で軍隊を運ぶ。軍隊が国境を越えれば戦争が始まる。」
 この言葉の意味そのままでも充分に歴史を振り返って学ぶことはできますが、それだけでは物足りなく感じました。24時間インターネットで海外とつながっていて、中国から黄砂が降ってきて、原油価格の上昇で物価が上がってきた、今の日本。そこで生きている私たちにとっての「国境」とは何なのか。もっと今とつながるように踏み込んだ演出で観たかったです。若い演出家に演出してもらいたいな。

 川上音ニ郎(Wikipedia)と貞やっこまで出てきて(三谷幸喜さんが新作で題材にされています)ちょっと嬉しかった。

あうるすぽっとこけら落とし公演
出演=外山誠二、久世星佳、村上博、金子由之、林次樹、本田次布、内田龍磨、岩下まき子、森源次郎、宮内宏道、長谷川敦央
作:堤春恵 演出:末木利文 主催: 木山事務所・豊島区・(財)としま未来文化財団 企画製作: 木山事務所・あうるすぽっと
【発売日】2007/07/23 全席指定 一般5000円 学生割引3500円 (学生割引は木山事務所のみ取り扱い) 区民割引4700円 としまみらい友の会4500円
http://www.owlspot.jp/performance/071004.html

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Posted by shinobu at 00:02 | TrackBack

2007年10月04日

MCR『慈善 MUST BE DIE』10/03-13ザ・ポケット

 MCR(エムシーアール)はドリルこと櫻井智也さんが作・演出される劇団です(過去レビュー⇒)。

 今回は『慈善 MUST BE DIE』と『マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック』の2本立て公演。初日から4日間はロングラン割引で2500円です。『慈善 MUST BE DIE』初日を拝見しました。上演時間は約1時間25分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『慈善 MUST BE DIE

 ≪あらすじ≫
 愛しすぎてストーカーまでしちゃってた女の子が目の前で死んだ。どうしよう。でも今となってはそんなことは大したことじゃない。だって部屋の外はゾンビだらけなんだから。
 ≪ここまで≫

 『MCR LABO』シリーズの短編の1つを膨らまして作劇されたようです。ゾンビに囲まれているので「慈善の精神でいても死ぬだけ」なのですね。元気に熱くセリフを語るタイプの演技で、キャラクターもはっきりしています。私にはちょっと懐かしい感じもしました。

 登場人物のセリフに表れている、人間の行動の裏にある本音や欲望についての作家(ドリルさん)の考えが面白かったです。お話がどう進むのか、結末がどうなるかよりも。
 役者さんの演技はまだ本調子ではないように見えました。初日ですので、これから伸び伸びされていくのだろうと思います。
 
 突然、櫻井智也さんの声が出なくなるというハプニング(事故?)がありました。思いっきり本番中ですから、舞台上で不都合があったのかもしれませんよね(観客にはわかりませんが)。明日の夜には回復されると良いですね。

 ここからネタバレします。

 ゾンビに噛まれた人はもれなく死んで、すぐにゾンビになってしまいます。“歩いてかわせる速さで動くゾンビ”から逃げつつ愛する人を探していたり、友達がゾンビになってしまうのを力なく待つしかなかったり。死の恐怖と隣り合わせになった者同士が、赤裸々に持論(主に恋愛について)を展開しまくるのが面白いです。ただ、役者さんのセリフが理論の説明みたいに聞こえることが多かったのは残念。ゾンビが増殖して追い詰められている状況ももっと強く感じたかったです。

 『慈善 MUST BE DIE』の「MUST BE DIE」は、文法的には「MUST BE DEAD」じゃないのかしら。

「慈善 MUST BE DIE」出演=北島広貴/上田楓子/伊達香苗/宮本拓也/櫻井智也 /有川マコト(絶対王様)/中川智明/小野ゆたか(パラドックス定数)/諌山幸治(ブラジル)/山田奈々子/石沢美和(SQUASH)/星野友紀
作・演出=ドリル 舞台監督=金安凌平 舞台美術=袴田長武(ハカマ団) 照明=久保田つばさ(M Light) 音響=平井隆史(末広寿司) 宣伝美術・映像・撮影=メリケンサック 音楽=木村世志雄 演出助手=松下哲 制作チーフ=丸山かおり(MCR) プロデューサー=八田雄一朗(MCR) 製作=MCR
【発売日】2007/09/01 通常料金:3,000円 ロングラン割引(10/3-10/6全公演):2,500円 2ステージセット券:5,000円
http://www.mc-r.com/

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Posted by shinobu at 00:52 | TrackBack

2007年10月03日

パパ・タラフマラ『トウキョウ⇔ブエノスアイレス書簡』10/02-/07アサヒアートスクエア

 パパ・タラフマラは小池博史さんが作・演出・振付を手がけるカンパニーです。ダンスも演技もするし、歌も歌うし、今回は生演奏もあり。独自の舞台パフォーマンスを創作し、海外で活発に活動されています。

 上演時間は約1時間35分。ワンドリンク付き。私が観た回は制服をかっこよく(?)着くずした高校生の団体客が入っているようでした。斬新な課外授業じゃないですか?!

 ⇒CoRich舞台芸術!『トウキョウ⇔ブエノスアイレス書簡

 ≪あらすじ≫ 正しいかどうか不明。
 東京生まれでブエノスアイレスに住んでいる女が、ブエノスアイレス生まれの男と結婚(同居?)しているが、男が出張で東京に行ってしまい、超遠距離恋愛中。男からの電話を待つ女。
 ≪ここまで≫

 横長で平たいステージの真ん中奥に、カラフルに塗装されたワードローブ。顔だけ白塗りの楽隊が下手に。ヴィヴィッドな色使いで派手な衣裳&メイクの役者(ダンサー)が人形のように演じたり歌ったり踊ったり。
 
 パパ・タラフマラは久しぶりに拝見したのですが、やっぱり私の好みではなかったです。セリフが受け入れづらいんですよね。言葉もかっこいいと思えないし(可愛らしさ・ダサさを意図的に狙っている感あり。でもそれも私の好みではなく。)、役者さんの演技はおぼつかないし。歌も踊りも空間もビジュアル的には楽しめました。しゃべらないでさえいてくれれば・・・。

 白装束の“微笑みと幻覚のダテ男”役の天野史朗さんがめちゃくちゃかっこ良かった!小指値で「エンピツ君」をやってるイメージだったから(笑)、衝撃も大きかったです。ダンスにも表情にも見とれました。というか、彼しか目に入らなかった。

 ここからネタバレします。

 エロスというのか官能というのか、その、エッチの好み(センス)も私には合いません。なぜ脈絡なく大笑いするのかしら。なぜ頻繁に目をひんむいて獣のような叫び声をあげるのかしら。なぜ男に体をいやらしく触られて、女がギャハギャハ喜ぶのかしら。
 作品に没頭できればそんなことは気にせずにいられるのでしょうけど、些細なことがひっかかってしまいました。私の好みに合わなかったというだけのことです。

 ワードローブが大活躍。階段になったり、ひっくり返ってがらんどうの中身を見せたり。
 カーテンコールが長すぎるように感じました。海外仕様なのかもしれません。

出演=小川摩利子(夢見た女は渦の中) あらた真生(迷い込んだ女) 池野拓哉(迷い込んだ男) 天野史朗(微笑みと幻覚のダテ男) 南波冴(目玉ギロリの座敷わらし) 菊地理恵(ギスギス女中) 清水小寿江(そそのかし女中) 橋本礼(嵐の郵便局員)
作・演出・振付=小池博史 音楽=中川俊郎 サウンド=藤井健介 <音楽>中川俊郎(作曲・ピアノ) 堀越彰(ドラム) 伊藤彩(ヴァイオリン) 遠藤益民(チェロ) 横手亜梨沙(ヴォーカル) 美術=田中真聡 壁面美術=松島誠 オブジェ=山口百合子 山内祥子 佐藤千秋 森聖一郎 西井佑介 松元久子 衣装=小林和史 甲斐さやか(OUT SECT) 映像=甲斐さやか 照明=関根有紀子 音響=江澤千香子 演出助手=木野文子 眞嶋木綿 舞台監督=大谷地力 宣伝美術=葛西薫 安藤隆 制作=仲島智紗子 山本麻紗子 衣裳協力=早川すみれ・岡田三千代 映像操作=馬場良枝 主催=パパ・タラフマラ 企画・制作=SAIInc.
一般発売日=7月28日(土) S 席(一般4,800円/高齢者3,900円) A 席(一般4,500円/高齢者・学生3,700円) 当日5,300円(一律料金)
http://www.pappa-tara.com/

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Posted by shinobu at 23:32 | TrackBack

tpt『PIAF ピアフ』09/24-10/08ベニサン・ピット

 安奈淳さんがエディット・ピアフを歌う、贅沢な小空間。平日マチネは優雅なマダムで満席で、ちょっとル・テアトル銀座みたいなムードの意外なベニサン・ピットでした。

 上演時間は・・・忘れちゃいました。すみません。約2時間30分だったように思います(途中15分の休憩を含む)。

 ちょうど映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』も上映中ですね。信用できる演劇筋のお友達から絶賛の声が届きました。観たいな~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『PIAF ピアフ

 tptらしいシックな美術。役者さんの演技は残念ながら全体的におぼつかない感じで、演出はちょっと説明しすぎな印象でした。でも、とにかく安奈淳さんの歌が素晴らしい!これに尽きると思います。

 エディット・ピアフというと私は美輪明宏さん主演の『愛の賛歌』と、あとはテレビで何度か映像を観たぐらいの知識しかないのですが、もーあの歌を聴くだけで涙がボロボロ流れてしまいます。
 ピアフの半生をたどっていく内に、安奈さんの歌う表情が深くなっていって、終わりに近づけば近づくほど声も力強く、感情の表出も豊かになっていきました。

 今さらですが、人間の感情って素晴らしいなって思いました。揺れたり膨らんだり、色んな形・色になって身体から湧き出てくるんですよね。それが歌声に乗って大きな波紋を描いて、劇場いっぱいに満ちるのを、全身で味わうことができました。

 ここからネタバレします。

 ピアフが弱ってしまって車椅子の生活になってから、演技もシーンも面白く観られるようになりました。恋人を欠かすことがなかった魅惑の女性としてのピアフ像を、もっと味わいたかったですね。なぜ若い男性があんなに彼女に惹かれるのか、その説得力が欲しいです。

 カーテンコールの後に安奈さんの「愛の賛歌」ソロ。歌詞は越路吹雪さんが歌われた日本で有名なものとは違っていたんじゃないかしら。またもや落涙。

出演=安奈淳、瀬戸口剛、島村勝、TROY、井上裕朗、青山吉良、有希九美、松岡美希、新井祐美、武田優子、石橋祐、小寺悠介、三貴将史、清水隆伍、大和屋ソセキ、ピアノ=阿部篤志
作=パム・ジェムス /訳=常田景子 /演出=亘理裕子 /音楽監督=後藤浩明 /美術=中根聡子 /照明=笠原俊幸/音響=内藤博司・岩楯岳志/衣裳=萩野緑 /ヘア&メイクアップ=鎌田直樹/ステージング=中村音子/舞台監督=森聡/アドバイザー=菅原道則
【発売日】2007/08/23 全席指定6,000円 学生3,000円(TPTのみ取扱い)
http://www.tpt.co.jp/

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Posted by shinobu at 22:10 | TrackBack

THE SHAMPOO HAT『その夜の侍』09/29-10/08ザ・スズナリ

 赤堀雅秋さんが作・演出されるTHE SHAMPOO HAT。新劇団員の女優さんも増えた劇団公演です。

 初めてシャンプーハットを観たのは『アメリカ』でした。びょーびょー泣いて大変だったんですよね~(笑)。今回は、その『アメリカ』以来の号泣をしてしまいました。改心の一撃!を受けてしまった気分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『その夜の侍

 ≪あらすじ≫
 妻をひき逃げされた男(赤堀雅秋)が、ひき逃げ犯に復讐しようとしている。決行まであと2日。
 ≪ここまで≫

 シャンプーハットの舞台にしては珍しい抽象空間。床には十字架のようにクロスする道。音楽がすごくかっこいいです。曲だけで泣けてきたりしました。

 笑いも少なめですし、非情な暴力やあきらめるしかないすれ違いなど、観ていて胸が苦しくなるほどつらいことが淡々と、生々しく描かれます。男が自分を追い詰めて、追い詰めて、追い詰めた結果、体から出てきてしまった本当の気持ちを吐露した時、涙が止まらなくなってしまいました。

 ここからネタバレします。

 とうとう犯人・木島(野中隆光)と対面した健一(赤堀雅秋)。包丁を持っていた彼から発せられた言葉は。※セリフは正確ではありません。
 「(犯人と)たわいのない話をしたかった。昨日見たテレビの話とか、何を食べたかとか。」
 妻が死んでから3年間ずっと、死んだ妻を求め、犯人を恨んできた健一は、死刑執行の日(妻の命日)の1ヶ月前から犯人を観察していました。毎日ポストに脅迫状を残して。

 そんな気持ちに支配されて生きるのはつらいですよね。できることなら忘れたい。恨むことから逃げたい。健一は「そのためには殺すしかない」と思っていたけれど、ずっと観察するうちに木島という人間を見るようになってきて、ただの標的じゃなくなったのかなと思いました。
 世の中には納得できないことばかり。だから、本気で話をする。それでも解決なんてできないかもしれない。でも、あきらめないで、勝手に決めないで、話し合う。そうすれば解決はしなくても、次には進めるかもしれない。生きることができるかもしれない。・・・そんなことを考えました。

 舞台中央奥から客席に向かって、健一がぬぼーっと歩いてくるシーンがきれいでした。 

出演=野中隆光 日比大介 児玉貴志 多門勝 黒田大輔 滝沢恵 吉牟田眞奈 梨木智香 赤堀雅秋
作・演出=赤堀雅秋 舞台監督=高橋大輔+至福団/中村貴彦 照明=杉本公亮 音響=田上篤志(atSound) 舞台美術=福田暢秀 舞台製作=F.A.T STUDIO 照明操作=高円敦美 宣伝美術=斉藤いづみ 舞台写真=有賀傑 舞台収録=♀GUCCi♂ 演出助手=武田有史 制作助手=岩堀美紀 谷慎 河野美有紀 web制作=野澤智久 制作=HOT LIPS  武田亜樹 制作協力=西田圭吾 統括=野中隆光 企画製作=HOT LIPS
【発売日】2007/08/19 指定席 前売¥3500 当日¥3700 自由席 前売¥3200 当日¥3400 【平日マチネ(10/4 15時の回)】 指定席 前売¥3200 当日¥3400 自由席 前売¥3000 当日¥3200
http://www33.ocn.ne.jp/~shampoohat/

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Posted by shinobu at 17:47 | TrackBack

2007年10月02日

青年団リンク・東京デスロック『演劇LOVE~愛の三本立て~』09/30-10/09リトルモア地下

 多田淳之介さんが作・演出される青年団リンク・東京デスロックの旧新作3本ランダム上演です。原宿駅から徒歩5分の地下のきれいなギャラリーで、約1時間の短編が3本。私は初日に3本立てで拝見しました。面白かった~♪

 「社会」「3人いる!」「LOVE(新作)」の順番で観ると、劇団の変遷がよくわかります。たった2年の間にこれだけ作風が変わるって凄いですね。人間は変わる!演劇も変わる!

 3本の中だと私は「3人いる!」が一番面白かったです。初演も観ていますが、多田さんの役を岩井秀人さん(ハイバイ)がやってるだけで、全然違う作品になっていたように思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『演劇LOVE
 ⇒10/10(水)追加公演決定!全て作品解説付き。10/6(土)と10/7(日)も作品解説するそうです(2007/10/05加筆)。

 レビューをアップしました(2007/10/05)。

 1日に3本観られる企画。しかも3作品とも客席の場所が変わっていて、小さなギャラリーの3種類の表情を見せてくれます。

 初日の観客の感想をもとに翌日から改善を加えたそうです。演劇は動いている。人間は刻々と変化し続けている。こういうのが嬉しいと私は思います。常にプロセスなんですよね。
 空調についてものすごく気を使われていました。これも前回公演からの改善点です。素晴らしい。心遣いだけで満足でした。

 ここからネタバレします。

■「社会」
 いわゆる静かな現代口語演劇でした。企業のお昼休み。派遣とかバイトとか上司とか部下とか。裏で悪口三昧。あの人に話したことが、この人にバレるのはまずいとか。つまんないことで政治しまくってる平凡な雇われ人たち。
 んー、初日だったからでもあると思いますが、完成度は高くなかったように感じました。静かな演劇は質の高いものがいっぱいありますからね。

 夏目さんの社員証がポロリと床に落ちるアクシデントが効果的で、後から(トークで)アドリブの演技だと知って感心しました。

【作品解説】多田さんと夏目さんが桑田Tシャツを着て登場。
 多田「自分で3本演出するのは大変で、これは愛さなきゃやってられないと思った。だから今回のタイトルに。(恥ずかしくなるような直接的な言葉だけど)僕1人ぐらい、こういうことを言ってもいいんじゃないかと思った。また、『演劇LOVE』っていう記号を作ることも、そのチラシが撒かれることも演劇にとって良いことではないかと思った。」

 そしてリトルモア地下の素晴らしさを強調。
 多田「リトルモア地下のプロデューサーさんの『ここでやるものを面白いものにしよう』という愛情、気概を感じた。自分達のアトリエ(春風舎)も大切で、愛も持ってる。場所を愛している人のところでやりたい。」

 観客「とてもリアルな演技だけれど、携帯電話で話すシーンについては携帯の向こうの相手はしゃべっていなかったようだ。それについてはどうお考えですか?」
 多田「役者は演技をするので、ハンバーグのことを考えていてくれてもいい。ニセモノを使って本物を作る(と考えているので問題はない)。」

■「3人いる!」
 登場人物は6人なのに3人で演じます。しかもグルグルと演じる人間が変わります。演出の可能性としては「12人いる!」そうです。
 それにしても爆笑の連続だったな~(笑)。エンディングは初演とは違って舞台に声がひびきませんでした。舞台に人がいなくても「3人いる!」ってことはわかって、ニヤリとしたくなるラストシーンでした。

 もう1人の自分を面と向き合ってしまった瞬間の、岩井さんのリアクションが最高に可笑しかった。そうそう、どきどきするよね、心細いよね、で、開き直ろうとするよね・・・と、一瞬一瞬の演技(表情と震え)で、心の変化がつぶさに見て取れるのがスリリングで面白いです。

【作品解説】多田さんと岩井さんが桑田Tシャツを着て登場。
 岩井さんは本当に気が弱い、優しい方のようで、観客へのサービス精神がすごい。岩井さんのトークが大好きです。

■「LOVE」
 女の子たちが無言でコミュニケーション。あなたが好き・きらい・嬉しい・寂しいなどなど、動作としては立つか座るかだけで、集団の感情の流れがわかります。ワークショップでよく見るものだったので、私にとっては物足りなさもあり。でも、人間の営みってこういうことだけだよねってあらためて実感もできます。

 音楽が流れて踊るのが繰り返されるので『再生』をどうしても思い出してしまい、ちょっと不安にも(笑)。でも展開は違いました。仲良し女の子グループの間で徐々に殴り合いが始まってしまい、殺伐としたムードに。そこに男(夏目慎也)が現れて、空気が変わります。異物の出現で突然に今までとは全く違うものへと変身してしまった空間を目撃し、人間の柔軟性、世界の包容力を感じました。

 観客に背を向けて舞台面にひとり佇む男。彼に向かって女達が話しかけます。最初は「そうですね」「そうですね」とむやみに合意。次には「~~は好きですか?」などと暴力的ともいえるほど質問を繰り返すようになります。観客に対して語りかけているように感じました。
 まずは何でも共感することから始まって、次の段階では質問をするようになる。人間同士の手探りのコミュニケーションが段階を経ていくようでした。もう、意味も気持ちも曖昧になるほどの、ただの声と音だったけど、舞台上の「私」から客席の「私」へのベクトルを感じて、嬉しくなりました。ビートルズの「LOVE is asking to be loved~♪」という歌詞を聴いてうなづく私。

 男も女と一緒に座ったりできるまで心が通じ合ってきたところで、女が1人ずつベランダから梯子をのぼって外に出て行ってしまいます。一番最後に彼女達を追いかけて、男も外に出て行って、終幕。
 人間やっぱりバラバラ。通じ合ったと思っても次の瞬間には離れています。でも、「あなた」に向かって近づこうとする気持ちが一瞬でもあって、それが体から出ればそれが愛だろうと私は思っているので、男が歩いて女について行ったことは希望のように感じました。

【作品解説】多田さんが「ドエス」Tシャツを着て登場。横には佐山さん。
 多田「(人は)愛せるんだけど、愛せないものもある、ということです。」「どう受け取ってもらってもかまわない(どうとでも受け取れると思う)。」
 あらためてリトルモア地下の素晴らしさを強調。

「社会」「3人いる!」「LOVE(新作)」3本ランダム上演
出演=「社会」:夏目慎也 永井若葉(ハイバイ) 海津忠 佐山和泉 ギリコツカサ(野獣会JAPAN) 多田淳之介 /「3人いる!」:岩井秀人(ハイバイ) 夏目慎也 佐山和泉/「LOVE」:佐山和泉 坂本絢 白神ももこ(モモンガ・コンプレックス) 髙橋智子 石橋亜希子 宮嶋美子(風琴工房) 夏目慎也
演出・脚本=多田淳之介 宣伝美術=宇野モンド 制作=東京死錠 リトルモア地下 総合プロデューサー=平田オリザ 主催=青年団 (有)アゴラ企画・アゴラ劇場 リトルモア地下
[日時指定 整理番号付自由席]各演目 予約2000円 当日2500円 3演目共通券5000円(各演目1回づつ観れます・電話予約のみ)ワークショップ1500円★愛の演劇ワークショップ開催!【10月3日[水]15:00~定員20名】
http://www.specters.net/deathlock/

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Posted by shinobu at 18:29 | TrackBack

扉座『ドリル魂-ガ・ガ・ガ・ガ・ガ-東京建築ショー・劇場編(火花は散るが、裸火厳禁!)』09/29-30サンシャイン劇場

 代役情報を掲載しておりました扉座『ドリル魂』に行ってまいりました。4月公演が好評で9月に再演を決めたという自信作が、重要な役を演じる役者さんの降板でピンチに。でも初日の受付は長蛇の列で、1階は通路席まで埋まる大盛況でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ドリル魂-ガ・ガ・ガ・ガ・ガー

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより。
 事現場で生まれる作業音を音楽として、
 工事作業をダンスやアクロバットに、
 ドリルやツルハシを使い、
 建築作業そのものから生まれたミュージカル。
 肉体でつむぐ現場ミュージカル。
 メットを被れ!体を使え!

 【 工事内容 】 公式サイトより。
 登場人物は全員ニッカポッカに地下足袋姿の、炎の建設会社『轟組』組員に扮し、ツルハシや電気ドリルを持って、歌い、踊り、時には本物の建築作業を展開する。本邦初の「現場ミュージカル」である。
 劇団創設26年にして初のミュージカル製作にあたり、音楽監督に『SHOCK』など数々のミュージカルで活躍中の長谷川雅大を、振り付けはラッキィ池田、彩木映利コンビ、 加えて我が国のアートサーカスの先駆者・若井田久美子をエアリアル・ディレクターに迎えて超本気モードで取り組んでいる。
 「カラダを売るな、カラダを使え!」を合言葉に、鉄筋やコンクリと格闘し、現代のバベルの塔のような巨大ビル建設に挑む轟組員たちの愛と友情の現場作業記。 現場服のアルマーニと呼ばれる最高級ブランド『寅壱』提供による、轟組ファッションも必見!
 ≪ここまで≫

 出演しない劇団員の方(山中崇史さん、高橋麻理さんら)が応援にかけつけていたり、カーテンコールで鈴木里沙さんが「今日のことは一生忘れません!」と泣きそうな顔で挨拶したり、「あーなんだかもー、劇団っていいね~」って思いましたよ。
 ただ、作品は私の好みではありませんでした。色んなアイデアや工夫は楽しいですけど、ミュージカルというよりはショウのような構成だったように思います。見せ場のために、つなぎのエピソードがあるような。もちろん会場は盛り上がってる方が大勢いらっしゃいました。私の隣の席の人は何度も腕時計を見てましたけど。

 “池袋現場”でのみで使うメガネがあって、客席に配布してました(終演後にロビーで返却)。サンシャイン劇場の観客全員にですよ!すばらし~!

 ここからネタバレします。

 テレビっぽいなーって思いました。日本テレビが後援されているし、そういうのでいいんでしょうね。扉座はまたストレート・プレイの時に観に行こうと思います。

 配られたメガネをかけると、光がハートマークに見えるんです。だから火花が散るとハートがパラパラ落ちるように見えるという、なかなか可愛らしい演出でした。
 エアリアル・アートって凄いけど、曲芸みたいに見えると残念。最初の縄の時は素敵だと思いました。

≪千葉、東京≫
轟組作業員〈キャスト〉=累央 鈴木利典 岩本達郎 上原健太 鈴木里沙 高木トモユキ 山口景子 川西佑佳 山下幸乃 安達雄二 上土井敦 新原武 江原由夏 経塚祐弘 串間保彦 栗原奈美 林いくみ 藤本貴行 小牧祥子 吉田亜希 中原三千代 杉山良一 扉座サテライト ※犬飼淳治が急病で降板し、代役に岡森諦、茅野イサム、田島幸
施工責任者〈作・演出〉横内謙介 音響設計主任〈音楽監督〉長谷川雅大 動作設計主任〈振付〉ラッキィ池田 彩木映利 動作設計補佐〈振付アシスタント〉足立夏海 安全靴動作設計主任〈タップダンス振付・指導〉柳瀬亮輔  空中作業設計主任〈エアリアル〉若井田久美子 格闘行程設計主任〈ファイトコーディネイト〉西村陽一 歌行程担当主任 〈歌唱指導〉上野まり子 打振音設計主任〈ストンプ指導〉AUN 設計主任〈美術〉秋山光洋 管理技術主任〈技術監督〉大竹義雄 特殊技術担当 〈特殊効果〉アトリエカオス 電気行程担当主任〈照明〉稲葉直人 音行程担当主任〈音響〉青木タクヘイ 作業着担当主任〈衣裳〉木鋪ミヤコ 現場進行管理担当〈演出助手〉則岡正昭  技術長〈舞台監督〉元木たけし 企画推進委員〈宣伝協力〉馬場信一 衣裳提供:寅壱 製作協力:ハンズ キョードー東京 工事見学券管理担当〈票券〉本郷みつ子 安全衛生推進委員〈制作〉太田さやか 田中信也 安全衛生推進主任〈トータルコーディネイト〉赤星明光 施工主〈製作〉有限会社 扉座 装飾主任〈アートディレクター〉ヒネのデザイン事務所+森成燕三 画像主任〈舞台写真〉宮内勝
【発売日】2007/07/29 工事見学料〈料金〉全席指定・税込  前売券4200円  当日券4500円  学生券3000円(扉座でのみ取り扱います)※未就学のお子様はご入場いただけません。
◆見習い作業員席〈ヘルメット席〉建築現場の臨場感をより味わっていただくため、3列目までにお座りいただく方には、全員ヘルメットの着用をお願いいたします。※ヘルメットは、現場にてお渡しいたします。※ご愛用ヘルメット(建築用)をご持参の方には、“優良作業者証”をプレゼントいたします。※危険を伴うお席ではありません。
http://www.tobiraza.co.jp/

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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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Posted by shinobu at 11:56 | TrackBack

2007年10月01日

メルマガ 2007年10月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2007年10月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 41     2007.10.1  1,192部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎9月は秋田県のたざわこ芸術村に1泊旅行に行ってきました!
  東北の秋はさわやかで気持ちよかった~。
  さて、今月のメルマガは内容が盛りだくさんです!
  劇場で芸術の秋を堪能しましょう♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→パルコ『ミュージカル「キャバレー」』
       10/06-21青山劇場
    http://www.parco-play.com/web/page/information/cabaret/

 ◆2【先月のベスト3】
   
   ◎No.1→新国立劇場演劇「三つの悲劇」ギリシャからVol.1
       『アルゴス坂の白い家-クリュタイメストラ-』
       09/20-10/07新国立劇場 中劇場 ※ただいま上演中!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0921002003.html

 ◆3【T★1(ティー・ワン)演劇グランプリ開催中!】

   ◎「お台場SHOW-GEKI城」進出は8組!発表は10月9日(火)です!
    http://stage.corich.jp/t1/net_judge.html

 ◆4【CoRich舞台芸術!スポンサード公演『砂漠の音階』 】

   ◎チケット・プレゼントあり!(締め切りは10/21)
    http://stage.corich.jp/html/grand_prix_sponsored.html

 ◆5【障害のある人と健常者の演劇で、新しい発見を! 】

   ◎エイブルアート・オンステージ@シアタートラム
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/10/stepping_stones.html

 ◆6【お薦め芝居の前売情報 敦-杏子プロデュース『URASUJI』 】

   ◎初演でメルマガ号外を出した娯楽ミュージカルの待望の再演♪
    http://www.stage-mura.jp/

 ◆7【編集後記】

   ◎9月は秋田のたざわこ芸術村に行ってきました♪
   ◎ロバート・アラン・アッカーマンさんのワークショップ開催!
   ◎10月13日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。

 ◆8【このメルマガについての注意事項(“私の好み”のURLを変更)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL・コメント
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


1.松竹『錦秋演舞場祭り~中村勘三郎奮闘~』
  【夜の部】森光子・中村勘三郎特別公演「寝坊な豆腐屋」
  10/02-26新橋演舞場
  ☆作=鈴木聡 演出=栗山民也 
   出演=森光子、中村勘三郎、波乃久里子、佐藤B作、他
   1等席15,750円 2等席10,500円 3階A席4,200円
   3階B席2,520円 桟敷席16,800円
    http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0710/index.html
   鈴木聡さん(ラッパ屋)の脚本を栗山民也さんが演出。
   主演は森光子さんと中村勘三郎さんです。


2.劇団俳優座『豚と真珠湾』
  10/04-14俳優座劇場
  ☆作=斎藤憐 演出・美術=佐藤信
   出演=大塚道子、阿部百合子、可知靖之、中野誠也、田中壮太郎、他
   一般5250円 学生3675円
    http://www.haiyuza.com/
   斎藤憐さんの新作。数百冊におよぶ資料をもとに、執筆だけで
   「1年間苦闘した」力作だそうです(朝日新聞9/29夕刊より)。


★3.木山事務所・あうるすぽっと『駅・ターミナル』
  10/04-14あうるすぽっと
  ☆出演=外山誠二、久世星佳、ほか
   作:堤春恵 演出:末木利文
   一般5000円 学生割引3500円 その他割引あり
    http://www.owlspot.jp/performance/071004.html
   傑作『仮名手本ハムレット』の作者・堤春恵さんの新作。
   物語の主人公は伊藤博文だそうです。
   2004年『仮名手本ハムレット』レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0125231501.html


4.彩の国シェイクスピア・シリーズ第18弾『オセロー』
  10/04-21彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ≪東京、富山、名古屋、大阪≫
  ☆出演=吉田鋼太郎、蒼井優、高橋洋、馬渕英俚可、壤晴彦、ほか
   脚本=W. シェイクスピア 翻訳=松岡和子 演出=蜷川幸雄
   S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生2,000円 その他割引あり
    http://www.saf.or.jp
   蜷川幸雄さん演出のシェイクスピア。蒼井優さんに会いたい。


5.キューブ『犯さん哉』
  10/06-28パルコ劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演=古田新太、中越典子、犬山イヌコ、姜暢雄、大倉孝二、
      八十田勇一、入江雅人、山西惇
   作・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ × 座長=古田新太
   前売・当日8,500円
    http://www.parco-play.com/web/page/information/okasankana/
   ケラさんと古田さんが好き勝手に派手なことをやってくれそう。
   ケラさんのブログを読むとますます観たくなること請け合い(笑)。
    http://blog.livedoor.jp/keralino/


★6.パルコ『ミュージカル「キャバレー」』
  10/06-21青山劇場
  ≪東京、愛知、大阪≫
  ☆出演=松雪泰子、阿部サダヲ、森山未來、小松和重、秋山菜津子、他
   日本語台本・演出:松尾スズキ
   S席12,000円 A席10,000円 B席7,500円
    http://www.parco-play.com/web/page/information/cabaret/
   松尾スズキさんが手がける名作ミュージカル。豪華キャストです。
   康本雅子さんの振付も楽しみ。


7.世田谷パブリックシアター『音楽劇「三文オペラ」』
  10/09-28世田谷パブリックシアター
  ☆出演=吉田栄作/篠原ともえ/大谷亮介/銀粉蝶/佐藤正宏/猫背椿/
      ROLLY/六角慎司/細見大輔/内田紳一郎/富岡晃一郎/他
   作=ベルトルト・ブレヒト 音楽=クルト・ヴァイル 演出=白井晃
   A席7,500円/B席5,500円 学生:各一般料金の半額 その他割引あり
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/10/post_90.html
   白井晃さん演出の現代アジア版『三文オペラ』。歌詞はROLLYさん作。


8.tpt『スペインの芝居』
  10/13-28ベニサン・ピット
  ☆出演=鰐淵晴子 毬谷友子 月船さらら 中嶋しゅう 村上淳 天願大介
   作=ヤスミナ・レザ 演出=天願大介
   一般7,000円 学生3,000円
    http://www.tpt.co.jp/
   tptの小人数キャストの新作。劇作家ヤスミナ・レザさんについて、
   ニ兎社の永井愛さんが文章を寄せています。
    http://www.tpt.co.jp/whatson/064_spain/index.html
   

9.新国立劇場演劇『たとえば野に咲く花のように-アンドロマケ-』
  10/17-11/04新国立劇場 中劇場
  「三つの悲劇」ギリシャからVol.2
  ☆出演=七瀬なつみ、田畑智子、三鴨絵里子、梅沢昌代、永島敏行、
      山内圭哉、大沢健、大石継太、池上リョヲマ、佐渡稔
   作=鄭義信 演出=鈴木裕美
   S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円 
   当日学生券=50%割引 「三つの悲劇」3作品特別割引通し券あり
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000033.html
   新芸術監督に鵜山仁さんを迎えた新国立劇場。新シリーズ2作目。
   1作目『アルゴス坂の白い家』レビュー ←上演中!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0921002003.html


★10.燐光群『ワールド・トレード・センター
  WORLD TRADE CENTER as in Katakana』
  10/20-11/06ザ・スズナリ
  ≪東京、伊丹、岡山、北九州、名古屋、金沢、川崎≫
  ☆出演=中山マリ、川中健次郎、猪熊恒和、大西孝洋、江口敦子、他
   作・演出=坂手洋二
   前売3.300円 ペア6,000円(前売・予約のみ) 当日3,600円 
   大学・専門学校生3,000円 高校生以下2,000円(学生券は前売・当日共通)
    http://www.alles.or.jp/~rinkogun/
   坂手洋二さんの新作です。“カタカナのWTC”って何なのか楽しみ。


 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  前売3000円以下のお薦め作品を5本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】MCR『慈善 MUST BE DIE/マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック』
  10/03-14ザ・ポケット
  ☆作・演出=ドリル
   通常料金:3,000円 2ステージセット券:5,000円
   ロングラン割引(10/3-10/6全公演):2,500円
    http://www.mc-r.com/
   「慈善・・・」と「マシュマロ・・・」の2本立て12日間公演。
   開幕4日間はロングラン割引の2500円。


【2】モダンスイマーズ『楽園』
  10/05-08三鷹市芸術文化センター 星のホール
  MITAKA “Next” Selection 8th. 参加作品
  ☆作・演出=蓬莱竜太
   前売3,000円 当日一般3,500円 会員割引あり。
   高校生以下1,000円(前売・当日とも)
    http://www.modernswimmers.com/


【3】自転車キンクリートSTORE『ツーアウト』
  10/17-28 THEATER/TOPS
  ☆出演=樋渡真司/岡田正/太田志津香/鹿野良太/瀧川英次
   作・演出=飯島早苗
   オープニング料金(10/17-19)3000円 通常料金(10/20~)3800円
    http://www.jitekin.com/
   開幕3日間はオープニング料金の3000円。


【4】時間堂『月並みなはなし』
  10/19-29王子小劇場
  ☆脚本・演出=黒澤世莉
   全席自由1800円
   休演日:10月24日(水)、25日(木)の2日間
    http://www.seriseri.com/jikando/
   全ステージがシネマ・プライス1800円の11日間公演。


【5】Green Works Produce『かうしてPrologue』
  10/25-31 ウエストエンドスタジオ
  ☆出演=宮田早苗/中村真綾(以上、東京乾電池)/
      小野健太郎/奥田努/青木隆敏(以上、Studio Life)/
      中山裕康(カリバネボタン)/救仁郷将志/下総源太朗
   作=久保田万太郎 演出=下総源太朗
   前売3,000円 当日3,300円 全席自由(整理番号付)
    http://hominglazer.pro.tok2.com/
   久保田万太郎作「かうして豆は煮えました」と「Prologue」の2本立て。


 ☆☆☆―――――――――――――――――――――――――――――― 
  お薦め再演作品を3本ご紹介します。初演レビューあり!
 ――――――――――――――――――――――――――――――☆☆☆ 

《1》グループる・ばる『片づけたい女たち』
  10/27-11/04シアタートラム
  ≪東京、ほか演劇観賞会ツアー≫
  ☆出演=松金よね子・岡本麗・田岡美也子(グループ る・ばる)
   作=永井愛 演出=木野花
    http://www5f.biglobe.ne.jp/~lebal/kataduketaionna-2007.htm
   2004年初演レビュー(作・演出=永井愛)
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0121222444.html


《2》TBS『レインマン』
  10/30-11/18パルコ劇場
  ≪光が丘、名古屋、大阪、横浜、東京・渋谷≫
  ☆出演=椎名桔平/橋爪功/紺野まひる/佐藤誓
   原作=バリー・モロー 脚本・演出=鈴木勝秀
    http://www.ints.co.jp/rainman/ (動画あり・音が鳴ります)
   2006年初演レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0215234933.html


《3》Bunkamura/STUDIOコクーン・プロジェクト
  『緒形拳ひとり舞台「白野 -シラノ- 2007」』
  10/31-11/04 Bunkamuraザ・ミュージアム内特設小劇場(青蛙堂-SeiaDou-)
  ≪福岡、長崎、東京、福井、兵庫、岡山、大阪、長野、岐阜、長野≫
  ☆出演=緒形拳
   原作:エドモンド・ロスタン「シラノ・ド・ベルジュラック」
   演出:鈴木勝秀
    http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/shosai_07_ogata.html
   2006年初演レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1017213310.html


 ◎しのぶの今月の全予定(30本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.新国立劇場演劇「三つの悲劇」ギリシャからVol.1
  『アルゴス坂の白い家-クリュタイメストラ-』
  09/20-10/07新国立劇場 中劇場
  ☆現代演劇を上演する日本国立の劇場が、
   “演劇”とは、“劇場”とは、と語ってくれたように感じました。
   ※ただいま上演中!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0921002003.html


2.劇団☆新感線2007年夏休みチャンピオン祭り
  『犬顔家の一族の陰謀~金田真一耕助之介の事件です。ノート』
  08/11-09/09サンシャイン劇場
  ≪大阪、東京≫
  ☆長年蓄積した膨大なノウハウを使い尽くして、自分も楽しみながら
   とことんバカをやる大人って、超カッコいい。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0912121338.html


3.中野成樹+フランケンズ『遊び半分』
  09/20-24赤坂レッドシアター
  ☆おしゃれだし笑えるし、ピリっと風刺が効いていて考えさせられるし。
   日頃からたしなむ演劇の入口は、ナカフラが作ってくれるのかも。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0921235143.html


 9月も沢山の面白い作品に出会いました。ベスト3を選ぶのは大変!
 イキウメ『散歩する侵略者』では初演同様に涙しました。
 サンプル『カロリーの消費』は、観てはいけないものを観たような(笑)、
 イケない大人の体験をしちゃった気分でした。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2007年9月(観劇数29作品)は残念ながら発行しませんでした。


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 ◆3 【T★1(ティー・ワン)演劇グランプリ開催中!】
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 ◎フジテレビ、TOKYO★1週間、こりっちによる
  「T★1(ティー・ワン)演劇グランプリ」が開催中です!
   http://stage.corich.jp/t1/

  応募総数79団体の中から、第1次・第2次審査を通過した団体が
  決勝大会「お台場SHOW-GEKI城」(2007年12月~2008年1月)に進出します。 

  第1次審査を通過したのは20団体。
   http://stage.corich.jp/t1/net_judge.html

  第2次審査を通過するのは・・・8団体!
  発表は10月9日(火)です!!

  こりっちメンバー(登録無料)のクチコミも審査の対象になりますので
  観客の皆さんもぜひ参加してくださいね♪

  CoRich舞台芸術!⇒ http://stage.corich.jp/
  メンバー登録⇒ http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


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 ◆4 【CoRich舞台芸術!スポンサード公演『砂漠の音階』 】
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 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術まつり!2007」において
  グランプリを受賞した風琴工房が、
   http://stage.corich.jp/html/grand_prix_sponsored.html
  100万円の支援を受けたスポンサード公演を上演します。
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=2623

  風琴工房『砂漠の音階』
  10/30-11/04シアター風姿花伝
  ≪北海道2箇所(終了)、東京≫
  ☆出演=山内健司(青年団)、小高仁、笹野鈴々音、松岡洋子、
      浅倉洋介、宮嶋美子、山ノ井史、北川洋介
   脚本・演出=詩森ろば
   前売3000円 当日3500円 大学生2000円 高校生以下1500円 
   障碍者1500円 ※雨の日キャッシュバックあり(100円~500円)
    http://windyharp.org
   初演レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0406113902.html

  ・初演ではその清らかな言葉に感動し、上演台本も購入しました。
   誰にでもお薦めしたい、優しい気持ちが溢れるお芝居です。

  ※CoRichによるチケット・プレゼント実施中!(10/21締め切り)
   http://stage.corich.jp/html/grand_prix_sponsored.html


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 ◆5 【障害のある人と健常者の演劇で、新しい発見を! 】
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 ◎障害のある人と健常者が一緒に創作する演劇公演のご紹介です。

  エイブル・アート・ジャパン 日英共同企画 飛び石プロジェクト公演
  エイブルアート・オンステージ『「Stepping Stones」「血の婚礼」』
  10/12-14シアタートラム
  ☆「Stepping Stones」作=マイク・ケニー 演出=ジョン・パルマー
   「血の婚礼」作=フェデリコ・ガルシア・ロルカ 演出=ジェニー・シーレイ
   前売2,800円/当日3,300円 ※ユース(25歳以下)、シニア(65歳以上)、
   障害のある方および介助の方(1名)の割引あり
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/10/stepping_stones.html

 ・昨年、演出家のジェニー・シーレイさんのワークショップを見学し、
  人間の平等とは何なのかを、自分の体で感じて確認することができました。
  『ジェニー・シーレイ ワークショップ』レポート
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1114173736.html

  きっとこの舞台を体験することで、私達が生きている世界について
  気づいていなかった側面を見られることと思います。


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 ◆6 【お薦め芝居の前売情報 敦-杏子プロデュース『URASUJI』 】
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 ◎敦-杏子プロデュース 好色必殺時代劇版ミュージカル
  『URASUJI★幕末編~みだれ~』『URASUJI☆初演版』連続上演
  12/24-01/07ザ・スズナリ
  ☆作・演出=村松武(カムカムミニキーナ)
   出演=杏子/深沢敦/岩﨑大(Studio Life)/池田有希子/他
    http://www.stage-mura.jp/
   2005年9月初演のレビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1001111019.html
   メルマガ号外
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0930230336.html

  初演ではネットのレビューを読んで当日券でかけこみ、メルマガ号外を発行!
  大人が何も考えずに大笑いできる、娯楽ド真ん中お色気ミュージカルです。
  スズナリで超豪華キャストと一緒に盛り上がっちゃいましょう!

 【公演期間】

  12/24~31=『URASUJI★幕末編~みだれ』
   ゲスト:Diamond Yukai/村木よし子(劇団☆新感線)
  01/03~06=『URASUJI☆初演版』
   ゲスト:ガレージシャンソンショー(山田晃士/佐藤芳明)  

   ※1/7(月)はスペシャルライブあり
  (チケット発売方法は公演中に発表)

 【チケット情報】

  ・一般前売開始 10月5日(金)~
  ・料金=指定席=前売4800円 当日5000円
      自由席=前売4500円 当日4700円(前方ベンチシート)
  ・お問い合わせ
    中村ステージプロダクション TEL:03-5355-1332


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 ◆7 【編集後記】
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 ◎9月23~24日に、秋田県のたざわこ芸術村に行ってきました!
   http://www.warabi.or.jp/
  わらび座『ミュージカル「小野小町」』を鑑賞し、温泉と田沢湖観光も♪
  東北地方も新幹線1本ですぐですね。角館はまた訪れたい町でした。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0925101457.html


 ◎「Robert Allan Ackerman Workshop 2007」
  11/12-23ベニサン・スタジオ
   http://www.thecompany-t.com/
  ロバート・アラン・アッカーマンさん率いる“ザ・カンパニー”が
  新メンバー募集も兼ねたワークショップを開催。年齢・性別・経験不問!
  申込みは10/31日(水)必着。※ただし、定員に達し次第〆切。


 ◎10月13日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。
   http://takegaki.k-free.net/
  ※PodCastingブログに↓アップされます(放送終了数日後)。
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2007年9月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「萌の朱雀」←セリフは少ないけれど、伝わってくるものは大きい。
   http://cineaste.jp/l/914.htm
  ・「檸檬のころ」←平川地一丁目の林直次郎くん目当てでもあり(笑)。
   http://www.lemon-no-koro.com/
  ・「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」←病院シーンが壮絶。
   http://www.tokyotower-movie.jp/
  ・「黄色い涙」←志賀廣太郎さん(青年団)出演!
   http://www.kiiroi-namida.com/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
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  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 01:02 | TrackBack