REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2010年08月27日

シス・カンパニー『叔母との旅』8/20-09/19青山円形劇場

 『叔母との旅』は1969年に発表された英国の小説家グレアム・グリーンさんの小説で、同じく英国の劇作家・俳優のジャイルズ・ハヴァガルさんが戯曲に書きかえられたそうです。日本では1995年に演劇集団円によって初演されたとのこと。

 20人以上の男女を男優4人だけで演じます。上演時間は約2時間5分(途中休憩15分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『叔母との旅

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。
 叔母オーガスタは、すでに70代後半でありながら彼女を愛してやまない若い恋人もいて、その生き方は自由奔放そのもの。一方のヘンリーは、30年勤め上げた銀行を定年退職した独身男。2人は、86歳で他界したヘンリーの母親の葬儀で50年ぶりの再会を果たし、ひょんなことから最初は英国の保養地ブライトンへの小旅行。そして誘われるままに、パリからオリエント急行に乗って、スイス、イタリア、イスタンブールへと出かけることになり、ついには、南米アルゼンチンからパラグアイへ・・・
 ≪ここまで≫ 

 何もない完全円形の舞台。客席がぐるりと全体を囲みます。スーツ姿の男たちがイスや鞄などを持ち込みながら、くるくると役を演じ変えていきます。
 前半はちょっと退屈しましたが、休憩後にがらりと雰囲気が変わって、お話もさらに波乱万丈になって面白くなりました。

 ここからネタバレします。

 配役をおおまかに言いますと、叔母を演じるのは段田安則さん、その他の女性は浅野和之さん、叔母の用心棒と警察(複数)は高橋克実さん、その他を鈴木浩介さんが担当。主人公ヘンリーは4人全員でかわるがわる演じます。

 叔母を追って旅する内にヘンリーは徐々に変化していき、とうとうパラグアイに移住するという結末。警察署長の16歳の娘と(政略)結婚までしちゃいます。最後はヘンリーの語りで終わりましたが、できればこの結末についての疑問や違和感を生じさせるような、余韻のある演出が欲しかったなと思いました。

SIS Company『Travels with my aunt』
出演:段田安則 浅野和之 高橋克実 鈴木浩介
原作:グレアム・グリーン 劇化:ジャイルズ・ハヴァガル 翻訳:小田島恒志 演出:松村武 美術:松井るみ 照明:小川幾雄 衣装:伊賀大介 音響:加藤温 舞台監督:瀧原寿子 プロデューサー:北村明子 ステージング:小野寺修二 演出助手:山崎総司 照明操作:熊崎こずえ 音響操作:藤本純子 舞台部:佐々木智史・対馬和美・平田剛司 ステージング助手:藤田桃子 江角由加 制作〔進行〕:藤田千史・市瀬玉子・吉澤尚子・鈴木瑛恵・本間奈保子 制作〔票券〕:中村あゆみ・笠間美穂 制作[広報]:西村聖子 大道具制作:(株)俳優座劇場舞台美術部(石元俊二) 小道具:高津映画装飾(株)(天野雄大) 電飾:(株)イルミカ東京(小田桐秀一) 稽古場協力:ホリプロ・スタジオフアクトリー 上演権コーディネイト:マーチン・R,P・ネイラー 宣伝美術:平田好 写真撮影:加藤孝 宣伝写真スタイリスト:壽村太一(lmage) 宣伝写真ヘアメイク:藤原羊二(e.a.t…) パンフレット編集・取材:市川安紀(アルカディア社) パンフレット取材:上野紀子・尾上そら 舞台写真撮影:谷古宇正彦 印刷:DNPマルチプリント 吉田印刷工業(株) (株)三交社 企画・製作:シス・カンパニ一
【発売日】2010/07/03 全席指定-6,000円
http://www.siscompany.com/03produce/29obatonotabi/


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:36 | TrackBack

2010年08月26日

彩の国さいたま芸術劇場『彩の国ファミリーシアター「音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~」』08/11-27彩の国さいたま芸術劇場大ホール

 彩の国さいたま芸術劇場が“彩の国ファミリーシアター”と銘打って製作する『音楽劇 ガラスの仮面』の第2弾です。稽古場レポート演出家インタビューを書かせていただきました。

 もの凄いボリュームの作品でした・・・!!普通の芝居2本分以上?!前売り6000円は安いと思います。上演時間は約3時間(途中休憩1回およびカーテンコール含む)。さいたま公演は明日まで。大阪公演あり!

  ⇒公演公式サイト ⇒公演公式ツイッター
  ⇒げきぴあ「蜷川演出版『ガラスの仮面』稽古場より
  ⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 全日本演劇コンクールで敗退し、解散が決定した劇団つきかげ。しかし、北島マヤ(大和田美帆)の演劇への情熱は募るばかりで、マヤに想いを寄せる桜小路優(細田よしひこ)も驚くほど。マヤは月影千草(夏木マリ)のもとでレッスンに励む一方、さまざまな劇場へ足を運び、出演の機会をうかがっている。そんな中、大都芸能の速水真澄(新納慎也)の思惑もあり、急遽、代役として舞台に立つマヤ。しかし、月影はそのことを咎め、マヤに『奇跡の人』のオーディションに合格しなかった場合は破門だと伝える。熾烈を極めるオーディションを勝ち残ったのはマヤと亜弓(奥村佳恵)。2人は、亜弓の母・歌子(香寿たつき)を相手役に、ダブルキャストで『奇跡の人』の上演に臨むことになる。宿命のライバルであるマヤと亜弓の対決の行方は-!?
 ≪ここまで≫

 今年も開演前のバックステージツアーに参加しました。なんと舞台上を歩きますので、舞台袖に待機する装置や黒装束のスタッフさんたちと同じ高さで会えるんです。幕開けから演劇、そして劇場への熱い愛情を受け取って、感激して席に着きました。

 メインである『奇跡の人』のエピソードが始まる前に、マヤと亜弓が出演するさまざまな舞台がダイジェストで上演されます。ちゃんと原作に沿った流れなのがまた嬉しい!時代劇、古典、童話、恋愛ドラマなど、演劇のジャンルの広さ、可能性を一気に見せつけられて、前半だけで豪華絢爛かつ贅沢すぎて、気持ちよく全身が疲労しました(笑)。

 後半では舞台『奇跡の人』のオーディションに向けた稽古、オーディション、本稽古、そして本番が描かれます。ある舞台が生まれて世に出るまでを、観客が作り手とともに体験できるのです。『奇跡の人』はそもそも名作なので、上演を観るだけで感動するのですが、それに全身で挑む役者や、彼らを支えるスタッフのチームワークも同時に描かれて、何重にも感動してしまいました。次から次に注ぎ込まれ、あふれでる演劇愛にボロ泣き。

 公演パンフレットのインタビューで蜷川さんがおっしゃっていたとおり、マヤと亜弓の成長物語は、そのまま大和田美帆さんと奥村佳恵さんの実際の成長と重なっていました。大和田さんの演技には感情と身体とがぴったり一致する瞬間が何度もあって、その度にぐさりと胸に刺さるような感動があり、何度も涙してしまいました。奥村さんはバレエで鍛えたさすがの身体能力で、踊る場面の美しさ、存在感は圧倒的。特にある場面(後述)では、あまりの変貌振りに唖然!目にはギラギラとした闘争心がみなぎっており、静かな立ち姿に迫力があります。歌がすごく上達されていて、彼女が歌う度にどきどきしました。

 ここからネタバレします。

 舞台上下両側に設置された電工掲示板には、文字だけでなく絵もカラーで出るんです。戯曲の解説に加えて、原作漫画で実際にあった公演ビジュアル(美内すずえさんのイラスト)も表示されました。「嵐が丘」「王子と乞食」「石の微笑」・・・漫画と舞台の世界が重なって超感激!!
 亜弓(奥村)がシェイクスピア「テンペスト」の化け物を演じる場面が凄かった!「『NINAGAWAテンペスト』に姫川亜弓が、つまり奥村佳恵が出てるっ!!」と興奮しました。

 今回の演劇的演出の目玉は「フライング」。大和田さんは元気いっぱい、晴れやかな表情でホリプロ「ピーター・パン」そのもの!奥村さんは「飛ぶ」ことを体で味わって、驚きや不安、気持ちよさ、嬉しさをそのまま表情に出して演技をされていて、とても可愛らしかったです。

 バックステージツアーでフライング要員のスタッフさんについての解説があったので、オープニングで紅天女が飛んだ時、「このひもは舞台上手にいるあの2人のスタッフさんが自分の力で引っ張ってるんだ」とわかって、感動して涙が出てしまいました。実際、上手袖で黒いひもを引くスタッフは、客席から見えていたんです(そういう演出なんですね)。だからラストのマヤと亜弓のフライングシーンも、スタッフとキャストが息を合わせて作っているんだと感じながら観ていました。
 私が一番好きだったのは『奇跡の人』の稽古場のシーンです。ヘレンがぶつかるドアをスタッフが数人がかりで支えていたり、2人が顔を殴りあう音をスタッフが拍子木で出していたり。私がお邪魔した時の稽古場の雰囲気が再現されていました。

 夏木マリさん演じる月影先生の成りきりっぷりの凄まじさは、もうこのシリーズの名物と化している感があります(笑)。客席通路を歩かれたときに髪とメイクをじーーーっくり見させて頂いたんですが、ウィッグに緑色が混ざってるんですね!左目のアイメイク(右目は隠れています)は特につけまつげが漫画のそのもの!ただ、演技や歌については月影千草より夏木マリが前面に出てるように感じることもあり、そこは違和感がありました。
 劇団一角獣のリーダーを演じる黒木マリナさんは、踊って歌える上にルックスも可愛らしくて、今回も素敵でした。

出演:大和田美帆 奥村佳恵 ・ 細田よしひこ 新納慎也 原康義 月川悠貴 岡田正 黒木マリナ 立石凉子 香寿たつき ・ 夏木マリ
花山佳子 妹尾正文 飯田邦博 難波真奈美 新川將人 井面猛志 篠原正志 佐野あい 福田潔 澤魁士 沓沢周一郎 町田正明 多岐川装子 池島優 遠藤瑠美子 森野温子 宮田幸輝 川畑一志 江間みずき 西村篤 周本えりか 隼太 土井睦月子 露敏 深谷美歩 齋藤美穂 横山大地
原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄 音楽:寺嶋民哉 美術:中越司 照明:室伏生大 衣裳:宮本宣子 音響:井上正弘 音楽監督:池上知嘉子 振付:広崎うらん ヘアメイク:佐藤裕子 歌唱指導:泉忠道 演出補:石丸さち子 井上尊晶 演出助手:藤田俊太郎 舞台監督:白石英輔 宣伝美術:阿部剛(Seagull) 写真:大原狩行 宮川舞子 主催・企画・製作:日本テレビ・財団法人埼玉県芸術文化振興財団 協力:白泉社 後援:さいたま市教育委員会 株式会社FM NACK5
一般:S席6,000円、A席4,000円 メンバーズ:S席5,400円、A席3,600円 未就学児童は入場不可。
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/p0811.html
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/glass/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:31 | TrackBack

2010年08月25日

タクトフェスティバル『ロビンソン&クルーソー』08/13-15東京芸術劇場小ホール2

 『エコア』『名無しのエリーゼ』『ひつじ』に続き『ロビンソン&クルーソー』を拝見。その後に2度目の『ひつじ』参戦(笑)。“TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)”の4本鑑賞達成しました(『ラヴァ』が来日できなかったのは残念)。

 『ロビンソン&クルーソー』の上演時間は約1時間20分。おすすめ年齢は8歳以上。めっちゃくちゃ面白かったです!笑いすぎて涙が出ました(笑)。英語上演ですが言葉はわからなくても大丈夫。お子様にもバカ受けでした♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『ロビンソン&クルーソー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 ここは海に囲まれた屋根。天災のあと二人の男がここで出会います。一人はヨーロッパの言葉をいくつも話し、もう一人はチンプンカンプンな言語を話します。海が彼らを見守る中、生き延びるための共通の言葉を見つけようと必死の二人。次第に打ち解け、過去の夢を語り始めますが・・・はたして二人は、新しい人生に向かっていくことができるのでしょうか。
 ≪ここまで≫

 言葉の通じない人間のコミュニケーションを描きますが、俳優の演技の質の高さがすべてを支えています。というか演技できるのが前提なんですよね。『ひつじ』もそうだと思います。
 それにしても笑ったな~。笑って笑って、終盤まで涙がにじみっ放しでした(苦笑)。

 ここからネタバレします。

 飛行機が墜落し、2人のパイロットが別々に海に浮かぶ一軒家へと泳いでたどり着きます。最初は2人がお互いを敵とみなして無言で争います。服装からして2人とも兵士のよう。暴力による報復の連鎖に疲れてくるころから、2人の性格や個性(特技)がじわじわとわかってくる仕掛けになっています。
 それぞれの気持ちの変化を時間をかけて丁寧に描写するので、リアリティーがあるんですよね。1人は無類の掃除好き(もしくは潔癖症)で屋根の上をほうきでマメに掃除します。もう1人は穴の開いた靴下を自前の裁縫道具でつくろうような家庭的なタイプ。図体も大きく顔も怖そうな男たちなので、ギャップが面白いです。

 1人は基本的に英語を話しますが、もう1人は何語を話しているのか不明。言葉の通じない2人が身振り手振りで必死に意思疎通をはかるうちに、仲良くなっていくのが嬉しい。英語を話す1人は英語以外の言語も堪能で、日本語もたくさん話してくれて子供たちが大喜びでした。

 家族の写真を見せ合った2人は「いえ(家)」を思い出し、自分たちの家に帰ろうと決心。家屋の木材を使って2つのいかだを作り、別々の方向に漕ぎ出して別れます。1人が「一緒の方向に行こう」と何度も誘うのがほほえましく、切ないです。

国際児童青少年芸術フェスティバル TACT/FESTIVAL TOKYO
「Robinson & Crusoe」=メリディアーノ・シアター=[デンマーク/演劇]Meridiano Theatre
≪滋賀、大阪、松本、東京≫
出演:ヤン・オールゴー・モウセン/クラウディオ・モラルス
作:ジャコモ・ラビッチオ/ニノ・ディントーナ  演出:ジャコモ・ラビッチオ  照明:モーテン・リース・シャーンセン  音楽:ジェローム・バウル  美術:ジャコモ・ラビッチオ/ニノ・ディントーナ
【TACT/FESTIVALスタッフ】総合舞台監督:闘秀哉 舞台監督:夏目雅也 プログラムディレクター:中立公平 フェスティバルディレクター:松原利己 ツアーマネージャー:さくらこりん
【東京芸術劇場スタッフ】技術統括:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 田中直明 舞台:後藤順二 谷内義弘 鈴木久仁日呂 秋山佑子 佐藤綾香 照明:斎藤芳男 川村正夫 佐藤恵太 高山智弘 音響:石丸耕- 小川義治 近藤靖彦 山本裕司 植木誠 中根悠子 制作進行:福永純子 樺澤良 勝優紀 吉田直美 蓬見あづさ 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサーピス) 金子久美子(ぷれいす) 宣伝美術:西田優子 神谷伶奈 インターン:市川和奏 古川瑛― 舞台芸術学院
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:木村美恵子 秋山知美 広報:北沢聡子 土屋裕 橋爪綾子
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:財団法人地域創造 Statens Kunstrad Danish Arts Council(デンマーク文化協議会) 後援:デンマーク大使館
おとな2000円 こども(4歳~中学生)1000円 その他セット券あり。
http://www.tact-japan.net/tokyo/r&c.html
http://www.meridiano.dk/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:41 | TrackBack

CATプロデュース+ジェイ.クリップ『今は亡きヘンリー・モス』08/22-29赤坂RED/THEATER

 久しぶりにずっしりガツン!と来るストレート・プレイを拝見しました。サム・シェパード作品というと舞台で観たのは2作のみで(レビュー⇒)、他は戯曲を少し読んだ程度なのですが、戦争の影に重みがあってリアルで、今回もそこが良かったです。

 翻訳・演出は小川絵梨子さん(⇒2005年朝日新聞インタビュー)。緻密で丁寧な演出にベニサン・ピット時代のTPTで味わった感覚を思い出しました。2時間40分(休憩10分含む)という長丁場ですが、サスペンス仕立てなのでそれほど長く感じませんでしたね。

 「今は亡きヘンリー・モス」の原題は"The Late Henry Moss"。「今は亡き」という日本語訳が素晴らしいと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『今は亡きヘンリー・モス

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 父、ヘンリー・モス(中嶋しゅう)が死んだ。
 家族を捨て、一人辺境の地で暮らしていた父親の死を知った兄弟は、父の死体の横たわる家で7年ぶりに出会う。
 真実を知りたがらない兄アール(谷田歩)と、父の死の真相を暴こうとする弟レイ(伊礼彼方)。
レイは、アールの反対を押し切り、父の最期の数日に関わった人物たちを執拗に追及し始める。
 隣人エステバン(田中壮太郎)、タクシーの運転手(福士惠二)、そして、父のガールフレンドだったという、謎の女、コンチャーラ(久世星佳)。
 真実を知るのは誰なのか?
 物語は、過去と現在を行き来しながら、ヘンリー・モスの最期の数日間を、そして、家族の隠された過去を紐解いていく。
 ≪ここまで≫ 

 翻訳戯曲を心理的リアリズムの演技で上演。父ヘンリーの死体を前に、彼がなぜ、どのようにして死んだのかを回想シーンで見せていきます。転換中に流れる音楽に品があり、映像も含めた照明や装置、衣装にもこだわりがあって、贅沢な小劇場観劇をさせていただきました。

 兄アール(谷田歩)が緻密な演技でこきざみに感情を変化させ、どこまでが本当でどこまでが嘘なのかを探らせてくれます。特に父と対峙する姿が良かったです。
 スープをつくって運んでくる隣人エステバンをコミカルに演じてくださったのは田中壮太郎さん。さすがの呼吸と存在感でした。

 ここからネタバレします。

 父に愛されなかった(ほぼ虐待されていた)兄弟は、自らの家族を持つことができないまま、互いに1人で別々に暮らしています。どんなにひどい仕打ちを受けても、子供は親を愛しているんだなといつも思います。じゃあなぜ父は息子たちを愛せなかったのか。それは父が戦争で人を殺してきた兵士だったことに由来します。以下はあらすじです。

 アル中で暴力的な父ヘンリーは退役軍人。第二次世界大戦で日本人を多数殺し(←自分でそのように言います)、今は恩給で生活しているようです。大金が入る度に街に繰り出し、飲んだくれています。

 弟レイは20年前、父が母にひどい暴力を振るった日のことを兄アールに話します。「あの時、兄さんが父さんを止めてくれると思ったのに、あなたは白い車に乗って逃げていった(それ以来会っていない)。」でもアールはかたくなに「自分はそこに居なかった」と主張します。

 死期が近づいてきて朦朧としてきた父は、「妻(アールとレイの母)に暴力をふるった時に、俺は既に死んでいた(命はあれども人間としての心は死んでいた)。俺は自分で自分を殺したのだ。」と告白します。留置所で会った時からそれに気づいていたコンチャーラは、彼が死を受け入れるのを見守っていたのです。

 「あの時、お前は俺を止められたのに、止めなかったんだ」とすごむ父に、アールは「(あなたが)怖かった」のだと告白します。父は「俺が?怖かったのか?」と返答。きっと初めて父と兄が本当に会話できた瞬間だったんだろうと思います。その言葉を最期に父は自らベッドに横になり死亡。

出演:谷田歩 伊礼彼方 田中壮太郎 福士惠二 久世星佳 中嶋しゅう
脚本:サム・シェパード 演出:小川絵梨子 美術:中村公一 照明・映像:原田保 衣装:ゴウダアツコ ヘアメイク:川端富生 振付:足立美幸 アクション指導:中村嘉夫 舞台監督:村田明 演出助手:保科由里子  照明操作:武藤聡 映像プログラマー:山田裕二 音響操作:目黒愛美 舞台監督助手:太田美乃凧 アンダースタディ:長谷川祐之 大道具:C-COM舞台装置 小道具:高津映画装飾 舞台製作:クリエイティブ・アート・スィンク 加賀谷吉之輔 版権コーディネーター:マーチンR・P・ネイラー リーフレソト制作・印刷:トウイン企画印刷 宣伝写真:引地信彦 宣伝美術:冨田中理 制作協力:田中浩補 票券:ジェイ.クリップ 制作:北原ヨリ子 有賀美幸 プロデューサー:江口剛史 上谷忠 企画・製作:シーエイティプロデュース ジェイ.クリップ
【発売日】2010/06/05 6,000円※全席指定、全て税込み金額になります。
http://www.stagegate.jp/performance/2007/hm/index.html
http://www.wokenglacier.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:54 | TrackBack

2010年08月24日

渡辺源四郎商店プロデュース公演『ともことサマーキャンプ』08/20-21アトリエ・グリーンパーク

 中学生WS版B班の後にプロデュース版を拝見。牧野慶一さん(渡辺源四郎商店)以外の出演者全員が青森中央高校演劇部出身で、ほとんどが『ともことサマーキャンプ』への出演経験者なんですね。上演時間は約50分。

 『河童』『ともことサマーキャンプ』に出演していた青森中央高校演劇部の面々が勢ぞろいで、同校演劇部が積み重ねてきた歴史を実感できる公演でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ともことサマーキャンプ

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。
 青森市内にある県立高校合宿所。3年2組のサマーキャンプ。2泊3日の学習合宿である。館内で「ともこを見た」という女子が早退する。ともこは学校の屋上から転落死したクラスメート。サマーキャンプは騒然となるのだが……。
 ≪ここまで≫ 
 
 中学生WS版の衣装は学校の制服でしたが、プロデュース版の親役(および生徒役)は白色に統一していました(⇒稽古場写真)。先生役は黒いズボンに白いシャツなどのスーツ系。演出については、昨年の『河童』は中学生WS版と大人版でガラリと違いましたが、今年はそれほどではなかったです。

 終演後のトークで作・演出の畑潭聖悟さんがおっしゃっていたとおり、中学生WS版には敵わない・・・んですよね。「中学生は生(なま)だから」ということが主な理由。納得です。
 私が観た回については、「ここのセリフはこんな表情と声と動きで」と決めたことをなぞる以上のものが感じとれず。稽古期間も短かったようですし、本領発揮できなかったのではないかと想像します。

 一般前売り2,500円の有料公演ですので作品のクオリティーはもちろん大切ですが、畑澤さんのブログにあるとおり、この公演の最も重要なポイントは、作品そのものよりも創作方法および体制にあると思います。
 大学に進学したり公務員になったり、それぞれの進路を歩んでいる19~21歳の青森の若者が、公演のために再集結して、高校演劇部の後輩と一緒に中学生たちを指導する7日間。アトリエ・グリーンパークが若い演劇人の育成の場、子供(ティーンネイジャー)の心身の成熟を促す教育の場として、存在感を増してきているように感じました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:畑澤聖悟 工藤千夏(聞き手)

【出演】牧野慶一 太田媛乃 長崎南美 夏井澪菜 坂口海 山内さとみ 有馬三菜 細谷拓弥 木村知子 工藤良平 ※諸事情により畑澤聖悟が降板し、代役に工藤良平。
【作・演出・舞台美術】畑澤聖悟 【照明】浅沼昌弘【ドラマターグ】工藤千夏 【プロデュース】佐藤誠 【制作】工藤由佳子、西後知春、柿崎彩香、秋庭里美、田守裕子 【宣伝美術】山下昇平
全席自由・日時指定・税込 予約 一般 2,500円/学生 1,000円/高校生以下 500円 当日 一般 2,800円/学生 1,300円/高校生以下 800円
http://www.nabegen.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:20 | TrackBack

2010年08月23日

【オーディション】THE SHAMPOO HAT「新人劇団員オーディション」※9/18〆切(郵送 のみ)

 赤堀雅秋さんが作・演出・出演される劇団THE SHAMPOO HATが「新人劇団員オーディション」を実施します。年齢制限は30歳まで。詳細は公式サイトでどうぞ。

 ●THE SHAMPOO HAT「新人劇団員オーディション」
  〆切:2010年9月18日郵送必着
  一次審査:写真あり履歴書、作文
  二次審査日程:2010年10月9日・10日・11日
  二次審査参加費用:5,000円

Posted by shinobu at 20:52 | TrackBack

ロロ『ボーイ・ミーツ・ガール』08/18-22王子小劇場

 ロロは三浦直之さんが作・演出される劇団です。『ボーイ・ミーツ・ガール』は佐藤佐吉演劇祭2010参加作品(⇒記者会見)。上演時間は約2時間。

 見逃してしまった前回公演がとても好評だったので期待して伺ったのですが、三浦さんと私とでは“恋”についての解釈(というかスタンス?)が違うようで、入り込めず。
 10歳以上年が離れてるせいなのか、私のとらえ方が老けているせいなのか(苦笑)。世代間ギャップで語れることではないですが、あまりに違うのでそんな風に考えてしまいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ボーイ・ミーツ・ガール

 ≪あらすじ≫
 百太(篠崎大悟)は女の子(森本華)の夢を見た。まだ生まれてないんだけど、百太のことが好きなんだって。そしたら急いで生まれてきてくれたんだ。
 ≪ここまで≫

 「誰かが誰かのことを何よりも大好き!」という“恋”の圧倒的なパワーが描かれていたのだと思いますが、恋が生まれたり燃え上がったりするための、条件や制限が加えられてるように見えて残念。恋が人間を変え、尋常じゃない行動を起こさせることには同意です。
 乱闘シーンがリアルで、役者さんが怪我しないのかと心配になりました。若い男性がパワフルにぶつかり合うのは、見どころではありますね。

 胸にハート型の風船を貼り付けて、「心」や「心臓」をあらわすのがとっても可愛いです。可愛いといえば、女優さんがめっちゃ可愛い人ばかり!小劇場の若い役者さんはルックスのいい人が多いわ~♪

 懐メロが山ほどかかっていて・・・驚きました。「昔から恋は変わらない」ってことなのかな。

 ここからネタバレします。

 「生まれる前からあなたが好き!」と言ってくれる女の子のことを、すれ違って会えない状態が続く内に好きになっちゃったり、道端に倒れている女の子に一目ぼれしたら既に死体だったり、大事な妹を殺された兄が犯人への復讐に燃えたり、恋した人が殺人鬼だったり。一途で激しい恋が生まれるために、時間的制限やわかりやすい条件(極限状態・飢餓状態など)を用意しているように見えて、恋を矮小化しているように感じました。
 私自身、ごく一般的に想像されるような一目ぼれも経験しているので(何年も前に破れましたがっ!)、恋ってもっとたわいない日常に転がってるものだと思うんですよね。生まれるのにも、燃え上がるのにも理由はいらないというか。

 ただ、恋に理由はいらなくても、舞台で起こる出来事には理由(=原因)が必要だと思います。百太はモテる(振られても百太に尽くす女がぞろぞろいる)と決まっていて、標(しるべ)は「生まれる前から百太が好き」と決まっていて、殺人鬼も「生まれた時から俺は殺人鬼」と自分で決めていて、それを勝手に信じて実行していました。「そういう設定なのね」とスルーできたら楽しめたのかもしれませんが、私には無理でした。『ザ・キャラクター』での野田さんの主張を思い出さざるを得なかった。恋が生まれて成就したその先に興味があるので、最後も物足りなかったですね。・・・我ながら気難しい観客ですねぇ(苦笑)。

 かかった曲は映画の主題歌が多かったです。映画タイトルは「オールウェイズ」「ゴーストバスターズ」「ボディーガード」「リアリティー・バイツ」など。懐かしいものばかりなので、三浦さんがご存じなことに驚きました。もしかしたら常識なのかしら?そういえば「男はつらいよ」「3年B組金八先生」もモチーフになってたような。
 兄と殺人鬼の間に人が折り重なった列が出来て、それが必殺技(カメハメ波みたいな)の通り道になる演出が楽しかった~!

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:三浦直之 土佐有明

ロロ vol.4
出演:篠崎大悟 亀島一徳 望月綾乃(以上ロロ) 板橋駿谷 北川麗 島田桃子 多賀麻美 田中佑弥(中野成樹+フランケンズ) 森本華 大石貴也 大渡佑紀 崎浜純 高橋果菜 寺田昌洋 中村未希 村松健 山田亜沙
脚本・演出:三浦直之 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響:池田野歩 舞台監督:鳥養友美 美術:松本謙一郎 衣裳:黒瀬空見(ツクリバナシ)  宣伝美術:玉利樹貴 制作助手:幡野萌 制作:坂本もも
【発売日】2010/07/17 前売り/2500円、平日マチネ割引/2000円、中高生割引/1500円、シニア割引(65歳以上)/1500円、当日券/2800円
http://llo88oll.web.fc2.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 14:31 | TrackBack

時間堂+スミカ『のるもの案内』08/21-22 no smoking cafe MODeL T

 原田優理子さん(トリのマーク(通称))がスミカという個人演劇ユニットを結成されたようです。この公演は旗揚げ準備企画にあたるのかしら。時間堂と合同のカフェ公演でした。

 おしゃれなカフェで、おしゃれ普段着の若者たちが、優しくたわむれていました。原田さんは演劇が大好きなんだなーと思いました。上演時間は1時間弱。

 ワンドリンク&おみやげ付きで、DMやパンフレットなどにもおもてなしの気持ちがあらわれていました。写真↓はいただいたお土産(製作:土谷朋子)。
norumono_annai_souvenir.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『のるもの案内

 演技スペースを四方から客席が囲み、役者さんが至近距離でパフォーマンス。周囲と呼吸を合わせるように、観客ともコミュニケーションを取ることを意図したオープニングでしたが、気持ちが乗れなかったです。まずは演じる側からのアプローチが欲しいですね。観客が前のめりになることを待つ姿勢でいるのではなく、最初はグっと引っ張って、作品の中に引き寄せてもらいたいです。1話の途中から普通に観られるようになりました。

 ここからネタバレします。
 ※会場への道のりで迷い、炎天下で少々さまよいましたので、かなり疲れた状態での観劇になってしまいました。内容をちゃんと把握できたか自信がありません。間違ってたらすみません。


■『池袋から日暮里まで』
 (作:黒澤世莉/演出:原田優理子)

 時間堂が『15 minutes made』で上演した短編。見逃したので再演が嬉しい(演出は違いますが)。

 カメラマンの卵(金丸慎太郎)とパティシエの卵(大川翔子)の恋。山手線の同じ車両で偶然乗り合わせた2人(黒澤世莉&津留崎夏子)は、彼らの未来の姿だった。女は出世していたが、男は夢をあきらめていた。

 早朝の西日暮里。空港に向かう女に男が尋ねた「いっていい?」が、「言っていい?」に聴こえてしばらく悩みました。「行っていい?」が正解。


■『真ん中より少し浮く』
 (作:原田優理子/演出:黒澤世莉)

 ご主人様(菊池美里)は古い旅行かばん(菅野貴夫)を片手に、フィンランドのヘルシンキへの失踪をたくらみます。携帯(鈴木浩司)と十年日記(原田優理子)も登場。

 旅行かばんは『池袋から日暮里まで』で女(津留崎夏子)が持っていたので、2つはつながったお話でした。パティシエの卵が「パリに留学する」と言っていたのは嘘で、元彼を追いかけてヘルシンキに行く途中だったことがわかります(ヘルシンキは観客からのアイデア)。カメラマンの卵は居酒屋の店長になった。パティシエの卵は結婚しても昔の彼が忘れられず、逃避行ぐせがある。2人の嘘がせつない。

 ・・・ん?パティシエの卵はご主人様のお母さんだったのかな?「失踪ぐせ」が遺伝したってことかな?それともただ旅行かばんを共用してるだけ?・・・となると色々間違って解釈していますね、すみません。

 ご主人様が色んな物や人に支えられて、人の上に乗って歩いていくラストが素敵。

出演:黒澤世莉(時間堂)、菅野貴夫(時間堂)、鈴木浩司(時間堂)、大川翔子(劇団競泳水着)、金丸慎太郎(国道五十八号戦線/贅沢な妥協策)、津留崎夏子(ブルドッキングヘッドロック)、菊池美里、原田優理子(トリのマーク(通称))、戸谷絵里
『池袋から日暮里まで』作:黒澤世莉 演出:原田優理子 『真ん中より少し浮く』作:原田優理子 演出:黒澤世莉
宣伝美術:渡辺紗織 おみやげ製作:土谷朋子(citron works) はんこ製作:三谷麻里子 記録撮影:$堂 
1,500円 1ドリンク・おみやげ付き
http://sumikasumika.seesaa.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:24 | TrackBack

2010年08月22日

渡辺源四郎商店「中学生演劇体験ワークショップ・ココロとカラダで考えるいじめと正義~7日でつくる『ともことサマーキャンプ』~B班」08/19-21アトリエ・グリーンパーク

 渡辺源四郎商店(通称:なべげん)は現役高校教師で劇作家・演出家の畑澤聖悟さんが主宰する青森の劇団です。劇団拠点である青森市内の劇場アトリエ・グリーンパークに、今夏も訪れました。

 中学生演劇体験ワークショップ“ココロとカラダ(で考える)”シリーズは2008年『修学旅行』、2009年『河童』(⇒ワークショップレポート)に続いて今年で3度目。演目は青森県立青森中央高校が昨年の全国高等学校演劇大会で上位入賞した『ともことサマーキャンプ』です。
 7日間といっても1日目はオーディション(6/27に実施)、本番が3日間ありますから、実質的な稽古期間はたったの3日間なんですね。

 青森中央高校演劇部のOB、OGらが出演するプロデュース公演も同時期に上演されました。上演時間は約45分。
 【写真↓B班初日終演後のミーティング。右端の背中は畑澤さん。】
20100820_tomocamWS.JPG

 ⇒畑澤聖悟さんのブログより:
 ⇒CoRich舞台芸術!『ココロとカラダで考えるいじめと正義「ともことサマーキャンプ」』

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。昨年のレビューにも解説あり。
 青森市内にある県立高校合宿所。3年2組のサマーキャンプ。2泊3日の学習合宿である。館内で「ともこを見た」という女子が早退する。ともこは学校の屋上から転落死したクラスメート。サマーキャンプは騒然となるのだが……。
 ≪ここまで≫ 

 オーディションに集まった21人の中学生を全員出演させることにして、A班、B班の2バージョンを創作。本番はそれぞれ2ステージずつ。前回までは1バージョンで3ステージありました。

 クオリティーが高かったですね~!最初から最後まで安定していて、「何か恐ろしいハプニングがあるんじゃないか?」という不安も感じなかったです(セリフが止まった瞬間がなかったわけではないですが)。そういえば開演直前に劇場入り口付近で出演者の子供たちと少し話した時も、全然緊張していない様子でした。「今日はB班の初日のはずなのに、なぜこんなにリラックス!?」と不思議に思ったほど。

 昨年の『河童』ではなべげんのメンバーや高校演劇で『河童』に出演した高校生・大学生らが、中学生をマンツーマンで指導していました。今年は青森中央高校演劇部の現役高校生30人以上と、同部OB、OGである大学生および社会人10人以上が、出演者21人を指導する体制になっており、中学生1人につき最大3人の指導者がつくという非常に贅沢な環境だったようです(終演後のトークより)。

 オーディションが6/27に行われたのも、昨年とは違うところですね。稽古開始までにセリフを覚えてきていたら、稽古の密度も上がったでしょう。また、2年連続、3年連続で参加している中学生もいるので、年々レベルが高くなってきているのかもしれません。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 テーマは「いじめによる自殺」ですから、鑑賞後の後味はずっしりと重たいもの。いじめをしていた女子高生とその親という2役を1人で演じます。あるセリフや動きをきっかけに突然演じる役柄が変化するのが面白いです。

 加害者の女子高生5人に「本当のことを言ってくれない?」と弱々しい声で、でも本気で尋ねる新米教師と、同級生をいじめていた娘に「本当のことは絶対に言ってはいけない」と証拠隠滅を勧めた母親。鮮やかな対比になっています。

 5人の女子高生の内の1人の「私、生きていかなきゃならないから(ともこには悪いけど、しらを切らせてもらうね)」というセリフで終幕。罪悪感を感じている2人を除く3人が舞台中央に立つラストシーンは、チェーホフ作「三人姉妹」と重なりました。

A班出演者:榊史也 澤谷理佑 林美奈 竹村朱麗 上打田内恵美 牧野レペッカ 橋爪萌 佐渡歩里 蒔苗有紀子 高坂真也 木村紗香
B班出演者:高坂友郁 大坂隼平 豊嶋未沙樹 大友玲菜 相馬祐希 阿部紘奈 渡辺梢 清藤真由子 川村いぶき 木島雄大 木村紗香
※冒頭のシーンには、A班・B班の全員が出演。ともこ役の木村紗香はAB両班に出演。
【作・演出・舞台美術】畑澤聖悟 【照明】浅沼昌弘 【ドラマターグ】工藤千夏 【プロデュース】佐藤誠 【制作】工藤由佳子、西後知春、柿崎彩香、秋庭里美、田守格子 【宣伝美術・イラスト】山下昇平
全席自由・予約制無料
http://www.nabegen.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:17 | TrackBack

2010年08月18日

NPO法人アートネットワーク・ジャパン『子どもに見せたい舞台vol.4「ピノッキオ」』08/17-29にしすがも創造舎 特設劇場

 アートネットワーク・ジャパンの“子どもに見せたい舞台”の第4弾(⇒第1弾第2弾第3弾)です。出演者もスタッフワークも、これまでの積み重ねの集大成と言える完成度!今までで一番わくわくしました!上演時間は約1時間40分。

 0歳児から入場可能で小学生以下無料、中学生~18歳未満は500円、18歳以上は1,500円という破格です。現在のところ全11ステージ中5ステージは残席あり!⇒チケット予約 整理番号順・全席自由席ですので劇場へはお早めに!

 写真↓は会場入口の看板です。黒板にチョークで文字が書かれてるのが、学校らしくていいですね(にしすがも創造舎は元小学校で、特設劇場は元体育館です)。
20100817_pinocchio_kanban.jpg

 ※第3弾『ドリトル先生と動物たち』は今年の冬に川崎市アートセンターで再演決定!

 ⇒CoRich舞台芸術!『ピノッキオ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 人形師のゼペットじいさんは、一本の不思議な木からあやつり人形を作りました。子どものいないゼペットじいさんは人形に「ピノッキオ」という名前をつけ、息子のようにかわいがろうとしますが、この人形、とんでもないイタズラっ子だったんです!学校から逃げ出したり、旅芸人の仲間になったかと思ったら、キツネとネコにだまされたり、海に飛び込むはめになったり…。こんなピノッキオがはたしてゼペットじいさんの本当の子どもになれるのか、お目つけ役のコオロギとの冒険がはじまります!
 ≪ここまで≫

 劇場に入るなり夢の世界!絵本の挿絵を思わせる美術に、見てるだけで楽しくなっちゃう衣装とヘアメイク!会場案内のスタッフもちゃんと劇世界に合った服装をしてくれています。
 音楽は打楽器中心の生演奏で、早いリズムで音が大きくなると、体全体に振動が伝わってきて気持ちが高まります。優しいメロディーも作品に合っていたと思います。

 役者さんはどんどん着替えて色んな役を演じ、楽器演奏もし、歌って踊って大忙し。全てが休む間なく動いている雰囲気がとってもいいです。
 演技方法はいわゆる“演劇らしい”ものです。基本的に人間ではないものを演じるので現実からの飛躍が必要ですから、有効な方法だと思います。セリフをはっきり発声しつつ、ピタリと体が止まったり、美しくゆっくりと動き始めたり。訓練をして獲得した動きであることがよくわかります。

 目も耳も楽しませて、心をわくわくさせて、風刺も少し利かせて。子供を命がけで愛する親、その愛を受けて成長していく子供。親子の愛を描いた上で、これからどうなっていくのか、どうするのかを問う物語になっていたように思います。

 人形のピノッキオが出ている場面は勢いがあって華もあって、子供たちも集中して楽しんでいた様子。大人(大人とおぼしき存在)だけが出ているシーンは、少々迫力不足の感あり。私が拝見したのは初日なので、これから精度が上がっていくことと思います。
 コオロギを演じた八代進一さん(花組芝居)がかっこ良かったですね~。ギターもお上手ですし、ギャグは大人にも子供にもウケてました。

 ここからネタバレします。

 原作では、強盗に襲われたピノッキオが木に吊り下げられたまま死んじゃうというエンディングだったそうです。容赦ない童話だ・・・。当時の子供たちの「ピノッキオを死なせないで!」という投書のおかげで連載が続行され、今の「ピノッキオ」があるんですね(劇中に解説あり)。

 “最高の国”で遊びほうけてロバになりかけたピノッキオは、コオロギに助けられて逃げ出し、2人で海に飛び込みます。その海の場面が素晴らしかった!2人がピストル型のシャボン玉マシンを使うんです。青く染まる装置に、ぶくぶくという音響、そこに舞う無数のシャボン玉。思わず立って触っちゃう男の子もいました。

 人間になったピノッキオが人形のピノッキオたちと話し合い、自分の名前を確認することで心が自立していく最後の場面は、説教くさい印象を受けました。役者さんたちの説明的な間(ま)が不自然で、段取りに見えたせいかと思います。気を持たせずにサラリとやっちゃっていいんじゃないでしょうか。せっかくの海(くじら)の場面での盛り上がりがもったいない~。あの余韻が濃く残ってる内に終幕してくれたらいいな~。

名作による親子向けアート体験プログラム
【出演】ピノッキオ:平佐喜子 ジェペット:村上哲也 コオロギ:八代進一(花組芝居) 森の聖女:井上貴子(双数姉妹) キツネ:三村聡 ネコ:三橋麻子 フクロウ:加藤幸夫 ロメーオ(ろうそく)、プードル、他:佐藤円 黒うさぎ:小金子由菜 黒うさぎ:小田さやか ナレーター、人間になったピノッキオ:渡辺麻依
構成・演出:倉迫康史 原作:カルロ・コッローディ 「ピノッキオの冒険」(岩波少年文庫) 音楽監督:棚川寛子 美術:鈴木健介 照明:佐々木真喜子(ファクター) 音響:相川晶(サウンドウィーズ) メイク:(株)レサンクサンス 衣装:竹内陽子 舞台監督:弘光哲也 宣伝美術:FLATROOM イラスト:たにつえりこ 演出助手:小林英朗 名倉歩美 制作:坂田厚子 票券:長原理江 プロデューサー:蓮池奈緒子 共催:シアターカンパニーOrt-d.d 制作:NPO法人アートネットワーク・ジャパン 名作による親子向けアート体験プログラム 主催:としま文化創造プロジェクト実行委員会 としま文化創造プロジェクト実行委員会構成団体:豊島区、豊島区教育委員会、NPO法人アートネットワーク・ジャパン、NPO法人芸術家と子どもたち 助成:財団法人地域創造
こども(小学生以下):無料 中高生(中学生~18歳未満):500円 おとな(18歳以上):1,500円 開場は開演の30分前/受付開始・当日券発売は1時間前 0歳から入場可/施設内に親子休憩室あり
http://sozosha.anj.or.jp/natsumatsuri10/pinocchio/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 00:03 | TrackBack

2010年08月17日

東京芸術劇場プロデュース・日タイ共同制作『Spicy, Sour, and Sweet』08/13-15東京芸術劇場小ホール1

 野田秀樹さんがタイと日本の若手パフォーマンス集団の共同制作公演を企画・発案されました。⇒野田さんによる公演紹介
 まずはタイから来日したB-Floorが新作を披露し、休憩を挟んだ後に日本の快快(ファイファイ)とB-Floorがともにつくった約45分の短編を上演。

 写真は芸劇前のポスターたち↓です。左上が『Spicy, Sour, and Sweet』、右上がNODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』、左下がTSミュージカルファンデーション『Diana-月の女神ディアナ-』、右下がタクトフェスティバル
20100813_Spicy_Sour_and_Sweet.JPG

 芸劇に行く機会が増えましたね~。私が伺った日は3公演が同時にに初日の幕を開けるという日でした。

 ⇒稽古場レポート「トムヤン君とミソシルちゃん
 ⇒稽古場レポートを書かれた徳永京子さんの感想ツイート
 ⇒CoRich舞台芸術!『Spicy, Sour, and Sweet

 白い床に白い壁のステージを客席が2方向からはさみます。スケートボードのスライド競技(?)の会場みたい。2作品とも動画を床および壁に映写する演出を多用していました。
 快快と同世代の柿喰う客が中国人、韓国人とともにつくった『wannabe』と同様、英語が彼らおよび観客とのコミュニケーション・ツールになっていましたね。

 共同制作作品が面白かったかったかというとあんまり。でもB-Floorも快快も「自分たちが今感じていること」に正直で、舞台上に居る時もそのままの自分たちをさらして、観客と触れ合おうとしていました。この「身もふたもないありのまま感覚」というのが私にはないもので、いつも快快の作品を観たときに感激します。世代で区切ることはできないとは思いながらも、20代の演劇の作り手の作品を観る度に、時代が変わっている、新しい何かが生まれていると感じます。


 ■B-Floor「Flu O Less Sense」

 快快の山崎皓司さんが出演されてましたので、今公演用の特別バージョンなのでしょうね。

 B-Floorの若者の視点から見た「ほほえみの国」と呼ばれるタイの現実。タイで起こった暴動の映像を流しながら、舞台にいる若者たちは“いつもの労働”をしています。世界中に撒き散らされる報道と、庶民の日常との乖離をあらわしているように思いました。

 激しい身体表現にも日常的な身体がそのまま生かされていて好感。プラスチックの皿を床に転がすのがきれい。着物の女性は「蝶々夫人」かしら。さすがはプッチーニのオペラ、ボーダレス。
 空間全体の演出は色使いに個性があると思いました。でも映像と照明、音楽に頼りすぎている気も。最後のダンスで細長い照明が降りてきたのがかっこよかった。ダンスも良かったです。黒い衣装でそろえて凄みがありました。


 ■快快とB-floorの合同公演「どこでもDoor」

 「快快とB-floorが出会って交流したよ!」という内容。まさにそのまま、ありのまま。
 出演者とともに観客がヨガをしたり、タイ土産を観客が買うお買い物シーンがあったり。スムーズに観客参加型にしていく手腕はいつもながら見事です。観客の拍手でタイの街にスコールが降るという演出も素敵。

 『wannabe』でも感じたことですが、「異文化交流をした」という成果はあるものの、作品としてのクオリティーは高くはありませんでした。でもタイと日本の若いアーティストがぶつかり合って、ひとつの結果を出したことには意義があります。東京芸術劇場には、今後もこういった企画を継続してくださることを期待します。


●B-Floor新作「Flu O Less Sense」
[シーン]空港/笑顔の街/インドア(室内)/アウトドア(屋外)/瞬間/結末のはずが…
出演:ドゥダオ・ワッタナパゴン ナーナー・デーキン ワランユー・イントラカムヘン、サルット・コーマリッティポン ササピン・シリワニット オーンアノーン・タイスリウォン
演出:チィラワット・ムンウィライ(KAGE) 作曲:クリッサダー・レーイエス
技術監督:タウィット・ケーッブラバイ 照明デザイン:パウィニー・サマックプット ビデオ・グラフィック・デザイン:テーチット・ジローパースゴッソン リー・スートーサック ドキュメンタリー映像:ノッパン・ブンヤイ 振付(蝶々さん):トーポン・プンサッター メイク・衣裳デザイン:オーンアノーン・タイスリウォン 小道具:サルット・コーマリッティポン 撮影:スッティサー・パティパンテワー ソムジェット・ループグロム ウィティット・ジャンタマリット 翻訳(英語):ササピン・シリワニット ナーナー・デーキン プロダクション・マネージャー:ジャールナン・パンタチャート
●「どこでもDoor」
出演:天野史朗 大道寺梨乃 千田英史(Rotten Romance) 中林舞 山崎皓司 ジャールナン・パンタチャート ドゥダオ・ワッタナパゴン ワランユー・イントラカムヘン ナーナー・デーキン ササピン・シリワニット サルット・コーマリッティポン
作:北川陽子 演出:篠田千明 共同演出:ドゥダオ・ワッタナパゴン 照明デザイン:海藤春樹 振付:野上絹代 舞台装置:佐々木木文美 映像:天野史朗 衣装:藤谷香子

企画・発案:野田秀樹 技術統括:白神久吉 舞台監督:足立充章 舞台監督助手:渡邊千穂 映像機材協力:飯田幸司(海藤オフィス) 大道具:矢田英孝(金井大道具) 通訳(日・英):鈴木なお/田村ゆう 通訳(日・タイ):ニーラナート・アピィチャナンクン パンフレット翻訳:プッサディー・ナワウィチット
【東京芸術劇場技術スタッフ】舞台:谷内義弘/秋山佑子 照明:斉藤芳男/佐勝恵太 音響:小川義治/中根悠子 宣伝美術:水谷孝次/柄本綾子(水谷事務所) イラストレーション:田中靖夫 印刷:池田印刷株式会社 スチール撮影:加藤和他(快快) ロビーデコレーション:山本ゆい/大道寺梨乃(快快) 制作:玉塚充/勝優紀 制作協力:千徳美穂/酒井孝宏(NPOメコンクラブ) 河村美帆香(快快) 吉田直美 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサービス) 金子久美子(ぷれいす) 広報協力:徳永京子
インターン:舞台芸術学院(浅野圭亮/阿部孝太郎/石渡萌子/泉佑里奈/稲垣里紗/上野沙織/海老沼正也/大工原万里子/岡野真似/鎌田みさき/児玉五月/権田菜摘/榊原千紘/坂本梓乃/福田陽子/増山舞/山田志保/渡部良太)
関連企画「ペトナムスコール」企画制作:NPOメコンクラブ(千徳美穂/酒井孝宏/中原和樹/鈴木拓/伊藤愛/山崎友貴)
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:玉塚充/勝優紀/木村美恵子/秋山知美 広報:北沢聡子/土屋裕/橋爪綾子 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:平成22年度文化庁国際芸術交流支援事業
【発売日】2010/06/20 前売3,500円 当日3,800円(全席指定・税込)
http://www.geigeki.jp/saiji/012/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 13:34 | TrackBack

2010年08月16日

【オーディション】マームとジプシー2010年2月公演『コドモもももも、森んなか』出演者募集※9/18〆切(メールのみ)

 藤田貴大さんが作・演出されるマームとジプシーの次回公演『コドモもももも、森んなか』の、出演者募集を兼ねたワークショップオーディション情報です。⇒過去レビュー

 藤田さんは「坂あがりスカラシップ2010」対象者に選ばれました。詳細は劇団公式ブログでどうぞ。

 ●マームとジプシー2月公演/坂あがりスカラシップ2010対象公演
 『コドモもももも、森んなか』
  作・演出:藤田貴大
  小屋入り日程:2011年1月28日~2月7日
  会場:STスポット

 <オーディション応募締切>2010年9月18日22時00分(メールのみ)
 <オーディション参加費>無料
 <オーディション日時>
 1次審査:9月21日(火)&9月22日(水)
 2次審査:9月28日(火)

Posted by shinobu at 22:20 | TrackBack

マームとジプシー『しゃぼんのころ』05/26-31 STスポット

 こまばアゴラ劇場での前回公演がCoRich舞台芸術!で評判だったので、横浜まで観に行きました。

 「キレなかった14才りたーんず」の人たちよりもっと若い世代なんですね。関東の最若手の演劇の作り手は志が高いと思います。

 ⇒徳永京子さんの感想ツイート:
 ⇒CoRich舞台芸術!『しゃぼんのころ
 レビューは記録程度です。

 14歳の男女の日常。学校の風景。男子からみた夢の女子像だな~と思いましたが、美化するばかりじゃなく。
 ある場面を違う角度からもう一度演じ直す、その精度の高さが凄いと思いました。役者さんへの負荷は相当なものだと思います。

 ここからネタバレします。

 家出をする(家出に合流する)ある1人の女の子のエピソードが中心でしたが、後半に近づくにつれて違う女の子のエピソードも前面に出てきます。そこでなぜか私は疲れちゃいました。芯になるのは1人の女の子で良かったんじゃないかと思ったんですが、もしかすると、ただキンキン声が苦手だったのもかもしれません。

出演:青柳いづみ、召田実子、吉田聡子、伊野香織、斎藤章子、荻原綾、波佐谷聡、横山真、尾野島慎太朗
脚本・演出:藤田貴大 舞台監督:森山香緒梨 照明:吉成陽子 照明オペ:明石怜子 音響:角田里枝 音楽:じゃがいもハニー&宝トミー 演出助手:吉田綾乃 舘巴絵 宣伝美術:本橋若子 記録写真:飯田浩一 制作:林香菜 提携:STスポット 協力:NINGENDAYO.
【発売日】2010/04/18 ご予約 2000円/当日券 2200円
http://ameblo.jp/mum-gypsy/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:13 | TrackBack

演劇集団円『死んでみたら死ぬのもなかなか四谷怪談-恨(ハン)-』08/08-15シアタートラム

 「四谷怪談」を韓国人劇作家が改編し、森新太郎さんが演出。主役のお岩を演じるのは大人気声優でもある朴璐美(パク・ロミ)さん。

 桟敷席で2時間ってのが単純につらかった・・・。劇場に入る前に「前の方が見やすいですよ!」という声がかかったので素直に従ってみたのですが、正面からの方が見やすかったと思います。最前列だと役者さんに近いので、ファンの方には良かったのかもしれません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『死んでみたら死ぬのもなかなか四谷怪談-恨(ハン)-

 ステージを客席がコの字に囲みます。正面席の一部を覗いて桟敷席。
 和太鼓の生演奏はかっこ良かったです。

 主演のパク・ロミさんは美しい方ですが、声優ならではの声色がどうにも苦手で全然入り込めませんでした。
 声優という職能を批判する気持ちは全くありませんが、舞台俳優のそれとは違うものでしょうから、声の仕事もしてらっしゃる舞台俳優さんには、気にかけてもらいたいなと思います。

 ここからネタバレします。

 金持ちの娘と結婚話が持ち上がった伊右衛門が、邪魔になった正妻のお岩に毒を盛るのが原作。それが今作では自分が犯した謀反の罪をなすりつけるために、お岩を追い詰めて自害させる(猛毒を自分から飲ませる)という風に変わっていました。女が女を恨むから面白いのになぁと女の私は思ったり。

≪世田谷区、台東区≫
出演お岩…朴璐美【朴ろ美(パク・ロミ。ろは王へんに路)】 伊右衛門…吉見一豊 仲間…野村昇史 仲間…石田登星 仲間…吉澤宙彦 仲間…原田大輔 同志宅悦…井上倫宏 お熊…高間智子 冷茶売り…山崎健二 伊藤某…木下浩之 部下…石原由宇 部下…近松孝丞 和太鼓:レナード衛藤
脚本:韓泰淑(ハン・テスク)(鶴屋南北「四谷怪談」より) 演出:森新太郎 主催:演劇集団円 修辞:山本健翔 装置:島次郎 照明:小笠原純 音響:藤田赤目 衣裳:西原梨恵 演出助手:林紗由香 舞台監督:田中伸幸 宣伝美術:坂本志保 イラストレーション:木村タカヒロ 制作:桐戸英二 宮本良太 桃井よし子
一般4,800円 友の会会員割引 4,500円 世田谷区民割引 4,600円
http://www.en21.co.jp/yotsuya_hp0.html
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/08/post_192.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:28 | TrackBack

2010年08月15日

青年団リンク・RoMT『ここからは山がみえる』08/12-23アトリエ春風舎

 青年団リンク・RoMT(ロムト)は青年団演出部の田野邦彦さんの演劇ユニットです。今回は同じく青年団所属の太田宏さんの1人芝居。英国戯曲の日本初上演です。上演時間2時間20分とチラシにありましたが、実際は3時間になったとのこと(途中休憩5分を含む)。ワンドリンク付きです。

 8月22日(日)12時の回は高校生リーディング版を上演するそうです。高校生が読むのは面白そうだな~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ここからは山がみえる

 ≪作品紹介≫ 劇場サイトより。改行を変更。
 1980年代。
 イギリス北西部、ペナイン山脈の麓のちいさな町に生きるひとりの少年がいた。 彼の名前は、アダム。
 家族への深い愛情と反抗、仲間たちとの友情、暴力、ドラッグ、死と喪失、セックス、そして永遠に続くと思っていたあの夏の午後 ―
 痛々しく、瑞々しく、しなやかに、多感な10代を駆け抜けながら、少年がひとりの“大人”へと少しずつ成長していく過程を、イギリスの新進劇作家マシュー・ダンスターが繊細かつシャープな描写で 赤裸々に、そしてリアルに描いた壮大な一人芝居。日本初上演。
 ≪ここまで≫

 フロアより少し高い目にステージが設置された、パブのような場内。観客は丸いテーブルのある席につきます。ソフトドリンク(オレンジジュースかウーロン茶)をいただきながら気軽に鑑賞するというスタイル。とはいえ3時間ですのでハードです。

 役者さん(太田宏)は1人でしゃべりっぱなし。一人芝居なのだから当然ではありますが、勇気があるな~と思いますし、実際に観客の前で3時間やりきったことも立派だと思います。「やること自体が凄い」です。

 脚本は面白いと思いました。でも太田さんの姿からは10代の少年らしい無邪気さ、幼稚さが感じられず。特に目の表情が乏しいのが残念でした。ティーンネイジャーらしさを表だって出さないような演技を、意図的に選ばれたのかもしれませんね。登場人物の心情を俳優自ら解説しているというか、外側から眺める視点を持ち続けているように見えて、私には物足りなかったです。
 ※絶賛されている方もいらっしゃいますので、確かめたい方はどうぞ劇場へ♪

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 アダムは最初14歳ですが、高校を卒業して数ヶ月の頃までを描くので、最後は18歳かしら。
 イイナと思う女の子にコクられて有頂天になってすぐベッドインしたり、ゲイの友達を公衆の面前で侮辱して楽しんだり、妊娠させた彼女が中絶手術をした日に電話してきても、「別れたんだからほっといてくれよ!」と怒鳴って切ったり。アダムはさまざまな失敗を重ねても、全く学ばないバカ男子です。それをもっとバカそのもののようにやって欲しかった。そしてできれば滑稽に、可愛らしく。

 自分の暮らす街と身近な人々のことしか考えたことがなかったアダムですが、エジンバラ・フェスティバルでHIVポジティブのゲイであることをカムアウトする男性に出会ったり、小さな映画館でイラン映画を観たりしたことで、初めて海を越えた世界へと視野が広がります。「これまでは遠くにそびえていた山々が、自分の腕の中にあるように見えはじめる」という表現が素晴らしいです(セリフは正確ではないです)。

 でも、そうやってやっと自分と世界とがつながって、知的な好奇心や疑問が芽生えた時に、水道会社(おそらく地元の)への就職が決まりかけてしまいます。「会社の面接には必ず行きなさいよ」と言う母親に、迷いの表情を浮かべながらも「わかってるよ」と答えるアダム。彼は初めて本気で人生に悩み始めたようでした。「もっと知りたい、学びたい、大学に行ってみたい」と思ったのかもしれません。そこでじんわり暗転して終幕。

第3回公演
原題:You Can See The Hills
出演:太田宏
脚本:マシュー・ダンスター 翻訳:近藤強 演出:田野邦彦 照明:西本彩 音響:泉田雄太 写真:山本尚明 Webデザイン:馬場壮稚 チラシデザイン:桐山岳寛 制作:RoMT 芸術監督:平田オリザ 【主催】 (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 【企画制作】 青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
【休演日】8月13日、17日 【発売日】2010/07/20 前売・当日共/いずれも1ドリンク付 一般=2,500円 / 学生・シニア(60歳以上)=1,500円 / 高校生以下=1,000円 プレビュー公演(8月12日 19時)前売・当日ともに 全席=1,500円 高校生 リーディング版(8月22日 12時) 前売・当日ともに 全席=500円
http://romt.org

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:02 | TrackBack

2010年08月14日

タクトフェスティバル『ひつじ』(2回目)08/11-15東京芸術劇場ロワー広場

 『ひつじ』2回目!明日までですよ~!放牧の観覧は無料です!詳細は公式サイトでどうぞ。

 お盆の真っただ中だからなのか、子供たちの人数は初日より少なかったです。でも大人は大勢!知り合いが多かったな~。「この話題作、見逃すまじ!」という舞台関係者の気合いを感じました(笑)。

20100814_hitsuji.jpeg

 ⇒CoRich舞台芸術!『ひつじ

 ここからネタバレします。

 “あの”シーンで今回は笑いが起こりました。さすが大人の観客(笑)。初日は怖いぐらいの静けさだったんですよね~。観客の反応が違うから何度観ても楽しめそうです。

コープス[カナダ/演劇・マイム] Les moutons 羊牧場へようこそ。羊の生態をたっぷりとお見せします?!
国際児童青少年芸術フェスティバル TACT/FESTIVAL TOKYO
キャスト:ダビット・ダンゾン/エミリー・ポワレール/アニカ・ジョンソン/クリスチャン・フェリチアーノ/二宮恵子
演出:ダビット・ダンゾン 振付:ダビット・ダンゾン/シルヴィ・ブシャール 美術:ダビット・ダンゾン 衣装:ジョアンヌ・ルブラン
【TACT/FESTIVALスタッフ】総合舞台監督:闘秀哉 舞台監督:夏目雅也 プログラムディレクター:中立公平 フェスティバルディレクター:松原利己 ツアーマネージャー:さくらこりん
【東京芸術劇場スタッフ】技術統括:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 田中直明 舞台:後藤順二 谷内義弘 鈴木久仁日呂 秋山佑子 佐藤綾香 照明:斎藤芳男 川村正夫 佐藤恵太 高山智弘 音響:石丸耕- 小川義治 近藤靖彦 山本裕司 植木誠 中根悠子 制作進行:福永純子 樺澤良 勝優紀 吉田直美 蓬見あづさ 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサーピス) 金子久美子(ぷれいす) 宣伝美術:西田優子 神谷伶奈 インターン:市川和奏 古川瑛― 舞台芸術学院
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:木村美恵子 秋山知美 広報:北沢聡子 土屋裕 橋爪綾子
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:財団法人地域創造 後援:ドイツ連邦共和国大使館/フランス 協力:カナダ大使館
観覧無料
http://www.tact-japan.net/tokyo/moutons.html
http://www.corpus.ca/en/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 18:05 | TrackBack

2010年08月13日

【稽古場レポート】彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』07/27彩の国さいたま芸術劇場稽古場②

gkHelen_ninagawa1.JPG
蜷川幸雄さん

 『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』稽古場レポート②です。①はこちら

 13時から17時過ぎまでの稽古を拝見した後、演出の蜷川さんに直接お話を伺う時間をいただきました。蜷川さんさんが今、若い演劇人に対して思っていること、そして芸術監督をつとめる彩の国さいたま芸術劇場の今後の展望についても語ってくださいました。

 ●彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』
  08/11-27彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ※チケットは発売中です。S席6,000円、A席4,000円
  ⇒公演公式サイト ⇒公演公式ツイッター
  ⇒げきぴあ「蜷川演出版『ガラスの仮面』稽古場より
  ⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン

■“ものをつくる”ということ/演劇は日常生活の反映

 ―前作に続き劇中劇で創作現場を見せるのが大きな魅力ですね。

 蜷川「そうですね。どうやってものをつくっていくのかを、お客さんに通じるようにしたいと思ってるんです。演劇は一番シンプルに人と人がぶつかるから、人間の在り方の生々しさが伝わる。そして演劇は世界を反映してるんだってことを、わかってもらえるといいなと思ってる。同時に若者教育もやってるんですけどね。」

 ―若者教育といえば、さきほど若い俳優に対して、短い場面を何度も繰り返しながら指導してらっしゃいました。

 蜷川「若者をきちっと自立した俳優に育てて、彼らに日常生活の反映として演劇があるんだということを認識してもらいたい。そのことを伝達したいと思うんだけど、なかなか伝わらないんですよね。それでも何度でも繰り返して、しつこくしつこく言い続けます。僕の現場だけじゃなくて、彼らがどこに行っても自分で色んな事を判断できるようになって、“ものをつくる”ということがわかるといいなぁ。これはもう、祈るような気持ちでやってます(笑)。」

【写真↓グループごとに振付の打ち合わせ中】
gkHelen_gunbu.JPG

■各地の芸術監督と連携/地域からアジアへ

 ―蜷川さんが彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督に就任されて今年が5年目ですね。彩の国シェイクスピア・シリーズに加えて、ゴールド・シアター、ネクスト・シアターという劇団ができ、創造発信も人材育成もおこなう劇場になりました。

 蜷川「中央ばかりが演劇の拠点じゃなくて、地方もまた1つの拠点であり、発信する都市だということです。僕は東京もさいたまも相対化して、同じ力量、労力を使ってやろうと思ってますよ!東京が1番良いわけじゃないよ!・・・って、意地はってる(笑)。」

 ―さいたまにお住まいの方々に、蜷川さんやこの劇場のことが伝わってる実感はありますか?

 蜷川「昔より知られるようになったね。さいたまの違う地域に行っても『あ、芸術劇場の蜷川さんだ!』とか言われるし。こないだは信号待ちしてたら近所の人に『蜷川さん、お体に気をつけてくださいよ』って言われた(笑)。少しずつ認知度が上がってきました。」

 ―さいたまに蜷川幸雄あり!ですね。ここ数年で公共劇場の芸術監督が続々と誕生しています。首都圏では東京芸術劇場の野田秀樹さん、神奈川芸術劇場の宮本亜門さんなど。芸術監督同士で何らかの連携をしていくご予定はありますか?

 蜷川「そうだね~、みんなで『ライバルは国立!』って言って連合を組むかな(笑)。東京、神奈川、さいたまがそれぞれにボコボコと花火を打ち上げて、活性化していって、『周辺地帯の方が元気がいい!』って言われるようになるといいね。
 そのうち僕らが東京に行って野田秀樹がさいたまに来たり、僕らが神奈川に行って宮本亜門がさいたまに来たり。そういう風にしながら外国に、アジアの方にも少しずつ広がっていきたいね。ゴールド・シアターには韓国からも声がかかってるんですよ。」

【写真↓原作イラスト入りの宣伝カー】
gkHelen_car.JPG

■みんなで作りながら実践する現場主義

 蜷川「僕らは作りながら実践して、実践しながら作ってる。現場主義なんだね。よく言われるんだけど、僕が独裁してるっていうのは誤解(笑)。今日見て(あなたも)わかったと思うけど、みんなでワイワイ言いながら、アイデアを持ちよって作ってるんだから。僕だけの力じゃない、スタッフの力、みんなの力なんです。」

 ―たしかに蜷川さんは指示を出して決定もされますが、素材は役者さんやスタッフさんが進んで提示されていました。
 蜷川「そう。役者やスタッフが現場で育って、自分たちで勝手にやってるんだよ。」

 ―それにしても、さっきの突然の演出変更で、蜷川さんが希望されたスクランブル・エッグ(調理済みの食事)がちゃんと出てきた時は驚きました(笑)。事前の指示はなかったはずですよね?

 蜷川「そうなんだよ、言えばすぐに何でも出てくる(笑)。準備ができてるんだね。きっと小道具係は裏で『ほらみろっ、(蜷川さんが)そう来るのはわかってたぜ!』って言ってるんだよ(笑)。」

【写真↓チラシと台本】
gkHelen_chirashi_daihon.JPG


●稽古場取材とインタビューを終えて

 初めて蜷川さんの稽古場を拝見して、お話も伺わせていただくという幸運に恵まれました。稽古場でいきなりトンテンカンテンと建て込みが始まり、あっという間に装置を作り上げてしまったり、言えば何でもすぐに出てきたり、「バカ!」「やめちまえ!」といったダメ出しが飛んだりするのは噂どおりでした。

 でも私が一方的に抱いていた“演出家・蜷川幸雄像”は間違いだらけでした。公演パンフレットの役者さんへのインタビューでは「蜷川さんの現場は厳しい」と書かれていることが多いですし、テレビのドキュメンタリー(NHK「若者よ 心をぶつけろ~演出家・蜷川幸雄 格闘の記録~」)で蜷川さんが実際に「ばかやろう!」と怒鳴ってらっしゃるのを見ましたので、私は勝手に「近寄りづらい怖い人なのだろう」と思い込んでいたのです。

 蜷川さんは有名人ですので、様々なメディアで“いかにも蜷川幸雄らしい”発言や行動が、必要以上に強調されて報道され、その噂がひとり歩きして広がっているのではないでしょうか。私自身がその表面的な情報を信じて誤解をしていたので、5時間の稽古を1度拝見しただけですが、蜷川さんおよび蜷川さんの現場について感じたことを書かせていただこうと思います。

  ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ 

 この稽古場レポートの一番初めに書きましたとおり、とにかくあの5時間はものすごく楽しかった!過剰にピリピリとしたムードはなく、おどおどしたような恐怖感や悲愴感も皆無。むしろ和気あいあいとしていました。あのスタジオにいた方々はいい具合にリラックスし、集中力も高まっていて、蜷川さんというリーダーを中心に、安心感と緊張感がバランス良く満ちていたというか・・・創造の場としてのポテンシャルが高かったと思います。それは蜷川さんがアーティストとして尊敬できて、リーダーとして信頼できるからだけではなく、面白くて、愛嬌があって、そして底抜けに優しい方だからだと思います。

 インタビューをさせていただいた時、蜷川さんは初対面の私に対して威張ったり馬鹿にしたりすることなく、本気で正直に話してくださいました。対等な一対一の人間同士として触れ合えたと実感できました。
 蜷川さんは怒鳴ったりされますが、その時の態度や声をしっかり受け取れば、愛情ゆえの言葉だとわかります。怒鳴った後には必ず丁寧な指導やフォローをされていました。「出ていけ!」「帰ってくるな!」などの言葉の選び方や、言う間合いも絶妙で、緊張も走りますが爆笑も巻き起こっていました。実は根っからのエンターティナーなんですね。

 蜷川さんご自身も話されていたことですが、若者を育てたい、自分がつかんだ演劇の真実を伝えたいという強い思いが、稽古場でのダメ出しにはっきりとあらわれていました。蜷川さんは次の世代のために、常に言葉を尽くされています。あるシーンを何度も繰り返してダメ出しをされていた時、あまりに丁寧で、前向きで、真摯なので、見学席にいながら涙が出てしまうほどでした。こんなに優しい人がいたなんて、知らなかった・・・。

 平田オリザさんが演劇ワークショップについておっしゃっていた言葉ですが、やはり「魔法はない」のだと思います。蜷川さんは紛れもないカリスマですが、ご本人もおっしゃっているとおり1人では舞台は作れません。周囲の仲間の力があってこそ蜷川演出作品が生み出されます。
 関係者に伺ったところ、蜷川さんと作品創作をする演出部は3~4チームあって、公演ごとにローテーションしているとのこと。それぞれのチームが長年、蜷川さんと一緒にやってきているので、呼吸がぴったり合う稽古場になるんですね。リーダーに服従するのではなく、リーダーの望みを先取りして提示していくクリエイティブなチームが、毎月のように幕を開ける蜷川演出作品を支えているのでしょう。

 以前、ある制作さんが「“蜷川幸雄”は1つのジャンルだ」とおっしゃっていて、そのことがやっと腑に落ちました。蜷川さんとそのチームが作る演劇は、日本の現代演劇の中に確立された1つのブランドだと思います。
 演劇を志す若い方には、とにかく一度は蜷川演出作品を観て、味わっていただきたいです。「演劇とは何か」を描いた作品でもある『音楽劇 ガラスの仮面』シリーズは、観劇初心者にもお薦めです。舞台は1人で作るものじゃない、大勢の作り手が心を尽くして、観客とともに完成させるものだということが、はっきりわかると思います。

出演:大和田美帆 奥村佳恵 ・ 細田よしひこ 新納慎也 原康義 月川悠貴 岡田正 黒木マリナ 立石凉子 香寿たつき ・ 夏木マリ
花山佳子 妹尾正文 飯田邦博 難波真奈美 新川將人 井面猛志 篠原正志 佐野あい 福田潔 澤魁士 沓沢周一郎 町田正明 多岐川装子 池島優 遠藤瑠美子 森野温子 宮田幸輝 川畑一志 江間みずき 西村篤 周本えりか 隼太 土井睦月子 露敏 深谷美歩 齋藤美穂 横山大地
原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄 音楽:寺嶋民哉 美術:中越司 照明:室伏生大 衣裳:宮本宣子 音響:井上正弘 音楽監督:池上知嘉子 振付:広崎うらん ヘアメイク:佐藤裕子 歌唱指導:泉忠道 演出補:石丸さち子 井上尊晶 演出助手:藤田俊太郎 舞台監督:白石英輔 宣伝美術:阿部剛(Seagull) 写真:大原狩行 宮川舞子 主催・企画・製作:日本テレビ・財団法人埼玉県芸術文化振興財団 協力:白泉社 後援:さいたま市教育委員会 株式会社FM NACK5
一般:S席6,000円、A席4,000円 メンバーズ:S席5,400円、A席3,600円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/p0811.html
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/glass/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 17:32 | TrackBack

【写真レポート】東京芸術劇場「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」07/08東京芸術劇場カフェ・コンチェルト③

geigeki1shunen_noda_thumb.JPG
野田秀樹さん

 「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」の写真レポート③です。⇒レポート① ⇒レポート②

 野田秀樹さんが記者の質問に次々と答えてくださり、東京芸術劇場そして池袋という街の今後が見えてくるようでした。

■ロンドン留学中にインスパイアされた人物は?

 ドンマー・ウェアハウス(Donmar Warehouse)の芸術監督サム・メンデス(Samuel Alexander Mendes)ですね。今は映画監督として有名です。メンデスのチョイスは間違いないと信じているので、ロンドン留学が終わった後も、ロンドンに戻る度に最初に観に行ったのはドンマー・ウェアハウス。芸術監督への信頼です。


■芸術監督になったメリットとデメリット

 メリットはえらそうになれたこと(笑)。なぜかわかんないけど納得してもらえるようになりました。背後に何かあるように感じるんじゃないですか?海外でも「アーティスティック・ダイレクターになったよ」と言うと、今までより真面目に話を聞いてくれる(笑)。彼らにとって芸術監督は力の強いものですから。
 余計なことですが、新国立劇場の芸術監督なんてものは海外においては、「その人の発言が日本の文化を代表する」ぐらいに受け取られるものなので、気をつけていただきたいですね(笑)。とはいえ私も“東京”の文化を背負ってるんですが。

 デメリットは時間的なこと。周りの方々がフォローしてくれるので、徐々に細かいことはやらないで済むようになっています。就任直後はすごく細かいことをやらなくちゃいけなくて。たとえばチラシを置き換えるとか(笑)。芸術監督以外の仕事をずいぶんやって、かなり時間のロスがありました。


■本多劇場ができる前、下北沢はピンクサロンの街だった

 池袋については、劇場が街の中心である必要はないけれど、お芝居を観ただけじゃなく帰り道になにかあるような場所になってほしい。劇場だけでできることじゃないから、色んな仕掛けや相談が必要。古本屋さん出身の現・豊島区長が劇場に理解がある人なので、その方と一緒にちょっとずつ変わって行けたらいいかなと。

 池袋は古い街で江戸川乱歩が住んでいたこともあり、もともと文化的な匂いがある場所だから、うまく下町のにおいと文化の匂いが混ざるようになればいいなと思う。自分ができるのは、ここでお芝居をやってお客さんを呼ぶことかなと思います。
 下北沢は本多劇場ができる前はピンクサロンの街でした。若い人がいっぱい集まるようになって、集まる人間の種類によって、街は変わっていくもの。劇場は毎晩大勢の人が来るから、街に影響を与える要素にはなれると思う。


■高校生割引1,000円の継続には助成が必要

 『ザ・キャラクター』は7月から高校生割引が始まります。好評です。すっごく身近なところでは、(出演中の)古田新太の娘が高校1年なので喜んでました(笑)。
 公共劇場のメリットを少しでもうまく還元できるように、どうすればいいのかと考えました。これ(高校生割引)を支えるにはお金が必要です。公の助成金から出すシステムができるようになればいいなと思います。
 助成金制度を知っていて、申請した人間にだけ助成金が与えられるのではなく、舞台を観に来たい人たちに還元すること。その意味で料金を下げるのは合理的だと思う。本当は国全体にそういうことへの理解が広がればいいんですけど。

 ⇒『The Blue Dragon』高校生割引は9月16日(木)受付開始!
  2011年の三谷幸喜新作、NODA・MAP新作でも実施!


■ちゃんとしたものを確実に見せ続けるしかない

 若い層がお芝居から少しずつ離れつつある。そこをどうするかが、日本だけでなく演劇というものの大きな問題になっている気がします。テレビや映画のスターを出演させてお客さんを増やすという単純な考えは、もう飽和状態になってるんじゃないかと。海外でも、例えばロンドンでマドンナが舞台出演したりしましたけど、意外に続かない。

 だから「ちゃんとしたものを確実に見せ続ける」というところに戻ってきちゃうんですよね。結局、(いい舞台を)観たことがないだけなんです。昨日、多摩美術大学の学生が35人まとまって『ザ・キャラクター』を観に来たんですが、僕の芝居をたぶん観たことなくて、今までは授業中もチャラチャラしてた1年生が、終演後に俺と会ったら初めてきちっとしてましたから(笑)。急に真面目な質問をぶつけてきたりして、「お前、今ごろかよ」って思ったけど(笑)。

 そういう機会があることで少しずつ変わってくるんだと思う。魔法のようなことはないんじゃないですかね。破格の高校生割引をするとかして、どうやって劇場に連れてくるか。他に何か方法があれば聞きたいです。良ければどんどん採用していくべきだと思います。このことをいつも頭の中に置いておかなきゃいけない。


■周りの人に支えられている

 周りの人に支えられているということが、この年になってやっとわかりました(笑)。本当にそのおかげだと思っています。
 芸術監督としてやることは文化と直結しているので、最終的には自分の現場に跳ね返ってくる。劇場は理想的には、劇団を持ったり役者を養成したりするもの。それがあれば先の世代の話ができると思う。


■リニューアル後のビジョン
 ※開館から20年経った東京芸術劇場は、劣化した設備を修復するために一時閉館します。2011年3月31日で今期の運営は終了。2012年秋にリニューアル・オープン予定。

 日本の演劇人が日本でつくっているものが劇場で上演されるのだから、(リニューアル後に)いきなり今までとは見違えるようなものができるわけじゃないです。長い目で見て、「お芝居は面白い」「もう一度観たい」と思われるような上質のものを発表していくことですね。今のラインナップが方向的には間違ってるわけではない気がしています。

 海外作品については、去年のプロペラや今年のルパージュは、ある程度演劇を知ってる人にとっては目新しい名前ではない。誰も名前を知らないような団体で、でも面白いものを、海外から見つけてこられればと思う。

 1つの劇場だけではなく、国内の劇場やアジアの劇場と連携すれば、海外作品をもっと呼びやすくなる。たとえば8月に主催するTACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)は、東京だけでなく日本の他地域の劇場と一緒に招聘しています。これが劇場の特性です。色んな劇場が連携していくべきじゃないかと考えています。


 「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」写真レポートは以上です。
 ⇒レポート① ⇒レポート②


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 16:01 | TrackBack

【写真レポート】東京芸術劇場「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」07/08東京芸術劇場カフェ・コンチェルト②

 「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」の写真レポート②です。⇒レポート① ⇒レポート③

 野田さんが今後のラインアップについて紹介・解説してくださいました。
 ※懇談会から1ヵ月以上過ぎているため、すでに公演が始まっているものもあります。

geigeki1shunen_noda1.JPG

■「TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)」(2010年8月)
 ⇒公式サイト ※チケット発売中!

 野田「大阪で開催されていた国際フェスティバルなんですが、子供向けといっても、とても質が高いです。」

 レビュー⇒『エコア』『名無しのエリーゼ』『ひつじ


■快快とB-floorの合同公演『Spicy, Sour, and Sweet』(2010年8月)
 ⇒公式サイト ※チケット発売中!

 野田「先日、快快とタイから来日したB-floorのワークショップがあったんですが、僕は全部が終わってもめているところを見ました(笑)。それが文化交流なのだとわかってもらえればいいかなと。日本人の若いふざけた連中と、ものごとを真面目にしかとらえないタイの若者との文化の差は凄かったです。打ち解けるまではいかなくとも最終的には違いをよくわかったようだから、それで良かったんじゃないかと思います。
 僕も海外で仕事をする時に生易しいことはやってきてませんから。簡単に交流なんかできるわけがないんで、彼らが生(なま)の姿でぶつかり合ったのはいいことだと思います。本番は8月13日~15日。観てのお楽しみということですね。」

 ⇒稽古場レポート「トムヤン君とミソシルちゃん


■NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』のヒロインは公募オーディションで選出
 ⇒公式サイト ※前売り完売

 野田「約1100人の応募があり、150人ぐらいが書類審査を通過しました。実技審査はまだ行っていません(2010年7月8日時点)。書類審査は非常に難しいんですが、漏れがないように全部見ました。僕と勘三郎さんと同じセリフ量がある極めて大きい役なので、キャラクター(の魅力)だけでは済まない。セリフを言える力がないと。記者発表の時に「無名性に賭ける」と言ったので、“力を持っている無名な人を探す”という、つくづく無謀なことをやってしまったなと思っています(笑)。なんとかがんばります。しのびます。」

 ⇒オーディション情報
 ⇒太田・緑・ロランスさん(29歳)と黒木華さん(21歳)が選ばれました!


■ロベール・ルパージュ演出『The Blue Dragonーブルードラゴンー』(2010年11月)
 ⇒公式サイト(音が鳴ります) ※チケット発売中!

 野田「ルパージュの4年ぶりの来日公演ということで、観てきた人によるととても面白いそうです。
 ロンドン留学中に観た彼の演出による『真夏の夜の夢』に衝撃を受けました。すごい演出家です。公演期間がたったの4日間というのはもったいないです。」


■自主製作企画・タニノクロウ演出『チェーホフ』 (2011年1月~2月予定)

 野田「演劇評論家の鴻英良さんがチェーホフの未発表の日記を翻訳したところ、面白い題材が見つかったので。演出のタニノクロウさんは、神経を病んでいるような雰囲気が合ってるのではないかと(笑)。」

 ⇒インタビュー「広がる脳内イメージ 劇作家・演出家 タニノクロウ」(asahi.com)


■三谷幸喜さんの新作が2011年1月に芸劇にお目見え!

 野田「正直に言いますと、芸術監督の仕事を引き受けて最初に、劇場にお客を呼ぶことを考えました。自分ももちろんやりますが、自分だけがやるのは違うなと思い、2人に電話をしました。それが三谷幸喜さんと松尾スズキさん(⇒上演作のレビュー)です。三谷さんにはずいぶん前にオファーしたんですが、この時期まで忙しかったということですね(笑)。」

 ⇒三谷幸喜生誕50周年「大感謝祭」(theaterguide)


■改修前の最後を飾るのはNODA・MAP新作(出演:蒼井優・妻夫木聡)

 野田「ウソつきの話を描こうというのは決まってます。都合が悪くなると倒れる、とか。そこまでは決めてます。」
  ※倒れる役を演じるのは蒼井優さん。

 記者「改修前最後の中ホール公演ですね。劇場を破壊するような何かを企んでらっしゃるのでしょうか?」
 野田「・・・ちょっと“にやり”です(笑)。ありがたい。気づかなかったな~。」

 ⇒レポート③に続く。


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:21 | TrackBack

【写真レポート】東京芸術劇場「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」07/08東京芸術劇場カフェ・コンチェルト①

 野田秀樹さんが東京芸術劇場の芸術監督に就任して1年が経ちました(⇒就任記者発表)。野田芸術監督の1年間を振り返ると同時に、次のラインアップを発表する記者懇談会に出席させていただきました。

 劇場広報の方の進行で、野田さんが率直に今感じていること、考えていることを話してくださいました。なんと質疑応答の時間が1時間以上(!)設けられており、ざっくばらんでとても楽しい会でした。
 野田さんは記者とお互いの顔が見える対話をしていこうとお考えのようで、記者発表のスタイルにも独自性があらわれていますね。

 野田さんがおっしゃった言葉をなるべくそのままに、意味を歪めないように心がけてまとめてみました。長いレポートになりましたので、3エントリーに分けて掲載いたします。⇒レポート② ⇒レポート③

geigeki1shunen_noda2.JPG

■芸術監督の一年間を振り返って

 東京芸術劇場という劇場で芸術監督をすることには、2つの意味があるとわかってきました。1つは芸術監督は劇場という“場所”を本拠地にして企画をするということ。1年経ってずいぶん池袋にも愛着が出てきました。
 一番力を入れているのはラインナップです。劇場はハコ(建物)がどれだけ立派でも、はじまりはやはり中身。中で何をやっているのかが重要です。中身があってから、その次に劇場というハコの環境、そして劇場と街との連携、さらに東京および日本の文化の発信と広がっていくのでしょう。でもまずは劇場の文化として何を発表するかです。
 急に(芸術監督を)始めたわりには、周囲の人たちの助けもあって、自分としてはいいラインナップになったのではないかと思います。

 2つ目は、東京芸術劇場が公共の劇場であるということ。引き受けた時はあまり意識をしていなかったんですが、実際にやっていくと時々戸惑いがある。我々の“ものを作る”プロセスは、公の収支という1年のタームではやりづらいことがあるんです。それをどう改善するかが課題ですね。公共劇場が悪いというわけじゃなくて、公の場所でものを作るとはどういうことなのかを考えていけなければいけない。

 芸術監督というと日本では「自分のやりたいことをやる」「色(個性)を出す」ものだとされていて、実際そうなのですが、東京芸術劇場が公共劇場だというのもあってか、「他人がやりたいことも考える」ようになりました。自分がやりたいことをやる時は、自分が人様を巻き込むだけの形なのですが、他人がやりたいことを考えると、他人によって自分が巻き込まれる。それが面白いと思うようになりました。
 たとえば“芸劇eyes”という企画は僕が考え出したことではなく、我々のスタッフの中からのアイデアだったんです。昨年は若い人の芝居を5本上演し、それを観に行って、今までの自分だったら出合わなかっただろうことに触れました。人様に巻き込まれるということは、ものを作っていく上ですごく大事だなと思いました。以上が一年間の概観です。


■「芸劇が注目する才能たち、“芸劇eyes”」の成果とこれから

 前回の“芸劇eyes”では岩井秀人くん(ハイバイ/青年団演出部)の作品がとても面白くて。僕は観たことがなかったんです。こういう若い人も出て来てるんだと知って、自分が不勉強だったなと思いました。他の演出家も面白かったので、今年も非常に楽しみにしています。

 我々が若いころは上の世代(例えば唐十郎さん)が元気だったので、『あいつらをいかに潰すか』みたいな出方だったと思うんですよね。僕なんか特に「上の世代とは付き合わず押し進もう」という、我が強いところがあった。でも今の若い人は意外に上の世代とも会うし、話も聞いてくれる。会うと気のいい人が多いです。ただ“気のいい人たちが作っているもの”は、若干似ているというか、近いところがある。

 平田オリザさんが若い人といち早く接して、いつの間にかひとつの形を作ったと思うんですよね。私のように荒っぽくお芝居を作る人間からすると、「油断したかな」という気持ちもありまして(笑)。たとえばさっき言った岩井くんもそうですし、その層がつくったものが出てきていますから。我々“荒削り派”がちょっとなまけたかな…というのはある。それであわてて芸術監督とかやってるんですけど(笑)。

 若い人は目覚めたら早いのでそんなに悲観はしていないんですが、もう少しスケール感のある芝居を作ってくれないかなという欲求はあります。でもそれは押し付けることではないんで。

 ⇒レポート② に続く。


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:03 | TrackBack

2010年08月12日

【稽古場レポート】彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』07/27彩の国さいたま芸術劇場稽古場①

 2008年に初演され大好評だった『音楽劇 ガラスの仮面』(⇒記者会見)の続編『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』の稽古場に伺いました。初めての蜷川幸雄さんの現場は、刺激的で勉強になって、そして・・・ものすごく楽しかった!あっという間の約5時間でした。

 「ガラスの仮面」は美内すずえさんの歴史的大ヒット漫画。北島マヤと姫川亜弓という対照的な2人の女優が、ライバルとして互いに刺激し、ぶつかり合い成長していく物語です。

 舞台化第2弾でメインに取り上げるエピソードは舞台『奇跡の人』(漫画では“炎のエチュード”編)。公演公式サイトのINTRODUCTIONSTORYを読んでおけば、前作を観ていなくても大丈夫!友人、恋人、ご家族と一緒にぜひ劇場で演劇の醍醐味を体験してください♪

 ●彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』
  08/11-27彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ※チケットは発売中です。S席6,000円、A席4,000円
  ⇒公演公式サイト ⇒公演公式ツイッター
  ⇒げきぴあ「蜷川演出版『ガラスの仮面』稽古場より
  ⇒CoRich舞台芸術!『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン

 『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』は8月11日(水)の初日に向け、6月にのべ1週間ほどの単発の稽古をおこない、7月5日からプレ稽古開始、そして7月14日から本稽古が始まりました。私が伺ったのは7月27日です。
 稽古開始時刻(13時)の15分前に到着すると、稽古場では大勢の出演者がダンスでウォームアップ中。演出の蜷川さんはじめ大勢のスタッフもすでに揃っていました。出演者は11~12時ぐらいには集合し、毎日バー・レッスンやダンスをされているとのこと。
 【写真:稽古開始前にダンスでウォームアップ】(C)宮川舞子
gkHelen_dance3.JPG

 稽古場に来ていた関係者は演出部、制作を含めて30人のスタッフに、38人の出演者。そして2日前に公演終了した『ファウストの悲劇』の出演者も多数見学にいらしていたので、およそ100人弱(!)もの演劇関係者が1つのスタジオに集っていたことになります。

 この日のメインは目が見えない、耳が聞こえない、言葉を話せない三重苦の少女ヘレンと、ヘレンの家庭教師アニー・サリバン先生が食事をする場面でした。
 演技開始や転換きっかけの指示を出すのは演出補の井上尊晶さん。井上さんは稽古の進行役をしながら、様々な演出的判断もされていました。蜷川さんの右腕的存在として、あ・うんの呼吸で共同作業をされているご様子。それに合わせる演出部の方々の動きは、安定感があって静かで、無駄が限りなく省かれるように見えました。

 ヘレンを演じるのは北島マヤ役の大和田美帆さんと、姫川亜弓役の奥村佳恵さん。1役を2人の女優が競い合うのが『二人のヘレン』の目玉のひとつです。まず大和田さんのヘレンが登場しました。サリバン先生を演じるのはマヤの親友・青木麗役の月川悠貴さん。

 椅子に座り、テーブルについて食事をするようサリバン先生が指導するのですが、ヘレンはいやがって暴れます。大和田さんはとっても元気で明るくて、弾む声に軽やかなリズムを感じさせる女優さん。この場面では、何より身体能力の高さに目を見張りました。静止する時はピタッと瞬時に止まり、すべる、ぶつかる、転ぶ、寝転がるといった大きな動きにバネがあります。反射神経が鋭い!そして目に宿る気迫が凄い!ここではマヤでありながらヘレンも演じますので、役柄の素早い切り替えも鮮やかでした。
 【写真左から(敬称略):大和田美帆、新納慎也】(C)宮川舞子
gkHelen_maya_masumi.JPG

 場面が終わった後、蜷川さんが大和田さんの席まで歩いていって助言をされました。
 蜷川「狂気のパターンがもっと欲しいんだ。世界に拒絶されていることが、どんなことかわかってんのか、バカ!だって目が見えないし耳が聴こえないんだぞ?世界に受け入れられていないことへの(ヘレンの)苛立ち、怒りが足りない。俺はあの程度(の演技)じゃ許さない。これが(『ガラスの仮面』じゃなくて)『奇跡の人』だったら公演中止だ。」
 大和田さんは真剣な面持ちで蜷川さんの言葉を聞き、「はい」とはっきりとした低い声で返事をされました。

 字面だけだと「蜷川幸雄のダメ出しって噂どおり厳しいんだな~」「出演者は忍耐強くないとつとまらないね!」などと受け取られるかもしれません。たしかに厳しいし忍耐も必要だと思います。でも蜷川さんの言葉はただの罵声ではありませんでした。繰り出される言葉がとても面白くて、そして愛情が全身からあふれ出ているのがわかるので、もっともっと聞いていたくなるんです。単語の意味はきついはずなのに、胸に届くのは「がんばれ!」「応援してるぞ!」「一緒にやっていこう!」という本気の激励。私ったらすっかり魅せられて、「あぁ私も蜷川さんにバカ!って言われたい!!」と思っちゃうほどでした(笑)。

 次は奥村佳恵さんのヘレンです。サリバン先生を演じるのは姫川亜弓の母・歌子役の香寿たつきさん。奥村さんはスラリと背が高く、バレエで鍛えた抜群のスタイルにクールな顔だちの美女です。でもヘレンになると長い黒髪を振り乱し、なんとも表現しがたいうめき声をあげて暴れます。言うまでもなく大和田さんのヘレンとは全く違いました。背筋がまっすぐに伸びた涼やかな立ち姿が、思わぬ方向へ曲がって崩れていくので、怒り、悲しみが際立つのです。でもどんなに“汚れ役”を演じても品が悪くならないので、サラブレッドで才色兼備の女優・姫川亜弓役にぴったりなんですね。
 【写真左から(敬称略):香寿たつき、奥村佳恵】
gkHelen_utako_ayumi.JPG

 “二人のヘレン”はまさにこの稽古場に居ました。蜷川さんは大和田さんと奥村さんを同時に、平等に叱咤し、発破をかけ、激励します。2人はヘレンという大役を競い合う、マヤと亜弓そのものでした。またこの場面は“『奇跡の人』の稽古場”であるため、2人を見守るスタッフも役者さんが演じています。つまり『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』は、この稽古場そのものなのです。
 蜷川「俳優は駒じゃない。人間なんだから、それぞれの人生があるんだから、自分に見えている、その光景を舞台に持ち込めばいい。観客に本物のバックステージを見せて、『芝居ってこうなんだ』とわかってもらえ!演劇は舞台と観客とのコミュニケーションなんだから。」

 奥村さんの場面が終わった時、蜷川さんがあっと驚く提案をされました。ある重要な場面が追加されたのです。脚本の流れを大幅に変える判断でしたので、稽古場全体にピタリと息が止まったかのような静寂と緊張が走りました。でもそれはほんの一瞬。全員が素早く、静かにその準備を取りかかり始め、空気は一変しました。70人もの人間が別々の行動をしながら、同時に1つの目標に向かってまい進している・・・私は背筋がぞくぞくして興奮しました。何か新しいことが起こって、今までのことをひっくり返すような違う世界が、見えるかもしれない。そのことには蜷川さんも気づいていました。
 蜷川「おーい!いい流れがある内にやるぞ!早く!!」

 お芝居が生ものであるのと同様、稽古場も生もの。いつ何が起こるか、生まれるかわかりません。この時に追加された場面で、大和田さんと奥村さんの2人のヘレンは、蜷川さんから「今のは甲乙つけがたい。」という褒め言葉を見事に引き出しました。

 稽古は事前に伺っていた予定よりも1時間以上オーバーして、17時15分に終了。場面の追加があったからかもしれません。稽古場の片付けが進む中、5分ほどお時間をいただき、蜷川さんにお話を伺いました。

 ⇒稽古場レポート②に続く。

出演:大和田美帆 奥村佳恵 ・ 細田よしひこ 新納慎也 原康義 月川悠貴 岡田正 黒木マリナ 立石凉子 香寿たつき ・ 夏木マリ
花山佳子 妹尾正文 飯田邦博 難波真奈美 新川將人 井面猛志 篠原正志 佐野あい 福田潔 澤魁士 沓沢周一郎 町田正明 多岐川装子 池島優 遠藤瑠美子 森野温子 宮田幸輝 川畑一志 江間みずき 西村篤 周本えりか 隼太 土井睦月子 露敏 深谷美歩 齋藤美穂 横山大地
原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄 音楽:寺嶋民哉 美術:中越司 照明:室伏生大 衣裳:宮本宣子 音響:井上正弘 音楽監督:池上知嘉子 振付:広崎うらん ヘアメイク:佐藤裕子 歌唱指導:泉忠道 演出補:石丸さち子 井上尊晶 演出助手:藤田俊太郎 舞台監督:白石英輔 宣伝美術:阿部剛(Seagull) 写真:大原狩行 宮川舞子 主催・企画・製作:日本テレビ・財団法人埼玉県芸術文化振興財団 協力:白泉社 後援:さいたま市教育委員会 株式会社FM NACK5
一般:S席6,000円、A席4,000円 メンバーズ:S席5,400円、A席3,600円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/p0811.html
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/glass/index.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 21:20 | TrackBack

2010年08月11日

RUP『広島に原爆を落とす日』08/06-22 Bunkamuraシアターコクーン

 今年7月10日に劇作家のつかこうへいさんが亡くなりました。筧利夫さんの7年振りのつか作品出演ということで、観に行ってきました。7年前のレビュー⇒

 「(私の中で)つか芝居といえばこの人!」という役者さんを数人見つけて、懐かしい気持ちに。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『広島に原爆を落とす日
 レビューは記録程度です。

 あらすじは公式サイトに詳しいです。

 高飛車に命令してきたと思ったら、突然奴隷のように慕う女。この落差がそそるんでしょうね。
 武田義晴さん、清家利一さん、トロイさん、山本亨さん・・・昔を思い出します。
 山口紗弥加さんがとっても良かったです。ヒットラー役の大口兼悟さんも印象に残りました。

 ここからネタバレします。

 意表を突いて歌謡曲をマイクで歌い出す。やっぱり最後はタキシードでダンス。
 誰もいないステージに白いスポットライト。つかさん、ありがとうございました。でも「アメージング・グレース」でカーテンコールって複雑な気持ち。

出演:筧利夫 仲間リサ 大口兼悟 馬場徹 武田義晴 平沼紀久 黒川恭佑 浅香航大 リア・ディゾン トロイ 清家利一 松本有樹純 久保田創 藤榮史哉 塚田知紀 荻野貴継 山本亨 山口紗弥加 ほか(高野愛さんもとめ貴志さんも出てらしたような)
脚本:つかこうへい 演出:岡村俊一 監修:杉田成道 構成:渡辺和徳 美術:川口夏江 照明:松林克明 音響:山本能久 音楽:からさきしょういち 衣裳:山下和美 特効:南義明 映像:ムーチョ村松 舞台監督:原田讓二 宣伝美術:東學 制作:島袋佳 長沢弥生 プロデューサー:菅野重郎 島袋潤 後援:広島平和教育研究所 提携:Bunkamura(東京公演) 主催:ぴあ サンライズプロモーション東京(東京公演) 関西テレビ放送 キョードー大阪(大阪公演) 企画・製作=アール・ユー・ピー
【休演日】8/10,16【発売日】2010/07/04 S席 9,500円 A席 7,500円 コクーンシート 5,000円(東京のみ)
http://hiroshima2010.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:24 | TrackBack

タクトフェスティバル『ひつじ』08/11-15東京芸術劇場ロワー広場

 池袋の東京芸術劇場で開催中の“TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)”。『エコア(ECHOA)』『名無しのエリーゼ』に続いて『ひつじ』を観てきました。上演時間は約30分。おすすめ年齢は0歳以上。観覧無料。映像・写真撮影可。ネット掲載可。

 沖縄のキジムナー・フェスタで「ひつじ」を観た友人からお薦めされてましたので、かなり期待して観に行ったところ・・・期待をはるかに上回る楽しさ!そして衝撃!!親子向けですが、それだけではもったいない!役者さんには演技の勉強にもなると思います。無料ですのでぜひ!

 ⇒コープスによるワークショップ「ひつじになるという美学
  8/14(土)15:00~ 参加費無料。定員20名。※予定定員に達し次第受付終了
 ⇒CoRich舞台芸術!『ひつじ

hitsuji1.jpg

 レビューは写真だけアップしています。

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 現実とファンタジーが出会うユニークなライブパフォーマンス。 都会の中心で田舎のひつじ牧場を再現。鋭く観察したひつじの生態を通して、みなさんを面白いふしぎな世界にお招きします!
 ≪ここまで≫

 東京芸術劇場小ホール1、2の前のロワー広場に、ひつじたちのための柵スペースが登場。
hitsuji4.jpg

 「ただいまより放牧をはじめます」という日本人スタッフの前説で開幕します。この前説が優しくて良かった~。

 柵の外にも1匹(1人)。こいつが暴れん坊なんだな(笑)。
hitsuji2.jpg

 餌をやる子供たち。恐る恐る、わくわく。
hitsuji0.jpg

 「ひつじ」が終わってから十数分後に、1階でガムランの生演奏(無料)が披露されていました。
 ※公演中止になった『ラヴァ』の代わりなんですね。
gamuran.jpg

コープス[カナダ/演劇・マイム] Les moutons 羊牧場へようこそ。羊の生態をたっぷりとお見せします?!
国際児童青少年芸術フェスティバル TACT/FESTIVAL TOKYO
キャスト:ダビット・ダンゾン/エミリー・ポワレール/アニカ・ジョンソン/クリスチャン・フェリチアーノ/二宮恵子
演出:ダビット・ダンゾン 振付:ダビット・ダンゾン/シルヴィ・ブシャール 美術:ダビット・ダンゾン 衣装:ジョアンヌ・ルブラン
【TACT/FESTIVALスタッフ】総合舞台監督:闘秀哉 舞台監督:夏目雅也 プログラムディレクター:中立公平 フェスティバルディレクター:松原利己 ツアーマネージャー:さくらこりん
【東京芸術劇場スタッフ】技術統括:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 田中直明 舞台:後藤順二 谷内義弘 鈴木久仁日呂 秋山佑子 佐藤綾香 照明:斎藤芳男 川村正夫 佐藤恵太 高山智弘 音響:石丸耕- 小川義治 近藤靖彦 山本裕司 植木誠 中根悠子 制作進行:福永純子 樺澤良 勝優紀 吉田直美 蓬見あづさ 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサーピス) 金子久美子(ぷれいす) 宣伝美術:西田優子 神谷伶奈 インターン:市川和奏 古川瑛― 舞台芸術学院
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:木村美恵子 秋山知美 広報:北沢聡子 土屋裕 橋爪綾子
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:財団法人地域創造 後援:ドイツ連邦共和国大使館/フランス 協力:カナダ大使館
観覧無料
http://www.tact-japan.net/tokyo/moutons.html
http://www.corpus.ca/en/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 16:36 | TrackBack

タクトフェスティバル『名無しのエリーゼ』08/10-12東京芸術劇場小ホール2

 池袋の東京芸術劇場で開催中の“TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)”。『エコア(ECHOA)』に続いて『名無しのエリーゼ』を観てきました。上演時間は1時間弱。おすすめ年齢は8才以上。

 ドイツ語上演・日本語字幕ありの男女2人芝居ですが、字幕は必要最小限にとどめられており、身振り手振りから想像して理解するタイプ。俳優の技術がハイレベルなので、言葉がわからなくても楽しませてくれます。最後はポロポロ泣いちゃいました・・・すっごく良かったです。

 地下に降りるエレベーター前の看板↓
TACT_elise.jpg

 ⇒CoRich舞台芸術!『名無しのエリーゼ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 エリーゼは屋根裏部屋でおばあちゃんの日記を見つけます。おばあちゃんが若かった頃のおはなし。―戦争から逃げる途中、彼女は国境近くの小さな駅でルーカスという信号係に出会います。家はない、パスポートもない、仕事もない彼女はまさに「名無し」同然。「名無しのエリーゼ」は過去と現在をつなぐ希望の物語です。。
 ≪ここまで≫

 当日パンフレット(無料配布)のあらすじを読めば全体像がわかりますので、字幕が少なくても問題ありません。あらすじを知っていても大丈夫。私は読んでから観ましたが、最後は驚かされました。
 古くて大きなトランクがたくさん。美術は簡素ですが、俳優のきめ細やかな演技で時空を超えます。

 ここからネタバレします。

 時計の針がぐるぐる回って過去をさかのぼったり、時間が進んだりするのが可愛い。

 戦場になった故郷から駅に逃げてきたエリーゼ。でも戦争のせいで駅には列車は全く来る気配なし。駅員(信号係)のルーカスは明るいリーゼに好意を寄せます。やがて2人が駅に住み込んだまま1年が過ぎました。その間も列車はずっと来ず。

 やがてルーカスの上司が、エリーゼを故郷に帰すために列車をよこすと言ってきました。彼女の故郷はまだ戦争中だというのに。ルーカスが電話で「あなたには戦争は関係ないかもしれませんが…」と反論するも、上司は強硬な様子。そこでルーカスが取った行動とは?
 私は「エリーゼにプロポーズするんだろうな~、それで大団円かしら」と思っていたのですが、なんとルーカスは線路を破壊してしまいました!あんなに綺麗に掃除して守ってきた線路なのに!1人の人間の愛の力は、強固なルールなんて軽々ぶち壊します。その後2人は隠れて生きなきゃいけなくなったわけですが。

 最後は孫エリーゼの屋根裏部屋に戻り、ルーカスがおじいさんとして再登場。2人が結婚して生き残ったから孫エリーゼがいるんですね。ええ話や・・・手放しに感動。

≪滋賀、大阪、東京、松本≫
~ここは国境の駅、エリーゼと駅員の心温まる物語
国際児童青少年芸術フェスティバル TACT/FESTIVAL TOKYO Niemand heist Elise
キャスト:カリン・シュルダー/アンドレアス・ゲール
作:アルバロ・ソラー/カリン・シュルダー/アンドレアス・ゲール 演出:アルバロ・ソラー 美術・照明:アンドレアス・ゲール
【TACT/FESTIVALスタッフ】総合舞台監督:闘秀哉 舞台監督:夏目雅也 プログラムディレクター:中立公平 フェスティバルディレクター:松原利己 ツアーマネージャー:さくらこりん
【東京芸術劇場スタッフ】技術統括:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 田中直明 舞台:後藤順二 谷内義弘 鈴木久仁日呂 秋山佑子 佐藤綾香 照明:斎藤芳男 川村正夫 佐藤恵太 高山智弘 音響:石丸耕- 小川義治 近藤靖彦 山本裕司 植木誠 中根悠子 制作進行:福永純子 樺澤良 勝優紀 吉田直美 蓬見あづさ 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサーピス) 金子久美子(ぷれいす) 宣伝美術:西田優子 神谷伶奈 インターン:市川和奏 古川瑛― 舞台芸術学院
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:木村美恵子 秋山知美 広報:北沢聡子 土屋裕 橋爪綾子
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:財団法人地域創造 後援:ドイツ連邦共和国大使館/フランス
おとな2000円 こども(4歳~中学生)1000円 その他セット券あり。
http://www.tact-japan.net/tokyo/elise.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 15:56 | TrackBack

2010年08月10日

NPO法人FPAP『ぽんプラザホール10周年記念 福岡・九州地域演劇祭 内覧会』08/08福岡市民会館

 8/20(金)から9/8(水)まで福岡で開催される「ぽんプラザホール10周年記念 福岡・九州地域演劇祭」の内覧会を拝見してきました~!
 「福岡・九州地域演劇祭」は福岡の演劇人による3つのプロデュース公演(新作)と、北九州、熊本、宮崎の劇団の3公演からなる、全8作品・28ステージが上演される演劇祭です。

 内覧会とは、演劇祭参加作品すべてについての通し稽古、もしくはプレゼンテーションを実施し、参加者らが1日で演劇祭の全容を体験するという大イベント。終了後には盛大な交流会も開かれました。

 ⇒フェスティバル公式サイト
 ⇒フェスティバル公式ツイッター(ハッシュタグ:#fkrt)
 ⇒CoRich舞台芸術!内特設サイト

nairankai1.JPG

 以下、ざっと感想を(順不同)。

●<通し>大学演劇部合同公演『髑髏城の七人〈アカドクロ〉』
 劇団☆新感線の大人気作品を約2時間10分休憩なしで上演。殺陣が良かった!大学生が振付したそうです。5月ごろから稽古をしてきたそうで、その成果が出ていたと思います。
 2007年の「6大学演劇部合同公演」(⇒関連レポート)から続いている企画なんですね。同世代の多数の大学生が、舞台創作で熱く濃い夏を共有するなんて素敵!福岡の大学演劇部の横のつながりが生まれ、さらに先輩・後輩という縦のつながりも強固になれば、福岡演劇界の新しい人材の宝庫になるかもしれません。

●<通し>福岡在住の演劇人によるプロデュース公演『夏の夜の夢』
 衣装が華やか。『夏の夜の夢』はシェイクスピアの人気古典ですので、この公演ならではの解釈や個性をもっとはっきり出しても良いのではないかと思いました。・・・にしてもライサンダーとディミートリアスがイケメンぞろいでびっくりしたな~(笑)。ハーミアとヘレナも可愛かったです♪

●<通し>連続上演『春、夜中の暗号』
 福岡在住の劇作家・宮園瑠衣子さんの短編戯曲を2本連続上演する公演のうちの1本。女1人、男2人の三人芝居でいわゆる“静かな演劇”に分類される作品ですね。
 演出次第でどこにでも連れて行ける、何でも盛り込める、謎と余白が多い戯曲でとても面白かったです。終わった後に一緒に観た人と話が尽きなかったですね。本番が観たいな~。

●<作品紹介>連続上演『よかっちゃん』
 『春、夜中の暗号』と同じく宮園瑠衣子さんの戯曲です。あなざーわーくすのわたなべなおこさんが演出されます。わたなべさんは「観客参加型」の演劇作品を発表されている方で、作品紹介も「観客参加型」でした(笑)。

●<作品紹介>飛ぶ劇場『睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜』
 作・演出の泊篤志さんも台本を持ちつつ参加し、作品の一部を披露してくださいました(写真↓)。泊さんは「銀河鉄道の夜」が大好きだそうで、アニメ映画「銀河鉄道の夜」(脚本:別役実)、北村想さんの戯曲『想稿・銀河鉄道の夜』をお勧めされていました。
 劇団初の原作もので、さらに「観客参加型」にも初挑戦されるそうです。『よかっちゃん』演出のわたなべなおこさんの『三人姉妹』に影響を受けたとのこと。ご縁がつながるものですね。
 泊「意外と原作に忠実と評判です。」
nairankai2.JPG

●<作品紹介>劇団きらら『劇団きららの「星の王子さま」~le petit prince~』
 作・演出の池田美樹さんが原作冒頭を朗読してから、作品のコンセプトなどを簡潔に紹介。
 池田「暗闇で一人でじっと座っていることを怖がらない、大人であり表現者でありたい。」

●<作品紹介>劇団こふく劇場『水をめぐる』『水をめぐる2』
 劇団所属女優のあべゆうさんが作品の一部を演じてくださいました。一人語りだけで劇世界を立ち上げて見せてくれるのが嬉しい。
 あべ「能、神楽、狂言、落語をベースに作品づくりをしています。」

 内覧会の休憩時間に、劇作家・演出家が話し合う会も開かれました。
nairankai3.JPG

 大学演劇部合同公演と、連続上演『春、夜中の暗号』の通し稽古についての感想や意見が交換されました。明日からの稽古にさっそく取り入れられる具体的な提案もあり、短時間ですが意味のある会だったと思います。

 すべてが終了したのは夜8時。昼1時からの長丁場でした。交流会会場のレストランまでVELO TAXI(写真↓)に乗せていただきました~! 関連記事⇒

nairankai4.JPG

 黄色いシャツは運転手さん↓ ピンボケしてますが(汗)、夜景の雰囲気は伝わるかと。
nairankai5.JPG

 演劇祭の最初の公演が開幕するのは8/20(金)。その前に大勢の参加者が一堂に会して、演劇祭の全容を体験したわけです。実施するのは大変だったと思いますが、その価値は十分以上にあったと思います。
 ・比較的早い時期に作品全編を通すことになるので、稽古進行に遅れが出ない。
 ・作品が外部の目にさらされることで発見がある。外部から意見をもらえる。
 ・他団体の作品から新しい刺激を受けることができる。
 ・演劇祭参加者が交流ができる。
 ・演劇祭に参加している実感が持てる。
 などなど。 ※泊篤志さんもモチベーション上がったとのこと!(2010/08/11加筆)

 本番をぜひ観たいので会期中にもう一度福岡に行きたいと思っています。遠方から観に行かれる方には、はしご観劇で最大5公演・6作品が観られる9/4(土)~9/5(日)がお勧めだそうです。
 ※福岡県外にお住まいの方のみのお得な「4作品観劇券」あり!

ぽんプラザホール10周年記念 福岡・九州地域演劇祭 プロジェクトチーム⇒総合プロデューサー:高崎大志 プロデューサー:本田範隆、大橋敦史 プロデューサー補:中原恵 制作:三坂恵美、古賀裕奈、喜多千尋 アドバイザー:平田オリザ、北村功治 主催:NPO法人FPAP 共催:九州地域演劇協議会、財団法人福岡市文化芸術振興財団 後援:福岡市、福岡市教育委員会、福岡県、福岡県教育委員会、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞西部本社、西日本新聞社、NHK福岡放送局、九州朝日放送、TNCテレビ西日本、RKB毎日放送、FBS福岡放送、TVQ九州放送、天神エフエム 協賛:株式会社ふくや、コカ・コーラウエスト株式会社 助成:文化庁芸術団体人材育成支援事業、財団法人地域創造、財団法人セゾン文化財団、財団法人アサヒビール芸術文化財団 広報協力:CoRich舞台芸術!、ピクニック
http://10kinen.info/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 17:47 | TrackBack

2010年08月07日

タクトフェスティバル『エコア(ECHOA)』08/06-08東京芸術劇場小ホール1

 0歳児から大人まで楽しめる世界の舞台作品を集めた“TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)”。2007年から大阪で行われてきて、今年東京に初上陸しました!

 『エコア(ECHOA)』はフランスから来たパーカッショニスト2人とダンサー2人の無言のパフォーマンス。と~っても楽しかったです!上演時間は1時間弱。おすすめ年齢は7才以上。

 ※『ラヴァ』は公演中止で、代わりに無料のプログラムを上演検討中とのこと。

 ⇒CoRich舞台芸術!『エコア(ECHOA)

 音楽演奏とダンスが融合し、生音に合わせた照明、音響も効果絶大。4人とも演劇的表現がとても優れていて、無言ながら感情の交流が鮮やか。笑いもたくさん起こりました。私が観た回はお子様は少なかったですが、最後まで大人しくご覧になっていたようです。

 身体能力の高さはもちろん、道化(ピエロ)の演技のクオリティーの高さに魅せられました。役者さんや演出家など、作り手の方々にもお勧めしたい作品ですね。

≪滋賀、大阪、東京、松本≫
国際児童青少年芸術フェスティバル TACT/FESTIVAL TOKYO 
出演:トーマス・ゲーリー(ダンサー・振付家)/クレモ・デュコル(パーカッショニスト)/ ミン・タム・エヌグエナ(パーカッショニスト)/ エマニュエル・ギュイエー(ダンサー・振付家)
作・演出:トーマス・ゲーリー/カミーユ・ローキャル  照明:ロゴン・バジール  音楽:ブノワ・リヨ・ラジェンター 美術:ブノワ・コンヴェルス 衣装:ラシェル・ジャナ
【TACT/FESTIVALスタッフ】総合舞台監督:闘秀哉 舞台監督:夏目雅也 プログラムディレクター:中立公平 フェスティバルディレクター:松原利己 ツアーマネージャー:さくらこりん
【東京芸術劇場スタッフ】技術統括:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 田中直明 舞台:後藤順二 谷内義弘 鈴木久仁日呂 秋山佑子 佐藤綾香 照明:斎藤芳男 川村正夫 佐藤恵太 高山智弘 音響:石丸耕- 小川義治 近藤靖彦 山本裕司 植木誠 中根悠子 制作進行:福永純子 樺澤良 勝優紀 吉田直美 蓬見あづさ 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサーピス) 金子久美子(ぷれいす) 宣伝美術:西田優子 神谷伶奈 インターン:市川和奏 古川瑛― 舞台芸術学院
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:木村美恵子 秋山知美 広報:北沢聡子 土屋裕 橋爪綾子
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:財団法人地域創造 後援:ドイツ連邦共和国大使館/フランス
おとな2000円 こども(4歳~中学生)1000円 その他セット券あり。
http://www.tact-japan.net/tokyo/echoa.html
http://www.mitiki.com/html/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 14:28 | TrackBack

ヨーロッパ企画『サーフィンUSB』08/04-15本多劇場

 上田誠さんが作・演出される劇団ヨーロッパ企画の新作を拝見。楽しかった~♪上演時間は約1時間20分。

 シアターガイド9月号で上田さんと美術の二村周作さんの対談を読んで、どんな装置になるのか楽しみにしていたんです。劇場に入るなり驚きました。全然砂浜じゃないし、海の気配もない(笑)。でもちゃんとサーフィンのお話でした~。

 終演後にロビーで舞台『曲がれ!スプーン』のDVDを購入しました。家族へのお土産です。みんな映画『曲がれ!スプーン』を観て、舞台版を観たがっていたので。

magare_spoon_DVD.JPG

 ⇒CoRich舞台芸術!『サーフィンUSB
 レビューを加筆しました(2010/08/17)。

 ≪あらすじ≫
 「水の7日間」と呼ばれる気候変動があり、水位が上がって街が水没してしまった日本。ビルの屋上から海に飛び込むサーファーたちがいた。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。
 
 特性サーフボードにデジタル記憶媒体(60 peta bite)を埋め込んで、それに乗ってサーフィンをすれば、すべてがデジタルデータとなって記録されます。たぶん波とか風とかも全部。そのデータをインターネット上にアップして、世界中の人々が好きにダウンロードして疑似体験をするというビジネスが始まります。

 サーフィンを楽しむはずがダウンロード数を競うようになり、徐々にサーファーたちの目的がずれていって、いさかいも起こってしまいます。あくまでもヨーロッパ企画のメンバーならではの笑いで進めていくのが素敵。
 デジタルになった自分の体験が、自分のものではなく他人のデータになっていくのは、まさに現状をあらわしています。たとえば2006年以降に日本人がツイッターでつぶやいた言葉たちは、アメリカの議会図書館に保管されるそうです。

 山脇唯さんのビキニ姿がまぶしい!長い髪の毛でちょっと隠してるのがまたイイ!でもほぼ紅一点の彼女に対して、男どもは優しくなさすぎ!(笑) ちょっとぐらい色目つかったりすると思うんだけどな~。あまりに気にしなさすぎなのも不自然かと(あんなに可愛いから)。そもそも恋愛要素は省いているのでしょうね。

 人魚が出てきて感動。それも環境汚染ゆえの人間の奇形として。ブラックユーモアが利いてます。尻尾にUSBが埋め込まれ、人魚の生態もデータ化されていました。

≪京都 東京、大阪、福岡、広島、名古屋≫
出演:石田剛太 酒井善史 諏訪雅 角田貴志 土佐和成 中川晴樹 永野宗典 西村直子 本多力 山脇唯 
脚本・演出:上田誠 音楽:木暮晋也 美術=二村周作 映像=大見康裕 照明=葛西健一 (Gekken Staffroom) 音響=宮田充規 (GEKKEN staff room) 衣装=中嶋佑一(artburt) ヘアメイク=松村妙子 特殊美術=吉田ひでお(アーリオ工房) 舞台監督=筒井昭善 演出部=大鹿展明・シロサキユウジ・中川有子 演出助手=山田翠・大槻めぐみ 運送=植松ライン 宣伝美術=井上能之 宣伝写真=成田直茂 制作= 井神拓也・諏訪雅・本多力・吉田和睦・吉永祐子 WEB=樫木由子・柏敏行・片岡二郎・中路まり絵
【休演日】8/10【発売日】2010/05/29 全席指定/前売¥4,000/当日¥4,500 学生¥3,500(前売のみ・入場時要学生証提示)  [学生券の販売について] ・チケットぴあのみ取扱い・各回24席限定 ※学生券は事前に座席が指定されない“当日引換券です。 当日劇場受付にて60分前より指定席券と引換いたします。※2枚以上ご購入の場合は席が離れる場合があります。 ※ご覧になりにくいお席になる場合があります。
http://www.europe-kikaku.com/projects/e29/main.htm

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 00:21 | TrackBack

2010年08月05日

ブス会『女の罪』07/29-08/10リトルモア地下

 ポツドール番外公演(過去レビュー⇒)を作・演出されてきたペヤングマキ(溝口真希子)さんが、新たに立ち上げた演劇ユニット「ブス会*」の旗揚げ公演です(⇒掲載したオーディション情報)。

 女同士の生々しい戦いを間近で楽しませていただきました。上演時間は約1時間10分。前売りは完売。当日券あり。

 ⇒CoRich舞台芸術!『女の罪

 舞台は小さなスナック。前回、前々回に比べると、設定も内容も性的ハードさの面ではやわらかくなっていましたね。普段は絶対口に出さないであろうことや、不意に出てしまった本音がぶつかりあうのが刺激的。

 登場するのはスナックの店員や客など女性ばかり5人。私(=女)からするとカチンと来たり、ムカっと来たりするキャラばかりなんですが(笑)、5人の女優さんがそれぞれに魅力的で、ワハハと笑ってうっとり眺めて楽しみました。

 会場が原宿で上演時間も短いですし、お友達(大人推奨)と気軽に観て、その後に食事で会話がはずみそうなお芝居だと思います。カップル同士だとしゃべりづらいネタかもしれないけど・・・(苦笑)。

 【舞台写真:曳野若菜撮影(主催者より提供)】
onna_no_tsumi_stage_photo.JPG

 ここからネタバレします。

 夫に浮気されることを「私のセックスが誰かに盗られてる」と言い表すのが新鮮でした。そっか、言われてみれば、そうなのか(笑)。

 美姫(安藤聖)は正義感が強くで女性にモテるタイプ。ママ(仲坪由紀子)はいい加減だけど人を追い詰めないので、求めなくても常に男が寄ってくるタイプ。夫がママと浮気している事実をつきとめた美姫は、外に出たママを追いかけます。なんとお酒の瓶を片手に持って。その後、美姫がママに瓶で殴りかかるかもしれない、もしかしたら殺しちゃうかも・・・と想像させます。
 そこからは美姫とママ、そして周囲の女たちがそれぞれに違う主張を持った集団や、世界中の色んな国々に見えてきました。

 装置や衣装のリアリティーにこだわった現代口語劇で、照明の変化はなく、音楽についてもカラオケが流れることで弾みをつけることはあっても、「お芝居の音響」的なものはなかったように思います。
 終盤で私は上述のような演劇的な奥行きを感じ取れたので、照明や音響の演出を加えて、現場で交わされる会話以外の世界を広げてもいいんじゃないかと思いました。

出演:仲坪由紀子 岩本えり(乞局) 玄覺悠子 大樹桜 安藤聖
脚本・演出:ペヤングマキ(溝口真希子) 照明:伊藤孝(ART CORE design) 美術:田中敏恵 選曲:DJ dekka-ching 小道具・衣裳:大橋路代(パワープラトン) ヘアメイク:中西端美(ひなぎく) 舞台監督・音響:尾倉ケント(アイサツ) 演出助手・照明操作:豊永優美 写真撮影:曳野若菜 宣伝美術:冨田中理(Selfimage Products) 票券:徳橋みのり(ろりえ) WEB:rhythmicsequences 広報:石井裕太 宣伝協力:山田恵理子 制作協力:溝口美帆 酒井源司 制作補助:藤原みかん、渡辺治子(以上リトルモア地下) 制作・プロデューサー:増井めぐみ(リトルモア地下) 共催:リトルモア地下 企画・製作:プス会*
【休演日】8月5日休演日【発売日】2010/06/24 前売2800円、当日3000円 (整理番号付自由席、当日精算)
http://busukai.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 14:03 | TrackBack

東京デスロックCONTEMPORARY SERIES #2『2001年-2010年宇宙の旅 <2001-2010 A Space Odyssey〉』08/04-08富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ水の広場特設野外ステージ

 キラリ☆ふじみの芸術監督になった多田淳之介さんの劇団東京デスロックが、ホームであるキラリ☆ふじみの水の広場で行う野外公演です。初日に伺いました。上演時間は約1時間45分。

 水の広場とは劇場公式サイトのTOPページの写真にもなっている、とてもきれいな場所です。広い池の中に丸いステージが設置されていました。観客は全員スタンディングという告知でしたが、ウッドデッキに三角座りをして観ている方が多数でしたね。私は途中から立って観ることに。

 晴れた夏の夜、ちょっと強い目だけど気持ちのいい風が吹く中、水と木々と星空のある広い舞台に“人類”がいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『2001年-2010年宇宙の旅 <2001-2010 A Space Odyssey〉

 アーサー・C・クラーク著「2001年宇宙の旅」「2010年宇宙の旅」をもとに、東京デスロックの劇団員およびゲストの方が、贅沢なランドスケープをバックに人類の歴史と現在をあらわします。
 多田さんが当日パンフレットに書かれてるとおり、インスタレーションのような作品でした。現代美術の展覧会に展示されてもいいぐらいの。そっか、CONTEMPORARY SERIES ですものね。

 広~い舞台が気持ちいい!ビルにも電信柱の電線にもさえぎられない空を、あんなにゆったり眺められたのって久しぶり!しかも古代、現在、未来の空として味わえました。
 上演時間はもう少し短くても良かったんじゃないかな~。あと、私の個人的な好みなんですが、役者さん同士のかかわりというか、言葉や感情の具体的な交流が観たかったですね。

 ↓この映画は観ました。「2010」は観てないです。

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]
2001年宇宙の旅 [Blu-ray]
posted with amazlet at 10.08.05
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-04-21)
売り上げランキング: 950

 ここからネタバレします。

 開演の時。パっと暗くなって、映画「2001年宇宙の旅」のテーマ曲(シュトラウスの交響詩「ツァラストラはこう語った」の序奏)が流れます。遠くの木々をカラフルな照明で照らすのは静岡舞台芸術公園の野外劇場「有度」みたい!下手にあるメインホールのロビーの明かりがいっせいに点いて(ガラス張りなので外も明るくなります)、アトリエのロールカーテンがガーーーーーーーーーーっと上がるのにわっくわく!思わず笑いがこぼれました。キラリ☆ふじみが宇宙ステーションにも原始の森にも見えました。上手のアトリエはロケットに見えたな~(笑)。

 映画に出てきた四角い石“モノリス”の話をゆっくり朗読で聴けました。最初の約30分間で人類誕生(ヒトザルがモノリスに触れた時)から2001年までひとっとび。
 2001年から2010年までは役者さんがiPhoneとiPadを見ながら、年ごとに起こった事件を語っていきます。同時に夏目慎也さんも自分に起こった出来事を告白(←これが可笑しい)。夏目さんは重しを着て、にぬれて、磔(はりつけ)になって、2001年に結成し今にいたる劇団東京デスロックの歴史を全身で体現。佐山和泉さんは朗読内容から思いついた言葉(単語)を即興で発語されているようでした。公式サイトによると即興もテーマだったようですね。
 2010年までの出来事を振り返ったら、次は未来へと進んでいきました。2011年、2012年、2013年…2045年…。この作品を上演している“今”に、過去も未来もぎゅっと凝縮される感覚。

 遠くからサックスを吹く大谷能生さんの姿が見え、景色全体を眺めたくなったので、立って後ろに下がりました。景色が広がって良かった。
 最後はホールやアトリエの電気を全部消して、星空が明るく見えるぐらいの暗闇になってほしかったな~。明るいままのカーテンコールはちょっぴり物足りなさを感じました。

出演/東京デスロック [夏目慎也 佐山和泉 佐藤誠 間野律子 多田淳之介 橋本清] +日替りゲスト:坂口芳貞[文学座] サックス演奏・出演:大谷能生
構成・演出:多田淳之介 音楽:大谷能生 照明:岩城保 舞台監督:中西隆雄 舞台美術:濱崎賢二 音響:泉田雄太 演出助手:橋本清 宣伝美術:宇野モンド 制作:服部悦子 企画製作:東京死錠 助成:芸術文化振興基金 財団法人セゾン文化財団 主催:東京デスロック 財団法人富士見市施設管理公社
【発売日】2010/07/03 オールスタンディング・ワンドリンク付 日時指定・整理番号付 一般…前売・予約=3,000円/当日=3,500円 学生・シニア(65歳以上)…前売・予約/当日共=2,500円 ○未就学児のご入場はお断りしております。
http://deathlock.specters.net

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:04 | TrackBack

2010年08月04日

【演劇教育】パーシモン・パレット・プログラム2010『演劇コース発表会「真夜中の太陽」』07/31めぐろパーシモンホール・小ホール

 めぐろパーシモンホール・パレットプログラム演劇コースを毎年拝見しています(過去レビュー⇒)。今年の作・演出は工藤千夏さん(青年団演出部・うさぎ庵・渡辺源四郎商店)。

 『真夜中の太陽』はラフカット2009で初演され好評だったので、2010年5月に谷山浩子さんの公演でも再演された短編です。私は再演を拝見して傑作だと思っておりましたので、中高生がこの演目に取り組むと聞いて、嬉しくて小躍りしてしまいました。上演時間は約45分。

 こちらのブログによると、めぐろパーシモンホール・パレットプログラム演劇コースは来年も継続決定!

 期待を上回る仕上がりでした!ティーンの男女の歌声にダダ泣き・・・。終わってもしばらく拍手が鳴り止まなかったです。
 男の子が6人参加していたので、男子学生役が書き足された“めぐろパーシモン・バージョン”になっていました。外国人役も日本人役に書き換えられていましたので、ますます高校演劇で上演しやすくなったのではないでしょうか。

 終演後に初演版出演メンバー数名と中高生が『真夜中の太陽』を一緒に歌ってくれました(↓写真)。指揮は宣教師マービン先生役だったジェイソン・ハンコックさん。※写真撮影可でした。
20100731_mayonaka_no_taiyo.JPG

 ここからネタバレします。

 男の子が明治神宮外苑での出陣学徒壮行会(1943年)の答辞を朗読します。体も声も気持ちも、当時とは全く違います。その差を目で見て、耳で聴いて知ることの衝撃たるや。

 空襲警報が鳴り、先生と老婆を除く全員が逃げ惑う場面で、「死に物狂いで防空壕に走る」という演技になっていませんでした。“空から落ちてくる爆弾に焼き殺されるかもしれない恐怖”がないんですよね。私は『真夜中の太陽』でもっとも大切な場面の1つだと思っていたので、ちょっとがっかり。
 でも子供たちがどう感じているか(演じているか)にかかわらず、抽象世界は鮮やかに、意味はどっしりと、確かな重みを持ってストレートに伝わってきました。戯曲と演出がセットになって、揺るがない強度があるのだと思います。

 終演後のトークで工藤さんがおっしゃっていましたが、稽古時間は1日4時間で計4日間という短期間だったそうです。それでここまで作り上げられたことに驚嘆します。歌もちゃんと三部合唱になっていて凄い!
 「戦争について議論するような時間はなかった」ともおっしゃっていて、それは残念です。青森の中学生版『河童』を観たせいもあり、私が過度に期待しすぎなのかもしれませんが。

 発表会があるワークショップなので、作品を完成させることが優先されるのは当然ですが、ワークショップで『真夜中の太陽』に取り組む意味としては、やはり子供たちが戦争について考えることなのではないかと私は思います。次回があるならば、日数を増やして(←ココ重要!)、一緒に考えたり、意見交換したりする時間を作っていただけたらと思います。

「真夜中の太陽 めぐろパーシモン・バージョン」
出演(公募による中学生・高校生21名):菊地尚輝 瀬口聖徒(カオリの孫) 南舘優雄斗 宮本周平 新美航平 長田咲紀 井上春香 花岡海 丸山由生奈 永井智美 宮澤茉理絵 木目田千春 市川萌夏 須川萌(カオリの孫) 池田佳央理(カオリ) 大西千尋 関口佳 佐藤麻央 小林千尋 木﨑千温(キザキ先生/カオリの息子の嫁) 矢島亮(ヤジマ先生) ピアノ伴奏:加藤充華
原案・音楽:谷山浩子 作・演出・指導:工藤千夏 [主催]財団法人目黒区芸術文化振興財団 [協力]有限会社アゴラ企画 [演出・指導]工藤千夏 [アシスタント]加藤充華 [音響]藤平美保子(T.E.S) [区民ボランティア]朝吹弓子/山本郁子/松本照代/福島豊/板本円/渡辺祐子
14:00(開場)/14:30(開演) 全自由席:300円 ※車椅子席:同料金
http://www.persimmon.or.jp/event/913.php
http://www.persimmon.or.jp/hosting-performance/914.php

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 14:08 | TrackBack

ホリプロ『ロックンロール』08/03-29世田谷パブリックシアター

 昨年の『コースト・オブ・ユートピア』も話題になった英国の劇作家トム・ストッパードさんの、2006年ロンドン初演作(2007年ブロードウェイ進出)を栗山民也さんが演出されます。初日を拝見しました。上演時間は約3時間10分(途中休憩1回を含む)。

 市村正親さんと武田真治さんが主演ということで、ミュージカルだと思っていたお客様もいらしたようですが、ストレート・プレイです。でも有名な音楽はたくさん流れます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ロックンロール

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 ケンブリッジ大学の教授マックス・モロー(市村正親)はマルクス主義を唱える学者。彼の教え子であり、時代に翻弄されながらも生き抜くチェコ人ヤン(武田真治)。
 ときは1968年ケンブリッジ。フラワーチルドレンのエズミ(前田亜季)は、パイパー(実はシド・バレット)の吹く笛を聴いていた。そこに、ヤンが現れる。ロックンロールを愛する彼は、ロックと家族を守るため「プラハの春」が起こったチェコへ帰国することを決意したのだった。エズミはヤンに密かな恋心を抱いていた。そんなヤンを快く見送ることがマックスにはできない。マックスの妻、エレナ(秋山菜津子)は癌を病んでいた。
 チェコに帰国したヤンを待っていたのは、秘密警察の取調べだった。ヤンの友人ファーディナンド(山内圭哉)はドプチェク解放の署名を求めるがヤンは断る。そんな彼のもとにマックスがたずねてくるが、ヤンはマックスの言葉を聞かない。
 一方、イギリスではエレナが、レンカ(ヤンと同じチェコ人)に古典を教えていた。エレナが席を外した束の間、レンカはマックスに、ヤンが逮捕されたことを告げる。チェコのロックグループの権利を守ろうという嘆願書に署名をしたせいだった。エレナの病状は進んでいた。マックスはエレナを抱きしめることしかできない。
 1976年冬、プラハ。部屋に戻ってきたヤンの前に、砕かれたレコードが散らばっていた。それから20年以上たった1990年のイギリス、ケンブリッジ。マックスのもとにヤンがやってきた。ヤンとの突然の再会に驚くエズミ(秋山菜津子)。
 人々の想いは、静かに絡みあいながら、進んでいく。
 ≪ここまで≫

 イギリスのケンブリッジとチェコ・スロバキアのプラハを行き来し、場面転換時に当時流行していたロックがかかります。自分の知識のなさ、教養のなさにがっかりして落ち込みました・・・。
 一部セリフが聴こえづらかったのもありますが、歴史にしたってロックンロール(音楽)にしたって、「あぁ聞いたとあるな~」ぐらいにしか知らないものですから、体にぐっと入ってきて腹で理解するような、確かな重みで味わうことができませんでした。

 ロビーでパンフレットを買って読み、「あぁそういう意味だったのね」と少しは補完できましたが、観ている時は本来のこの戯曲の意味や魅力を受け取ることができなかったですね。自分のせいとはいえとても残念・・・。
 これからご覧になる方は、公式サイトにあるキーワードをある程度勉強されてから観に行かれると良いと思います(すでにご存知の方は不要ですが)。

 ここからネタバレします。

 2幕の最初にU2の"still haven't found what I'm looking for"が流れて、やっと体にしみてきました。JOSHUA TREEのジャケットも懐かしく。1987年の場面だったかと思います(違ったらすみません)。私はたぶん中学生か高校生ぐらいで「ベストヒットUSA」を毎週見ていましたから、“あの時”と舞台の時間がやっと一致し、2幕からは面白くなりました。

 武田真治さん演じるヤンのことがよくわからなかったです。友達の署名依頼を断ったり、お気に入りのロックバンドを応援して警察につかまったり、12年間もパン屋で働いてたり、スパイをしていたり・・・?文字の情報しか頭に残らなかったです。もう1度観ればわかるのかな・・・。

 最後は1990年のプラハ。ROLLING STONESのコンサートに盛り上がるヤンたちの横で、レンカ(黒谷友香)が学生(熊坂理恵)に詩を教えていました。「牧神パンは死んだ」と繰り返すのに苦い思いがこみあげます。1968年から始まり、22年後の1990年で終わる物語ですが、そのあまりの変容振りに驚くし、恐ろしさも感じます。獲得したものもあれば失ったものもあるんですよね。

≪東京、大阪、広島≫
出演:市村正親 秋山菜津子 武田真治 前田亜季 上山竜司 西川浩幸 月船さらら 森尾舞 檀臣幸 山内圭哉 黒谷友香 熊坂理恵
脚本:トム・ストッパード 演出:栗山民也 翻訳:小田島恒志 美術:松井るみ 照明:勝柴次朗 音響:高橋巖 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:小林清隆 主催・企画制作:ホリプロ
【休演日】8/11~8/17 S席8,500円 A席5,500円
http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=145
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/08/post_185.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:12 | TrackBack

2010年08月01日

メルマガ 2010年08月のお薦め舞台

mail magazin visual.bmp
お薦めお芝居をご紹介しています

 2010年08月のお薦め舞台11本+αをご紹介します。
 ★メルマガへのご登録はこちら
 ★バックナンバーはこちらです。

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 75     2010.08.01  1,607部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎今年の夏は暑いですね~!今月は「福岡・九州地域演劇祭」(福岡)と、
  渡辺源四郎商店「中学生演劇体験ワークショップ」(青森)に行ってきます♪

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め11本+α】
   
   ◎No.1→こまつ座『父と暮せば』
       08/10-12あうるすぽっと
       ≪相模原、池袋≫
    http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index2.html

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング
       『Re:カクカクシカジカの話』
       7/20-21全労済ホール/スペース・ゼロ
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0730164517.html

 ◆3【お薦め芝居の前売情報 Bunkamura『タンゴ-TANGO-』】

   ◎長塚圭史さんと森山未來さんの初顔合わせ!
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_tango.html

 ◆4【夏休みは子供も舞台ざんまい!~0歳児から大人まで】

   ◎“TACT/FESTIVAL”に遊びに行きましょう!
    http://www.tact-japan.net/

 ◆5【2010年夏~秋は、日本各地で演劇祭まっさかり!】

   ◎夏から秋にかけての演劇祭情報を集めてみました。

 ◆6【編集後記】

   ◎7月10日につかこうへいさんが亡くなられました。
   ◎芸団協「もっと文化を!」署名募集中!
   ◎おすすめ舞台中継 on TV

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め11本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※お薦めしたい4000円以上の公演が多く、今月は11本になりました。


★1.ホリプロ『ロックンロール』
  08/03-29世田谷パブリックシアター
  ≪東京、大阪、広島≫
  ☆出演:市村正親 秋山菜津子 武田真治 前田亜季 上山竜司 
      西川浩幸 月船さらら 森尾舞 檀臣幸 山内圭哉 黒谷友香
   脚本:トム・ストッパード 翻訳:小田島恒志 演出:栗山民也
   S席8,500円 A席5,500円
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=145
   『コースト・オブ・ユートピア』↓の作者トム・ストッパードさんの
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0918002101.html
   2006年ロンドン初演戯曲です。1968年から20年間の歴史的事件と
   当時ヒットしたロック音楽がからみます。演出は栗山民也さん。
   色んな事務所・劇団から集まった多種多様なキャストの競演にも期待。


2.ヨーロッパ企画『サーフィンUSB』
  08/04-15本多劇場
  ≪京都 東京、大阪、福岡、広島、名古屋≫
  ☆出演:石田剛太 酒井善史 諏訪雅 他、ヨーロッパ企画劇団員
   脚本・演出:上田誠
   前売¥4,000 当日¥4,500 学生¥3,500
    http://www.europe-kikaku.com/projects/e29/main.htm
   客演を呼ばず劇団員のみで全国ツアーを成功させている京都の劇団、
   ヨーロッパ企画の新作。彼らの軽快トークにリラックスしてひたりたい。


3.劇団M.O.P.『さらば八月のうた』
  08/04-16紀伊國屋ホール
  ≪大阪、東京、京都、その他≫
  ☆出演:キムラ緑子 三上市朗 小市慢太郎 他、劇団員
   脚本・演出:マキノノゾミ
   5,500円 ハーフプライス・チケット(当日半額券)あり
    http://www.g-mop.com/history/45kouen/press/index.html
   マキノノゾミさんが作・演出される劇団M.O.P.の最終公演です。
   日替わりゲストも豪華。過去レビュー(2007年)↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0829233226.html


4.RUP『広島に原爆を落とす日』
  08/06-22 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:筧利夫 仲間リサ 大口兼悟 馬場徹 武田義晴 平沼紀久
    黒川恭佑 浅香航大 リア・ディゾン トロイ 山本亨 山口紗弥加 他
   脚本:つかこうへい 演出:岡村俊一 監修:杉田成道
   S席 9,500円 A席 7,500円 コクーンシート 5,000円
    http://hiroshima2010.com/
   つかこうへいさんの追悼公演となってしまいました・・・。
   つか作品に主演する筧利夫さんを観られるのは7年振りとのこと。


5.演劇集団円『死んでみたら死ぬのもなかなか四谷怪談-恨(ハン)-』
  08/08-15シアタートラム
  ≪世田谷区、台東区≫
  ☆出演:朴○美(パク・ロミ)※○は王へんに路/吉見一豊/野村昇史/
    高間智子/山崎健二/木下浩之/井上倫宏/レナード衛藤(和太鼓)/他
   脚本:韓泰淑(ハン・テスク)[鶴屋南北「四谷怪談」より] 演出:森新太郎
   一般4,800円 劇場・区民割引などあり。
    http://www.en21.co.jp/yotsuya_hp0.html
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/08/post_192.html
   「四谷怪談」を韓国の劇作・演出家が改編。人気声優としても
   ご活躍のパク・ロミさんを“お岩”役に迎えて、森新太郎さんが演出。


★6.こまつ座『父と暮せば』
  08/10-12あうるすぽっと
  ≪相模原、池袋≫
  ☆出演:辻萬長 栗田桃子
   脚本:井上ひさし 演出:鵜山仁
   一般4,200円 学生割引3,150円 劇場会員割引などあり。
    http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index2.html
    http://www.owlspot.jp/performance/100810.html
   1994年の初演以来、キャストを変えながら再演され続けている
   井上ひさしさんの二人芝居。広島で被爆した父と娘のお話です。

   ●お薦めポイント●
   4月9日に劇作家の井上ひさしさんが亡くなり、今年の井上戯曲の上演は
   追悼公演になってしまいました…。『父と暮せば』は井上さんが
   広島を訪れ、被爆した方々の膨大な証言資料をもとに書かれた戯曲です。
   数ヶ国語に翻訳されて海外でも読まれています。関連レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0804012306.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0618214803.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0505225442.html
   黒木和雄監督により映画化↓されました(主演:宮沢りえ&原田芳雄)。
    http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id320300/   
   栗田桃子さんはこの作品で第8回朝日舞台芸術賞・寺山修司賞を受賞。
   ご家族・ご友人をお誘い合わせの上、ぜひご覧になってください。


★7.彩の国さいたま芸術劇場 彩の国ファミリーシアター
  『ガラスの仮面~ふたりのヘレン~』
  08/11-27彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ☆出演:大和田美帆 奥村佳恵 細田よしひこ 新納慎也 原康義
    月川悠貴 岡田正 黒木マリナ 立石凉子 香寿たつき 夏木マリ 他
   原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄 音楽:寺嶋民哉
   S席6,000円/A席4,000円 劇場会員割引あり
    http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/glass/index.html
   演劇漫画の大作『ガラスの仮面』の舞台化第2弾。↓昨年のレビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0813123604.html
   原作に忠実なのも嬉しいし、演劇ならではの演出も面白いです。
   「しのぶの演劇レビュー」に稽古場レポートをアップ予定!


8.真心一座 身も心も『流れ姉妹~たつことかつこ~ 第一章』
  08/19-28 TOKYO FM HALL
  ☆出演:松重豊 粟根まこと 坂田聡 村岡希美 河原雅彦 他
   脚本:千葉雅子 演出:河原雅彦
   6,500円
    http://mimokoko.net/
   “小劇場界の大衆演劇”を標榜する「真心一座 身も心も」の
   第1回公演の再演。お色気、お笑いたっぷりの人情ドラマを、
   時にふざけて、時に大真面目に。過去3作のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0523020907.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1015231228.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0220113814.html


9.シス・カンパニー『叔母との旅』
  08/20-09/19青山円形劇場
  ☆出演:段田安則 浅野和之 高橋克実 鈴木浩介
   原作:グレアム・グリーン 劇化:ジャイルズ・ハヴァガル 演出:松村武
   6,000円
    http://www.siscompany.com/03produce/29obatonotabi/
   1995年に演劇集団円で上演され絶賛された作品だそうです。
   実力派舞台俳優がそろった贅沢な4人芝居を円形劇場で。


10.CATプロデュース『今は亡きヘンリー・モス』
  08/22-29赤坂RED/THEATER
  ☆出演:谷田歩 伊礼彼方 田中壮太郎 福士惠二 久世星佳 中嶋しゅう
   脚本:サム・シェパード 演出:小川絵梨子
   6,000円
    http://www.stagegate.jp/performance/2007/hm/index.html
   サム・シェパード戯曲を豪華キャストで、小空間で観られる贅沢。
   「演出家 小川 絵梨子さん」↓(asahi.comより・2005年)
    http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000159999990062


11.劇団昴ザ・サード・ステージ『イノセント・ピープル』
  08/25-29シアターグリーンBIG TREE THEATER ←メルマガ発行時はこの1行が抜けてました。失礼しました。
  ☆出演:遠藤純一 平林弘太郎 山中誠也 石田博英 福山廉士 他
   作:畑澤聖悟(渡辺源四郎商店) 演出:黒岩亮(劇団青年座)
   一般 4000円/高校生以下 2500円 ※未就学児童の入場不可。
    http://www.theatercompany-subaru.com/3rd.html
   昨年の『親の顔が見たい』↓に続いて畑澤聖悟さんが劇団昴に新作を提供。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0416174655.html
   広島・長崎に投下された原爆を作ったアメリカ人の若者5人が、
   終戦以降の65年間をどう生きてきたのかを描くそうです。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円台以下の気になる作品を2本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

【1】東京デスロックCONTEMPORARY SERIES #2
  『2001年-2010年宇宙の旅 2001-2010 A Space Odyssey〉』
  08/04-08富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ・水の広場特設野外ステージ
  ☆原案:アーサー・C・クラーク「2001年宇宙の旅」・「2010年宇宙の旅」
   構成・演出:多田淳之介 音楽:大谷能生
   オールスタンディング・ワンドリンク付 日時指定・整理番号付
   一般…前売・予約=3,000円/当日=3,500円
   学生・シニア(65歳以上)…前売・予約/当日共=2,500円
    http://deathlock.specters.net
   キラリ☆ふじみの芸術監督になった多田淳之介さんが、ホームで
   いきなり野外劇!世界的に有名なSF小説が一体どんな姿に?


【2】少年王者舘『ガラパゴス』
  08/19-24ザ・スズナリ
  ≪愛知、大阪、東京≫
  ☆脚本・演出:天野天街
   一般 前売・予約3,500円 当日4,000円
   学生 前売・予約3,000円 当日3,500円
    http://www.oujakan.jp/galapagos.shtml
   天野天街さん率いる名古屋の劇団の3都市ツアーです。
   レトロで摩訶不思議な劇世界にトリップしたい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング『Re:カクカクシカジカの話』
  7/20-21全労済ホール/スペース・ゼロ
  ☆「防衛のための核武装は有効か?」をとことん議論。若者の成長物語
   としてもわかりやすく楽しめました。若手劇作家・演出家の起用で成功。  
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0730164517.html

2.こまつ座&ホリプロ『黙阿弥オペラ』
  07/18-08/22紀伊國屋サザンシアター
  ☆“ご恩送り”が日本からフランスへ広がった時、ハっと目が覚めた
   ような心地に。井上ひさしさんの渾身のせりふにぐうの音も出ない。
   http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=146

3.世田谷パブリックシアター『醜男』
  07/02-12世田谷パブリックシアター
  ☆河原雅彦さんの演出に惚れました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0712223432.html

  ギンギラ太陽's『遊園地3兄弟の大冒険』も面白かったです。
  東京にもよく来てくださるようになって嬉しいですよね。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2010年7月(観劇数24作品)は残念ながら発行せず。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆3 【お薦め芝居の前売情報 Bunkamura『タンゴ-TANGO-』】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎英国留学から帰国して、劇団公演や舞台出演に大忙しの長塚圭史さんが
  シアターコクーンで1965年初演のポーランド戯曲を演出されます。
  主演は長塚さんとは初顔合わせの森山未來さん。これは見逃せません!

 ●Bunkamura『タンゴ-TANGO-』
  11/05-24 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:森山未來、奥村佳恵、吉田鋼太郎、秋山菜津子、
      片桐はいり、辻萬長、橋本さとし 他
   作:S.ムロジェック 翻訳:米川和夫/工藤幸雄 演出:長塚圭史
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_tango.html

  長塚さんがシアターコクーンで演出されるのは『ドラクル』↓以来3年振り。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0903112648.html
  英国留学で得た知見や実績を生かして、作り手および観客ともども、
  演劇の豊かさそのものを味わえる作品にしてくださる気がします。
  長文ですが、よかったら海外研修報告会のまとめ↓をお読みください。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0507152606.html

  『タンゴ』は初演時に激しい賛否両論を巻き起こしたと言われる戯曲で、
  公式サイトによるとキーワードは無秩序、革命、情熱、疾走、どんでん返し。
  若手アーティストを起用した、大手民間劇場の過激な挑戦を目撃したいです。

 【チケット情報】
  ・一般発売日:2010年8月21日(土)

  ・特設S席9,000円 S席9,000円 A席7,000円 コクーンシート5,000円
   特設S席:舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売。
   連番で購入しても席が離れる場合あり。椅子が通常の形状と異なります。

  ・プレイガイド
   Bunkamuraチケットセンター
    http://www.bunkamura.co.jp/plaza/online-ticket/cocoon.php
   チケットぴあ
     http://t.pia.jp/
   イープラス
    http://eplus.jp/
   ローソンチケット
    http://l-tike.com/

  ・お問い合わせ
   Bunkamura 03-3477-3244 (10:00~19:00)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆4 【夏休みは子供も舞台ざんまい!~0歳児から大人まで】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎2007年から大阪で行われてきた国際児童青少年芸術フェスティバル
  “TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)”が、東京初上陸!
   http://www.tact-japan.net/
  0歳児から大人まで楽しめる海外の舞台作品が池袋に集まります。
  夏休みは子供たちと一緒に、お手軽価格で上質の舞台体験を!


 [1]『エコア』[フランス/音楽・ダンス]
  08/06-08東京芸術劇場 小ホール1
   http://www.tact-japan.net/tokyo/echoa.html
  おすすめ年齢:7才以上

 [2]『名無しのエリーゼ』[ドイツ/演劇]
  08/10-12東京芸術劇場 小ホール2
   http://www.tact-japan.net/tokyo/elise.html
  おすすめ年齢:8才以上

 [3]『ラヴァ』[ベルギー/演劇]
  08/10-15東京芸術劇場アトリウム前 特設テント
   http://www.tact-japan.net/tokyo/lava.html
  おすすめ年齢:6才以上

 [4]『ひつじ』[カナダ/演劇・マイム]
  08/11-15東京芸術劇場ロワー広場
   http://www.tact-japan.net/tokyo/moutons.html
  観覧無料 おすすめ年齢:0歳以上

 [5]『ロビンソン&クルーソー』[デンマーク/演劇]
  08/13-15東京芸術劇場 小ホール2
   http://www.tact-japan.net/tokyo/r&c.html
  おすすめ年齢:8才以上

 [6]『ハンナとハンナ』[日本/英国戯曲の二人芝居]
  08/14-15あうるすぽっと
  ☆出演:三倉茉奈 三倉佳奈
   脚本:ジョン・レタラック 演出:保科耕一  
    http://www.owlspot.jp/performance/100814.html

  ※TACT/FESTIVALのチケット情報はこちら↓をご覧ください。
   http://www.tact-japan.net/tokyo/ticket.html
  基本的におとな2,500円、こども(4~18歳・高校生まで)1,000円です。
  ※おとなは2,500円ではなく2,000円です。お詫びして訂正します(2010/08/07)。

 ★TACT/FESTIVALの他にも、幼児からティーン向けの公演があります。

 《1》とくお組『魔法の公式』※ただいま上演中!
  07/29-08/04赤坂RED/THEATER
  ☆脚本・演出:徳尾浩司
   前売3500円、当日4000円、学割2500円 ※未就学児の入場不可
    http://www.tokuo-gumi.com/next.html
   高校生以下(小学生以上)100名様を無料で招待!
   各ステージ12名前後。お申し込みはこちら↓
    http://www.tokuo-gumi.com/contact.html


 《2》NPO法人アートネットワーク・ジャパン『ピノッキオ』
  08/17-29にしすがも創造舎
  ☆原作:カルロ・コッローディ「ピノッキオの冒険」(岩波少年文庫)
   構成・演出:倉迫康史 音楽監督:棚川寛子
   こども(小学生以下):無料 中高生(中学生~18歳未満):500円
   おとな(18歳以上):1,500円 0歳から入場可/施設内に親子休憩室あり
    http://sozosha.anj.or.jp/natsumatsuri10/index.html
   毎年恒例、激安価格の“子供に見せたい舞台”第4弾です。昨年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0812113216.html


 《3》王子小劇場地域発信プロジェクト『ダミーサークル』
  08/25-29王子小劇場
  ☆出演:北区の中高生
   脚本・演出:中屋敷法仁(柿喰う客)
   全席自由 一般2000円、中高生500円 65歳以上1500円
    http://www.en-geki.com/sakichisai2010/program.html#04
   北区の現役中高生が7日間の稽古を経て5日間の公演を行います。
   中屋敷法仁さんは市民劇の実績↓もあるので成果を見届けたいです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1226000954.html
   「佐藤佐吉演劇祭2010」参加作品です。前夜祭レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0720140719.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆5 【2010年夏~秋は、日本各地で演劇祭まっさかり!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎今年の夏から秋の気になる演劇祭(芸術祭)の情報を集めてみました。
  お近くで行われるフェスティバルを是非チェックしてください!

 ・GREEN55「シアターグリーン学生芸術祭Vol.4」(東京都豊島区)
   http://green55.jp/menu.html
  8/3(火)~9/5(日)

 ・王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2010」(東京都北区)
   http://www.en-geki.com/sakichisai2010/
  8/3(火)~10/13(水)

 ・「したまち演劇祭 in 台東」(東京都台東区)
   http://www.shitamachiengekisai.com/
  8/10(火)~9/20(月・祝)

 ・NPO法人FPAP「福岡・九州地域演劇祭」(福岡県福岡市)
   http://10kinen.info/
  8/20(金)~9/8(水)

 ・SCOT「SCOT Summer Season 2010」(富山県南砺市)
   http://www.jpaf.or.jp/archive_program/25/
  8/21(土)~8/29(日)

 ・「あいちトリエンナーレ2010」(愛知県名古屋市)
   http://aichitriennale.jp/
  8/21(土)~10/31(日)

 ・鳥の劇場「鳥の演劇祭2010」(鳥取県鳥取市)
   http://www.birdtheatre.org/
  9/3(金)~9/26(日)

 ・北九州お手軽劇場「えだみつ演劇フェスティバル2010」(福岡県北九州市)
   http://otegarugekijou.org/irontheater/edafes/index.html
  9/25(土)~11/27(土)

 ・「海峡演劇祭2010」(福岡県北九州市)
   http://www.dramaship.jp/info/index.cfm
  10/16(土)~11/14(日)

 ・「フェスティバル/トーキョー」(東京都豊島区)
   http://www.festival-tokyo.jp/
  10/30(土)~11/28(日)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆6 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎7月10日に劇作家・演出家・小説家のつかこうへいさんが亡くなりました。
  私はつかさん作・演出の『蒲田行進曲』(1999年・シアターコクーン)で
  演劇を観ること(観客であること)の楽しみに目覚めたんです。
  終演しても体がしびれて客席から立てなかった体験は、あの時が初めて。
  つかさん、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
  fringe blog「魂を揺さぶられる追悼文」↓
   http://fringe.jp/blog/archives/2010/07/29011630.html


 ◎芸団協「もっと文化を!」署名募集中!
   http://www.motto-bunka.com/
  「日本の国家予算に占める文化予算の割合を0.1%から0.5%に増額を!
   文化芸術立国を実現するため、請願署名にご協力ください。」
  公式ツイッター:http://twitter.com/mottobunka

  芸団協「劇場法(仮称)ラウンドテーブル」の内容をまとめました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0613225550.html
  合計10エントリーと大量ですが、まずはまとめのページだけでも
  お読みいただけたら幸いです。署名を検討する際のご参考になれば。


 ◎おすすめ舞台中継 on TV

  【NHK BS2】8月7日(土)午前0:45~2:27 (6日深夜)
   ペンギンプルペイルパイルズ『謝罪の罪』
    http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ ↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0401230405.html

  【NHK 教育】8月13日(金)23時00分~25時15分
   パルコ『スティーブン・バーコフ「変身」』
   作:フランツ・カフカ 脚本・演出・音楽・美術:スティーブン・バーコフ
    http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html#drama0813

  【NHK BS2】8月14日(土)午前0:45~3:09 (13日深夜)
   劇団M.O.P.『エンジェル・アイズ』 
    http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ ↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0829233226.html

  【NHK BS2】8月28日(土)午前0:45~2:30 (27日深夜)
  『アプサンス~ある不在~』
   主演:吉行和子
    http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/

  【NHK BShi】8月28日(土)午後10時~午前2時
  【NHK BS2】9月6日(土)午前0時40分~4時40分(5日深夜)
   Studio Life『トーマの心臓』
   原作:萩尾望都
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/ ↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0317105611.html


 ◎劇評サイトwonderlandでもお薦め舞台を紹介しています。
  3人で語る「2010年8月はコレがお薦め!」
   http://www.wonderlands.jp/index.php?itemid=1350


 ◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
   http://takegaki.k-free.net/

  毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
  「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
  私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
  ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2010年7月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「今度は愛妻家」←舞台の映画化。豊川悦司さん、パっと見誰かわからず!
    http://www.kondoha-aisaika.com/
  ・「E.YAZAWA ROCK」←ファン向けですね。
    http://www.rock-yazawa.com/
  ・「真夏の夜の夢 さんかく山のマジルー」
    http://www.natsu-yume.com/
  ・「美代子阿佐ヶ谷気分」←町田マリーさんの脱ぎっぷり素敵。
    http://miyoko-asagaya.com/
  ・「真幸くあらば」←森山直太朗さんの歌が耳に残るのはどうも…。
    http://www.masakiku.com/


 ◎ツイッターやってます!
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  今までは目に、耳にしなかった情報が絶えず届いて超刺激的!
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆7 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
  → http://stage.corich.jp/my_troupe.php?member_id=57
  簡単なプロフィールはこちらです。
  → http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0111000000.html

 ◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
  まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.html

////////////////////////////////////////////////////////////////

 メルマガ 『今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台』
 発行人:高野しのぶ
 しのぶの演劇レビュー:http://www.shinobu-review.jp/
 お問い合わせ:http://www.shinobu-review.jp/contact/

 このメールマガジンは、まぐまぐから配信されています。
 まぐまぐ:http://www.mag2.com/

 Copyright(C)2004-2010 MTR standard corporation. All rights reserved.
 許可無く転載することを禁じます。

////////////////////////////////////////////////////////////////

Posted by shinobu at 00:02 | TrackBack