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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年09月30日

文学座付属演劇研究所研修科発表会『天保十二年のシェイクスピア』09/30文学座アトリエ

 文学座付属演劇研究所研修科発表会のAプロを拝見。

出演(Aプロ)=東正美/川畑智子/渋谷はるか(お里)/尾崎愛(お光・おみつ)/救仁郷将志/中島慶典/寺井文孝/藤側文宏大/中井貴之(きじるしの王次)/稲葉俊一(佐渡の三世次)/田口愛/李千鶴/鈴木亜希子/小石川祐子/新倉優/牧野紗也子/吉野実紗/荘田由紀/高安智美(佐吉の母・おこま婆)/大鹿雄士(おけ屋の佐吉)/高嶋好美(浮舟太夫)/山森大輔/岡崎彩/今国雅彦/宮沼康弘/東正美/桑原良太/藤井悠平/松垣陽子
作=井上ひさし 演出=松本祐子 音楽=熊野大輔 松本英明 ピアノ演奏=大森暢子 箏演奏=松本英明 殺陣指導=渥美博 協力=文学座演出部 美術・舞台監督=乘峯雅寛 照明=中山奈美 片山俊彦 阪口美和 演奏部=所奏 研修科演出部=五戸真理枝(衣裳担当) 酒井良典(道具担当) 多和田真太良(演出助手) 振付=田口愛 殺陣的中心=今国雅彦 歌唱的中心=牧野紗也子 稽古ピアノ=宮沼康弘 イラスト=藤側宏大 筆文字=新倉優 パンフ製作=山森大輔
入場無料・全席自由 ※公演期間は不明。1ステージのみではありません。

Posted by shinobu at 23:19 | TrackBack

2006年09月29日

むっちりみえっぱり『表へどうぞ』09/29-10/02アトリエヘリコプター

 知る人ぞ知る、女の子劇団むっちりみえっぱり前回の衝撃も覚めやらぬ内に、再び五反田に降臨(笑)!過去レビュー⇒

 今回も、ブラックなんだか天然なんだか、絶妙なさじ加減の群像劇(?)を披露してくださいました。チケット代は前売り1500円の五反田団価格(笑)。

 ロビーでは作品にちなんだ(?)、手作りデザートが販売されています(各200円)。劇場内への持ち込みもOKですので、開演までに余裕を持ってご来場されると良いと思います。

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 舞台は、東京都にあるのに“千葉の島”という名前のへんぴな島。そこで暮らす人々の日々の風景・・・といっても、ごく一部分を虫メガネで覗くような感じです。

 女の子たちがぺちゃくちゃおしゃべりする内容が、めっちゃくちゃシュールで面白いです。大笑いするというよりは、観ている方が恥ずかしくなって苦笑することが多いですね。痛烈な皮肉を含んでいるようにも受け取れますので、お好みは分かれるかもしれません。でも・・・相当計算して作ってらっしゃると思います。演技の意図が、すごく狭いところにズバっとはまる気持ちよさがあるんですよね。

 夜な夜な五反田のアトリエでこんな作品を観ていると、なんだか秘密の会合に特別に呼ばれたような、ちょっと鼻高々な気分になりました。観ちゃいけないものを観ちゃったという蜜の味を味わえたような・・・。別に頼まれても呼ばれてもいないんですけど(笑)。
 たぶん私は、完全に日常の喧騒から逃れることができていましたね。資本主義とか合理主義とか論理とかが、全く機能しない空間だったからじゃないかしら(笑)。

 ここからネタバレします。

 ロビーも劇場も南国ムードだったので、てっきり島の話が始まるんだと思ったんですよ。でも・・・あれはディズニーランドの『魅惑のチキ・ルーム』(笑)!! あの、衝撃的につまらなかったアトラクションです。小学生の時に入って、長い時間並んだのにがっかりさせられたのを、ありありと覚えています(笑)。※『魅惑のチキ・ルーム』ファンの方、ごめんなさい。

 というわけで、今回描かれたのはディズニーランドにまつわる出来事でした。「白雪姫」の七人のこびとの被り物を着て踊るダンサーのオーディションとか、エレクトリカル・パレードの真似をした町のフェスティバルとか。へなちょこさと真剣さのバランスが独特なんですよね。
 あと、らっこ飼育場でのらっこ談義や、スーパーで流れる電子音の音楽を撲滅しようとブログを開く話もありました。「ブログ、炎上」でなぜあんなに役者さんが受けたのかは不明。でも確かに笑えるセリフでした。

 もー色々とたまんなく可笑しくて、声出して肩震わせて、大笑いさせていただきました。終演後にチュロス(日替わり味・さつまいも)を購入し、ミニチュア・ディズニーランド気分にもなってみました(笑)。

出演=江川瑠衣/佐藤沙恵/樋口徳子/古谷充子/山本由佳/吉田麻生/望月志津子(五反田団)/齊藤庸介
カフェ=中川幸子 スタッフ=猪川哲一朗/小早川晋/中道智子/本郷華里
前売り:1500円 当日:1700円(全席自由)
公式=http://mucchirimieppari.com/

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Posted by shinobu at 22:25 | TrackBack

【オーディション】青年団の団員募集(2年に1度)

 平田オリザさんの劇団、青年団入団説明会が開催されます。

 ・募集人員:若干名(募集は2年に一度)
 ・対象:俳優・演出家・美術スタッフ・制作スタッフ等
 ・開催日時:
   2007年2月17日(土)19:00~
         18日(日)14:00~
         19日(月)19:00~
  ※説明会は各回とも同じ内容。予約不要。

 ・応募資格:平田オリザの演出作品を観ていること(ビデオ不可)
        年齢・国籍不問
 ・入団試験:2007年2月19日(月)~24日(土)を予定(昼夜選択制)

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Posted by shinobu at 14:57 | TrackBack

2006年09月28日

新国立劇場演劇『アジアの女』09/28-10/15新国立劇場小劇場

 阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史さんが新国立劇場に初登場。期待に胸を思いっきり膨らませて初日に伺いました。
 素晴らしかった・・・・。じわり、じわりと感動が胸にこみあげて、幕が下りてからしばらく動きたくなかったです。

 全日程で追加席が販売されています!
 ⇒チケット情報
 ⇒お問い合わせ ボックスオフィス 03-5352-9999
 ⇒長塚さんのインタビュー(asahi.com)

 レビュー⇒踊る芝居好きのダメ人間日記charisの美学日誌

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 レビューを最後までアップしました(2006/10/03)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 近未来の東京。震災に見舞われ都市機能は麻痺し、人々は混乱している
 街の片隅でひっそりと暮らす兄妹がいた
 妹(富田靖子)は震災前に精神を病んでいたが、今は落ちつきを取り戻し
 兄(近藤芳正)の面倒をみながら暮らしている
 そこへあるひとりの男(岩松了)が訪れ、3人の新しい生活が始まる
 多くのものを失ったあと、人間はどこに向かっていくのか……
 ≪ここまで≫

 舞台は震災で廃墟になった町外れの立ち入り禁止区域です。殺伐とした風景の中、かみあわない会話が交わされ始めます。
 決して大げさにならず、押し付けず、静かに、淡々と登場人物の心が紡がれていきました。言葉すくなに時間は経過して、一見何事も起こってなさそうに装いながら、実は刻々と生活は変化し、目に見えないところで続々と事件も起こっています。

 ストーリーを追うような気持ちには全くならず、一人一人の仕草や行動、対話をそのままに味わいました。観客一人一人が自由に、感じたままに受け止めて、噛み締めれば良いのだと思います。それくらい余裕(余白)のある、大人のお芝居でした。

 最後に示されたカタストロフィと小さな奇跡に、この世界、そして人間存在そのものに対する深い憂いと愛情が表されたように感じ、私はその優しさを全身に浴びて、震えて、涙しました。
 長塚さんは1975年生まれの31歳、団塊の世代ジュニアなんですね。私、同世代、です・・・あぁ、すごい人がいるっ!! お話の内容にも、長塚さんご自身にも、勇気付けられました。

 ここから先はネタバレのレビューを書くのが通常なのですが・・・ここまで書きながら、舞台を思い出して再体験しては、涙がぽろぽろ流れる状態なので、書けるかどうか自信がありません(汗)。

 ・・・・なんとか書き上げました(2006/10/03)。私が受け取ったこと、そして考えたことです。超~長文です。

 客席が舞台を2方向から挟みます。ステージの形状はこんな風。ロビーから劇場に入ると正面奥に通路が見える位置関係です。私は通常客席がある方の席で、ほぼ最後列でした。舞台全体が見渡せて良かったです。中央ステージには上手と下手にくずれかけた家があり、(私から見て)上手側が兄妹の住居なのですが、崩壊して2階部分が地面に落ちており、1階は完全にぺしゃんこになっています。装置はすっごくリアルに造作されていますが、劇場奥へとまっすぐ伸びる通路は直線で、現実世界と異界とをつなぐ能舞台の橋掛かりのようにも見えます。
 音楽はノイズなのか音楽なのかわからないぐらいのミクスチャーで、めちゃくちゃかっこ良かったです。

 「不幸な生活の中にも小さな幸せはあるよね」というような、殺伐とした日常生活の中に人間性を見出すタイプの作品ではありません。命も未来もなくなった荒廃した地平に、人間の希望の光を表出させることに成功した、奇跡的な作品です。

 妹の麻希子(富田靖子)は近所でも有名な精神異常者でした。兄の晃朗(近藤芳正)は妹の世話をするために編集者の仕事を辞めました。地震の後、麻希子は既に死んで地下に埋まっている父親の食事の用意をしたり、芽が出るはずのないコンクリートの地面に畑をつくって、毎日水をやったりしています。
 次の余震が来たら、すぐ近くにある大きなビルが確実に倒れてくるので、兄妹の家は立ち入り禁止区域になっています。でも父親と畑の世話をすることで妹の精神状態が安定していることに気づいている晃朗は、そのまま動かないことを選びました。

 実は晃朗はアル中で、毎日何もせずに飲んでばかり。言ってることが明らかに矛盾したり、穴の中から父親の手が出てくる幻を見たりするので、晃朗自身も正常とは言えません。
 晃朗について特に尋常でないことには、彼は通路を通ることができないのです。どうしても途中で足がすくんでしまい、家の外へ出て行くことができません。「出て行ったら、もう俺は戻らないかもしれない。(妹を捨てて)帰ってこないかもしれない自分が怖い」と晃朗は言います(セリフは正確ではありません)。

 兄妹の家にはほぼ毎日、警察官(菅原永ニ)が配給物資を届けにやってきます。彼は麻希子に恋をしているので、水が入った重たいタンクを運んであげたり、兄に酒を差し入れしたりもします。非常時下の警察権力の強さを利用してワイロを贈っているのですから、立派な犯罪です。警察官と兄妹との関係に人間の欲深さと弱さ、そして可愛らしさが見えて、矛盾だらけの人間社会がその場に表されていました。

 突然に訪ねてきた男・一ノ瀬(岩松了)は晃朗がむかし担当していた小説家で、親の七光りで本を出したりしたものの、実は事実の羅列しか書く事のできない、物書きの才能がない男でした。一ノ瀬は自分に小説が書けないのを晃朗が編集を降りたせいだとし、「竹内(晃朗)に貸しがある」と言い続けます。兄思いの麻希子は、晃朗の代わりに一之瀬のために尽くそうと決心して、一之瀬がつぶやいた「タバコとチョコレートが欲しい」という一言のために街へと飛び出しました。そこから、兄妹たちは外の世界とつながることになります。

 麻希子は街で出会った鳥居という女(峯村リエ)に仲介され、“ボランティア”と称して通いの売春婦になります。“奉仕”の代償としてピンク色の配給引換券を受け取り、三人の生活はだんだん豊かになりました。晃朗は何もせずに酒を飲むだけ、一ノ瀬は小説を書く真似をするばかり。食べるために体を売る麻希子との差が目に見えてきます。

 困窮した避難生活が続く街では、中国人、韓国人、朝鮮人ら外国人を排斥、差別する事件が起こり始めました。鳥居が自分の縄張りを守るために、外国人について根も葉もない悪意ある噂を触れ回ったことが、さらりと示されます(「中国人が配給の品物を闇市で高値で売っていたらしい」「強盗は中国語をしゃべっていたはずだ」など)。麻希子はそんな鳥居に対して徐々に反発するようになり、仕事をズル休みしがちになります。というのも、彼女がある中国人のことを愛し始めてしまったからでした。

 資本主義社会の論理にもとづいて合理的に生きるならば、働いてお金(配給の引換券)を儲けることは理にかなっており、生き延びるために必要不可欠なことです。でも、自分の良心に蓋をして、利益を得るためなら他人を陥れることもいとわない鳥居のような人間よりも、自堕落な日々をむさぼっている晃朗や一之瀬、一人よがりな愛に没頭する麻希子の方が、勇気があって、美しいように見えてきました。

 一之瀬はしばしば、自分の頭上にたかってくるハエを避ける動作をします。でも実際のところハエは存在せず、彼だけが見ている幻なのです。彼が自分のことをハエのような存在(他者の創作物にむらがる虫けら)だと思っているからなんですね。
 ある日、警察官の愛読書である官能小説をそのまま書き写したことがバレて、警察官に思い切りののしられた時も、一之瀬はハエの幻を見ます。一之瀬の悲しみ・苦しみが身に沁みてわかる麻希子は、警察官を怒鳴りつけて追い出し、一之瀬と一緒に実際には存在しないハエを追い払いはじめました。晃朗も後から加勢して三人で見えないハエを追いかけます。このシーンで涙が溢れました。心を合わせた彼らには、存在しないハエが見えていたのです。あの時から小説家は孤独ではなくなりました。

 鳥居と麻希子との関係に取り返しのつかない亀裂が入り始めた頃、麻希子は好きな人ができたこと、その人が中国人であることを晃朗に告白します。妹の変化に気づいていた晃朗は、「嫌なら仕事なんて辞めてもいい、中国人のところへ行けよ」と麻希子に応えます。麻希子が嬉しそうに、胸を張って街へと出かけて行った後、晃朗は、父親が埋まっている(ことになっている)穴に、木の板を打ち付けて蓋をしました。妹の精神はもう病んではおらず、彼女が他者を愛し、自分の意志をしっかり持って行動することができるようになったからです。
 静かに淡々と、変わりなく続きそうだった物語に、何かが起こる気配が立ち込めてきました。

 麻希子に励まされ、晃朗に助けてもらいながら、一之瀬ははじめて自分で物語を思いつくことができました。
 「ひとりの女が畑に手紙を埋めた。それは地面へのラブレター。女が一生懸命に水をやったので、ラブレターは地球に届いた。手紙をもらうなんて生まれて初めてのことで、地球はものすごく嬉しかった。だからその女のために、野菜でも何でもかんでも、全部生やしてやろうと決めたが・・・。」

 晃朗が見守るなか、一之瀬は喜びに溢れて執筆を始めます。そこに警察官が、麻希子の身に何かが起こったことを伝えにやってきました(おそらく中国人と日本人の抗争に巻き込まれて死亡)。麻希子のことを愛していた警察官は、ショックのあまり通路の中腹で泣き崩れます。一之瀬は何も耳に入れず、ただただ執筆を続けます。晃朗は一歩踏み出し、警察官がいる通路へと近づきました。晃朗は妹の自立(=死)によって解放され、自分の足で外の世界へと歩み始めたのです。通路でうずくまる警察官の横を過ぎて、とうとう晃朗は超えられなかった境界を越えた!・・・と、そこに再び地震が起こりました。

 恐ろしい地響きがだんだんと大きく鳴り響き、舞台が徐々に暗くなる中、一之瀬は書き、警察官は嘆き、晃朗は前へと歩みを進めます。私は阪神淡路大震災のことを思い出し、肩をすくめて頭を伏せて、その恐ろしい音を浴びました。その長い、長い暗転の後、音もおさまってきて、ゆっくりと明転すると・・・小さな白い花が地面にたくさん咲いています。コンクリートの畑からは緑の芽が、所狭しと生え揃っています。人は誰も居ません。廃墟の花畑が白く、明るく光る静けさのまま、終幕でした。カーテンコールはありませんでしたが、客席からは大きな拍手が起こりました。

 突然に現われた花たちは、一之瀬の物語にあるとおり、地球の気持ちが花となって生えてきたのかもしれません。また、ストーリーとの具体的な関係はなく、人類の希望の象徴として花を表出させたと受け取ってもいいと思います。
 私は奇跡が起こって実際に花が咲いたとは思いませんでした。だって、二度目の地震で白い大きなビルが倒れ、兄妹の家もアパートも全てがなぎ倒されて、そこに居た彼らも押しつぶされてしまったはずだから。目の前に突然、死の匂いに満ちたガレキの山がそびえ立ったはずだから。だから、地面から生まれた小さな命たちは、あの廃墟に暮らしていた人間そのものを象徴したものだろうと思いました。

 麻希子、晃朗、一之瀬は、命がいつ亡くなってもおかしくない極限状態にありました。生き返らない父親、生えてこない芽の世話をして、命を狙われた異国の男を無償の愛で守ろうとした女。病んだ妹の面倒を看ながら、実は自分自身こそが彼女に依存しているのだという自己矛盾と戦い続けた兄。本当は書けないのに、一心不乱にただ「書く」ことを欲した小説家。全員、自分の命が動物的な意味で持続するための努力はしていません。彼らは命を顧みずに、自らがすべきだと信じたことを実行したのです。これこそが人間であり、人間が人間たる所以なのではないでしょうか。
 またあの花たちは、悲しくなるほどに人間を憂いて愛する、長塚さんの心が表れたものでもあると思います。

 ※観ている時から感じていたのですが、この戯曲は抽象舞台での風変わりな演出にも合うのではないかと思いました。全く違うキャスト、演出での再演にも期待したいです。
 ※「最後に舞台に出てきたのは、花ではなく葉(芽)だった」という情報をいただきました。私の座った席が最後列だったので、花に見えたのかもしれません(2006/10/10加筆)。

出演=富田靖子/近藤芳正/菅原永二/峯村リエ/岩松了
作・演出=長塚圭史 美術=二村周作 照明=小川幾雄 音響=加藤温 衣裳=宮本まさ江 ヘアメイク=綿貫尚美 演出助手=長町多寿子 舞台監督=矢野森一
一般発売日7月16日(日)A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円 当日学生券=50%割引
※追加公演10月7日(土)18:00開演&10月14日(土)18:00開演 チケット発売日:9月3日(日)10:00~
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000146.html

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Posted by shinobu at 23:04 | TrackBack

渡辺源四郎商店『背中から40分』09/24-10/04こまばアゴラ劇場

 渡辺源四郎商店は畑澤聖悟さんが作・演出されるプロデュース・ユニットです。畑澤さんの作品を観るのはこれで3度目(過去レビュー⇒ 両方途中です・・・ごめんなさい)。今回も笑って泣いて・・・やっぱり大当たりでした!大人にお薦めしたい約1時間35分。

 東京公演の後、青森、北九州への旅公演があります。どうぞお見逃しなく♪
 王子小劇場では今年の12月から来年1月にかけて、畑澤さんの作品が3作連続上演される“王子トリビュート001 畑澤聖悟”という企画もあります。

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 レビューは途中までアップしています。

 ≪あらすじ≫
 東北地方のあるホテルに、サラリーマンらしき宿泊客(山内健司)が到着した。男は誰かと待ち合わせしているようだ。相手が来るまでの間、男はルームサービスやマッサージを注文する。さんざん待たされてからやってきたマッサージ師の女(森内美由紀)は、どうやらワケありのようで・・・。
 ≪ここまで≫

 こだわりと工夫が存分に凝らされた会話のキャッチボールに大笑いし、少しずつ明かされていく宿泊客とマッサージ師の境遇に胸を詰まらせ、マッサージから香りたつように生じるエロスに恍惚を覚えました。人の心の機微を大切に、真正面から描いたお芝居だったと思います。

 ここからネタバレします。レビューは後ほどアップ予定。

≪東京、青森、北九州≫
出演=森内美由紀/山内健司(青年団)/工藤由佳子/※高坂明生/※佐藤良洋(東京倶楽部) ※ダブルキャスト 私が拝見したのは佐藤良洋さん
作・演出=畑澤聖悟 舞台美術=杉山至 音響=藤平美保子 照明=葛西大志 プロデュース=佐藤誠 制作=藤本一喜 制作助手=菊池恵子 野宮千尋 ドラマターグ・演出補=工藤千夏 装置=劇場拠点創造プロジェクト参加メンバー 宣伝美術=京 宣伝写真=田中流 企画・制作=渡辺源四郎商店/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
チケット発売日 8月1日(火) 前売券=一般3,000円/学生2,000円/高校生以下1,000円 当日券=一般3,300円/学生2,300円/高校生以下1,300円
公式=http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_9/nabegen.html
渡辺源四郎商店=http://xbb.jp/wgs

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Posted by shinobu at 04:16 | TrackBack

2006年09月27日

【書籍】講談社『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』

 朝日新聞の朝刊(2006年9月26日)の文化面に、井上ひさしさんのインタビューが載っていました(記者:加藤修)。こんな絵本が出版されていたんですね。

 子どもにつたえる井上ひさし版九条
 「どんなもめごとも ことばの力をつくせばしずまる」

 著者:井上ひさし/絵:いわさきちひろ
 定価:1,000円(税込)
 【付録】日本国憲法全文
 ⇒講談社サイト内の公式ページ

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Posted by shinobu at 16:21 | TrackBack

2006年09月26日

つかこうへいゴールデンシアター『蒲田行進曲~城崎非情編~』09/12-27青山劇場

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『蒲田行進曲』エントランス看板

 つかこうへいさんが作・演出する7年ぶりの『蒲田行進曲』。私が観劇に目覚めた作品です(⇒プロフィール参照)。あまり大げさな期待を持たないよう心がけて伺いました。
 ・・・やっぱり私、この作品が好きなんですね~♪ 銀ちゃん、ヤス、小夏っていう人物にハマっているのです。

 上演時間は休憩なしの約2時間45分・・・長すぎです(笑)。途中、少しつらいな~と思ったところもありましたが、終盤はかなり盛り上がって、つか版『蒲田~』の世界を堪能して家路につきました。

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 ≪蒲田行進曲について≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。 詳しいあらすじはこちら
 つかこうへい20世紀の名作『蒲田行進曲』が復活!
 映画スターの銀ちゃん(錦織一清)と大部屋俳優ヤス(風間俊介)が、撮影中の「新撰組」でのクライマックスシーン「階段落ち」をめぐって、互いを求め合い、激しく傷つけ合う、今や知らない人のいない人間ドラマ『蒲田行進曲』。つかこうへいの代表作『蒲田行進曲』の初演は1980年、新宿紀伊國屋ホールにて上演。絶大な支持を得たこの作品はその後小説化され、つかは1982年第86回直木賞を受賞、また同年映画化もされ、同年の日本アカデミー賞の作品賞、主演男優賞(平田満)、主演女優賞(松坂慶子)、助演男優賞(風間杜夫)、監督賞(深作欣二)、新人俳優賞(平田満)の6部門のほか、数々の映画賞を独占した昭和屈指の名作。
 ≪ここまで≫

 つかこうへいさんは公演の都度、脚本を変更されます。大筋は同じなのですが設定やエピソードが変わったり加わったりするんですよね。今回も然り。でも私はもうストーリーとかあんまり気にならないですね。だってどう考えても唐突過ぎるし、筋が通ってるとは思えないんだもの(笑)。
 人間なんて、勝手でがむしゃらで無鉄砲で矛盾だらけで、「今、この一瞬だけの、本気の感情」が瞬時に正反対の方向に行ったり来たりするものなんですよね。つかさんの演出は、それをありのままに信じて、がっちり受け入れてしまえ!って思わせてくれるのです。むしろ、むりやり押し付けられてるとも言えるんですけどね(笑)。それも大きな愛情だと私は感じています。
 
 私は「銀ちゃん、かっこいい!」っていうヤスのセリフを聞くだけで、泣きそうになるトですよ・・・。ただのフリークなのかもしれません(笑)。

 ここからネタバレします。

 オープニングからタキシードに日本刀でダンス、しかもBGMは少年隊の『仮面舞踏会』ですから。思いっきりマイクで歌いますから。もー・・・笑うしかない!可笑しいよ、コレ!!最高に楽しかった(笑)。『君だけに』もやっぱり出てきてくれて嬉しかったですね。
 そうそう、ラストも白いジャケットのタキシード姿でダンスですよ、もーコレですよ、コレ!お約束だろうが何だろうが、かっこいーもんはかっこいーっ!実は紅一点なのって、卵子と精子みたいだな(あ、今回は女優さんが3人出演されていたようです)。
 つか作品ではなぜか必ず男の人が裸になるんですが、私はすっごく苦手です。でももうそんなこと忘れちゃいましたね、“階段落ち”がしっかりと最後を飾ってくれたので。

 つか作品というと最近は豪華キャストで青山劇場、という印象も強くなってきました。できれば地味な演出の会話劇として味わってみたいですね。新劇の劇団でやってもらえないかな~。

 錦織一清さん。大人の男のエッチな魅力も感じられました。やっぱりバチッと静止する動きがかっこいい。ただ、セリフが坦々と同じリズムになりがちなのはもったいないと思いました。
 風間俊介さん。お若いのに大役。ジャニーズ事務所の男の子はこうやって鍛えられていくんだなーとしみじみ。草なぎさんには及ばなかったけれど、最後はしっかり魅せてくださいました。お顔がパク・ソヒさんに似てるなーと思ったのは私だけ?
 黒谷友香さん。背が高くてスタイルいいんでしょうね~。つか作品には何度か出演されているようですが、演技は・・・あんまりでした。
 佐藤アツヒロさん。感情も体もコロコロとスピーディに変化!面白かった~。『犬夜叉』初演を思い出しました。

≪東京、大阪≫
出演=錦織一清/黒谷友香/風間俊介/赤塚篤紀/三浦祐介/吉田学/とめ貴志/代田正彦/小川智之/北田理道/杉山圭一/松本有樹純/田島潤/大石敦士/久保田創/倉本光/渡辺慶人/栗林真弓/尋由帆/二橋進/小倉敏博/佐藤アツヒロ
作・演出=つかこうへい 音楽=からさき昌一 照明=酒井明/松林克明 音響=山本能久 衣裳=菊田光次郎 振付=古賀豊 所作指導=花柳鶴寿賀 アクション指導=ニ橋進 特殊効果=大曽根真/南義明 演出助手=森和貴 舞台監督=原田謙ニ 宣伝美術=永瀬祐一 宣伝写真=西村淳 票券=西川悦代 制作助手=荒川由紀/岡野節子/佐々木康志 制作=岩間多佳子/伊藤達哉 製作=菅野重郎 主催=アール・ユー・ピー(RUP)/関西テレビ放送(大阪公演) ※演出を予定していた岡村俊一が体調不良のため、演出にはつかこうへい氏があたります。
一般前売発売 8月8日(火) S席 9,500円 A席 8,500円
公式=http://www.kamata2006.net/

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Posted by shinobu at 23:56 | TrackBack

ヨーロッパ企画『ブルーバーズ・ブリーダーズ』09/22-10/01ザ・スズナリ

 テレビや映画などでも活躍しているヨーロッパ企画の新作ツアーです。全国7ヵ所をまわってくれるんですね。
 東京公演の前売券は完売ですが、当日券は毎回販売されます(開演の1時間前より劇場入口にて)。上演時間は約1時間10分。

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 ≪あらすじ≫
 “青い鳥”が大ブームの日本。ある広告会社が捕獲チームを編成し、青い鳥が生息するといわれる山に、勇んで乗り込むが・・・。
 ≪ここまで≫

 「青い鳥」はメーテルリンク作の戯曲なんですね。チルチルとミチルという兄妹が、青い鳥を探して旅をするけれど全く見つからず、あきらめて帰ってきたら家にいた!・・・という。検索してみると色んな本が出ているみたい(⇒)。読みたくなりました。

 ヨーロッパ企画ならではのドタバタにイライラしたりムカムカしたり(笑)。観ていてけっこう緊張しどおしだったので、1時間10分で終わったのはとても親切だなーと思いました。
 舞台上にいる役者さん全員が、いっせいに動いている状態が続きます。始終わいわいガヤガヤなんですね。落ち着いて静止する時間がもっと必要なんじゃないかと思いました。アハッと笑えるところもあったんですが、もっともっと笑いたかったな~。

 ヨーロッパ企画の女優さんは可愛い人が多いですね。肌も白くてすべすべ(っぽい)。
 多くの役者さんが作品の部分を構成する要素でしかないのは、もったいない気がします。もっと存在感を主張する役者さんが、たくさん出てきて欲しいなとも思いました。

 ここからネタバレします。

 社長の悪口を言うスーツの男(中川晴樹)と、社長の銅像の話をしている部長ら(諏訪雅&石田剛太)の会話が重なるところは、計算して作られているのがわかっているのに笑えました。
 ポカリスエットの缶を青い鳥と間違えて探知してしまうのも可笑しかった。
 “ファンタジーの扉”を開けてしまって、城が出てくるのもおバカで良かったです。

≪京都、東京、福岡、札幌、大阪、米原、福山≫
出演=石田剛太/酒井善史/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/松田暢子/山脇唯/冨永茜/大歳倫弘/松田直樹
作・演出:上田誠 美術:酒井善史 照明:松谷將弘 音響:上田誠・井上能之 舞台監督:水波流 演出助手:柳原暁子・松田直樹 文芸助手:松田暢子・大歳倫弘 宣伝美術:坂井奈穂 制作:井神拓也・諏訪雅・本多力・吉田和睦・吉永祐子 運送:ステージアーツ 協力:REENAL by Resona Bank,リッジクリエイティブ株式会社 企画・製作:ヨーロッパ企画/株式会社オポス
発売7月22日(土) 前売3,000円 当日3,300円(椅子席・ベンチ席)[全席指定]※未就学児入場不可
公式=http://www.europe-kikaku.com/

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Posted by shinobu at 16:47 | TrackBack

2006年09月24日

世田谷パブリックシアター・プロデュース『エンドゲーム Endgame / Fin de partie』09/22-10/01シアタートラム

 サミュエル・ベケット生誕100年ということで、この秋はベケット作品の企画が目白押しなんですね。私がちゃんとベケット作品を観たのは『ゴドーを待ちながら』ぐらいです(学生時代に授業で演じたことはあるんですが・笑)。世田谷パブリックシアターがプロデュースする豪華キャスト公演なので伺いました。
 うーん・・・・立見まで出る大盛況の2時間でしたが、私はほとんど寝ちゃってましたね、スミマセン。
 ⇒当日券情報

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 美術がかっこ良かったですね~、オープニングの演出も渋い!でも、良かったのはそれだけでした・・・。
 笑いがいっぱい起きてましたけど・・・『エンドゲーム』自体ではなく、手塚とおるさんと柄本明さんの掛け合いが面白いから、でした。そういう楽しみ方を否定する気持ちはありませんが、私はそれだけでは不満なんですよね。

 ここからネタバレします。

 舞台は黒幕によって隠されていました。幕の上に”Samuel Beckett Endgame / Fin de partie”という白い文字が映写されています。ドアが閉まる(開く)音が鳴ったのを合図に、文字だけが上へと移動していき、それから黒幕が開いて舞台があらわになります。これがカッコイイ!目の前に現れた空間は、灰色ののっぺらぼうな壁に包み込まれたガランとした部屋。壁と壁の間には隙間がわざと空けられて、そこから細い光が差し込みます。上手前にドア、上下両側の壁のかなり上方に、小さな、小さな窓がポコリと埋め込まれており、木製の古びた脚立でその窓を開け閉めする動作に味わいがあります。ステージ床の上手の壁と接している部分が、透明のアクリル製になっているのもおしゃれ。

 柄本明さん(クロヴ)が、殺虫剤の粉を思いっきり手塚とおるさん(ハム)の顔に吹きかけたり、それを今度は自分のはいているズボンの中で大量に吹き出したり。これはドリフみたいな笑いでしたね。そういうネタを楽しむのは良いと思います。でもその方向性ばかりが目立っているのは、私には退屈でした。また、いわゆる良いセリフをわざと下手な(下手に見せかけた)棒読みにするのって、単にもったいないと思いました。

 佐藤信さんとは相性が会わないのかもしれません。(過去公演の情報&レビュー⇒2000年3月の『ロベルト・ズッコ』、

生誕100年記念「ベケットの秋 in 世田谷」
出演=手塚とおる(ハム)/柄本明(クロヴ)/三谷昇(ナッグ)/渡辺美佐子(ネル)
作=サミュエル・ベケット 翻訳=岡室美奈子 演出・美術=佐藤信 照明=黒尾芳昭((株)アザー) 衣裳=今村あずさ(SING KEN KEN) 演出助手=鈴木章友 技術監督=熊谷明人 舞台監督=森下紀彦 舞台監督助手=橋本加奈子(SING KEN KEN)/山松弓子 照明捜査=山崎哲也 音響協力=島猛((株)ステージオフィス) 小道具デザイン・製作=福田秋雄(ゼペット) ヘアメイク=川口博史((有)奥松かつら) 著作権代理=(有)フランス著作権事務所 法務アドバイザー=福井健策 宣伝美術=有山達也(アリヤマデザインストア) 宣伝写真=白鳥真太郎 スタイリスト=木村厚志 ヘアメイク=長谷泰雄((株)メーキャップルーム) 営業=清水言一 広報=森直子/森田悠記子/西原栄 票券=金子久美子(ぷれいす) インターン=宮武奈央 制作助手=松谷章代 制作進行=橋井洋子 制作=矢作勝義 主催=財団法人せたがや文化財団 企画制作=世田谷パブリックシアター
前売開始8月20日(日)~ 全席指定 一般5,500円、TSSS(学生席)2,750円(要事前登録。枚数限定) SePT倶楽部会員割引5,000円 世田谷区民割引5,200円
公式=http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/
公式ブログ=http://setagaya-ac.or.jp/endgame/

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Posted by shinobu at 19:08 | TrackBack

2006年09月23日

(株)ドラマクリオ『溺れる花嫁』09/23-24紀尾井小ホール

 チラシにひとめぼれしてすぐに予約したドラマ・リーディング公演です。『溺れる花嫁』を翻訳された名和由理さんご自身がプロデュースされています(⇒名和さんのインタビュー)、次期新国立劇場芸術監督の鵜山仁さんがリーディングを初演出。そして豪華キャストです。

 紀尾井ホール(小ホールは5階)には初めて伺ったのですが、ゴージャスでお上品!!もー気分はセレブでしたよ(笑)、おしゃれして行った甲斐がありましたっ。

 きれいなパンフレットが無料で配布されます。開演前にあらすじや舞台背景をしっかり頭に入れておかれると良いと思います。ものすごい戯曲でした・・・舞台化されて欲しいです。

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 レビューをアップしました(2006/09/24)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 1940年代。第二次世界大戦中、ナチス支配下のラトビアで起きた実話に基づく物語。ナチス将校ブラント(今井朋彦)のもとで工作員をしていたヴァルディス(坂口芳貞)と、献身的な妻サルミーテ(紺野美紗子)。ブラントに徹底的に利用され、極限状態にまで追いつめられた若い夫婦が、互いに相手の命を守ろうとして最後に選んだ自己犠牲の道は、結局二人を破滅させ、一族の歴史をも変えてしまった・・・・
 ≪ここまで≫

 朗読といっても簡単な装置はありますし、役者さんは座りっぱなしではなく、かなり動きます。セリフを暗記して話すことも多々ありました。
 前半は残念ながら眠気に勝てず・・・。公式サイトの見どころにありますように、“豪華キャストがそれぞれ一人二役を演じる”ことに馴染むまでが一苦労でした。でも後半では、おおまかな設定や人物の性格がわかっていたので、お芝居を楽しむ姿勢でじっくり戯曲を味わうことができました。恐ろしい話だった・・・最後は感動して泣いちゃいました。

 オーストラリアでの初演が2005年6月で、舞台となったラトビアではまだ上演されていません。日本ではもちろん今回が初演です。海外の新作戯曲の紹介という意義はとても大きいと思いますが、朗読スタイルであったことは上手く機能したとは思えませんでした。ぜひぜひ本格的に舞台化してもらいたいです。

 ここからネタバレします。

 セリフだけを読んで、ト書きを読まない演出でした。役者さんは一人二役、そして時代も国も超えた世界を行き来します(1944年のラトビアと1996年の米・ピッツバーグ。そしてまれに1996年のオーストラリア)。観客はかなりがんばって想像力を駆使しないかぎり、普通の舞台を観るように戯曲を理解するのは困難だったと思います。想像力をかきたてる演出は望ましいですが、想像力の発動を強いるのはリスクが高いと思います。
 また、台本を持ったままセリフを語るという朗読スタイルでありながら、普通の演技もするので、中途半端な印象が先に立ってしまいました。「朗読してますよ」と観客にアピールする姿勢を保ちつつ、言葉だけで意味、感情を伝えることにも尽力するという特殊な演技状態が、ドラマ・リーディングの醍醐味だと私は思っているので、演出方法としては残念な結果でした。

 しかしながら、戯曲の素晴らしさは最後の最後に身に沁みてわかりました。ナチスのユダヤ人虐殺に加担したことに対する罪の意識や、極限の愛憎が入り組んだ残酷な夫婦関係など、あらがうことができなかった運命とそれに翻弄されて命の意味を見出せなくなった人間の姿を見せ付けられ、胸にぐさりと重たい傷みが残りました。しかしながら結末には、時(世代)を超えて、肉体の束縛をも超えて、許しと希望が示されます。

 終盤のヴァルディスからエレナへの言葉です(セリフは完全に正確ではありません)。
 「自分に問いかけろ。」
 「自分を一番批評できるのは自分自身だと。」
 「前に進みなさい、エレーナ。」
 「お前が自分を許せるまで、それはとまらない。」

 ストーリーを説明するにはあまりに込み入っているので、断念(涙)。ぜひ舞台化を!

出演=エレン/サルミーテ:紺野美紗子 ヴァルディス:坂口芳貞(文学座) マット/ブラント:今井朋彦(文学座) ゼンタ/イルマ:高橋かおり
脚本=マイケル・フッチャー&ヘレン・ハワード 翻訳=名和由理 演出=鵜山仁 美術=乗峯雅寛 照明=金英秀 音響=秦大介 衣裳=中村洋一 演出助手=森さゆ里 制作=大場朋子 企画・製作・主催=(株)ドラマクリオ イラスト=カンバラクニエ 日豪交流年公式事業 ドラマチック・オーストラリア参加作品
全席指定4,800円(プログラム付)
公式=http://www.dramacrio.jp/
チラシのイラストを描いたデザイナー、カンバラクニエさんのサイト=http://www.kuniekai.com/

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Posted by shinobu at 23:49 | TrackBack

パラドックス定数『38℃』09/22-24渋谷space EDGE

 野木萌葱さんが作・演出されるパラドックス定数(過去レビュー⇒)。初日は小劇場演劇フリークが集結するプレミア・ナイトでした!知る人ぞ知る演劇通の観客が勢ぞろい。やっぱり話題の劇団の初日はこうなるんですね~♪

 男たちの話術によるクレバー&クールな戦い、堪能いたしました。今回はけっこう自由に笑えましたね。主宰の野木さんの独自の世界を打ち出すことはもとより、カンパニーとしての豊かさも出てきているように思います。

 何を書いてもネタバレになる恐れがありますので、軽はずみなことを書かないように導入部分はここまでにします。
 残す公演日は23日(土)と24(日)のみ。ご都合のつく方は秘密の倉庫のような集会室へ、ぜひお運び下さい♪

 ⇒cinra vol.10に野木萌葱さんのインタビューあり

出演=植村宏司/杉田健治/西原誠吾/井内勇希/大塚秀記/小野ゆたか/中田顕史郎(ネタバレ)
作・演出=野木萌葱 照明=木藤歩 舞台監督=渡辺陽一・秋尾雄輝 宣伝美術=山菜春菜 写真=渡辺竜太 Website=手塚俊輔 WebCN=JAPSCRAPS/メグジョ/富永淳 制作=パラドックス定数研究所
前売り=2500円 当日3000円 日時指定・全席自由 途中入場はできません。
公式=http://www.paradoxconstant.com/labo/

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Posted by shinobu at 02:28 | TrackBack

2006年09月22日

【情報】オーストラリア国立演劇学院“NIDA(ナイーダ)”のワークショップ&レクチャー

 「メル・ギブソンやケイト・ブランシェットをはじめ、ハリウッドや舞台の世界の第一線で活躍中の役者を多数輩出しているオーストラリア国立演劇学院“NIDA” 」の校長オーブリー・メロー氏らが来日中です。2006年日豪交流年の企画なんですね。
 私は情報GETが遅かったため全く参加できないのですが(涙)、面白いらしいです。ご興味ある方はぜひ。

 【世界をリードする演劇学校 NIDA
 講師: Aubrey Mellor(オーブリー・メロー)
 日時: 2006年9月26日(火) 18:30~20:30
 会場: 早稲田大学 小野記念講堂

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Posted by shinobu at 10:29 | TrackBack

2006年09月21日

【情報】劇団、本谷有希子『遭難、』の追加席・追加公演は、9/23(土)10時発売開始!

 メルマガ9月号のお薦め芝居の前売情報でもお伝えしておりました、劇団、本谷有希子『遭難、』10/12-19青山円形劇場の、追加席・追加公演が決定しました。即日完売だったんですよね。

 9/23(土)10時より発売開始です。

 ⇒公式サイト
 ⇒公式ブログ「追加公演&追加席発売が決定しました!
 ⇒本谷有希子さんと松永玲子さんの特別ロングインタビュー

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Posted by shinobu at 20:10 | TrackBack

Studio Life『夏の夜の夢』09/07-10/01シアターサンモール

 男優集団Studio Life(スタジオ・ライフ)。私は2000年の『DRACULA(ドラキュラ)』から拝見しています。まあ、いわゆるファンですね、率直に言って(笑)。初めてのシェイクスピアということで、期待半分、不安半分で伺いました。

 私は奥田努さん、曽世海児さん目当てでYippee!チームを拝見。なんとチラシのメインビジュアルになっている小野健太郎さんが怪我のため降板し、パック役はWow!チームの倉本徹さんでした。早く治っていただきたいですね。
 上演時間はたっぷり3時間5分(途中休憩10分を含む)。開演前と休憩時間の女性トイレは長蛇の列になります。

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 『夏の夜の夢』のあらすじはWikipediaでどうぞ。

 劇団サイトのTOPページに舞台写真が載っています(2006/09/21時点)。奇抜な色合いの衣裳と、角ばった装置・・・。照明もペカペカしてました。超メジャーなクラシック音楽や映画音楽、ポップスなどが節操なく流れ、全体の調和や統一感がありません。親しみやすくて身近な感じはするかもしれませんが、私は苦手でしたね。

 なんと音楽劇、でした。70年代のアメリカン・ポップスに日本語訳を新たにつけて、それをメインの登場人物が歌って踊ります。でも歌も踊りも上手いわけではありません。出演者の中にお目当ての役者さんがいれば、微笑ましく観ていられるのでしょう。いつも大真面目に、ドラマティックにストレート・プレイを上演している劇団が、お笑い、おふざけ中心に作品作りをしています。一種のお祭りですね。お目当ての役者さんの意外な一面を発見できるという点では、ファンにとっては格別のイベントかもしれません。

 ここからネタバレします。

 パック(倉本徹)に間違ってホレ薬を塗られて、ハーミア(岩崎大)、ライサンダー(曽世海児)、ヘレナ(坂本岳大)、ディミートリアス(奥田努)の四角関係がこんがらがるシーンが一番の見どころだと思います。第一幕の終わりごろにその変調が見られ、第二幕で爆発します。

 岩崎大さんが演じるハーミアは「デカ女!」と罵声を飛ばされ(岩崎さんは長身です)、おしとやかだった第一幕の印象が完全に崩れ去るほど暴れまわります。ライサンダー(曽世海児)も一幕のクールな紳士からアクション全開キャラに一変し、ギャップが楽しいです。その他にもライサンダーは「Get Down!」、ディミートリアスは「Oh, Yeah!」が口癖だという設定だったり、色んな工夫がありましたね。息を弾ませて汗だくになって、舞台を飛び回る役者さんはまぶしいです。

 意味を加える演出として面白かったのは、アテネ公シーシアス(牧島進一)とアマゾン国のヒポリタ(舟見和利)の関係です。母国から無理やり連れてこられたヒポリタはシーシアスとの結婚に乗り気ではなく、ボトムら職人たちの劇中劇に心打たれはじめて、自ら進んで結婚するというストーリーになっていました。パンフレットの対談(翻訳の松岡和子さん&演出の倉田淳さん)に書かれていたことですね。
 倉田「今回のStudio Lifeの公演ではヒポリタにかなり焦点を当てているんですが、ヒポリタもアマゾンから無理矢理連れてこられた女性でしょう?自分の祖国を滅ぼした男性に『好きだ』と言い寄られても、なかなか心を開けないのはそりゃ当然だろうと思いました。」

 やっぱりダントツで魅力的なのは妖精の女王ティターニア役の林勇輔さん。歌も上手いし言葉も立体的です。ギャグも面白いしサービス満点。Studio Life以外での活躍も観たいですね。
 ディミートリアス役の奥田努さんは徹底したコメディアン振りを見せてくださり、期待を上回る面白さでした。意外だったな~(笑)。

出演=【Yippee!チーム】岩崎大/坂本岳大(劇団昴)/奥田努/曽世海児/小野健太郎【Wow!チーム】松本慎也/関戸博一/楢原秀佳/山本芳樹/倉本徹 【両チーム共通】林勇輔/深山洋貴/舟見和利/青木隆敏/篠田仁志/牧島進一/下井顕太郎/荒木健太郎/三上俊/仲原裕之/冨士亮太/政宗/山崎康一/石飛幸治/藤原啓児/河内喜一朗
作=W.シェイクスピア 翻訳=松岡和子 上演台本・演出=倉田淳 美術=松野潤 照明=森田三郎 舞台監督=北条孝・土門眞哉(ニケステージワークス) 音響=竹下亮(OFFICE my on) ヘアメイク=角田和子 衣裳=竹原典子 振付=TAKASHI 歌唱指導=萩原かおり 美術助手=渡辺景子 演出助手=平河夏 宣伝美術=河合恭誌・菅原可奈(VIA BO, RINK) 宣伝写真=薮田修身 宣伝ヘアメイク=角田和子 小道具=高津映画装飾 デスク=釣沢一衣 揖斐圭子 制作=稲田佳雄 中川月人 赤城由美子 大野純也 細野尚子 荒川ちはる 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子 大田香織 宣伝/PR=松本理永/丸山隆子/頼廣直子/五十嵐洋美(SUNNY SIDE UP) 協力=舞台屋 参考出展=ちくま文庫 企画・制作=Studio Life
公式=http://www.studio-life.com/

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Posted by shinobu at 18:28 | TrackBack

2006年09月19日

【ご報告】Yahoo!新着情報に当サイトのTOP画像が載ってます!(本日のみ)

 Yahoo!今週のオススメに取り上げられると、どうやら日替わりでYahoo!新着情報に画像付きリンクが貼られるんですね!こんなことはもう二度とないかも(感涙)。ぜひ今日、覗いてください!

 ⇒Yahoo!新着情報(2006/09/19)
 ⇒Yahoo!の今週のオススメ
  - 魅惑の舞台芸術! 演劇&ミュージカル特集 - (2006/09/18)

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Posted by shinobu at 14:00 | TrackBack

2006年09月18日

【ご報告】Yahoo!今週のオススメに取り上げられました!

 Yahoo!のカテゴリに追加されて小躍りしておりましたら、なんと本日Yahoo!今週のオススメに取り上げられました!
  - 魅惑の舞台芸術! 演劇&ミュージカル特集 - (2006/09/18)

 シアターガイド・オンラインの次じゃないですかっ!恐れ多いッス!!

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 紹介文がまた泣かせてくれますっ!

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Posted by shinobu at 13:41 | TrackBack

2006年09月17日

劇団青年座『夫婦(めおと)レコード』09/13-17俳優座劇場

 中島淳彦さんの脚本を黒岩亮さんが演出される青年座公演です。中島さんの作品は文学座の『ゆれる車の音』もちょうど上演中ですね。
 2004年初演で、今回が初めての再演です。父親役だけが変更され、津嘉山正種さんになりました。私は初見です。満員の千秋楽に伺いました。上演時間は約2時間。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 長い間一緒に暮した中村康夫(津嘉山正種)の妻・民子が亡くなった
 死因は心臓麻痺、町内会の温泉旅行中、突然のことだった
 旅行に参加せず、自宅でその知らせを聞いた康夫は一瞬何のことだか分らなかった
 あまりにも唐突に、妻の死はやってきた・・・
 うろたえる康夫と5人の娘たち
 王貞治が756本のホームラン記録を達成しようとしていた
 1977年の夏
 ≪ここまで≫

 お葬式の日から始まる芝居・・・苦手なんですよね。中島淳彦さんの戯曲では『エキスポ』もそうですね(過去レビュー⇒)。突然に亡くなったのは50代の主婦・民子。残されたのはその夫・康夫(津嘉山正種)と娘たち。なんと五人姉妹です。
 うーん・・・登場する男性はそれぞれに際立つ個性を与えられていたのですが、五人姉妹の存在感が薄かったです。残念ながら、もっともっと面白くなるはずだ!と思って眺め続ける状態でした。

 舞台は昭和55年。私は生まれています。だから懐かしいなと思う風景もちらほらありました。『ゆれる車の音』に比べると役者さんの身体はあの時代に近づいていましたね。特に女の子はどことなく大人しい感じがよく出ていました。だから、あの時代のお話だということはスムーズに納得できたのですが、一人一人を個別に見ると物足りなかったですね。作品という枠の中にお行儀よく並んで、そこから飛び出て来てくれる人がいなかったように思います。

 タイトルの『夫婦レコード』のレコード(record)は、音の出る黒い円盤だけでなく、記憶(夫婦の歴史)、記録(ホームランの本数)という意味もあるのでしょう。

 ここからネタバレします。

 結婚行進曲って、ワーグナーやメンデルスゾーンなど、何種類もあるんですね。中島さんの戯曲では時代や状況を反映する歌がよく紹介されます。
 ちょうど長女・京子(那須佐代子)の恋人(矢崎文也)が「お父さん、京子さんを僕にください」と康夫に頭を下げるシーンで、次女(佐野美幸)の婿(井上智之)がギターでフォークソングを歌います。歌いだした瞬間の間の悪さは最高に面白かったですね。
 その選曲が吉田拓郎『結婚しようよ』、はしだのりひことクライマックス『花嫁』(←音が鳴ります)なんです。ピッタリですよね~。でも歌う際に「してやったり!」な呼吸だったのが残念。

 死んだ母親・民子は康夫とは再婚でした。戦後のどさくさにまぎれて入籍し、結婚式はしなかったとのこと。母親には前の夫との間に子供がいたのではないか、誰か浮気相手がいたのではないかなど、残された家族は邪推します。そこで康夫は不安になって、
 康夫「(民子は)俺と一緒で幸せだったんだろうか?」
 と深刻な表情でつぶやくのですが、腑に落ちなかったですね。

 死んだ人に対して「僕(私)のせいで不幸せだったんじゃないか」「他の人と一緒にいた方が良かったんじゃないか」などと考えるのは傲慢な気がします。民子さんの場合、娘を5人も生んで、その内の3人と夫と同居してる状態ですよね。普通以上に幸せだと思います。結婚して32年(?)ですし、不幸せだったら何度でも出て行くチャンスはあったんじゃないでしょうか。・・・というわけで、康夫と民子の夫婦関係に納得がいかず、お芝居自体にも感情移入はできませんでした。※セリフの言い方、位置づけの問題だと思います。

 ほろりと語るセリフに良かったところがありました。セリフは正確ではありません。

 康夫「(長女の結婚は)どうなった?」
 五女「いつの間にか、積み重なるだけさ。」

 康夫「(誰も居なくなった居間で、一人で))母さん、色んなことがあるよ。」

 最後は康夫が娘達に向けて、はなむけの言葉のような長い独白をするのですが、津嘉山正種さんに白いスポットライトが煌々と当たってしまうのは・・・恥ずかしくなっちゃいました。

≪旭川市、岩見沢市、苫小牧市、函館市、敦賀市、東京≫
出演=津嘉山正種/井上智之/矢崎文也/小豆畑雅一/那須佐代子/ひがし由貴/佐野美幸/森脇由紀/柳下季里
作=中島淳彦 演出=黒岩亮 装置=柴田秀子 照明=中川隆一 音響=井上正弘 衣裳=竹原典子 舞台監督=尾花真 製作=森正敏
前売り開始=7月11日 一般5,000円/ネット予約 4,500円/ゴールデンシート(65歳以上) 4,000円/ユニバーシート(大学・各種学校生) 3,500円/チェリーシート(高校生以下) 2,500円/特別割引 夫婦券(ご夫婦でのご観劇) 8,000円/グループ割引(5名以上・お一人様) 4,500円
公式=http://www.seinenza.com/

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Posted by shinobu at 21:36 | TrackBack

新感線☆NEXUS vol.2『Cat in the Red Boots』09/15-28東京グローブ座

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劇場前の大看板

 戸田山雅司さんの脚本をいのうえひでのりさんが演出する劇団☆新感線の新作。ジャニーズ事務所所属の生田斗真(いくた・とうま)さん主演です。生田さんの愛称はトーマだそうで、役名もトーマでした。

 『長靴を履いた猫』をもとにしたファンタジー。うーん・・・お子様向け?新感線☆NEXUSというと第一弾は去年の『荒神』でしたね。「アラジンと魔法のランプ」を元にしていたそうですが、私は観てないのでそういう作風だとは知らなかったんです。

 開演5分前ごろから楽しい前説がありますので、これからご覧になる方はどうぞお早めに劇場へ。上演時間は約2時間45分(15分の休憩を含む)。

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 生田斗真さんのファンなら大喜び間違いなし!なサービスがいっぱい。他の役者さんについてもその個性を生かす配役だったと思います。私はネタとかキャラとかを楽しむタイプではないので、少々退屈しちゃいました。
 新感線というと青山劇場のイメージが定着してきてるんですが、東京グローブ座は舞台が近い!かなりの臨場感を味わえました。そういえば新感線をグローブ座で観たのって『犬夜叉』以来だな~。

 ここからネタバレします。

 粟根まことさんがハリー、中谷さとみさんがハーマイオニー、市川しんぺーさんがロンという、そのまんま“ハリー・ポッター”キャラで登場したのには驚きました。ヴォルデモートとかホグワーツ等の固有名詞も使ってましたね(言葉はちょっと変更してるかもしれませんが)。粟根さんがヨン様の“微笑の貴公子”までやってたのは可笑しかった~。他にも“萌え~”等の今ドキの流行語・ネタが満載。客席はかなり受けてました。

 どんな願いでも叶う赤い長靴をホグワーツから盗み出した猫のノラ(松本まりか)は、昔、自分の命を救ってくれた“オウジ”という人間に会うために、長靴の魔力で人間に変身して都に行きます。それに着いて行くはめになったのが、粉引き屋の末っ子・トーマ(生田斗真)。
 現代のオモシロを盛りだくさんに散りばめながらアンデルセンの原作に沿って進みますが、グレーテル姫(すほうれいこ)の花婿選びのための“H-1グランプリ”あたりから、新感線らしいアクションとどんでん返しの応酬が始まります。龍王マオ(梶原善)がその正体を表した時はゾクっと来ました。だって城の人たちを全員切っちゃうんだもの。グリム大臣(右近健一)が黒幕だったとわかった時も良かったな~。

 生田斗真さん。言うまでもなく美形。体の切れが良かったですね。殺陣は新感線常連の役者さんと対等に張り合えているように見えました。
 松本まりかさん。かつらが取れるハプニングが!「ズラが取れた」と口に出し、堂々と舞台上でかつらを取り付けたのには爆笑しました。度胸ありますね~。
 ヘンゼル王子役の河野まさとさんが、なんちゃってオスカル衣裳とマイケル・ジャクソン風なオレサマ演技で、客席のバカウケをかっさらってました。

≪東京、大阪≫
出演=生田斗真/松本まりか/すほうれいこ/粟根まこと/市川しんぺー/右近健一/逆木圭一郎/河野まさと/村木よし子/インディ高橋/山本カナコ/蟻野慎吾/吉田メタル/中谷さとみ/村木仁/武田浩二/佐治康志/梶原善/角裕子/村緒里江/武田浩二/佐治康志 声の出演=小市慢太郎/夏目卓実
作=戸田山雅司 演出=いのうえひでのり 美術=池田ともゆき 照明=飯泉淳 音楽=岡崎司 振付=川崎悦子 殺陣指導=田尻茂一/川原正嗣/前田悟 アクション監督=川原正嗣 音響=井上哲司 音効=末谷あずさ 大木裕介 衣裳=竹田団吾 ヘア&メイク=宮内宏明 小道具=高橋岳蔵 特殊効=南義明 音楽部=右近健一 大道具=俳優座劇場舞台美術部 舞台監督=富田聡 宣伝美術=ATG unlimited 宣伝イラスト=岩瀬匠(TOKYO GUNS) 宣伝=ディップス・プラネット 票券・広報=脇本好美 制作協力=サンライズプロモーション東京(東京公演) 制作助手=山岡まゆみ 制作補=小池映子 制作=柴原智子 エグゼクティブプロデューサー=細川展裕 企画製作=劇団☆新感線・ヴィレッヂ 主催=ヴィレッヂ(東京公演)/関西テレビ キョードー大阪(大阪公演)
発売=7月22日 S席 8,500円・ A席 7,500円・ B席 5,500円 全席指定
公式=http://www.vi-shinkansen.co.jp/
劇場内=http://www.tglobe.net/CGI/schedule/list.cgi?mode=conf_details&seq=56

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Posted by shinobu at 11:58 | TrackBack

演劇キック『きらめく星座』09/13-18笹塚ファクトリー

 “演劇キック”は演劇ぶっく社が行う演劇企画製作プロジェクト。日本の近現代名作シリーズということで、これから毎年一作品発表していかれるそうです。第1回は井上ひさしさんの戯曲を板垣恭一さんが演出され、出演するのは全員がオーディションで選ばれた若い役者さんです。

 井上ひさしさんと言えばこまつ座新国立劇場ですよね。過度な期待を一切しないように心がけて伺ったところ、なんと、ぼ~ろぼろと泣かされました!私が観た回のカーテンコールでは拍手・手拍子が鳴り止まず、突然のダブルコールとなりました。嬉しいな~、こういう奇跡♪
 上演時間は約2時間55分(15分の休憩を含む)です。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 昭和15年、舞台は浅草のレコード店「オデオン堂」。
 ここは、店主一家と下宿人たちが、こよなく愛する流行歌を歌って暮らしている。
 しかし、時はあの太平洋戦争の直前。
 オデオン堂も時代の流れに逆らえず、“軍国歌謡”と“敵性音楽”の対立で揺れ始めていた…。
 「好きな歌がどんどん歌えなくなる」
 “そんな受難の日々”を、反骨とユーモアを持って生き抜いていこうとする庶民たちの一年間。
 ≪ここまで≫

 井上作品を真剣に、大切に舞台化した、若い人のひたむきさを見せていただけました。演技はもちろん荒削りですし、舞台上でおろおろしているように見える方もいらっしゃいました。でも、『きらめく星座』というお芝居と並行して、若い役者さんが井上ひさし作品と真正面からぶつかっている様子が、ひとつの世界となって立ち上がってきたのです。これは対話だ!って思ったんですよね。舞台と観客との対話だけでなく、脚本とそれを演じる(作る)人との豊かなコミュニケーションが見えて、私はそこに一番感動しました。

 70歳を超える井上ひさしさんの言葉が、20代~30代の若者の体と声を通じて客席に生き生きと伝わってきます。客席には出演者よりもずっと年上のお客様も多数いらっしゃいました。世代、時代をぐるりとクロスして、演劇の愛が満ちてくる・・・その状態が幸せだったのです。

 舞台装置はシンプルですが愛情が感じられます。ピアノもちゃんと生演奏でしたし、歌もきれいにハモってくださってましたね。衣裳もこまめに変わって雄弁でした。こまつ座では絶対に観られないような若者らしいギャグも可愛らしかったです。

 演出の板垣恭一さんがパンフレットに書かれている言葉を一部引用します。

 『人生に正解なんてない。それをオデオン堂の人々はそれぞれの奔放な生き方で体現しています。この家の人達の生き方ってかなりメチャクチャで素敵です。そんな人達を飲み込んでしまう戦争ってやつは、どこかで「正しいモノ」とつながっている気がしてならず、だからボクは「正しいモノ」がキライなのかもしれません。』

 ここからネタバレします。

 恥ずかしながら私は『花よりタンゴ』(姉妹が財産を供出させられる)を観て初めて、「国に財産を没収されることの理不尽」を感じたのですが、今作でもそのことに憤りを感じました。「戦争だから仕方が無い」なんて思ってはいけないのです。
 「ぜいたくは敵だ」「生めよ殖やせよ」「欲しがりません、勝つまでは」等のスローガンで国民を規制・洗脳し、仮想敵国の文化を徹底的に排除。それらの国の政策に従わない人間には非国民のレッテルを貼り、逮捕・・・。今を生きる若者が演じることで、戦時中の日本の異常さが際立って伝わってきました。

 そういうこともあり、私はちょっとした軽いセリフにも胸打たれて、何度となくほろほろ涙を流していました。どうしても涙が止まらなくなって、鼻水まで出ちゃって、もー困っちゃう!!っていう状態になったのは(苦笑)、左手を失った入り婿・源次郎(唐沢龍之介)が「日本に道義はないのか?私の左手のように、バラバラに崩れ去ってしまったのか?」と嘆くシーン(セリフは正確ではありません)。その後にコピーライターの竹田慶介(間瀬英正)が、宇宙の星の数の話から“人間の広告”を語ります。「人間は奇跡そのもの」という、普通に口にするには少々気恥ずかしくなるようなストレートな言葉を、涙をこぼしながら堂々と、朗々と語してくださって、私も号泣。また、それを聞いている舞台上の役者さんたちの自然な立ち姿にも感動しました。

 オデオン堂というレコード店が舞台ですので、昭和の名曲がどんどん流れ、歌われます。開演前に劇中で流れる曲がさらりと紹介されるように流れていました。おかげで本番では「聴いたことあるな~」と親しみを感じて聴くことができました。“昭和”のことなど全く知らない若いお客様のことを考えての親切な演出だと思いました。

 出演者のお一人と終演後にお話させていただいたところ、「やっぱり脚本が面白いんです。何度やっても、面白いんです。」とおっしゃっていました。

出演=荒井タカシ/大久保綾乃/唐沢龍之介/窪田道聡/高田賢一/間瀬英正/山口恵/伊藤一将(メタリック農家)/今村裕次郎(らくだ工務店)/竹岡常吉(ポップンマッシュルームチキン野郎)/丸山高明(劇集団ジェット気流)
作=井上ひさし 演出=板垣恭一 美術=尼川ゆら 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響効果=田島誠治(Sound Gimmick) 舞台監督=筒井昭善 音楽=小林章太郎 衣装=名村多美子 演出助手=井村容子 制作協力=赤沼かがみ(G-up) 制作=本多貴子(演劇キック) 提携=笹塚ファクトリー 企画・製作=演劇ぶっく社「演劇キック」
7月18日(火)チケット発売 前売2,800円/当日3,300円(日時指定・整理番号付き自由席)
公式=http://www.enbu.co.jp/kick/

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Posted by shinobu at 00:53 | TrackBack

【ご報告】Yahoo!のカテゴリに「しのぶの演劇レビュー」が追加されました!

 今日、お友達が教えてくれたのですが、当サイト「しのぶの演劇レビュー」が2006年9月13日にYahoo!のカテゴリに追加されました
 ・・・・嬉しいです。これからもコツコツ感想を書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 芸術と人文 > パフォーミングアート > 演劇 > 評論、レビュー

 演劇は“エンターテインメント”じゃなくて“芸術と人文”なんですね。

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Posted by shinobu at 00:22 | TrackBack

2006年09月16日

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンドUNDER GROUND』09/15-20ザ・スズナリ

 タニノクロウさんが作・演出される庭劇団ペニノの新作です(過去レビュー⇒)。
 外科手術とジャズセッションが豊かにコラボする緊張と恍惚の1時間30分。笑っていいのかしら・・・とおどおどしたのですが、どうやら笑っていいらしい(笑)。普通の演劇ではありませんので好みは分かれるでしょう。私は超楽しかった!

 充実の稽古場レポート⇒BACK STAGE
 「昼ギャザ」についての制作さんのインタビュー⇒cinra(シンラ)

 ※昼ギャザ(底値2000円)⇒9/19(火)14:00(追加公演)&9/20(水)13:00

 初日の特典ということで、『UNDER GROUND』オリジナルサウンドトラック(ジャズバンドのサイン入りCD)が観客全員にプレゼントされました!今聴いてるんですが、すごく良いです。⇒ピアノの佐山こうたさんのサイト

 レビューをアップしました(2006/09/18)。

 舞台は古びた手術室。床は白いタイルで中央部分には水がうっすらと溜まっています。本棚や薬戸棚にしても、とても清潔そうには見えません。手術室の上手手前には顕微鏡が置いてある小さなデスクがあり、ここは“指揮者”という役名の小人(マメ山田)の居場所のよう。上手の上段はピアノ、ベース、ドラムのジャズ・トリオのスペースで、ジャズメンがクールな演奏を披露します。

 この舞台って「外科手術とジャズって、実は似てるよね?」という発想から生まれたのかしら(笑)。手術用の器具(メス、ペンチなど)がカチャカチャと鳴るのは音楽だとも受け取れました。また、執刀や麻酔などのそれぞれの役割を持った人たちが、ずっと無言でありながら密度の高いコミュニケーションを取っていることも、ジャズの演奏者たちと似ている気がします。

 徐々に、舞台だけでなく客席もすごい緊張感に包まることになります。リアルな外科手術の現場を覗き見ることはもちろん、なんと、客席の音も舞台に関わってくるからです。マイクで音を拾う仕組みになっているようで、舞台上の手術の音だけではなく、観客の咳払いや笑い声も、大きな音になって劇場に反響しちゃうんです!これは・・・びっくりしましたね、最初は。なるべく音を立てないように気をつけました(恥ずかしいし)。
 でも、かっちょいいジャズの音楽に自然と体が揺れ始め、手術の音もまた息の合った音楽に聴こえてきたあたりから、楽しくって仕方がなくなりました。ジャズと手術という、全くもって接点もなさそうな、遠くかけ離れた世界同士が、音楽を介してひとつのグルーブへと登っていくなんて!

 プロデューサーのブログ(2006/09/16)より↓

 マチネとソワレの間のプリセットに1時間半を要するこの舞台。面白くない訳がない。
 舞台もそうだが、ジャズバンドの演奏する姿も是非観て貰いたい

 なるほど、確かに上演前の準備はかなり大変だと想像します。だって・・・(笑)。そんな舞台を一目見て感じるだけでもザ・スズナリに行く価値はあるでしょう。

 ここからネタバレします。

 白衣(じゃなくて手術着?)を着た女たちが集結してきて、彼女達がじゃんじゃか外科手術(開腹手術)をします。パンフレットの役名は看護士となっているので、医師じゃないんですね(苦笑)。手術されるのはかなり頑丈そうな、体の大きな若い男性(飯田一期)。お髭も立派(笑)。

 手術前の準備の様子から可笑しなことが起こっていました。「今日の手術はこういうのよ」と、執刀する看護士(安藤玉恵)が助手らしき看護士(保坂エマ)に説明をしているのですが、なんと黒板にチョークで絵を描いてるんです。しかもあれって肺の絵じゃないかな~、手術するのは腹部なのに(笑)。そんな具合でリアルな手術も進行しますが、気をつけて細かく観察していくと、異常で不謹慎とも言えることだらけ!見つける度に可笑しかったです。お腹の中から出てくるべきではないものが取り出されたり、取っちゃダメなものも引き出したり(笑)。見学していた看護士の一人がいきなりナッツを食べはじめ、そのガリッ、ガリッという音が響き渡るのも異様でした。

 指揮者(マメ山田)が海水パンツ一丁に着替えて、ジャズ・スペースへの梯子を登って上の床に腰掛けた時、手術室がプールに見えました。深い水底で手術着姿のマーメイドたちが男をメッタ切りしてる・・・と想像し、心の中で爆笑しました(笑)。
 水着の指揮者が氷(実際は氷ではなくガラスのフラスコ類でした)の入った大鍋に脚を入れて冷やします。彼の周りだけ南国リゾートの優雅な空気が流れますが、氷のせいで足の指を怪我した模様。そのへんに落ちていた一枚の枯葉を指に巻きつけて治療・・・たぬきじゃないんだから!葉っぱでは治らないよ!と突っ込みを入れたくなった瞬間、ジャズバンドが『枯葉(Autumn Leaves)』を演奏し始め、可笑しさが最高潮に(笑)。

 患者が首を左右に振りだし、どうやら脈が弱まってきた!死に掛けてる!!とヤバイ状態になった時、手術もジャズも一斉に盛り上がります。カチャカチャ、どたばたする手術と、ガンガンに乗りまくるジャズとが同調して、えもいわれぬグルーブ感が味わえました。

 看護士のがんばりのおかげで患者は息を吹き返し(ありえないよね!?)、最後は縫合へ。でも看護士たちは中途半端なままで放置して撤退。すると患者の開いたままの腹部から水着姿の指揮者が出てきちゃいました・・・エイリアンかよっ!そして枯葉を丁寧にお腹の周りに置いていく指揮者・・・だから、枯葉では治らないってば!しかも小腸とか肝臓とか、出しっぱなしでしょ!?って思ってたら、再びいい感じに『枯葉』の演奏が始まって・・・。もータマリマヘン(笑)。

 ここまでどっぷりとこの作品の世界に浸ることができたのは、空間の完成度が高いからだと思います。セットにしても出演者の演技にしても、そしてジャズ音楽にしても、とにかく質が高いです。まったく・・・・よくこんなことをやらかすよな・・・って、心から感心します(笑)。

出演=佐山こうた(p)/中林薫平(b)/長谷川学(d)/安藤玉恵/佐山和泉/島田桃依/瀬口タエコ/保坂エマ/吉原朱美/横畠愛希子/飯田一期/マメ山田
作・演出:タニノクロウ 舞台監督:矢島健 舞台美術:田中敏恵 演出助手:川島はづき 照明:今西理恵 宣伝美術:野崎浩司 /DMイラスト:坂口時継 構成助手・撮影:玉置潤一郎 構成補佐:海老原聡 写真:田中亜紀 メイク:井上悠 WEB:佐田丘仁子 PA:阿部将之 制作:樺澤良・河口麻衣・小野塚央 プロデューサー:野平久志 企画製作:PUZZ WORKS/劇団制作社 助成:東京都歴史文化財団
前売り開始は8/17(木)前売り自由席2800円 前売り指定席3000円 当日自由席3000円 当日指定席3200円 ※9/20 13:00 の回、昼ギャザ実施。20人ごとに100円キャッシュバック。底値2000円
公式=http://www.niwagekidan.org/

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Posted by shinobu at 12:06 | TrackBack

2006年09月15日

文学座『ゆれる車の音~九州テキ屋旅日記~』09/14-24紀伊國屋サザンシアター

 角野卓造さん、たかお鷹さんらが出演する文学座の目玉公演。脚本は中島淳彦さん、演出は鵜山仁さんです。客席がほくほくに温まった初日でした。ロビーでは1回100円のくじ引きコーナーがあり、売り子さん(?)がテキ屋の口上らしきこともちゃんと話していらして、凄いサービスだなーと思いました。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。
 その昔マグロ景気に湧いた宮崎・油津でタカマチ(テキ屋)を仕切っていた金丸一家。町は漁の無事を祈る縁日で賑わい、金丸一家も羽振り良く暮らしていた。しかし終戦の混乱期、特攻くずれの愚連隊に命とも言えるショバを荒らされた金丸一家は町を追われる羽目に…。町を追われた金丸一家の組長・金丸重蔵(角野卓造)は妻と娘だけを引き連れ細々と露天商をしながら暮らしていた。しかし油津に残してきた先代組長である父の辰蔵が「もう一度ショバを取り戻したい」と度々口にしていることを耳にする。重蔵とは反対に気性の荒い性格の妻・敏子(塩田朋子)は辰蔵の願いを叶えようと発奮、「あんたもテキ屋の端くれだろ!」。面倒を避けたがる重蔵は尻を叩かれ、20年ぶりに油津へと帰る。
 ≪ここまで≫

 角野卓造さんが舞台に現れた途端に客席から笑い声が(笑)。劇団とお客様との距離が近いです。あったかいですねー、文学座の公演。
 1960年代の宮崎県の油津(あぶらつ)が舞台です。開演してからだいぶん経つまで、舞台は現代だと思い込んでいました(汗)。特攻隊とかグループ・サウンズの話が出てきて「あれ?」って思ったんですよね。「あの頃は良かった」「時代は変わった」というセリフがよく出てくるので、時代を勘違いしてたのは痛かったな~。

 もー私ってば、金丸一家を追い出した愚連隊の親玉・上原丈太郎役のたかお鷹さんに首っ丈(笑)!!たかおさんは蜷川幸雄さんのお芝居でよく拝見していますが、今回のたかおさんが一番好きですね。自由奔放で!
 角野卓造さんのテキ屋の口上がかっこ良かったです。ギターの弾き語りもされて、客席からは拍手喝さい。
 若手の役者さんは全体的に堅い感じでした。やっぱり大御所と一緒だと緊張されるのかしら。

 ここからネタバレします。

 最初の方で、たかお鷹さんが自転車の二人乗りをして登場した時、じーんと胸に来て涙が出ちゃいました。舞台の上のお年寄りと若者、そして同じく客席に座っているお年寄りと若者が、がっちりとつながった気がしたのです。でも感動したのはこの瞬間がピークだったかな。

 役者さんの年齢と役柄の年齢とにズレがあるように思いました。上原丈太郎(たかお鷹)は金丸重蔵(角野卓造)の父親を追い出したんですよね。となると、上原丈太郎の息子・雄太郎役の浅野雅博さんと、角野さんが同じ世代だということになります・・・よね?また、金丸重蔵(角野卓造)の昔の恋人・寺原しのぶ役の山本郁子さんは、角野さんのお相手としては若すぎる気がしました。金丸重蔵(角野卓造)の妻・敏子役の塩田朋子さんも、鵜澤秀行さんや田村勝彦さんと同じ世代というには若すぎますよね。女優さんが皆さん、とても美しくていらっしゃるからでしょうけど。

出演=角野卓造/塩田朋子/栗田桃子/たかお鷹/浅野雅博/鵜澤秀行/田村勝彦/太田志津香/植田真介/山本郁子/渡辺文香
脚本=中島淳彦 演出=鵜山仁 美術=石井強司 照明=金英秀 音楽=川崎絵都夫 音響効果=望月勲 衣裳=原まさみ 舞台監督=三上博 演出補=上村聡史 制作=矢部修治 票券=最首志麻子
前売・予約開始 2006年8月4日(金)一般5500円 ユースチケット3800円※25歳以下/ご観劇当日、年齢を証明するものをご持参ください。中・高校生2500円
公式=http://www.bungakuza.com/yurerukuruma06/index.html

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Posted by shinobu at 15:43 | TrackBack

クロムモリブデン『猿の惑星は地球』09/12-17中野ザ・ポケット

 大阪の劇団クロムモリブデンが、東京へと本拠地を移して初めての公演です。劇団員も増えて規模も大きくなっていますね。
 昼ギャザの日に伺ったところ、なんと1000円キャッシュ・バック!超オトク!!

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 ≪あらすじ≫ かなりうろ覚えです。
 冷凍睡眠から目覚めたハルコ(奥田ワレタ)は、約束の場所にたどり着けていないことに気づいた。そこは殺されても死なないSARUと、殺されたら死ぬNINGENが住む世界。「読んだら死ねる本」をめぐって、それぞれの思惑を持った人々の旅(?)が始まる。
 ≪ここまで≫

 今までにクロムモリブデンの公演は2度拝見しています(過去レビュー⇒)。観客を置いてきぼりにするシュールな世界がすごく好きだったんですが、今回はストーリーもあって、元気いっぱいで、大阪弁もまばらに使っていて、ギャグもそれほどシュールではなくわかりやすいタイプで・・・あまり私の好みではなかったですね。

 板倉チヒロさんや重実百合さん、森下亮さんら、私の目を釘付けにしてくれる役者さんが揃っていて、やっぱり面白い人は面白かったです。ただ、それぞれの魅力を満足いくまで堪能できる配役ではなかったように思います。劇団の所属役者さんが増えたことも原因なのでしょう。(私好みの)クロムモリブデンの世界が薄まっていたように感じました。

 舞台美術はあえて手作り感を残すコンセプトなのかもしれませんが、私はもうちょっと洗練されたものを期待していたんですよね。『ボウリング犬エクレアアイスコーヒー』の赤いカーテンが好きだったので。でも衣裳はすごく良かったですね。携帯電話のアイデアも面白かったです。

 ここからネタバレします。

 実は舞台は100年後の地球。SARUとは殺しても死なないように進化した元・人間で、凶暴で知能が低いNINGENから身を守るために、帯刀(携帯電話機能のある剣)を許されている。眠っている時に見た夢が売買される・・・などの設定はとても面白いと思いました。銃の女神とかも、時代や社会を反映してますね。

 みんなが山犬になってしまうエンディングは寂しかったな~。積み上げてきたストーリーを最後にバッサリと切り落としてしまうなら、ストーリーなんてなくても良かったんじゃないのかな~。クロムモリブデンの世界はストーリーに依存しなくても面白いものになると思います。もちろん、独特の世界を作り出しながら起承転結もちゃんとある方が、私の好みではあるのですが。

 風琴工房の詩森ろばさんのブログにもご感想が。ぜひご一読ください。(2006/09/18)
 ⇒LIVESTOCK DAYS

≪東京、大阪≫
出演=森下亮/金沢涼恵/板倉チヒロ/重実百合/奥田ワレタ/木村美月/久保貫太郎/山中卓磨 /渡邉とかげ/板橋薔薇之介/朝光亮/橋本浩明(水の会)/高嶋ひとみ(スプラッシュアソシエイツ)/倉田大輔(国民デパリ)
作・演出=青木秀樹 音響効果=笹木健司 照明=床田光世 美術=ステファニー(劇光族) 美術協力=DG工房 舞台監督=塚本修/谷本誠 宣伝美術=福永純一郎 indigoworks 宣伝写真=シカタコウキ/安藤青太 小道具=man 小道具協力=湯田商店 衣裳協力=田口由希/山田めぐみ/清水理沙 制作=金澤裕/野崎恵 プロデューサー=遠山浩司 企画・製作=office crome
全席指定 前売り2800円/当日3000円 9/12、13は早期観劇割引2800円→2500円 9/14マチネは昼ギャザで最大1000円キャッシュバック。高校生以下3000円→1000円
公式=http://www.crome.jp/

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Posted by shinobu at 13:37 | TrackBack

2006年09月14日

スロウライダー『Maggie』09/13-18下北沢駅前劇場

 山中隆次郎さんが作・演出されるスロウライダーは、雑誌にもよく取り上げられている注目の劇団です。公演ごとに劇団員以外にも役者さんを集めるスタイルですね。今回は小劇場ファンが唸る豪華なキャスティングです。
 山中さんが手がける作品を拝見するのはこれで4度目になります(過去レビュー⇒)。今回も少々難解でしたが、大胆な装置と独特のムードを存分に味わえました。

 リチャード・ブローティガン作『西瓜糖(すいかとう)の日々』(Amazon)に触発されて作られた作品です。会場で配布されるパンフレットに原作のあらすじが書かれていますので、開演前に読んでおかれると良いと思います。

 ※9/15(金)は昼ギャザあり。

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 レビューを完成させました(2006/09/15)。

 ≪あらすじ≫
 垂池(日下部そう)はバイトを無断欠勤中。親に家を追い出され、先輩の向井(児玉貴志)の家に転がり込んだ。垂池は小説『西瓜糖の日々』の世界にどっぷり浸かったまま、家の中から動かない。家には向井の妹・那美(松浦和香子)も住んでおり、垂池は可愛い那美に心を寄せていくが…。
 ≪ここまで≫

西瓜糖の日々
西瓜糖の日々
posted with 簡単リンクくん at 2006. 9.14
R.ブローティガン著 / 藤本 和子訳
河出書房新社 (2003.7)
通常2-3日以内に発送します。

 ※『西瓜糖の日々』の内容(Amazonより引用)

 コミューン的な場所、アイデス“iDeath”と“忘れられた世界”、そして私たちとおんなじ言葉を話すことができる虎たち。西瓜糖の甘くて残酷な世界が夢見る幸福とは何だろうか…。澄明で静かな西瓜糖世界の人々の平和・愛・暴力・流血を描き、現代社会をあざやかに映して若者たちを熱狂させた詩的幻想小説。ブローティガンの代表作。

 開幕した瞬間、まず舞台美術に魅せられました。小劇場で久しぶりの大ヒットに出会えた気がします。古い一軒家の台所兼ダイニングがリアルに実現されているのですが、でこぼこした赤い壁がその大半を覆い隠しているのです。
 垂池らが暮らす向井の家の現実世界と、『西瓜糖の日々』の舞台であるアイデス、およびアイデスの住人たちの世界が、垂池の想像の中で交錯します。じめじめして蒸し暑い台所が、赤い壁をどす黒い血の色に染める照明によってアイデスに場面転換し、現実世界の住人とアイデスの住人の両方が同時に舞台上に存在しながら、お互いに影響を与えていきます。
 フリーターからニートになってしまった垂池の、行き場のない苛立ちや絶望に満ちた現実が、徐々に『西瓜糖の日々』に侵食されていく様にぞくぞくしました。

 おどろおどろしくて不気味な感触や息の詰まるような閉塞感が常に舞台を離れませんが、結果的にはとっても良い話、だったんですよね。ただ、お客様全員にそれが伝わったかというと・・・難しかったでしょうね。私はオープニングからすっかり感情移入して、「なぜ?どうして?何のために??」と異常なほどがっついていたから(笑)、ストーリーの流れについて行くことができたのだと思います(それでもわかってないところは沢山ありますが)。

 山中さんの世界というと、スプラッター・ホラーのグロテスクさや満遍なく広がる厭世的な気分など、ダークな印象が表に出ていると思います。でも今回はそれらに加えて、都会的に洗練された、クールで鋭いセンスも感じられました。音楽の選曲も衣裳もおしゃれでしたし、美術は言うまでもなく、照明も良かったです。

 ここからネタバレします。

 バイト先のデブでブスな女の子・マギー(声:笹野鈴々音)に好きだと告白されて、店で二人っきりになるのがイヤだからバイトを休み続けていると、垂池は言います。でも本当は、同じくバイト先の同僚・新井田(山中隆次郎)とケンカをして、彼の左耳を刃物で切りつけてしまったからでした。真相を知った向井は、手のひらを返したように垂池に家を出て行くよう促し始めます。

 『西瓜糖の日々』の舞台である、ぬるま湯の桃源郷“アイデス(iDEATH)”は、現実世界で垂池が入り浸っている向井宅であり、アイデスから離れた“忘れられた世界”は、垂池のバイト先のレンタルビデオ店“リバティ(Liberty)”と対応します。2つの世界で同時に生ぬるい夢(アイデス、向井宅)と厳しい現実(忘れられた世界、リバティ)が対比されるのです。

 小説に登場する“わたし”(芦原健介)は、昔はマーガレット(笹野鈴々音)と付き合っていましたが、今はポーリーン(松浦和香子)と恋仲になっています。垂池は、マーガレットをマギー(声:笹野鈴々音)と、ポーリーンを那美(松浦和香子)と重ね合わせ、垂池自身も“わたし”と入れ替わって小説の中を生きるようになります。小説の中でポーリーン(=那美)と仲良くなったつもりでいる垂池は、現実世界の那美に馴れ馴れしく接しすぎて、那美に冷たくあしらわれるようになり、ますます向井宅に居づらくなります。

 ある日、マギーが垂池を訪ねて向井宅までやってきて、彼宛ての手紙を残していきました。その手紙には「垂池くん、死なないで」という一途なメッセージが込められており、垂池は自分を純粋な気持ちで必要としてくれている人がいたことに気づきます。
 “忘れられた世界”に頻繁に出入りするようになったマーガレットは、アイデスの人々からつまはじきにされて自殺してしまいました。マギー(=マーガレット)に手紙の返事を書きたいと思い始めた垂池は、小説の中の“わたし”になって、まだ死んでいない頃のマーガレット(=マギー)からスカーフを取り上げました。なぜならマーガレットはそのスカーフで首を吊って自殺するからです。

 マギーからの愛を受け取り、マーガレット(=マギー)を救うことで、垂池は自分の力で立つことが出来るようになったんですね。垂池が自らの意志で向井宅を出て行くラストシーンで、それがわかります。小説(芸術)と想像力と、そして身近にいてくれた人の小さな愛のおかげで、ひとりの人間の命が救われたのだと解釈しました。引きこもりが自分から外に出られるようになるという点では『電車男』と似てますよね。

 垂池がマーガレットからスカーフを取り上げるシーンがクライマックスだと思います。私は垂池が自分から出て行くラストシーンではじめて「あぁ、あのスカーフはそういう意味だったのか」と気づいたのです。他の意味や伏線についても観終わってから気づいたことが多く、できれば見ている時に、オンタイムに感動したいですね。何(脚本、演出、役者)が問題なのか、具体的にどうすればいいのかは私にはわかりませんが、観客にもっとわかりやすく伝わってくれればいいなと心から思います。

Inspired by『西瓜糖の日々』リチャード・ブローティガン作 藤本和子訳 河出文庫
出演=児玉貴志(THE SHAMPOO HAT)/日下部そう(ポかリン記憶舎)/笹野鈴々音(風琴工房)/松浦和香子(ベターポーヅ)/佐々木光弘(猫☆魂)/夏目慎也(東京デスロック)/芦原健介/數間優一/山中隆次郎
作・演出=山中隆次郎 舞台美術=福田暢秀(F.A.T STUDIO) 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響=中村嘉宏(At Sound) 音響操作=井川佳代 衣裳・小道具管理=渡辺有希子 舞台監督=西廣奏 宣伝美術=土谷朋子(citron works) 記録写真=西田航 記録映像=トリックスターフィルム web運営=栗栖義臣 制作助手=坂本明 制作=三好佐智子 企画・製作=有限会社quinada(キナダ) 協力=ダックスープ
8/1(火)前売開始 指定席/前売¥2,800/当日¥3,500 自由席¥2,500(自由席は限定20席。劇団前売のみ取扱 15日昼の回は昼ギャザ(動員が増えるほど料金が安くなるシステム)
公式=http://www.slowrider.net/

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Posted by shinobu at 12:37 | TrackBack

2006年09月13日

【情報】岡田利規 著「わたしの場所の複数」新潮2006年10月号

 小説版「三月の5日間」に続いて、岡田利規さんの新作小説が月刊新潮に発表されました。
 タイトルは「わたしの場所の複数」。

 視覚的な印象としては映画みたいでした。
 新国立劇場が発行している会報誌The Atre2006年9月号のインタビューで、岡田さんは「使い捨てにされる労働力の問題」についてお話されています。この作品でもフリーターを通じて、そこが描かれていました。

 ⇒当サイトの“岡田利規”過去ログ検索結果

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Posted by shinobu at 14:10 | TrackBack

シス・カンパニー『獏のゆりかご』09/01-29紀伊國屋ホール

 グリング主宰の作・演出家、青木豪さんの新作です(過去レビュー⇒)。シス・カンパニーのプロデュース公演ですので、スタッフ・キャストともに超豪華。
 紀伊國屋ホールにぴったりの、優しい味わいのドラマでした。上演時間が1時間35分なのも、とても気持ち良かったです。

 日によっては残席のあるステージもあります。
 9/14(木)14:00公演終演後、出演者によるアフタートークあり。

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 ≪あらすじ≫ パンフレットより。(役者名)を追加。
 小高い山の上にある、つつみヶ丘動物園。
 副園長の菅原(高橋克実)をはじめとする飼育員たちは、園内一の人気者のバクのユメゾー君の誕生日を祝うための準備に余念がない。
 だが将来的には廃園も検討されているという園内は、繁盛しているとはとても言い難い。
 何かとクレームをつけてくる主婦の立川(池谷のぶえ)や、やたらと鳥の羽を集めたがるビデオ屋のバイトの江藤(安田顕)など、常連客は妙な連中ばかりだ。
 また動物園で働く当の飼育員たちも、それぞれ普通を装いつつも大小の気忙しい問題を隠し持つ。
 アルバイト・那須(明星真由美)との関係に今一歩踏み込めないでいる小森(マギー)。
 なぜか江藤に働きかけテナント物件を探している宮村(小松和重)。
 そしてバツイチ&子持ちの岡田(杉田かおる)と、彼女に思いを寄せる菅原。
 そんな動物園に、岡田と何かいわくあり気な中年男性・越野(段田安則)がやって来て…。
 ≪ここまで≫

 私が拝見してきた青木さんの作品の中では比較的ソフトな内容だったと思います。登場人物はそれぞれに厳しい人生を生きており、ギョっとするような事件も起こりますので、観客が何も考えずに楽しめるストーリーだというわけではありません。でも全編通じて優しいムードに包まれていました。

 落ち着いた大人の役者さんが、型にはまった大げさな演技をすることなく、人物として自然に、生き生きと舞台上で存在してくださっていました。しかも皆さんが観客に対してとても優しかったので、私は完全にリラックスして、自分も一人の独立した大人として席に座り、登場人物の一人一人とじっくり対話ができたように感じました。

 動物園のある一角が舞台です。動物をかたどった装飾パネル(?)の裏側が露出していたり、柵が斜めに傾いて建てられていたり、おせじにもきれいとは言えない場所です。裏側が見えたり、まっすぐのはずのものが歪んでいたりするのは、登場人物の状態を表しているとも言えます。使われている大道具、小道具の材質に温かみがありました。

 ここからネタバレします。

 越野(段田安則)は岡田(杉田かおる)の元亭主で、岡田に会いたくて突然やってきたのでした。内緒にするはずのことをドンドコしゃべるはめになっていくのが自然で可笑しいです。

 バクのユメゾーが死に掛けている時に、小森(マギー)が演奏するハッピーバースデーの音楽がうっすらと聴こえてきて、涙が出そうになりました。こういう、舞台上に誰も居ないのに感動しちゃう瞬間がある時、お芝居って素晴らしいと思うんですよね。

 11歳の息子が猫を殺して補導され、常連客の立川(池谷のぶえ)はいつも以上に取り乱します。でも岡田が立川に、同い年の自分の息子も白鳥を殺したことがあると打ち明け、共通の悩みを話し合うことで二人はお互いを見つめなおします。母親の心が子供の行動に反映されるということに、すごく共感します。家族ってシンクロしてますよね。
 立川は全てを家に帰ってこない主人のせいにしていましたが、自分自身の動物嫌いが息子に伝わったのかもしれないと思いつきます。岡田もまた自分を振り返り、自分が息子から逃げていたせいだと気づきます。

 けっきょく岡田は越野(段田安則)とよりを戻さず、菅原(高橋克実)とも再婚しないと決心しました。ハッピーエンドではないですが、すがすがしい気分になりましたね。獏の母親は子供を産んだらすぐにまた一匹に戻るそうで、その獏と岡田の姿を重ね合わせたエンディングでした。でも果たしてそれは人間の母親の幸せに結びつくのかというと・・・難しいと私は思います。女性が働くことが当たり前になり、離婚が激増している新しい時代を、私たちは試行錯誤しながら生きているんですよね。そのじたばたから必然的に生まれた歪みが、子供の心に直接的な影響を与えているんだと思います。

 杉田かおるさん。怒るシーンで決して怒りすぎず、可愛らしい女のままでいらっしゃるのが良かったですね。昔の私なら「もっと激しく怒って当然」と思ってたんじゃないかしら。私も少しは大人になれたのかな(笑)。
 段田安則さん。越野は「なるほど」とよく言うのですが、その言い方がめちゃくちゃ面白かったです。
 安田顕さん(TEAM NACS)。元X JAPANのYOSHIKIを意識した衣裳っていうのが、ヘンにエッチで可笑しかったです。そして演技も!誰よりも安田さんに釘付け!お正月に見た舞台でもものすごいキワモノ役でしたが(笑)、今回も凄かった。舞台の上で生き生きと生きてらっしゃいますよね。TEAM NACSの舞台が観たいです。

出演=杉田かおる/高橋克実/マギー/段田安則/小松和重/池谷のぶえ/明星真由美/安田顕(TEAM NACS)
作・演出=青木豪 美術=二村周作 照明=小川幾雄 衣装=前田文子 音響=加藤温 ヘアメイク=綿貫尚美 演出助手=坂本聖子 舞台監督=瀧原寿子 チラシ・画=塩崎顕 プロデューサー=北村明子 提携=紀伊國屋書店 企画・製作=シス・カンパ二―
7月7日(金)前売り開始 全席指定6800円
公式=http://www.siscompany.com/03produce/15baku/index.htm

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Posted by shinobu at 12:13 | TrackBack

2006年09月12日

中野成樹+フランケンズ『暖かい氷河期』09/08-18 横浜STスポット

 中野成樹+フランケンズの新作です(過去レビュー⇒)。カルロ・ゴルドーニ原作の『2人の主人を一度に持つと』を、中野成樹さんがどのように“誤意訳”・演出されるのか。
 チェルフィッチュの岡田利規さんがゲスト出演されるポスト・パフォーマンス・トークの日に伺いました。

 クールな視点でしたたかに計算された、おしゃれで気軽なラブ・コメディです。ピリリと皮肉も効いています。軽い肌触りだけれど、大人がどっしりとした見ごたえを感じられる作品だと思います。
 横浜で、小皿に可愛く盛り付けられた正体不明の食べ物を一口食べてみたら、甘味、苦味、辛味、そして旨味もあった!・・・というところ(笑)。上演時間1時間45分はちょっと長く感じましたが、満足です♪ 

 劇団の制作ブログで「お客様のコメント」が公表されています。雰囲気がよく伝わってくる舞台写真あり。

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 レビューをアップしました(2006/09/12)。

 ≪あらすじ≫ パンフレットより引用。(役者名)を追加。
 イタリアはヴェネツィア。一組のカップルが今まさに結婚をむかえようとしている。新婦の名はクラリーチェ(石橋志保)、商人パンタローネ(ゴウタケヒロ)の娘である。夫となるべきはシルヴィオ(タケシタユウジ)という若者。しかし、この結婚への道のりは決して平坦ではなかった。もともとクラリーチェは、父の商売相手でもあるフェデリーゴ・ラスポーニという、顔も知らない近隣国の名門子息との婚約が決まっていたのだった。だが、そのフェデリーゴがある事情により死んでしまったとの報を受け、前よりの恋人であったシルヴィオとの結婚に落ち着いた。
 その二人の婚礼の日。なごやかな場に、一人の召使い(福田毅)があらわれる。田舎者の召使をからかう一同。だが、その召使いのある一言により、みなは混乱する。いわく「主人のフェデリーゴ・ラスポーニさんが、そこにやってきています。お目どおり願いたいそうです。」
 え? でも、だって、フェデリーゴは死んだはずでは……。
 ≪ここまで≫

 男と女の色恋沙汰と、おトボケ召使いが2人の主人に仕えることから起こる、ドタバタの取り違い騒動が描かれます。原作のストーリーがまず面白いですね。中野成樹テイストに書き換えられた(誤意訳された)脚本は、古めかしさと今っぽさが混ざり合って独特の味わいがあります。

 セリフとセリフの間(ま)や会話の組み立てが、予想通りに転がらないのがすっごく楽しいです。コミカルにデフォルメされた、ロボットのように形式ばっているとも取れる演技も、気持ちの良いところで留まる上品さがあり、驚きと小気味よさが交互にやってくるような感覚でした。

 そして衣裳が粋です!若者のカジュアルな服装に、役柄をあらわすワンポイントを追加しているのですが(例:召使はエプロン、貴族はフリル、外国人は帽子に羽など)ホントにおしゃれ♪これぞ横浜!って感じもします(勝手な先入観かしらん)。

 照明は普通の吊り照明の他に透明の電球がランダムに垂れ下がり、まるでおもちゃ箱の中のような、子供の頃に見た夢のような、レトロでロマンティックなムードも付加されます。
 装置はシンプルですが、ステージをぐるりと囲む、ゴムのように伸びる縦型ブラインド状のカーテンに動きがあって、仕掛けにもウキウキしました。小劇場ならではの醍醐味と洗練されたセンスが感じられる空間でした。

 ある人物が突然ひとりで客席に向かって心情を吐露するシーンで、普通ならその人物にサス(スポットライト)が当たるところなのですが、反対に照明を消して顔が見えないようにしていました。これがめちゃくちゃかっこ良かった!他にも、照明による場面転換や、ストップモーション(というのかどうかわかりませんが、とにかく役者さんが突然静止する時)の演出には「おぉっ!」と目を見張るものがありました。

 ここからネタバレします。

 死んだはずなのに登場したフェデリーゴの正体は、フェデリーゴの妹のベアトリーチェ(野島真理)でした。フェデリーゴを殺したと勘違いして姿を消した恋人のフロリンド(篠崎高志)を追って、男装してベネツィアにやってきたのです。なぜゆえ男装していたのかは適当な理由だったな~(笑)、まあ、女の一人旅は危ないからってことで問題ないですよね。

 いい加減な成り行きで、ベアトリーチェとフロリンドの二人に仕えることになった召使いトゥルッファルディーノ(福田毅)のせいで、お互いを探し合っている二人はすれ違い続けます。でも最後には、ベアトリーチェとフロリンド、クラリーチェ(石橋志保)とシルヴィオ(タケシタユウジ)、召使いトゥルッファルディーノと小間使いズメラルディーナ(松村翔子)の3組のカップルの結婚式が執り行われるという、いわゆるハッピーエンドが待っています。

 結婚までの道のりも結婚自体も人それぞれ。結婚するまでは大変だけれど、結婚してからの方がもっともっと大変。それでも人は恋に落ちて、家族を作り、それなりの幸せを感じながら生きていきます。心からのハッピーと作り笑いのハッピーとが絶妙に交じり合い、「悲しき哉、人類。楽しき哉、人生」と、勝手に悟って悦に入ったような気持ちになって(笑)、私の中での大団円を迎えることが出来ました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演=中野成樹/岡田利規(チェルフィッチュ)

 7年来のお付き合いになるという中野さんと岡田さんのトークは、ざっくばらんに赤裸々に、楽しく進みました。下記、面白いと感じてメモったことです。

 中野「岡田君とは、STスポットが9団体を紹介する企画で一緒になったんです。初対面が最悪だった。こいつサイテーだと思った。」 
 岡田「え?なんで?(憶えていない) ウィングチップの靴を履いてたから?」
 中野「違うよ。照明のスタッフさんがいる前で、『そこ、歌舞伎っぽい(照明の)方がいいんじゃない?』とか勝手に言い出したじゃない。」
 岡田「あぁ、全然憶えてないや。ほんとサイテーだね。」
 中野「うん、こいつぜってー潰す!って思ったよ」

 岡田「脚本が面白いよね、っていうようなことは、ここでわざわざ話さなくていいから・・・。(例えばこの芝居のように)男と女がくっついたらハッピーなのか、それを芝居で上演して有効なのかというと、当然有効じゃないよね。僕はそういう、くっついたらハッピーみたいな芝居は嫌いだし。(なのに、中野君のは面白い)」
 岡田「僕には、中野君の作品の面白いところはわかってるんだけど、それを言葉で説明できないんだよね・・・。」

 岡田「(くっついたらハッピーみたいな世界を)ちゃかすような、バカにするような。わざとらしく、おおげさにやってみるとか。美辞麗句をぬるく、バカっぽく。」
 中野「距離感を取って、敢えてやっちゃうみたいな。」
 中野「たとえばトゥルッファルディーノとズメラルディーナの無言のやりとりなんて、昔の少女漫画みたい。なのに楽しく見られるのはなぜ?っていうところ」

 中野「確かに昔はそういう、バカにするってこと自体が好きだった。」
 岡田「今は、ひねた態度がなくなってきたんじゃない?」
 中野「昔は新劇っぽさをバカにするとか、そういうのが好きだったし、やってた。チェーホフの芝居でウォッカをわざとウォドカ!って言ってみたり。それがやりたいがためだけにチェーホフやったり(笑)。たとえば江守徹(文学座)がこんな風に(ドン!と地団太を踏んで「チっ!」と舌を鳴らす演技をしながら)脚を踏むじゃない?役者にこれをやれ!って言ったり。」

 岡田「でも今はそうじゃない。」
 中野「うん、バカにしきれなくなってきたというか。年取ったのかな。」
 岡田「素直に愛せるようになってきたんじゃないの。」

 岡田「中野君の良さって何なんだろう・・・(考えながら話している)。例えば・・・衣裳に端的に表れてる。普段着を使ってるよね。(衣裳だけに関わらず)バランスが絶妙。」
 中野「稽古が終わったら、そのまま電車に乗って家に帰れるような衣裳にしてもらってる。昔はホントに普段着だったけど、今回はワンポイントつけたりね。たとえば外国人には羽、とか、召使いにはエプロン、とか。いつか本物に近い衣裳(例えば貴族はドレスとか)でやるのも面白いかな、とも思ってる。」

 中野「岡田君も普段着を使うよね。」
 岡田「あぁ~。衣裳は、ほんとうにどうでもいいと思ってて。」
 中野「『三月の5日間』の初演で白いセーター着た人がいたんだけど、それが超ダサくって。俺はあれが大好きだったのに、再演だとなんだか洗練されていて、クソっ、なんでだよって思った。」
 岡田「あぁ、あれは僕の服なんだけどね(場内爆笑)。でも(ダサイって)わかってたから、あのまま英次くんにあげた。」
 中野「それで解決ってことね(笑)。」

 岡田「脚本は語尾を現代風に変えるとかだけじゃないよね。だいぶん変えてるよね。」
 中野「脚本は半分ぐらい書き換えてますね。」
 中野「“ですわ”とか、“ですもの”とか、“泊まってやしませんか”とかって、今は全然使わないじゃない?ああいう翻訳口調が好き。ぞくぞくする。」
 岡田「でも、その“好き”っていうのも昔とは違うでしょ?」
 中野「ああ、確かに。昔はキャッキャ言ってたんだけど、今はゾクゾクなんだよね。」

 中野「(昔の自分のように)“バカにする人”が今、世の中には多いんだけど、『なんで?楽しいのかな?』って思う。なんか(ニヤニヤと皮肉っぽく笑いながら)『わざとらしいことやってみまーす』みたいな。そういうのばかりを取り上げてるメディアにも苛立ちを感じる。使い捨てすんなよ!って。最後まで、一生つきあっていけよ!って思う。」
 岡田「いや、誰も付き合ってくれないから。絶対。」
 中野「そうか(笑)。」

 中野「むしろそういうものへの威嚇っていうか、例えば流行のレストランとかあるじゃない?そんなのじゃなくて、俺は自炊する!白米を炊いて家で食う!みたいなね。」
 岡田「(中野さんに向かって)その言い方だと損するよ。」(客席で笑いが起こる)

 中野「集団自殺とか、カルトとかを描いてる小説とか芝居とか、吐き気がする。テーマに暴力とか、セックス、エロスとか、そういうセンセーショナルなことをやってることに。平たいサブカル的なことから逃げたい。」
 岡田「(『セックス、エロスとか』と中野さんが言ったところで)あ、それ俺やってる。」
 中野「そういったものを扱わなくても 面白い演劇ができるってこと。男と女が出会って恋に落ちるとか、どうせ作るなら暖かいものを作る方が精神衛生上いいかなって。」

 岡田「大事なのは相手に届くかどうか。」

 岡田「(中野君の作品がなぜ面白いかというと)批評性があるから。(センセーショナルなことを扱う)イージーさについての批評っていうのかな。・・・こうやって俺は『俺は慧眼だ』ってことが言いたいわけなんだけどね(笑)。」
 岡田「俺のは、わかりやすい批評性だから。言葉も体も新しいし。」

 岡田「中野くんはいつもは悪口ばっか言ってるよね。」
 中野「悪口大好きだからね~。」
 岡田「だけど作品からはあまりそれは出てない。」
 岡田「悪口が単純に作品に反映されないこと。批評性が単純な回路を通っていないところ(が、中野作品の良さ)。」

出演=村上聡一/福田毅/野島真理/石橋志保(以上、フランケンズ)/篠崎高志(POOL-5)/本多幸男(第七病棟)/タケシタユウジ(Dotoo!)/松村翔子/ゴウタケヒロ(POOL-5)/中野成樹
原作=カルロ・ゴルドーニ「2人の主人を一度に持つと」 誤意訳・演出=中野成樹 舞台監督=山口英峰 照明=高橋英哉 音響協力=竹下亮(OFFICE MY ON) 美術=中野成樹 宣伝美術=青木正(Thomas Alex) 制作=コ・フランケンズ
トーク=第一夜(9/10)ゲスト:関美能留(三条会/演出家)/第二夜(9/11)ゲスト:岡田利規(チェルフィッチュ/劇作家・演出家)/第三夜(9/14)ゲスト:内野儀(演劇批評・東京大学助教授)
前売:2,500円(全席自由) ※ 9/12(木)・9/13(金)は休演日
公式=http://www.frankens.jp/

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Posted by shinobu at 01:06 | TrackBack

2006年09月11日

ハーフムーン・シアター・カンパニー『愛を称えて(In Praise of Love)』09/06-10アイピット目白

 ハーフムーン・シアター・カンパニーの英米名作シリーズ第二弾だそうです。チラシを見つけた時点ですでに公演中だったのですが、テレンス・ラティガンの本邦初演戯曲ということで、あわてて時間を調整して伺いました。自転車キンクリートSTOREによるテレンス・ラティガン3作連続上演(第1弾第2弾第3弾)から、私はすっかりラティガン戯曲の大ファンなのです。

 BACK STAGEに掲載された稽古場レポート[from SUBTERRANEAN]に充実のインタビューと稽古場写真あり!

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 ≪あらすじ≫ BACK STAGEの解説から一部引用。(役者名)を追加。
 1970年初頭のイギリスが舞台です。第二次世界大戦中にイギリス秘密情報局将校だった頑固な評論家(安原義人)と、ナチスの強制収容所で九死に一生を得たエストニア難民の女性(古坂るみ子)。この夫婦が、30年近くの結婚生活を経て、人生最大の危機に直面します。
 ≪ここまで≫

 28年間の結婚生活を送ってきた夫婦、セバスチャン(安原義人)とリディア(古坂るみ子)、そして彼らの25年来の親友の小説家・マーク(井上倫宏)、放送作家としてデビュー目前の彼らの息子・ジョーイ(菊地真之)の4人芝居です。
 舞台は評論家の家の書斎兼リビング。リビングから階段を4段ぐらい上がったフロアに、小さなダイニングもあります。劇場の壁の色とうまく溶け合った、品の良いリアルな美術でした。

 脚本はさすがの面白さでした。ある夫婦、ある友人同士の一対一の会話から、丁寧に、すこ~しずつ、夫婦が深刻な状況にあることがわかってきます。書き込まれているテーマは戦争、難民、国籍、性差、家族、愛人、貧富、病気、死別、嘘と正直、など多岐にわたります。

 演出や演技については満足できなかったですね。ところどころ胸を打つ間(ま)もありましたが、まず舞台上にいる人たちが、セリフで語られているような人物に見えづらいことが残念でした。
 新キャスト、新演出でまた上演していただきたいです。

 ここからネタバレします。

 リディアは若い頃の栄養失調(カリウム不足)が原因で、多発性動脈炎(白血病の一種)という難病に侵されており、余命数ヶ月という深刻な状態でした。それを親友のマークに告白することから、ドラマが始まります。
 リディアはソビエト、ナチスドイツ、ロシアに次々と侵略され、消滅したエストニアという国で生まれました(今は独立しています)。命からがら強制収容所から逃げ出した彼女は、ベルリンで夜の女になり、そこでイギリス軍人のセバスチャンと出会ったのです。

 これらのバックグラウンドはすべて会話の中から少しずつ明かされていきます。親友のマークがバイセクシャルで、セバスチャンとリディアの二人ともを愛していることや、リディアは必死で病気のことをセバスチャンに隠していたけれど、セバスチャンは何もかもお見通しで、彼女の嘘にずっとつき合ってきたことも。下記、心に残ったセリフ(正確ではありません)を書いておきます。順不同です。

 リディア「戦時中のヨーロッパで(難民になった)何百万人の人が、ただ死にたくても死ねなかったこと。」
 セバスチャン「バルト人はナチスにとっては下等動物だった。ガス室にも値しない。だからのっぱらに生き埋めにされていた。」
 リディア「セバスチャンとはベルリンで結婚した。私を助けるために、私にイギリス国籍を与えるために。」

 リディア「私はエストニア人。イギリス人じゃない。」
 マーク「僕はラトヴィア(リトアニア?)人じゃない。アメリカ人だ。祖父はユダヤ人。」
 リディア「イギリスは大好きよ。でもイギリス人とは仲良くなれない。」
 ※セバスチャンはスコッチ・ウィスキーを、マークはバーボンを飲むところからも、国籍の差が表れます。

 リディア「(息子に向かって)大切なのは思想や信条、政治や理論じゃない。一番大切なのは人間だってこと。」

 セバスチャン「私はリディアを失うとわかってから、自分がどれほどリディアを愛していたかに気づいた。だから私は半年前から彼女を愛してきたのだ。君(マーク)が25年前からずっとやってきたことなのに。あぁ、28年前に気づいていたら・・・!」


 リディア役の古坂るみ子さんがとても美しい方だからでしょうが、渋い魅力のセバスチャン(安原義人)の妻としては若すぎる気がしました。また、小説家のマーク(井上倫宏)も25年来の友人にしては若すぎるように思います。そして、これは私の偏見なのかもしれないですが、リディアがあまりに生き生きとしてきれいな奥様なので、“6年間も強制収容所に入れられた経験のある元エストニア人レジスタンスで、ロシアの収容所でロシアの将軍のおかかえ運転手(兼・娼婦)として働いていた”という経歴の持ち主には見えなかったんですよね。

 ラストは頑固一徹のセバスチャンが、チェスを通じて息子と初めて本当の対話をするシーンなのですが、「あれ?これで終わり??」というあっけない幕切れになってしまっていました。もっとじっくり作りこまれていれば、あそこで観客は号泣できたはずだと思います。

 ※パンフレットに、翻訳をされた英文学者の荒井良雄さんが
 「振り返って観ると、ラティガンの日本における受容は、小田島雄志氏の『深く青い海』と『銘々のテーブル』の訳や、私が企画して解説を書き、加藤恭子氏に翻訳を託した『ラティガン戯曲集』(原書房)が最初だった。それ以後、こうした翻訳のある作品のみの上演があっただけで、『愛を称えて』が未上演のまま、ラティガン没後三十年が来年に迫った。」
 と書かれています。でも去年のテレンス・ラティガン3作連続上演で使用された戯曲は、それぞれが常田景子さん、鈴木裕美さん、マキノノゾミさんによって新訳されたものです。

"In Praise of Love" by Sir Terence Rattigan
出演=安原義人(テアトル・エコー)/古坂るみ子(文学座)/井上倫宏(演劇集団円)/菊地真之(長沢演劇グループ)
作=テレンス・ラティガン 訳=荒井良雄 演出=吉岩正晴 美術=宮原修一 照明=手嶋榮一 音響=藤平美保子 衣裳=中山香 舞台監督=辰巳次郎 演出助手=新見真琴 制作=森島朋美
全席自由 一般4000円 学生3000円
ハーフムーン・シアター・カンパニー=http://www.halfmoon-jp.com

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Posted by shinobu at 15:02 | TrackBack

2006年09月10日

ジャニーズ事務所『Pop Up! SMAP 飛びます!トビだす!とびスマ?TOUR」』09/10国立競技場

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Pop Up! SMAP@国立競技場

 SMAP結成15周年だそうです。去年と同様にお友達に誘われてスマップのコンサートにお邪魔しました。国立競技場なので野外コンサートです。風が気持ちよかった~。

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 私は今回で2度目なので特に衝撃はなかったです。はじめてだった人は客席の熱気とかコンサートのシステムとかにまず圧倒されて、体験してること自体が楽かったみたい。去年の私がそうだった(笑)。

 中居さんが左足を肉離れさせちゃったそうで、「踊れません」とのお詫びから始まりました。可哀想・・・でも中盤以降はかなり踊ってたような(汗)。どうぞお体大切に。
 草彅さんが韓国語まじりの歌詞で「TOKIO」を歌われたのが面白かった。なんと草なぎさんがハングル語訳されたんですね。韓国好きになっちゃうよ。国際貢献されてますね。
 「Triangle」って歌、いいですねー。紅白だかミュージックステーションだかで聴いた時も、いいなって思ってたんですが、歌詞を味わってしみじみしました。

 “Pop Up! ”というのは3D動画のこと。観客みんなで3Dメガネかけてる図って面白いんだろうな(笑)。

出演=SMAP(稲垣吾郎、木村拓哉、香取慎吾、草なぎ剛、中居正弘)/ダンサー20人ぐらい(?)/演奏者多数
主催=TOKYO FM/Inter FM/文化放送/FMヨコハマ 後援=ビクターエンタテインメント 企画=ジャニーズ事務所 制作=ON THE LINE 運営=キョードー東京
全席指定7500円
アルバム「Pop Up! SMAP(初回盤) 」=http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A002763/-.html

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Posted by shinobu at 23:33 | TrackBack

東京タンバリン『ワルツ~隣の男~』09/08-18三鷹市芸術文化センター・星のホール

 東京タンバリンは高井浩子さんが作・演出される劇団です。今回は1劇場で同時に2公演を行うという試みで、fringeでも取り上げられていますね
 私は出演者が少ない『ワルツ~隣の男~』の方を拝見しました。もう一方は『立待月~隣の女~』です。マンションの隣り合う二部屋が舞台になっているんですね。

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 ≪あらすじ≫
 サラリーマンの亮(山田伊久磨)が一人暮らししている小ぎれいなマンションの一室。婚約者の聡美(皆戸麻衣)が夕飯を用意して待っていたりして、2人は甘い婚約生活を満喫している。そこに亮の学生時代の親友・大輔(木下政治)が転がり込んできた。大輔は劇団の主宰かつ作・演出家で、順風満帆な人生を送っているわけではなさそうだ。大輔の劇団のメンバー、茉莉(田中里枝)と太郎(瓜生和成)も出入りするようになり、亮と聡美の生活は突然様変わり。亮は親友の大輔との暮らしを楽しんでいるが、聡美の心は決して穏やかではなかった。
 ≪ここまで≫

 若い頃からの親友同士がそれぞれ違う進路に進み(一人はサラリーマン、一人は劇団員)、久しぶりの再会を果たした時には彼らを取り巻く世界は完全に別のものになっていた。でも、好きだった映画、好きだった音楽、一緒に遊んだ思い出は決して変わることなく、二人の体に染み付いて今も輝いている・・・。こういうことってどんな人にも共通の体験としてあるように思います。だから「そうだよね~」と共感はできるんですけど、私としてはノスタルジーのその先が観たいんですよね。たとえば「だから俺はこうやって生きていくんだ」という希望とか、「だからもう俺は死ぬんだ」という絶望とか。

 東京タンバリンというと「必要とは思えないダンスシーンが挟まれる」という噂を聞いており、たしかに私が前に観た作品はそうでした。今回もダンスのようなシーンはありましたが、意味もあったし観ていて楽しかったです。突然、客席に向かって独白しはじめたり、演じる役柄を次々と変えていく演出も面白かったですね。
 ただ、初日に拝見したからかもしれませんが、全体的にぎくしゃくしているように感じました。2作品同時上演という試みも関係しているのでしょう。これから良くなっていくのだろうと思います。

 ここからネタバレします。

 1年前に母親を亡くし、母ひとり子ひとりの生活から一人暮らしをしはじめた亮は、実はかなりのマザコンだった、というのに納得でした。また、亮の母親と大輔が若い頃に肉体関係を持っていたというのも、無理のないバックグラウンドだったと思います。そして母親だけでなく、婚約者の聡美まで大輔に取られてしまうという展開も、自然に受け入れられました。プライベートでも社会的にも、大輔よりは幸せそうに見える亮だけれど、一番欲しいものはいつも大輔に奪われるという構図は、皮肉だけどとても共感できました。
 それに・・・大輔(木下政治)ってセクシーだもんねーっ。演劇をやってる人って、どうしようもなく危険な、野性的な魅力に溢れてたりするんですよね(笑)。あ、でも亮役の山田伊久磨さんもいつもながらかっこ良かったです。婚約者・聡美役の皆戸麻衣さんは白黒の千鳥格子のタイトスカートがものすごく似合ってらっしゃって、私は美しいお尻のラインに釘付けでした(笑)。すみません、へんなとこばっかり観てて。

 それにしても・・・登場人物に映画の話を延々とさせるのはなぜなのでしょうね(亮と大輔の共通の趣味が映画鑑賞だった。話題に上った人名:スタンリー・キューブリック、マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、ウッディ・アレン、アキ・カウリスマキ等。)。作・演出の高井浩子さんが映画好きであることは明らかですが、ただ映画のマメ知識を羅列するだけの使い方には必要性を感じません。前に拝見した時もそうだったんですけど、狭い世界の自慢話にしか聞こえないんだよな~・・・(いつものお約束なのかしら)。チェーホフ「かもめ」の引用についても、ただしゃべるだけじゃなくって、もっと物語の根幹に触れるような使い方をされるといいのにと思いました。

 あと、演劇をやっている人を登場させるのはリスクが高いですよね。できればバンドマンとか絵描きとか、演劇には関係のない職業だった方が良かったと思います。

 【隣りの部屋とのからみについて】

 亮の隣りの部屋に、新しく姉妹が引っ越してきたという設定でした。隣りからのアプローチは、引っ越しの挨拶にタオルを持ってくる、何かのお礼に石鹸を持ってくる(その石鹸でトラブルが起きる)、回覧板を持ってくる(ふりをして勝手に侵入?)・・・ぐらいだったかしら。特に重大なことは起こりませんでしたね。ストーリーの核の部分でつながっていたら、両方観たいと思うかもしれません。例えば亮が隣りの女と浮気するとか(笑)。

 同時進行で2作品が上演されていますので、音楽・音響、そして暗転は共通しています。これって・・・大変なことだと思います。そもそも脚本執筆の時点できっかけを同じにしなきゃいけないし、役者さんも演技をしながら時間調整とか必要ですよね。こっちで派手な照明の中、音楽にあわせて踊ってる時、むこうは何やってるんだろうな~って想像するのは楽しかったです。

『ワルツ~隣の男~』出演=瓜生和成/皆戸麻衣(NYLON100℃)/ 山田伊久磨(エッヘ)/田中里枝/木下政治(劇団M.O.P.)
『立待月~隣の女~』出演=森啓一郎/本間剛/草野イニ (ロリータ男爵) /佐藤恭子 (カムカムミニキーナ) /ミギタ明日香/島野温枝/遠藤章弘/大田景子/菊池未来/鈴木里実/田島冴香
作・演出=高井浩子 舞台監督=松下清永/甲賀亮 照明=橋本剛(colore) 照明オペ=佐生由香里/吉村愛子 音響=中村嘉宏(atSound) 音響オペ=筧良太(Sound Cube) 舞台美術=鈴木健介(青年団) 舞台補助=坂田恭子 装置=C-COM 宣伝美術=清水つゆこ 制作=東京タンバリン
8/4発売開始 前売り3000円 当日3300円 劇場会員割引あり ニ公演セット券5500円 隣の部屋追加券2500円 高校生以下1000円(公演当日、入場時に学生証提示)
劇団=http://tanbarin.sunnyday.jp/
公式=http://tanbarin.sunnyday.jp/waltz&moon/

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Posted by shinobu at 15:26 | TrackBack

マーク義理人情『俺たち仲良し!!』09/07-10王子小劇場

 さまざまな演劇関係者からお薦めをいただき、初めて拝見しました、マーク義理人情。男性4人の劇団です。最初に脚本はなく、劇団員がエチュード(即興演技)から作品を立ち上げていくスタイルだそうです。なるほど、どこにも似ていない“マーク義理人情オリジナルの世界”がありました。※STUDIO VOICEでも紹介されています。

 私にとっては頭を伏せたり、目を覆うしかなかった場面が多々あり(笑)、そういうことも含めて楽しませていただきました。この人たちだから、マーク義理人情だから、できることなのでしょう。

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 レビューをアップしました(2006/09/13)。

 ≪あらすじ≫
 井戸のまわりに集まるスーツ姿の男4人。我こそ先にと、みんな井戸の中に入りたいらしい。なぜならタイムカプセルが埋まっているはずだから(これ以上書くとネタバレになるので控えます)。
 ≪ここまで≫

 最初のシーンで唖然としてしまい、何も考えないでただ受身になって観ることにしました。黒くて大きなドーナツ状の物体は、井戸なんですね。後ろにある大きめの装置も手作り感がにじみ出ています。

 描かれたのは男の子たちが無邪気に遊ぶ姿、かな。女が4人集まっても決してあんなことはやらないだろうな、でも男なら、男の子ならきっとやるだろう、あんなおバカな醜態を・・・(笑)。

 ここからネタバレします。

 タイムカプセルから6年3組神山智子ちゃんのスクール水着が出てきました。それだけだったら別に驚かないんですが、なんと続いて3着、合計4着も出てきちゃうんです。つまり4人全員が一人の女の子を好きで、ある夏に4回続けて水着を盗んだってことなんですね(苦笑)。さらにその場で全員が水着に着替えます!それ以降、ずっと水着姿のままで芝居が続きます・・・あーもー・・・・目も当てられない。でも見ちゃう(笑)。
 「智子ちゃん、見て見てー!ちんちんぶらぶらソーセージ♪」て・・・毎下校時にあれをやられたら、水着盗まれてなくても転校するよっ!!

 タイムカプセルの中身を披露するのが終わったら、次々と遊びを考え付きます。ヘビを退治したり、怪談話をしたり、そして井戸から出る方法を考えたり。
 ロープの替わりにネクタイをつなぎあわせ、それを井戸の出口へと投げ縄のように放り投げて、脱出するための手綱にしようとするのですが、全くうまく行きません。2、3度投げる内に投げること自体が楽しくなってきて、ネクタイをうまく投げる遊びへと進化してしまいます。・・・本末転倒です。だけどすっごく楽しそう・・・あきれつつも微笑ましく、スクール水着姿の男の子達を見つめてしまいました。
 最後は小さな人形を糸で操作して、男たちが壁を登っているように見せる演出がありました。ネタとしてではなく演劇として面白いと思いました。でもおそらく難しいことは一切考えていなくて、ただ「面白い!」と思ったからやっただけなんでしょうね。ステキなことだと思います。

 劇団員は出演している男性4人だけだそうです。4人で話し合って、皆で一緒に作り上げているんですね。仲間同士だからこその密接なコミュニケーションがあったと思います。

 手作り感あふれる全面的に“ちゃちい”印象は、「これがマーク義理人情のカラーなんです」と言い切ってしまえば成立することなのですが、私としては今後、あらゆる面で洗練されていってもらいたいですね。例えばスタッフワークについては照明をもっと活用できると思いますし、演技についても効果的とはいえない繰り返しを省くとか、もっと工夫ができると思います。

出演=竜沢孝和/岡崎智浩/成瀬功/高橋康則
照明=近村多恵 音響=櫻井寿典 撮影協力=内野公紀/ワタベマユミ チラシデザイン=瀬戸口のり子
前売り・当日共に2000円
劇団=http://www.geocities.jp/ninjou2005/

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Posted by shinobu at 01:22 | TrackBack

2006年09月08日

青年団リンク・二騎の会『直線』08/31-09/06アトリエ春風舎(2回目)

 ポスト・パフォーマンス・トーク出演日に2度目を拝見しました。作品の概要については初日のレビューをご覧ください。
 全体のムードはずいぶん変わっていましたね。
 公演は終了しておりますのでネタバレします。

 【関連記事(2006/09/08追加)】
  ⇒二騎の会の紹介
  ⇒初日のレビュー
  ⇒2回目のレビュー(このエントリーです)
  ⇒ポスト・パフォーマンス・トーク

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 京子(石橋亜希子)が突然、爆弾のスイッチを押してしまうシーンが最高に可笑しかったです。だって山根(永井秀樹)が涙ぐんでるっ!!(笑) そうですよね、泣いちゃうよね、だって真管が通ってたら全員即死だもの。それも平気で京子はスイッチを押したわけだから、彼女の本気があの瞬間に証明されたんですよね。・・・自爆テロだ。そこが大笑いできるシーンになっていたのは大成功だと思いました。初日はとにかく気が張り詰めていて怖かったように記憶しています。

 1人を2人で演じるという現実にはありえない世界で、誰もが普通に相手とアイコンタクトをとって、コミュニケーションをしていました。それが当たり前に、自然に成立しているのが不気味で、最初はなんともむずがゆいような、すっきりしない気持ちになります。それが演劇体験として面白いと思います。
 初日に比べるとその不可思議な会話がとてもスムーズでしたね。私が2度目だからでしょうけど、できればもう少しドギマギしたかったですね。ぎこちない状態から少しずつ自然になっていく・・・という風であれば、出演者と一緒にもっと楽しめたように思います。

 さて、初日ではあんなに「あや(村井まどか&松田弘子)がウザイ」などと勝手なことを思っていた私ですが、2度目はそれほどムカつかなかったです(笑)。あやは山根(永井秀樹)のことが好きなんだって最初のうちから感じられたからかもしれません。
 終演後に他のお客様とお話したのですが、「京子(石橋亜希子&天明留理子)の方がよっぽどムカつく」とおっしゃる方や、「山根が女4人にいじめられて可哀想」とおっしゃる方もいらっしゃって(笑)、かなり盛り上がりました。個性的で頑固な3人の登場人物に、観客は何らかの感情を持つことができたのだと思います。それは役者さんがその人物になりきっていたから、人物がありありとそこに存在したから可能だったのではないでしょうか。

 2回観てトークにも出演して、この『直線』という作品は私にとって特別なものになりました。でもあえてその気持ちを排除して、普段の感覚に戻って自分がどう感じたのかを振り返ると・・・。
 1人を2人で演じるというアイデアは面白かったし、それゆえの独特の効果が出たところもあったと思います。しかしながら、自爆テロ、カルト集団、一人暮らし、結婚生活、愛する人を失うことなどを題材にした、現代を生きる若者の三人芝居の上演だと考えると、この演出方法は必要不可欠であったとは思えません。
 また、ストーリー展開に疑問が残るところもあったので、三人で上演していれば納得の行く(納得が行かないことに納得できる)ところまで、作りこむことができたのではないかとも思います。再演を期待したいと思います。

★9/3(日)18:30の回のポスト・パフォーマンス・トークに出演いたします。
出演=松田弘子/永井秀樹/天明留理子/石橋亜希子/村井まどか/他
作=宮森さつき(青年団演出部) 演出=多田淳之介(青年団演出部) 照明=岩城保 舞台美術=鈴木健介 宣伝美術=多田淳之介 演出助手=玉邑浩二 制作=二騎の会 総合プロデューサー/平田オリザ 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
日時指定・全席自由・整理番号付 予約2,000円 当日2,300円(9月5日15:00の回は平日マチネ割引 予約1,700円 当日2,000円)
公式=http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks060717.html

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Posted by shinobu at 14:07 | TrackBack

2006年09月07日

松竹『魔界転生』09/02-26新橋演舞場

 G2さんが演出する『魔界転生』(←映画情報にリンクしています)。中村橋之助さん、成宮寛貴さんが主演です。特に小劇場で活躍されている役者さんが勢ぞろいなんですよね。キャスティングに惹かれて伺いました。
 上演時間は途中休憩10分&30分を挟む、合計3時間25分です。長時間ですが軽~い感覚で観ていられました。でも同時に物足りさも否めませんね。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。(役者名)を追加。
 島原の乱が幕府軍によって鎮圧された夜。
 亡くなったはずの天草四郎(成宮寛貴)の周辺で不思議なことが起こっていた。
 それから8年―。
 柳生の郷で暮らす十兵衛(中村橋之助)のもとに紀州から知らせが届く。
 紀州藩主徳川頼宣(升毅)は魔物に憑かれている……。
 頼宣を救うべく紀州へと旅立つ十兵衛。
 その頃、紀州の隠れ屋敷では十兵衛の父・柳生但馬守(六平直政)が四郎から魔界への転生を促されていた。
 すでに転生を果たしたのは荒木又右衛門(山本亨)、宮本武蔵(西岡德馬)、宝蔵院胤舜(田尻茂一)……。
 四郎は魔界衆とともに幕府転覆をもくろんでいたのだ。
 ≪ここまで≫

 大筋としては正義と悪との戦いが描かれます。チャンバラがメインで。悪者たちについては、この世に未練を残して死んだ普通の人間が、悪霊となって現出しているという設定ですので、全く感情移入ができないわけではありません。正義の仲間達が命がけで悪者を一人ずつ殺していって、最後に大将を倒す・・・う~ん、テレビゲームみたいな感じ?※ストーリー自体がこの通りなのではありません。

 ギャグがすっごく気さくで軽くて、新橋演舞場っぽくない空間でしたね。お色気演出がそこここに散りばめられているんですが、物足りなかったな~。役者さんの動きや立ち配置などが、ざっくばらんな(厳密に決めていない)印象で、全体のバランスとしてはあまり良くなかったと思います。
 舞台の転換がいっぱいありました。お屋敷になったり森になったりお寺になったり、かなり大掛かりでしたね。
 きっと役者さん個人個人の芸や存在を楽しめばいいのでしょう。でも私はそれだけでは満足できないんですよね。

 ここからネタバレします。

 成宮寛貴さん。上半身裸に黒い長髪という姿で登場した時は、女のようだけれど男である、だけど限りなく女にも近い・・・という怪しい魅力があって美しかったです。
 紀州藩主(升毅)の部下役だった千葉哲也さんが、「手打ちにした」という一言で死んだことになっていたのが、ちょっと面白かったです。『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』みたいで(笑)。

出演=中村橋之助/成宮寛貴/藤谷美紀/馬渕英俚可/遠藤久美子/六平直政/山本亨/千葉哲也/升毅/西岡德馬/蛍雪次朗/笠原浩夫/陰山泰/関秀人/中村橋弥/山さき雄介/内田滋/及川直紀/大月秀幸/坂田聡/福田転球/田尻茂一/園岡新太郎/ほか
原作=山田風太郎 脚本・演出=G2 美術=金井勇一郎 照明=高見和義 音楽=田中傅次郎 音響=井上正弘 衣裳=松居エリ 振付=前田清美 殺陣=諸鍛冶裕太 所作指導=中村光江 演習助手=井口祐弘/山田美紀 舞台監督=青木義博 制作事務=前田義朗 宣伝美術=東學 宣伝写真=谷敦志 宣伝メイク=宮内宏明 制作協力=G2プロデュース/クリームインターナショナル 制作=松本康男/吉川博宗/伊東洋介 製作=松竹株式会社
6月30日発売開始 1等席12,600円 2等席8,400円 3階A席4,200円 3階B席2,520円 1階桟敷席13,650円
公式=http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0609/index.html

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Posted by shinobu at 23:37 | TrackBack

ホリプロ『オレステス』09/06-10/01シアターコクーン

 蜷川幸雄さんが演出されるギリシア悲劇に藤原竜也さんが主演。藤原さんの『身毒丸』出演から10周年という節目でもあるそうです。
 アンナことやコンナことが起きる、2時間20分休憩なしのシアターコクーン。てっきり休憩があるのだろうと信じていた私は、体力の時間配分を間違えました(汗)。これからご覧になる方は、腹ごしらえをして、「休憩は無いんだ!」という意識で臨まれることをお薦めします。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより引用。ストーリーがかなり詳しく書かれています。
 不倫の末、父アガメムノンを殺した実の母親クリュタイムネストラを殺し、父の仇討ちを見事に果たしたオレステス(藤原竜也)。しかし彼はその後、復讐の女神たちに呪われ、正気と錯乱を繰り返して衰弱していった。姉エレクトラ(中嶋朋子)は、全てを捧げ必死に看病するが狂気の発作は一向に癒えない。
 そして今日にもアルゴス人たちは母殺しの姉弟の処刑方法を投票で決めようとしている。
 絶体絶命となったエレクトラの一縷の望みは、叔父のメネラオス(吉田鋼太郎)の帰国だ。クリュタイムネストラの妹ヘレネ(香寿たつき)が巻き起こしたトロイアの戦いからまもなく戻ってくるのだ。メネラオスに助けを求めるオレステス。
 そこへ祖父のテュンダレオス(瑳川哲朗)がやってくる。かつて仲のよかった祖父と孫は、今や娘を殺された父と父を殺された息子となり、ののしりあい、憎しみ合う。頼みの綱のメネラオスにもすげなくされ、悲嘆にくれるオレステス。
 そんな中、とうとう二人の死刑が決定する。
 その知らせを聞き、怒りと絶望の果てにエレクトラは、さらに恐ろしい計画を思いつく。ヘレネを殺し、メネラオスとヘレネの娘、ヘルミオネを人質にとるというのだ。そうすればメネラオスも心動かされるだろう。それでも力を貸さないようであれば、ヘルミオネも殺してしまえばいい。今や唯一の味方、母親殺しにも手を貸してくれた親友ピュラデス(北村有起哉)とともに計画を実行に移すオレステス。
 そこへ神アポロンが現れる…。
 ≪ここまで≫

 のっけから熱い、あっつい演技!そして大掛かりな仕掛け・・・!
 父親の敵討ちとはいえ、実の母親を殺した罪に問われて死刑になるかならないか・・・という、極限状態の姉弟(中嶋朋子&藤原竜也)ですものね。蜷川さんのお芝居に出る役者さんは、体力と精神力の限界に挑戦!みたいに見えるのが常とはいえ、中嶋朋子さんと藤原竜也さんのテンションの高さは、こっちが引きそうになるほど激しく、「この先いったいどうなるんだろ(どうするんだろ)」という、不安にも近いドキドキ感に襲われました。
 ※役者さんの演技についての“テンション”という言葉については、私には正確な意味はわかりかねます。一般的にテレビなどで使われている意味に取っていただければ、近いかなと思います。

 そういう“極限状態の演技”がずっと満遍なく続くので、途中で疲れて集中できなくなりました。でも最後の最後には「あぁ、そういうことだったのか」と腑に落ちました。

 ここからネタバレします。★これからご覧になる方は決してお読みにならないでください。

 今回は・・・水、というか雨でした。もー何度も何度も舞台に大雨が降ります。びしょぬれになりながら声を張り上げて演技する、か細い体の中嶋朋子さんがなんとも痛ましい。上半身は常に裸で、脚もあらわに露出した藤原竜也さんは、胸から顔にかけて常に紅潮しています。頭から湯気が立ってそう(きっと立っているでしょう)。

 オレステスとエレクトラに死刑が宣告されるまでの「あぁ、なんて俺たちは可哀想なんだ!」とヒステリックに訴えかけるような演技に、徐々に満腹感が・・・。女性ばかりの感情的なコロスにも食傷気味に。けれど、ピュラデスが登場して「どうせ死ぬなら叔父メネラオスに復讐しよう」と言って、彼の妻ヘレネの殺害を提案した瞬間、空気が一変しました。あの、ぐるりと回転したかのような変化は躍動感があって爽快でしたね。※この後、さらにエレクトラが「娘ヘルミオネを人質に取ろう」と持ちかけます。

 オレステスがヘルミオネを人質にとって、叔父メネラオスとまさに対峙せんとしたその時、アポロンが光臨します(人は現れず、声が放送で流れます)。アポロンは、メネラオスからヘレネを奪って女神にし、オレステスをヘルミオネと結婚させてアルゴスの王に、メネラオスをトロイヤの王にして、エレクトラとピュラデスを結婚させます。いきなり晴天の霹靂な大団円がやってきてしまい、私は「おいおいアポロンさん、神様だからってそんなに強引なことやっていいんかいな?」と突っ込みたくなる気持ちでいっぱい!でも登場人物たちはアポロンの言うがまま、素直に従います。

 「うむむ・・・ギリシア悲劇、神は何がなんでも万能なのか・・・」と思ったところに、バッサバッサと大量の白い紙が客席に振り落ちてきました。アメリカ合衆国の国旗の絵と、アメリカ国歌が日本語で書かれています。他にはイスラエル国、レバノン共和国、パレスチナ自治区のものがありました。この紙を蒔いていたのは2階席にいる黒いマスクの男たちでした。国歌が流れる中、銃声、爆音、ヘリコプターの騒音が響きます。

 そもそもオレステスはアポロンに命じられて母親を殺したのに、その罪で死刑を宣告されました。今度もまたアポロンの命令で命を救われ、一国の王になるという顛末なのです。映画「華氏911」を思い出しました。
 また、父親の敵を討つために母親を殺したオレステスに死刑宣告したことで、逃げ道がなくなったオレステスらは、叔父メネラオスを道連れにすることを決意し、ヘレネ殺害を企てました。ヘレネ殺害は失敗しましたが、城に住む奴隷や使用人たちはピュラデスが大勢殺します。今、私たちがニュースで目にしている武力報復の繰り返しと重なりました。

 最後のアポロンの声の放送がしらじらしいものに聴こえてきた時、これまでのハイテンションな演技の応酬は、ここに集約するためのものだったんだなと納得しました。好みではないですが。

 北村有起哉さん。オレステスの親友ピュラデス役。客席後方から舞台へと走りこんでくるスピードや、オレステスに接する落ち着いた態度から、彼が本気でオレステスを求めてやってきたことがわかりました。声を張らず、特にぎらぎらした目もせず、あくまでも自然に親友とともに居るという状態で舞台上にいらしたように思います。私はこの北村さんの伸びやかな存在感のおかげで、スッと落ち着くことが出来ました。

≪東京、大阪、名古屋≫
出演=藤原竜也/中嶋朋子/北村有起哉/吉田鋼太郎/香寿たつき/横田栄司/田村真/前川遙子/寺泉憲/瑳川哲朗/市川夏江/江幡洋子/井上夏葉/羽子田洋子/難波真奈美/今井あずさ/栗田愛巳/松坂早苗/江間みずき/さじえりな/植木彩子/成澤希見子/額田麻椰/村田京子/茂手木桜子/横田透/兼子和大
作=エウリピデス 翻訳=山形治江 演出=蜷川幸雄 美術=中越司 照明=原田保 衣裳=小峰リリー 音響=井上正弘 ヘアメイク=佐藤裕子 音楽=池上知嘉子 振付=広崎うらん 演出助手=井上尊晶/石丸さち子/大場雅子/藤田俊太郎 舞台監督=芳谷研 宣伝美術=アタマトテ・インターナショナル アートディレクション=榎本了壱 デザイン=小倉利光 編集進行=岡田亜矢子 企画制作=ホリプロ エグゼクティブ・プロデューサー=堀威夫 チーフ・プロデューサー=金森美彌子 プロデューサーー=小川知子 営業統括=内海雅史 制作統括=栗田哲 営業=古屋芳幸 票券=片岡由佳 制作=池邉里枝
一般発売 2006/5/27~ S席9,000円 A席7,500円 中2階立見券3500円
劇場公式=http://www.bunkamura.co.jp/
劇場サイト内=http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/shosai_orestes.html
公演公式=http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=75

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Posted by shinobu at 01:04 | TrackBack

2006年09月05日

世田谷パブリックシアター企画制作『敦-山月記・名人伝-』09/01-18世田谷パブリックシアター

 大感動した初演に引き続き、再演も拝見してまいりました。演出がけっこう変わっていたように思います。
 私は初演と比べながら観ることを避けられませんでしたが、初めてご覧になる方にはとってもお薦めできる作品です。当日券については劇場にお問い合わせください。

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 あらすじ、内容については初演のレビューでどうぞ。
 原作本はこちら↓ 高校1年生の時に授業で『山月記』を読んですごく感動したんですよね。

李陵・山月記
李陵・山月記
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9. 6
中島 敦著
新潮社 (2003.12)
通常2~3日以内に発送します。

 初演と同じく、漆黒の闇の舞台で中島敦像へと深く迫っていきます。オープニングは野村萬斎さんの声で中島敦の経歴を説明することから始まりました。初演もこういうのだったかしら・・・尺八と大鼓の演奏で始まった気がするんだけどな・・・憶えてない(涙)。大鼓(亀井広忠)は声が凄かったです。ストーリーの中で重要な役割を果たしていましたね。大鼓の音と亀井さんの声と、舞台上の役者さんの動きとが一体になって、非常に躍動感のある演出でした。尺八(藤原道山)は後半の『名人伝』の時に鳥肌が立つ瞬間がありました。

 野村万作さんは虎になる前の李徴の演技にしびれましたね~。虎は初演に比べるとパワーダウンな印象。でも充分にかっこいいです。虎の衣裳が新しくなっていましたね。黒い部分が追加されていて、ささくれだった感が増したように思います。でも私は初演バージョンの方が好きだな(初演の舞台写真に写っています)。

 今回は『山月記』よりも『名人伝』の方が楽しめました。初演の時はもう前半で疲れきってたんですよね~(苦笑)。あまりの気迫に涙がぼろぼろ流れて、体がしびれて・・・という状態だったんです。今日はそこまでは感じられなかったな~。初演の初日ならではの緊張感だったのかしら。
 『名人伝』での、生き物のように動く文字映像の演出はやっぱり面白いです。あれは漢字を知っている日本人ならではのお楽しみですよね。

出演=野村万作/野村万之介/野村萬斎/石田幸雄/深田博治/高野和憲/月崎晴夫/亀井広忠(大鼓、2日・16日は原岡一之)/藤原道山(尺八)
原作=中島敦 演出・構成=野村萬斎 美術=松井るみ 照明=小笠原純 衣裳=半田悦子 音響=尾崎弘征 演出助手=小美濃利明 舞台監督=勝康隆 技術監督=眞野純 宣伝美術=杉浦康平+佐藤篤司+島田薫 主催=財団法人せたがや文化財団 企画制作=世田谷パブリックシアター 協力=万作の会
前売開始7月2日 全席指定S席7,000円/A席5,000円 TSSS(学生会員割引)S席3,500円/A席2,500円 世田谷区民割引、会員割引あり ※未就学児童はご入場いただけません
世田谷パブリックシアター=http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/
初演のレビュー=http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0906235939.html

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Posted by shinobu at 22:56 | TrackBack

青年団リンク・二騎の会『直線』ポスト・パフォーマンス・トーク09/03アトリエ春風舎

20060903%20choku-sen.JPG
トークに出演

 『直線』9/3(日)18:30の回終了後のポスト・パフォーマンス・トークに出演いたしました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。

 舞台上でトークするのは初めてでしたので相当まごまごしていたのですが、演出家の多田淳之介さんが気さくにお話してくださり、素朴な疑問に率直にお答えいただくことができたように思います。
 とにかく頭の中に「?(ハテナ)」がいっぱい残る作品だったので(笑)、お客様からの質問も沢山いただけました。下記にトークの内容を少しだけ。ネタバレしています。

 【関連記事(2006/09/08追加)】
  ⇒二騎の会の紹介
  ⇒初日のレビュー
  ⇒2回目のレビュー
  ⇒ポスト・パフォーマンス・トーク(このエントリーです)

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 さらっとした自己紹介の後、すぐに切り出した質問はコレ↓
 「なぜ3人芝居なのに出演者が5人なの?」
 コレですよ、コレ!コレを聞かなきゃ話になりません(笑)!
 
 多田「2年前に宮森さんの脚本を読んだ時点で、3人芝居だということがわかっていた。でも出演者が3人だと観客動員が厳しい(苦笑)。とっさに浮かんだのがダブルキャスト公演(年配3人VS若者3人)だったけれど、僕自身がダブルキャスト公演が好きではない。そこで、1人の役を1人で演じる必要は、実はないんじゃないのか?複数人で1人を演じてもいいのではないか?と発想した。」

 多田さんはご自身が主宰・作・演出・出演される東京デスロックという劇団で、すでに3人で6人を演じ分けるという作品も発表されており(⇒レビュー)、“演劇の当たり前”を壊すこと、前提条件を疑うことに慣れて(長けて)いらっしゃるんだなと思いました。
 また、青年団の若手自主公演や青年団リンクの公演は独立採算制ですので、色んな優遇措置があるとしてもやっぱり赤字は出ないようにしなければなりません。多田さんはさらに動物電気の劇団員で東京デスロックも主宰してらっしゃるので、脚本執筆や演出というアーティスティックな部分だけでなく、プロジェクトを立ち上げて公演を成功させるというプロデュースの面でも、常に頭を働かせていらっしゃるのでしょう。

 多田さんは今回の『直線』について多くの言葉で語ってくださいました。少しだけご紹介します。
 多田「タイトル『直線』の意味は、登場する3人がそれぞれ1本の直線であり、彼らは完全に平行に走っていて、決してどこかで交わったり重なったりしないということ。ずっと一方通行。わかりあえない。」
 多田「爆弾が出てきたけれど、第一稿では爆弾ではなくナイフだった。ナイフは扱いが大変で・・・爆弾も大変ですけど(笑)、爆弾の方が良かったですね。」
 多田「この『直線』の世界は普通の世界とは違っていて、人間は2人で1人なのだということにした。だから自分がもう1人いることが当然、自然だという認識で演技をしてもらった。」

 作品についての解説がひと段落したところで、高野しのぶという一観客から見た“多田淳之介”像に迫ろうとがんばってみました。
 まずは多田さんのことが掲載された記事(STUDIO VOICE 2006年6月号カンフェティ2006年9月号内「シバミのミカタ」(演劇ぶっく提供)/シアターガイド2006年10月号)を紹介し、今、いかに多田さんが注目されているのかを説明しました。そして、私と多田さんの作品との出会い(動物電気/東京デスロック/ポツドール/青年団)について1つずつお話しました。過去作品のチラシ(『』『地球の片隅で』)も使い、具体的な材料から多田さんを紹介することを心がけました。

 お客様からのはご質問がたくさん出ました。『直線』の奇抜な演出方法についてはもちろん、『別』をご覧になった方からのご感想もあり、活気のある質疑応答の時間だったように思います。

 30分程度を予定していたのですが、終わってみたら40分あったそうで、大変申し訳なく思っております。今後またこういう機会があったら、その時はしっかり時計を見て、気をつけたいと思います。

★9/3(日)18:30の回のポスト・パフォーマンス・トークに出演いたします。
出演=松田弘子/永井秀樹/天明留理子/石橋亜希子/村井まどか/他
作=宮森さつき(青年団演出部) 演出=多田淳之介(青年団演出部) 照明=岩城保 舞台美術=鈴木健介 宣伝美術=多田淳之介 演出助手=玉邑浩二 制作=二騎の会 総合プロデューサー/平田オリザ 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
日時指定・全席自由・整理番号付 予約2,000円 当日2,300円(9月5日15:00の回は平日マチネ割引 予約1,700円 当日2,000円)
公式=http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks060717.html

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Posted by shinobu at 15:39 | TrackBack

シーエイティープロデュース『Dumb Show(ダム・ショー)』09/01-17シアタートラム

 イギリスの劇作家ジョー・ペンホールさんが2004年に発表した脚本を、鈴木勝秀さんが演出されます。浅野温子さん、浅野和之さん、鈴木浩介さんの三人芝居ということで、チラシのビジュアルもかなり豪華。

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 ≪あらすじ≫ ぴあのサイトより引用。(役者名)を追加。
 軽妙なトークで成功を収めたTVタレント・バリー(浅野和之)に、高額のギャラをちらつかせ、“特別なトークショー”へ出演を持ちかける謎めいた男女、グレッグ(鈴木浩介)とリズ(浅野温子)。
 それは巧妙に仕組まれたゲームの始まりだった。バリーの言葉は真実か、グレッグとリズはバリーに何を語らせたいのか、そして真のゲームの勝者は誰か…。
 ≪ここまで≫ 

 ホテルのスイートルームの豪華な居間で、騙し騙され、化かしあいの応酬・・・かと想像したのですが、それがメインでもなさそうな。
 最初っから「計算ずく」な演技に退屈してしまいました。早口だし段取りっぽいし。おそらくそれが演出意図だったのでしょうけれど。徐々に本物っぽくなっていったのかもしれませんが、全部が全部成功しているようには思えませんでした。
 衣裳がきれいでした。役者さんが美しいからこそ、成立するのでしょうね。

 浅野和之さん。キメ細やかな演技に「うーん、さすがだわ~」と魅せられました。情けない演技がとくに可笑しかった。浅野和之さんを見られただけでよしとします。
 浅野温子さん。抜群のスタイルを堪能いたしました。大胆に開いた豊かな胸元と細くてしなやかなおみ足・・・ほんっとにきれい!見とれまくり。
 鈴木浩介さん。突然変化する演技のバリエーションが元気で楽しかったです。

 ここからネタバレします。
 
 会話の途中で突然ノイズ音が鳴り出し、セットがない部分(天井など)が照明に照らされて、劇場の壁が露出します。そういえばスタッフさんが堂々と場面転換もしていますし、「これはお芝居(嘘)ですよ」という主張を、お話の最中にザクザクと入れ込んでいるんですね。
 ストーリーが騙し合いであると同時に、このお芝居自体も架空のものですよと伝える、メタ芝居の構造なのでしょう。

≪東京、大阪、名古屋≫
出演:浅野温子/浅野和之/鈴木浩介
作=ジョー・ペンホール(JOE PENHALL) 翻訳=常田景子 演出=鈴木勝秀 美術=松井るみ 衣裳=三大寺志保美 音楽=横川忠彦 音響=井上正弘 ヘアメイク=大和田一美 演出助手=金子美和子 版権コーディネーター=マーチン・R,P・ネイラー 舞台製作=クリエイティブ・アート・スィンク/加賀屋吉之輔(吉は上が土) 宣伝=る ひまわり 宣伝美術=バットデザイン 永瀬祐一 宣伝写真=西村淳 宣伝スタイリスト=稲葉加奈子 制作協力=ぷれいす 制作=熊谷由子/倉本康正/吉江麻里菜 プロデューサー=江口剛史 後援=(財)せたがや文化財団 企画=シーエイティープロデュース 主催・製作=シーエイティープロデュース 提携:世田谷パブリックシアター
一般発売6月16日 全席指定(一般):¥6,500
公演詳細=http://www.stagegate.jp/future_14.shtml
ステージゲート=http://www.stagegate.jp/
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/promo/play/dumb_show.jsp
e+Theatrix=http://blog.eplus.co.jp/etheatrix01/2006-08-23dumb

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Posted by shinobu at 13:25 | TrackBack

2006年09月03日

イキウメ『プレイヤー』08/31-09/03サンモールスタジオ

 今、注目の劇団イキウメの新作です。作・演出の前川知大さんの活躍を見逃すなかれ(過去作品のレビュー⇒)。早々に前売り完売し、9/2(土)はなんと夜9時からの追加公演が敢行されました。それも満員御礼だったようです。1日3ステージて・・・恐ろしいですよね(苦笑)。

 ロビーではこれまでの上演脚本、イキウメ特製てぬぐいなどが販売されており、私は前回公演のDVDを購入しました。

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 ≪あらすじ≫
 元也(緒方健児)は知り合いの刑事・二宮(盛隆二)に、姉のマコトの調査を続けてくれるよう頼む。2ヶ月前に失踪したきり何の手がかりもないのだ。マコトの彼氏・佐久間(宇井タカシ)もまたマコトのことが忘れられず、元也がアルバイトしている喫茶店に足繁く通い、毎日のように元也に電話したりもしている。元也は二宮に留守番電話のメッセージが録音されたテープを手渡した。入るはずのない誰かの声が入っているのだ。また、佐久間の体にも不思議な現象が起きていた。自分は無自覚なのだが、勝手にマコトの言葉を話している瞬間があるらしい。
 環境問題解決に尽力する学者でありながら、サトリオルグという団体を主宰している時枝(奥瀬繁)という人物と、元也らが出会うことになり、マコトの裏の素顔が明らかになっていく。
 ≪ここまで≫

 現代日本を舞台にした硬質な本格派SF作品でした。笑いやゆるみは、たやすくは見つけられません。あらすじを書いてみて思ったのですが、話の構造はものすごく巧妙です。私の書いたあらすじだとつまらないです(すみません)。こんな風に一直線に説明するのはもったいない!

 私は超自然現象やカルト集団などのことは身近に感じるタイプなので(特にそういう活動はしていませんが)、この作品で起こる出来事は私の隣りで、すぐそばで起こっているように感じながら、没頭してじっくりと結末を待ちました。

 現実の社会では起こりえない、人間の世界にはありえない(と思われている)ことを、じわりじわりと着実に、起こりえる・ありえることにしていく脚本・演出の力に感服です。
 SFだとはいえ人間の命について大胆な解釈が成され、あらゆる人にわかりやすく作られてはいませんので、苦手な方もいらっしゃるかもしれませんね。私はニヤっとしながら存分に楽しめました。ただ、途中で集中がきれかけたことがなかったわけではないです。説明が長く続いているように感じて、退屈した時じゃないかと思います。

 ここからネタバレします。

 二宮の同僚・八雲(浜田信也)とサトリオルグ主宰の時枝(奥瀬繁)との言い争いは、物質的世界(こちら側)しか信じないと決めている人と、精神的世界(あちら側)を信じきっている人との戦いでした。時枝は、マコトをはじめ神崎(岩本幸子)や二宮らは、身体を脱ぎ捨てて精神だけの世界へと移行したと言いますが、八雲から見たら、起こった出来事はただの集団自殺であり、時枝は自殺ほう助の現行犯でしかありません。

 時枝は「7人が“移行”して、それぞれが7人の知人を仲間にする(自分が乗り移ることが出来るプレイヤーにする)と、7人×7人=49人、次は49人×7人=343人、その次は2401人と増えて、人口が減ることになる。そして環境破壊を縮小できる」と言います。まさか環境問題からそこにつながっていたとは・・・めちゃくちゃ可笑しかったです。ぴりりと皮肉の効いたブラック・ジョークですよね。
 八雲が、神崎に乗り移られて神崎の言葉を話している自分の映像を見たときも、すかさず「これはCGだ!」と言います。んなバカな(笑)。でも信じない人は信じない理由を必死で見つけるものなんですよね。

 マコトという名前は面白いですね。漢字だと真とか、信とか、誠とかが当てはまりそうです。全てはマコトから始まった、わけです。
 ※GUEST BOOKで教えていただきました。マコトは真言という漢字だそうです(戯曲本より)。STさん、ありがとうございました!(2006/09/04加筆)

 当日パンフレットには主宰の宇井タカシさんのご挨拶と、作品説明とも受けとれる作・演出の前川知大さんの文章が書かれています。前川さんの言葉は作品の深みを髣髴させる味わいがあり、面白いです。私は宇井さんの文章も楽しみにしていまして、今回も心打たれるものがありました。劇団の姿勢・主張が表れています。作・演出家が一人で作品を作れるわけではないんですよね。

出演=宇井タカシ・岩本幸子・緒方健児・岡部由美・池上ゆき・浜田信也・盛隆二・國重直也・奥瀬繁(幻の劇団見て見て)・桜井麻樹
作・演出=前川知大 舞台監督=小野八着(JET STREAM) 舞台美術=土岐研一 照明=松本大介(enjin-light) 音響=鏑木知宏(Sound Gimmick) 音響オペ=平井隆史 選曲=303 演出助手=矢本翼子 衣裳=吉岡麻衣/太田家世/(有)アシスト 写真撮影=相川博昭 映像制作=トリックスターフィルム 宣伝美術=高井真 働き者=森下創 制作=吉田直美
自由席2,500円 指定席2,800円 当日3,000円
公式=http://www10.plala.or.jp/ikiume/

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Posted by shinobu at 14:24 | TrackBack

2006年09月02日

RIDEOUT presents『レコンキスタ~ Reconquista ~』08/30-09/03シアターブラッツ

 RIDEOUTのプロデュース公演です。脚本・演出はInnocentSphereの西森英行さん。ほぼ完全に独立した3本の物語のオムニバスでした。

 西森英行さんの作品は2003年から拝見しているのですが(過去作品のレビュー⇒)、今回はかなりシリアスで絶望的な設定の3本でした。希望や愛、救いが作品によっては大いに、または、ほんのりと用意されており、InnocentSphereで感じる集団の真面目さ、真摯な姿勢・まなざしはやはり健在でした。

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 3本目に入った時、1本目のことを完全に忘れることができていたのは嬉しい発見でした。世界に入り込めていたということでしょう。音楽は全体的に、感傷的なムードを少々盛り上げすぎかな~と思いました。

 ここからネタバレします。

【命の露】
 出演=山岸拓生(拙者ムニエル)/中井出健(劇団AUN)/石川美津穂(太田プロダクション)/四十八願智子(InnocentSphere)/日高勝郎(InnocentSphere)

 あらすじ⇒弁護士の佐々木(山岸拓生)は死刑囚・源田具行(中井出健)の再審請求の仕事を引き受けた。初めて会いにいった時にわかったのだが、源田は佐々木の高校野球部時代の先輩で、佐々木が最も慕っていた人物だった。

 高校時代の夏の地方大会・準決勝で負けた後、ひとりで泣きながらロッカーを叩いたりしていた源田こそが、自分にとって本当の先輩の姿だったと、佐々木が語ります。最後には、乳飲み子をかかえて面会に来た妻を追い払っておきながら、独房に帰ってから嘆いて暴れる源田の姿があり、佐々木が信じる本当の先輩像と重なります。

 “本物の自分”なんて自分でもわからないんですから、「他人なんかにわかってたまるか」と思いがちですよね。でも、無我夢中になっている時の自分を見ていてくれる誰かがいたら、その人が本当の自分を知る人になる可能性があるんですね。誰かに見られてることの幸せを想像しました。


【彼女の棲む場所】
 出演=川本裕之(KAKUTA)/黒川深雪(InnocentSphere)/筒井則行(ゴリぱんかにー)/綾田將一(reset-N)

 あらすじ⇒交通事故で若くして死んだ妻(黒川深雪)の四十九日。新一(川本裕之)は法事に来た友人、薫(筒井則行)と三郎(綾田將一)と共に、妻の思い出話を語る。新一は、薫は自分と結婚して不幸せだったに違いないと嘆くが、実はその場で妻の霊(黒川深雪)が皆を見つめていた。

 悲しいけれど心温まる、可愛らしいラブ・ストーリーでした。妻が神様に“最後のお願い”をして、新一を背後から優しく抱きしめるシーンが美しかったです。
 でも、死んだ妻役を演じるのが黒川深雪さんだったので、イキウメ『図書館的人生』の「トロイメライ」を思い出さずにいられなかった・・・。これは観た人しか感じないことですけどね。


【ピエタ】
 出演=岩渕敏司(くろいぬパレード)/加藤和久(ポッシュ企画)/渡辺プレラ(劇団鹿殺し)/金崎敬江(bird's-eye view)/狩野和馬(InnocentSphere)/吉冨亜希子(RIDEOUT)

 あらすじ⇒超未来の地球。5人の死刑囚が政府から指令を受け、ある星に向かって宇宙を旅をしている。その任務を果たせば無罪放免が約束されており、見知らぬもの同士がひとつの目的へと力をあわせていた。しかしながら目的地への道のりは予想よりはるかに厳しく、脱落者が出て・・・。

 いきなり派手な照明演出で開幕し、前の2作品のイメージをガラっと塗り替えました。舞台は宇宙になるし、登場人物にサイボーグはいるし、衣裳もすっかり様変わりします。これが気持ちよかった!役者が色んな役にどんどんと変化する、スピーディーな場面展開もかっこ良かったです。

 カゲキヨ(狩野和馬)は人間の部分が少ししか残っていないサイボーグ体で、収容所内で何人もの人間を冷酷に殺してきました。5人の旅の途中でも仲間を次々と殺してしまいます。しかしカゲキヨの正体は、革命家・イセヤ(岩渕敏司)のフィアンセ・ミサ(吉冨亜希子)が、自らをサイボーグにした姿だったことがわかります。なぜならミサはずっとイセヤを守って、そばに居続けたかったから・・・。カゲキヨとミサが同時に登場してシンクロしていくシーンで、ちょっと泣けました。
 政府が革命軍に倒されて最終戦争がはじまり、核兵器によって地球が殲滅するというエンディングは、ちょっと唐突過ぎる気もしました。でもタイトルが「ピエタ」ですので、終末を描く必要があったのかなと思います。

出演=山岸拓生(拙者ムニエル)/中井出健(劇団AUN)/狩野和馬(InnocentSphere)/川本裕之(KAKUTA)/金崎敬江(bird's-eye view)/黒川深雪(InnocentSphere)/岩渕敏司(くろいぬパレード)/吉冨亜希子(RIDEOUT)/綾田將一(reset-N)/渡辺プレラ(劇団鹿殺し)/筒井則行(ゴリぱんかにー)/四十八願智子(InnocentSphere)/石川美津穂(太田プロダクション)/加藤和久(ポッシュ企画)/日高勝郎(InnocentSphere)
作・演出=西森英行(InnocentSphere) 照明=斎藤真一郎(A.P.S.) 音響=高橋秀雄(SoundCube) 美術=松本わかこ 小道具=蕪木久枝 宣伝美術=風見尚子(InnocentSphere) スチール=坂田敏夫 演出助手=田村友佳(KAKUTA) 舞台監督=中村貴彦 制作=RIDEOUT アシスタントプロデューサー=宮永琢生 プロデューサー=田中浩補
7/8前売り開始 全席自由 前売3000円 当日3300円
公式=http://www.rideout-inc.com/

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Posted by shinobu at 22:20 | TrackBack

【お知らせ】9月2日(土)夜にFM西東京「たけがき2」に出演します

 FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に出演いたします。毎月第一土曜日のレギュラーです。
 今回は前半にペンギンプルペイルパイルズ『道子の調査』の感想をお話して、後半は9月に観られるお薦めお芝居3本をご紹介します。そして明日、9/3(日)18:30開演の『直線』終演後の、ポスト・パフォーマンス・トークの宣伝もさせていただきます。

 西東京市およびその周辺地域でお聴き頂けます。
 9月2日(土)21:30~22:00(の内の約10分間)
 FM 84.2MHz

 ※実は・・・・PODCASTINGが始まっております。こっそりと・・・(全然こっそりじゃないけど)。今まで怖くてこのサイトでは言えなかったんですが、隠してる場合じゃない(てゆーか隠せてない)ので、やっとこさこちらでもお知らせをば・・・。どうぞお許しをっ!
 放送当日の深夜までにウェブ上にアップされるようです。

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Posted by shinobu at 21:32 | TrackBack

Ort-d.d U-30プロジェクトvol.2『サド侯爵夫人』08/30-09/03アトリエ・センティオ

 Ort-d.d(オルト・ディーディー)は演出家の倉迫康史さんが主宰される劇団です。U-30プロジェクトとは30代以下の俳優を育てるプロジェクト。今回が2回目です(1回目のレビュー⇒『乱篇』、『夢篇』)。
 私は『サド侯爵夫人』を観るのはおそらく3度目なんですが(同作品のレビュー⇒)、「これは私のことだ!」と、激しく身につまされたのは今回が初めて(苦笑)。

 若い女優の声と言葉に圧倒される刺激的な三幕芝居です。今の小劇場に多い、静かめの現代口語劇ではありません。演出はかなり大胆ですのでお好みは分かれると思います。上演時間は約2時間(休憩なし)。けっこうハードなので心して臨んで下さい!

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 作品のあらすじ・解説は新国立劇場の『サド侯爵夫人』のページでどうぞ。

 白い壁に包まれたアトリエ・センティオの中央一帯が舞台。客席がステージを三方からコの字に囲み、各回40名限定の密度の高い空間です。美術は置きランプが数個とイス数脚のみの極シンプルなもの。その替わり衣裳のドレスがものすごく豪華で、大胆なデザインで役の性格を鮮やかに表現しています。天井から吊られている照明器具が、役者の立ち位置にピタっとはまるようになっており(役者がその照明の下に行くのですが)、まるで空間に絵を描くように、光と影を操っていました。例えば、顔と体はオレンジ色で照らすけれど、そこから斜め上に伸ばした手は影になって真っ黒になったりします。かっこいい!

 三島由紀夫の『サド侯爵夫人』ですから・・・それはもう猛毒の宝石のような言葉の嵐。当日パンフレットの演出家の言葉によると「一人の怪物に青春を費やす人々の物語として演出しました」とのこと。観終わってすごく納得でした。私も第2幕でサド侯爵夫人・ルネらと一緒に燃えて、そして第3幕で燃え尽きました(苦笑)。
 
 セリフの言い方、つまり人間が声を出すにはさまざまな方法があって(ささやいたり、つぶやいたり、吐き捨てたり、怒鳴ったり・・・等)、音量、表情、動き、精神状態(意志)などのあらゆる要素が組み合わさって、演技というものがあるんですよね。なんだか途方にくれるぐらいの組み合わせがありそう・・・。この作品では声と言葉に重点が置かれているようでした。普段は絶対にしゃべらないような言葉遣いなのに、感情がしっかりと言葉に乗っています。そして体が声を、仲良く寄り添うように支えているように感じました。若い女優さんの圧倒的な存在感・・・こんなの味わったことない気がする・・・。

 サド侯爵夫人・ルネ役の杉村誠子さんと、ルネの母親・モントルイユ夫人役の小田さやかさんが素晴らしいです。もー驚嘆です。私、なぜか歯軋りしながらぼろぼろ泣いてました(苦笑)。2人の対話のシーンは必見。

 ここからネタバレします。でも、読んでから観に行ってもたぶん大丈夫だと思います。
 
 話し方のバリエーションをひとつずつ、じっくりと味わえる丁寧なセリフ運びです。でも動きにはふんだんに遊びがあって、例えばルネ(杉村誠子)とその妹アンヌ(浅野葉子)は、バスケットボールをする動作をやりながら会話したりします。

 ルネが「私はアルフォンス(=サド侯爵)」と言った時、自分にもサド侯爵のように悪徳にふける人間になりたいという欲望があると感じ、ゾクゾク興奮しました。同じくルネが「私はジュスティーヌ(=サド侯爵が獄中で書いた物語の不幸な主人公)」と言った時も、自分が、自分の想像する(狭い)世界の中で、身勝手な献身や真面目、貞淑に酔っていることに気づきました。すっごく傷ついた(笑)。
 そう、この「傷つく」という感覚が大切だと、今、強く感じています。私は劇場で、体験できないような人生を体験し、生まれ得なかった感情を自分の中から生み出して、普通に生きているだけでは学べないことを、学ぶことができているのだと思います。

"la Madame de Sade" 私が拝見したのはBキャスト。
出演=Aキャスト:小田さやか/杉村誠子(楽園王)/平佐喜子/渡辺麻依/金子由菜/凪景介 Bキャスト:小田さやか/杉村誠子(楽園王)/浅野葉子/平佐喜子/住吉梨紗/小林紀貴
作=三島由紀夫 構成・演出=倉迫康史 照明=木藤歩 衣裳=竹内陽子・川田佳代 ヘアメイクプラン=竹澤綾子 メイク=住吉梨紗 宣伝美術=ハコファクトリー 主催=Ort-d.d
予約・当日ともに2000円 各回40名限定
公式=http://www16.plala.or.jp/ort/index.html

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Posted by shinobu at 11:22 | TrackBack

2006年09月01日

経済とH『北限の猿』08/31-09/03明石スタジオ

 経済とHは佐藤治彦さんが主宰する演劇ユニットです。第一回公演は平田オリザさんの脚本をブラジルブラジリー・アン・山田さんが演出されます。私は『北限の猿』は初見。ブラジリー・アン・山田さんが部分的に脚本に変更を加えられているようです。

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 ≪作品紹介≫ こちらより引用。
 学生のたまり場となっている、いわゆる猿学の研究室。
 遺伝や進化から自分たちの恋愛まで雑談が飛び交い、
 猿の生態観察の生々しい現場の迫力が伝わってくる。
 猿についての言及がそのまま人間への言及ともとれる、人間考察の書。
 ≪ここまで≫ 

 研究室で研究している人たちが大勢登場します。白衣の男女がたまってぺちゃくちゃしゃべってる状態。
 いろ~んな小劇場劇団に所属する若い役者さんが大勢出演されており、「あぁ、こんなところにあの人が!」「あぁ、あの劇団の人も!」と、コアな演劇ファンならではの楽しみがありました。作品全体としては残念ながら寄せ集め感がぬぐえない状態でしたね。

 ここからネタバレします。

 ラストシーンが良かったです。鈴真紀史さん(生化学の学者?)がサヴァンナの遠くを見つめて直立歩行する猿の話をしている時、私にも広い草原が見えました。また、足利彩さん(妊娠した大学生)がイスの上に立って、もうひとつのイスへとジャンプしようとするシーンは、一人で歩こうとする猿=女という風に重なり、じ~んと来ました。女性ふたりが美しかったです。これは演出家のオリジナルだったのかしら。もともとの脚本にはないらしいです(伝聞です。すみません)。

出演=滝寛式(はえぎわ)/青木綱介/鯨エマ(海千山千)/内山奈々(チャリT企画)/山本了(同居人)/健太郎(マチネキャスト)/石井汐(乞局)/鈴真紀史(はえぎわ)/成川知也(ヒンドゥー五千回)/足利彩/中村早香(ひょっとこ乱舞)(マチネキャスト)/佐藤治彦/外山博美(桟敷童子)/森由果/清水直子(俳優座)/井上亜紀(J.CLIP) ソワレキャスト=近藤佳秀(バジリコFバジオ)/田中あつこ(バジリコFバジオ) ※私が拝見したのはマチネです。
作=平田オリザ 演出=ブラジリィー・アン・山田 舞台監督=甲賀亮/後藤優也 舞台美術=小林奈月 照明=田中稔彦 宣伝美術=木下実香(バジリコFバジオ) ロゴデザイン=松尾貴史 プロデュース=佐藤治彦 制作=経済とH
発売開始7月1日 日時指定自由 前売2500円 当日2700円 8月31日(木)午後7時、9月1日(金)午後3時は前売2000円 当日2200円
公式=http://keizaitoh.blog43.fc2.com/
公式ブログ=http://keizaitoh.at.webry.info/

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Posted by shinobu at 18:10 | TrackBack

青年団リンク・二騎の会『直線』08/31-09/06アトリエ春風舎

 青年団リンク・二騎の会は、青年団演出部に所属する宮森さつきさん(脚本)と、多田淳之介さん(演出)のユニットです。⇒過去作品のレビュー

 TOPページおよびメルマガ8月号9月号でも宣伝中ですが、9/3(日)18:30開演の回終了後のポスト・パフォーマンス・トークに出演し、演出の多田淳之介さんとお話します!多田さんの作・演出作品のレビュー⇒
 まだチケットはあるようですので、ぜひいらしてください♪⇒オンライン予約

 さて、わっくわくの初日を拝見してまいりました。三人芝居を5人の出演者で演じる・・・予想通りのトリッキーな演出でしたが(笑)、初日ということで、まだ手探りをされているように感じました。9/3(日)ソワレが楽しみです。

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 レビューをアップしました(2006/09/07)。

 【関連記事(2006/09/08追加)】
  ⇒二騎の会の紹介
  ⇒初日のレビュー(このエントリーです)
  ⇒2回目のレビュー
  ⇒ポスト・パフォーマンス・トーク

 ≪あらすじ≫
 地下鉄での自爆テロ事件から、模倣犯による爆破事件が断続している東京。富田京子(石橋亜希子)の家の前で、山根(永井秀樹)とあや(村井まどか)が数年ぶりにばったり再会した。ふたりとも何かわけがありそうないでたちだ。
 京子がテロの被害者の合同葬儀から帰ってきて、3人は京子の部屋で共通の友人・佐伯について話し始める。佐伯は1ヶ月前のテロの被害者で、京子は今も佐伯の死のショックから立ち直れていない。テロをおこしたのは一心会(いっしんかい)という宗教団体に所属していた男で、山根の友人だった。
 ≪ここまで≫

 舞台はフローリングの床に白い壁の、こぎれいな部屋。女の子らしい小物がざくざく転がっているのに、生活感はあまりありません。
 公式ページのあらすじを読んで、もっときな臭いもの(爆弾とか戦争とか)を想像していたのですが、いつどこで死ぬかわからないという危機的状況は、あまり重要ではなかったようです。むしろ役者さん5人が代わる代わる紡いでいく奇妙な会話を、それぞれの人物像を探りながら慎重に受け止めていくことに集中した1時間30分でした。私は目の前で起こることの最終的な着地点を待つことで精一杯でしたね。

 脚本を購入してチラっと読んでみたのですが、実際のお芝居と全然印象が違います。こんなに平易な言葉だったっけ?って、驚きました。普通に三人芝居をしても、解釈の違いだけでものすごい種類の展開が作られる、厚みのある脚本だと思いました。また、意外にロマンティックなセリフが多いんですね(サラっと軽く読んだ時の印象です)。これをダサくなく、クサくなく表現するためにはかなりの工夫が必要なんじゃないかしら、と。素人ですがそんな風に思いました。

 ここからネタバレします。

 夫および姑との仲がうまくいっていない(そして山根に心を寄せている)あや、自爆テロをおこした一心会の同志・津田との関係で警察に追われている(そして京子のことが好きな)山根、テロで死んだ佐伯のことを思い続け、自暴自棄な生活をしている京子。8年ぶりに出会った三人の心はすれ違い続けます。

 山根役は永井秀樹さんお一人ですが、あや役は村井まどかさんと松田弘子さん、富田京子役は石橋亜希子さんと天明留理子さんが演じられます。1人を2人で演じる、しかも同一人物なのに同時に舞台上に存在するという、明らかに不条理な世界で三人芝居が描かれます。・・・観客はすごく戸惑いますよ、最初は(苦笑)。

 徐々に慣れてくると、なぜ2人なんだろう、何の意味があるんだろうと、演出意図が知りたくなりました。
 山根「俺だったのかもしれない。(自爆テロは)俺がやってたのかもしれない。」(上演台本より引用)
 この言葉をきっかけに、ボロボローッと涙が流れました。初日を観た限りでは、このシーンで2人1役の効果が最も鮮やかに表れていたように思います。
 “あや”と“京子”はそれぞれ1人の人物ですが、2人で演じることによって、今の日本を生きる不特定な誰かを表す存在だと思えるようになっていました。だから山根のこのセリフで、津田と山根が重なり、同時に舞台上の5人全員がテロ実行犯であるようにも見えてきて、そして「私自身も津田なのかもしれない(自爆テロを起こした張本人かもしれない)」と、強く思い知らされることになったのです。

 山根は津田が持っていた爆弾と全く同じものをポケットにしのばせていました。その爆弾が出てきてからはもー、私、ドキドキで、「爆発したらどーすんのっ!?」と、登場人物以上にナーバスになってました(苦笑)。だから、会話劇を楽しめる精神状態ではなかったですね。爆弾は・・・つらかったな。

 それにしても・・・あの、あやっていう女性、ムカつきましたっ(笑)。「超無神経!もーだまっててよっ!」とか思っちゃったよ。「山根さんは」「山根さんは」って、“山根さん”連呼してウザイしさー、「佐伯さんの話しないで」って京子が怒ってるのに、その後も次々と「佐伯さん」「佐伯さん」って持ち出すしさーも~っ!・・・熱くなっちゃった、すみません(苦笑)。
 そういえば「○○さん」という呼び方がすごくいっぱい出てきて、誰が誰のことなんだかわかりづらかったです。どしゃぶりの野音でいっぱい暴れてたんなら、あだ名で呼び合ったりする仲なんじゃないかと思ってたんですけどね。それほど仲良しじゃなかったのかな。

 あと、これは重大な勘違いだったんですが、私はてっきり、あやと京子は昔から佐伯さんを取り合うライバル同士だったと受け取ったんですが、あやは山根さんが好きなはずなんですよね(あらすじにはそう書いてあります)。だから色々と腑に落ちないセリフ、展開が多かったです。

 ⇒9/3(日)18:30の回のレビューに続く。

★9/3(日)18:30の回のポスト・パフォーマンス・トークに出演いたします。
出演=松田弘子/永井秀樹/天明留理子/石橋亜希子/村井まどか/他
作=宮森さつき(青年団演出部) 演出=多田淳之介(青年団演出部) 照明=岩城保 舞台美術=鈴木健介 宣伝美術=多田淳之介 演出助手=玉邑浩二 制作=二騎の会 総合プロデューサー/平田オリザ 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
日時指定・全席自由・整理番号付 予約2,000円 当日2,300円(9月5日15:00の回は平日マチネ割引 予約1,700円 当日2,000円)
公式=http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks060717.html

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Posted by shinobu at 13:06 | TrackBack

メルマガ 2006年09月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2006年9月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 28     2006.9.1  1,002部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎8月は京都、福岡、大阪と、私にしては珍しく移動が多かったです。
  東京を離れるだけで思考が自由になって、広がる気がしました。
  劇場以外の旅にも、もっと出なきゃな~と思いました。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
     http://blog.mag2.com/m/log/0000134861


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→世田谷パブリックシアター『敦-山月記・名人伝-』
     09/01-18世田谷パブリックシアター
       http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→東宝芸能『しあわせのつぼ』
       08/04-13ル テアトル銀座
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0808011321.html

 ◆3【9/3(日)夜、ポストパフォーマンストークに出演します!】

   ◎青年団リンク 二騎の会『直線』
    08/31-09/06アトリエ春風舎
     http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks060717.html

 ◆4【お薦め芝居の前売情報 劇団、本谷有希子『遭難、』】

   ◎旬の人、本谷有希子さんの新作です!
    http://www.motoyayukiko.com/

 ◆5【佐藤佐吉演劇祭2006の公式レビュアーになりました】

   ◎面白い劇団が集まった時だけ開催されるフェスティバル!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0830030836.html

 ◆6【編集後記】

   ◎当メルマガの読者数が1,000人を突破しました!
   ◎チェルカスキイ・ワークショップにどっぷりの夏でした。
   ◎9月2日夜にFM西東京『たけがき2』に出演します。

 ◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・コメント・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


★1.世田谷パブリックシアター企画制作『敦-山月記・名人伝-』
  09/01-18世田谷パブリックシアター
  ☆出演=野村万作/野村万之介/野村萬斎/他
   原作=中島敦 構成・演出=野村萬斎
   S席7,000円/A席5,000円 
   TSSS(学生会員割引)S席3,500円/A席2,500円
   世田谷区民割引、会員割引あり ※未就学児童の入場不可
    http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/

   ●お薦めポイント●

   初演の時に、野村萬斎さんが朝日舞台芸術賞を受賞しています。
   野村万作さんの「虎」は必見!
   初演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0906235939.html


★2.シス・カンパニー『獏のゆりかご』
  09/01-29紀伊國屋ホール
  ☆出演=杉田かおる/高橋克実/マギー/段田安則/小松和重/
      池谷のぶえ/明星真由美/安田顕(TEAM NACS)
   作・演出=青木豪(グリング)
   前売り・当日ともに6800円
    http://www.siscompany.com/03produce/15baku/index.htm
   メルマガ7月号のお薦め前売り情報でもお知らせしました。
   シス・カンパニーが初めて新作をプロデュースします。
   作・演出の青木豪さんは、今最も注目される劇作家・演出家の一人です。


3.松竹『魔界転生』
  09/02-26新橋演舞場
  ☆出演=中村橋之助/成宮寛貴/藤谷美紀/馬渕英俚可/他
   原作=山田風太郎 脚本・演出=G2
   1等席12,600円 2等席8,400円 3階A席4,200円
   3階B席2,520円 1階桟敷席13,650円
    http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/0609/index.html
   映画でも有名な『魔界転生』を舞台化。超豪華キャストですね。


4.(株)パルコ/(株)Me & Herコーポレーション
  『プライベート・ライヴズ』09/04-24青山円形劇場
  ☆出演=葛山信吾/久世星佳/西川浩幸/ともさと衣
   作=ノエル・カワード 台本=飯島早苗 演出=山田和也
   前売り・当日ともに7,500円
    http://www.parco-play.com/web/page/information/private/
   飯島早苗さんが台本を手がけられるのが楽しみ。


5.ホリプロ『オレステス』
  09/06-10/01シアターコクーン
  ☆出演=藤原竜也/中嶋朋子/北村有起哉/他
   作=エウリピデス 翻訳=山形治江  演出=蜷川幸雄
   S席9,000円 A席7,500円 ※中2階立見券(3,500円)は発売中。
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=75
   蜷川幸雄さん演出の、超豪華キャストのギリシア悲劇。


6.つかこうへいゴールデンシアター
  『蒲田行進曲~城崎非情編~』09/12-27青山劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演=錦織一清/黒谷友香/風間俊介/佐藤アツヒロ/他
   作・演出=つかこうへい 
   S席 9,500円 A席 8,500円
    http://www.kamata2006.net/
   つかこうへいさんが作・演出する『蒲田行進曲』です!必見!


7.文学座『ゆれる車の音~九州テキ屋旅日記~』
  09/14-24紀伊國屋サザンシアター
  ☆出演=角野卓造/塩田朋子/たかお鷹/他
   脚本=中島淳彦 演出=鵜山仁
   一般5500円 ユースチケット(25歳以下)3800円 中・高校生2500円
    http://www.bungakuza.com/yurerukuruma06/index.html
   中島淳彦さんの脚本を次期新国立劇場芸術監督の鵜山仁さんが演出。
   角野卓造さんをはじめ、キャストも豪華です。


8.新感線☆NEXUS vol.2『Cat in the Red Boots』
  09/15-28東京グローブ座
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演=生田斗真/松本まりか/すほうれいこ/粟根まこと/梶原善/他
   作=戸田山雅司 演出=いのうえひでのり
   S席 8,500円 A席 7,500円 B席 5,500円
    http://www.vi-shinkansen.co.jp/
   新感線の新作。脚本は戸田山雅司さんです。


★9.新国立劇場演劇『アジアの女』
  09/28-10/15新国立劇場小劇場
  ☆出演=富田靖子/近藤芳正/菅原永二/峯村リエ/岩松了
   作・演出=長塚圭史 
   A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円 当日学生券=50%割引
  ※追加公演決定!
    10月 7日(土)18:00開演
    10月14日(土)18:00開演
   追加公演のチケット発売日⇒9月3日(日)10:00~
    http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000113.html
   本チラシに追加公演の情報が載っていました。大人気なんですね。
   長塚圭史さんの新作は見逃せません。新国立劇場に初登場!


10.M&Oプロデュース・オリガト・プラスティコVOL.3
  『漂う電球』09/28-10/09本多劇場
  ≪東京、名古屋、大阪、神奈川、宮崎、福岡≫
  ☆出演=岡田義徳/伊藤正之/広岡由里子/町田マリー/渡辺いっけい
   作=ウディ・アレン 演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   前売5,500円 当日5,800円(東京・大阪)
    http://www.morisk.com/
   ウディ・アレンの作品をケラさんが演出。豪華キャストです。


 ※今月登場する有名演出家(初日順)↓
  野村萬斎、G2、山田和也、蜷川幸雄、つかこうへい、
  鵜山仁、いのうえひでのり、長塚圭史、
  ケラリーノ・サンドロヴィッチ・・・という豪華さ!
  大人計画フェスティバルも入れると松尾スズキさんもですね。

  これだけで10作品になっちゃう・・・ので、
  他の作品も多めにご紹介いたします。

 ★★★―――――――――――――――――――――――――――――― 
  3000円台以下の話題作・お薦め作品を6本ご紹介します。
 ――――――――――――――――――――――――――――――★★★ 

【1】クロムモリブデン『猿の惑星は地球』
  09/12-17中野ザ・ポケット
  ≪東京、大阪≫
  ☆作・演出=青木秀樹
   前売り2800円/当日3000円
   高校生以下は当日3000円→1000円
   9/12、13は早期観劇割引2800円→2500円 
   9/14マチネは昼ギャザで最大1000円キャッシュバック
    http://www.crome.jp/
   本拠地を大阪から東京に移したばかりの劇団です。


【2】庭劇団ペニノ『アンダーグラウンドUNDER GROUND』
  09/15-20ザ・スズナリ
  ☆作・演出:タニノクロウ
   前売自由席2800円 前売指定席3000円
   当日自由席3000円 当日指定席3200円
   9/20 13:00の回は昼ギャザで底値2000円。
    http://www.niwagekidan.org/
   前回公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0115174456.html


【3】パラドックス定数『38℃』
  09/22-24スペース・エッジ
  ☆作・演出=野木萌葱
   前売り2500円(全席自由)
    http://www.paradoxconstant.com/labo/
   前回公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0514120849.html


【4】ヨーロッパ企画『ブルーバーズ・ブリーダーズ』
  09/22-10/01ザ・スズナリ
  ≪京都、東京、福岡、札幌、大阪、米原、福山≫
  ☆作・演出=上田誠
   前売3,000円 当日3,300円(椅子席・ベンチ席)
   ※未就学児入場不可
    http://www.europe-kikaku.com/
   平日の昼公演以外は売り切れ間近!(東京公演)


【5】渡辺源四郎商店『背中から40分』
   09/24-10/04こまばアゴラ劇場
  ☆作・演出=畑澤聖悟
   前売=一般3,000円/学生2,000円/高校生以下1,000円
   当日=一般3,300円/学生2,300円/高校生以下1,300円
    http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_9/nabegen.html
    http://xbb.jp/wgs
   青森県の劇団です。畑澤聖悟さんの作品は誰にでもお薦めできます。


【6】むっちりみえっぱり『表へどうぞ』
  09/29-10/02アトリエヘリコプター
  ☆前売り1500円 当日1700円(全席自由)
    http://mucchirimieppari.com/
   前回公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0217152456.html


 ★ダンス、その他のイベント等(私は観られません・・・)

  ○大人計画『大人計画フェスティバル』
   09/09-10旧西落合中学校(多摩市)
    http://www.otonafes.jp/

  ○イデビアン・クルー『補欠』
   09/21-24世田谷パブリックシアター
    http://www.idevian.com/

  ○チェルフィッチュ『体と関係のない時間』
   09/22-24京都芸術センター・フリースペース
   「Freeing the Mind、抽象再訪」演劇公演
    http://www.kac.or.jp//theatre/chelfitsch.html


 ◎しのぶの今月の全予定(30本+α)はSCHEDULEに掲載しています。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html

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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.東宝芸能『しあわせのつぼ』
  08/04-13ル テアトル銀座
  ☆20代の息子を持つ主婦の、超熱々のラブ・ストーリー。
   男も女も、いくつになっても恋愛が必要で、恋愛があれば
   しあわせになれるって、本気で信じたくなりました。
  *レビューはこちら↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0808011321.html
   メルマガ5月号では、お薦め前売情報として宣伝しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0501000712.html


2.ハイリンド『牡丹燈籠』
  08/16-20「劇」小劇場
  ☆若手俳優・演出家が円朝の怪談に挑戦。感情がびしびし伝わってきて
   心臓はバクバク、足はガクガク!高密度&高純度の人情劇でした。
  *レビューはこちら↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0819004440.html


3.劇団昴 ザ・サード・ステージ
  『猫の恋、昴は天にのぼりつめ』07/21-08/03三百人劇場
  ☆畑澤聖悟さんの脚本にまたヤラれました・・・涙がボロボロ~っ。
   猫役の西本裕行さんが素晴らしかった。
  *レビューは途中です↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0801172507.html


 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000134861
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  8月(観劇数は23作品)は残念ながら発行しませんでした。

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 ◆3 【9/3(日)夜、ポスト・パフォーマンス・トークに出演します!】
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  メルマガ8月号↓でも宣伝させていただきましたが、
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0801001000.html

  9月3日(日)夜(明後日です!)の
  ポスト・パフォーマンス・トークにゲスト出演いたします。

 ◎青年団リンク 二騎の会『直線』
  08/31-09/06アトリエ春風舎
  ☆作=宮森さつき(青年団演出部) 演出=多田淳之介(青年団演出部)
   出演=松田弘子/永井秀樹/天明留理子/石橋亜希子/村井まどか/他
    http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks060717.html

  青年団リンク・二騎の会は、青年団演出部に所属する
  宮森さつきさん(脚本)と、多田淳之介さん(演出)のユニットです。

  私は9/3(日)18:30開演の回終了後に、多田さんとお話します。
  楽しいお話になるようがんばりますので、ぜひいらしてください♪

  多田さんが手がけられた作品のレビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1028143321.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0404205211.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0601155534.html

 【チケットは予約受付中です】 
  
   日時指定・全席自由・整理番号付 
   予約2,000円 当日2,300円
   9/5(火)15:00の回は平日マチネ割引:予約1,700円 当日2,000円

  ・お問い合わせ⇒青年団 03-5432-1515
   http://www.seinendan.org/ ←オンラインチケット予約あり

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 ◆4 【お薦め芝居の前売情報 劇団、本谷有希子『遭難、』】
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 ◎劇団、本谷有希子『遭難、』
  10/12-19青山円形劇場
  ☆作・演出=本谷有希子
   出演=松永玲子(ナイロン100℃)/つぐみ/
      佐藤真弓(猫のホテル)/吉本菜穂子/反田孝幸(文学座)
   劇団=http://www.motoyayukiko.com/
   公演特設=http://www.motoyayukiko.com/sounan/index.html

  本谷有希子さんは演劇界だけでなく文芸界でも旬の人。
  小説「生きてるだけで、愛」が芥川賞の候補になりました。
  なんと弱冠27歳の、とっても可愛らしい女性です。
  私は彼女の舞台にかなりのぞっこん状態♪ぜひ新作をご覧ください。

  過去公演のレビュー
  『密室彼女』(2006年)
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0505220902.html
  『乱暴と待機』(2005年)
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0416123058.html
  『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2004年)★映画化されます!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1111002834.html

 【チケット情報】

  前売り開始 9月2日(土)10:00~

  前売:3,800円 当日:4,000円(全席指定)

  お問い合わせ⇒劇団、本谷有希子 090-4178-9439
   http://www.motoyayukiko.com/

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 ◆5 【佐藤佐吉演劇祭2006の公式レビュアーになりました】
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 ◎佐藤佐吉演劇祭は、独創性のある企画を次々と展開している王子小劇場が、
  自信を持ってお薦めする劇団が集まった時だけ開催される演劇祭です。
  だから毎年あるわけじゃないんですね。今回は2年振り、2度目の開催です。

  佐藤佐吉演劇祭2006『劇視力2.0「物語の現在地」』
  10/04-12/05王子小劇場
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0830030836.html

  この度私はフェスティバル参加作品のすべてを観て、そのレビューを書く
  公式レビュアーになりました!

  公式レビュアーは私の他にも2人いらっしゃいまして、
  筋金入りの演劇ファン(笑)3人の感想が、全9作品について公開されます。
  王子小劇場のサイトでクロスレビューが実現するんですね。
   ※例:コミックのクロスレビュー↓
    http://comitsu.com/review.php

 ≪上演作品ラインナップ≫

 1.乞局『廻罠(わたみ)』10/04-09
    http://kotubone.hp.infoseek.co.jp/

 2.チャリT企画 『アベベのべ』10/13-17
    http://www.chari-t.com/pc/pc_top.html

 3.smartball『My Legendary Girlfriend』10/20-24
    http://smartball.yep-web.com/

 4.自己批判ショー『zico-hihan-show THE MUSICAL「木曜の男」』10/27-30
    http://www.zico-hihan.com/

 5.リュカ.『vocalise(ヴォカリーズ)』11/02-06
    http://www.lyka.net/

 6.メタリック農家『食欲の秋新作公演「食」』11/08-12
    http://www.metanou.com/

 7.無機王『吉田鳥夫の未来』11/16-19
    http://www.mukioh.org/

 8.elePHANTMoon『シュナイダー』11/22-26
    http://www.elephant-moon.com/

 9.ブラジル『恋人たち』11/29-12/05
    http://www.medianetjapan.com/10/drama_art/brazil/
  
  10月4日からの約2ヶ月間、毎週王子小劇場に通います(笑)。
  なるべく初日に伺って、公演期間中にレビューをアップして、
  面白い作品を紹介したいと思っています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆6 【編集後記】
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 ◎当メルマガの読者数が1,000人を突破!ありがとうございます!!
  2004年7月1日発行開始から2年と2ヶ月…。
  長いようで短い年月でごじゃりました。
  これからもコツコツがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


 ◎8月はチェルカスキイ・ワークショップの取材が最高に楽しかったです。
  初日、中日、最終日、そしてシンポジウムのレポートをまとめました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0818121726.html


 ◎小劇場の いま にふれる劇評サイト「wonderland」に寄稿しました。
  『TOKYOSCAPEで、KYOTOトリップ!
   - 東京6劇団による同時多発公演 in 京都』
   http://www.wonderlands.jp/index.php?itemid=509
  週刊の無料メルマガに掲載されたものです。
   http://www.wonderlands.jp/info/subscription.html


 ◎イキウメ『Player』08/31-09/03サンモールスタジオ
  ☆作・演出=前川知大
   自由席2,500円 指定席2,800円 当日3,000円
    http://www10.plala.or.jp/ikiume/
   今、注目の若手劇団イキウメの新作が昨日開幕しました。
   なんと初日の数日前に前売りは完売、追加公演も完売です。
   当日券については劇団にお問い合わせください。


 ◎毎月第一土曜日は、FM西東京の演劇情報番組「たけがき2」に
  レギュラー出演させていただいております。
   http://takegaki.k-free.net/
  今月は9月2日(土)の夜に出演します。


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  「これは面白いよ!」というお薦め邦画情報モトム!
  お問い合わせフォーム↓
   http://www.shinobu-review.jp/contact/
  8月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「県庁の星」
   http://www.kaikaku-movie.jp/
  ・「埋もれ木」
   http://www.oguri.info/movie/umoregi/
  ・「明日の記憶」
   http://www.ashitanokioku.jp/
  ・「かもめ食堂」★超良かった~♪
   http://www.kamome-movie.com/


 ◎2005年11月にセミナーにゲスト出演いたしました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1107002836.html
  セミナー開催を希望される方は、是非ひとこと↓お寄せください!
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0331235959.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 00:10 | TrackBack